JP2005053030A - 印刷物の色調検査方法及び色調制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 印刷紙面ごとにカラーパッチを印刷するための余白部を必要とせず、測定環境の照度が変化した場合でも悪影響を受けないようにする。
【解決手段】 印刷機10によって刷り上げた印刷物18とこの印刷物18から独立して配置したパッチバー24とを、共通のエリアセンサカメラ22で同時に撮影する。予め特定した印刷物18中の特定位置とパッチバー24に表示されたカラーパッチとの色調差を画像処理装置32で検出し、この色調差の大きさによって印刷物18の色調の良否を検査する。制御処理装置36では画像処理装置32からの信号に基づき、印刷機10のインキ供給装置38を制御し、インキ供給装置38のインキ・キー区間ごとのインキ供給量を調節する。
【選択図】 図1
【解決手段】 印刷機10によって刷り上げた印刷物18とこの印刷物18から独立して配置したパッチバー24とを、共通のエリアセンサカメラ22で同時に撮影する。予め特定した印刷物18中の特定位置とパッチバー24に表示されたカラーパッチとの色調差を画像処理装置32で検出し、この色調差の大きさによって印刷物18の色調の良否を検査する。制御処理装置36では画像処理装置32からの信号に基づき、印刷機10のインキ供給装置38を制御し、インキ供給装置38のインキ・キー区間ごとのインキ供給量を調節する。
【選択図】 図1
Description
本発明は印刷物の色調検査方法及び色調制御方法に係り、特に印刷機によって同一の絵柄を繰り返し印刷する際に好適な印刷物の色調検査方法及び色調制御方法に関する。
多色印刷機によって同一の絵柄を繰り返し印刷する際の印刷物の色調を管理する方法としては、一般にカラーパッチ法が採用されている。この方法は繰り返し印刷される印刷紙面の余白に、使用するインキに対応したカラーパッチの列を印刷し、印刷されたカラーパッチのインキ濃度が目標値となるように、インキ・キーの開度を制御する方法である(例えば、特許文献1参照。)。この方法によれば品質の良い多色印刷を実現することができる。しかしながら、この方法では印刷紙面ごとにカラーパッチを印刷するための余白部が必要となる。また、カラーパッチを印刷した余白部は切り取ることになるので、その分、印刷紙面の有効印刷面積が狭くなり、裁断の手間が増えるという欠点がある。最近は余白部の減少化、零化のニーズが高まっており、裁断部分が無い印刷物にはこの方法は使えない。
上記カラーパッチ法の問題点を解決するために、例えば、特許文献2にカラーパッチを使わない印刷物の色調監視制御方法が開示されている。この方法は走行中の印刷物の分光反射率を用紙の走行方向に沿って連続的に測定した結果を平均化し、この平均分光反射率から得られた分光波形に基づいて印刷物の色調を監視制御する方法である。
特開平11−240137号公報
特開2002−225231号公報
この特許文献2に開示された方法はカラーパッチを使用しないので、前記したカラーパッチ法の問題点を解決することができる。しかしながら、この方法は絵柄全体の平均分光反射率を求める方法であるため、その測定,算出手段が複雑で高度になるという問題点がある。また、測定環境の照度が変化すると測定,算出された平均分光反射率に誤差が発生し、この誤差が印刷物の色調の変化として捉えられるという大きな欠点があった。すなわち、測定環境が外光の影響を受ける場合には、例えば昼間と夜間では測定位置での照度が大きく変化する。また、測定環境が外光の影響を受けない場合でも、照明器具は使用期間によって照度が変化する。また、照明器具は点灯直後と点灯から所定時間を経過した安定時では照度が変化する。このように、諸々の原因によって測定環境の照度が変化すると測定,算出された平均分光反射率も変化して誤差が発生する。この誤差が印刷物の色調の変化として捉えられるので、監視制御が不安定になる。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点や欠点を改善し、印刷紙面ごとにカラーパッチを印刷するための余白部を必要とせず、印刷紙面の有効印刷面積を大きくとることができ、かつ測定環境の照度が変化した場合でも悪影響を受けることがない印刷物の色調検査方法及び色調制御方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明に係る印刷物の色調検査方法は、印刷機によって刷り上げた印刷物の色調検査に用いるカラーパッチを前記印刷物から独立して配置したことを特徴とする。
