JP2005055510A - 画像表示装置および画像表示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な回路構成で、配線による電気抵抗によって両端の給電部間の電圧低下に起因する輝度低下を抑制する画像表示装置および画像表示方法を提供する。
【解決手段】単純マトリクス型の表示画像装置において、1走査配線上の表示素子を複数のグループに分割する。複数のグループを時分割して表示駆動し、さらに同時に複数の走査配線を駆動する。これにより、時分割駆動の点灯時間の減少による輝度低下を防止するとともに、1走査配線上に流れる電流量を時間分散させて約半分にして、走査配線による電圧降下量を約半分にすることができ、電圧降下に起因する輝度低下の影響を大きく減少させる。
【選択図】 図3
【解決手段】単純マトリクス型の表示画像装置において、1走査配線上の表示素子を複数のグループに分割する。複数のグループを時分割して表示駆動し、さらに同時に複数の走査配線を駆動する。これにより、時分割駆動の点灯時間の減少による輝度低下を防止するとともに、1走査配線上に流れる電流量を時間分散させて約半分にして、走査配線による電圧降下量を約半分にすることができ、電圧降下に起因する輝度低下の影響を大きく減少させる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像表示装置および画像表示方法に関し、特に、マトリクス配線がされた複数の表示素子を備える表示パネルを用いて、テレビジョン信号やコンピュータなどの表示信号を受信し画像を表示するテレビジョン受信機やディスプレイ装置などに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、m本の走査配線およびn本の変調配線に配線され、マトリクス状に配列されたn×m個の表示素子を有し、走査配線に対して順次走査を行うとともに、列方向に変調を行うことによって、1走査配線分の素子群を同時に駆動していた。
【0003】
このように駆動する場合、走査配線において、配線による電気抵抗と前記素子郡の駆動電流とによって生じる両端の給電部間の電圧低下による輝度低下の不具合が問題となっている。
【0004】
そこで、このような表示素子に対する電気的な接続配線などの配線抵抗による電圧降下に起因する輝度低下を低減するための駆動方法が提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。
【0005】
特許文献1に記載された画像表示装置の構成を図13に示す。なお、図13においては、説明の簡略化のために4×4配線のマトリクス表示素子を例に示す。
【0006】
図13に示すように、画像表示装置においては、変調配線111,112,113,114が設けられている。また、変調配線111,113と変調配線112,114とは、画像データに基づく変調信号でそれぞれ極性の異なる信号が印加される。また、変調配線111〜114に対して直交して走査配線121,122,123,124が配置されている。走査配線121〜124には、選択走査信号電圧および非選択走査電圧から構成される走査駆動信号が印加される。
【0007】
これらの変調配線111〜114および走査配線121〜124における、それぞれの配線によってマトリクス配線が構成される。また、冷陰極電子源などの表示素子131a〜131d,132a〜132d,133a〜133d,134a〜134dは、マトリクス配線におけるそれぞれの交点に配置される。
【0008】
また、走査回路141によって、走査配線121〜124のうちの2つの配線が順次選択され、所定の駆動電圧が供給される。また、変調回路142は、変調配線111〜114に表示すべき画像データに基づく電圧(情報駆動信号)を供給可能に構成されている。
【0009】
また、シフトレジスタ143は、例えば2ライン分のラインメモリを有し、シリアルに送られてくる画像データ140を2ライン分格納するように構成されている。
【0010】
そして、それぞれのラインより部分的に抽出した画像情報で、1ライン分相当の表示データを形成し、これをパラレルに変調回路142に送出する。この1ライン分相当のパラレルデータに基づいて、変調回路142が変調配線へ情報信号の印加を行い、マルチ冷陰極電子源191の分割駆動を実現する。なお、この分割駆動については、後述する。
【0011】
また、走査回路141、変調回路142およびシフトレジスタ143の同期をとる機能を有するタイミング制御回路144が設けられている。
【0012】
次に、分割駆動について説明する。具体的に、図13において、走査配線121,122は、走査回路141によって同時に選択されている。選択状態にある走査配線121,122に対しては、それぞれ極性が反対の選択走査電圧151,152が印加される。一方、走査配線123,124は、非選択状態となる。
【0013】
また、図13中、変調回路142により変調配線111〜114上に印加される情報駆動信号の一例を、情報駆動信号161,162,163,164として模式的に示す。
【0014】
以上の選択走査電圧151,152、非選択走査電圧153,154および情報駆動信号161〜164により、選択走査配線121,122上の表示素子131a,131c,132b,132dが表示駆動される。また、表示素子131b,131dおよび表示素子132a,132cは、情報駆動信号(画素情報信号)161〜164に関係しない非点灯の表示素子となる。
【0015】
この分割駆動を行うために、選択走査電圧151により表示される素子と、選択走査電圧152により表示される素子とによって、列方向に重複しないように、選択走査電圧151により表示される表示素子の情報駆動信号161,163と選択走査電圧152により表示される表示素子の情報駆動信号162,164とにおいて、互いに極性が異なる必要がある。同時に、選択走査電圧151,152においても、互いに極性を異ならせる必要がある。
【0016】
このように分割して駆動することにより、マトリクス駆動時の電流を複数の選択走査電極に分担させることが可能となり、1つの配線上を流れる電流を減少させて、表示素子部への駆動電圧の低下が抑制される。
【0017】
また、特許文献2においては、表示素子に対する駆動電圧の低下を抑制するために、1行ずつ線順次駆動走査させる構成を採用して、1走査線上の表示素子を時分割駆動する例が開示されている。
【0018】
【特許文献1】
特開平7−322180号公報
【特許文献2】
特開平11−288247号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来技術には、次のような問題があった。すなわち、特許文献1に記載された分割駆動の構成においては、変調手段としての変調回路(情報駆動回路)142、走査回路141の双方とも、極性が全く逆の情報駆動信号および選択走査電圧をそれぞれ出力しなければならない。
【0020】
そのため、回路構成が複雑になるとともに、それぞれ極性が全く逆の電圧を出力する電源をも必要となるため、コストが増加するという問題があった。
【0021】
これに対し、特許文献2に記載された時分割駆動の構成においては、表示素子の駆動電流を減少し、電圧低下に起因する輝度低下を低減することが可能である。
【0022】
ところが、時分割駆動することによって、1走査ライン上の表示素子を2グループに分けて時分割駆動した場合、それぞれの表示素子の点灯時間が半分になるので、輝度が時分割駆動する前の約半分に低下してしまう問題があった。
【0023】
したがって、この発明の目的は、簡単な回路構成で、配線による電気抵抗によって両端の給電部間の電圧低下に起因する輝度低下を抑制することが可能な画像表示装置および画像表示方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の第1の発明は、
表示パネルの走査配線に走査信号を供給する走査手段と、
表示パネルの変調配線に変調信号を供給する変調手段とを有し、
走査手段が、1つの選択期間において同時に隣接する複数の走査配線を選択する走査方式を実行可能に構成された画像表示装置において、
同時に選択される複数の走査配線に共通する変調配線に接続された複数の表示用素子を少なくとも一組含む第1のグループと、
同時に選択される複数の走査配線と、同時に選択される複数の走査配線に共通する変調配線とは異なる他の共通の変調配線に接続された別の複数の表示用素子を少なくとも一組含む第2のグループとを、時分割駆動可能に構成されていることを特徴とする画像表示装置である。
【0025】
この発明の第2の発明は、
表示パネルの走査配線に走査信号を供給する走査手段が、1つの選択期間において、同時に隣接する複数の走査配線を選択する画像表示方法において、
同時に選択される複数の走査配線に共通する変調配線に接続された複数の表示用素子を少なくとも一組含む第1のグループと、同時に選択される複数の走査配線と、同時に選択される複数の走査配線に共通する変調配線とは異なる他の共通の変調配線に接続された別の複数の表示用素子を少なくとも一組含む第2のグループとを、時分割駆動することを特徴とする画像表示方法である。
【0026】
この発明において、典型的には、同時に選択される複数の走査配線に同極性の選択電圧を印加可能に構成されており、同時に選択する複数の走査配線に、同極性の選択電圧を印加する。
【0027】
この発明において、典型的には、1フレーム内において、同一走査配線を複数回選択可能に構成されており、1フレーム内において、同一走査配線を複数回選択する。
【0028】
この発明において、好適には、走査回路が1つの選択期間において同時に隣接する複数の走査配線の数としては、2本または3本が好ましい。また、この発明において、好適には、表示素子のグループの数は、2つまたは3つが好ましい。
同一グループとしては、複数の隣接表示素子からなるグループ(ブロック)であってもよいし、複数の互いに隣接しない表示素子からなるグループであってもよい。
【0029】
また、この発明が適用可能な構成において採用できる表示素子としては、冷陰極素子やエレクトロルミネセンス素子(EL素子)などが挙げられる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態においては、特に特定的な記載がない限り技術の公知技術に関しては、その説明を省略する。
【0031】
(第1の実施形態)
まず、この発明の第1の実施形態による画像表示装置の表示素子について説明する。この第1の実施形態において、適用可能な表示素子としては、冷陰極素子やEL素子などが挙げることができるが、表示素子として冷陰極素子、特に、表面伝導型放出素子を用いた構成を例に説明する。
【0032】
この第1の実施形態による、冷陰極素子が単純マトリクスに配置された画像表示装置においては、走査配線に流れ込む電流と、走査配線の配線抵抗により電圧降下が発生し表示画像が劣化してしまうという現象に鑑み、冷陰極素子を行方向において、複数のグループに分割して時分割で駆動し、さらに列方向に重複して冷陰極素子を駆動することによって、走査配線における電圧降下が表示画像に与える影響を低減し、特に、この表示画像への電圧降下の影響の低減を比較的小さな回路規模で実現するものである。
【0033】
(表示パネルの時分割駆動方法)
