JP2005056706A - 照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 調光ミラー材料を用いた照明装置を提供する。
【解決手段】 電球11を囲む照明カバー20の内側に設けられた内側透明カバー21と、内側透明カバー21に積層され、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換するマグネシウム・ニッケル系合金薄膜などの希土類金属の水素化物を含む調光ミラー層30とを備えている。従って、調光ミラー層30が透明状態の場合には、常態における照射状態が確保され、調光ミラー層30が鏡面状態の場合には、調光ミラー層30の鏡面反射により照射範囲が制御され、常態とは異なる照射状態が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】 電球11を囲む照明カバー20の内側に設けられた内側透明カバー21と、内側透明カバー21に積層され、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換するマグネシウム・ニッケル系合金薄膜などの希土類金属の水素化物を含む調光ミラー層30とを備えている。従って、調光ミラー層30が透明状態の場合には、常態における照射状態が確保され、調光ミラー層30が鏡面状態の場合には、調光ミラー層30の鏡面反射により照射範囲が制御され、常態とは異なる照射状態が得られる。
【選択図】 図1
Description
本発明は照明装置に関し、特に、マグネシウム・ニッケル系合金薄膜などの希土類金属の水素化物を含む調光ミラー材料を適用した照明装置に関する。
1996年に希土類金属の水素化物からなる薄膜が、鏡の状態から光を透過させる透明な状態に物性変換する性質を有することが知られるようになり、その後、マグネシウム・ニッケル系合金薄膜が金属鏡面膜と透明膜とに変換することが、2001年5月14日米国発行の APPLIED PHYSICS LETTERS VOLUME78 NUMBER20にて明らかにされ、さらに、米国特許出願公開US2002/0044717A1号として公開されている。また、マグネシウム・ニッケル系合金薄膜の構造を調整することにより、電解質を用いて鏡面状態と透明状態とに電気的に制御できることも知られている(非特許文献2参照)。
米国特許出願公開US2002/0044717A1号明細書
APPLIED PHYSICS LETTERS VOLUME78 NUMBER20、2001年5月14日
「光学特性に優れた調光ミラー薄膜材料を開発」、独立行政法人産業技術総合研究所、2002年12月17日発表、インターネット(URL:http://www.aist.go.jp /aist_j/press_release/pr2002/pr20021217/pr20021217.html)
しかしながら、上記した調光ミラー材料は、現在のところ、実現性ある用途としては、建物の窓ガラスあるいは自動車の窓ガラスとしての用途が検討されているのみである。すなわち、鏡面状態とすることによって外部からの太陽光を遮断する機能をもたせることで、省エネルギー効果を企画したものであるが、窓ガラス以外で実用性のある用途は未だ提案されていない。
そこで、本発明では、調光ミラー材料の上記した性質に鑑み、該調光ミラー材料を照明装置に設けることにより、調光ミラー材料の照明装置における新たな用途を提供することを課題とする。
上記した課題を解決するため、請求項1記載の本発明では、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換する希土類金属の水素化物を含む調光ミラー層を備えてなり、該調光ミラー層を介しての光の照射状態を調整可能であることを特徴とする照明装置を提供する。
請求項2記載の本発明では、光源を囲む照明カバーの内側の少なくとも一部に設けられた透明体と、
該透明体に積層され、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換する希土類金属の水素化物を含む調光ミラー層と
を備えてなり、
前記調光ミラー層が透明状態の場合には、常態における照射状態が確保され、前記調光ミラー層が鏡面状態の場合には、調光ミラー層の鏡面反射により照射範囲又は照射方向が制御され、常態とは異なる照射状態が得られることを特徴とする請求項1記載の照明装置を提供する。
請求項3記載の本発明では、光源を囲む光透過型のカバー体と、
該カバー体の少なくとも一部に積層され、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換する希土類金属の水素化物を含む複数の調光ミラー層と
を備えてなり、
前記調光ミラー層が透明状態の場合には、常態における照射状態が確保され、前記調光ミラー層が鏡面状態の場合には、調光ミラー層の鏡面反射により前記光透過型のカバー体を介しての光の透過を制限し、照射範囲又は照射方向を調整可能としたことを特徴とする請求項1記載の照明装置を提供する。