また、本発明に係る印刷物の色調検査方法は、前記印刷物と前記カラーパッチとを、共通のエリアセンサで同時に撮影することによって、予め特定した前記印刷物中の特定位置と前記カラーパッチとの色調差を検出し、この色調差の大きさによって前記印刷物の色調の良否を検査することを特徴とする。
前記特定位置は前記印刷物中から選択された前記カラーパッチの色調と類似する色調の印刷部分であることが好ましい。また、この特定位置は前記印刷機のインキ・キーの区間ごとに特定された位置であり、前記検査をインキ・キーの区間ごとに行うことが好ましい。また、前記印刷物は移動中の印刷物であり、前記カラーパッチとエリアセンサが配置された地点を前記印刷物が通過する時に前記検査を行うことができる。
また、本発明に係る印刷物の色調制御方法は、上記の色調検査方法によって得られる色調差が一定値となるように印刷機でのインキ供給量を制御することを特徴とする。この制御を前記印刷機のインキ・キーの区間ごとに行うことが好ましい。
本発明の色調検査制御方法によれば、印刷物から独立して配置したカラーパッチを介在させることによって、印刷物の色調を検査し制御するようにした。したがって、印刷紙面ごとにカラーパッチを印刷するための余白部を必要とせず、印刷紙面の有効印刷面積を大きくとることができる。また、印刷物とカラーパッチとを共通のエリアセンサで同時に撮影することによって、印刷物の色調を検査し制御するようにした。したがって、測定環境の照度が変化した場合でも悪影響を受けることがなく、安定かつ精度よく印刷物の色調検査及び色調制御を行うことができる。
また、カラーパッチと対比する印刷物中の特定位置として、カラーパッチの色調と類似する印刷部分を選択するようにした。このため、カラーパッチと特定位置の色調差が小さくなり、印刷物中の特定位置の色調が微少に変化した時の変化率が相対的に大きくなるので、精度のよい印刷物の色調検査及び色調制御を行うことができる。さらに、特定位置を印刷機のインキ・キー区間ごとに特定し、検査及び制御をインキ・キー区間ごとに行うようにしたので、木目の細かい色調検査及び色調制御を行うことができる。
図1は本発明に係る印刷物の色調検査制御方法の実施形態を示す全体構成図である。印刷機10は輪転式の多色印刷機であり、4つの印刷ユニット12A,12B,12C,12Dを備えている。印刷ユニット12Aは黒色(ブラック)、印刷ユニット12Bは藍色(シアン)、印刷ユニット12Cは赤色(マゼンタ)、印刷ユニット12Dは黄色(イエロー)の印刷をそれぞれ受け持つ。給紙部14から給紙された印刷用紙16は4つの印刷ユニットを順次経ることによって所望の多色印刷が行われる。刷り上った印刷物18は一定の張力を付与されて後段工程に送られるが、その途中に検査部20を通過する。
検査部20にはエリアセンサカメラ22が配置されており、このエリアセンサカメラ22によって、通過する印刷物18の絵柄を撮影する。このエリアセンサカメラ22の視野X内にはパッチバー24が定位置に配置されており、エリアセンサカメラ22は印刷物18の絵柄と同時にパッチバー24をも同一画面で撮影する。パッチバー24は、図2に示したように二点鎖線で示したエリアセンサカメラ22の視野X内の下流側に印刷物18の全幅をカバーして配置される。なお、エリアセンサカメラ22の前後には照明器26が配設され、視野Xを照明している。
