JP2005060291A - エナラプリル類似体含有貼付剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、血圧降下剤の一種のアンジオテンシン変換酵素(以下、「ACE」と略す場合もある)阻害剤であるエナラプリルのプロドラッグを含有する基剤からなる経皮吸収製剤に関する。
循環器疾患の中でも高血圧症は、ポピュラーな疾患であって、なおかつ種々の合併症を引き起こすことや、生活様式・食事の変化に伴い近年増加しつつある疾患であることが知られている。そして、高血圧症は成人病とも言われるように、高齢者に多い病気であり、他の消化器官疾患を有している場合には、消化器官疾患治療薬の副作用、例えば、嘔吐などによって、経口投与ができなかったり、消化器官における薬物の吸収が低くなっている可能性があるという理由から薬剤を経口投与よりも経皮吸収投与する方が好ましい。血圧降下剤として、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、α遮断剤、β遮断剤などが知られており、その中でも比較的副作用の少ないACE阻害剤であるエナラプリルについて種々の研究が行われてきた。エナラプリルは、その活性体であるエナラプリラートの消化管吸収性の低さから経口投与では強い降圧作用を示さないために、プロドラッグとして合成されたものである(例えば、非特許文献1参照)。プロドラッグとは、ある活性体を化学的に修飾し、体内に取り込まれた後、元の活性体に復元するという手法である。実際に上市されているエナラプリルの経口剤はマレイン酸エナラプリル(以下、「MEPL」と略す場合もある)であり、このマレイン酸エナラプリルは経皮吸収性が悪いことから経皮吸収製剤の開発は極めて困難であったが、エナラプリルをプロドラッグ化することにより経皮吸収性が改善され、テープ製剤としての臨床的可能性が報告された(例えば、非特許文献2および3参照)。また、ACE阻害剤であるカプトリルをプロドラッグ化したカプトリル類似体を含有する経皮吸収製剤が報告されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、実際にテープ製剤化するにあたっては経皮透過性だけでなく、保存安定性も非常に重要な要素となる。エナラプリルおよびマレイン酸エナラプリルは不安定な化合物であるため、製剤化する上で種々の工夫が行われている(例えば、特許文献2参照)が、ACE阻害剤におけるプロドラッグの経皮吸収貼付剤で、保存安定性を報告したものはない。
特開平8−40896号公報
特開2001−131068号公報
医薬品の開発 7 分子設計 首藤紘一編 176〜177頁 平成2年
第123年会、日本薬学会要旨集4、106頁、「エナラプリラート誘導体の経皮吸収性に関する検討」(トーアエイヨー)
THE STUDY OF TRASDERMAL ADMINISTRATION OF ACE INHIBITORS AND IMPROVED ABSORPTION OF THEIR PRODRUGS,Noven Pharmaceuticals,Inc.,November 2,2000
本発明は、血圧降下剤の中で比較的副作用の少ないアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤であるエナラプリル類似体の保存安定性がよい経皮吸収貼付剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、エナラプリルをプロドラッグ化したエナラプリル類似体の原体および飽和ミリスチン酸イソプロピル溶液が70℃で1週間保存しても安定であることを見出し、さらにそのエナラプリル類似体を含有する基剤として表面pH7以上の粘着剤またはゴム系粘着剤を用いることによって、経皮吸収性および保存安定性が良好な貼付剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 基剤が粘着剤層と支持体とからなり、その粘着剤層が一般式(I)
(1) 基剤が粘着剤層と支持体とからなり、その粘着剤層が一般式(I)
(式中、Rは炭素数2〜8のアルキル基を示す。)で表されるエナラプリル類似体を含有し、かつ該粘着剤層の表面pHが7以上であるかまたは該粘着剤層がゴム系粘着剤である経皮吸収貼付剤、
(2) エナラプリル類似体がエナラプリル・エチルエステルである上記(1)記載の経皮吸収貼付剤、
(3) 粘着剤層が塩基性アクリル系粘着剤である上記(1)または(2)記載の経皮吸収貼付剤、
(4) 粘着剤層がさらに脂肪酸エステルを含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の経皮吸収貼付剤、
(5) 脂肪酸エステルがミリスチン酸イソプロピルである上記(4)記載の経皮吸収貼付剤などに関する。
(2) エナラプリル類似体がエナラプリル・エチルエステルである上記(1)記載の経皮吸収貼付剤、
(3) 粘着剤層が塩基性アクリル系粘着剤である上記(1)または(2)記載の経皮吸収貼付剤、
(4) 粘着剤層がさらに脂肪酸エステルを含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の経皮吸収貼付剤、
(5) 脂肪酸エステルがミリスチン酸イソプロピルである上記(4)記載の経皮吸収貼付剤などに関する。
本発明により、経皮吸収性および保存安定性が良好なエナラプリル類似体含有経皮吸収貼付剤を得ることができる。
本発明は、エナラプリル類似体を含有する粘着剤層と支持体とからなり、該粘着剤層の表面pHが7以上であることまたは該粘着剤層がゴム系粘着剤であることを特徴とする貼付剤である。
本発明に用いられるエナラプリル類似体は、エナラプリルのプロリン部位をアルキルエステル化することによって得られる。エナラプリルをエステル化する方法は、通常の化学的手段を使用することができ、例えば、カルボン酸アニオンと第1級ハロゲン化アルキルとの間のSN2反応によってエステルを得ることができる。エナラプリルをアルキルエステル化することで疎水性が増すために経皮吸収性が親薬物のエナラプリルよりも高くなり、角質層を透過した後に親薬物エナラプリルに復元される。
