JP2005060580A - 薬品包装用多層シート用ベース基材およびそれを用いた薬品包装用多層シート - Google Patents

薬品包装用多層シート用ベース基材およびそれを用いた薬品包装用多層シート Download PDF

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義之 山森
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Abstract

【課題】本発明の課題は、PVDCラテックスを塗布・乾燥して巻き取り、エージングすると薬品包装用多層シートにブロッキングが発生してしまう点を改善し、ブロッキングが発生しない薬品包装用多層シートを提供することである。
【解決手段】少なくとも片面の表面粗さRaが0.4〜1.0μmである滑り性の改善された薬品包装用多層シート用ベース基材の裏面に直接あるいは中間層を介してポリ塩化ビニリデン層が形成されているために直接巻きとって、エージングをしても薬品包装用多層シートにブロッキングが発生しない薬品包装用多層シート。

Description

本発明は、医薬品包装の分野で、固形剤包装用として一般に用いられているPTP(プレス・スルー・パック)用多層シートに関するものである。
PTP包装は医薬品包装の分野で、錠剤、カプセル剤等の固形剤包装用として硬質ポリ塩化ビニル(PVC)やポリプロピレン(PP)からなるシートをベース基材として用い、該ベース基材をポケット形状に成形し、その中に固形剤(錠剤、カプセル剤等)を充填し、アルミ箔からなる蓋剤で密封した包装体であり、広く普及してきた。更に、固形剤に防湿性の求められるものには、上記硬質塩化ビニルやポリプロピレンに防湿特性の優れるポリ塩化ビニリデン(PVDC)やポリ塩化トリフルオロエチレン(PCTFE)を積層した多層シートが使われている。中でもPVCにPVDCを積層した多層シートはコストと防湿特性のバランスが優れている点から用いられる事が多い。本多層シートは一般にPVCシート上にPVDCラテックスを塗布・乾燥・エージングさせて得られる。しかしながら、PVDCは滑りが悪いため、塗布・乾燥後の多層シートをそのまま巻き取るとシート間が部分的に密着した状態となり、その後のエージングによりPVDC結晶化が進み剥離が困難になるばかりか、密着した部分とその間の噛みこんだ空気の痕が斑上に残るいわゆるブロッキングが発生するといった問題があった。このようなシートには粘着防止剤またはスリップ剤を多量加えてブロッキングを減らし、摩擦係数を低下させる必要がある。
粘着防止剤はシート表面が互いに、または他の表面に粘着しないようにシートの表層に存在する添加剤である。通常シリカ等不溶の微粉が用いられることが多いが、ミネラルまたはワックスを用いてもよい。それらは微細に突き出た凹凸を形成し、微少な空気層を保持して接着するのを阻止するように作用する。
スリップ剤は、ポリマーシート表面ににじみ出ることによって内部潤滑剤として作用する。これによって表面を滑らかにし、摩擦係数を低減することによってスリップ特性を改良する。一般的なスリップ剤は、ステアラミドまたはオレアミドのような高分子脂肪酸アミドである。このような化合物の約0.1〜1重量%、好ましくは0.2〜0.5重量%をポリオレフィンシートにスリップ剤として添加する。
これまで粘着防止剤またはスリップ剤を用いて基板シートの表面の摩擦係数を低減することが標準的な方法であった。このようにしてシートの隣接層のブロッキングは防止され、容易に巻出すことができる。スリップ剤がないと、層間摩擦係数は非常に大きくなり、シートのスムーズな巻出しは難しい。(特許文献1参照)
しかし、シートに粘着防止剤及びスリップ剤を用いることには多くの欠点がある。粘着防止剤は表面から脱落したり、皮膜欠陥のきっかけとなり防湿性を阻害することがある。一方、スリップ剤が表面に存在すると樹脂との密着性が落ちるため多層シートにおいては層間剥離の原因になることがある。
特開2003−514687号公報
本発明の課題は、PVDCラテックスを塗布・乾燥して巻き取り、エージングすると薬品包装用多層シートにブロッキングが発生してしまう点を改善し、ブロッキングが発生しない薬品包装用多層シートを提供することである。
本発明は、
(1)少なくとも片面の表面粗さRaが0.4〜1.0μmであることを特徴とする薬品包装用多層シート用ベース基材、
(2)ベース基材が硬質塩化ビニルシート又はポリプロピレンシートである(1)記載の薬品包装用多層シート用ベース基材、
(3)(1)又は(2)記載の薬品包装用多層シート用ベース基材の裏面に直接又は中間層を介してポリ塩化ビニリデン層が形成されてなる薬品包装用多層シート、
である。
本発明の薬品包装用多層シートは、表面から脱落したり、皮膜欠陥のきっかけとなり防湿特性を阻害する粘着防止剤や表面に染み出し層間剥離の原因となるスリップ剤を使用していないにもかかわらず耐ブロッキング性に優れる。
