JP2005052901A - シート状研磨材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】バラツキの無い、高精度な研磨特性を有し、かつ、シート間及びシート内で厚みや研磨特性が均質なかつ良好であり、良好な性状を有するシート状研磨材料を安定して得る。
【解決手段】モノマーを樹脂板に含ませた後、該モノマーを重合して得られた複合材をスライスしてシート状研磨材料を得るに際して、モノマーを含ませる前に前記樹脂板のスキン層を除去する工程を有する。
【選択図】 なし
【解決手段】モノマーを樹脂板に含ませた後、該モノマーを重合して得られた複合材をスライスしてシート状研磨材料を得るに際して、モノマーを含ませる前に前記樹脂板のスキン層を除去する工程を有する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体の研磨に特に好適に用いられるシート状研磨材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリに代表される大規模集積回路(LSI)は、年々集積化が進んでおり、それに伴い大規模集積回路の製造技術も高密度化が進んでいる。さらに、この高密度化に伴い、半導体デバイス製造時の各要素の積層数も増加している。その積層数の増加により、従来は問題とならなかった積層で生ずる半導体ウェーハ主面の凹凸が問題となっている。その結果、例えば日経マイクロデバイス1994年7月号50〜57頁記載のように、積層によって生じる凹凸に起因する露光時の焦点深度不足を補う目的で、あるいはスルーホール部の平坦化による配線密度を向上させる目的で、化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)技術を用いた半導体ウェーハの平坦化が検討されている。
【0003】
一般にCMP装置は、被研磨物である半導体ウェーハを保持する研磨ヘッド、被研磨物の研磨処理をおこなうための研磨パッド、前記研磨パッドを保持する研磨定盤から構成されている。そして、半導体ウェーハの研磨処理は研磨剤と薬液からなる研磨スラリーを用いて、半導体ウェーハと研磨パッドを相対運動させることにより、半導体ウェーハ表面の層の突出した部分を除去し、ウェーハ表面の層を滑らかにするものである。
【0004】
CMPの研磨特性については、高い研磨レートの確保、スクラッチの防止、ウェーハの局所平坦性,グローバル平坦性,ユニフォーミティの確保等に代表される様々な要求がある。研磨パッドに関する従来技術としては、特許文献1に開示されているように、ポリエーテル系ウレタンプレポリマに硬化剤として4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)(略称名:MOCA)と、さらに独立気泡を有する構造とするためにマイクロバルーンを混合し硬化させて得られる、硬質発泡ポリウレタンが挙げられる。このタイプの研磨パッドは独立気泡を有するため研磨パッドの弾性特性が向上し、その結果、半導体基板表面の局所的な凹凸の平坦性が実用上耐えうるレベルのものが得られ、さらに研磨層表面に開口した気泡には研磨スラリーが蓄えられ、半導体基板研磨点への研磨スラリーの効果的な供給がなされるため、比較的高い研磨レートが得られ、またスクラッチが入りにくい等の特徴を有する。
【0005】
しかしながら、このタイプの研磨パッドは製品ロット間で研磨レート等の研磨特性が安定しないことが指摘される。我々が検討を行ったところでは、このタイプの研磨パッドは、製法上特に硬化反応(架橋反応)の制御が難しいため、得られる研磨パッドの品質再現性が十分ではなく、研磨特性が安定しないものと推察している。
【0006】
この課題を解決する方法として、発泡構造を有する軟質の樹脂板にモノマーを含ませ、重合硬化させる方法が知られている(特許文献2)。この方法によれば、研磨パッドに必要とされる特性である独立気泡を、製造時に気泡のコントロールが比較的容易な軟質の樹脂板の特性から、また、硬度をモノマーの重合硬化物の特性から得ることができ、上述の方法と比較して、独立気泡が均一に存在するような硬質の樹脂板からなる研磨パッドを、比較的簡便に、かつ品質再現性良く製造することができる。
【0007】
【特許文献1】
特表平8−500622号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2000−218551号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の方法を用いて硬質の樹脂板を作製し、該樹脂板を所定厚みのシート状研磨材料に加工する場合、厚みのある硬質の樹脂板を作製し、これをスライス加工してシート状研磨材料を得る方法が生産性の観点から有用である。しかし、この方法においても、モノマーの含ませた状態の不均一性や重合反応時の反応状態の不均一化が生じてしまい、スライス加工して得られるシート状研磨層の厚みムラが非常に大きくなることが判った。
【0010】
そこで、本発明は高精度な研磨特性を有し、かつ、シート間及びシート内で均質な品質を有するシート状研磨材料を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題に対して鋭意検討を重ね、その品質バラツキの問題がモノマー含ませる前の樹脂板に存在するスキン層に起因していることを解明し、本発明に到った。
【0012】
すなわち本発明の本旨とするところは、「モノマーを樹脂板に含ませた後、該モノマーを重合して得られた複合材をスライスしてシート状研磨材料を得る方法であって、モノマーを含ませる前に前記樹脂板のスキン層を除去する工程を有することを特徴とするシート状研磨材料の製造方法」である。また、種々の改良された発明を提案する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について例を挙げつつ詳細に説明する。
【0014】
本発明のシート状研磨材料の製造方法においては、樹脂板にモノマーを含ませ、該モノマーを重合し、こうして得られた複合材をスライスする、という3つの基本要素を含んでいる。
【0015】
本発明において用いるモノマーは後述する樹脂板に含ませることができ、重合可能なものが用いられる。係るモノマーとしては、樹脂板へ含ませ、重合が容易である点でビニル化合物を用いることが好ましい。具体的にはメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、アクリロニトリル、アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。中ではアクリル酸あるいはメタクリル酸の誘導体であるアクリル系モノマーを用いることが好ましい。また、これらのモノマーは単独であっても2種以上を混合しても使用できる。また、モノマーには、製造される研磨パッドの特性改良を目的として、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、安定剤、染料等の各種添加剤が添加されていても良い。
【0016】
