JP2005047844A - 生物由来高分子物質の分解物、これを含む食品、化粧品、及び医薬品並びにそれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、酵素や触媒などの化学薬品を用いた酸化・還元反応によらないで、比較的生体内の環境に近い水溶液中で分解された生体由来の物質を、ヒトの食品、化粧品および医薬品更に生体やその一部の組織または細胞の培地や培養液として、特に皮膚の再生を促す保護膜材とし提供することである。
【解決手段】 本発明は、生体高分子物質を電気分解によって分解させ、再利用可能な物質を製造するものであり、生体高分子物質の酸化または還元物質は、電気化学的に生体またはその一部あるいは、繭や卵を構成する高分子を分解して得られる物である。これらの生成物が高純度、高収率でエネルギー効率よく得られるように、原料の選択と前処理、電極の材質、支持電解質の種類、電解槽の構造、電極容器の材質と構造、生成物の配合などを限定することによって製造することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生物由来の物質を分解して、再利用するためのものであり、生物由来の高分子物質の分解物、これを含む食品、化粧品、医薬品及びこれらの製造方法に関する。
石炭化学においては、石炭を乾留して沸点の異なる種々の化学物質に分離し、これらを出発原料として有用な物質を合成してきた。一方、石油化学でも原油を精密蒸留して、各沸点成分に分離し、さらに熱分解によって低分子量の分子を得、これらを、重合反応などを利用して有用なプラスチックなどの製品を製造してきた。これに対して生体化学では、生体が多品種の高分子化合物を含んでいるため、これらを、水や有機溶媒を用いて抽出して有用成分を分離してきた。更に、生物由来の物質を原料にして、微生物や酵素を用いて分解して生体に有用な物質を得てきた。このような生体化学の製造方法において、抽出法では生体を構成している高分子を分解することがでず、酵素法では分解できても、反応速度が小さく、酵素の種類により得られる分子に制限があり、生物由来の物質を利用する汎用の技術としては十分ではなかった。
従来、この問題を解決するための方法として、例えば卵黄を水素化する方法があった。この水素化にあたっては、水素化触媒を使用しており、そのため水素化後に触媒の除去が必要であった。また、生体高分子物質を。酸化剤や還元剤を用いて化学的に酸化・還元することは可能であるが、同様に反応生成物の中から酸化剤や還元剤を除去する必要があった。また、これらの酸化・還元反応では、酸化還元電位を調整して、生体高分子物質を選択的に酸化・還元することが困難であった。つまり、酸化・還元剤の酸化・還元力の大きさと酸化・還元反応速度の制御が困難であるために、生体の高分子を選択的に酸化・還元することができなかった。このため得られる生物由来の高分子物質の分解物の分子量を制御することができず、目的とする生体高分子分解物の収率は、小さかった。さらに、これら生物由来の物質を、生体が抗原抗体反応を引き起こさない程度まで段階的に分解して、生体部品として生体の再生を効率的に進める材料として利用することができなかった。
高等生物は高分子化合物から成る様々な組織を作るため、活動エネルギーを得るためまた活動を制御するために、他の種からの多品種な高分子化合物を必要としている。これらの高分子化合物は、他の種の生物由来の物質を捕食し、消化器官を経由して体内に摂取し、合成することによって得ている。高等な生物になるにつれて、その生体高分子物質の分子量は、多岐にわっている傾向にある。摂取するためには、抗原抗体反応が起こらない程度に、他の種からの生体高分子物質を消化器で分解し分子量を小さくしている。これらの消化分解物質が、高等生物の自己再生、活動エネルギーや生命維持の部品として有用である。しかし生体が全体としてではなく、生体の一部の組織、臓器や細胞として組織培養などにおいて自己増殖するためには、消化する機能がない。このような生体の一部の組織、臓器や細胞を培養する際には、免疫性と摂取性を考慮して他の個体の生体を構成する生体高分子物質や体液を培地として用いている。組織工学を支える材料として生物からの様々な抽出物質、酵素生成物質およびDNAの情報を利用したバイオ生体高分子物質製品が用いられているが、これらに用いることのできる原料は限定され、これらの製品の製造量は少量であり極めて高価である。
本発明は、化学工業原料として生体を電気化学的に酸化・還元により分解、分離・精製して生体はもとより生体の一部である皮膚、組織や細胞にも直接有効に働く物質として利用することである。すなわち、生体内の化学反応をモデルにして、それらに最も近い条件で生体を分解して、それらの分解物質を、分離・精製して生体自身のリモデリングに役立てようとするものである。さらに、消化器官の機能が低下している個体や生体の一部である皮膚、組織や細胞に、摂取される、食品、化粧品や医薬品、醸造原料の添加剤を安全かつ安価に提供するものである。
第1の本発明は、生物由来の物質を水溶液中で電気化学的に分解して製造されたものであることを特徴とする生物由来高分子物質分解物である。
すなわち、生体高分子物質を水溶性電解液の中に入れて電解条件すなわち電極電位、水溶液濃度、電極、温度、電解槽構造を制御して、水素イオン濃度、化学種の異なるアノードまたはカソード近傍の水溶液中で電極から生成される酸化剤または還元剤、および酸化または還元により分解された生体高分子物質などのような生物由来高分子物質の濃度を制御しながら得られる生体高分子物質の分解物質を得ることである。
あらゆる生物またはそれらの生体の一部を用いることができる。光合成を行わない生物では、それらの生体を分割して用いることが、選択的生体高分子分解物質を得るには、効果的である。これらの分解物質は、更に中和、酸化、還元、濾過、遠心分離、抽出、加熱滅菌により、ヒトに経口、経皮あるいは直接摂取されて、食品、化粧品および医薬品の添加物として用いることができる。特に鶏卵は、卵白と卵黄に容易に分離されてそれぞれが分解されて、目的とする分解物質を選択的に得ることができ留ため好ましい。
