JP2005050418A - 垂直通電型磁気ヘッドおよびそれを用いた磁気記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ESD(Electro Static Discharge)現象や外乱ノイズ(例えばクロストークノイズ)などに対する信頼性の高い垂直通電型磁気ヘッド、およびそれを用いた磁気記録装置を提供することにある。
【解決手段】磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して略垂直な方向に電流を通電するための一対の電極と、前記磁気抵抗効果膜の上下に設けた一対の磁気シールドと、前記磁気シールド間に配置された絶縁膜と、前記磁気シールド間に配置された絶縁膜中に低誘電率膜とを備え、前記低誘電率膜の面積が前記磁気シールドの面積の1/2より大きく、かつ前記磁気シールドの面積よりも小さいくすることでESD現象、外乱ノイズに対する信頼性の高いヘッド、装置を提供する。
【選択図】 図3
【解決手段】磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して略垂直な方向に電流を通電するための一対の電極と、前記磁気抵抗効果膜の上下に設けた一対の磁気シールドと、前記磁気シールド間に配置された絶縁膜と、前記磁気シールド間に配置された絶縁膜中に低誘電率膜とを備え、前記低誘電率膜の面積が前記磁気シールドの面積の1/2より大きく、かつ前記磁気シールドの面積よりも小さいくすることでESD現象、外乱ノイズに対する信頼性の高いヘッド、装置を提供する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク装置のヘッド構造に関し、特に垂直通電型磁気ヘッドおよびそれを用いた磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報記録再生装置のひとつである磁気ディスク装置、所謂ハードディスク装置(以下、HDDと称する)は、主にパーソナルコンピュータに使用されてきたが、最近では、その使用範囲が拡大し、オーディオビジュアル機器(AV機器)やカーナビゲーションなどの車載機器として使用されるようになってきた。HDDの記憶容量は益々増大の要求があり、そのための高記録密度を達成するために垂直記録方式が提案されてきている。
【0003】
HDDの記録密度が高まるにつれ、情報を再生するヘッドに用いられる再生ヘッドには高感度なセンサが要求されている。この要求に応えるものとしてトンネル型磁気抵抗効果素子(以下、TMRと称する)や垂直通電型巨大磁気抵抗効果素子(以下、CPP−GMRと称する)がある。これらは、薄膜積層構造を有するTMRまたはGMR膜に対して、磁界検出のためのセンス電流を膜面に対して略垂直方向に通電するタイプの素子である。
【0004】
TMR素子を用いた磁気ヘッドを開示した先行技術文献としては、例えば、米国特許第5,898,548号公報を挙げることができる。また、CPP−GMR素子を用いた磁気ヘッドを開示した先行技術文献としては、例えば、特開平10−55512号公報や、米国特許第5,668,688号公報を挙げることができる。
【0005】
HDDの記録密度向上のためには狭ギャップ・狭トラック化が必要であり、特に前者を達成するために垂直通電型の磁気抵抗効果素子をシールド型の磁気ヘッドに適用する場合、磁気抵抗効果素子にセンス電流を通電するための電極と磁気シールドを共用することが必要である。上記先行技術文献では、いずれも磁気シールドをセンス電流を通電するために用いたことが開示されている。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第5,898,548号公報(要約、図4A)
【特許文献2】
特開平10−55512号公報(要約、図2)
【特許文献3】
米国特許第5,668,688号公報(要約、図3A)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した先行技術においては、対となる上下磁気シールド間に磁気抵抗効果素子以外の部分は絶縁膜(誘電膜)で構成されることで、この部分がコンデンサを形成することなり、ESD(Electro Static Discharge)現象や外乱ノイズ(例えばクロストークノイズ)などにより、このコンデンサ部分に電荷が誘起されると磁気抵抗効果素子に過剰な電流が流れ、磁気抵抗効果素子を破壊してしまうという問題が発生する恐れがある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされるもので、上下に磁気シールドを有し、磁気シールドを通電層の一部として機能させる、膜面垂直通電型の磁気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドにおいて、ESD(Electro Static Discharge)現象や外乱ノイズ(例えばクロストークノイズ)などに対する信頼性の高い垂直通電型磁気ヘッド、およびそれを用いた磁気記録装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る磁気ヘッドは、磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して略垂直な方向に電流を通電するための一対の電極と、前記磁気抵抗効果膜の上下に設けた一対の磁気シールドと、前記磁気シールド間に配置された絶縁膜と、前記磁気シールド間に配置された絶縁膜中に低誘電率膜とを備え、前記低誘電率膜の面積が前記磁気シールドの面積の1/2より大きく、かつ前記磁気シールドの面積よりも小さいことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明に係る磁気記録再生装置は、磁気記録媒体と、磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して略垂直な方向に電流を通電するための一対の電極と、前記磁気抵抗効果膜の上下に設けた一対の磁気シールドと、前記磁気シールド間に配置された絶縁膜と、前記磁気シールド間に配置された絶縁膜中に低誘電率膜とを備え、前記低誘電率膜の面積が前記磁気シールドの面積の1/2より大きく、かつ前記磁気シールドの面積よりも小さい垂直通電型磁気ヘッドとを備え、前記磁気記録媒体に磁気的に記録された情報を再生可能とすることを特徴とするものである。
