JP2005060192A - 水素生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水蒸気改質反応を用いた水素生成装置において、水素生成におけるエネルギー効率を向上させるためには、水の蒸発部に利用する熱エネルギーは改質部で利用した熱エネルギーの残りを利用する場合が多い。しかしながら、装置起動時はその蒸発部へ熱エネルギーが十分に供給されないため、改質部において水蒸気が不足し、改質触媒の劣化を引き起こす原因となる。
【解決手段】改質部1の加熱部からの熱により加熱される予熱部7と、水供給部6と予熱部7との間にヒーターを有する水の気化部9とを設け、改質温度測定部2に予め設定した第1基準値を設け、加熱部3を作動させ原料と水の供給を開始する装置起動時に、改質温度測定部2での検出温度に基づき加熱部3での改質部1に対する加熱量を制御し、かつ前記検出温度が前記第1基準値よりも低い場合、ヒーターを作動させる。
【選択図】図1
【解決手段】改質部1の加熱部からの熱により加熱される予熱部7と、水供給部6と予熱部7との間にヒーターを有する水の気化部9とを設け、改質温度測定部2に予め設定した第1基準値を設け、加熱部3を作動させ原料と水の供給を開始する装置起動時に、改質温度測定部2での検出温度に基づき加熱部3での改質部1に対する加熱量を制御し、かつ前記検出温度が前記第1基準値よりも低い場合、ヒーターを作動させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、炭化水素系の原料を改質して水素ガスを生成する水素生成装置において、特に装置起動時の装置動作に関する。
現在、分散型発電装置として開発、商品化が進められている燃料電池発電装置は、主に水素ガスを原料とする。その水素リッチなガスを生成させる方法として、外部より熱を加え有機化合物系原料と水を改質触媒を用い反応させる水蒸気改質法がある。水蒸気改質法は化学工業プラントの水素生成装置等で一般的に用いられ、供給した原料および水を改質触媒において高温のガス状態で反応させる方法である。ガス状態での反応であるため、原料が液体の場合、原料および水の気化部が用いられる。例えば、メタノール等のアルコール系原料を用いる場合、メタノールの気化部を装置内に持ち反応を進行させる構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
また、気体原料を用いる場合でも水を蒸発させることは必要であり、大規模な装置では、ボイラー等を用いた水蒸気供給部を外部に持ち、原料とともに改質触媒層に供給する方法が用いられることが多い。
分散型燃料電池用の比較的小規模の水素生成装置においても同様に、この水蒸気供給部を装置内部に持ち、水蒸気改質を進行させるものが開発されている。既に実用化されているリン酸型燃料電池発電装置の多くは、気体原料を利用し発電している。燃料電池が200℃から250℃で作動しているため、その熱を利用し水蒸気を発生させ水素生成装置に供給する構成がとられている。
装置起動時は、熱負荷状態が経時的に変化するため、触媒活性低下の大きな原因となる。そこで、水蒸気改質に用いる改質触媒の触媒活性を保護する観点から、水蒸気は予め供給することが望まれる。ボイラー等の水蒸気供給部を外部に持つ場合、水蒸気を安定して発生させてから、水素生成装置を起動させることでその対応が行われている。また、分散型発電装置としての燃料電池発電装置においても、装置内に水蒸気供給手段をもち、窒素ガスを併用しつつ予め改質器に水蒸気を供給することで起動させる方法もある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、小規模の装置、例えば、高分子型燃料電池を用いた家庭用コージェネレーションシステムにおいて、水素生成装置にボイラー等の外部熱源の水蒸気供給装置を併用することは、装置のエネルギー効率、運転時の経済性、コスト等が非効率的になる。そこで従来は、小規模な水素生成装置においては、改質反応に必要な熱源を有するため、その熱源の熱を利用して水蒸気を発生させる構成がとられている(例えば、特許文献3参照)。
