JP2005056066A - 物品管理システム、物品管理サーバ、物品管理方法 - Google Patents

物品管理システム、物品管理サーバ、物品管理方法 Download PDF

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修作 岡本
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Abstract

【課題】 所定の空間における物品の管理を行う物品管理システムにおいて、組み合わせて取り扱われる複数の物品の組合せを管理するという新たな観点の物品管理を実現することで、利便性の向上を図る。
【解決手段】 センシング手段120 が、物品取扱主体による取扱い物品の取扱いを検出したことを受けて、複数の物品の組合せを登録する組合せ管理データベース106 を参照することによって、取扱い物品が含まれる組合せを抽出すると共に、物品データベース160 を参照することによって、抽出した組合せに含まれる組合せ物品の情報を取得しかつ、その組合せ物品の情報を出力する組合せ管理手段104 を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、所定の空間において物品の管理を行う物品管理システム、物品管理サーバ、物品管理方法に関する。
従来より、所定の空間において物品を管理するシステムとして、例えば特許文献1に開示されている物品収容庫が知られている。このものでは、電子タグを利用して、収容庫内に収容されている物品と、その物品を収容庫から取り出したり、収容庫に収容したりする人とを検出することによって、人による物品の取扱いを管理している。
特開平9−278130号公報
ところで、人の活動においては、一つの物品を取り扱う(利用する)場合もあれば、複数の物品を組み合わせて取り扱う場合もある。例えば、家計簿をつけるという活動においては、家計簿と電卓とを組み合わせて取り扱う。また、書類に捺印するという活動においては、印鑑と朱肉とを組み合わせて取り扱う。そこで、空間における物品の管理として、複数の物品の組合せを管理すれば利便性が大幅に向上すると考えられる。
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムでは、物品とその物品を取り扱う人とを管理するだけである。このため、特許文献1に開示されたシステムでは物品の組合せの管理は実現不可能であり、更なる工夫が必要である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所定の空間における物品の管理を行う物品管理システムにおいて、組み合わせて取り扱われる複数の物品の組合せを管理するという新たな観点の物品管理を実現することで、利便性の向上を図ることにある。
本発明の物品管理システムは、所定の空間内に存在する物品の管理を行う物品管理システムである。
この物品管理システムは、上記空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースと、人の活動上、組み合わせて取り扱われる複数の物品の組合せを登録する組合せ管理データベースと、物品が物品取扱主体によって取り扱われていることを検出するセンシング手段と、上記センシング手段の検出結果を受けて、上記組合せ管理データベースを参照することによって、上記物品取扱主体に取り扱われている取扱い物品が含まれる組合せを抽出すると共に、上記物品データベースを参照することによって、上記抽出した組合せに含まれる上記取扱い物品以外の組合せ物品の情報を取得して、その組合せ物品の情報を出力する組合せ管理手段と、を備える。
ここで、「人の活動」とは、物品の取扱いを伴う、作業、仕事、行為(飲食等)及び行動を含む。
この構成によると、センシング手段が、物品が物品取扱主体によって取り扱われていることを検出したときには、組合せ管理手段は、その検出結果を受けて組合せ管理データベースを参照する。組合せ管理データベースには、人の活動上、組み合わせて取り扱われる複数の物品の組合せが登録されているため、上記組合せ管理手段は、上記物品取扱主体に取り扱われている取扱い物品が含まれる組合せを抽出する。
組合せ管理データベースから組合せを抽出すれば、上記組合せ管理手段は、物品データベースを参照する。物品データベースには所定の空間内に存在する物品の情報が蓄積されているため、上記組合せ管理手段は、抽出した組合せに含まれる上記取扱い物品以外の組合せ物品の情報を取得する。
こうして組合せ物品の情報を取得すれば、上記組合せ管理手段は、その組合せ物品の情報を出力する。
このように、組合せ管理データベースを備えることで、物品取扱主体によって物品が取り扱われているときに、その取扱い物品と組み合わせて取り扱われる組合せ物品の情報が得られる。
上記物品管理システムは、上記組合せ管理手段からの組合せ物品の情報を受けて、当該情報を物品取扱主体に提示する提示手段をさらに備えてもよい。
また、上記物品管理システムは、作業命令を受けて物品の移動作業を実行する作業ロボットと、上記組合せ管理手段からの組合せ物品の情報を受けて、その組合せ物品を取扱い物品の位置に移動させる作業命令を、上記作業ロボットに出力する制御手段と、をさらに備えてもよい。
上記物品データベースに蓄積されている物品の情報は、物品の現在位置の情報を含み、上記組合せ管理手段は、上記物品データベースと組合せ管理データベースとを参照することによって、組合せに含まれる複数の物品同士が互いに離れて置かれているときには、その複数の物品の情報を制御手段に出力し、上記制御手段は、組合せ管理手段からの複数の物品の情報を受けて、その複数の物品を、所定の位置に収集させる作業命令を、作業ロボットに出力してもよい。
上記組合せ管理データベースに登録されている組合せ情報は、組合せの優先ポイントの情報を含み、組合せ管理手段は、取扱い物品が含まれる組合せが複数存在するときには、その複数の組合せの内から上記優先ポイントに基づいて選択した組合せに含まれる組合せ物品の情報を出力してもよい。
上記物品データベースに蓄積された物品の情報は、物品の取扱い履歴を含み、上記組合せ管理手段は、物品の取扱い履歴を参照して、取り扱われた回数に応じて組合せの優先ポイントを更新してもよい。例えば、取り扱われた回数が多い組合せほどその優先ポイントが高くなるように、優先ポイントの更新を行ってもよい。
上記組合せ管理手段は、センシング手段が組合せ管理データベースに登録されている組合せとは異なる組合せで複数の物品が取り扱われたことを検出したときには、その新たな組合せを組合せ管理データベースに仮登録すると共に、仮登録した組合せの優先ポイントが所定値を超えたときに、その仮登録した組合せを組合せ管理データベースに登録してもよい。
上記組合せ管理手段は、組合せの優先ポイントを、取扱い物品の取扱い状況に応じて補正すると共に、その補正した優先ポイントに基づいて取扱い物品が含まれる組合せを抽出してもよい。
本発明の他の物品管理システムは、所定の空間内に存在する物品の管理を行うシステムである。
この物品管理システムは、上記空間内に存在する物品の現在位置の情報を蓄積する物品データベースと、人の活動上、組み合わせて取り扱われる複数の物品の組合せを登録する組合せ管理データベースと、作業命令を受けて物品の移動作業を実行する作業ロボットと、上記物品データベースと組合せ管理データベースとを参照することによって、組合せに含まれる複数の物品同士が互いに離れて置かれているときには、その複数の物品の情報を出力する組合せ管理手段と、上記組合せ管理手段からの複数の物品の情報を受けて、その複数の物品を、所定の位置に収集させる作業命令を、作業ロボットに出力する制御手段と、を備える。
本発明の物品管理サーバは、所定の空間内に存在する物品の管理を行うサーバである。
この物品管理サーバは、物品が物品取扱主体によって取り扱われていることの検出結果を受けて、人の活動上、組み合わせて取り扱われる複数の物品の組合せを登録する組合せ管理データベースを参照することによって、上記物品取扱主体に取り扱われている取扱い物品が含まれる組合せを抽出すると共に、上記空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースを参照することによって、上記抽出した組合せに含まれる上記取扱い物品以外の組合せ物品の情報を取得しかつ、その組合せ物品の情報を出力する組合せ管理手段を備える。
本発明の物品管理方法は、所定の空間内に存在する物品の管理を行う方法である。
この物品管理方法は、物品が物品取扱主体によって取り扱われていることを検出するステップと、人の活動上、組み合わせて取り扱われる複数の物品の組合せを登録する組合せ管理データベースを参照して、上記物品取扱主体に取り扱われている取扱い物品が含まれる組合せを抽出するステップと、上記空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースを参照することによって、上記抽出した組合せに含まれる上記取扱い物品以外の組合せ物品の情報を取得するステップと、取得した組合せ物品の情報を出力するステップと、を含む。
本発明の物品管理システム、物品管理サーバ、物品管理方法によれば、人の活動上、組み合わせて取り扱われる複数の物品の組合せを登録する組合せ管理データベースを備えることで、物品取扱主体によって物品が取り扱われているときには、その取り扱われている取扱い物品と組み合わせて取り扱われる組合せ物品の情報を得ることができ、その結果、人の活動上、利便性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明に係る物品管理システムは、所定の空間における物品の管理するシステムである。本実施形態では、所定の空間は、一般家庭、オフィス、ホテル、店舗及び病院等の、人が活動を行う空間(生活空間)とし、特に本実施形態では、一般家庭のある一つの部屋を、物品管理システムの対象空間(以下これを環境と呼ぶ)とする。
本システムは、図1に示すように、環境管理サーバ101 (以下、単にサーバと省略することもある)、作業ロボット102 (以下、単にロボットと省略することもある)、及び操作端末103 の大きく分けて3つのサブシステムから構成される。これら3つのサブシステム101 〜103 は、無線又は有線のネットワークを介して接続されていて、このネットワークを介して情報のやり取りを行うように構成されている。
3つのサブシステム101 〜103 はそれぞれ、制御手段110 ,115 ,119 と送受信手段109 とを備えている。各サブシステム101 〜103 の送受信手段109 は処理が同じであるため、同じ符号を付すことにする。
ここで、物品とは、人や作業ロボット102 によって取り扱われるものをいう。また、人及び作業ロボット102 は物品の取り扱いを行うものであり、以下、これら総称して移動体と呼ぶ。さらに、物品の取り扱いを行っている移動体を、物品取扱主体と呼ぶ。
−センシング手段の構成−
本システムは、環境内の状況を把握するセンシング手段120 を備え、このセンシング手段120 は、1番目のサブシステムである環境管理サーバ101 に接続されている。
上記センシング手段120 は、環境の出入口の状況を検出する出入口センシング手段121 と、環境内の状況を検出する環境内センシング手段122 とから構成されている。
(出入口センシング手段)
上記出入口センシング手段121 は、移動体が環境内に物品を持ち込んだこと、及び環境外へ物品を持ち出したことを検出するものである。つまり、出入口センシング手段121 は、物品が物品取扱主体によって出入口を通過されたことを検出する。
この出入口センシング手段121 としては、電子タグとリーダライタとからなるものを採用することができる。
電子タグとはデータを蓄えるICとデータを無線で送受信するアンテナとから構成されるデバイスであり、リーダライタとは電子タグに書き込まれた情報を読みとったり、電子タグに情報を書き込んだりすることのできる装置である。
この電子タグとリーダライタとからなる出入口センシング手段121 は、例えば図2に示すように、環境と外部との出入口である窓51及びドア52の開口部それぞれに、ゲート型のリーダライタ(RFアンテナ)41,42を配設して構成される。
また、この出入口を通過する全ての物品には、予め上記電子タグが付される。この電子タグには、その物品に関するデータ、例えば物品の種類、形状、重さ、その物品の画像、製造年月日等のデータを埋め込むのがよい。
さらに、この出入口を通過する移動体にも、予め電子タグが付される。人に付す電子タグは、その人が常時携帯するもの(例えば腕時計や指輪等)に埋め込んでもよい。移動体に付す電子タグには、その移動体に関するデータ、例えば人の名前や生年月日等の情報を書き込むのがよい。
出入口センシング手段121 をこのように構成することによって、物品及び移動体がこの窓51やドア52を通過するときには、その出入口に設置されたリーダライタ41,42が、物品及び移動体に取り付けられた電子タグからの情報を読み取ることになる。こうして、電子タグからの情報を読み取ることによって、出入口センシング手段121 は、物品及び移動体が出入口を通過したことを検出することができる。
また、上記リーダライタを出入口に対して二重に設置するように構成すれば、出入口センシング手段121 は、物品が出入口を通過したことだけではなく、物品が環境内に持ち込まれたのか、環境内から持ち出されたのかを区別して検出することができる。