本発明において塩化ビニリデン系共重合体ラテックスを塗布するベース基板としては、特に限定されないが一般にPTP用途に用いられる硬質塩化ビニルあるいはポリプロピレンシートが望ましい。少なくとも片面の表面粗さRaは0.4〜1.0μmであることが好ましい。Raが0.4μmより小さいと、摩擦係数低減効果も小さく耐ブロッキング性が充分ではない。一方、Raが1.0μmより大きいと耐ブロッキング効果はあるが、光が散乱して透明性が落ちるため、内容物(薬剤)の視認性が悪くなってしまう。またその裏面の表面粗さはPVDCあるいは中間層の塗布性に影響を与えないような形状であれば特に限定されないが、塗布した後の平滑性を維持する観点からRaが1.0μm以下であることが好ましい。本発明の表面粗さを持つ基材シートは、硬質塩化ビニルであればカレンダーロールによる圧延成形で製膜して製造される。カレンダーロールは、好ましくは3本から6本のカレンダーロールで構成される。カレンダーロールで製膜するシートの場合、最終2本のロールの表面状態、温度、速度等の製造条件がシートの表面の平滑性に影響を与える。これらを適切にコントロールすることにより所定の表面粗さを持つシートを製膜することができる。本発明の薬品包装用シート用基材シートは、例えば製膜時の最終2本のロール温度を制御することにより、適したRaを有し、裏面に滑り性の悪いPVDCを形成してもシート滑り性を付与した多層シートとすることができる。一方ポリプロピレンの場合は、押し出し法により製膜されるが、引き取りロールや冷却ロールの表面性をコントロールすることにより所定の表面粗さを持つシートを製膜することができる。これらのベース基材にはPVDCとの密着性や防湿性を向上させる目的で、前記ベース基板とPVDC層の間にはアルキルチタネート系、ポリイソシアネート系、ポリアルキレンイミン系、ポリウレタン系等のアンカーコートやポリエチレン層が間に介在していても構わない。
本発明に用いられる塩化ビニリデン系共重合ラテックスは、塩化ビニリデンを主成分とし防湿性を損なわない程度に塩化ビニル、アクリルニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル等のうち1種または2種以上を選択して用いる事ができる。
以下、本発明の内容を実施例により詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。
<実施例1>
表面粗度Raが0.5μmで厚さ250μmのポリプロピレンシート(住友ベークライト社製:NS−3451タイプ)をベース基材として用い、この裏面にグラビアコート法でイソシアネート系のアンカーコート剤(日本ポリウレタン工業社製:コロネートLと東洋紡製:バイロン30−Sの12:2混合希釈物)を2μmの厚さに塗り・乾燥させてから塩化ビニリデン系共重合体ラテックス(旭化成工業製:サランラテックスL−509)をエアナイフコート法でPVDC層の乾燥後の厚みが50μmとなるように数回にわたり塗布・乾燥を繰り返した後に巻き取りPTP用多層シートを得た。得られた巻物を40℃で48時間エージングを施した後に、巻き出し機にかけて連続的に巻き出したが、表面にも異常は見られず、良好に巻きだすことができた。
<実施例2>
表面粗度Raが0.9μmで厚さ230μm硬質塩化ビニルシート(住友ベークライト社製:VSS−8142タイプ)をベース基材として用いた以外は実施例1と全く同様の原材料、方法でPTP用多層シートを得た。得られた巻物を40℃で48時間エージングを施した後に、巻き出し機にかけて連続的に巻きだしたが、表面にも異常は見られず、良好に巻きだすことができた。
<比較例1>
表面粗さRaが0.1μmで厚さ230μm硬質塩化ビニルシート(住友ベークライト社製:VSS−8142タイプ)をベース基材として用いた以外は実施例1と全く同様の原材料、方法でPTP用多層シートを得た。得られた巻物を40℃で48時間エージングを施した後に、巻き出し機にかけて連続的に巻きだそうとしたが層間にブロッキングが見られ、斑模様となっているばかりか、バリバリと音を立てながら断続的に巻き出されるような状況だった。
<比較例2>
表面粗さRaが1.5μmで厚さ250μmのポリプロピレンシート(住友ベークライト社製:NS−3451タイプ)をベース基材として用いた以外は実施例1と全く同様の原材料、方法でPTP用多層シートを得た。得られた巻物を40℃で48時間エージングを施した後に、巻き出し機にかけて連続的に巻きだした。ブロッキングも見られず良好に巻きだすことができたが、表面が白っぽく濁り視認性が不充分であった。
本発明によれば防湿特性、視認性に優れるPTP用多層シートを得る事が出来、得られた多層シートには粘着防止剤やスリップ剤が含まれていないため粘着防止剤が表面から脱落したり、皮膜欠陥のきっかけとなり防湿性を阻害することもなく、スリップ剤が表面に存在するために樹脂との密着性が落ち層間剥離が発生することもないため、要求特性の高度化してきた近年のPTP包装に対応するのに最適なものである。

Claims (3)

  1. 少なくとも片面の表面粗さRaが0.4〜1.0μmであることを特徴とする薬品包装用多層シート用ベース基材。
  2. ベース基材が硬質塩化ビニルシート又はポリプロピレンシートである請求項1記載の薬品包装用多層シート用ベース基材。
  3. 請求項1または2記載の薬品包装用多層シート用ベース基材の裏面に直接又は中間層を介してポリ塩化ビニリデン層が形成されてなる薬品包装用多層シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013125699A1 (ja) 2012-02-23 2013-08-29 旭化成ケミカルズ株式会社 塩化ビニリデン系共重合体ラテックス及びブリスターパック用フィルム
JP2014043089A (ja) * 2012-08-02 2014-03-13 Mitsubishi Plastics Inc Ptp用多層シート

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