JP2005037278A - 健康管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 排尿時に血液が検出された場合、月経期出血や排卵期出血と、病気により起こる不正出血とを見分けることができる健康管理システムを提供する。
【解決手段】 健康管理システム100は、月経周期と連動して分泌量が周期的に推移する生体排泄物中のホルモン量を検出するホルモン検出部104と、生体排泄物中から血液を検出する血液検出部105と、現在日付を計測する時計部114と、ホルモン検出部104および血液検出部105の検出結果を、検出の日付に対応付けて蓄積する記憶部117と、記憶部117に蓄積されているホルモン量の周期的変化に基づいて、使用者の月経周期を推定する月経周期カレンダ部115と、月経周期カレンダ部115の推定結果および血液検出部105の検出結果に基づいて、出血があれば、それが不正出血であるか否かを判定する不正出血判定部116とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トイレ設備において女性使用者の生体排泄物を検出し、検出結果に基づいて使用者の健康状態を判定し、判定結果に基づいたアドバイスを使用者に提供して使用者の健康管理を支援する健康管理システムに関する。
女性の月経周期に関与するホルモンは、主として、エストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)およびLH(黄体形成ホルモン)などがあるとされている。これらのホルモンは、月経周期によりそれぞれ分泌量が変化する。
エストロゲンは、卵巣内莢膜細胞、顆粒膜細胞、黄体細胞から主に産生され、排卵前に急増する。プロゲステロンは、黄体ホルモンの代表的なものであり、卵巣黄体、莢膜細胞、副腎皮質網状層、胎盤などで主に産生され、排卵後に急増する。エストロゲンとプロゲステロンは共に、視床下部と下垂体からなるホルモン調節機構にフィードバックをかけ、FSHとLHの産生量などを調節する働きを持つ。
FSHとLHは共に、下垂体前葉の好塩基細胞から分泌され、視床下部から分泌されるゴナドトロピン放出ホルモンによって産生と放出が調節される。LHは卵巣の莢膜細胞に作用してアンドロゲンの産生を促進し、また、成熟卵細胞の顆粒膜細胞に作用して、排卵、黄体化を生じさせ、黄体からのホルモン分泌を促進する働きを持つ。FSHは顆粒膜細胞に作用して卵胞の発育を促進するほか、莢膜細胞から供給されたアンドロゲンをエストロゲンへ転換させる働きがある。また、顆粒膜細胞の黄体形成ホルモンレセプターを誘導する働きを持つ。卵胞期初期では、卵胞が未熟なためエストロゲン値は低く、エストロゲンのFSH分泌抑制作用は弱いので、FSH値は上昇し、結果として、卵胞発育が進行する。卵胞期中期から後期にかけて、卵胞成熟に伴うエストロゲンの増加により、FSHは抑制されて低値となる。排卵期にはエストロゲンの急激な増加が起こり、視床下部と下垂体からなるホルモン調節機構に正のフィードバックをかけるため、LHの急激な増加(LHサージ)が起こる。黄体期になると、エストロゲンとプロゲステロンの上昇が視床下部と下垂体からなるホルモン調節機構に負のフィードバックをかけるため、FSH、LHは低い値となる。黄体期末期になると、エストロゲンとプロゲステロンは低下し、FSH値は負のフィードバックから開放されて、上昇する(例えば、非特許文献1参照)。
以上のように、エストロゲン、プロゲステロン、FSHおよびLHは、女性の月経周期の各段階で分泌量が変動するため、分泌されるホルモン量を知ることにより、月経周期における月経期、卵胞期、排卵期、黄体期のどの段階にあるのかを判定することができる。
そこで、従来、このホルモン分泌量の変動に着目し、女性の生体排泄物中のホルモンを検出して女性の月経周期や健康状態を管理するものが考案されている。たとえば、トイレ空間において月経血を検知して、次回の月経開始日や排卵日などの月経周期を推定する婦人用体調管理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
あるいは、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)とステロイドホルモンとの関係から、女性特有のガン(子宮ガン、乳ガン、卵巣ガン)の発症の危険率を推定し、表示する健康管理システムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−75352号公報 特開平8−5638号公報 監修 加藤宏一、「産科婦人科学」へるす出版(1999)、 第13−20頁
上述のように、生体排泄物から月経血を検知して、月経周期を判定することができるものはあるが、この場合、月経血であっても、不正出血であっても、単に出血と検知するため、検知された出血が女性特有の病気を原因とする不正出血であるかどうかが分からず、不正出血を伴う病気の早期発見にはつながらない。
あるいは、女性ホルモンとステロイドホルモンとの関係から、女性特有のガンの発症率を推定する健康管理システムがあるが、これはガン以外の女性特有の病気、例えば、子宮筋腫や子宮内膜症などの不正出血を伴う病気を予知することができないのが実態である。
本発明は、上記課題に鑑み、使用者の排尿時に血液が検出された場合、月経期または排卵期の正常な出血と、女性特有の病気による不正出血とを見分け、病気の早期発見を促し、使用者の日常的な健康管理を支援することができる健康管理システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の健康管理システムは、トイレ設備を使用する使用者の生体排泄物を検出し、前記検出結果に基づいて、前記使用者の健康管理を支援する健康管理システムであって、生体排泄物中のホルモンの量を検出するホルモン検出手段と、前記生体排泄物中から血液を検出する血液検出手段と、現在日付を計測する時計手段と、前記ホルモン検出手段および前記血液検出手段の検出結果を、当該検出の日付に対応付けて蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積されている前記ホルモン量の周期的変化に基づいて、前記使用者の月経周期を推定する月経周期推定手段と、前記月経周期推定手段の推定結果および前記血液検出手段の検出結果に基づいて、出血があれば、それが病的な出血である不正出血であるか否かを判定する不正出血判定手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の前記不正出血判定手段は、前記月経周期推定手段により、月経周期を構成する月経期および排卵期のいずれでもないと推定された期間において、前記血液検出手段によって血液が検出された場合、不正出血であると判定するとしてもよい。
また、本発明の前記健康管理システムは、さらに、前記使用者から、個人を特定するための識別情報を含む個人に関する情報の入力を受け付ける入力手段と、前記使用者に対し、前記不正出血判定手段の判定結果に応じた健康管理に関する情報を報知する報知手段とを備え、前記蓄積手段は、前記ホルモン検出手段および前記血液検出手段の検出結果を、前記識別情報で特定される個人ごとに蓄積し、前記月経周期推定手段は、前記識別情報で特定される個人に対して蓄積されている前記ホルモン量の周期的変化に基づいて、前記月経周期を推定するとしてもよい。
さらに、本発明の前記ホルモン検出手段は、前記ホルモンとしてエストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)およびLH(黄体形成ホルモン)のうち少なくとも1つを検出するとしてもよい。