まず、この発明の第1の実施形態による表示パネルの駆動方法について説明する。図1に、この発明の表示パネルを駆動した際に走査配線および変調配線の電圧供給端子に印加した電位のタイミング図を示す。
【0034】
図1に示すように、この第1の実施形態による表示パネルにおいては、時分割駆動する際に、2本の走査配線に同時に発光の機会を与える。従って、I番目の有効水平走査期間Hsはi行目および(i+1)行目のピクセルの発光の機会を与える期間とし(i:パネルの行数以下の自然数)、i行目および(i+1)行目の走査配線における電圧供給端子DxiおよびDx(i+1)に選択電位Vsを印加することにより選択される。また、それ選択電位Vsが印加された走査配線以外の走査配線における電圧供給端子Dxk(k=1,2,・・・,M、但しk≠i,i+1)には非選択状態とされ、非選択電位Vnsが印加される。
【0035】
ここで、この表示パネルの行数をN、表示パネルのリフレッシュレートをf[Hz]とすると、水平走査期間Hsは、およそ
Hs≒1/f/N[sec]
で表される。
【0036】
この第1の実施形態においては、基準電位をグランド電位(GND)とし、選択電位を基準電位よりも低い電位とし、かつ選択電位Vsと基準電位との電位差を、図2に示す表面伝導型放出素子の特性におけるVSELの半分とした。よって、Vsは−0.5VSELである。また非選択電位VnsはGNDとした。
【0037】
また、図1に示すように、変調配線の電位供給端子には、電圧振幅|VPWM|のパルス幅変調信号が供給された。ここで、変調配線に印加される電圧振幅とは、オフ時の変調配線電位と変調電位VPWMとの電位差である。また、オフ時の変調配線電位は、前述した基準電位と等しくしているため、その電圧振幅は、|VPWM|である。
【0038】
また、j番目の変調配線に供給するパルス幅変調信号のパルス幅は、表示する画像の第i行第j列のピクセルの画像データの大きさに応じて決定され、すべての変調配線にそれぞれのピクセルの画像データの大きさに応じたパルス幅変調信号が供給される。
【0039】
また、この第1の実施形態においては、時分割駆動のために、奇数番目の変調配線グループ(奇数グループ)と偶数番目の変調配線グループ(偶数グループ)との2つのグループに分割する。そして、図1に示すように、j(j:奇数),j+2,j+4・・・の変調配線の奇数グループには、1水平走査期間の最初のHs/2の期間で画像データに応じてパルスが印加され、j+1,j+3,j+5・・・の偶数グループには、1水平走査期間の後半のHs/2の期間で、画像データに応じてパルスが印加される。
【0040】
また、この第1の実施形態において、電位VPWMの値としては、+0.5VSELに設定した。この設定により、表面伝導型放出素子は、図2に示すように素子の両端に電圧VSELが印加されると、電子が放出される。他方、印加電圧がVthよりも小さい電圧においては、まったく電子が放出されず、選択行のみを発光させることが可能となる。この第1の実施形態による画像表示装置は、このような時分割駆動を行うパルス幅変調方式によって画像が表示される。
【0041】
(時分割駆動)
次に、時分割駆動について詳細に説明する。図3に、この第1の実施形態による時分割駆動を説明するためのブロック図を示す。
【0042】
図3に示すように、画像データに基づくパルス幅変調信号が変調配線241,242,243,244に印加され、これらの変調配線241〜244に直交して、走査配線251,252,253,254が配置される。そして、これらの走査配線251〜254には、上述した表示パネル1の駆動方法における選択電位および非選択電位である走査駆動信号が印加される。
【0043】
これらの変調配線241〜244および走査配線251〜254における、それぞれの配線によりマトリクス配線が構成される。なお、図3においては、説明の簡略化のため、4×4配線のマトリクス配線が示されているが、これに限定されるものではない。
【0044】
また、表示素子201a〜201d,202a〜202d,203a〜203d,204a〜204dは、それぞれ前述した表面伝導型放出素子を備えているとともに、マトリクス配線のそれぞれの交点に配置されている。
【0045】
また、図3において、走査手段としての走査回路231により、走査配線251〜254の2つの走査配線が同時に選択され、所定の同極性の駆動電圧に供給される。そして、次の水平走査期間において、前に選択した走査配線と次に選択する走査配線とが重複するように、2つの走査配線を選択していくことにより、順次選択走査が行われる。
【0046】
また、この第1の実施形態においては、走査回路231は、片側のみの場合で実現されている。なお、駆動電圧からの電圧降下量をさらに低減するために、走査回路を両端に設けるようにしても良い。
【0047】
変調回路232は、変調配線241〜244に表示すべき画像データに基づく電圧パルス(変調信号)を供給可能に構成されている。
【0048】
シフトレジスタ233は、シリアルに送られてきた画像データ260を1走査配線分格納して、ラッチ回路234にパラレルに送出可能に構成されている。
【0049】
また、ラッチ回路234は、シフトレジスタ233からのデータを1水平走査期間保持するためのメモリ手段であり、保持データを変調回路232に転送するように構成されている。そして、このパラレルデータに基づいて、変調回路232がデータの大きさに対応したパルス幅を有する電圧パルスを変調配線に印加して、表示駆動を行う。
【0050】
例えば、図3において、走査配線251,252は、走査回路231によって同時に選択され、選択状態となっている。選択状態になっている走査配線251,252に対しては、同極性の選択走査電圧221,222がそれぞれ印加される。一方、走査配線253,254は非選択状態となっている。
【0051】
また、図3には、それぞれの非選択状態にある走査配線253,254に印加される非選択走査電圧223,224の例を模式的に示している。この第1の実施形態において、非選択電位は、上述したように接地電位(GND)となっている。また、図3においては、変調回路232によって変調配線241〜244上に印加される変調信号211〜214の例を模式的に示している。
【0052】
変調信号211,213は、上述した表示パネルの駆動方法において説明した1水平走査期間Hsの前半のHs/2の期間において、奇数組の変調配線グループ(奇数グループ)である変調配線241,243にそれぞれ印加される。
【0053】
変調信号212,214は、前述した変調信号211,213と同極性の電圧で、1水平走査期間Hsの後半のHs/2の期間の間で、偶数組の変調配線グループである変調配線242,244にそれぞれ印加される。
【0054】
以上のような選択走査電圧221,222、非選択走査電圧223,224、および変調信号212,213により、選択走査配線251,252上の表示素子201a〜201d,202a〜202dが1水平走査期間Hsの間に時分割で表示駆動される。
【0055】
すなわち、最初のHs/2の間において、先に表示素子201a,201c,202a,202cが表示駆動され、続いて、残りのHs/2の間において表示素子201b,201d,202b,202dが表示駆動される。これによって、奇数組の表示素子グループと偶数組の表示素子グループとの時分割駆動が実現される。
【0056】
図3に示す状態においては、表示素子201a〜201d,202a〜202dが画像データに基づいた変調信号211〜214に応じて時分割で点灯される表示素子であり、表示素子203a〜203d,204a〜204dは、非選択走査電圧が印加される非選択画素の表示素子である。
【0057】
また、次の1水平走査期間においては、先に選択された走査配線と、走査配線とが重複するように順次選択される。従って、走査配線252,253に選択走査電圧が印加される。そして、表示素子202a〜202dと,それまで非点灯だった表示素子203a〜203dとが時分割で表示駆動される。
【0058】
以上のように、この第1の実施形態による時分割駆動は、走査回路231によって選択される複数の走査配線に、同極性の選択走査電圧が印加される。
【0059】
そして、変調回路32によって印加される、それぞれの変調配線241〜244上の変調信号211〜214により、選択された走査配線251,252上の表示素子201a〜201d,202a〜202dが時分割されて、半分ずつが駆動される。
【0060】
(システム全体、変調回路および走査回路)
以上、図3を用いて説明した表示素子201a〜204dに対する時分割表示の駆動に関する技術を、以下に説明するシステムに組み込むことにより、好適な画像表示装置を構成することができる。
【0061】
(表示パネルの構成)
すなわち、この第1の実施形態においては、表示素子として、表面伝導型電子放出素子を用いている。そして、表面伝導型電子放出素子を用いた単純マトリクス方式の冷陰極マルチ電子源において、優れた効果を実現することができる。
【0062】
具体的には、表示パネルはN×M素子(M,N:整数)で構成されている。表示パネルの概観、表面伝導型放出素子の構成および製造方法については、従来公知の構成および方法(例えば、特許文献1の記載を参照)を採用することができるので、その説明を省略する。また表面伝導型放出素子の素子特性に関しては、図2に示す素子特性を有する。
【0063】
(ハードウェア構成)
次に、ハードウェアの構成について説明する。図4に、この第1の実施形態によるハードウェアの回路構成を示す。
【0064】
図4に示すように、この第1の実施形態による画像表示装置においては、表示パネル1に走査回路2,2´が両側から接続されている。また、この走査回路2に、走査信号Tscanを供給する、同期信号分離回路3およびタイミング発生回路4が接続されている。
【0065】
また、同期信号分離回路3から出力された信号は、RGB変換回路7に供給され、RGB変換回路7からはRGB信号が出力される。また、この出力されたRGB信号は、逆γ処理部17に供給されて逆γ処理がされて、データ配列変換部9に供給される。データ配列変換部9からはデータ信号が出力されて、シフトレジスタ5に供給され、シフトレジスタ5は、変調配線数分の画像データID1〜IDNを出力可能に構成されている。
【0066】
これらの画像データID1〜IDNは、ラッチ回路6に供給され、ラッチ回路6から出力された変調配線分の画像データD1〜DNは、さらに変調回路8に供給される。変調回路8からは、画像データXD1〜XDNが出力される。
【0067】
そして、走査回路2,2´および変調回路8から出力された画像データは、それぞれ表示パネル1における走査配線および変調配線に供給される。なお、以上の画像データが供給される表示パネルの駆動に関する詳細は、後述する。
【0068】
(時分割駆動時の変調回路)
次に、時分割駆動時における変調回路8の動作について説明する。図5に、変調回路の回路構成を示す。
【0069】
図5に示すように、時分割駆動するための変調回路は、第1のPWMカウンタおよび第2のPWMカウンタと、それぞれの変調配線ごとのコンパレータおよび例えばFETからなるスイッチとを備えたパルス幅変調回路(PWM回路)である。また、画像データD1〜DNと変調回路の出力パルス幅の関係は、図6のようなリニアな関係にある。
