JP2005057331A - Ipネットワークシステムにおける音声品質評価方法および音声品質調整装置 - Google Patents

Ipネットワークシステムにおける音声品質評価方法および音声品質調整装置 Download PDF

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Abstract

【課題】VoIPパケットによって実現される音声品質を評価する方法およびこの音声品質評価方法による評価結果に応じて音声品質を左右する要因の調整を図る音声品質調整装置を提供する。
【解決手段】IPネットワークにおけるパケット転送と既存公衆網における音声信号の伝達とを中継する複数のVoIPゲートウェイ装置を備えたIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置において、評価手段は、IPネットワークを経由する伝送経路を介して通話中の回線それぞれについて、IPネットワークを介してVoIPゲートウェイ装置に到達したVoIPパケットに関する情報に基づいて、即時的に通話音声の品質を評価し、この評価結果に基づいて、調整手段は、VoIPパケットの送信元のVoIPゲートウェイ装置が通話中の回線それぞれに対応してIPネットワークに送出する処理を調整する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IPネットワークと既存の公衆電話網(PSTN)との接続点において、VoIP(Voice over IP)のVoIPパケット・音声データ相互の変換および転送を行うVoIPゲートウェイ装置に関し、特に、既存の公衆電話網において実現されている音声品質に劣らない音声品質を、IPネットワークを含んだネットワークにおいて実現するための音声品質保証技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9に、公衆電話網とIPネットワークとを融合したネットワークシステムの構成例を示す。
このようなネットワークシステムでは、公衆電話網における交換局に設置されたVoIPゲートウェイ装置により、公衆電話網において音声信号を伝達するためのPSTNデータがIPパケットに変換されてIPネットワークに送出され、また、IPパケットがPSTNデータに変換されて公衆電話網に送出される。
【0003】
このような機能を果たすために、公衆電話網とIPネットワークとの接続点に配置されるVoIPゲートウェイ装置は、図9に示すように、時分割多重(TDM)終端部401、音声符号化処理部402、パケット化処理部403、パケット終端部404、音声復号化処理部405およびTDM変換部406を備えている。
【0004】
また、図9に示したVoIPゲートウェイ装置において、制御通信処理部407は、中継処理部408からの指示に応じて、宛先の電話番号と転送先のVoIPゲートウェイ装置のIPアドレスおよびUDP番号との関係を管理しているコールエージェントに対して、TDM終端部401に入力される各タイムスロットが割り当てられた通話の宛先に対応するIPアドレスをMGCP(Media Gateway Control Protocol)あるいはMEGACO(Media Gateway Control)に従って問い合わせる機能を果たしている。そして、中継処理部408は、この問い合わせによって得られたIPアドレスおよびUDP番号を制御通信処理部407から受け取り、これらと各タイムスロットとの関係に関する情報を整理して、パケット化処理部403およびTDM変換部406の処理に供する。
【0005】
例えば、公衆電話網から64kbpsのPCMデータを時分割多重化したPSTNデータが入力されると、このPSTNデータは、TDM終端部401により、タイムスロットごとに分離され、更に、音声符号化処理部402によって符号化されてパケット化処理部403に渡される。パケット化処理部403は、音声符号化処理部402から受け取った符号化音声データを、音声符号化の種類やパケット送出間隔に応じて分割し、分割した符号化データをペイロードに格納したパケットに適切なヘッダを付加する。
【0006】
このとき、パケット化処理部403は、中継処理部408から受け取った情報に基づいて、転送先のVoIPゲートウェイ装置に割り当てられたIPアドレスを含むIPヘッダおよび宛先の加入者チャネルを示すUDP番号を含むUDPヘッダを作成し、これらとともにRTPヘッダを付加してVoIPパケットを作成する。このようにして形成されたVoIPパケットは、ネットワークインタフェース回路409に備えられた複数のポートのいずれかを介してIPネットワークに送出される。
【0007】
一方、IPネットワークを介してVoIPゲートウェイ装置のネットワークインタフェース回路409に到達したVoIPパケットは、パケット終端部404によってヘッダと符号化音声データとに分離される。そのうち符号化音声データは、音声復号化処理部405によって音声データに復元された後にTDM変換部406に送られ、このTDM変換部406によって時分割多重化されて公衆電話網に送出される。また、VoIPパケットのUDPヘッダに含まれている送信先の加入者チャネルを示すUDP番号は、パケット終端部404から中継処理部408を介してTDM変換部406に渡される。
【0008】
このとき、TDM変換部406は、中継処理部408から受け取ったUDP番号に基づいて、復号化された音声データを適切な加入者チャネルに対応するタイムスロットにマッピングすることによって多重化し、公衆電話網に送出する。
このようなVoIPゲートウェイ装置をIPネットワークと公衆電話網との接続点に配置することにより、公衆電話網に接続された加入者間の通話を、IPネットワークを介して中継することができる。
【0009】
IPネットワークにおける通信はコネクションレス型の通信であることから、いわゆる公衆電話網における通信とは異なり、データの発信元から送信先までの通信経路を通信が継続している期間にわたって占有することはない。このため、IPネットワークでは、通信経路が備えている容量を非常に高い効率で有効に利用することができる。
【0010】
したがって、上述したようにして、IPネットワークと公衆電話網とを接続したネットワークを構築することにより、加入者間の通話を維持するためのコストを低減することが期待できる。
しかしながら、IPネットワークにおける通信はベストエフォート型であるので、IPネットワークにおいて輻輳が発生した場合には、当然ながらパケットの遅延や損失が発生する。もちろん、図9に示したようなネットワークシステムにおいて、VoIPパケットの遅延や損失が発生すれば、通話音声の品質が低下したり、通話の切断したりといった障害が発生する。
【0011】
従来から、パケットの遅延やそのジッタ、パケットの損失およびパケットの順序反転が、VoIPによる通話音声の品質に影響を与えることが知られている。そして、これらの個々の要因について、その発生を予防したり、発生した場合の影響を小さくしたりするために、様々な技術が提案されている(非特許文献1参照)。
【0012】
また一方、VoIPによる通話音声の品質そのものを評価する方法としては、国際電気通信連合電気通信標準化部門(ITU−T)によってP.861として勧告化されたPSQM(Perceptual Speech Quality Measurement)を利用する方法がある。この技法は、原音声とネットワークを通過した出力音声とを比較し、人間の知覚的な聴覚特性を考慮した上で、出力音声の品質を最も良い“0”から非常に劣る“6.5”までのスコアをつけて評価するものである(非特許文献2参照)。
【0013】
さて、図9に示したようなネットワークシステムにおいて、このような障害を避けて音声品質を維持するために、従来は、主に2つの方法が実施されている。その一つは、公衆電話網とIPネットワークとを接続したネットワークシステムを構築する際に、十分な伝送能力を備えたネットワーク機器および伝送媒体を採用することである。つまり、IPネットワークを介して伝送されるトラフィックを十分な余裕をもって見積もり、また、IPネットワークを構成する様々なネットワーク機器やネットワーク機器間の伝送路について、想定されたトラフィックを伝送する際に許される装置遅延や伝送遅延を計算し、十分な伝送能力を備えたネットワーク機器や伝送媒体を選定する。
【0014】
もう一つの方法は、Diffserve(Differentiated Service)技術を適用することである。この技術は、いわゆるQoS技術の一つであり、例えば、VoIPパケットに高い優先順位を与え、VoIPパケットを優先的に処理させてパケットの損失などを低減することによって音声品質を保証する。
なお、図9に示したようなVoIP技術については、例えば、特許文献1および特許文献2を参照されたい。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−144854号公報(従来の技術、発明が解決しようとする課題、図9)
【0016】
【特許文献2】
特開2000−151716号公報(従来の技術、図6)
【0017】
【非特許文献1】
標準技術集(IP電話)データベース、[online]、掲載年月日、特許庁、[2003年7月1日]、インターネット<URL:www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/ ip_tel/0003.html>
【0018】
【非特許文献2】
「キャリアクラスのVoIP通話品質評価について」、[online]、[2003年7月1日検索]、インターネット<URL:networks.nec.co.jp/ipnw/bqos/pdf/T1118.pdf>
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、想定されるトラフィックに対して十分な余裕を持ってネットワークを構築するために、必要以上に大きな帯域幅を持つ伝送媒体を用意したり、必要以上に高い性能を持つルータなどを配置したりすれば、当然ながら、IPネットワークを構築するためのコストが上昇してしまう。