一般的に、天然ガスを原料とする場合、通常600℃から750℃の改質触媒上で水蒸気改質反応を進行させる。また、他の炭化水素系原料においても同様な温度への加熱が必要となる。改質反応後の改質ガスの熱エネルギーを有効に利用するため、通常は改質反応後の改質ガスの熱を利用し、水蒸気を発生させるように水蒸気発生部が構成されることが多い。また、メタノール等のアルコール系原料を用いる場合においても、改質反応、変成反応、CO酸化反応の熱を利用し液体原料を加熱する構成がとられる(例えば、特許文献4参照)。
特開平02−116602号公報
特開平05−275103号公報
特開平11−106204号公報
特許第3129670号公報
それらの構成の場合、定常運転時は、熱エネルギーを有効に利用する設計が可能となる。しかし、家庭用の装置はプラント規模の大規模な装置と比較して、頻繁に装置を起動停止する運転条件に対応することが必要となる。特に装置起動時は、改質触媒が加熱されてから水蒸気発生に熱エネルギーが利用されるため、装置構成、加熱条件によって水の蒸発が追いつかず、改質触媒が異常加熱されその触媒活性が低下するという課題があった。
本発明は、上記従来の水素生成装置に関しての上記課題を解決するものであり、特に装置起動時において改質触媒への熱負荷の少ない、起動停止の繰り返しに強い水素生成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の水素生成装置は、原料と水を改質反応させる改質触媒を設けた改質部と、前記改質触媒あるいは前記改質部中ガスの改質温度測定部と、前記改質部を加熱する加熱部と、前記加熱部により前記改質部を加熱した後の余剰熱により改質部に供給される前に原料及び水が加熱される予熱部と、前記水供給部と前記予熱部との間にヒーターを有する水の気化部とを備え、前記加熱部を作動させ原料と水の供給を開始する装置起動時に、前記改質温度測定部での検出温度に基づき前記加熱部の加熱量を制御するとともに、前記改質温度測定部での検出温度が予め設定された第1基準値よりも低い場合、前記気化部のヒーターを作動させることを特徴とする。
また、第2の本発明は、加熱部作動後、改質温度測定部での検出温度が第1基準値よりも高くなった場合、気化部ヒーターの作動を停止することを特徴とする。
また、第3の本発明は、予熱部に予熱温度測定部を備え、加熱部を作動させ原料と水の供給を開始する装置起動時に、改質温度測定部での検出温度に基づき前記加熱部の加熱量を制御するとともに、予熱温度測定部での検出温度が予め設定された第2基準値よりも低い場合、気化部のヒーターを作動させることを特徴とする。
また、第4の本発明は、加熱部作動後、予熱温度測定部での検出温度が第2基準値よりも高くなった場合、気化部ヒーターの作動を停止することを特徴とする。
また、第5の本発明は、加熱部作動後、改質温度測定部での検出温度が予め設定された第3基準値よりも高くなった場合、原料の供給を開始することを特徴とする。
上記の本発明により、起動時に速やかに水蒸気を発生させることのできる装置を提供することで、従来の水素生成装置の起動時に起きる改質触媒熱負荷低減に関しての問題点を解決する。
以上のように、本発明は、加熱部の加熱量制御を行う改質温度測定部で検出した温度を利用し、装置起動時の装置状態である冷状態および暖状態、運転時の装置状態を把握することを、その特徴とする。
改質部は熱有効利用の対応で断熱構成が必要であるため、比較的外的要因(外気温等)の影響を受けにくく、装置停止後の温度低下に一定の傾向があり、その温度状態を把握することで、起動時の装置状態が把握できる。また、加熱部に近い改質温度測定部は、加熱部からの熱による温度変化が大きく現れる。従って、他の構成部分が温度変化の少ない装置起動時に、改質温度測定部を用いることで、より正確に改質部の温度状態を把握することができる。その結果、レスポンスの早くかつ適切な状態で水蒸気の供給を行うことができるという装置運転の制御上格別な効果を生む。