【0070】
また、この変調回路8の出力波形の例を、図7Aおよび図7Bにそれぞれ3波形示す。図7Aは、奇数ラインの出力波形であり、図7Bは偶数ラインの出力波形である。
【0071】
図8に、この発明の第1の実施形態による変調回路の動作を示すタイミングチャートを示す。図8に示される、「Hsync」は、1水平走査期間の始まりを表す水平同期信号、「Dataload」は、ラッチ回路6へのロード信号である。また、画像データD1〜DNは、上述した変調回路の列1〜列Nへの入力信号、「Pwmstart」は、第1および第2のPWMカウンタの同期クリア信号、「Pwmclk」は、第1および第2のPWMカウンタのクロックである。なお、XD1〜XDNは、変調回路8における第1列〜第N列の出力を示す。
【0072】
図8に示すように、1水平走査期間が始まると、ラッチ回路6は画像データをラッチするとともに変調回路8にデータが転送される。
【0073】
図5に示す第1のPWMカウンタにより、図8に示すように、Pwmstart,Pwmclkに基づいてカウントが開始され、カウント値が255になるとカウンタがストップされて、カウント値の255を保持する。
【0074】
図5に示す第2のPWMカウンタは、図8に示すように、第1のPWMカウンタでカウント数が255になるとPwmclkに基づいてカウントを開始し、カウント値が255になるとストップし、カウント値を255に維持する。そして第1のPWMカウントが次に255になると、カウントをまた開始する。
【0075】
また、それぞれの列に設けられているコンパレータは、第1のPWMカウンタまたは第2のPWMカウンタのカウント値とそれぞれの列の画像データとを比較し、PWMカウンタの値が画像データ以上のときに「High」を出力し、それ以外の期間は「Low」を出力する。
【0076】
コンパレータの出力は,それぞれの奇数列のスイッチのゲートに接続されており、コンパレータの出力がLowの期間は、図8の上側(VPWM側)のスイッチがONされ、下側(GND側)のスイッチがOFFされるとともに、変調配線が電位VPWMとされる。
【0077】
逆に、コンパレータの出力がHighの期間は、VPWM側のスイッチがOFFされ、下側のスイッチがONされるとともに、変調配線の電位がGND電位とされる。
【0078】
このような回路構成、およびタイミングにより、時分割駆動の変調回路を実現することができる。なお、図5に示す回路構成は、あくまでも時分割駆動するための変調回路の一例であり、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、時分割駆動できる回路構成であればどのような回路構成を採用してもよい。
【0079】
(走査回路)
次に、走査回路2,2´について説明する。図4に示す走査回路2,2´は、表示パネル1に対して、1水平走査期間において、所定の走査を実行するために、図9に示すような接続端子Dx1〜DxMに対して、同極性の選択電位Vsまたは非選択電位Vnsを出力するための回路である。
【0080】
走査回路2,2´は、タイミング発生回路4からのタイミング信号Tscanに同期させて、一水平走査期間ごとに、選択している2本の走査配線を順次切り替え、走査を行う回路である。なお、タイミング信号Tscanは、垂直同期信号および水平同期信号などから作られるタイミング信号群である。また、図9に示すように、走査回路2,2´は、それぞれM個のスイッチとシフトレジスタなどから構成されている。これらのスイッチは、トランジスタやFET(電界効果トランジスタ)により構成するのが好ましい。
【0081】
(タイミング発生回路)
また、図4に示すタイミング発生回路4は、PLL回路が内蔵されており、様々な映像ソースの同期信号に同期させたタイミング信号を発生させ、それぞれの部の動作タイミング信号を発生させるための回路である。
【0082】
(逆γ処理部)
次に、逆γ処理部17について説明する。すなわち、通常CRT(Cathode Ray Tube)は、入力信号に対してほぼ2.2乗の発光特性(以下、逆γ特性)を備えている。また、変調回路8の説明において述べたように、この第1の実施形態においては、リニアな発光特性を示す。そのため、この逆γ処理部17は、CRTのガンマ特性を実施するために、入力映像信号に対して逆γ変換処理を行うためのブロックである。
【0083】
(データ配列変換部)
次に、データ配列変換部9について説明する。すなわち、図4に示すデータ配列変換部9は、RGBパラレルな映像信号であるRa,Ga,Baを表示パネルの画素配列に合わせてパラレル/シリアル変換処理を行うための回路である。
【0084】
(シフトレジスタおよびラッチ回路)
図4に示されるシフトレジスタ5により、シリアルなデータフォーマットから、それぞれの変調配線のパラレルな画像データID1〜IDNにシリアル/パラレル変換されて、ラッチ回路6に供給される。ラッチ回路6においては、1水平走査期間が開始される直前に、タイミング信号Dataloadによってシフトレジスタ5からのデータをラッチする。ラッチ回路6の出力は、パラレルな画像データD1〜DNとして変調回路8に供給される。
【0085】
以上のような構成において、時分割駆動と同時に2本走査配線を点灯して、画像の表示を行ったところ、走査配線による電圧降下量を減少させることができ、この電圧降下に起因する表示画質の劣化を抑制して、表示画質の改善を図ることができ、良好な画像を表示することが可能となった。また、時分割駆動による輝度低下の課題に対しても、複数ラインを同時に点灯することにより、点灯時間の減少による輝度低下を防止することが可能となる。
【0086】
そして、時分割に駆動させ、極性が同じ選択電位を同時に複数ラインに印加して点灯させるのみであるため、電源は、それぞれの走査回路2,2´および変調回路8において、それぞれ1つで実現でき、逆極性用の電源を削減することができる。また、これらの構成以外のハードウェア量も、従来のハードウェア量とほとんど差が無い程度の、簡単な構成で実現できるなど、非常に優れた効果がある。
【0087】
また、この第1の実施形態においては、パルス幅変調方式により実施したが、振幅変調方式や、図10に示すような、時間方向と電圧振幅方向との双方をともに変調させるような方式においても、同様に優れた効果を得られることが確認された。
【0088】
(第2の実施形態)
次に、この発明の第2の実施形態による表示素子における時分割駆動方式について説明する。なお、この第2の実施形態による表示素子は、図3に示す表示素子と同様である。
【0089】
この第2の実施形態においては、複数の走査配線が時分割駆動され、同時に複数の走査配線が選択走査される。そして、前に選択された走査配線と次に選択された走査配線とが重複しないように、2つの走査配線を選択するようにして、順次選択走査が行われて表示駆動される。
【0090】
図3に示すように、走査回路231は、走査配線251〜254から1つ以上の走査配線を順次選択し、所定の同極性の駆動電圧を供給するための回路である。
【0091】
この第2の実施形態においては、2つの走査配線が同時に選択され、これらの2つの走査配線に所定の同極性の駆動電圧が供給される。そして、順次選択する際に、前に選択した走査配線とは重複しないように、2本の走査配線を順次選択し、一旦、最後の走査配線まで選択されると、次に最初の行に戻り、1行ずらして、かつ1つ前に選択した走査配線とは重複しないように、複数の走査配線を順次選択していく。
【0092】
また、図3において、まず、最初の1水平走査期間においては、走査配線251,252は、走査回路231により同時に選択されて、選択状態となっている。選択状態になっている走査配線251,252に対しては、同極性の選択走査電圧221,222がそれぞれ印加される。一方、走査配線253,254は、非選択状態となっている。そして、次の1水平走査期間になると、走査配線253,254に選択走査電圧が印加される。
【0093】
前述した1水平走査期間Hsにおける前半のHs/2の間において、変調回路232により、それぞれの変調配線241,243に、変調信号がそれぞれ印加される。その後、1水平走査期間Hsの後半のHs/2の期間の間で、変調回路232によって変調信号が変調配線242,244にそれぞれ印加される。
【0094】
以上のような選択走査電圧221,222、非選択走査電圧223,224、および変調信号211〜214により、選択走査配線251,252上の表示素子201a〜201d,202a〜202dが1水平走査期間Hsの間に時分割に表示駆動される。すなわち、最初のHs/2の間において、先に表示素子201a,201c,202a,202cが表示駆動され、続いて、残りのHs/2の間において、表示素子201b,201d,202b,202dが表示駆動される。これにより、時分割駆動を実現することが可能となる。
【0095】
そして、次の1水平走査期間においては、走査配線253,254が選択され、そのため、それまで非点灯だった203a〜203d,204a〜204dの表示素子が時分割で表示駆動される。
【0096】
次に、図11に、この第2の実施形態によるN×M(M:偶数)のマトリクスにより構成される場合の、走査配線の選択する順序を示す。この第2の実施形態による表示素子における時分割駆動方式においては、いわゆる疑似インターレース駆動のように駆動される。
【0097】
なお、疑似インターレース駆動とは、例えばテレビジョン放送のように、入力映像信号がインターレースの場合、まず、奇数ラインのフィールドにおいては、(i−1)ライン(i:自然数)とiラインとが同時に選択された後、続いて(i+1)ラインと(i+2)ラインとが同時に選択されるようにし、順次これらの選択を垂直方向に繰り返して、表示を行い、他方、偶数ラインのフィールドにおいては、iラインと(i+1)ラインとが同時に選択された後、続いて、(i+2)ラインと(i+3)ラインとが同時に選択されるようにし、順次これらの選択を垂直方向に繰り返して表示を行う駆動方法である。
【0098】
すなわち、図11に示すように、常に先に選択した行を重複しないで走査配線が2ライン分を順次選択されていき、最終的に第M行まで選択されると、折り返して2行目および3行目が、次に選択されていく。なお、水平走査期間がM番目の時は2ライン分の選択ができないため、1ライン分だけ選択される。
【0099】
そして、1回目において、1フレームにおける奇数ラインが選択され、2回目において、偶数ラインが選択される。そして、2回目の走査において、最後のM行目のフレームのラインにおいては、重複させるラインが先にないため、M行目のフレームのラインの映像は、輝度が半分に落ちてしまう。そこで、M行目のフレームのラインに表示される映像に関しては、(M−1)行目のラインとM行目のラインとを一緒に点灯させることにより、輝度の低下を抑制することが可能となる。
【0100】
以上説明したように、この第2の実施形態においては、時分割駆動と同時に、複数の走査配線を同時に点灯させることにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0101】
なお、この第2の実施形態においては、走査回路231としては、片側のみに設けた場合でも実現することが可能であるが、第1の実施形態と同様にして走査回路2,2´のように両端に設ける方が、より好ましい。