これらのモノマーを重合する際に用いる重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、イソプロピルパーオキシジカーボネート等のラジカル開始剤を使用することができる。また、酸化還元系の重合開始剤、例えばパーオキサイドとアミン類の組合せを使用することもできる。これらの重合開始剤は、単独のみならず、2種以上を混合しても使用できる。この重合開始剤は含ませた時にモノマーに添加して用いたりモノマーを含ませる前に樹脂板に含有せしめたりすることが可能であるが、製品の均一性からはモノマーに添加して含ませることが望ましい。
【0017】
本発明に用いる樹脂板はモノマーが含ませることが可能な樹脂製の板状物であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ネオプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムおよびこれらを主成分とした樹脂板等が挙げられる。また、これらの樹脂板には、製造される研磨パッドの特性改良を目的として、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、安定剤、染料等の各種添加剤が含有されていても良い。なお、主成分とは概ね60重量%以上のことを言う。
【0018】
これらの樹脂板は、研磨特性に優れることから、独立気泡を有したものであることが好ましい。独立気泡を有した樹脂板を得る方法としては、樹脂板製造時における樹脂中への各種発泡剤の配合による化学発泡法が一般的であるが、機械的な撹拌により樹脂を発泡させたのち硬化させる方法、樹脂中に中空のマイクロビーズを分散後、硬化させマイクロビーズ部分を独立気泡とする方法等、を挙げることができる。
【0019】
独立気泡の平均気泡径は500μm以下であることが半導体基板の研磨に用いた時に局所的凹凸の平坦性が極めて良好となるので好ましい。より好ましくは300μm以下、さらには100μm以下である。下限としては特に制限はないが、研磨特性の観点から10μm程度である。なお、平均気泡径は樹脂板断面を倍率200倍の走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、SEM写真を画像処理装置で処理した後、求められた各々の気泡の直径の平均値をいう。
【0020】
本発明においては、研磨特性に優れた研磨材料が得られ、また、独立気泡径が比較的容易にコントールできて、均質性にも優れるのでポリウレタンを主成分とする樹脂板(ポリウレタン系発泡体)を用いることが好ましい。ポリウレタンとは、ポリイソシアネートの重付加反応または重合反応に基づき合成される高分子である。ポリイソシアネートと組み合わせて用いられる化合物としては、含活性水素化合物、すなわち、二つ以上のポリヒドロキシ基、あるいはアミノ基含有化合物である。ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど挙げることができる。ポリヒドロキシ基含有化合物としてはポリオールが代表的であり、ポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、エポキシ樹脂変性ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。硬度,気泡径および発泡倍率によって、ポリイソシアネートとポリオール、および触媒、発泡剤、整泡剤の組み合わせや最適量を決めることができる。
【0021】
本発明においては、先述の3つの基本要素に加えて、その樹脂板にモノマーを含ませる前に樹脂板からスキン層を除去する工程を有している。
【0022】
モノマーを樹脂板に含ませて重合を行い、それをスライスしてシート状研磨材料を得ようとしても通常の方法ではモノマーの含ませた状態の不均一化や重合反応時の反応状態の不均一化が生じてしまい、厚み精度や品質にバラツキが多く出、また、要求特性を満たさない物も生じる虞があった。本発明者らは、その原因が樹脂板に存在するスキン層であることを究明し、そのスキン層をあらかじめ除去しておくことで、最終的に得られるシート状研磨層の厚み精度を向上させられることを見いだした。
【0023】
本発明におけるスキン層とは、樹脂板において製造直後に存在する最表面層のことで、このスキン層は製造時の種々の要因により、化学組成が樹脂板内部層と異なるものである。たとえばポリウレタン系発泡体の場合では、製造直後の最表面層(スキン層)は内部層と比較して、単位体積あたりの気泡数や吸水率、密度などの物性が有為に異なる。
【0024】
このスキン層を除去する方法としてはダイヤモンドディスク,ベルトサンダー等の装置による研削加工、またはバンドナイフ,かんな板等によるスライス加工等、特に限定されるものではなくスキン層が除去可能であれば公知の装置を使用することができる。特に好ましい方法としてはバンドナイフ式スライサーによるスライス加工である。
【0025】
除去する量については樹脂板の厚みによりスキン層厚みが変化するため、一概に規定することはできないが、全厚みに対して5%以上の厚みを除去することが好ましい。より好ましくは10%以上である。なお、スキン層は断面観察によりその厚みが測定可能である場合が多い。もちろんスキン層の全てを除去することが好ましいが、一部が除去された場合であっても良く、除去しない場合よりは、本発明の効果は期待できる。
【0026】
また、樹脂板に厚み斑があると均質性が損なわれることがあるので、スキン層が除去された後の樹脂板の厚みムラが±0.5mm以内にあるように調整可能な手段を用いることが好ましい。より好ましくは±0.3mm以内であり、さらに好ましくは±0.1mm以内である。係る手段としては、バンドナイフ,かんな板等が挙げられる。
【0027】
上述したモノマー,樹脂板の中で、モノマーとしてメチルメタクリレート,エチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,イソブチルメタクリレート、樹脂板としてポリウレタンの組み合わせが、樹脂板への独立気泡の形成が容易な点、モノマーの含ませ易い点、重合硬化が容易な点、重合硬化された樹脂板の硬度が高く、また、CMP用途で研磨を行った時の平坦化特性が良好であるので好ましい。
【0028】
モノマーを樹脂板に含ませる方法としては、モノマーが入った容器中にスキン層を除去した樹脂板を浸漬し、含ませる方法が挙げられる。なお、その際、含ませる速度を速める目的で、加熱、加圧、減圧、攪拌、振盪、超音波振動等の処理を施すことも好ましい。
【0029】
樹脂板中に含ませるモノマーの量は、使用するモノマーおよび樹脂板の種類や、製造される研磨パッドの特性により定められるべきものであり、一概にはいえないが、例えばモノマーとしてビニル化合物、樹脂板としてポリウレタンを使用した場合においては、重合硬化した樹脂板中に含まれたモノマー、好ましくビニル系モノマー、から得られる重合体とポリウレタンの含有比率が重量比で30/70〜90/10であることが好ましい。該モノマーから得られる重合体の含有比率が重量比で30に満たない場合は、シート状研磨材料としての硬度が低くなるため好ましくない。また、含有比率が90を越える場合は、シート状研磨材料の有している弾力性が損なわれるため好ましくない。