また、本発明の前記月経周期推定手段は、さらに、前記蓄積手段に蓄積されているホルモン量の推移に基づいて、前記使用者が更年期であるか否かを判定する更年期判定手段を備え、前記不正出血判定手段は、前記更年期判定手段による判定結果に応じて、前記使用者の不正出血を判定するとしてもよい。
さらに、本発明の前記ホルモン検出手段は、さらに、前記生体排泄物中のHCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)を検出する第2ホルモン検出手段を備え、前記月経周期推定手段は、さらに、前記第2ホルモン検出手段の検出結果に基づいて、使用者が妊娠中であるか否かを判定する妊娠判定手段を備え、前記不正出血判定手段は、前記妊娠判定手段による判定結果に応じて、前記使用者の不正出血を判定するとしてもよい。
なお、本発明は、このような健康管理システムとして実現することができるだけでなく、このような健康管理システムが備える特徴的な手段をステップとする健康管理方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
以上のように、本発明の健康管理システムによれば、月経周期と連動して分泌量が周期的に推移するホルモンの量の周期的変化に基づいて月経周期を推定し、併せて排泄物中の血液を検出するので、排泄物中への血液の混入が検出されたとき、その出血が病的な出血であるか否かを的確に判断することができる。
具体的には、本発明の健康管理システムは、排泄物中に検出された血液が、正常な出血である月経期出血および排卵期出血のいずれでもない場合に、不正出血であると判定するので、判定結果を使用者に知らせることにより、不正出血をともなう女性特有の病気やホルモンの分泌異常の早期発見につなげることができるという効果がある。
また、本発明の健康管理システムは、蓄積されているホルモン量の推移に基づいて、使用者が更年期であるか否かを判定した上、更年期または閉経後の不正出血を判定するので、判定結果を使用者に知らせることにより、更年期以降のガンなどの重大な病気の早期発見につなげることができる。
また、本発明の健康管理システムは、生体排泄物中のHCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)を検出して使用者が妊娠中であるか否かを判定した上、妊娠中の不正出血を判定するので、判定結果を使用者に知らせて医療機関の受診を促すことにより、子宮外妊娠や切迫流産などの妊娠中の異常の早期発見につなげることができる。
(実施の形態1)
以下では、本発明の実施の形態1における健康管理システムについて説明する。
まず、本発明における、不正出血について説明する。不正出血とは、通常の月経期または排卵期以外の時に、膣、子宮などから出血があった場合のことをいう。不正出血には、何らかの病気が原因で起こる器質性出血とホルモンの分泌異常による機能性出血とがあり、本発明でいう不正出血は、この器質性出血と機能性出血とを指す。器質性出血の要因となる主な病気として、子宮ガン、子宮頚管ポリープ、子宮筋腫、子宮内膜症、膣炎などがあげられる。また、機能性出血には、排卵がないためにプロゲステロンが分泌されず、エストロゲンの分泌が持続することによる破綻出血や、エストロゲンおよびプロゲステロンが急激に減少することによって惹起される子宮出血である消退出血などがあげられる。
図1は、本発明の実施の形態1における健康管理システム100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、健康管理システム100は、トイレ使用者の排尿時に尿中に混入された血液を検出し、使用者の月経期または排卵期以外の期間における不正出血が認められた場合には、使用者に対し、医療機関の受診を促すメッセージを提示するシステムであって、近距離無線またはケーブル(外部バス)などによって相互に接続された測定部101および本体部110を備える。測定部101は、ビデなどの人体洗浄装置または便器に組み込まれており、採尿部102、検出部103、着座センサ106およびI/F部107を備える。検出部103は、採尿部102によって採取された尿中のホルモンおよび血液の濃度を検出する処理部であって、ホルモン検出部104および血液検出部105を備える。本体部110は、トイレ壁面等に取り付けられ、測定部101において測定された測定結果に対して演算を施し、検出された出血が不正出血であるか否かをテーブル等を参照して判定し、不正出血であれば使用者に対して医療機関の受診を促すメッセージなどを表示するための各処理部を格納したボックスであって、I/F部111、入力部112、演算部113、記憶部117(請求項でいう蓄積手段)および報知部118を備える。演算部113は、時計部114、月経周期カレンダ部115(請求項でいう月経周期推定手段)および不正出血判定部116を備える。
採尿部102は、便器または人体洗浄器に取り付けられた可動式の尿受けなどであって、使用者によって排出された尿を採取する。例えば、採尿部102は、演算部113からの制御信号によって起動され、演算部113によって指定された採尿位置まで移動し、排出された尿を採取する。ホルモン検出部104は、採尿部102により採取された尿から、女性の月経周期と密接に関連のあるエストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)およびLH(黄体形成ホルモン)の尿中濃度を検出する。ホルモン検出部104は、例えば、各ホルモンに特異的に結合する抗体を用いた化学発光免疫測定法により、尿中のホルモン濃度を検出する。血液検出部105は、採尿部102により採取された尿から、尿中に混入された血液の濃度を検出する。血液検出部105は、例えば、分光光度計により尿中のヘモグロビンの吸光度を測定することによって尿中の血液濃度を検出する。着座センサ106は、使用者による便座への荷重を検出することによって使用者の着座を検出する圧力センサなどである。着座センサ106は、使用者の着座を検出すると、検出部103および本体部110とに着座検出信号を出力し、検出部103と本体部110とを起動する。I/F部107は、測定部101において測定されたホルモン濃度を表すデータと出血量を表すデータとを、伝送用のフォーマットに変換し、近距離無線またはケーブルなどを介して本体部110に送出する。また、I/F部107は、本体部110の演算部113から出力された制御信号を採尿部102に送出する。
I/F部111は、近距離無線通信またはケーブルなどを介して測定部101から受け取ったデータを本体部110の内部で処理可能なフォーマットに変換し、変換結果のデータを演算部113に出力する。入力部112は、使用者によるキー操作に従って、使用者の性別および年齢などの個人情報、使用者を特定するための識別情報および使用者個人の月経周期、月経開始日および閉経など、月経に関する情報等の入力を受け付ける。演算部113は、時計部114、月経周期カレンダ部115および不正出血判定部116の各部による処理の他に、以下の処理を行う。まず、演算部113は、着座センサ106からの着座検出信号によって起動され、起動時に、報知部118により、使用者に対して個人を識別するための入力を案内する。使用者による入力部112への入力により、演算部113は使用者を特定し、使用者ごとにあらかじめ登録されている採尿位置のうちから、特定された使用者の採尿位置を記憶部117から読み出す。さらに、採尿部102を起動して、読み出された採尿位置まで採尿部102を移動させるための制御信号を出力する。また、演算部113は、測定部101から測定結果が入力されると、測定結果の測定日時である現在日時を時計部114から取得して測定結果に添付し、個人別に記憶部117に蓄積する。また、演算部113は、あらかじめ記憶部117内に格納されているテーブルを参照して、検出部103からの測定値を何段階かのレベルに分類し、記憶部117内に蓄積する。