つまり、図示は省略するが、第1のリーダライタを環境外である、窓51やドア52の開口部の外側に設置する一方で、第2リーダライタを環境内である、窓51やドア52の開口部の内側に設置するのである。この構成によって、環境の外側に設置された第1リーダライタが電子タグからの情報を検出した後に、内側に設置された第2リーダライタが電子タグからの情報を検出したときには、その電子タグが取り付けられた物品は、外部から環境内に持ち込まれた(又は移動体が外部から環境内に入った)と特定することができる。逆に、環境の内側に設置された第2リーダライタが電子タグからの情報を検出した後に、外側に設置された第1リーダライタが電子タグからの情報を検出したときには、その電子タグが取り付けられた物品は、環境内から外部に持ち出された(又は移動体が環境内から外部に出た)と特定することができる。
尚、図2では、窓51やドア52の開口部の上下左右を囲むようにリーダライタ41,42を設置しているが、これは電子タグの向きに依存せず高精度の検出を行なうためであり、リーダライタ41,42は、窓51やドア52の上下位置のみ、左右位置のみ、又はその中央位置に設置してもよい。
尚、出入口センシング手段121 は、電子タグとリーダライタとからなるものに限らず、その他の構成のものを採用してもよい。その場合も、物品の持ち出しと持ち込みとを区別して検出できることが好ましい。但し、後述する環境内センシング手段122 によって、環境内の存在する物品は検出可能であることから、出入口センシング手段121 が、物品の持ち出しと持ち込みとを区別して検出できなくても、この環境内センシング手段122 の検出結果と出入口センシング手段121 の検出結果とを組み合わせることによって、物品が環境外に持ち出されたか、環境内に持ち込まれたかを区別することは可能である。
また、開口部にリーダライタを設定することで、その開口部を通過する物品を検出する構成は、環境に限らず、例えば冷蔵庫や物品収容庫のように、物品を収容する設備に対して適用することが可能である。これにより、設備に収容される物品の管理を行うことが可能になる。
(環境内センシング手段)
上記環境内センシング手段122 は、環境内に存在する物品や設備(家具等を含む)、及び人やロボット102 の位置と状態とを常時検出するものである。
この環境内センシング手段122 としては、画像センサを用いるものを採用することができる。画像センサを用いる環境内センシング手段122 は、部屋の天井や壁等に固定したカメラを備え、そのカメラが撮像したカメラ画像によって、室内の物品等の検出を行うように構成される。
カメラ画像を用いて環境内の物品や移動体を検出する一般的な方法の一つに、背景差分法があり、環境内センシング手段122 としては、その背景差分法を利用することができる。この背景差分法とは、背景としてのモデル画像を予め用意しておき、現在のカメラ画像と上記モデル画像との差分を取ることによって、対象物を検出する方法である。
本システムにおける環境内センシング手段122 は、環境内の物品や移動体を検出・監視することが目的である。このため、モデル画像としては、環境の状況変動が少ない場合は、その環境内に物品・移動体が存在していないときに撮像した画像を用いればよい。尚、環境の状況変動が激しい場合は、所定の時間間隔を空けて撮影された複数の画像を平均して得られた画像を、モデル画像として用いればよい。
具体的に、背景差分法による物品の検出方法について、図3を参照しながら説明する。ここで、図3(a)はモデル画像の例を示す図であり、図3(b)はある時点でカメラが撮影した画像(入力画像)を示す図であり、図3(c)は、入力画像からモデル画像を差し引くことによって得られた背景差分画像の例を示す図である。図3(c)から分かるように、背景差分画像では、入力画像とモデル画像との差のある部分が浮き出てくる(同図の網掛け部分参照)。このため、その浮き出た部分のみをそれぞれ取り出すことで環境内に存在する物品を検出することができる。さらに、その画像を画像処理することによって、その物品が何であるかを特定する(この処理は、後述する物品特定手段32が行う)。このように、背景差分法を用いることによって、環境内の物品及び移動体の状況を検出することが可能になる。さらに、環境内に2つのカメラを設けるようにすれば、ステレオ視による三次元計測技術を用いて物品の形状及び姿勢の情報を取得することも可能になる。
また、環境内センシング手段122 としては、上記出入口センシング手段121 と同様に、電子タグ及びリーダライタを用いるものも採用することができる。
この電子タグとリーダライタとからなる環境内センシング手段122 は、図示は省略するが、環境内にリーダライタを多数設置することで構成される。また、環境内に存在する各物品及び各移動体には、上述したように、電子タグを付す。この構成により、環境内に設置されたリーダライタは、環境内に存在している各物品に付された電子タグからの情報を読み取ることになり、それによって、カメラがなくても、環境内に存在する物品や移動体を検出することが可能になる。
また、カメラを用いる構成の環境内センシング手段122 は、単に物品の存在を検出するだけであるが、電子タグとリーダライタを用いる構成の環境内センシング手段122 は、物品の存在を検出することに加えて、電子タグに埋め込まれている情報を利用することが可能である。それによって、その物品が何であるかを確実に特定することが可能になる、その物品の製造年月日データによる品質期限の管理が可能になる、物品の形状データにより後述するロボット102 の物品の把持作業が容易になる等、さらに利便性を高めることができる。
環境内センシング手段122 は、画像センサと電子タグとの双方を用いるものとすることも可能である。つまり、上述した背景差分法によって、環境内の物品の位置を特定し、さらに電子タグを使ってその物品を特定するというハイブリッド処理を行うのである。具体的な処理として、以下の2つの例を挙げることができる。
一つの例は、環境内の天井や壁等にカメラを設置し、作業ロボット102 にはリーダライタを取り付けて環境内センシング手段122 を構成する。また、各物品及び移動体には電子タグを取り付けておく。そして、上記カメラ画像を用いた背景差分法によって、環境内の物品の位置を特定する。次に、特定した物品の近傍に上記ロボット102 を移動させて、そのロボット102 に取り付けたリーダライタによって、その物品に取り付けられた電子タグから情報を読みとり、その物品を特定する。
もう一つの例は、環境内の天井や壁等にカメラを設置し、その環境内に複数個のリーダライタを略均等に設置して環境内センシング手段122 を構成する。このリーダライタは、電子タグのデータ読みとりに関して指向性を有しかつ、その読み取り方向が可変であるものとする。そして、上記カメラ画像を用いた背景差分法によって、環境内の物品の位置を特定する。次に、特定した物品に最も近い位置に設置されたリーダライタを選択すると共に、そのリーダライタの読みとり方向をその物品に向ける。こうして、その物品に取り付けられた電子タグから情報を読み取り、その物品を特定する。尚、この例では、リーダライタと電子タグとの間の距離が長くなる場合があるため、比較的強い無線電波を用いることになる。このため、環境内に人がいないことを、例えば背景差分法によって確認した上で、リーダライタが電子タグの情報を読み取ることが好ましい。
尚、環境内センシング手段122 はここで説明した以外の方法(例えば、光ビーコンを用いたセンシング手法)を採用してもよい。
上記センシング手段120 は、以上のようにして環境に対する物品の持ち込み・持ち出し、及び環境内における物品の移動(取扱い)を検出したときには、その検出結果を、サーバ101 の物品/移動体検索・管理手段105 に送信する。
−環境管理サーバの構成−
環境管理サーバ101 は、図1に示すように、上記センシング手段120 によって把握した状況のうち、環境内に存在する物品と移動体との状況を管理する物品/移動体検索・管理手段105 及びその物品及び移動体のデータを蓄積する物品/移動体データベース160 と、上記物品及び移動体以外の環境全体の状況を管理する環境マップ管理手段107 及びその環境全体のデータを蓄積する環境マップ108 と、物品の組合せを管理する組合せ管理手段104 及びそのためのデータを蓄積する組合せ管理データベース106 と、物品/移動体データベース160 のデータや環境マップ108 のデータの問い合わせ(信号)を外部から受信したり、その応答信号を外部に発信したり、また、ロボット102 に対する制御コマンドを送信したりする送受信手段109 と、これらの手段104 ,105 ,107 ,109 をコントロールする制御手段110 とからなる。
この環境管理サーバ101 としては汎用コンピュータを用いることが可能である。この場合は、後述する各処理を実行する制御プログラムをコンピュータが読み込むことによって、そのコンピュータを環境管理サーバ101 として用いることが可能になる。
(物品/移動体検索・管理手段)
物品/移動体検索・管理手段105 は、センシング手段120 によって検出された各物品及び移動体の情報を、物品/移動体データベース(DB)106 に蓄積するものである。
また、物品/移動体検索・管理手段105 は、センシング手段120 の検出結果に基づいて、物品の特定を行うと共に、その物品を取り扱っている移動体を特定し、それらの特定結果を上記物品/移動体DB160 に蓄積するように構成されている。
さらに、上記物品/移動体検索・管理手段105 は、制御手段110 から物品/移動体DB160 に問い合わせがあった場合に、その問い合わせの内容に応じて必要な情報を物品/移動体DB160 から取り出し、その情報を制御手段110 に送ることも行う。
上記物品/移動体検索・管理手段105 は、図4に示すように、センシング手段120 の検出結果を受けて物品が移動体によって取り扱われていること(物品取扱状態)を検出する物品取扱検出手段31と、上記物品取扱検出手段31の検出結果を受けて、移動体に取り扱われている物品を特定する物品特定手段32と、上記物品取扱検出手段31の検出結果を受けて、物品を取り扱っている移動体(物品取扱主体)を特定する物品取扱主体特定手段33と、を備えている。
上記物品取扱検出手段31は、出入口センシング手段121 の検出結果に基づいて、環境の出入口における物品取扱状態を検出する。具体的には、物品と移動体とが共に出入口を通過したことを出入口センシング手段121 が検出したときに、上記物品取扱手段31は、出入口において物品が取り扱われたと検出する。
また、物品取扱検出手段31は、環境内センシング手段122 の検出結果に基づいて、環境内における物品取扱状態を検出する。具体的には、環境内センシング手段122 が、上述した背景差分法を利用して環境内における物品の検出を行っているときには、入力画像(カメラ画像)とモデル画像とに差のある部分が生じたときに、上記物品取扱検出手段31は、その部分で物体が取り扱われていると検出する。
また、環境内センシング手段122 が、上述した電子タグとリーダライタとを利用して環境内における物品の検出を行っているときには、電子タグからの情報を読み取っていたリーダライタが、その電子タグからの情報が読み取れなくなったとき、逆に、電子タグからの情報を読み取っていなかったリーダライタが、電子タグからの情報を読み取ることができるようになったときに、上記物品取扱検出手段31は、その電子タグが付された物品が取り扱われていると検出する。
上記物品特定手段32は、上記物品取扱検出手段31が物品取扱状態を検出したときに、物品取扱主体に取り扱われている物品を特定し、その物品の情報を物品/移動体DB160 に蓄積するものである。
上記物品特定手段32は、上述したように、センシング手段120 が電子タグとリーダライタを用いたものであるときには、その電子タグからの情報に基づいて物品の特定をする。また、センシング手段120 がカメラ画像を用いたものであるときには、そのカメラ画像に基づいて物品の認識処理を行い、その物品の特定を行う。
上記物品取扱主体特定手段33は、上記物品取扱検出手段31が物品取扱状態を検出したときに、その物品を取り扱っている物品取扱主体を特定し、その物品取扱主体の情報を物品/移動体DB160 に蓄積するものである。
上記物品取扱主体特定手段33は、物品取扱検出手段31が出入口における物品の取り扱い(物品の移入又は移出)を検出したときには、その物品と同時に出入口を通過した移動体を物品取扱主体と特定する。この物品取扱主体は、移動体に付された電子タグからの情報に基づいて特定すればよい。
一方、上記物品取扱主体特定手段33は、物品取扱検出手段31が環境内における物品の取り扱いを検出したときには、次のようにして物品取扱主体を特定する。つまり、環境内センシング手段122 がカメラを用いて物品を検出しているときには、物品取扱主体特定手段33は、そのカメラに物品取扱状態が検出された領域を撮像させ、その撮像した画像に対して顔認証処理を行い、その認証処理によって移動体を特定する。こうして特定された移動体は、取扱いがされた物品の近傍にいたと考えられるので、その移動体を物品取扱主体と推定することができる。ここで、環境内センシング手段122 として用いるカメラは、背景差分法による物品検出に用いるため、通常、広域を撮影する広角カメラである。この広角カメラの撮像画像は解像度が比較的低く、顔認証処理を行なうには解像度が足りない場合がある。そこで、背景差分法に用いるカメラとは別に、顔認証処理用のカメラとして狭角の高分解能カメラを、環境内に設置又はロボット102 に設置してもよい。この場合、物品取扱主体特定手段33は、狭角カメラに、上記物品取扱検出手段31が物品取扱状態を検出した領域を撮像させ、その撮像した画像に対して顔認証処理を行う。こうすることにより、物品取扱主体特定手段33は物品取扱主体を精度よく特定することができる。
