JP2005060630A - 廃プラスチックの熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、細かい異物を含有したままで溶融廃プラスチックの送液性に優れ、且つ効率の良い加熱及び脱塩素ができるばかりでなく、熱処理後に固化した廃プラスチックの粉砕性も改善可能な廃プラスチックの熱処理装置を提供することを目的としている。
【解決手段】熱媒体が通過するジャケット方式の側壁を有し、廃プラスチックを受け入れ、溶融状態に保持する容器と、該容器底部の排出バルブから抜き出した溶融廃プラスチックを容器上部へ再装入する循環用配管と、容器上部から抜き出した排ガスの清浄手段と、前記熱媒体の供給手段とを備えた廃プラスチックの熱処理装置を改造した。すなわち、前記循環用配管の前記排出バルブと前記容器上部の間に、溶融廃プラスチックを移送する内転式ギアポンプ及び移送される溶融廃プラスチックを前記熱媒体で昇温する熱交換器を配設するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、廃プラスチックの熱処理装置に係わり、詳しくは、廃プラスチックを再利用するために好適な熱処理装置に関する。
近年、廃プラスチックを化学工業等で固体還元剤、固体燃料として有効利用することが検討されている。これは、廃プラスチックを微粉化すると還元作用や燃焼性が飛躍的に向上し、有用な資源となり得るためである。
ところで、廃プラスチックを固体燃料に転化するこれまでの技術は、廃プラスチックをそのまま前処理なしで直接に、粉砕機で微粉砕するものである(非特許文献1参照)。しかしながら、廃プラスチックの粉砕は難しい点が多々あり、従来の技術では、1〜2mmの粒度にまでしか粉砕できず、しかも、この粉砕に多大の時間と費用を要していた。また、繊維状やフィルム状の廃プラスチックは粉砕がさらに難しいため、別途、溶融固化後に粉砕しなければならず、工程が複雑になるし、その固化後の粉砕でもやはり困難であるという問題があった。
さらに、例えば家庭等から排出される廃プラスチックを高炉で鉄鉱石等の還元剤や燃料として用いる場合、該廃プラスチックにはポリ塩化ビニル(以下、PVCとも記す)等の塩素含有プラスチックが混入しているため、そのまま用いると塩化水素等のガスが発生し、高炉の炉体を損傷する等の問題を起こす。そのため、PVC等の塩素含有プラスチックを事前に分離除去したり、廃プラスチックを加熱、脱塩素処理、冷却固化してから、高炉へ投入するようにしていた(特許文献1参照)。
この廃プラスチックの加熱、脱塩素処理には、従来より、撹拌手段を備えた溶融槽を用い、該溶融槽を外熱(間接加熱)方式にして廃プラスチックを加熱する方法が一般的であった。しかしながら、かかる外熱方式の溶融槽をスケールアップし、実際の工業設備として使用するには、それだけでは加熱のための伝熱面積が不足するという問題があった。例えば、逆円錐型の溶融槽を相似形で大型化すると、体積は槽直径の3乗で大きくなるのに対し、表面積(すなわち、伝熱面積)は槽直径の2乗でしか大きくならない。そして、単位被処理物あたりの伝熱面債は、槽直径の2/3乗に比例して大きくなるため、溶融槽の大型化に伴い伝熱面積が不足するのである。
そこで、この問題を解決するため、送液ポンプを使用して溶融槽とは別の所に廃プラスチックを移送して加熱する方法が提案されている(特許文献2、3及び4参照)。廃プラスチックは、一般にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等からなり、その溶融温度はこれらの組成に依存するが、およそ180〜280℃程度である。また、溶融時に脱塩素処理を施す場合には、溶融プラスチックを一般に250℃以上に加熱する。250℃〜350℃に加熱されたこれらの廃溶融プラスチックは、数十から数百、場合によっては数千ポアズの粘度を持つので、前記送液ポンプとしては高温に耐えられ、且つ高粘度の流体を移送できる必要があり、一般には図3に示すようなギア(歯車)1を並列に配置したギアポンプ2が利用される。また、プラスチックの溶融加工に使用される押出機を応用し、溶融槽と押出しスクリューとを組み合わせて加熱する技術も提案されている(特許文献5及び6参照)。