時計部114は、現在の日付(年月日)および時刻を計測する。月経周期カレンダ部115は、記憶部117に蓄積されている所定のホルモンの分泌量の変化に基づき、使用者の月経期、卵胞期、排卵期、黄体期などの月経周期を算出し、月経周期カレンダを作成する。不正出血判定部116は、月経周期カレンダ部115において推定された月経周期と、記憶部117に格納されている個人情報と、各測定日における出血量を示す情報とに基づき、使用者の現在の出血が不正出血であるか否かを判定する。現在、検出された出血が不正出血であると判定した場合、不正出血判定部116は、使用者に対して医療機関の受診を促す旨のメッセージを記憶部117から読み出して、報知部118に表示させる。記憶部117は、月経周期カレンダ部115が使用者の月経周期を判定するための各ホルモンの基準値などが記述されているあらかじめ作成されたテーブルなどを記憶している。さらに、記憶部117は、ホルモン検出部104および血液検出部105における検出結果を蓄積し、入力部112から入力された使用者の性別および年齢などの個人情報や、月経周期カレンダ部115において得られた月経周期カレンダなどを保持するための記憶領域を有する。報知部118は、本体部110に備えられた液晶ディスプレイなどであって、使用者の個人情報、不正出血判定部116で得られた不正出血か否かの判定結果、次回月経予定日およびホルモン量の推移グラフなどの健康管理情報を表示し、使用者に報知する。
図2は、図1に示した健康管理システム100を実現するトイレ装置200の外観の一例を示す図である。図2に示すように、トイレ装置200は、図1に示した測定部101が組み込まれた便器201と、測定部101で測定された情報を処理し、報知部118によって処理結果を使用者に報知する本体部210とを備えている。すなわち、本体部210は、図1に示した本体部110の外観の一例である。図2に示すように、トイレ装置200の便器201には、可動式尿受け202、尿検査部203および着座センサ204などが備えられる。可動式尿受け202は、図1に示した採尿部102の一例であり、排泄された尿を採取する。尿検査部203は、図1に示した検出部103の一例であり、内部に、図1に示した血液検出部105とホルモン検出部104とを備える。血液検出部105は、可動式尿受け202に採取された尿の一部を取得し、ヘモグロビンに対応する波長の吸光度を測定して尿中の血液濃度を測定する。ホルモン検出部104は、測定されるホルモンごとに、可動式尿受け202に採取された尿の一部を取得し、検査試薬を混合して光学的に尿中のホルモン濃度を測定する。着座センサ204は、図1に示した着座センサ106であり、使用者が便座に着座した際の便座への荷重を検出し、測定部101および本体部110の各部を起動させるための着座検出信号を出力する。
また、トイレ装置200の本体部210には、液晶ディスプレイ211および操作キー212が備えられている。液晶ディスプレイ211は、図1に示した入力部112および報知部118の一例であり、液晶表示パネルの下層にタブレットなどが積層されており、使用者の月経周期を示すカレンダや、使用者に対して識別情報および月経に関する情報の入力を促すメッセージなどを表示する。また、液晶ディスプレイ211は、操作キー212以外の入力用ボタンなどを表示し、ユーザがボタンの表示領域を押圧することにより、下層のタブレットからボタンの座標位置に対応した信号を入力する。操作キー212は、使用者が液晶ディスプレイ211に表示される表示内容を切替えたり、個人の識別情報や身体に関する情報を入力したりするための入力操作部である。
図3は、一月経周期におけるホルモン分泌量の変化と出血量の変化とを示す図である。図3に示すように、エストロゲン、プロゲステロン、FSHおよびLHなどのホルモンは、女性の月経周期の各段階で分泌量が変動するため、これらの分泌量やその推移を知ることにより、使用者が現在月経周期のどの段階にあるのかを判定することができる。例えば、排卵期は、LHの急激な増加(LHサージ)が起こる期間であり、この直前の期間が卵胞期、直後の期間が黄体期である。卵胞期はエストロゲンの増加、黄体期はプロゲステロンの増加が見られるなどの特徴がある。また、黄体期の期間は、月経周期のような個人差が少なく、ほぼ14日で一定である。これにより、月経周期カレンダ部115は、測定されたLH濃度が高く、かつ、FSH濃度が高い期間を排卵期と推定し、プロゲステロン濃度が高く、かつ、LH濃度が低く、かつ、FSH濃度が低い期間を黄体期と推定する。このように予測された月経開始日に前後して、血液検出部105によって出血が検出された場合には、その出血は月経血である。従って、月経周期カレンダ部115は、予測した月経開始日に前後して最初に出血が検出された日を正しい月経開始日とし、予測していた月経開始日と最初の出血の日とが一致しない場合には、作成していた月経周期カレンダを、検出された最初の出血の日が以降の月経期(月経周期)の開始日となるよう修正して、新たな月経周期カレンダを作成するとしてもよい。また、月経周期カレンダ部115は、使用者のホルモンバランスの乱れによってこのような組み合わせを判別することができない場合には、エラー処理として「月経周期を判定できません。ホルモンバランスの乱れが見うけられます。専門医の受診をお勧めします。」などのメッセージを報知部118に報知させ、尿中に検出されたホルモン濃度の推移を表すグラフなどを報知部118に表示させる。
また、不正出血判定部116は、同図に示すように、月経周期カレンダ部115によって予測された月経期または排卵期以外の期間(すなわち、卵胞期または黄体期)において、尿中に混入された血液が血液検出部105によって検出された場合、その出血が不正出血であると判定する。不正出血判定部116は、不正出血であると判定した場合、記憶部117から報知すべきメッセージを読み出して、報知部118に報知させる。具体的には、読み出したメッセージを例えば、液晶ディスプレイ211に表示させる。また、さらに、不正出血判定部116は、不正出血を判定した際に、その日が月経周期のどの期間であるか、または月経周期カレンダ部115においてエラー処理が行われているか否かに応じて、出血の日の直前の2〜3日間に測定されたホルモン濃度を調べ、機能性出血であるか器質性出血であるかを判定するとしてもよい。例えば、機能性出血の場合、破綻出血であれば、黄体期になってもプロゲステロンが分泌されない状態であり、消退出血であれば、エストロゲンおよびプロゲステロンの分泌量がともに急激に低下するという特徴がある。従って、黄体期の不正出血については、出血の直前の2〜3日間のプロゲステロンの分泌量の変化を調べればよい。また、卵胞期の不正出血については、出血の直前の2〜3日間のエストロゲンとプロゲステロンの分泌量の変化を調べればよい。
