JP2005050620A - ロック機構付きプラグ - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的弱い力でロックの解除やリセプタクルに挿入でき、成形型の構成を簡素化できるロック機構付きプラグを提供する
【解決手段】ロック機構12は、ロックアーム14と、ロックアーム14と揺動可能に結合している弾性支持部13で構成する。弾性支持部13はプラグハウジング10の上壁面1Aの概中間から隆起するように形成される。フック部14Aはプラグハウジング10の前縁まで延出し、力点部14Bはプラグハウジング10の後縁まで延出する。少なくとも、ランス4A用の段差部16Bはリセプタクル2側に開放しているので、前方スライド金型61と後方スライド金型62を組み合わせて、ロック機構12とその周辺部を成形することが可能になった。
【選択図】 図2
【解決手段】ロック機構12は、ロックアーム14と、ロックアーム14と揺動可能に結合している弾性支持部13で構成する。弾性支持部13はプラグハウジング10の上壁面1Aの概中間から隆起するように形成される。フック部14Aはプラグハウジング10の前縁まで延出し、力点部14Bはプラグハウジング10の後縁まで延出する。少なくとも、ランス4A用の段差部16Bはリセプタクル2側に開放しているので、前方スライド金型61と後方スライド金型62を組み合わせて、ロック機構12とその周辺部を成形することが可能になった。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相手側リセプタクルと機械的保持が可能なロック機構を有する電気接続用のプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のケーブル付きバレルが実装されているプラグと、複数のピンコンタクトを有するリセプタクルとが接続される電気接続用のコネクタがある。この場合、電気機器あるいは電子機器側にリセプタクルが実装され、このリセプタクルにケーブル付きのプラグが着脱される。
【0003】
このような電気接続用のコネクタにおいては、プラグとリセプタクルとの接続を確実にするため、ロック機構を設ける場合がある。ケーブル接続用プラグは、ロック機構を設ける場合が特に多い。
【0004】
そして、従来、ロック機構を有するコネクタハウジングの外壁面の成形には、2つのスライド金型が必要であり、成形型の構成を簡素化でき、製造コストを安くできるロック機構付きのプラグが求められている。
【0005】
このようなことを実現するロック機構付きのプラグとして、ロック機構におけるアームの中間部を支持部により弾性的に揺動変位可能に支持する。そして、アームは支持部よりもリセプタクルの装着方向側に位置するフック部と、リセプタクルの反装着方向側に位置する指押さえ部を有しており、フック部は支持部の装着方向側に対応して逃げ部を更に有し、逃げ部に対応する外壁面の部分を外壁面と直交する方向に移動する主金型により成形する。また、主金型はハウジングランス用の弾性係止片を区画する溝も成形する(例えば、特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特許3217036号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の特許文献1においては、図6(a)の断面図に示されるように、プラグ90におけるプラグハウジング91の外壁から突出する支持部92によりに弾性的に揺動変位可能に支持されたアーム93は、支持部92からフック部93Aまでの長さ、又は、支持部92から指押さえ部93Bまでの長さが比較的短い。
【0008】
つまり、図6(a)に示された従来のロック機構においては、支持部92を支点とする「てこの原理」からして、力点となる指押さえ部93Bに比較的大きな力を必要とする。
【0009】
フック部93Aを持ち上げる場合についても、前述と同じことが言える。つまり、このプラグ90を相手側リセプタクルに挿入する力は比較的大きくなる。なお、図6(a)において、矢印Aは相手側リセプタクルに挿入される方向であり、矢印Bは相手側リセプタクルから抜去される方向である。
【0010】
ロックの解除やリセプタクルの挿入に比較的大きな力を要することのないロック機構付きのプラグが求められている。
【0011】
一方、前述のプラグ90においては、図6(b)の断面図に示されるように、主金型81と後方スライド金型82を用いて、支持部92とアーム93及びランス保持用の貫通穴91Aを成形することができ、前方スライド金型を一つ減らすことができた。
【0012】
しかしながら、相手側リセプタクルに保持されている複数のピンコンタクトが挿入されるための挿入穴91Bを含めたプラグハウジングを成形するためは、図6(b)に示されるように、前方スライド金型83を更に必要とする。
【0013】
このような三つの金型を必要とするロック機構つきプラグの樹脂成形に関しては、製造コストを高いものとしていた。フック部93Aが前方に延出して、フック部93Aがランス保持用の貫通穴91Aを覆うような構造のプラグにあっては、主金型81を用いて貫通穴91Aを成形することは実質的に不可能であった。
【0014】
本発明は、上述した課題を解決すべく、なされたものであって、本発明は、比較的弱い力でロックの解除やリセプタクルに挿入できるロック機構付きプラグを提供することを第1の目的とする。又、本発明は、成形型の構成を簡素化できて製造コストが安くすることができるロック機構付きプラグを提供することを第2の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を満たすため、以下のような新たなロック機構付きプラグを発明した。
【0016】