しかしながら、前記したギアポンブ2や押出しスクリューは、構造上、固形異物の噛み込みに対して弱いという欠点を有する。つまり、廃プラスチックス中には、鉄、アルミニウム等の金属の他、ガラス、砂等の異物が数%程度含まれるが、これらが混入すると、ギアポンブ2や押出しスクリューに異物が噛み込み、損傷したり、駆動部分が停止し、送液装置としての機能を果たさなくなる。この問題を解決するため、例えば前述の特許文献5記載の技術では、前処理工程として異物の除去を行っている。その異物除去として、磁力選別機、アルミ選別機、風力選別機、比重分離機等による選別後、10mm角に粉砕したものを原料として、廃プラスチックの処理を行っている。なお、粉砕の粒度が大きい場合には、廃プラスチックへ混入する異物も大きくなる。ところが、このような前処理を行うと、プロセスが複雑になると共に、粉砕機の刃の損傷も激しく、コストアップの原因になる。また、ギアポンブ2や押出しスクリューに異物が噛み込むのを回避するため、該ギアポンプ2や押出しスクリューの吸い込み側(上流側)にストレーナを設置することが考えられる。しかしながら、従来のギアポンプ用のストレーナとしては、目開き1mm程度以下の細かい網目のものが使用され、高粘度流体を流そうとした時には圧力損失が大きくなって送液し難くなるため、実用上の問題があった。
プラスチックス:Vol.47,No.7,頁60、株式会社 工業調査会発行 特開平11−292976号公報 特開平6−128568号公報 特開平6−128569号公報 特開平8−34978号公報 特開平8−120285号公報 特開平9−310077号公報
本発明は、かかる事情に鑑み、細かい異物を含有したままで溶融廃プラスチックの送液性に優れ、且つ効率の良い加熱及び脱塩素ができるばかりでなく、熱処理後に固化した廃プラスチックの粉砕性も改善可能な廃プラスチックの熱処理装置を提供することを目的としている。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現化した。
すなわち、本発明は、熱媒体が通過するジャケット方式の側壁を有し、廃プラスチックを受け入れ、溶融状態に保持する容器と、該容器底部の排出バルブから抜き出した溶融廃プラスチックを容器上部へ再装入する循環用配管と、容器上部から抜き出した排ガスの清浄手段と、前記熱媒体の供給手段とを備えた廃プラスチックの熱処理装置において、前記循環用配管の前記排出バルブと前記容器上部の間に、溶融廃プラスチックを移送する内転式ギアポンプ及び移送される溶融廃プラスチックを前記熱媒体で昇温する熱交換器を順次配設したことを特徴とする廃プラスチックの熱処理装置である。この場合、前記循環用配管の前記排出バルブと前記内転式ギアポンプの間に、ストレーナを備えているのが好ましい。また、前記内転式ギアポンプのケーシング及び/又は前記循環用配管に、その内部を通過する溶融廃プラスチックの加熱手段を備えていたり、あるいは前記容器に、それが保持している溶融廃プラスチックを混合する撹拌手段を備えているのが一層好ましい。なお、本発明では、前記容器に受け入れる廃プラスチックは、固体状態又は溶融状態のいずれであっても良い。
本発明によれば、下記(1)〜(4)の優れた効果を得る。
(1)細かい異物を含有したままで溶融廃プラスチックの送液性を良好にしたので、効率の良い加熱及び脱塩素ができるようになる。つまり、本発明の実施で得た溶融廃プラスチックを冷却、固化後に粉砕し、公害問題を起こさない固体燃料及び固体還元剤を製造できるようになる。
(2)熱処理後の固化した廃プラスチックは、多種の廃プラスチックが均一に混合した状態になり、粉砕が極めて容易になる。つまり、本発明の実施で、還元作用や燃焼性に優れた微粉の固体燃料及び固体還元剤を容易、且つ安定して製造できるようになる。
(3)また、そのような固体還元剤及び固体燃料を高炉、ボイラー、キルン、キュポラ、コークス炉等に利用しても、塩素又は塩素化合物による炉体の内壁耐火物の化学的侵食が生じない。
(4)さらに、本発明の実施で、単位時間当たりの廃プラスチックの処理量を従来より高めることができ、廃プラスチックの大量処理が可能になるばかりでなく、処理コストの低減も可能となる。
以下、本発明をなすに至った経緯をまじえ、本発明の最良の実施形態を説明する。