【0020】
また一方、Diffserve技術では、トラフィックの大部分が優先的に処理されるべきVoIPパケットとなってしまった場合には、十分な効果を期待することはできない。
このような課題を解決し、安価なIPネットワークの特徴を生かして、PSTN並みの音声品質を保証するためには、IPネットワークにおいて実現されている音声品質の程度に応じてトラフィックなどの音声品質にかかわる様々な要因を動的に調整するための技術およびIPネットワークにおいて実現されている音声品質をリアルタイムで評価する技術が必要不可欠である。
【0021】
本発明は、VoIPパケットによって実現される音声品質を評価する音声品質評価方法およびこの音声品質評価方法を用いて得られた評価結果に応じてVoIPパケットによって実現される音声品質を左右する要因の調整を図る音声品質調整装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかわるIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法は、監視手順と、収集手順と、評価手順とを備えて構成される。
本発明にかかわるIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法の原理は、以下の通りである。
【0023】
IPネットワークと既存公衆網との接続点に位置し、IPネットワークにおけるパケット転送と既存公衆網における音声信号の伝達とを中継するVoIPゲートウェイ装置を備えたIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法において、監視手順は、VoIPゲートウェイ装置により実行され、IPネットワークを経由する伝送経路を介して通話中の回線それぞれについて、IPネットワークを経由してVoIPゲートウェイ装置に到達したVoIPパケットであって、既存公衆網における音声信号に変換されるべきVoIPパケットを監視する。収集手順は、VoIPゲートウェイ装置により実行され、通話中の各回線に対応するVoIPパケットの集合に関して、遅延、ジッタ、損失および順序反転を含む統計情報を収集する。評価手順は、VoIPゲートウェイ装置により実行され、VoIPパケットの集合に関する統計情報とIPネットワークにおいて実現される音声品質との関係を示す多変量解析モデルに従って、収集した統計情報に対応する音声品質を示す品質指標を求める。
【0024】
このように構成されたIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法の動作は、下記の通りである。
既存公衆網に属する通話中の回線ごとに、これらの回線に送出すべき音声信号に変換されるべきVoIPパケットが、VoIPゲートウェイ装置に到達してこのVoIPゲートウェイ装置によって受信される際に、通話中の回線それぞれに対応するVoIPパケットの集合に関する統計情報が収集される。
【0025】
VoIPパケットの集合に関して得られたパケットの遅延やジッタ、パケットの損失や順序反転などは、このVoIPパケットの集合に基づいて再生される音声の品質に大きな影響を与えるパラメータである。
したがって、これらのパラメータの値を示す統計情報と音声品質との関係を示す適切な多変量解析モデルを利用すれば、これらの統計情報に基づいて、VoIPゲートウェイ装置に続々と到達するVoIPパケットを変換して得られる音声信号において実現されている音声品質をリアルタイムで評価し、その評価結果を示す客観的な指標を得ることができる。
【0026】
本発明にかかわる別のIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法は、サンプル送信手順と、サンプル抽出手順と、評価手順とから構成される。
本発明にかかわる別のIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法の原理は、以下の通りである。
IPネットワークと既存公衆網との接続点に位置し、IPネットワークにおけるパケット転送と既存公衆網における音声信号の伝達とを中継する複数のVoIPゲートウェイ装置を備えたIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法において、サンプル送信手順は、複数のVoIPゲートウェイ装置それぞれにより実行され、IPネットワークを経由する伝送経路を介して通話中の回線それぞれについて、IPネットワークにおいて音声を伝送するためのVoIPパケットをIPネットワークに送信する際に、VoIPパケットの少なくとも一部の特定のフィールドに特定の音声データサンプルを組み込んで送信する。サンプル抽出手順は、複数のVoIPゲートウェイ装置により実行され、通話中の回線それぞれに対応してIPネットワークを経由して到達したVoIPパケットを受信する際に、受信したVoIPパケットの特定のフィールドに含まれている音声データサンプルに対応するデータを抽出する。評価手順は、VoIPパケットを受信したVoIPゲートウェイ装置により実行され、特定の音声データサンプルに対応して予め用意しておいた評価用データと、受信したVoIPパケットから抽出された音声データサンプルに対応するデータとに基づいて、受信したVoIPパケットに基づいて再生される通話音声の品質を評価する。
【0027】
このように構成された別のIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法の動作は、下記の通りである。
受信側のVoIPゲートウェイ装置に、予め、特定の音声データサンプルに対応する参照用の評価用データを用意しておき、送信側のVoIPゲートウェイ装置によって、この特定の音声データサンプルを少なくとも一部のVoIPパケットに付加して送信する。この特定の音声データサンプルは、当然ながら、通話音声を再現するためのVoIPパケットと同一の伝送経路を経由して受信側のIPゲートウェイに到達するので、これらのVoIPパケットと同様に、伝送路における遅延およびその変動の影響を受けている。したがって、例えば、受信側のVoIPゲートウェイ装置において、受信したVoIPパケットから上述した特定の音声データサンプルに相当するデータを抽出し、この抽出したデータに基づいて再生した再生音声と、上述した評価用データに対応する原音声とをPSQM技術を利用して比較および評価することにより、通話中の回線ごとに、それぞれの通話音声の品質をリアルタイムで評価することができる。
【0028】
本発明にかかわるIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置は、評価手段と、調整手段とから構成される。
本発明にかかわるIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置の原理は、以下の通りである。
IPネットワークと既存公衆網との接続点に位置し、IPネットワークにおけるパケット転送と既存公衆網における音声信号の伝達とを中継する複数のVoIPゲートウェイ装置を備えたIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置において、評価手段は、IPネットワークを経由する伝送経路を介して通話中の回線それぞれについて、IPネットワークを介してVoIPゲートウェイ装置に到達したVoIPパケットに関する情報に基づいて、即時的に通話音声の品質を評価する。調整手段は、評価手段による評価結果を示す情報に基づいて、VoIPパケットの送信元のVoIPゲートウェイ装置が通話中の回線それぞれに対応してIPネットワークに送出する処理を調整する。
【0029】
このように構成されたIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置の動作は、下記の通りである。
受信側のVoIPゲートウェイ装置に到達したVoIPパケットから得られる情報に基づいて、通話中の各回線についてリアルタイムで通話音声の品質を評価する。そして、この評価結果に基づいて、例えば、送信側のVoIPゲートウェイ装置において制御可能な様々なパラメータの調整や切替可能な機能の切替えを通話中の各回線に対応して行うことにより、通話中の各回線において現実に実現されている音声品質に応じて、VoIPゲートウェイ装置からIPネットワークシステムに送出されるトラフィックおよびこのトラフィックに含まれるVoIPパケットに関する優先度を調整する。これにより、例えば、音声品質が劣化していく傾向を示す評価結果に基づいて、VoIPゲートウェイ装置において、送信するVoIPパケットに対応するデータの絶対量を減少させる方向の調整を含めて、音声品質を改善するために考えられる様々な調整を行うことができる。そして、このような調整を実現することにより、通話音声の品質が致命的なまでに劣化することを防いで、VoIPによる音声通話サービスの維持を図ることができる。
【0030】
本発明にかかわるIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置において、評価手段は、収集手段と、指標算出手段とから構成される。
本発明にかかわるIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置に備えられる評価手段の原理は、以下の通りである。
上述したIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置に備えられた評価手段において、収集手段は、通話中の各回線に対応するVoIPパケットの集合に関して、遅延、ジッタ、損失および順序反転を含む統計情報を収集する。指標算出手段は、収集手段によって通話中の各回線に対応して収集された統計情報とIPネットワークにおいて実現される音声品質との関係を示す多変量解析モデルに従って、収集した統計情報に対応する音声品質を示す品質指標を求め、評価結果として出力する。
