JP2005052873A - ろう付け用複合材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 塑性加工性が良好なろう付け用複合材及びその製造方法を提供するものである。
【解決手段】 本発明に係るろう付け用複合材20は、基材11の表面にろう付け層12を有するものであって、基材11の表面に、少なくとも2種の金属の層13a,13b,14で構成される複層構造のろう付け層12を設け、そのろう付け層12の各金属層13a,13b,14の界面に、金属間化合物で構成され、かつ、ろう付け層12全体の層厚tの0.5〜10%の層厚の拡散反応層21,21を設けたものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、熱交換器及び燃料電池用部材のろう付けに用いられる複合材及びその製造方法に関するものである。
自動車用オイルクーラの接合材としてステンレス基クラッド材が使用されている。これは、基材であるステンレス鋼板の片面又は両面に、ろう材としての機能を有するCu材がクラッドされたものである。
ステンレス鋼や、Ni基又はCo基合金などからなる部材のろう付け材として、接合部の耐酸化性や耐食性に優れる各種Niろう材が、JIS規格により規定されている。また、熱交換器の接合に用いられるNiろう材として、粉末状のNiろう材に、Ni、Cr、又はNi−Cr合金の中から選択される金属粉末を4〜22wt%添加してなる粉末Niろう材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。さらに、基材であるステンレス鋼の表面にNi及びTiからなるろう付け層を有する、即ちNi/Ti/ステンレス鋼というろう付け層構造を有する自己ろう付け性複合材がある(例えば、特許文献2参照)。
また、基材表面に、Ti又はTi合金、Ni又はNi合金、或いはCu又はCu合金の内の少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造のろう付け層を有するろう付け用複合材がある(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−107883号公報 特開平7−299592号公報 特開2003−117678号公報
ところで、特許文献2,3記載のろう付け用複合材に、プレス加工などの塑性加工を施す場合、材料は軟らかく(硬度が低く)、伸びが大きい方が好ましい。これらの特性を満足させるためには、ろう付け用複合材をクラッドした後、塑性加工の前に焼鈍処理を施せばよい。ここで、塑性加工性を良好とするためには、高温で長時間の焼鈍処理が必要となる。
しかしながら、ろう付け用複合材に、高温、長時間の焼鈍処理を施す場合、各金属層の界面で拡散反応が進行する。これによって、Ti/Ni間、Ti/Cu間、又はNi/Cu間などで金属間化合物の拡散反応層が生成する。これらの拡散反応層は、各金属層と比較して非常に硬く、脆いことから、焼鈍処理後においては、ろう付け用複合材全体の硬度が増し、伸びが小さくなってしまう。その結果、塑性加工性が低下してしまうという問題があった。また、ろう付け用複合材に、高温、短時間の焼鈍処理を施す場合、基材の機械的特性、拡散反応層の影響の他に、Ti又はTi合金層の硬度低下が少ないという要因が加わることから、高温、短時間の焼鈍処理によって、ろう付け用複合材の硬度及び伸びを制御することは困難であった。
また、焼鈍処理における焼鈍温度及び焼鈍時間は、加熱炉の加熱方式や加熱炉のサイズなどといった種々の要因によって大きく影響されることから、焼鈍処理を管理、制御するための決定的条件とはならないという問題があった。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、塑性加工性が良好なろう付け用複合材及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明に係るろう付け用複合材は、基材表面にろう付け層を有するろう付け用複合材において、上記基材表面に、少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造の上記ろう付け層を設け、そのろう付け層の各金属層の界面に、金属間化合物で構成され、かつ、ろう付け層全体の層厚tの0.5〜10%の層厚の拡散反応層を設けたものである。
また、本発明に係るろう付け用複合材は、基材表面にろう付け層を有するろう付け用複合材において、上記基材表面に、少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造の上記ろう付け層を設け、そのろう付け層の各金属層の界面に、金属間化合物で構成され、かつ、層厚が1.0〜10.0μmの拡散反応層を設けたものである。