請求項4記載の本発明では、前記調光ミラー層は、操作部の操作又は環境の状態を検出するセンサからの信号により印加電圧が制御され、鏡面状態から透明状態に又は透明状態から鏡面状態に物性変換するように設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の照明装置を提供する。
請求項5記載の本発明では、車両のランプを囲むハウジングの少なくとも一部に設けられた透明体と、
該透明体に積層され、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換する希土類金属の水素化物を含む調光ミラー層と
を備えてなり、
前記調光ミラー層が透明状態の場合には、前記ハウジングの内側に設けられるリフレクタの鏡面反射により常態における照射状態が確保され、前記調光ミラー層が鏡面状態の場合には、調光ミラー層の鏡面反射により照射範囲又は照射方向が制御され、常態とは異なる照射状態が得られることを特徴とする請求項1記載の照明装置を提供する。
請求項6記載の本発明では、前記透明体が、車両のヘッドランプを囲むハウジングのリフレクタのうち、該ヘッドランプの左右に位置する部位に設けられ、左方の透明体に積層される調光ミラー層が鏡面状態になることにより、照射方向及び照射範囲が常態よりも右方中心となり、右方の透明体に積層される調光ミラー層が鏡面状態になることにより、照射方向及び照射範囲が常態よりも左方中心となることを特徴とする請求項5記載の照明装置を提供する。
請求項7記載の本発明では、ハンドルの操作方向又は方向指示器の操作方向を検出するセンサからの信号により、該操作方向に連動させてヘッドランプの左右に配置された前記調光ミラー層を制御することを特徴とする請求項6記載の照明装置を提供する。
請求項8記載の本発明では、前記透明体が、車両のヘッドランプを囲むハウジングのリフレクタに設けられ、該透明体に積層される調光ミラー層が透明状態になることにより、リフレクタに反射されて常態の照射状態が得られる一方、該調光ミラー層が鏡面状態になることにより、照射範囲が絞られ、照射距離が常態よりも延びるように制御されることを特徴とする請求項5記載の照明装置を提供する。
請求項9記載の本発明では、前記調光ミラー層が、車速検出センサからの信号により、所定の速度に至ると鏡面状態に変換されるように制御されることを特徴とする請求項8記載の照明装置を提供する。
請求項10記載の本発明では、前記調光ミラー層を、鏡面状態と透明状態の中途の状態で維持することにより、ハーフミラーとして使用可能であり、照射距離を調整可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1に記載の照明装置を提供する。
請求項2記載の本発明では、光源を囲む照明カバーの内側の少なくとも一部に設けられた透明体と、
該透明体に積層され、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換する希土類金属の水素化物を含む調光ミラー層と
を備えてなり、
前記調光ミラー層が透明状態の場合には、常態における照射状態が確保され、前記調光ミラー層が鏡面状態の場合には、調光ミラー層の鏡面反射により照射範囲又は照射方向が制御され、常態とは異なる照射状態が得られることを特徴とする請求項1記載の照明装置を提供する。
請求項3記載の本発明では、光源を囲む光透過型のカバー体と、
該カバー体の少なくとも一部に積層され、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換する希土類金属の水素化物を含む複数の調光ミラー層と
を備えてなり、
前記調光ミラー層が透明状態の場合には、常態における照射状態が確保され、前記調光ミラー層が鏡面状態の場合には、調光ミラー層の鏡面反射により前記光透過型のカバー体を介しての光の透過を制限し、照射範囲又は照射方向を調整可能としたことを特徴とする請求項1記載の照明装置を提供する。
請求項4記載の本発明では、前記調光ミラー層は、操作部の操作又は環境の状態を検出するセンサからの信号により印加電圧が制御され、鏡面状態から透明状態に又は透明状態から鏡面状態に物性変換するように設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の照明装置を提供する。
請求項5記載の本発明では、車両のランプを囲むハウジングの少なくとも一部に設けられた透明体と、
該透明体に積層され、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換する希土類金属の水素化物を含む調光ミラー層と
を備えてなり、
前記調光ミラー層が透明状態の場合には、前記ハウジングの内側に設けられるリフレクタの鏡面反射により常態における照射状態が確保され、前記調光ミラー層が鏡面状態の場合には、調光ミラー層の鏡面反射により照射範囲又は照射方向が制御され、常態とは異なる照射状態が得られることを特徴とする請求項1記載の照明装置を提供する。
請求項6記載の本発明では、前記透明体が、車両のヘッドランプを囲むハウジングのリフレクタのうち、該ヘッドランプの左右に位置する部位に設けられ、左方の透明体に積層される調光ミラー層が鏡面状態になることにより、照射方向及び照射範囲が常態よりも右方中心となり、右方の透明体に積層される調光ミラー層が鏡面状態になることにより、照射方向及び照射範囲が常態よりも左方中心となることを特徴とする請求項5記載の照明装置を提供する。