尚、物品取扱主体特定手段33における物品取扱主体の特定方法は、顔認証処理に限らず、例えば虹彩認証等のその他の認証処理によって行ってもよい。また、カメラ画像に対する認証処理を行わなくても、そのカメラ画像自体を物品/移動体DB160 に蓄積することによって、物品取扱主体の情報を保持してもよい。これは、認証処理によって移動体を特定することができなかったときに限って行ってもよい。
また、物品取扱主体の特定は、電子タグを利用して行ってもよいし、光ビーコンを利用して行ってもよい。
尚、上述した出入口における物品取扱主体の特定を、カメラ画像を用いた認証処理によって行ってもよい。
(物品/移動体データベース)
環境管理サーバ101 の物品/移動体DB160 は、物品及び移動体の情報を蓄積するDBであり、例えば図5,図6に示すように構成される。つまり、この物品/移動体DB160 は、物品を扱う物品データベース61(図5)と、移動体を扱う移動体データベース62(図6)とからなる。
物品DB61は、物品データ611 、物品履歴データ612 、物品属性データ613 の3種類のデータをそれぞれ蓄積するサブデータベースからなる。各サブデータベースに蓄積されるデータ内容は以下の通りである。
1)物品データ611 :個々の物品を区別するためのID、物品履歴データへのポインタ、物品の属性が記載された物品属性データへのポインタ、が蓄積される。ここで、複数の物品について、その種類が同じであっても物理的に別の存在であれば、それらはそれぞれ別の物品として扱うため異なるIDが割り当てられると共に、異なる物品固有属性データへのポインタを持つ。一方、種類が同じ物品は同じ物品属性を持つため、異なるIDが割り当てられていても、同じ物品属性データへのポインタを持つ。これにより、データベースの容量を節約する。
2)物品履歴データ612 :環境内において物品が取り扱われた履歴を格納するもので、取り扱われた時刻(取り扱い日時)、取扱内容(取り扱い態様)、物品取扱主体、取扱い後の位置、の4項目からなる。この内、取扱内容は、新規、移動等と表される。また、位置データの表し方としては種々の表現が考えられるが、ここでは、図5に示すように、6つのパラメータで位置を表現することとする。つまり、最初の3つのパラメータ(x1 ,y1 ,z1)は物品の位置(重心位置等を用いる)を表し、後の3つのパラメータ(α1 ,β1 ,γ1 )は、物品の向きを表す。物品の位置及び姿勢は、センシング手段120 又は作業ロボット102 のセンサ111 によって取得する。また、物品履歴データにおける物品取扱主体は、上記物品取扱主体特定手段33によって特定された移動体である。物品履歴データでは、「取扱後の位置」における最新のデータが、物品の現在位置の情報となる。
3)物品属性データ613 :物品が有する物理的な属性情報を格納するもので、属性情報の例としては、図5に示すように、物品の重さ、形状モデル・サイズが挙げられる。こうした属性情報は、物品に取り付けられた電子タグから取得してデータベースに格納してもよいし、ユーザが手動で入力した情報をデータベースに格納してもよい。ここで、図7を参照しながら、物品の形状データについて説明する。図7(a)は本来の物品(例えば飲み物の缶)の形状(円筒)を示している。このような物品に対し、ステレオ視による三次元計測技術等を用いることにより、図7(b)のように物品の表面を複数の面で近似したポリゴンデータを得ることができる。各面は適当に定めた物品座標(図中のX’、Y’、Z’)上での頂点の座標の集合として記述される。
次に、図7,8を参照しながら、物品の姿勢データについて説明する。図7(c)は、この物品が実世界に置かれている状況を示している。尚、座標X−Y−Zは実世界の座標を示し、座標X’−Y’−Z’は物品を基準とした座標(物品座標)を示している。実世界に置かれた物品の形状は、上述したように、センシング手段120 又は作業ロボット102 のセンサ111 を2つのカメラで構成し、ステレオ視による三次元計測を行うこと等により得ることができる。そして、上記物品の形状データ(ポリゴンモデル)とのマッチングを取ることにより、物品が実世界上でどのように3次元的に回転させられているかを知ることができ、そのマッチングに基づいて物品の姿勢データを得ることができる。
具体的には、物品の形状データ(ポリゴンモデル)と実世界上での形状データとのマッチングを行った後に、物品の形状データに付随する上記物品座標が実世界上でどのように3次元的に回転しているかを求める。そのために、まず、X’軸がX軸に対して水平方向に角度αだけ回転し、上下方向に角度βだけ回転していると仮定し、それら角度α及びβの値を求める。図8(a)は、X’軸を水平方向に−αだけ回転し、上下方向に−βだけ回転した図である。次に、図8(b)に示すように、Z’軸がZ軸に対して角度γだけ回転しているとし、その角度γの値を求める。このようにして、物品が実世界に置かれている時の姿勢データを、変数(α、β、γ)を用いて特定することができる。
尚、このような姿勢データは、ロボット102 により把持物品を設置する際、設置位置の状況と物品の把持姿勢とが合致しないときに、当該物品を適正な姿勢に変更する等の目的で使用される。
移動体DB62は、図6に示すように、移動体データ621 、移動体履歴データ622 、及び移動体属性データ(図示省略)の3種類のデータをそれぞれ蓄積するサブデータベースからなり、各サブデータベースに蓄積されるデータ内容は以下の通りである。
1)移動体データ621 :個々の移動体を区別するためのID、移動体履歴データへのポインタが蓄積される。移動体データ621 に格納される移動体は、ユーザが手動で予め登録するようにすればよい。
2)移動体履歴データ622 :移動体の、ある時刻における位置と、その時刻における状態との3項目からなる。ここで、移動体は、物品とは異なり空間内に占める体積が大きく、ロボット102 が環境内を移動するときの障害物となる。このため、移動体の位置はできるだけ現実に則した表現が好ましい。ここでは、床面上で移動体が占めるおおよその領域を円で表すこととする。すなわち、円の中心位置のXY座標(x4 ,y4)と円の半径(r1)で移動体の位置を表す。これは、ロボット102 が障害物を避けつつ経路作成が可能となる一方で、移動体の位置を必要最小限の情報で表すためである。尚、移動体が占める領域は、さらに厳密な表現をしてもよい。例えば移動体の床面上で占める領域の輪郭を近似する複数個の線分ベクトルを使って、移動体の位置を表現してもよい。
また、移動体履歴データにおける移動体の状態とは、その移動体が人であれば、「座る」「立つ」「寝る」「歩く」等の一般的な人の動作を表し、移動体がロボット102 であれば、「把持」「解放」等のロボット102 が物品に対して行う動作を表す。例えば移動体の状態となり得る状態候補を予め複数用意しておき、センシング手段120 による検出結果等に基づいて移動体の状態がどの状態候補に当てはまるかを判断すればよい。尚、ロボット102 に関する移動体履歴データでは、その動作だけでなく、作業対象の物品IDと併せて「物品ID:動作内容」として格納する。具体的には、「kan-small-0001:把持」となる。
3)移動体属性データ:移動体が有する共有の属性情報を蓄積するものであり、移動体属性データとしては、移動体の重さや形状等の物理属性が挙げられる。この移動体属性データは、センシング手段120 (電子タグとリーダライタ)によって取得することが可能である。また、手動でこれらの情報を入力してもよい。
この物品/移動体DB160 へのアクセスは、物品/移動体検索・管理手段105 にのみ許可されており、これにより、同じ物品又は移動体データに対する書き込みと読み出しとが同時に行われないようにしている。
次に、センシング手段120 によって検出された物品や、人及びロボット102 等の移動体の情報が、物品/移動体検索・管理手段105 によって、どのように物品/移動体DB160 に格納されるか、また、その物品/移動体DB160 のデータがどのように更新されていくかについて、図5,6,9を参照しながら具体的に説明する。
図9は、一般家庭における、ある部屋(環境)内を示す俯瞰図であって、2つの缶ジュース21,22が、この部屋に対して出入すると共に、これらの缶ジュース21,22が環境内を移動される様子を示す図である。
同図において、各缶ジュース21,22の移動は矢線によって示され、これらの矢線に付されているt1,t2,t5,t6,の文字は、矢線に従って缶ジュースが移動された時刻を示す。時刻は、t1〜t6の順で進んだものとする。
尚、部屋の出入口(ドア)には、図示は省略するが、出入口センシング手段121 としてリーダライタが設置されていて、物品及び移動体の移入と移出とを区別して検出すると共に、部屋内には、環境内センシング手段122 としてリーダライタが設置されていて、環境内における物品及び移動体の移動を検出するものとする。
また、各缶ジュース21,22並びに部屋を出入する人及びロボット102 にはそれぞれ電子タグが付されているとする。この各缶ジュース21,22の物品属性データは、電子タグに埋め込まれている情報をリーダライタが読み取ることによって得ることとする。移動体DB62の移動体データ621 には各移動体の情報が登録されているものとし、移動体履歴データ622 は既に初期化されているものとする。また、物品DB61の物品データ611 には、何も記録されていない空の状況であるとする。
先ず、移動体DB62の移動体データ621 に登録されているお父さん(図示省略)が、缶ジュース21を持ってドアから部屋内に入ってくる。このとき、ドアに設けられた出入口センシング手段121 は、お父さんと、缶ジュース21とが、部屋内に移入したことを検出する。
その検出結果は、センシング手段120 から物品/移動体検索・管理手段105 に送られ、それを受けた物品/移動体検索・管理手段105 は、缶ジュースとお父さんとを特定する。そして、その缶ジュース21に[kan-small-0001]というIDを割り当て、物品属性データ613 へのポインタと対応付けて物品データ611 に格納する(図5参照)。これと共に、物品/移動体検索・管理手段105 は、その缶ジュース21の物品属性データ613を格納する。さらに、物品/移動体検索・管理手段105 は、その缶ジュースの移動履歴を物品履歴データ612 に格納するための「位置履歴リスト1」を作成する。
一方で、センシング手段120 により検出したお父さんの移動体履歴データ622 を更新するために、物品/移動体検索・管理手段105 は、移動体データ621 におけるID「お父さん」の位置履歴を参照して、「位置履歴リスト3」を呼び出す(図6参照)。
時刻t1に、お父さんがテーブル近傍の位置P4(x4 ,y4)に座り、持っていた缶ジュース21をそのテーブル上のP1(x1,y1,z1)に置く。そのことを環境内センシング手段122 が検出すると、物品/移動体検索・管理手段105 は、物品履歴データ612 の位置履歴リスト1の内容をセットする(図5参照)。具体的には、
時刻:t1
取扱内容:新規
物品取扱主体:お父さん
取扱後の位置:P1(x1,y1,z1,α1 ,β1 ,γ1 )
をセットする。ここで、取扱内容が「新規」となっているのは、それまで環境内に存在していなかった物品が、新たに外部から持ち込まれたことを意味する。
また、物品/移動体検索・管理手段105 は、移動体履歴データ622 の位置履歴リスト3の内容をセットする(図6参照)。具体的には、
時刻:t1
位置:(x4 ,y4 ,r1)
状態:座る
をセットする。
時刻t2に、移動体DB62の移動体データ621 に登録されている別の移動体である息子(図示省略)が、P1(x1,y1,z1)に置かれた上記の缶ジュース21を床の上であるP2(x2,y2,z2)に移動させる。そのことを環境内センシング手段122 が検出すると、その検出結果を受けて物品/移動体検索・管理手段105 は、物品履歴データ612 の位置履歴リスト1の新たな内容をセットする(図5参照)。具体的には、
時刻:t2
取扱内容:移動
物品取扱主体:息子
取扱後の位置:P2(x2,y2,z2,α2 ,β2 ,γ2)
をセットする。ここで、取扱内容が「移動」となっているのは、すでに物品履歴データ612 に登録されている物品が、環境内で移動されたためである。尚、時刻t2で息子の位置が変わるため、物品/移動体検索・管理手段105 は環境内センシング手段122 の検出結果を受けて、息子の移動体履歴データ622 (位置履歴リスト4)の内容をセットするが、ここではその図示を省略する。
時刻t3に、お父さんが部屋の外に出る。そのことを環境内センシング手段122 が検出すると、物品/移動体検索・管理手段105 は、移動体履歴データ622 の位置履歴リスト3の新たな内容をセットする(図6参照)。具体的には、
時刻:t3
位置:−
状態:外出
をセットする。ここで、位置が「−」となっているのは、環境外に出たことで、環境内センシング手段122 がお父さんを検出することができなくなったためである。尚、位置情報としては、外出する際に通過したドアの位置情報を設定してもよい。
また、その部屋の外に出る際にお父さんが操作端末103 を操作して、ロボット102 に缶ジュース21をP1(x1,y1,z1)に移動させる内容の作業命令を入力する。サーバ101 を介してその作業命令を受けたロボット102 は、缶ジュースの位置P2(x2, y2)まで移動し、時刻t4にその缶ジュースを把持する。このことを環境内センシング手段122 が検出すれば、物品/移動体検索・管理手段105 は、ロボット102 の移動体履歴データ622 (位置履歴リスト5)の内容をセットする(図6参照)。具体的には、
