JP2005050975A - 配線基板のランド構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】配線基板において被覆層の貼りずれが生じた場合であっても、配線基板上の適正な位置に電子部品を実装する。
【解決手段】ランド6を、導体8の幅寸法よりも大きい幅寸法となるように形成し、ランド6の全体を、開口部10から露出させ、ランド6の周縁部から押さえ部11を延出し、押さえ部11の先端部を、被覆層9によって被覆する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の電極をはんだ付けすることにより電気的に接続するのに好適な配線基板のランド構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、一対の基板の間隙に液晶が充填され所定の前記液晶に電界を与えて画像等の表示を行う液晶表示パネルに照射光を照射するため、前記液晶表示パネルが内蔵された液晶表示装置は、LED等の光源部品が実装されたPCB(Printed Circuit Board )やFPC(Flexible Printed Circuit)等の配線基板を有している。前記配線基板と光源との接続は、前記配線基板のランドにLED(Light Emitting Diode)等の光源部品の電極をはんだ付けして接続することにより行われており、前記光源部品は前記配線基板を介して導通されることにより照射光を照射するようになっている。
【0003】
従来の配線基板は、図3に示すように、基体16の一面に複数の導体17がパターニングにより形成されており、前記各導体17における電子部品としての光源部品20の実装位置のうち前記光源部品20の電極(図示せず)に対向する部分は、前記電極と接続されるランド22とされている。
【0004】
また前記基体16の一面には、前記各導体17を被覆するように被覆層18が設けられており、前記導体17におけるランド22の部分は、前記被覆層18に形成された開口部19によって露出している。
【0005】
この配線基板15のランド構造は、矩形状の前記開口部19における長手方向に直交する方向における両側辺部分から、前記各導体17のうち隣接する各導体17の対向する一側辺部分17a,17bが露出されるようにして構成されている。
【0006】
そして、前記ランド22に前記光源部品20の電極をはんだ付けして電気的に接続することにより、前記配線基板15上の所定の位置に前記光源部品20を実装するようになっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記配線基板15においては、図3に示すように前記開口部19の長手方向に平行な方向または直交する方向等に±0.2μm程度の被覆層18の貼りずれが生じる場合がある。このような場合には、前記配線基板15におけるランド22の形成位置も前記被覆層18の貼りずれと同じ方向にずれてしまう。ひいては、前記ランド22上にはんだを介して前記光源部品20を載置したとき、前記はんだの表面張力によるセルフアライメント効果により前記光源部品20が移動してしまい、前記配線基板15上における前記光源部品20の実装位置はずれて、実装不良が生じることとなる。この結果、前記液晶表示装置において前記光源部品は適当な位置から前記液晶表示パネルに照射光を照射することができず、良好な表示を行うことができないおそれがあった。
【0008】
また、前記開口部19の長手方向に前記被覆層18の貼りずれが生じた場合には、1つの開口部19内における各ランド22の大きさが異なってしまう。このような場合、前記光源部品20の各電極は大きなランド22aおよび小さなランド22bに接続されるが、このとき前記光源部品20は前記大きなランド22a上に濡れ広がったはんだに引き寄せられてしまい、小さなランド22bに接続された電極は前記小さなランド22b上から剥離し、前記光源部品20が配線基板15上から立ち上がってしまうおそれがあるという問題を有していた。
【0009】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、配線基板において被覆層の貼りずれ、すなわち開口部19の形成位置のずれが生じた場合であっても、配線基板上の適正な位置に光源部品等の電子部品を実装することが可能な配線基板のランド構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る配線基板のランド構造の特徴は、基体の一面に導体が形成され、前記導体を被覆するように被覆層が形成され、前記導体のうち電子部品の電極と接続されるランドが前記被覆層に形成された開口部から露出している配線基板のランド構造であって、前記ランドが、該ランドに連設される導体の幅寸法よりも大きい幅寸法となるように形成されており、前記ランドの全体が、前記開口部から露出している点にある。
【0011】