(1) 相手側リセプタクルに挿入されるための角型のプラグフレーム部を有している絶縁性のプラグハウジングと、弾性支持部とロックアームとで構成されており、当該弾性支持部は前記プラグハウジングの上壁面から隆起するように形成されており、当該ロックアームは前記弾性支持部における端部と揺動可能に結合しているロック機構と、を備えているプラグであって、前記ロックアームは、前記弾性支持部から前記リセプタクル側に延出しており前記リセプタクルの外壁に形成されている山脈状突起に係合するフック部と、前記弾性支持部から反リセプタクル側に延出している力点部と、を備えており、前記弾性支持部は、前記リセプタクルへの挿入方向と平行する方向であって当該プラグハウジングにおける前記上壁面の概中間から隆起しており、前記フック部は当該プラグハウジングの前縁まで延出しており、前記力点部は当該プラグハウジングの後縁まで又はそれ以上に延出していることを特徴とするロック機構付きプラグ。
【0017】
(2) (1)記載のロック機構付きプラグにおいて、前記プラグフレーム部の後方から複数のケーブル付きバレルが整列配置され、二列に縦横区画されている複数の収容穴と、前記プラグハウジングにおける上壁及び下壁においてUの字状の切り欠き溝によって区画されて前記リセプタクルに対向するように形成される複数の立設壁と、当該立設壁によって前記リセプタクルに向かって開口するように形成されており前記フック部の下方に偏在している段差部と、を有しており、当該段差部は前記バレルにおける収容穴に連通しており、前記段差部に前記バレルにおけるランスが突出し、当該ランスが前記立設壁に係止されることを特徴とするロック機構付きプラグ。
【0018】
(3) (1)又は(2)のいずれかに記載のロック機構付きプラグにおいて、複数のピンコンタクトを有しておりプリント基板に実装される角型のリセプタクルに接続されることを特徴とするロック機構付きプラグ。
【0019】
本発明のロック機構付きプラグは、「相手側リセプタクルに挿入されるための角型のプラグフレーム部を有している絶縁性のプラグハウジングと、弾性支持部とロックアームとで構成されており、当該弾性支持部は前記プラグハウジングの上壁面から隆起するように形成されており、当該ロックアームは前記弾性支持部における端部と揺動可能に結合しているロック機構と、を備えているプラグであって、前記ロックアームは、前記弾性支持部から前記リセプタクル側に延出しており前記リセプタクルの外壁に形成されている山脈状突起に係合するフック部と、前記弾性支持部から反リセプタクル側に延出している力点部と、を備えており、前記弾性支持部は、前記リセプタクルへの挿入方向と平行する方向であって当該プラグハウジングにおける前記上壁面の概中間から隆起しており、前記フック部は当該プラグハウジングの前縁まで延出しており、前記力点部は当該プラグハウジングの後縁まで又はそれ以上に延出している」ことを特徴としてよい。
【0020】
絶縁性のプラグハウジングは、角型のプラグフレーム部とロック機構とが一体に成形されてよく、例えば、耐熱性に優れており、弾性をも有するガラス入りナイロン66でプラスチック成形されてよい。
【0021】
プラグハウジングの上壁面から隆起するように形成されている弾性支持部の上端部は、側面視において、ロックアームと直交するようにTの字状に結合している。このロックアームは剛性をもたせるために両翼にリブが形成されてよく、ロックアームは弾性支持部を支点にシーソーのように揺動可能に変位する。
【0022】
ロックアームにおけるフック部は、弾性支持部からリセプタクル側に延出している。そして、フック部の前縁下方は面取りがなされ、いわゆる鉤状に形成されている。
【0023】
一方、リセプタクルの外壁にはプラグ側からこのリセプタクルの後方に向けて立ち上がるように緩やかな傾斜面が形成され、当該傾斜面の終端は鋭角に形成されて山脈状突起をリセプタクルは有している。
【0024】
プラグをリセプタクルに挿入すると、前記鉤状部と傾斜面がすべり結合しながら、フック部は押し上げられていく。一定距離、プラグが進行するとフック部は山脈状突起の後縁に埋没し、フック部と山脈状突起は引っ掛かり合うように係止する。このようにして、プラグとリセプタクルの結合状態が維持される。
【0025】
プラグをリセプタクルから引き抜くときは、指押さえ部となる力点部を押し下げると、フック部が持ち上がるので、そのままプラグを引き抜くことによりプラグはリセプタクルから解除できる。
【0026】
このようなロック機構においては、支点からフック部までの距離及び支点から指押さえ部となる力点部の距離を従来より長くしているので、プラグをリセプタクルに容易に弱い力で挿抜できる。
【0027】
この発明によるロック機構付きプラグは、好適な実施様態にあっては、「8」から「40」の極数を有するプラグに適用されてよい。そして、例えば、2.5mmのピッチを有する40極のプラグにあっては、ロック機構を除くプラグハウジングの外形寸法は、横幅×高さ×奥行きが約53mm×約12mm×約14mmであってよい。この場合、支点からフック部までの距離は約7mmであってよく、支点から指押さえ部となる力点部の距離は7mm又は7mm以上に延長されてもよい。
【0028】
また、本発明のロック機構付きプラグは、「(1)記載のロック機構付きプラグにおいて、前記プラグフレーム部の後方から複数のケーブル付きバレルが整列配置され、二列に縦横区画されている複数の収容穴と、前記プラグハウジングにおける上壁及び下壁においてUの字状の切り欠き溝によって区画されて前記リセプタクルに対向するように形成される複数の立設壁と、当該立設壁によって前記リセプタクルに向かって開口するように形成されており前記フック部の下方に偏在している段差部と、を有しており、当該段差部は前記バレルにおける収容穴に連通しており、前記段差部に前記バレルにおけるランスが突出し、当該ランスが前記立設壁に係止される」ことを特徴としてよい。
【0029】
バレルは、オープンバレルであってもよく、クローズドバレルであってもよい。このバレルをプラグハウジングに固定するために、バレル上には槍状に突出するランスが設けられている。このランスが相反するように複数の収容穴に配置されている。
【0030】
プラグハウジングにおける上壁及び下壁において、Uの字状の切り欠き溝によって区画されることによって、バレルが弾圧保持される直方体状の弾性係止片が形成され、この弾性係止片がリセプタクルに対向するように矩形の立設壁を形成する。
