JP2005046326A - 月経周期モニタ装置及び月経周期モニタ方法 - Google Patents

月経周期モニタ装置及び月経周期モニタ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 トイレ設備の大型化を防止し、利用者の基礎体温測定の手間を省き、簡便に利用者の月経周期を判定する月経周期モニタ装置を提供する。
【解決手段】 利用者の月経周期を判定する月経周期モニタ装置100は、膣部を洗浄するビデ洗浄装置116の利用量(ビデ洗浄スイッチ111が押されてから停止スイッチ113が押されるまでのビデ洗浄時間)を計測する時計部103と、計測された利用量の履歴を日付ごとに蓄積する記憶部104と、記憶部104に蓄積された利用量の履歴に基づいて、利用者の月経周期を判定する月経周期判定部105を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トイレに取り付けられ人体を洗浄するビデ洗浄装置の利用履歴に基づき、利用者の月経、排卵などの月経周期を判定する月経周期モニタ装置および月経周期モニタ方法に関する。
女性にとって、月経(生理)は、健康状態を知らせる情報源である。脳と下垂体から放出されるホルモンが、卵巣の働きを促し、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモンの2種類の女性ホルモンを分泌させ、それが子宮内膜を変化させて月経となる。月経のリズムはホルモンのリズムといってもよい。ホルモンのバランスが崩れると、さまざまな体の不調や病気が起こるので、女性の月経周期の管理は、女性の健康管理にとって欠かすことのできないものである。また、月経時や月経前に体調不良を起こす人も多く、自らの月経周期を把握し、次回の月経日を知ることは、仕事や家事や余暇のスケジュールを立てる上で非常に重要である。
従来、月経周期を管理したり予測するために、月経開始日をスケジュール帳やカレンダや電子手帳などに記録して自分で周期を判断したり、基礎体温を記録し、排卵日や月経周期を知る方法が一般的である。また、基礎体温計の計測データを自動的に記録し、記録された基礎体温から月経周期や排卵周期を算出する装置もある。しかし、前者の方法では、月経開始日を書き留めるのを忘れてしまったり、基礎体温の計測が面倒である。また、後者の装置では、計測データの記録は自動的になされるものの、基礎体温の計測自体が依然として面倒である。このため、基礎体温を測定し忘れることが多く、基礎体温データは数ヶ月間の変化を見て初めて周期が分かるものであるにもかかわらず、継続が困難である。
そこで、トイレ空間において、排泄の際に女性の排泄物中の月経血を検知して、次回の月経開始日や排卵日などの月経周期を推定する婦人用体調管理装置が提案されている。これによれば、利用者は、面倒な基礎体温を測定することなく月経周期を知ることができる(例えば、特許文献1参照)。
また、基礎体温計測のわずらわしさを軽減するために、腕時計に内蔵された温度センサの記録を元に排卵日を算出し、利用者に知らせるものも考案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−75352号公報 特開平11−84036号公報
しかしながら、特許文献1に示される発明では、尿や洗浄水を採取するための装置、採取した液体の血液反応を検知する試薬、および臭気センサなどの特別な装置を便器または便座に備えなければならず、コストがかかる上、装置が大型化して便器の周辺が狭くなるという課題がある。
また、特許文献2に示される発明では、利用者は、毎日専用の時計を身に着けなければならず、着け忘れたり、TPOによって腕時計も着替えたいという女性心理に対応できないという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑み、基礎体温を計測する手間を省き、トイレ設備を大型化させることなく、簡便に利用者の月経周期を判定することができる月経周期モニタ装置および月経周期モニタ方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の月経周期モニタ装置は、利用者の月経周期を判定する月経周期モニタ装置であって、膣部を洗浄するビデ洗浄装置の利用量を計測する利用量計測手段と、計測された前記利用量の履歴を日付ごとに蓄積する履歴蓄積手段と、前記履歴蓄積手段に蓄積された前記利用量の履歴に基づいて、利用者の月経周期を判定する月経周期判定手段とを備えることを特徴とする。これにより、トイレ設備を大型化させることなく、また、利用者は基礎体温を計測する手間なく、簡便に月経周期を知ることができ、健康管理やスケジュール管理に役立てることができる。
また、本発明の月経周期モニタ装置において、前記利用量は、前記ビデ洗浄装置のビデ洗浄時間であって、前記利用量計測手段は、前記ビデ洗浄時間を計測するタイマを備え、前記履歴蓄積手段は、計測された前記ビデ洗浄時間の履歴を蓄積し、前記月経周期判定手段は、前記ビデ洗浄時間の履歴において月経日である可能性がある日を判定する月経日判定部を備え、前記月経周期判定手段は、前記月経日判定部による判定結果に基づいて、前記利用者の月経周期を判定するとしてもよい。
また、本発明の月経周期モニタ装置において、前記月経周期判定手段は、さらに、前記月経日判定部によって月経日である可能性があると判定された日の連続日数に応じて、前記履歴における利用者の月経開始日を判定する月経開始日判定部を備え、前記月経周期判定手段は、前記月経開始日判定部による判定結果に基づいて、前記利用者の月経周期を判定するとしてもよい。
さらに、本発明の月経周期モニタ装置において、前記月経周期判定手段は、前記履歴において前記月経開始日判定部によって判定された1つの月経開始日から次の月経開始日までの期間を、当該期間の長さに応じて、前記利用者の月経周期と判定するとしてもよい。
また、本発明の前記月経周期モニタ装置は、さらに、前記月経周期判定手段の判定結果に基づいて、前記履歴以降の月経開始日を推定する月経開始日推定手段を備えるとしてもよい。
また、本発明の前記月経周期モニタ装置は、さらに、前記月経開始日推定手段による推定結果に基づき、前記履歴以降の排卵日を推定する排卵日推定手段を備えるとしてもよい。
なお、本発明は、このような月経周期モニタ装置として実現することができるだけでなく、このような月経周期モニタ装置が備える特徴的な手段をステップとする月経周期モニタ方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