【0031】
IPネットワークシステムにおける音声品質調整装置において、このように構成された評価手段の動作は、下記の通りである。
VoIPパケットの集合に関する統計情報とこのVoIPパケットの集合によって実現される音声品質との間の関係を示す多変量解析モデルに基づいて、収集手段によって収集された統計情報から推定される音声品質を示す品質指標を指標算出手段によって求める。
【0032】
例えば、各回線の通話が始まったときなどに、一定の期間にわたって基準となる音声品質に対応する統計情報の収集を行い、このときの統計情報と音声品質との関係に基づいて多変量解析モデルを構築しておき、この多変量解析モデルを利用して、指標算出手段は、収集手段によって収集された統計情報の変動に伴って劣化あるいは回復する音声品質を示す指標を算出する。
【0033】
また、本発明にかかわる別のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置は、評価手段と調整手段とから構成される音声品質調整装置において、サンプル付加手段を備え、評価手段は、抽出手段と、評価用データ保持手段と、音声評価手段とを備えて構成される。
本発明にかかわる別のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置の原理は、以下の通りである。
【0034】
サンプル付加手段は、複数のVoIPゲートウェイ装置それぞれに備えられ、IPネットワークを経由する伝送経路を介して通話中の回線それぞれについて、IPネットワークにおいて音声を伝送するためのVoIPパケットをIPネットワークに送信する際に、VoIPパケットの少なくとも一部の特定のフィールドに特定の音声データサンプルを組み込む。評価手段において、抽出手段は、通話中の回線それぞれに対応してIPネットワークを経由して到達したVoIPパケットの特定のフィールドに含まれている音声データサンプルに対応するデータを抽出する。評価用データ保持手段は、特定の音声データサンプルに対応して予め用意された評価用データを保持する。音声評価手段は、抽出手段によって抽出された音声データサンプルに対応するデータと評価用データとに基づいて、受信したVoIPパケットに基づいて再生される通話音声の品質を評価し、この評価結果を出力する。
【0035】
このように構成された別のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置の動作は、下記の通りである。
送信側のVoIPゲートウェイ装置に備えられたサンプル付加手段により、通話中の各回線に対応して送信されるVoIPパケットに特定の音声サンプルデータが付加され、また、受信側のVoIPゲートウェイ装置に備えられた評価用データ保持手段には、この音声サンプルデータを評価するための基準となる評価用データが保持されている。VoIPパケットに付加された音声サンプルデータと評価用データ保持手段に保持された評価用データは、全く同一の原音声に対応するものであるので、音声評価手段は、抽出手段が受信したVoIPパケットから抽出したデータと評価用データとについて、例えば、PSQMを利用した評価処理を行うことにより、抽出手段が受信したVoIPパケットから抽出したデータに基づいて再生される音声が、IPネットワークにおける伝送過程において劣化した度合いを調べることができる。受信側のVoIPゲートウェイ装置において、上述した評価用データに基づいて評価されるデータは、通話音声の再生に供されるVoIPパケットと同一の伝送経路を経由して、この伝送経路に由来する劣化要因の影響を同じように受けている。したがって、上述したようにして、音声評価手段により、VoIPパケットに付加された音声サンプルデータに関する評価を行うことにより、この音声サンプルデータが付加されたVoIPパケットの集合に基づいて再生される通話音声の品質を評価することができる。
【0036】
更に、本発明にかかわる別のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置は、上述した調整手段に、機能制御手段と、評価情報付加手段と、評価情報抽出手段とを備えて構成される。
本発明にかかわる別のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置の原理は、以下の通りである。
【0037】
調整手段において、機能制御手段は、通話中の各回線に対応して入力される評価情報に基づいて、VoIPゲートウェイ装置に備えられたVoIPパケットの送出にかかわる機能を、通話中の回線それぞれに対応して制御する。評価情報付加手段は、評価手段によって得られた評価結果を示し評価情報を、評価情報に対応するVoIPパケットによって形成される通話の相手を宛先として送信されるVoIPパケットの特定のフィールドに付加し、VoIPゲートウェイ装置による送信処理に供する。評価情報抽出手段は、VoIPゲートウェイ装置に到達したVoIPパケットの特定のフィールドから評価情報を抽出し、通話中の各回線に対応して、機能制御手段に入力する。
【0038】
このように構成された別のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置の動作は、下記の通りである。
このようなIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置の調整手段では、受信したVoIPパケットにかかわる情報に基づいて評価手段によって得られた評価結果を示す評価情報は、評価情報付加手段により、通話相手に向けて返されるVoIPパケットの特定のフィールドに付加され、これらのVoIPパケットとともに、上述した評価手段による評価対象となったVoIPパケットの送信元のVoIPゲートウェイ装置に渡される。このようにして、IPゲートウェイ相互間で、通話中の回線それぞれについて、通話そのものを成立させるVoIPパケットに互いの評価情報を付加して送受信することにより、互いに受信したVoIPパケットに関する評価結果を示す評価情報を交換することができる。そして、評価情報抽出手段によって抽出された評価情報に基づいて、機能制御手段が、例えば、対応する回線を宛先とするVoIPパケットのTOS(Type of Service)フィールドを変更する機能やこれらのVoIPパケットに収容される符号化音声データの形成に用いる符号化処理の種類や無音圧縮の有無を切替える機能などを制御する。上述したTOSフィールドに格納する値を変更する機能を制御すれば、これらのVoIPパケットに関する処理の優先度を変更することができ、また、符号化処理の種類や無音圧縮の有無を切替える機能を制御すれば、これらのVoIPパケットによってIPネットワークに送出されるデータ量の削減を図ることができる。
【0039】
本発明にかかわる更に別のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置は、調整手段に、機能制御手段と、制御メッセージ送出手段と、転送手段と、転送受付手段とを備えて構成される。
本発明にかかわる更に別のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置の原理は、以下の通りである。
【0040】
調整手段において、機能制御手段は、通話中の各回線に対応して入力される評価情報に基づいて、VoIPゲートウェイ装置に備えられたVoIPパケットの送出にかかわる機能を、通話中の回線それぞれに対応して制御する。制御メッセージ送出手段は、通話中の回線ごとに、評価手段によって得られた評価結果を示す評価情報と、評価情報に対応するVoIPパケットの送信元のVoIPゲートウェイ装置を示す識別情報と、通話中の回線を識別する回線識別情報とを含む制御メッセージを作成し、IPネットワークにおける呼処理を制御するコールエージェントに送出する。転送手段は、コールエージェントに備えられ、VoIPゲートウェイ装置から制御メッセージを受け取り、この制御メッセージに含まれる識別情報に基づいて、宛先のVoIPゲートウェイ装置に制御メッセージに含まれる評価情報と回線識別情報とを含む情報を転送する。転送受付手段は、コールエージェントから転送された情報に含まれている回線識別情報に基づいて、対応する評価情報を通話中の各回線に対応して、機能制御手段に入力する。
【0041】
このように構成された更に別のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置の動作は、下記の通りである。
それぞれのVoIPゲートウェイ装置に到達した各回線に対応するVoIPパケットに関して評価手段によって得られた評価結果を示す評価情報は、それぞれのVoIPゲートウェイ装置に備えられた制御メッセージ送出手段によって制御メッセージに充填された上でコールエージェントに送出され、このコールエージェントにより、上述したVoIPパケットの送信元のVoIPゲートウェイ装置に転送される。このようにして、通話中の各回線に対応してやり取りされるVoIPパケットに関する評価情報を、VoIPゲートウェイ装置相互において授受することができる。このようにして、コールエージェント経由で各VoIPゲートウェイ装置に転送された評価情報は、転送受付手段によって機能制御手段に入力され、VoIPパケットの送出にかかわる機能の制御に供される。
【0042】
一般に、VoIPゲートウェイ装置とコールエージェントとの間の通信は、IPネットワークとは独立したネットワークを介して実現されているので、上述したように、コールエージェントを経由して評価情報を伝達する構成では、IPネットワークを経由するトラフィックを増大させることなく、評価情報を伝達することができる。
【0043】
また、上述した機能制御手段に、優先順位変更手段を備えて構成することもできる。
この優先順位変更手段は、通話中の各回線に対応して受け取った評価情報に応じて、該当する回線を宛先として送出するVoIPパケットのヘッダを操作して、IPネットワークにおけるそのVoIPパケットに関する処理優先順位を変更する。