図4は、図1に示した記憶部117内に蓄積される測定データ400の一例を示す図である。ただし、ここではエストロゲンおよびFSHの測定値を省略している。図4に示すように、記憶部117内に個人別に蓄積される測定データ400には、それぞれ、演算部113が使用者を特定するための識別情報(例えば、「使用者A」「使用者B」など)が付されている。さらに、個人別の各測定データ400には、使用者があらかじめ登録しておいた使用者の個人情報(例えば、年齢、身長および体重など)が付されている。また、各測定データ400には、測定日、測定時刻、出血量、判定結果、LH濃度、プロゲステロン濃度および月経周期などを示す項目が記述されている。測定日および測定時刻の各項目には、演算部113が検出部103から測定値を受け取った日付と時刻とが記述される。出血量の項目には、各測定日における血液検出部105での測定結果である尿中の血液濃度が記述される。判定結果の項目には、出血量の項目に記述された測定値に対する不正出血判定部116の判定結果が記述される。この項目には、検出部103において出血量および尿中ホルモン濃度が測定される都度、不正出血判定部116において不正出血か否かの判定が行われ、判定結果が書き込まれる。LH濃度およびプロゲステロン濃度の各項目には、それぞれ、各測定日におけるホルモン検出部104の測定結果である尿中のLH濃度とプロゲステロン濃度とが記述される。ここで、測定データ400では、出血量、LH濃度およびプロゲステロン濃度などの各測定値が、最小値の最弱レベルから月経周期において最大値となる最強レベルまで4段階(−、+、++、+++)に区分されたレベルで表されている。月経周期カレンダ部115は、測定されたLH濃度が、例えば(++)または(+++)で、かつ、FSH濃度が(++)の期間を、排卵期と推定する。また、測定されたプロゲステロン濃度が、例えば(++)または(+++)で、かつ、LH濃度が(−)、かつ、FSH濃度が(−)の期間を、黄体期と推定する。このようにして推定された月経周期に基づいて、測定データ400の月経周期の項目には、各測定日が使用者の月経周期のうちのどの期間にあたるかが記述される。
図4に示した例では、使用者Aさんの測定データ400に、2002年2月の17日と18日とにおいて弱い(+)レベルの出血が検出されたことが示されている。17日と18日とに測定されたLH濃度はいずれも(−)であり、17日と18日とに測定されたプロゲステロン濃度はいずれも(+++)である。従って、月経周期カレンダ部115によって、17日と18日とは、使用者Aさんの黄体期と推定されている。この結果、不正出血判定部116は、17日と18日とに検出された出血が、不正出血であると判定している。
図5は、図4に示した測定データ400に基づいて使用者の排尿時に液晶ディスプレイ211に表示されるメッセージ画面500の一例を示す図である。図5に示すように、図2に示した本体部210の前面には、液晶ディスプレイ211と操作キー212とが備えられている。使用者が便座に着座すると本体部110が起動され、液晶ディスプレイ211には、まず、使用者を特定するために識別情報の入力を促す図示しない案内文が表示される。表示された案内文に従って、使用者が例えば、「A」と表示されている操作キー212を押すことにより、識別情報として「使用者A」が入力される。これにより、可動式尿受け202が「使用者A」さんに対してあらかじめ登録されている採尿位置まで移動して採尿し、検出部103が測定を開始する。検出部103による測定の結果に基づいて、不正出血判定部116での判定が終了すると、判定結果に応じたメッセージが液晶ディスプレイ211に表示される。
同図に示すように、メッセージ画面500には、例えば、現在日付「2002年2月18日」、登録者名「Aさん」、年齢「19歳」、現在の月経周期「黄体期」、前回月経開始日「1月26日」、次回月経予定日「2月24日」およびメッセージ「出血が見られます。早めに専門医に相談しましょう。」などの健康アドバイスが表示されている。このように、メッセージ画面500では、使用者に対して現在の月経周期と不正出血があった旨のメッセージとを併せて表示するので、使用者が専門医を受診する際にも医師の診断の参考になる情報を提示することができ、有用である。さらに、使用者にとっては、毎日の排尿時に次の月経予定日を知ることができ、便利であるという効果がある。
また、メッセージ画面500の下部には、「カレンダー」、「データ修正」および「新規」などの表示ボタンが表示されている。例えば、使用者が「カレンダー」という表示ボタンを押圧することにより、演算部113は、月経周期カレンダ部115によって作成された月経周期を示すカレンダを記憶部117から読み出し、液晶ディスプレイ211に表示させる。また、ホルモン検出部104により検出され、記憶部117に記憶されている月経周期におけるホルモン分泌量の変化を図3に示したようなグラフを用いて表示してもよい。また、使用者が「データ修正」という表示ボタンを押圧することにより、演算部113は、「使用者A」さんについてあらかじめ登録されている年齢、身長および体重などの個人情報や、前回の月経開始日や、可動式尿受け202の採尿位置などを修正するための編集画面を液晶ディスプレイ211に表示させる。また、使用者が「新規」という表示ボタンを押圧することにより、演算部113は、新たな使用者を記憶部117に登録するための入力を受け付ける入力画面を液晶ディスプレイ211に表示させる。
次に、図1に示した健康管理システム100を使用者が使用し、健康に関するアドバイスを入手するまでの動作について説明する。特に採尿から結果表示までについては、図1、図2および図6を用いて説明する。図6は、図1に示した健康管理システム100の採尿から判定結果の表示までの動作を示すフローチャートである。
使用者が便座に着座すると、自動的に健康管理システム100の電源が作動する。使用者が本体部210に備えられた操作キー212などを操作することにより、使用者の年齢、性別などの個人情報を入力すると、入力された内容は液晶ディスプレイ211の画面上に表示される。これら年齢、性別などの個人情報は、記憶部117に登録することが可能であり、一度登録すると、次回使用時からは、登録情報を読み出して使用できる。次に、使用者が排尿すると、採尿部102は可動式尿受け202により尿を自動的に採取する(S601)。このような動作は、例えば、通常毎朝初めての排尿の際に行われるものとする。ホルモン検出部104は、採尿された尿中の所定のホルモン量を検出し(S602)、検出結果を本体部110に送信する。演算部113は、測定部101から受け取った検出結果を測定日時とともに記憶部117に格納する(S603)。また、血液検出部105は、尿中の血液濃度を検出し(S604)、検出結果を本体部110に送信する。演算部113は、測定部101から受け取った検出結果を測定日時とともに記憶部117に格納する(S605)。
不正出血判定部116は、血液検出部105による検出結果に基づき、当日の出血の有無を判断し(S606)、出血がない場合は、液晶ディスプレイ211に、ホルモン量の推移のグラフと使用者が月経周期のどの期間(月経期、排卵期、卵胞期および黄体期)にあるかを表示する(S611)。出血があった場合は、月経周期カレンダ部115によって作成され、記憶部117内に格納されている月経周期カレンダを参照して、測定日において、使用者が月経周期のどの時期にあるかを調べ(S607)、月経期または排卵期であるかどうかを判断する(S608)。月経期ならば月経血、排卵期ならば排卵期出血と判定し、たとえば月経血の場合は、「生理中は無理をしないで」、また排卵期出血の場合は、「出血が認められましたが排卵期出血の可能性もあります。様子を見て出血が続くようなら専門医を受診しましょう。」などのアドバイスを液晶ディスプレイ211に表示する(S610)。また、使用者が排卵期または月経期のいずれでもない場合は、不正出血が疑われると判定し、「出血が見られますので、早めに専門医に相談しましょう。」などのアドバイスを液晶ディスプレイ211に表示し、不正出血の疑いがあることを使用者に警告して、医療機関の受診をうながす(S609)。
