JP2005052741A - 塗布方法、塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 極めて簡便な方法により、吐出痕などを生じることなく膜厚の均一な液状体の塗布膜を基板上に形成する塗布方法を提供する。
【解決手段】 吐出ノズルを有する吐出ヘッドを備えた塗布装置による液状体の塗布方法であって、被塗布基板の被塗布面に略垂直な方向を回転軸として前記被塗布基板を回転させ、前記被塗布面の上方に前記吐出ヘッドを位置させた状態で前記被塗布基板と前記吐出ヘッドとを相対的に移動させ、前記吐出ノズルから前記液状体を吐出して前記液状体を前記被塗布基板に塗布することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 吐出ノズルを有する吐出ヘッドを備えた塗布装置による液状体の塗布方法であって、被塗布基板の被塗布面に略垂直な方向を回転軸として前記被塗布基板を回転させ、前記被塗布面の上方に前記吐出ヘッドを位置させた状態で前記被塗布基板と前記吐出ヘッドとを相対的に移動させ、前記吐出ノズルから前記液状体を吐出して前記液状体を前記被塗布基板に塗布することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液状体の塗布方法および塗布装置に関するものである。
従来、吐出ノズルを有する吐出ヘッドを備えた塗布装置による液状体の塗布方法として、下記の特許文献1に記載されているような方法が知られている。
下記の特許文献1ではインクジェット技術を用いてパターニングされた透明層を形成せしめる工程を有するカラーフィルターの製造方法が開示されている。この方法によって、必要な部分に対してのみパターニングされた透明層を形成できることが記載されている。
特開平09−329707号公報
下記の特許文献1ではインクジェット技術を用いてパターニングされた透明層を形成せしめる工程を有するカラーフィルターの製造方法が開示されている。この方法によって、必要な部分に対してのみパターニングされた透明層を形成できることが記載されている。
しかしながら、インクジェット装置による液状体の吐出のみでは、液状体の粘度などによって被塗布面内に均一に分散させることができず、塗布膜に膜厚ムラが生じる可能性がある。さらに、インクジェット装置による液状体の吐出のみでは、滴下された液滴の周辺部の乾燥によって液滴の吐出痕が発生する可能性がある。
例えば、被塗布基板と吐出ヘッドとを直線状に相対移動する場合、吐出ヘッドから吐出された液滴が被塗布基板上に滴下され、被塗布基板と吐出ヘッドとを相対的に移動しながら連続的に吐出することにより、被塗布基板上に液滴が線状に連なる状態で液状体の塗布膜が形成される。ここで、本明細書においては、この線状の液状体の塗布膜を塗布ラインと呼ぶことにする。一つの吐出ノズルから液滴が吐出される場合の塗布ラインは、略一つの液滴の幅で線状に形成される。また、複数の吐出ノズルから同時に液滴が吐出され、かつ幅方向の吐出ノズル間隔が液滴の間隔に設定されている場合の塗布ラインは、略前記複数の液滴の幅で帯状に形成されることになる。
被塗布基板と吐出ヘッドを直線状に相対移動しながら液状体を吐出し塗布ラインを形成した後、改行、すなわち前記直線状の移動方向に対して直角な方向に被塗布基板と吐出ヘッドを相対的に移動する。その後、前記塗布ラインの形成と逆方向に直線状に移動しながら液状体の吐出を行う。もしくは、液状体を吐出せずに逆方向に移動のみ行い、始点の改行点から同方向に直線状に移動しながら液状体の吐出を行う。これを継続することによって面状の液状体の塗布膜が形成される。
一つの吐出ノズルから液滴が吐出される場合、所定の一つの塗布ライン上の所定の点では、液滴を塗布ラインの始点からライン状に滴下して前記所定の点に滴下し、さらに継続滴下してその塗布ラインの滴下を終了する。次に、改行して次の塗布ラインに移行し液滴を滴下しながら移動し、前記所定の点と同じ位置の改行ライン上に滴下する。この間、前記所定の点の液滴の改行ライン側の周辺部はインクジェット装置の雰囲気にさらされており、液滴の周辺部から乾燥を始めてしまうことになる。その結果、ライン状の吐出痕ができてしまう可能性がある。
複数の吐出ノズルもしくは複数の吐出ヘッドを有し、複数の吐出ノズルから液滴を帯状に吐出する場合でも、帯状の塗布ラインの幅方向の端部では同様に液滴の周辺部が乾燥を始めてしまうことになり、帯状の塗布ライン幅間隔でライン状の吐出痕ができてしまう可能性がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、極めて簡便な方法により、塗布する液状体を基板上に均一に分散させることができ、且つ液滴の吐出痕が残存するような不具合の生じ難い液状体の塗布方法と、この塗布方法を行う塗布装置とを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の塗布装置による液状体の塗布方法は、吐出ノズルを有する吐出ヘッドを備えた塗布装置による液状体の塗布方法であって、被塗布基板の被塗布面に略垂直な方向を回転軸として前記被塗布基板を回転させ、前記被塗布面の上方に前記吐出ヘッドを位置させた状態で、前記被塗布面を平面視した際に前記吐出ヘッドが前記被塗布面に対して直線移動するように、前記被塗布基板と前記吐出ヘッドとを相対的に移動させ、前記吐出ノズルから前記液状体を吐出して前記液状体を前記被塗布基板に塗布するとともに、前記液状体の塗布を前記回転軸側から前記被塗布基板の外側に向けて順次行うことを特徴とする。
このような液状体の塗布方法によると、被塗布基板を回転させながら液状体を吐出するために、滴下された液状体に被塗布基板の回転による遠心力が加えられる。その結果、液状体の滴下後も塗布膜の液状体が被塗布基板上で移動し、塗布膜の膜厚の均一化が可能となる。例えば、被塗布面の中心の位置と被塗布基板の回転軸の位置が同じ場合は、吐出ノズルから連続的に吐出された液滴は、被塗布基板の回転によって回転軸を中心とする円状に塗布ラインを形成する。次に、被塗布基板と吐出ヘッドとを相対的に移動、すなわち塗布ラインを変えて塗布を継続し次の円状の塗布ラインが形成される。この場合、被塗布基板に先に形成された円状の塗布ラインは、被塗布基板の回転による遠心力により、その液状体が回転軸を中心に放射状に移動状態にあり、ここに次の塗布ラインの液状体が吐出されることになる。この動作が順次繰り返され面状の液状体の塗布膜が形成され、液状体の移動も順次繰り返されることから、塗布膜が均一化されることになる。
