JP2005050006A - 記憶システム及びその動作最適化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】仮想デバイスコントローラが発行するコマンドのパラメータを最適化する。
【解決手段】データを記憶デバイスと、上位装置から発行されたコマンドに基づいて前記記憶デバイスに対するデータの書き込みや読み出しを制御するデバイスコントローラとからなる記憶システムにおいて、前記記憶システムは、前記上位装置が受領したコマンドのパラメータを調整するパラメータ調整手段と、前記パラメータ調整手段の調整したパラメータを該コマンドと対応させて蓄積するコマンドパラメータ記憶領域と、を有し、
前記デバイスコントローラが、前記上位装置からコマンドを受領した場合に、前記コマンドパラメータ記憶領域に記憶された情報を読み出して、該コマンドに対応するパラメータを用いて、前記記憶デバイスに対する処理を実行する。
【選択図】 図1
【解決手段】データを記憶デバイスと、上位装置から発行されたコマンドに基づいて前記記憶デバイスに対するデータの書き込みや読み出しを制御するデバイスコントローラとからなる記憶システムにおいて、前記記憶システムは、前記上位装置が受領したコマンドのパラメータを調整するパラメータ調整手段と、前記パラメータ調整手段の調整したパラメータを該コマンドと対応させて蓄積するコマンドパラメータ記憶領域と、を有し、
前記デバイスコントローラが、前記上位装置からコマンドを受領した場合に、前記コマンドパラメータ記憶領域に記憶された情報を読み出して、該コマンドに対応するパラメータを用いて、前記記憶デバイスに対する処理を実行する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、あるデバイスを他の構成をもったデバイスにエミュレートする場合の技術に関し、特に仮想記憶デバイスの動作の最適化方法に関する。さらに具体的には、例えば磁気テープ装置のコマンドを磁気ディスク装置のコマンドに変換した場合におけるコマンドに付帯するパラメータの最適化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、記録用のディスク装置を上位装置に対して、磁気テープ装置として振舞わせることを目的とする技術が提案されている。(例えば、特許文献1)このような技術においては、記録用のディスク装置の制御部に磁気テープ用のコマンドのエミュレータ部を設け、上位装置から受領する磁気テープ装置のコマンドを磁気ディスク装置のコマンドに変換することで、上位装置からは、恰も配下に磁気テープ装置が接続されているかのように扱うことができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−319629号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような公知技術においては、磁気テープ装置のコマンドと磁気ディスク装置のコマンドを1対1に変換する事により、コマンド自体の忠実な変換を試みる。しかしながら、この正確な変換は、変換されたコマンドの実際の動作実行時に、その動作が最適化しきれず、無駄な待ち時間やリトライ動作等が発生させてしまうことがある。
【0005】
磁気テープ装置においては、例えばテープ走行等のような磁気テープ装置固有の特性から必要なアイドル時間がある。従って、磁気ディスク装置を仮想的に磁気テープ装置として用いようとする場合、このような磁気ディスクには必要としない動きのためのアイドル時間があるので、折角、処理の早い磁気ディスク装置を用いているのに、その効果を十分に享受できないという問題がある。この点に鑑み、このような実際には必要のない動作による待ち時間を伴わないようにその動作の最適化技術が必要とされる。
【0006】
本願の第1の目的は、仮想的に記憶デバイスをエミュレートする場合において、その記憶デバイスを制御するコマンドに付帯するパラメータを最適化することである。
【0007】
一方、一連のコマンドを継続して行なうような場合、あるコマンドが処理された後、続くコマンド実行までに所定の待ち時間をパラメータとして付与するようなものもある。アームの移動等の機構的な動作を伴うコマンドがそれにあたり、磁気ディスクではせいぜいハードディスク内のヘッドアームが移動する程度の時間が確保されれば良いのに対して、元の磁気テープ装置のコマンドではそれよりも数段長いアイドルタイムが設定されているような場合がある。
【0008】
このような点を解決するために、アイドル時間の多寡というような問題点も予め仮想デバイスコントローラのエミュレータ部が勘案して待ち時間のパラメータ自体も調整変更するという方法が考えられる。
【0009】
しかしながら、上述のように、仮想デバイスコントローラによって、パラメータを調整しようとすると、仮想デバイスコントローラの配下にどのような性能の記憶システムを導入しているかというような動作環境の相違等による調整が不可能になってしまう。実際には、磁気テープライブラリほどではないにしても、このようなディスクタイプの記憶装置においても、所定のコマンド待ち時間等は必要だからである。そしてその待ち時間は、記憶システムの性能に左右されるので、これらパラメータの調整にあたっては、仮想デバイスコントローラ等を介して上位装置よりテストコマンド及びそのコマンドに付帯するパラメータを発行し、コマンドを実行させながらパラメータ調整を行なうのが望ましい。
【0010】
本願発明の第2の目的はこのように、コマンドに付帯するパラメータを特定の記憶システム用に最適化された状態で提供できるようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するための本願発明の構成は、データを記憶デバイスと、上位装置から発行されたコマンドに基づいて前記記憶デバイスに対するデータの書き込みや読み出しを制御するデバイスコントローラとからなる記憶システムにおいて、 前記記憶システムは、前記上位装置が受領したコマンドのパラメータを調整するパラメータ調整手段と、前記パラメータ調整手段の調整したパラメータを該コマンドと対応させて蓄積するコマンドパラメータ記憶領域と、を有し、前記デバイスコントローラが、前記上位装置からコマンドを受領した場合に、前記コマンドパラメータ記憶領域に記憶された情報を読み出して、該コマンドに対応するパラメータを用いて、前記記憶デバイスに対する処理を実行する。