時刻:t4
位置:(x2 ,y2 ,r2)
状態:[kan-small-0001]:把持
をセットする。尚、ロボット102 の動作は、環境内センシング手段122 が検出してもよいが、サーバ101 が、ロボット102 からの動作情報を受信することによって、ロボット102 の動作を検出してもよい。
時刻t5に、上記ロボット102 が缶ジュース21を把持した状態で、P4(x4 ,y4)に移動し、テーブルの上P1 (x1,y1,z1)で把持した缶ジュース21を解放する。環境内センシング手段122 がそのことを検出すれば、物品/移動体検索・管理手段105 は、移動体履歴データ622 の位置履歴リスト5の新たな内容をセットする(図6参照)。具体的には、
時刻:t5
位置:(x4 ,y4 ,r2)
状態:[kan-small-0001]:解放
をセットする。
また、物品/移動体検索・管理手段105 は、物品履歴データ612 の位置履歴リスト1の新たな内容をセットする(図5参照)。具体的には、
時刻:t5
取扱内容:移動
物品取扱主体:ロボット
取扱後の位置:P1(x1,y1,z1,α1 ,β1 ,γ1 )
その後、移動体DB62の移動体データ621 に登録されているさらに別の移動体であるお母さんが、新たな缶ジュース22を持ってドアから部屋に入ってくる。出入口センシング手段121 が、お母さんと新たな缶ジュース22とが部屋内に移入したことを検出すると、物品/移動体検索・管理手段105 は、その新たな缶ジュース22に[kan-small-0002]というIDを割り当て、物品属性データ613 へのポインタと対応付けて物品データ611 に格納する。この新たな缶ジュース22の物品属性データ613 は、上記の缶ジュース21と同じである。また、その新たな缶ジュース22の移動履歴を物品履歴データ612 に格納するための「位置履歴リスト2」を作成する(図5参照)。
時刻t6に、お母さんが新たな缶ジュース22を床の上であるP3(x3,y3,z3)に置く。そのことを環境内センシング手段122 が検出すると、物品/移動体検索・管理手段105 は、物品履歴データ612 の位置履歴リスト2の内容をセットする(図5参照)。具体的には、
時刻:t6
取扱内容:新規
物品取扱主体:お母さん
取扱後の位置:P3(x3,y3,z3,α3 ,β3 ,γ3 )
をセットする。尚、図6では、お母さんの移動体データ及び移動体履歴は省略している。
以上のようにして、物品/移動体検索・管理手段105 は、物品/移動体DB160 に物品や移動体の情報を格納・更新する。ここでは、データベースの更新を、物品/移動体DB160 に登録されている各物品や移動体の位置が変更される毎に行う例を示したが、データベースの更新タイミングはこれに限るものではなく、適宜設定すればよい。
(環境マップ管理手段・環境マップ)
環境マップ管理手段107 は、センシング手段120 からの情報に基づいて環境マップ108 を作成すると共に、その作成した環境マップ108 の管理を行うものである。この環境マップ108 は、ロボット102 が環境内を移動する際に利用するものである。ロボット102 は、後述するように、この環境マップ108 をサーバ101 から取得して移動経路計画を立てる。
また、上記環境マップ管理手段107 は、制御手段110 から環境マップ108 に問い合わせがあった場合に、その問い合わせの内容に応じて必要な情報を制御手段110 に送ることも行う。
環境マップ108 は、例えば環境の実状況が、図10(a)に示される場合に、その実状況を立体モデルで簡略化したもの(図10(b))を環境マップ108 としてもよい。また、図10(c)に示すように、さらに平面モデルで簡略化したものを環境マップ108 としてもよい。さらに、図10(a)に示される環境の実状況をそのまま立体モデル化したものを、環境マップ108 としてもよい。すなわち環境マップ108 は、そのマップの用途や、そのマップ作成にかけることのできる時間(手間)に応じて作成すればよい。例えば、立体モデルからなる環境マップを極めて短時間で作成する必要があるときは、環境内に存在する立体物を、その立体物を覆う最小の直方体でモデル化すればよい。図10(b)に示す環境マップ108 はその例であり、テーブル及び本棚をそれぞれ直方体でモデル化し、ゴミ箱を略円柱でモデル化している。平面モデルからなる環境マップも同様であり、図10(c)に示す作業マップ108 では、テーブル及び本棚を平面に正射影した矩形領域(斜線を付した領域)でそれぞれモデル化し、ゴミ箱を円領域(斜線を付した領域)でモデル化している。また、この平面モデルからなるマップ108 では、上記2つの矩形領域及び円領域をロボット102 が移動不可能な領域に設定する。
図11は環境マップに付随する設備データベースの一例を示した図で、このものは、図10に示す環境に対応している。この設備データベースは、設備データと、設備属性データとの2種類のデータをそれぞれ蓄積するサブデータベースからなる。
1)設備データ:環境それ自体、及びこの環境内の個々の設備(物品とは異なり環境に固定又は設置されたものであって、ロボットの取扱い作業の対象外となるもの)を特定するためのID、設備属性データへのポインタが蓄積される。ここでは、環境(部屋)には「room-0001」のIDが付され、環境内に存在するテーブル、本棚、及びゴミ箱にはそれぞれ「table-0001」「bookshelf-0001」「trash-0001」のIDが付されている。
2)設備属性データ:環境自体に係る設備属性データには、その環境内の床面データが蓄積される。例えばその環境内に互いに高さの異なる複数の床面が存在するときには、その床面の数だけ床面データが蓄積される(面1,面2,…)。この床面データは、例えば次のように表される。
((X1,Y1,Z1),(X2,Y2,Z2),(X3,Y3,Z3),(X4,Y4,Z4),2200,0)
ここで、最初の4つの値(座標)は、床面を構成する各頂点の座標(実世界座標での座標)を示し、次の値(2200)は、その床面から天井までの距離(mm)を示す。また、最後の値(0)は、床面の材質を意味する。例えば、「0」はフローリング、「1」は畳、「2」は絨毯等とすればよい。
設備(家具等)に係る設備属性データには、その設備を構成する各面のデータ(面1,面2,…)、設備の種類、その設備が物品を載置可能な面を有する場合、その面に載置される主な物品の形状とその姿勢が蓄積される。具体的に、設備を構成する面のデータは例えば次のように表される。
((X1,Y1,Z1),(X2,Y2,Z2),(X3,Y3,Z3),1,400)
ここで、最初の3つの値(座標)は、その面を構成する各頂点の座標(実世界座標での座標)を示し、次の値「1」はその面に物品が載置可能な否かのフラグである。物品が載置可能なときは「1」となり、載置不可能なときは「0」となる。最後の値「400」は、その面に物品が載置可能であるときに、その載置可能な物品の上限高さ(mm)を示す。例えばその面がテーブルの天板であるときには、天板から天井までの距離が上限高さであり、その面が本棚におけるある一つの棚面であるときには、その棚面から直上の棚までの距離が上限高さとなる。
設備属性データにおける「主な物品の形状」とは、その設備に収容される物品の形状である。設備の種類が本棚であれば、「本の形状」となる。つまり、その幅に比べて奥行きと高さが極端に長い直方体が本棚の主な物品の形状である。また、「主な物品の姿勢」とは、その設備に収容されるときの物品の姿勢である。設備の種類が本棚であれば、その本をどのような姿勢で本棚の棚面に載置するかであり、通常は本を立てた姿勢となる。こうした「主な物品の形状と姿勢」のデータは、例えば設備の種類が靴棚であるとき(この場合の主な物品は靴)や、食器乾燥機(この場合の主な物品は食器)の設備属性データに蓄積される。但し、設備の種類によっては、この「主な物品の形状と姿勢」データを有しない場合がある。設備の種類が例えばテーブルやゴミ箱であるときには、物品の形状及び姿勢には限定がない。このため、テーブルやゴミ箱の設備属性データは、「主な物品の形状と姿勢」のデータを有しない。
設備属性データに蓄積した「主な物品の形状と姿勢」のデータは、作業ロボット102 が、例えば本を本棚に移動させる作業を行うときに利用され、作業ロボット102 は、このデータを基に指定された本を立てた姿勢で本棚の棚に載置する。
(組合せ管理データベース・組合せ管理手段)
後述するように本システムでは、物品管理の一つとして物品の組合せを管理し、それによって、環境内で移動体(物品取扱主体)が物品を取り扱うときには、その取扱い物品と組み合わせて取り扱われる物品の情報を、上記物品取扱主体に提示する。
上記組合せ管理データベース106 は、物品の組合せを登録してその情報を蓄積するデータベースであり、組合せ管理手段104 は、上記組合せ管理DB106 の管理を行うと共に、この組合せ管理DB106 を検索することによって、上記取扱い物品を含む組合せを抽出する。
図12に示すように、上記組合せ管理DB106 には、個々の組合せを特定するための組合せID、各組合せIDと対応付けられた物品ID及び優先ポイントが蓄積される。
この内、上記組合せIDは、データベースに登録されている組合せを特定するID番号である。後述するように、新たな物品の組合せが組合せ管理DB106 に新規登録されるときには、組合せ管理手段104 によって、既にデータベースに登録されているIDとは重ならないID番号が、その新規登録される組合せに対して付与される。また、組合せ管理DB106 に登録されている組合せを削除したときには、その組合せIDもデータベースから抹消される。
物品IDは、各組合せに含まれる物品を特定するIDである。図例では、組合せIDが00001 の組合せには、「家計簿」と「電卓」が含まれ、組合せIDが00002 の組合せには、「印鑑」と「朱肉」とが含まれる。また、物品の組合せは、2個の物品の組合せだけでなく、3個以上の物品の組合せも存在する。図例では、組合せIDが00004 の組合せは、「はさみ」と「のり」と「テープ」とが含まれる。尚、組合せ管理DB106 に蓄積されている物品IDは、物品DB61に蓄積されているIDが利用される。これにより、この物品IDをキーとして、必要に応じて物品DB61の物品データ611 、物品履歴データ612 、物品属性データ613 を参照することが可能である。
優先ポイントは、各組合せに付加されるポイントで、後述するように、組合せ管理手段104 は、この優先ポイントに基づいてユーザに提示する組合せを選択する。この優先ポイントは、組合せに含まれる物品の取扱い頻度、組合せの利用頻度に応じて、組合せ管理手段104 が設定する。例えば、各物品が取り扱われる毎に加算する加算ポイントを予め設定しておき、組合せ管理手段104 は、環境内で物品が取り扱われた(利用された)ときには、その取り扱われた物品を含む全ての組合せの優先ポイントに加算ポイントを加算する。また、複数の物品が組み合わされて取り扱われた(利用された)ときには、その利用された組合せの優先ポイントに、上記の加算ポイントと共に、さらに追加のポイントを加算する。
上記組合せ管理手段104 は、長期間利用されていない物品が存在するときには、その物品を含む組合せの優先ポイントを所定の減算ポイントだけ減算してもよい。同様に、データベース106 に登録されている組合せが利用されていないときにも、その組合せの優先ポイントを減算してもよい。
また、ユーザは、操作端末103 を操作することによって各組合せの優先ポイントを設定することが可能であり、組合せ管理手段104 は、操作端末103 において入力された優先ポイントに従って、組合せ管理DB106 に蓄積する優先ポイントの更新を行う。こうすることで、組合せの優先ポイントをユーザにとっての重要度に応じて設定することが可能になる。
この組合せ管理DB106 に登録されている物品の組合せには、登録された組合せと、仮登録された組合せとが存在する。これは予め設定された登録判定値と各組合せの優先ポイントとの大小によって決定される。登録判定値(図例では500に設定されている)よりも大きい優先ポイントを有する組合せは組合せ管理DB106 に登録され、登録判定値以下の優先ポイントを有する組合せは組合せ管理DB106 に仮登録される。組合せ管理手段104 は、組合せ管理DB106 を検索するときには、そのデータベース106 に登録されている組合せを検索対象とし、仮登録されている組合せは検索対象とはしない。こうすることで、利用頻度の少ない又は重要度の低い組合せが検索されることを防止する。
この仮登録されている組合せは、上述したように、実際に利用されて優先ポイントに加算ポイントが加算されることによって、又はユーザが優先ポイントを設定することによって、その優先ポイントが登録判定値を超えたときには、組合せ管理DB106 に登録されることになる。
(制御手段)
環境管理サーバ101 における制御手段110 はサーバ全体を制御する部分であり、主な制御内容としては以下のものがある。
1)送受信手段109 が、サーバ内にある各種データに関する問い合わせ受信したときに、その問い合わせ内容を判断し、その判断結果に応じて物品/移動体検索・管理手段105 、環境マップ管理手段107 にデータの参照要求を出す。
2)上記要求に対して物品/移動体検索・管理手段105 、環境マップ管理手段107 から送られてきた結果を、送受信手段109 を介して問い合わせ元に送る。