被塗布基板を回転させながら液状体を塗布する方法としてスピンコート法が知られているが、この方法では被塗布基板に大量の液状体を塗布し、回転により液状体を被塗布基板上から振り切りながら膜厚の均一な塗布膜を得るために、液状体が無駄になってしまう。本発明では塗布装置により被塗布基板を回転させながら面状に塗布し、塗布膜が広がるかあるいは広がらない場合でも塗布膜内で液状体が移動し膜厚の均一な塗布膜が得られる。従って、液状体を無駄にすることなく低コストな液状体の塗布膜を作成することが可能となる。
さらに、本発明の塗布方法では、被塗布基板の回転により膜状の液状体が回転軸に対して広がるように移動することで、滴下された液状体の回転外側端部の乾燥を遅くすることが可能となる。あるいは膜状の液状体が広がるように移動しない場合でも、吐出された液状体の塗布膜内で液状体が移動し、膜状の液状体の回転軸に対して周辺部が厚くなり、同様に乾燥を遅らせることが可能となる。また、前述のように液状体の塗布膜内で液状体が移動することにより、塗布面の均一化が可能である。さらに、複数の吐出ノズルより帯状に液状体を吐出する場合であっても、帯状塗布ラインの幅方向の端部液状体の乾燥を同様に遅らせることが可能となる。
ここで、被塗布基板の回転数や回転軸の位置と被塗布面との距離、すなわち遠心力の強さは、塗布する液状体の粘度や被塗布基板の表面特性などによって最適な状態に設定される。
ここで、被塗布基板の回転数や回転軸の位置と被塗布面との距離、すなわち遠心力の強さは、塗布する液状体の粘度や被塗布基板の表面特性などによって最適な状態に設定される。
また、本発明では、液状体の塗布が回転軸側から外側に向って順次行われる。この場合、塗布された塗布ラインの液状体は、塗布ラインを変えて塗布する次のライン側の端部の部分が塗布装置の雰囲気に触れることになる。そして、遠心力により液状体が移動する方向は、回転軸から外側に向う方向であるから、前述の端部液状体の乾燥を遅らせることにより有効に作用する。
本発明の塗布方法は被塗布基板を回転させながら行う方法であり、前述のように被塗布基板の回転軸の位置と被塗布面の中心の位置とが同じでも、また異なる設定でも同様な効果が得られる。被塗布基板の回転軸の位置と被塗布面の中心の位置とが同じ場合、前述のように液状体の塗布が円状の塗布ラインで形成され、次の塗布ラインも円状の塗布ラインで形成される。この場合、ある塗布ラインから次の塗布ラインへの移行は1点で移動することになり、この時も被塗布基板は回転しており、連続して吐出ノズルから液滴を吐出しながら行うことになる。その結果、ライン状の吐出のような改行時の吐出量安定化のためのダミー吐出を必要とせず、液滴の吐出が連続して行われ吐出量の安定した円状の液状体の塗布が可能となる。
また、被塗布基板の回転軸の位置と被塗布面の中心の位置とが同じ場合で、複数の吐出ノズルもしくは複数の吐出ヘッドを有し帯状の塗布を行う場合、最初の塗布ラインをしだいにライン幅が増加するよう吐出ヘッドを制御して液状体の吐出を行う。次の塗布ラインからは、例えば吐出ヘッドを被塗布基板の回転軸の位置に対して距離を大きくしながら液状体を吐出する、すなわち帯状でらせん状の液状体の塗布ラインを形成することも可能であり、この場合もダミー吐出を必要とせず、液状体の吐出を連続して行い円状の液状体塗布が可能である。
また、被塗布基板が矩形の場合であっても、矩形に収まる円状のエリアについては同様の連続した液状体の吐出により可能であり、被塗布基板の4隅では吐出ヘッドを制御して液状体を形状に合わせて吐出を行う。ここで、液状体の吐出が必要な部分にダミー吐出なしに液状体を吐出しても、その吐出量が不安定になる可能性があるのは最初の数滴程度であり、被塗布基板が回転していることにより液状体が移動して膜厚の均一な塗布膜が得られることになり、ダミー吐出なしに膜厚の均一な塗布膜を得ることができる。
さらに、被塗布基板の回転軸の位置と被塗布面の中心の位置とが異なる場合においても、前述の本発明の効果は同様に得られる。この塗布方法によれば、被塗布面内における回転の遠心力は回転軸からの距離に比例することから、回転軸よりある程度離れて被塗布基板が配置される場合、被塗布面内における遠心力の差を小さくすることが可能となり、膜厚の均一な塗布膜がより容易に得られることになる。
本発明では、被塗布基板の回転速度と、吐出ヘッドと被塗布基板との相対的な移動速度と、吐出ヘッドと被塗布基板との相対的な移動方向と、吐出ノズルからの液状体の吐出量と、吐出ノズルからの液滴吐出周期と、の少なくとも一つを被塗布基板の塗布の間に変化させることが含まれている。この塗布方法によれば、回転速度による遠心力の差、吐出ヘッドと被塗布基板との相対的な移動速度、吐出ヘッドと被塗布基板との相対的な移動方向、吐出ノズルからの液状体の吐出量、および吐出ノズルの液滴吐出周期の変更によって、被塗布基板面内で部分的に液状体の塗布量を変更することが可能となる。その結果、被塗布基板内で膜厚の異なる塗布膜が得られ、かつ被塗布基板の回転による遠心力により滑らかに塗布膜厚が変化した塗布膜を得ることができる。この場合でも膜厚が一定の領域では膜厚の均一な塗布膜が得られる。
また、本発明では被塗布面の平面形状はどのような形状であっても塗布可能であり、被塗布基板の回転に対して、吐出ヘッドと被塗布基板との相対的な移動を制御することにより所望の平面形状に塗布できる。特に被塗布面の平面形状が矩形である場合、被塗布面の塗布ラインが直線になるよう吐出ヘッドと被塗布基板との相対的な移動を制御することが好ましく、容易に矩形への液状体の塗布が可能になる。この場合、被塗布基板の回転軸に対して被塗布面の中心を離れて配置することにより、吐出ヘッドと被塗布基板との少ない相対移動で塗布ラインを直線とすることが可能である。このような被塗布面の平面形状であっても、前述のように被塗布基板の回転により回転軸から放射状の方向への遠心力が働き、本発明の同様な効果が得られる。