以上のように本発明の月経周期モニタ装置および月経周期モニタ方法によれば、トイレ内において月経周期を判定するための特別な計測を行う必要がないので、トイレ設備の大型化を招くことなく月経周期を判定することができる。また、利用者は、毎朝の面倒な基礎体温の計測から開放され、ビデ洗浄時に自分の識別情報の入力を行うだけで、その場で自分の月経周期、次回の月経開始日および排卵日などを知ることができ、健康管理やバースコントロールやスケジュール管理に役立つ情報を得ることができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるビデ洗浄装置116および月経周期モニタ装置100の構成を示す機能ブロック図である。図1において、ビデ洗浄装置116は、便器などに取り付けられ、利用者の排便又は排尿後に、便器または便座に組み込まれた洗浄用ノズルから温水などを射出して、膣部を洗浄する装置であり、女性が排尿後、月経血またはおりものを洗浄するために用いられる。このようなビデ洗浄装置116は、操作部110、制御部114および洗浄用ノズル115を備える。操作部110は、利用者がビデ洗浄装置116に対して洗浄開始や洗浄方法を指示するための入力部であり、ビデ洗浄スイッチ111、ワイド洗浄スイッチ112および停止スイッチ113などの操作スイッチを備える。ビデ洗浄スイッチ111は、押圧されると、ビデ洗浄の開始指示を示す信号を出力する。ワイド洗浄スイッチ112は、押圧されると、通常のビデ洗浄より広範囲に洗浄(ワイド洗浄)を行う指示を示す信号を出力する。停止スイッチ113は、押圧されると、ビデ洗浄の停止指示を示す信号を出力する。可動式洗浄用ノズル115は、一般に、便器または便座に組み込まれ、先端部から温水等を射出する。制御部114は、操作部110において押圧された操作スイッチからの信号に応じて、洗浄用ノズル115の動作および洗浄用ノズル115への温水等の供給を制御する。
月経周期モニタ装置100は、一般に、月経日にはそれ以外の日と比べてビデ洗浄に要する時間が長いことから、ビデ洗浄装置116の利用履歴に基づき、利用者の月経周期を判定する装置であって、情報処理部101、入力部107および表示部108を備える。情報処理部101は、例えば、ビデ洗浄装置116の図示しない本体部220に備えられ、ビデ洗浄装置のどの操作スイッチに従ってどのぐらいの時間、ビデ洗浄が行われたかを検出し、使用されたビデの洗浄方法と洗浄時間とに応じて利用者の月経周期を判定する処理部であって、個人識別部102、時計部103、記憶部104、月経周期判定部105および月経周期推定部106を備える。個人識別部102は、入力部107から入力された識別情報に従って、ビデ洗浄装置116の利用者を特定する。時計部103は、カレンダ機能を備え、現在日付および現在時刻を計測する。記憶部104は、月経周期判定部105および月経周期推定部106が利用者の月経日、月経開始日および月経周期などを判定するための判定方法および判定の基準値などを記述したテーブルを、あらかじめ保持している。また、記憶部104は、利用者がビデ洗浄装置116を利用する都度、ビデ洗浄の利用時間などの利用履歴を蓄積し、月経周期判定部105による判定結果および月経周期推定部106による推定結果を格納するための記憶領域を有する。月経周期判定部105は、利用者によるビデ洗浄装置116の利用パターンに基づいて、月経日の可能性を判定し、判定された月経日の連続性に基づいて利用者の月経開始日を判定する。具体的には、月経周期判定部105は、操作部110においてビデ洗浄スイッチ111が利用者によって押圧されてから停止スイッチ113が押圧されるまでの時間(ビデ洗浄時間)を、時計部103から得られる現在時刻に基づいて算出し、算出されたビデ洗浄時間にその日の日付、利用時間帯およびワイド洗浄スイッチ112が押圧されたか否かを示す情報などを添付して利用者ごとに記憶部104に蓄積する。次いで月経周期判定部105は、記憶部104内に格納されている各種の判定基準を示したテーブルを参照して、記憶部104に蓄積された利用履歴から、利用者の月経日および月経開始日を判定する。月経周期推定部106は、月経周期判定部105によって判定された月経日および月経開始日に基づいて、利用者の月経周期と次回の月経開始日を推定する。入力部107は、利用者から、利用者を特定するための利用者番号などである識別情報の入力を受け付ける。さらに入力部107は、例えば年齢、体重、生理日に関する情報などを含む個人情報の入力を受け付ける。表示部108は、情報処理部101において判定され又は推定された、利用者の月経周期に関する情報を利用者に提示する。
次に、利用者がビデ洗浄装置116を利用する際の月経周期モニタ装置100の動作について図2〜6を用いて説明する。
図2は、図1に示した月経周期モニタ装置100が組み込まれたビデ洗浄装置116のリモコン210および本体部220の外観を示す図である。同図に示すように、トイレの便器231には、ビデ洗浄装置116の本体部220と洗浄用ノズル115とを備える便座230が取り付けられている。ビデ洗浄装置116の本体部220に月経周期モニタ装置100が組み込まれる場合、ビデ洗浄装置116の制御部114と月経周期モニタ装置100の情報処理部101とはビデ洗浄装置116のCPUが記憶部104内に格納されているプログラムを実行することにより実現される。また、月経周期モニタ装置100の入力部107と表示部108とは、ビデ洗浄装置116の操作部110とともに、リモコン210および本体部220に備えられる。図3は、図2に示したリモコン210の外観およびリモコン210の表示部108に表示される利用者選択画面の一例を示す図である。リモコン210は、利用者による操作キーへの操作に応じた信号を、赤外線又は近距離無線通信などにより本体部220に送信する機能を備え、操作キー200および液晶ディスプレイ208を備える。操作キー200には、利用者選択キー201、選択決定キー202、温度/強さ調節キー203、おしり洗浄キー204、ビデ洗浄キー211、ワイド洗浄キー212および停止キー213などが備えられる。利用者選択キー201および選択決定キー202は、図1に示した月経周期モニタ装置100の入力部107であり、選択決定キー202はカーソル(例えば、図中の「○」印)を移動させるための十字キーと、カーソルの位置に対応するデータに選択を決定するための決定キーとを備える。利用者が利用者選択キー201を押圧すると、利用者選択画面の表示を指示する信号が情報処理部101に送信される。利用者選択画面の表示を指示する信号を受信した情報処理部101は、記憶部104から図3に示すような利用者選択画面を表す表示データを読み出して、液晶ディスプレイ208(図1の表示部108)に表示させる。利用者が、液晶ディスプレイ208に表示された利用者選択画面を見ながら、選択決定キー202の十字キーを押圧すると、押圧された十字キーの方向に対応する信号が情報処理部101に入力される。情報処理部101は、移動可能な方向の十字キーが押圧されるごとに、利用者選択画面に表示されている「○」印をその方向に移動させる。これにより、利用者は、例えば、表示されている「○」印が、自分を特定する番号としてあらかじめ決めておいた番号まで移動したところで決定キーを押圧することにより、自分の識別情報の入力を行うことができる。個人識別部102は、決定キーが押圧されたときに「○」印が表示されている位置の番号を、利用者の識別情報として入力を受け付ける。
