JP5078697B2 - 燃料電池システムの負荷追従運転方法 - Google Patents

燃料電池システムの負荷追従運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5078697B2
JP5078697B2 JP2008083634A JP2008083634A JP5078697B2 JP 5078697 B2 JP5078697 B2 JP 5078697B2 JP 2008083634 A JP2008083634 A JP 2008083634A JP 2008083634 A JP2008083634 A JP 2008083634A JP 5078697 B2 JP5078697 B2 JP 5078697B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow rate
fuel cell
catalyst layer
hydrocarbon
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008083634A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009238598A (ja
Inventor
進 旗田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
JXTG Nippon Oil and Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2008083634A priority Critical patent/JP5078697B2/ja
Application filed by JXTG Nippon Oil and Energy Corp filed Critical JXTG Nippon Oil and Energy Corp
Priority to PCT/JP2009/052744 priority patent/WO2009119187A1/ja
Priority to EP09724129A priority patent/EP2267827A4/en
Priority to US12/934,981 priority patent/US8557463B2/en
Priority to CA2719384A priority patent/CA2719384A1/en
Priority to KR1020107022156A priority patent/KR20100138995A/ko
Priority to CN2009801108631A priority patent/CN101981739B/zh
Priority to TW098109912A priority patent/TW201008014A/zh
Publication of JP2009238598A publication Critical patent/JP2009238598A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5078697B2 publication Critical patent/JP5078697B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Description

本発明は、灯油等の炭化水素系燃料を改質して得た改質ガスを用いて発電を行う燃料電池システムの負荷追従運転方法に関する。
固体酸化物電解質形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell。以下場合によりSOFCという。)システムには、通常、灯油や都市ガスなどの炭化水素系燃料を改質して水素含有ガス(改質ガス)を発生させるための改質器と、改質ガスと空気を電気化学的に発電反応させるためのSOFCが含まれる。
SOFCは通常、550〜1000℃の高温で作動させる。
改質には水蒸気改質(SR)、部分酸化改質(POX)、自己熱改質(ATR)など種々の反応が利用されるが、改質触媒を用いるためには、触媒活性が発現する温度に加熱する必要がある。
水蒸気改質は非常に大きな吸熱反応であり、また、反応温度が550〜750℃と比較的高く、高温の熱源を必要とする。そのため、SOFCの近傍に改質器(内部改質器)を設置し、主にSOFCからの輻射熱を熱源として改質器を加熱する内部改質型SOFCが知られている(特許文献1)。
また特許文献2および3に、燃料電池システムの負荷追従運転に関する提案がなされている。
特開2004−319420号公報 特開2001−185196号公報 特開2006−32262号公報
炭化水素系燃料が所定の組成まで改質されず、未改質分がSOFCに供給されてしまうと、特に炭化水素系燃料として灯油などの高次炭化水素を用いた場合には、炭素析出による流路閉塞やアノード劣化を引き起こすこともある。
SOFCシステムは、負荷追従運転を行なうことがある。すなわち、電力需要の変動に合わせてSOFCシステムによる発電量を変化させる運転を行なうことがある。例えば、発電量を増加させる場合に、SOFCシステムへの炭化水素系燃料の供給量を増加させることがある。このような場合においても、炭素が析出する可能性がある。したがって、負荷追従運転に際しても炭化水素系燃料を確実に改質することが望まれる。特許文献2および3に開示される技術においても、確実な改質を行なうという点で、未だ改善が望まれる。
これはSOFCに限らず溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)等の高温型燃料電池を有する燃料電池システムについても言えることである。
本発明の目的は、改質触媒層を有する改質器と高温型燃料電池とを有する燃料電池システムを負荷追従運転する際に、より確実に改質を行い、流路閉塞やアノード劣化をより確実に防止することのできる方法を提供することである。
本発明により、炭化水素系燃料を改質して水素を含有する改質ガスを製造する、改質触媒層を有する改質器と、該改質ガスを用いて発電を行う高温型燃料電池とを有する燃料電池システムの負荷追従運転方法であって、
予め、該燃料電池の複数の電気出力Pi(iは1以上M以下の整数、ただしMは2以上の整数)と、各Piに対応する炭化水素系燃料の流量Fiとを、設定しておき、
ただし、各Fiは対応する電気出力Piを燃料電池で出力するために改質触媒層に供給することが必要な炭化水素系燃料の流量であり、各Piは0以上であってiの増加に伴ってPiが増加し、各Fiは0より大きく、
iがMである場合のPiであるPMは燃料電池の最大電気出力であり、
全てのFiのうちの最小値をFminと表したとき、
A)改質触媒層の温度を測定する工程、
B)測定された改質触媒層の温度に基づいて、改質触媒層において改質可能な炭化水素系燃料の流量である改質可能流量FRを算出する工程、
C)算出した改質可能流量FRが、前記最小値Fminより小さい場合、燃料電池における発電を停止する工程、