【0012】
即ち本願発明は、上位装置から記憶デバイスに対する処理コマンド受領し、このコマンドに基づいて記憶デバイスに対する処理を実行するデバイスコントラーラにおいて、前記コマンドに付帯するパラメータを調整する場合に、上位装置から受領したコマンドを実行し、その実行過程でパラメータ調整を行い、その調整されたパラメータを記憶する。そして以後そのパラメータを用いてコマンドの処理を実行するように構成する。パラメータの調整はコマンド実行結果を監視することによって行なわれ、実行結果に応じて前記パラメータを調整する。その調整されたパラメータを、受領したコマンドに対応付けて蓄積し、以後そのコマンドの実行は、蓄積された調整済みのパラメータを用いて行なう。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面に示す実施例により、更に詳細に本発明について説明する。 まず図4を用いて仮想デバイスコントローラにおけるコマンドの変換処理を磁気テープ装置の場合と対比して説明する。107は、磁気テープライブラリ装置でこの磁気テープライブラリ装置107は、磁気テープの制御を行なうデバイスコントローラ102(以下MTC(magnetic tape controller)という。)と、このMTCの制御に基づいて実際のテープの走行等を制御するテープドライブ105を有する。磁気テープライブラリ107は、さらにMT/スロット104を有し、ライブラリコントローラ103からの制御に基づいてライブラリ機構部106を駆動して、MT/スロット104からの磁気テープ媒体送出入を制御する。当然いずれの機能も記憶媒体がテープ媒体であることを前提として構成されている。
【0014】
一方、101は磁気記憶システムで、データの書き込みや読み出しはHDD等の磁気ディスクに対して行われる。磁気ディスクコントローラは、上位サーバーから受領した書き込みや読み出し等のコマンドを処理して磁気ディスク装置へのデータの書き込みや読み出しを行う。本願発明を構成する装置は、この磁気テープライブラリ装置107の機能を磁気ディスク装置101でエミュレートしようとするものであって、上位サーバー100からのコマンドは、磁気テープライブラリ装置と等価な動作するように変換されたものが利用される。
【0015】
磁気記憶システム101の仮想デバイスコントローラは、上位サーバー100から発行されるMTコマンド(Magnetic Tape command)を解釈してそれと等価のDisk制御コマンドに変換して、磁気ディスクコントローラに発行する。このことにより上位装置からみれば恰も磁気記憶システム101が磁気テープライブラリであるかのように取り扱うことが可能となるのである。
【0016】
図1は本発明を仮想的にテープライブラリ装置をエミュレートしている記憶システムの制御部の内部に導入した場合の実施例を示す。
1は記憶システムの制御部であるディスクコントローラである。このディスクコントローラ1は、複数の磁気ディスク装置6(例えば、ハードディスク)に対して、上位装置100から受領したデータの書き込みや読み出しを制御する。
【0017】
通常、ディスクコントローラ1は、情報処理装置等の上位装置100との接続アダプタであるチャネルアダプタ3を介して接続される。ディスクコントローラ1は、チャネルアダプタ3に接続される上位装置100からのデータの書き込みや読み出し命令を受領して、それらのデータの磁気ディスク装置に対する書き込みや読み出しを制御する。
【0018】
例えば、チャネルアダプタ3は、受領したデータの書き込み命令に従って、そのデータをキャッシュ4に書込む。キャッシュ4に書込まれたデータは、ディスクアダプタ5が適宜読み出して、磁気ディスク装置6に書込まれる。
【0019】
このようなディスク記憶システムを仮想的に磁気テープ記憶装置として利用しようとする場合、上位装置100との間に仮想デバイスコントローラ2を介在させる。仮想デバイスコントローラ2は、上位装置100から受領した磁気テープ用のコマンドを解析し、ディスクコントローラ1用のコマンドに変換してからチャネルアダプタ3を介して、ディスクコントローラに対してデータの書き込みや読み出しの命令を発行する。
【0020】
ところで、この実施態様における上位装置100は、記憶システムが磁気テープライブラリであるとして命令を発行しているので、上位装置100は、磁気テープライブラリ特有の制御コマンドも発行している。
【0021】
このような磁気テープ装置や磁気テープライブラリ装置特有のコマンドとして、テープライブラリ装置としてのターゲットとなるテープの選択コマンド、テープロボットアームによるカートリッジのスロットからの取出しコマンド、テープドライブへの搬送コマンド、テープドライブへのロード/アンロード動作等の機構的な動作コマンド、テープ媒体の記録位置のサーチ、リワインドコマンドなどがある。
【0022】
本願発明のディスクコントローラ1は、仮想デバイスコントローラ2から発行される各種コマンド用の最適なパラメータ生成するために、上位装置100から仮想デバイスコントローラ2を介してテスト用のコマンドをディスクコントローラ1に対して発行させる。このテストコマンドは、パス切替器7を介して、コマンド/パラメータ読取り部8に送信される。
【0023】
コマンド/パラメータ読取り部8で読取られたコマンド及びそのコマンドに対応するパラメータは、コマンド/パラメータ保存部11及び、コマンド比較/照合部10に保存される。
【0024】
一方、仮想デバイスコントローラ2からチャネルアダプタ3及び、パス切替器7を介して授受領したこのテストコマンドは、ディスクアダプタ5によって解釈され、そのコマンドに対応した処理が磁気ディスク装置に対して実行される。その処理のコマンド及びその終了状態をコマンド/ステータス応答読取り部16が読み出すのである。
【0025】
そしてこのコマンド/ステータス応答読取り部16が読み出したコマンドと、コマンド比較部10が保持しているコマンドが一致するかどうかを比較して、一致する場合は、そのコマンドが正常に処理されたどうかを判定するコマンド/ステータス判定部14でコマンドが正常に終了したかどうかの判定を行なう。
【0026】