まず、本発明に係る廃プラスチックの熱処理装置での処理対象物質は、都市ゴミ、産業廃棄物、一般廃棄物等に含まれる廃プラスチック及び容器包装材料、並びに電気製品、自動車等の解体工程で発生する廃プラスチック等である。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及びナイロン並びにその他の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂等である。この場合、実際の熱処理では、上記プラスチックのうちのいずれか1種のみを単独で処理しても良いが、通常は2種以上を混合して処理する。また、加熱処理すべき廃プラスチックの形状寸法は、粗く粉砕したもので良く、10cm角程度の大きさで十分である。さらに、一般的な廃プラスチックでは、改めて粉砕する必要がなく、回収されたままの状態で処理可能であり、フィルム状、シート状、繊維状のプラスチックもそのままの形で処理できる。
従って、本発明に係る廃プラスチックの熱処理装置は、PVC、ポリ塩化ビニリデンのような塩素含有プラスチックの加熱、脱塩素処理に最適である。なお、処理後の溶融廃プラスチックは、本熱処理装置から抜き出された後、冷却固化され、固形燃料や高炉等で鉄鉱石等の還元剤に有効利用される。
次に、本発明者らは、前記した従来技術の問題点を解決するため、溶融廃プラスチックの送液性の改善に取り組んだ。つまり、ギアポンプ2や押出しスクリューに代わる送液手段を見出すことにし、現存する多種の送液ポンプの利用を検討した。その結果、渦巻きポンプは高粘度流体が送液できないという問題がある等、適切な送液ポンプを見出すのに苦労したが、図2に示すように、ギア1の中にピニオンギア3を組み込んだ所謂「内転式ギアポンプ」4ならば、少々の異物を含有し、しかも250℃で1000ポアズの高粘度の溶融廃プラスチックでも円滑に移送できることがわかった。そして、熱媒体(高温の液体又は気体)5が通過するジャケット方式の側壁6を有し、廃プラスチック7を受け入れ、溶融状態に保持する容器8と、該容器底部の排出バルブ9から抜き出した溶融廃プラスチック7をギアポンプを用いて容器上部へ再装入する循環用配管10と、容器上部から抜き出した排ガスの清浄手段11と、前記熱媒体5の供給手段12とを備えた従来の廃プラスチックの熱処理装置に対して、図1に示すように、前記排出バルブ9と前記容器上部との間に、ギアポンプに代え、内転式ギアポンプ4を採用すると共に、移送される溶融廃プラスチック7を前記熱媒体5で昇温する熱交換器13を配設するように改造し、本発明を完成したのである。該内転式ギアポンプ4と該熱交換器13の配設は、加熱効率の観点から、前記排出バルブ9から前記容器上部までの間に前記内転式ギアポンプ4、前記熱交換器13の順に、順次配設することが好ましい。
これにより、異物を含有する廃プラスチックであっても、その加熱及び脱塩素がより効率良くできるようになった。廃プラスチックに異物が含有していても良い理由は、以下の通りである。
内転式ギアポンプ4は、図2に示したように、ケーシング14内に2種類のギア、通常のギア1とピニオンギア3とを、それぞれの回転軸15,16を異ならせ、偏芯して内包する。従って、図2のA点では、互いに回転しているギア1とピニオンギア3とが完全にかみ合い、溶融廃プラスチックの吸入口17と吐出口18の連通を妨げ、B点では、かみ合いが離れることで溶融廃プラスチック7の吸入を始め、ギア1とピニオンギア3の歯の間は該溶融廃プラスチック7で満たされ、C点では、歯の間に充満した溶融廃プラスチックがギアの回転にともない吐出口18へ送られると共に、D点では、ギア1とピニオンギア3がかみ合い始めることにより、圧力を持った溶融廃プラスチック7が吐出口18より吐き出される。つまり、ギア及びピニオンギアの歯同士のクリアランス(間隙)19が大きくなる位置で溶融廃プラスチック7を吸い込み、クリアランス19が小さくなる位置で吐き出す構造なので、異物が噛み込み難いという特徴が現れ、そのクリアランス19の大きさに対応した異物は容易に通過できるのである。
本発明では、クリアランス19の大きさは特に限定しない。採用するギア1とピニオンギア3の歯のサイズに依存するからである。例えば、ギア1の歯直径が30cm程度の場合、前記C点での隣り合うギア間のクリアランス19´は、2.3cm3程度である。したがって、実用上は、この程度のクリアランスであれば良い。本装置で処理する廃プラスチックに含有される異物(図示せず)は、通常それ以下のサイズであることが多いからである。それ以上の大きさのものは、前記循環用配管10の前記排出バルブ9と該内転式ギアポンプ4の間にストレーナ20を設置し除去すれば良い。このストレーナは、目開き5〜20mmとして、最大5mm以上の異物を除去するのが好ましい。