【0030】
モノマーを含ませた樹脂板の重合硬化方法としては、係る樹脂板をガスバリア性材料からなるモールド内に挿入し、加熱する方法が挙げられる。しかし、この方法に限定されるものではない。
【0031】
ガスバリア性の材料としては、無機ガラス,アルミニウム,銅,鉄,SUS等の金属、ポリビニルアルコール(PVA),エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のガスバリア性を有する樹脂との多層押出成型により製造されるポリオレフィン系樹脂,フィルム、ポリビニルアルコール(PVA),エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のガスバリア性を有する樹脂により表面が被覆されたポリオレフィン系樹脂,フィルム等が挙げられる。この中でも耐熱性があり、製造されるシート状研磨材料の表面性が良好な点で、無機ガラス,金属が好ましい。
【0032】
モノマーを含ませた樹脂板のガスバリア性材料からなるモールド内への挿入方法は、特に限定されるものではない。具体的には、係る樹脂板の周囲に軟質塩化ビニル,ネオプレンゴム,ブタジエンゴム,スチレンブタジエンゴム,エチレンプロピレンゴム等のガスバリア性を有する弾性体からなるガスケットを配し、そのガスケットを介して2枚のガスバリア性材料からなる板で該樹脂板を挟み込む方法、ガスバリア性材料からなる筐体中に該樹脂板を挿入し密閉する方法、ガスバリア性フィルムからなる袋中に樹脂板を挿入し密閉する方法等が挙げられる。
【0033】
なお、モノマーを含ませた樹脂板をガスバリア性材料からなるモールド内に挿入せずに重合硬化した場合には、該樹脂板からモノマーが揮発することにより、製造されるシート状研磨材料の品質再現性が不十分で研磨特性が不安定になる傾向があるため好ましくない。
【0034】
加熱による重合硬化方法としては、具体的には熱風オーブン等の空気浴での加熱、水浴,油浴での加熱、ジャケット,ホットプレスによる加熱等が挙げられる。中でも熱媒体の熱容量が大きく、重合硬化時の重合発熱の速やかな放散が可能な点で、水浴,油浴,ジャケットでの加熱が好ましい。
【0035】
加熱温度,時間は、モノマー,重合開始剤の種類,量、樹脂板の厚み等により定められるべきものであるが、70℃,10時間程度加熱後、120℃,3時間程度加熱することにより、モノマーを含ませた樹脂板を重合硬化することができる。
【0036】
なお、加熱以外のモノマーを含ませた樹脂板の重合硬化方法としては光,電子線,放射線照射による重合硬化を挙げることができる。なお、その際、モノマー中には必要に応じて重合開始剤,増感剤等を配合することが好ましい。
【0037】
重合硬化した複合材は、必要な厚みに研削加工するか、必要な厚みにスライス加工することでシート状研磨材料を得ることができる。研削加工としてはダイヤモンドディスク,ベルトサンダー等が、スライス加工としてはバンドナイフ,かんな板等が使用できる。
【0038】
こうして得られたシート状研磨材料の厚みは0.1〜10mmであることが好ましい。0.1mmより薄いと該研磨材料と好ましく組み合わせて用いるクッション層またはその下層の研磨定盤の堅さや形状の影響が被研磨物に顕著に反映されるようになり、研磨特性を損ねる虞がある。一方、10mmより厚いと、好ましくクッション層を用いたとしても半導体基板のうねりに対する追随性が低下し、基板全体の平坦性が十分でないものが得られる虞がある。厚みとしては、さらには0.5〜2mmであることがより好ましい。シート状研磨材料一枚の中での厚みムラとしては±0.25mm以内にあることが好ましい。より好ましくは±0.1mm以内であり、さらに好ましくは±0.05mm以内である。
【0039】
本発明のシート状研磨材料を用いて研磨する研磨対象は特に限定されるものではないが、半導体基板の研磨、とりわけ平坦化工程、具体的には好ましくCMP法による平坦化工程に好ましく使用することができる。具体的には、半導体ウェーハ上に形成された絶縁層または金属配線の表面の研磨に用いることが好適である。絶縁層としては金属配線の層間絶縁膜や下層絶縁膜、素子分離に使用されるシャロートレンチアイソレーション(STI)等を、また金属配線としてはアルミ、タングステン、銅等を挙げることができ、構造的にはダマシン、デュアルダマシン、プラグ等がある。絶縁膜は現在酸化シリコンが主流であるが、遅延時間の問題で低誘電率絶縁膜の使用が検討されつつあり、本発明の研磨パッドにおいてはそのいずれとも研磨対象となり得る。また金属配線に銅を使用した場合には、窒化珪素等のバリアメタルも研磨対象となる。また、半導体基板以外に、磁気ヘッド、ハードディスク、液晶ディスプレイ用カラーフィルター、プラズマディスプレイ用背面板等の光学部材、サファイア等の研磨にも好ましく使用することができる。
【0040】
【実施例】
以下に本発明を具体的に説明するために実施例を挙げて説明するが、これらの例は本発明をよりよく理解するためのものであり、これによって本発明の範囲を限定するものではない。
【0041】
基本操作
(1)発泡ポリウレタンの製造
液温を40℃に保った、ポリエーテルポリオール:”サンニックス(登録商標)FA−909”(三洋化成工業(株)製)100重量部、鎖伸長剤:モノエチレングリコール8重量部、アミン触媒:”Dabco(登録商標)33LV”(エアープロダクツジャパン(株)製)1.95重量部、アミン触媒:”Toyocat(登録商標)ET”(東ソー(株)製)0.14重量部、シリコーン整泡剤:”TEGOSTAB(登録商標)B8462”(Th.GoldschmidtAG社製)1重量部、発泡剤:水0.55重量部を混合してなるA液と、液温を40℃に保ったイソシアネート:”サンフォーム(登録商標)NC−703”(三洋化成工業(株)製)96.2重量部からなるB液を、RIM成型機により、吐出圧16MPaで衝突混合した後、40℃に保った金型内に吐出量800g/secで吐出し、10分間放置することで、平均厚み10.0mmの発泡ポリウレタンブロック(密度:0.75g/cm3、平均気泡径:35μm、大きさ:300×300mm)を作製した。
【0042】
(2)発泡ポリウレタンブロックからのスキン層の除去
得られた発泡ポリウレタンブロックの室田製作所製バンドナイフ式スライサーを用い、スライス厚み設定1.5mmで表裏スキン層を除去した。スキン層が除去されたことは表面の赤外分光分析(IR)により確認した。
【0043】
(3)モノマーを樹脂板に含ましめての重合
スキン層を除去した発泡ポリウレタンブロックを、アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を添加したメチルメタクリレート(MMA)に3日間含ませたしたのち、塩化ビニル製ガスケットを介して2枚のガラス板間に挟み込み、70℃で10時間、120℃で3時間加熱することにより重合硬化させた。
【0044】
(4)シート状研磨材料の製造
