JP2005056733A - アルカリ電池、ならびにアルカリ電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

アルカリ電池、ならびにアルカリ電池用正極活物質の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高容量で強負荷放電特性に優れ、かつ放電末期の電池を高温下で保存した場合の耐漏液特性にも優れるアルカリ電池、特に正極活物質にオキシ水酸化ニッケルを含むアルカリ電池を提供する。
【解決手段】 平均価数が3.0よりも大のコバルト酸化物で被覆したオキシ水酸化ニッケルを正極活物質のすべてないしは一部として使用し、さらに亜鉛酸化物・カルシウム酸化物・イットリウム酸化物・チタン酸化物の1種を正極中の必須添加物として含有させたアルカリ電池。
【選択図】 図1

Description

本発明は、オキシ水酸化ニッケルを含有させた正極活物質を用い、インサイドアウト構造を採用したアルカリ電池に関し、特にオキシ水酸化ニッケルを含むアルカリ乾電池、所謂、ニッケル乾電池、もしくはニッケルマンガン乾電池の特性改良に関連する。
アルカリ電池、特に放電スタート型のアルカリ電池やアルカリ一次電池は、正極端子を兼ねる正極ケースの中に、正極ケースに密着して円筒状の正極合剤ペレットを配置し、その中央にセパレータを介してゲル状の亜鉛負極を配置したインサイドアウト型の構造を有する。近年のデジタル機器の普及に伴い、これらの電池が使用される機器の負荷電力は次第に大きくなり、強負荷放電性能に優れる電池が要望されてきた。この要望に対応するべく、特許文献1は正極合剤にオキシ水酸化ニッケルを混合して強負荷放電特性に優れたアルカリ電池を作製することを提案しており、近年、実用化に到っている。
上記アルカリ電池で用いられるオキシ水酸化ニッケルは、アルカリ蓄電池を主用途とするものであり、球状ないしは鶏卵状の水酸化ニッケルを、次亜塩素酸ナトリウム水溶液等の酸化剤で酸化したものの使用が一般的である。この際、原料の球状水酸化ニッケルは嵩密度(タップ密度)の大きいβ型を用い、これを酸化剤処理でβ型を主構造とした球状オキシ水酸化ニッケルに変換しており、電池内への高充填を指向する傾向がある。この構成では、アルカリ電池での正極容量(利用率)を高める目的から、コバルト・亜鉛等を結晶中に固溶状態で含有させた球状水酸化ニッケル固溶体を出発源に用いることもある。
最近、各種のデジタル機器の急速な普及、高機能化により、アルカリ電池には一層の電池特性の改善を求められている。特に、上記のオキシ水酸化ニッケルを含むアルカリ電池は、電池特性上の大きな課題として、1.電池を高温雰囲気下で保存した際に生じるオキシ水酸化ニッケルの自己分解(電池容量低下と内圧上昇)の改善、2.機器の消費電力の増大に対応する放電特性の改善、を有している。
前者の課題を解決するために特許文献2は、アルカリ蓄電池用の正極合剤ではあるが、オキシ水酸化ニッケルに亜鉛酸化物、カルシウム酸化物、イットリウム酸化物および二酸化チタンよりなる群から選択された少なくとも1種の酸化物を含有させることを提案しており、高温雰囲気下におけるオキシ水酸化ニッケルの自己分解が抑制されることを開示している。
一方、後者の課題である強負荷放電特性を高める方法として、上記と同様にアルカリ蓄電池用途での提案ではあるが、特許文献3はコバルト酸化物で被覆されたオキシ水酸化ニッケルを、種々カーボン導電剤と合わせることとしている。特許文献3の提案によると、オキシ水酸化ニッケルの表面に存在するコバルト酸化物の電子伝導性が高いため、カーボン導電剤と合わせた良好な導電ネットワークを正極合剤中に作製することができ、強負荷放電特性、さらには正極容量(利用率)に優れた電池を作製することが可能になる。
しかしながら、コバルト酸化物で被覆されたオキシ水酸化ニッケル粒子をアルカリ電池の正極に用いた場合、コバルト酸化物の酸化状態が十分に高められていないと、放電末期(ないしは放電後)の電池を高温下で長期間保存した場合に、コバルト酸化物が2価に還元されてコバルト錯イオン(HCoO2 -)となって電解液中に溶出し、負極の亜鉛粒子上に金属コバルトとなって析出する。そして、負極へ析出した金属コバルトは水素発生過電圧が小さく、水素発生の触媒的機能を有するため、電池内で過剰の水素が発生して内圧が
上昇し、漏液の原因になるという新たな課題を生ずることになる。
そこで、上記の現象を回避する方策として、特許文献4は、本発明者等が先に提案した高次のコバルト酸化物であるガンマ型オキシ水酸化コバルト(特許文献5)を使用し、このコバルトを被覆層に含むオキシ水酸化ニッケルの活用も考えられるが、十分な電池保存特性の改善効果は得られない。
また、特許文献4は、α型の水酸化コバルトと亜鉛酸化物の共晶(ないしは固溶体)で被覆された球状水酸化ニッケルを、次亜塩素酸塩を含むアルカリ液相中で酸化させ、ガンマ型オキシ水酸化コバルトと亜鉛酸化物とが被覆層に共存したオキシ水酸化ニッケルを作製し用いる点も記載している。しかし、本発明者等の検討によると、亜鉛酸化物の共存下では次亜塩素酸塩による酸化処理に際してコバルトの高次酸化が抑制され、実質上、ガンマ型オキシ水酸化コバルトと亜鉛酸化物とが被覆層に共存したオキシ水酸化ニッケルを作製するのは困難である。さらに特許文献4に記載された製法では、嵩密度の小さいα型の水酸化コバルトで被覆された球状水酸化ニッケル粒子を大元の出発原料に用いるため、得られるコバルト被覆オキシ水酸化ニッケル粒子の嵩密度(ないしはタップ密度)も小さくなってしまい、電池内への充填性や電池高容量化という点でも課題を残していた。
特開昭57−72266号公報 特開2001−15106号公報 特開2003−17079号公報 特開2002−338252号公報 特許第3223858号公報
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、正極活物質にオキシ水酸化ニッケルを用いたアルカリ電池において、放電特性及び保存特性を改善することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明者らは鋭意、検討を行った。本発明は正極活物質に平均価数が3.0よりも大のコバルト酸化物で被覆を施した球状オキシ水酸化ニッケルを用い、さらに亜鉛酸化物・カルシウム酸化物・イットリウム酸化物・二酸化チタンのうちの少なくとも1種を正極合剤中の必須添加物として含有させたアルカリ電池である。
