JP2005058937A - 吸着式除湿機 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は簡単な構成で運転開始時の異臭を防止でき、特に家庭用の除湿機として適した吸着式除湿機を提供しようとするものである。
【解決手段】本発明は以上のような課題を解決するため、脱着ゾーン３を出た空気と吸着ゾーンへ入る空気との間で熱交換を行う熱交換器４と、脱着ゾーン３へ送られる空気を加熱するヒータ５とを有し、運転起動時に少なくとも脱着ゾーン３を出た除湿ロータ１が再び脱着ゾーン３へ入るまで熱交換器４から吸着ゾーン３へ至る空気の流れを止めるようにした。これによって除湿ロータ１に吸着された臭気成分が脱着されてから除湿動作を開始するようにした。
【選択図】 図１

Description

本発明は吸着剤としてたとえばシリカゲルやゼオライトなどを用いた吸着式除湿機に関するもので、特に運転開始時に異臭の発生を防止可能なものを提供するものである。
吸着式除湿機は上記の湿気吸着剤をハニカム（蜂の巣）状にした除湿ロータを用いることによって、湿気の吸着と脱着とを連続的に行ことによって室内の除湿を行うものであって、フロンを全く使用しないために環境に与える影響が少なく、温度が低い時でも除湿を行うことができるため急速に普及している。
現在普及している一般的な吸着式除湿機について図３に沿って説明する。除湿ロータ１は耐熱紙をハニカム状に形成し、それに吸湿性の高いゼオライトを担持したものである。また除湿ロータ１は吸着ゾーン２と脱着ゾーン３とに分割され、ギヤドモータ９によって回転している。
熱交換器４は吸着ゾーン２へ入る空気と脱着ゾーン３を出た空気との間で熱交換を行うものである。脱着ゾーン３を出た空気は熱交換器４を通過し、ヒータ５で加熱されて再び脱着ゾーン３へ戻るように循環管路が構成されている。 また熱交換器４内で結露した水を収容するタンク６が熱交換器４の下に設けられている。
被除湿空気は処理ブロア７によって熱交換器４と吸着ゾーン２へ送られ、脱着ゾーン３を出た空気は脱着ブロア８によって熱交換器４、ヒータ５を通って再び脱着ゾーン３へと戻る。
このような吸着式除湿機は一般に家庭用として用いられ、消費電力の小さなものの開発が求められている。このような技術として例えば特許文献１に開示されたものがある。
特開平１１−１２８６５４号公報
特許文献１に開示されたものは効率向上の観点から改良がなされ、消費電力を小さくすることを実現したものである。しかし特許文献１に記載のものは、運転開始時に異臭が発生する場合があるという問題がある。
つまり、除湿ロータ１（吸湿器２）は湿気だけでなく、有機溶剤（ＶＯＣ）やアンモニアなどの臭気成分も吸着する機能を有する。このため運転中や運転を停止している期間に除湿ロータ１（吸湿器２）は湿気だけでなく臭気成分も吸着してしまう。
そして運転を開始した時に熱交換器４（凝縮器３）によって温度の上昇した空気が吸着ゾーン２（吸湿部２ａ）を通過し、この空気によって除湿ロータ１（吸湿器２）に吸着された臭気成分が脱着され、異臭が発生するという問題がある。
これに対し、湿気吸着剤であるゼオライトの細孔の調整を行って、水蒸気だけを吸着するようにしても極性の強い物質を吸着しないようにすることは困難であるという問題がある。
本発明は以上の点に着目してなされたものであり、簡単な構成で特別な吸着剤を用いることなく、運転初期の異臭の発生を防止可能な吸着式除湿機を提供しようとするものである。
本件発明は以上のような課題を解決するため、運転開始時に被除湿空気を送る処理ブロアを停止したまま、ヒータ、脱着ブロア、ロータ駆動モータを所定時間動作させ、その後処理ブロアを動作させるようにした。
本発明の吸着式除湿機は上記の如く構成したので、起動後所定時間除湿ロータを回転させながら脱着ゾーンに熱風を流し、除湿ロータに吸着された臭気成分を脱着循環路内に脱着することができる。また脱着された臭気成分は脱着循環路内を循環し、結露した水の中に溶け込むため、除湿機を通過した乾燥空気の中に混入される臭気成分は著しく減少し、異臭の発生しない吸着式除湿機を提供することができる。
本発明の請求項１に記載の発明は、
にすることができるという作用を有する。
以下本発明の吸着式除湿機の実施例について図に沿って詳細に説明する。ここで図３の従来のものと機械部品は同一であり、重複した説明を省略する。つまり除湿ロータ１、吸着ゾーン２、脱着ゾーン３、熱交換器４、ヒータ５、タンク６、処理ブロア７、脱着ブロア８、ギヤドモータ９は従来のものと共通であり、重複した説明は省略する。
図１は本発明の吸着式除湿機の回路ブロック図である。電源スイッチ１１を介して脱着ブロア８及びギヤドモータ９に電流が供給される。処理ブロア７には電源スイッチ１１及びタイマー１０を介して電流が供給される。つまり処理ブロア７は電源スイッチ１１がオンとなってタイマー１０の設定時間経過後に動作を開始する。