前記(3)により得られたブロックを室田製作所製バンドナイフ式スライサーでスライスし、シート状研磨材料を得た。
【0045】
また、物性の測定は以下の方法によって行った。
【0046】
(1)発泡ポリウレタンの厚み測定方法
厚み計(Mitsutoyo社製 Model ID−C112)を用い、任意の9点を測定し厚み平均値を求めた。また、厚みムラの指標は厚みの最大値と最小値の差の2分の1の値の絶対値を求め、この値を厚みムラとした(表1参照)。
【0047】
(2)シート状研磨材料の厚み測定方法
厚み計(Mitsutoyo社製 Model ID−C112)を用い、任意の9点を測定し平均値を求めた。また、厚みムラの指標は厚みの最大値と最小値の差の2分の1の値の絶対値を求め、この値を厚みムラとした(表1参照)。
【0048】
(3)シート状研磨材料の研磨評価方法
試験すべき材料を直径380mmの円に切り取り、その表面に幅2mm、深さ0.5mm、ピッチ幅15mmの格子状の溝加工を施したものに、接着層として(株)寺岡製作所製無支持体(基材レス)両面テープ”7022”、クッション層としてタイガースポリマー(株)製NBRゴム”TNKL7007”を用いて3層構造の研磨材料とした。クッション層側に住友スリーエム(株)製両面接着テープ”442JS”を貼り付け、研磨パッドを研磨機ラップマスターSFT(株)製”LM−15E”の定盤上に貼り付けた。その後、旭ダイヤモンド工業(株)製ダイヤモンドコンディショナー”CMP−M”(直径142mm)を用い、押し付け圧0.04MPa、研磨定盤回転数25rpm、コンディショナー回転数25rpmで研磨定盤と同方向に回転させ、純水を10ml/分で研磨パッド上に供給しながら5分間、研磨パッドのコンディショニングを行った。純水を100ml/分で研磨パッド上に供給しながら研磨パッド上を2分間洗浄したのちに、グローバル平坦性評価用テストウェーハを研磨ヘッドに取り付け、取扱説明書に記載された使用濃度の研磨スラリー(キャボット・マイクロエレクトロニクス社製研磨スラリー”Semi−Sperse 12”)を35ml/分で研磨パッド上に供給しながら、研磨圧力0.04MPa、研磨定盤回転数45rpm、研磨ヘッド回転数45rpmで研磨定盤と同方向に回転させ、所定時間研磨を行った。ウェーハ表面を乾燥させないようにし、直ちに純水をかけながらポリビニルアルコールスポンジでウェーハ表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹き付けて乾燥した。グローバル平坦性評価用テストウェーハのセンタ10mmダイ中の20μmラインと230μmラインの酸化層厚みを大日本スクリーン製造(株)製”ラムダエース”VM−2000を使用して測定し、それぞれの厚みの差をグローバル段差として評価した。
【0049】
また上記と同じコンディショニングを行い、表面の酸化厚みをあらかじめ大日本スクリーン製造(株)製”ラムダエース”VM−2000を使用して決められた198点につき測定した、ユニフォーミティ評価用テストウェーハを研磨ヘッドに取り付け、取扱説明書に記載された使用濃度の研磨スラリー(キャボット・マイクロエレクトロニクス社製研磨スラリー”Semi−Sperse 12”)を35ml/分で研磨パッド上に供給しながら、研磨圧力0.04MPa、研磨定盤回転数45rpm、研磨ヘッド回転数45rpmで研磨定盤と同方向に回転させ、所定時間、研磨を行った。ウェーハ表面を乾燥させないようにし、直ちに純水をかけながらポリビニルアルコールスポンジでウェーハ表面を洗浄し、自然状態に放置して乾燥を行った後、研磨後の酸化膜の厚みを大日本スクリーン製造(株)製”ラムダエース”VM−2000を使用して決められた198点につき測定して下記式(1)により各々の点での研磨速度を算出し、下記式(2)によりユニフォーミティを算出した。
【0050】
式(1):研磨速度=(研磨前の酸化膜の厚み−研磨後の酸化膜の厚み)/研磨時間
式(2):ユニフォーミティ(%)=(最大研磨速度−最小研磨速度)/(最大研磨速度+最小研磨速度)×100
実施例1
前記の方法で得たスキン層が除去された発泡ポリウレタンブロックを用い、該発泡ポリウレタンブロック100重量部に対しメチルメタクリレート110重量部を用いてモノマーを樹脂板へ含ましめて重合を行った。得られたブロックをスライス厚み設定1.3mmでスライスし、シート状研磨材料を得た。得られた研磨材料の研磨特性はグローバル段差が0.2μmとなった研磨時間は4分であった。ユニフォーミティは9.0%であった。
【0051】
実施例2
スキン層が除去された発泡ポリウレタンブロック100重量部に対し、メチルメタクリレート130重量部を用いた以外は実施例1記載の方法と同様に樹脂板にモノマーを含ましめ、重合、スライスを行い、研磨層シートを得た。得られた研磨材料の研磨特性はグローバル段差が0.2μmとなった研磨時間は3分であった。ユニフォーミティは8.6%であった。
【0052】
実施例3
発泡ポリウレタンブロック100重量部に対しメチルメタクリレート150重量部を用いた以外は実施例1記載の方法と同様に樹脂板にモノマーを含ましめ、重合、スライスを行い、研磨層シートを得た。得られた研磨材料の研磨特性はグローバル段差が0.2μmとなった研磨時間は3分であった。ユニフォーミティは8.8%であった。
【0053】
比較例1
発泡ポリウレタンブロックとして表裏スキン層を除去しないものを用いた以外は実施例1記載の方法と同様に樹脂板にモノマーを含ましめ、重合、スライスを行い、シート状研磨材料を得た。得られた研磨材料の研磨特性はグローバル段差が0.2μmとなった研磨時間は2分であった。ユニフォーミティは15.8%であった。
比較例2
発泡ポリウレタンブロックとして表裏スキン層を除去しないものを用いた以外は実施例2記載の方法と同様に樹脂板にモノマーを含ましめ、重合、スライスを行い、シート状研磨材料を得た。得られた研磨材料の研磨特性はグローバル段差が0.2μmとなった研磨時間は2分であった。ユニフォーミティは19.6%であった。
【0054】
比較例3
発泡ポリウレタンブロックとして表裏スキン層を除去しないものを用いた以外は実施例3記載の方法と同様に樹脂板にモノマーを含ましめ、重合、スライスを行い、シート状研磨材料を得た。得られた研磨材料の研磨特性はグローバル段差が0.2μmとなった研磨時間は2分であった。ユニフォーミティは24.8%であった。
【0055】
以上の実施例および比較例の結果について表にまとめた。
【0056】
表から明らかなように、発泡ポリウレタンブロックのスキン層を除去することで、厚み精度の安定したシート状研磨材料を得ることができた。また得られたシート状研磨材料の研磨特性も良好であった。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】