本発明では、吐出ノズルに対する被塗布基板上の液滴の塗布点の移動速度の増加に伴い吐出ノズルの液滴吐出周波数を増加させ、前記塗布点の移動速度の減少に伴い前記液滴吐出周波数を減少させることが好ましい。例えば、被塗布基板の回転軸の位置と被塗布面の中心の位置とが同じで円状に液状体を吐出し、かつ回転数が一定の場合、吐出ノズルに対する回転軸に近い塗布ライン上の塗布点の周方向の移動速度より、吐出ノズルに対する回転軸から離れた塗布ライン上の塗布点の周方向の移動速度が速くなる。この時の吐出ノズルからの液滴の吐出周波数は、吐出ノズルに対する塗布点の移動速度が速くなったことから吐出周波数を高く、すなわち吐出周期を小さく設定する。その結果、それぞれの吐出ライン上の液滴間隔を均一化させることが可能となる。
また、吐出ノズルに対する塗布点の移動速度と、吐出ノズルからの液滴の吐出周波数とを比例して増加あるいは減少させることはさらに好ましく、被塗布基板上に同じ間隔で液状体が吐出され、塗布面内において膜厚の均一な塗布膜を得易くすることができる。また、回転軸から離れた塗布ラインの液状体の吐出は、回転数を下げて行う方法も可能であり、この場合でも同様に吐出ノズルに対する塗布点の移動速度の増加に伴って吐出ノズルからの液滴の吐出周波数を増加させ、前記塗布点の移動速度の減少に伴って前記液滴の吐出周波数を減少するように変化させることによって、液滴間隔は均一化され膜厚の均一な塗布膜を得易くすることができる。
さらに、本発明では、被塗布基板への液状体の滴下終了後に被塗布基板の回転速度を変化させることもできる。この方法によれば、被塗布基板を回転させながら被塗布基板に液状体の滴下を終了し膜厚の均一な塗布膜を形成した後、回転速度を速くすることにより膜厚を薄くすることが可能であり、また周辺部において液状体を滑らかに広げることも可能である。また、被塗布基板を回転しながら被塗布基板内で液状体の膜厚が異なる領域を有する液状体の滴下を行った後、被塗布基板の回転速度を速くすることにより、膜厚の変化の境界領域をより滑らかに変化させることが可能となる。
一方、被塗布基板を回転させながら被塗布基板に液状体の塗布を終了した後、被塗布基板の回転速度を遅くすることにより、遠心力により回転軸に対して周辺方向に広げていた力を弱め、液状体の塗布膜の表面形状を滑らかにすることも可能である。
一方、被塗布基板を回転させながら被塗布基板に液状体の塗布を終了した後、被塗布基板の回転速度を遅くすることにより、遠心力により回転軸に対して周辺方向に広げていた力を弱め、液状体の塗布膜の表面形状を滑らかにすることも可能である。
次に、本発明の塗布装置は、吐出ノズルを有する吐出ヘッドを備えた液状体を塗布する塗布装置であって、被塗布基板の被塗布面に略垂直な方向を回転軸として前記被塗布基板を回転させる回転手段と、前記被塗布基板を前記回転手段に保持する保持手段と、前記被塗布面の上方に前記吐出ヘッドを位置させた状態で、前記被塗布面を平面視した際に前記吐出ヘッドが前記被塗布面に対して直線移動するように、前記被塗布基板と前記吐出ヘッドとを相対的に移動させる移動手段と、前記液状体の塗布を前記回転軸側から前記被塗布基板の外側に向けて順次行うよう前記液状体の液滴の吐出を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
このような液状体の塗布装置によると、上記本発明の塗布方法を容易に実現することができる。すなわち、液滴の吐出痕の発生しない膜厚の均一な塗布膜を、また所望な形状パターンの液状体塗布膜を均一に形成することを、さらには被塗布基板に滑らかな膜厚変化で膜厚の異なる領域を形成することが可能な塗布装置を得ることができる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。
[塗布装置]
図1ないし図4は、塗布装置の例を示したものであり、図1は塗布装置34の概略構成図、図2は吐出ヘッド72の配列を示す平面図、図3および図4は吐出ヘッド72の説明図である。
この塗布装置34は、図1に示すように被塗布基板11上に対して液状体Lを吐出する吐出ヘッドを複数備えた吐出ヘッド群1と、液滴吐出機構2と、ベース31に固定され被塗布基板11を回転させるステージ回転駆動部6(回転手段)と、ベース31に固定され吐出ヘッド群1と被塗布基板11との位置を相対的に移動可能な移動機構5(移動手段)と、液滴吐出機構2と移動機構5およびステージ回転駆動部6とを制御する制御部C(制御手段)とを備えている。
[塗布装置]
図1ないし図4は、塗布装置の例を示したものであり、図1は塗布装置34の概略構成図、図2は吐出ヘッド72の配列を示す平面図、図3および図4は吐出ヘッド72の説明図である。
この塗布装置34は、図1に示すように被塗布基板11上に対して液状体Lを吐出する吐出ヘッドを複数備えた吐出ヘッド群1と、液滴吐出機構2と、ベース31に固定され被塗布基板11を回転させるステージ回転駆動部6(回転手段)と、ベース31に固定され吐出ヘッド群1と被塗布基板11との位置を相対的に移動可能な移動機構5(移動手段)と、液滴吐出機構2と移動機構5およびステージ回転駆動部6とを制御する制御部C(制御手段)とを備えている。
移動機構5は、基板ステージ4上に保持された被塗布基板11の上方に、吐出ヘッド群1を吐出ヘッドの吐出ノズルが下方を向くように支持すると共に、被塗布基板11に対して任意の位置に移動させるよう構成されている。
上記移動機構5は、吐出ヘッド群1を水平方向(X軸)および垂直方向(Z軸)に任意の移動速度で移動可能かつ位置決め可能なリニアモータ等の機構と、垂直中心軸を中心に吐出ヘッド群1を回転させて下方の被塗布基板11に対して任意な角度に設定可能なステッピングモータ等の機構とを備えている。この構成により、被塗布基板11の被塗布面を平面視した際に、吐出ヘッド群1、ひいては吐出ヘッド72が被塗布面に対して直線移動するようになっている。
