JP2005046902A - 三重接合体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】油圧緩衝器のチューブ3に、車体のナックルに連結されるナックルブラケット10を接合し、このナックルブラケット10の外周面にホースブラケットやスタビライザーブラケットなどの支持ブラケット11を接合してなる三重接合体において、先ず、ナックルブラケット10の内側からその半径外方向へ張出かしめを行って、該ナックルブラケット10と支持ブラケット11とを接合部21により接合し、次に、ナックルブラケット10の外側からその半径内方向へ張出かしめを行って、ナックルブラケット10とチューブ3とを接合部20により接合し、ナックルブラケット11とチューブ3との重ね合せ部に接合部11を介在させることなく、三者を密着させた状態で接合する。
【選択図】図1
Description
そして従来、チューブ3に対するスプリングシート9およびナックルブラケット10の重合固定はもちろん、ナックルブラケット10に対する支持ブラケット11の重合固定には、溶接(溶接部12)により接合する構造が一般に採用されていた。しかし、この溶接による接合構造によれば、溶接の熱でチューブ3に変形が生じて寸法精度が悪化する問題に加え、溶接作業に時間を要するという問題があり、その上、溶接の熱でチューブ3の内面に形成された酸化スケール、あるいは溶接時に空気中に飛散した微細なチリが、異物(コンタミネーション)として油中に入り込む虞があり、寸法精度、生産性、耐久性等の面で問題を抱えることとなっていた。
なお、特許文献2には、薄板を対象にした張出かしめ方法が記載されている。
本発明は、上記した技術的背景に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、張出かしめを利用しても強度上並びに製造上の問題を生じることのない三重接合体を提供し、併せてこの三重接合体を容易かつ安定して得ることができる製造方法を提供することにある。
このように構成した三重接合体においては、中間の部材に対して他の2つの部材が張出かしめにより相互に接合されているので、実質2つの部材が張出かしめにより重合固定された接合構造となり、したがって張出かしめの実行に特別の困難さを伴うことはない。また、一方の部材が中間の部材側からの張出かしめにより該中間の部材に対して接合されているので、中間の部材と他方の部材との重ね合せ部に前記張出かしめによる張出部が介在することはなく、3つの部材は相互に密着する状態で接合可能となる。
本発明に係る三重接合体の製造方法は、上記したごとく2つの管状体と1つの板状体とを組合せる場合に、中間の管状体の外周面に、その内側から半径外方向への張出かしめにより板状体を接合した後、該中間の管状体と内側の管状体とを嵌合して、前記板状体に干渉しない箇所で張出かしめにより両管状体を接合することを特徴とする。この場合、中間の管状体と内側の管状体との張出かしめの方向は任意であり、半径内方向に張出かしめを行っても半径外方向へ張出かしめを行ってもよい。
このように行う製造方法においては、予め中間の管状体に対して板状体を半径外方向への張出かしめにより接合するので、中間の管状体の内側に配置される他の管状体に対して、該中間の管状体を密に嵌合させることができ、部材相互の張出かしめを円滑にかつ安定して行うことができる。
また、本発明に係る三重接合体の製造方法によれば、部材相互の張出かしめを円滑にかつ安定して行うことができるので、生産性の向上はもとより製造歩留りの向上を達成できる。
図1および2は、本発明に係る三重接合体としての、サスペンション用油圧緩衝器の複合チューブを示したものである。なお、油圧緩衝器の全体構造は、前記図5に示したものと同じであるので、ここでは、図5に示した部分と同一部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することとする。
本実施形態において、車体のナックルに連結されるナックルブラケット(管状体)10は、後述の張出かしめによって形成された第1接合部20によりチューブ(管状体)3に重合固定されている。また、このナックルブラケット10の外周面には、前記したホースブラケットやスタビライザーブラケットなどの支持ブラケット(板状体)11が、同じく張出かしめによって形成された第2接合部21により重合固定されている。なお、ナックルブラケット10には、車体のナックルとの結合に用いる複数の取付孔10aが形成されている。
一方、このナックルブラケット10をチューブ3に接合するに際しては、ナックルブラケット10半径内方向へ張出かしめを行い、第1接合部20を半径内方向へ突出形成する。この場合、第1接合部20の形成は、チューブ3にナックルブラケット10をを密着させた状態で、しかも支持ブラケット11と干渉しない箇所で行われるので、張出かしめを円滑にかつ安定して行うことができる。
なお、上記チューブ3とナックルブラケット10との第1接合部20は、支持ブラケット11と干渉しない箇所であれば、上記実施形態のようにナックルブラケット10の外側からその半径内方向へ張出かしめを行うことに代えて、チューブ3の内側からその半径外方向へ張出かしめを行ってもよい。
また、上記実施形態においては、チューブ3とナックルブラケット10とを接合する張出かしめとして、ナックルブラケット10の張出部23がチューブ3の張出部24に食込む形状の、剥離強度を得ることができる張出かしめであるものを示したが、本発明は、別段これに限らず、必要とされる接合強度によっては、皿形状の凹凸よりなる、剥離強度を有しない皿状張出かしめのみとしても、この皿状張出かしめと上述した剥離強度を有する張出かしめとを組合せるようにしてもよい。
10 ナックルブラケット
11 支持ブラケット
20 チューブとナックルブラケットとの接合部
21 ナックルブラケットと支持ブラケットとの接合部
Claims (4)
- 重ね合せた3つの部材の重合部分を相互に張出かしめによって接合してなる三重接合体であって、中間の部材に重ね合せた一方の部材が、中間の部材側からの張出かしめによって該中間の部材に接合されており、中間の部材に重ね合せた他方の部材が、前記一方の部材に干渉しない箇所で、張出かしめによって該中間の部材に接合されていることを特徴とする三重接合体。
- 中間の部材に重ね合せた一方の部材が板状体であり、中間の部材とこれに重ね合せた他方の部材が管状体であることを特徴とする請求項1に記載の三重接合体。
- 最内側の管状体が油圧緩衝器のチューブであり、中間の管状体がナックルブラケットであり、外側の板状体が支持ブラケットであることを特徴とする請求項2に記載の三重接合体。
- 請求項2または3に記載の三重接合体を得るための製造方法であって、中間の管状体の外周面に、その内側から半径外方向への張出かしめにより板状体を接合した後、該中間の管状体と内側の管状体とを嵌合して、前記板状体に干渉しない箇所で張出かしめにより両管状体を接合することを特徴とする三重接合体の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003284223A JP2005046902A (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 三重接合体およびその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005046902A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8141227B2 (en) * | 2002-11-29 | 2012-03-27 | Kabushiki Kaisha Hitachi Seisakusho | Assembly of sheet materials, tube assembly, drawing method and tools for drawing |
TWI562840B (ja) * | 2013-04-10 | 2016-12-21 | Kyb Corp |
-
2003
- 2003-07-31 JP JP2003284223A patent/JP2005046902A/ja active Pending
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