本発明によって、バラツキの無い、高精度な研磨特性を有し、かつ、シート間及びシート内で厚みや研磨特性が均質かつ良好であり、良好な性状を有するシート状研磨材料を安定して得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体の研磨に特に好適に用いられるシート状研磨材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリに代表される大規模集積回路(LSI)は、年々集積化が進んでおり、それに伴い大規模集積回路の製造技術も高密度化が進んでいる。さらに、この高密度化に伴い、半導体デバイス製造時の各要素の積層数も増加している。その積層数の増加により、従来は問題とならなかった積層で生ずる半導体ウェーハ主面の凹凸が問題となっている。その結果、例えば日経マイクロデバイス1994年7月号50〜57頁記載のように、積層によって生じる凹凸に起因する露光時の焦点深度不足を補う目的で、あるいはスルーホール部の平坦化による配線密度を向上させる目的で、化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)技術を用いた半導体ウェーハの平坦化が検討されている。
【0003】
一般にCMP装置は、被研磨物である半導体ウェーハを保持する研磨ヘッド、被研磨物の研磨処理をおこなうための研磨パッド、前記研磨パッドを保持する研磨定盤から構成されている。そして、半導体ウェーハの研磨処理は研磨剤と薬液からなる研磨スラリーを用いて、半導体ウェーハと研磨パッドを相対運動させることにより、半導体ウェーハ表面の層の突出した部分を除去し、ウェーハ表面の層を滑らかにするものである。
【0004】
CMPの研磨特性については、高い研磨レートの確保、スクラッチの防止、ウェーハの局所平坦性,グローバル平坦性,ユニフォーミティの確保等に代表される様々な要求がある。研磨パッドに関する従来技術としては、特許文献1に開示されているように、ポリエーテル系ウレタンプレポリマに硬化剤として4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)(略称名:MOCA)と、さらに独立気泡を有する構造とするためにマイクロバルーンを混合し硬化させて得られる、硬質発泡ポリウレタンが挙げられる。このタイプの研磨パッドは独立気泡を有するため研磨パッドの弾性特性が向上し、その結果、半導体基板表面の局所的な凹凸の平坦性が実用上耐えうるレベルのものが得られ、さらに研磨層表面に開口した気泡には研磨スラリーが蓄えられ、半導体基板研磨点への研磨スラリーの効果的な供給がなされるため、比較的高い研磨レートが得られ、またスクラッチが入りにくい等の特徴を有する。
【0005】
しかしながら、このタイプの研磨パッドは製品ロット間で研磨レート等の研磨特性が安定しないことが指摘される。我々が検討を行ったところでは、このタイプの研磨パッドは、製法上特に硬化反応(架橋反応)の制御が難しいため、得られる研磨パッドの品質再現性が十分ではなく、研磨特性が安定しないものと推察している。
【0006】
この課題を解決する方法として、発泡構造を有する軟質の樹脂板にモノマーを含ませ、重合硬化させる方法が知られている(特許文献2)。この方法によれば、研磨パッドに必要とされる特性である独立気泡を、製造時に気泡のコントロールが比較的容易な軟質の樹脂板の特性から、また、硬度をモノマーの重合硬化物の特性から得ることができ、上述の方法と比較して、独立気泡が均一に存在するような硬質の樹脂板からなる研磨パッドを、比較的簡便に、かつ品質再現性良く製造することができる。
【0007】
【特許文献1】
特表平8−500622号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2000−218551号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の方法を用いて硬質の樹脂板を作製し、該樹脂板を所定厚みのシート状研磨材料に加工する場合、厚みのある硬質の樹脂板を作製し、これをスライス加工してシート状研磨材料を得る方法が生産性の観点から有用である。しかし、この方法においても、モノマーの含ませた状態の不均一性や重合反応時の反応状態の不均一化が生じてしまい、スライス加工して得られるシート状研磨層の厚みムラが非常に大きくなることが判った。
【0010】
そこで、本発明は高精度な研磨特性を有し、かつ、シート間及びシート内で均質な品質を有するシート状研磨材料を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題に対して鋭意検討を重ね、その品質バラツキの問題がモノマー含ませる前の樹脂板に存在するスキン層に起因していることを解明し、本発明に到った。
【0012】
すなわち本発明の本旨とするところは、「モノマーを樹脂板に含ませた後、該モノマーを重合して得られた複合材をスライスしてシート状研磨材料を得る方法であって、モノマーを含ませる前に前記樹脂板のスキン層を除去する工程を有することを特徴とするシート状研磨材料の製造方法」である。また、種々の改良された発明を提案する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について例を挙げつつ詳細に説明する。
【0014】
本発明のシート状研磨材料の製造方法においては、樹脂板にモノマーを含ませ、該モノマーを重合し、こうして得られた複合材をスライスする、という3つの基本要素を含んでいる。
【0015】
本発明において用いるモノマーは後述する樹脂板に含ませることができ、重合可能なものが用いられる。係るモノマーとしては、樹脂板へ含ませ、重合が容易である点でビニル化合物を用いることが好ましい。具体的にはメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、アクリロニトリル、アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。中ではアクリル酸あるいはメタクリル酸の誘導体であるアクリル系モノマーを用いることが好ましい。また、これらのモノマーは単独であっても2種以上を混合しても使用できる。また、モノマーには、製造される研磨パッドの特性改良を目的として、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、安定剤、染料等の各種添加剤が添加されていても良い。
【0016】
これらのモノマーを重合する際に用いる重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、イソプロピルパーオキシジカーボネート等のラジカル開始剤を使用することができる。また、酸化還元系の重合開始剤、例えばパーオキサイドとアミン類の組合せを使用することもできる。これらの重合開始剤は、単独のみならず、2種以上を混合しても使用できる。この重合開始剤は含ませた時にモノマーに添加して用いたりモノマーを含ませる前に樹脂板に含有せしめたりすることが可能であるが、製品の均一性からはモノマーに添加して含ませることが望ましい。
【0017】