【0011】
このようにな構成により、上下磁気シールド兼電極が形成するコンデンサの誘電率が下がり、このコンデンサのキャパシタンスがさがることから、ESDや外乱ノイズによって誘起される電圧に対して決まる電荷が下がり、その結果ノイズ等によって流れる電流量が下がることから、ESDや外乱ノイズに対する耐性が高い垂直通電型磁気ヘッド、およびそれを用いた磁気記録装置を提供することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明をディスク装置として磁気ディスク装置に適用した実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態にかかる磁気記録再生装置の概略構成を例示する要部斜視図である。すなわち、本実施形態にかかる磁気記録再生装置1は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。同図において、記録用媒体ディスク2は、これを回転させるスピンドル3に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。本実施形態にかかる磁気記録再生装置1は、複数の媒体ディスク2を備えたものとしてもよい。
【0013】
媒体ディスク2に格納する情報の記録再生を行うヘッドスライダ4は、薄膜状のサスペンション5の先端に取り付けられている。ここで、ヘッドスライダ4は、後述する複数の実施形態の磁気ヘッドをその先端付近に搭載している。
【0014】
媒体ディスク2が回転すると、ヘッドスライダ4の媒体対向面(ABS)は媒体ディスク2の表面から所定の浮上量をもって保持される。あるいはヘッドスライダ4が媒体ディスク2と接触するいわゆる「接触走行型」であってもよい。
【0015】
サスペンション5は、図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム6の一端に接続されている。アクチュエータアーム6の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ7が設けられている。ボイスコイルモータ7は、アクチュエータアーム6のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークからなる磁気回路とから構成される。
【0016】
アクチュエータアーム6は、スピンドル8の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ7により回転摺動が自在にできるようになっている。
【0017】
図2は、アクチュエータアーム6から先の磁気ヘッドアセンブリ9を媒体ディスク2側から眺めた拡大斜視図である。すなわち、磁気ヘッドアッセンブリ9は、例えば駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム6を有し、アクチュエータアーム6の一端にはサスペンション5が接続されている。
【0018】
サスペンション5の先端には、後述する実施形態のいずれかの磁気ヘッドを具備するヘッドスライダ4が取り付けられている。サスペンション5は信号の書き込みおよび読み取り用のリード線10を有し、このリード線10とヘッドスライダ4に組み込まれた磁気ヘッドの各電極とが電気的に接続されている。図中11は磁気ヘッドアッセンブリ9の電極パッドである。
【0019】
次に、図面を参照しながら本実施形態にかかる垂直通電型磁気ヘッドの詳細な構造を説明する。
(第1の実施形態)
まず、図3乃至図6を用いて本発明の第1の実施形態に係る磁気ヘッドを説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る垂直通電型磁気抵抗効果素子を備えた磁気ヘッドの要部構成を概念的に表す断面図である。同図においては、手前側が、記録媒体(図示せず)に対抗する対向面(媒体対抗面)である。
【0020】
磁気抵抗効果膜12の膜面の上下には、Taなどからなる電極兼磁気ギャップ13が設けられている。その上下にNiFeからなる磁気シールド兼電極14、15が設置されており、電極兼磁気ギャップ13を通して、磁気抵抗効果膜12にセンス電流を通電する役割を有する。
【0021】
上下シールド14、15間の磁気抵抗効果膜12がない部分にはアルミナ(AlOx)からなる絶縁膜16が設置され、上部シールド兼電極14と下部シールド兼電極15とを磁気抵抗効果膜12がない部分について絶縁している。その絶縁膜16中にSiからなる低誘電膜17が設置されている。
【0022】
図4は、本実施形態に係る磁気ヘッドの平面図である。同図においては、紙面下側側が媒体対向面である。
下部シールド兼電極14上に電極兼磁気ギャップ(図示せず)を介して磁気抵抗効果膜12が設置され、また点線で示した低誘電膜17が絶縁膜16(図示せず)を介して設置されている。ここで低誘電体17の面積は上下磁気シールド兼電極14、15の面積の小さい方(ここでは図示しない上部シールド兼電極14)の90%である。