【0044】
このような構成の機能制御手段を備えた音声品質調整装置によれば、受信側のVoIPゲートウェイ装置から返された評価情報によって、音声品質が低下していることが示された場合に、以降に送信するVoIPパケットのIPヘッドに含まれているTOSフィールドにそれまでよりも高い優先順位を示す値を設定し、この回線にかかわるVoIPパケットに関する処理の優先度を高めることができる。
【0045】
また、上述した機能制御手段に、符号化種別切替手段を備えて構成することもできる。
この符号化種別切替手段は、通話中の各回線に対応して受け取った評価情報に応じて、該当する回線を宛先として送出すべき音声を符号化する際に適用する符号化種別を切り替える。
【0046】
このような構成の機能制御手段を備えた音声品質調整装置によれば、受信側のVoIPゲートウェイ装置から返された評価情報によって、音声品質が低下していることが示された場合に、以降に符号化する音声データについて、例えば、音声データをより情報量の少ない符号化データに変換する符号化種別を適用する。このようにして、該当する回線に対応してIPネットワーク送出されるVoIPパケットからなるトラフィックを低減し、IPネットワークの負荷を軽減することにより、音声品質が更に低下することを防ぎ、ある程度の音声品質を維持することができる。
【0047】
また、上述した機能制御手段に、送出間隔変更手段を備えて構成することもできる。
この送出間隔変更手段は、通話中の各回線に対応して受け取った評価情報に応じて、該当する回線を宛先として送出するVoIPパケットに格納する音声符号化データの長さを操作して、回線を宛先とするVoIPパケットがIPネットワークに送出される間隔を変更する。
【0048】
このような構成の機能制御手段を備えた音声品質調整装置によれば、受信側のVoIPゲートウェイ装置から返された評価情報によって、音声品質が低下していることが示された場合に、以降に送信するVoIPパケットのペイロードに格納する音声データをそれまでより長くすることにより、VoIPパケットの送出間隔を延長する。これにより、単位時間あたりに送出されるVoIPパケットの数を減少させ、IPネットワークの負荷を軽減する。このようにして、IPネットワークの負荷を軽減することにより、音声品質が更に低下することを防ぎ、ある程度の音声品質を維持することができる。
【0049】
また、上述した機能制御手段に、圧縮制御手段を備えて構成することもできる。
この圧縮制御手段は、通話中の各回線に対応して受け取った評価情報に応じて、該当する回線を宛先として送出すべき音声を符号化する際に無音圧縮処理を適用するか否かを制御する。
【0050】
このような構成の機能制御手段を備えた音声品質調整装置によれば、受信側のVoIPゲートウェイ装置から返された評価情報によって、音声品質が低下していることが示された場合に、以降に符号化する音声データについて、無音圧縮処理を適用する。これにより、該当する回線に送出されるべき音声符号化データのデータ量を大幅に削減することができる。このようにして、該当する回線に対応してIPネットワーク送出されるVoIPパケットからなるトラフィックを低減し、IPネットワークの負荷を軽減することにより、音声品質が更に低下することを防ぎ、ある程度の音声品質を維持することができる。
【0051】
また、上述した機能制御手段に、ルート変更手段を備えて構成することもできる。
このルート変更手段は、通話中の各回線に対応して受け取った評価情報に応じて、該当する回線を宛先として送出するVoIPパケットを送出するポートを変更して、IPネットワークにおいてそのVoIPパケットが伝送されるルートを変更する。
【0052】
このような構成の機能制御手段を備えた音声品質調整装置によれば、受信側のVoIPゲートウェイ装置から返された評価情報によって、音声品質が低下していることが示された場合に、以降に送信するVoIPパケットをそれまでとは異なるポートを介してIPネットワークに送出し、異なるルートを介して対向するVoIPゲートウェイ装置に到達させることができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1に、本発明にかかわるIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置の第1の実施形態を示す。
なお、図1に示した構成要素のうち、図9に示した各部と同等のものについては、図9に示した符号を付して示し、その説明を省略する。
【0054】
図1に示したVoIPゲートウェイ装置は、本発明にかかわるIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置である音声品質調整処理部200を備えている。この音声品質調整処理部200において、統計情報収集部201は、ネットワークインタフェース回路409の各ポートに到達したVoIPパケットに関して、通話中のチャネルごとに、後述するようにしてVoIPパケットの遅延、ジッタ、損失および順序反転を含む音質劣化要因に関する統計情報を収集し、統計情報解析部202に渡す。この統計情報解析部202は、後述する多変量解析モデルを利用して、統計情報収集部201から受け取った統計情報を解析し、通話中の各チャネルに対応する音声品質を示す指標に関する解析結果を出力する。統計情報解析部202によって得られた解析結果は、報告作成部203によってMGCPあるいはMEGACOに従う制御メッセージに挿入され、制御通信処理部407を介してコールエージェントに送出され、通話相手のチャネルを収容しているVoIPゲートウェイ装置に転送される。
【0055】
一方、報告検出部204は、コールエージェントから送出されて制御通信処理部407に到達したメッセージの中から音声品質を示す指標が挿入された制御メッセージを検出し、この制御メッセージに含まれている音声品質を示す指標を抽出して、機能制御部205に渡す。この音声品質を示す指標に基づいて、機能制御部205は、パケット化処理部403、音声符号化処理部402およびネットワークインタフェース回路409にそれぞれ適切な制御指示を入力する。
【0056】
なお、図1に示した各VoIPゲートウェイ装置は、GPS又は、網同期クロック等を用いることにより、互いの時刻の同期化が図られている。
次に、音声品質調整処理部200の詳細構成とともに、その動作について説明する。
図2に、音声品質調整処理部の詳細構成を示す。
【0057】
なお、図2において、受信側のVoIPゲートウェイ装置として示した側には、音声品質調整処理部200を構成する構成要素の中で、音声品質の評価および評価結果の通知に関する機能を果たすものを示し、一方、送信側のVoIPゲートウェイ装置として示した側には、通知された評価結果に基づいて、VoIPパケットの送信にかかわる機能を制御する機能を果たすものを示した。
【0058】
まず、音声品質の評価および評価結果の通知にかかわる動作を説明する。
図3に、音声品質を評価する動作を表す流れ図を示す。
図1および図2に示した統計情報収集部201は、例えば、VoIPパケットに含まれているUDPヘッダによって示される宛先チャネルごとに、VoIPパケットの遅延やジッタを計測するとともに、パケットの損失および順序の反転を検出し、これらの計測結果および検出結果を含む統計情報を統計情報解析部202に渡す。この統計情報収集部201は、送信側のVoIPゲートウェイ装置において送信RTPヘッダのタイムスタンプに書き込まれた時刻情報に基づいて、適切な時間Tにわたって、宛先チャネルごとにVoIPパケットそれぞれの遅延時間を測定し、これらの遅延時間の平均値ηを求める。また、統計情報収集部201は、各宛先チャネルに対応するジッタとして、同じく時間Tにわたって、宛先チャネルごとにパケット到着間隔のゆらぎの平均値γを求める。また、同じく時間Tにわたって、統計情報収集部201は、RTPヘッダのシーケンス番号に基づいて、各宛先チャネルのVoIPパケットの損失数αおよび順序反転数βを計数する。そして、このようにして宛先チャネルごとに得られたこれらの測定値およびこれらの計数値を、統計情報収集部201は、その宛先チャネルにおいて実現される音声品質に影響を与えるパラメータとして統計情報解析部202に渡す。
【0059】
図2に示した解析制御部211は、新規の通話が開始されるごとに、その通話に関わるVoIPパケットについて所定の期間にわたって統計情報収集部201で得られた統計情報を定数決定部212に渡し、この所定の期間の終了後は、統計情報収集部201から受け取った統計情報を評価値算出部214に渡す。この解析制御部211は、例えば、VoIPパケットに含まれているIPヘッダによって示される送信元のIPアドレスとUDPヘッダによって示される宛先チャネルとに基づいて、新規の通話の開始を検出し、上述した統計情報をパラメータとして音声品質を示す多変量解析モデルにおいて各パラメータに対応する重み定数を推定するために十分な期間(例えば、数秒から十数秒間)にわたって、この間に収集された複数セットの統計情報を定数決定部212に渡す(図3に示したステップ301,302)。
【0060】
この定数決定部212は、上述したようにして、新規の通話が始まってから所定の期間にわたって統計情報収集部201によって収集された複数セットの統計情報を受け取り、判別分析の手法を用いて、これらの統計情報を基準となる音声品質Zにおける統計情報の母集団として、式(1)に示すような線形判別式において、パケットの遅延時間の測定値η、遅延時間の揺らぎであるジッタγ、パケットの順序反転数βおよびパケット損失数αに対応する定数の値(a1,a2,a3,a4)を決定する(図3に示したステップ303)。
【0061】
Z=a1・α+a2・β+a3・γ+a4・η ・・・(1)
このようにして決定された各定数の値は、加入者ごとに加入者テーブル213に格納され、以降の通話においては、これらの各定数を備えた式(1)の形式の線形判別式であらわされる多変量解析モデルが、評価値算出部214によるこの加入者に関する音声品質を示す指標の算出に供される。定数決定部212は、例えば、UDPヘッダに含まれるUDP番号で示される加入者番号に対応して、上述した各定数の値と音声品質を示す指標の初期値Zとを加入者テーブル213に格納する。