本発明に用いる樹脂板はモノマーが含ませることが可能な樹脂製の板状物であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ネオプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムおよびこれらを主成分とした樹脂板等が挙げられる。また、これらの樹脂板には、製造される研磨パッドの特性改良を目的として、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、安定剤、染料等の各種添加剤が含有されていても良い。なお、主成分とは概ね60重量%以上のことを言う。
【0018】
これらの樹脂板は、研磨特性に優れることから、独立気泡を有したものであることが好ましい。独立気泡を有した樹脂板を得る方法としては、樹脂板製造時における樹脂中への各種発泡剤の配合による化学発泡法が一般的であるが、機械的な撹拌により樹脂を発泡させたのち硬化させる方法、樹脂中に中空のマイクロビーズを分散後、硬化させマイクロビーズ部分を独立気泡とする方法等、を挙げることができる。
【0019】
独立気泡の平均気泡径は500μm以下であることが半導体基板の研磨に用いた時に局所的凹凸の平坦性が極めて良好となるので好ましい。より好ましくは300μm以下、さらには100μm以下である。下限としては特に制限はないが、研磨特性の観点から10μm程度である。なお、平均気泡径は樹脂板断面を倍率200倍の走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、SEM写真を画像処理装置で処理した後、求められた各々の気泡の直径の平均値をいう。
【0020】
本発明においては、研磨特性に優れた研磨材料が得られ、また、独立気泡径が比較的容易にコントールできて、均質性にも優れるのでポリウレタンを主成分とする樹脂板(ポリウレタン系発泡体)を用いることが好ましい。ポリウレタンとは、ポリイソシアネートの重付加反応または重合反応に基づき合成される高分子である。ポリイソシアネートと組み合わせて用いられる化合物としては、含活性水素化合物、すなわち、二つ以上のポリヒドロキシ基、あるいはアミノ基含有化合物である。ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど挙げることができる。ポリヒドロキシ基含有化合物としてはポリオールが代表的であり、ポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、エポキシ樹脂変性ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。硬度,気泡径および発泡倍率によって、ポリイソシアネートとポリオール、および触媒、発泡剤、整泡剤の組み合わせや最適量を決めることができる。
【0021】
本発明においては、先述の3つの基本要素に加えて、その樹脂板にモノマーを含ませる前に樹脂板からスキン層を除去する工程を有している。
【0022】
モノマーを樹脂板に含ませて重合を行い、それをスライスしてシート状研磨材料を得ようとしても通常の方法ではモノマーの含ませた状態の不均一化や重合反応時の反応状態の不均一化が生じてしまい、厚み精度や品質にバラツキが多く出、また、要求特性を満たさない物も生じる虞があった。本発明者らは、その原因が樹脂板に存在するスキン層であることを究明し、そのスキン層をあらかじめ除去しておくことで、最終的に得られるシート状研磨層の厚み精度を向上させられることを見いだした。
【0023】
本発明におけるスキン層とは、樹脂板において製造直後に存在する最表面層のことで、このスキン層は製造時の種々の要因により、化学組成が樹脂板内部層と異なるものである。たとえばポリウレタン系発泡体の場合では、製造直後の最表面層(スキン層)は内部層と比較して、単位体積あたりの気泡数や吸水率、密度などの物性が有為に異なる。
【0024】
このスキン層を除去する方法としてはダイヤモンドディスク,ベルトサンダー等の装置による研削加工、またはバンドナイフ,かんな板等によるスライス加工等、特に限定されるものではなくスキン層が除去可能であれば公知の装置を使用することができる。特に好ましい方法としてはバンドナイフ式スライサーによるスライス加工である。
【0025】
除去する量については樹脂板の厚みによりスキン層厚みが変化するため、一概に規定することはできないが、全厚みに対して5%以上の厚みを除去することが好ましい。より好ましくは10%以上である。なお、スキン層は断面観察によりその厚みが測定可能である場合が多い。もちろんスキン層の全てを除去することが好ましいが、一部が除去された場合であっても良く、除去しない場合よりは、本発明の効果は期待できる。
【0026】
また、樹脂板に厚み斑があると均質性が損なわれることがあるので、スキン層が除去された後の樹脂板の厚みムラが±0.5mm以内にあるように調整可能な手段を用いることが好ましい。より好ましくは±0.3mm以内であり、さらに好ましくは±0.1mm以内である。係る手段としては、バンドナイフ,かんな板等が挙げられる。
【0027】
上述したモノマー,樹脂板の中で、モノマーとしてメチルメタクリレート,エチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,イソブチルメタクリレート、樹脂板としてポリウレタンの組み合わせが、樹脂板への独立気泡の形成が容易な点、モノマーの含ませ易い点、重合硬化が容易な点、重合硬化された樹脂板の硬度が高く、また、CMP用途で研磨を行った時の平坦化特性が良好であるので好ましい。
【0028】
モノマーを樹脂板に含ませる方法としては、モノマーが入った容器中にスキン層を除去した樹脂板を浸漬し、含ませる方法が挙げられる。なお、その際、含ませる速度を速める目的で、加熱、加圧、減圧、攪拌、振盪、超音波振動等の処理を施すことも好ましい。
【0029】
樹脂板中に含ませるモノマーの量は、使用するモノマーおよび樹脂板の種類や、製造される研磨パッドの特性により定められるべきものであり、一概にはいえないが、例えばモノマーとしてビニル化合物、樹脂板としてポリウレタンを使用した場合においては、重合硬化した樹脂板中に含まれたモノマー、好ましくビニル系モノマー、から得られる重合体とポリウレタンの含有比率が重量比で30/70〜90/10であることが好ましい。該モノマーから得られる重合体の含有比率が重量比で30に満たない場合は、シート状研磨材料としての硬度が低くなるため好ましくない。また、含有比率が90を越える場合は、シート状研磨材料の有している弾力性が損なわれるため好ましくない。
【0030】
モノマーを含ませた樹脂板の重合硬化方法としては、係る樹脂板をガスバリア性材料からなるモールド内に挿入し、加熱する方法が挙げられる。しかし、この方法に限定されるものではない。
【0031】
ガスバリア性の材料としては、無機ガラス,アルミニウム,銅,鉄,SUS等の金属、ポリビニルアルコール(PVA),エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のガスバリア性を有する樹脂との多層押出成型により製造されるポリオレフィン系樹脂,フィルム、ポリビニルアルコール(PVA),エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のガスバリア性を有する樹脂により表面が被覆されたポリオレフィン系樹脂,フィルム等が挙げられる。この中でも耐熱性があり、製造されるシート状研磨材料の表面性が良好な点で、無機ガラス,金属が好ましい。