ここで、金属層は、Ti又はTi合金、Ni又はNi合金、或いはCu又はCu合金の内の少なくとも2種の金属の層で構成されることが好ましい。
以上によれば、ろう付け層中に金属間化合物で構成される拡散反応層を有し、かつ、塑性加工性が良好なろう付け用複合材を得ることができる。
一方、本発明に係るろう付け用複合材の製造方法は、基材表面にろう付け層を有するろう付け用複合材の製造方法において、上記基材表面に、少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造の上記ろう付け層を重ね合わせた後、その重ね合わせ体に還元雰囲気下で焼鈍処理を施し、ろう付け層の各金属層の界面に、金属間化合物で構成され、かつ、ろう付け層全体の層厚tの0.5〜10%の層厚の拡散反応層を生成させるものである。
また、本発明に係るろう付け用複合材の製造方法は、基材表面にろう付け層を有するろう付け用複合材の製造方法において、上記基材表面に、少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造の上記ろう付け層を重ね合わせた後、その重ね合わせ体に還元雰囲気下で焼鈍処理を施し、ろう付け層の各金属層の界面に、金属間化合物で構成され、かつ、層厚が1.0〜10.0μmの拡散反応層を生成させるものである。
ここで、焼鈍処理は、820〜1000℃×1〜3minの温度条件で行うことが好ましい。
以上によれば、ろう付け層中に金属間化合物で構成される拡散反応層を、容易に、所定の層厚で形成することができる。
本発明によれば、ろう付け層中の、金属間化合物で構成される拡散反応層の層厚を調整することで、塑性加工性が良好なろう付け用複合材を得ることができるという優れた効果を発揮する。
塑性加工性が良好なろう付け用複合材を得るには、最適な焼鈍処理条件を特定する必要がある。しかし、従来、最適な焼鈍処理条件を特定するためには、各種の処理条件(炉の加熱方式、炉のサイズ、焼鈍温度、焼鈍時間など)をパラメータとした条件出し実験を行い、得られた複合材の硬度及び伸びデータを逐一測定し、分析する必要があり、手間と時間がかかっていた。
そこで、本発明者らが鋭意研究した結果、拡散反応層の層厚に着目することで、各種の処理条件のパラメータに左右されることなく、塑性加工性が良好なろう付け用複合材が容易に得られるということを見出した。
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図2に示すように、本発明の好適一実施の形態に係るろう付け用複合材20は、基材11の表面(図2中では上面のみ)に、2種の金属の層で構成される三層構造のろう付け層12を設けたものである。ろう付け層12は、Ti又はTi合金、Ni又はNi合金、或いはCu又はCu合金の内の少なくとも2種の金属の層で構成され、好ましくはNi又はNi合金層とTi又はTi合金層とを交互に積層してなるものである。ここで言う基材11の表面は、外部に露出する全ての面を示している。
ろう付け層12は、具体的には、Ti又はTi合金層14をNi又はNi合金層13a,13bで挟み込んで重ね合わせたクラッド材で構成される。クラッド材の形成方法は特に限定するものではなく、クラッド材形成のための慣用の方法が全て適用可能であり、例えば、板材の積層・圧延を繰り返して形成する方法、又は全板材を積層した後にまとめて圧延する方法等が挙げられる。
また、ろう付け層12は、各層の界面、つまり層13aと層14との間及び層14と層13bとの間に、金属間化合物(NiTi)で構成され、かつ、ろう付け層12全体の層厚tの0.5〜10%、好ましくは0.7〜7%の層厚の拡散反応層21,21を有する。ここで、各拡散反応層21の層厚を、ろう付け層12全体の層厚tの0.5〜10%としたのは、0.5%未満だと(拡散が不十分だと)、基材11の焼鈍処理が不十分であり、基材11の硬度が高く、伸びが少なくなり、複合材20を塑性加工する際に割れが生じてしまうためである。また、10%を超えると(拡散を過剰に行うと)、ろう付け層12の硬度が著しく増し、伸びが著しく低下し、複合材20を塑性加工する際に、脆い拡散反応層21の部分で剥離が生じてしまうためである。例えば、ろう付け層12全体の層厚tが100〜200μmの場合、各拡散反応層21の層厚は1.0〜10.0μmとされ、基材11の機械的特性とろう付け層12の脆性抑制との高い次元で両立させるには、好ましくは1.5〜8μmとされ、特に好ましくは2.0〜7μmとされる。
基材11の構成材は、Feを主成分とするFe基合金が好ましく、特にステンレス鋼が好ましい。