第2の本発明は、電極を取り巻く電解液を、イオン伝導性を有する浸透性の壁や膜または塩橋で隔離されたアノードまたはカソード容器中で、電解し、生体由来高分子物質分解物の製造方法である。
これによって、電極近傍の電解液濃度が一定になり、厳密に電気化学反応を制御することが可能となり、同時に電解により生成するアノード生成物とカソード生成物を直接取り出すことができる特徴を有する。
第3の本発明は、電解槽を隔壁や隔膜により複数に分割し、電気分解することを特徴とする生体由来高分子物質分解物の製造方法である。
これによって、それぞれの電極の酸化・還元反応により生成する酸化性化学種、還元性化学種および電極近傍で生成される生体の酸化・還元物質の混入を防止することができる。
第4の本発明は、電極にカーボン(人造黒鉛、炭素繊維強化炭素複合材料(C/C))、白金、DSE(Dimensionally Stable Electrod)を使用して電極からの溶出や脱離して、生体酸化・還元物質を汚染することを防止し、生体を酸化反応の効率を高める生体由来高分子物質分解物の製造方法である。
一方、溶解性陽極を金属チタン、亜鉛および鉄とすることによりこれらから溶解した金属イオンはアノード容器内で酸化物として析出し、同時に生成された生体高分子分解物質に吸着しており、結晶の形態が特異的であり例えばヒトに皮膚に塗布したり、摂取したりし易いなどの利点があった。これらの生体活性金属酸化を生体高分子分解物質と同時に製造し、これらを混合して用いることができる。
第5の本発明は、支持電解質として、種々のミネラルを含む天然塩NaClなどの無機塩化物、または硫酸、リン酸、硝酸、塩酸の無機酸およびそれらのナトリウム、カリウム、カルシウムまたはアンモニウム塩などの無機塩または蟻酸、酢酸、蓚酸、クエン酸など、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルタミン酸、イノシン酸、アスコルビン酸などの有機酸およびそれらのナトリウム、カリウム、カルシウムまたはアンモニウム塩の1種類またはこれらの混合液を使用した生体由来高分子物質部員怪物の製造方法である。
これによって、酸化・還元電位を制御することにより目的とする生体酸化・還元分子を製造することができる。
第6の本発明は、生体由来の物質、特に鶏卵の卵黄を電気分解することにより生成する電解還元された生体由来高分子物質分解物を、皮膚を保護する化粧品、医薬品、サプリメント、生体組織および細胞培養と細菌培養用培地ゲルとして応用することを特徴とするものである。
第7の発明は、生体由来高分子物質を電気分解する際に、電極の極性を代えて酸化・還元を繰り返しながら生物由来高分子物質分解物を製造する方法である。
生体高分子物質のような生体由来高分子物質を電気化学的に分解した生体由来の分子を、ヒトに経口、経皮または直接に食品、化粧品および医薬品またはその一部とし用いることができた。更に、電気分解によって生成した生体高分子物質の分解物は、生体の一部である組織や細胞および細菌培養の培地や培養液に使用ことができた。特に鶏卵黄のカソード分解生成物は、生体の一部組織である皮膚に対して、その保湿性保護膜材料として有効であった。この材料にTiやZnの酸化物を同時に製造し混合して使用することができた。化粧品としてあるいはこれらの添加物として、有効であった。
[原理]
本発明は、石炭化学、石油化学に続く生体化学に関する。石炭化学が石炭を乾留し、石油化学で蒸留や熱分解してそれらの原料を得るように、生体を体液に類似した組成と濃度水溶液中で生体内や消化器官内の酸化還元反応に近いエネルギーレベルで電気化学的に酸化または還元して種々の大きさで適宜な官能基を有する分子に分解して、これらを生体再構築する部品として食品、化粧品または医薬品として再利用するための技術である。いわゆる、体外消化と言われるべきものである。
従来、生体高分子物質は溶媒抽出や微生物あるいは酵素により分解されて利用されてきたが、これらの技術では、前者では、原料の生体高分子物質の分子量を変えられないこと、後者では、酵素反応生成物の種類が微生物や酵素の種類により制限され、更に原料の生体高分子物質の内部エネルギーが減少する方向への反応に限定されていた。
この技術では、これらの制限を越えて生体高分子物質を分解する電解条件を制御することと、生体の一部の組織や臓器、血液または卵などを選択することにより、生体高分子物質の分解物質を食品、化粧品または医薬品に添加することにより、生体内で機能する部品として適用させるものである。
(生体の電解酸化・還元体)
本発明の生体の電気化学酸化または還元は、生体を構成する高分子を水溶液中の電気化学反応による環境下で、生体高分子物質をできるだけその構造を変化させないで、選択的に段階的により低分子に分解するものである。従って、これらの生体酸化・還元物質はそれらの分子量により、ゲル状または溶液の状態を呈する。骨や歯などの生体が原料に含まれている場合は、これらはハイドロキシアパタイトの結晶として析出し沈殿として認められる。ハイドロキシアパタイトは、カソード容器内では、溶解せず生体高分子物質のみが溶解する。従って、生体内に存在するそのままの結晶を得ることができる。これらの物質は、タンパク質、ポリペプチド、リン脂質、多糖類、核酸などからの分解物でありアミノ酸に至る混合物およびそれらの誘導体である。生体には、一匹のマウス、魚や昆虫、一羽の鳥など、その生体全体を完全に溶解して用いることも、肝臓、鶏の卵黄や、獣皮、繭などのように生体の一部を用いることも可能である。原料は、使用される生体の部位にあわせて他の種の類似した部位を選択する。
このような生体の電気化学的酸化または還元物質による天然高分子は、食物連鎖が始まる以前より行われていたと思われる生物と物質との連鎖を示唆するものである。
(原材料)