上記の構成では、被覆層のコバルト酸化物の電子伝導性が非常に高いため、球状オキシ水酸化ニッケルからの集電度合いが大きくなり、高容量(高利用率)で、かつ強負荷放電に優れた電池を作製することができる。
また、コバルト酸化物の酸化価数が非常に高いのに加え、亜鉛酸化物・カルシウム酸化物・イットリウム酸化物・二酸化チタン等の必須添加剤の存在によって、この正極活物質を高温下で長期間保存した場合の自己分解・コバルト還元溶解も十分に抑制されるため、高温保存時の正極劣化に起因する電池の漏液現象を抑制することが可能となる。
さらに本発明は、電池作製時の正極活物質の充填性を改善して、より一層の電池高容量化に寄与しうる、好ましいアルカリ電池用正極活物質の製造方法を提供するものである。
本発明によれば高容量で強負荷放電特性に優れ、且つ放電末期の電池を高温下で保存した場合の電池内ガス発生量の少ないアルカリ電池(すなわち、耐漏液特性の優れるアルカリ電池)を提供することが可能となる。従って、産業上の価値は極めて大きい。
本発明の請求項1に記載の発明は、正極活物質に平均価数が3.0よりも大のコバルト酸化物で被覆を施した球状オキシ水酸化ニッケルを用い、さらに亜鉛酸化物・カルシウム酸化物・イットリウム酸化物・二酸化チタンのうちの少なくとも1種を正極合剤中の必須添加物として含有したアルカリ電池である。
請求項2は、前記必須添加物の正極合剤中の添加量に関連し、これをコバルト酸化物で被覆を施した球状オキシ水酸化ニッケルの0.1〜10重量%とすることに特徴を有する。このような添加比率であると、電池ケース内への正極活物質の量を減ずることなく(つまり、容量を下げることなく)、必須添加物による球状オキシ水酸化ニッケルの自己分解反応の抑制効果を十分に発現させることができ、電池の高温保存特性を大幅に高めることが可能となる。
請求項3は、請求項1において球状オキシ水酸化ニッケルがβ型の結晶構造を主体とし、コバルト及び/または亜鉛を結晶内に固溶した球状オキシ水酸化ニッケル固溶体であることを特徴とする。β型の結晶構造を主体とした球状オキシ水酸化ニッケルは嵩密度が高く、充填性に優れるため好ましい。また、コバルト及び/または亜鉛を結晶内に固溶させることで、オキシ水酸化ニッケル結晶構造の層間に意図的にプロトン欠損を形成させることができるため、正極の活性(プロトンの移動度)が高まって、強負荷放電特性に優れた電池にすることができる。
請求項4は、請求項3において、球状オキシ水酸化ニッケル固溶体の総重量に対し、コバルトの固溶量が金属換算で0.1〜5重量%、及び/または亜鉛の固溶量が金属換算で0.1〜5重量%であることを特徴とする。このような範囲であれば体積エネルギー密度の大きい正極活物質とすることができ、強負荷放電特性に優れるとともに高容量の電池を得ることができる。
請求項5は、請求項1において、コバルト酸化物で被覆を施した球状オキシ水酸化ニッケルの投影法で測定した粒子円形度が0.90〜1、タップ密度(900回)が2.15〜2.45g/cm3、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定した体積基準の平均粒子径が5〜20μmであることを特徴とする。粒子円形度(粒子像を平面上に投影した場合の、同一面積相当円の周囲長/粒子投影像の周囲長比)が0.90〜1と大きく真球に近いコバルト酸化物被覆オキシ水酸化ニッケルほど、充填性に優れるため好ましい。特に球状オキシ水酸化ニッケルがβ型の結晶構造を主体としたものである場合、充填性目安としてのタップ密度は、2.15〜2.45g/cm3まで高めることが可能となる。平均粒子径については、5〜20μmの範囲が、大元原料の作製(反応晶析法を用いた球状水酸化ニッケルの合成とこれに対する水酸化コバルトの被覆)に際して容易であり、特性的にも優れるものが得られるため好ましい。
請求項6は、請求項1において、コバルト酸化物の被覆量が球状オキシ水酸化ニッケルの重量に対して0.5〜15重量%であることを特徴とする。このような範囲であれば、コバルト酸化物被覆による効果(球状オキシ水酸化ニッケルの放電利用率の向上と、強負荷放電時の放電分極の低減)を十分に発現させつつ体積エネルギー密度の大きい正極活物質とすることができ、高容量でかつ強負荷放電特性に優れた電池を得ることができる。
請求項7は、請求項1でコバルト酸化物がNa+及び/またはK+を含有することを特徴とし、また請求項8は、コバルト酸化物が層状構造を有し、その(003)面の面間隔が5.0〜7.0Åであることを特徴とする。平均価数が3.0よりも大であるコバルト酸化物のうち、結晶内にK+及び/またはNa+を含有する類のものは電子伝導性が高く、オキシ水酸化ニッケルに対するコバルト酸化物被覆の効果を発現させやすい。このうち特に、コバルト酸化物が層状構造を有し、その(003)面の面間隔が5.0〜7.0Åにまで伸張したγ−オキシ水酸化コバルト等が被覆種としては最適である。
請求項9は、正極活物質に平均価数が3.0よりも大のコバルト酸化物によって被覆を施した球状オキシ水酸化ニッケル、及び二酸化マンガンを用い、さらに亜鉛酸化物・カルシウム酸化物・イットリウム酸化物・二酸化チタンのうちの少なくとも1種を正極合剤中の必須添加物として含有したアルカリ電池である。
請求項10は、請求項9において二酸化マンガンの含有比率が、コバルト酸化物によって被覆を施した球状オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの総量の20〜90重量%であることを特徴とする。二酸化マンガンの理論容量(1電子反応を考慮した場合の単位重量あたりの放電容量)がオキシ水酸化ニッケルよりも大きい点、及び、オキシ水酸化ニッケルの放電電圧が高く強負荷放電特性に優れる点を考慮すると、二酸化マンガンの含有比率を上記の範囲にするのが、電池容量及び強負荷放電特性のバランスを取り易い点からして最も好ましい。
請求項11は、請求項9において必須添加物の正極合剤中の添加量を、コバルト酸化物で被覆した球状オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの総量の0.1〜10重量%にすることを特徴とする。このような範囲を設けたのは、請求項2に関して説明したのと同じ理由による。