D)算出した改質可能流量FRが、前記最小値Fmin以上である場合に、
燃料電池出力要求値PDが、前記最大電気出力PM以下であれば工程d1を行ない、燃料電池出力要求値PDが、前記最大電気出力PMを超えていれば工程d2を行なう工程、
d1)全Piのうちに、燃料電池出力要求値PDに等しいPiがあれば、PDに等しいPiに対応するFiをFDSとし、
全Piのうちに、燃料電池出力要求値PDに等しいPiがなければ、PDを超える最も小さいPiに対応するFiと、PD未満で最も大きいPiに対応するFiと、のうちの小さくない方をFDSとし、
DSが前記算出した改質可能流量FR以下である場合、燃料電池の電気出力をPDとするとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量をFDSとし、
DSが前記算出した改質可能流量FRを超えている場合、
燃料電池出力要求値PD未満かつFR以下のFiに対応するPiがあれば、燃料電池の電気出力を、PD未満かつFR以下のFiに対応するPiのうちの最大値とするとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、この最大値に対応するFiとし、
燃料電池出力要求値PD未満かつFR以下のFiに対応するPiが無ければ、燃料電池の発電を停止するとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、改質可能流量FRとする工程、
d2)最大電気出力PMに対応するFiであるFMが、前記算出した改質可能流量FR以下である場合、燃料電池の電気出力をPMとするとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量をFMとし、
最大電気出力PMに対応するFiであるFMが、前記算出した改質可能流量FRを超えている場合、
R以下のFiに対応するPiがあれば、燃料電池の電気出力を、FR以下のFiに対応するPiのうちの最大値とするとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、この最大値に対応するFiとし、
R以下のFiに対応するPiが無ければ、燃料電池の発電を停止するとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、改質可能流量FRとする工程、
を有する燃料電池システムの負荷追従運転方法が提供される。
負荷追従運転の間、前記工程A〜Dを繰り返して行なうことができる。
前記炭化水素系燃料が、炭素数が2以上の炭化水素系燃料を含むことができる。
前記改質ガス中の、炭素数2以上の化合物の濃度が、質量基準で50ppb以下であることができる。
本発明により、改質触媒層を有する改質器と高温型燃料電池とを有する燃料電池システムを負荷追従運転する際に、より確実に改質を行い、流路閉塞やアノード劣化をより確実に防止することのできる方法が提供される。
本発明において用いる燃料電池システムは、炭化水素系燃料を改質して水素含有ガスを製造する改質器と、高温型燃料電池とを有する。改質器は、改質触媒層を有する。改質器から得られる水素含有ガスは改質ガスと呼ばれる。改質触媒層は改質反応を促進可能な改質触媒によって構成される。高温型燃料電池は、改質器から得られる水素含有ガス(改質ガス)を用いて発電を行う。
以下、図面を用いて本発明の形態について説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
〔間接内部改質型SOFC〕
図1に、本発明を実施することのできる間接内部改質型SOFCの一形態を模式的に示す。ここでは、間接内部改質型SOFCシステムについて説明するが、本発明は外部改質型SOFCシステムあるいはMCFCシステムについても適用可能である。
間接内部改質型SOFCは、炭化水素系燃料を改質して改質ガス(水素含有ガス)を製造する改質器3を有する。改質器は、改質触媒層4を有する。
間接内部改質型SOFCは、上記改質ガスを用いて発電を行うSOFC6を有し、また、SOFC(特にはそのアノード)から排出されるアノードオフガスを燃焼させる燃焼領域5を有する。
間接内部改質型SOFCは、改質器、固体酸化物形燃料電池および燃焼領域を収容する筐体8を有する。
間接内部改質型SOFCは、筐体(モジュール容器)8およびその内部に含まれる設備をいう。
図1に示した形態の間接内部改質型SOFCでは、アノードオフガスに着火するための着火手段であるイグナイター7が設けられており、また、改質器は電気ヒータ9を備える。
各供給ガスは必要に応じて適宜予熱されたうえで改質器もしくはSOFCに供給される。
間接内部改質型SOFCには、電気ヒータ2を備える水気化器1が接続され、その接続配管の途中に炭化水素系燃料を改質器に供給するための配管が接続される。水気化器1は電気ヒータ2による加熱によって水蒸気を発生する。水蒸気は水気化器においてもしくはその下流において適宜スーパーヒートしたうえで改質触媒層に供給することができる。
また空気(部分酸化改質反応用)も改質触媒層に供給されうるが、ここでは、空気を水気化器で予熱したうえで改質触媒層に供給できるようになっている。水気化器からは、水蒸気を得ることができ、また空気と水蒸気との混合ガスを得ることができる。
水蒸気または空気と水蒸気との混合ガスは、炭化水素系燃料と混合されて改質器3、特にはその改質触媒層4に供給される。炭化水素系燃料として灯油等の液体燃料を用いる場合は、炭化水素系燃料を適宜気化したうえで改質触媒層に供給することができる。
改質器から得られる改質ガスがSOFC6、特にはそのアノードに供給される。図示しないが、空気が適宜予熱されてSOFCのカソードに供給される。
アノードオフガス(アノードから排出されるガス)中の可燃分がSOFC出口において、カソードオフガス(カソードから排出されるガス)中の酸素によって燃焼される。このために、イグナイター7を用いて着火することができる。アノード、カソードともその出口がモジュール容器8内に開口している。燃焼ガスは、モジュール容器から適宜排出される。
改質器とSOFCが一つのモジュール容器に収容されモジュール化される。改質器はSOFCから受熱可能な位置に配される。例えば改質器をSOFCからの熱輻射を受ける位置に配置すれば、発電時にSOFCからの熱輻射によって改質器が加熱される。
間接内部改質型SOFCにおいて、改質器は、SOFCから改質器の外表面へと直接輻射伝熱可能な位置に配することが好ましい。従って改質器とSOFCとの間には実質的に遮蔽物は配置しないこと、つまり改質器とSOFCとの間は空隙にすることが好ましい。また、改質器とSOFCとの距離は極力短くすることが好ましい。
燃焼領域5において発生するアノードオフガスの燃焼熱によって、改質器3が加熱される。また、SOFCが改質器より高温である場合には、SOFCからの輻射熱によっても改質器が加熱される。
さらに、改質による発熱によって改質器が加熱される場合もある。改質が部分酸化改質である場合、あるいは自己熱改質(オートサーマルリフォーミング)の場合であって水蒸気改質反応による吸熱より部分酸化改質反応による発熱の方が大きい場合、改質に伴って発熱する。