【0062】
上述したようにして定数の値が決定された後は、その通話にかかわるVoIPパケットについて統計情報収集部201によって収集された統計情報は、解析制御部211により、その通話を識別する情報とともに評価値算出部214に渡される(図3に示したステップ304)。
評価値算出部214は、例えば、通話を識別する情報として受け取った加入者番号に基づいて、加入者テーブル213からその通話に関する定数値(a1,a2,a3,a4)を読み出し、これらの定数値と統計情報として得られた各パラメータ(α、β、γ、η)を式(1)に代入して、これらの統計情報に対応する音声品質を示す指標値Zを求める(図3に示したステップ305)。
【0063】
このようにして、受信したVoIPパケットに関して通話中のチャネルごとに収集した統計情報に基づいて、それぞれのチャネルにおいて実現されている音声品質をリアルタイムで評価し、音声品質を示す指標値Zを得ることができる。
図2に示した評価値比較部215は、評価値算出部214によって求められた指標値Zと、この加入者に対応して加入者テーブル213に格納されている前回の評価における指標値Zoldとを比較し、新規の指標値Zと前回の評価における指標値Zoldとの差Vの絶対値が所定の閾値を超えている場合に(図3に示したステップ306の肯定判定)、その差Vによって示される音声品質の変動を上述した加入者番号と送信元のIPアドレスとともに、統計情報解析部202による解析結果として報告作成部203に通知する。これに応じて、報告作成部203は、統計情報解析部202から受け取ったIPアドレスを宛先として、上述した加入者番号と音声品質の変動分Vを示す情報とを含む制御メッセージをMGCPあるいはMEGACOに従って作成し、制御通信処理部407を介してコールエージェントにこの制御メッセージを送信する(図3に示したステップ307)。このようにしてコールエージェントに到達したこの制御メッセージは、MGCPあるいはMEGACOに従って、図2に示した送信側のVoIPゲートウェイ装置に転送される。
【0064】
また、図2に示した評価値比較部215は、新たに得られた指標値Zを用いて、加入者テーブル213に格納された指標値Zoldを更新し、この値を次の評価結果との比較に供する。
次に、上述したようにして送信側のVoIPゲートウェイ装置に到達した制御メッセージに基づいて、この送信側のVoIPゲートウェイ装置において、VoIPパケットの送信にかかわる機能を制御する方法について説明する。
【0065】
図4に、送信制御動作を表す流れ図を示す。
上述した制御メッセージがコールエージェントを経由して送信側のVoIPゲートウェイ装置の制御通信処理部407に到達すると、報告検出部204は、この制御メッセージから、宛先チャネルを示す加入者番号と音声品質の変化分Vとを抽出し(図4に示したステップ311)、これらの情報を図2に示した機能制御部205に渡す。
【0066】
図2に示した機能制御部205において、レベルテーブル217は、送信側のVoIPゲートウェイ装置に収容されている加入者チャネルそれぞれに対応して、通話している相手を示す宛先チャネルと実現されている音声品質のレベルを示すレベルパラメータを格納している。なお、各加入者チャネルに対応するレベルパラメータは、VoIPゲートウェイ装置の電源投入時などの初期状態においては、最良の音声品質を示すレベル1が格納されており、品質レベル更新部216により、報告検出部204から受け取った情報に基づいて更新される。
【0067】
この品質レベル更新部216は、報告検出部204から受け取った宛先チャネルに基づいて、レベルテーブル217からこの宛先と通話中の加入者を示す加入者番号に対応して保持されたレベルパラメータを読み出し、このレベルパラメータと音声品質の変化分Vとに基づいて、新たなレベルパラメータを算出する。例えば、品質レベル更新部216は、式(2)に示すように、レベルテーブル217に格納されていたレベルパラメータの値Loldに音声品質の変化分Vを適切な重み係数k(k≧1)で除算した値を減算して、レベルパラメータの急激な変化を防ぎつつ新たなレベルパラメータの値Lを求める(図4に示したステップ312)。
【0068】
L=Lold−V/k ・・・(2)
例えば、レベルテーブル217に格納されていたレベルパラメータの値Loldがレベル1であり、この加入者に関する音声品質の指標値が2ポイント低下したことを示す変化分V(=−2)が受信側のVoIPゲートウェイ装置から通知された場合に、品質レベル更新部216は、これらの情報に重み係数k(=2)を適用して、レベルテーブル217の該当する加入者番号に対応する新たなレベルパラメータL(=2)を求める。
【0069】
このとき、品質レベル更新部216は、新たなレベルパラメータの値Lと元の値Loldとを比較し、これらの値が異なっている場合に(図4に示したステップ313の肯定判定)に、図2に示した対策指示部219にレベルパラメータの変動を通知するとともに、新たなレベルパラメータの値Lをレベルテーブル217に格納する(図4に示したステップ314、315)。
【0070】
図2に示した対策指示部219は、品質レベル更新部216からの通知に応じて、レベルテーブル217と対策テーブル218を参照し、該当する加入者チャネルに対応するVoIPパケットの送信処理にかかわる各部に対して、対策テーブル218に示された対策情報に従って適切な指示を入力し、VoIPパケットの送信処理において適用する対策を切替える(図4に示したステップ316)。
【0071】
図2に示した対策テーブル218には、図5に示すように、各レベルパラメータに対応して、適用すべき対策を示す情報が格納されている。この対策テーブル218は、例えば、レベルパラメータの値が数値「1」〜数値「5」の範囲(図5においては、レベル1〜レベル5として示す)について、TOS(Type of Service)フィールドにおいて設定する優先順位の値をそれぞれ指示する情報を格納している。また、図5に示した対策テーブル218は、レベルパラメータLの値が数値「6」〜数値「9」の範囲(図5においてレベル6〜レベル9として示す)に対応して、VoIPパケットを送出するポートを変更する旨の対策情報、VoIPパケットの送出間隔を増大させる旨の対策情報、音声符号化種別を低ビットレートのものに変更する旨の対策情報および音声符号化において無音圧縮を適用する旨の対策情報をそれぞれ格納している。
【0072】
したがって、例えば、上述した場合のように、パラメータレベルが最高のレベル1から1段階低下してレベル2となった場合に、対策指示部219は、レベルテーブル217において更新されたレベルパラメータ(レベル2)に対応する対策情報を対策テーブル218から読み出し、この対策情報に従って、パケット化処理部403に対して、該当する宛先チャネルに送出されるVoIPパケットに付加するIPヘッダのTOSフィールドに、それまでよりも1段階優先順位の高い優先度2を設定する旨を指示する。なお、パラメータレベルがレベル3乃至レベル5に更新された場合に、対策指示部219は、同様に、パケット化処理部403に対して、該当する宛先チャネルに送出されるVoIPパケットに付加するIPヘッダのTOSフィールドに、それぞれそれまで適用されていた優先度に代えて新たな優先度3,4,5を設定する旨を指示する。
【0073】
一方、パラメータレベルがレベル6に更新された場合に、対策指示部219は、対策テーブル218に格納された対応する対策情報に従って、ネットワークインタフェース回路409に対して、該当する宛先チャネルへのVoIPパケットを送出するポートを変更する旨を指示する。このようにしてVoIPパケットを送出するポートを切替えることにより、音声品質が低下している通話について、VoIPパケットが伝送されるルートを変更することができる。この対策は、それまで選択されていたルート(図2において点線で示す)にトラフィックが集中しているために通話音声の品質低下が生じていた場合に有効である。なぜなら、このような送出ポートの変更を行うことにより、トラフィックが集中しているルートを避けて、該当する宛先チャネルへのVoIPパケットは、比較的すいているルート(図2において実線で示す)を経由して対向するVoIPゲートウェイ装置に到達することが期待できるからである。
【0074】
また、パラメータレベルがレベル7に更新された場合に、対策指示部219は、対策テーブル218に格納された対応する対策情報に従って、パケット化処理部403に対して、該当する宛先チャネルへの音声符号化データをパケット化する間隔、すなわち、一つのパケットのペイロードに格納する音声符号化データの長さを変更する旨を指示する。このようにして、VoIPパケットのパケット長を調整してその送出間隔を変更することにより、単位時間にIPネットワークに送出されるVoIPパケットの数を調整し、IPネットワークの輻輳を軽減することができる。
【0075】
一方、パラメータレベルがレベル8に更新された場合に、対策指示部219は、対策テーブル218に格納された対応する対策情報に従って、音声符号化処理部402に対して、音声符号化種別の変更を指示する。これに応じて、音声符号化処理部402は、例えば、該当する加入者チャネルのPSTNデータに適用していたITU−Tの勧告G.711(ビットレート64kbps)に代えて、より低いビットレートの音声符号化種別(例えば、ビットレート8kbpsのITU−Tの勧告G.729)を適用する。このようにして、符号化種別を切替えることにより、VoIPパケットとしてIPネットワークに送出される情報量を削減することができるので、IPネットワークの輻輳を軽減する効果が期待できる。
【0076】