【0031】
そして、この矩形の立設壁を立設面とする段差部が、フック部の下方に偏在しており、この段差部は、リセプタクルに向かって開口するように形成されている。
【0032】
この段差部の水平面は、バレルにおける収容穴に個々に連通しており、この段差部にバレルにおけるランスが突出し、当該ランスが立設壁に当接して係止される。
【0033】
このように形成されるロック機構付きプラグは、ロック機構と、複数の収容穴、複数の溝と、段差部と、このプラグに挿入されるピンコンタクト用の挿入穴と、を前方スライド金型と後方スライド金型のみで成形可能とするものであり、従来の主金型を不要とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0035】
図1は、本発明による一実施の形態におけるロック機構付きプラグと、このプラグが挿抜される相手側リセプタクルの構成を示す斜視図である。図1における実施形態では、プラグ1は、角型のプラグフレーム部11を有している絶縁性のプラグハウジング10と、このプラグハウジング10の上壁面1Aに形成されるロック機構12を備えている。
【0036】
一方、図1において、プラグ1が挿抜されるリセプタクル2は、絶縁性のリセプタクルハウジング20により角型に形成される。このリセプタクルハウジング20に複数のピンコンタクト21が二列に縦横配置されている。ピンコンタクト21は、いわゆる、デュアルインライン形に配列されている。
【0037】
複数のピンコンタクト21は、リセプタクルハウジング20の底面から突出しており、この突出部分が、プリント基板に形成される図示されない複数のスルーホールにはんだ接合される。なおピンコンタクト21における前記突出部分をプレスフィットピンとして、前記複数のスルーホールに圧入接合されてもよい。
【0038】
図1において、リセプタクルハウジング20は、端面2A側に矩形状に開口している凹部2Bを有している。この凹部2Bの内壁にプラグハウジング10の外壁が規制されて、プラグ1が一定の深さまで挿入される。図1において、リセプタクル2は、フォーウォール形のシュラウドを有するプリント基板用コネクタとも呼ばれる。
【0039】
リセプタクルハウジング20は、外壁の一側面である上壁2Cに凹部22が形成され、この凹部22に山脈状突起23が形成されている。この山脈状突起23は、ロック機構12におけるロックアーム14の端部に形成されるフック部14Aに引っ掛かるように係合する。
【0040】
なお、図1において、凹部22はロックアーム14の両側面を案内する幅を有しており、山脈状突起23はフック部14Aがすべり結合して持ち上がるようになる傾斜面23Aを形成している。
【0041】
一方、図1において、プラグフレーム部11の後方から複数のケーブル3付きバレルが整列配置される複数の収容穴15が形成されている。この複数の収容穴15は、二列に縦横区画されている。
【0042】
次に、図1を参照しながら、プラグ1の構成を図2により更に説明する。図2はプラグ1の斜視図である。図2はプラグ1を前面から観ている。
【0043】
図2の実施形態において、ロック機構12は弾性支持部13とロックアーム14とで構成されており、弾性支持部13はプラグハウジング10の上壁面1Aから隆起するように形成されている。また、ロックアーム14は弾性支持部13における端部と揺動可能に結合している。
【0044】
ロックアーム14は、弾性支持部13からリセプタクル2(図1参照)側に延出しており、リセプタクル2の上壁2C(図1参照)に形成されている山脈状突起23(図1参照)に係合するフック部14Aを備えている。又、ロックアーム14は、弾性支持部13から反リセプタクル2側に延出している指押さえ部となる力点部14Bを備えている。
【0045】
図2において、弾性支持部13は、リセプタクル2への挿入方向と平行する方向であって、プラグハウジング10における上壁面1Aの概中間から隆起している。そして、フック部14Aはプラグハウジング10の前縁まで延出しており、力点部14Bはプラグハウジング10の後縁まで延出している。なお、力点部14Bはプラグハウジング10の後縁を超えて延出してもよい。
【0046】
又、プラグハウジング10の前面には、図1で示されたピンコンタクト21が挿入されるための挿入穴1Cが縦横に配列されている。そして、これら複数の挿入穴1Cは、図1で示された複数の収容穴15に一対一で連通している。なお、これらの構成は、次の図3に最もよく示されている。
【0047】
次に、プラグ1とリセプタクル2の接続状態を図3により説明する。図3は、プラグ1とリセプタクル2が接続状態のときの縦断面図である。
【0048】
図3の実施形態において、複数のケーブル3付きバレル4が収容穴15に挿入されている。図3に示されるように、対向するバレル4はランス4Aが相反するように配置されている。
【0049】
そして、オープンバレル4Bが、ピンコンタクト21を挟持するように接続する。なお、ケーブル3における心線3Aは予めコンタクトバレル4Cに圧着されており、同様に、ケーブル3における絶縁被膜3Bは予めインシュレーショングリップ4Dに圧着されている。
【0050】
次に、図1から図4を参照して、本発明の作用を説明する。なお、図4は図2の平面図である。
【0051】
図4の実施形態に示されるように、プラグハウジング10の上壁面1Aには、Uの字状の切り欠き溝1Uが等間隔で複数形成されている。そして、この切り欠き溝1Uに区画されて、直方体状の弾性係止片16が複数形成される。
【0052】
そして、図2に最もよく示されているように、複数の弾性係止片16は、リセプタクル2(図1参照)に対向するように矩形の立設壁16Aを形成する。なお、図3に示されているように、前述の弾性係止片16と立設壁16Aは、プラグハウジング10の下壁面1Bにも形成されている。
【0053】
又、図2に最もよく示されているように、この矩形の立設壁16Aを立設面とする段差部16Bが、フック部14Aの下方に偏在しており、この段差部16Bは、リセプタクル2(図1参照)に向かって開口するように形成されている。