3)操作端末103 から送受信手段109 を介して送信されたロボット102 の作業内容メッセージを解釈し、そのロボット102 に動作を実行させるためのロボット制御コマンド列を生成して上記ロボット102 に送信する。尚、ロボット制御コマンド列については、後述する。
4)必要に応じて、一定時間毎に、物品/移動体DB160 で管理している物品の一部又は全部の状況、環境マップ108 の状況を、送受信手段109 を通じてロボット102 やユーザ(操作端末103 )にブロードキャストする。
5)組合せ管理手段104 からの情報を受けて、その情報を送受信手段109 を通じて操作端末103 に送信する。
6)組合せ管理手段104 からの情報を受けてロボット制御コマンドを作成し、作成したロボット制御コマンドを作業ロボット102 に送信する。
上記の5),6)の処理の詳細については、後述する。
−作業ロボットの構成−
2番目のサブシステムである作業ロボット102 は、ユーザによって指定された作業命令に従って物品の取扱い作業を行うものである。
図1に示すように、ロボット102 はその基本構成として、ロボット102 の近辺の障害物等を検知する障害物センサ111 、物品を把持する把持手段112 、環境マップ108 を使って移動計画を立てる移動計画作成手段113 、上記ロボット102 自体を移動させる移動手段114 、環境管理サーバ101 や操作端末103 との間で種々のデータの送受信を行う送受信手段109 、これらのセンサ111 及び各手段109 ,112 〜114をコントロールする制御手段115 とからなる。
図13は、本システムにおけるロボット102 の構造の一例を示した模式図であり、このロボット102 は、移動計画作成手段113 や制御手段115 等を収容する略箱型の本体部10を備えている。以下、図13における紙面右側を前側、左側を後側、紙面奥側を左側、紙面手前側を右側と呼ぶ。
把持手段112 は、多関節アーム12a とそのアーム12a の先端に配設されたハンド12b とから構成され、上記本体部10の上面に取り付けられている。上記アーム12a 及びハンド12b は、モータ制御によるアクチュエータを用いたものとしてもよいし、その他のアクチュエータ、例えば人工筋肉によるアクチュエータを用いたものでもよい。
移動手段114 は車輪14によって構成されており、この車輪14は、上記本体部10の左右両側にそれぞれ2つ取り付けられている(図例では、左側の車輪の図示を省略する)。ここでは、移動手段114 を車輪14で構成したが、移動手段114 の構成は、そのロボットが使用される環境に応じて最適な構成を選択すればよい。例えば環境の床面の起伏が激しい場合は、移動手段114 をクローラ型や多足歩行型に構成することが好ましい。
障害物センサ111 は、本システムでは、超音波センサ11a 、視覚センサとしてのステレオカメラ11b 、及び衝突センサ11c から構成される。
上記超音波センサ11a は、超音波を発してその反射波を受信するまでの時間を測定することにより当該センサ11a から障害物までの距離を計算するもので、近距離の障害物を、それに衝突する前に検知するためのものである。この超音波センサは、本体部の各側面(前面、後面、左右側面)に、3つずつ取り付けられている。
上記ステレオカメラ11b は、ロボット102 の周囲の状況を画像として入力し、その画像の認識等の処理を行うことで、障害物の有無の判断や把持対象物品のより正確な情報を得るためのものである。このステレオカメラ11b は、本体部10の前部に取り付けられている。
上記衝突センサ11c は、ロボット102 に所定の衝撃力が加わったことを検知するセンサである。例えば障害物がロボット102 に衝突してきたことや、ロボット102 自体が移動中に障害物に衝突したことを、この衝突センサ11c で検知する。この衝突センサ11c は、本体部の前面と後面とのそれぞれに取り付けられている。
移動計画作成手段113 は、ロボット102 に物品の移動作業やその他の作業に伴う移動が指定されたときに、そのロボット102 の現在位置から指定された位置(目的位置)までの移動経路を、環境マップ108 を使って作成するものである。この際、現在位置から目的位置までの移動経路上に障害物があってはならないが、環境マップ108 には、上述したように、ロボットが移動不可領域(例えば図10(c)の斜線を付した領域)が設定されている。このため、この移動不可領域以外の領域で移動経路を作成すれば、障害物を回避した移動経路が作成される。例えば図10(c)の平面モデルを用いた環境マップ108 を用いてロボットをA1地点からA2地点まで移動させる際には、ロボット102 の大きさを考慮して移動不可領域を回避するルート(図10(c)に矢線参照)が作成される。こうした移動経路の作成に当たっては、最も一般的な方法であるダイクストラ法を使ってもよいし、環境が複雑であれば、ダイクストラ法を改良した経路探索アルゴリズムを用いてもよい。
尚、環境の状況が複雑すぎてロボット102 の移動経路の算出が出来ない、又はその算出に多大な時間を要するような場合等の対策として、ユーザがロボット102 の移動経路を指定するモードを設けてもよい。
作業ロボット102 の制御手段115 は、主に環境管理サーバ101 から送受信手段109 を介して送られてきたロボット制御コマンド列を解釈し、そのロボット制御コマンドを順に実行するものである。
ここで、ロボット制御コマンドとは、物品の把持や、ロボット102 自体の移動の制御を行うためのコマンドであって、本実施形態では以下の「移動」「把持」「解放」の3種類が設定されている。
1)移動:(move,座標)
ロボット102 の現在位置から座標で指定された位置まで移動するコマンドである。座標は世界座標系で指定し、現在位置から目的位置までの移動経路は移動計画作成手段113 が計画する。
2)把持:(grab,物品ID)
物品IDで指定された物品を、ハンド12b によって把持するコマンドである。物品の場所は物品DBを参照し、把持計画は把持手段112 が作成する。
3)解放:(release)
ハンド12b を解放するコマンドである。
ロボット制御コマンドはこの3種類に限らず、必要に応じて増やしてもよい。
尚、本実施形態では、作業ロボット102 を、車輪14によって構成された移動手段114 を有する自走ロボットとしたが、作業ロボット102 は、この構成に限るものではない。例えば上述したアーム12a とハンド12b とからなる把持手段112 を、環境内の天井に取り付けたガイドレールに組み付けることで、作業ロボット102 を構成してもよい。この構成の作業ロボット102 は、上記把持手段112 がガイドレールに案内されて移動することにより、指定された位置に移動することができ、それによって、環境内で指定された物品を指定された位置に移動させる作業を実行することができる。
−操作端末の構成−
3番目のサブシステムである操作端末103 は、本システムにおけるユーザインタフェースであり、主にロボット102 に対する物品の取扱い作業を指示するためにユーザが操作する端末である。
操作端末103 はその基本構成として、図1に示すように、ロボット102 の作業内容を指定するための操作画面、組合せ物品を表示(提示)する提示画面、組合せ管理DB106 に格納される組合せの優先ポイントを設定するための入力画面を表示する、例えばCRTや液晶ディスプレイからなる表示部117 、上記操作画面、提示画面及び入力画面上での入力を行うための、例えばポインティングデバイスやキーボードからなる入力部116 、上記表示部117 に表示される画面の作成等の表示制御を行う表示制御手段118 、上記入力部116 にて入力されたロボット102 の作業内容、優先ポイントの設定内容等を環境管理サーバ101 に送る送受信手段109 、これらの各手段109 ,116 〜118 をコントロールする制御手段119 からなる。尚、入力部116 は、音声による入力(音声認識)を行うものとしてもよい。
この操作端末103 としては、例えば汎用PCを用いることも可能である。この場合、制御プログラムをPCが読み込むことによって、そのPCを操作端末103 として用いることが可能になる。
ユーザは、この操作端末103 を用いてロボット102 の作業内容を指定したり、優先ポイントを設定したり、後述するように、物品の組合せが提示されたときに、その組合せに含まれる物品の移動を要求したりする。また、ユーザは、この操作端末103 を用いて、物品/移動体管理DB160 に蓄積される物品や移動体の情報を入力したり、サーバ101 に対して、物品の現在位置の検索を要求したりすることも行う。物品の現在位置の検索結果は、サーバ101 から送られて操作端末103 の表示部117 に表示される。
−物品管理処理−
次に、上記構成の物品管理システムにおける物品管理の一つである物品の組合せを管理する処理について説明する。この物品管理処理は、組合せ提示処理と、組合せ管理処理と、物品移動処理と、を含む。この内、組合せ提示処理は、環境内において物品取扱主体が物品(取扱い物品)を取り扱うときに、その取扱い物品と組み合わせて取り扱う組合せ物品の情報を提示する処理であって、物品取扱主体の要求に応じて、作業ロボットが組合せ物品を物品取扱主体の位置(取扱い物品の位置)に移動させる処理である。組合せ管理処理は、環境内における物品の取扱い履歴に応じて組合せ管理DB106 の更新を行う処理である。物品移動処理は、物品取扱主体は物品(取扱い物品)を取り扱っていないが、所定の条件が成立したときには、組み合わせて取り扱われる複数の物品を、作業ロボット102 が所定の位置に移動させる処理である。
(組合せ提示処理)
組合せ提示処理について、図14を参照しながら説明すると、先ず、ステップS1201で、物品取扱主体が取扱い物品を取り扱っていることをセンシング手段120 が検出したときには、物品/移動体検索・管理手段105 は、物品DB106 を参照して、その取扱い物品の物品IDを特定する。
続くステップS1202で組合せ管理手段104 は、組合せ管理DB106 を検索し、それによって、上記ステップS1201で特定された物品IDが含まれる物品の組合せ(組合せID)を全て抽出する。このときに、物品取扱主体が取り扱っている取扱い物品が複数であるときには、その複数の取扱い物品が全て含まれる物品の組合せを抽出する。こうすることで、効率的に組合せを抽出することが可能になる。
ステップS1203では、上記ステップS1202で抽出された組合せIDの数に応じて、以降処理の選択を行う。ここでは、組合せの数が、1)無しの場合、2)1つの場合、3)複数の場合で、3通りの処理に分かれる。
先ず、1)の組合せIDの数が0(組合せが無い)場合は、そのまま処理を終了する。
一方、2)の組合せIDの数が1つの場合は、ステップS1204で、組合せ管理手段104 は再度組合せ管理データベース106 を参照して、抽出した組合せに含まれる取扱い物品以外の物品(組合せ物品)の物品IDを抽出する。
続くステップS1205では、物品/移動体DB160 を参照して、組合せ物品の情報を取得し、その取得した組合せ物品の情報を操作端末103 に送信する。これにより、操作端末103 の表示部117 に組合せ物品の情報を表示する。ここで表示部117 に表示する情報は、物品DB61に蓄積されている物品の名称、物品の属性、現在位置、移動履歴の内の必要な情報とすればよい。
こうして、操作端末103 の表示部117 に組合せ物品の情報を表示すれば、その組合せ物品が物品取扱主体にとって所望の物品(取扱い物品と組み合わせたい物品)であるか否かを操作端末103 において入力させる。例えば、表示手段117 に入力を促す表示をしてもよいし、音声で入力を促してもよい。
こうして、ユーザが入力部116 を操作することによってその回答を入力する。回答には、組合せ物品が所望の物品でない、組合せ物品は所望の物品であるが情報を参照するのみで十分である(物品の移動は不要である)、組合せ物品は所望の物品であって組合せ物品の移動を要求する、の3つがある。
ステップS1206では、ユーザが入力した回答を判断し、回答が組合せ物品がユーザ所望の物品でない場合、又は組合せ物品の移動は不要である場合は、そのまま処理を終了する。一方、回答が組合せ物品の移動を要求する場合は、ステップS1207に移行する。
ステップS1207では、サーバ101 の制御手段110 は、組合せ物品を物品取扱主体の位置に移動させるロボット制御コマンドを作成し、これをネットワークを介して作業ロボット102 に送信する。ロボット制御コマンドを受けた作業ロボット102 は、そのコマンドに従って、組合せ物品を物品取扱主体の位置に移動させる。こうして、物品取扱主体の手元に、取扱い物品と組合せ物品とが集められる。
これに対し、上記ステップS1203で、3)の組合せIDの数が複数の場合は、続くステップS1208で、その複数の組合せIDの内で、優先ポイントが上位のものを一つ選択する。
続くステップS1209,S1210,S1211は、上記ステップS1204,S1205,S1206と同じであり、組合せ管理手段104 は、再度組合せ管理データベース106 を参照して、ステップS1208で選択した組合せに含まれる組合せ物品の物品IDを抽出し(ステップS1209)、その組合せ物品の情報を操作端末103 の表示部117 に表示させる(ステップS1210)。そして、提示した組合せ物品が所望の物品であって組合せ物品の移動が不要であるとき(「OK」のとき)には、そのまま処理を終了する。また、提示した組合せ物品が所望の物品であって組合せ物品の移動が要求されたとき(「移動」のとき)には、ステップS1207に移行する。これにより、組合せ物品は、作業ロボット102 によって物品取扱主体のユ位置に移動される。