請求項12は、請求項9において球状オキシ水酸化ニッケルがβ型の結晶構造を主体とし、コバルト及び/または亜鉛を結晶内に固溶した球状オキシ水酸化ニッケル固溶体であることを特徴とする。このような固溶体であると、正極の活性(プロトンの移動度)が高まって、強負荷放電特性に優れた電池にすることができる。
請求項13は、請求項9において球状オキシ水酸化ニッケル固溶体の総重量に対し、コバルトの固溶量が金属換算で0.1〜5重量%、及び/または亜鉛の固溶量が金属換算で0.1〜5重量%であることを特徴とする。このような範囲を設けたのは、請求項4に関して説明したのと同じ理由による。
請求項14は、請求項9においてコバルト酸化物で被覆した球状オキシ水酸化ニッケルに関し、投影法で測定した粒子円形度が0.90〜1、タップ密度(900回)が2.15〜2.45g/cm3、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定した体積基準の平均粒子径が5〜20μmであることを特徴とする。これら物性のコバルト酸化物被覆オキシ水酸化ニッケルが好適なのは、請求項5に関して説明したのと同じ理由による。
請求項15は、請求項9においてコバルト酸化物の被覆量が、球状オキシ水酸化ニッケルの重量に対して0.5〜15重量%であることを特徴とする。このような範囲を設けたのは、請求項6に関して説明したのと同じ理由による。
請求項16は、請求項9においてコバルト酸化物が結晶内にNa+及び/またはK+を含有することを特徴とし、また、請求項17はコバルト酸化物が層状構造を有し、その(003)面の面間隔が5.0〜7.0Åであることを特徴とする。このようなコバルト酸化
物による被覆が好ましい理由は、請求項7及び8に関して説明したのと同様である。
請求項18は、水酸化コバルトで被覆された球状水酸化ニッケルに、水酸化ナトリウム及び/または水酸化カリウムの高濃度水溶液を含浸し、加熱撹拌しながら空気を送り込んで乾燥させる第1の工程(コバルト酸化工程)、および第1の工程で得られた粉末を水またはアルカリ水溶液中に分散させ、酸化剤を添加して撹拌する第2の工程(ニッケル酸化工程)を有するアルカリ電池用正極活物質の製造方法である。以上の方法によると、本発明のアルカリ電池の作製に好適な、平均価数が3.0よりも大のコバルト酸化物で被覆を施した球状オキシ水酸化ニッケルを、効率良く製造することが可能となる。
請求項19は、請求項18において、水酸化コバルトで被覆を施した球状水酸化ニッケルは被覆層を形成する水酸化コバルトがβ型の結晶構造で、且つ、投影法で測定した粒子円形度が0.90〜1、タップ密度(900回)が2.10〜2.30g/cm3、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定した体積基準の平均粒子径が5〜20μm、BET比表面積が5〜12m2/gであることを特徴とする。ここで、特に反応晶析法を用いて球状水酸化ニッケルに水酸化コバルトを被覆させる場合、水酸化コバルトの析出pHを調整してβ型の水酸化コバルトを析出・被覆させる方が、得られる粒子の嵩密度(ないしはタップ密度)が高く、収率も高い傾向にあることから好ましい。こうして得られる水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルの粒子円形度、タップ密度、平均粒子径を上記の範囲に規制するのは、請求項5について記したのと同様の理由による。また、同粒子のBET比表面積を5〜12m2/gの範囲に設定しなければ、請求項18中の第1のコバルト酸化工程において、所定量のアルカリ水溶液の含浸により粒子を被覆層水酸化コバルトの酸化に適した湿潤状態(粒子表面にアルカリ水液液が十分に存在し、且つ通気性も有する湿潤状態)に到らすのが困難になる。この観点から、水酸化コバルトで被覆を施した球状水酸化ニッケルのBET比表面積は、上記範囲のものが最も適する。
請求項20は、請求項18において、第1の工程(コバルト酸化工程)における加熱撹拌時の温度を90〜130℃、アルカリ水溶液を40重量%より大のNaOHあるいはKOHの水溶液、アルカリ水溶液の含浸量を、水酸化コバルトで被覆された球状水酸化ニッケル粒子の乾燥重量に対するアルカリ溶質の重量比率が4〜6%となるような範囲に設定することを特徴とする。ここで、第1の工程におけるコバルト酸化速度は温度によって影響を受けるが、設定温度が90℃未満だと酸化の進行が遅く、1バッチの処理に多大な時間を要することになり、また130℃を超えると反応が激しく起こりすぎて、被覆層内部の水酸化ニッケルに損傷を与えてしまう。以上より、加熱設定温度は90〜130℃に設定する。また、第1工程において水酸化コバルトを十分に高次に酸化させるには、ある程度の量のアルカリ水溶液が上記の高温下でも粒子表面に存在していることが必要であり、高濃度のアルカリ水溶液ほど沸点が上昇して蒸発速度が遅いため、この処理には適していると言える。この観点から、アルカリ水溶液の濃度は40重量%よりも大きく設定する。またアルカリ水溶液の含浸量を上記の範囲にするのは、上記の量が粒子を適度な湿潤状態に到らせるのに適しており、なおかつ処理に際して粒子の凝集を最小限に抑えることができるためである。アルカリ水溶液の滴下量がこれよりも過小となるとコバルト酸化反応が不完全で未反応部を残すこととなり、一方過大であると粒子の凝集が激しく円滑に処理を行うことができない。
請求項21は、請求項18で水酸化コバルトの被覆量が球状水酸化ニッケルの重量に対して0.5〜15重量%であることを特徴とする。このような範囲を設けたのは、請求項6に関して説明したのと同様の理由による。
請求項22は、請求項18で球状水酸化ニッケルがβ型の結晶構造を主体とし、コバルト及び/または亜鉛を結晶内に固溶した球状水酸化ニッケル固溶体であることを特徴とす
る。このような固溶体を大元の出発原料に用いると、活性の高い正極活物質粒子を得ることが可能となり、強負荷放電特性に優れた電池を作製することができる。
請求項23は、請求項22で球状水酸化ニッケル固溶体の総重量に対し、コバルトの固溶量が金属換算で0.1〜5重量%、及び/または亜鉛の固溶量が金属換算で0.1〜5重量%であることを特徴とする。このような範囲を設けたのは、請求項4に関して説明したのと同じ理由による。