Ni又はNi合金層13a,13bを構成するNi合金としては、Ni−P系合金や、Ni−Cr−Fe系耐食耐熱超合金(例えば、インコネル(登録商標)等)が好ましい。これらの合金を用いることで、ろう付け時の湯流れ性や濡れ性の改善を図ることができ、また、基材11としてFe基合金(例えば、ステンレス鋼)を用いた場合、基材11のFe成分がろう付け層12中に溶出するのを低減することができる。
また、ろう付け層12の最外層(表面に露出している層)であるNi又はNi合金層13bを、P、B、又はSiから選択される少なくとも一種を含有するNi合金で構成してもよい。Ni合金にこれらの元素を含有させると共に、これらの元素の含有量を調整することで、ろう材の融点、濡れ性、靭性、及び接合強度を調整することができる。特に、Ni合金に、Pを0.02〜10wt%含有させることで、ろう材の湯流れ性、濡れ性、及び耐食性を著しく改善することができる。Pの含有量を0.02〜10wt%と限定したのは、0.02wt%未満だと、湯流れ性の向上が期待できないという不都合が生じるためであり、逆に10wt%を超えると、ろう付け層が脆化し振動疲労特性及び接合強度が著しく低下するという不都合が生じるためであり、好ましい含有量は0.5〜8wt%である。
本実施の形態に係るろう付用複合材20は、複合材20のろう付け層12と接合を行うろう付け部材(図示せず)とを重ね合わせて加熱することで、または、接合を行う一組のろう付け部材の内、一方のろう付け部材を基材11として複合材20を形成し、この複合材20と他方のろう付け部材を重ね合わせて加熱することで、ろう付け製品が得られる。
尚、本実施の形態に係るろう付用複合材20は、基材11の片面(図2中では上面)のみにろう付け層12を形成した場合について説明を行ったが、基材11の両面(図2中では上・下面)にろう付け層12,12を形成してもよい。また、本実施の形態に係るろう付用複合材20は、板状の基材11の表面にろう付け層12を形成した場合について説明を行ったが、棒状又はワイヤ状の基材の表面にろう付け層12を形成するようにしてもよい。この場合のろう付け層12の形成は、メッキ法、押出法、造管法などによって行う。さらに、本実施の形態に係るろう付け用複合材20においては、ろう付け層12の層構造が3層の場合について説明を行ったが、2層構造又は4層以上の構造であってもよい。
次に、本発明の好適一実施の形態に係るろう付け用複合材の製造方法を説明する。
先ず、Ti又はTi合金板を2枚のNi又はNi合金板で挟み込んで重ね合わせた後、それらの重ね合わせた板材に圧延加工(例えば熱間圧延加工)を施して第1クラッド材を作製する。この第1クラッド材に、圧延加工(例えば冷間圧延加工)を施して、所望の板厚に形成する。
次に、所望の板厚に形成した第1クラッド材を、ステンレス鋼板の表面に重ねた後、それらの重ね合わせた板材に圧延加工(例えば熱間圧延加工)を施して第2クラッド材を作製する。この第2クラッド材に、圧延加工(例えば冷間圧延加工)を施して、所望の板厚に形成する。これによって、図1に示すように、基材11の表面に、層13a,14,13bで構成されるろう付け層12を有するプリフォーム材10が得られる。
次に、このプリフォーム材10を焼鈍炉内に配置し、還元雰囲気下で焼鈍処理を施す。焼鈍処理は、例えば、820〜1000℃×1〜3minの温度条件で行い、この範囲内において、焼鈍温度が低い時は焼鈍時間を長めに、焼鈍温度が高い時は焼鈍時間を短めにする。
この焼鈍処理によって、ろう付け層12の各層の界面において、金属原子同士が相互に拡散して金属間化合物が生成し、図2に示した拡散反応層21,21が形成される。拡散反応層21,21は、Ti濃度が、層14側から層13a,13b側に向かって連続的に推移(減少)する傾斜層である。また、拡散反応層21,21は、Ni濃度が、層13a,13b側から層14側に向かって連続的に推移(減少)する傾斜層である。よって、相組織の観点から捉えると、ろう付け層12は、拡散反応層21,21を介して層13a,14,13bが略一体の層とみなすことができる。
この時、拡散反応層21,21の層厚がろう付け層12全体の層厚tの0.5〜10%の層厚となる時点で、焼鈍処理を終了してプリフォーム材10を加熱炉から取り出し、これによって、複合材20が得られる。プリフォーム材10を取り出すタイミングは、例えば、所定の処理条件(炉の加熱方式、炉サイズ、焼鈍温度など)で焼鈍処理を行った時に、処理時間と拡散反応層21,21の層厚との関係を予め求めておくことで決定される。
次に、本実施の形態に係るろう付け用複合材20の作用を説明する。
複合材20は、層13aと層14との界面および層14と層13bとの界面に、塑性加工性を阻害しない範囲で所定の層厚の拡散反応層21,21を形成することによって、各層13a,14,13b間の密着性が良好となると共に、複合材20を軟化させることができる。その結果、複合材20の塑性加工性が向上し、従来の複合材と比較して、塑性加工時(プレス加工時)の加工率を高めることができ、従来、形成できなかったような形状のプレス加工物も得ることができるようになる。