【0102】
また、第1の実施形態と同様にして、この第2実施形態においては、パルス幅変調方式により実施したが、振幅変調方式や、図10Aおよび図10Bに示すような時間方向と電圧振幅方向双方とも変調させるような方式においても、同様に優れた効果を得られることが確認された。
【0103】
また、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様にして、同時に選択される走査配線の数を2本としているが、同時に選択する走査配線の数を3本としても同様の効果を得られることが確認された。なお、同時に選択する走査配線の数を4本以上とした場合においても効果は得ることが可能であるが、垂直解像度の劣化が生じる可能性がある。そのため、選択される走査配線の数としては、2本または3本であることが好ましい。
【0104】
(第3の実施形態)
次に、この発明の第3の実施形態による表示素子の時分割駆動方式について説明する。図12に、この第3の実施形態における表示素子の構成を示す。なお、図12において、説明を簡略化するために、6×6のマトリクス配線により構成されているが、必ずしも、この構成に限定されるものではない。
【0105】
また、この第3の実施形態おいては、時分割駆動する際に、表示素子を2つのグループに分け、これらの2つのグループのうちの行方向に対し、走査回路331から遠い側の半分をAグループ(変調配線341,342,343のグループ)、それ以外の走査回路331に近い方の半分をBグループ(変調配線344,345,346のグループ)とする。
【0106】
そして、1水平走査期間Hsの最初のHs/2の間において、Aグループの表示素子301a〜301c,…,306a〜306cを駆動させ、残りのHs/2の間において、Bグループの表示素子301d〜301f,…,306d〜306fを駆動させる。また、これと同時に、1水平走査期間中に2本の走査配線を駆動することによって、時分割駆動による表示駆動を行う。
【0107】
また、次の水平走査期間においては、前に選択した走査配線と次に選択する走査配線とが重複するようにして、2つの走査配線を選択していくことによって、順次選択走査が行われる。
【0108】
図12において、変調配線341〜346には、画像データに基づくパルス幅変調信号が印加される。また、それぞれの走査配線351〜356は、それぞれ変調配線341〜346と直交して配置される。
【0109】
この第3の実施形態においては、上述の第1の実施形態における表面伝導型放出素子を備える表示素子301a〜301f,302a〜302f,303a〜303f,304a〜304f,305a〜305dが、マトリクス配線のそれぞれの交点に配置されている。
【0110】
また、走査回路331により、走査配線351,352が選択されて、同極性の選択走査電圧321,322が印加され、選択状態となる。残りの走査配線353〜356の走査配線は、この第3の実施形態においては、GNDとなる非選択電位323〜326が印加されて、非選択状態となる。
【0111】
変調回路332は、1水平走査期間の最初のHs/2の期間に、画像データに基づいて変調配線341〜343に表示すべき画像データに基づく電圧パルス(変調信号)311〜313を印加するための回路である。
【0112】
そして、最初のHs/2の間に、電圧パルスが印加された後、変調回路332により残りのHs/2の間に、図12中の表示すべき画像データに基づく電圧パルス(変調信号)314〜316が、変調配線344〜346に印加される。
【0113】
そして、次の水平走査期間になると、走査回路331により、走査配線352,353が選択され、選択走査電圧321,322が印加される。そして、変調回路332によって、次の画像データに基づく変調信号が、変調配線341〜346に、前述したAグループ、Bグループに分割されて、時分割して印加される。これにより、最初の水平走査期間Hs/2の間において、表示素子302a〜302c,303a〜303cが点灯され、残りの水平走査期間Hs/2の間において、表示素子302d〜302f,303d〜303fが点灯される。
【0114】
走査配線351,354,355,356には、非選択電位(GND)が印加されて非選択状態となり、表示素子301a〜301f,304a〜304f,305a〜305f,306a〜306fは、それぞれ非点灯となる。
【0115】
以上のような選択走査電圧、非選択走査電圧および変調信号により、選択走査配線351,352に接続された表示素子301a〜301f,302a〜302fが1水平走査期間Hsの間に時分割で表示駆動され、最初のHs/2の間において、先に表示素子301a,301b,301c,302a,302b,302cが表示駆動し、次に残りのHs/2の間で表示素子301d,301e,301f,302d,302e,302fが表示駆動される。これにより、時分割駆動が達成される。
【0116】
また、輝度の減少を防止するために、3ライン同時に選択される場合には、時分割の表示駆動の最低時間は、Hs/3となる。この場合は、3グループに分割されることになる。さらに、この場合に輝度を向上させる場合には、時分割の最低時間としては、Hs/2とする。この場合は、2グループに分割される。
【0117】
以上説明したように、この第3の実施形態によれば、時分割駆動と同時に複数の走査配線を同時に点灯することによって、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0118】
また、第1および第2の実施形態と同様に、第3の実施形態においてはパルス幅変調方式により実施しているが、振幅変調方式や、図10Aおよび図10Bに示す時間方向と電圧振幅方向双方とを変調させる方式においても、同様に優れた効果が得られることが確認された。
【0119】
また、第3の実施形態においても、走査回路331は片側のみの場合でも実現することが可能であるが、第1および第2の実施形態と同様に、走査回路を両端に設けるのがより好ましい。
【0120】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づくそれぞれの種の変形が可能である。
【0121】
例えば、前述の実施形態において挙げた走査配線や変調配線の本数は、あくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる本数であってもよい。
【0122】
また、例えば上述の第1および第2の実施形態においては、変調ラインを奇数列のグループおよび偶数列のグループに分割し、また、第3の実施形態においては、画面を半分に分けてグループを作製し、時分割駆動を実行したが、変調ラインのグループの分け方に関しても、これに限定されるものではない。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、走査配線上の電圧降下による表示画像の劣化を、表示輝度を低下させることなく改善することが可能となる。また、同極性の変調信号を印加したり、また変調回路の出力タイミングを変化させたりすることにより、同時に同極性の選択走査電圧を複数の走査配線に印加するだけで、消費電源も従来に比して半分程度にすることができるのみならず、その他のハードウェア構成についても、大きな差を生じさせることがないので、非常に簡単なハードウェア量で実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による表示パネルの駆動方法を説明するためのタイミング図である。
【図2】この発明の第1の実施形態による表面伝導型放出素子の特性を示すグラフである。
【図3】この発明の第1の実施形態による時分割駆動の駆動方法を説明するためのブロック図である。
【図4】この発明の第1の実施形態による画像表示装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】この発明の第1の実施形態による画像表示装置における時分割駆動時の変調回路の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の第1の実施形態による画像表示装置における画像データと変調回路の出力パルス幅との関係を示すグラフである。
【図7】この発明の第1の実施形態による画像表示装置における時分割駆動時の変調回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図8】この発明の第1の実施形態による画像表示装置の変調回路のタイミングチャートである。
【図9】この発明の第1の実施形態による画像表示装置の走査回路の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の第1の実施形態による時間方向、振幅方向双方とも変調させた変調方式の例を示す図である。
【図11】この発明の第2の実施形態による画像表示装置における走査配線の選択順序を説明するためのブロック図である。
【図12】この発明の第3の実施形態による画像表示装置における時分割駆動の駆動方法を説明するためのブロック図である。
【図13】従来技術による画像表示装置の駆動方法を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1 表示パネル
2,2´,141,231,331 走査回路
3 同期信号分離回路
4 タイミング発生回路
5,143,233 シフトレジスタ
6 ラッチ回路
7 変換回路
8,32,142,232,332 変調回路
9 データ配列変換部
17 逆γ処理部
111〜114,241〜244,341〜346 変調配線
121〜124,251〜254,351〜356 走査配線
131a〜131d,132a〜132d,133a〜133d,134a〜134d,201a〜201d,202a〜202d,203a〜203d,204a〜204d,301a〜301f,302a〜302f,303a〜303f,304a〜304f,305a〜305d,306a〜306f 表示素子
140,260 画像データ
144 タイミング制御回路
161〜164 情報駆動信号
211〜214 変調信号
323〜326 非選択電位
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像表示装置および画像表示方法に関し、特に、マトリクス配線がされた複数の表示素子を備える表示パネルを用いて、テレビジョン信号やコンピュータなどの表示信号を受信し画像を表示するテレビジョン受信機やディスプレイ装置などに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、m本の走査配線およびn本の変調配線に配線され、マトリクス状に配列されたn×m個の表示素子を有し、走査配線に対して順次走査を行うとともに、列方向に変調を行うことによって、1走査配線分の素子群を同時に駆動していた。
【0003】
このように駆動する場合、走査配線において、配線による電気抵抗と前記素子郡の駆動電流とによって生じる両端の給電部間の電圧低下による輝度低下の不具合が問題となっている。
【0004】
そこで、このような表示素子に対する電気的な接続配線などの配線抵抗による電圧降下に起因する輝度低下を低減するための駆動方法が提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。