以上のように、実施の形態1の健康管理システム100は、使用者の排尿時に、便器にとりつけられた採尿部102(可動式尿受け202)により自動的に尿を採取し、尿中の血液量とホルモン量とを検出し、尿中に出血が検出された場合には月経期出血、排卵期出血または不正出血のいずれであるかを判定し、使用者に知らせることができる。したがって、使用者は採尿や基礎体温の測定などの煩雑な作業を行うことなく、日常生活において、容易に自分の月経周期や不正出血を知ることができ、ひいては不正出血を伴う女性特有の病気の早期発見および早期治療につなげることができるという効果がある。
なお、上記実施の形態では、ホルモン検出部104は、化学発光免疫測定法により尿中の各ホルモンの濃度を検出すると説明したが、本発明はこれに限定されず、ホルモン検出部104は、他の方法を用いて尿中のホルモン濃度を検出するとしてもよい。他の方法としては、例えば、蛍光色素を結合させた抗体をホルモンと結合させ分光光度計でその波長の吸光度を測定することによりホルモンの濃度を測定する蛍光免疫測定法、酵素免疫測定法(EIA)、抗体を結合させたラテックス粒子を用いた免疫凝集法および抗体を結合させた金コロイドなど用いたイムノクロマトグラフィー法などがある。また、将来、取り扱いにおいて安全が保障される場合には、ラジオアイソトープを用いた免疫測定法(RIA)を用いるとしてもよい。
また、血液検出部105は、尿中ヘモグロビンの吸光度を測定することによって尿中の血液濃度を検出すると説明したが、本発明はこれに限定されず、血液検出部105は、他の方法を用いて尿中の血液濃度を検出するとしてもよい。他の方法としては、例えば、尿中の血液濃度を検出する方法として、ヘモグロビンのヘム鉄偽ペルオキシターゼ作用を利用して試薬の色変化を検出する方法や、抗ヒトヘモグロビン抗体を感作したラテックス試薬を用い、ラテックス試薬とヘモグロビンの凝集反応による濁度の変化を検出する方法や、赤血球粒子の電気抵抗により赤血球数を検出する方法などがある。また、血液検出部105は、必ずしも尿中に混入される血液の濃度を検出する必要はなく、尿中への血液の混入の有無を検出するだけであってもよい。
さらに、測定部101に着座センサ106を設ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、着座センサ106はあってもなくてもよい。着座センサ106を設けない場合には、使用者が本体部110の操作キーを操作することにより、測定部101および本体部110を起動させるとしてもよい。
また、上記実施の形態では、測定部101と本体部110とがケーブルで接続される場合について説明したが、ケーブルの代わりに、赤外線通信により接続されるとしてもよい。この場合、I/F部107とI/F部111とは赤外線通信インタフェースである。
さらに、上記実施の形態では、演算部113がホルモン濃度および血液濃度の各測定値を(−)〜(+++)までの4段階のレベルに区分して記憶部117内に蓄積すると説明したが、これらは何段階のレベルに区分されてもよく、また、必ずしもレベルに区分されなくてもよい。また、測定データとして記憶部117に蓄積される際には測定された数値のままで格納され、月経周期が判定される直前に、レベルに区分されるとしてもよい。
また、上記実施の形態では、月経周期カレンダ部115は、測定されたLH濃度が(++)または(+++)で、かつ、FSH濃度が(++)の期間を排卵期と推定し、プロゲステロン濃度が(++)または(+++)で、かつ、LH濃度が(−)、かつ、FSH濃度が(−)の期間を黄体期と推定すると説明したが、必ずしもこの組み合わせで月経周期の判定を行わなくてもよい。また、ホルモン検出部104は、必ずしも上記すべてのホルモン濃度を測定しなくてもよい。例えば、ホルモン検出部104がLHの濃度変化を測定するだけでも、月経周期カレンダ部115は、使用者の月経周期を推定することができる。例えば、月経周期カレンダ部115は、ホルモン検出部104がLHの急激な増加(LHサージ)を検出してから3日間を排卵期とし、それに続く黄体期の14日を加算すると、次の月経期の開始日を予測することができる。従って、ホルモン検出部104は、エストロゲン、プロゲステロン、FSHおよびLHなどの月経周期と連動して分泌量が変化するホルモンのうち、少なくとも1つのホルモン濃度を測定するとしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、不正出血判定部116は、検出部103から測定結果を受け取る都度、不正出血であるか否かの判定を行うと説明したが、必ずしも測定の都度、不正出血であるか否かの判定を行う必要はなく、例えば、使用者からの入力による指示があればそのとき不正出血であるか否かの判定を行うとしてもよい。
なお、上記実施の形態では、不正出血があった旨のメッセージを報知する報知部118として、本体部210に備えられる液晶ディスプレイ211の例を示したが、これ以外にも、カラーランプを点灯させることによって不正出血があった旨を報知してもよいし、本体部210にスピーカを備え、音声案内によって不正出血があった旨と専門医の受診を促す旨とを報知するとしてもよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における健康管理システムについて説明する。図7は、実施の形態2における健康管理システム700の構成を示すブロック図である。健康管理システム700は、さらに、使用者の更年期、閉経および妊娠を判定し、併せてこれらの期間の不正出血を判定して、使用者に対し、健康に関するアドバイスを報知するシステムであって、近距離無線またはケーブル(外部バス)などによって相互に接続された測定部701および本体部710を備える。測定部701は、採尿部102、検出部703、着座センサ106およびI/F部107を備える。検出部703は、ホルモン検出部704および血液検出部105を備える。また、本体部710は、I/F部111、入力部112、演算部713、記憶部117および報知部118を備える。演算部713は、時計部114、月経周期カレンダ部715、不正出血判定部716、更年期判定部711および妊娠判定部712を備える。なお、図1に示した構成要素と同一の参照符号を付した構成要素については、すでに説明しているので、以下での説明を省略する。
図7に示すように、健康管理システム700は、図1に示した実施の形態1の健康管理システム100と比較して、測定部701における検出部703内のホルモン検出部704が図1のホルモン検出部104と異なり、本体部710における演算部713が図1の演算部113と異なる。ホルモン検出部704は、実施の形態1のホルモン検出部104が検出したホルモン濃度に加えて、さらに尿中のHCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)濃度を検出する点がホルモン検出部104と異なる。演算部713は、月経周期カレンダ部715、不正出血判定部716および記憶部717が図1に示した月経周期カレンダ部115、不正出血判定部116および記憶部117と異なり、新たに、更年期判定部711および妊娠判定部712を備えた点が実施の形態1の演算部113と異なる。更年期判定部711は、女性の更年期において特徴的なホルモン分泌と、個人情報としてあらかじめ登録された使用者の年齢とに基づいて、使用者が現在更年期であるか否かを判定する。妊娠判定部712は、ホルモン検出部704において検出されたHCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)の尿中濃度に基づいて、使用者が現在妊娠中であるか否かを判定する。月経周期カレンダ部715は、更年期判定部711または妊娠判定部712によって使用者が更年期または妊娠中であることが判定された場合には、それ以降、検出されたホルモン濃度の変化から月経周期を判定できない場合であってもエラー処理を行わず、検出された各ホルモン濃度の経日変化などをグラフで表示する。不正出血判定部716は、更年期判定部711または妊娠判定部712によって使用者が更年期または妊娠中であることが判定された場合には、例えば、それ以降、新たに月経周期カレンダ部715によって月経周期が判定されるまでの間、血液検出部105によって尿中への血液の混入が検出された場合、不正出血であると判定し、専門医の受診を促すメッセージを報知部118に報知させる。記憶部717は、図1の記憶部117があらかじめ保持しているテーブルに加えてさらに、更年期判定部711および妊娠判定部712がそれぞれの判定を行うためのテーブルを保持している点で図1の記憶部117と異なる。