この請求項1に記載の発明によれば、開口部からランドの全体が露出しているので、基体上に被覆層を貼着するにあたり、多少前記被覆層の貼りずれが生じた場合であっても、前記ランドの形成位置が移動してしまうことを防止することができる。また、1つの開口部から露出した前記各ランドの大きさが異なってしまうのを防止することができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明に係る配線基板のランド構造の特徴は、前記ランドの周縁部から押さえ部が延出形成されており、前記押さえ部の先端部が、前記被覆層によって被覆されている点にある。
【0013】
この請求項2に記載の発明によれば、各ランドの周縁部から押さえ部が延出し、前記押さえ部の先端部は被覆層により被覆されているので、前記押さえ部により前記各ランドを配線基板の基体上に確実に押さえつけることができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明に係る配線基板のランド構造の特徴は、前記開口部から露出しているランドの内角を150°以上とする点にある。
【0015】
この請求項3に記載の発明によれば、ランドの剥離を引き起こしやすい鋭角な頂部がなくなり、ランド剥離を確実に抑えることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる配線基板のランド構造の実施形態を図1を参照して説明する。なお、本実施形態においては配線基板のランドに液晶表示パネルに照射光を照射するためのLED等からなる光源部品を実装する場合を用いて説明するが、前記配線基板のランドに実装される電子部品は前記液晶表示パネルに用いられる光源部品に限定されるものではなく、抵抗、コンデンサ等の電子部品であってよい。
【0017】
図1は、本実施形態にかかる配線基板のランド構造を示す模式的平面図であり、図2は、図1に示す配線基板を示すA−Aにおける断面図である。
【0018】
図1に示すように、前記配線基板1は、プラスティックフィルム等からなる基体2を有し、前記基体2の一面には、銅箔等の導電金属からなる複数の導体8がパターニングして形成されている。
【0019】
また、前記各導体8の一端部は、前記配線基板1上における光源部品3の実装位置に位置するように配置されており、前記各導体の一端部には、前記光源部品3の各電極5に対向するように設けられた矩形状のランド6が前記導体8の一部として前記導体8と一体に形成されている。前記各ランド6は、前記各導体8の長手方向に直交する方向の幅寸法よりも大きい幅寸法となるように形成され、前記各導体8を介して導通されるようになっている。
【0020】
また、前記基体2の一面には、前記各導体8を被覆するように被覆層9が設けられており、前記被覆層9における前記光源部品3の実装位置には、矩形状の開口部10が形成されている。
【0021】
そして、前記光源部品3の各電極5に接続される一対のランド6は、それらの全体が前記被覆層9によって被覆されずに前記開口部10から露出されるようになっており、これら1つの開口部10から露出された前記一対のランド6は、同じ大きさとなるように形成されている。
【0022】
また、前記各ランド6の各角部から押さえ部11が延出している。前記各押さえ部11は、前記被覆層9が設けられている方向に延在し、前記各押さえ部11の先端部は前記被覆層9によって被覆されるようになっている。
【0023】
そして、前記押さえ部11は、前記ランド6の内角が150°以上であることが好ましく、図1においては270°となっている。なお、前記改革とは多角形の隣り合う辺が形成する多角形の内部の角である。この内角を150°以上とすることで、前記ランド6のランド剥離発生箇所を削減することができる。すなわち、開口部10により露出されたランド6にランド剥離を引き起こすような鋭角な頂部をなくすことで、基体2からランドが剥がれるという不具合を確実に防止することができる。
【0024】
このような配線基板1のランド構造により前記光源部品3を実装する場合、前記各ランド6上にはんだを塗布し、前記はんだが塗布されたランド6上に光源部品3の電極5と前記各ランド6とが対向するように前記光源部品3を載置する。続いて、前記はんだに加熱処理を施して前記はんだを溶融させた後、前記はんだをランド6上において固化させて前記各ランド6と前記各電極5とを接続することにより、前記光源部品3を前記配線基板1に実装する。
【0025】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0026】
本実施形態による配線基板1のランド構造によれば、前記各ランド6は前記開口部10からそれらの全体が露出しているので、前記基体2上に前記開口部10が形成された被覆層9を貼着するにあたり、図1における前記開口部10の長手方向に直交する方向や平行な方向さらには斜め方向に前記被覆層9の貼りずれが生じた場合であっても、前記各ランド6の形成位置が移動してしまうことを防止することができる。また、前記開口部10の長手方向に平行な方向に前記被覆層9の貼りずれが生じた場合であっても、1つの開口部10から露出された前記各ランド6の大きさが異なってしまうのを防止することができる。