このようにして利用者の識別情報が入力されると、個人識別部102は、例えば、あらかじめ登録されている洗浄用ノズル115の個別設定を記憶部104内から読み出し、制御部114に出力する。制御部114は、ビデ洗浄キー211が押圧された際には、個人識別部102から入力された個別設定に従って、当該利用者に対して登録されているビデ洗浄位置まで洗浄用ノズル115を移動させる。また、おしり洗浄キー204が押圧された際には、個人識別部102から入力された個別設定に従って、当該利用者に対して登録されているおしり洗浄位置まで洗浄用ノズル115を移動させる。図4は、図3に示したリモコン210の液晶ディスプレイ208に表示されるノズル位置設定画面300の一例を示す図である。図4に示すノズル位置設定画面300は、例えば、図3に示した利用者選択画面から識別情報の入力が行われた後、利用者選択キー201が2秒以上長押しされることによって表示される。図4のように、ノズル位置設定画面300の左上の部分には、図3に示した利用者選択画面で入力された「利用者1」が表示されている。また、その右横の部分には、ビデ洗浄またはおしり洗浄の区別が示されており、ここでは、ビデ洗浄が選択されていることが示されている。液晶ディスプレイ208の中央部には、洗浄用ノズル115の位置を標準位置から前後に、それぞれ6段階に調節可能であることを示す矢印が表示されている。さらにここでは、標準位置から2段階前方の位置が選択されており、ここで選択決定キー202が押圧されると、「利用者1」のビデ洗浄時における洗浄用ノズル115の位置が、標準位置から2段階前方の位置に登録される。このように、利用者は、あらかじめ自分に最適な洗浄用ノズル115の位置を登録しておくことにより、次回からは、利用者選択画面から識別情報を入力するだけで、最適な洗浄位置に洗浄用ノズル115を移動させることができ、最適な洗浄効果を得ることができる。
温度/強さ調節キー203は、図1の操作部110に示した以外の操作スイッチであり、例えば、1回押圧された場合、温度調節画面の表示を指示する信号を出力する。また、例えば、2回連続して押圧された場合、温水の強さ調節画面の表示を指示する信号を出力する。制御部114は、上述した識別情報の入力における情報処理部101の処理と同様にして、温度調節画面または強さ調節画面を液晶ディスプレイ208に表示させ、選択決定キー202により選択および決定された温度情報および強さ情報の入力を受け付ける。制御部114は、入力された温度情報に従って図示しない温水タンクの温水ヒータを制御し、温水を温度情報で示される温度に保つ。また、制御部114は、入力された強さ情報に従って図示しない水量調節バルブを調整し、洗浄用ノズル115から射出される温水の強さを調節する。おしり洗浄キー204も、また、図1の操作部110に示した以外の操作スイッチであり、利用者によって押圧されると、おしり洗浄の開始を指示する信号を出力する。制御部114は、例えば、まず、おしり洗浄の開始を指示する信号に従って、温水が射出される洗浄用ノズル115の位置を、利用者の肛門付近の位置まで移動させ、次いで温水を射出し、おしり洗浄を開始する。液晶ディスプレイ208は、図1に示した表示部108であり、利用者を識別するための利用者選択の入力を案内する利用者選択画面および利用者の月経周期などを表示する。
ビデ洗浄キー211は図1のビデ洗浄スイッチ111であり、ワイド洗浄キー212は図1のワイド洗浄スイッチ112であり、停止キー213は図1の停止スイッチ113である。ビデ洗浄とは、通常女性が排尿、排便後に使用するもので、スイッチが押されると便器に備えられた洗浄用ノズル115から膣部や尿道部へ向けて温水または洗浄液が射出される。利用者によってビデ洗浄キー211が押圧されると、制御部114は、あらかじめ識別情報が入力されている場合には、洗浄用ノズル115を利用者があらかじめ設定しておいた洗浄位置まで移動させ、ビデ洗浄を開始させる。識別情報が入力されていない場合には、ビデ洗浄の標準位置まで洗浄用ノズル115を移動させる。ワイド洗浄キー212は、ビデ洗浄キー211が押された後にだけ動作する操作スイッチで、制御部114は、このキーが押されると、例えば、温水射出口をシャワーに切替えるかまたは温水射出口の開口部を拡大させるよう洗浄用ノズル115を制御し、温水を通常のビデ洗浄より広範囲に射出させる。これは月経時に広範囲に広がった血液をさっぱり洗い流したいという女性のニーズに対応した機能である。ビデ洗浄中に停止キー213が押されると、制御部114は、洗浄用ノズル115への給水を停止し、所定の位置まで洗浄用ノズル115を移動させ、洗浄を終了する。
次に、利用者がビデ洗浄を行い、図1に示した月経周期モニタ装置100が利用者の月経周期を判定し、判定結果を利用者に提示するまでの動作について図5を用いて説明する。図5は、図1に示した月経周期モニタ装置100が利用者の月経周期を判定し、判定結果を利用者に提示するまでの動作を示すフローチャートである。
利用者は、ビデ洗浄を開始する前に、まず、利用者選択キー201を押圧し、識別情報の入力を行う。情報処理部101の個人識別部102は、入力部107からの利用者選択キー201の操作を認識し(S401)、識別情報の入力を受け付けるための図3に示したような利用者選択画面を液晶ディスプレイ208に表示させる(S402)。次いで、個人識別部102は、利用者が選択決定キー202の十字キーと決定キーとを用いて入力したカーソル位置(例えば、「○」印の位置)から、利用者を特定する識別情報を取得する(S403)。個人識別部102は、取得した識別情報で特定される個別設定を記憶部104から読み出して制御部114に通知し、制御部114は、通知された個別設定に登録されているビデ洗浄位置まで洗浄用ノズル115を移動させる。
