JP2005052486A - 履き物および履き物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 形状が異なる各種バリエーションの履き物基台を迅速かつ低コストで生産しうる履き物とその製造方法を提供する。
【解決手段】履き物は、軟質発泡材からなる板状体を打ち抜きにより形成される基部層4と、基部層の上面に取付けられるカバー層5と、基部層の下に添着され履き物底をなすボトム層6とを具え、基部層は、踵部2において上下に貫通するクッション収納部7を有し、かつクッション収納部にエアクッション体8を収納するとともに、エアクッション体の上部をカバー層により遮蔽するとともに、基部層の下面をボトム層を用いて覆ってなる履き物基台を有し、その製造方法においては、軟質発泡材からなる板状体を打ち抜きにより形成する基部層形成工程と、形成された基部層の踵部にクッション収納部を形成する収納部形成工程と、エアクッション体取付工程と、カバー層取付工程と、ボトム層取付工程とにより履き物基台を製造することを特徴とする。
【選択図】 図5
Description
本発明は、衝撃の吸収緩和のためにエアクッション体を踵部に内蔵したサンダル、靴などの履き物、およびその製造方法に関する。
近年、ジョギング、ゴルフなどに使用される運動靴を始め、作業用、レジャー用、介護用などに用いられる履き物においても、接地時に歩行面から受ける衝撃を和らげるために、踵部にエアクッション体を内蔵したものが使用されている。そして膝、腰など使用者の各部関節に掛かる負担が小さく、半月板損傷、腰痛などの故障を減じるとともに歩行、走行による疲労が軽減することから、その需要は急速に拡大しており、さらに履き物の軽量化が図れるとともに歩行感が高まることから、図15に示すように、ビーチサンダルを始め、学校用サンダルその他のバックストラップタイプ、ミュールタイプなど各種サンダルsにエアクッション体aを内蔵することが求められている。リハリビ用サンダル、介護用サンダルにおいては衝撃吸収機能が特に求められるため、エアクッション体aは非常に有効である。
ところで、これら踵部にエアクッション体aを埋設した履き物基台を成形するには、履き物基台の外形に合わせた加硫成形金型を作成し、該金型内にエアクッション体aを所定位置に配置し、次いでウレタンなどのゴム原料に有機発泡剤、架橋剤、軟化剤、補強剤などを練り込み、これを前記金型内で所定時間加熱して加硫発泡させている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−295405号公報
前記のように、エアクッション付き履き物基台は、エアクッション体とともに加硫成形金型の中で一体に加硫発泡成形する必要があるため、大掛かりな生産設備がなければ生産できず、特に履き物の形状毎に高価な加硫成形金型が別途必要となり、製造コストが高くなるという問題がある。特にサンダルにおいては、ビーチ用、学校用、看護用、リハリビ用などその用途範囲が広いため、履き物基台の形状の種類が非常に多く、金型コスト費用の占める割合が非常に大きくなっている。さらにビーチ用、ファッション用などのサンダルにおいては、デザインの流行性が大きいため、シーズン毎に新たな意匠の製品に切替わり、加硫成形金型費用の償却ができないという問題がある。
また、原料ゴムが加硫発泡する圧力に押されて、金型内でエアクッション体が所定の位置からずれる場合があり、この時には、履き物基台が変形し、エアクッション体による緩衝性能が低下することがある。この位置ずれ防止のため、熱可塑性を有するEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体、以下単にEVAという)を用いる場合、予め発泡成形した板体に加熱された凸型でプレスして凹部を形成し、該凹部にエアクッション体を挿入する方法も考えられるが、熱プレス装置を必要とするなど工程が複雑になり、また加工に長時間を要するため生産性が悪いという問題がある。さらにゴムスポンジを用いる場合には、発泡成形後に熱プレスにより凹部を形成することが困難である。