本発明において、生体高分子物質を含有する生体としては、豆類、麦類、藻類、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、貝類、甲殻類、昆虫の生体の全体またはその一部の組織すなわち臓器(心臓、肝臓、膵臓、脾臓、腎臓)、筋肉、骨、軟骨、歯牙、腱、舌、消化器、消化管、血液、卵、爪、皮膚、鱗、毛、乳または繭から選ぶことができる。
この生体高分子物質の酸化・還元による分解物質については、植物以外の生物を原料に用いることが好ましい。植物は、光合成により光エネルギーを物質に蓄える機能を有している。しかしながら、豆類や麦類など、タンパク質を局所に多く含む植物では、それらのみを分解して生体高分子分解物質を得ることができる。一方、植物以外の動物は、そのエネルギー源を他の生物の物質に頼っている。更に、エネルギーのみならず生体を構成する組織を作るにも他の生物の物質をそのまま用いたりあるいは再構成したりして生体を作っている。この際他の生物の組織を構成する物質は、消化されることが多い。消化では、他の生物の組織を構成している一般的には高分子と言うことができる物質が、抗原抗体反応が生じない程度まで分解され低分子化され生体組織内に吸収される。従って、消化組織のない生体または生体の組織や細胞では、他の生体高分子物質を直接エネルギーや自己組織に変換することはできない。消化機能を失った、動物や昆虫などのような光合成ができない生物の一部の組織や細胞に直接物質を供給するためには、消化に見合ったような他の生物物質を低分子化することが必要である。更に望ましいのは、できるだけ類似した種の生体を用いることである。提供される種またはその組織や細胞が持つ生体物質と電気化学的に酸化または還元される物質に差が無いことが最も望ましい。生体組織や細胞に用いる場合は、生体の特定部位の電解酸化または還元物が有効なことがある。また生体の一部を原料とする場合には、それらの生体高分子物質の成分が同じ物を同時に電解することにより、より高濃度な、目的とする生体の酸化・還元物質を得ることができる。
例えば、鶏卵については、それぞれの成分が異なることから、卵黄と卵白を別個に電解酸化・還元することは効果的である。また、本実施の形態において用いられる卵黄は、新鮮な鶏の無精卵のもの、あるいは、有精卵を孵化途中の胚を用いることができる。鶏卵はカソード容器の中で電気化学的に還元されると電解液の水により分解される。このため予め電解液で希釈して電気比抵抗を低下させて使用することが効果的である。有精卵を孵化途中の胚を使用する場合は、胚と卵黄を卵白から分離して使用することができる。
[生体高分子分解物]
本発明の生体高分子分解物は、原料である生体高分子物質の種類によって異なるが、タンパク質、炭水化物、脂質などが酸化、あるいは、還元反応によって分解して生成するものであり、主として、アミノ酸、多糖類、ペプチド、無機物質などからなっている。原料として、骨、歯あるいは鱗などを除去せずに用いた場合には、これらの生体部位は分解されず、残滓として沈殿する。生成する生体高分子分解物は、人体内に摂取した場合、抗原抗体反応を生起しないように、十分な分子量範囲まで分解させることが望ましい。好ましい生体高分子分解物の分子量範囲は、100〜200000程度である。分子量が上記範囲以下とするためには、電解処理時間がかかり、実用的ではない。一方、分子量範囲が上記範囲を上回った場合には、抗原抗体反応を引き起こす可能性があり、好ましくない。
以下に説明する生体高分子物質分解反応によって生成する電解処理生成物は、酸性またはアルカリ性を呈する。このため酸またはアルカリを除去する工程が必要である。そのために、電解イオン水で中和することが望ましい。アノード生成物とカソード生成物を混合しても、中和することができる。また、カソード生成物にクエン酸やグルタミン酸、アスコルビン酸、イノシン酸などを加えて中和することもできる。水で希釈し遠心分離により酸性またはアルカリ性水溶液を高分子水溶液と分離することも可能である。ゲル化する高分子の生成物については、簡便に蒸発乾固後冷水で洗浄して除去することも可能である。これらの生成物質は、液状で加熱滅菌が可能である。
この生体高分子分解物は、可食性物質であり、栄養価も高いことから食品あるいは食品補助剤としての用途がある。また、味覚感覚を刺激する物質でもあることから、調味料としての用途がある。さらに、皮膚に塗布適用することにより、皮膚組織の代謝を活性化し、健全な皮膚組織とすることから化粧品としての用途がある。さらに、殺菌作用成分を含有することから医薬品としての用途がある。これらの詳細については後述する。
[製造方法]
以下、本実施の形態の生体高分子物質の酸化または還元による生体高分子分解物の製造方法について説明する。
本実施の形態の生体高分子分解物の製造は、原料工程、電解工程と、分離精製工程の各工程によって行うことができる。
(原料工程)
第1の工程は、原料の準備および混合工程である。この工程においては、原料となる生体または生体の一部や繭や卵を、水または電解液と混合する工程である。この工程においては、原料を細分化して支持電解質を含む溶液を予め混合する方法を適用することができる。
原料としては、分解物質の目的成分を高めるために、生物の全体のみならず一部の組織を予め分離して、内臓などの組織毎に分離して用いることが望ましい。また、鶏卵において、卵黄と卵白のように成分の異なる場合は、成分毎に分離して電解することが望ましい。
原料となる生体高分子物質は、電解液中に20〜100重量%の割合で添加することが好ましい。この割合が、上記範囲を下回った場合、電解反応による分解反応効率が低下し、所要の重量の原料を分解するのに時間がかかり実用的ではない。一方、上記割合が上記範囲を上回った場合、電解槽の、特にカソード容器の電気抵抗が上昇し、電解反応が同様に低下する。
(電解工程)
この工程においては、生物またはその一部の組織および卵、繭の水溶液を電解する工程である。