図6は、月経周期判定部105によるビデ洗浄時間t1の算出方法を示すグラフである。図6のグラフでは、横軸は時間を示し、縦軸はビデ洗浄に使用される温水等の水量によりビデ洗浄のON/OFFを示している。ここで、同図に示すように、通常のビデ洗浄において射出される温水の量は、単位時間当たり一定である。月経周期判定部105は、1回当たりのビデ洗浄時間t1、すなわち、ビデ洗浄キー211が押されてから停止キー213が押されるまでの時間を算出し、日別に記憶部104に格納する。月経周期判定部105は、利用者がビデ洗浄キー211を押したことを示す通知を制御部114から取得すると(S404)、現在日付と図6の洗浄開始時刻t0である現在時刻とを時計部103から取得し、ビデ洗浄時間t1の計測を開始する(S405)。次いで、月経周期判定部105は、停止キー213が押されたことを示す通知を制御部114から取得すると(S406)、図6の洗浄終了時刻t2である現在時刻を時計部103から取得し、取得した現在時刻(洗浄終了時刻t2)と、ステップS404において取得した時刻(洗浄開始時刻t0)との差分を演算することによってビデ洗浄に要した時間(洗浄時間t1)を算出し(S407)、算出されたビデ洗浄時間t1とその時間帯t0〜t2とを示す利用履歴を、利用者の識別情報に対応付けて個人別に記憶部104に蓄積(すなわち、追加的に格納)する(S408)。
図7は、図1に示した記憶部104内に格納される利用データ600の一例を示す図である。同図に示すように、記憶部104内の利用データ600には、例えば、使用年月日、時間帯t0〜t2、洗浄時間およびワイドなどの前述の利用履歴が利用者ごとに蓄積される。また、各利用者の利用データ600には、上記の利用履歴のほかに、平均洗浄時間t3、月経可能性、月経開始日、月経期間、月経周期および次回月経開始日など、月経周期判定部105および月経周期推定部106による演算結果および判定結果の項目が記述される。使用年月日の項目には、ビデ洗浄が使用された年月日が記述され、時間帯の項目には、ビデ洗浄が使用された時間帯が記述される。洗浄時間の項目には、ビデ洗浄キー211が押されてから停止キー213が押されるまでの時間(ビデ洗浄時間)が記述され、ワイドの項目にはビデ洗浄中にワイド洗浄キー212が押圧されたか否かを示す情報が記述される。ここでは、ワイド洗浄キー212が押圧されていない場合が「−」で示され、ワイド洗浄キー212が押圧された場合が「○」で示される。平均洗浄時間t3の項目には、一日ごとのビデ洗浄時間の平均値が記述される。ただし、利用データ600の使用年月日が現在日付である場合、平均洗浄時間t3の項目には、その日の最初の使用から現在の使用までのビデ洗浄時間の平均値が記述される。
月経可能性の項目には、その日が月経日である可能性の度合いを示す情報が「×」、「○」および「◎」などの記号を用いて記述される。これは、月経周期判定部105が、記憶部104内の判定基準を示したテーブルを参照して、その日の平均洗浄時間t3から、その日が月経日である可能性の度合いを判定した結果を示している。月経開始日の項目には、月経周期判定部105によって判定された月経開始日が「×」の記号で示される。また、欄外に設けられた月経期間601の項目には、月経周期判定部105の判定によって得られた月経日の日数が記述される。さらに、月経周期602の項目には、月経周期推定部106によって算出された月経周期の日数が記述される。次回月経開始日603の項目には、月経周期推定部106によって推定された次回の月経開始日が記述される。
月経周期判定部105は、図7のように蓄積された利用者の過去のビデ洗浄利用履歴を記憶部104から読み出し(S409)、利用者の過去の月経期間および月経周期を判定する(S410)。月経周期推定部106は、月経周期判定部105の判定結果に基づいて次回の月経開始日を推定し(S411)、利用者の月経周期と次回の月経開始日を液晶ディスプレイ208に所定の時間だけ表示して(S412)、処理を終了する。
以下では、図5に示したフローチャートのステップS410における月経周期判定部105の月経周期判定処理の詳細について図8〜11を用いて説明する。
図8は、月経期間とそれ以外の期間とにおけるビデ洗浄の一般的利用パターンを示すグラフである。同図において、縦軸は平均洗浄時間t3を示し、横軸は日付を示している。破線で示すグラフはパターンAの平均洗浄時間t3の変化を示し、実線で示すグラフはパターンBの平均洗浄時間t3の変化を示している。なお、ここでは10日〜17日の期間が月経期間である。図8に示すように、月経期間中は、それ以外の期間と比較して、膣部に付着した月経血を洗い流して清潔にし、さっぱりしたいという要求があるために、通常より長めにビデ洗浄をする人(パターンA)が多い。さらに、パターンAでは、出血量の多い、月経開始後の2日〜3日間は、より長くビデ洗浄するという傾向が見られる。また、月経期間以外はビデ洗浄を使用せず、月経のときのみにビデ洗浄を使うという人(パターンB)も多い。このことに着目して、月経周期判定部105は、ビデ洗浄時間の日別の推移に基づいて月経日や月経周期を判定する。併せて、正常な月経では、1回の月経期間が5日から7日であり、月経周期は24日から38日であるとされていることから、月経日および月経周期を過去35日間の平均洗浄時間t3に応じて判定する。
次に、図9を用いて、月経周期判定部105が、所定期間の月経周期を判定する方法について詳しく説明する。図9は、図1に示した月経周期判定部105が毎日の月経日の可能性と過去の月経開始日を判定するための判定基準を示したテーブルである。図9(a)は、月経周期判定部105が日別の平均洗浄時間t3に基づいて毎日の月経日の可能性を判定するための判定基準を示したテーブル810の一例を示す図である。図9(a)に示すように、この判定基準を示すテーブル810には、
(1)平均洗浄時間t3が10秒以上であるかまたはワイド洗浄が使用されていれば、月経日である可能性が高いと判定し、この判定結果を「◎」の記号で表すことが示されている。また、
(2)平均洗浄時間t3が3秒以上10秒未満であれば、月経日の可能性がやや有りと判定し、この判定結果を「○」の記号で表すことが示されている。さらに、
(3)平均洗浄時間t3が3秒未満であるか、または利用がない場合には、月経日の可能性なしと判定し、この判定結果を「×」の記号で表すことが示されている。この判定基準を示すテーブル810に従って、月経周期判定部105は、図7に示した利用データ600の平均洗浄時間t3が10秒以上であるかまたはワイド洗浄が使用されていれば、月経日である可能性が高いと判定し、判定結果として利用者の利用データ600の月経可能性の項目に「◎」を記述する。平均洗浄時間t3が3秒以上10秒未満であれば、月経日の可能性がやや有りと判定し、利用者の利用データ600の月経可能性の項目に「○」を記述する。また、平均洗浄時間t3が3秒未満であるか、または利用がない場合には、月経日の可能性なしと判定し、利用者の利用データ600の月経可能性の項目に「×」を記述する。