請求項7記載の本発明では、ハンドルの操作方向又は方向指示器の操作方向を検出するセンサからの信号により、該操作方向に連動させてヘッドランプの左右に配置された前記調光ミラー層を制御することを特徴とする請求項6記載の照明装置を提供する。
請求項8記載の本発明では、前記透明体が、車両のヘッドランプを囲むハウジングのリフレクタに設けられ、該透明体に積層される調光ミラー層が透明状態になることにより、リフレクタに反射されて常態の照射状態が得られる一方、該調光ミラー層が鏡面状態になることにより、照射範囲が絞られ、照射距離が常態よりも延びるように制御されることを特徴とする請求項5記載の照明装置を提供する。
請求項9記載の本発明では、前記調光ミラー層が、車速検出センサからの信号により、所定の速度に至ると鏡面状態に変換されるように制御されることを特徴とする請求項8記載の照明装置を提供する。
請求項10記載の本発明では、前記調光ミラー層を、鏡面状態と透明状態の中途の状態で維持することにより、ハーフミラーとして使用可能であり、照射距離を調整可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1に記載の照明装置を提供する。
本発明の照明装置によれば、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換するマグネシウム・ニッケル系合金薄膜などの希土類金属の水素化物を含む調光ミラー層を備えてなり、該調光ミラー層を介しての照射状態を調整可能である。従って、常態における照射状態を確保できる一方で、使用者の好みやどのような照射状態が得たいかにより照射状態を変更でき、実用性が高い。特に、車両のヘッドランプ等に適用すれば、車両の運転状態等に対応させて、照射範囲及び照射方向を変更でき、車両の運転に係る安全性を向上することができる。
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を更に詳しく説明する。
本発明の照明装置は、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換する希土類金属の水素化物を含む調光ミラー層を備えてなり、該調光ミラー層を介しての光の照射状態を調整可能である。
本発明の照明装置は、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換する希土類金属の水素化物を含む調光ミラー層を備えてなり、該調光ミラー層を介しての光の照射状態を調整可能である。
先ず、図1に基づき本発明の第1の実施形態に係る照明装置を説明する。この照明装置1は、光源としての電球11を囲む照明カバー20の内側の少なくとも一部に設けられた透明体としての内側透明カバー21と、この内側透明カバー21に積層され、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換する希土類金属の水素化物を含む調光ミラー層30とを備えている。
より詳細には、照明装置1は一般家庭等で天井から吊り下げられて使用されるもので、天井からの図示しない配線部にはソケットが接続され、該ソケットには電球11がねじ込まれている。ソケットを覆うブラケット2には、傘状の照明カバー20と傘状の内側透明カバー21それぞれの上端部が連結されている。この場合、照明カバー20よりも内側透明カバー21の方が小さく形成されており、照明カバー20の内側に内側透明カバー21が同芯状に配設されている。内側透明カバー21の周面には、調光ミラー層30が積層されている。調光ミラー層30としては、例えば、上記した非特許文献2に開示されたもの、すなわち、希土類金属の水素化物からなる薄膜であるマグネシウム・ニッケル系合金薄膜を用いることができる。
調光ミラー層30は、透明電極(図示せず)によりサンドイッチされて設けられており、この透明電極に配線が接続されて、印加電圧の制御により、鏡面膜となったり、透明膜となったりする。すなわち、調光ミラー層として、上記マグネシウム・ニッケル系合金薄膜を用いた場合には、電圧の印加方向を変えることによって、透明状態から鏡面状態となったり、又は、鏡面状態から透明状態となったりする。調光ミラー層30は、内側透明カバー21の周面に積層されているため、調光ミラー層30が透明状態の場合には、常態における照射状態が確保され、調光ミラー層30が鏡面状態の場合には、該調光ミラー層30の鏡面反射により照射範囲が制御され、常態とは異なる照射状態が得られる。すなわち、調光ミラー層30が透明状態の場合には、電球11からの光は内側透明カバー21を透過して照射カバー20に至って、その内周面で反射するため、光の照射範囲は照射カバー20によって決定され、図1のAの照射範囲となる。また、調光ミラー層30が鏡面状態の場合には、電球11からの光は内側透明カバー21の周面で反射するため、光の照射範囲は内側透明カバー21によって決定され、図1のAよりも狭いBの照射範囲となる。