請求項24は、請求項18の第2の工程(ニッケル酸化工程)で用いる酸化剤が次亜塩素酸塩であることを特徴とする。水酸化ニッケルをオキシ水酸化ニッケルに酸化させる際の酸化剤種として、次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩、ペルオキシ二硫酸カリウム等の過硫酸塩、臭素等のハロゲン類、過酸化水素水等が考えられるが、これらの中では次亜塩素酸塩が酸化力も安定して高く、また価格も安価であるため工業生産には適する。
以下、本発明の実施例について詳しく説明する。
(コバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルの作製)
硫酸ニッケルのアンモニア水溶液(Ni2+がアンミン錯体として存在する水溶液)と水酸化ナトリウム水溶液を用意し、これらを槽内pHが一定となるように、撹拌翼を備えた反応槽内にポンプで定量供給し、十分に撹拌を続けることで球状水酸化ニッケル(β型)を析出・成長させた。続いて、水酸化ニッケルを別の反応槽に移し、硫酸コバルトのアンモニウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを槽内pHが一定となるように定量供給し、球状水酸化ニッケルの表面にβ型の水酸化コバルト被覆層を形成させた。こうして得られた粒子を上記とは別の水酸化ナトリウム水溶液中で加熱して粒子の硫酸根を除去した後、水洗・乾燥させて水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルとした。β型水酸化コバルトの被覆量については、球状水酸化ニッケルの重量に対して5重量%となるように調整した。ここで、得られた水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルの粒子円形度(ホソカワミクロン株式会社製のフロー式粒子像分析装置「シスメックスFPIA−1000」を用いて測定)は0.94、1回/秒でストローク長18mmのタッピングを900回行なった際のタップ密度(ホソカワミクロン株式会社製「パウダテスタPT−R」を用いて測定)は2.20g/cm3、レーザー回折式粒度分布計(堀場製作所社製「LA−700」を用いて測定)による体積基準の平均粒子径は9.5μm、BET比表面積(大倉理研社製「AMS−8000」を用いて測定)は7.0m2/gであった。
前記の水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルに対する改質処理を以下の手順により行った。まず、水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルの6.0kgに45重量%の水酸化ナトリウム水溶液700gを含浸させ、これをマイクロ波加熱の機能を備えた乾燥装置内で110℃に加熱撹拌し、酸素を送りながら粒子を完全乾燥まで導いた。この操作(第1工程)によって粒子表面の水酸化コバルトは酸化を受け、粒子は藍色に変化した。次に、第1工程が終了した粒子を1.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に投入し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を十分量加えて撹拌して内層の水酸化ニッケルをオキシ水酸化ニッケル(β型)に変換した。これで第2工程を終了する。得られた粒子は十分に水洗と乾燥を行い、本発明で用いるコバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルaとした。また、第1工程において水酸化ナトリウム水溶液の代わりに水酸化カリウム水溶液を用いること以外はすべて上記と同じとして、コバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルbを作製した。
続いて、比較用の正極材を準備した。上記の水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルを80℃の大気雰囲気下で5日間保ち、粒子表面の水酸化コバルトを結晶性の高いオキシ水
酸化コバルト(CoHO2:茶色)に酸化した。次に、これを1.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に投入し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を十分量加えて撹拌して内部水酸化ニッケルをオキシ水酸化ニッケルに変換し、比較用のコバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルcとした。また、第1工程を行わずに、上記の水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルを1.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に投入し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の過剰量を加えて撹拌し、粒子表面の水酸化コバルトと内部水酸化ニッケルの両方を酸化剤で酸化したコバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルdも作製した。さらに、水酸化コバルト被覆のない上記の球状水酸化ニッケルを1.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に投入し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を加えて撹拌して球状オキシ水酸化ニッケルeとした。
(被覆層コバルト酸化物の解析)
上記で作製したa〜eの正極材のうち、特にコバルト酸化物で被覆した球状オキシ水酸化ニッケルa〜dについては、被覆層を形成するコバルト酸化物に関する以下の解析を実施した。
1) コバルト平均価数の測定