〔負荷追従運転方法〕
本発明では、予め、燃料電池の複数の電気出力Pi(iは1以上M以下の整数、ただしMは2以上の整数)と、各Piに対応する炭化水素系燃料の流量Fiとを、設定しておく。
各Fiは対応する電気出力Piを燃料電池で出力するために改質触媒層に供給することが必要な炭化水素系燃料の流量である。例えば、SOFCを好ましく発電可能な温度に維持しつつもできるだけ発電効率が高くなるよう、予備実験やシミュレーションなどにより、各Piに対する電流と燃料利用率を予め定めておくことで、各Piに対応する炭化水素系燃料の流量Fiを設定しておくことができる。
また、必要に応じて、予め、各Piに対応させて、炭化水素系燃料以外の間接内部改質型SOFCに供給する流体の流量、燃料電池の出力以外の間接内部改質型SOFCへの電気の入出力を設定しておくことができる。例えば、改質器に供給する水流量については、炭素析出抑制のため、スチーム/カーボン比(改質触媒層に供給されるガス中の炭素原子モル数に対する水分子モル数の比)が所定の値となるよう設定しておくことができる。改質器に供給する空気流量については、酸素/カーボン比(改質触媒層に供給されるガス中の炭素原子モル数に対する酸素分子モル数の比)が所定の値となるよう設定しておくことができる。改質器に供給する水および空気以外の間接内部改質型SOFCに供給する流体の流量、間接内部改質型SOFCへの電気の入出力については、SOFCを好ましく発電可能な温度に維持しつつもできるだけ発電効率が高くなるよう、予備実験やシミュレーションなどにより、設定しておくことができる。このようにすれば、燃料電池の出力を或る値Pにする際に、予め求めた関数を用いて、これら流量や電気入出力を決めることができる。
各Piは0以上である。つまり、全てのiについて、0≦Piである。またiの増加に伴ってPiが増加する。つまり、Pi<Pi+1(ここではiは1以上M−1以下の整数)である。よって、実際にゼロであってよいPiはP1だけである。
さらに各Fiは0より大きい。つまり全てのiについて0<Fiである。
iがMである場合のPi(すなわちPM)は燃料電池の最大電気出力である。PMは燃料電池システムの仕様として予め定められる。
全てのFiの中の最小値をFminと表す。
Mは発電効率の観点から、制御手段のメモリの許容範囲内で、できるだけ大きくするのが好ましい。
負荷追従運転の間、工程A〜Dを好ましくは繰り返して行なうことによって、つまり、工程Aと、工程Bと、工程CもしくはDと、をこの順に繰り返して行なうことによって、より確実に改質を行い、アノードの劣化をより確実に防止することができる。
〔工程A〕
実際に負荷変動運転を行なう際には、改質触媒層の温度を測定する工程Aを行なう。この測定は、負荷追従運転を行う間継続して行なうことができる。
工程Aは、後述する改質可能流量FRを算出する際に使用する、改質触媒層の温度Tを知るために行なう。工程Aは、負荷追従運転開始時点から極力短時間のうちに始めることが好ましい。負荷追従運転を開始して直ちに工程Aを始めることが好ましい。負荷追従運転開始より前から改質触媒層の温度監視(継続的計測)を行なっている場合は、そのまま継続して温度監視を行なえばよい。
温度測定のために、熱電対等の適宜の温度センサーを用いることができる。
〔工程B〕
工程Bでは、測定された改質触媒層の温度に基づいて、改質触媒層において改質可能な炭化水素系燃料の流量(改質可能流量FR)を算出する。算出方法については、後に詳述する。
〔工程C〕
工程Bで算出した改質可能流量FRが、前記最小値Fminより小さい場合、燃料電池における発電を停止する。つまり、FR<Fminのとき、最低限必要な改質ガスを改質できないことになるので、燃料電池の電気出力をゼロにする。このとき、FRの流量の炭化水素系燃料を改質器に供給し、少なくともFR≧Fminとなるまで、改質器に付設されたヒータやバーナなどで改質触媒層を昇温することができる。FR≧Fminとなったら、工程D以降を行うことができる。
〔工程D〕
工程Bで算出した改質可能流量FRが、前記最小値Fmin以上である場合に、工程Dを行なう。
工程Dでは、燃料電池出力要求値PDが、燃料電池の最大電気出力PM以下であれば工程d1を行なう。PD≦PMは、燃料電池出力要求値PDを、燃料電池が出力可能であることを意味する。
あるいは、燃料電池出力要求値PDが、燃料電池の最大電気出力PMを超えていれば工程d2を行なう。PD>PMは、燃料電池出力要求値PDに対して、燃料電池の電気出力が不足することを意味する。
<工程d1>
工程d1では、まず、さらなる判断を行なうためにFDSという値を求める。ここで、FDSは、安全側に改質可否を判断するために求められる、燃料電池出力要求値PDに近いPiに対応する炭化水素系燃料の流量という意味合いを持つ。
予め設定しておいた全Piのうちに、燃料電池出力要求値PDに等しいPiがあるかどうか調べる。
Dに等しいPiがあれば、予め設定しておいたPiとFiとの対応関係を用いて、そのPi(=PD)に対応するFiを求め、このFiをFDSとする。以下においても、Piに対応するFiやFiに対応するPiを求める際には、予め定めたPiとFiとの対応関係を用いる。
全Piのうちに、PDに等しいPiがなければ、より安全側に改質可否を判断するため、「PDを超える最も小さいPi」に対応するFiと「PD未満で最も大きいPi」に対応するFiとのうちの、大きい方(これら二つの値が等しい場合はその値)をFDSとする。
次に、このFDSと前記算出した改質可能流量FRとを比較する。
・FDS≦FRである場合
DSが改質可能流量FR以下である場合、燃料電池の電気出力をPDとするとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量をFDSとする。FDS≦FRは、流量FDSの炭化水素系燃料を、改質触媒層において改質可能であることを意味する。
・FDS>FRである場合
DSが前記算出した改質可能流量FRを超えている場合は次の(1)または(2)の工程を行なう。FDS>FRは、流量FDSの炭化水素系燃料を、改質触媒層において改質しきれないことを意味する。
(1)燃料電池出力要求値PD未満の範囲に、FR以下のFiに対応するPiが存在する場合
この場合、燃料電池の電気出力を、そのPi(PD未満かつFR以下のFiに対応するPi)のうちの最大値とするとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、この最大値に対応するFiとする。この操作は、できるだけの電気出力を燃料電池で出力することを意図している。
(2)燃料電池出力要求値PD未満の範囲に、FR以下のFiに対応するPiが存在しない場合
この場合、燃料電池の発電を停止するとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、改質可能流量FRとする。ここで改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、改質可能流量FRとするのは、運転継続のためである。この操作の後、改質器に付設されたヒータやバーナなどで改質器(改質触媒層)を昇温して、FRが大きくなる(FDS≦FRとなる)のを待つことができる。FDS≦FRとなったら、工程D以降を行うことができる。