また、本発明では、溶融状態のプラスチックばかりでなく、固体状態のものも前記容器8に受け入れ、溶融状態に保持するので、該容器8のジャケット方式の側壁6だけでの熱媒体による加熱では熱不足になる。そのため、同じ熱媒体5を熱源に利用し、溶融廃プラスチック7を昇温するように、熱交換器13を設け、熱不足を補うようにしたのである。さらに、前記内転式ギアポンプ4のケーシング14及び/又は前記循環用配管10に、その内部を通過する溶融廃プラスチック7の加熱手段(図示せず)を備えているのが一層好ましい。それにより、溶融廃プラスチック7の昇温が促進されるからである。また、内転式ギアポンプ4が停電等のトラブル時に該ポンプの内部や循環用配管10内で溶融廃プラスチック7が固化した場合、その復旧が容易になる。この場合、加熱手段としては、内転式ギアポンプ4のケーシング14をジャケット方式にしたり、熱媒体用配管を巻いたりして、前記容器8に用いると同じ熱媒体5を流すのが良い。また、電熱ヒータによる間接加熱としても良い。前記循環用配管10には、二重管の利用が好ましい。
加えて、本発明では、廃プラスチックを溶融状態で保持する前記容器8に、保持している溶融廃プラスチック7を混合する撹拌手段21(例えば、インペラを機械的に回転する)を備えているのが好ましい。これによって、処理する廃プラスチック7が多種のものであっても、均一にできるからである。
なお、前記容器8内の溶融廃プラスチック7より発生した塩化水素等の含塩素ガスは、排ガスとして周知の排ガスの清浄手段11(塩基性物質での中和装置等)で処理すれば良い。また、本発明に係る熱処理装置での廃プラスチックの処理方法としては、例えば、廃プラスチック7を容器8内で200〜400℃、より好ましくは250〜340℃の温度範囲内で加熱溶融し、脱塩素を行うものである。その処理自体は、通常は、溶融廃プラスチックを前記循環用配管10で数回循環させるバッチ式であるが、循環を1回だけさせる連続式や、抜き出しバルブの操作で一部の溶融廃プラスチックを循環させる半連続式のいずれでも良い。さらに、処理時間は、10分〜30時間が適当である。処理時間が10分未満だと、反応器内の温度制御が困難となると共に、溶融廃プラスチックの脱塩素率が低下するし、30時間を超えると、処理効率が低下し、経済的でないからである。
なお、加熱処理後の溶融廃プラスチックは、溶融プラスチックの搬送手段にて、溶融プラスチックをベルトクーラーに定量供給して冷却、固化される。その際の除熱量は、加熱処理後の温度と十分に固化するまでの温度との間のエンタルピー量及び処理速度から計算される。例えぱ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンを主体とした廃プラスチック混合物の場合、冷却後の中心部温度が110℃程度になるように除熱を制御すれば十分である。また、前記の冷却固化させた廃プラスチックは、所定の粒径となるように粉砕されることが好ましい。本発明に係る熱処理装置を経た後、冷却・固化した廃プラスチックは、循環用配管10による循環、さらに撹拌手段21による混合によって均一化が達成されているため、未処理のプラスチックに比較して極めて容易に粉砕ができる。そのため、あらゆるタイプの粉砕機で粉砕可能である。粉砕機としては、例えばジョークラッシャー、ロールクラッシャー、ボールミル、遠心ミル等を用いれば良い。さらに、粉砕粒径は、廃プラスチックの使用目的に応じて決めれば良い。従って、粉砕後の該廃プラスチックは、粒度調整を行って、例えば、鉄鉱石等の還元剤、つまり銑鉄を製造する高炉等の竪型炉で還元剤や燃料に利用できるばかりでなく、ボイラ、各種加熱炉等の加熱源用燃料、キュポラの燃料、コークス炉の原料等としても使用できる。
図1に示した本発明に係る廃プラスチックの熱処理装置を製作した。その主要部のサイズは、溶融廃プラスチック7を保持する容器8が内容積500リットル、内転式ギアポンプ4のギア1が直径約30cm、多管式熱交換器13の伝熱面積が9m2、二重管の循環用配管10が内径150mm、ストレーナ20の目開きが10mmである。熱媒体5には、340℃のジベンジルトルエンを利用するようにした。