判定値が異常であった場合には、パラメータ調整部12でパラメータの調整を行ない、調整したパラメータをコマンドパラメータ調整値変換テーブル9のRAMにコマンド種類に対応させて記録する。ここで異常であるかどうかという判定は、そのコマンドに関する処理が完了したという応答があるかどうかの他、応答までに要した時間や、処理完了までのリトライ回数等、コマンドの種類に対応したステータス情報をコマンド/ステータス応答読取り部16が収集し、コマンド/ステータス判定部が、それら収集されたステータスデータが、所定の閾値内にあるかどうか等、その処理の適否を判定するのである。
【0027】
一方、判定値が正常であった場合はカウンタ13をカウントアップする。そしてパラメータ調整12でパラメータ調整を行った場合と同様にコマンドパラメータ値変換テーブル9のRAMにそのパラメータの値をコマンド種別と供に蓄積する。
【0028】
そして、このテストコマンドは所定の回数繰り返され、カウンタ13のカウンタ値が予め設定しておいた値になった場合は、最適のパラメータが得られたものとして、コマンドと対応付けてそのパラメータ値を、コマンドパラメータ変換テーブル9のROM部分に書き込む。ディスクコントローラ9は、どのようなパラメータ値を付与されたコマンドを受領したとしても、このコマンドパラメータ変換テーブル内のROMに登録されたパラメータにパラメータ変換を行い、そのコマンドを実行するのである。
【0029】
このコマンドに付帯するパラメータは、実機によるテストで調整保証されたものであるから、コマンド処理を最適な状態で行えるようになる。コマンドに付帯するパラメータは、アイドル時間の他、タイムアウト値や、応答待ち時間であっても良い。
【0030】
尚、図1においては、コマンドの処理を行うプロセッサは、ディスクアダプタ5内のプロセッサであるとして、変換されたパラメータがディスクアダプタ5の処理用に送り込まれる場合を想定して説明したが、コマンドパラメータ変換テーブル9のROMをチャネルアダプタ3が参照して、チャネルアダプタ内のプロセッサが処理するコマンドのパラメータも調整できるようにすることも可能である。
【0031】
図2は、仮想デバイスコントローラを用いたオープンシステムの実施態様である。上位サーバー50は、任意の磁気ディスク装置53に蓄積されたデータを、その上位の磁気ディスクコントローラ52を介して読み出し、その読みだしたデータを仮想的に磁気テープライブラリをエミュレートしている記憶システム54に蓄積する。仮想デバイスコントローラ55は記憶システム54内に搭載され、本願発明のパラメータ最適化機能を有する磁気ディスクコントローラ56がパラメータを最適化して、配下の磁気ディスク装置57に対して当該データの書き込みを指示する。このような構成をとることによって、元々磁気テープライブラリ装置へのバックアップを想定して設計されているようなバックアップシステムにおいても、その上位サーバーの環境を変えることなく、磁気テープライブラリよりも高速な磁気ディスク装置を利用することが可能になる。しかも磁気ディスクコントローラ56がパラメータの最適化変換を行なうので、処理もまた高速化される。
【0032】
一方、上述の説明においては、バックアップを行なうに際して、一旦、上位サーバー50が任意の磁気ディスク装置53からデータを読み出し、上位サーバーから、磁気テープ装置をエミュレートしている記憶システム54にバックアップするコマンドを発行する場合を説明したが、E−COPYコマンドのように、磁気ディスクコントローラ52からダイレクトに記憶システム54に対して書込まれるような構成をとっても良い。このE−COPYコマンドは、SCSIコマンドの一つで、上位装置から、コピー元を示す情報とコピー先を示す情報とを付して磁気ディスクコントローラに対して発行されると、磁気ディスク装置は、自身が主導して磁気テープ装置に対してデータの書き込みコマンドを発行する。このような場合でも仮想デバイスコントローラがその磁気ディスクコントローラ55が発行するコマンドを解釈して磁気ディスク装置のコマンドに変換し、記憶システム54は、磁気テープ装置の如く振舞う。そして、磁気ディスクコントローラ56は、当該パラメータを最適化する変換を行い、処理の高速化を計るのである。尚、本実施例においてはサーバーと磁気ディスク装置間をスイッチHUBによって接続した図を用いて説明したが、接続形態はこれに限定されるものではない。
【0033】
図3を用いて本願発明の仮想デバイスコントローラについて説明する。仮想デバイスコントローラは、上位サーバー82とI/Fアダプタ78を介して接続され、受領したコマンド、コマンドに付帯するパラメータ、及び、データをキャッシュメモリ71に蓄積する。CPU70は、キャッシュ71に蓄積されたコマンドについて、ROM74に蓄積されたファームウェア(Firmware)であるプログラムに従って、当該受領したコマンドを変換し、I/Fアダプタ78を介して、外部の各種デバイスコントローラ77に送信する。ここでデバイスコントローラとは、図1で説明するディスクコントローラ1に相当する。
【0034】
図1においては、具体的に磁気ディスク装置6を制御するものとしてディスクコントローラ1として説明した。ここでは記憶媒体がどのようなものであるかには因らないので、デバイスへのデータの書き込みや読み出しを制御するものとしてデバイスコントローラとして説明した。磁気ディスク装置以外の記憶媒体としては、光ディスクやEEPROMのようなものであってもよい。
【0035】
この仮想デバイスコントローラは例えば記憶システムと一体に構成されていても良い。この場合は、デバイスコントローラを経て内部ストレージデバイス76にデータが蓄積される。尚、I/Fアダプタを介して、外部ネットワークに接続してエミュレートしたコマンドを他の記憶装置に発行するように構成することもできる。この場合は、I/Fアダプタを介して発行されたコマンドは、ネットワークコントローラ81を経て、他記憶装置とLAN80を介して接続される。
【0036】
尚、磁気ディスク装置をこのように磁気テープライブラリ装置に見立てて使う場合、BITコストの問題があるが、最近では、IDE(ATA)I/FのハードディスクはSCSI I/Fのものに比べ大容量のものが安価となっていく傾向にあり、磁気テープライブラリの環境をそのまま利用して磁気テープライブラリ装置に代えて磁気ディスク装置を利用することのメリットは大きい。図3の内部ストレージデバイス76にこのようなATAドライブを持って、仮想デバイスコントローラと一体に構成することで、さらに利用しやすい仮想テープライブラリ装置を提供できる。一体として構成する場合には、デバイスコントローラの内部バスと、仮想デバイスコントローラの内部バスを共有させるような構成も可能である。本図においては、PCIブリッジで構成した例を示したが、このように内部バスを共有化させた場合は、予め内部ストレージデバイス76及びその上位デバイスコントローラの性能が把握されるので、コマンドに付随するパラメータを仮想デバイスコントローラ自体で調整することも可能となる。