【0023】
図5は、磁気抵抗効果膜12の基本構成を概念的に例示した断面図である。すなわち、磁気抵抗効果膜12は、例えば、下地層12A、反強磁性層12B、磁化固着層(ピン層)12C、非磁性中間層12D、磁化自由層(フリー層)12E、及び保護層12Fをこの順に積層した構成を有する。下地層12Aの材料としては、Ta(タンタル)を用いることができる。
【0024】
反強磁性層12Bの材料としては、例えば、PtMn(白金マンガン)を用いることができる。
磁化固着層12Cは、例えば、CoFe(コバルト鉄)/Ru(ルテニウム)/CoFe(コバルト鉄)の3層膜からなるものとすることができる。
非磁性中間層12Dの材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
磁化自由層(フリー層)12Eは、例えば、CoFe/NiFe(ニッケル鉄)の2層膜からなるものとすることができる。
保護層12F材料としては、例えば、Taを用いることができる。
但し、本発明において磁気抵抗効果膜12として用いることができるものは、図5に例示したものには限定されず、これ以外にも例えば、非磁性中間層12Dの材料としてアルミナ(AlOx)等を用いてTMR膜としたものや、積層の順序を反転した構造などの各種の構造を同様に用いることが可能である。
【0025】
再び、図3〜図4に戻って説明すると、本実施形態のひとつの特徴は、上下磁気シールド兼電極14、15のうちの面積の小さい方の面積:Ss対して、低誘電体層17の面積Scが
【0026】
1/2Ss≦Sc≦Ss (1)
の関係となっていることである。上記(1)の関係を満足するように形成することで、上下磁気シールド兼電極14、15が形成するコンデンサの誘電率が下がり、このコンデンサのキャパシタンス:Cが下がることから、ESDや外乱ノイズによって誘起される電圧:Vに対して
【0027】
Q=CV (2)
で決まる電荷:Qの値が下がり、
I=dQ/dt (3)
できまる電流量が下がることから、素子の破壊や磁気抵抗効果膜の磁化固着層の磁化方向が変化してしまうことによる特性劣化が起こりにくくなる。
この場合、低誘電体層17を設けないものに対して、約1/9にキャパシタンス:Cが下がることから、実際書き込みヘッドからのクロストークノイズを模擬したノイズ(300mVpp)を印加した場合、低誘電体層6を設けないものは特性が劣化(再生出力が1/10程度)となってしまったが、本実施例のものは全く変化しなかった。これらについて低誘電体層17の面積を変えた場合に、各10個づつクロストークノイズを模擬したノイズ(300mVpp)を印加した場合の出力劣化の様子を図6に示す。またSc>Ssとした場合、作製プロセス上の問題で段差等の影響を受け、キャパシタンス:Cの下がり方が不安定となる。
【0028】
(第2の実施形態)
次に、図7乃至図9を用いて本発明の第2の実施形態に係る磁気ヘッドを説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る垂直通電型磁気抵抗効果素子を備えた磁気ヘッドの要部構成を概念的に表す断面図である。同図においては、手前側が、記録媒体(図示せず)に対抗する対向面(媒体対抗面)である。
【0029】
磁気抵抗効果膜12の膜面の上下には、Taなどからなる電極兼磁気ギャップ13が設けられている。その上下にNiFeからなる磁気シールド兼電極14、15が設置されており、電極兼磁気ギャップ13を通して、磁気抵抗効果膜12にセンス電流を通電する役割を有する。
【0030】
上下シールド14、15間の磁気抵抗効果膜12がない部分にはアルミナ(AlOx)からなる絶縁膜16が設置され、上部シールド兼電極14と下部シールド兼電極15とを磁気抵抗効果膜12がない部分について絶縁している。その絶縁膜16中にSiからなる低誘電体17が磁気抵抗効果膜12に隣接して設置されている。
【0031】
図8は、本実施形態に係る磁気ヘッドの平面図である。同図においては、紙面下側側が媒体対向面である。
下部シールド兼電極14上に電極兼磁気ギャップ(図示せず)を介して磁気抵抗効果膜12が設置され、また点線で示した低誘電体17が絶縁膜16(図示せず)を介して設置されている。ここで低誘電体17の面積は上下磁気シールド兼電極14、15の面積の小さい方(ここでは図示しない上部シールド兼電極14)の90%である。
【0032】
低誘電体17は一対の低誘電体からなりそれぞれが絶縁体を介して磁気抵抗効果膜12と隣接して設置されている。
本実施形態のひとつの特徴は、上述の第1の実施形態と同様にESDや外乱ノイズによって誘起される電圧に対する耐性が高いことである。また本実施例では低誘電体17が磁気抵抗効果膜12に近接していることが特徴である。
【0033】
上下磁気シールド兼電極14、15にノイズ等による電圧のため電荷が誘起された場合、その電荷分布は低誘電体17のない部分が高くなる。したがって本実施例では磁気抵抗効果膜12付近の電荷密度を下げることができ、結果磁気抵抗効果膜12を流れる電流を下げることができるため、さらにESDや外乱ノイズによって誘起される電圧に対する耐性が高まる。
【0034】
これらについて低誘電体層17の面積を変えた場合に、各10個づつクロストークノイズを模擬したノイズ(300mVpp)を印加した場合の出力劣化の様子を図9に示す。ただ近接して設置するのは一般に困難であるため、図示したように2分割して作成すれば近接して作成することが可能となる。
【0035】
(第3の実施形態)