すなわち、上記第1の工程によって得られた原料混合物を、電解装置の電解槽内に配置し、直流電圧を印加して、電気分解を行うことにより、電解槽内の電解質に分散されている原料である生体高分子物質が分解され、再利用可能な物質に転化する。
この工程において、電解装置として、電解槽がアノード容器とカソード容器に分離された装置を用いることができる。このような装置においては、原料はアノード容器またはカソード容器のいずれかに投入し電解する。また、印加する電圧としては、直流電圧を用いるが、途中で電流の極を変えて酸化と還元を交互に行うこともできる。
また、電解槽に攪拌装置を配置して、電解中にアノード容器またはカソード容器内の反応物を攪拌することは、反応効率を高め、均質な生成物を得るためには効果的である。反応の終点は、原料の溶解が完了した時点で決定することが望ましい。
分解物は容器内で液体として得られる。放冷するとゲル化するものがある。
この工程において、電解条件としては、電力は、電解槽の大きさにより決定し電解液の量に対して10〜200W/Kg程度の範囲を採用することができる。また、電解槽の全抵抗電気伝導度は、0.1〜500Ωの範囲とすることが好ましい。及び印加電力が、上記範囲を下回った場合、十分な電解反応が生起せず、合理的な時間内に反応性生物が得られない。一方、印加電流が上記範囲を上回った場合には、ジュール熱の発生が激しく、電解液が沸騰するため電解が困難委になる。また、電解反応時間の終点は内の生体が溶解するまでとすればよい。終点の前に電解を終えれば分解物の分子量が大きくなり、人間がこれを摂取した場合抗原抗体反応を抑制することができず、不都合である。一方、電解反応時間を上記範囲以上としても、生体高分子物質の分解が進行せず、経済的ではない。
(分離精製工程)
上記電解処理工程によって、電解槽内に、生体高分子物質の分解物が生成する。この生成物は、溶液状もしくはゲル状であり、アルカリまたは酸性を呈する。また、非反応残渣が残留する場合もある。このため、反応生成物は、水で希釈して、遠心分離機で分離を繰り返すことにより、アルカリ性または酸性物質を除去することが望ましい。あるいは、反応生成物を乾燥後、冷水で水洗してこれらを除去することもできる。さらに、逆通電により中和、pH調整、酸化または還元することもできる。また、反応生成物に電解イオン水や酢酸、クエン酸、グルタミン酸、イノシン酸、アスコルビン酸などを加えて、中和することが可能である。
[生体高分子分解物の製造装置]
本発明の生体高分子分解物の製造方法について図面を用いて説明する。
図1が、製造装置の1例を示す概略図であり、電解装置は、電解槽、アノード容器およびカソード容器に分割されている。すなわち、図1において、電解槽10内部に、電解液11が注入されており、その内部にアノード容器20、及びカソード容器30が配置されている。
アノード容器とカソード容器は、イオン電導性を有するが、分子量の大きなイオンや分子の移動を制限する隔膜または隔壁で構成されている。アノード容器とカソード容器は、水溶液槽の中に浸漬されていることがアノード生成物とカソード生成物の混合を防ぐ上で効果的である。更に原料の投入や取り出しが容器ごとできる利点がある。材質としてはセラミックスが好ましいが耐食性に優れたプラスチック多孔体の隔膜を取り付けて使用することができる。
このアノード容器20中には、アノード溶液22が注入され、これに浸漬されるように、絶縁膜23によって表面の一部が被覆されているアノード21が配置されている。 一方、前記カソード容器30中にも同様に、カソード溶液32が注入され、これに浸漬されるように絶縁膜によって表面の一部が被覆されているカソード31が配置されている。
そして、前記アノード21と、カソード31には、電源12に接続されており、電気分解に必要な電力を供給できるようになっている。
(電解液)
電解液に、水、体液、擬似体液、生理的食塩水または天然食塩または硫酸、リン酸、硝酸、塩酸の無機酸およびそれらのナトリウム、カリウム、カルシウムまたはアンモニウム塩などの無機塩または蟻酸、酢酸、蓚酸、クエン酸など、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルタミン酸、イノシン酸、アスコルビン酸などの有機酸およびそれらのナトリウム、カリウム、カルシウムまたはアンモニウム塩の1種類またはこれらの混合液を使用ができる。
前記電解液の濃度としては、添加する電解質の種類にもよるが、0.1〜10.0molの範囲が適切である。この濃度が、上記範囲を下回った場合、電解液の電気伝導性が不充分で、電解反応が遅く、実用的ではない。一方、この濃度が上記範囲を上回ると、生成物中に含まれる電解質の濃度が大きくなり、精製することが必要となることがある。
(アノード)
アノードとしては、カーボン、Pt、またはDSA(Dimensionally
Stable Anode)、Ti、ZnおよびFeを、用いることができる。この電解処理された生成物は、人体に摂取ないし塗布されて使用されるため、電極に使用される金属は、その酸化物が皮膚に対して安全で抗菌性を持つことが望ましい。Tiは、皮膚に照射されるUVをカットする効果があり、Znは、皮膚の抗菌性を高める効果がある。これらの金属酸化物と鶏卵の卵黄を電解還元した物質を混合して使用することが最も効果的である。
(アノード絶縁膜)
アノード絶縁膜は、アノードの位置と電流密度を制御するためアノードの面積を所定の大きさにするために用いるもので、その材質は、ポリエチレンフィルムなどで構成することができる。
(アノード溶液)
アノード溶液としては、上記電解液単独もしくは生体を溶解ないし分散させた電解液を用いることができる。このアノード溶液中に配合された生体高分子物質は、還元反応によって分解される。
(カソード)
カソードにカーボンやPtを浸漬して電解する。カソードには、これらの材質以外の種々の金属を使用することができるが、不純物として生成物に混入する恐れを無視できないところから、これらに限定することが望ましい。