図3はパッチバー24の詳細を示す平面図である。パッチバー24には印刷物18の紙面幅に沿って、印刷機10のインキ・キーの区間Pごとにパターン化されたカラーパッチ群28が繰り返し表示されている。カラーパッチ群28は印刷ユニット12A,12B,12C,12Dで使用するインキの色に対応した単一色のカラーパッチ28A,28B,28C,28Dと特定色のカラーパッチ28Eによって構成される。すなわち、カラーパッチ28Aは印刷ユニット12Aで使用するインキの色に対応しており黒色(ブラック)の網点濃度が100%のパッチである。また、カラーパッチ28B,28C,28Dはそれぞれ印刷ユニット12B,12C,12Dで使用するインキの色に対応しており、藍色(シアン),赤色(マゼンタ),黄色(イエロー)の網点濃度がそれぞれ例えば80%のパッチである。カラーパッチ28Eは前記インキ・キーの区間Pの範囲内で最も表現したい特定色のパッチであり、例えば新緑の季節の若葉を最も鮮明に表現したい時は、藍色(シアン)の網点濃度が20%、黄色(イエロー)の網点濃度が90%の掛け合わせ色を選択する。また、別のインキ・キーの区間Pで夕焼け時の空色を強調したい時は、そのインキ・キーの区間におけるカラーパッチ28Eとして、黄色(イエロー)の網点濃度が10%、藍色(シアン)の網点濃度が10%、赤色(マゼンタ)の網点濃度が40%の掛け合わせ色を選択する。
上記のカラーパッチバー24を用いた検査制御フローは、図4に示したように大別して基準処理100と検査処理200と制御処理300に分けられる。図5は基準処理の概要を示す模式図である。まず、図1に示したエリアセンサカメラ22の視野X内に基準サンプル30を置く。基準サンプル30は顧客の校閲が済んだ校正刷り、または検査員が承認した印刷物であり、目的の印刷物と同一の絵柄が印刷されている。この基準サンプル30に対してパッチバー24をあてがい、エリアセンサカメラ22によって基準サンプル30とパッチバー24とを同時に撮影する。エリアセンサカメラ22で撮影された画像は画像処理装置32に送られ、ここで基準処理100が行われる。
図6は基準処理100のフロー図である。まず、S110ではエリアセンサカメラ22で撮影された画像が画像処理装置32に取り込まれる。S120では取り込んだ画像に基づいて、パッチバー24に表示されたすべてのカラーパッチの網点濃度を個々に測定する。S130ではすべてのカラーパッチについて、基準サンプル30に印刷された絵柄の中から対応する印刷機のインキ・キー区間Pの範囲内で類似した網点濃度の印刷部分を捜し出し、その位置を特定する。
図7は印刷物中の絵柄とカラーパッチ群28との関連を示す平面図である。インキ・キーの区間Pごとに、印刷された絵柄の中からカラーパッチ28A,28B,28C,28D,28Eと類似した網点濃度の印刷位置が特定される。すなわち、A部は黒色(ブラック)の網点濃度が100%のカラーパッチ28Aに類似した網点濃度の印刷位置である。B部は藍色(シアン)の網点濃度が例えば80%のカラーパッチ28Bに類似した網点濃度の印刷位置である。同様にC部,D部,E部はそれぞれカラーパッチ28C,28D,28Eに類似した網点濃度の印刷位置である。なお、カラーパッチ28Eは前記したように単一色ではなく、複数のインキを掛け合わせた特定色のパッチであるから、分解後の各色の網点濃度をベースとしてE部の位置が特定される。この結果、基準サンプル30に印刷された絵柄の中から選択された複数の特定位置が、パッチバー24に表示された複数のカラーパッチと1対1の関係で対応付けられる。
S140では各特定位置の網点濃度とこの特定位置に対応したカラーパッチの網点濃度との差を算出し、特定位置ごとの濃度差ΔD1〜nを記憶することによって、一連の基準処理が終了する。
次に、検査処理200について説明する。図8は検査処理200のフロー図である。印刷機10によって刷り上った印刷物18には前記した基準サンプル30と同一の絵柄が印刷されており、印刷機10の輪転ピッチで繰り返し検査部20を通過する。S210では検査部20を通過する印刷物18の絵柄をエリアセンサカメラ22によって輪転ピッチごとに撮影する。エリアセンサカメラ22の視野X内にはパッチバー24が定位置に配置されているので、エリアセンサカメラ22は印刷物18の絵柄と同時にパッチバー24をも同一画面で撮影する。撮影された画像は前記した画像処理装置32に取り込まれる。S220では取り込んだ画像に基づいて、パッチバー24に表示されたすべてのカラーパッチの網点濃度を個々に測定する。次のS230では基準処理の際に特定した特定位置を呼び出し、この特定位置を印刷物18に当て嵌めてその網点濃度を個々に測定する。S240では各特定位置の網点濃度とこの特定位置に対応したカラーパッチの網点濃度との濃度差d1〜nを算出する。