上記移動機構5は、吐出ヘッド群1を水平方向(X軸)および垂直方向(Z軸)に任意の移動速度で移動可能かつ位置決め可能なリニアモータ等の機構と、垂直中心軸を中心に吐出ヘッド群1を回転させて下方の被塗布基板11に対して任意な角度に設定可能なステッピングモータ等の機構とを備えている。この構成により、被塗布基板11の被塗布面を平面視した際に、吐出ヘッド群1、ひいては吐出ヘッド72が被塗布面に対して直線移動するようになっている。
ステージ回転駆動部6は、被塗布基板11を基板ステージ4に保持し、垂直中心軸を中心に基板ステージ4を任意の回転速度で回転駆動するよう構成されている。被塗布基板11は、例えば真空チャックや静電チャックあるいは機械的な保持手段などで基板ステージ4に保持される構成になっている(保持手段)。また、図示していないが、ステージ回転駆動部6はモータを内蔵しており、基板ステージ4はモータからの回転駆動伝達手段に固定されモータの回転に応じて回転する構成になっている。
液滴吐出機構2は、吐出ヘッド群1にチューブ9aを介して接続され吐出ヘッド群1の吐出ヘッドに液状体Lを供給するために液状体Lを貯留するタンク9bを備えている。すなわち、タンク9bからチューブ9aを介して吐出ヘッド群1の吐出ヘッドに液状体Lを充填することにより、塗布が行われる。
吐出ヘッドは、例えばピエゾ素子によって液室を圧縮してその圧力波で液状体Lを吐出させる吐出機構を備えており、一列又は複数列に配列された複数の吐出ノズルを有している。
吐出ヘッドは、例えばピエゾ素子によって液室を圧縮してその圧力波で液状体Lを吐出させる吐出機構を備えており、一列又は複数列に配列された複数の吐出ノズルを有している。
図2は、吐出ヘッド群1における吐出ノズル67の配列の例を示したもので、吐出ヘッド群1の下面(基板ステージ4に対向する面)を平面視した図である。この例において、吐出ヘッド群1には、所定数の吐出ノズル67と吐出機構71とを備えた吐出ヘッド72が12個(6個×2列)設けられている。
吐出ヘッド群1が、基板ステージ4上の被塗布基板11に対して相対的に進行する方向をSとし、この方向に垂直な方向を幅方向Wとすると、12個の吐出ヘッド72は、吐出ノズル67が進行方向Sに対して任意の角度を有する一方向に沿って列をなすように、かつ進行方向Sに平行で各吐出ノズル67を通る直線が、幅方向Wにおいて等間隔となるように配置されている。
1個の吐出ヘッド72に設けられる吐出ノズル67の数や、吐出ヘッド72の数は適宜変更可能であるが、被塗布基板11の被塗布面の大きさや形状によって設定される。
吐出ヘッド群1が、基板ステージ4上の被塗布基板11に対して相対的に進行する方向をSとし、この方向に垂直な方向を幅方向Wとすると、12個の吐出ヘッド72は、吐出ノズル67が進行方向Sに対して任意の角度を有する一方向に沿って列をなすように、かつ進行方向Sに平行で各吐出ノズル67を通る直線が、幅方向Wにおいて等間隔となるように配置されている。
1個の吐出ヘッド72に設けられる吐出ノズル67の数や、吐出ヘッド72の数は適宜変更可能であるが、被塗布基板11の被塗布面の大きさや形状によって設定される。
各吐出ヘッド72の構造は、例えば図3および図4に示すように、ステンレス製のノズルプレート61と振動板62とを備え、両者は仕切部材(リザーバプレート)63を介して接合されている。ノズルプレート61と振動板62との間には、仕切部材63によって複数の空間64と液溜まり65とが形成されている。各空間64と液溜まり65の内部は液状体Lで満たされており、各空間64と液溜まり65とは供給口66を介して連通している。さらに、ノズルプレート61には、空間64から液状体Lを吐出するための孔となる吐出ノズル67が設けられている。一方、振動板62には液溜まり65に液状体Lを供給するための孔68が形成されている。
また、振動板62の空間64に対向する面と反対側の面上には圧電素子(ピエゾ素子)69が接合されている。この圧電素子69は一対の電極70の間に位置し、通電すると圧電素子69が外側に突出するように撓曲し、同時に圧電素子69が接合されている振動板62も一体となって外側に撓曲する。これによって空間64の容積が増大する。従って、空間64内に増大した容積分に相当する液状体Lが液溜まり65から供給口66を介して流入する。次に、圧電素子69への通電を解除すると、圧電素子69と振動板62は共に元の形状に戻る。これにより、空間64も元の容積に戻るため、空間64内部の液状体Lの圧力が上昇し、吐出ノズル67から被塗布基板11に向けて液状体Lの液滴60が吐出される。
なお、吐出ヘッド72の液滴吐出方式としては、上記の圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ以外の方式でもよく、例えば、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたインク発泡圧力噴出方式(例えばバブルジェット(登録商標)方式)等の方式を採用しても構わない。
なお、吐出ヘッド72の液滴吐出方式としては、上記の圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ以外の方式でもよく、例えば、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたインク発泡圧力噴出方式(例えばバブルジェット(登録商標)方式)等の方式を採用しても構わない。
制御部Cは、装置全体の制御を行うマイクロプロセッサ等のCPUや各種信号の入出力機能を有するコンピュータなどであり、インクジェット機構2と移動機構5及びステージ回転駆動部6にそれぞれ電気的に接続され、液滴吐出機構2による吐出動作と移動機構5による移動動作およびステージ回転駆動部6による基板ステージ4の回転動作の少なくとも一つを制御して液状体Lの塗布条件を変える機能を有している。