また、複合材20の各拡散反応層21は、高硬度で、かつ、耐熱性に優れた金属間化合物で構成されていることから、複合材20を用いたろう付け製品のろう付け部においては、引張強度及び耐熱性が向上し、延いては高温強度の向上を図ることができる。よって、接合部の信頼性が良好なろう付け製品を得ることができる。
さらに、複合材20は、良好な塑性加工性を得るためのパラメータが拡散反応層21,21の層厚だけである。拡散反応層21,21の層厚をろう付け層12全体の層厚tの0.5〜10%とすることで、いかなる処理条件(炉の加熱方式、炉のサイズ、焼鈍温度、焼鈍時間など)で焼鈍処理を行ったとしても、拡散反応層21,21の層厚が所定の層厚となった時点で焼鈍処理を終了すれば、良好な塑性加工性を有する複合材20を容易に得ることができる。
また、複合材20は、拡散反応層21,21の層厚により、その硬度や伸びを概算することができることから、得られた複合材20に対して硬度試験や伸び試験を施す必要はない。よって、所定の層厚の拡散反応層21,21を得るための最適な焼鈍処理条件を特定するのに、手間と時間がかかることはない。延いては、ろう付け用複合材20の製造コストが安価となる。
さらに、複合材20は、基材11の表面にろう付け層12を一体に設けているため、ろう付けの際、従来の各種Niろう材のように、各接合部に粉末Niろう材をそれぞれ塗布するという作業を必要とせず、ろう付け作業に多大な労力を要することはない(ろう付け作業性が良好となる)。その結果、ろう付け製品の歩留まり・生産性が良好となり、延いては製造コストの低減を図ることができる。
また、複合材20は、Ni又はNi合金層13a,13bを構成するNi合金に、適宜、添加元素を加えることで、ろう付け層12の湯流れ性が良好となる。このため、複合材20を、ろう付け接合部の形状が複雑なろう付け部材のろう付けに適用した場合、接合部においては、良好な接合面及び十分な接合強度を得ることができ、延いてはろう付け製品の接合部の信頼性が高まる。
さらに、複合材20においては、ろう付け層12をNi又はNi合金層13a,13bとTi又はTi合金層14とで構成しているため、ろう付けの際、Tiろう材中にNiろう材のNi元素が混入する(溶け込む)。これによって、耐熱性及び耐食性に優れるものの、その融点の高さからろう材として機能させることが困難であったTi又はTi合金からなるTiろう材の融点を下げることができ、Tiろう材を用いたろう付けを1200℃近傍で行うことが可能となる。その結果、従来の自己ろう付け性複合材(Ni−Ti系ろう材)と同等の優れた耐熱性、耐酸化性、及び耐食性を有し、かつ、優れたろう付け性を有するTi基ろう付け部(接合部)を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
次に、本発明の実施の形態について、実施例に基づいて説明するが、本発明の実施の形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
板厚2.0mmのTi薄板を、板厚1.0mmの2枚のNi薄板で挟み込んで3層構造とし、この積層体に熱間圧延加工を施し、板厚1.4mmのクラッド板を作製した。引き続いて、そのクラッド板に冷間圧延加工を施し、板厚1.0mmに形成した。
次に、このクラッド板を、SUS304(JIS規格)からなり、厚さ2.5mmのステンレス鋼薄板の表面に重ねた後、この積層体に圧延法によるクラッドを行い、引き続いて冷間圧延加工を施し、板厚0.5mmのプリフォーム材を作製した。
このプリフォーム材に、還元雰囲気下で900℃×1min20sの焼鈍処理を施し、ろう付け用複合材を作製した。
(実施例2)
実施例1と同じプリフォーム材に、還元雰囲気下で920℃×2minの焼鈍処理を施し、ろう付け用複合材を作製した。
(比較例1)
実施例1と同じプリフォーム材に、還元雰囲気下で950℃×4minの焼鈍処理を施し、ろう付け用複合材を作製した。
(比較例2)
実施例1と同じプリフォーム材に、還元雰囲気下で800℃×1minの焼鈍処理を施し、ろう付け用複合材を作製した。
(比較例3)
実施例1と同じプリフォーム材に、還元雰囲気下で820℃×40sの焼鈍処理を施し、ろう付け用複合材を作製した。
(比較例4)
実施例1と同じプリフォーム材に、還元雰囲気下で1037℃×1minの焼鈍処理を施し、ろう付け用複合材を作製した。