【0037】
図5は、図1に示すディスクコントローラ1のパラメータ最適化処理をフローチャートを用いて説明したものである。このフローチャートはパラメータのうち特にタイムアウト値を設定する場合を例示するものである。タイムアウト値とは、コマンドに対する処理応答がない場合に、コマンドを発行した上位装置を待たせる時間のことで、このタイムアウト時間を超えると異常終了として、上位装置にコマンド実行不可の応答がされる。コマンドの種類によっては、タイムアウト時間が経過するまでは、コマンド実行完了の応答があるまでコマンドを繰り返し発行するものもある。
【0038】
上位装置である仮想デバイスコントローラ2からのコマンドを受領したディスクコントローラ1は、まず、受領したコマンドが最適化の完了しているものかどうかを判定する(ステップ501)。この判定は、そのコマンドがコマンドパラメータ変換テーブル9のROMに登録されているものかどうかを判定することで行なえる。このROMに登録されているコマンドについては、既に最適化が完了したパラメータを有するものであるから、パラメータの最適化を再度行なう必要はない。ROMに登録された変換パラメータを用いて磁気ディスク装置への処理を実行すればよい、
ROMに受領したコマンドが登録されていない場合は、ステップ502に進みコマンドのチェックルーチンを起動する。まずコマンド/パラメータ読取り部8は、受領したコマンドに付随するパラメータを初期値として、コマンドに対応付けてコマンド/パラメータ保存部11に蓄積する。併せてデフォル値としてコマンドパラメータ変換テーブル9のRAMに蓄積する。本説明においては、タイムアウト値が、発行されたコマンド種別に対応して記録される。
【0039】
続いてステップ504でディスクアダプタ5は、磁気ディスク装置6に対する当該コマンドの処理を行う。ここでコマンド/ステータス応答読取り部16は、その処理結果を監視する。コマンド/ステータス応答読取り部16は、リトライ数・応答時間読取り(ステップ505)、コマンドの戻りステータスの読取り(ステップ506)を行なう。これらのステップは取り扱うコマンドによって適宜変更される。
【0040】
コマンド/ステータス応答読取り部16が読みだしたこれらのステータス情報は、コマンド
ステータス判定部14において、予め設定していた閾値との間で適否を判定される。(ステップ507、508、510)
具体的には、まず正常に終了しているかどうかを判定する。(ステップ507)正常に終了していれば、続いてリトライ回数が規定値以下であるかどうかを判定する。(ステップ508)
ステップ507において正常な終了を検出できない場合は、タイムアウト値を増加させて(ステップ512)再度試行する。タイムアウト値の最大値を超えた場合には、正常な終了がされていないことを上位装置に報告して処理を終了する。
(ステップ511、513)
正常な終了がされている場合は、コマンド/ステータス判定部14は、リトライ回数が所定値以下か判定する。リトライ回数が予め定めた所定値より大きい場合は、タイムアウト値を増加させて再度試行させてみる。(512)
一方、コマンド自体は正常に終了しており、リトライ回数が予定されている規定値よりも少ない場合は、タイムアウト値はまだ小さくても良いから、タイムアウト値を減する。(ステップ510)。尚、ステップ509において、コマンドのテスト試行回数を設定しておき、その設定回数分の試行を終了している場合は、さらにタイムアウト値を減することなく、コマンドパラメータ変換テーブルのROMに登録する。(ステップ514)
ステップ515に示すように、再度登録されたパラメータで実行確認をするように構成しても良い。
【0041】
以上、設定するべきパラメータがタイムアウト値である場合を示して具体的に説明したが、他パラメータについても同様にその値の増加減をしながら最適値を設定すれば良い。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、仮想化後のコマンドを実行するデバイスコントローラのハードウェア又はソフトウェア等の一部改良する事により、安価かつ確実に、コマンドのテストを実施し、 得られた結果から、最適なコマンド動作に学習的に調整、保存を行い、接続環境、構成等 の変化に対し、常に最適なコマンド動作を提供する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を磁気ディスクコントローラの内部に導入した場合の実施例を示す。
【図2】仮想デバイスを導入したオープンシステムの構成例を示す。
【図3】仮想デバイスコントローラの内部構成例を示す。
【図4】仮想デバイスコントローラのコマンド変換の概念を示す図である。
【図5】本願発明のパラメータ調整をの1例を示す流れ図である。
【符号の説明】
100・・・上位装置、2・・・仮想デバイスコントローラ、3・・・チャンネルアダプタ、4・・・キャッシュ、5・・・ディスクアダプタ、6・・・磁気ディスク装置、7・・・パス切替器、8・・・コマンド/パラメータ読取り部、9・・・コマンドパラメータ変換テーブル、10・・・コマンド比較/照合部、11・・・コマンド/パラメータ保存部、12・・・パラメータ調整部、13・・・カウンタ、14・・・コマンド/ステータス判定部、16・・・コマンド/ステータス応答読取り部。
【発明の属する技術分野】