次に、図2に基づき本発明の第2の実施形態に係る照明装置を説明する。この照明装置40は、光源としての3つの電球50〜52を囲む光透過型のカバー体60と、該カバー体60の少なくとも一部に積層され、先の実施形態と同様の複数の調光ミラー層70〜72とを備えている。
より詳細には、照明装置40は一般家庭等で壁面等に取り付けられて使用されるもので、縦長の方形板状のブラケット(後壁)41には、図示しない配線部に接続され、縦方向に並列された図示しない3つのソケットが設けられており、各ソケットにはそれぞれ電球50〜52がねじ込まれている。ブラケット41には、前端部が若干拡がった台形柱状の光透過型のカバー体60が連結されている。そして、カバー体60の前壁61と両側壁62,63には、それぞれ先の実施形態と同様な調光ミラー層70〜72が透明電極にサンドイッチされて積層されている。
調光ミラー層70〜72は、光透過型のカバー体60に積層されているため、調光ミラー層70〜72が透明状態の場合には、常態における照射状態が確保され、すなわち、調光ミラー層70〜72を備えていない場合と同様の照射状態が得られ、一方、調光ミラー層70〜72が鏡面状態の場合には、調光ミラー層の鏡面反射によりカバー体60を介して光の透過が制限され、照射方向が調整できる。例えば、カバー体60の前壁61と両側壁62,63の調光ミラー層70〜72を全てが透明状態の場合には、図2のAの照射方向(照射範囲)となり、常態における照射状態が確保される。また、カバー体60の一方の側壁62の調光ミラー層71が鏡面状態の場合には、同図のBの照射方向(照射範囲)となり、他方の側壁63の調光ミラー層72が鏡面状態の場合には、同図のCの照射方向(照射範囲)となり、カバー体60の両方の側壁62,63の調光ミラー層71,72が鏡面状態の場合には、同図のDの照射方向(照射範囲)となる。このようにして、調光ミラー層70〜72の鏡面反射によりカバー体60を介して光の透過が制限され、照射方向(照射範囲)が調整される。
ここで、上述したマグネシウム・ニッケル系合金薄膜は、透明状態と鏡面状態との中途の状態を、印加電圧の大きさに従って維持する性質をも有する。従って、例えば、調光ミラー層70を、鏡面状態と透明状態の中途の状態で維持することにより、ハーフミラーとして使用することができ、照射距離を同図のDのように長くしたり、同図のEのように短くする等、照射距離の調整を行うこともできる。
なお、上記2つの照明装置1,40において、操作部として、照明装置や室内の壁等に設けられた操作ボタンを操作することによって、調光ミラー層への印加電圧が制御されるように、すなわち、電圧の印加方向が変わったり、印加電圧の大きさが変わったりするように設けることが好ましい。また、周囲の光度を検出するセンサを設け、このセンサからの出力に基づいて、調光ミラー層への印加電圧を制御するようにしても良い。
かかる2つの照明装置1,40は、常態における照射状態が確保されると共に、使用者の好みやどのような照射状態が得たいかにより、照射状態を変更できるため、種々の照射状態が得られ、趣味性、嗜好性に優れている。
次に、図3に基づき本発明の第3の実施形態に係る照明装置を説明する。この照明装置80は、車両のランプ、例えば、自動車のヘッドランプ90を囲むハウジング91の少なくとも一部に設けられた透明体100と、透明体100に積層され、先の実施形態と同様の調光ミラー層111とを備えている。
より詳細には、照明装置80は、図示しない配線部に接続されたソケットにねじ込まれているヘッドランプ90と、ハウジング91の内側に設けられ、ヘッドランプ90を囲むリフレクタ120とからなる。ハウジング91の内側の片側端部には、略方形体のブロック状の透明体100が配設され、該透明体100のヘッドランプ90と対向する側面に調光ミラー層111が積層されている。調光ミラー層111は、透明体100に積層されているため、調光ミラー層111が透明状態の場合には、リフレクタ120の鏡面反射により常態における照射状態が確保され、調光ミラー層111が鏡面状態の場合には、調光ミラー層111の鏡面反射により照射方向が制御され、常態とは異なる照射状態が得られる。すなわち、調光ミラー層111が透明状態の場合には、図3のAの照射方向(照射範囲)となり、常態における照射状態が確保される。また、調光ミラー層111が鏡面状態の場合には、照射範囲が制御されるため、常態とは異なる同図のBの照射方向(照射範囲)となる。
次に、図4に基づき本発明の第4の実施形態に係る照明装置を説明する。この照明装置130は、略方形体のブロック状の透明体140,141を、ハウジング150のリフレクタ160のうち、自動車のヘッドランプ170の左右に位置する部位に設け、透明体140,141のヘッドランプ170と対向する側面に調光ミラー層180,181を積層したものである。そして、図において向かって左方(運転者側から見た場合には右方)の透明体140に積層された調光ミラー層180が鏡面状態になることにより、照射方向及び照射範囲が図4のAで示す常態の場合よりも同図のBで示すように右方中心となり、図において向かって右方(運転者側から見た場合には左方)の透明体141に積層された調光ミラー層181が鏡面状態になることにより、照射方向及び照射範囲が常態よりも図4のAで示す常態の場合よりも同図のCで示すように左方中心となるようにしている。この場合、自動車のハンドルの操作方向又は方向指示器の操作方向を検出するセンサを設け、このセンサからの信号により、該操作方向に連動させてヘッドランプ170の左右に配置された調光ミラー層180,181を制御するのが好ましい。