(カソード絶縁膜)
カソード絶縁膜は、アノードの位置と電流密度を制御するためカソードの面積を所定の大きさにするために用いるもので、その材質は、ポリエチレンフィルムなどで構成することができる。
(カソード溶液)
アノード溶液としては、上記電解液単独もしくは生体を溶解ないし分散させた電解液を用いることができる。このカソード溶液中に配合された生体高分子物質は、酸化反応によって分解される。
(反応)
電極近傍での電解酸化・還元反応は、まず通電により電極表面における電子が授受され、これによってアノードは酸化され、カソードは還元される。アノードとカソードがこの電子授受反応により電気化学量論的に酸化・還元されれば、電極近傍での酸化・還元反応は引き起こされない。電極が直接酸化または還元を受けない時はこれらの電極が酸化・還元触媒として働く。これらの反応により電極近傍にある物質から酸化性あるいは還元性物質が生成される。ここでアノードとカソードの材質および電解液を適宜に選択することにより電極自体は電気化学量論的に酸化、還元されず電極表面に電荷を運んできたアニオンとカチオンが酸化、還元され、それぞれ酸化、還元性を有する化学種となる。電極近傍に存在する物質が、これらの化学種によって酸化または還元反応が引き起こされる。この時の酸化・還元電位は、電極と電解液により決定される。このように電極の材質と電解液の温度、化学種および濃度を適宜に選択し、電流密度を調整することにより電極近傍での酸化・還元反応を制御することが可能である。このような目的で使用される電極の材質は、過電圧と耐食性で選択されるべきである。本発明においては、カーボン、白金、DSAが適していることが判明した。しかしながら、金属酸化物を含む物質を得ようとする場合には、その溶解性金属を陽極として使用できた。すなわち、UVカットを目的とする皮膚保護物質を得ようとする場合は、金属チタンを用いると保護効果が増大した。一方亜鉛を陽極に用いると皮膚保護物質の抗菌性が向上した。鉄を経口摂取使用とする食品に添加する場合は、鉄陽極を用いて均質且つ口当たりに良い鉄酸化物が得られた。
電解槽の分割電解槽内の化学種の濃度、pHは、電極からの距離によって、また電解液内のイオンの拡散速度によって異なる。このような電解槽にあって、電極間に拡散速度の小さな隔壁や隔膜を設けることにより、それぞれの電極の近傍で生成された酸化物や還元物の混合を防ぎ、電解の効率を上げることは有効である。アノードが挿入された隔壁や隔膜に囲まれた容器の中は酸性を示し、カソード容器の中はアルカリ性を示し、隔壁や隔膜により隔離されたことを示す。このような隔壁や隔膜の層を重ねることはアノード生成物とカソード生成物を分離するのに効果的であった。更にこのような容器は、その中に原料を入れて電解槽に浸漬したり、生成物を容器ごと取り出したりすることができる利点があった。
[用途]
(食品・食品補助材・調味料)
本発明の前記生体高分子分解物は、生体高分子物質が、これを摂取しても抗原抗体反応を発現せしめない程度に、分解されており、その成分としては、アミノ酸、多糖類、リン脂質、ペプチド、無機物質などからなっている。この分解物には、人体に有害な成分は分離除去することが可能であり、人体の栄養素を含有している。それ故、この高分子分解物を栄養価の高い、食品として使用することができる。
また、タンパク質を主要成分として含有している生体高分子物質を分解した生体高分子分解物は、アミノ酸成分を高濃度に含有していることから、これを経口摂取することで、人体に必要なアミノ酸成分を簡単に摂取することが可能となり、食品としての使用が可能である。また、これらのアミノ酸は、味覚感覚を刺激するため、調味料成分としても使用することが可能となる。
(医薬品)
また、この生体高分子分解物中には、リゾチームのような成分が含有されており、これは、総合感冒薬の症例を治癒する薬効を有していると認められており、医薬品としても用いることができる。
(化粧品)
更に、卵黄やコラーゲンの分解物は、人間の皮膚に塗布することによって、皮膚表面の表皮構造の破壊を予防し、かつ、すでに表皮が破壊されている皮膚においては、その表皮の再生を促す効果がある。従って、この分解生成物を、化粧品において一般的に用いられている添加剤を加えることによって、化粧品としても使用することができる。
このようにしてアルカリ性または酸性物質を除去した卵黄の還元物をヒトの皮膚に塗布すると、馴染みが良く皮膚の保湿性を向上させ、その表皮の再生を促す効果が期待できるため、外観を改善するという効果を発揮する。一方、アルカリ性還元物を皮膚に塗布することは、人体に悪影響を及ぼすものと考えられているが、その使用量を制限することにより必ずしも皮膚に対して悪影響を及ぼすものでは無い。また、殺菌作用があることも認められた。これによって、本発明の生体高分子分解物は、化粧品としても使用することができることが明かとなった。
それぞれ容積が200mlでセラミック製のアノード容器とカソード容器を入れた4000mlのポリプロピレン製電解槽を用いて行った。アノードとしては、金属(チタン、白金、鉄、亜鉛)、人造黒鉛、炭素繊維強化炭素複合材(C/C)、DSAを、カソードとしては、金属(チタン、鉄、ニッケル、白金)、人造黒鉛、炭素繊維強化炭素複合材(C/C)を用いることができた。アノード容器とカソード容器を電解槽の中に浸漬して、それぞれの容器に原料と電解液を入れて電極を挿入して定電流電解を行った。電流密度は、アノード、カソードのいずれも2〜0.1A/dmの範囲で電解を行った。電解の終了は、容器内に固形物が無くなり液状になった時点で決定した。反応生成物は、着色した液体であった。これらは煮沸滅菌されろ過された。放冷するとゲル化するものがあった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、海水産の天然塩を1%含む電解液を用い、アノードに金属チタンを、また、カソードにカーボンコンポジット(C/C)を用いた。アノード容器には、電解液を注入し、カソード容器には、真鰯(215g)を電解液にそのまま分散させたものを収容して、電流を0.5A、電解時間を12時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、TiOが含有されていた。これは、化粧品及び食品として使用することができた。