本実施形態では、制御部Cは、それぞれの吐出ヘッド72において、複数の吐出ノズル67のうち同時に液状体Lが吐出される吐出ノズル67の組合せを変える機能を備えている。これにより、吐出ヘッド72における液状体Lの吐出位置を変更することができ、ステージ回転駆動部6により基板ステージ4を1回転させたときに被塗布基板11上に液状体Lが塗布される塗布ラインの幅を制御することができる。また、ステージ回転駆動部6により基板ステージ4を1回転する間に、吐出ヘッド72の吐出ノズル67の組合せを変化させ、順次塗布される幅が太くなるよう、さらに2回転目からは移動機構5で吐出ヘッド72を順次X方向に移動しながら一定の塗布ライン幅で吐出ノズル67から塗布するよう制御部Cにて制御することによって、らせん状に液状体Lを被塗布基板11に塗布することもできる。
また、制御部Cが、液状体Lを塗布する領域によって吐出ヘッド72の吐出量や吐出周期、および移動機構5の移動速度や移動方向を制御できる機能を備えることが好ましい。例えば、各吐出ノズル67からの吐出量や吐出周期を個別に変える制御機能を設けて、被塗布基板11の同一塗布ラインに複数回の塗布で、塗布ライン中に膜厚が異なる部位が存在するように塗布膜を形成することができる。また、例えば上記制御機能により1回の液状体Lの塗布で塗布ライン中に膜厚の異なる部分の形成も可能であり、塗布ラインを変えながら同様に繰り返し面状の塗布膜を得ることができる。このような構成とすれば、被塗布基板11内で任意に塗布膜厚の変化する液状体Lの塗布膜を形成することができる。いずれにしても、制御部Cは、液状体Lの塗布を回転軸側から被塗布基板11の外側に向けて順次行うよう液状体Lの液滴の吐出を制御する。
さらに、制御部Cが、被塗布基板11に液状体Lを滴下している間、もしくは滴下終了後に被塗布基板11の回転速度を制御できることが好ましい。このような構成にすれば、被塗布基板11上の液状体Lの塗布膜を回転による遠心力で表面を均一化することに加えて、膜厚を変化させることも、さらには膜厚の異なる境界の段差部をより滑らかにするなどの効果を得ることができる。
図1の実施形態は移動機構5で吐出ヘッド72を移動させる例を示したが、ベース31上にスライダーなどを取り付け、そのスライダー上にステージ回転駆動部6を取り付けることで被塗布基板11を移動させることも可能である。この場合、被塗布基板11だけを移動させ吐出ヘッド72を固定とすることも可能である。このような実施形態によれば、被塗布基板11を回転させるステージ回転駆動部6が必要なものの、移動機構は吐出ヘッド72の移動機構5もしくは被塗布基板11の移動機構のいずれか一方だけで可能であり、塗布装置34を簡略化、小型化することが可能である。また、吐出ヘッド72の移動機構5および被塗布基板11の移動機構を合わせ持つことも可能である。この場合は、被塗布基板11上の被塗布面の複雑な形状に対しても、本発明の効果を利用しつつ液状体Lの塗布膜を容易に形成することが可能となる。
[塗布方法]
塗布装置34で液状体Lを塗布するには、まずステージ回転駆動部6に固定された基板ステージ4上に被塗布基板11をセットし、被塗布基板11の塗布開始位置の上方に吐出ヘッド群1が位置するように、吐出ヘッド群1および/または基板ステージ4を移動させる。この場合、基板ステージ4上への被塗布基板11のセットは、基板ステージ4の回転軸の位置と被塗布基板11の塗布面の中心の位置とを一致させることも、また異なるようセットすることも可能である。例えば、基板ステージ4の回転軸の位置と被塗布基板11の塗布面の中心の位置とが同じ場合で、円状に液状体Lを塗布する場合について説明する。
塗布装置34で液状体Lを塗布するには、まずステージ回転駆動部6に固定された基板ステージ4上に被塗布基板11をセットし、被塗布基板11の塗布開始位置の上方に吐出ヘッド群1が位置するように、吐出ヘッド群1および/または基板ステージ4を移動させる。この場合、基板ステージ4上への被塗布基板11のセットは、基板ステージ4の回転軸の位置と被塗布基板11の塗布面の中心の位置とを一致させることも、また異なるようセットすることも可能である。例えば、基板ステージ4の回転軸の位置と被塗布基板11の塗布面の中心の位置とが同じ場合で、円状に液状体Lを塗布する場合について説明する。
被塗布基板11および吐出ヘッド群1を塗布開始位置にセットした後、吐出ヘッド群1の吐出ヘッド72から液状体Lを所定の吐出周期で吐出させつつ、基板ステージ4を回転させて1回転目の塗布を行う。
次に、吐出ヘッド群1をX方向に移動させて塗布ラインを変え、吐出ヘッド72から液状体Lを所定の吐出周期で塗出させつつ、基板ステージ4を回転させ2回転目の塗布を行う。このように被塗布基板11を回転させながら順次塗布ライン変え、所望の円状の塗布形状に被塗布基板11に液状体Lを塗布する。
次に、吐出ヘッド群1をX方向に移動させて塗布ラインを変え、吐出ヘッド72から液状体Lを所定の吐出周期で塗出させつつ、基板ステージ4を回転させ2回転目の塗布を行う。このように被塗布基板11を回転させながら順次塗布ライン変え、所望の円状の塗布形状に被塗布基板11に液状体Lを塗布する。
吐出ヘッド群1の吐出ヘッド72から液状体Lの塗布は1つの吐出ノズル67のみからの塗布も可能であり、またの複数の吐出ノズル67から同時に塗布することも可能である。
複数の吐出ノズル67から幅の広い塗布ラインで塗布する場合、基板ステージ4の回転軸に近い吐出ノズル67の塗布ラインと回転軸から遠い吐出ノズル67の塗布ラインでは、基板ステージ4の1回転による塗布ラインの長さ、および吐出ノズル67に対する被塗布基板11の液状体Lの塗布点の移動速度が異なる。
複数の吐出ノズル67から幅の広い塗布ラインで塗布する場合、基板ステージ4の回転軸に近い吐出ノズル67の塗布ラインと回転軸から遠い吐出ノズル67の塗布ラインでは、基板ステージ4の1回転による塗布ラインの長さ、および吐出ノズル67に対する被塗布基板11の液状体Lの塗布点の移動速度が異なる。
この場合、制御部Cが、塗布ラインの長さあるいは吐出ノズル67に対する塗布点の移動速度に応じて液状体Lの吐出ノズル67からの吐出周期を変化させることで均一に液状体Lを塗布できるよう制御できることが好ましい。すなわち、塗布ラインが長いあるいは吐出ノズル67に対する塗布点の移動速度が早い場合は、吐出ノズルの吐出周期を短く制御する。また、逆に塗布ラインの長さが短いあるいは吐出ノズル67に対する塗布点の移動速度が遅い場合は、吐出ノズル67の吐出周期を長く制御する。この結果、液状体Lの滴下を均一に円状に行うことが可能である。