S250ではS240で求めた濃度差d1〜nの良否を判定する。この判定は前記の基準処理で算出し、記憶しておいた濃度差D1〜nとS240で求めた濃度差d1〜nとを対比することによって行う。例えば、基準処理時におけるある特定位置とこの特定位置に対応したカラーパッチの網点濃度との濃度差Dが10%であり、検査処理時の同一の特定位置での濃度差dが8%であり、両者の差し引き濃度差Δdが2%であったと仮定する。この結果は、検査処理時、すなわち実印刷時のその特定位置の特定されたインキの網点濃度が基準値よりも2%接近したことを意味している。また、この特定位置が黒色(ブラック)のカラーパッチ28Aと対応している場合には、図1において黒色(ブラック)を印刷する印刷ユニット12Aでのこの特定位置が属するインキ・キー区間Pでは黒色(ブラック)のインキ供給量が過剰気味であることを意味している。したがって、差し引き濃度差Δdの閾値を例えば1.5%に設定した場合には、上記の2%は閾値をオーバーしているのでインキ供給量が不良であると判定する。S250ではこのような判定をすべての特定位置について行う。
S260ではS250での判定結果をディスプレイ34に画面表示する。図9は画面表示の一例である。図9の縦行には4つの印刷ユニット名がB,C,M,Yの順に記載され、各印刷ユニットの項は印刷物の紙幅方向に配置されたインキ・キーに対応してインキ・キー番号1〜20の行を備える。したがって、図9には合計4×20=80個のインキ・キーに対応したデータが表示される。横列には基準処理時のカラーパッチと特定位置の絵柄の網点濃度とその濃度差D、検査処理時のカラーパッチと特定位置の絵柄の網点濃度とその濃度差d、濃度差Dと濃度差dとの差し引き濃度差Δd及び判定欄が設けてある。
この表示例に基づいて簡単な説明を加える。印刷ユニットがBでインキ・キー番号1のB−1区間の標準(黒単色)パッチの検査では差し引き濃度差Δdが2%である。一方、特定色を指定した特定パッチ検査では差し引き濃度差Δdが1%であり、B−1区間では黒色(ブラック)のインキ供給量が過剰気味であることを意味している。かつ、標準(黒単色)パッチの検査では差し引き濃度差Δdが2%であり、閾値1.5%を越えているので、B−1区間の判定は不良(+×)と表示される。B−2区間では標準(黒単色)パッチの検査では差し引き濃度差Δdが−1%である。また、B−2区間では特定色のパッチは指定されていないので、空欄になっている。したがって、単一データである差し引き濃度差Δd(−1%)が閾値±1.5%の範囲内にあるので、B−2区間の判定は良(○)と表示される。Y−19区間では標準(黄単色)パッチの検査では差し引き濃度差Δdが0%であり、特定色のパッチは指定されていないので、判定は良(○)と表示される。Y−20区間の標準(黄単色)パッチの検査では差し引き濃度差Δdが−1%である。また、特定色を指定した特定パッチ検査でも差し引き濃度差Δdが−2%であり、Y−20区間では黄色(イエロー)のインキ供給量が不足気味であることを意味している。かつ、特定パッチ検査の差し引き濃度差Δd(−2%)が閾値±1.5%の範囲を越えているので、Y−20区間の判定は不良(−×)と表示される。
なお、カラーパッチは前記したように黒色(ブラック)では網点濃度が100%、藍色(シアン),赤色(マゼンタ),黄色(イエロー)では網点濃度がそれぞれ例えば80%のパッチを用いる。しかしながら、基準処理、検査処理のいずれの場合でも、照明の具合によって測定されるカラーパッチの網点濃度に誤差が発生する。この誤差は通常、網点濃度を小さく測定するように作用する。しかしながら、本実施形態では基準処理、検査処理のいずれの場合でも、共通のエリアセンサカメラ22が印刷物とカラーパッチとを同時に撮影した画像に基づいて網点濃度の濃度差を算出するので、上記の誤差は特に問題とはならない。