【0005】
特許文献1に記載された画像表示装置の構成を図13に示す。なお、図13においては、説明の簡略化のために4×4配線のマトリクス表示素子を例に示す。
【0006】
図13に示すように、画像表示装置においては、変調配線111,112,113,114が設けられている。また、変調配線111,113と変調配線112,114とは、画像データに基づく変調信号でそれぞれ極性の異なる信号が印加される。また、変調配線111〜114に対して直交して走査配線121,122,123,124が配置されている。走査配線121〜124には、選択走査信号電圧および非選択走査電圧から構成される走査駆動信号が印加される。
【0007】
これらの変調配線111〜114および走査配線121〜124における、それぞれの配線によってマトリクス配線が構成される。また、冷陰極電子源などの表示素子131a〜131d,132a〜132d,133a〜133d,134a〜134dは、マトリクス配線におけるそれぞれの交点に配置される。
【0008】
また、走査回路141によって、走査配線121〜124のうちの2つの配線が順次選択され、所定の駆動電圧が供給される。また、変調回路142は、変調配線111〜114に表示すべき画像データに基づく電圧(情報駆動信号)を供給可能に構成されている。
【0009】
また、シフトレジスタ143は、例えば2ライン分のラインメモリを有し、シリアルに送られてくる画像データ140を2ライン分格納するように構成されている。
【0010】
そして、それぞれのラインより部分的に抽出した画像情報で、1ライン分相当の表示データを形成し、これをパラレルに変調回路142に送出する。この1ライン分相当のパラレルデータに基づいて、変調回路142が変調配線へ情報信号の印加を行い、マルチ冷陰極電子源191の分割駆動を実現する。なお、この分割駆動については、後述する。
【0011】
また、走査回路141、変調回路142およびシフトレジスタ143の同期をとる機能を有するタイミング制御回路144が設けられている。
【0012】
次に、分割駆動について説明する。具体的に、図13において、走査配線121,122は、走査回路141によって同時に選択されている。選択状態にある走査配線121,122に対しては、それぞれ極性が反対の選択走査電圧151,152が印加される。一方、走査配線123,124は、非選択状態となる。
【0013】
また、図13中、変調回路142により変調配線111〜114上に印加される情報駆動信号の一例を、情報駆動信号161,162,163,164として模式的に示す。
【0014】
以上の選択走査電圧151,152、非選択走査電圧153,154および情報駆動信号161〜164により、選択走査配線121,122上の表示素子131a,131c,132b,132dが表示駆動される。また、表示素子131b,131dおよび表示素子132a,132cは、情報駆動信号(画素情報信号)161〜164に関係しない非点灯の表示素子となる。
【0015】
この分割駆動を行うために、選択走査電圧151により表示される素子と、選択走査電圧152により表示される素子とによって、列方向に重複しないように、選択走査電圧151により表示される表示素子の情報駆動信号161,163と選択走査電圧152により表示される表示素子の情報駆動信号162,164とにおいて、互いに極性が異なる必要がある。同時に、選択走査電圧151,152においても、互いに極性を異ならせる必要がある。
【0016】
このように分割して駆動することにより、マトリクス駆動時の電流を複数の選択走査電極に分担させることが可能となり、1つの配線上を流れる電流を減少させて、表示素子部への駆動電圧の低下が抑制される。
【0017】
また、特許文献2においては、表示素子に対する駆動電圧の低下を抑制するために、1行ずつ線順次駆動走査させる構成を採用して、1走査線上の表示素子を時分割駆動する例が開示されている。
【0018】
【特許文献1】
特開平7−322180号公報
【特許文献2】
特開平11−288247号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来技術には、次のような問題があった。すなわち、特許文献1に記載された分割駆動の構成においては、変調手段としての変調回路(情報駆動回路)142、走査回路141の双方とも、極性が全く逆の情報駆動信号および選択走査電圧をそれぞれ出力しなければならない。
【0020】
そのため、回路構成が複雑になるとともに、それぞれ極性が全く逆の電圧を出力する電源をも必要となるため、コストが増加するという問題があった。
【0021】
これに対し、特許文献2に記載された時分割駆動の構成においては、表示素子の駆動電流を減少し、電圧低下に起因する輝度低下を低減することが可能である。
【0022】
ところが、時分割駆動することによって、1走査ライン上の表示素子を2グループに分けて時分割駆動した場合、それぞれの表示素子の点灯時間が半分になるので、輝度が時分割駆動する前の約半分に低下してしまう問題があった。
【0023】
したがって、この発明の目的は、簡単な回路構成で、配線による電気抵抗によって両端の給電部間の電圧低下に起因する輝度低下を抑制することが可能な画像表示装置および画像表示方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の第1の発明は、
表示パネルの走査配線に走査信号を供給する走査手段と、
表示パネルの変調配線に変調信号を供給する変調手段とを有し、
走査手段が、1つの選択期間において同時に隣接する複数の走査配線を選択する走査方式を実行可能に構成された画像表示装置において、
同時に選択される複数の走査配線に共通する変調配線に接続された複数の表示用素子を少なくとも一組含む第1のグループと、
同時に選択される複数の走査配線と、同時に選択される複数の走査配線に共通する変調配線とは異なる他の共通の変調配線に接続された別の複数の表示用素子を少なくとも一組含む第2のグループとを、時分割駆動可能に構成されていることを特徴とする画像表示装置である。
【0025】
この発明の第2の発明は、
表示パネルの走査配線に走査信号を供給する走査手段が、1つの選択期間において、同時に隣接する複数の走査配線を選択する画像表示方法において、
同時に選択される複数の走査配線に共通する変調配線に接続された複数の表示用素子を少なくとも一組含む第1のグループと、同時に選択される複数の走査配線と、同時に選択される複数の走査配線に共通する変調配線とは異なる他の共通の変調配線に接続された別の複数の表示用素子を少なくとも一組含む第2のグループとを、時分割駆動することを特徴とする画像表示方法である。
【0026】
この発明において、典型的には、同時に選択される複数の走査配線に同極性の選択電圧を印加可能に構成されており、同時に選択する複数の走査配線に、同極性の選択電圧を印加する。
【0027】
この発明において、典型的には、1フレーム内において、同一走査配線を複数回選択可能に構成されており、1フレーム内において、同一走査配線を複数回選択する。
【0028】
この発明において、好適には、走査回路が1つの選択期間において同時に隣接する複数の走査配線の数としては、2本または3本が好ましい。また、この発明において、好適には、表示素子のグループの数は、2つまたは3つが好ましい。
同一グループとしては、複数の隣接表示素子からなるグループ(ブロック)であってもよいし、複数の互いに隣接しない表示素子からなるグループであってもよい。
【0029】
また、この発明が適用可能な構成において採用できる表示素子としては、冷陰極素子やエレクトロルミネセンス素子(EL素子)などが挙げられる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態においては、特に特定的な記載がない限り技術の公知技術に関しては、その説明を省略する。
【0031】
(第1の実施形態)
まず、この発明の第1の実施形態による画像表示装置の表示素子について説明する。この第1の実施形態において、適用可能な表示素子としては、冷陰極素子やEL素子などが挙げることができるが、表示素子として冷陰極素子、特に、表面伝導型放出素子を用いた構成を例に説明する。
【0032】
この第1の実施形態による、冷陰極素子が単純マトリクスに配置された画像表示装置においては、走査配線に流れ込む電流と、走査配線の配線抵抗により電圧降下が発生し表示画像が劣化してしまうという現象に鑑み、冷陰極素子を行方向において、複数のグループに分割して時分割で駆動し、さらに列方向に重複して冷陰極素子を駆動することによって、走査配線における電圧降下が表示画像に与える影響を低減し、特に、この表示画像への電圧降下の影響の低減を比較的小さな回路規模で実現するものである。
【0033】
(表示パネルの時分割駆動方法)
まず、この発明の第1の実施形態による表示パネルの駆動方法について説明する。図1に、この発明の表示パネルを駆動した際に走査配線および変調配線の電圧供給端子に印加した電位のタイミング図を示す。
【0034】
図1に示すように、この第1の実施形態による表示パネルにおいては、時分割駆動する際に、2本の走査配線に同時に発光の機会を与える。従って、I番目の有効水平走査期間Hsはi行目および(i+1)行目のピクセルの発光の機会を与える期間とし(i:パネルの行数以下の自然数)、i行目および(i+1)行目の走査配線における電圧供給端子DxiおよびDx(i+1)に選択電位Vsを印加することにより選択される。また、それ選択電位Vsが印加された走査配線以外の走査配線における電圧供給端子Dxk(k=1,2,・・・,M、但しk≠i,i+1)には非選択状態とされ、非選択電位Vnsが印加される。
【0035】
ここで、この表示パネルの行数をN、表示パネルのリフレッシュレートをf[Hz]とすると、水平走査期間Hsは、およそ
Hs≒1/f/N[sec]
で表される。
【0036】
この第1の実施形態においては、基準電位をグランド電位(GND)とし、選択電位を基準電位よりも低い電位とし、かつ選択電位Vsと基準電位との電位差を、図2に示す表面伝導型放出素子の特性におけるVSELの半分とした。よって、Vsは−0.5VSELである。また非選択電位VnsはGNDとした。
【0037】
また、図1に示すように、変調配線の電位供給端子には、電圧振幅|VPWM|のパルス幅変調信号が供給された。ここで、変調配線に印加される電圧振幅とは、オフ時の変調配線電位と変調電位VPWMとの電位差である。また、オフ時の変調配線電位は、前述した基準電位と等しくしているため、その電圧振幅は、|VPWM|である。
【0038】
また、j番目の変調配線に供給するパルス幅変調信号のパルス幅は、表示する画像の第i行第j列のピクセルの画像データの大きさに応じて決定され、すべての変調配線にそれぞれのピクセルの画像データの大きさに応じたパルス幅変調信号が供給される。
【0039】
また、この第1の実施形態においては、時分割駆動のために、奇数番目の変調配線グループ(奇数グループ)と偶数番目の変調配線グループ(偶数グループ)との2つのグループに分割する。そして、図1に示すように、j(j:奇数),j+2,j+4・・・の変調配線の奇数グループには、1水平走査期間の最初のHs/2の期間で画像データに応じてパルスが印加され、j+1,j+3,j+5・・・の偶数グループには、1水平走査期間の後半のHs/2の期間で、画像データに応じてパルスが印加される。