一方、カソード生成物としては、褐色溶液と沈殿(骨・鱗は未反応)が得られた。これは、細胞培養液として適切なものであった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、海水産の天然塩を0.5%含む電解液を用い、アノードにC/Cを、また、カソードにC/Cを用いた。アノード容器には、電解液を注入し、カソード容器には、ワカメ(25g)を、水で洗浄したものを電解液に分散させたものを収容して、電流を2.0A、電解時間を24時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、TiOが含有されていた。これは、化粧品及び食品として使用することができた。
一方、カソード生成物としては、褐色色の粘性液体が得られた。これは、皮膚の保湿剤として適切なものであった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、水を用い、アノードに金属チタンを、また、カソードにC/Cを用いた。アノード容器には、電解液を注入し、カソード容器には、鮭(190g)の骨と皮を取り除いた切り身を電解液に分散させたものを収容して、電流を0.5A、電解時間を12時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、TiOが含有されていた。これは、化粧品として使用することができた。
一方、カソード生成物としては、薄い褐色溶液が得られた。これは、食品や細胞・組織培養液として適切なものであった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、海水産の3%電解液を用い、アノードに金属チタンを、また、カソードにC/Cを用いた。アノード容器には、電解液を注入し、カソード容器には、甘エビ(200g)の頭と胸部を取り除き、生理的食塩水で洗浄し電解液に分散させたものを収容して、電流を1.5A、電解時間を8時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、TiOが含有されていた。これは、光触媒として使用することができた。
一方、カソード生成物としては、薄褐色溶液が得られた。これは、組織培養液として適切なものであった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、NaClの3%電解液を用い、アノードに金属チタンを、また、カソードにC/Cを用いた。アノード容器には、電解液を注入し、カソード容器には、繭(60g)を細断したものを電解液に分散させて収容し、電流を0.5A、電解時間を12時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、TiOが含有されていた。これは、化粧品として使用することができた。
一方、カソード生成物としては、褐色液体が得られた。これは、化粧品として適切なものであった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、NaClの1%電解液を用い、アノードに白金を、また、カソードにC/Cを用いた。アノード容器には、鶏卵の卵白(150g)に、電解液を加えて希釈し収容した。また、カソード容器には、同様に鶏卵の卵白(150g)に、電解液を加えて希釈して収容した。電流を0.5A、電解時間を12時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、白濁液体が得られた。これは放置するとゲル化するものであった。
一方、カソード生成物には、同様に放置するとゲル化する白濁液体が得られた。これらの混合物は、化粧品として適切なものであった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、海水産の天然塩の1%電解液を用い、アノードに金属チタンを、また、カソードにC/Cを用いた。アノード容器には、電解液を収容した。また、カソード容器には、鶏卵の卵黄(80g)に、電解液を加えて希釈して収容した。電流を0.5A、電解時間を24時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、TiOの沈殿が得られた。これは、化粧品として適切なものであった。
一方、カソード生成物には、放置するとゲル化する薄黄色の溶液が得られた。これは、化粧品として適切なものであった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、塩化ナトリウムの1%電解液を用い、アノードに金属チタンを、また、カソードにグラファイトを用いた。アノード容器には、電解液を収容した。また、カソード容器には、鶏腿肉(220g)を細切り後生理的食塩水で洗浄し血液を除去したものを収容した。電流を1A、電解時間を12時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、TiOの沈殿が得られた。これは、化粧品として適切なものであった。
一方、カソード生成物には、放置するとゲル化する暗赤色溶液が得られた。これは、調味料として適切なものであった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、生理的食塩水を用い、アノードに金属チタンを、また、カソードにC/Cを用いた。アノード容器には、電解液を収容した。また、カソード容器には、豚の心臓(200g)を細断後生理的食塩水で洗浄し血液を除去したものを収容した。電流を2A、電解時間を12時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、TiOの沈殿が得られた。これは、化粧品として適切なものであった。