さらに、後述するように被塗布基板11が矩形あるいはどのような形状であっても、制御部Cによる液滴吐出機構2と移動機構5および回転駆動部6の制御によって膜厚の変化も含めて所望の形状に塗布することが可能である。
さらに、後述するように被塗布基板11が矩形あるいはどのような形状であっても、制御部Cによる液滴吐出機構2と移動機構5および回転駆動部6の制御によって膜厚の変化も含めて所望の形状に塗布することが可能である。
次に、基板ステージ4の回転による遠心力で吐出された液滴の変化をわかり易く説明するために、1滴が吐出されて被塗布基板に着弾した状態について、図5に基づいて説明する。図5の(a)は被塗布基板21が静止している状態で滴下された液滴22の状態を示す断面図であり、(b)は被塗布基板21の表面に対して垂直で図上の被塗布基板21の右側方向の位置を回転軸として、被塗布基板21が回転している時の液滴22の断面形状を示している。また、図5の(b)は被塗布基板21の回転による遠心力によって液滴が移動していない状態を示している。
図5の(a)は吐出ヘッドから吐出された液滴22が、静止している被塗布基板21上に着弾している状態であり、被塗布基板21と液滴22の周辺端が、被塗布基板21の表面特性や液状体の特性によって決まる静的接触角θ1で接している。この時、液滴22の静的接触角θ1は液滴22の周囲において同一の値となっている。
一方、図5の(b)は被塗布基板21が回転している状態であり、前述の回転軸の位置により図上で右から左方向に遠心力が働いている。その結果、液滴22の左端部の接触角θ2は図5の(b)に示すように図5の(a)の静的接触角θ1より大きな角度となり、また液滴22の右端部は静的接触角θ1より小さいθ3の接触角となっている。
これは、被塗布基板21の回転による遠心力が図上で右から左に働き、その結果液滴22内で液状体が右から左方向に移動したためである。図5の(b)において、図上の左端部では液状体の厚さが厚く、すなわち液状体の量が多くなっており、液滴表面の液状体の乾燥に対して、液状体が多く供給できることから、乾燥を遅らせることが可能となる。
さらに被塗布基板11の回転数を上げる、すなわち遠心力を大きくすると、液滴22は左方向に広がり始めることになる。この場合でも、液滴22の断面形状は図5の(b)と同じように遠心力が働く方向の液状体が厚い状態で広がることになる。
これは、被塗布基板21の回転による遠心力が図上で右から左に働き、その結果液滴22内で液状体が右から左方向に移動したためである。図5の(b)において、図上の左端部では液状体の厚さが厚く、すなわち液状体の量が多くなっており、液滴表面の液状体の乾燥に対して、液状体が多く供給できることから、乾燥を遅らせることが可能となる。
さらに被塗布基板11の回転数を上げる、すなわち遠心力を大きくすると、液滴22は左方向に広がり始めることになる。この場合でも、液滴22の断面形状は図5の(b)と同じように遠心力が働く方向の液状体が厚い状態で広がることになる。
図5では1滴が吐出された状態について説明を行ったが、被塗布基板21が回転している状態で面状に液状体を被塗布基板21に塗布する場合、回転軸から外側に向って塗布ラインを変えながら塗布することが好ましい。この場合、塗布膜の回転軸側は面状の液状体塗布膜となっており、回転軸から外側の最外周の端部が図5の(b)の左端部の接触角θ2となり、塗布膜の外周端が厚くなった状態となる。従って、液状体の塗布膜全体で乾燥しにくい状態となる。その結果、液状体の乾燥などによる吐出痕が発生しない塗布膜を得ることが可能となる。
上述の面状に液状体を塗布している状態では、回転軸側の面状の液状体塗布膜内でも遠心力は働いており液状体が移動できる状態にある。この状態で、例えば被塗布基板が静止している状態の図5の(a)のような塗布ラインの中央部が厚く周辺部が薄い塗布ラインが連続して断面が波形の面状に形成された場合でも、被塗布基板21が回転していることにより面状の塗布膜内で液状体が移動し、液状体塗布膜全体が1つの液滴のような形状に移動し、その結果、均一な膜厚を形成するように働くことになる。
さらに詳しく図6ないし図8にて塗布膜の膜厚の均一化について説明する。図6は液状体の滴下中心を一点鎖線で、液状体の想定上の着弾形状を二点鎖線で示した平面図である。図7は被塗布基板を回転しながら、図6に対応して液状体を塗布した状態を示す平面図、図8は回転する被塗布基板内で膜厚の異なる塗布膜を形成した断面図を示している。
図6は被塗布基板21に直線状に液状体を吐出する液滴130の着弾想定形状を示す平面図であり、1ラインに6滴を3ライン吐出する状態を示している。この状態で吐出、即ち一点鎖線で示す液滴130の着弾の中心に、また中心間隔に被塗布基板21の回転速度に合わせて吐出ヘッドより吐出周期を制御して吐出する。
ここで、被塗布基板21が静止している場合は、液状体を塗布するとそれぞれの液滴130が図5の(a)のような表面形状となり、その液滴130が連なった状態、すなわち塗布膜の表面が波形となる。
ここで、被塗布基板21が静止している場合は、液状体を塗布するとそれぞれの液滴130が図5の(a)のような表面形状となり、その液滴130が連なった状態、すなわち塗布膜の表面が波形となる。
図7は液状体を吐出した状態を示す被塗布基板21の塗布部の平面図である。被塗布基板21は図7の下側の塗布部分から離れた位置に回転軸を有して回転しているために、図6で示す着弾想定位置に対して図7上で上方向に液状体塗布膜131が広がっている。図5では液滴が移動しない状態で液滴内の液状体が移動する状態を説明したが、図7は塗布された液状体塗布膜131が遠心力によりわずか広がる状態を示している。図7では上方向に液状体塗布膜131の周辺部が移動しているが、塗布された液状体塗布膜131内の全体において液状体が移動しており、すなわち図示の液状体塗布膜131は前述のような波形の表面とはならず、1つの液滴のような形状へと移動をしている。その結果、塗布された液状体塗布膜131全体が1つの液滴、すなわち液状体塗布膜131の膜厚が均一化されることになる。