本発明の課題は、前記した履き物が有する問題点を解消し、形状が異なる各種バリエーションの履き物基台を迅速かつ低コストで形成しうる履き物とその製造方法を提供することである。
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、少なくとも踵部が、軟質発泡材からなる板状体を打ち抜きにより形成される基部層と、該基部層の上面に取付けられるカバー層と、基部層の下に添着され履き物底をなすボトム層とを具え、前記基部層は、踵部において上下に貫通するクッション収納部を有し、かつ該クッション収納部にエアクッション体を収納するとともに、エアクッション体の上部を前記カバー層により遮蔽するとともに、基部層の下面を前記ボトム層を用いて覆ってなる履き物基台を有することを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記軟質発泡材は、ゴムスポンジ、又はEVAスポンジであることを特徴とする請求項1記載の履き物である。
また請求項3記載の発明は、前記カバー層は、前記基部層の上面全面を覆うとともに、前記エアクッション体との間に、前記クッション収納部による該カバー層の波打ちを防ぐ圧縮ボード又は軟質補助スポンジを配したことを特徴とする請求項1又は2記載の履き物である。
また請求項4記載の発明は、前記基部層は、踵部周縁に、前記クッション収納部による前記カバー層の波打ちを防ぐ隆起部を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の履き物である。
また請求項5記載の発明は、前記基部層は、つま先から踵部に至る履き物基体をなし、かつ前記板状体は、広い面積に形成される同厚さのスポンジ板、踵部からつま先に向かって徐々に厚さを減じる横長の傾斜板状のスポンジ体、または踵部とつま先の間につま先に向かって厚さを減じる傾斜部を有する横長の部分傾斜板状のスポンジ体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の履き物である。
また請求項6記載の発明は、前記ボトム層は、つま先から踵部に至る履き物基体をなし、かつ前記基部層は、踵部をなす平坦部につま先側に厚さを減じる下降部を連設したスポンジ片からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の履き物である。
また請求項7記載の発明は、前記履き物基体をなす基部層は、K6253デュロメーター タイプE硬度が50〜55度であることを特徴とする請求項1〜6記載の履き物である。
また請求項8記載の発明は、前記基部層は、その側面に、前記クッション収納部に収納されるエアクッション体を透視しうる窓部を具えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の履き物である。
また請求項9記載の発明は、前記クッション収納部は、内周面に、前記窓部を覆い外部からの水の浸入を防ぐシール層を添着したことを特徴とする請求項8記載の履き物である。
また請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の履き物を製造する履き物の製造方法であって、軟質発泡材からなる板状体を打ち抜きにより少なくとも踵部を有する基部層を形成する基部層形成工程と、形成された基部層の踵部に上下に貫通したクッション収納部を形成する収納部形成工程と、クッション収納部にエアクッション体を収納するエアクッション体取付工程と、エアクッション体の上部を前記カバー層により遮蔽するカバー層取付工程と、基部層の下面に前記ボトム層を取付けエアクッション体を覆うボトム層取付工程とにより履き物基台を製造することを特徴とする履き物の製造方法である。
また請求項11記載の発明は、前記軟質発泡材は、ゴムスポンジ、またはEVAスポンジであることを特徴とする請求項10記載の履き物の製造方法である。
また請求項12記載の発明は、前記カバー層は前記基部層の上面全面を覆うとともに、前記エアクッション体との間に、前記クッション収納部による該カバー層の波打ちを防ぐ圧縮ボード又は軟質補助スポンジを配したことを特徴とする請求項10又は11記載の履き物の製造方法である。