次に、図10乃至図11を用いて本発明の第3の実施形態に係る磁気ヘッドを説明する。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る垂直通電型磁気抵抗効果素子を備えた磁気ヘッドの要部構成を概念的に表す断面図である。同図においては、手前側が、記録媒体(図示せず)に対抗する対向面(媒体対抗面)である。
【0036】
磁気抵抗効果膜12の膜面の上下には、Taなどからなる電極兼磁気ギャップ13が設けられている。その上下にNiFeからなる磁気シールド兼電極14、15が設置されており、電極兼磁気ギャップ13を通して、磁気抵抗効果膜12にセンス電流を通電する役割を有する。
【0037】
上下シールド14、15間の磁気抵抗効果膜12がない部分にはアルミナ(AlOx)からなる絶縁膜16が設置され、上部シールド兼電極14と下部シールド兼電極15とを磁気抵抗効果膜12がない部分について絶縁している。その絶縁膜16中にCr下地上に形成されたCoPtCr−SiOxからなる硬質磁性膜18が磁気抵抗効果膜12に隣接して設置されている。
【0038】
硬質磁性膜18は一対の低誘電体からなりそれぞれが絶縁体を介して磁気抵抗効果膜12と隣接して設置され、その面積は上下磁気シールド兼電極14、15の面積の小さい方の90%である。
【0039】
本実施形態のひとつの特徴は、上述の第1の実施形態と同様にESDや外乱ノイズによって誘起される電圧に対する耐性が高いことである。また本実施例では硬質磁性膜18が磁気抵抗効果膜12に近接していることが特徴であり、上述の第2の実施形態と同様な理由でさらにESDや外乱ノイズによって誘起される電圧に対する耐性が高まる。
【0040】
これらについて硬質磁性膜18の面積を変えた場合に、各10個づつクロストークノイズを模擬したノイズ(300mVpp)を印加した場合の出力劣化の様子を図11に示す。また、磁気抵抗効果膜12に対して縦バイアスを加える膜を共用させていることから、バルクハウゼンノイズの抑制も同時に達成できる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、上下磁気シールド兼電極が形成するコンデンサの誘電率が下がり、このコンデンサのキャパシタンスがさがることから、ESDや外乱ノイズによって誘起される電圧に対して決まる電荷が下がり、その結果ノイズ等によって流れる電流量が下がることから、ESDや外乱ノイズに対する耐性が高い垂直通電型磁気ヘッド、およびそれを用いた磁気記録装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る磁気記録再生装置の概略構成を例示する要部斜視図。
【図2】本実施形態に係る磁気ヘッドアセンブリを媒体ディスク側から見た拡大斜視図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る垂直通電型磁気抵抗効果素子を備えた磁気ヘッドの要部構成を概念的に表す断面図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る磁気ヘッドの平面図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る磁気抵抗効果膜の基本構成を概念的に例示した断面図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る磁気抵抗効果膜の低誘電体層の面積を変えた場合出力劣化の様子を示す図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る垂直通電型磁気抵抗効果素子を備えた磁気ヘッドの要部構成を概念的に表す断面図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る磁気ヘッドの平面図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る磁気抵抗効果膜の低誘電体層の面積を変えた場合出力劣化の様子を示す図。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る垂直通電型磁気抵抗効果素子を備えた磁気ヘッドの要部構成を概念的に表す断面図。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る磁気抵抗効果膜の低誘電体層の面積を変えた場合出力劣化の様子を示す図。
【符号の説明】
1………磁気記録再生装置
2………媒体ディスク
3………スピンドル
4………ヘッドスライダ
5………サスペンション
6………アクチュエータアーム
7………ボイスコイルモータ
8………スピンドル
9………磁気ヘッドアッセンブリ
10……リード線
11……電極パッド
12……磁気抵抗効果膜
12A…下地層
12B…反強磁性層
12C…磁化固着層(ピン層)
12D…非磁性中間層
12E…磁化自由層(フリー層)
12F…保護層
13……電極兼磁気ギャップ
14、15……磁気シールド兼電極
16……絶縁膜
17……低誘電膜
18……硬質磁性膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク装置のヘッド構造に関し、特に垂直通電型磁気ヘッドおよびそれを用いた磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報記録再生装置のひとつである磁気ディスク装置、所謂ハードディスク装置(以下、HDDと称する)は、主にパーソナルコンピュータに使用されてきたが、最近では、その使用範囲が拡大し、オーディオビジュアル機器(AV機器)やカーナビゲーションなどの車載機器として使用されるようになってきた。HDDの記憶容量は益々増大の要求があり、そのための高記録密度を達成するために垂直記録方式が提案されてきている。