次に、図5に基づき本発明の第5の実施形態に係る照明装置を説明する。この照明装置190においては、透明体200を、自動車のヘッドランプ211を囲むハウジング220のリフレクタ230に設け、該透明体200の内周面に調光ミラー層240を積層したものである。この実施形態においては、調光ミラー層240が透明状態になることにより、リフレクタ230に反射されて、図5のAで示すような常態の照射状態が得られる一方、調光ミラー層240が鏡面状態になることにより、同図のBで示すような絞られた照射範囲となり、照射距離が常態よりも延びるように制御される。この場合、調光ミラー層240が、自動車に設けられた車速検出センサからの信号に基づいて自動車が所定の速度に至ると鏡面状態に変換されるように制御するのが好ましい。
上記したヘッドランプは、通常の使用においては常態における照射状態が確保される一方、運転者が操作スイッチを操作することにより、或いは、自動車のハンドルの操作方向、方向指示器の操作方向、自動車の車速等の自動車の運転状態を検知することにより、照射範囲及び照射方向、照射距離を変更でき、使用性が高く、自動車の安全運転に寄与する。特に、近年の自動車用ランプの可動技術のように、ランプやリフレクタ等を動かすモータ等の可動手段が不要であり、機械的にランプやリフレクタ等を動かす必要がないため、応答性に優れ、構造が簡単であると共に、重量も嵩まず、故障も少ないという利点がある。
本発明に適用した希土類金属の水素化物からなる薄膜は、照明装置の構造を、従来用いられているものをあまり変更することなく、透明体を設けたり、調光ミラー層を積層したりするだけで良く、構造が簡易で、安価に製作可能である。特に、調光ミラー層を構成するマグネシウム・ニッケル系合金薄膜等は、きわめて薄いものであるため、全体の重さ、形状に悪影響を与えることもない。
なお、上記実施形態において、調光ミラー層を積層するための基体となる透明体は、調光ミラー層が透明状態となった際に、光源の光を透過でき、該透明体及び調光ミラー層が設けられていない状態とほぼ同様の照射状態を確保できるものであればよく、その透明度や着色の有無等は限定されるものではない。
1 照明装置
11 電球
20 照明カバー
21 内側透明カバー
30 調光ミラー層
40 照明装置
50〜52電球
60 光透過型のカバー体
70〜72 調光ミラー層
80 照明装置
90 ヘッドランプ
91 ハウジング
100 透明体
111 調光ミラー層
120 リフレクタ
130 照明装置
140,141 透明体
150 ハウジング
160 リフレクタ
170 ヘッドランプ
180,181 調光ミラー層
190 照明装置
200 透明体
211 ヘッドランプ
220 ハウジング
230 リフレクタ
240 調光ミラー層
11 電球
20 照明カバー
21 内側透明カバー
30 調光ミラー層
40 照明装置
50〜52電球
60 光透過型のカバー体
70〜72 調光ミラー層
80 照明装置
90 ヘッドランプ
91 ハウジング
100 透明体
111 調光ミラー層
120 リフレクタ
130 照明装置
140,141 透明体
150 ハウジング
160 リフレクタ
170 ヘッドランプ
180,181 調光ミラー層
190 照明装置
200 透明体
211 ヘッドランプ
220 ハウジング
230 リフレクタ
240 調光ミラー層
Claims (10)
- 印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換する希土類金属の水素化物を含む調光ミラー層を備えてなり、該調光ミラー層を介しての光の照射状態を調整可能であることを特徴とする照明装置。
- 光源を囲む照明カバーの内側の少なくとも一部に設けられた透明体と、
該透明体に積層され、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換する希土類金属の水素化物を含む調光ミラー層と
を備えてなり、
前記調光ミラー層が透明状態の場合には、常態における照射状態が確保され、前記調光ミラー層が鏡面状態の場合には、調光ミラー層の鏡面反射により照射範囲又は照射方向が制御され、常態とは異なる照射状態が得られることを特徴とする請求項1記載の照明装置。 - 光源を囲む光透過型のカバー体と、
該カバー体の少なくとも一部に積層され、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換する希土類金属の水素化物を含む複数の調光ミラー層と
を備えてなり、
前記調光ミラー層が透明状態の場合には、常態における照射状態が確保され、前記調光ミラー層が鏡面状態の場合には、調光ミラー層の鏡面反射により前記光透過型のカバー体を介しての光の透過を制限し、照射範囲又は照射方向を調整可能としたことを特徴とする請求項1記載の照明装置。 - 前記調光ミラー層は、操作部の操作又は環境の状態を検出するセンサからの信号により印加電圧が制御され、鏡面状態から透明状態に又は透明状態から鏡面状態に物性変換するように設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の照明装置。