次いで、月経周期判定部105は利用データ600に記述されている月経可能性の項目を参照して、日別の月経可能性を「◎、○、×」で表した月経カレンダを、利用者別に記憶部104に作成する。図10は、図1に示した記憶部104内に作成される月経カレンダ900の一例を示す図である。同図に示すように、月経カレンダ900には、図7に示した利用データ600の月経可能性の項目に記述されている判定結果が、現在日付からさかのぼって少なくとも50日分抽出され、日付順に配置される。さらに月経カレンダ900には、月経周期判定部105の判定後、判定結果である月経開始日が記述されるための項目が設けられている。月経周期判定部105は、月経カレンダ900の月経可能性の項目を、現在日付から35日分さかのぼって参照し、毎日の月経日の可能性の度合いを示した各記号(すなわち、「◎」、「○」および「×」)の連続性を調べ、その連続性に基づいて利用者の月経開始日などを判定する。月経周期判定部105は、判定結果の月経開始日に対応する、月経カレンダ900の月経開始日の項目に「×」を記述する。図9(b)は、図10の月経カレンダ900に基づいて利用者の月経開始日を判定するための判定基準を示したテーブル820の一例を示す図である。図11は、月経周期判定部105が図9(b)に示したテーブル820に従って月経開始日を判定する際の動作を示すフローチャートである。図9(b)に示すように、月経開始日を判定するための判定基準を示すテーブル820には、過去35日間の月経カレンダ900の月経可能性の項目において、
(1)「◎」が9日以上連続する場合には、判定不能とする。
(2)「◎」が2日以上、8日以下の範囲内で連続する場合には、連続する「◎」の初日を月経開始日と判定する。
(3)「◎」が連続せず、かつ、「○」が9日以上連続する場合には、判定不能とする。
(4)「◎」が連続せず、かつ、「○」が2日以上、8日以下の範囲内で連続する場合には、連続する「○」の初日を月経開始日と判定する。
(5)「◎」が連続せず、かつ、「○」も連続しない場合には、判定不能とすることが示されている。
これに従って、月経周期判定部105は、まず、記憶部104に記憶されている過去35日分の月経カレンダ900を参照し、「◎」が2日以上連続するか否かを調べる(S1001)。2日以上連続する場合には、月経周期判定部105は、さらに、「◎」が連続する日数が8日以下であるか否かを調べる(S1002)。「◎」の連続日数が8日以下である場合には、月経周期判定部105は、テーブル820の(2)に従って、連続する「◎」の初日を月経開始日と判定する(S1003)。ステップS1002において、「◎」が9日以上連続していた場合には、月経周期判定部105は、テーブル820の(1)に従って、判定不能であるとする(S1004)。ステップS1001において、「◎」が連続しない場合、月経周期判定部105は、さらに、「○」が2日以上連続するか否かを調べる(S1005)。2日以上連続する場合には、月経周期判定部105は、さらに、「○」が連続する日数が8日以下であるか否かを調べる(S1006)。「○」の連続日数が8日以下である場合には、月経周期判定部105は、テーブル820の(4)に従って、連続する「○」の初日を月経開始日と判定する(S1007)。ステップS1006において、「○」が9日以上連続していた場合には、月経周期判定部105は、テーブル820の(3)に従って、判定不能であるとする(S1004)。ステップS1005において、「○」が連続しない場合、月経周期判定部105は、テーブル820の(5)に従って、判定不能であるとする(S1004)。ただし、この場合、「◎」または「○」が2日以上、4日以下である場合には、「◎」または「○」が連続する日数だけでは正常な月経期間である5日〜7日を判定することができない。このような場合には、出血量の多い月経開始後2日〜3日の間だけビデ洗浄が利用されることを想定して、月経周期判定部105は、月経期間を例えば、一律5日と判定する。
以下では、図5に示したフローチャートのステップS411〜ステップS412における月経周期推定部106の次回月経日を推定する処理の詳細について図12〜図14を用いて説明する。ここでは、月経周期推定部106が月経周期判定部105の判定結果に基づいて次の月経開始日を推定する場合のほか、利用者から入力された月経開始日の情報に基づいて、利用者の次の月経開始日を推定する場合についても説明する。図12は、月経周期推定部106が図10の月経カレンダ900に示されている過去50日間の月経開始日の項目に基づいて次の月経開始日を判定するための判定基準を示すテーブル1100の一例を示す図である。図13は、月経周期推定部106が図12に示したテーブル1100に従って次の月経開始日を判定する際の動作を示すフローチャートである。図12に示すように、次の月経開始日を判定するための判定基準を示すテーブル1100には、月経カレンダ900に記述されている過去50日間の月経開始日の項目において、
(1)月経開始日を示す「×」の数が1以下である場合には、判定不能とする。
(2)月経開始日を示す「×」の数が2であり、かつ、月経開始日を示す「×」と次の月経開始日を示す「×」との間隔が25日以上、38日以下である場合には、その「×」と「×」との間の日数を月経周期とし、これを最後の月経開始日を示す「×」の日付に加算して得られる日付を次の月経開始日と推定する。
(3)月経開始日を示す「×」の数が2であり、かつ、月経開始日を示す「×」と次の月経開始日を示す「×」の間隔が24日以下、39日以上である場合には、判定不能とする。
(4)月経開始日を示す「×」の数が3以上である場合には、判定不能とすることが示されている。
これに従って、月経周期推定部106は、まず、記憶部104に記憶されている月経カレンダ900の月経開始日の項目から、過去50日間に記録されている「×」の数が1以下であるか否かを調べる(S1201)。月経開始日を示す「×」の数が1以下でなければ、すなわち、2以上であれば、月経周期推定部106は、さらに「×」の数が2であるか否かを調べる(S1202)。「×」の数が2である場合、月経周期推定部106は、その「×」と「×」との間隔である日数(月経周期)Tを算出する(S1203)。次いで、月経周期推定部106は、算出された日数Tの値が、25≦T≦38を満足するか否かを判定する(S1204)。日数Tの値が、25≦T≦38を満足する場合には、月経周期推定部106は、テーブル1100の(2)に従い、算出された日数Tを月経周期として最後の「×」の日付に加算し、次の月経開始日を算出する(S1205)。ステップS1201において、「×」の数が1以下であれば、月経周期推定部106は、テーブル1100の(1)に従い、判定不能とする(S1206)。また、ステップS1202において、「×」の数が2でなければ、すなわち、3以上であれば、月経周期推定部106は、テーブル1100の(4)に従い、判定不能とする(S1206)。さらに、ステップS1204において、日数Tの値が、25≦T≦38を満足しない場合、すなわち、24≦TまたはT≦39である場合、月経周期推定部106は、テーブル1100の(3)に従い、判定不能とする。すなわち、過去50日間の月経開始日の項目に月経開始日を示す「×」が2つあれば、月経周期推定部106は、月経開始日を示す「×」の間隔を月経周期として算出する。さらに、月経周期推定部106は、算出された月経周期が正常パターンの24日〜38日の場合にのみ、最後の月経開始日に、算出された月経周期を加算して次の月経開始日を算出する。それ以外の場合は判定不能とする。