なお、本明細書において、基部層の硬度を規定するK6253デュロメーター タイプE硬度はJIS K6253に基づくものである。なお日本ゴム協会標準規格に基づくSRIS 0101タイプC硬度もこれと略同値を示す。
本発明の履き物は、少なくとも踵部が、軟質発泡材からなる板状体を打ち抜きにより形成されるとともに踵部において上下に貫通するクッション収納部を有する基部層を具え、該クッション収納部にエアクッション体を収納する履き物基台を有することを基本とするため、その生産に大掛かりな設備を必要としない。特に基部層を形成する際に加硫発泡金型を用いることがなく、各種形状の履き物を容易にかつ低コストで形成できるため、使用者の体形に応じた各種サイズの履き物、リハリビ用、介護用など様々な機能に対応した各種形状の履き物を簡単に生産でき、使用者の多様な要求を満たす履き物を提供することができる。またビーチサンダル等レジャー用サンダルなど、流行性が強く変化スピードが速いデザインニーズに即応した斬新な意匠の履き物を短期間で供給することができる。
また請求項2記載の発明のように、前記軟質発泡材は、ゴムスポンジ、又はEVAスポンジである場合、打ち抜き、スライスの加工性に優れるため、任意形状の履き物を容易に形成できる。
また請求項3記載の発明のように、カバー層が、前記基部層の上面全面を覆うとともに、前記エアクッション体との間に圧縮ボード又は軟質補助スポンジを配すると、前記クッション収納部によるカバー層の波打ちを防ぐことができる。
また請求項4記載の発明のように、前記基部層の踵部周縁に、隆起部を形成すると前記クッション収納部による前記カバー層の波打ちを防ぐことができる。
また請求項5記載の発明のように、前記基部層は、つま先から踵部に至る履き物基体をなし、かつ前記板状体は、広い面積に形成される同厚さのスポンジ板、踵部からつま先に向かって徐々に厚さを減じる横長の傾斜板状のスポンジ体、または踵部とつま先の間につま先に向かって厚さを減じる傾斜部を有する横長の部分傾斜板状のスポンジ体とすることもでき、また請求項6記載の発明のように、前記ボトム層は、つま先から踵部に至る履き物基体をなし、かつ前記基部層は、踵部をなす平坦部につま先側に厚さを減じる下降部を連設したスポンジ片とすることもできる。
また請求項7記載の発明のように、前記履き物基台をなす基部層は、K6253デュロメーター タイプE硬度が50〜55度であるときは、履き物基台に要求される可撓性と適度の剛性とを兼ね備えることができ、しかも踵部においてエアクッション体の弾性と複合して衝撃吸収効果と適度のクッション性を得ることができるため履き心地に優れるという効果がある。
また請求項8記載の発明のように、前記基部層は、その側面に窓部を具える場合、前記クッション収納部に収納されるエアクッション体を透視しえ、また窓部が外観上のポイントとしてデザイン性を高めうる。
また請求項9記載の発明のように、前記クッション収納部は、内周面にシール層を添着すると、前記窓部を覆い外部からの水の浸入を防ぐことができる。
また本発明の履き物の製造方法は、前記本発明の履き物を製造する方法であって、軟質発泡材からなる板状体を打ち抜きにより少なくとも踵部を有する基部層を形成する基部層形成工程と、基部層の踵部にクッション収納部を形成する収納部形成工程と、クッション収納部にエアクッション体を収納するエアクッション体取付工程と、カバー層取付工程と、ボトム層取付工程とにより履き物基台を製造することを基本とするため、エアクッション体との加硫一体発泡成形がなく、従って大規模な製造設備を必要としない。特に基部層生産のために高価な加硫発泡金型を用いないので、各種形状の履き物を低コストで簡単に生産でき、従って、各用途に適合した形状の、また流行性に合ったデザインの履き物を供給できる。
また請求項11記載の発明のように、前記軟質発泡材は、ゴムスポンジ、またはEVAスポンジである場合、打ち抜き、スライスの加工性に優れるため、任意形状の履き物を容易に製造することができる。