- 車両のランプを囲むハウジングの少なくとも一部に設けられた透明体と、
該透明体に積層され、印加電圧を制御することにより鏡面状態と透明状態とに物性変換する希土類金属の水素化物を含む調光ミラー層と
を備えてなり、
前記調光ミラー層が透明状態の場合には、前記ハウジングの内側に設けられるリフレクタの鏡面反射により常態における照射状態が確保され、前記調光ミラー層が鏡面状態の場合には、調光ミラー層の鏡面反射により照射範囲又は照射方向が制御され、常態とは異なる照射状態が得られることを特徴とする請求項1記載の照明装置。 - 前記透明体が、車両のヘッドランプを囲むハウジングのリフレクタのうち、該ヘッドランプの左右に位置する部位に設けられ、左方の透明体に積層される調光ミラー層が鏡面状態になることにより、照射方向及び照射範囲が常態よりも右方中心となり、右方の透明体に積層される調光ミラー層が鏡面状態になることにより、照射方向及び照射範囲が常態よりも左方中心となることを特徴とする請求項5記載の照明装置。
- ハンドルの操作方向又は方向指示器の操作方向を検出するセンサからの信号により、該操作方向に連動させてヘッドランプの左右に配置された前記調光ミラー層を制御することを特徴とする請求項6記載の照明装置。
- 前記透明体が、車両のヘッドランプを囲むハウジングのリフレクタに設けられ、該透明体に積層される調光ミラー層が透明状態になることにより、リフレクタに反射されて常態の照射状態が得られる一方、該調光ミラー層が鏡面状態になることにより、照射範囲が絞られ、照射距離が常態よりも延びるように制御されることを特徴とする請求項5記載の照明装置。
- 前記調光ミラー層が、車速検出センサからの信号により、所定の速度に至ると鏡面状態に変換されるように制御されることを特徴とする請求項8記載の照明装置。
- 前記調光ミラー層を、鏡面状態と透明状態の中途の状態で維持することにより、ハーフミラーとして使用可能であり、照射距離を調整可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1に記載の照明装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003286895A JP2005056706A (ja) | 2003-08-05 | 2003-08-05 | 照明装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003286895A JP2005056706A (ja) | 2003-08-05 | 2003-08-05 | 照明装置 |
Publications (1)
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JP2005056706A true JP2005056706A (ja) | 2005-03-03 |
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ID=34366058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003286895A Pending JP2005056706A (ja) | 2003-08-05 | 2003-08-05 | 照明装置 |
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JP (1) | JP2005056706A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7414772B2 (en) | 2006-07-12 | 2008-08-19 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Color-neutral reflective control switchable thin film material |
KR100963582B1 (ko) | 2008-07-21 | 2010-06-15 | 동도조명(주) | 차등의 밝기에 의한 장식 조명부를 갖는 천정 매립등 |
JP2015082082A (ja) * | 2013-10-24 | 2015-04-27 | スタンレー電気株式会社 | 光学装置、車両用灯具、光学素子の駆動方法 |
-
2003
- 2003-08-05 JP JP2003286895A patent/JP2005056706A/ja active Pending
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KR100963582B1 (ko) | 2008-07-21 | 2010-06-15 | 동도조명(주) | 차등의 밝기에 의한 장식 조명부를 갖는 천정 매립등 |
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