また、以上では、月経周期推定部106が、月経周期判定部105によって判定された月経開始日の履歴に基づいて月経周期および次の月経開始日の判定を行う場合について説明したが、この代わりに、利用者から入力される月経日か否かを示す情報に基づいて、月経周期および次の月経開始日の判定を行うとしてもよい。この場合、例えば、月経周期判定部105は、前回の利用時におけるビデ洗浄時間t1が10秒未満であり、今回の利用でビデ洗浄時間t1が10秒以上となった場合、すぐに、液晶ディスプレイ208に「Q.今日は、生理中ですか?」などの質問文と、質問に対する回答を利用者が入力するための「はい」「いいえ」の表示ボタンとを表示させる。利用者が「はい」を選択した場合、月経周期判定部105は、その日を月経開始日と判定し、記憶部104に格納されている図10に示した月経カレンダ900の月経開始日の項目にその都度、月経開始日を示す「×」を記録する。月経周期推定部106は、月経カレンダ900に記録された過去50日間の月経開始日の項目を調べ、図12に示したテーブル1100に従い、図13に示したフローチャートの処理手順で利用者の月経周期および次の月経開始日を判定する。このように、利用者からの回答に基づいて次の月経周期を判定する場合、利用者にとっては月経中か否かを回答する入力を行う必要があるので手間が増えるが、次回の月経開始日の判定において、より正確な判定結果を得ることができるという効果がある。
月経周期推定部106は、上記のような処理によって得られた判定結果を、利用者に提示するための表示データを作成する。この表示データは、例えば、記憶部104内に、判定の内容に応じてあらかじめ格納されている所定の文字列に、判定結果として得られた数字を挿入することにより、容易に作成することができる。例えば、月経周期推定部106は、最新の月経開始日を液晶ディスプレイ208に表示する場合には、「前回の生理は7月2日でした。」のように表示する。また、判定不能の場合には、「月経周期を判定できませんでした。生理は順調ですか?生理のときはビデ洗浄を使うと衛生的で気分もすっきりします。」のように、月経不順の可能性を示す警告を出したり、月経時のビデ洗浄を促すアドバイスを表示する。
以上のように、本実施の形態の月経周期モニタ装置100によれば、トイレに取り付けられたビデ洗浄装置116の利用履歴のみから利用者個人の月経周期を把握することができるので、トイレに利用者の排泄物等を検査する装置を備える必要がない。このため、月経周期モニタ装置100によれば、トイレに備えられる装置の大型化を招くことなく、判定した月経期、月経周期および次の月経開始日を利用者に提示することができる。また、これにより利用者は、手間なく、自分の月経周期や次回の月経開始日を知ることができ、月経日の体調管理や生理用品の備え置きなどに役立てることができる。また、利用者が、黄体期に顕著な月経前症候群(PMS)の不快な症状に悩む女性であれば、次回の月経開始日が分かれば、自分がその時期にあたるということを容易に知ることができ、不安感やあせりが和らぐという効果がある。これに併せて、利用者がこの時期には気分転換を図ったり、イライラしないような生活を送るよう注意したりすることによって、不快な症状をより和らげることできる。また、利用者が次の月経開始日から排卵日を逆算する方法を知っていれば、月経周期モニタ装置100によって表示された次の月経開始日から排卵日を計算し、避妊、受精といったバースコントロールに役立てることができる。
なお、月経周期モニタ装置100は、図1に示した上記構成に加えて、排卵日を推定する排卵日推定部を情報処理部101内にさらに備えるとしてもよい。排卵日推定部は、排卵日から次の月経開始日までの期間には個人差が少なく、ほぼ14日で一定であることに基づき、月経周期推定部106によって推定された次の月経開始日から14日前を利用者の排卵日と推定し、次の月経開始日の16日前から12日前までの期間を妊娠可能期とする。排卵日推定部は、これらの推定結果を表示部108に表示させる。図14は、図1に示した月経周期モニタ装置100に、さらに排卵日推定部を備えた場合の判定結果を表示したカレンダ1300の一例を示す図である。図14に示すように、液晶ディスプレイ208には、「利用者1」の「2003年7月」のカレンダ1300が表示されている。カレンダ1300には、例えば、7月2日〜7月8日までの日付を示す数字が「○」の記号で囲まれて表示されており、これらの日付で示される期間が月経日であることが示されている。この判定結果は、月経周期判定部105による判定結果である。また、7月17日の日付を示す数字は、ハート型の記号で囲まれて表示されており、この日が排卵日であることが示されている。この排卵日は、排卵日推定部によって推定された推定結果である。さらに、液晶ディスプレイ208の右下部には、月経周期推定部106の判定結果である次回月経開始日が「次の月経開始日は7月31日」のように表示されている。
以上のように、この構成によれば、月経周期モニタ装置は次回の月経開始日を推定するだけでなく排卵日推定部により排卵日を推定するので、利用者はカレンダを逆算する必要がなく、容易に自分の排卵日を知ることができる。これにより、妊娠を望まない人は妊娠しやすい排卵期には避妊に充分に注意するようにし、妊娠を望む人は排卵期にあわせて性交を行うことで妊娠の確率を高めることができる。また、利用者は、推定された排卵日を、排卵検査薬を用いた尿による検査開始日の目安とすることができ、忘れずに検査を行ったり、検査薬を無駄なく使うことができるという効果がある。
なお、ここで、月経周期推定部106は、当月のカレンダの日付ごとに、「◎◎○○××」などのビデ洗浄時間の長短を示す記号をあわせて表示することにより、各利用者が過去を振り返り自分で月経開始日を判断できるような表示を行うとしてもよい。また、上記実施の形態では月経周期判定部105、月経周期推定部106および排卵日推定部の判定結果を液晶ディスプレイ208に表示するとしたが、さらに、スピーカを備え、音声案内によって月経周期判定部105、月経周期推定部106および排卵日推定部の判定結果を利用者に提供するとしてもよい。