【0054】
そして、図3に最もよく示されているように、段差部16Bは、バレル4が整列配置される複数の収容穴15に連通している。このように形成された段差部16Bにランス4Aが突出し、ランス4Aが立設壁16Aに係止される。なお、図3において、弾性係止片16はオープンバレル4Bを圧接している。
【0055】
引き続き、図1と図2を参照して、本発明の作用を説明する。図2に示されるように、プラグハウジング10の上壁面1A前方には、四つのキー17Aが配列されている。又、プラグハウジング10の下壁面1B前方には、二つのキー17Bが配列されている。
【0056】
これらキー17A及び17Bは、図1に示されているリセプタクル2の凹部2B内に形成されているキー溝27A及び27Bにそれぞれ嵌合する。このように、キーの配置数と取り付け間隔を異ならせることによって、プラグ1における異極種への嵌合や逆嵌合等の誤挿入を防止している。
【0057】
更に、プラグ1の上壁面1Aには、ロックアーム14を幅方向に挟んだ両翼に、一対のリブ18が突出している。両リブ18の端面が相手方のリセプタクル2の連結側端面2Aに当接することにより、プラグ1とリセプタクル2の接続時の不必要な傾斜を防止する。
【0058】
次に、プラグハウジング10におけるロック機構12とその周辺部を成形するための金型の構造を、図5により説明する。なお、図5(a)はロック機構12を含めたプラグハウジング10の側面図であり、要部を断面図としている。又、図5(b)は図5(a)にこの発明による金型が挿入された状態での断面図である。
【0059】
図5(a)に示されるように、本発明によるプラグハウジング10は、ランス4A(図3参照)が突出するための段差部16B上に、フック部14Aが覆い被さっているので、図6で示された従来の主金型81で段差部16Bを成形することはできない。
【0060】
しかしながら、既に説明したように、段差部16Bはリセプタクル2(図1参照)側に開放しているので、図5(b)に示されるように、前方スライド金型61に設けられた第1突出部61Aで段差部16Bを成形することができる。
【0061】
又、図5(b)に示されるように、前方スライド金型61に設けられた第2突出部61Bによって、挿入穴1Cを成形することもできる。更には、後方スライド金型62を用いて複数の収容穴15を成形することができる。
【0062】
このように、前方スライド金型61と後方スライド金型62を組み合わせて、ロック機構12とその周辺部を成形することが可能になった。
【0063】
本実施の形態では、従来、ロック機構及びランス取り付け穴を成形するために必要であった主金型81(図6参照)を廃止することができる結果、製造コストを安くすることができる。
【0064】
また、図2に示された本実施の形態では、ランス取り付け穴(本実施例では、段差部16Bに相当)にロック機構12が覆い被さるように配置されているので、従来の主金型81(図6参照)を用いては実質的に成形不可能な図2に示された切り欠き溝1Uや弾性係止片16が前方スライド金型61と後方スライド金型62で成形できるようになった。
【0065】
又、ロック機構を有していないプラグにおいても、図5で示された前方スライド金型61と後方スライド金型62と同一の構造のもので、コネクタ本体としてのプラグハウジング、特に、ランス取り付け穴部分を成形できる。従って、ロック構造を有しないプラグからロック機構付きのプラグまで幅広く展開することが容易であり、実施上の効果が大なるものとなる。
【0066】
なお、本実施形態で示されたロック機構は、いわゆるシングルロックであるが、例えば、図1に示されたロックアーム14を幅方向に分割したいわゆるダブルロックにも応用可能である。
【0067】
【発明の効果】
本発明によるロック機構付きプラグは、ロック機構においては、支点からフック部までの距離及び支点から指押さえ部となる力点部の距離を従来より長くしているので、プラグをリセプタクルに容易に弱い力で挿抜できる。
【0068】
又、本発明によるロック機構付きプラグは、ロック機構と、複数の収容穴、複数の溝と、段差部と、このプラグに挿入されるピンコンタクト用の挿入穴と、を前方スライド金型と後方スライド金型のみで成形可能とするものであり、従来の主金型を不要とすることにより、成形型の構成を簡素化できて製造コストを安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施の形態におけるロック機構付きプラグと、このプラグが挿抜される相手側リセプタクルの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明におけるプラグの斜視図である。
【図3】本発明におけるプラグとリセプタクルが接続状態のときの縦断面図である。
【図4】本発明におけるプラグの平面図である。
【図5】本発明におけるプラグハウジングにおけるロック機構とその周辺部を成形するための金型の構造を示す断面図である。
【図6】従来技術におけるプラグハウジングにおけるロック機構とその周辺部を成形するための金型の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 プラグ
1A 上壁面
1B 下壁面
1C 挿入穴
1U 切り欠き溝
2 リセプタクル
2A 端面
2B 凹部
2C 上壁
3 ケーブル
4 バレル
4A ランス
10 プラグハウジング
11 プラグフレーム部
12 ロック機構
13 弾性支持部
14 ロックアーム
14A フック部
14B 力点部
15 収容穴
16 弾性係止片
16A 立設壁
16B 段差部
20 リセプタクルハウジング
21 ピンコンタクト
22 凹部
23 山脈状突起
61 前方スライド金型
62 後方スライド金型
【発明の属する技術分野】