図8は被塗布基板21に形成された液状体塗布膜141の膜厚が異なる領域を有する本発明の実施形態を示す断面図である。液状体塗布膜141の膜厚を変えるには、前述のように液状体の吐出量や吐出周期、被塗布基板と吐出ヘッドの相対的移動速度や移動方向、被塗布基板の回転数を変化させる方法がある。この塗布膜厚の変更方法の少なくとも1つを被塗布基板21の液状体の塗布の間に変化させることで被塗布基板21内での膜厚の変更が可能である。
本実施形態では、被塗布基板21が回転していることから、上述の被塗布基板21に膜厚が異なるように液状体塗布膜141が形成されても、液状体塗布膜141内の液状体は移動し、図8に示すように膜厚の変化部は滑らかに変化するよう形成される。
上述の方法は被塗布基板21を回転しながら被塗布基板21に膜厚を変化させて表面の滑らかな塗布膜を得る方法であるが、液状体の滴下終了後、被塗布基板21の回転速度を変化させることでも可能であり、回転数を速くすることによりより滑らかな形状となる。
上述した実施形態は平面状の被塗布基板21に塗布膜厚を変化させて形成する塗布方法、すなわち塗布膜表面に滑らかな段差を有するように膜厚を変化させる場合である。また、被塗布基板21が表面に段差を有する場合であっても同様に形成することが可能であり、液状体の吐出量を変化させて表面を平坦化することも可能である。この場合でも本発明の表面の均一な平坦化効果、また吐出痕が発生しないなどの効果も同様に得られることになる。
上述した実施形態は平面状の被塗布基板21に塗布膜厚を変化させて形成する塗布方法、すなわち塗布膜表面に滑らかな段差を有するように膜厚を変化させる場合である。また、被塗布基板21が表面に段差を有する場合であっても同様に形成することが可能であり、液状体の吐出量を変化させて表面を平坦化することも可能である。この場合でも本発明の表面の均一な平坦化効果、また吐出痕が発生しないなどの効果も同様に得られることになる。
次に被塗布基板に所望の形状に液状体を塗布する本発明の実施形態を説明する。図9ないし図11は被塗布基板が矩形で被塗布基板の全面に液状体を塗布する例を示している。図9は回転軸100の位置と被塗布基板101の中心の位置とが同じ場合、図10は回転軸100の位置と被塗布基板110ないし113の中心の位置とが異なりステージ基板上に4枚の被塗布基板110ないし113を配置した状態、図11は図10と同様に2枚の被塗布基板120、121を配置し、被塗布基板120、121と吐出ヘッドを相対的に楕円状に移動しながら塗布する状態を示している。図9ないし図11では、一点鎖線の交点で回転軸100を示し、二点鎖線で基板ステージ上の吐出ヘッドの通過ラインを表している。
図9に示す矩形状の被塗布基板101に液状体を塗布する場合、回転軸100から吐出ヘッドの通過ライン102までは前述のように円状に液状体を塗布し、吐出ヘッドの通過ライン102から103までは、液状体の塗布が左側の領域と右側の領域に吐出を中断して矩形の被塗布基板101内だけに液状体を塗布する。
次の吐出ヘッドの通過ライン103から104までは被塗布基板101の4つのコーナー部分のみに同様に液状体を塗布する。これらは前述のように塗布装置の制御部により吐出を制御することによって行う。その結果、本発明の効果である吐出痕が生じない膜厚の均一な液状体の塗布膜を矩形の被塗布基板101に形成することができる。
次の吐出ヘッドの通過ライン103から104までは被塗布基板101の4つのコーナー部分のみに同様に液状体を塗布する。これらは前述のように塗布装置の制御部により吐出を制御することによって行う。その結果、本発明の効果である吐出痕が生じない膜厚の均一な液状体の塗布膜を矩形の被塗布基板101に形成することができる。
図10は基板ステージに被塗布基板110ないし113の4枚を配置した本発明の実施の形態である。図10は4枚の被塗布基板110ないし113をそれぞれ基板ステージに保持した場合であるが、1枚の被塗布基板に4つの矩形の液状体を塗布し、その後の処理を実施した後に切断しても同様に得ることが可能である。いずれの場合でも同様に液状体の塗布は実施できる。図10において、吐出ヘッドの通過ライン115から116まで、吐出ヘッドの通過ライン116から117まで、吐出ヘッドの通過ライン117から118までの間を、それぞれ異なる平面塗布形状で塗布して4枚の矩形の被塗布基板110ないし113に液状体の塗布が行われる。この場合、回転軸100の位置と被塗布基板110ないし113の中心の位置とが異なることから被塗布基板110ないし113内で遠心力の差が小さく、吐出痕が生じない膜厚の均一な塗布膜をより容易に得ることができる。
図11は基板ステージに2枚の被塗布基板120、121を保持し、基板ステージ上で吐出ヘッドの通過ライン125ないし128が楕円状の本発明の実施形態を示している。この場合も液状体の塗布は同様であり、回転軸100の位置と吐出ヘッドとの距離が、吐出ヘッドの通過ライン125ないし128のようになるよう回転位置に対して吐出ヘッドを移動制御することにより可能である。また、図11では楕円状の吐出ヘッドの通過ラインとしたが、被塗布基板120、121の上では通過ラインが直線となるよう吐出ヘッドを移動することも可能である。いずれも制御部により移動機構を制御することによって可能である。
図11では、吐出ヘッドの通過ライン125から126まで、吐出ヘッドの通過ライン126から127まで、吐出ヘッドの通過ライン127から128までを、それぞれ異なる平面塗布形状で塗布して2枚の矩形の被塗布基板120、121に液状体の塗布が行われる。前述のように被塗布基板120、121上で吐出ヘッドの通過ラインが直線となるよう移動機構を制御することにより、吐出ヘッドの液滴の吐出制御を容易に矩形の被塗布基板120、121への液状体の塗布膜が得られ、また本発明の効果も同様に得られ、均一な塗布膜を形成することが可能となる。