標準試料として球状オキシ水酸化ニッケルeと硫酸第一鉄アンモニウムを混合し、濃塩酸で溶解させた。この過程で、2価より価数の大きいニッケルイオンは2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化する。得られた水溶液中のニッケルイオン量をICP発光分析法により求め(定量値1)、一方で先に生じた3価の鉄イオン量を過マンガン酸カリウム水溶液による酸化還元滴定によって求めた。(定量値2) 両者の値から、球状オキシ水酸化ニッケルEの平均ニッケル価数を2.00+(定量値2)/(定量値1)なる計算で算出すると2.98価であった。そこで、コバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルa〜dにおいても内部のオキシ水酸化ニッケルは同じニッケル価数まで酸化されているものと仮定して、同様の手順で被覆層のコバルト酸化物の価数を見積もった。まず、コバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルと硫酸第一鉄アンモニウムを混合し、濃塩酸で溶解させた。この場合には、2価より大きい価数のコバルトイオンとニッケルイオンの両者が2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化する。こうして得られた水溶液中のコバルトイオン量をICP発光分析法により求め(定量値3)、一方で先に生じた3価の鉄イオン量を過マンガン酸カリウム水溶液による酸化還元滴定によって求めた。そしてこの際、オキシ水酸化ニッケルの還元反応に由来して生成した鉄イオン量を除外して、コバルト酸化物の還元反応に由来する鉄イオン量を計算した。(定量値4) この測定から、コバルト酸化物のコバルト平均価数を2.00+(定量値4)/(定量値3)なる計算で算出した。a〜dに関する測定結果を表1にまとめる。
Figure 2005056733
これより、本発明で用いるコバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルa、bでは、被覆層を形成しているコバルト酸化物の平均価数が3価よりも十分に高くなっていることが確認できた。
2) コバルト酸化物の含有アルカリ金属量の測定
コバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルa〜dを酸に溶解させ、ICP発光分析
を利用して含有しているアルカリ金属(カリウムあるいはナトリウム)の量を測定した。また、電子線プローブマイクロアナライザ(EPMA)で粒子の断面観察を行い、これら粒子では、アルカリ金属はコバルト酸化物被覆層のみに存在していて、内部のオキシ水酸化ニッケルには存在しないことを確認した。以上より、ICP発光分析の測定値が、被覆層を形成しているコバルト酸化物内の含有アルカリ金属の量を反映していると仮定し、a〜dのコバルト酸化物被覆層が含有しているアルカリ金属量(コバルト原子のモル量を100とした場合のアルカリ金属のモル量)を見積もった。結果を表2にまとめる。
Figure 2005056733
この結果から、本発明で用いるコバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルa、bでは、被覆層を形成するコバルト酸化物は結晶内にNa+及び/またはK+を多量に含有していることがわかる。コバルト酸化物の被覆層厚みが極めて薄いためX線回折等による構造解析までは十分に進められなかったが、前記のように同酸化物の平均価数が3価を大きく超えている点も合わせて考えると、a、bの被覆層を形成するコバルト酸化物は層状構造を有し、その(003)面の面間隔が5.0〜7.0Å程度まで伸張したγ型オキシ水酸化コバルトの類であると推察される。このような高酸化状態のコバルト酸化物は、結晶子を形成するCoO2層に電子伝導性が発現するため極めて高い導電性を有し、また同時に、容易に2価までは還元されないものと考えられる。
(アルカリ電池の作製)
図1は本発明の一実施例に係るアルカリ電池の一部を断面にした正面図である。この電池は、以下のようにして製造される。正極ケース1は、ニッケルメッキされた鋼板からなる。この正極ケース1の内部には、黒鉛塗装膜2が形成されている。この正極ケース1の内部に、オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを主成分として含む短筒状の正極合剤ペレット3を複数個挿入し、ケース内において再加圧することによりケース1の内面に密着させる。そして、この正極合剤ペレット3の内側にセパレ−タ4および絶縁キャップ5を挿入した後、セパレ−タ4と正極合剤ペレット3を湿潤させる目的で電解液を注液する。電解液には、例えば40重量%の水酸化カリウム水溶液を用いる。注液後、セパレータ4の内側にゲル状負極6を充填する。ゲル状負極6は、例えばゲル化剤のポリアクリル酸ナトリウム、アルカリ電解液、および負極活物質の亜鉛粉末からなる。次に、樹脂製封口板7、負極端子を兼ねる底板8、および絶縁ワッシャ9と一体化された負極集電体10を、ゲル状負極6に差し込む。そして正極ケース1の開口端部を封口板7の端部を介して底板8の周縁部にかしめつけて正極ケース1の開口部を密着する。次いで、正極ケース1の外表面に外装ラベル11を被覆する。こうしてアルカリ電池が完成する。
本実施例においては、コバルト酸化物被覆オキシ水酸化ニッケルa、二酸化マンガン、および黒鉛を重量比50:50:5の割合で配合し、さらにこの配合物に、正極材aと二酸化マンガンの総量の5重量%に相当する量の酸化亜鉛を添加した。そして、活物質(正極材aと二酸化マンガン)100重量部に対して、電解液1重量部を混合した後、ミキサ−で均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒した。得られた粒状物の所定量を中空円筒型に加圧成型して正極合剤とし、電解液には、40重量%の水酸化カリウム水溶液を用いて図1に示す単3サイズのアルカリ電池Aを作製した。また、コバルト酸化物被覆オキシ水酸
化ニッケルaの代わりにb〜eの正極材を用い、正極合剤内の活物質量(オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの合計重量)がすべて同じになるように調整しながら、上記と同様の手順で単3サイズのアルカリ電池B〜Eをそれぞれ作製した。これらA〜Eの電池をそれぞれ20℃雰囲気下で1Wの定電力で連続放電させ、電圧が終止電圧0.9Vに至るまでの放電容量を測定した。また上記で放電が終了した電池を60℃で7日間保存した後、電池内部でのガス発生量を測定した。結果(電池Eに関する値を100として規格化)を表3にまとめる。
Figure 2005056733