また請求項12記載の発明のように、カバー層は前記基部層の上面全面を覆うとともに、前記エアクッション体との間に、圧縮ボード又は軟質補助スポンジを配すると、前記クッション収納部による該カバー層の波打ちを防ぐことができる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は本発明の履き物1の斜視図、図2はそのA−A断面図である。本発明の履き物1は、板状体3を打ち抜きにより形成される基部層4と、該基部層4の上面に取付けられるカバー層5と、基部層4の下に添着されるボトム層6とを具えた履き物基台9を有する。なお履き物基台9は、その上部に鼻緒、ベルト、胛被などを一体に設けて履き物1を構成し、本例では、鼻緒20を設けることにより、サンダルからなる履き物1を構成している。また本例の履き物基台9は、図1に示すように、つま先よりも踵部2が厚く形成されるとともに前記基部層4の側面下部全周に亘り、例えば青色の着色部29を具える。
前記板状体3は、本例では、履き物基台9の踵部2をつま先よりも厚く形成するため、踵部2とつま先の間につま先に向い厚さを減じる傾斜部14を設けた横長のスポンジ体で形成される。図3(A)、(B)、(C)は、各々前記本例で用いる板状体3を形成するための異なる方法を示す。図3(A)に示す方法は、上下両面と中央に着色部29を形成した軟質発泡材の原板21Aを用い、先ず上下の中央に位置し前記中央の着色部29を二分割する切断線b1に沿って上下二段にスライスし、分割された上下の各層に対し前記傾斜部14を形成するため中間二箇所で傾きを有する切断線b2に沿って更に各々を上下二段にスライスし、次いで左右中央に位置する縦方向の切断線b3に沿ってスライスすることにより左右に分割し、合計8個の板状体3を形成するものである。図3(B)に示す方法は、上型26aと下型26bに分割された成形型26の中にスポンジ原料を注入することにより、中間に傾斜部14が設けられ踵部2側が厚い板状体3を形成するものである。なお成形型26の下層部に顔料が加配された原料を供給して前記着色部29を形成する。図3(C)に示す方法は、下部に着色部29を有する軟質発泡材の原板21Bからなる基層32aと、原板21Cを前記傾斜部14を形成するための傾きを有する切断線b4に沿って切断した傾斜層32bとを積層接着して板状体3を形成するものである。
なお、前記軟質発泡材は、天然ゴム、合成ゴム(例えばウレタン、ポリブタジエン、ポリエチレン)などのゴムスポンジ、またはEVAスポンジを用いる。このため、履き物基台9に要求されるクッション性を付与することができることは勿論のこと、打ち抜き、スライスによる加工が容易に行なえ、任意形状の履き物基台を簡単に形成することができる。
前記基部層4は、図4に示すように、基部層形成工程により、前記板状体3の表面に対し、基板22aに履き物の輪郭を模った線対称をなす左右の型22L,22Rを装着した抜き型22を、図示しないシリンダ、モータなどの駆動源によりシフトさせて打ち抜くことにより形成される。なお前記左右の型22L,22Rの前端部は先鋭に形成されているため板状体3はシャープに打ち抜かれ、また打ち抜き完了後に板状体3が一定ピッチ横送りされ、板状体3の新たな表面に向かい前記抜き型22がシフトし、前記打ち抜き加工が連続して繰り返される。
前記基部層4は、図5(A)に示すように、収納部形成工程により、収納部抜き型22Sを用いて、その踵部2に上下に貫通するクッション収納部7が形成されている。なお本例では、図4に示すように、前記収納部抜き型22Sは、前記抜き型22に一体に設けられ、基部層4の打ち抜きとクッション収納部7の形成とがワンプレスで同時に行なえるため生産性が高い点で好ましい。なおクッション収納部7の形状、大きさは、収納されるエアクッション体8の形状に応じて決定される。
前記クッション収納部7は、空気が充填された樹脂製袋からなるエアクッション体8が収納されている。本例では、図6(A)に示すように、エアクッション体8は略半環状のものを使用し、図6(B)に示すように、エアクッション体取付工程において、中間に芯材23を挟持してU字状に折り曲げるとともに、前記クッション収納部7の内部に圧入することにより、エアクッション体8、基部層4双方の弾性の作用で、クッション収納部7内に密に嵌合される。なおエアクッション体8は、例えば、座布団型、バルーン型、U字型など各種形状のものを用いることができる。