一方、カソード生成物には、放置するとゲル化する暗赤色溶液が得られた。これは、組織培養液として適切なものであった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、生理的食塩水を用い、アノードに金属チタンを、また、カソードにC/Cを用いた。アノード容器には、電解液を収容した。また、カソード容器には、豚の肝臓(210g)を細断後生理的食塩水で洗浄し血液を除去したものを収容した。電流を1A、電解時間を12時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、TiOの沈殿が得られた。これは、光触媒として適切なものであった。
一方、カソード生成物には、放置するとゲル化する暗赤色溶液が得られた。これは、肝細胞培養液として適切なものであった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、生理的食塩水を用い、アノードに金属チタンを、また、カソードにC/Cを用いた。アノード容器には、電解液を収容した。また、カソード容器には、鶏の軟骨(150g)を、肉、膜を除去後生理的食塩水で洗浄したものを収容した。電流を1A、電解時間を12時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、TiOの沈殿が得られた。これは、光触媒として適切なものであった。
一方、カソード生成物には、淡赤褐色溶液が得られた。これは、軟骨細胞培養液として適切なものであった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、生理的食塩水を用い、アノードに金属チタンを、また、カソードにC/Cを用いた。アノード容器には、電解液を収容した。また、カソード容器には、牛乳(200ml)を収容した。電流を1A、電解時間を12時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、TiOの沈殿が得られた。これは、光触媒として適切なものであった。
一方、カソード生成物には、暗赤色溶液と黄色浮遊物が得られた。これは、化粧品として適切なものであった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、生理的食塩水を用い、アノードに金属チタンを、また、カソードにC/Cを用いた。アノード容器には、電解液を収容した。また、カソード容器には、シジミ(300g)を生きているまま収容した。電流を0.5A、電解時間を12時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、TiOの沈殿が得られた。これは、化粧品として適切なものであった。
一方、カソード生成物には、暗褐色液体が得られた。これは、調味料として適切なものであった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、生理的食塩水を用い、アノードに金属チタンを、また、カソードにC/Cを用いた。アノード容器には、電解液を収容した。また、カソード容器には、蛸(100g)を収容した。電流を1.5A、電解時間を5時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、TiOの沈殿が得られた。これは、光触媒として適切なものであった。
一方、カソード生成物には、淡茶褐色の液体が得られた。これは、調味料として適切なものであった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、生理的食塩水を用い、アノードに金属チタンを、また、カソードにC/Cを用いた。アノード容器には、電解液を収容した。また、カソード容器には、ヤリ烏賊(180g)を、下足と皮を除去したものを収容した。電流を1.5A、電解時間を8時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、TiOの沈殿が得られた。これは、化粧品として適切なものであった。
一方、カソード生成物には、薄いピンク色の溶液が得られた。これは、調味料として適切なものであった。
電解装置として図1の装置を用いた。電解液としては、1%食塩水を用い、アノードに金属チタンを、また、カソードにC/Cを用いた。アノード容器には、電解液を収容した。また、カソード容器には、十分に煮沸された大豆(100g)を、そのまま収容した。電流を1.5A、電解時間を8時間として、電解処理を行った。
電解処理終了後の、アノード生成物には、TiOの沈殿が得られた。これは、化粧品として適切なものであった。
一方、カソード生成物には、褐色の液体が得られた。
本発明の電気分解装置を示す概略図。
符号の説明
10…電解槽
11…電解液
12…電源装置
20…アノード容器
21…アノード
22…アノード溶液
23…絶縁膜
30…カソード容器
31…カソード
32…カソード溶液
33…絶縁膜

Claims (19)

  1. 生物由来の物質を水溶液中で電気化学的に分解して製造されたものであることを特徴とする生物由来高分子物質分解物。
  2. アノードまたはカソード近傍の電解液が混合しないようにアノードまたはカソードが、隔膜または隔壁により仕切られた電解槽で製造されたものであることを特徴とする生物由来高分子物質分解物。
  3. 前記生物由来の物質が、豆類、麦類、藻類及び哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、貝類、甲殻類、昆虫の生体の全体またはその一部の組織である心臓、肝臓、膵臓、脾臓、腎臓、筋肉、骨、軟骨、歯牙、腱、舌、消化器、消化管、血液、卵、爪、皮膚、鱗、毛、乳及び繭から選ばれる少なくとも1種に含まれる物質であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生物由来高分子物質分解物。