更に、パラメータレベルがレベル8に更新された場合に、対策指示部219は、対策テーブル218に格納された対応する対策情報に従って、音声符号化処理部402に対して、無音圧縮の適用を指示する。これに応じて、音声符号化処理部402は、該当する加入者チャネルのPSTNデータの符号化にあたって、通話における無音の期間についての符号化を省略するいわゆる無音圧縮機能を適用する。これにより、該当する加入者チャネルに対応してIPネットワークに送出されるVoIPパケットの数を大幅に削減し、IPネットワークの輻輳を著しく軽減することが期待できる。
【0077】
ところで、図4に示したステップ313において、レベルパラメータが変化していないとされた場合には、レベルテーブル217に格納されたレベルパラメータに対応する対策が継続的に適用される(ステップ317)。
なお、図5に示したレベル7乃至レベル9に対応して示された対策では、例えば、送出間隔や音声符号化種別および無音圧縮を段階的に調整することが可能である。したがって、図4に示したステップ317において、同じ対策の適用が継続されている期間の長さやレベルパラメータの変動の傾向などに基づいて、1つのパケットに格納する音声符号化データの長さを更に長くして送出間隔を一層延長したり、逆に、極めて低いビットレートの音声符号化種別が適用されている場合に1段階高いビットレートの音声符号化種別に変更したりするなどの調整を行うこともできる。
【0078】
このようにして、図2に示した受信側のVoIPゲートウェイ装置においてリアルタイムで音声品質を評価した結果に応じて、送信側のVoIPゲートウェイ装置において、各通話チャネルに関するVoIPパケットの送出にかかわる様々な機能を制御することができる。もちろん、図2に示した受信側と送信側は交換可能である。つまり、互いに対向するVoIPゲートウェイ装置において得られた評価結果に基づいて、送信機能を制御することにより、通話中の各チャネルにおける音声品質の維持あるいは著しい劣化の防止を図り、例えば、通話の中断といった致命的な障害を回避することができる。
【0079】
また特に、図1、図2に示したように、コールエージェント経由で音声品質の評価結果を対向するVoIPゲートウェイ間で交換する構成では、IPネットワークにおけるトラフィックにかかわらず、各VoIPゲートウェイ装置とコールエージェントとの間に確保されている通信経路を利用して、音声品質の評価結果を確実に伝達することができるという利点がある。
【0080】
次に、VoIP技術によって実現される音声品質を別の方法を適用してリアルタイムで評価し、また、別の方法で評価結果を送信元に通知する実施形態について説明する。
図6に、本発明にかかわるIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置の別実施形態を示す。
【0081】
なお、図6に示した構成要素のうち、図1に示した各部と同等のものについては、図1に示した符号を付して示し、その説明を省略する。
図6に示した音声品質調整処理部220において、サンプル抽出部221およびPSQM評価部222は、VoIPゲートウェイ装置に到達したVoIPパケットに含まれている音声サンプルデータに基づいて、通話中の各チャネルに対応して受信したVoIPパケットによって実現される音声品質を評価する。また、図6に示した報告情報付加部223は、PSQM評価部222によって得られた評価結果を示す報告情報を、パケット化処理部403において形成されるVoIPパケットの適切なフィールドに挿入する。一方、図6に示した報告情報抽出部224は、VoIPゲートウェイ装置に到達したVoIPパケットから対向するVoIPゲートウェイ装置の報告情報付加部223によって挿入された報告情報を抽出し、機能制御部205に渡す。また、サンプル挿入部225は、予め決定しておいた特定の音声サンプルを適切に符号化して得られた音声サンプルデータを、パケット化処理部403によって形成されるVoIPパケットのペイロードに挿入する。
【0082】
次に、音声品質調整処理部220の詳細構成とともに、その動作について説明する。
図7に、第2実施形態における音声品質調整処理部の詳細構成を示す。
なお、図7において、受信側のVoIPゲートウェイ装置として示した側には、音声品質調整処理部220を構成する構成要素の中で、音声品質の評価に関する機能の一部および評価結果の通知に関する機能を果たすものを示し、一方、送信側のVoIPゲートウェイ装置として示した側には、音声品質の評価に関する機能の他の一部および通知された評価結果に基づいて、VoIPパケットの送信にかかわる機能を制御する機能を果たすものを示した。
【0083】
また、図7に示した構成要素のうち、図2に示した各部と同等のものについては、図2に示した符号を付して示し、その説明を省略する。
まず、音声品質の評価および評価結果の通知にかかわる動作を説明する。
図7に示した送信側のVoIPゲートウェイ装置に備えられたサンプル挿入部225において、データ保持部236は、PSQMによって音声品質を評価するために十分な長さを持つ音声サンプルを、例えば、ITU−Tによる勧告G.723.1の5.3Kbpsなどに準拠した低ビットレートの符号化処理によって符号化して得られた音声符号化データを保持している。このサンプル挿入部225において、挿入処理部234は、挿入制御部235からの指示に応じて、データ保持部236に保持された音声符号化データの一部を音声サンプルデータとして順次に読み出し、読み出した音声サンプルデータをパケット化処理部403に渡すとともに、この音声サンプルデータを図8(a)に示すように、VoIPパケットのペイロードの末尾に付加する旨を依頼する。図7に示した挿入制御部235は、通話中の各チャネルについて、例えば、上述した音声サンプルデータの挿入処理が互いに重ならないようにスケジューリングを行い、それぞれのチャネルに割り当てた期間の到来に応じて音声サンプルデータの挿入処理を開始する旨を挿入処理部234に指示する。
【0084】
ここで、例えば、評価対象のチャネルに適用されている符号化種別がITU−Tによる勧告G.711であり、パケット送出間隔が20msであれば、このチャネルに対応して形成されるVoIPパケットのペイロードに格納される本来の音声符号化データのサイズは160byteである。これに対して、上述した符号化種別を適用した例において、音声サンプルデータとして挿入されるデータ量は、わずかに13byteである。このように、音声サンプルデータを挿入したことによるパケットサイズの増大は軽微であるので、このようなパケットサイズの増大によってネットワークの負荷が著しく増大することはない。
【0085】
一方、図7に示した受信側のVoIPゲートウェイ装置において、サンプル抽出部221は、ネットワークインタフェース回路409に到達したVoIPパケットから上述した音声サンプルデータとUDPヘッダに含まれている宛先チャネルを示すUDP番号を抽出し、抽出した音声サンプルデータおよびUDP番号をPSQM評価処理部222に渡す。
【0086】
図7に示したPSQM評価処理部222において、評価用データ保持部232は、上述したサンプル挿入部225のデータ保持部236に保持された音声符号化データに対応する評価用データを保持する。この評価用データは、上述した特定の音声に相当するものであり、PSQM技術において評価対象の出力音声と比較される基準に相当する。また、図7において、解析準備部231は、サンプル抽出部221から受け取った音声サンプルデータを、上述した評価用データと比較可能な形式に変換し、評価対象の出力音声を示す対象データとしてPSQM解析処理部233に渡す。このPSQM解析処理部233は、評価用データ保持部232に保持された評価用データと上述した対象データとを比較して、この対照データによって表される出力音声が評価用データによって表される基準の音声に比べて劣化している度合いを示す指標を求める。
【0087】
このようにして、送信側のVoIPゲートウェイ装置から本来の音声符号化データとともに送られてきた音声サンプルデータに基づいて、この音声サンプルデータと同時に受信側のVoIPゲートウェイ装置に到達したVoIPパケットに基づいて再生される通話音声の品質を、リアルタイムで評価することができる。このようにして得られた指標値Zは、対応するUDP番号とともに図7に示した報告情報付加部223に備えられた評価値比較部215に渡される。この報告情報付加部223において、加入者テーブル213は、各加入者に与えられた加入者番号に対応して、そのチャネルについて最後に得られた評価結果を示す指標値Zoldを格納している。また、図7において、評価値比較部215は、上述した第1の実施形態における動作と同様にして、上述した加入者テーブル213に格納されている前の指標値Zoldと新たに得られた指標値Zとを比較し、その差の絶対値が所定の閾値を超えていた場合に、前の指標値Zoldと新たな指標値Zと差に相当する変化分VをUDP番号とともに挿入指示部237に渡すとともに、加入者テーブル213にUDP番号で示される加入者番号に対応して新たな指標値Zを格納する。また、図7に示した挿入指示部237は、評価値比較部215から受け取った変化分Vをパケット化処理部403に渡し、UDP番号で示される加入者チャネルにおける通話にかかわるVoIPパケットのRTPヘッダのアプリケーションデータフィールドに挿入する旨を指示する。
【0088】
この指示に応じて、パケット化処理部403により、図8(b)に示すように、該当するVoIPパケットを形成する際に、RTPヘッダのアプリケーションデータフィールド(図8(b)において網掛けを付して示す)に、上述した変化分Vの値が設定され、このようにして形成されたVoIPパケットがIPネットワークに送出される。
【0089】
一方、図7に示した報告情報抽出部224は、例えば、パケット終端部404において、VoIPパケットから除去されたRTPヘッダおよびUDPヘッダを受け取り、受け取ったRTPヘッダのアプリケーションデータフィールドに上述した変化分Vが設定されている場合に、この変化分VとUDPヘッダに含まれているUDP番号を機能制御部205に渡す。
【0090】