以下では、更年期判定部711および妊娠判定部712の動作について詳細に説明する。
まず、更年期の定義、更年期におけるホルモン分泌の特徴および更年期障害の特徴について説明する。女性の加齢による生殖機能の衰退により、排卵が停止して受胎能力がなくなり、月経回数が減少し、最終的には停止する。月経が恒久的に停止することを閉経といい、閉経前後の数年間を更年期という。閉経が近くなると、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の分泌も低下する。またエストロゲンの血中濃度の低下をくい止めるため、FSHやLHが多く分泌され、エストロゲンレベルを維持しようする。更年期には、このようなホルモンバランスの変化が見られるのが特徴である。次に、エストロゲンの低下により起こる身体の症状について説明する。更年期には、顔面紅潮(ほてり、ホットフラッシュ)、発汗、不眠、あるいは、萎縮性膣炎、尿失禁、皮膚萎縮などの症状が見られ、また、骨粗しょう症や高脂血症、動脈硬化などの病気が発生しやすくなる。これらの症状を更年期障害という。エストロゲンは、骨の代謝に作用し、骨粗しょう症を防いだり、また、コレステロール値を下げて、高脂血症や動脈硬化を防いだりする。そのため、更年期障害には低下したエストロゲンを補充する「エストロゲン補充療法(女性ホルモン補充療法)」が効果的であるといわれている。
更年期判定部711は、記憶部717に蓄積されているホルモン濃度の変化と、個人情報として登録されている使用者の年齢とに基づき、使用者が更年期であるかどうかを判定する。具体的には、更年期判定部711は、記憶部717に蓄積されている、ホルモン検出部704の検出結果であるエストロゲン、FSHおよびLHの各ホルモン濃度の変化を調べ、月経周期にかかわらず、エストロゲンが低く、かつ、FSHおよびLHが高い状態が続いた場合、記憶部717に登録されている個人情報から使用者の年齢を確認し、年齢が40代以降であれば、使用者が更年期にあると判定する。更年期であると判定した場合、更年期判定部711は、例えば、「更年期にさしかかっています。ほてりや発汗、不眠などの更年期障害の症状がある場合は、早めに専門医に相談しましょう。」などのアドバイスを液晶ディスプレイ211に表示させ、使用者に現在、更年期にあることを知らせる。更年期障害の症状は多様であるため、本人が更年期とは気づかず、適切な処置を受けないまま不快な症状を我慢して過ごすことが多い。これにより、使用者が更年期に早めに気づき、更年期専門の医療機関などを受診して、骨粗しょう症を早めに予防したり、不快な症状を軽減したりすることができるようになる。なお、更年期判定部711は、使用者が更年期であると判定した場合、または使用者が入力部112から個人情報として「更年期」であることを示す情報を入力した場合、個人情報として記憶部717内に、更年期であることを示す情報を格納し、以降は、更年期であるか否かの判定を行わないとしてもよい。
また、通常の場合、更年期は40歳から55歳の女性で自然に起こる現象であるが、20代や30代でも無理なダイエットの繰り返しや過度のストレスなどが原因でホルモンバランスが乱れ、月経が止まり、更年期同様の症状が出る「若年性更年期障害」の増加が問題となっている。若い世代は「生理がなくて楽」程度に軽視しがちであり、産婦人科の受診には抵抗があり、放置しがちであるが、不妊や骨粗しょう症の原因にもなるので、早期発見および早期治療が重要である。
そこで、更年期判定部711は、記憶部717に蓄積されている、ホルモン検出部704の検出結果であるエストロゲン、FSHおよびLHのホルモン濃度の変化を調べ、月経周期にかかわらず、エストロゲンが低く(−)、かつFSHやLHが高い(++、+++)状態が続いた場合、個人情報から使用者の年齢を確認し、使用者の年齢が20代や30代である場合には「若年性更年期」であると判定する。「若年性更年期」と判定した場合、更年期判定部711は、例えば、「ホルモンバランスの乱れが見受けられます。生理がしばらくないようなら若年性更年期障害も疑われます。早めに専門医に相談しましょう。」というようなアドバイスを液晶ディスプレイ211に表示させる。
また、閉経後の出血は、特にガンなどの初期症状の場合があるため、早期に医療機関の診断を受けることが不可欠である。不正出血判定部716は、血液検出部105の検出結果に基づき、尿中への出血が検知された場合、記憶部717に記憶されている使用者の個人情報を参照し、閉経後であることが記述されている場合は、例えば「不正出血の疑いがあります。病気の可能性もありますので、早期に専門医を受診しましょう。」などの警告を液晶ディスプレイ211に表示させる。これにより、使用者の注意を促し、閉経後の不正出血を伴う病気の早期発見、早期治療につなげることができる。
次に、妊娠判定部712について説明する。妊娠中は尿中にHCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)が分泌されるため、HCGの有無により、妊娠しているか否かを検知することができる。妊娠判定部712は、ホルモン検出部704により尿中にHCGが検出された場合、妊娠と判定し、報知部118により判定結果を報知する。例えば、「妊娠の可能性があります。専門医を受診して確認しましょう。」などのアドバイスを、液晶ディスプレイ211に表示させ、使用者に妊娠の可能性があることを知らせる。併せて、妊娠判定部712は、妊娠中であることを示す情報を記憶部717に格納する。月経周期カレンダ部715は、妊娠判定部712によって使用者が妊娠中であることが判定された場合には、それ以降、検出されたホルモン濃度の変化から月経周期を判定できない場合であってもエラー処理を行わず、検出された各ホルモン濃度の経日変化などをグラフで表示したり、妊娠中のアドバイスなどを表示したりする。なお、妊娠判定部712は、使用者が入力部112から「妊娠中」であることを示す情報を入力した場合、個人情報としてその情報を記憶部717に格納し、以降はその使用者に対して妊娠の判定を行わないとしてもよい。
妊娠中は月経が停止するため、通常の場合、妊娠期間中の出血は見られないが、出血が見られる場合、子宮外妊娠や切迫流産の可能性が考えられる。不正出血判定部716は、記憶部717において妊娠中であることを示す情報が記憶されている状態で、不正出血を判定した場合、「妊娠中ですが出血が見られます。早めに専門医を受診しましょう。」など、使用者に対して医療機関の受診を促す警告を、液晶ディスプレイ211に表示させる。これにより、健康管理システム700は、妊娠中の不正出血を検出することにより、妊娠中の異常の早期発見および早期治療につなげることができる。
以下では、上記のように構成された健康管理システム700の動作について、図7を参照しながら図8を用いて説明する。図8は、図7に示した健康管理システム700におけるホルモン濃度検出から判定結果の表示までの動作を示すフローチャートである。なお、採尿までの動作については、実施の形態1の健康管理システム100と共通であり、すでに図6を用いて説明しているので、ここでは説明を省略する。また、出血がなかった場合の処理については、図示および説明を省略する。