  4. 前記卵は、鶏、鶉、鳩、烏骨鶏、アヒル、鵞鳥、雀、駝鳥、雉、鴨、鮭、鱈、鰊、ボラ、鰐、亀、蛇、カエル、蟹、及び蝦から選ばれる少なくとも1種の生物の卵で、卵黄と卵白に分離されていることを特徴とする請求項4に記載の生物由来高分子物質分解物。
  5. 生物の全体またはその一部分を構成する生物由来の物質を、水もしくは電解液に溶解ないし分散させ、その溶液もしくは分散液中で電気分解を行い、生物由来の物質を電気化学的に分解することを特徴とする生物由来高分子物質分解物の製造方法。
  6. アノードまたはカソード近傍の電解液が、混合しないようにアノードまたはカソードが、隔膜または隔壁により仕切られた電解槽で製造されたものであることを特徴とする生物由来高分子物質分解物の製造方法。
  7. 前記生物由来の物質が、豆類、麦類、藻類及び、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、貝類、甲殻類、昆虫の生体の全体またはその一部の組織である心臓、肝臓、膵臓、脾臓、腎臓、筋肉、骨、軟骨、歯牙、腱、舌、消化器、消化管、血液、卵、爪、皮膚、鱗、毛、乳及び繭から選ばれる少なくとも1種に含まれる高分子物質であることを特徴とする請求項5に記載の生物由来高分子物質分解物の製造方法。
  8. 前記卵が、鶏、鶉、鳩、烏骨鶏、アヒル、鵞鳥、雀、駝鳥、雉、鴨、鮭、鱈、鰊、ボラ、鰐、亀、蛇、カエル、蟹、及び蝦から選ばれる少なくとも1種の卵であり、卵黄と卵白に分離されていることを特徴とする請求項6に記載の生物由来高分子物質分解物の製造方法。
  9. 前記生物由来の物質に印加する電圧の極性を、所定の時間間隔で1回以上変えて電気化学的に分解することを特徴とする請求項5ないし請求項8に記載の生物由来の高分子物質の分解物の製造方法。
  10. アノード、前記アノードの周囲を囲繞するように形成されたアノード容器、前記アノード容器中に配置されているアノード電解液、前記アノードに対向して配置されているカソード、前記カソードの周囲を囲繞するように配置されているカソード容器、前記カソード容器中に配置されているカソード電解液、及び前記アノード及びカソード間に配置されている電解液からなる生物由来高分子物質分解物の製造装置において、
    前記アノード容器及び前記カソード容器は、少なくともその一部分がイオン伝導性を有する壁、もしくは膜で形成されているか、または、前記アノード容器及び前記カソード容器が塩橋で隔てられており、前記アノード容器またはカソード容器中に、前記生物またはその一部が配置浸漬され電解されるようになっていることを特徴とする生物由来高分子物質分解物の製造装置。
  11. 前記アノードが、不溶解性陽極であるカーボン、DSA(Dimensionally Stable Anode)、もしくは溶解性陽極であるチタン、亜鉛、及び鉄のいずれかで形成されていることを特徴とする請求項10に記載の生物由来高分子物質分解物の製造装置。
  12. 前記電解液が、水または体液、擬似体液、生理的食塩水または天然食塩または硫酸、リン酸、硝酸、塩酸から選ばれた無機酸およびそれらのナトリウム、カリウム、カルシウムまたはアンモニウム塩の無機塩、または酢酸、蓚酸、クエン酸、アスコルビン酸、イノシン酸、及びグルタミン酸から選ばれた有機酸およびそれらのナトリウム、カリウム、カルシウムまたはアンモニウム塩の1種類またはこれらの混合水溶液を使用することを特徴とする請求項10に記載の生物由来高分子物質分解物の製造装置。
  13. 生物の全体またはその一部分を構成する生物由来高分子物質が、水溶液中で電気化学的に分解された生物由来高分子物質分解物を含むことを特徴とする食品。
  14. 生物の全体またはその一部分を構成する生物由来高分子物質を、水もしくは電解液に溶解ないし分散させ、その溶液もしくは分散液中で電気分解を行い、生物由来高分子物質を電気化学的に分解し、生成した生物由来の高分子物質の分解物を、中和、遠心分離、電気泳動、蒸留、凍結、ろ過、吸着、または抽出により分離精製したことを特徴とする生物由来高分子物質分解物を含む食品の製造方法。
  15. 生物の全体またはその一部分を構成する生物由来高分子物質を、水もしくは電解液中に溶解ないし分散させた液中で電気化学的に分解して得られる生物由来高分子物質分解物を含むことを特徴とする化粧品。
  16. 生物の全体またはその一部分を構成する生物由来の物質を、水もしくは電解液に溶解ないし分散させ、その溶液もしくは分散液中で電気分解を行い、生物由来の物質を電気化学的に分解し、生成した生物由来高分子物質分解物を、中和、遠心分離、電気泳動、蒸留、凍結、ろ過、吸着、または抽出により分離精製したことを特徴とする生物由来高分子物質分解物を含む化粧品の製造方法。
  17. 前記電気分解によってアノード容器中で生成した生物由来高分子物質分解物とカソード容器で生成した生物由来高分子物質分解物とを、混合・中和することを特徴とする請求項16に記載の生物由来高分子物質分解物を含む化粧品の製造方法。
  18. 生物の全体またはその一部分を構成する生物由来の物質を、水もしくは電解液に溶解ないしは分散させた液中で電気化学的に分解した生物由来高分子物質分解物を含むことを特徴とする医薬品。
  19. 生物の全体またはその一部分を構成する生物由来の物質を、水もしくは電解液に溶解ないし分散させ、その溶液もしくは分散液中で電気分解を行い、生物由来の物質を電気化学的に分解し、生成した生物由来高分子物質分解物を、中和、遠心分離、電気泳動、蒸留、凍結、ろ過、吸着、または抽出により分離精製したことを特徴とする生物由来高分子物質分解物を含む医薬品の製造方法。

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