なお、上記実施の形態では、図3に示したリモコン210にはビデ洗浄装置116の操作部110と月経周期モニタ装置100の入力部107および表示部108とが一体に備えられ、ビデ洗浄装置116の本体部220にはビデ洗浄装置116の制御部114(および操作部110)と月経周期モニタ装置100の情報処理部101とが一体に備えられる場合について説明したが、本発明の月経周期モニタ装置は、必ずしもこのような構成である必要はない。例えば、リモコン210の内部に月経周期モニタ装置100が備えられる構成としてもよい。この場合、情報処理部101は、制御部114から操作スイッチが押されたことを示す通知を受ける代わりに、操作部110の操作スイッチから出力される信号を直接検出して上記の判定処理を行う。また、ビデ洗浄装置116に、電灯線などによるホームネットワークや携帯電話回線網または公衆電話回線網などの通信ネットワークを介して、利用者による操作部110の操作を通知する通信機能を備えた場合、月経周期モニタ装置100を、トイレ外の住宅内外に設置されたパーソナルコンピュータPC、サーバ装置、携帯電話機、携帯情報端末PDAなどに備えるとしてもよい。このようにした場合、月経周期モニタ装置100の入力部107および表示部108は、携帯電話機、PDA、PCおよびサーバ装置などに既存のキーボードや液晶ディスプレイなどによって実現される。また、情報処理部101は、携帯電話機、PDA、PCおよびサーバ装置などのメモリに格納されたプログラムが、それぞれのCPUによって実行されることにより実現される。
なお、上記実施の形態において、図5に示したノズル位置設定画面300は、例えば、図3に示した利用者選択画面から識別情報の入力が行われた後、利用者選択キー201が2秒以上長押しされることによって表示されると説明したが、本発明はこれに限定されない。ノズル位置設定画面300は、識別情報の入力の前後に拘らず、利用者選択キー201が長押しされることによって表示されるとしてもよく、また、長押しの時間は何秒であってもよい。このように、ノズル位置設定画面300が、識別情報の入力が行われる前に表示された場合、ノズル位置設定画面300においてノズル位置が選択され選択決定キー202が押圧された後に、図3に示した利用者選択画面を表示させ、識別情報の入力を受け付けるとしてもよい。また、ノズル位置設定画面300は、利用者選択キー201が2秒以上長押しされる代わりに、所定の回数だけ連続して押圧されることによって表示されるとしてもよい。
なお、上記実施の形態では、月経周期判定部105は、ビデ洗浄スイッチ111が押されてから停止スイッチ113が押されるまでの洗浄時間t1を記憶部104に蓄積し、蓄積された洗浄時間t1の履歴に基づいて、利用者の月経開始日、月経周期および次の月経開始日などを判定すると説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、月経周期判定部105は、ビデ洗浄スイッチ111が押されてから停止スイッチ113が押されるまでの間に洗浄用ノズル115から放出された水量を検出し、ビデ洗浄に使われた水量の履歴に基づいて利用者の月経開始日などを判定するとしてもよい。
なお、上記実施の形態では、月経周期判定部105は、毎日の月経日である可能性を、1日の平均洗浄時間t3に基づいて判定したが、本発明はこれに限定されず、例えば、1日における洗浄時間t1の最大値に基づいて判定するとしてもよい。具体的には、1日における洗浄時間t1の最大値が10秒以上である場合、月経日である可能性が高いと判定する。また、1日における洗浄時間t1の最大値が10秒未満かつ3秒以上である場合、月経日である可能性がややあると判定する。さらに、1日における洗浄時間t1の最大値が3秒未満である場合、月経日である可能性がないと判定する。
なお、上記実施の形態では、毎日の月経日である可能性の度合いを「◎」、「○」および「×」などの記号を用いて表したが、必ずしもこのような記号を用いる必要はなく、可能性の度合いを区別することができれば、どのような表し方であってもよい。例えば、可能性が高い場合を「3」、やや可能性がある場合を「2」、可能性がない場合を「1」というように数字で表してもよいし、アルファベットで表してもよい。また、アルファベットと数字とを組み合わせて表してもよい。さらに、上記実施の形態では、可能性の度合いを3段階で表したが、何段階で表してもよい。
なお、上記実施の形態では、ワイド洗浄の使用があれば月経日の可能性が高い「◎」と判定したが、ワイド洗浄の使用の有無に拘らず、ビデ洗浄時間だけに基づいて月経日の可能性の判定を行うとしてもよい。
なお、上記実施の形態では、月経周期判定部105は、月経可能性の項目で「◎」または「○」が連続する日数が2日以上、4日以下である場合には、月経期間を一律5日と判定すると説明したが、本発明はこれに限定されず、5日〜7日の間であれば、月経期間を何日と判定してもよい。また、月経周期判定部105は、「◎」が連続する日数が2日以上、4日以下である場合には、さらに、それに続いて「○」が連続する日数を加算して、5日〜7日の間で月経期間を判定するとしてもよい。
また、上記実施の形態では、月経周期判定部105が月経開始日を判定する際には過去35日分の月経可能性の履歴を参照し、月経周期推定部106が次回の月経開始日を判定する際には過去50日分の履歴を参照すると説明したが、これらは必ずしも35日と50日とである必要はなく、35日以上であれば何日分の履歴を参照するとしてもよい。例えば、いずれの判定の際にも一律、過去40日分の履歴を参照するとしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、月経開始日から次の月経開始日までの日数Tが25≦T≦38を満足しない場合には「判定不能」としたが、月経周期判定部105による月経開始日の判定誤差の可能性を考慮して次の月経開始日を判定するとしてもよい。例えば、月経周期判定部105による月経開始日の判定誤差が0日〜3日までの範囲であると想定した場合、22≦T≦24の場合には月経周期を25日として次の月経開始日を算出し、39≦T≦41の場合には月経周期を38日として次の月経開始日を算出するとしてもよい。
なお、上記実施の形態では、利用者によってビデ洗浄装置116が利用される都度、月経周期モニタ装置100がビデの利用履歴を蓄積し、月経日の可能性の判定、月経開始日の判定および次の月経開始日の判定を行う場合について説明したが、これらの判定は、ビデ洗浄装置116の毎日初回の利用時に、前日までの利用履歴に基づいて行うものとし、それ以外の利用時には、ビデ洗浄の利用についての新たな履歴を記憶部104に蓄積することのみにより利用データ600を更新するとしてもよい。これにより、毎回、上記判定を行う場合と比べて、ビデ洗浄装置116および月経周期モニタ装置100の消費電力を低減することができる。
本発明の月経周期モニタ装置は、ビデ洗浄装置およびビデ洗浄装置を備える便座または便器などのトイレ設備として有用である。また、本発明の月経周期モニタ装置は、通信機能を備えるビデ洗浄装置のリモコン、パーソナルコンピュータ、サーバ装置、携帯端末または携帯電話機などとして有用である。