また前記基部層4は、その側面に、前記クッション収納部7に貫通する窓部17が形成されている。該窓部17は、クッション収納部7内に受体を嵌合した状態で、前記基部層4の側面に向け窓抜き型をシフトして形成される。また窓部17は、本例では、端部が円弧状の横長孔状に形成されているが、円孔、矩形孔、三角孔、星型孔など任意の形状に形成することができる。クッション収納部7に窓部17を形成することにより、前記エアクッション体8を透視することができ、さらに前記種々形状の窓部17を適宜位置に配置することにより、外観上のポイントとして見栄えを高めることができる。また前記エアクッション体8は、前記窓部17に臨む面を透明体で構成するとともに内部に着色部が設けられ、窓部17から入る光に照射される該着色部が該窓部17を通じて透視されるため、奥行き感が与えられて意匠性を高めている。
なお、前記クッション収納部7は、接着剤、粘着剤を用いて予めその内周面にシール層18を添着して、前記窓部17を内側から覆っている。これにより、前記窓部17とエアクッション体8の間からクッション収納部7内部へ水が浸入することを防ぐことができる。本例では、シール層18は透明体で形成されているが、有色透明体で形成することにより、前記エアクッション体8に着色部を設けない時にも、外観を高めることができる。また、本例では、図6(B)に示すように、環状に形成されたシール層18をクッション収納部7の内周全面に添着しているが、帯状のシール層18を用いて窓部17が形成された部分に接着することもできる。
前記カバー層5は、図5(C)に示すように、カバー層取付工程により、基部層4の上面を覆って接着剤により添着され、これによりエアクッション体8上部は、カバー層5で遮蔽されている。しかしながら、クッション収納部7によりカバー層5に波打ちを生じることがある。そこで本例では、波打ち防止のため、図5(B)に示すように、エアクッション体8とカバー層5の間に、前記基部層4の踵部2より少し小さな、厚紙、フェルト、プラスチックなどを用いた圧縮ボード10を配している。また、前記波打ち防止のために、本例ではさらに、前記基部層4の踵部2の上面周縁に、帯状のスポンジを堤状に貼り付けることにより隆起部11を形成している。該隆起部11は、前記カバー層5を持上げることにより、波打ちを目立たなくするとともに、履き物使用者の踵外周を支持することにより、安定した履き心地を与えることに役立つ。また本例のカバー層5は、基部層4の上面の略全面を覆っているが、基部層4の踵部2の上面のみを覆うことによりエアクッション体8の上部を遮蔽するカバー層5を設けることもできる。
前記ボトム層6は、ボトム層取付工程により、つま先から踵部2に亘り基部層4の下面全面に接着剤により添着されている。これによりエアクッション体8の下面は、ボトム層6で覆われているため、ガラス片などによる破裂、地面との接触による磨耗が防止される。
また、前記基部層4は、K6253デュロメーター タイプE硬度が50〜55度の軟質発泡材で形成されることが好ましい。50度未満の場合には、特に踵の厚い場合、歩行時に沈み過ぎが生じて不安定となり歩き難い点で不具合があり、55度を越える場合には、歩行時、屈曲しにくく足裏にフィットしないため疲れ易い点で不具合がある。
前記カバー層5、基部層4は、図5(C)に示すように、つま先と、中間部の両側に取付孔24a、24bが穿設される。鼻緒20の端部に形成された取付鍔25を取付孔24a及び24bに圧入することにより、該取付鍔25が、前記取付孔24bの下部を大径に形成した係合部(図示せず)に係合し、これにより鼻緒20は履き物基台9に取り付けられる。
このように、履き物1は、板状体3を打ち抜きにより形成され、かつ踵部2のクッション収納部7にエアクッション体8を収納した基部層4の上面、下面にカバー層5、ボトム層6を添着して形成されるため、大規模な生産設備を用いることなく簡単に生産でき、特に基部層4形成のために加硫発泡金型を使用しないので、様々な形の履き物を容易にしかも低コストで供給することができる。従って、運動用、レジャー用、業務用、リハリビ用などの目的に応じた各種形状の履き物を豊富に品揃えでき、さらに同一種の履き物において、足の大きさに応じた各種サイズのものを取り揃えできる。またビーチサンダルを始めとするレジャー用サンダルは流行性が強いが、これに追従したデザインの履き物を適時に供給できる。