本発明は、相手側リセプタクルと機械的保持が可能なロック機構を有する電気接続用のプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のケーブル付きバレルが実装されているプラグと、複数のピンコンタクトを有するリセプタクルとが接続される電気接続用のコネクタがある。この場合、電気機器あるいは電子機器側にリセプタクルが実装され、このリセプタクルにケーブル付きのプラグが着脱される。
【0003】
このような電気接続用のコネクタにおいては、プラグとリセプタクルとの接続を確実にするため、ロック機構を設ける場合がある。ケーブル接続用プラグは、ロック機構を設ける場合が特に多い。
【0004】
そして、従来、ロック機構を有するコネクタハウジングの外壁面の成形には、2つのスライド金型が必要であり、成形型の構成を簡素化でき、製造コストを安くできるロック機構付きのプラグが求められている。
【0005】
このようなことを実現するロック機構付きのプラグとして、ロック機構におけるアームの中間部を支持部により弾性的に揺動変位可能に支持する。そして、アームは支持部よりもリセプタクルの装着方向側に位置するフック部と、リセプタクルの反装着方向側に位置する指押さえ部を有しており、フック部は支持部の装着方向側に対応して逃げ部を更に有し、逃げ部に対応する外壁面の部分を外壁面と直交する方向に移動する主金型により成形する。また、主金型はハウジングランス用の弾性係止片を区画する溝も成形する(例えば、特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特許3217036号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の特許文献1においては、図6(a)の断面図に示されるように、プラグ90におけるプラグハウジング91の外壁から突出する支持部92によりに弾性的に揺動変位可能に支持されたアーム93は、支持部92からフック部93Aまでの長さ、又は、支持部92から指押さえ部93Bまでの長さが比較的短い。
【0008】
つまり、図6(a)に示された従来のロック機構においては、支持部92を支点とする「てこの原理」からして、力点となる指押さえ部93Bに比較的大きな力を必要とする。
【0009】
フック部93Aを持ち上げる場合についても、前述と同じことが言える。つまり、このプラグ90を相手側リセプタクルに挿入する力は比較的大きくなる。なお、図6(a)において、矢印Aは相手側リセプタクルに挿入される方向であり、矢印Bは相手側リセプタクルから抜去される方向である。
【0010】
ロックの解除やリセプタクルの挿入に比較的大きな力を要することのないロック機構付きのプラグが求められている。
【0011】
一方、前述のプラグ90においては、図6(b)の断面図に示されるように、主金型81と後方スライド金型82を用いて、支持部92とアーム93及びランス保持用の貫通穴91Aを成形することができ、前方スライド金型を一つ減らすことができた。
【0012】
しかしながら、相手側リセプタクルに保持されている複数のピンコンタクトが挿入されるための挿入穴91Bを含めたプラグハウジングを成形するためは、図6(b)に示されるように、前方スライド金型83を更に必要とする。
【0013】
このような三つの金型を必要とするロック機構つきプラグの樹脂成形に関しては、製造コストを高いものとしていた。フック部93Aが前方に延出して、フック部93Aがランス保持用の貫通穴91Aを覆うような構造のプラグにあっては、主金型81を用いて貫通穴91Aを成形することは実質的に不可能であった。
【0014】
本発明は、上述した課題を解決すべく、なされたものであって、本発明は、比較的弱い力でロックの解除やリセプタクルに挿入できるロック機構付きプラグを提供することを第1の目的とする。又、本発明は、成形型の構成を簡素化できて製造コストが安くすることができるロック機構付きプラグを提供することを第2の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を満たすため、以下のような新たなロック機構付きプラグを発明した。
【0016】
(1) 相手側リセプタクルに挿入されるための角型のプラグフレーム部を有している絶縁性のプラグハウジングと、弾性支持部とロックアームとで構成されており、当該弾性支持部は前記プラグハウジングの上壁面から隆起するように形成されており、当該ロックアームは前記弾性支持部における端部と揺動可能に結合しているロック機構と、を備えているプラグであって、前記ロックアームは、前記弾性支持部から前記リセプタクル側に延出しており前記リセプタクルの外壁に形成されている山脈状突起に係合するフック部と、前記弾性支持部から反リセプタクル側に延出している力点部と、を備えており、前記弾性支持部は、前記リセプタクルへの挿入方向と平行する方向であって当該プラグハウジングにおける前記上壁面の概中間から隆起しており、前記フック部は当該プラグハウジングの前縁まで延出しており、前記力点部は当該プラグハウジングの後縁まで又はそれ以上に延出していることを特徴とするロック機構付きプラグ。
【0017】
(2) (1)記載のロック機構付きプラグにおいて、前記プラグフレーム部の後方から複数のケーブル付きバレルが整列配置され、二列に縦横区画されている複数の収容穴と、前記プラグハウジングにおける上壁及び下壁においてUの字状の切り欠き溝によって区画されて前記リセプタクルに対向するように形成される複数の立設壁と、当該立設壁によって前記リセプタクルに向かって開口するように形成されており前記フック部の下方に偏在している段差部と、を有しており、当該段差部は前記バレルにおける収容穴に連通しており、前記段差部に前記バレルにおけるランスが突出し、当該ランスが前記立設壁に係止されることを特徴とするロック機構付きプラグ。
【0018】
(3) (1)又は(2)のいずれかに記載のロック機構付きプラグにおいて、複数のピンコンタクトを有しておりプリント基板に実装される角型のリセプタクルに接続されることを特徴とするロック機構付きプラグ。
【0019】