この装置を用いて下記の操業を行ったが、いずれの場合も、事前に熱媒体5を340℃に調整すると共に、容器8、内転式ギアポンプ4、多管式式熱交換器13、循環用配管10を十分に加熱した。処理した廃プラスチックは、市中で分別収集された一般廃棄物系廃プラスチックであり、その150kgを容器に投入し、280℃に加熱処理した。なお、処理前の廃プラスチック中の塩素濃度は約3.5質量%であり、280℃に加熱した時点で残存塩素濃度は約0.8質量%に低下していた。また、処理前の廃プラスチックを手選別にて異物量を調べたが、2質量%の異物が混入していた。
(実施例1)
反応容器内の溶融プラスチックが280℃に到達した時点で、循環用配管に設けた内転式ギアポンプを起動し、1000kg/時で多管式熱交換器に送液する循環運転を行った。溶融廃プラスチックの温度変化を調べたところ、25分で320℃に到達し、処理後の溶融廃プラスチック中の残存塩素濃度は約0.3質量%であった。その間、運転は何らトラブルを起こすことなく、円滑に行われた。
(実施例2)
容器内の溶融廃プラスチックが280℃になった状態で、そこに9mm以下に粉砕したアルミニウム製空缶を、異物の負荷を高める目的から1kg投入した。そして、前記同様に内転式ギアポンプを起動し、1000kg/時で多管式熱交換器に送液する循環運転を行った。容器及び多管式熱交換器に供給する熱媒体の量を調整して、溶融廃プラスチックの温度を280℃に保持したまま24時間にわたり運転を継続した。この運転中、異物の噛み込みによるポンプ停止は一切発生しなかった。
(比較例)
循環用配管を利用せずに、実施例1と同様の条件で処理を行った。溶融廃プラスチックの温度変化を調べたところ、33分で320℃に到達した。処理後の溶融廃プラスチック中の残存塩素濃度は約0.3質量%であった。
以上のことより、本発明によれば、異物を含有した廃プラスチックであっても、その熱処理が従来より効率的に行えることが明らかである。
本発明に係る廃プラスチックの熱処理装置の全体を説明する模式図である。 本発明に係る廃プラスチックの熱処理装置で採用した内転式ギアポンプを説明する縦断面図ある。 従来より利用されているギアポンプを示す縦断面図である。
符号の説明
1 ギア(歯車)
2 ギアポンプ
3 ピニオンギア
4 内転式ギアポンプ
5 熱媒体(高温の液体又は気体)
6 側壁
7 廃プラスチック(溶融状態のものも含む)
8 容器
9 排出バルブ
10 循環用配管
11 排ガスの清浄手段
12 熱媒体の供給手段
13 熱交換器(多重管方式も含む)
14 ケーシング
15 ギアの回転軸
16 ピニオンギアの回転軸
17 溶融廃プラスチックの吸入口
18 溶融廃プラスチックの吐出口
19、19´ クリアランス
20 ストレーナ
21 撹拌手段

Claims (5)

  1. 熱媒体が通過するジャケット方式の側壁を有し、廃プラスチックを受け入れ、溶融状態に保持する容器と、該容器底部の排出バルブから抜き出した溶融廃プラスチックを容器上部へ再装入する循環用配管と、容器上部から抜き出した排ガスの清浄手段と、前記熱媒体の供給手段とを備えた廃プラスチックの熱処理装置において、
    前記循環用配管の前記排出バルブと前記容器上部の間に、溶融廃プラスチックを移送する内転式ギアポンプ及び移送される溶融廃プラスチックを前記熱媒体で昇温する熱交換器を配設したことを特徴とする廃プラスチックの熱処理装置。
  2. 前記循環用配管の前記排出バルブと前記内転式ギアポンプの間に、ストレーナを備えたことを特徴とする請求項1記載の廃プラスチックの熱処理装置。
  3. 前記内転式ギアポンプのケーシング及び/又は前記循環用配管に、その内部を通過する溶融廃プラスチックの加熱手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の廃プラスチックの熱処理装置。
  4. 前記容器に、それが保持している溶融廃プラスチックを混合する撹拌手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の廃プラスチックの熱処理装置。
  5. 前記容器に受け入れる廃プラスチックが、固体状態又は溶融状態であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の廃プラスチックの熱処理装置。
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