この結果より、正極中にコバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルを含有させた電池A〜Dでは、球状オキシ水酸化ニッケルだけを含有させた(コバルト酸化物被覆のない)電池Eよりも、放電容量が高くなる。これは、被覆を有する粒子では、オキシ水酸化ニッケルの放電末期(ニッケル価数の低下によりオキシ水酸化ニッケル自身の電子伝導性が低下してくる領域)においても粒子表面に存在するコバルト酸化物が高い集電性能を確保し、オキシ水酸化ニッケルの利用率を高めたためと推察される。この向上効果は、特に本発明のような価数が3を大きく超えるコバルト酸化物で被覆したオキシ水酸化ニッケルを用いた電池A、Bにおいて顕著であるが、これは、これらコバルト酸化物の電子伝導性が非常に高いことによると理解される。
一方、放電後電池を60℃で7日間保存した際のガス発生量は、本発明の電池A、Bは電池Eと同程度に抑制できるが、比較のコバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルを用いた電池C、Dでは、電池Eよりも多量のガスが発生してしまう。比較電池C、Dでは、正極中のコバルト酸化物の酸化価数が十分に高められていないため、コバルト酸化物が2価に還元されてコバルト錯イオン(HCoO2 -)となって電解液中に溶出し、負極の亜鉛粒子上に金属コバルトとなって析出する。負極へ析出した金属コバルトの水素発生過電圧は小さく、水素発生の触媒的機能を有するため、電池内で過剰の水素が発生する。このようなメカニズムにより、比較電池C、Dでは電池保存後のガス発生量が多くなったと推察される。
これに対して、本発明の電池A、Bでは正極中のコバルト酸化物の酸化価数が非常に高いため、上記のようなコバルトの還元溶解も十分に抑制される。従って、先述のような高温保存時の正極劣化に起因する電池内でのガス発生(および、これが引き金となって起こる漏液現象)を抑制することができる。
上記の実施例1で、価数が3を大きく超えるコバルト酸化物で被覆したオキシ水酸化ニッケルを正極に用いると諸特性に優れる電池が得られる点が明らかとなったため、次に正極合剤中の添加物の効果を明らかにする目的の電池試作・評価を行った。まず実施例1と同様、コバルト酸化物被覆オキシ水酸化ニッケルa、二酸化マンガン、および黒鉛を重量比50:50:5の割合で配合し、さらにこの配合物に、正極材aと二酸化マンガンの総量の5重量%に相当する量の酸化亜鉛を添加した。そして、活物質(正極材aと二酸化マンガン)100重量部に対して、電解液1重量部を混合した後、ミキサ−で均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒した。得られた粒状物の所定量を中空円筒型に加圧成型して正極合剤とし、電解液には、40重量%の水酸化カリウム水溶液を用いて図1に示す単3サイズのアルカリ電池Aを作製した。
次に、酸化亜鉛の代わりに水酸化亜鉛を用いること以外はすべて上記と同じとしてアルカリ電池Fを作製した。また、酸化亜鉛の代わりに酸化カルシウム、水酸化亜鉛の代わりに水酸化カルシウムを用い、それ以外はすべて同じとしてアルカリ電池G、Hを、酸化亜鉛の代わりに酸化イットリウム、水酸化亜鉛の代わりに水酸化イットリウムを用い、それ以外はすべて同じとしてアルカリ電池I、Jを、酸化亜鉛の代わりに二酸化チタンを用いること以外はすべて同じとしてアルカリ電池Kを作製した。また、比較用に、正極合剤内の活物質量(オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの合計重量)が上記の電池と同じで、酸化亜鉛等の添加物を含まない正極合剤を用いてアルカリ電池Lを作製した。
そして、これらA及びF〜Lの電池を実施例1と同様、それぞれ20℃雰囲気下で1Wの定電力で連続放電させ、電圧が終止電圧0.9Vに至るまでの放電容量を測定した。また上記で放電が終了した電池を60℃で7日間保存した後、電池内部でのガス発生量を測定した。結果を表4にまとめる。
Figure 2005056733
この結果から、酸化亜鉛の代わりに水酸化亜鉛、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化イットリウム、水酸化イットリウム、二酸化チタンを用いても、ほぼ同じ特性のアルカリ電池が得られる点がわかる。これに対して、これらの正極添加物を含まないアルカリ電池Lは、球状オキシ水酸化ニッケルに対するコバルト酸化物の被覆で高い放電容量を与えることはできているが、酸化亜鉛等の添加物による効果(オキシ水酸化ニッケルやコバ
ルト酸化物上での酸素発生過電圧を高めて、これら正極材の自己分解反応を抑制する効果)が得られないため、高温雰囲気での保存において正極中のコバルト酸化物の還元溶解が進行し、負極へ析出した金属コバルトが水素ガスの発生を促進してガス発生量が多くなったと推察される。
コバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルの出発源である水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルの検討として、実施例1における水酸化コバルト被覆工程(球状水酸化ニッケルを分散させた反応槽に、硫酸コバルトのアンモニウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを定量供給する工程)の反応pHを変化させ、α型の水酸化コバルトで粒子を被覆した球状水酸化ニッケルを作製した。α型水酸化コバルトの被覆量については、球状水酸化ニッケルの重量に対して5重量%となるように調整した。
得られたα−水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルの粒子円形度は0.93、タップ密度(900回)は1.95g/cm3、レーザー回折式粒度分布計による体積基準の平均粒子径は9.6μm、BET比表面積は7.5m2/gであった。ここで特筆すべき点は、α型水酸化コバルトで被覆した球状水酸化ニッケルのタップ密度が、前述のβ型水酸化コバルト被覆の場合に比べて、大幅に低下した点であった。