さらに、専用の装置の状態把握構成を必要としないことから、装置コスト低減にも大きく寄与する。その状態把握構成と、水蒸気発生手段である気化部を用いる構成を併用することで、改質部後の熱を利用し水の蒸発、原料と水蒸気の予熱を行う予熱部を加熱する水素生成装置において、装置起動時に確実に水蒸気を発生させることを可能とするとともに、暖起動状態では気化に必要なエネルギーを無駄なく削減することができる効果も合わせて発揮する。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における水素生成装置の構成図である。図1において、1は、天然ガス、LPG等の炭化水素、メタノール等のアルコール、あるいはナフサ等の少なくとも水素及び炭素を含む化合物を含む原料と水蒸気の改質反応を主に進行させる改質部である。改質部1には、改質反応を進行させるための改質触媒13が設けてある。その改質触媒13は、ルテニウム触媒をアルミナ担体に担持し調製したものを用いた。また、改質触媒の温度を測定するために、2の改質温度測定部となる熱電対を改質部1に設けた。さらに、改質部1は、高温での反応を前提とするため外部への放熱を防ぐ観点から、断熱材等を用い断熱する構成としてある。なお、改質温度測定部2で測定する温度は、改質触媒の温度変化が測定できる箇所および雰囲気ならば本実施の形態に示す場所でなくても構わない。具体的には、改質触媒、改質部中のガス温度を測定可能な位置等が挙げられる。
図1は本発明の実施の形態1における水素生成装置の構成図である。図1において、1は、天然ガス、LPG等の炭化水素、メタノール等のアルコール、あるいはナフサ等の少なくとも水素及び炭素を含む化合物を含む原料と水蒸気の改質反応を主に進行させる改質部である。改質部1には、改質反応を進行させるための改質触媒13が設けてある。その改質触媒13は、ルテニウム触媒をアルミナ担体に担持し調製したものを用いた。また、改質触媒の温度を測定するために、2の改質温度測定部となる熱電対を改質部1に設けた。さらに、改質部1は、高温での反応を前提とするため外部への放熱を防ぐ観点から、断熱材等を用い断熱する構成としてある。なお、改質温度測定部2で測定する温度は、改質触媒の温度変化が測定できる箇所および雰囲気ならば本実施の形態に示す場所でなくても構わない。具体的には、改質触媒、改質部中のガス温度を測定可能な位置等が挙げられる。
なお、改質部1内部の詳細説明は省略する。3は、改質部1の加熱部で、改質反応に必要な熱を供給する。原料の一部を燃焼させる、あるいは水素ガス供給先から戻されるガスを燃焼させる火炎バーナーとし、燃焼空気供給用のシロッコファン4を備える(詳細は図示せず)。5は、天然ガス、LPG等の炭化水素、メタノール等のアルコール、あるいはナフサ等に例示される原料を改質部1への供給量を調節する原料供給部である。本実施の形態では、原料インフラとして供給される天然ガスを用い、天然ガスの供給圧力を増加させるブースターを有する構成とした。なお、原料中の硫黄成分を低減する脱硫部を有し、本実施の形態では天然ガス中の付臭成分を除去するゼオライト吸着剤を用いた(詳細は図示せず)。6は、改質反応に必要な水の供給量を調節する水供給部で、イオン交換した水をプランジャーポンプを用い供給する。7は原料および水の予熱部で、水供給部6より供給された水をもとに改質反応に必要な水蒸気を発生させるとともに、予熱した原料と混合させ改質部1に供給する。また、予熱部7は、加熱部3からの熱を受けて水を蒸発させるが、改質部1を加熱した後の熱を利用するように、改質部1に対して加熱部3からの燃焼ガスの流れの下流に配置する構成となっている。また、予熱部7内部の温度状態を測定するため、8の予熱温度測定部を設けた構成とした。9は、水供給部6と予熱部7との間に設けた、水の気化部である。図2にその要部断面図を示す。下部に設けた気化部加熱用のシース式電気ヒータ91を用い、蒸発室92に水供給管93より水を供給し、発生させた水蒸気を蒸気供給管94を通して予熱部7に供給する。また、加熱動作は、気化温度測定部95での検出温度をもとに電気ヒータ91の入力電力を制御する構成となっている。なお、電気ヒータ91を加熱源とするのは、比較的単純に加熱源を構成できるとともに即暖性を有するためである。10は、原料、空気及び水の供給量を設定する制御部である。この制御部10は、改質温度測定部2で測定した温度状態および予熱温度測定部8で測定した温度状態を把握する温度データー処理部を有し、その状態をもとに原料、空気、または水の供給量を設定する。この設定値を原料供給部5、水供給部6、または空気供給部4に出力し、この出力を受けた供給部はその設定値に基づいて供給量を調節する。