この発明は、あるデバイスを他の構成をもったデバイスにエミュレートする場合の技術に関し、特に仮想記憶デバイスの動作の最適化方法に関する。さらに具体的には、例えば磁気テープ装置のコマンドを磁気ディスク装置のコマンドに変換した場合におけるコマンドに付帯するパラメータの最適化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、記録用のディスク装置を上位装置に対して、磁気テープ装置として振舞わせることを目的とする技術が提案されている。(例えば、特許文献1)このような技術においては、記録用のディスク装置の制御部に磁気テープ用のコマンドのエミュレータ部を設け、上位装置から受領する磁気テープ装置のコマンドを磁気ディスク装置のコマンドに変換することで、上位装置からは、恰も配下に磁気テープ装置が接続されているかのように扱うことができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−319629号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような公知技術においては、磁気テープ装置のコマンドと磁気ディスク装置のコマンドを1対1に変換する事により、コマンド自体の忠実な変換を試みる。しかしながら、この正確な変換は、変換されたコマンドの実際の動作実行時に、その動作が最適化しきれず、無駄な待ち時間やリトライ動作等が発生させてしまうことがある。
【0005】
磁気テープ装置においては、例えばテープ走行等のような磁気テープ装置固有の特性から必要なアイドル時間がある。従って、磁気ディスク装置を仮想的に磁気テープ装置として用いようとする場合、このような磁気ディスクには必要としない動きのためのアイドル時間があるので、折角、処理の早い磁気ディスク装置を用いているのに、その効果を十分に享受できないという問題がある。この点に鑑み、このような実際には必要のない動作による待ち時間を伴わないようにその動作の最適化技術が必要とされる。
【0006】
本願の第1の目的は、仮想的に記憶デバイスをエミュレートする場合において、その記憶デバイスを制御するコマンドに付帯するパラメータを最適化することである。
【0007】
一方、一連のコマンドを継続して行なうような場合、あるコマンドが処理された後、続くコマンド実行までに所定の待ち時間をパラメータとして付与するようなものもある。アームの移動等の機構的な動作を伴うコマンドがそれにあたり、磁気ディスクではせいぜいハードディスク内のヘッドアームが移動する程度の時間が確保されれば良いのに対して、元の磁気テープ装置のコマンドではそれよりも数段長いアイドルタイムが設定されているような場合がある。
【0008】
このような点を解決するために、アイドル時間の多寡というような問題点も予め仮想デバイスコントローラのエミュレータ部が勘案して待ち時間のパラメータ自体も調整変更するという方法が考えられる。
【0009】
しかしながら、上述のように、仮想デバイスコントローラによって、パラメータを調整しようとすると、仮想デバイスコントローラの配下にどのような性能の記憶システムを導入しているかというような動作環境の相違等による調整が不可能になってしまう。実際には、磁気テープライブラリほどではないにしても、このようなディスクタイプの記憶装置においても、所定のコマンド待ち時間等は必要だからである。そしてその待ち時間は、記憶システムの性能に左右されるので、これらパラメータの調整にあたっては、仮想デバイスコントローラ等を介して上位装置よりテストコマンド及びそのコマンドに付帯するパラメータを発行し、コマンドを実行させながらパラメータ調整を行なうのが望ましい。
【0010】
本願発明の第2の目的はこのように、コマンドに付帯するパラメータを特定の記憶システム用に最適化された状態で提供できるようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するための本願発明の構成は、データを記憶デバイスと、上位装置から発行されたコマンドに基づいて前記記憶デバイスに対するデータの書き込みや読み出しを制御するデバイスコントローラとからなる記憶システムにおいて、 前記記憶システムは、前記上位装置が受領したコマンドのパラメータを調整するパラメータ調整手段と、前記パラメータ調整手段の調整したパラメータを該コマンドと対応させて蓄積するコマンドパラメータ記憶領域と、を有し、前記デバイスコントローラが、前記上位装置からコマンドを受領した場合に、前記コマンドパラメータ記憶領域に記憶された情報を読み出して、該コマンドに対応するパラメータを用いて、前記記憶デバイスに対する処理を実行する。
【0012】
即ち本願発明は、上位装置から記憶デバイスに対する処理コマンド受領し、このコマンドに基づいて記憶デバイスに対する処理を実行するデバイスコントラーラにおいて、前記コマンドに付帯するパラメータを調整する場合に、上位装置から受領したコマンドを実行し、その実行過程でパラメータ調整を行い、その調整されたパラメータを記憶する。そして以後そのパラメータを用いてコマンドの処理を実行するように構成する。パラメータの調整はコマンド実行結果を監視することによって行なわれ、実行結果に応じて前記パラメータを調整する。その調整されたパラメータを、受領したコマンドに対応付けて蓄積し、以後そのコマンドの実行は、蓄積された調整済みのパラメータを用いて行なう。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面に示す実施例により、更に詳細に本発明について説明する。 まず図4を用いて仮想デバイスコントローラにおけるコマンドの変換処理を磁気テープ装置の場合と対比して説明する。107は、磁気テープライブラリ装置でこの磁気テープライブラリ装置107は、磁気テープの制御を行なうデバイスコントローラ102(以下MTC(magnetic tape controller)という。)と、このMTCの制御に基づいて実際のテープの走行等を制御するテープドライブ105を有する。磁気テープライブラリ107は、さらにMT/スロット104を有し、ライブラリコントローラ103からの制御に基づいてライブラリ機構部106を駆動して、MT/スロット104からの磁気テープ媒体送出入を制御する。当然いずれの機能も記憶媒体がテープ媒体であることを前提として構成されている。
【0014】
一方、101は磁気記憶システムで、データの書き込みや読み出しはHDD等の磁気ディスクに対して行われる。磁気ディスクコントローラは、上位サーバーから受領した書き込みや読み出し等のコマンドを処理して磁気ディスク装置へのデータの書き込みや読み出しを行う。本願発明を構成する装置は、この磁気テープライブラリ装置107の機能を磁気ディスク装置101でエミュレートしようとするものであって、上位サーバー100からのコマンドは、磁気テープライブラリ装置と等価な動作するように変換されたものが利用される。
【0015】