また、上記ステップS1211で、組合せ物品が所望の物品でないとき(NGのとき)には、ステップS1213に移行し、他の組合せが存在するか否かを判定する。存在するとき(YESのとき)には、ステップS1208に戻り、既にユーザに提示した組合せを除く残りの組合せの中から優先ポイントが上位の組合せを選択し、上記ステップS1209〜S1211の各ステップを行う。一方、上記ステップS1213で他の組合せが存在しないとき(NOのとき)には、そのまま処理を終了する。
こうして、ユーザがある物品を利用するときには、その物品と組み合わせて取り扱われる利用される物品の情報が操作端末103 において提示され、必要に応じてその物品が作業ロボット102 によって移動される。
尚、図14では、ステップS1208〜ステップS1213で、複数の組合せが存在するときには、優先ポイントが上位の組合せから一つずつ操作端末103 に表示するようにしているが、複数の組合せを一度に提示するようにしてもよい。例えば操作端末103 の表示部117 に、各組合せに係る組合せ物品を優先ポイントの順に並べて一度に表示してもよい。また、優先ポイントに応じてポイントの高い組合せ物品は大きなサイズで、ポイントの低い組合せ物品は小さなサイズで、表示部117 に表示してもよい。こうすることで、ユーザによりわかりやすい情報提示が実現する。この場合ユーザは、入力部116 を操作すること、また音声コマンド等によって、所望の組合せ物品を選択すればよい。尚、所望の組合せ物品がないときには、その旨を入力すればよい。
また、上記の実施の形態では、組合せ管理DB106 の物品IDの記載順は入れ替え可能であって、図12に示す組合せ管理DB106 において、物品取扱主体が家計簿を取り扱っているときも、物品取扱主体が電卓を取り扱っているときも同じく、物品管理手段104 は組合せIDが00001の組合せを抽出する。
これに対し、組合せ管理DB106 の物品IDの記載に際し、物品1の欄に記載する物品IDを物品管理手段104 の検索対象としてもよい。つまり、物品取扱主体が家計簿を取り扱っているときには、物品管理手段104 は、組合せ管理DBの物品1の欄が家計簿である組合せ(図例では組合せIDが00001の組合せ)を抽出し、物品取扱主体が電卓を取り扱っているときには、物品管理手段104 は、組合せ管理DBの物品1の欄が電卓である組合せを抽出する(従って、組合せIDが00001の組合せは抽出されない)ようにしてもよい。物品の組合せにおいて主従関係を持たせるのである。こうすることで、より適切な組合せ物品を物品取扱主体に提示することが可能になる。
またこの場合、電卓を物品1の欄に記載し、家計簿を物品2の欄に記載する組合せを、組合せID00001とは別途、組合せ管理DB106 に登録してもよい。また、物品1の欄と物品2の欄とを入れ替えた組合せにおいては、優先ポイントを互いに異ならせてもよい。
さらに、上記の実施の形態では、組合せ管理DB106 は、組合せIDに対応付けて物品IDを記憶させているが、組合せIDに対応付けて物品IDと移動体IDとを記憶させてもよい。つまり、組合せを抽出する際に、その取扱い物品を取り扱っている物品取扱主体を考慮して、組合せ管理手段104 は、取扱い物品とその物品取扱主体とが含まれる組合せを抽出する。こうすることで、物品取扱主体に適した組合せを抽出することができる。また、移動体IDによる特定の人を組合せ管理DB106 に記憶させるだけでなく、例えば「大人」「男性」という、同じ属性を有する複数の移動体を含む移動体グループを、組合せIDと対応付けて組合せ管理DB106 に記憶させてもよい。
(組合せ提示処理の変形例)
図15は、組合せ提示処理の一部を示している。図15で示されるステップS1301,S1302の各ステップは、図14のフローチャートにおけるステップS1203とステップS1208との間に挿入されるステップである。従って、この組合せ提示処理におけるその他のステップは、図14のフローチャートと同じである。
この変形例に係る組合せ提示処理では、物品の取り扱い状況に応じて優先ポイントを補正し、その補正した優先ポイントに基づいて,ユーザに提示する組合せを選択する。ここで、取扱い状況としては、物品が取り扱われる日時、取り扱われる場所、取り扱う移動体(物品取扱主体)である。
この変形例に係る組合せ管理DBは、図16に示すように構成されていて、図12に示す組合せ管理DBと比較して、組合せIDに対応付けられたポイント補正内容の欄が追加されている。このポイント補正内容には、優先ポイントの補正に関する情報が蓄積されていて、ポイントの補正を行う状況(取扱時間、取扱場所、取扱人物、取扱時の気候等)と、そのときのポイントの補正内容とが蓄積される。図例では、組合せIDで特定される物品の組合せについて、物品の取扱時間(12時から12時45分)、取扱場所(居間テーブル)、取扱人物(母)の3つの状況が設定されており、これらの状況の内の全てが満足するときには、その組合せが最適であることが予想されるため、ポイントの補正内容として、優先ポイントに450を加算する(+450)、またこれらの状況の内のいずれか2つを満足するときには、ポイント補正内容として、優先ポイントに230を加算する(+230)ことが設定されている。このように、設定されている取扱状況を全て満たしているときにポイントを加算や減算することもできるし、設定されている取扱状況の一部のみを満たしているときには、取扱状況の全てを満たしているときとは異なるポイント(例えばより小さいポイント)の加減を行うようにする、等のポイント補正を行うことも可能である。
こうしたポイント補正内容は、組合せ管理手段104 が、物品履歴データ612 の情報に基づいて自動的に生成してもよい。例えば特定の時間帯で、物品の組合せが利用される回数が所定値を超えているときには、その時間帯についてのポイント補正内容を生成する。また、ユーザが操作端末103 を操作することによって、ポイント補正内容を手動で設定してもよい。
次に、図14及び図15を参照しながら、変形例に係る組合せ提示処理について説明する。
上述したように、物品の取り扱いがセンシング手段120 によって検出されて、その取扱い物品の物品IDが物品/移動体検索・管理手段105 によって特定されれば(ステップS1201)、組合せ管理手段104 は、組合せ管理DB106 を参照して、その物品IDが含まれる組合せを抽出する(ステップS1202)。そして、ステップS1203でその組合せが無いときにはそのまま処理を終了すると共に、組合せが一つのときには、ステップS1204〜S1207の各ステップを実行する。
一方、ステップS1203で、組合せが複数のときにはステップS1301で、抽出した全ての組合せについてポイント補正内容を参照する。そして、ポイント補正内容で設定されている取扱状況を満たすか否かを判定する。例えばセンシング手段120 の検出結果等に基づいて取扱状況を満たすか否かを判定することが可能である。
そうして、ポイント補正内容で設定されている取扱状況を満たしているときには、ステップS1302で、ポイント補正内容のポイント加減に従って優先ポイントを補正する。尚、補正した優先ポイントは、今回のみ有効なポイントとして利用され、組合せ管理DB106 に記憶されている優先ポイントは更新されない。
そして、ステップS1208では、補正した優先ポイントに基づいて、その複数の組合せIDの内で優先ポイントが上位のものを一つ抽出し、以降は、上述したように、ステップS1209〜S1213の各ステップを実行する。
このように、変形例に係る組合せ提示処理では、物品の取扱状況に応じた組合せ物品がユーザに提示されるため、より適切な組合せを提示することができる。
(組合せ管理処理)
組合せ管理処理は、組合せ管理手段104 が、上記の組合せ提示処理の後に、ユーザが実際に利用した物品の組合せに応じて、組合せ管理DB106 に格納されている優先ポイントを更新したり、新たな組合せを新規に登録(仮登録)したりする処理である。この組合せ管理処理は、新たな物品が購入されたとき、及び物品が廃棄されたときに、組合せ管理DB106 を更新する処理を含む。
優先ポイントの更新及び新規登録の処理について、図17を参照しながら説明すると、先ず、上記組合せ提示処理のステップS1206又はステップS1211において、ユーザに提示した組合せが利用されたか否かを判定し(ステップS1501)、利用されたとき、言い換えると提示した組合せ物品がユーザ所望の物品であったとき(作業ロボット102 による物品の移動及び非移動を含む)には、ステップS1502に移行する一方、利用されていないとき、提示した組合せ物品がユーザ所望の物品でなかったときには、ステップS1504に移行する。
ステップS1502では、組合せ管理データベース106 を参照して、ユーザが利用した組合せ(組合せID)と優先ポイントとを抽出する。そして、ステップS1503で、予め設定された加算ポイント(組合せの利用1回に付き加算されるポイント)を、上記優先ポイントに加算し、その加算後の優先ポイントを組合せ管理DB106 に登録する。こうして、優先ポイントの更新を行う。
一方、ステップS1504では、組合せ管理DB106 に登録されていない組合せ(未登録組合せ)を、ユーザが利用したか否かを判定する。この判定は、物品DB160 の物品履歴データ612 を参照することで確認することができる。つまり、同一時刻に、同一人物が複数の物品の取扱いを行っていたときには、物品を組み合わせて利用したと判定することが可能である。そして、未登録組合せを利用していないとき(NOのとき)には、そのまま処理を終了する一方、未登録組合せを利用したとき(YESのとき)には、ステップS1505で、その物品の組合せを、組合せ管理DB106 に新規登録する。つまり、新たな組合せIDに対応付けて、物品IDと優先ポイントの初期値とを記憶させる。
尚、上述したように、ユーザは組合せ管理手段104 を介して、手動で組合せ管理DB106 に蓄積された各組み合わせの優先ポイントを更新することができると共に、新たな組合せを新規登録することができる。
次に、新たな物品が購入されたとき、及び物品が廃棄されたときにおける、組合せ管理DB106 の更新処理について、図18を参照しながら説明する。この処理は、既定組合せデータベース123 を利用する処理である。既定組合せデータベース123 の構成は、図12に示す組合せ管理DB106 と略同じであって、一般的に利用されている物品の組合せが登録されている。この既定組合せDB123 には、登録されている各組合せに対応付けられて優先ポイントの初期値や、ポイント補正内容等に必要なデータも併せて登録されている。この既定組合せDB123 は、本物品管理システム上に設けてもよいし、例えば外部ネットワーク(インターネット)上に設けてもよい。サーバ101 は必要に応じて外部ネットワークを介して上記既定組合せDB123 を参照する。このように、外部ネットワーク上に既定組合せDB123 を設けるときには、その既定組合せDB123 を、ユーザの属性別や地域別に分類してもよい。こうすることで、適切な組合せを、サーバ101 に提供することが可能になる。
この組合せ管理DB106 の更新処理は先ず、ステップS1901で、移動体が物品を取り扱っていることを、センシング手段120 が検出したときには、その取扱い内容の判定を行う。これによって、新たな物品が環境内に持ち込まれたこと、又は物品が廃棄されたことの判定を行う。例えば、外出していた移動体が環境内に入ったときに、物品/移動体DB160 に登録されていない物品が移動体と共に環境内に入ったときには、その物品は新たに購入されたと判定することができる。また、物品がゴミ箱内に移動した(ゴミ箱に捨てられた)ときや、移動体が物品を持ったまた外出し、その物品を持ち帰ることなく移動体が環境内に戻ったときには、その物品は廃棄されたと判定することができる。
そして、新たな物品が購入されたときには、ステップS1902で、組合せ管理手段104 は、既定組合せデータベース123 を参照して、新規購入した物品を含む組合せを抽出する。このときに複数の組合せが該当するときには、その全てを抽出する。
次に、ステップS1903では物品/移動体DB160 を検索し、上記ステップS1902で抽出した組合せに含まれる物品が上記物品/移動体DB160 に登録されているか否かを判定する(ステップS1904)。登録されていない物品が存在するときには、そのまま処理を終了し、全ての物品が登録されているときには、ステップS1905で、その組合せを新たな物品の組合せとして組合せ管理DB106 に新規登録する。尚、複数の組合せが抽出されたときには、組合せに含まれる全ての物品が物品/移動体DB160 に登録されている組合せのみを、組合せ管理DB106 に新規登録すればよい。
一方、上記ステップS1901で、物品が廃棄されたと判定されたときには、続くステップS1906で、組合せ管理DB106 を参照して廃棄された物品を含む組合せを全て抽出する。
そして、ステップS1907で、その抽出した組合せを組合せ管理DB106 から削除する。このときに、組合せのデータを組合せ管理DB106 から削除するのではなく、その組合せの優先ポイントをクリア(0にする)することにより、その組合せを登録判定値以下の組合せとして、組合せ管理DB106 に蓄積してもよい(仮登録状態とする)。こうすることで、廃棄された物品と同じ物品が新たに購入されたときには、その仮登録状態の組合せを参考にして、新たな組合せをDB106 新規に登録することも可能になる。