次に、前記のα−水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルに対する実施例1と同様の改質処理を行った。すなわち、α−水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルに45重量%の水酸化ナトリウム水溶液を含浸させ、これをマイクロ波加熱の機能を備えた乾燥装置内で加熱撹拌し、酸素を送りながら粒子を完全乾燥まで導き被覆層の水酸化コバルトを酸化した。次にこれを1.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に投入し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を十分量加えて撹拌して内層の水酸化ニッケルをオキシ水酸化ニッケルに変換した。得られた粒子は十分に水洗と乾燥を行い、コバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルmとした。また、第1のコバルト酸化工程を行わずに、α−水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルを1.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に投入し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の過剰量を加えて撹拌し、粒子表面の水酸化コバルトと内部水酸化ニッケルの両方を酸化剤で酸化したコバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルnも作製した。ここで、これらm、nは大元原料のα−水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルのタップ密度が低かったことから、酸化処理後粒子においてもタップ密度や、所定圧力を加えてペレット作製した際の到達密度(いずれも電池内への充填性指標)が低下していると考えられる。そこで、実施例1で作成したβ−水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケル由来の正極材a〜dと比較する形で、粒子のタップ密度とペレット作製時の到達密度を測定した。結果を表5にまとめる。
Figure 2005056733
これより、α−水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルを大元の出発源とした正極材m、nは、β−水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケル由来の正極材a〜dよりも電池内へ
の充填性に劣っていることがわかる。
続いて、実施例1と同様、コバルト酸化物被覆オキシ水酸化ニッケルa、二酸化マンガン、および黒鉛を重量比50:50:5の割合で配合し、さらにこの配合物に、正極材aと二酸化マンガンの総量の5重量%に相当する量の酸化亜鉛を添加した。そして、活物質(正極材aと二酸化マンガン)100重量部に対して、電解液1重量部を混合した後、ミキサ−で均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒した。得られた粒状物の所定量を中空円筒型に加圧成型して正極合剤とし、電解液には、40重量%の水酸化カリウム水溶液を用いて図1に示す単3サイズのアルカリ電池Aを作製した。また、コバルト酸化物被覆オキシ水酸化ニッケルaの代わりにm、nの正極材を用い、正極合剤内の活物質量(オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの合計重量)がすべて同じとなるように調整しながら、上記と同様の手順で単3サイズのアルカリ電池M、Nをそれぞれ作製した。これらA、M、Nの電池をそれぞれ20℃雰囲気下で1Wの定電力で連続放電させ、電圧が終止電圧0.9Vに至るまでの放電容量を測定した。また上記で放電が終了した電池を60℃で7日間保存した後、電池内部でのガス発生量を測定した。結果を表6にまとめる。
Figure 2005056733
これより、α−水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルを出発源とした電池M、Nでは、ある程度の電池高容量化と保存ガスの抑制は確認できるものの、その効果は、本発明で用いたβ−水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルを大元の原料とした電池Aよりも少ないことがわかる。この理由について詳細は判明できていないが、正極材aと正極材m、nとでは、オキシ水酸化ニッケルの表面を被覆しているコバルト酸化物はほぼ同様のγ−オキシ水酸化コバルトの類と考えられ、おそらく、被覆層を形成するコバルト酸化物と球状オキシ水酸化ニッケル粒子との界面接合度合いの差等が、電池特性の差として反映されているものと考えられる。
このような電池特性結果に、前述の表5で示した電池内への充填性に関する内容も加味すると、本発明で用いたβ−水酸化コバルト被覆球状水酸化ニッケルを大元の原料とする正極活物質a、bの方が、比較の正極活物質m、nよりも電池の高容量化・保存特性の改善という点において非常に有利であることが理解できる。
なお実施例では、正極にコバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの混合物を用いた、いわゆるニッケルマンガン乾電池としたが、コバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケルだけを正極活物質としたニッケル乾電池(ニッケル−亜鉛乾電池)としてもよい。コバルト酸化物被覆球状オキシ水酸化ニッケル(β型)を用いたが、球状オキシ水酸化ニッケルがコバルト及び/または亜鉛を結晶内に固溶した球状オキシ水酸化ニッケル固溶体であれば、より強負荷放電特性に優れた電池にすることができる。酸化亜鉛等の必須添加物量をコバルト酸化物で被覆した球状オキシ水酸化ニッケルの5重量%としたが、0.1〜10重量%の範囲であれば、同様のアルカリ電池を作製することができる。コバルト酸化物の被覆量を球状オキシ水酸化ニッケルの5重量%としたが、0.5
〜15重量%の範囲であれば、同様に優れた特性を有するアルカリ電池を作製することができる。
本発明は、アルカリ電池、特に放電スタート型のアルカリ電池やアルカリ一次電池に利用され、端子を兼ねる正極ケースの中に配置される円筒状の正極合剤ペレットに含有されるオキシ水酸化ニッケルの特性を改良することで、容量で強負荷放電特性に優れ、且つ放電末期の電池を高温下で保存した場合の電池内ガス発生量の少ないアルカリ電池に利用できる。