本発明の実施の形態1におけるビデ洗浄装置および月経周期モニタ装置の構成を示す機能ブロック図である。 図1に示した月経周期モニタ装置が組み込まれたビデ洗浄装置のリモコンおよび本体部の外観を示す図である。 図2に示したリモコンの外観およびリモコンの液晶ディスプレイに表示される利用者選択画面の一例を示す図である。 図3に示したリモコンの液晶ディスプレイに表示されるノズル位置設定画面の一例を示す図である。 図1に示した月経周期モニタ装置が利用者の月経周期を判定し、判定結果を利用者に提示するまでの動作を示すフローチャートである。 月経周期判定部によるビデ洗浄時間t1の算出方法を示すグラフである。 図1に示した記憶部内に格納される利用データの一例を示す図である。 月経期間とそれ以外の期間とにおけるビデ洗浄の一般的利用パターンを示すグラフである。 図1に示した月経周期判定部が毎日の月経日の可能性と過去の月経開始日を判定するための判定基準を示したテーブルである。 (a)は、月経周期判定部が日別の平均洗浄時間t3に基づいて毎日の月経日の可能性を判定するための判定基準を示したテーブルの一例を示す図である。 (b)は、図10の月経カレンダに基づいて利用者の月経開始日を判定するための判定基準を示したテーブルの一例を示す図である。 図1に示した記憶部内に作成される月経カレンダの一例を示す図である。 月経周期判定部が図9(b)に示したテーブルに従って月経開始日を判定する際の動作を示すフローチャートである。 月経周期推定部が図10の月経カレンダに示されている過去50日間の月経開始日の項目に基づいて次の月経開始日を判定するための判定基準を示すテーブルの一例を示す図である。 月経周期推定部が図12に示したテーブルに従って次の月経開始日を判定する際の動作を示すフローチャートである。 図1に示した月経周期モニタ装置に、さらに排卵日推定部を備えた場合の判定結果を表示したカレンダの一例を示す図である。
符号の説明
100 月経周期モニタ装置
101 情報処理部
102 個人識別部
103 時計部
104 記憶部
105 月経周期判定部
106 月経周期推定部
107 入力部
108 表示部
110 操作部
111 ビデ洗浄スイッチ
112 ワイド洗浄スイッチ
113 停止スイッチ
114 制御部
115 洗浄用ノズル
200 操作キー
201 利用者選択キー
202 選択決定キー
203 温度/強さ調節キー
204 おしり洗浄キー
208 液晶ディスプレイ
210 リモコン
211 ビデ洗浄キー
212 ワイド洗浄キー
220 本体部
230 便座
231 便器

Claims (11)

  1. 利用者の月経周期を判定する月経周期モニタ装置であって、
    膣部を洗浄するビデ洗浄装置の利用量を計測する利用量計測手段と、
    計測された前記利用量の履歴を日付ごとに蓄積する履歴蓄積手段と、
    前記履歴蓄積手段に蓄積された前記利用量の履歴に基づいて、利用者の月経周期を判定する月経周期判定手段と
    を備えることを特徴とする月経周期モニタ装置。
  2. 前記利用量は、前記ビデ洗浄装置のビデ洗浄時間であって、
    前記利用量計測手段は、前記ビデ洗浄時間を計測するタイマを備え、
    前記履歴蓄積手段は、計測された前記ビデ洗浄時間の履歴を蓄積し、
    前記月経周期判定手段は、前記ビデ洗浄時間の履歴において月経日である可能性がある日を判定する月経日判定部を備え、
    前記月経周期判定手段は、前記月経日判定部による判定結果に基づいて、前記利用者の月経周期を判定する
    ことを特徴とする請求項1記載の月経周期モニタ装置。
  3. 前記月経周期判定手段は、さらに、前記月経日判定部によって月経日である可能性があると判定された日の連続日数に応じて、前記履歴における利用者の月経開始日を判定する月経開始日判定部を備え、
    前記月経周期判定手段は、前記月経開始日判定部による判定結果に基づいて、前記利用者の月経周期を判定する
    ことを特徴とする請求項2記載の月経周期モニタ装置。
  4. 前記月経周期判定手段は、前記履歴において前記月経開始日判定部によって判定された1つの月経開始日から次の月経開始日までの期間を、当該期間の長さに応じて、前記利用者の月経周期と判定する
    ことを特徴とする請求項3記載の月経周期モニタ装置。
  5. 前記月経周期モニタ装置は、さらに、
    前記月経周期判定手段の判定結果に基づいて、前記履歴以降の月経開始日を推定する月経開始日推定手段
    を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の月経周期モニタ装置。
  6. 前記月経周期モニタ装置は、さらに、
    前記月経開始日推定手段による推定結果に基づき、前記履歴以降の排卵日を推定する排卵日推定手段
    を備えることを特徴とする請求項5記載の月経周期モニタ装置。
  7. 前記月経周期モニタ装置は、さらに、
    前記月経周期判定手段による判定結果を利用者に提示する提示手段
    を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の月経周期モニタ装置。
  8. 前記月経周期モニタ装置は、さらに、利用者から、当該利用者を特定するための識別情報の入力を受け付ける入力手段を備え、
    前記履歴蓄積手段は、計測された前記利用量の履歴を特定された利用者ごとに蓄積し、
    前記月経周期判定手段は、前記履歴蓄積手段に蓄積されている前記利用量の履歴に基づいて、特定された利用者の月経周期を判定する
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の月経周期モニタ装置。
  9. 利用者の月経周期を判定する月経周期モニタ方法であって、
    膣部を洗浄するビデ洗浄装置の利用量を計測する利用量計測ステップと、
    計測された前記利用量の履歴を日付ごとに蓄積する履歴蓄積ステップと、
    前記履歴蓄積ステップにおいて蓄積された前記利用量の履歴に基づいて、利用者の月経周期を判定する月経周期判定ステップと
    を含むことを特徴とする月経周期モニタ方法。
  10. 利用者の月経周期を判定する月経周期モニタ装置のためのプログラムであって、
    コンピュータを請求項1〜8のいずれか1項に記載の各手段として機能させるためのプログラム。
  11. 請求項10記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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