本発明のロック機構付きプラグは、「相手側リセプタクルに挿入されるための角型のプラグフレーム部を有している絶縁性のプラグハウジングと、弾性支持部とロックアームとで構成されており、当該弾性支持部は前記プラグハウジングの上壁面から隆起するように形成されており、当該ロックアームは前記弾性支持部における端部と揺動可能に結合しているロック機構と、を備えているプラグであって、前記ロックアームは、前記弾性支持部から前記リセプタクル側に延出しており前記リセプタクルの外壁に形成されている山脈状突起に係合するフック部と、前記弾性支持部から反リセプタクル側に延出している力点部と、を備えており、前記弾性支持部は、前記リセプタクルへの挿入方向と平行する方向であって当該プラグハウジングにおける前記上壁面の概中間から隆起しており、前記フック部は当該プラグハウジングの前縁まで延出しており、前記力点部は当該プラグハウジングの後縁まで又はそれ以上に延出している」ことを特徴としてよい。
【0020】
絶縁性のプラグハウジングは、角型のプラグフレーム部とロック機構とが一体に成形されてよく、例えば、耐熱性に優れており、弾性をも有するガラス入りナイロン66でプラスチック成形されてよい。
【0021】
プラグハウジングの上壁面から隆起するように形成されている弾性支持部の上端部は、側面視において、ロックアームと直交するようにTの字状に結合している。このロックアームは剛性をもたせるために両翼にリブが形成されてよく、ロックアームは弾性支持部を支点にシーソーのように揺動可能に変位する。
【0022】
ロックアームにおけるフック部は、弾性支持部からリセプタクル側に延出している。そして、フック部の前縁下方は面取りがなされ、いわゆる鉤状に形成されている。
【0023】
一方、リセプタクルの外壁にはプラグ側からこのリセプタクルの後方に向けて立ち上がるように緩やかな傾斜面が形成され、当該傾斜面の終端は鋭角に形成されて山脈状突起をリセプタクルは有している。
【0024】
プラグをリセプタクルに挿入すると、前記鉤状部と傾斜面がすべり結合しながら、フック部は押し上げられていく。一定距離、プラグが進行するとフック部は山脈状突起の後縁に埋没し、フック部と山脈状突起は引っ掛かり合うように係止する。このようにして、プラグとリセプタクルの結合状態が維持される。
【0025】
プラグをリセプタクルから引き抜くときは、指押さえ部となる力点部を押し下げると、フック部が持ち上がるので、そのままプラグを引き抜くことによりプラグはリセプタクルから解除できる。
【0026】
このようなロック機構においては、支点からフック部までの距離及び支点から指押さえ部となる力点部の距離を従来より長くしているので、プラグをリセプタクルに容易に弱い力で挿抜できる。
【0027】
この発明によるロック機構付きプラグは、好適な実施様態にあっては、「8」から「40」の極数を有するプラグに適用されてよい。そして、例えば、2.5mmのピッチを有する40極のプラグにあっては、ロック機構を除くプラグハウジングの外形寸法は、横幅×高さ×奥行きが約53mm×約12mm×約14mmであってよい。この場合、支点からフック部までの距離は約7mmであってよく、支点から指押さえ部となる力点部の距離は7mm又は7mm以上に延長されてもよい。
【0028】
また、本発明のロック機構付きプラグは、「(1)記載のロック機構付きプラグにおいて、前記プラグフレーム部の後方から複数のケーブル付きバレルが整列配置され、二列に縦横区画されている複数の収容穴と、前記プラグハウジングにおける上壁及び下壁においてUの字状の切り欠き溝によって区画されて前記リセプタクルに対向するように形成される複数の立設壁と、当該立設壁によって前記リセプタクルに向かって開口するように形成されており前記フック部の下方に偏在している段差部と、を有しており、当該段差部は前記バレルにおける収容穴に連通しており、前記段差部に前記バレルにおけるランスが突出し、当該ランスが前記立設壁に係止される」ことを特徴としてよい。
【0029】
バレルは、オープンバレルであってもよく、クローズドバレルであってもよい。このバレルをプラグハウジングに固定するために、バレル上には槍状に突出するランスが設けられている。このランスが相反するように複数の収容穴に配置されている。
【0030】
プラグハウジングにおける上壁及び下壁において、Uの字状の切り欠き溝によって区画されることによって、バレルが弾圧保持される直方体状の弾性係止片が形成され、この弾性係止片がリセプタクルに対向するように矩形の立設壁を形成する。
【0031】
そして、この矩形の立設壁を立設面とする段差部が、フック部の下方に偏在しており、この段差部は、リセプタクルに向かって開口するように形成されている。
【0032】
この段差部の水平面は、バレルにおける収容穴に個々に連通しており、この段差部にバレルにおけるランスが突出し、当該ランスが立設壁に当接して係止される。
【0033】
このように形成されるロック機構付きプラグは、ロック機構と、複数の収容穴、複数の溝と、段差部と、このプラグに挿入されるピンコンタクト用の挿入穴と、を前方スライド金型と後方スライド金型のみで成形可能とするものであり、従来の主金型を不要とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0035】
図1は、本発明による一実施の形態におけるロック機構付きプラグと、このプラグが挿抜される相手側リセプタクルの構成を示す斜視図である。図1における実施形態では、プラグ1は、角型のプラグフレーム部11を有している絶縁性のプラグハウジング10と、このプラグハウジング10の上壁面1Aに形成されるロック機構12を備えている。
【0036】
一方、図1において、プラグ1が挿抜されるリセプタクル2は、絶縁性のリセプタクルハウジング20により角型に形成される。このリセプタクルハウジング20に複数のピンコンタクト21が二列に縦横配置されている。ピンコンタクト21は、いわゆる、デュアルインライン形に配列されている。
【0037】
複数のピンコンタクト21は、リセプタクルハウジング20の底面から突出しており、この突出部分が、プリント基板に形成される図示されない複数のスルーホールにはんだ接合される。なおピンコンタクト21における前記突出部分をプレスフィットピンとして、前記複数のスルーホールに圧入接合されてもよい。