図10は測定環境の照度が変化した場合の測定状況を示す模式図である。図10において時刻1では照度が十分に大きく、時刻2では照度が不足している。時刻1ではカラーパッチの網点濃度aが測定され、検査紙面特定位置の網点濃度bが測定され、その濃度差dが画像処理装置で算出される。時間が経過して時刻2になると同一の絵柄が照度不足によって網点濃度が小さく測定される。すなわち、時刻2では同一のカラーパッチの網点濃度a’が時刻1の網点濃度aよりもΔc小さい値として測定される。また、時刻2では同一の検査紙面特定位置の網点濃度b’も時刻1の網点濃度bよりもΔc小さい値として測定される。その結果、網点濃度a’と網点濃度b’の濃度差d’は時刻1での濃度差dと実質的に同一値となり、測定環境の照度が変化した場合でもその影響を受けない。前記したように本実施形態に係る検査処理は濃度差の大きさに基づいて印刷の良否を判定するから、この判定結果は測定環境の照度が変化した場合でもその影響を受けない。
図8に示したように、S260で判定結果を画面表示するとともに、S270では判定信号を制御処理装置36に送出する。制御処理装置36では画像処理装置32から送出されたインキ・キー区間ごとの判定信号に基づいて、4つの印刷ユニット12A,12B,12C,12Dのそれぞれに付設されたインキ供給装置38,38,……を制御する。
図11はインキ供給装置38の概略構成を示す模式図であり、インキ元ローラ40とインキ・キー42に囲われた部分がインキ壷44とされ、このインキ壷44内にインキ46が張り込まれている。個々のインキ・キー42にはアクチュエータ48が取り付けられている。このアクチュエータ48によってインキ・キー42を矢印Y方向に移動させることにより、インキ・キー42の開度Zが変化し、インキ元ローラ40に供給されるインキ量が調節される。インキ元ローラ40に付着したインキは呼び出しローラ50,練りローラ52,52,……の順に伸展され、図示しない版胴、ブランケット胴を介して印刷用紙に所望の網点濃度で印刷される。
図12はインキ壷44部分の平面図である。インキ元ローラ40に沿って複数(例えば20個)のインキ・キー42が並列しており、一個のインキ・キー42の幅が前記したインキ・キー区間Pに一致する。制御処理装置36はこれらの複数のインキ・キー42のそれぞれに取り付けられたアクチュエータ48を作動させることによって各インキ・キー42の開度Zを制御する。すなわち、前記画像処理装置32から送出されたインキ・キー番号ごとの判定信号にもとづいて、当該インキ・キー42からのインキ供給量を増加させる場合には、制御処理装置36は当該インキ・キー42の開度Zが大きくなるようにアクチュエータ48の作動を制御する。逆に、インキ・キー42からのインキ供給量を減少させる場合には、制御処理装置36は当該インキ・キー42の開度Zが小さくなるようにアクチュエータ48の作動を制御する。
インキ・キー42で供給されたインキがインキ元ローラ40,呼び出しローラ50、練りローラ52など多数のローラ群を経由してブランケット胴によって印刷用紙に印刷されるまでには数秒間のタイムラグがある。したがって、制御の頻度はこのタイムラグに対応して数秒間ごとに間欠的に行うようにしても十分である。このことは前記した検査処理時におけるエリアセンサカメラ22での撮影を数秒間単位で間欠的に行い、一連の画像処理と制御処理をその頻度で行えばよいことを意味している。この数秒間単位の制御周期を印刷機10の輪転ピッチに当て嵌めると、繰り返し印刷される印刷物に対し数十枚に1回の頻度で本実施形態に係る一連の処理を適用すればよいことになる。このような間欠的な制御周期は輪転機構に常設されているロータリーエンコーダとリンクさせると正確かつ容易に管理できる。
上述のとおり、本実施形態の色調検査制御方法によれば、印刷物18から独立して配置されたカラーパッチを介在させることによって、印刷物18の色調を検査し制御するようにした。したがって、印刷紙面ごとにカラーパッチを印刷するための余白部を必要とせず、印刷紙面の有効印刷面積を大きくとることができる。また、印刷物18とカラーパッチとを共通のエリアセンサカメラ22で同時に撮影することによって、印刷物18の色調を検査し制御するようにした。したがって、測定環境の照度が変化した場合でも悪影響を受けることがなく、安定かつ精度よく印刷物18の色調検査及び色調制御を行うことができる。