本発明に用いられるエナラプリル類似体は、エナラプリルのプロリン部位をアルキルエステル化することによって得られる。エナラプリルをエステル化する方法は、通常の化学的手段を使用することができ、例えば、カルボン酸アニオンと第1級ハロゲン化アルキルとの間のSN2反応によってエステルを得ることができる。エナラプリルをアルキルエステル化することで疎水性が増すために経皮吸収性が親薬物のエナラプリルよりも高くなり、角質層を透過した後に親薬物エナラプリルに復元される。
本発明の式(I)で表されるエナラプリル類似体において、Rは炭素数2〜8のアルキル基を示し、具体的には、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等を挙げることができる。なかでも経皮吸収性を考慮すると、エチル基が好ましい。エナラプリル類似体は血圧降下剤として効果を有する量で、例えば、粘着剤に対して、約2〜65重量%、エナラプリル換算で約2〜60重量%、好ましくは約5〜45重量%、エナラプリル換算で約5〜40重量%で含有させることができる。また、ヒト用貼付剤とするときは、製剤1枚当たりの薬物量として約5〜100mgとするのが好ましい。
本発明の貼付剤は、通常、支持体の一面に粘着剤層が形成されているものであれば特に限定されないが、支持体としては薬物不透過性のものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、セルロース、不織布、またはこれらの積層体などが挙げられる。粘着剤層としては保存安定性を考慮して、表面pHが7以上であるかまたはゴム系粘着剤である必要がある。酸性条件下ではエナラプリルアルキルエステルが内部脱水縮合反応を起こすために不安定であるため、粘着剤層の表面pHは7以上であることが必要であり、皮膚刺激性を生起しないようにするためには好ましくは表面pH7〜10である。ゴム系粘着剤を使用するのは酸性下でも薬物を安定的に保持するとともに、粘着剤がpHの変動により特性変化しにくいためである。
表面pH7以上の粘着剤として、塩基性アクリル系粘着剤、塩基性ビニルエステル系粘着剤、塩基性ビニルエーテル系粘着剤等が挙げられるが、経皮吸収性を考慮すると、表面pH7以上の塩基性アクリル系粘着剤が好ましい。なお、表面pHとは、粘着剤層の露出表面pHであり、粘着剤層の表面に生理食塩水を1、2滴滴下し、平衡状態になったときのpHを測定した値である。
塩基性アクリル粘着剤としては、表面pHが7以上であれば、特に限定されない。例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸へキシルエステル、(メタ)アクリル酸へプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステルの如き(メタ)アクリル酸アルキルエステルと該エステルのうち一つ以上と共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。共重合可能な単量体としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステルの如きヒドロキシル基含有単量体および(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、テトラメチルブチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドの如きアミド基含有アクリル系単量体およびこれらの混合物が挙げられる。
ゴム系粘着剤としては、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーおよびこれらの混合物が挙げられる。これらのうち、不飽和基を分子内に有さないポリイソブチレンを用いることが好ましい。
また、本発明の貼付剤は、公知の経皮吸収促進剤、安定剤、溶解補助剤、充填剤、着色剤、皮膚刺激防止剤等を含有してもよい。エナラプリル類似体の経皮吸収性を向上させるため、経皮吸収促進剤を含有することが好ましく、特に脂肪酸エステルが好ましい。具体的には、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチルなどのアジピン酸エステル類、セバシン酸ジイソプロピルなどのセバシン酸ジエステル、グリセリン脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソテトラデシルなどのミリスチン酸エステル類、ラウリル酸エチル、ラウリル酸へキシルなどのラウリル酸エステル類、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシルなどのオレイン酸エステル類、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸へキサデシル、パルミチン酸イソステアリルなどのパルミチン酸エステル類、クエン酸トリエチル、酢酸ベンジル、酢酸n−ブチルなどの酢酸エステル類、ステアリン酸ポリオキシルソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルなどおよびこれらの混合物が挙げられる。これらのうち、上記粘着剤との相溶性や製剤調製時の加熱工程での非揮散性、非分解性の点から、炭素数が8〜18、好ましくは炭素数が10〜16の高級脂肪酸と炭素数が1〜4の低級アルキル基とからなる脂肪酸エステルを用いることが好ましく、特にミリスチン酸イソプロピル(以下、「IPM」と略す場合もある)が好ましい。脂肪酸エステルは、粘着剤に対して、通常約0〜55重量%、好ましくは約20〜40重量%含有させることができる。