このようにして、受信側のVoIPゲートウェイ装置においてリアルタイムで評価された音声品質を示す報告情報を、評価対象の音声の提供を受けている加入者から対向する加入者に返される音声にかかわるVoIPパケットそのものに挿入して、送信側のVoIPゲートウェイ装置に返し、この送信側のVoIPゲートウェイ装置における送信機能に関する制御に供することができる。
【0091】
このように、第2の実施形態では、音声通話を実現するVoIPパケットそのものを利用して、互いに受信したVoIPパケットによって実現される音声品質の評価結果を授受することができる。
なお、上述した第1の実施形態および第2の実施形態にかかわらず、受信側のVoIPゲートウェイ装置において、受信したVoIPパケットに基づいて得られた評価結果の変化を検出する代わりに、評価結果を随時に送信側のVoIPゲートウェイ装置にフィードバックし、送信側のVoIPゲートウェイ装置に備えられた報告検出部204あるいは報告情報抽出部224において、評価結果の変化を検出し、検出した変化分を機能制御部205の処理に供することもできる。
【0092】
もちろん、音声品質の評価方法と評価結果の通知方法との組み合わせは、上述した実施形態に限らず、様々な組み合わせが可能である。当然ながら、統計情報を用いた評価方法と、音声サンプルデータを用いた評価方法とを並行して実施することもできるし、また、状況に応じて使い分けることも可能である。同様に、コールエージェントを経由した評価結果の通知方法と、VoIPパケットそのものによる評価結果の通知方法とを並行して実施して、評価結果を含んだVoIPパケットの損失に備えることもできるし、もちろん、状況に応じて使い分けることも可能である。
【0093】
以上の説明に関して、更に、以下の各項を開示する。
(付記1) IPネットワークと既存公衆網との接続点に位置し、IPネットワークにおけるパケット転送と既存公衆網における音声信号の伝達とを中継するVoIPゲートウェイ装置を備えたIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法において、VoIPゲートウェイ装置により、IPネットワークを経由する伝送経路を介して通話中の回線それぞれについて、IPネットワークを経由してVoIPゲートウェイ装置に到達したVoIPパケットであって、既存公衆網における音声信号に変換されるべきVoIPパケットを監視し、VoIPゲートウェイ装置により、通話中の各回線に対応するVoIPパケットの集合に関して、遅延、ジッタ、損失および順序反転を含む統計情報を収集し、VoIPゲートウェイ装置により、VoIPパケットの集合に関する統計情報とIPネットワークにおいて実現される音声品質との関係を示す多変量解析モデルに従って、収集した統計情報に対応する音声品質を示す品質指標を求めることを特徴とするIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法。
【0094】
(付記2) IPネットワークと既存公衆網との接続点に位置し、IPネットワークにおけるパケット転送と既存公衆網における音声信号の伝達とを中継する複数のVoIPゲートウェイ装置を備えたIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法において、複数のVoIPゲートウェイ装置それぞれにより、IPネットワークを経由する伝送経路を介して通話中の回線それぞれについて、IPネットワークにおいて音声を伝送するためのVoIPパケットをIPネットワークに送信する際に、VoIPパケットの少なくとも一部の特定のフィールドに特定の音声データサンプルを組み込んで送信し、複数のVoIPゲートウェイ装置により、通話中の回線それぞれに対応してIPネットワークを経由して到達したVoIPパケットを受信する際に、受信したVoIPパケットの特定のフィールドに含まれている音声データサンプルに対応するデータを抽出し、VoIPパケットを受信したVoIPゲートウェイ装置により、特定の音声データサンプルに対応して予め用意しておいた評価用データと、受信したVoIPパケットから抽出された音声データサンプルに対応するデータとに基づいて、受信したVoIPパケットに基づいて再生される通話音声の品質を評価することを特徴とするIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法。
【0095】
(付記3) IPネットワークと既存公衆網との接続点に位置し、IPネットワークにおけるパケット転送と既存公衆網における音声信号の伝達とを中継する複数のVoIPゲートウェイ装置を備えたIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置において、IPネットワークを経由する伝送経路を介して通話中の回線それぞれについて、IPネットワークを介してVoIPゲートウェイ装置に到達したVoIPパケットに関する情報に基づいて、即時的に通話音声の品質を評価する評価手段と、評価手段による評価結果を示す情報に基づいて、VoIPパケットの送信元のVoIPゲートウェイ装置が通話中の回線それぞれに対応してIPネットワークに送出する処理を調整する調整手段とを備えたことを特徴とするIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置。
【0096】
(付記4) 評価手段は、通話中の各回線に対応するVoIPパケットの集合に関して、遅延、ジッタ、損失および順序反転を含む統計情報を収集する収集手段と、収集手段によって通話中の各回線に対応して収集された統計情報とIPネットワークにおいて実現される音声品質との関係を示す多変量解析モデルに従って、収集した統計情報に対応する音声品質を示す品質指標を求め、評価結果として出力する指標算出手段とを備えたことを特徴とする付記3に記載のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置。
【0097】
(付記5) 複数のVoIPゲートウェイ装置それぞれに備えられ、IPネットワークを経由する伝送経路を介して通話中の回線それぞれについて、IPネットワークにおいて音声を伝送するためのVoIPパケットをIPネットワークに送信する際に、VoIPパケットの少なくとも一部の特定のフィールドに特定の音声データサンプルを組み込むサンプル付加手段を備え、評価手段は、通話中の回線それぞれに対応してIPネットワークを経由して到達したVoIPパケットの特定のフィールドに含まれている音声データサンプルに対応するデータを抽出する抽出手段と、特定の音声データサンプルに対応して予め用意された評価用データを保持する評価用データ保持手段と、抽出手段によって抽出された音声データサンプルに対応するデータと評価用データとに基づいて、受信したVoIPパケットに基づいて再生される通話音声の品質を評価し、この評価結果を出力する音声評価手段とを備えたことを特徴とする付記3に記載のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置。
【0098】
(付記6)調整手段は、通話中の各回線に対応して入力される評価情報に基づいて、VoIPゲートウェイ装置に備えられたVoIPパケットの送出にかかわる機能を、通話中の回線それぞれに対応して制御する機能制御手段と、評価手段によって得られた評価結果を示し評価情報を、評価情報に対応するVoIPパケットによって形成される通話の相手を宛先として送信されるVoIPパケットの特定のフィールドに付加し、VoIPゲートウェイ装置による送信処理に供する評価情報付加手段と、VoIPゲートウェイ装置に到達したVoIPパケットの特定のフィールドから評価情報を抽出し、通話中の各回線に対応して、機能制御手段に入力する評価情報抽出手段とを備えたことを特徴とする付記3に記載のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置。
【0099】
(付記7)調整手段は、通話中の各回線に対応して入力される評価情報に基づいて、VoIPゲートウェイ装置に備えられたVoIPパケットの送出にかかわる機能を、通話中の回線それぞれに対応して制御する機能制御手段と、通話中の回線ごとに、評価手段によって得られた評価結果を示す評価情報と、評価情報に対応するVoIPパケットの送信元のVoIPゲートウェイ装置を示す識別情報と、通話中の回線を識別する回線識別情報とを含む制御メッセージを作成し、IPネットワークにおける呼処理を制御するコールエージェントに送出する制御メッセージ送出手段と、コールエージェントに備えられ、VoIPゲートウェイ装置から制御メッセージを受け取り、この制御メッセージに含まれる識別情報に基づいて、宛先のVoIPゲートウェイ装置に制御メッセージに含まれる評価情報と回線識別情報とを含む情報を転送する転送手段と、コールエージェントから転送された情報に含まれている回線識別情報に基づいて、対応する評価情報を通話中の各回線に対応して、機能制御手段に入力する転送受付手段とを備えたことを特徴とする付記3に記載のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置。
【0100】
(付記8)機能制御手段に、通話中の各回線に対応して受け取った評価情報に応じて、該当する回線を宛先として送出するVoIPパケットのヘッダを操作して、IPネットワークにおけるそのVoIPパケットに関する処理優先順位を変更する優先順位変更手段を備えたことを特徴とする付記6あるいは付記7に記載のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置。
【0101】
(付記9) 機能制御手段に、通話中の各回線に対応して受け取った評価情報に応じて、該当する回線を宛先として送出すべき音声を符号化する際に適用する符号化種別を切り替える符号化種別切替手段を備えたことを特徴とする付記6あるいは付記7に記載のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置。