磁気記憶システム101の仮想デバイスコントローラは、上位サーバー100から発行されるMTコマンド(Magnetic Tape command)を解釈してそれと等価のDisk制御コマンドに変換して、磁気ディスクコントローラに発行する。このことにより上位装置からみれば恰も磁気記憶システム101が磁気テープライブラリであるかのように取り扱うことが可能となるのである。
【0016】
図1は本発明を仮想的にテープライブラリ装置をエミュレートしている記憶システムの制御部の内部に導入した場合の実施例を示す。
1は記憶システムの制御部であるディスクコントローラである。このディスクコントローラ1は、複数の磁気ディスク装置6(例えば、ハードディスク)に対して、上位装置100から受領したデータの書き込みや読み出しを制御する。
【0017】
通常、ディスクコントローラ1は、情報処理装置等の上位装置100との接続アダプタであるチャネルアダプタ3を介して接続される。ディスクコントローラ1は、チャネルアダプタ3に接続される上位装置100からのデータの書き込みや読み出し命令を受領して、それらのデータの磁気ディスク装置に対する書き込みや読み出しを制御する。
【0018】
例えば、チャネルアダプタ3は、受領したデータの書き込み命令に従って、そのデータをキャッシュ4に書込む。キャッシュ4に書込まれたデータは、ディスクアダプタ5が適宜読み出して、磁気ディスク装置6に書込まれる。
【0019】
このようなディスク記憶システムを仮想的に磁気テープ記憶装置として利用しようとする場合、上位装置100との間に仮想デバイスコントローラ2を介在させる。仮想デバイスコントローラ2は、上位装置100から受領した磁気テープ用のコマンドを解析し、ディスクコントローラ1用のコマンドに変換してからチャネルアダプタ3を介して、ディスクコントローラに対してデータの書き込みや読み出しの命令を発行する。
【0020】
ところで、この実施態様における上位装置100は、記憶システムが磁気テープライブラリであるとして命令を発行しているので、上位装置100は、磁気テープライブラリ特有の制御コマンドも発行している。
【0021】
このような磁気テープ装置や磁気テープライブラリ装置特有のコマンドとして、テープライブラリ装置としてのターゲットとなるテープの選択コマンド、テープロボットアームによるカートリッジのスロットからの取出しコマンド、テープドライブへの搬送コマンド、テープドライブへのロード/アンロード動作等の機構的な動作コマンド、テープ媒体の記録位置のサーチ、リワインドコマンドなどがある。
【0022】
本願発明のディスクコントローラ1は、仮想デバイスコントローラ2から発行される各種コマンド用の最適なパラメータ生成するために、上位装置100から仮想デバイスコントローラ2を介してテスト用のコマンドをディスクコントローラ1に対して発行させる。このテストコマンドは、パス切替器7を介して、コマンド/パラメータ読取り部8に送信される。
【0023】
コマンド/パラメータ読取り部8で読取られたコマンド及びそのコマンドに対応するパラメータは、コマンド/パラメータ保存部11及び、コマンド比較/照合部10に保存される。
【0024】
一方、仮想デバイスコントローラ2からチャネルアダプタ3及び、パス切替器7を介して授受領したこのテストコマンドは、ディスクアダプタ5によって解釈され、そのコマンドに対応した処理が磁気ディスク装置に対して実行される。その処理のコマンド及びその終了状態をコマンド/ステータス応答読取り部16が読み出すのである。
【0025】
そしてこのコマンド/ステータス応答読取り部16が読み出したコマンドと、コマンド比較部10が保持しているコマンドが一致するかどうかを比較して、一致する場合は、そのコマンドが正常に処理されたどうかを判定するコマンド/ステータス判定部14でコマンドが正常に終了したかどうかの判定を行なう。
【0026】
判定値が異常であった場合には、パラメータ調整部12でパラメータの調整を行ない、調整したパラメータをコマンドパラメータ調整値変換テーブル9のRAMにコマンド種類に対応させて記録する。ここで異常であるかどうかという判定は、そのコマンドに関する処理が完了したという応答があるかどうかの他、応答までに要した時間や、処理完了までのリトライ回数等、コマンドの種類に対応したステータス情報をコマンド/ステータス応答読取り部16が収集し、コマンド/ステータス判定部が、それら収集されたステータスデータが、所定の閾値内にあるかどうか等、その処理の適否を判定するのである。
【0027】
一方、判定値が正常であった場合はカウンタ13をカウントアップする。そしてパラメータ調整12でパラメータ調整を行った場合と同様にコマンドパラメータ値変換テーブル9のRAMにそのパラメータの値をコマンド種別と供に蓄積する。
【0028】
そして、このテストコマンドは所定の回数繰り返され、カウンタ13のカウンタ値が予め設定しておいた値になった場合は、最適のパラメータが得られたものとして、コマンドと対応付けてそのパラメータ値を、コマンドパラメータ変換テーブル9のROM部分に書き込む。ディスクコントローラ9は、どのようなパラメータ値を付与されたコマンドを受領したとしても、このコマンドパラメータ変換テーブル内のROMに登録されたパラメータにパラメータ変換を行い、そのコマンドを実行するのである。
【0029】
このコマンドに付帯するパラメータは、実機によるテストで調整保証されたものであるから、コマンド処理を最適な状態で行えるようになる。コマンドに付帯するパラメータは、アイドル時間の他、タイムアウト値や、応答待ち時間であっても良い。
【0030】
尚、図1においては、コマンドの処理を行うプロセッサは、ディスクアダプタ5内のプロセッサであるとして、変換されたパラメータがディスクアダプタ5の処理用に送り込まれる場合を想定して説明したが、コマンドパラメータ変換テーブル9のROMをチャネルアダプタ3が参照して、チャネルアダプタ内のプロセッサが処理するコマンドのパラメータも調整できるようにすることも可能である。
【0031】