本発明の貼付剤は、例えば、本発明のエナラプリル類似体を粘着剤中に含有させ、支持体に取り付けて所定の大きさに裁断することによって得ることができる。
以下、参考例、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「%」は「重量%」を示す。
[参考例1]エナラプリル・エチルエステル(以下、「EPLE」と略す場合もある)の合成
マレイン酸エナラプリル5gにヘキサン30mL、ブロモエタン4.5mL、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン6mLを加え、2時間加熱還流し、その後、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、油状のエナラプリル・エチルエステル(EPLE)を4.1g(収率95.7%)得た。
TLC(キーゼルゲル60、酢酸エチル100%):Rf=0.60
FT−IR (cm-1):1740(エステルC=O)、1649(アミドC=O)、3324(N−H)、749、702(ベンゼン環)
1H−NMR (400MHz、DMSO−d6)(δ):4.20 (2H、CH3−CH 2 −O−)、1.17 (3H、CH 3 −CH2−O−)
[実施例1]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルヘキシル82%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル8%、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド10%からなる塩基性粘着剤(1))中に、全膏体に対してエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[実施例2]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルへキシル82%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル8%、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド10%からなる塩基性粘着剤(1))中に、全膏体に対してエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、また、ミリスチン酸イソプロピルを40%含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[実施例3]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルヘキシル60%、メタクリル酸メチル30%、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド10%からなる塩基性粘着剤(2))中に、全膏体に対してエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[実施例4]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルへキシル60%、メタクリル酸メチル30%、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド10%からなる塩基性粘着剤(2))中に、全膏体に対してエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、また、ミリスチン酸イソプロピルを40%含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[実施例5]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをポリイソブチレン(粘度平均分子量2.11±0.23×106、VISTANEXMML−140、エクソン化学社製)52重量部、ポリイソブチレン(粘度平均分子量60000、HIMOL6H、日本石油化学社製)28重量部、脂肪族系炭化水素樹脂(アルコンP−100、荒川化学社製)20重量部からなるゴム系粘着剤(3))中に全膏体に対してエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、また、ミリスチン酸イソプロピルを40%含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[実施例6]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをポリイソブチレン(粘度平均分子量0.90±0.15×106、VISTANEXMML−80、エクソン化学社製)10重量部、ポリイソブチレン(粘度平均分子量40000、HIMOL4H、日本石油化学社製)15重量部、ポリブテン(粘度平均分子量1260、HV−300、日本石油化学社製)3重量部、脂肪族系炭化水素樹脂(アルコンP−100、荒川化学社製)7重量部からなるゴム系粘着剤(4))中に、全膏体に対してエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[比較例1]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルへキシル95%、アクリル酸5%からなるアクリル系粘着剤(5))中にエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[比較例2]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルへキシル90%、アクリル酸2−ヒドロキシエチル10%からなるアクリル系粘着剤(6))中にエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[比較例3]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルへキシル75%、N−ビニルピロリドン22%、アクリル酸3%からなるアクリル系粘着剤(7))中にエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[比較例4]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルヘキシル60%、2−メトキシエチルアクリレート30%、2−ヒドロキシエチルアクリレート10%からなるアクリル系粘着剤(8))中にエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、また、ミリスチン酸イソプロピルを40%含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[比較例5]