また、その温度状態を半導体を利用した記憶部(詳細は図示せず)で記憶する機能を有する。11は、改質部1より改質反応後の水素ガスを外部へ供給するガス経路である。その経路の流れ下流には、水素ガスを供給先の装置の特性に応じて、水素ガス中の一酸化炭素を低減させる、一酸化炭素変成部、一酸化炭素選択酸化部等を設ける構成として良い。本実施の形態ではその詳細は説明しない。12は加熱ガス経路で、水素ガス供給先からの未使用ガス等のリターンガスあるいは原料供給部5からの原料の一部を、加熱部3に燃焼用ガスを供給する経路となっている。なお、原料は予熱部7に供給する構成としたが、気化部9に供給し水あるいは水蒸気とともに予熱部7に供給する構成としてもよい。
改質部1での水蒸気改質反応は吸熱反応であり、高反応収率を得るために、改質触媒温度を炭化水素を含む原料では650℃から800℃、アルコールを含む原料でも300℃程度にする必要がある。また、質の高い熱エネルギーをまず改質部1で利用することが望ましい。そこで、上記における本実施の形態の装置では、水素生成の装置定常運転時におけるエネルギー利用効率向上の観点から、加熱部3を作動させ改質部1を加熱するとともに、改質部1加熱後の余剰熱を利用し予熱部7を加熱することで、水蒸気を発生させる構成となっている。さらに、装置定格運転時を想定して、加熱部3からの熱を水の蒸発に最終的に利用し無駄なく熱回収し、エネルギー利用効率を向上させるように、改質部1、加熱部3および予熱部7等が構成されている。しかしながら、水蒸気の発生よりも改質部1の加熱が優先されるため、装置構成、加熱条件によって、装置起動時に水蒸気の発生が遅くなるため、改質触媒が異常加熱される場合が想定される。改質触媒が異常加熱された場合、触媒の比表面積が減少し触媒活性が低下するという課題が生じることとなる。また、水蒸気発生が十分でない状態で、高温の改質触媒に原料ガスが供給された場合、原料ガスからの炭素析出が生じる可能性が大きくなる。例えば、天然ガスでは約300℃の温度で熱分解が生じ、水蒸気が存在しない場合炭素析出する確率が高くなるという問題が生じる。また、アルコールの液体原料を用いる場合、水の蒸発と同様に原料も蒸発させる構成が必要となる。従って、装置構成上、原料気化用の気化部が併用される。アルコールを含む原料は、予め水と混合されている場合もあり、その気化部は水の蒸発にも利用されていることとなる。その結果、アルコール系原料を用いる場合は、装置起動時に改質部に水蒸気と原料を供給する構成となることがある。また、気化部が、他の装置構成からの廃棄熱を利用した構成となっている場合もある。しかし、積極的に装置起動時に改質反応部分の温度を測定し、装置起動状態を把握するものではなく、かつその状態に応じて気化部の動作を制御するものではないため、装置起動時において水の蒸発に必要なエネルギーを消費を低減できるのもではない。
本発明は上記問題に対応するもので、簡便な装置構成で、装置起動時に速やかに水蒸気を発生させ、従来の水素生成装置の起動時に起きる改質触媒の熱負荷低減を行い、かつできるだけ装置運転時に必要なエネルギー消費を少なくさせることを可能とした運転を実現するものである。
以下、この水素生成装置における装置起動動作の実施例をもとに、その効果について説明する。
まず、加熱部3を作動させ改質部1の加熱を開始する。改質部1の加熱は、改質温度測定部2で検出した温度をもとに、その温度が改質反応に適した温度となるように加熱部での入力熱量を制御する。この加熱動作開始時に改質温度測定部2で検出した温度をもとに、気化部9の加熱を動作させるかどうかを判断する。起動時の装置状態として、長時間運転されない等で装置温度が低い冷起動状態、あるいは装置起動停止間隔が短い等で装置温度が高い暖起動状態がある。改質部1は熱有効利用の対応で断熱構成を十分に行った場合、比較的外的要因(外気温等)の影響を受けにくく、装置停止後の温度低下に一定の傾向があり、その温度状態を把握することで、起動時の装置状態が把握できる。そこで本実施の形態では、改質部1の代表温度として加熱部3の加熱量制御を行う改質温度測定部2で検出した温度を利用し、起動時の装置状態を把握する動作をおこなう。この動作により、装置起動時に速やかに水蒸気を発生させ、かつ効率的にエネルギーを利用することを可能とする。