【0038】
図1において、リセプタクルハウジング20は、端面2A側に矩形状に開口している凹部2Bを有している。この凹部2Bの内壁にプラグハウジング10の外壁が規制されて、プラグ1が一定の深さまで挿入される。図1において、リセプタクル2は、フォーウォール形のシュラウドを有するプリント基板用コネクタとも呼ばれる。
【0039】
リセプタクルハウジング20は、外壁の一側面である上壁2Cに凹部22が形成され、この凹部22に山脈状突起23が形成されている。この山脈状突起23は、ロック機構12におけるロックアーム14の端部に形成されるフック部14Aに引っ掛かるように係合する。
【0040】
なお、図1において、凹部22はロックアーム14の両側面を案内する幅を有しており、山脈状突起23はフック部14Aがすべり結合して持ち上がるようになる傾斜面23Aを形成している。
【0041】
一方、図1において、プラグフレーム部11の後方から複数のケーブル3付きバレルが整列配置される複数の収容穴15が形成されている。この複数の収容穴15は、二列に縦横区画されている。
【0042】
次に、図1を参照しながら、プラグ1の構成を図2により更に説明する。図2はプラグ1の斜視図である。図2はプラグ1を前面から観ている。
【0043】
図2の実施形態において、ロック機構12は弾性支持部13とロックアーム14とで構成されており、弾性支持部13はプラグハウジング10の上壁面1Aから隆起するように形成されている。また、ロックアーム14は弾性支持部13における端部と揺動可能に結合している。
【0044】
ロックアーム14は、弾性支持部13からリセプタクル2(図1参照)側に延出しており、リセプタクル2の上壁2C(図1参照)に形成されている山脈状突起23(図1参照)に係合するフック部14Aを備えている。又、ロックアーム14は、弾性支持部13から反リセプタクル2側に延出している指押さえ部となる力点部14Bを備えている。
【0045】
図2において、弾性支持部13は、リセプタクル2への挿入方向と平行する方向であって、プラグハウジング10における上壁面1Aの概中間から隆起している。そして、フック部14Aはプラグハウジング10の前縁まで延出しており、力点部14Bはプラグハウジング10の後縁まで延出している。なお、力点部14Bはプラグハウジング10の後縁を超えて延出してもよい。
【0046】
又、プラグハウジング10の前面には、図1で示されたピンコンタクト21が挿入されるための挿入穴1Cが縦横に配列されている。そして、これら複数の挿入穴1Cは、図1で示された複数の収容穴15に一対一で連通している。なお、これらの構成は、次の図3に最もよく示されている。
【0047】
次に、プラグ1とリセプタクル2の接続状態を図3により説明する。図3は、プラグ1とリセプタクル2が接続状態のときの縦断面図である。
【0048】
図3の実施形態において、複数のケーブル3付きバレル4が収容穴15に挿入されている。図3に示されるように、対向するバレル4はランス4Aが相反するように配置されている。
【0049】
そして、オープンバレル4Bが、ピンコンタクト21を挟持するように接続する。なお、ケーブル3における心線3Aは予めコンタクトバレル4Cに圧着されており、同様に、ケーブル3における絶縁被膜3Bは予めインシュレーショングリップ4Dに圧着されている。
【0050】
次に、図1から図4を参照して、本発明の作用を説明する。なお、図4は図2の平面図である。
【0051】
図4の実施形態に示されるように、プラグハウジング10の上壁面1Aには、Uの字状の切り欠き溝1Uが等間隔で複数形成されている。そして、この切り欠き溝1Uに区画されて、直方体状の弾性係止片16が複数形成される。
【0052】
そして、図2に最もよく示されているように、複数の弾性係止片16は、リセプタクル2(図1参照)に対向するように矩形の立設壁16Aを形成する。なお、図3に示されているように、前述の弾性係止片16と立設壁16Aは、プラグハウジング10の下壁面1Bにも形成されている。
【0053】
又、図2に最もよく示されているように、この矩形の立設壁16Aを立設面とする段差部16Bが、フック部14Aの下方に偏在しており、この段差部16Bは、リセプタクル2(図1参照)に向かって開口するように形成されている。
【0054】
そして、図3に最もよく示されているように、段差部16Bは、バレル4が整列配置される複数の収容穴15に連通している。このように形成された段差部16Bにランス4Aが突出し、ランス4Aが立設壁16Aに係止される。なお、図3において、弾性係止片16はオープンバレル4Bを圧接している。
【0055】
引き続き、図1と図2を参照して、本発明の作用を説明する。図2に示されるように、プラグハウジング10の上壁面1A前方には、四つのキー17Aが配列されている。又、プラグハウジング10の下壁面1B前方には、二つのキー17Bが配列されている。
【0056】
これらキー17A及び17Bは、図1に示されているリセプタクル2の凹部2B内に形成されているキー溝27A及び27Bにそれぞれ嵌合する。このように、キーの配置数と取り付け間隔を異ならせることによって、プラグ1における異極種への嵌合や逆嵌合等の誤挿入を防止している。
【0057】
更に、プラグ1の上壁面1Aには、ロックアーム14を幅方向に挟んだ両翼に、一対のリブ18が突出している。両リブ18の端面が相手方のリセプタクル2の連結側端面2Aに当接することにより、プラグ1とリセプタクル2の接続時の不必要な傾斜を防止する。
【0058】
次に、プラグハウジング10におけるロック機構12とその周辺部を成形するための金型の構造を、図5により説明する。なお、図5(a)はロック機構12を含めたプラグハウジング10の側面図であり、要部を断面図としている。又、図5(b)は図5(a)にこの発明による金型が挿入された状態での断面図である。
【0059】