(物品移動処理)
物品移動処理は、ユーザが物品を取り扱うときに、その物品に組み合わされる組合せ物品を提示するのではなく、物品の取扱いが行われていないときに組み合わせて取り扱われる複数の物品を作業ロボット102 によって移動させる処理を行う。これにより組み合わされて取り扱われる複数の物品は、予めまとめらることになる。
この処理を実行する場合の組合せ管理DB106 は、図20に示すように構成されていて、図12に示す組合せ管理DB106 と比較して、組合せIDに対応付けられた移動条件と保管場所とが追加されている。
移動条件は、組合せに含まれる物品を所定の位置(保管場所)に移動させる条件が設定されている。図例では、「組み合わせて取り扱われる複数の物品間の距離が所定距離以上である」、「複数の物品が互いに異なる部屋に存在する」、ことを移動条件として設定している。また、移動条件として、物品を移動させる時間帯や気候を設定することも可能である。
また、保管場所は、組合せに含まれる物品の移動先が設定されている。図例では、組合せIDが00001については棚1が設定されており、これにより、移動条件が成立したときにはこの組合せID00001に含まれる物品は全て棚1に移動される。また、組合せIDが00002については引き出し3が設定されており、これにより、移動条件が成立したときにはこの組合せID00002に含まれる物品は全て引き出し3に移動される。
次に、物品移動処理について、図19に示すフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、予め設定したタイミングで開始してもよいし、物品の取扱いが所定時間行われなかったときに開始してもよい。
先ずステップS1601では、組合せ管理手段104 が組合せ管理DB106 を参照し、そのDB106 に登録されている組合せを一つ抽出する。次に、ステップS1602で、その抽出した組合せに含まれる物品の現在位置を、物品/移動体DB105 を参照することによって確認する。
ステップS1603では、物品の現在位置に基づいて、組合せ管理DB106 に記憶されている移動条件を満たすか否かを判定し、条件を満たさないときにはそのまま処理を終了する。
一方、移動条件を満たしているときには、ステップS1604で組合せ管理DB106 を参照し、保管場所の確認をする。そして、その保管場所に物品を移動させることの可否について、操作端末103 を介してユーザに問い合わせる。ユーザが物品の移動を拒否したときには処理を終了し、物品の移動を許可したときには、ステップS1605で、サーバ101 の制御手段110 はロボット制御コマンドを作成し、それに基づいて、作業ロボット102 は物品の移動作業を実行する。こうして、組合せ管理DB106 に登録されている物品の組合せに含まれる全ての物品は、所定の位置に移動される。
尚、ステップS1601で、同じ物品が複数の組合せに含まれるときには、その全ての組合せをユーザに提示し、いずれの組合せに基づいて物品の移動を行うか(どの組合せの物品を一つにまとめるか)を、ユーザに選択させればよい。
次に、上記の組合せ提示処理、組合せ管理処理、物品移動処理に関して、具体例を挙げて説明する。
(具体例1)
ユーザが、給料日に印鑑と通帳を持って銀行へ行くシーンにおける、組合せ提示処理及び組合せ管理処理について説明する。このとき、組合せ管理DB106 は、図21(a)に示すように構成されているとする。
先ず、ユーザが印鑑を収容場所から取り出したときには、センシング手段120 はそのことを検出する。上述したように、印鑑に電子タグを取り付けると共に、収容場所の開口部にリーダライタを取り付けておいて、リーダライタが電子タグが付与された印鑑の通過を検出すればよい。このときに、物品/移動体検索・管理手段105 は、ユーザによって取り扱われた物品が印鑑であることを特定する。
次に、組合せ管理手段104 は、取扱い物品が印鑑であることを受けて、組合せ管理DB106 を検索し、その印鑑が含まれる組合せを全て抽出する。ここでは、組合せID00001の組合せと、組合せID00002の組合せとのそれぞれに印鑑が含まれるため、この2つの組合せが抽出される。
抽出した組合せIDが複数であるため、その複数の組合せIDの内で、優先ポイントが上位のものを一つ選択する。ここでは、組合せIDが00001の組合せが選択され、その組合せID:00001の組合せに含まれる物品(組合せ物品)である朱肉の情報が、操作端末103 に表示される。例えば「印鑑と一緒に、引き出しAに収納されている朱肉が必要ですか?」とユーザ(印鑑を取り扱う物品取扱主体)に対する問い合わせをすればよい。この問い合わせに対してユーザが「いいえ」と答えたときには、組合せID:00002の組合せに含まれる物品(ここでは通帳)の情報を、操作端末103 に表示する。これにより、例えば「印鑑と一緒に、引き出しBに収納されている通帳が必要ですか?」とユーザに対する問い合わせがなされる。ユーザが「はい」と答え、さらにその通帳の移動を要求したときには、制御手段110 がロボット制御コマンド列を作成し、そのコマンド列に従って作業ロボット102 が物品の移動作業を行うことで、通帳がユーザの元に届けられる。
この場合、組合せID:00002の組合せが利用されたことになるため、組合せ管理手段104 は、その組合せの優先ポイントに加算ポイントを加算して、組合せ管理DB106 に記憶されている優先ポイントの更新を行う。
このように、ユーザが物品を取り扱うときには、その物品と組み合わせて取り扱われる物品の情報が提示されるため、ユーザの作業の効率化が図られると共に、忘れ物の防止にも効果がある。
(具体例2)
上記と同様に、ユーザが、給料日に印鑑と通帳を持って銀行へ行くシーンにおける、組合せ提示処理及び組合せ管理処理について説明する。このとき、組合せ管理DB106 は、図21(b)に示すように構成されているとし、組合せ管理DB106 には、ポイント補正内容が設定されているとする。
組合せ管理手段104 は、上記と同様に、印鑑が含まれる組合せ(組合せID00003,00004)を抽出する。そして、組合せ管理手段104 は、取扱い状況を確認した上で、ポイント補正内容に従って優先ポイントの補正を行う。ここでは、組合せID:00003の組合せには、訪問者がきたとき(取扱い状況)は、優先ポイントを+200することが、ポイント補正内容として設定されているが、取扱い状況が当てはまらないため、優先ポイントの補正は行われない。一方、組合せID:00004の組合せには、給料日のとき(取扱い状況)は、優先ポイントを+500することが、ポイント補正内容として設定されているおり、取扱い状況が当てはまるため、優先ポイントが補正される。それによって補正後の組合せID:00004の優先ポイントは、6350となり、組合せID:00003の優先ポイントを超える。従って、この場合は、組合せID:00004の組合せが選択されて、その情報が操作端末103 を介してユーザに提示される。このように、取扱い状況に応じて優先ポイントの補正を行うことで、より適切な組合せの情報をユーザに提示することができる。
(具体例3)
上記と同様に、ユーザが、給料日に印鑑と通帳を持って銀行へ行くシーンにおける、組合せ管理処理について説明する。このとき、組合せ管理DB106 は、図21(c)に示すように構成されているとし、組合せ管理DB106 には、印鑑と通帳とを含む組合せが登録されていないとする。
この場合、ユーザが印鑑を取り扱っているときには、組合せ管理DB106 に登録されている組合せ(組合せID:00005)の組合せ物品である朱肉の情報がユーザに提示されるものの、朱肉はユーザ所望の物品ではないため、組合せ提示処理はそのまま終了する。
上記ユーザが通帳を保管場所から取り出したときには、センシング手段120 はそのことを検出し、物品/移動体検索・管理手段105 は通帳を特定する。これにより、印鑑と通帳とを組み合わせて取り扱うことが検出されることになる。
そのことを受けて、組合せ管理手段104 は組合せ管理処理を実行し、これによって、印鑑と通帳とを含む新たな組合せは、上記組合せ管理DB106 に登録(仮登録)されることになる。
(具体例4)
子供が、色鉛筆と塗り絵で遊ぶシーンにおける、組合せ提示処理について説明する。このとき、組合せ管理DB106 は、図21(d)に示すように構成されており、組合せIDに対応付けられて物品取扱主体が記憶されている。
先ず、子供が塗り絵を取り扱っていることを、センシング手段120 が検出すれば、物品/移動体検索・管理手段105 は、塗り絵と子供(物品取扱主体)とをそれぞれ特定する。
組合せ管理手段104 はそのことを受けて、組合せ管理DB106 を検索し、塗り絵と子供とを含む組合せを抽出する。これにより、組合せID:00006の組合せが抽出される。その組合せに含まれる組合せ物品である色鉛筆の情報が、操作端末103 によって提示される。
この場合は、塗り絵の物品取扱い主体が大人であるときには、上記組合せID:00006の組合せは抽出されないことになり、不要な情報が提示されることを抑制することができる。
尚、物品取扱主体に応じた組合せを抽出するには、図21(e)に示すように、物品取扱主体に応じたポイント補正内容を記憶させた物品組合せDB106 を用いることによって実現可能である。
(具体例5)
上記と同様に、子供が、色鉛筆と塗り絵で遊ぶシーンにおける、物品移動処理について説明する。このとき、組合せ管理DB106 は、図21(e)に示すように構成されているとし、組合せ管理DB106 には、移動条件及び保管場所が設定されているとする。
そして、上記子供が、色鉛筆と塗り絵で遊んだ後に、色鉛筆と塗り絵とをそれぞれ別の部屋に置いて外出したとする。センシング手段120 はそのことを検出し、物品/移動体DB160 には、色鉛筆と塗り絵の移動履歴が蓄積される。組合せ管理手段104 は、組合せ管理DB106 と物品/移動体DB160とをを参照して、各組合せの移動条件が成立しているか否かを判定する。ここで、組合せID:00007の組合せに対して設定された移動条件は、「他の部屋にある場合」と「外出時」とであり、この場合移動条件が成立する。そこで、組合せ管理手段104 は、ユーザに移動の可否を確認した上で、作業ロボット102 に移動作業を実行させる。その結果、色鉛筆と塗り絵とは、それぞれ設定されている保管場所(子供部屋のおもちゃ箱)に移動される。
尚、上記の各具体例は、一般家庭を対象としているが、この物品管理システムは、一般家庭だけでなく、オフィス、ホテル、店舗及び病院等の様々な空間に適用可能である。
例えば、電気店に適用した場合は、組合せ管理DB106 に、各電気機器とそれに必要な電池とを含む組合せを登録しておく。こうすることで、お客が電気機器を購入するときには、組合せ管理DB106 からその電気機器と組み合わせて取り扱われる電池の情報を抽出し、それを店内に設置した端末を介してお客に提示することが可能になる。また、作業ロボットを含むシステムであれば、必要な電池をお客の元に届けることも可能である。
また、例えば、飲食店に適用した場合は、組合せ管理DB106 に、コース料理の組合せを登録したり、例えばパスタとタバスコ、コーヒーと砂糖及びミルク、等の、食事の際に利用する物品を、料理と物品との組合せとして登録しておく。こうすることで、店員が配膳をするときには、その料理と組み合わされる物品の情報が店員に提示されるため、ミスを低減することができるという効果が得られる。
このように、本発明の物品管理システムは、所定の空間(環境)内に存在する物品の管理を行うシステムであって、上記空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベース61と、人の活動上、組み合わせて取り扱われる複数の物品の組合せを登録する組合せ管理データベース106 と、物品が物品取扱主体によって取り扱われていることを検出するセンシング手段120 と、上記センシング手段120 の検出結果を受けて、上記組合せ管理データベース106 を参照することによって、上記物品取扱主体に取り扱われている取扱い物品が含まれる組合せを抽出すると共に、上記抽出した組合せに含まれる上記取扱い物品以外の組合せ物品の情報を上記物品データベース61を参照することによって取得して、その組合せ物品の情報を出力する組合せ管理手段104 と、を備えるシステムである。
このように組合せ管理データベース106 を備えることで、物品取扱主体によって物品が取り扱われているときに、その取扱い物品と組み合わせて取り扱われる組合せ物品の情報を得ることができる。
本発明の物品管理システムは、組合せ管理手段104 からの組合せ物品の情報を受けて、当該情報を物品取扱主体に提示する提示手段(操作端末103 )をさらに備える。
これにより、物品の取扱いを行う物品取扱主体は、その物品(取扱い物品)と組み合わせて取り扱われる組合せ物品の情報を得ることができ、これら取扱い物品及び組合せ物品を利用した活動をスムースに実行することができる。
本発明の物品管理システムは、作業命令を受けて物品の移動作業を実行する作業ロボット102 と、組合せ管理手段104 からの組合せ物品の情報を受けて、その組合せ物品を取扱い物品の位置に移動させる作業命令を、上記作業ロボット102 に出力する制御手段110 と、をさらに備える。
これにより、作業命令を受けた作業ロボット102 は、物品取扱主体が取り扱っている取扱い物品の位置に組合せ物品を移動する。これにより、物品取扱主体の活動に必要な物品が手元に揃うため、取扱い物品及び組合せ物品を利用した活動をスムースに実行することができる。