実施例1,2、比較例1〜4の各複合材の焼鈍処理条件、及び各複合材の断面における拡散反応層の層厚(μm)を表1に示す。また、各複合材を100mm×100mmに切断した後、各正方形状の薄板材にプレス加工を施し、図3、図4に示すように、100mm×100mm角で、中央部に縦30mm×横30mm×深さ3mmの凹部31を有するプレス加工物30を作製する。この時のプレス加工結果を表1に示す。
Figure 2005052873
表1に示すように、実施例1,2の各複合材は、拡散反応層の厚さが2.5μm、3.4μmと限定範囲(1.0〜10μm)内であることから、プレス加工の際の塑性加工性が良好であり、健全なプレス加工物30を得ることができた。
これに対して、比較例1の複合材は、焼鈍時間が4minと限定範囲(1〜3min)を超えていることから、拡散反応層の厚さが12.0μmと厚くなってしまい、プレス加工物30の凹部31において、表面の一部に剥離が生じた。
比較例2の複合材は、焼鈍温度が800℃と限定範囲(820〜1000℃)未満であり、比較例3の複合材は、焼鈍時間が40sと限定範囲(1〜3min)未満であることから、それぞれ拡散反応層の厚さが0.4μm、0.8μmと薄かった。その結果、基材が十分に焼鈍されず、硬度が高く、かつ、伸びが低いことから、プレス加工の途中で割れが発生した。
また、比較例4の複合材は、焼鈍温度が1037℃と限定範囲(820〜1000℃)を超えていることから、拡散反応層の厚さが16.2μmと厚くなってしまい、プレス加工物30の凹部31において、表面の一部に剥離が生じた。
本実施の形態に係るろう付け用複合材は、EGR用クーラなどの高温・高腐食性のガス又は液体に晒される熱交換器に用いることができる。また、その他にも、例えば、燃料電池の改質器用クーラや、燃料電池部材などの各種用途にも適用可能である。特に、ワイヤ状に形成した複合材は、EGR用クーラや、燃料電池の改質器用クーラ等の熱交換器、燃料電池部材などの他にも、オイルクーラ、ラジエータ、二次電池部材などにも適用可能である。
焼鈍処理前のろう付用複合材(プリフォーム材)の横断面図である。 本発明の好適一実施の形態に係るろう付用複合材の横断面図である。 実施例におけるプレス加工物の平面図である。 図3の4−4線断面図である。
符号の説明
11 基材
12 ろう付け層
13a,13b Ni又はNi合金層
14 Ti又はTi合金層
20 ろう付け用複合材
21 拡散反応層

Claims (7)

  1. 基材表面にろう付け層を有するろう付け用複合材において、上記基材表面に、少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造の上記ろう付け層を設け、そのろう付け層の各金属層の界面に、金属間化合物で構成され、かつ、ろう付け層全体の層厚tの0.5〜10%の層厚の拡散反応層を設けたことを特徴とするろう付け用複合材。
  2. 基材表面にろう付け層を有するろう付け用複合材において、上記基材表面に、少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造の上記ろう付け層を設け、そのろう付け層の各金属層の界面に、金属間化合物で構成され、かつ、層厚が1.0〜10.0μmの拡散反応層を設けたことを特徴とするろう付け用複合材。
  3. 上記金属層が、Ti又はTi合金、Ni又はNi合金、或いはCu又はCu合金の内の少なくとも2種の金属の層で構成される請求項1又は2記載のろう付け用複合材。
  4. 基材表面にろう付け層を有するろう付け用複合材の製造方法において、上記基材表面に、少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造の上記ろう付け層を重ね合わせた後、その重ね合わせ体に還元雰囲気下で焼鈍処理を施し、ろう付け層の各金属層の界面に、金属間化合物で構成され、かつ、ろう付け層全体の層厚tの0.5〜10%の層厚の拡散反応層を生成させることを特徴とするろう付け用複合材の製造方法。
  5. 基材表面にろう付け層を有するろう付け用複合材の製造方法において、上記基材表面に、少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造の上記ろう付け層を重ね合わせた後、その重ね合わせ体に還元雰囲気下で焼鈍処理を施し、ろう付け層の各金属層の界面に、金属間化合物で構成され、かつ、層厚が1.0〜10.0μmの拡散反応層を生成させることを特徴とするろう付け用複合材の製造方法。
  6. 上記焼鈍処理を、820〜1000℃×1〜3minの温度条件で行う請求項4又は5記載のろう付け用複合材の製造方法。
  7. 請求項1から3いずれかに記載のろう付け用複合材を用いて接合したことを特徴とするろう付け用複合材を用いたろう付け製品。
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