<工程d2>
前述のように、工程d2は、燃料電池出力要求値PDに対して、燃料電池の電気出力が不足すると判断される場合に行なう。
この工程では、FM(最大電気出力PMに対応するFi)と、前記算出した改質可能流量FRとを比較する。
・FM≦FRである場合
Mが前記算出した改質可能流量FR以下である場合、燃料電池の電気出力をPMとするとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量をFMとする。FM≦FRは、流量FMの炭化水素系燃料を、改質触媒層において改質可能であることを意味する。
・FM>FRである場合
Mが前記算出した改質可能流量FRを超えている場合、次の(3)または(4)の工程を行なう。FM>FRは、流量FMの炭化水素系燃料を、改質触媒層において改質しきれないことを意味する。
(3)FR以下のFiに対応するPiが存在する場合
この場合、燃料電池の電気出力を、FR以下のFiに対応するPiのうちの最大値とするとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、この最大値に対応するFiとする。この操作は、できるだけの電気出力を燃料電池で出力することを意図している。
(4)FR以下のFiに対応するPiが存在しない場合
この場合、燃料電池の発電を停止するとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、改質可能流量FRとする。ここで改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、改質可能流量FRとするのは、運転継続のためである。この操作の後、改質器に付設されたヒータやバーナなどで改質器(改質触媒層)を昇温して、FRが大きくなる(FDS≦FRとなる)のを待つことができる。FDS≦FRとなったら、工程D以降を行うことができる。
〔負荷追従運転例〕
以下、或る一つの燃料電池システムの負荷追従運転を行なう際に、様々な条件において、どのように運転するかについて具体例を挙げて説明する。ただし、本発明はこれによって限定されるものではない。
まず、燃料電池システムについて、予め、表1に示されるように、電気出力Piと、各Piに対応する炭化水素系燃料の流量Fiとが設定されたとする。ここで、PM=700W、Fmin=1g/minであり、これらはこの燃料電池システムに固有の値である。一方PDは電力需要に応じて変動しうるものであり、FRは改質触媒層温度に応じて変動しうるものである。またM=7、つまり7個の相異なるPiが設定されている。
Figure 0005078697
工程Aで改質触媒層の温度を測定し、工程Bで改質可能流量FRを算出する。
(ケース1)PD=450W、FR=5g/minの場合を考える。
このとき、FR=5g/min≧1g/min=Fminなので、工程Cは行なわずに、工程Dを行なう。
そして、PD=450W<700W=PMなので、工程d2ではなく工程d1を行なう。
工程d1においてはまずFDSを求める。表1から、PD(450W)と等しいPiがないことがわかる。よって、「PDを超える最も小さいPiに対応するFi」と、「PD未満で最も大きいPiに対応するFi」とを表1から求める。PDを超える最も小さいPiは500W(P5)であり、P5に対応するFi(F5)は3g/minである。PD未満で最も大きいPiは400W(P4)であり、P4に対応するFi(F4)は4g/minである。F5およびF4のうちの、小さくない方、すなわちF4をFDSとする。よって、FDS=4g/minである。
DSとFRとを比較する。FDS=4g/min≦5g/min=FRなので、燃料電池の電気出力をPDすなわち450Wとするとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量をFDSすなわち4g/minとする。
(ケース2)PD=350W、FR=3g/minの場合を考える。
このとき、FR=3g/min≧1g/min=Fminなので、工程Cは行なわずに、工程Dを行なう。
そして、PD=350W<700W=PMなので、工程d2ではなく工程d1を行なう。
工程d1においてはまずFDSを求める。表1から、PD(350W)と等しいPiがないことがわかる。よって、「PDを超える最も小さいPiに対応するFi」と、「PD未満で最も大きいPiに対応するFi」とを表1から求める。PDを超える最も小さいPiは400W(P4)であり、P4に対応するFi(F4)は4g/minである。PD未満で最も大きいPiは300W(P3)であり、P3に対応するFi(F3)は3g/minである。F4およびF3のうちの、小さくない方、すなわちF4をFDSとする。よって、FDS=4g/minである。
DSとFRとを比較する。FDS=4g/min>3g/min=FRなので、状況に応じて前述の工程(1)または(2)を行なう。具体的には、PD未満かつFR以下のFiに対応するPiがあるので、工程(1)を行なう。
D未満すなわち350W未満の範囲で、FRすなわち3g/min以下のFiに対応するPiは、P1(0W)、P2(200W)およびP3(300W)である。これらのうちの最大値はP3(300W)である。この最大値P3に対応するFi(F3)は、3g/minである。
よって、燃料電池の電気出力をこの最大値P3すなわち300Wにするとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、この最大値P3に対応するFi(F3)すなわち3g/minとする。
(ケース3)PD=350W、FR=1g/minの場合を考える。
このとき、FR=1g/min≧1g/min=Fminなので、工程Cは行なわずに、工程Dを行なう。
そして、PD=350W<700W=PMなので、工程d2ではなく、工程d1を行なう。
工程d1においてはまずFDSを求める。表1から、PD(350W)と等しいPiがないことがわかる。よって、「PDを超える最も小さいPiに対応するFi」と、「PD未満で最も大きいPiに対応するFi」とを表1から求める。PDを超える最も小さいPiは400W(P4)であり、P4に対応するFi(F4)は4g/minである。PD未満で最も大きいPiは300W(P3)であり、P3に対応するFi(F3)は3g/minである。F4およびF3のうちの、小さくない方、すなわちF4をFDSとする。よって、FDS=4g/minである。
DSとFRとを比較する。FDS=4g/min>1g/min=FRなので、状況に応じて前述の工程(1)または(2)を行なう。具体的には、PD未満かつFR以下のFiに対応するPiがないので、工程(2)を行なう。詳しくは、PD未満の範囲のPiに対応するFiはF1、F2およびF3であるが、これらは全てFR(1g/min)より大きい。よってPD未満かつFR以下のFiに対応するPiがない。