【0003】
HDDの記録密度が高まるにつれ、情報を再生するヘッドに用いられる再生ヘッドには高感度なセンサが要求されている。この要求に応えるものとしてトンネル型磁気抵抗効果素子(以下、TMRと称する)や垂直通電型巨大磁気抵抗効果素子(以下、CPP−GMRと称する)がある。これらは、薄膜積層構造を有するTMRまたはGMR膜に対して、磁界検出のためのセンス電流を膜面に対して略垂直方向に通電するタイプの素子である。
【0004】
TMR素子を用いた磁気ヘッドを開示した先行技術文献としては、例えば、米国特許第5,898,548号公報を挙げることができる。また、CPP−GMR素子を用いた磁気ヘッドを開示した先行技術文献としては、例えば、特開平10−55512号公報や、米国特許第5,668,688号公報を挙げることができる。
【0005】
HDDの記録密度向上のためには狭ギャップ・狭トラック化が必要であり、特に前者を達成するために垂直通電型の磁気抵抗効果素子をシールド型の磁気ヘッドに適用する場合、磁気抵抗効果素子にセンス電流を通電するための電極と磁気シールドを共用することが必要である。上記先行技術文献では、いずれも磁気シールドをセンス電流を通電するために用いたことが開示されている。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第5,898,548号公報(要約、図4A)
【特許文献2】
特開平10−55512号公報(要約、図2)
【特許文献3】
米国特許第5,668,688号公報(要約、図3A)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した先行技術においては、対となる上下磁気シールド間に磁気抵抗効果素子以外の部分は絶縁膜(誘電膜)で構成されることで、この部分がコンデンサを形成することなり、ESD(Electro Static Discharge)現象や外乱ノイズ(例えばクロストークノイズ)などにより、このコンデンサ部分に電荷が誘起されると磁気抵抗効果素子に過剰な電流が流れ、磁気抵抗効果素子を破壊してしまうという問題が発生する恐れがある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされるもので、上下に磁気シールドを有し、磁気シールドを通電層の一部として機能させる、膜面垂直通電型の磁気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドにおいて、ESD(Electro Static Discharge)現象や外乱ノイズ(例えばクロストークノイズ)などに対する信頼性の高い垂直通電型磁気ヘッド、およびそれを用いた磁気記録装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る磁気ヘッドは、磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して略垂直な方向に電流を通電するための一対の電極と、前記磁気抵抗効果膜の上下に設けた一対の磁気シールドと、前記磁気シールド間に配置された絶縁膜と、前記磁気シールド間に配置された絶縁膜中に低誘電率膜とを備え、前記低誘電率膜の面積が前記磁気シールドの面積の1/2より大きく、かつ前記磁気シールドの面積よりも小さいことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明に係る磁気記録再生装置は、磁気記録媒体と、磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して略垂直な方向に電流を通電するための一対の電極と、前記磁気抵抗効果膜の上下に設けた一対の磁気シールドと、前記磁気シールド間に配置された絶縁膜と、前記磁気シールド間に配置された絶縁膜中に低誘電率膜とを備え、前記低誘電率膜の面積が前記磁気シールドの面積の1/2より大きく、かつ前記磁気シールドの面積よりも小さい垂直通電型磁気ヘッドとを備え、前記磁気記録媒体に磁気的に記録された情報を再生可能とすることを特徴とするものである。
【0011】
このようにな構成により、上下磁気シールド兼電極が形成するコンデンサの誘電率が下がり、このコンデンサのキャパシタンスがさがることから、ESDや外乱ノイズによって誘起される電圧に対して決まる電荷が下がり、その結果ノイズ等によって流れる電流量が下がることから、ESDや外乱ノイズに対する耐性が高い垂直通電型磁気ヘッド、およびそれを用いた磁気記録装置を提供することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明をディスク装置として磁気ディスク装置に適用した実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態にかかる磁気記録再生装置の概略構成を例示する要部斜視図である。すなわち、本実施形態にかかる磁気記録再生装置1は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。同図において、記録用媒体ディスク2は、これを回転させるスピンドル3に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。本実施形態にかかる磁気記録再生装置1は、複数の媒体ディスク2を備えたものとしてもよい。
【0013】
媒体ディスク2に格納する情報の記録再生を行うヘッドスライダ4は、薄膜状のサスペンション5の先端に取り付けられている。ここで、ヘッドスライダ4は、後述する複数の実施形態の磁気ヘッドをその先端付近に搭載している。