例えば、改質温度測定部2で検出した温度が低い冷起動状態で、加熱初期に水を予熱部7に直接供給した場合、予熱部7が十分に加熱されず水の蒸発量が少ない。その状態で、原料の天然ガスを供給した場合、天然ガス比率の高いガスが改質部1に供給される確率が高くなる結果となる。これは、改質部1は加熱部3からの熱をいち早く受け加熱される。しかし、装置の大きさや構成部材の配置等によりその状態は一様ではないが、改質部1の熱容量が大きくかつ改質部1後の熱を利用するため、予熱部7の温度上昇には遅れが生じる。その結果、水が十分に蒸発しない状態で、原料である天然ガスのみが改質部1に供給されてしまうからである。上記のような加熱初期の水の蒸発が十分でない状態、すなわち水蒸気がない状態で改質部1が加熱され、改質触媒の温度が上昇した場合、天然ガスの熱分解による改質触媒上および改質部内部で炭素析出が起き、改質触媒活性の低下および流路閉塞などが進行してしまう。また、水蒸気と原料の水蒸気改質反応は吸熱反応であるため、改質触媒で水蒸気改質反応が進行しない場合、改質触媒の温度が高温になりやすいため触媒活性が低下することが考えられるからである。
そこで本実施の形態では装置起動時に制御部10が、冷起動状態と判断した場合、制御部10は、予熱部7が十分に暖まっていない装置起動初期に気化部9を作動させるよう指令する。上記動作により、装置起動直後に加熱されにくく予熱部7で水が十分に蒸発されない間は、気化部9を作動させ供給した水を蒸発させることで、改質部1内でいち早く水蒸気が存在する状態とするため、原料ガスの供給を開始しても原料ガスの熱分解による炭素析出の起こる確率はほとんどゼロになる。また、改質触媒上では改質触媒温度上昇に伴い吸熱反応である水蒸気改質反応が進行するため、触媒の異常加熱も防止できる効果を得ることができる。
しかしながら、改質温度測定部2で検出した温度が高い暖起動状態では、予熱部7の保有熱等を利用し水の蒸発が見込めることがある。その場合、気化部を作動させることは装置動作上問題はないが、余分なエネルギーを消費することとなる。そこで、予熱部7での水の蒸発が見込める暖起動状態では、制御部10の指令により、気化部9における電気ヒータ91入力を停止するように動作させる。上記のように動作させることで、加熱初期の水蒸気蒸発不足を防止することで、改質部1での異常加熱、炭素析出を防止することができるため、装置起動時における熱効率を向上させることを可能とした。
上記のように本実施の形態では、起動時の装置状態の判断基準となる改質温度測定部2で検出する温度に予め設定した第一基準値を設けて、制御部10は、その温度をもとに冷起動状態あるいは暖起動状態を判断することとなる。その基準値は、改質部1や予熱部7の配置、熱容量等、装置構成要件により相違するもので、随時適切に設定する必要がある。その指針とすべき点は、供給した水が水蒸気必要時に確実に必要量蒸発し供給される様に設定することであり、かつ、下限値は水が蒸発する温度、上限値は改質触媒の耐熱温度を参考にして予め決めることが望ましい。なお、本実施の形態では装置構成を考慮し、上記第一基準値を200℃と設定し、装置動作を行った。
上記のように加熱動作開始時に改質温度測定部2で検出した温度をもとに、制御部10が、気化部9の加熱を動作の有無を判定した後、制御部10の出力により水供給部6は水の出力を調節し、水の供給を開始する。供給する水の量は、反応温度、触媒容積等の使用条件を考慮し、供給する天然ガス中の炭素原子数の好ましくは2倍以上となる量を目安に、その量を予め設定する。本実施例では、2.5倍を目安に供給した。また、気化部9の動作は、気化温度測定部95での検出温度をもとに電気ヒータ91の入力電力を制御することで行う。その後、改質温度測定部2で検出した温度をもとに、制御部10が加熱部3を制御し、装置の加熱を進行させる。その加熱の進行に伴い予熱部7が十分に加熱されるが、予熱部7で水の蒸発が見込める場合、気化部9の電気ヒータ91入力を続けると余分なエネルギーを消費することとなる。そこで、制御部10により予熱部7が加熱され水の蒸発が十分に行えると判断した場合、この制御部の指令により気化部9における電気ヒータ91入力を停止するように動作させる。