ここでタイマー１０の設定時間は、除湿ロータ１のある点が脱着ゾーン３を出て、再び脱着ゾーン３へ入るのに必要な時間とする。
またヒータ５には電源スイッチ及びパワー制御装置１２を介して電流が供給される。パワー制御装置１２は電流の強弱を制御するものであり、タイマー１０の出力信号に応じて動作する。つまりパワー制御装置１２はタイマー１０の設定時間経過までは電流を弱にし、設定時間経過後に電流を強にする。
本発明の吸着式除湿機（実施例１）は次のように動作をする。先ず電源スイッチ１１を投入すると、脱着ブロア８及びギヤドモータ９が動作開始し、タイマー１０も動作開始をする。またパワー制御装置１２によってヒータ５が弱の状態で動作する。
ヒータ５の発生する熱によって除湿ロータ１に吸着されている湿気と臭気成分が脱着され、脱着ブロア８によって脱着された湿気や臭気成分は熱交換器４を有する脱着路内を循環する。
タイマー１０の設定時間を経過すると、除湿ロータ１の全ての領域は脱着ゾーン３を通過しており、除湿ロータ１には臭気成分がほとんど残留していない。またタイマー１０の設定時間経過後に処理ブロア７が動作を開始し、ヒータ１０が強で動作する。
これによって熱交換器４が冷却されて熱交換器４内を通過する多湿の脱着空気が結露し、結露した水はタンク６へと落ちる。除湿ロータ１から脱着した臭気成分も結露水とともにタンク６へと落ちる。また処理ブロア７によって被除湿空気が除湿ロータ１の吸着ゾーン２を通過し、乾燥空気となって室内へ放出される。
次に実施例２について説明する。図２は実施例２の回路ブロック図である。この実施例２のものは、温度センサ１３を有するサーモスイッチ１４を介して処理ブロア７が電源スイッチ１１に接続されている。そしてヒータ５、脱着ブロア、ギヤドモータ９は直接電源スイッチ１１に接続されている。また温度センサ１３は脱着ゾーン３の出口に取り付けられ、脱着ゾーン３を出た空気の温度を測定する。
本発明の吸着式除湿機（実施例２）は次のように動作をする。先ず電源スイッチ１１を投入すると、脱着ブロア８、ヒータ５、及びギヤドモータ９が動作開始し、温度センサ１３が脱着ゾーン３を出た空気の温度の測定を開始する。
ヒータ５の発生する熱によって除湿ロータ１に吸着されている湿気と臭気成分が脱着され、脱着ブロア８によって脱着された湿気や臭気成分は熱交換器４を有する脱着路内を循環する。
除湿ロータ１が１周回転し脱着された部分が脱着ゾーン３に入ると、脱着エネルギーが必要でないので、脱着ゾーン３を通過した空気の温度が上昇する。この温度上昇を温度センサ１３が検出し、サーモスイッチ１４が動作して処理ブロア７が運転を開始する。
これによって熱交換器４が冷却されて熱交換器４内を通過する多湿の脱着空気が結露し、結露した水はタンク６へと落ちる。除湿ロータ１から脱着した臭気成分も結露水とともにタンク６へと落ちる。また処理ブロア７によって被除湿空気が除湿ロータ１の吸着ゾーン２を通過し、乾燥空気となって室内へ放出される。
本発明は簡単な構成で運転開始時の異臭を防止でき、特に家庭用の除湿機として適した吸着式除湿機を提供する。
本発明の吸着式除湿機の実施例１を示す回路ブロック図である。 本発明の吸着式除湿機の実施例２を示す回路ブロック図である。 従来の吸着式除湿機及び本発明の除湿機のフロー図である。
符号の説明
１ 除湿ロータ
２ 吸着ゾーン
３ 脱着ゾーン
４ 熱交換器
５ ヒータ
６ タンク
７ 処理ブロア
８ 脱着ブロア
９ ギヤドモータ
１０ タイマー
１１ 電源スイッチ
１２ パワー制御装置
１３ 温度センサ

Claims (4)

  1. 湿気吸着剤を有する除湿ロータを備え、前記除湿ロータを少なくとも吸着ゾーンと脱着ゾーンとに分割し、前記脱着ゾーンを出た空気と前記吸着ゾーンへ入る空気との間で熱交換を行う熱交換器と、前記脱着ゾーンへ送られる空気を加熱するヒータとを有し、運転起動時に少なくとも前記脱着ゾーンを出た除湿ロータが再び前記脱着ゾーンへ入るまで前記熱交換器から前記吸着ゾーンへ至る空気の流れを止めるようにした吸着式除湿機。
  2. 起動後所定時間経過するまで熱交換器から吸着ゾーンへ空気を送るブロアの動作を開始しないようにした請求項１記載の吸着式除湿機。
  3. 起動後所定時間経過するまでヒータの出力を弱くした請求項２記載の吸着式除湿機。
  4. 脱着ゾーンを出た空気の温度が所定値以上になるまで熱交換器から吸着ゾーンへ空気を送るブロアの動作を開始しないようにした請求項１記載の吸着式除湿機。
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