【0014】
媒体ディスク2が回転すると、ヘッドスライダ4の媒体対向面(ABS)は媒体ディスク2の表面から所定の浮上量をもって保持される。あるいはヘッドスライダ4が媒体ディスク2と接触するいわゆる「接触走行型」であってもよい。
【0015】
サスペンション5は、図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム6の一端に接続されている。アクチュエータアーム6の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ7が設けられている。ボイスコイルモータ7は、アクチュエータアーム6のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークからなる磁気回路とから構成される。
【0016】
アクチュエータアーム6は、スピンドル8の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ7により回転摺動が自在にできるようになっている。
【0017】
図2は、アクチュエータアーム6から先の磁気ヘッドアセンブリ9を媒体ディスク2側から眺めた拡大斜視図である。すなわち、磁気ヘッドアッセンブリ9は、例えば駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム6を有し、アクチュエータアーム6の一端にはサスペンション5が接続されている。
【0018】
サスペンション5の先端には、後述する実施形態のいずれかの磁気ヘッドを具備するヘッドスライダ4が取り付けられている。サスペンション5は信号の書き込みおよび読み取り用のリード線10を有し、このリード線10とヘッドスライダ4に組み込まれた磁気ヘッドの各電極とが電気的に接続されている。図中11は磁気ヘッドアッセンブリ9の電極パッドである。
【0019】
次に、図面を参照しながら本実施形態にかかる垂直通電型磁気ヘッドの詳細な構造を説明する。
(第1の実施形態)
まず、図3乃至図6を用いて本発明の第1の実施形態に係る磁気ヘッドを説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る垂直通電型磁気抵抗効果素子を備えた磁気ヘッドの要部構成を概念的に表す断面図である。同図においては、手前側が、記録媒体(図示せず)に対抗する対向面(媒体対抗面)である。
【0020】
磁気抵抗効果膜12の膜面の上下には、Taなどからなる電極兼磁気ギャップ13が設けられている。その上下にNiFeからなる磁気シールド兼電極14、15が設置されており、電極兼磁気ギャップ13を通して、磁気抵抗効果膜12にセンス電流を通電する役割を有する。
【0021】
上下シールド14、15間の磁気抵抗効果膜12がない部分にはアルミナ(AlOx)からなる絶縁膜16が設置され、上部シールド兼電極14と下部シールド兼電極15とを磁気抵抗効果膜12がない部分について絶縁している。その絶縁膜16中にSiからなる低誘電膜17が設置されている。
【0022】
図4は、本実施形態に係る磁気ヘッドの平面図である。同図においては、紙面下側側が媒体対向面である。
下部シールド兼電極14上に電極兼磁気ギャップ(図示せず)を介して磁気抵抗効果膜12が設置され、また点線で示した低誘電膜17が絶縁膜16(図示せず)を介して設置されている。ここで低誘電体17の面積は上下磁気シールド兼電極14、15の面積の小さい方(ここでは図示しない上部シールド兼電極14)の90%である。
【0023】
図5は、磁気抵抗効果膜12の基本構成を概念的に例示した断面図である。すなわち、磁気抵抗効果膜12は、例えば、下地層12A、反強磁性層12B、磁化固着層(ピン層)12C、非磁性中間層12D、磁化自由層(フリー層)12E、及び保護層12Fをこの順に積層した構成を有する。下地層12Aの材料としては、Ta(タンタル)を用いることができる。
【0024】
反強磁性層12Bの材料としては、例えば、PtMn(白金マンガン)を用いることができる。
磁化固着層12Cは、例えば、CoFe(コバルト鉄)/Ru(ルテニウム)/CoFe(コバルト鉄)の3層膜からなるものとすることができる。
非磁性中間層12Dの材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
磁化自由層(フリー層)12Eは、例えば、CoFe/NiFe(ニッケル鉄)の2層膜からなるものとすることができる。
保護層12F材料としては、例えば、Taを用いることができる。
但し、本発明において磁気抵抗効果膜12として用いることができるものは、図5に例示したものには限定されず、これ以外にも例えば、非磁性中間層12Dの材料としてアルミナ(AlOx)等を用いてTMR膜としたものや、積層の順序を反転した構造などの各種の構造を同様に用いることが可能である。
【0025】
再び、図3〜図4に戻って説明すると、本実施形態のひとつの特徴は、上下磁気シールド兼電極14、15のうちの面積の小さい方の面積:Ss対して、低誘電体層17の面積Scが
【0026】
1/2Ss≦Sc≦Ss (1)
の関係となっていることである。上記(1)の関係を満足するように形成することで、上下磁気シールド兼電極14、15が形成するコンデンサの誘電率が下がり、このコンデンサのキャパシタンス:Cが下がることから、ESDや外乱ノイズによって誘起される電圧:Vに対して
【0027】
Q=CV (2)
で決まる電荷:Qの値が下がり、
I=dQ/dt (3)
できまる電流量が下がることから、素子の破壊や磁気抵抗効果膜の磁化固着層の磁化方向が変化してしまうことによる特性劣化が起こりにくくなる。