したがって工程(2)で、燃料電池の発電を停止するとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、改質可能流量FR(1g/min)とする。
表1に示した対応は、説明のために、極端なものとした。しかし実用上は、表2に示すような対応に近い場合が多いと考えられる。表2では、電気出力Piが小さい範囲、すなわち電気出力Piが0W以上、300W以下の範囲において、SOFCを好ましく発電可能温度に維持するために炭化水素系燃料の流量Fiを1.0g/minで一定としている。また、電気出力Piが大きい範囲、すなわち電気出力Piが400W以上、最大電気出力PM(1000W)以下の範囲において、発電効率を高くするために、電気出力Piの増加に対応して炭化水素系燃料の流量Fiが1.5g/minから4.5g/minまで増加するとしている。
Figure 0005078697
〔改質可能流量の算出(FRの算出)〕
以下、工程Aで測定された改質触媒層の温度に基づいて、工程Bにおいて、改質触媒層において改質可能な炭化水素系燃料の流量FRを算出する方法に関して説明する。
改質触媒層において改質可能な炭化水素系燃料の流量は、その流量の炭化水素系燃料を改質触媒層に供給した場合に、改質触媒層から排出されるガスの組成が、燃料電池のアノードに供給するに適した組成になる流量をいう。
例えば、改質触媒層における改質可能流量は、供給した炭化水素系燃料がC1化合物(炭素数1の化合物)まで分解されうる流量の最大値以下の任意の流量とすることができる。すなわち、改質触媒層出口ガスにおけるC2+成分(炭素数が2以上の成分)が炭素析出による流路閉塞やアノード劣化に対して問題にならない濃度以下である組成になるまで改質触媒層において改質が進みうる場合の、改質触媒層への炭化水素系燃料の供給流量の最大値以下の任意の流量とすることができる。このときのC2+成分の濃度は、改質ガス中の質量分率として50ppb以下が好ましい。そしてこのとき、改質触媒層出口ガスが還元性になっていればよい。改質触媒層出口ガス中に、メタンが含まれることは許容される。炭化水素系燃料の改質においては、通常、平衡論上メタンが残留する。改質触媒層出口ガス中に、メタン、COあるいはCO2の形で炭素が含まれていても、必要に応じてスチームを添加することで炭素析出を防止することができる。炭化水素系燃料としてメタンを用いる場合は、改質触媒層出口ガスが還元性になるように、改質が進めばよい。
改質触媒層出口ガスの還元性については、このガスがアノードに供給されても、アノードの酸化劣化を抑えられる程度であればよい。このために、例えば、改質触媒層出口ガスに含まれる酸化性のO2、H2O、CO2などの分圧をアノード電極の酸化反応における平衡分圧より低くすることができる。例えば、アノード電極材料がNiで、アノード温度が800℃のとき、改質触媒層出口ガスに含まれるO2分圧を1.2×10-14atm(1.2×10-9Pa)未満、H2に対するH2Oの分圧比を1.7×102未満、COに対するCO2の分圧比を1.8×102未満とすることができる。
改質可能流量は、改質触媒層の温度に依存する。そのため、改質触媒層における改質可能流量の算出は、測定された改質触媒層の温度に基づいて行う。
改質触媒層における改質可能流量FRは、改質触媒層の温度Tの関数(温度の関数であることを明示する場合にはFR(T)と表す)として、予め実験により求めることができる。また、実験により求めた関数に安全率を乗じたり、安全側に温度を補正したりしたうえで、改質可能流量とすることもできる。なお、FR(T)の単位は例えばmol/sである。改質可能流量FR(T)は、温度Tのみの関数とすることができる。しかしその限りではなく、改質可能流量FRは、温度Tに加えて、触媒層体積やガス成分の濃度などのT以外に変数を持つ関数であってもよい。その場合、改質可能流量FRを計算する際には、T以外の変数を適宜求め、T以外の変数と、測定されたTとから改質可能流量FRを計算することができる。
改質触媒層の温度測定箇所は、1点でも、複数点でもよい。また、温度条件としては、複数点の平均値などの代表温度などを用いることができる。
改質触媒層をガス流通方向に沿って分割した複数個の分割領域を考え、改質触媒層のガス流通方向に相異なる位置にある複数点の温度を測定し、それらの温度に基づいて、複数個の分割領域のうちの少なくとも一部において改質可能な燃料の流量を算出し、算出した流量の合計値を改質触媒層において改質可能な燃料の流量としてもよい。
〔その他〕
負荷追従運転の間、必ずしも同じ種類の改質を行う必要はない。より詳しくは、負荷追従運転の間、炭化水素系燃料の流量を段階的に変更して改質を行なうことができるが、各段階において必ずしも同じ種類の改質を行なう必要はない。
また、燃料電池を系統電源と連系することで、電力負荷に対する燃料電池の電気出力の不足分を系統電源から供給することができる。
燃料電池出力要求値PDは、適宜の電力計で測定した電力負荷の値とすることができる。あるいは、他の発電機や蓄電池と連系する場合に、測定した電力負荷の一部を燃料電池出力要求値PDとすることができる。
工程(1)または工程(3)において炭化水素系燃料の流量を定める際に、必要に応じ、これにあわせて炭化水素系燃料以外の間接内部改質型SOFCに供給する流体の流量、SOFCの出力以外の間接内部改質型SOFCへの電気の入出力を、予め、各Piに対応させて設定しておいた値(定めた炭化水素系燃料の流量と同じi番目の値)に定めることができる。
本発明は、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料が、炭素数が2以上の炭化水素系燃料を含む場合に、特に効果的である。本発明によって、負荷追従運転時においても、改質ガス中の、炭素数2以上の化合物の濃度を、質量基準で50ppb以下とすることができ、これにより、炭素析出による流路閉塞やアノード劣化をさらに確実に防止することができる。
〔炭化水素系燃料〕
炭化水素系燃料としては、改質ガスの原料として高温型燃料電池の分野で公知の、分子中に炭素と水素を含む(酸素など他の元素を含んでもよい)化合物もしくはその混合物から適宜選んで用いることができ、炭化水素類、アルコール類など分子中に炭素と水素を有する化合物を用いることができる。例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、LPG(液化石油ガス)、都市ガス、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油等の炭化水素燃料、また、メタノール、エタノール等のアルコール、ジメチルエーテル等のエーテル等である。
なかでも灯油やLPGは、入手容易であり好ましい。また独立して貯蔵可能であるため、都市ガスのラインが普及していない地域において有用である。さらに、灯油やLPGを利用した高温型燃料電池発電装置は、非常用電源として有用である。特には、取り扱いも容易である点で、灯油が好ましい。