ホルモン検出部704は、採尿された尿中のHCGを含む所定のホルモンの濃度を検出し、検出結果を本体部710に送信する。演算部713は、測定部701から受け取った検出結果を測定日時とともに記憶部717に格納する(S801)。更年期判定部711、妊娠判定部712および月経周期カレンダ部715は、最新の測定データが追加された記憶部717内に蓄積されているホルモン濃度またはホルモン濃度の推移に基づいて、使用者が現在、更年期であるか否か、妊娠中であるか否か、およびどの月経周期にあるかを判定し、判定結果を記憶部717に格納する(S802)。血液検出部105は、尿中の血液を検出し、検出結果を本体部710に送信する。演算部713は、測定部701から受け取った検出結果を測定日時とともに記憶部717に格納する(S803)。
不正出血判定部716は、血液検出部105による検出結果に基づき、当日の出血の有無を判断し(S804)、出血がない場合は、図2に示した液晶ディスプレイ211に、ホルモン量の推移のグラフと使用者が月経周期のどの期間(月経期、排卵期、卵胞期および黄体期)にあるかを表示する(S813)。出血があった場合、不正出血判定部716は、更年期判定部711の判定結果、妊娠判定部712の判定結果および月経周期カレンダ部715の判定結果を確認する(S805)。確認の結果、使用者が現在、更年期と判定されていれば(S806)、「閉経後の出血は、ガンの初期症状の場合もあります。早めに専門医に相談しましょう。」など、更年期の不正出血に関するアドバイスを液晶ディスプレイ211に表示させる(S812)。確認の結果、更年期とは判定されておらず(S806)、妊娠中と判定されていれば(S807)、「妊娠中の出血は、子宮外妊娠や切迫流産の可能性も考えられます。早めに専門医に相談しましょう。」など、妊娠中の不正出血に関するアドバイスを表示させる(S809)。さらに、確認の結果、更年期でも妊娠中でもない場合(S807)、不正出血判定部716は、月経周期カレンダ部715によって作成され、記憶部717内に格納されている月経周期カレンダを参照して、測定日(現在)において、使用者が月経周期のどの時期にあるかを調べ、それが月経期または排卵期であるかどうかを判断する(S808)。月経期ならば月経血、排卵期ならば排卵期出血と判定し、たとえば月経血の場合は、「生理中は無理をしないで」、また排卵期出血の場合は、「出血が認められましたが排卵期出血の可能性もあります。様子を見て出血が続くようなら専門医を受診しましょう。」などのアドバイスを液晶ディスプレイ211に表示させる(S810)。また、使用者が排卵期または月経期のいずれでもない場合は、更年期でも妊娠中でもない時期の不正出血と判定し、「出血が見られますので、早めに専門医に相談しましょう。」などのアドバイスを液晶ディスプレイ211に表示し、不正出血があることを使用者に警告して、医療機関の受診をうながす(S811)。
以上のように、本実施の形態2の健康管理システム700によれば、実施の形態1の健康管理システム100に加えて、更年期判定部711および妊娠判定部712を備えることにより、使用者の更年期および妊娠を判定することができるので、出血が検出された場合に、更年期、妊娠中、月経周期(月経期、卵胞期、排卵期、黄体期)のそれぞれの期間に応じたアドバイスを提供することができるという効果がある。
以上のように、本実施の形態2の健康管理システム700によれば、使用者は、更年期の始まりを早期に発見することができるため、骨粗しょう症や動脈硬化などの病気予防に対する対策を早期にとることができ、必要に応じて、エストロゲン補充療法などを受けることもできる。また、年齢に応じて、若年性更年期を発見することもできる。さらに、閉経後の不正出血を検知し、病気の早期発見につなげることができるという効果がある。さらに、本実施の形態2の健康管理システム700では、使用者の妊娠の有無を検知するとともに、妊娠中の不正出血を検出することができるので、切迫流産や子宮外妊娠等の妊娠中の異常を早期に発見することができるという効果がある。
なお、上記実施の形態では、ホルモン検出部704は、尿中のHCG濃度を検出すると説明したが、HCGについては必ずしも濃度を検出しなくてもよく、一般に用いられる妊娠検査用試薬を用いて、尿中のHCGの有無を検出するとしてもよい。
また、上記実施の形態2においては、使用者の閉経が、あらかじめ使用者によって個人情報として登録されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、不正出血判定部716が血液検出部105の検出結果に基づいて、使用者の閉経を判定するとしてもよい。例えば、更年期判定部711が更年期を判定した場合または使用者によって更年期を示す情報が入力されている場合、その使用者の更年期を示す情報を記憶部717に格納しておき、その後、一定期間以上、無月経が続くと、不正出血判定部716は、記憶部717内に更年期を示す情報が格納されているか否かを調べ、更年期を示す情報が格納されている場合、その使用者に対して閉経と判定するようにしてもよい。
なお、上記実施の形態2においては、更年期判定部711は、記憶部717に蓄積されているホルモン濃度の変化と個人情報として入力されている使用者の年齢とに基づいて、使用者の更年期を判定したが、若年性更年期と通常の更年期とを区別する必要がなければ、使用者の年齢を考慮しなくとも、記憶部717内に格納されているホルモン濃度の変化だけに基づいて更年期を判定してもよい。
また、上記実施の形態1および2では、使用者の識別情報は、本体部110または本体部710に備えられる操作キー212を使用者が操作することにより入力されると説明したが、本発明はこれに限定されず、他の個人識別方法を用いて使用者の識別情報を入力するとしてもよい。例えば、使用者の身長または体重などをトイレ個室の入り口に設けたセンサで測定し、測定された身長または体重を、個人情報としてあらかじめ登録されている身長または体重などと照合することにより、自動的に識別情報を入力するとしてもよい。
なお、上記実施の形態1および2では、本体部110および本体部710が、トイレ設備の壁面に取り付けられた本体部210に備えられる構成としているが、本体部110および本体部710は、無線電話回線網または近距離無線通信などを介して、トイレ設備外の住宅内外に設置されたパーソナルコンピュータ、サーバ装置、携帯端末(Personal Digital Assistant)または携帯電話機などに備えられる構成としてもよい。例えば、本体部110または本体部710を、トイレ設備外の住宅内に設置されたパーソナルコンピュータとして実現する場合には、I/F部107とI/F部111とを近距離無線通信インタフェースとし、トイレ装置200に組み込まれた測定部101または測定部701で測定されたデータと、採尿部102への採尿開始指示である制御信号との送受信を、近距離無線通信によりリアルタイムで行う。この場合、本体部110または本体部710であるパソコンと、測定部101または測定部701であるトイレ装置とは同じ住宅内でも離れた場所に設置されているので、排尿のタイミングと、測定データに対して識別情報の入力を行うタイミングとに時間的ずれを生じる可能性が高い。そこで、例えば、本体部110または本体部710に識別情報のリストとその選択のための入力を促す案内文とを表示した後、一定時間を経過しても使用者からの入力がない場合には、例えば、演算部113または演算部713は、可動式尿受け202を標準的な採尿位置まで移動させる制御信号を出力する。次いで、測定部101から受信された測定データを、個人の識別が完了していない測定値として分類するか、またはあらかじめ定められた特定の個人の測定値として分類し、記憶部117または記憶部717内に保留しておく。その後、本体部110または本体部710が次に起動された際に、それらの測定データ(識別情報が未入力のもの)を測定日時とともに一覧表示して、それらの被検者である使用者を特定するための識別情報の入力を受け付けるとしてもよい。この場合、識別情報が未入力であるため保留されていた測定データに対し、新たに識別情報が入力されたときには、演算部113または演算部713は、入力された識別情報で特定される個人の測定データに、保留されていた測定データを追加するものとする。