【0040】
また、この第1の実施形態において、電位VPWMの値としては、+0.5VSELに設定した。この設定により、表面伝導型放出素子は、図2に示すように素子の両端に電圧VSELが印加されると、電子が放出される。他方、印加電圧がVthよりも小さい電圧においては、まったく電子が放出されず、選択行のみを発光させることが可能となる。この第1の実施形態による画像表示装置は、このような時分割駆動を行うパルス幅変調方式によって画像が表示される。
【0041】
(時分割駆動)
次に、時分割駆動について詳細に説明する。図3に、この第1の実施形態による時分割駆動を説明するためのブロック図を示す。
【0042】
図3に示すように、画像データに基づくパルス幅変調信号が変調配線241,242,243,244に印加され、これらの変調配線241〜244に直交して、走査配線251,252,253,254が配置される。そして、これらの走査配線251〜254には、上述した表示パネル1の駆動方法における選択電位および非選択電位である走査駆動信号が印加される。
【0043】
これらの変調配線241〜244および走査配線251〜254における、それぞれの配線によりマトリクス配線が構成される。なお、図3においては、説明の簡略化のため、4×4配線のマトリクス配線が示されているが、これに限定されるものではない。
【0044】
また、表示素子201a〜201d,202a〜202d,203a〜203d,204a〜204dは、それぞれ前述した表面伝導型放出素子を備えているとともに、マトリクス配線のそれぞれの交点に配置されている。
【0045】
また、図3において、走査手段としての走査回路231により、走査配線251〜254の2つの走査配線が同時に選択され、所定の同極性の駆動電圧に供給される。そして、次の水平走査期間において、前に選択した走査配線と次に選択する走査配線とが重複するように、2つの走査配線を選択していくことにより、順次選択走査が行われる。
【0046】
また、この第1の実施形態においては、走査回路231は、片側のみの場合で実現されている。なお、駆動電圧からの電圧降下量をさらに低減するために、走査回路を両端に設けるようにしても良い。
【0047】
変調回路232は、変調配線241〜244に表示すべき画像データに基づく電圧パルス(変調信号)を供給可能に構成されている。
【0048】
シフトレジスタ233は、シリアルに送られてきた画像データ260を1走査配線分格納して、ラッチ回路234にパラレルに送出可能に構成されている。
【0049】
また、ラッチ回路234は、シフトレジスタ233からのデータを1水平走査期間保持するためのメモリ手段であり、保持データを変調回路232に転送するように構成されている。そして、このパラレルデータに基づいて、変調回路232がデータの大きさに対応したパルス幅を有する電圧パルスを変調配線に印加して、表示駆動を行う。
【0050】
例えば、図3において、走査配線251,252は、走査回路231によって同時に選択され、選択状態となっている。選択状態になっている走査配線251,252に対しては、同極性の選択走査電圧221,222がそれぞれ印加される。一方、走査配線253,254は非選択状態となっている。
【0051】
また、図3には、それぞれの非選択状態にある走査配線253,254に印加される非選択走査電圧223,224の例を模式的に示している。この第1の実施形態において、非選択電位は、上述したように接地電位(GND)となっている。また、図3においては、変調回路232によって変調配線241〜244上に印加される変調信号211〜214の例を模式的に示している。
【0052】
変調信号211,213は、上述した表示パネルの駆動方法において説明した1水平走査期間Hsの前半のHs/2の期間において、奇数組の変調配線グループ(奇数グループ)である変調配線241,243にそれぞれ印加される。
【0053】
変調信号212,214は、前述した変調信号211,213と同極性の電圧で、1水平走査期間Hsの後半のHs/2の期間の間で、偶数組の変調配線グループである変調配線242,244にそれぞれ印加される。
【0054】
以上のような選択走査電圧221,222、非選択走査電圧223,224、および変調信号212,213により、選択走査配線251,252上の表示素子201a〜201d,202a〜202dが1水平走査期間Hsの間に時分割で表示駆動される。
【0055】
すなわち、最初のHs/2の間において、先に表示素子201a,201c,202a,202cが表示駆動され、続いて、残りのHs/2の間において表示素子201b,201d,202b,202dが表示駆動される。これによって、奇数組の表示素子グループと偶数組の表示素子グループとの時分割駆動が実現される。
【0056】
図3に示す状態においては、表示素子201a〜201d,202a〜202dが画像データに基づいた変調信号211〜214に応じて時分割で点灯される表示素子であり、表示素子203a〜203d,204a〜204dは、非選択走査電圧が印加される非選択画素の表示素子である。
【0057】
また、次の1水平走査期間においては、先に選択された走査配線と、走査配線とが重複するように順次選択される。従って、走査配線252,253に選択走査電圧が印加される。そして、表示素子202a〜202dと,それまで非点灯だった表示素子203a〜203dとが時分割で表示駆動される。
【0058】
以上のように、この第1の実施形態による時分割駆動は、走査回路231によって選択される複数の走査配線に、同極性の選択走査電圧が印加される。
【0059】
そして、変調回路32によって印加される、それぞれの変調配線241〜244上の変調信号211〜214により、選択された走査配線251,252上の表示素子201a〜201d,202a〜202dが時分割されて、半分ずつが駆動される。
【0060】
(システム全体、変調回路および走査回路)
以上、図3を用いて説明した表示素子201a〜204dに対する時分割表示の駆動に関する技術を、以下に説明するシステムに組み込むことにより、好適な画像表示装置を構成することができる。
【0061】
(表示パネルの構成)
すなわち、この第1の実施形態においては、表示素子として、表面伝導型電子放出素子を用いている。そして、表面伝導型電子放出素子を用いた単純マトリクス方式の冷陰極マルチ電子源において、優れた効果を実現することができる。
【0062】
具体的には、表示パネルはN×M素子(M,N:整数)で構成されている。表示パネルの概観、表面伝導型放出素子の構成および製造方法については、従来公知の構成および方法(例えば、特許文献1の記載を参照)を採用することができるので、その説明を省略する。また表面伝導型放出素子の素子特性に関しては、図2に示す素子特性を有する。
【0063】
(ハードウェア構成)
次に、ハードウェアの構成について説明する。図4に、この第1の実施形態によるハードウェアの回路構成を示す。
【0064】
図4に示すように、この第1の実施形態による画像表示装置においては、表示パネル1に走査回路2,2´が両側から接続されている。また、この走査回路2に、走査信号Tscanを供給する、同期信号分離回路3およびタイミング発生回路4が接続されている。
【0065】
また、同期信号分離回路3から出力された信号は、RGB変換回路7に供給され、RGB変換回路7からはRGB信号が出力される。また、この出力されたRGB信号は、逆γ処理部17に供給されて逆γ処理がされて、データ配列変換部9に供給される。データ配列変換部9からはデータ信号が出力されて、シフトレジスタ5に供給され、シフトレジスタ5は、変調配線数分の画像データID1〜IDNを出力可能に構成されている。
【0066】
これらの画像データID1〜IDNは、ラッチ回路6に供給され、ラッチ回路6から出力された変調配線分の画像データD1〜DNは、さらに変調回路8に供給される。変調回路8からは、画像データXD1〜XDNが出力される。
【0067】
そして、走査回路2,2´および変調回路8から出力された画像データは、それぞれ表示パネル1における走査配線および変調配線に供給される。なお、以上の画像データが供給される表示パネルの駆動に関する詳細は、後述する。
【0068】
(時分割駆動時の変調回路)
次に、時分割駆動時における変調回路8の動作について説明する。図5に、変調回路の回路構成を示す。
【0069】
図5に示すように、時分割駆動するための変調回路は、第1のPWMカウンタおよび第2のPWMカウンタと、それぞれの変調配線ごとのコンパレータおよび例えばFETからなるスイッチとを備えたパルス幅変調回路(PWM回路)である。また、画像データD1〜DNと変調回路の出力パルス幅の関係は、図6のようなリニアな関係にある。
【0070】
また、この変調回路8の出力波形の例を、図7Aおよび図7Bにそれぞれ3波形示す。図7Aは、奇数ラインの出力波形であり、図7Bは偶数ラインの出力波形である。
【0071】
図8に、この発明の第1の実施形態による変調回路の動作を示すタイミングチャートを示す。図8に示される、「Hsync」は、1水平走査期間の始まりを表す水平同期信号、「Dataload」は、ラッチ回路6へのロード信号である。また、画像データD1〜DNは、上述した変調回路の列1〜列Nへの入力信号、「Pwmstart」は、第1および第2のPWMカウンタの同期クリア信号、「Pwmclk」は、第1および第2のPWMカウンタのクロックである。なお、XD1〜XDNは、変調回路8における第1列〜第N列の出力を示す。
【0072】
図8に示すように、1水平走査期間が始まると、ラッチ回路6は画像データをラッチするとともに変調回路8にデータが転送される。
【0073】
図5に示す第1のPWMカウンタにより、図8に示すように、Pwmstart,Pwmclkに基づいてカウントが開始され、カウント値が255になるとカウンタがストップされて、カウント値の255を保持する。
【0074】
図5に示す第2のPWMカウンタは、図8に示すように、第1のPWMカウンタでカウント数が255になるとPwmclkに基づいてカウントを開始し、カウント値が255になるとストップし、カウント値を255に維持する。そして第1のPWMカウントが次に255になると、カウントをまた開始する。
【0075】
また、それぞれの列に設けられているコンパレータは、第1のPWMカウンタまたは第2のPWMカウンタのカウント値とそれぞれの列の画像データとを比較し、PWMカウンタの値が画像データ以上のときに「High」を出力し、それ以外の期間は「Low」を出力する。
【0076】
コンパレータの出力は,それぞれの奇数列のスイッチのゲートに接続されており、コンパレータの出力がLowの期間は、図8の上側(VPWM側)のスイッチがONされ、下側(GND側)のスイッチがOFFされるとともに、変調配線が電位VPWMとされる。
【0077】
逆に、コンパレータの出力がHighの期間は、VPWM側のスイッチがOFFされ、下側のスイッチがONされるとともに、変調配線の電位がGND電位とされる。
【0078】