〔高温型燃料電池〕
本発明は、炭素析出による流路閉塞やアノード劣化が生じる可能性のある高温型燃料電池を備えるシステムに好適に適用することができる。このような燃料電池としては、SOFCやMCFCがある。
SOFCとしては、平板型や円筒型などの各種形状の公知のSOFCから適宜選んで採用できる。SOFCでは、一般的に、酸素イオン導電性セラミックスもしくはプロトンイオン導電性セラミックスが電解質として利用される。
MCFCについても、公知のMCFCから適宜選んで採用できる。
SOFCやMCFCは単セルであってもよいが、実用上は複数の単セルを配列させたスタック(円筒型の場合はバンドルと呼ばれることもあるが、本明細書でいうスタックはバンドルも含む)が好ましく用いられる。この場合、スタックは1つでも複数でもよい。
高温型燃料電池のなかでも、間接内部改質型SOFCはシステムの熱効率を高めることができる点で優れている。間接内部改質型SOFCは、水蒸気改質反応を利用して炭化水素系燃料から水素を含む改質ガスを製造する改質器と、SOFCとを有する。この改質器では、水蒸気改質反応を行うことができ、また、水蒸気改質反応に部分酸化反応が伴うオートサーマルリフォーミングを行ってもよい。SOFCの発電効率の観点からは起動完了後、部分酸化反応は起きない方が好ましい。オートサーマルリフォーミングにおいても、起動完了後は水蒸気改質が支配的になるようにされ、従って改質反応はオーバーオールで吸熱になる。そして、改質反応に必要な熱がSOFCから供給される。改質器とSOFCが一つのモジュール容器に収容されモジュール化される。改質器はSOFCから熱輻射を受ける位置に配される。こうすることによって、発電時にSOFCからの熱輻射によって改質器が加熱される。また、SOFCから排出されるアノードオフガスをセル出口で燃焼させることにより、SOFCを加熱することもできる。
間接内部改質型SOFCにおいて、改質器は、SOFCから改質器の外表面へと直接輻射伝熱可能な位置に配することが好ましい。従って改質器とSOFCとの間には実質的に遮蔽物は配置しないこと、つまり改質器とSOFCとの間は空隙にすることが好ましい。また、改質器とSOFCとの距離は極力短くすることが好ましい。
各供給ガスは必要に応じて適宜予熱されたうえで改質器もしくはSOFCに供給される。
モジュール容器としては、SOFCと改質器とを収容可能な適宜の容器を用いることができる。その材料としては、例えばステンレス鋼など、使用する環境に耐性を有する適宜の材料を用いることができる。容器には、ガスの取り合い等のために、適宜接続口が設けられる。
セル出口がモジュール容器内で開口している場合は特に、モジュール容器の内部と外界(大気)とが連通しないように、モジュール容器が気密性を持つことが好ましい。
燃焼領域は、SOFCのアノードから排出されるアノードオフガスを燃焼可能な領域である。例えば、アノード出口を筐体内に開放し、アノード出口近傍の空間を燃焼領域とすることができる。酸素含有ガスとして例えばカソードオフガスを用いてこの燃焼を行なうことができる。このために、カソード出口を筐体内に開放することができる。
燃焼用燃料もしくはアノードオフガスを燃焼させるために、イグナイターなどの着火手段を適宜用いることができる。
〔改質器〕
改質器は、炭化水素系燃料から水素を含む改質ガスを製造する。
改質器においては、水蒸気改質、部分酸化改質、および、水蒸気改質反応に部分酸化反応が伴うオートサーマルリフォーミングのいずれを行ってもよい。
改質器には、水蒸気改質能を有する水蒸気改質触媒、部分酸化改質能を有する部分酸化改質触媒、部分酸化改質能と水蒸気改質能とを併せ持つ自己熱改質触媒を適宜用いることができる。
改質器の構造は、改質器として公知の構造を適宜採用できる。例えば、密閉可能な容器内に改質触媒を収容する領域を有し、改質に必要な流体の導入口と改質ガスの排出口を有する構造とすることができる。
改質器の材質は、改質器として公知の材質から、使用環境における耐性を考慮して適宜選んで採用できる。
改質器の形状は、直方体状や円管状など適宜の形状とすることができる。
炭化水素系燃料(必要に応じて予め気化される)および水蒸気、さらに必要に応じて空気等の酸素含有ガスをそれぞれ単独で、もしくは適宜混合した上で改質器(改質触媒層)に供給することができる。また、改質ガスはSOFCのアノードに供給される。
〔改質触媒〕
改質器で用いる水蒸気改質触媒、部分酸化改質触媒、オートサーマル改質触媒のいずれも、それぞれ公知の触媒を用いることができる。部分酸化改質触媒の例としては白金系触媒、水蒸気改質触媒の例としてはルテニウム系およびニッケル系、オートサーマル改質触媒の例としてはロジウム系触媒を挙げることができる。
部分酸化改質反応が進行可能な温度は例えば200℃以上、水蒸気改質反応が進行可能な温度は例えば400℃以上である。
〔改質器の運転条件〕
以下、水蒸気改質、オートサーマル改質、部分酸化改質のそれぞれにつき、改質器における負荷追従運転時の条件について説明する。
水蒸気改質では、灯油等の改質原料にスチームが添加される。水蒸気改質の反応温度は例えば400℃〜1000℃、好ましくは500℃〜850℃、さらに好ましくは550℃〜800℃の範囲で行うことができる。反応系に導入するスチームの量は、炭化水素系燃料に含まれる炭素原子モル数に対する水分子モル数の比(スチーム/カーボン比)として定義され、この値は好ましくは1〜10、より好ましくは1.5〜7、さらに好ましくは2〜5とされる。炭化水素系燃料が液体の場合、この時の空間速度(LHSV)は炭化水素系燃料の液体状態での流速をA(L/h)、触媒層体積をB(L)とした場合A/Bで表すことができ、この値は好ましくは0.05〜20h-1、より好ましくは0.1〜10h-1、さらに好ましくは0.2〜5h-1の範囲で設定される。
オートサーマル改質ではスチームの他に酸素含有ガスが改質原料に添加される。酸素含有ガスとしては純酸素でも良いが入手容易性から空気が好ましい。水蒸気改質反応に伴う吸熱反応をバランスし、かつ、改質触媒層やSOFCの温度を保持もしくはこれらを昇温できる発熱量が得られるように酸素含有ガスを添加することができる。酸素含有ガスの添加量は、炭化水素系燃料に含まれる炭素原子モル数に対する酸素分子モル数の比(酸素/カーボン比)として好ましくは0.005〜1、より好ましくは0.01〜0.75、さらに好ましくは0.02〜0.6とされる。オートサーマル改質反応の反応温度は例えば400℃〜1000℃、好ましくは450℃〜850℃、さらに好ましくは500℃〜800℃の範囲で設定される。炭化水素系燃料が液体の場合、この時の空間速度(LHSV)は、好ましくは0.05〜20、より好ましくは0.1〜10、さらに好ましくは0.2〜5の範囲で選ばれる。反応系に導入するスチームの量は、スチーム/カーボン比として好ましくは1〜10、より好ましくは1.5〜7、さらに好ましくは2〜5とされる。