【0027】
したがって、前記基体2上において被覆層9の貼りずれが生じた場合であっても、光源部品3を前記被覆層9の貼りずれの方向と同じ方向に移動させて実装してしまう実装不良の発生を防止し、配線基板1上において適正な実装位置に前記光源部品3を実装することが可能である。これにより、前記配線基板を利用した液晶表示装置において、前記光源部品3は適当な位置から液晶表示パネルに照射光を照射することができ、液晶表示パネルは明るく良好な表示を行うことができる。
【0028】
また、前記被覆層9の貼りずれが生じた場合であっても1つの開口部10から露出した各ランド6の大きさが異なることはないので、大きなランド6上に濡れ広がったはんだに引き寄せられて電極5が小さなランド6から剥離して光源部品3が配線基板1上において立ち上がってしまうという現象を回避して、光源部品3の実装不良の発生を防止することができる。
【0029】
さらに、前記各ランド6の各角部がそれぞれ押さえ部11が延出し前記各押さえ部11の先端部は前記被覆層9により被覆されているので、前記各押さえ部11により前記各ランド6を前記基体2上に押さえつけることができる。これにより、前記開口部10によって露出している前記各ランド6が前記基体2上から剥離してしまうのを確実に防止することができる。特に、本発明に係る配線基板1のランド構造をフレキシブル配線基板に利用した場合であって、前記フレキシブル配線基板を折曲して使用する場合であっても、前記各ランド6が前記基体2から剥離してしまうのを防止することができる。
【0030】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【0031】
例えば、本実施形態における各ランド6は矩形状に形成されているが、これに限定されず、前記各ランド6の全体が前記被覆層9の開口部10から露出され前記光源部品3の各電極5と接続可能なものであれば、その形状は限定されない。
【0032】
また、本実施形態においては、1つの開口部10から露出されているランド6は2つであるが、これに限定されず、前記光源部品3の各電極5の数量に応じて形成することができる。
【0033】
さらに、前記各押さえ部11は、矩形状の前記各ランド6の各角部の全部から延出形成されているが、これに限定されず、例えば矩形状の前記各ランド6の対向する各角部から延出されていてもよく、前記各ランド6が前記基体2上から剥離してしまうのを防止することができれば、接続位置や数量は限定されない。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明に係る配線基板のランド構造によれば、基体上において被覆層の貼りずれが生じた場合であっても、電子部品を被覆層の貼りずれの方向と同じ方向に移動させて実装してしまう実装不良の発生を防止し、配線基板上において適正な実装位置に前記電子部品を実装することが可能である。
【0035】
また、1つの開口部によって露出した各ランドの大きさが異なることはないので、大きなランド上に濡れ広がったはんだに引き寄せられて電子部品の電極が小さなランドから剥離する結果、電子部品が配線基板上において立ち上がってしまうという現象を回避し、電子部品の実装不良の発生を防止することができる。
【0036】
また、請求項2に記載の発明に係る配線基板のランド構造によれば、各押さえ部により各ランドを基体上に押さえつけることができるので、開口部から露出している各ランドが前記基体上から剥離してしまうのを確実に防止することができる。
【0037】
さらに、請求項3に記載の発明に係る配線基板のランドの構造によれば、ランドの剥離を引き起こしやすい鋭角な頂部がなくなり、ランド剥離を確実に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る配線基板のランド構造の一実施形態を示す模式的平面図
【図2】図1の配線基板を示すA−Aにおける模式的断面図
【図3】従来の配線基板のランド構造を示す模式的平面図
【符号の説明】
1 配線基板
2 基体
3 光源部品
5 電極
6 ランド
8 導体
9 被覆層
10 開口部
11 押さえ部

Claims (3)

  1. 基体の一面に導体が形成され、前記導体を被覆するように被覆層が形成され、前記導体のうち電子部品の電極と接続されるランドが前記被覆層に形成された開口部から露出している配線基板のランド構造であって、
    前記ランドが、該ランドに連設される導体の幅寸法よりも大きい幅寸法となるように形成されており、前記ランドの全体が、前記開口部から露出していることを特徴とする配線基板のランド構造。
  2. 前記ランドの周縁部から押さえ部が延出形成されており、押さえ部の先端部が接続されており、前記押さえ部材の他端部が、前記被覆層によって被覆されている請求項1に記載の配線基板のランド構造。
  3. 前記開口部から露出しているランドの内角が150°以上である請求項2に記載の配線基板のランド構造。
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