また、カラーパッチと対比する印刷物中の特定位置として、カラーパッチの網点濃度と類似する印刷部分を選択するようにした。このため、カラーパッチと特定位置の網点濃度差が小さくなり、印刷物18中の特定位置の網点濃度が微少に変化した時の変化率が相対的に大きくなるので、精度のよい印刷物18の色調検査及び色調制御を行うことができる。さらに、特定位置を印刷機10のインキ・キー区間Pごとに特定し、検査及び制御をインキ・キー区間Pごとに行うようにしたので、木目の細かい色調検査及び色調制御を行うことができる。
図13は上記実施形態において、パッチバーの配置を変更した場合の部分側面図である。エリアセンサカメラ22の視野X内には印刷物18の上流側,中間,下流側にパッチバー24A,24B,24Cが配置されている。これらの3本のパッチバーには同一パターンのカラーパッチが表示されている。エリアセンサカメラ22で撮影した画像に基づいてカラーパッチの網点濃度を測定する時は、3個のカラーパッチの平均値を採用する。この変形例によれば照明器26Aによる照明に偏りがある場合でも、カラーパッチの網点濃度を平均化して精度よく測定するので、検査及び制御の信頼性を高めることができる。
図14は上記実施形態において、エリアセンサカメラの配置を変更した場合の部分平面図である。印刷物18Aの紙面幅を2分するようにエリアセンサカメラ22A,22Bが並列している。エリアセンサカメラ22Aは視野X1によって紙面の左側半分を撮影し、エリアセンサカメラ22Bは視野X2によって紙面の右側半分を撮影し、それぞれの撮影画像が画像処理装置に取り込まれる。この変形例は印刷物18Aの紙面幅が大きく1個のエリアセンサカメラでは正確な画像を取り込むことが困難な場合に有効である。
図15はパッチバーとエリアセンサカメラの両方の配置を変更した場合の部分平面図である。印刷物18Bの検査面の中間と下流側にパッチバー24D,24Eが配置されている。また、印刷物18Bの検査面を4分してエリアセンサカメラ22D,22E,22F,22Gが配置されている。パッチバー24D,24Eには4分された検査面に対して最も適したカラーパッチが表示されている。この変形例も印刷物18Bの検査面積が大きい場合に有効である。
図16はパッチバーの一例を示す部分斜視図である。パッチバー24には印刷機10のインキ・キー区間Pごとにカラーパッチ札60を挿入するための溝62が5個づつ設けられている。これらの溝62は制御したいインキの単一色である黒色(ブラック)、藍色(シアン)、赤色(マゼンタ)、黄色(イエロー)及び特に検証したい特定色に対応している。したがって、パッチバー24のそれぞれの溝62に所望の網点濃度を有した各色のカラーパッチ札60を挿入して使用する。このように各色の網点濃度を選択可能なパッチバー24を用いると、印刷物のインキ・キー区間P単位の絵柄に対して最も好適なカラーパッチのパターンを形成できるので,精密な色調検査制御が可能となる。しかしながら、本発明に係るパッチバー24はこのようなカラーパッチ札60を入れ替える型式のものに限定されない。使用する各インキ色の網点濃度が100%のベタパッチを印刷した標準式のパッチバーを用いても、かなりのレベルで精度のよい色調検査制御ができる。
上述の実施形態では輪転式の多色印刷機に本発明を適用した場合について説明した。しかしながら、本発明の適用は輪転式印刷機に限らず、枚葉式の印刷機にも適用できる。また、多色印刷機に限らず単色印刷機にも本発明を適用できる。単色印刷機の場合には、単色の網点濃度が例えば100%、50%の2種のカラーパッチを用いると、信頼性の高い検査制御を行うことができる。
また、上述の実施形態では印刷物中の特定位置やカラーパッチの色調を測定する代表例として、網点濃度を測定する場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限らず、網点濃度以外の測定項目を検出することによって、色調を測定するようにしてもよい。また、エリアセンサとしてはカメラに限らず、他の光学的な撮影手段を用いるようにしてもよい。