部分酸化改質では酸素含有ガスが改質原料に添加される。酸素含有ガスとしては純酸素でも良いが入手容易性から空気が好ましい。反応を進めるための温度を確保するため、熱のロス等において適宜添加量は決定される。その量は、炭化水素系燃料に含まれる炭素原子モル数に対する酸素分子モル数の比(酸素/カーボン比)として好ましくは0.1〜3、より好ましくは0.2〜0.7とされる。部分酸化反応の反応温度は、例えば450℃〜1000℃、好ましくは500℃〜850℃、さらに好ましくは550℃〜800℃の範囲で設定することができる。炭化水素系燃料が液体の場合、この時の空間速度(LHSV)は、好ましくは0.1〜30の範囲で選ばれる。反応系においてすすの発生を抑制するためにスチームを導入することができ、その量は、スチーム/カーボン比として好ましくは0.1〜5、より好ましくは0.1〜3、さらに好ましくは1〜2とされる。
〔他の機器〕
本発明で用いる高温型燃料電池システムにおいて、高温型燃料電池システムの公知の構成要素は、必要に応じて適宜設けることができる。具体例を挙げれば、炭化水素系燃料に含まれる硫黄分を低減する脱硫器、液体を気化させる気化器、各種流体を加圧するためのポンプ、圧縮機、ブロワなどの昇圧手段、流体の流量を調節するため、あるいは流体の流れを遮断/切り替えるためのバルブ等の流量調節手段や流路遮断/切り替え手段、熱交換・熱回収を行うための熱交換器、気体を凝縮する凝縮器、スチームなどで各種機器を外熱する加熱/保温手段、炭化水素系燃料や可燃物の貯蔵手段、計装用の空気や電気系統、制御用の信号系統、制御装置、出力用や動力用の電気系統などである。
本発明は、例えば定置用もしくは移動体用の発電システムに、またコージェネレーションシステムに利用される高温型燃料電池システムに適用できる。
本発明を実施することのできる間接内部改質型SOFCシステムの例について概要を示す模式図である。
符号の説明
1 水気化器
2 水気化器に付設された電気ヒータ
3 改質器
4 改質触媒層
5 熱電対
6 SOFC
7 イグナイター
8 モジュール容器
9 改質器に付設された電気ヒータ

Claims (4)

  1. 炭化水素系燃料を改質して水素を含有する改質ガスを製造する、改質触媒層を有する改質器と、該改質ガスを用いて発電を行う高温型燃料電池とを有する燃料電池システムの負荷追従運転方法であって、
    予め、該燃料電池の複数の電気出力Pi(iは1以上M以下の整数、ただしMは2以上の整数)と、各Piに対応する炭化水素系燃料の流量Fiとを、設定しておき、
    ただし、各Fiは対応する電気出力Piを燃料電池で出力するために改質触媒層に供給することが必要な炭化水素系燃料の流量であり、各Piは0以上であってiの増加に伴ってPiが増加し、各Fiは0より大きく、
    iがMである場合のPiであるPMは燃料電池の最大電気出力であり、
    全てのFiのうちの最小値をFminと表したとき、
    A)改質触媒層の温度を測定する工程、
    B)測定された改質触媒層の温度に基づいて、改質触媒層において改質可能な炭化水素系燃料の流量である改質可能流量FRを算出する工程、
    C)算出した改質可能流量FRが、前記最小値Fminより小さい場合、燃料電池における発電を停止する工程、
    D)算出した改質可能流量FRが、前記最小値Fmin以上である場合に、
    燃料電池出力要求値PDが、前記最大電気出力PM以下であれば工程d1を行ない、燃料電池出力要求値PDが、前記最大電気出力PMを超えていれば工程d2を行なう工程、
    d1)全Piのうちに、燃料電池出力要求値PDに等しいPiがあれば、PDに等しいPiに対応するFiをFDSとし、
    全Piのうちに、燃料電池出力要求値PDに等しいPiがなければ、PDを超える最も小さいPiに対応するFiと、PD未満で最も大きいPiに対応するFiと、のうちの小さくない方をFDSとし、
    DSが前記算出した改質可能流量FR以下である場合、燃料電池の電気出力をPDとするとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量をFDSとし、
    DSが前記算出した改質可能流量FRを超えている場合、
    燃料電池出力要求値PD未満かつFR以下のFiに対応するPiがあれば、燃料電池の電気出力を、PD未満かつFR以下のFiに対応するPiのうちの最大値とするとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、この最大値に対応するFiとし、
    燃料電池出力要求値PD未満かつFR以下のFiに対応するPiが無ければ、燃料電池の発電を停止するとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、改質可能流量FRとする工程、
    d2)最大電気出力PMに対応するFiであるFMが、前記算出した改質可能流量FR以下である場合、燃料電池の電気出力をPMとするとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量をFMとし、
    最大電気出力PMに対応するFiであるFMが、前記算出した改質可能流量FRを超えている場合、
    R以下のFiに対応するPiがあれば、燃料電池の電気出力を、FR以下のFiに対応するPiのうちの最大値とするとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、この最大値に対応するFiとし、
    R以下のFiに対応するPiが無ければ、燃料電池の発電を停止するとともに、改質触媒層に供給する炭化水素系燃料の流量を、改質可能流量FRとする工程、
    を有する燃料電池システムの負荷追従運転方法。
  2. 負荷追従運転の間、前記工程A〜Dを繰り返して行なう請求項1記載の方法。
  3. 前記炭化水素系燃料が、炭素数が2以上の炭化水素系燃料を含む請求項1または2記載の方法。
  4. 前記改質ガス中の、炭素数2以上の化合物の濃度が、質量基準で50ppb以下である請求項3記載の方法。
JP2008083634A 2008-03-27 2008-03-27 燃料電池システムの負荷追従運転方法 Expired - Fee Related JP5078697B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008083634A JP5078697B2 (ja) 2008-03-27 2008-03-27 燃料電池システムの負荷追従運転方法
EP09724129A EP2267827A4 (en) 2008-03-27 2009-02-18 FUEL CELL SYSTEM AND METHOD OF LOAD OPERATION OF THIS SYSTEM
US12/934,981 US8557463B2 (en) 2008-03-27 2009-02-18 Fuel cell system and method for load following operation of the same
CA2719384A CA2719384A1 (en) 2008-03-27 2009-02-18 Fuel cell system and method for load following operation of the same