また、本実施形態の履き物の製造方法は、前記のように、板状体3を打ち抜きにより踵部2を有する基部層4を形成する基部層形成工程と、前記基部層4の踵部2にクッション収納部7を形成する収納部形成工程と、エアクッション体取付工程と、カバー層取付工程と、ボトム層取付工程とにより履き物基台9を製造するため、エアクッション体8との加硫一体発泡成形工程がなく、大規模な設備を必要としない。特に高価な加硫発泡金型を用いることなく板状体3の打ち抜きにより基部層4を形成するため、レジャー用、リハリビ用など用途、目的に応じた各種形状の履き物を簡単に低コストで生産でき、また流行のニーズに即応した意匠の履き物を供給できる。
図7は、踵部2からつま先に向かい厚さが漸減する形態の履き物基台9とその製造方法を例示している。本例では、板状体3は、図7(A)に示すように、踵部2からつま先に向って徐々に厚さを減じる横長の傾斜板状のスポンジ体13からなり、基部層形成工程において、該板状体3を前記と同様の抜き型22により打ち抜いて基部層4が形成される。図7(B)に示すように、前記基部層4の踵部2に、エアクッション体8の形状に合わせたU字状のクッション収納部7が形成されるとともに丸孔状の窓部17が複数隔設され、また前記クッション収納部7の内周面に全長に亘りシール層18が添着されている。図7(C)に示すように、前記基部層4の上面は、つま先から踵部2に至るカバー層5が添着されることにより前記エアクッション体8の上部が遮蔽され、基部層4の下面の踵部2に添着されたボトム層6により前記エアクッション体8の下部が覆われて履き物基台9が形成されている。
図8は、基部層4の厚さがつま先から踵部2に亘り均一な形態の履き物基台9とその製造方法を例示している。本例では、前記基部層4は、図8(A)に示すように、基部層形成工程において、広い面積に形成される同厚さのスポンジ板12からなる板状体3を打ち抜いて形成される。本例では、平面卵型状のエアクッション体8を収納するため、収納部形成工程において、図8(B)に示すように、基部層4の踵部2に卵型状のクッション収納部7が形成される。また前記基部層4は、その側面に、前記クッション収納部7に臨む丸孔状、および横長孔状の窓部17が複数隔設されるとともに、色、模様、光沢などの外観が部分毎に異なる装飾テープ27を外周面に予め貼り付けたエアクッション体8が前記クッション収納部7に収納されている。これにより図8(C)に示すように、窓部17毎に異なる装飾テープ27の外観が透視され、履き物のデザインに変化を付加し、意匠性を高めることができる。なお外観の異なる複数のシート素材を繋ぎあわせたエアクッション体8をクッション収納部7に収納し、各窓部17から外観の異なるシート素材が透視されるように構成してもよい。さらに、水の浸入を防止するためクッション収納部7の内周面に添着する前記シール層18を、その外表面が部分により異なる外観を具えた帯体で形成することにより、各窓部17から外観の異なるシール層18が透視されるように構成することもできる。
図9及び図10は、ボトム層6はつま先から踵部2に至る履き物基台9をなし、かつ基部層4は、踵部2側にのみ形成される形態の履き物基台9とその製造方法を例示している。前記ボトム層6は、図9(A)に示すように、均一厚さの軟質発泡薄板30Aを、前記と同様の抜き型22により打ち抜いて形成される。また図9(B)に示すように、軟質発泡材からなる均一厚さの板状体3から左右の踵部が連続した形状で打ち抜かれた連設片28をその中央で斜めにスライスすることにより左右のスポンジ片16L,16Rを形成する。該スポンジ片16は、踵部2をなす平坦部2Aに前記スライスにより形成されつま先側に厚さを減じる下降部15を連設してなり、本例では、基部層4は該スポンジ片16により形成される。