図5(a)に示されるように、本発明によるプラグハウジング10は、ランス4A(図3参照)が突出するための段差部16B上に、フック部14Aが覆い被さっているので、図6で示された従来の主金型81で段差部16Bを成形することはできない。
【0060】
しかしながら、既に説明したように、段差部16Bはリセプタクル2(図1参照)側に開放しているので、図5(b)に示されるように、前方スライド金型61に設けられた第1突出部61Aで段差部16Bを成形することができる。
【0061】
又、図5(b)に示されるように、前方スライド金型61に設けられた第2突出部61Bによって、挿入穴1Cを成形することもできる。更には、後方スライド金型62を用いて複数の収容穴15を成形することができる。
【0062】
このように、前方スライド金型61と後方スライド金型62を組み合わせて、ロック機構12とその周辺部を成形することが可能になった。
【0063】
本実施の形態では、従来、ロック機構及びランス取り付け穴を成形するために必要であった主金型81(図6参照)を廃止することができる結果、製造コストを安くすることができる。
【0064】
また、図2に示された本実施の形態では、ランス取り付け穴(本実施例では、段差部16Bに相当)にロック機構12が覆い被さるように配置されているので、従来の主金型81(図6参照)を用いては実質的に成形不可能な図2に示された切り欠き溝1Uや弾性係止片16が前方スライド金型61と後方スライド金型62で成形できるようになった。
【0065】
又、ロック機構を有していないプラグにおいても、図5で示された前方スライド金型61と後方スライド金型62と同一の構造のもので、コネクタ本体としてのプラグハウジング、特に、ランス取り付け穴部分を成形できる。従って、ロック構造を有しないプラグからロック機構付きのプラグまで幅広く展開することが容易であり、実施上の効果が大なるものとなる。
【0066】
なお、本実施形態で示されたロック機構は、いわゆるシングルロックであるが、例えば、図1に示されたロックアーム14を幅方向に分割したいわゆるダブルロックにも応用可能である。
【0067】
【発明の効果】
本発明によるロック機構付きプラグは、ロック機構においては、支点からフック部までの距離及び支点から指押さえ部となる力点部の距離を従来より長くしているので、プラグをリセプタクルに容易に弱い力で挿抜できる。
【0068】
又、本発明によるロック機構付きプラグは、ロック機構と、複数の収容穴、複数の溝と、段差部と、このプラグに挿入されるピンコンタクト用の挿入穴と、を前方スライド金型と後方スライド金型のみで成形可能とするものであり、従来の主金型を不要とすることにより、成形型の構成を簡素化できて製造コストを安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施の形態におけるロック機構付きプラグと、このプラグが挿抜される相手側リセプタクルの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明におけるプラグの斜視図である。
【図3】本発明におけるプラグとリセプタクルが接続状態のときの縦断面図である。
【図4】本発明におけるプラグの平面図である。
【図5】本発明におけるプラグハウジングにおけるロック機構とその周辺部を成形するための金型の構造を示す断面図である。
【図6】従来技術におけるプラグハウジングにおけるロック機構とその周辺部を成形するための金型の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 プラグ
1A 上壁面
1B 下壁面
1C 挿入穴
1U 切り欠き溝
2 リセプタクル
2A 端面
2B 凹部
2C 上壁
3 ケーブル
4 バレル
4A ランス
10 プラグハウジング
11 プラグフレーム部
12 ロック機構
13 弾性支持部
14 ロックアーム
14A フック部
14B 力点部
15 収容穴
16 弾性係止片
16A 立設壁
16B 段差部
20 リセプタクルハウジング
21 ピンコンタクト
22 凹部
23 山脈状突起
61 前方スライド金型
62 後方スライド金型
Claims (3)
- 相手側リセプタクルに挿入されるための角型のプラグフレーム部を有している絶縁性のプラグハウジングと、
弾性支持部とロックアームとで構成されており、当該弾性支持部は前記プラグハウジングの上壁面から隆起するように形成されており、当該ロックアームは前記弾性支持部における端部と揺動可能に結合しているロック機構と、を備えているプラグであって、
前記ロックアームは、前記弾性支持部から前記リセプタクル側に延出しており前記リセプタクルの外壁に形成されている山脈状突起に係合するフック部と、前記弾性支持部から反リセプタクル側に延出している力点部と、を備えており、
前記弾性支持部は、前記リセプタクルへの挿入方向と平行する方向であって当該プラグハウジングにおける前記上壁面の概中間から隆起しており、前記フック部は当該プラグハウジングの前縁まで延出しており、前記力点部は当該プラグハウジングの後縁まで又はそれ以上に延出していることを特徴とするロック機構付きプラグ。 - 請求項1記載のロック機構付きプラグにおいて、
前記プラグフレーム部の後方から複数のケーブル付きバレルが整列配置され、二列に縦横区画されている複数の収容穴と、
前記プラグハウジングにおける上壁及び下壁においてUの字状の切り欠き溝によって区画されて前記リセプタクルに対向するように形成される複数の立設壁と、
当該立設壁によって前記リセプタクルに向かって開口するように形成されており前記フック部の下方に偏在している段差部と、を有しており、
当該段差部は前記バレルにおける収容穴に連通しており、前記段差部に前記バレルにおけるランスが突出し、当該ランスが前記立設壁に係止されることを特徴とするロック機構付きプラグ。 - 請求項1又は2のいずれかに記載のロック機構付きプラグにおいて、
複数のピンコンタクトを有しておりプリント基板に実装される角型のリセプタクルに接続されることを特徴とするロック機構付きプラグ。
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