PCT/JP2009/052744 WO2009119187A1 (ja) 2008-03-27 2009-02-18 燃料電池システムとその負荷追従運転方法
KR1020107022156A KR20100138995A (ko) 2008-03-27 2009-02-18 연료 전지 시스템과 그 부하 추종 운전 방법
CN2009801108631A CN101981739B (zh) 2008-03-27 2009-02-18 燃料电池系统及其负载跟踪运行方法
TW098109912A TW201008014A (en) 2008-03-27 2009-03-26 Fuel cell system and load-following operation method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008083634A JP5078697B2 (ja) 2008-03-27 2008-03-27 燃料電池システムの負荷追従運転方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009238598A JP2009238598A (ja) 2009-10-15
JP5078697B2 true JP5078697B2 (ja) 2012-11-21

Family

ID=41252286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008083634A Expired - Fee Related JP5078697B2 (ja) 2008-03-27 2008-03-27 燃料電池システムの負荷追従運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5078697B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5281991B2 (ja) * 2009-08-27 2013-09-04 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 燃料電池システムの負荷追従運転方法
EP2472659A4 (en) 2009-08-27 2013-11-13 Jx Nippon Oil & Energy Corp METHOD OF CHARGING A FUEL CELL SYSTEM
JP5281998B2 (ja) * 2009-09-24 2013-09-04 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 燃料電池システムの負荷追従運転方法
JP5281997B2 (ja) * 2009-09-24 2013-09-04 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 燃料電池システムの負荷追従運転方法
JP5281996B2 (ja) * 2009-09-24 2013-09-04 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 燃料電池システムの負荷追従運転方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6056374A (ja) * 1983-09-07 1985-04-01 Toshiba Corp 燃料電池の燃料流量制御装置
JPS63314769A (ja) * 1987-06-18 1988-12-22 Fuji Electric Co Ltd 燃料電池発電装置
JP2004178962A (ja) * 2002-11-27 2004-06-24 Hitachi Ltd 燃焼器を有する水素製造装置を用いた燃料電池発電システム
JP2006008458A (ja) * 2004-06-28 2006-01-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 水素生成装置、および燃料電池システム
JP2006107956A (ja) * 2004-10-06 2006-04-20 Toshiba Fuel Cell Power Systems Corp 燃料電池システム
JP4945145B2 (ja) * 2006-02-20 2012-06-06 株式会社Eneosセルテック 燃料電池発電装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009238598A (ja) 2009-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5164441B2 (ja) 燃料電池システムの起動方法
US8574775B2 (en) Fuel cell system and method for starting up the same
JP5214230B2 (ja) 燃料電池システムの起動方法
JP5078696B2 (ja) 燃料電池システムの負荷追従運転方法
WO2009096221A1 (ja) 間接内部改質型固体酸化物形燃料電池とその停止方法
JP5078698B2 (ja) 燃料電池システムの負荷追従運転方法
JP2009295380A (ja) 間接内部改質型固体酸化物形燃料電池の停止方法
JP5325666B2 (ja) 間接内部改質型固体酸化物形燃料電池の停止方法
WO2009119187A1 (ja) 燃料電池システムとその負荷追従運転方法
JP5078697B2 (ja) 燃料電池システムの負荷追従運転方法
JP5461834B2 (ja) 間接内部改質型固体酸化物形燃料電池の停止方法
JP5325662B2 (ja) 間接内部改質型固体酸化物形燃料電池の停止方法
JP5433323B2 (ja) 燃料電池システムの負荷追従運転方法
JP5281996B2 (ja) 燃料電池システムの負荷追従運転方法
WO2011024899A1 (ja) 燃料電池システムの負荷追従運転方法
JP5281998B2 (ja) 燃料電池システムの負荷追従運転方法
JP5281997B2 (ja) 燃料電池システムの負荷追従運転方法
JP5281991B2 (ja) 燃料電池システムの負荷追従運転方法
JP5325661B2 (ja) 間接内部改質型固体酸化物形燃料電池の停止方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100608

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120807

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120828

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees