JP2005048646A - ガスタービンシステム - Google Patents

ガスタービンシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2005048646A
JP2005048646A JP2003281003A JP2003281003A JP2005048646A JP 2005048646 A JP2005048646 A JP 2005048646A JP 2003281003 A JP2003281003 A JP 2003281003A JP 2003281003 A JP2003281003 A JP 2003281003A JP 2005048646 A JP2005048646 A JP 2005048646A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compressor
gas
water
gas turbine
supplied
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003281003A
Other languages
English (en)
Inventor
Isami Ooka
五三實 大岡
Hiromi Kuramitsu
弘己 倉光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2003281003A priority Critical patent/JP2005048646A/ja
Publication of JP2005048646A publication Critical patent/JP2005048646A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)

Abstract

【課題】 圧縮機に多量の水を供給して圧縮される気体の温度を低く抑えることを可能にすることにより、ガスタービンの動力回収効率を高めて出力を増大させ、なおかつシステムの構成の簡略化及び小型化を図ることができるガスタービンシステムを提供する。
【解決手段】 容積形圧縮機1を使用する再生ガスタービンサイクルのガスタービンシステムにおいて、圧縮機1に供給する気体に対して質量比5〜50%の水を圧縮機1の吸込側から供給し、その圧縮過程で水の全部または一部を蒸発させる。ガスタービン4、5の燃焼排ガスを冷却して得られた凝縮水を圧縮機1に供給する。ガスタービン4、5の燃焼排ガスを冷却し、空気を混入して圧縮機1に供給する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、コジェネレーションによる分散型エネルギー供給設備、トラック、機関車等の車両や船舶等の動力装置、バイオマス等の廃棄物を燃料とする発電又は動力設備などに好適に用いることができる高効率のガスタービンシステムに関する。
ガスタービンシステムの圧縮機に吸入される気体に対して水を供給することにより、圧縮機で圧縮される空気を冷却してガスタービンシステムの出力を増加させるシステムとして、以下のようなものが知られている。すなわち、空気を圧縮機の入口に供給するよう構成された、入口領域および出口を有するダクトと、ダクト入口に隣接する位置で噴霧水を前記空気中にスプレーするための第1組のノズルと、圧縮機入口に近い位置で噴霧水を前記空気中にスプレーして空気に対して水を過飽和にするための第2組のノズルと、前記第1組および第2組のノズルに水を配分する制御手段とを備えるガスタービンシステムである(例えば、特許文献1参照)。
このガスタービンシステムは、圧縮機への入口の上流で空気を水で飽和させて、空気を湿球温度またはその付近の温度に冷却し、圧縮機への入口のすぐ近くの位置で空気に対して水を過飽和にすることにより、液体の水が空気に同伴された状態で圧縮機に進入するようにし、圧縮機での圧縮の際に液体の水が蒸発して空気を冷却することにより、ガスタービンの出力を増加させるシステムである。ここで、ガスタービンシステムは、多くの空気流量を必要とすることから、その圧縮機には、空気流量を大きくとれる遠心式や軸流式などのターボ形圧縮機が用いられるのが通常である。
特開2001−55929号公報(第5−6頁、第1図)
しかしながら、このような従来のガスタービンシステムでは、空気に対して過飽和になるまでの量の水を供給することで、大きな水滴が前記のようなターボ形の圧縮機内に進入してそのブレードを損傷しないようにするために、圧縮機の吸気口の近傍にスプレーノズルを配置して水の凝集を防止する等の構成が必要となり、システムの構成が複雑で高価なものとなる。
また、従来のガスタービンシステムでは、圧縮機の内部に無機塩が析出して付着することにより圧縮機の性能が低下することを防止するために、圧縮機に吸引される空気に供給する水として純水を使用する必要がある。したがって、純水を製造する装置や純水を貯蔵して供給するためのタンク等の装置が必要となり、システムが大型化、或いは高価なものとなり、省スペースが要求される設備や車両等の動力として用いることは困難であった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧縮機に多量の水を供給して圧縮される気体の温度を低く抑えることを可能にすることにより、ガスタービンの動力回収効率を高めて出力を増大させ、なおかつシステムの構成の簡略化及び小型化を図ることができるガスタービンシステムを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係るガスタービンシステムの第1特徴構成は、容積形圧縮機を使用する再生ガスタービンサイクルにおいて、前記圧縮機に供給する気体に対して質量比5〜50%の水を前記圧縮機の吸込側から供給し、前記圧縮機における気体の圧縮過程で前記水の全部または一部を蒸発させる点にある。
この第1特徴構成によれば、ターボ形圧縮機と比較して気体の流速が遅く、ロータの回転速度も遅い容積形圧縮機を使用するので、多量の水が供給された場合であっても振動が少なく安定して動作させることが可能であり、また、高速で回転するブレードが存在しないので、多量の水が圧縮機内に吸い込まれた場合であっても圧縮機が損傷することがない。ここで、ガスタービンシステムの圧縮機として、これまで容積形圧縮機は使用されていなかった。これは、ガスタービンが高速で回転するのに対して、容積形圧縮機は回転速度が遅く大型になることによる。しかし、小型の容積形圧縮機を用いて回転周速度を大型の容積形圧縮機と同等にすれば、回転速度は速くなるので、減速機を用いてガスタービンと連結して駆動することが可能となる。
また、圧縮機に供給する気体に対して質量比5〜50%という多量の水を圧縮機の吸込側に供給するので、圧縮機での圧縮の際に水が蒸発して気体の温度上昇を抑えることになり、ガスタービンの効率を高めることができるとともに、圧縮機の吸込空気温度によるシステムの能力及び効率に対する影響を少なくすることができる。更に、多量に供給された水が気体の圧縮の際に蒸発する水量以上である場合には、容積形圧縮機の内部に残った水はケーシングとロータとの間の気密性を高めるシールの役割を果たすので、圧縮時の気体の漏れを防止することができ、ガスタービンの効率を更に高めることができる。また、圧縮機の内部に蒸発せずに残った水は、その水の中に含まれる無機塩が濃縮して析出する前にそれを洗い流すので、無機塩の堆積により圧縮機の性能が低下することを防止することができる。なお、圧縮機に供給する水として純水や無機塩のないプロセス水を用いる場合には無機塩の析出がないので、圧縮機に供給する水量は圧縮の際に蒸発する量以下にすることができる。また、圧縮機の内部の潤滑のために潤滑油が循環使用される場合には、この潤滑油と圧縮機の内部を流れる水とが混合された状態で蒸発するため、圧縮機の内部に腐食が生じにくいという利点もある。なお、前記多量に供給される水により、圧縮機による圧縮後の気体の温度は低くなるので、条件によっては前記潤滑油を冷却のための機構をなくすことも可能となる。
そして、これらの構成を再生ガスタービンサイクルに適用することにより、圧縮機における気体の圧縮過程で水が蒸発して蒸気となり、この蒸気が圧縮された気体と一緒になって蒸気サイクルとして作動することになる。すなわち、本発明においては、圧縮機はボイラとしても働くこととなり、そのサイクルは気体が作動するブレイトンサイクルと蒸気が作動するランキンサイクルとが一体化したものとなる。したがって、ガスタービンシステムの入口温度が同じ条件の場合には、従来の蒸気インジェクションサイクルに比べてシステムの構成が簡単であり、かつ高い効率を得ることができる。また、例えばバイオマス等のように水分を多く含んだ燃料を用いる場合であっても、その水分がランキンサイクルの作動体として働くので、従来の蒸気機関に比べて動力回収効率の低下割合を小さくすることができる。
また、このガスタービンシステムの部分負荷に対しても、システムの変圧運転をすることにより、ガスタービンの入口温度をあまり下げることなく、全体の効率も下がることがないので、広い負荷範囲において高い効率を得ることができる。
本発明に係るガスタービンシステムの第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、ガスタービンの燃焼排ガスを冷却して得られた凝縮水を前記圧縮機に供給する点にある。
この第2特徴構成によれば、燃料の燃焼の際に生じる蒸気を凝縮して得られる凝縮水を圧縮機に供給するので、外部から別途に水を供給する必要がない。したがって、貯水タンク等の装置が不要となり、ガスタービンシステムの構成を小型化、簡略化することが可能となる。特に、灰分の少ない燃料を用いる場合には、燃焼ガスの凝縮水中には無機塩が少ないので、この凝縮水が供給された圧縮機の内部での無機塩の析出を防止することもできる。したがって、純水装置等も不要となり、ガスタービンシステムの構成を更に小型化、簡略化することが可能となる。また、これにより、トラック等の車両の動力装置としてより好適なものとすることができる。
本発明に係るガスタービンシステムの第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、ガスタービンの燃焼排ガスを冷却し、空気を混入して前記圧縮機に供給する点にある。
この第3特徴構成によれば、冷却した燃焼排ガスを再循環させて燃焼器で燃焼させるので、排ガス量を少なくすることができるとともに、燃焼の過程における酸素分圧を低くしてNOxの生成を抑制することができる。
本発明の実施の形態について、以下に3つの実施例を挙げて図面に基づいて説明する。なお、これらの実施例は、いずれもコンピュータシミュレーションによるもので、機器の放熱損失がないものとして行なった計算を示している。
実施例1は、本発明に係るガスタービンシステムをコジェネレーション設備に適用した例である。図1は、この実施例1に係るガスタービンシステムの構成を示す説明図である。図1に示すように、このガスタービンシステムは、圧縮機1、再生熱交換器2、燃焼器3、高圧側ガスタービン4、低圧側ガスタービン5、熱回収器6、及びガス冷却器7を有して構成され、高圧側ガスタービン4に発電機8が接続され、低圧側ガスタービン5に圧縮機1が接続されている。
このガスタービンシステムでは、圧縮機1の形式として容積形圧縮機が用いられる。容積形圧縮機1の種類としては、特に制限はなく、二葉、ベーン、ねじ等の回転式や往復式などが用いられる。
また、このガスタービンシステムは、再生ガスタービンサイクルを構成しており、ガスタービン4、5の燃焼排ガスは再生熱交換器2に送られ、圧縮機1で圧縮された圧縮気体との間で熱交換が行なわれて圧縮空気が加熱される。ガスタービン4、5の燃焼排ガスは、再生熱交換器2における熱交換の後は、熱回収器6に送られて温水を作る等のために熱回収され、更に、ガス冷却器7に送られて冷却された後、一部は排出され、残りは空気と混合されて圧縮機1側へ再循環される。ここで、再循環される燃焼排ガスに空気が混合される量は、燃焼器3での燃焼の際に必要な量の酸素を補い得る量以上とする。よって、ガス冷却器7での冷却後に排出される燃焼排ガスの量は、ここで混合される空気の量に相当する量となる。
ガスタービン4、5からの燃焼排ガスに含まれる蒸気は、ガス冷却器7において燃焼排ガスが冷却される際にその大部分が凝縮して水となる。そこで、このガスタービンシステムでは、凝縮水を圧縮機1の吸込側に供給することで、外部からの水の供給を不要としている。この凝縮水をガス冷却器7から圧縮機1の吸込側へ供給するために、本実施形態では、ガス冷却器7で凝縮された水をドレントラップ10を介して取り出し、ポンプ9の動作により圧縮機1の吸込側へ送る構成としている。なお、ガス冷却器7を圧縮機1よりも高い位置に配置する場合には、ポンプ9を用いない構成とすることが可能である。
圧縮機1の吸込側に対する凝縮水の供給量としては、圧縮機1に供給する気体、すなわち燃焼排ガスと空気の混合した気体に対して、質量比で5〜50%とする。そして、圧縮機1の圧縮過程でその水の全部または一部を蒸発させる。この際、圧縮機1に供給する気体に対して質量比で5%以上という、従来のターボ形圧縮機を用いたガスタービンシステムと比較して多量の水を供給することにより、圧縮機1内での気体の圧縮の際に飽和量又はそれに近い量の水を蒸発させる構成とすることができ、圧縮気体の温度上昇を抑えることができる。
ここで、圧縮機1の吸込側に供給する水の水量を、圧縮機1に供給する気体に対する質量比5〜50%のどの範囲の値に設定するのが最も適切であるかは、ガスタービンシステムの構成により異なる。本実施形態のように、ガスタービン4、5の燃焼排ガスを冷却して得られた凝縮水を圧縮機1に供給する構成であって、燃料に天然ガス(13Aガス等の都市ガス)や灯油等の灰分の少ないものを用いる場合には、圧縮機の内部で無機塩が濃縮して析出することはないので、圧縮機1内での気体の圧縮の際に蒸発する水量とほぼ同じか、それよりも少ない水量とすることが可能である。一方、圧縮機1内での気体の圧縮の際に蒸発する水量よりも多くの水量を供給することにより、圧縮機1の内部に残った水がケーシングとロータとの間の気密性を高めるシールの役割を果たすようにし、ガスタービンの効率を更に高めることもできる。なお、燃料にバイオマス等の灰分の多いものを用いる場合については、後に実施例3において説明する。
ここで、圧縮機1内での気体の圧縮の際に蒸発する水量は、システムの構成によって異なるが、通常は、圧縮機1に供給する気体に対する質量比で10%前後である。したがって、圧縮機1の吸込側に供給する水の水量は、圧縮機1に供給する気体に対する質量比で5〜20%程度となるように設定すると好適であり、更には、圧縮機1内での気体の圧縮の際に蒸発する水の量と同じかそれより少し多い水量、具体的には、質量比で8〜15%程度とするのが最も適当である。なお、本実施形態のようなガスタービンシステムの構成であっても、圧縮機1の吸込側に供給する水量を、圧縮機1に供給する気体に対する質量比で20%以上に設定することは当然に可能である。
本実施形態においては、ガス冷却器7において凝縮した水の全量を圧縮機1の吸込側に供給する構成としている。燃料に天然ガスや灯油等の水分をあまり含まないものを用いる場合には、このような簡易な構成によって、圧縮機1の吸込側に適量の水を供給することができる。これは、圧縮機1の吸込側に供給された水が圧縮の際に蒸発することにより、圧縮後の気体は飽和量の水が含まれた状態で燃焼器3へ送られて燃焼されることになり、燃焼後にガス冷却器7に送られる燃焼排ガスには、圧縮機1での圧縮後の気体の飽和量の水分に燃料の燃焼によって生成された水分が加わった量の水分が含まれることになる。そして、この燃焼排ガスをガス冷却器7において冷却して得られた凝縮水の全量を圧縮機1の吸込側に供給すれば、圧縮機1内での気体の圧縮の際に蒸発する水の量より少し多い水量が常に供給されることになるからである。なお、バイオマスや下水汚泥等の水分を多く含む燃料を使用する場合には、圧縮機1の吸込側に水量制御バルブ等を設け、一定量の水を圧縮機1に供給し、或いは、圧縮機1に吸い込まれる気体の流量に応じた量の水を圧縮機1に供給することが適当な場合もある。
圧縮機1の吸込側における凝縮水の供給の形態としては、噴霧等の特別な処理は必要なく、液状のまま圧縮機1の吸込口の近傍に流し込んで供給することが可能である。これは、従来のターボ形圧縮機を用いたガスタービンシステムと異なり、容積形圧縮機1の内部のロータによって液状の水を回転撹拌することが可能であるので、水が液状のまま供給された場合であっても、十分に蒸発させることが可能であることによる。
また、圧縮機1の吐出側には、余分な水を圧縮機1から排出するためのドレントラップ11が設けられている。したがって、圧縮機1内での気体の圧縮の際に蒸発しなかった水は、このドレントラップ11を介して取り出され、系外に排出される。なお、圧縮機1の内部の潤滑のために潤滑油が使用される場合には、ドレントラップ11に代えて気体と液体をより完全に分離することが可能な気液分離装置を設け、更にその下流側に水と潤滑油の分離装置を設け、水は系外に排出し、潤滑油は圧縮機1の吸込側に戻す構成とすると好適である。
また、このガスタービンシステムでは、ガスタービンとして高圧側ガスタービン4と低圧側ガスタービン5の2機のガスタービンを直列に接続した構成としている。これは、ガスタービンが1機の構成では、ガスタービンの出口温度が高くなり易いため、再生熱交換器2の伝熱量が大きくなって高価な再生熱交換器2を使用することが必要となり、一方、ガスタービンの出口温度を低くするためには、圧力比の大きいガスタービンを使用することが必要となり、ガスタービンの効率が悪くなるためである。圧力比が3程度と低いガスタービンを2機直列に接続すれば、低圧側ガスタービン5の出口温度を、ガスタービンが1機の場合と比較して大幅に下げることが可能となるので、再生熱交換器2の伝熱量が小さくなり、安価な再生熱交換器2を使用することが可能となり、かつガスタービンの効率も高めることができる。なお、このガスタービンシステムのガスタービン4、5としては、中規模又は小規模のシステムでは、構造が簡単で断熱効率が高いラジアルフロータービンが好適に用いられる。
また、高圧側ガスタービン4と低圧側ガスタービン5の軸を別にすれば、ガスタービンシステムの用途や特性に応じて適切なシステム構成とすることが可能となる。本実施形態では、比較的低速の低圧側ガスタービン5で圧縮機1を駆動し、比較的高速の高圧側ガスタービン4で発電して不図示のインバータで電圧と周波数を調整することにより、発電のために適したシステムとしている。また、後述する実施例2に係るガスタービンシステムのように、高圧側ガスタービン4で圧縮機1を駆動し、低圧側ガスタービン5から駆動力が出力されるようにすれば、低速でトルクを大きくすることができ、車両等の駆動のために適したシステムとすることができる。
次に、この実施例1に係るガスタービンシステムの動作状態を、上記コンピュータシミュレーションの結果に基づいて、更に具体的に説明する。燃焼器3での燃焼に必要な空気は、ガス冷却器7で冷却された後に再循環される燃焼排ガスと混合され、23℃となって圧縮機1に供給される。また、ガス冷却器7で凝縮した凝縮水が、圧縮機1に供給する気体に対する質量比約10〜15%で圧縮機1の吸込側に供給される。そして、空気と燃焼排ガスとの混合気は、圧縮機1において0.89MPa・Gまで圧縮される。この際、圧縮機1に供給された水は、混合気の圧縮による温度上昇に伴って蒸発して混合気の温度上昇を抑制する。その結果、圧縮後の混合気の温度は114℃となる。その後、空気、燃焼排ガス、及び蒸気が混合した気体は、再生熱交換器2において低圧側ガスタービン5から排出された直後の燃焼排ガスとの間で熱交換されて405℃となって、燃焼器3に供給され、この燃焼器3で燃料とともに燃焼されて900℃の高温の燃焼ガスとなる。この燃焼ガスは、高圧側ガスタービン4で膨張して発電機8を駆動し、更に低圧側ガスタービン5で圧縮機1を駆動する。こうして低圧側ガスタービン5から排出された燃焼排ガスは、460℃となって再生熱交換器2に入る。そして、この燃焼排ガスは、再生熱交換器2において熱交換されて183℃となり、更に熱回収器6において温水を作る等のために熱回収されて105℃となる。その後、この燃焼排ガスはガス冷却器7へ送られ、ここで25℃まで冷却される。この際、燃焼排ガスに含まれる蒸気は、その大部分が凝縮されて水となり、その凝縮水は圧縮機1の吸込側に供給される。そして、冷却された燃焼排ガスの一部は排出され、残りは空気と混合されて圧縮機1へ送られて再循環される。
このような条件で動作するガスタービンシステムにおいて、燃料に13Aガスを使用し、発電機8の効率を94%とした場合は、図2のグラフに示すように、発電効率はHHVで37.0%(LHVでは41.0%)となる。なお、このときに圧縮機1内で蒸発する水の水量は、圧縮機1に供給する気体に対して質量比で9.1%となる。
なお、本件発明の実施例1との比較のために、図3に示すような構成の通常の再生サイクルのガスタービンシステムにおける発電効率を表すグラフを図4に示す。この図3に示すガスタービンシステムは、圧縮機101、再生熱交換器102、燃焼器103、ガスタービン104、及び熱回収器106を有して構成され、ガスタービン104に圧縮機101及び発電機108が接続されている。このような通常の再生サイクルのガスタービンシステムにおいて、燃料に13Aガスを使用し、発電機8の効率を94%とした場合、図4に示すように、熱供給56.4%となっており熱回収器106での熱回収量は多いが、発電効率はHHVで22.8%となっており、上記実施例1と比較して大幅に低い効率しか得られていない。
実施例2は、本発明に係るガスタービンシステムをトラック等の車両の動力装置に適用した例である。図5は、この実施例2に係るガスタービンシステムの構成を示す説明図である。図5に示すように、このガスタービンシステムは、前記実施例1と比較して以下の点で異なる。すなわち、このガスタービンシステムでは、高圧側ガスタービン4に圧縮機1が接続され、低圧側ガスタービン5がトランスミッション等の車両の駆動機構12に接続されている。また、熱回収の必要がないため熱回収器6は有しておらず、ガス冷却器7はラジエータ13に接続されている。その他の構成は、前記実施例1と同様である。
したがって、ガスタービン4、5の燃焼排ガスは、再生熱交換器2における熱交換の後は、ガス冷却器7に送られてラジエータ13によって冷却され、その後、一部は排出され、残りは空気と混合されて圧縮機1側へ再循環される。
このガスタービンシステムでは、上記のとおり、高圧側ガスタービン4に圧縮機1が接続され、低圧側ガスタービン5がトランスミッション等の車両の駆動機構12に接続されているが、これは、ガスタービンシステムを車両の動力装置に使用する場合、駆動機構12の駆動に要するトルクや負荷の変動が大きいことに対応するためである。すなわち、動作時の回転数は高いがトルクの小さい高圧側ガスタービン4により圧縮機1を駆動し、回転数は低いがトルクの大きい低圧側ガスタービン5により駆動機構12を駆動する構成とすることにより、トルクや負荷の変動が大きい場合にも安定して駆動機構12を駆動できるようにしている。なお、トルクや負荷の変動に対する対策として、バッテリー及び電動モータを備えたハイブリッド方式とすることも考えられる。
このような実施例2に係るガスタービンシステムにおいて、燃料に灯油を使用し、圧縮機1に供給される気体の温度を40℃、圧縮機1における圧縮後の気体の圧力を0.89MPa・G、高圧側ガスタービン4の入口の燃焼ガスの温度を900℃とした場合、動力回収効率はHHVで39.6%(LHVでは43.8%)となる。
実施例3は、本発明に係るガスタービンシステムを木質系のバイオマスを燃料とする発電装置に適用した例である。図6は、この実施例3に係るガスタービンシステムの構成を示す説明図である。図6に示すように、このガスタービンシステムは、前記実施例1と比較して以下の点で異なる。すなわち、このガスタービンシステムでは、燃料となるバイオマスをガス化するガス化炉14と、燃焼排ガスの冷却及び洗浄を行なう冷却洗浄装置15及びこの冷却洗浄装置15に供給する冷却水の冷却を行なう水冷却器16とを有しており、水冷却器16において冷却された水の一部を、フィルター17によりろ過にしてから圧縮機1の吸込側に供給する構成としている。その他の構成は、前記実施例1と同様である。
このガスタービンシステムでは、燃料となるバイオマスはまずガス化炉14に供給される。そして、主灰が分離され、部分燃焼により生成したガスは燃焼器3に供給され、そこで完全燃焼されて高温の燃焼ガスとなって高圧側ガスタービン4に送られる。ガスタービン4、5の燃焼排ガスは、再生熱交換器2において熱交換された後、冷却洗浄装置15に送られ、冷却水により冷却されるとともに灰分が除去されて洗浄される。この際、燃焼排ガスに含まれる水分は、冷却により凝縮して冷却水に混合される。このように冷却洗浄装置15において冷却洗浄された燃焼排ガスは、一部は排出され、残りは空気と混合されて圧縮機1側へ再循環される。
また、燃焼排ガスの冷却及び洗浄を行なった後の冷却水には、燃焼排ガスから除去された灰分が含まれている。この冷却水に含まれた灰分は、この冷却水を冷却洗浄装置15の底部に停留させることによって沈殿し、その底部から系外に排出される。灰分を沈殿させた後の冷却水は、水冷却器16に送られて空気により冷却される。この水冷却器16で冷却された後の冷却水は、その一部がポンプ9の動作によってフィルター17を経由してから圧縮機1の吸込側に供給され、残りが冷却洗浄装置15に供給されて循環される。
燃料にバイオマス等の灰分の多いものを用いる場合には、圧縮機1の吸込側に供給される水には、フィルター17によりろ過したとしても無機塩が含まれることとなる。そこで、本実施形態では、水に含まれる無機塩が圧縮機1の内部で濃縮して析出することを防止するため、圧縮機1の吸込側に供給する水の水量を、前記実施例1及び2よりも多い量に設定する。ここで、圧縮機1内での気体の圧縮の際に蒸発する水量は、システムの構成によって異なるが、通常は、圧縮機1に供給する気体に対する質量比で10%前後である。したがって、圧縮機1の吸込側に供給する水の水量は、圧縮機1に供給する気体に対する質量比で20〜50%程度となるように設定すると好適である。これにより、圧縮機1の内部において蒸発せずに残った水は、その水の中に含まれる無機塩が濃縮して析出する前にそれを洗い流すので、無機塩の堆積により圧縮機の性能が低下することを防止することができる。また、圧縮機1の内部に残った水はケーシングとロータとの間の気密性を高めるシールの役割も果たす点は上述のとおりである。なお、フィルター17に代えて純水装置を設け、冷却水を純水にしてから圧縮機1に供給する構成とすることも可能である。この場合には、圧縮機1内における無機塩の析出がないので、前記実施例1又は2と同様に、圧縮機1内での気体の圧縮の際に蒸発する水量とほぼ同じか、それよりも少ない水量とすることが可能である。
このような実施例3に係るガスタービンシステムにおいて、燃料に水分が10%含まれるバイオマスを使用し、発電機8の効率を95%とし、圧縮機1における圧縮後の気体の圧力を0.89MPa・G、高圧側ガスタービン4の入口の燃焼ガスの温度を900℃とした場合、発電効率はHHVで37.5%(LHVでは41.7%)となる。
〔その他の実施例〕
上記の実施例では、いずれも圧縮機1の吸込側に供給する水を、ガスタービンシステムの系内から取得して供給する構成としているが、本発明の技術的範囲はこのような構成に限定されるものではなく、圧縮機1に供給する水を系外の貯水タンクや給水装置等から供給する構成とすることも可能である。
また、上記の実施例では、いずれもガスタービン4、5からの燃焼排ガスを再循環させる構成としているが、本発明の技術的範囲はこのような構成に限定されるものではなく、ガスタービン4、5からの燃焼排ガスはすべて系外に排出する構成とすることも可能である。
また、上記の実施例では、いずれも高圧側ガスタービン4と低圧側ガスタービン5の2機を直列に接続した構成としているが、本発明の技術的範囲はこのような構成に限定されるものではなく、1機のガスタービンを使用し、あるいは3機以上のガスタービンを直列に接続して使用する構成とすることも可能である。
本発明は、コジェネレーションによる分散型エネルギー供給設備、トラック、機関車等の車両や船舶等の動力装置、バイオマス等の廃棄物を燃料とする発電又は動力設備などに好適に用いることが可能である。
実施例1に係るガスタービンシステムの構成を示す説明図である。 実施例1に係るガスタービンシステムの効率を示すグラフである。 通常の再生サイクルのガスタービンシステムの構成を示す説明図である。 通常の再生サイクルのガスタービンシステムの効率を示すグラフである。 実施例2に係るガスタービンシステムの構成を示す説明図である。 実施例3に係るガスタービンシステムの構成を示す説明図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 再生熱交換器
3 燃焼器
4 高圧側ガスタービン
5 低圧側ガスタービン
6 熱回収器
7 ガス冷却器
8 発電機
9 ポンプ
12 駆動機構
14 ガス化炉
15 冷却洗浄装置
16 水冷却器

Claims (3)

  1. 容積形圧縮機を使用する再生ガスタービンサイクルにおいて、前記圧縮機に供給する気体に対して質量比5〜50%の水を前記圧縮機の吸込側から供給し、前記圧縮機における気体の圧縮過程で前記水の全部または一部を蒸発させるガスタービンシステム。
  2. ガスタービンの燃焼排ガスを冷却して得られた凝縮水を前記圧縮機に供給する請求項1に記載のガスタービンシステム。
  3. ガスタービンの燃焼排ガスを冷却し、空気を混入して前記圧縮機に供給する請求項1又は2に記載のガスタービンシステム。
JP2003281003A 2003-07-28 2003-07-28 ガスタービンシステム Pending JP2005048646A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003281003A JP2005048646A (ja) 2003-07-28 2003-07-28 ガスタービンシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003281003A JP2005048646A (ja) 2003-07-28 2003-07-28 ガスタービンシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005048646A true JP2005048646A (ja) 2005-02-24

Family

ID=34266647

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003281003A Pending JP2005048646A (ja) 2003-07-28 2003-07-28 ガスタービンシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005048646A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009108848A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 General Electric Co <Ge> ターボ機械の排ガスを再循環させるためのシステム
JP2009537774A (ja) * 2006-05-15 2009-10-29 ニューキャッスル イノヴェイション リミテッド 熱源からパワーを発生させる方法及びシステム
JP2011508139A (ja) * 2007-12-21 2011-03-10 グリーン パートナーズ テクノロジー ホールディングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 気化性液体供給装置を採用するガスタービン・システム及び方法
CN103174522A (zh) * 2011-12-23 2013-06-26 诺沃皮尼奥内有限公司 包括冷凝水回收设备的功率设施
KR101280010B1 (ko) * 2009-12-11 2013-06-28 유로꼽떼르 동력원의 안전 증강 방법 및 본 방법을 수행하기에 적절한 동력원

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009537774A (ja) * 2006-05-15 2009-10-29 ニューキャッスル イノヴェイション リミテッド 熱源からパワーを発生させる方法及びシステム
KR101403798B1 (ko) 2006-05-15 2014-06-03 뉴캐슬 이노베이션 리미티드 열원으로부터 전력을 생산하는 방법 및 시스템
JP2009108848A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 General Electric Co <Ge> ターボ機械の排ガスを再循環させるためのシステム
JP2011508139A (ja) * 2007-12-21 2011-03-10 グリーン パートナーズ テクノロジー ホールディングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 気化性液体供給装置を採用するガスタービン・システム及び方法
KR101280010B1 (ko) * 2009-12-11 2013-06-28 유로꼽떼르 동력원의 안전 증강 방법 및 본 방법을 수행하기에 적절한 동력원
US9206739B2 (en) 2009-12-11 2015-12-08 Airbus Helicopters Method of increasing the safety of a power plant, and a power plant suitable for implementing the method
US10287978B2 (en) 2009-12-11 2019-05-14 Airbus Helicopters Method of increasing the safety of a power plant, and a power plant suitable for implementing the method
US10890112B2 (en) 2009-12-11 2021-01-12 Airbus Helicopters Method of increasing the safety of a power plant, and a power plant suitable for implementing the method
CN103174522A (zh) * 2011-12-23 2013-06-26 诺沃皮尼奥内有限公司 包括冷凝水回收设备的功率设施

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6986251B2 (en) Organic rankine cycle system for use with a reciprocating engine
JP4913904B2 (ja) 有機ランキンサイクル(orc)システムのタービンからのオイル除去
JP3681434B2 (ja) コージェネレーション装置およびコンバインドサイクル発電装置
JP4714159B2 (ja) ランキンサイクル動力回収装置
Teng et al. A rankine cycle system for recovering waste heat from HD diesel engines-WHR system development
KR101814878B1 (ko) 선박 추진 시스템 및 선박 및 선박 추진 시스템의 운전 방법
CA2667144C (en) Combined cycle powered railway locomotive
JP2012007500A (ja) 内燃機関の排気熱回収装置
WO2008126089A2 (en) Integrated engine generator rankine cycle power system
EP3051111B1 (en) Waste heat recovery system, ship propulsion system, ship, and waste heat recovery method
JP2012117517A (ja) 複合サイクル発電プラントの熱交換器
KR101567171B1 (ko) 내연기관의 배기열 재활용 시스템
JP2013199882A (ja) 内燃機関
KR101496716B1 (ko) 폐열 회수 가능한 선박용 동력 장치
JP2013032751A (ja) エンジンシステム
US20120038173A1 (en) Method, system and apparatus for providing water to a heat engine via a dammed water source
JP2005048646A (ja) ガスタービンシステム
JPH09144560A (ja) 水素燃焼ガスタービンプラントおよびその運転方法
US20140318131A1 (en) Heat sources for thermal cycles
JP2006057597A (ja) 排熱回収システム
KR20180124229A (ko) 폐열회수용 팽창장치 및 이를 포함하는 폐열회수시스템
KR20180076922A (ko) 선박의 폐열을 이용한 에너지 절감 시스템
JP4418894B2 (ja) デュアルパス蒸気システム
JP2006052718A (ja) インパルスタービン型複合原動機
JP6781673B2 (ja) 熱エネルギー回収装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20051129

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060615

A02 Decision of refusal

Effective date: 20061026

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02