この場合、低誘電体層17を設けないものに対して、約1/9にキャパシタンス:Cが下がることから、実際書き込みヘッドからのクロストークノイズを模擬したノイズ(300mVpp)を印加した場合、低誘電体層6を設けないものは特性が劣化(再生出力が1/10程度)となってしまったが、本実施例のものは全く変化しなかった。これらについて低誘電体層17の面積を変えた場合に、各10個づつクロストークノイズを模擬したノイズ(300mVpp)を印加した場合の出力劣化の様子を図6に示す。またSc>Ssとした場合、作製プロセス上の問題で段差等の影響を受け、キャパシタンス:Cの下がり方が不安定となる。
【0028】
(第2の実施形態)
次に、図7乃至図9を用いて本発明の第2の実施形態に係る磁気ヘッドを説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る垂直通電型磁気抵抗効果素子を備えた磁気ヘッドの要部構成を概念的に表す断面図である。同図においては、手前側が、記録媒体(図示せず)に対抗する対向面(媒体対抗面)である。
【0029】
磁気抵抗効果膜12の膜面の上下には、Taなどからなる電極兼磁気ギャップ13が設けられている。その上下にNiFeからなる磁気シールド兼電極14、15が設置されており、電極兼磁気ギャップ13を通して、磁気抵抗効果膜12にセンス電流を通電する役割を有する。
【0030】
上下シールド14、15間の磁気抵抗効果膜12がない部分にはアルミナ(AlOx)からなる絶縁膜16が設置され、上部シールド兼電極14と下部シールド兼電極15とを磁気抵抗効果膜12がない部分について絶縁している。その絶縁膜16中にSiからなる低誘電体17が磁気抵抗効果膜12に隣接して設置されている。
【0031】
図8は、本実施形態に係る磁気ヘッドの平面図である。同図においては、紙面下側側が媒体対向面である。
下部シールド兼電極14上に電極兼磁気ギャップ(図示せず)を介して磁気抵抗効果膜12が設置され、また点線で示した低誘電体17が絶縁膜16(図示せず)を介して設置されている。ここで低誘電体17の面積は上下磁気シールド兼電極14、15の面積の小さい方(ここでは図示しない上部シールド兼電極14)の90%である。
【0032】
低誘電体17は一対の低誘電体からなりそれぞれが絶縁体を介して磁気抵抗効果膜12と隣接して設置されている。
本実施形態のひとつの特徴は、上述の第1の実施形態と同様にESDや外乱ノイズによって誘起される電圧に対する耐性が高いことである。また本実施例では低誘電体17が磁気抵抗効果膜12に近接していることが特徴である。
【0033】
上下磁気シールド兼電極14、15にノイズ等による電圧のため電荷が誘起された場合、その電荷分布は低誘電体17のない部分が高くなる。したがって本実施例では磁気抵抗効果膜12付近の電荷密度を下げることができ、結果磁気抵抗効果膜12を流れる電流を下げることができるため、さらにESDや外乱ノイズによって誘起される電圧に対する耐性が高まる。
【0034】
これらについて低誘電体層17の面積を変えた場合に、各10個づつクロストークノイズを模擬したノイズ(300mVpp)を印加した場合の出力劣化の様子を図9に示す。ただ近接して設置するのは一般に困難であるため、図示したように2分割して作成すれば近接して作成することが可能となる。
【0035】
(第3の実施形態)
次に、図10乃至図11を用いて本発明の第3の実施形態に係る磁気ヘッドを説明する。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る垂直通電型磁気抵抗効果素子を備えた磁気ヘッドの要部構成を概念的に表す断面図である。同図においては、手前側が、記録媒体(図示せず)に対抗する対向面(媒体対抗面)である。
【0036】
磁気抵抗効果膜12の膜面の上下には、Taなどからなる電極兼磁気ギャップ13が設けられている。その上下にNiFeからなる磁気シールド兼電極14、15が設置されており、電極兼磁気ギャップ13を通して、磁気抵抗効果膜12にセンス電流を通電する役割を有する。
【0037】
上下シールド14、15間の磁気抵抗効果膜12がない部分にはアルミナ(AlOx)からなる絶縁膜16が設置され、上部シールド兼電極14と下部シールド兼電極15とを磁気抵抗効果膜12がない部分について絶縁している。その絶縁膜16中にCr下地上に形成されたCoPtCr−SiOxからなる硬質磁性膜18が磁気抵抗効果膜12に隣接して設置されている。
【0038】
硬質磁性膜18は一対の低誘電体からなりそれぞれが絶縁体を介して磁気抵抗効果膜12と隣接して設置され、その面積は上下磁気シールド兼電極14、15の面積の小さい方の90%である。
【0039】
本実施形態のひとつの特徴は、上述の第1の実施形態と同様にESDや外乱ノイズによって誘起される電圧に対する耐性が高いことである。また本実施例では硬質磁性膜18が磁気抵抗効果膜12に近接していることが特徴であり、上述の第2の実施形態と同様な理由でさらにESDや外乱ノイズによって誘起される電圧に対する耐性が高まる。
【0040】
これらについて硬質磁性膜18の面積を変えた場合に、各10個づつクロストークノイズを模擬したノイズ(300mVpp)を印加した場合の出力劣化の様子を図11に示す。また、磁気抵抗効果膜12に対して縦バイアスを加える膜を共用させていることから、バルクハウゼンノイズの抑制も同時に達成できる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、上下磁気シールド兼電極が形成するコンデンサの誘電率が下がり、このコンデンサのキャパシタンスがさがることから、ESDや外乱ノイズによって誘起される電圧に対して決まる電荷が下がり、その結果ノイズ等によって流れる電流量が下がることから、ESDや外乱ノイズに対する耐性が高い垂直通電型磁気ヘッド、およびそれを用いた磁気記録装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る磁気記録再生装置の概略構成を例示する要部斜視図。