前記基部層4は、図10(A)に示すように、収納部形成工程により、その踵部2に上下に貫通したクッション収納部7が形成されるとともに、その側部に横長の窓部17が形成される。次いで図10(B)に示すように、前記ボトム層6の踵部2の上面に積層接着された基部層4のクッション収納部7の内周面にシール層18を添着するとともにエアクッション体8を収納し、カバー層取付工程により、圧縮ボード10を介してつま先から踵部2に至るカバー層5を添着することにより、図10(C)に示すような履き物基台9が形成される。
図11及び図12は、ボトム層6はつま先から踵部2に至る履き物基台9をなし、かつ基部層4は、踵部2側にのみ形成され、かつつま先側に向け厚さが漸減する形態の履き物基台9とその製造方法を例示している。前記ボトム層6は、図11(A)に示すように、均一厚さの軟質発泡薄板30Bを、前記と同様の抜き型22により打ち抜いて形成される。基部層4は、図11(B)に示すように、縦断面直角三角形でつま先側が先鋭な横長の板状体3を、踵部の形状に打ち抜いて形成される。図12(A)に示すように、クッション収納部7と、窓部17を形成された基部層4は、図12(B)に示すように、前記前記ボトム層6の踵部2の上面に積層接着されるとともに、内周面にシール層18を添着されたクッション収納部7にエアクッション体8が収納され、さらにつま先から踵部2に至るカバー層5が添着されることにより、図11(C)に示す履き物基台9が形成される。
図13は、基部層4はつま先から踵部2に至る履き物基台9をなし、かつ踵部2において下側に向け厚さを増す段部31を形成した形態の履き物1を例示している。本例では、基部層4は、前記段部31を設けた踵部2にエアクッション体8が収納されるとともに段部31の下面にエアクッション体8を覆うボトム層6が添着され、前記基部層の上面にはカバー層5が取り付けられている。なお本例では、履き物基台9に鼻緒20を取り付けて履き物1を構成している。
図14(A)、(B)は、クッション収納部7に軟質補助スポンジ19を上下に配したエアクッション体8を収納した履き物基台9とその製造方法を例示している。軟質補助スポンジ19は、厚さが3〜5mmで、硬度が前記基部層4に比べ約半分のK6253デュロメーター タイプE硬度18〜25度のスポンジを用いるため、エアクッション収納部7による波打ちを防止しうる上、足当たりの感触が非常に優れたものとなる。本例では、前記軟質補助スポンジ19をエアクッション体8及びその上下の軟質補助スポンジ19、19を、色、模様、光沢などの異なる複数の装飾テープ27で固定している。また軟質補助スポンジ19をエアクッション体8の上にのみ配することもできる。
1 履き物
2 踵部
3 板状体
4 基部層
5 カバー層
6 ボトム層
7 クッション収納部
8 エアクッション体
9 履き物基台
10 圧縮ボード
11 隆起部
12 スポンジ板
13 スポンジ体
14 傾斜部
15 下降部
16 スポンジ片
17 窓部
18 シール層
19 軟質補助スポンジ
2 踵部
3 板状体
4 基部層
5 カバー層
6 ボトム層
7 クッション収納部
8 エアクッション体
9 履き物基台
10 圧縮ボード
11 隆起部
12 スポンジ板
13 スポンジ体
14 傾斜部
15 下降部
16 スポンジ片
17 窓部
18 シール層
19 軟質補助スポンジ
Claims (12)
- 少なくとも踵部が、軟質発泡材からなる板状体を打ち抜きにより形成される基部層と、該基部層の上面に取付けられるカバー層と、基部層の下に添着され履き物底をなすボトム層とを具え、
前記基部層は、踵部において上下に貫通するクッション収納部を有し、
かつ該クッション収納部にエアクッション体を収納するとともに、
エアクッション体の上部を前記カバー層により遮蔽するとともに、基部層の下面を前記ボトム層を用いて覆ってなる履き物基台を有することを特徴とする履き物。 - 前記軟質発泡材は、ゴムスポンジ、又はEVAスポンジであることを特徴とする請求項1記載の履き物。
- 前記カバー層は、前記基部層の上面全面を覆うとともに、前記エアクッション体との間に、前記クッション収納部による該カバー層の波打ちを防ぐ圧縮ボード又は軟質補助スポンジを配したことを特徴とする請求項1又は2記載の履き物。