【0032】
モノマーを含ませた樹脂板のガスバリア性材料からなるモールド内への挿入方法は、特に限定されるものではない。具体的には、係る樹脂板の周囲に軟質塩化ビニル,ネオプレンゴム,ブタジエンゴム,スチレンブタジエンゴム,エチレンプロピレンゴム等のガスバリア性を有する弾性体からなるガスケットを配し、そのガスケットを介して2枚のガスバリア性材料からなる板で該樹脂板を挟み込む方法、ガスバリア性材料からなる筐体中に該樹脂板を挿入し密閉する方法、ガスバリア性フィルムからなる袋中に樹脂板を挿入し密閉する方法等が挙げられる。
【0033】
なお、モノマーを含ませた樹脂板をガスバリア性材料からなるモールド内に挿入せずに重合硬化した場合には、該樹脂板からモノマーが揮発することにより、製造されるシート状研磨材料の品質再現性が不十分で研磨特性が不安定になる傾向があるため好ましくない。
【0034】
加熱による重合硬化方法としては、具体的には熱風オーブン等の空気浴での加熱、水浴,油浴での加熱、ジャケット,ホットプレスによる加熱等が挙げられる。中でも熱媒体の熱容量が大きく、重合硬化時の重合発熱の速やかな放散が可能な点で、水浴,油浴,ジャケットでの加熱が好ましい。
【0035】
加熱温度,時間は、モノマー,重合開始剤の種類,量、樹脂板の厚み等により定められるべきものであるが、70℃,10時間程度加熱後、120℃,3時間程度加熱することにより、モノマーを含ませた樹脂板を重合硬化することができる。
【0036】
なお、加熱以外のモノマーを含ませた樹脂板の重合硬化方法としては光,電子線,放射線照射による重合硬化を挙げることができる。なお、その際、モノマー中には必要に応じて重合開始剤,増感剤等を配合することが好ましい。
【0037】
重合硬化した複合材は、必要な厚みに研削加工するか、必要な厚みにスライス加工することでシート状研磨材料を得ることができる。研削加工としてはダイヤモンドディスク,ベルトサンダー等が、スライス加工としてはバンドナイフ,かんな板等が使用できる。
【0038】
こうして得られたシート状研磨材料の厚みは0.1〜10mmであることが好ましい。0.1mmより薄いと該研磨材料と好ましく組み合わせて用いるクッション層またはその下層の研磨定盤の堅さや形状の影響が被研磨物に顕著に反映されるようになり、研磨特性を損ねる虞がある。一方、10mmより厚いと、好ましくクッション層を用いたとしても半導体基板のうねりに対する追随性が低下し、基板全体の平坦性が十分でないものが得られる虞がある。厚みとしては、さらには0.5〜2mmであることがより好ましい。シート状研磨材料一枚の中での厚みムラとしては±0.25mm以内にあることが好ましい。より好ましくは±0.1mm以内であり、さらに好ましくは±0.05mm以内である。
【0039】
本発明のシート状研磨材料を用いて研磨する研磨対象は特に限定されるものではないが、半導体基板の研磨、とりわけ平坦化工程、具体的には好ましくCMP法による平坦化工程に好ましく使用することができる。具体的には、半導体ウェーハ上に形成された絶縁層または金属配線の表面の研磨に用いることが好適である。絶縁層としては金属配線の層間絶縁膜や下層絶縁膜、素子分離に使用されるシャロートレンチアイソレーション(STI)等を、また金属配線としてはアルミ、タングステン、銅等を挙げることができ、構造的にはダマシン、デュアルダマシン、プラグ等がある。絶縁膜は現在酸化シリコンが主流であるが、遅延時間の問題で低誘電率絶縁膜の使用が検討されつつあり、本発明の研磨パッドにおいてはそのいずれとも研磨対象となり得る。また金属配線に銅を使用した場合には、窒化珪素等のバリアメタルも研磨対象となる。また、半導体基板以外に、磁気ヘッド、ハードディスク、液晶ディスプレイ用カラーフィルター、プラズマディスプレイ用背面板等の光学部材、サファイア等の研磨にも好ましく使用することができる。
【0040】
【実施例】
以下に本発明を具体的に説明するために実施例を挙げて説明するが、これらの例は本発明をよりよく理解するためのものであり、これによって本発明の範囲を限定するものではない。
【0041】
基本操作
(1)発泡ポリウレタンの製造
液温を40℃に保った、ポリエーテルポリオール:”サンニックス(登録商標)FA−909”(三洋化成工業(株)製)100重量部、鎖伸長剤:モノエチレングリコール8重量部、アミン触媒:”Dabco(登録商標)33LV”(エアープロダクツジャパン(株)製)1.95重量部、アミン触媒:”Toyocat(登録商標)ET”(東ソー(株)製)0.14重量部、シリコーン整泡剤:”TEGOSTAB(登録商標)B8462”(Th.GoldschmidtAG社製)1重量部、発泡剤:水0.55重量部を混合してなるA液と、液温を40℃に保ったイソシアネート:”サンフォーム(登録商標)NC−703”(三洋化成工業(株)製)96.2重量部からなるB液を、RIM成型機により、吐出圧16MPaで衝突混合した後、40℃に保った金型内に吐出量800g/secで吐出し、10分間放置することで、平均厚み10.0mmの発泡ポリウレタンブロック(密度:0.75g/cm3、平均気泡径:35μm、大きさ:300×300mm)を作製した。
【0042】
(2)発泡ポリウレタンブロックからのスキン層の除去
得られた発泡ポリウレタンブロックの室田製作所製バンドナイフ式スライサーを用い、スライス厚み設定1.5mmで表裏スキン層を除去した。スキン層が除去されたことは表面の赤外分光分析(IR)により確認した。
【0043】
(3)モノマーを樹脂板に含ましめての重合
スキン層を除去した発泡ポリウレタンブロックを、アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を添加したメチルメタクリレート(MMA)に3日間含ませたしたのち、塩化ビニル製ガスケットを介して2枚のガラス板間に挟み込み、70℃で10時間、120℃で3時間加熱することにより重合硬化させた。
【0044】
(4)シート状研磨材料の製造
前記(3)により得られたブロックを室田製作所製バンドナイフ式スライサーでスライスし、シート状研磨材料を得た。
【0045】
また、物性の測定は以下の方法によって行った。
【0046】
(1)発泡ポリウレタンの厚み測定方法
厚み計(Mitsutoyo社製 Model ID−C112)を用い、任意の9点を測定し厚み平均値を求めた。また、厚みムラの指標は厚みの最大値と最小値の差の2分の1の値の絶対値を求め、この値を厚みムラとした(表1参照)。
【0047】
(2)シート状研磨材料の厚み測定方法
厚み計(Mitsutoyo社製 Model ID−C112)を用い、任意の9点を測定し平均値を求めた。また、厚みムラの指標は厚みの最大値と最小値の差の2分の1の値の絶対値を求め、この値を厚みムラとした(表1参照)。
【0048】
(3)シート状研磨材料の研磨評価方法