マレイン酸エナラプリルをアクリル酸2−エチルへキシル75%、N−ビニルピロリドン22%、アクリル酸3%からなるアクリル系粘着剤(7))中にエナラプリル換算5%(マレイン酸エナラプリルの場合、6.54%)になるように含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[比較例6]
マレイン酸エナラプリルをアクリル酸2−エチルへキシル82%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル8%、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド10%からなる塩基性粘着剤(1))中にエナラプリル換算5%(マレイン酸エナラプリルの場合、6.54%)になるように含有させ、また、ミリスチン酸イソプロピルを40%含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[参考例1]エナラプリル・エチルエステル(以下、「EPLE」と略す場合もある)の合成
マレイン酸エナラプリル5gにヘキサン30mL、ブロモエタン4.5mL、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン6mLを加え、2時間加熱還流し、その後、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、油状のエナラプリル・エチルエステル(EPLE)を4.1g(収率95.7%)得た。
TLC(キーゼルゲル60、酢酸エチル100%):Rf=0.60
FT−IR (cm-1):1740(エステルC=O)、1649(アミドC=O)、3324(N−H)、749、702(ベンゼン環)
1H−NMR (400MHz、DMSO−d6)(δ):4.20 (2H、CH3−CH 2 −O−)、1.17 (3H、CH 3 −CH2−O−)
[実施例1]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルヘキシル82%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル8%、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド10%からなる塩基性粘着剤(1))中に、全膏体に対してエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[実施例2]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルへキシル82%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル8%、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド10%からなる塩基性粘着剤(1))中に、全膏体に対してエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、また、ミリスチン酸イソプロピルを40%含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[実施例3]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルヘキシル60%、メタクリル酸メチル30%、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド10%からなる塩基性粘着剤(2))中に、全膏体に対してエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[実施例4]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルへキシル60%、メタクリル酸メチル30%、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド10%からなる塩基性粘着剤(2))中に、全膏体に対してエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、また、ミリスチン酸イソプロピルを40%含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[実施例5]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをポリイソブチレン(粘度平均分子量2.11±0.23×106、VISTANEXMML−140、エクソン化学社製)52重量部、ポリイソブチレン(粘度平均分子量60000、HIMOL6H、日本石油化学社製)28重量部、脂肪族系炭化水素樹脂(アルコンP−100、荒川化学社製)20重量部からなるゴム系粘着剤(3))中に全膏体に対してエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