本発明の物品管理システムでは、上記物品データベース61に蓄積されている物品の情報は、物品の現在位置の情報を含み、組合せ管理手段104 は、上記物品データベース61と組合せ管理データベース106 とを参照することによって、組合せに含まれる複数の物品同士(組み合わせて取り扱われる複数の物品同士)が互いに離れて置かれているときには、その複数の物品の情報を制御手段110 に出力し、制御手段110 は、組合せ管理手段104 からの複数の物品の情報を受けて、その複数の物品を、所定の位置に収集させる作業命令を、作業ロボット102 に出力する。
これにより、人の活動上、組み合わせて取り扱われる複数の物品は、作業ロボット102 によって所定の位置に集められ、その結果、組み合わせて取り扱われる複数の物品は、常時、一箇所にまとめられる。このため、人は、物品を利用した活動をスムースに開始することができ、活動の効率化を図ることができる。
本発明の物品管理システムでは、組合せ管理データベース106 に登録されている組合せ情報は、組合せの優先ポイントの情報を含み、上記組合せ管理手段104 は、取扱い物品が含まれる組合せが複数存在するときには、その複数の組合せの内から上記優先ポイントに基づいて選択した組合せ、つまり、優先ポイントが高い方の組合せに含まれる組合せ物品の情報を出力する。
こうすることで、取扱い物品に対して、より適切な組合せ物品の情報が出力されて、その適切な組合せ物品の情報が物品取扱主体に提示されたり、適切な組合せ物品が作業ロボット102 によって移動されたりする。
また本発明の物品管理システムでは、上記物品データベース61に蓄積された物品の情報は、物品の取扱い履歴を含み、上記組合せ管理手段104 は、物品の取扱い履歴を参照して、取り扱われた回数に応じて、取り扱われた回数が多いほど高くなるように、組合せの優先ポイントを更新する。
これにより、組合せの優先ポイントは、その組合せの過去の利用頻度に応じて設定されるため、その優先ポイントに基づいて組合せを選択することで、適切な組合せを選択することができる。
本発明の物品管理システムでは、上記組合せ管理手段104 は、センシング手段120 が組合せ管理データベース106 に登録されている組合せとは異なる組合せで複数の物品が取り扱われたことを検出したときには、その新たな組合せを組合せ管理データベース106 に仮登録すると共に、仮登録した組合せの優先ポイントが所定値を超えたときに、その仮登録した組合せを組合せ管理データベース106 に登録する。
これにより、組合せ管理データベース106 に未登録の組合せで複数の物品が取り扱われたときには、その組合せは組合せ管理データベース106 に自動的に登録される。この新たな登録された組合せは仮登録であるため、組合せ管理手段104 が取扱い物品が含まれる組合せを抽出する際には、検索対象とはされない。これにより、利用頻度の低い組合せに係る情報が出力されることが抑制される。一方、仮登録された組合せは、優先ポイントが所定値を超えたときに組合せ管理データベース106 に登録(本登録)され、これによって、組合せ管理手段104 の検索対象となる。
本発明の物品管理システムでは、上記組合せ管理手段104 は、組合せの優先ポイントを、取扱い物品の取扱い状況に応じて補正すると共に、その補正した優先ポイントに基づいて取扱い物品が含まれる組合せを選択する。
これにより、取扱い物品の取扱い状況に応じて最適な組合せを選択することができる。
本発明の他の物品管理システムは、所定の空間内に存在する物品の管理を行うシステムであって、上記空間内に存在する物品の現在位置の情報を蓄積する物品データベース61と、人の活動上、組み合わせて取り扱われる複数の物品の組合せを登録する組合せ管理データベース106 と、作業命令を受けて物品の移動作業を実行する作業ロボット102 と、上記物品データベース61と組合せ管理データベース106 とを参照することによって、組合せに含まれる複数の物品同士が互いに離れて置かれているときには、その複数の物品の情報を出力する組合せ管理手段104 と、上記組合せ管理手段104 からの複数の物品の情報を受けて、その複数の物品を、所定の位置に収集させる作業命令を、作業ロボット102 に出力する制御手段110 と、を備える。
このように組合せ管理データベース106 を備えることで、人の活動上、組み合わせて取り扱われる複数の物品は、作業ロボット102 によって所定の位置に集められ、その結果、組み合わせて取り扱われる複数の物品は、常時、一箇所にまとめられる。このため、人は、物品を利用した活動をスムースに開始することができ、活動の効率化を図ることができる。
(他の実施形態)
尚、上記実施の形態では、物品管理システムを、環境管理サーバ101 、ロボット102 、操作端末103 の3つのサブシステムからなり、それらサブシステム101 〜103 が無線又は有線等のネットワークを介して互いに情報をやりとりするような構成とした。しかし、物品管理システムはこの構成に限らず、例えば操作端末103 が環境管理サーバ101 に一体となった構成でもよい。
またロボット102 は1台ではなく複数台が協調しながら作業を並行して行う構成でもよい。さらに、ロボット102 は省略してもよい。
さらに、上記実施の形態の物品管理システムは、生活空間における物品の管理を行うシステムとしたが、本発明の物品管理システムは、例えば物品収容庫や冷蔵庫等の物品を収容する設備における物品の管理を行うシステムとすることもできる。つまり、移動体(物品取扱主体)が物品を物品収容庫から取り出そうとしたときに、その物品と組み合わせて取り扱われる組合せ物品(物品収容庫に収容されている物品)の情報を、その物品取扱主体に提示する。こうすることで、物品取扱主体は、活動上必要な物品を物品収容庫から一度に取り出すことが可能になる。
以上説明したように、本発明は、組合せ管理データベースと組合せ管理手段とが、人の活動上組み合わせて取り扱われる複数の物品の組合せを管理することによって、人の活動上の利便性を向上させることができ、所定の空間での物品の管理等について有用である。
本実施形態に係る物品管理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。 ゲート型のリーダライタを環境内のドアや窓に配置した例を示す図である。 背景差分法の原理を示す説明図である。 物品/移動体検索・管理手段の構成を示すブロック図である。 物品データベースの構成とその記載内容例を示す図である。 移動体データベースの構成とその記載内容例を示す図である。 物品の形状及び姿勢を説明するための図である。 実世界の座標と物品座標との関係を示す図である。 環境内で物品が移動する一例を説明する説明図である。 環境の実状況と、それに対応する環境マップとを例示する図である。 設備データ及び設備属性データの構成とその記載内容例を示す図である。 組合せ管理データベースの構成とその記載内容例とを示す図である。 作業ロボットの構成の一例を示す概略図である。 組合せ提示処理のフローチャートである。 変形例に係る組合せ提示処理のフローチャートの一部である。 変形例に係る組合せ管理データベースの構成とその記載内容例とを示す図である。 物品の取扱い履歴に係る組合せ管理処理のフローチャートである。 物品の新規購入及び廃棄に係る組合せ管理処理のフローチャートである。 物品の移動処理のフローチャートである。 物品の移動処理に係る組合せ管理データベースの構成とその記載内容例とを示す図である。 具体例に係る組合せ管理データベースの記載内容を示す図である。
符号の説明
101 環境管理サーバ(物品管理サーバ)
102 作業ロボット
103 操作端末(提示手段)
104 組合せ管理手段
106 組合せ管理データベース
110 制御手段
120 センシング手段
160 物品/移動体データベース
61 物品データベース

Claims (11)

  1. 所定の空間内に存在する物品の管理を行う物品管理システムであって、
    上記空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースと、
    人の活動上、組み合わせて取り扱われる複数の物品の組合せを登録する組合せ管理データベースと、
    物品が物品取扱主体によって取り扱われていることを検出するセンシング手段と、
    上記センシング手段の検出結果を受けて、上記組合せ管理データベースを参照することによって、上記物品取扱主体に取り扱われている取扱い物品が含まれる組合せを抽出すると共に、上記物品データベースを参照することによって、上記抽出した組合せに含まれる上記取扱い物品以外の組合せ物品の情報を取得して、その組合せ物品の情報を出力する組合せ管理手段と、を備える物品管理システム。
  2. 請求項1に記載の物品管理システムにおいて、
    組合せ管理手段からの組合せ物品の情報を受けて、当該情報を物品取扱主体に提示する提示手段をさらに備える物品管理システム。
  3. 請求項1に記載の物品管理システムにおいて、
    作業命令を受けて物品の移動作業を実行する作業ロボットと、
    組合せ管理手段からの組合せ物品の情報を受けて、その組合せ物品を取扱い物品の位置に移動させる作業命令を、上記作業ロボットに出力する制御手段と、をさらに備える物品管理システム。
  4. 請求項3に記載の物品管理システムにおいて、
    物品データベースに蓄積されている物品の情報は、物品の現在位置の情報を含み、
    組合せ管理手段は、上記物品データベースと組合せ管理データベースとを参照することによって、組合せに含まれる複数の物品同士が互いに離れて置かれているときには、その複数の物品の情報を制御手段に出力し、
    制御手段は、組合せ管理手段からの複数の物品の情報を受けて、その複数の物品を、所定の位置に収集させる作業命令を、作業ロボットに出力する物品管理システム。
  5. 請求項1に記載の物品管理システムにおいて、
    組合せ管理データベースに登録されている組合せ情報は、組合せの優先ポイントの情報を含み、
    組合せ管理手段は、取扱い物品が含まれる組合せが複数存在するときには、その複数の組合せの内から上記優先ポイントに基づいて選択した組合せに含まれる組合せ物品の情報を出力する物品管理システム。
  6. 請求項5に記載の物品管理システムにおいて、
    物品データベースに蓄積された物品の情報は、物品の取扱い履歴を含み、
    組合せ管理手段は、物品の取扱い履歴を参照して、取り扱われた回数に応じて組合せの優先ポイントを更新する物品管理システム。
  7. 請求項6に記載の物品管理システムにおいて、
    組合せ管理手段は、センシング手段が組合せ管理データベースに登録されている組合せとは異なる組合せで複数の物品が取り扱われたことを検出したときには、その新たな組合せを組合せ管理データベースに仮登録すると共に、仮登録した組合せの優先ポイントが所定値を超えたときに、その仮登録した組合せを組合せ管理データベースに登録する物品管理システム。
  8. 請求項5に記載の物品管理システムにおいて、
    組合せ管理手段は、組合せの優先ポイントを、取扱い物品の取扱い状況に応じて補正すると共に、その補正した優先ポイントに基づいて取扱い物品が含まれる組合せを抽出する物品管理システム。
  9. 所定の空間内に存在する物品の管理を行う物品管理システムであって、
    上記空間内に存在する物品の現在位置の情報を蓄積する物品データベースと、
    人の活動上、組み合わせて取り扱われる複数の物品の組合せを登録する組合せ管理データベースと、
    作業命令を受けて物品の移動作業を実行する作業ロボットと、
    上記物品データベースと組合せ管理データベースとを参照することによって、組合せに含まれる複数の物品同士が互いに離れて置かれているときには、その複数の物品の情報を出力する組合せ管理手段と、
    上記組合せ管理手段からの複数の物品の情報を受けて、その複数の物品を、所定の位置に収集させる作業命令を、作業ロボットに出力する制御手段と、を備える物品管理システム。
  10. 所定の空間内に存在する物品の管理を行う物品管理サーバであって、
    物品が物品取扱主体によって取り扱われていることの検出結果を受けて、人の活動上、組み合わせて取り扱われる複数の物品の組合せを登録する組合せ管理データベースを参照することによって、上記物品取扱主体に取り扱われている取扱い物品が含まれる組合せを抽出すると共に、上記空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースを参照することによって、上記抽出した組合せに含まれる上記取扱い物品以外の組合せ物品の情報を取得しかつ、その組合せ物品の情報を出力する組合せ管理手段を備える物品管理サーバ。
  11. 所定の空間内に存在する物品の管理を行う物品管理方法であって、
    物品が物品取扱主体によって取り扱われていることを検出するステップと、
    人の活動上、組み合わせて取り扱われる複数の物品の組合せを登録する組合せ管理データベースを参照して、上記物品取扱主体に取り扱われている取扱い物品が含まれる組合せを抽出するステップと、
    上記空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースを参照することによって、上記抽出した組合せに含まれる上記取扱い物品以外の組合せ物品の情報を取得するステップと、
    取得した組合せ物品の情報を出力するステップと、を含む物品管理方法。
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