このような回路構成、およびタイミングにより、時分割駆動の変調回路を実現することができる。なお、図5に示す回路構成は、あくまでも時分割駆動するための変調回路の一例であり、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、時分割駆動できる回路構成であればどのような回路構成を採用してもよい。
【0079】
(走査回路)
次に、走査回路2,2´について説明する。図4に示す走査回路2,2´は、表示パネル1に対して、1水平走査期間において、所定の走査を実行するために、図9に示すような接続端子Dx1〜DxMに対して、同極性の選択電位Vsまたは非選択電位Vnsを出力するための回路である。
【0080】
走査回路2,2´は、タイミング発生回路4からのタイミング信号Tscanに同期させて、一水平走査期間ごとに、選択している2本の走査配線を順次切り替え、走査を行う回路である。なお、タイミング信号Tscanは、垂直同期信号および水平同期信号などから作られるタイミング信号群である。また、図9に示すように、走査回路2,2´は、それぞれM個のスイッチとシフトレジスタなどから構成されている。これらのスイッチは、トランジスタやFET(電界効果トランジスタ)により構成するのが好ましい。
【0081】
(タイミング発生回路)
また、図4に示すタイミング発生回路4は、PLL回路が内蔵されており、様々な映像ソースの同期信号に同期させたタイミング信号を発生させ、それぞれの部の動作タイミング信号を発生させるための回路である。
【0082】
(逆γ処理部)
次に、逆γ処理部17について説明する。すなわち、通常CRT(Cathode Ray Tube)は、入力信号に対してほぼ2.2乗の発光特性(以下、逆γ特性)を備えている。また、変調回路8の説明において述べたように、この第1の実施形態においては、リニアな発光特性を示す。そのため、この逆γ処理部17は、CRTのガンマ特性を実施するために、入力映像信号に対して逆γ変換処理を行うためのブロックである。
【0083】
(データ配列変換部)
次に、データ配列変換部9について説明する。すなわち、図4に示すデータ配列変換部9は、RGBパラレルな映像信号であるRa,Ga,Baを表示パネルの画素配列に合わせてパラレル/シリアル変換処理を行うための回路である。
【0084】
(シフトレジスタおよびラッチ回路)
図4に示されるシフトレジスタ5により、シリアルなデータフォーマットから、それぞれの変調配線のパラレルな画像データID1〜IDNにシリアル/パラレル変換されて、ラッチ回路6に供給される。ラッチ回路6においては、1水平走査期間が開始される直前に、タイミング信号Dataloadによってシフトレジスタ5からのデータをラッチする。ラッチ回路6の出力は、パラレルな画像データD1〜DNとして変調回路8に供給される。
【0085】
以上のような構成において、時分割駆動と同時に2本走査配線を点灯して、画像の表示を行ったところ、走査配線による電圧降下量を減少させることができ、この電圧降下に起因する表示画質の劣化を抑制して、表示画質の改善を図ることができ、良好な画像を表示することが可能となった。また、時分割駆動による輝度低下の課題に対しても、複数ラインを同時に点灯することにより、点灯時間の減少による輝度低下を防止することが可能となる。
【0086】
そして、時分割に駆動させ、極性が同じ選択電位を同時に複数ラインに印加して点灯させるのみであるため、電源は、それぞれの走査回路2,2´および変調回路8において、それぞれ1つで実現でき、逆極性用の電源を削減することができる。また、これらの構成以外のハードウェア量も、従来のハードウェア量とほとんど差が無い程度の、簡単な構成で実現できるなど、非常に優れた効果がある。
【0087】
また、この第1の実施形態においては、パルス幅変調方式により実施したが、振幅変調方式や、図10に示すような、時間方向と電圧振幅方向との双方をともに変調させるような方式においても、同様に優れた効果を得られることが確認された。
【0088】
(第2の実施形態)
次に、この発明の第2の実施形態による表示素子における時分割駆動方式について説明する。なお、この第2の実施形態による表示素子は、図3に示す表示素子と同様である。
【0089】
この第2の実施形態においては、複数の走査配線が時分割駆動され、同時に複数の走査配線が選択走査される。そして、前に選択された走査配線と次に選択された走査配線とが重複しないように、2つの走査配線を選択するようにして、順次選択走査が行われて表示駆動される。
【0090】
図3に示すように、走査回路231は、走査配線251〜254から1つ以上の走査配線を順次選択し、所定の同極性の駆動電圧を供給するための回路である。
【0091】
この第2の実施形態においては、2つの走査配線が同時に選択され、これらの2つの走査配線に所定の同極性の駆動電圧が供給される。そして、順次選択する際に、前に選択した走査配線とは重複しないように、2本の走査配線を順次選択し、一旦、最後の走査配線まで選択されると、次に最初の行に戻り、1行ずらして、かつ1つ前に選択した走査配線とは重複しないように、複数の走査配線を順次選択していく。
【0092】
また、図3において、まず、最初の1水平走査期間においては、走査配線251,252は、走査回路231により同時に選択されて、選択状態となっている。選択状態になっている走査配線251,252に対しては、同極性の選択走査電圧221,222がそれぞれ印加される。一方、走査配線253,254は、非選択状態となっている。そして、次の1水平走査期間になると、走査配線253,254に選択走査電圧が印加される。
【0093】
前述した1水平走査期間Hsにおける前半のHs/2の間において、変調回路232により、それぞれの変調配線241,243に、変調信号がそれぞれ印加される。その後、1水平走査期間Hsの後半のHs/2の期間の間で、変調回路232によって変調信号が変調配線242,244にそれぞれ印加される。
【0094】
以上のような選択走査電圧221,222、非選択走査電圧223,224、および変調信号211〜214により、選択走査配線251,252上の表示素子201a〜201d,202a〜202dが1水平走査期間Hsの間に時分割に表示駆動される。すなわち、最初のHs/2の間において、先に表示素子201a,201c,202a,202cが表示駆動され、続いて、残りのHs/2の間において、表示素子201b,201d,202b,202dが表示駆動される。これにより、時分割駆動を実現することが可能となる。
【0095】
そして、次の1水平走査期間においては、走査配線253,254が選択され、そのため、それまで非点灯だった203a〜203d,204a〜204dの表示素子が時分割で表示駆動される。
【0096】
次に、図11に、この第2の実施形態によるN×M(M:偶数)のマトリクスにより構成される場合の、走査配線の選択する順序を示す。この第2の実施形態による表示素子における時分割駆動方式においては、いわゆる疑似インターレース駆動のように駆動される。
【0097】
なお、疑似インターレース駆動とは、例えばテレビジョン放送のように、入力映像信号がインターレースの場合、まず、奇数ラインのフィールドにおいては、(i−1)ライン(i:自然数)とiラインとが同時に選択された後、続いて(i+1)ラインと(i+2)ラインとが同時に選択されるようにし、順次これらの選択を垂直方向に繰り返して、表示を行い、他方、偶数ラインのフィールドにおいては、iラインと(i+1)ラインとが同時に選択された後、続いて、(i+2)ラインと(i+3)ラインとが同時に選択されるようにし、順次これらの選択を垂直方向に繰り返して表示を行う駆動方法である。
【0098】
すなわち、図11に示すように、常に先に選択した行を重複しないで走査配線が2ライン分を順次選択されていき、最終的に第M行まで選択されると、折り返して2行目および3行目が、次に選択されていく。なお、水平走査期間がM番目の時は2ライン分の選択ができないため、1ライン分だけ選択される。
【0099】
そして、1回目において、1フレームにおける奇数ラインが選択され、2回目において、偶数ラインが選択される。そして、2回目の走査において、最後のM行目のフレームのラインにおいては、重複させるラインが先にないため、M行目のフレームのラインの映像は、輝度が半分に落ちてしまう。そこで、M行目のフレームのラインに表示される映像に関しては、(M−1)行目のラインとM行目のラインとを一緒に点灯させることにより、輝度の低下を抑制することが可能となる。
【0100】
以上説明したように、この第2の実施形態においては、時分割駆動と同時に、複数の走査配線を同時に点灯させることにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0101】
なお、この第2の実施形態においては、走査回路231としては、片側のみに設けた場合でも実現することが可能であるが、第1の実施形態と同様にして走査回路2,2´のように両端に設ける方が、より好ましい。
【0102】
また、第1の実施形態と同様にして、この第2実施形態においては、パルス幅変調方式により実施したが、振幅変調方式や、図10Aおよび図10Bに示すような時間方向と電圧振幅方向双方とも変調させるような方式においても、同様に優れた効果を得られることが確認された。
【0103】
また、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様にして、同時に選択される走査配線の数を2本としているが、同時に選択する走査配線の数を3本としても同様の効果を得られることが確認された。なお、同時に選択する走査配線の数を4本以上とした場合においても効果は得ることが可能であるが、垂直解像度の劣化が生じる可能性がある。そのため、選択される走査配線の数としては、2本または3本であることが好ましい。
【0104】
(第3の実施形態)
次に、この発明の第3の実施形態による表示素子の時分割駆動方式について説明する。図12に、この第3の実施形態における表示素子の構成を示す。なお、図12において、説明を簡略化するために、6×6のマトリクス配線により構成されているが、必ずしも、この構成に限定されるものではない。
【0105】
また、この第3の実施形態おいては、時分割駆動する際に、表示素子を2つのグループに分け、これらの2つのグループのうちの行方向に対し、走査回路331から遠い側の半分をAグループ(変調配線341,342,343のグループ)、それ以外の走査回路331に近い方の半分をBグループ(変調配線344,345,346のグループ)とする。
【0106】
そして、1水平走査期間Hsの最初のHs/2の間において、Aグループの表示素子301a〜301c,…,306a〜306cを駆動させ、残りのHs/2の間において、Bグループの表示素子301d〜301f,…,306d〜306fを駆動させる。また、これと同時に、1水平走査期間中に2本の走査配線を駆動することによって、時分割駆動による表示駆動を行う。
【0107】
また、次の水平走査期間においては、前に選択した走査配線と次に選択する走査配線とが重複するようにして、2つの走査配線を選択していくことによって、順次選択走査が行われる。
【0108】
図12において、変調配線341〜346には、画像データに基づくパルス幅変調信号が印加される。また、それぞれの走査配線351〜356は、それぞれ変調配線341〜346と直交して配置される。