本発明は照明器の交換時期の判断にも利用できる。同一のカラーパッチが表示されたパッチバーを長日数にわたって本発明を実施するために使用すると、照明器の衰えとともに、測定されたカラーパッチの見掛け網点濃度が低下してくる。図17はその状況を示したものである。したがって、カラーパッチの見掛け網点濃度の経時変化を記録することで、その値が所定値Q以下となった時を照明器の交換時期として判断することができる。
10………印刷機、12A,12B,12C,12D………印刷ユニット、18………印刷物、20………検査部、22………エリアセンサカメラ、24………パッチバー、26………照明器、28………カラーパッチ群、28A,28B,28C,28D,28E………カラーパッチ、30………基準サンプル、32………画像処理装置、34………ディスプレイ、36………制御処理装置、38………インキ供給装置、40………インキ元ローラ、42………インキ・キー、44………インキ壷、48………アクチュエータ。
Claims (7)
- 印刷機によって刷り上げた印刷物の色調検査に用いるカラーパッチを前記印刷物から独立して配置したことを特徴とする印刷物の色調検査方法。
- 前記印刷物と前記カラーパッチとを、共通のエリアセンサで同時に撮影することによって、予め特定した前記印刷物中の特定位置と前記カラーパッチとの色調差を検出し、この色調差の大きさによって前記印刷物の色調の良否を検査することを特徴とする請求項1に記載の印刷物の色調検査方法。
- 前記特定位置は前記印刷物中から選択された前記カラーパッチの色調と類似する色調の印刷部分であることを特徴とする請求項2に記載の印刷物の色調検査方法。
- 前記特定位置が前記印刷機のインキ・キーの区間ごとに特定された位置であり、前記検査をインキ・キーの区間ごとに行うことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の印刷物の色調検査方法。
- 前記印刷物は移動中の印刷物であり、前記カラーパッチとエリアセンサが配置された地点を前記印刷物が通過する時に前記検査を行うことを特徴とする請求項2、請求項3又は請求項4に記載の印刷物の色調検査方法。
- 請求項2乃至請求項5のいずれかに記載された色調検査方法によって得られる前記色調差が一定値となるように前記印刷機でのインキ供給量を制御することを特徴とする印刷物の色調制御方法。
- 前記制御を前記印刷機のインキ・キーの区間ごとに行うことを特徴とする請求項6に記載の印刷物の色調制御方法。
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JP (1) | JP2005053030A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012008067A (ja) * | 2010-06-28 | 2012-01-12 | Nippon Seiki Co Ltd | 表示板 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07276612A (ja) * | 1994-04-12 | 1995-10-24 | Datsuku Eng Kk | 品質検査方法 |
JPH09141837A (ja) * | 1995-11-24 | 1997-06-03 | Toko Inc | 印刷監視装置 |
JPH11240137A (ja) * | 1998-02-26 | 1999-09-07 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 色調管理システム |
-
2003
- 2003-08-01 JP JP2003284960A patent/JP2005053030A/ja active Pending
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