その動作の判断も、改質温度測定部2で検出した温度をもとに、予め設定した基準値を設けて制御部10により行った。本実施の形態では、その基準値は起動時の装置状態の判断基準となる第一基準値をもとに行った。冷起動状態で加熱部3を作動させ、改質温度測定部2で検出する温度を第一基準値となるまで加熱し暖起動相当の装置状態とすることで、予熱部での水の蒸発が確保できるからである。なお、その基準値は第一基準値と一致させる必要はなく、改質部1や予熱部7の配置、熱容量等、装置構成要件により相違するもので、予熱部7での水蒸気発生状況を考慮し随時適切に設定することが望ましい。また、その後は加熱部3からの熱を有効に利用できる装置構成が実現できるため、水蒸気改質反応における熱効率を向上させることを可能とする効果を得ることができる。
次に、原料となる天然ガスを原料供給部5により供給量を調節し、予熱部7を通し改質部1に供給する。この供給開始の判断も、改質温度測定部2で検出した温度に予め設定した第三基準値を設け、その温度に基づき制御部10により行った。水の供給開始とともに原料の供給を開始してもよいが、原料の熱分解を回避するためには、少なくとも水蒸気が存在する状態で原料の供給を行うことが望ましい。例えば、予熱部7温度が低く、気化部9で発生させた水蒸気が予熱部7で凝縮し、改質部1まで供給されない場合も想定できるからである。なお、その基準値も、下限値は改質触媒体で水蒸気が存在する温度、上限値は改質触媒の耐熱温度を参考にして予め決めることが望ましい。本実施の形態では装置構成を考慮しその温度を300℃と設定し、装置原料の供給を行った。
その後、加熱動作を続けることで改質反応に適切な状態まで装置を運転し、定常運転状態とし水素生成を行う。
なお、気化部9は電気ヒータ91への入力電力を停止した後、水蒸気発生能力がなくなっていき、最終的には供給された水が蒸気供給管94よりあふれ出し、予熱部7へ供給される構成となっている。しかし、水の供給をスムーズに行うため、蒸発室92の空間を所定容積以下に小さくし、電気ヒータ91への入力電力を停止後供給した水が直ちに蒸気供給管94より予熱部7に供給される構成としてもよい。
次に、本実施の形態の装置構成で、装置起動時において改質温度測定部2で検出される温度に予め第一基準値を設け、この検出温度がその第一基準値より低い場合、気化部9の電気ヒータ91を動作させる制御の有無、および加熱部3作動後改質温度測定部2検出温度が第一基準値よりも高くなった場合、気化部9電気ヒータ91の動作を停止する制御の有無による、比較動作結果について説明する。
まず、装置起動時に常に気化部9の電気ヒータ91を作動させた場合、改質部1における水蒸気の有無に関しての問題は生じない。また、冷起動状態では、本実施の形態においても気化部9の電気ヒータ91が作動するため、改質温度測定部2で検出される温度が第一基準値になるまで、起動時の消費電力量に大きな差はでない。しかし、その後本実施の形態では気化部9の電気ヒータ91が作動が停止するため、消費電力量に差が生じる結果となった。さらに、暖起動状態では、本実施の形態では気化部9の電気ヒータ91が作動が全く行われないため、消費電力量に大きな差が生じる結果となった。
(実施の形態2)
次に、本発明における第2の形態について説明する。本実施の形態では、図1に示す実施の形態1に示す装置と同一構成の装置を用いた。また、気化部9も図2に示す構成と同じものを用いたので、構成上の詳細説明は省略する。
次に、本発明における第2の形態について説明する。本実施の形態では、図1に示す実施の形態1に示す装置と同一構成の装置を用いた。また、気化部9も図2に示す構成と同じものを用いたので、構成上の詳細説明は省略する。
装置動作においても実施の形態1と同様の動作を行うためその詳細説明は省略し、相違点のみ説明する。本実施の形態では、装置起動時において予熱温度測定部8の検出温度に予め第二基準値を設け、検出温度がその第二基準値より低いと制御部10により判定された場合、制御部10の指令により気化部9の電気ヒータ91を動作させ気化部9で水蒸気発生を行うことを特徴とする。さらに、加熱部3作動後に、予熱温度測定部8の検出温度が第二基準値よりも高くなったと制御部10により判定された場合、気化部9の電気ヒータ91の動作を停止することを特徴とする。