- 前記基部層は、踵部周縁に、前記クッション収納部による前記カバー層の波打ちを防ぐ隆起部を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の履き物。
- 前記基部層は、つま先から踵部に至る履き物基体をなし、かつ前記板状体は、広い面積に形成される同厚さのスポンジ板、踵部からつま先に向かって徐々に厚さを減じる横長の傾斜板状のスポンジ体、または踵部とつま先の間につま先に向かって厚さを減じる傾斜部を有する横長の部分傾斜板状のスポンジ体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の履き物。
- 前記ボトム層は、つま先から踵部に至る履き物基体をなし、かつ前記基部層は、踵部をなす平坦部につま先側に厚さを減じる下降部を連設したスポンジ片からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の履き物。
- 前記履き物基体をなす基部層は、K6253デュロメーター タイプE硬度が50〜55度であることを特徴とする請求項1〜6記載の履き物。
- 前記基部層は、その側面に、前記クッション収納部に収納されるエアクッション体を透視しうる窓部を具えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の履き物。
- 前記クッション収納部は、内周面に、前記窓部を覆い外部からの水の浸入を防ぐシール層を添着したことを特徴とする請求項8記載の履き物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の履き物を製造する履き物の製造方法であって、
軟質発泡材からなる板状体を打ち抜きにより少なくとも踵部を有する基部層を形成する基部層形成工程と、
形成された基部層の踵部に上下に貫通したクッション収納部を形成する収納部形成工程と、
クッション収納部にエアクッション体を収納するエアクッション体取付工程と、
エアクッション体の上部を前記カバー層により遮蔽するカバー層取付工程と、
基部層の下面に前記ボトム層を取付けエアクッション体を覆うボトム層取付工程とにより履き物基台を製造することを特徴とする履き物の製造方法。 - 前記軟質発泡材は、ゴムスポンジ、またはEVAスポンジであることを特徴とする請求項10記載の履き物の製造方法。
- 前記カバー層は前記基部層の上面全面を覆うとともに、前記エアクッション体との間に、前記クッション収納部による該カバー層の波打ちを防ぐ圧縮ボード又は軟質補助スポンジを配したことを特徴とする請求項10又は11記載の履き物の製造方法。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007222545A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-09-06 | Taika:Kk | 作用状態を可視化した緩衝部材並びにその製造方法並びに作用状態を可視化した緩衝部材が組み込まれた要緩衝機材 |
JP2009022449A (ja) * | 2007-07-18 | 2009-02-05 | Taika:Kk | 緩衝パーツを具えたシューズ |
JP2012090657A (ja) * | 2010-10-25 | 2012-05-17 | Yoshimoto Kawauchi | 穴有り弾性部材、靴の衝撃吸収・反発ユニット、およびその穴有り弾性部材を複数中底に搭載した靴 |
JP2016130281A (ja) * | 2015-01-13 | 2016-07-21 | 株式会社カネカ | 衝撃緩衝用部材の製造方法および衝撃緩衝用部材 |
JP2016131718A (ja) * | 2015-01-19 | 2016-07-25 | 株式会社カネカ | インソールの製造方法およびインソール |
-
2003
- 2003-08-06 JP JP2003287878A patent/JP2005052486A/ja active Pending
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