試験すべき材料を直径380mmの円に切り取り、その表面に幅2mm、深さ0.5mm、ピッチ幅15mmの格子状の溝加工を施したものに、接着層として(株)寺岡製作所製無支持体(基材レス)両面テープ”7022”、クッション層としてタイガースポリマー(株)製NBRゴム”TNKL7007”を用いて3層構造の研磨材料とした。クッション層側に住友スリーエム(株)製両面接着テープ”442JS”を貼り付け、研磨パッドを研磨機ラップマスターSFT(株)製”LM−15E”の定盤上に貼り付けた。その後、旭ダイヤモンド工業(株)製ダイヤモンドコンディショナー”CMP−M”(直径142mm)を用い、押し付け圧0.04MPa、研磨定盤回転数25rpm、コンディショナー回転数25rpmで研磨定盤と同方向に回転させ、純水を10ml/分で研磨パッド上に供給しながら5分間、研磨パッドのコンディショニングを行った。純水を100ml/分で研磨パッド上に供給しながら研磨パッド上を2分間洗浄したのちに、グローバル平坦性評価用テストウェーハを研磨ヘッドに取り付け、取扱説明書に記載された使用濃度の研磨スラリー(キャボット・マイクロエレクトロニクス社製研磨スラリー”Semi−Sperse 12”)を35ml/分で研磨パッド上に供給しながら、研磨圧力0.04MPa、研磨定盤回転数45rpm、研磨ヘッド回転数45rpmで研磨定盤と同方向に回転させ、所定時間研磨を行った。ウェーハ表面を乾燥させないようにし、直ちに純水をかけながらポリビニルアルコールスポンジでウェーハ表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹き付けて乾燥した。グローバル平坦性評価用テストウェーハのセンタ10mmダイ中の20μmラインと230μmラインの酸化層厚みを大日本スクリーン製造(株)製”ラムダエース”VM−2000を使用して測定し、それぞれの厚みの差をグローバル段差として評価した。
【0049】
また上記と同じコンディショニングを行い、表面の酸化厚みをあらかじめ大日本スクリーン製造(株)製”ラムダエース”VM−2000を使用して決められた198点につき測定した、ユニフォーミティ評価用テストウェーハを研磨ヘッドに取り付け、取扱説明書に記載された使用濃度の研磨スラリー(キャボット・マイクロエレクトロニクス社製研磨スラリー”Semi−Sperse 12”)を35ml/分で研磨パッド上に供給しながら、研磨圧力0.04MPa、研磨定盤回転数45rpm、研磨ヘッド回転数45rpmで研磨定盤と同方向に回転させ、所定時間、研磨を行った。ウェーハ表面を乾燥させないようにし、直ちに純水をかけながらポリビニルアルコールスポンジでウェーハ表面を洗浄し、自然状態に放置して乾燥を行った後、研磨後の酸化膜の厚みを大日本スクリーン製造(株)製”ラムダエース”VM−2000を使用して決められた198点につき測定して下記式(1)により各々の点での研磨速度を算出し、下記式(2)によりユニフォーミティを算出した。
【0050】
式(1):研磨速度=(研磨前の酸化膜の厚み−研磨後の酸化膜の厚み)/研磨時間
式(2):ユニフォーミティ(%)=(最大研磨速度−最小研磨速度)/(最大研磨速度+最小研磨速度)×100
実施例1
前記の方法で得たスキン層が除去された発泡ポリウレタンブロックを用い、該発泡ポリウレタンブロック100重量部に対しメチルメタクリレート110重量部を用いてモノマーを樹脂板へ含ましめて重合を行った。得られたブロックをスライス厚み設定1.3mmでスライスし、シート状研磨材料を得た。得られた研磨材料の研磨特性はグローバル段差が0.2μmとなった研磨時間は4分であった。ユニフォーミティは9.0%であった。
【0051】
実施例2
スキン層が除去された発泡ポリウレタンブロック100重量部に対し、メチルメタクリレート130重量部を用いた以外は実施例1記載の方法と同様に樹脂板にモノマーを含ましめ、重合、スライスを行い、研磨層シートを得た。得られた研磨材料の研磨特性はグローバル段差が0.2μmとなった研磨時間は3分であった。ユニフォーミティは8.6%であった。
【0052】
実施例3
発泡ポリウレタンブロック100重量部に対しメチルメタクリレート150重量部を用いた以外は実施例1記載の方法と同様に樹脂板にモノマーを含ましめ、重合、スライスを行い、研磨層シートを得た。得られた研磨材料の研磨特性はグローバル段差が0.2μmとなった研磨時間は3分であった。ユニフォーミティは8.8%であった。
【0053】
比較例1
発泡ポリウレタンブロックとして表裏スキン層を除去しないものを用いた以外は実施例1記載の方法と同様に樹脂板にモノマーを含ましめ、重合、スライスを行い、シート状研磨材料を得た。得られた研磨材料の研磨特性はグローバル段差が0.2μmとなった研磨時間は2分であった。ユニフォーミティは15.8%であった。
比較例2
発泡ポリウレタンブロックとして表裏スキン層を除去しないものを用いた以外は実施例2記載の方法と同様に樹脂板にモノマーを含ましめ、重合、スライスを行い、シート状研磨材料を得た。得られた研磨材料の研磨特性はグローバル段差が0.2μmとなった研磨時間は2分であった。ユニフォーミティは19.6%であった。
【0054】
比較例3
発泡ポリウレタンブロックとして表裏スキン層を除去しないものを用いた以外は実施例3記載の方法と同様に樹脂板にモノマーを含ましめ、重合、スライスを行い、シート状研磨材料を得た。得られた研磨材料の研磨特性はグローバル段差が0.2μmとなった研磨時間は2分であった。ユニフォーミティは24.8%であった。
【0055】
以上の実施例および比較例の結果について表にまとめた。
【0056】
表から明らかなように、発泡ポリウレタンブロックのスキン層を除去することで、厚み精度の安定したシート状研磨材料を得ることができた。また得られたシート状研磨材料の研磨特性も良好であった。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】
本発明によって、バラツキの無い、高精度な研磨特性を有し、かつ、シート間及びシート内で厚みや研磨特性が均質かつ良好であり、良好な性状を有するシート状研磨材料を安定して得ることができる。
Claims (6)
- モノマーを樹脂板に含ませた後、該モノマーを重合して得られた複合材をスライスしてシート状研磨材料を得る方法であって、モノマーを含ませる前に前記樹脂板のスキン層を除去する工程を有することを特徴とするシート状研磨材料の製造方法。
- スキン層の除去工程は、スキン層を除去した後の樹脂板の厚みムラを±0.5mm以内に調整可能である請求項1記載のシート状研磨材料の製造方法。
- 樹脂板がポリウレタン系発泡体である請求項1記載のシート状研磨材料の製造方法。
- 含ませるモノマーがビニル系モノマーである請求項1記載のシート状研磨材料の製造方法。
- 含ませるモノマーがアクリル系モノマーである請求項4記載のシート状研磨材料の製造方法。
- スキン層除去工程をバンドナイフ式スライサーを用いて行う請求項1記載のシート状研磨材料の製造方法。
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