【0109】
この第3の実施形態においては、上述の第1の実施形態における表面伝導型放出素子を備える表示素子301a〜301f,302a〜302f,303a〜303f,304a〜304f,305a〜305dが、マトリクス配線のそれぞれの交点に配置されている。
【0110】
また、走査回路331により、走査配線351,352が選択されて、同極性の選択走査電圧321,322が印加され、選択状態となる。残りの走査配線353〜356の走査配線は、この第3の実施形態においては、GNDとなる非選択電位323〜326が印加されて、非選択状態となる。
【0111】
変調回路332は、1水平走査期間の最初のHs/2の期間に、画像データに基づいて変調配線341〜343に表示すべき画像データに基づく電圧パルス(変調信号)311〜313を印加するための回路である。
【0112】
そして、最初のHs/2の間に、電圧パルスが印加された後、変調回路332により残りのHs/2の間に、図12中の表示すべき画像データに基づく電圧パルス(変調信号)314〜316が、変調配線344〜346に印加される。
【0113】
そして、次の水平走査期間になると、走査回路331により、走査配線352,353が選択され、選択走査電圧321,322が印加される。そして、変調回路332によって、次の画像データに基づく変調信号が、変調配線341〜346に、前述したAグループ、Bグループに分割されて、時分割して印加される。これにより、最初の水平走査期間Hs/2の間において、表示素子302a〜302c,303a〜303cが点灯され、残りの水平走査期間Hs/2の間において、表示素子302d〜302f,303d〜303fが点灯される。
【0114】
走査配線351,354,355,356には、非選択電位(GND)が印加されて非選択状態となり、表示素子301a〜301f,304a〜304f,305a〜305f,306a〜306fは、それぞれ非点灯となる。
【0115】
以上のような選択走査電圧、非選択走査電圧および変調信号により、選択走査配線351,352に接続された表示素子301a〜301f,302a〜302fが1水平走査期間Hsの間に時分割で表示駆動され、最初のHs/2の間において、先に表示素子301a,301b,301c,302a,302b,302cが表示駆動し、次に残りのHs/2の間で表示素子301d,301e,301f,302d,302e,302fが表示駆動される。これにより、時分割駆動が達成される。
【0116】
また、輝度の減少を防止するために、3ライン同時に選択される場合には、時分割の表示駆動の最低時間は、Hs/3となる。この場合は、3グループに分割されることになる。さらに、この場合に輝度を向上させる場合には、時分割の最低時間としては、Hs/2とする。この場合は、2グループに分割される。
【0117】
以上説明したように、この第3の実施形態によれば、時分割駆動と同時に複数の走査配線を同時に点灯することによって、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0118】
また、第1および第2の実施形態と同様に、第3の実施形態においてはパルス幅変調方式により実施しているが、振幅変調方式や、図10Aおよび図10Bに示す時間方向と電圧振幅方向双方とを変調させる方式においても、同様に優れた効果が得られることが確認された。
【0119】
また、第3の実施形態においても、走査回路331は片側のみの場合でも実現することが可能であるが、第1および第2の実施形態と同様に、走査回路を両端に設けるのがより好ましい。
【0120】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づくそれぞれの種の変形が可能である。
【0121】
例えば、前述の実施形態において挙げた走査配線や変調配線の本数は、あくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる本数であってもよい。
【0122】
また、例えば上述の第1および第2の実施形態においては、変調ラインを奇数列のグループおよび偶数列のグループに分割し、また、第3の実施形態においては、画面を半分に分けてグループを作製し、時分割駆動を実行したが、変調ラインのグループの分け方に関しても、これに限定されるものではない。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、走査配線上の電圧降下による表示画像の劣化を、表示輝度を低下させることなく改善することが可能となる。また、同極性の変調信号を印加したり、また変調回路の出力タイミングを変化させたりすることにより、同時に同極性の選択走査電圧を複数の走査配線に印加するだけで、消費電源も従来に比して半分程度にすることができるのみならず、その他のハードウェア構成についても、大きな差を生じさせることがないので、非常に簡単なハードウェア量で実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による表示パネルの駆動方法を説明するためのタイミング図である。
【図2】この発明の第1の実施形態による表面伝導型放出素子の特性を示すグラフである。
【図3】この発明の第1の実施形態による時分割駆動の駆動方法を説明するためのブロック図である。
【図4】この発明の第1の実施形態による画像表示装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】この発明の第1の実施形態による画像表示装置における時分割駆動時の変調回路の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の第1の実施形態による画像表示装置における画像データと変調回路の出力パルス幅との関係を示すグラフである。
【図7】この発明の第1の実施形態による画像表示装置における時分割駆動時の変調回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図8】この発明の第1の実施形態による画像表示装置の変調回路のタイミングチャートである。
【図9】この発明の第1の実施形態による画像表示装置の走査回路の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の第1の実施形態による時間方向、振幅方向双方とも変調させた変調方式の例を示す図である。
【図11】この発明の第2の実施形態による画像表示装置における走査配線の選択順序を説明するためのブロック図である。
【図12】この発明の第3の実施形態による画像表示装置における時分割駆動の駆動方法を説明するためのブロック図である。
【図13】従来技術による画像表示装置の駆動方法を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1 表示パネル
2,2´,141,231,331 走査回路
3 同期信号分離回路
4 タイミング発生回路
5,143,233 シフトレジスタ
6 ラッチ回路
7 変換回路
8,32,142,232,332 変調回路
9 データ配列変換部
17 逆γ処理部
111〜114,241〜244,341〜346 変調配線
121〜124,251〜254,351〜356 走査配線
131a〜131d,132a〜132d,133a〜133d,134a〜134d,201a〜201d,202a〜202d,203a〜203d,204a〜204d,301a〜301f,302a〜302f,303a〜303f,304a〜304f,305a〜305d,306a〜306f 表示素子
140,260 画像データ
144 タイミング制御回路
161〜164 情報駆動信号
211〜214 変調信号
323〜326 非選択電位
Claims (4)
- 表示パネルの走査配線に走査信号を供給する走査手段と、
前記表示パネルの変調配線に変調信号を供給する変調手段とを有し、
前記走査手段が、1つの選択期間において同時に隣接する複数の走査配線を選択する走査方式を実行可能に構成された画像表示装置において、
同時に選択される複数の走査配線に共通する変調配線に接続された複数の表示用素子を少なくとも一組含む第1のグループと、
前記同時に選択される複数の走査配線と、前記同時に選択される複数の走査配線に共通する変調配線とは異なる他の共通の変調配線に接続された別の複数の表示用素子を少なくとも一組含む第2のグループとを、時分割駆動可能に構成されていることを特徴とする画像表示装置。 - 前記同時に選択される複数の走査配線に同極性の選択電圧を印加可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
- 1フレーム内において、同一走査配線を複数回選択可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
- 表示パネルの走査配線に走査信号を供給する走査手段が、1つの選択期間において、同時に隣接する複数の走査配線を選択する画像表示方法において、
同時に選択される複数の走査配線に共通する変調配線に接続された複数の表示用素子を少なくとも一組含む第1のグループと、前記同時に選択される複数の走査配線と、前記同時に選択される複数の走査配線に共通する変調配線とは異なる他の共通の変調配線に接続された別の複数の表示用素子を少なくとも一組含む第2のブロックとを、時分割駆動することを特徴とする画像表示方法。
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JP2003206103A JP2005055510A (ja) | 2003-08-05 | 2003-08-05 | 画像表示装置および画像表示方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020059336A1 (ja) * | 2018-09-18 | 2020-03-26 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | ディスプレイ駆動装置およびディスプレイの駆動方法 |
-
2003
- 2003-08-05 JP JP2003206103A patent/JP2005055510A/ja not_active Withdrawn
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WO2020059336A1 (ja) * | 2018-09-18 | 2020-03-26 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | ディスプレイ駆動装置およびディスプレイの駆動方法 |
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JP7357246B2 (ja) | 2018-09-18 | 2023-10-06 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | ディスプレイ駆動装置およびディスプレイの駆動方法 |
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