図2は、仮想デバイスコントローラを用いたオープンシステムの実施態様である。上位サーバー50は、任意の磁気ディスク装置53に蓄積されたデータを、その上位の磁気ディスクコントローラ52を介して読み出し、その読みだしたデータを仮想的に磁気テープライブラリをエミュレートしている記憶システム54に蓄積する。仮想デバイスコントローラ55は記憶システム54内に搭載され、本願発明のパラメータ最適化機能を有する磁気ディスクコントローラ56がパラメータを最適化して、配下の磁気ディスク装置57に対して当該データの書き込みを指示する。このような構成をとることによって、元々磁気テープライブラリ装置へのバックアップを想定して設計されているようなバックアップシステムにおいても、その上位サーバーの環境を変えることなく、磁気テープライブラリよりも高速な磁気ディスク装置を利用することが可能になる。しかも磁気ディスクコントローラ56がパラメータの最適化変換を行なうので、処理もまた高速化される。
【0032】
一方、上述の説明においては、バックアップを行なうに際して、一旦、上位サーバー50が任意の磁気ディスク装置53からデータを読み出し、上位サーバーから、磁気テープ装置をエミュレートしている記憶システム54にバックアップするコマンドを発行する場合を説明したが、E−COPYコマンドのように、磁気ディスクコントローラ52からダイレクトに記憶システム54に対して書込まれるような構成をとっても良い。このE−COPYコマンドは、SCSIコマンドの一つで、上位装置から、コピー元を示す情報とコピー先を示す情報とを付して磁気ディスクコントローラに対して発行されると、磁気ディスク装置は、自身が主導して磁気テープ装置に対してデータの書き込みコマンドを発行する。このような場合でも仮想デバイスコントローラがその磁気ディスクコントローラ55が発行するコマンドを解釈して磁気ディスク装置のコマンドに変換し、記憶システム54は、磁気テープ装置の如く振舞う。そして、磁気ディスクコントローラ56は、当該パラメータを最適化する変換を行い、処理の高速化を計るのである。尚、本実施例においてはサーバーと磁気ディスク装置間をスイッチHUBによって接続した図を用いて説明したが、接続形態はこれに限定されるものではない。
【0033】
図3を用いて本願発明の仮想デバイスコントローラについて説明する。仮想デバイスコントローラは、上位サーバー82とI/Fアダプタ78を介して接続され、受領したコマンド、コマンドに付帯するパラメータ、及び、データをキャッシュメモリ71に蓄積する。CPU70は、キャッシュ71に蓄積されたコマンドについて、ROM74に蓄積されたファームウェア(Firmware)であるプログラムに従って、当該受領したコマンドを変換し、I/Fアダプタ78を介して、外部の各種デバイスコントローラ77に送信する。ここでデバイスコントローラとは、図1で説明するディスクコントローラ1に相当する。
【0034】
図1においては、具体的に磁気ディスク装置6を制御するものとしてディスクコントローラ1として説明した。ここでは記憶媒体がどのようなものであるかには因らないので、デバイスへのデータの書き込みや読み出しを制御するものとしてデバイスコントローラとして説明した。磁気ディスク装置以外の記憶媒体としては、光ディスクやEEPROMのようなものであってもよい。
【0035】
この仮想デバイスコントローラは例えば記憶システムと一体に構成されていても良い。この場合は、デバイスコントローラを経て内部ストレージデバイス76にデータが蓄積される。尚、I/Fアダプタを介して、外部ネットワークに接続してエミュレートしたコマンドを他の記憶装置に発行するように構成することもできる。この場合は、I/Fアダプタを介して発行されたコマンドは、ネットワークコントローラ81を経て、他記憶装置とLAN80を介して接続される。
【0036】
尚、磁気ディスク装置をこのように磁気テープライブラリ装置に見立てて使う場合、BITコストの問題があるが、最近では、IDE(ATA)I/FのハードディスクはSCSI I/Fのものに比べ大容量のものが安価となっていく傾向にあり、磁気テープライブラリの環境をそのまま利用して磁気テープライブラリ装置に代えて磁気ディスク装置を利用することのメリットは大きい。図3の内部ストレージデバイス76にこのようなATAドライブを持って、仮想デバイスコントローラと一体に構成することで、さらに利用しやすい仮想テープライブラリ装置を提供できる。一体として構成する場合には、デバイスコントローラの内部バスと、仮想デバイスコントローラの内部バスを共有させるような構成も可能である。本図においては、PCIブリッジで構成した例を示したが、このように内部バスを共有化させた場合は、予め内部ストレージデバイス76及びその上位デバイスコントローラの性能が把握されるので、コマンドに付随するパラメータを仮想デバイスコントローラ自体で調整することも可能となる。
【0037】
図5は、図1に示すディスクコントローラ1のパラメータ最適化処理をフローチャートを用いて説明したものである。このフローチャートはパラメータのうち特にタイムアウト値を設定する場合を例示するものである。タイムアウト値とは、コマンドに対する処理応答がない場合に、コマンドを発行した上位装置を待たせる時間のことで、このタイムアウト時間を超えると異常終了として、上位装置にコマンド実行不可の応答がされる。コマンドの種類によっては、タイムアウト時間が経過するまでは、コマンド実行完了の応答があるまでコマンドを繰り返し発行するものもある。
【0038】
上位装置である仮想デバイスコントローラ2からのコマンドを受領したディスクコントローラ1は、まず、受領したコマンドが最適化の完了しているものかどうかを判定する(ステップ501)。この判定は、そのコマンドがコマンドパラメータ変換テーブル9のROMに登録されているものかどうかを判定することで行なえる。このROMに登録されているコマンドについては、既に最適化が完了したパラメータを有するものであるから、パラメータの最適化を再度行なう必要はない。ROMに登録された変換パラメータを用いて磁気ディスク装置への処理を実行すればよい、
ROMに受領したコマンドが登録されていない場合は、ステップ502に進みコマンドのチェックルーチンを起動する。まずコマンド/パラメータ読取り部8は、受領したコマンドに付随するパラメータを初期値として、コマンドに対応付けてコマンド/パラメータ保存部11に蓄積する。併せてデフォル値としてコマンドパラメータ変換テーブル9のRAMに蓄積する。本説明においては、タイムアウト値が、発行されたコマンド種別に対応して記録される。
【0039】