本実施の形態では予熱部7の温度を直接測定することで、水蒸発に適した状態に加熱した予熱部7に水を供給することができる。従って実施の形態1と比較して多少制御シーケンスは複雑になるが、改質部1への水蒸気供給を確実に行えることとなる。また、気化部9の電気ヒータ91の動作停止時の水蒸気発生もスムーズに行え、水の蒸発を最適化することができる。すなわち、切り替え時の改質部1での水蒸気不足をより確実に回避させることができるものである。
なお、本実施の形態では、運転条件から水蒸気発生状態を考慮して、この基準値の温度を100℃とした。しかし、装置の大きさ、水の供給量等の運転条件によりその値は相異するため、予熱部7の水蒸気発生状態を考慮し、予め決められるものである。
なお、本実施の形態および実施の形態1では、装置起動時に改質部1内を窒素等の不活性ガス、水蒸気等で予め置換する動作については詳細に記載しないが、必要であれば本実施の形態および実施の形態1に示す動作と組み合わせて行うことは、何ら問題はない。
本発明の水素生成装置は、水素生成装置の起動時の装置状態に応じてレスポンスが早くかつエネルギー効率の高い形で適切な状態の水蒸気供給を行うという効果を奏するもので、水素生成装置を用いた燃料電池システム等で有用である。
1 改質部
2 改質温度測定部
3 加熱部
4 シロッコファン
5 原料供給部
6 水供給部
7 予熱部
8 予熱温度測定部
9 気化部
10 供給量制御部
11 ガス経路
12 加熱ガス経路
13 改質触媒
91 電気ヒータ
92 蒸発室
93 水供給管
94 蒸気供給管
95 気化温度測定部
2 改質温度測定部
3 加熱部
4 シロッコファン
5 原料供給部
6 水供給部
7 予熱部
8 予熱温度測定部
9 気化部
10 供給量制御部
11 ガス経路
12 加熱ガス経路
13 改質触媒
91 電気ヒータ
92 蒸発室
93 水供給管
94 蒸気供給管
95 気化温度測定部
Claims (5)
- 原料と水を改質反応させる改質触媒を設けた改質部と、前記改質触媒あるいは前記改質部中ガスの改質温度測定部と、前記改質部を加熱する加熱部と、前記加熱部により前記改質部を加熱した後の余剰熱により改質部に供給される前に原料及び水が加熱される予熱部と、前記水供給部と前記予熱部との間にヒーターを有する水の気化部とを備え、前記加熱部を作動させ原料と水の供給を開始する装置起動時に、前記改質温度測定部での検出温度に基づき前記加熱部の加熱量を制御するとともに、前記改質温度測定部での検出温度が予め設定された第1基準値よりも低い場合、前記気化部のヒーターを作動させることを特徴とする水素生成装置。
- 加熱部作動後、改質温度測定部での検出温度が第1基準値よりも高くなった場合、気化部ヒーターの作動を停止することを特徴とする請求項1記載の水素生成装置。
- さらに、予熱部に予熱温度測定部を備え、加熱部を作動させ原料と水の供給を開始する装置起動時に、改質温度測定部での検出温度に基づき前記加熱部の加熱量を制御するとともに、前記予熱温度測定部での検出温度が予め設定された前記第2基準値よりも低い場合、前記気化部のヒーターを作動させることを特徴とする請求項1または2記載の水素生成装置。
- 加熱部作動後、予熱温度測定部での検出温度が第2基準値よりも高くなった場合、気化部ヒーターの作動を停止することを特徴とする請求項3記載の水素生成装置。
- 加熱部作動後、改質温度測定部での検出温度が、予め設定された第3基準値よりも高くなった場合、原料の供給を開始することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水素生成装置。
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JP2003295111A JP2005060192A (ja) | 2003-08-19 | 2003-08-19 | 水素生成装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-08-19 JP JP2003295111A patent/JP2005060192A/ja active Pending
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