(付記10) 機能制御手段に、通話中の各回線に対応して受け取った評価情報に応じて、該当する回線を宛先として送出するVoIPパケットに格納する音声符号化データの長さを操作して、回線を宛先とするVoIPパケットがIPネットワークに送出される間隔を変更する送出間隔変更手段を備えたことを特徴とする付記6あるいは付記7に記載のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置。
【0102】
(付記11) 機能制御手段に、通話中の各回線に対応して受け取った評価情報に応じて、該当する回線を宛先として送出すべき音声を符号化する際に無音圧縮処理を適用するか否かを制御する圧縮制御手段を備えたことを特徴とする付記6あるいは付記7に記載のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置。
【0103】
(付記12) 機能制御手段に、通話中の各回線に対応して受け取った評価情報に応じて、該当する回線を宛先として送出するVoIPパケットを送出するポートを変更して、IPネットワークにおいてそのVoIPパケットが伝送されるルートを変更するルート変更手段を備えたことを特徴とする付記6あるいは付記7に記載のIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置。
【0104】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明にかかわるIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法によれば、VoIPパケットの授受によって実現される通話に関する音声品質をリアルタイムで評価することができる。また、本発明にかかわるIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置によれば、上述した音声品質評価方法を利用して得られた評価結果を送信側にフィードバックして、送信側のVoIPゲートウェイ装置において制御可能なVoIPパケットの送信にかかわる機能を制御することにより、IPネットワークにおいて発生する様々な音声品質の劣化要因に応じて、VoIPパケットの授受によって実現される通話に関する音声品質の維持あるいは著しい劣化の防止を図ることができる。
【0105】
特に、受信したVoIPパケットに関して収集した統計情報に基づいて音声品質を評価する方法では、通話を実現するために授受するVoIPパケットの伝達そのものにかかわる情報に基づいて評価を行うので、音声品質の評価のためにIPネットワークのトラフィックを増大させることなく、通話音声のリアルタイムでの評価を実現することができる。
【0106】
一方、音声サンプルデータをVoIPパケットに付加してIPネットワークに送出し、この音声サンプルデータの劣化を評価することによってVoIPパケットによって本来運ばれる音声符号化データから再生される音声の劣化を評価する方法では、各チャネルにおいて実現される通話音声の品質を、例えば、PSQMなどの確立された技術に基づいて高い信頼性を持って評価することができる。
【0107】
また、評価結果をコールエージェント経由で送信側のVoIPゲートウェイ装置にフィードバックする構成では、呼制御のために確保された伝送経路を利用して、通話中の各回線に関する音声品質の評価結果を確実に交換することができる。一方、評価結果をVoIPパケットの中に挿入する構成によれば、通話を形成するために授受されるVoIPパケットそのものを利用して互いの評価結果を交換することができる。
【0108】
また、評価結果に応じて、VoIPパケットの送信にかかわる各機能、例えば、ヘッダに設定するパラメータを変更する機能や送出先のポートを切替える機能、更には、音声データの符号化に適用する符号化種別や無音圧縮の有無を切替える機能やVoIPパケットの送出間隔を変更する機能を制御することにより、IPネットワークにおいて、様々な要因が絡み合って音声品質の劣化が生じている場合においても、柔軟に対応して音声品質の維持することあるいは著しい劣化を防ぐことを実現し、通話の切断といった致命的な事態を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわるIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置の第1の実施形態を示す図である。
【図2】第1の実施形態における音声品質調整処理部の詳細構成図である。
【図3】音声品質を評価する動作を表す流れ図である。
【図4】送信機能を制御する動作を表す流れ図である。
【図5】対策テーブルの例を示す図である。
【図6】本発明にかかわるIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置の別実施形態を示す図である。
【図7】第2実施形態における音声品質調整処理部の詳細構成図である。
【図8】本発明にかかわるVoIPパケットのフォーマットを説明する図である。
【図9】IPネットワークシステムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
200、220 音声品質調整処理部
201 統計情報収集部
202 統計情報解析部
203 報告作成部
204 報告検出部
205 機能制御部
211 解析制御部
212 定数決定部
213 加入者テーブル
214 評価値算出部
215 評価値比較部
216 品質レベル更新部
217 レベルテーブル
218 対策テーブル
219 対策指示部
221 サンプル抽出部
222 PSQM評価部
223 報告情報付加部
224 報告情報抽出部
225 サンプル挿入部
231 解析準備部
232 評価用データ保持部
233 PSQM解析処理部
234 挿入処理部
235 挿入制御部
236 データ保持部
237 挿入指示部
401 時分割多重(TDM)終端部
402 音声符号化処理部
403 パケット化処理部
404 パケット終端部
405 音声復号化処理部
406 TDM変換部
407 制御通信処理部
408 中継処理部
409 ネットワークインタフェース(I/F)回路

Claims (3)

  1. IPネットワークと既存公衆網との接続点に位置し、前記IPネットワークにおけるパケット転送と前記既存公衆網における音声信号の伝達とを中継するVoIPゲートウェイ装置を備えたIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法において、
    前記VoIPゲートウェイ装置により、前記IPネットワークを経由する伝送経路を介して通話中の回線それぞれについて、前記IPネットワークを経由して前記VoIPゲートウェイ装置に到達したVoIPパケットであって、前記既存公衆網における音声信号に変換されるべきVoIPパケットを監視し、
    前記VoIPゲートウェイ装置により、前記通話中の各回線に対応するVoIPパケットの集合に関して、遅延、ジッタ、損失および順序反転を含む統計情報を収集し、
    前記VoIPゲートウェイ装置により、前記VoIPパケットの集合に関する統計情報と前記IPネットワークにおいて実現される音声品質との関係を示す多変量解析モデルに従って、前記収集した統計情報に対応する音声品質を示す品質指標を求める
    ことを特徴とするIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法。
  2. IPネットワークと既存公衆網との接続点に位置し、前記IPネットワークにおけるパケット転送と前記既存公衆網における音声信号の伝達とを中継する複数のVoIPゲートウェイ装置を備えたIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法において、
    前記複数のVoIPゲートウェイ装置それぞれにより、前記IPネットワークを経由する伝送経路を介して通話中の回線それぞれについて、前記IPネットワークにおいて音声を伝送するためのVoIPパケットを前記IPネットワークに送信する際に、前記VoIPパケットの少なくとも一部の特定のフィールドに特定の音声データサンプルを組み込んで送信し、
    前記複数のVoIPゲートウェイ装置により、前記通話中の回線それぞれに対応して前記IPネットワークを経由して到達したVoIPパケットを受信する際に、受信したVoIPパケットの前記特定のフィールドに含まれている前記音声データサンプルに対応するデータを抽出し、
    前記VoIPパケットを受信したVoIPゲートウェイ装置により、前記特定の音声データサンプルに対応して予め用意しておいた評価用データと、前記受信したVoIPパケットから抽出された前記音声データサンプルに対応するデータとに基づいて、受信したVoIPパケットに基づいて再生される通話音声の品質を評価する
    ことを特徴とするIPネットワークシステムにおける音声品質評価方法。
  3. IPネットワークと既存公衆網との接続点に位置し、前記IPネットワークにおけるパケット転送と前記既存公衆網における音声信号の伝達とを中継する複数のVoIPゲートウェイ装置を備えたIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置において、
    前記IPネットワークを経由する伝送経路を介して通話中の回線それぞれについて、前記IPネットワークを介して前記VoIPゲートウェイ装置に到達したVoIPパケットに関する情報に基づいて、即時的に通話音声の品質を評価する評価手段と、
    前記評価手段による評価結果を示す情報に基づいて、前記VoIPパケットの送信元のVoIPゲートウェイ装置が前記通話中の回線それぞれに対応してIPネットワークに送出する処理を調整する調整手段と
    を備えたことを特徴とするIPネットワークシステムにおける音声品質調整装置。
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