【図2】本実施形態に係る磁気ヘッドアセンブリを媒体ディスク側から見た拡大斜視図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る垂直通電型磁気抵抗効果素子を備えた磁気ヘッドの要部構成を概念的に表す断面図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る磁気ヘッドの平面図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る磁気抵抗効果膜の基本構成を概念的に例示した断面図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る磁気抵抗効果膜の低誘電体層の面積を変えた場合出力劣化の様子を示す図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る垂直通電型磁気抵抗効果素子を備えた磁気ヘッドの要部構成を概念的に表す断面図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る磁気ヘッドの平面図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る磁気抵抗効果膜の低誘電体層の面積を変えた場合出力劣化の様子を示す図。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る垂直通電型磁気抵抗効果素子を備えた磁気ヘッドの要部構成を概念的に表す断面図。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る磁気抵抗効果膜の低誘電体層の面積を変えた場合出力劣化の様子を示す図。
【符号の説明】
1………磁気記録再生装置
2………媒体ディスク
3………スピンドル
4………ヘッドスライダ
5………サスペンション
6………アクチュエータアーム
7………ボイスコイルモータ
8………スピンドル
9………磁気ヘッドアッセンブリ
10……リード線
11……電極パッド
12……磁気抵抗効果膜
12A…下地層
12B…反強磁性層
12C…磁化固着層(ピン層)
12D…非磁性中間層
12E…磁化自由層(フリー層)
12F…保護層
13……電極兼磁気ギャップ
14、15……磁気シールド兼電極
16……絶縁膜
17……低誘電膜
18……硬質磁性膜
Claims (5)
- 磁気抵抗効果膜と、
前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して略垂直な方向に電流を通電するための一対の電極と、
前記磁気抵抗効果膜の上下に設けた一対の磁気シールドと、
前記磁気シールド間に配置された絶縁膜と、
前記磁気シールド間に配置された絶縁膜中に低誘電率膜とを備え、
前記低誘電率膜の面積が前記磁気シールドの面積の1/2より大きく、かつ前記磁気シールドの面積よりも小さい
ことを特徴とする垂直通電型磁気ヘッド。 - 前記低誘電率膜は一対の低誘電率膜からなり、それぞれが絶縁体を介して磁気抵抗効果膜と隣接して設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の垂直通電型磁気ヘッド。 - 前記低誘電率膜は硬質磁性膜である
ことを特徴とする請求項2に記載の垂直通電型磁気ヘッド。 - 前記低誘電率膜が接地されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つの請求項に係る垂直通電型磁気ヘッド。 - 請求項1乃至4のいずれか1つの請求項に係る垂直通電型磁気ヘッドを備え、磁気記録媒体に磁気的に記録された情報を再生可能とする
ことを特徴とする磁気記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003204520A JP2005050418A (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 垂直通電型磁気ヘッドおよびそれを用いた磁気記録装置 |
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JP2003204520A JP2005050418A (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 垂直通電型磁気ヘッドおよびそれを用いた磁気記録装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7779535B2 (en) | 2005-12-02 | 2010-08-24 | Tdk Corporation | Method of manufacturing a thin-film magnetic head with a magnetoresistive effect element |
-
2003
- 2003-07-31 JP JP2003204520A patent/JP2005050418A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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