本発明の一実施例に係るアルカリ電池の一部を断面にした正面図
符号の説明
1 正極ケース
2 黒鉛塗装膜
3 正極合剤ペレット
4 セパレータ
5 絶縁キャップ
6 ゲル状負極
7 樹脂製封口板
8 底板
9 絶縁ワッシャ
10 負極集電体
11 外装ラベル

Claims (24)

  1. 正極活物質に平均価数が3.0よりも大のコバルト酸化物で被覆を施した球状オキシ水酸化ニッケルを用い、且つ亜鉛酸化物・カルシウム酸化物・イットリウム酸化物・二酸化チタンから選択される少なくとも1種を正極合剤中の必須添加物として含有したことを特徴とするアルカリ電池。
  2. 正極合剤における必須添加物の含有量が、コバルト酸化物で被覆を施した球状オキシ水酸化ニッケルの0.1〜10重量%である請求項1記載のアルカリ電池。
  3. 球状オキシ水酸化ニッケルがβ型の結晶構造を主体とし、コバルト及び/または亜鉛を結晶内に固溶した球状オキシ水酸化ニッケル固溶体である請求項1記載のアルカリ電池。
  4. 球状オキシ水酸化ニッケル固溶体の総重量に対し、コバルトの固溶量が金属換算で0.1〜5重量%、及び/または亜鉛の固溶量が金属換算で0.1〜5重量%である請求項3記載のアルカリ電池。
  5. コバルト酸化物によって被覆を施した球状オキシ水酸化ニッケルは、投影法で測定した粒子円形度が0.90〜1、タップ密度(900回)が2.15〜2.45g/cm3、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定した体積基準の平均粒子径が5〜20μmである請求項1記載のアルカリ電池。
  6. コバルト酸化物の被覆量が、球状オキシ水酸化ニッケルの重量に対して0.5〜15重量%である請求項1記載のアルカリ電池。
  7. コバルト酸化物が結晶内にNa+及び/またはK+を含有する請求項1記載のアルカリ電池。
  8. コバルト酸化物が層状構造を有し、その(003)面の面間隔が5.0〜7.0Åである請求項7記載のアルカリ電池。
  9. 正極活物質に平均価数が3.0よりも大のコバルト酸化物で被覆を施した球状オキシ水酸化ニッケル、及び二酸化マンガンを用いてなり、且つ亜鉛酸化物・カルシウム酸化物・イットリウム酸化物・二酸化チタンから選択される少なくとも1種を正極合剤中の必須添加物として含有したことを特徴とするアルカリ電池。
  10. 二酸化マンガンの含有比率が、コバルト酸化物によって被覆を施した球状オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの総量に対して20〜90重量%である請求項9記載のアルカリ電池。
  11. 必須添加物の正極合剤中の含有量が、コバルト酸化物によって被覆を施した球状オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの総量の0.1〜10重量%である請求項9記載のアルカリ電池。
  12. 球状オキシ水酸化ニッケルがβ型の結晶構造を主体とし、コバルト及び/または亜鉛を結晶内に固溶した球状オキシ水酸化ニッケル固溶体である請求項9記載のアルカリ電池。
  13. 球状オキシ水酸化ニッケル固溶体の総重量に対し、コバルトの固溶量が金属換算で0.1〜5重量%、及び/または亜鉛の固溶量が金属換算で0.1〜5重量%である請求項12記載のアルカリ電池。
  14. コバルト酸化物によって被覆を施した球状オキシ水酸化ニッケルは、投影法で測定した粒子円形度が0.90〜1、タップ密度(900回)が2.15〜2.45g/cm3、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定した体積基準の平均粒子径が5〜20μmである請求項9記載のアルカリ電池。
  15. コバルト酸化物の被覆量が、球状オキシ水酸化ニッケルの重量に対して0.5〜15重量%である請求項9記載のアルカリ電池。
  16. コバルト酸化物が結晶内にNa+及び/またはK+を含有する請求項9記載のアルカリ電池。
  17. コバルト酸化物が層状構造を有し、その(003)面の面間隔が5.0〜7.0Åである請求項16記載のアルカリ電池。
  18. 水酸化コバルトで被覆を施した球状水酸化ニッケルに、水酸化ナトリウム及び/または水酸化カリウムの高濃度水溶液を含浸し、加熱撹拌しながら空気を送り込んで乾燥させる第1の工程(コバルト酸化工程)、および第1の工程で得られた粉末を水またはアルカリ水溶液中に分散させ、酸化剤を添加して撹拌する第2の工程(ニッケル酸化工程)、を有することを特徴とするアルカリ電池用正極活物質の製造方法。
  19. 水酸化コバルトで被覆を施した球状水酸化ニッケルは被覆層を形成する水酸化コバルトがβ型の結晶構造であり、且つ、投影法で測定した粒子円形度が0.90〜1、タップ密度(900回)が2.10〜2.30g/cm3、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定した体積基準の平均粒子径が5〜20μm、BET比表面積が5〜12m2/gである請求項18記載のアルカリ電池用正極活物質の製造方法。
  20. 第1の工程(コバルト酸化工程)における加熱撹拌時の温度は90〜130℃、アルカリ水溶液はNaOHあるいはKOHの水溶液でその濃度は40重量%より大、アルカリ水溶液の含浸量は、水酸化コバルトで被覆を施した球状水酸化ニッケルの乾燥重量に対するアルカリ溶質の重量比率が4〜6%となる範囲である請求項18記載のアルカリ電池用正極活物質の製造方法。
  21. 水酸化コバルトの被覆量が、球状水酸化ニッケルの重量に対して0.5〜15重量%である請求項18記載のアルカリ電池用正極活物質の製造方法。
  22. 球状水酸化ニッケルがβ型の結晶構造を主体とし、コバルト及び/または亜鉛を結晶内に固溶した球状水酸化ニッケル固溶体である請求項18記載のアルカリ電池用正極活物質の製造方法。
  23. 球状水酸化ニッケル固溶体の総重量に対し、コバルトの固溶量が金属換算で0.1〜5重量%、及び/または亜鉛の固溶量が金属換算で0.1〜5重量%であることを特徴とする請求項22記載のアルカリ電池用正極活物質の製造方法。
  24. 第2の工程(ニッケル酸化工程)で用いる酸化剤が次亜塩素酸塩である請求項18記載のアルカリ電池用正極活物質の製造方法。
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