続いてステップ504でディスクアダプタ5は、磁気ディスク装置6に対する当該コマンドの処理を行う。ここでコマンド/ステータス応答読取り部16は、その処理結果を監視する。コマンド/ステータス応答読取り部16は、リトライ数・応答時間読取り(ステップ505)、コマンドの戻りステータスの読取り(ステップ506)を行なう。これらのステップは取り扱うコマンドによって適宜変更される。
【0040】
コマンド/ステータス応答読取り部16が読みだしたこれらのステータス情報は、コマンド
ステータス判定部14において、予め設定していた閾値との間で適否を判定される。(ステップ507、508、510)
具体的には、まず正常に終了しているかどうかを判定する。(ステップ507)正常に終了していれば、続いてリトライ回数が規定値以下であるかどうかを判定する。(ステップ508)
ステップ507において正常な終了を検出できない場合は、タイムアウト値を増加させて(ステップ512)再度試行する。タイムアウト値の最大値を超えた場合には、正常な終了がされていないことを上位装置に報告して処理を終了する。
(ステップ511、513)
正常な終了がされている場合は、コマンド/ステータス判定部14は、リトライ回数が所定値以下か判定する。リトライ回数が予め定めた所定値より大きい場合は、タイムアウト値を増加させて再度試行させてみる。(512)
一方、コマンド自体は正常に終了しており、リトライ回数が予定されている規定値よりも少ない場合は、タイムアウト値はまだ小さくても良いから、タイムアウト値を減する。(ステップ510)。尚、ステップ509において、コマンドのテスト試行回数を設定しておき、その設定回数分の試行を終了している場合は、さらにタイムアウト値を減することなく、コマンドパラメータ変換テーブルのROMに登録する。(ステップ514)
ステップ515に示すように、再度登録されたパラメータで実行確認をするように構成しても良い。
【0041】
以上、設定するべきパラメータがタイムアウト値である場合を示して具体的に説明したが、他パラメータについても同様にその値の増加減をしながら最適値を設定すれば良い。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、仮想化後のコマンドを実行するデバイスコントローラのハードウェア又はソフトウェア等の一部改良する事により、安価かつ確実に、コマンドのテストを実施し、 得られた結果から、最適なコマンド動作に学習的に調整、保存を行い、接続環境、構成等 の変化に対し、常に最適なコマンド動作を提供する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を磁気ディスクコントローラの内部に導入した場合の実施例を示す。
【図2】仮想デバイスを導入したオープンシステムの構成例を示す。
【図3】仮想デバイスコントローラの内部構成例を示す。
【図4】仮想デバイスコントローラのコマンド変換の概念を示す図である。
【図5】本願発明のパラメータ調整をの1例を示す流れ図である。
【符号の説明】
100・・・上位装置、2・・・仮想デバイスコントローラ、3・・・チャンネルアダプタ、4・・・キャッシュ、5・・・ディスクアダプタ、6・・・磁気ディスク装置、7・・・パス切替器、8・・・コマンド/パラメータ読取り部、9・・・コマンドパラメータ変換テーブル、10・・・コマンド比較/照合部、11・・・コマンド/パラメータ保存部、12・・・パラメータ調整部、13・・・カウンタ、14・・・コマンド/ステータス判定部、16・・・コマンド/ステータス応答読取り部。
Claims (6)
- データを記憶デバイスと、上位装置から発行されたコマンドに基づいて前記記憶デバイスに対するデータの書き込みや読み出しを制御するデバイスコントローラとからなる記憶システムにおいて、
前記記憶システムは、前記上位装置が受領したコマンドのパラメータを調整するパラメータ調整手段と、
前記パラメータ調整手段の調整したパラメータを該コマンドと対応させて蓄積するコマンドパラメータ記憶領域と、を有し、
前記デバイスコントローラが、前記上位装置からコマンドを受領した場合に、前記コマンドパラメータ記憶領域に記憶された情報を読み出して、該コマンドに対応するパラメータを用いて、前記記憶デバイスに対する処理を実行することを特徴とする記憶システム。 - 前記パラメータ調整手段は、前記上位装置から受領したテストコマンドを複数回試行させ、試行毎にテストコマンドに付随するパラメータの値を増加減しながらパラメータの値を最適化することを特徴とする請求項1記載の記憶システム。
- 前記記憶デバイスが磁気ディスク装置であり、前記デバイスコントローラがディスクコントローラであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記憶システム。
- 磁気テープライブラリ用のコマンドを磁気ディスク用の等価なコマンドに変換する仮想デバイスコントローラを含む記憶システムであって、
前記記憶システムは、前記仮想デバイスコントローラから受領したコマンドのパラメータを調整するパラメータ調整手段を含み、
前記記憶システムは、前記パラメータ調整手段の調整したパラメータをコマンドに対応して記憶するコマンドパラメータ記憶領域を有し、前記仮想デバイスコントローラから受領したコマンドを実行する場合に、前記コマンドパラメータ記憶領域を参照して該受領したコマンドに対応するパラメータを特定して、当該特定したパラメータを用いてコマンドを実行することを特徴とする記憶システム。 - 上位装置から記憶デバイスに対する処理コマンド受領し、このコマンドに基づいて記憶デバイスに対する処理を実行するデバイスコントラーラにおいて、前記コマンドに付帯するパラメータを調整するパラメータ調整方法であって、
前記パラメータ調整方法は次のステップを含む
上位装置から受領したコマンド及びパラメータを記憶する第1のステップと、
前記第1のステップで受領したコマンドを前記第1のステップのパラメータを用いて実行する第2のステップと、
前記第2のステップの実行結果を監視し、実行結果に応じて前記パラメータを調整する第3のステップと、
前記第3のステップによって、調整されたパラメータを受領コマンドに対応付けて蓄積する第4のステップ。 - 請求項5記載のパラメータ調整方法において、予め設定した回数前記第2のステップから第3のステップを繰り返すことを特徴とするパラメータ調整方法。
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