、また、ミリスチン酸イソプロピルを40%含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[実施例6]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをポリイソブチレン(粘度平均分子量0.90±0.15×106、VISTANEXMML−80、エクソン化学社製)10重量部、ポリイソブチレン(粘度平均分子量40000、HIMOL4H、日本石油化学社製)15重量部、ポリブテン(粘度平均分子量1260、HV−300、日本石油化学社製)3重量部、脂肪族系炭化水素樹脂(アルコンP−100、荒川化学社製)7重量部からなるゴム系粘着剤(4))中に、全膏体に対してエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[比較例1]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルへキシル95%、アクリル酸5%からなるアクリル系粘着剤(5))中にエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[比較例2]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルへキシル90%、アクリル酸2−ヒドロキシエチル10%からなるアクリル系粘着剤(6))中にエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[比較例3]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルへキシル75%、N−ビニルピロリドン22%、アクリル酸3%からなるアクリル系粘着剤(7))中にエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[比較例4]
参考例1で得たエナラプリル・エチルエステルをアクリル酸2−エチルヘキシル60%、2−メトキシエチルアクリレート30%、2−ヒドロキシエチルアクリレート10%からなるアクリル系粘着剤(8))中にエナラプリル換算5%(エチルエステルの場合、5.37%)になるように含有させ、また、ミリスチン酸イソプロピルを40%含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[比較例5]
マレイン酸エナラプリルをアクリル酸2−エチルへキシル75%、N−ビニルピロリドン22%、アクリル酸3%からなるアクリル系粘着剤(7))中にエナラプリル換算5%(マレイン酸エナラプリルの場合、6.54%)になるように含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
[比較例6]
マレイン酸エナラプリルをアクリル酸2−エチルへキシル82%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル8%、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド10%からなる塩基性粘着剤(1))中にエナラプリル換算5%(マレイン酸エナラプリルの場合、6.54%)になるように含有させ、また、ミリスチン酸イソプロピルを40%含有させ、支持体に25μmのポリエチレンテレフタレートを用いて、厚み40μm、面積10cm2の貼付剤を得た。
以上の実施例1〜6および比較例1〜6の貼付剤の組成を表1に示す。
[試験例1]
上記の各実施例、および比較例にて作製した経皮吸収貼付剤について、70℃密閉状態にて1週間保存後での各製剤中の薬物含有の安定性を検討した。各製剤を有機溶剤に振盪抽出し、抽出液中の薬物量を高速液体クロマトグラフィーにて測定して薬物含有率を求め、薬物含有率90%以上を○、薬物含有率80〜90%未満を△、薬物含有率80%未満を×と判定した。これらの結果を表2に示す。
[試験例2]
上記の各実施例、および比較例にて作製した経皮吸収貼付剤について、粘着剤層の露出表面に生理食塩水を1、2滴滴下し、平衡状態時のpHを測定した。この結果を表2に示す。
上記の各実施例、および比較例にて作製した経皮吸収貼付剤について、70℃密閉状態にて1週間保存後での各製剤中の薬物含有の安定性を検討した。各製剤を有機溶剤に振盪抽出し、抽出液中の薬物量を高速液体クロマトグラフィーにて測定して薬物含有率を求め、薬物含有率90%以上を○、薬物含有率80〜90%未満を△、薬物含有率80%未満を×と判定した。これらの結果を表2に示す。
[試験例2]
上記の各実施例、および比較例にて作製した経皮吸収貼付剤について、粘着剤層の露出表面に生理食塩水を1、2滴滴下し、平衡状態時のpHを測定した。この結果を表2に示す。
表2から、薬物としてエナラプリル・エチルエステルを用い、粘着剤として塩基性粘着剤またはゴム系粘着剤を用いた貼付剤は、薬物の保存安定性が良好であることがわかる。
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JP2003291796A JP2005060291A (ja) | 2003-08-11 | 2003-08-11 | エナラプリル類似体含有貼付剤 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109734775A (zh) * | 2018-12-31 | 2019-05-10 | 辰欣药业股份有限公司 | 一种马来酸依那普利的精制方法 |
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2003
- 2003-08-11 JP JP2003291796A patent/JP2005060291A/ja active Pending
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