本発明は液状体の塗布方法に関するものであって、使用される液状体は吐出ノズルを有する吐出ヘッドを備えた塗布装置で吐出可能な特性を有する液状体であればどのような液状体でも、本発明の効果を利用しつつ塗布することが可能である。例えば、着色材、フォトリソグラフィ法に用いられるレジスト類、半導体素子や電気光学的な素子などの保護膜あるいは被覆膜、液晶装置のカラーフィルタの平坦化膜や液晶材料、また金属の微粒子を含む液状体による電極の形成など膜厚の均一なあるいは表面の平坦化などを必要とする塗布膜の形成に有効である。本発明の効果により吐出痕の生じない膜厚の均一な、あるいは膜厚が滑らかに変化する多彩な形状の液状体塗布膜を、小型の塗布装置により容易に得ることが可能となる。
また、本発明は液状体の塗布方法および塗布装置に関するものであって、液状体の塗布後の後処理に関しては何ら限定されるものではなく、熱乾燥して硬化する場合は熱処理を、また紫外線硬化させる場合は紫外線の照射を、さらに液晶材料のように硬化しない場合は液状体を塗布したのみで使用されることになる。
さらに、本発明の塗布方法は単層の膜の形成であっても多層の膜の形成であっても可能であり、前述の本発明の塗布方法および必要に応じて後処理を実施し、その上に重ねて同様に塗布および必要に応じて後処理を繰り返すことにより可能である。また、本発明の塗布方法は塗布面のいかなる形状に対しても可能であり塗布面内において液状体の材料を変え、異なる液状体を組み合わせた塗布膜を形成することも可能である。
さらに、本発明の塗布方法は単層の膜の形成であっても多層の膜の形成であっても可能であり、前述の本発明の塗布方法および必要に応じて後処理を実施し、その上に重ねて同様に塗布および必要に応じて後処理を繰り返すことにより可能である。また、本発明の塗布方法は塗布面のいかなる形状に対しても可能であり塗布面内において液状体の材料を変え、異なる液状体を組み合わせた塗布膜を形成することも可能である。
1…吐出ヘッド、2…液滴吐出機構、4…基板ステージ、5…移動機構、6…ステージ回転駆動部、9a…チューブ、9b…タンク、72…吐出ヘッド、34…制御部、L…液状体、C…制御部。
Claims (7)
- 吐出ノズルを有する吐出ヘッドを備えた塗布装置による液状体の塗布方法であって、
被塗布基板の被塗布面に略垂直な方向を回転軸として前記被塗布基板を回転させ、
前記被塗布面の上方に前記吐出ヘッドを位置させた状態で、前記被塗布面を平面視した際に前記吐出ヘッドが前記被塗布面に対して直線移動するように、前記被塗布基板と前記吐出ヘッドとを相対的に移動させ、
前記吐出ノズルから前記液状体を吐出して前記液状体を前記被塗布基板に塗布するとともに、前記液状体の塗布を前記回転軸側から前記被塗布基板の外側に向けて順次行うことを特徴とする塗布方法。 - 前記被塗布基板の前記回転軸の位置と前記被塗布面の中心の位置とが一致していることを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
- 前記被塗布基板の前記回転軸の位置と前記被塗布面の中心の位置とが異なることを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
- 前記被塗布基板の回転速度と、前記吐出ヘッドと前記被塗布基板との相対的移動速度と、前記吐出ヘッドと前記被塗布基板との相対的移動方向と、前記吐出ヘッドの液状体の吐出量と、前記吐出ヘッドの液滴の吐出周期と、の少なくとも一つを前記被塗布基板の塗布の間に変化させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の塗布方法。
- 前記吐出ノズルに対する前記被塗布基板上の液滴の塗布点の移動速度の増加に伴い前記吐出ノズルの液滴吐出周波数を増加させ、前記塗布点の移動速度の減少に伴い前記液滴吐出周波数を減少させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の塗布方法。
- 前記吐出ヘッドから前記被塗布基板への前記液状体の滴下終了後に前記被塗布基板の回転速度を滴下時の回転速度に対して変化させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の塗布方法。
- 吐出ノズルを有する吐出ヘッドを備えた液状体を塗布する塗布装置であって、
被塗布基板の被塗布面に略垂直な方向を回転軸として前記被塗布基板を回転させる回転手段と、
前記被塗布基板を前記回転手段に保持する保持手段と、
前記被塗布面の上方に前記吐出ヘッドを位置させた状態で、前記被塗布面を平面視した際に前記吐出ヘッドが前記被塗布面に対して直線移動するように、前記被塗布基板と前記吐出ヘッドとを相対的に移動させる移動手段と、
前記液状体の塗布を前記回転軸側から前記被塗布基板の外側に向けて順次行うよう前記液状体の液滴の吐出を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする塗布装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003285994A JP2005052741A (ja) | 2003-08-04 | 2003-08-04 | 塗布方法、塗布装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020222310A1 (ja) * | 2019-04-30 | 2020-11-05 | デクセリアルズ株式会社 | 摺動装置 |
WO2020222311A1 (ja) * | 2019-04-30 | 2020-11-05 | デクセリアルズ株式会社 | 摺動対象物の表面に対する摺動処理物の供給又は排除方法 |
-
2003
- 2003-08-04 JP JP2003285994A patent/JP2005052741A/ja not_active Withdrawn
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WO2020222311A1 (ja) * | 2019-04-30 | 2020-11-05 | デクセリアルズ株式会社 | 摺動対象物の表面に対する摺動処理物の供給又は排除方法 |
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