また、本体部110または本体部710を、パーソナルコンピュータ、サーバ装置、携帯端末(Personal Digital Assistant)または携帯電話機などとして構成した場合、演算部113または演算部713以外の各部は、通信機能を備えるパーソナルコンピュータや、携帯端末または携帯電話機に通常備えられている機能で実現することができる。演算部113または演算部713は、記憶部117または記憶部717内にあらかじめインストールされているプログラムがCPUによって実行されることにより実現される。
本発明の健康管理システムの本体部および測定部は、トイレ設備として有用である。また、本発明の健康管理システムの本体部は、通信機能を備えるパーソナルコンピュータ、サーバ装置、携帯端末または携帯電話機などとして有用である。
本発明の実施の形態1における健康管理システムの構成を示すブロック図である。 図1に示した健康管理システムを実現するトイレ装置の外観の一例を示す図である。 一月経周期におけるホルモン分泌量の変化と出血量の変化とを示す図である。 図1に示した記憶部内に蓄積される測定データの一例を示す図である。 図4に示した測定データに基づいて使用者の排尿時に液晶ディスプレイに表示されるメッセージ画面の一例を示す図である。 図1に示した健康管理システムの採尿から判定結果の表示までの動作を示すフローチャートである。 実施の形態2における健康管理システムの構成を示すブロック図である。 図7に示した健康管理システムにおけるホルモン濃度検出から判定結果の表示までの動作を示すフローチャートである。
符号の説明
100、700 健康管理システム
101、701 測定部
102 採尿部
103、703 検出部
104、704 ホルモン検出部
105 血液検出部
106 着座センサ
107 I/F部
110、710 本体部
111 I/F部
112 入力部
113、713 演算部
114 時計部
115、715 月経周期カレンダ部
116、716 不正出血判定部
117、717 記憶部
118 報知部
711 更年期判定部
712 妊娠判定部

Claims (8)

  1. トイレ設備を使用する使用者の生体排泄物を検出し、前記検出結果に基づいて、前記使用者の健康管理を支援する健康管理システムであって、
    生体排泄物中のホルモンの量を検出するホルモン検出手段と、
    前記生体排泄物中から血液を検出する血液検出手段と、
    現在日付を計測する時計手段と、
    前記ホルモン検出手段および前記血液検出手段の検出結果を、当該検出の日付に対応付けて蓄積する蓄積手段と、
    前記蓄積手段に蓄積されている前記ホルモン量の周期的変化に基づいて、前記使用者の月経周期を推定する月経周期推定手段と、
    前記月経周期推定手段の推定結果および前記血液検出手段の検出結果に基づいて、出血があれば、それが病的な出血である不正出血であるか否かを判定する不正出血判定手段と
    を備えることを特徴とする健康管理システム。
  2. 前記不正出血判定手段は、前記月経周期推定手段により、月経周期を構成する月経期および排卵期のいずれでもないと推定された期間において、前記血液検出手段によって血液が検出された場合、不正出血であると判定する
    ことを特徴とする請求項1記載の健康管理システム。
  3. 前記健康管理システムは、さらに、
    前記使用者から、個人を特定するための識別情報を含む個人に関する情報の入力を受け付ける入力手段と、
    前記使用者に対し、前記不正出血判定手段の判定結果に応じた健康管理に関する情報を報知する報知手段とを備え、
    前記蓄積手段は、前記ホルモン検出手段および前記血液検出手段の検出結果を、前記識別情報で特定される個人ごとに蓄積し、
    前記月経周期推定手段は、前記識別情報で特定される個人に対して蓄積されている前記ホルモン量の周期的変化に基づいて、前記月経周期を推定する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の健康管理システム。
  4. 前記ホルモン検出手段は、前記ホルモンとして卵胞ホルモン、黄体ホルモン、卵胞刺激ホルモンおよび黄体形成ホルモンのうち少なくとも1つを検出する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の健康管理システム。
  5. 前記生体排泄物は尿であり、
    前記健康管理システムは、さらに、便器に組み込まれ、前記使用者が排泄した尿を採取する採尿手段を備え、
    前記ホルモン検出手段および前記血液検出手段は、前記採尿手段により採取された尿中のホルモン量および血液をそれぞれ検出する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の健康管理システム。
  6. 前記月経周期推定手段は、さらに、前記蓄積手段に蓄積されているホルモン量の推移に基づいて、前記使用者が更年期であるか否かを判定する更年期判定手段を備え、
    前記不正出血判定手段は、前記更年期判定手段による判定結果に応じて、前記使用者の不正出血を判定する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の健康管理システム。
  7. 前記ホルモン検出手段は、さらに、前記生体排泄物中のHCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)を検出する第2ホルモン検出手段を備え、
    前記月経周期推定手段は、さらに、前記第2ホルモン検出手段の検出結果に基づいて、使用者が妊娠中であるか否かを判定する妊娠判定手段を備え、
    前記不正出血判定手段は、前記妊娠判定手段による判定結果に応じて、前記使用者の不正出血を判定する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の健康管理システム。
  8. トイレ設備を使用する使用者の生体排泄物を検出し、前記検出結果に基づいて、前記使用者の健康管理を支援する健康管理方法であって、
    生体排泄物中のホルモンの量を検出するホルモン検出ステップと、
    前記生体排泄物中から血液を検出する血液検出ステップと、
    現在日付を計測する時計ステップと、
    前記ホルモン検出ステップおよび前記血液検出ステップでの検出結果を、当該検出の日付に対応付けて蓄積する蓄積ステップと、
    前記蓄積ステップで蓄積されている前記ホルモン量の周期的変化に基づいて、前記使用者の月経周期を推定する月経周期推定ステップと、
    前記月経周期推定ステップでの推定結果および前記血液検出ステップでの検出結果に基づいて、出血があれば、それが病的な出血である不正出血であるか否かを判定する不正出血判定ステップと
    を含むことを特徴とする健康管理方法。
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