JP2005045956A - 電動機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数のパラメータを設定し、簡単な調整により安定で速い制御系の応答を得る制御装置を得ること。
【解決手段】 速度検出信号ωmに速度ゲインKvと負の符号を乗じて遮断周波数がωfのローパスフィルタを作用させた信号成分を指令信号τrに加算する速度比例フィードバック部と、速度検出信号ωmを積分した信号に速度積分ゲインKviと負の符号を乗じた信号成分を駆動力指令τrに加算する速度積分フィードバック部と、入力した応答設定パラメータωsと電動機慣性値Jmと総慣性値J0に基づいて速度ゲインKvと速度積分ゲインKviと遮断周波数ωfを設定するパラメータ設定部を備え、パラメータ設定部は、遮断周波数ωfの速度積分ゲインKviを速度ゲインKvで割った値である折れ点周波数ωviに対する比が、J0/Jmに対する比が大きければ大きくなるように速度ゲインKv、速度積分ゲインKvi、遮断周波数ωfを設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工作機械やロボットなどの産業用機械に用いられる電動機の制御装置に関するものである。
従来の電動機の制御装置を特許文献1によって説明する。速度PI(比例積分)制御などの速度制御系に、検出ノイズや高い周波数領域における減衰の悪い機械共振などに対して安定性を確保するためにローパスフィルタが用いられる。また、応答速度を設定するための応答設定パラメータの入力と機械系の慣性の公称値に基づいて、簡単な調整で制御系が安定でなるべく速やかに制御誤差の補正を行うよう、速度ゲイン、速度積分ゲイン、位置ゲイン、ローパスフィルタの遮断周波数など複数の制御パラメータを計算して設定する。またその決定方法は、前記の応答設定パラメータや制御系の帯域すなわち開ループの交差周波数を基準に、速度PI制御の折れ点周波数やローパスフィルタの遮断周波数が適切な比率になるように決定している。
特開2002−27784号公報
従来の電動機制御装置では、機械系の剛性が低い場合に、設定したローパスフィルタによる位相遅れが一因となって、制御系が不安定に成りやすく、十分に速い応答の制御特性を得るのが難しいといった問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、機械系の剛性が低い場合でも不安定になりにくく、入力した応答速度を設定する応答設定パラメータに応じて複数の制御パラメータを設定し、安定かつ速やかに制御誤差の補正を行うような制御装置を提供することを目的とするものである。
第1の発明に係る電動機の制御装置は、電動機慣性値Jmを有する電動機に結合した負荷からなる機械系を成し、前記電動機に駆動力指令信号τrに応じた駆動力を発生する電動機の制御装置において、電動機の速度検出信号ωmに速度ゲインKvと負の符号を乗じて遮断周波数がωfのローパスフィルタを作用させた信号成分を前記駆動力指令信号τrに加算するように演算を行う速度比例フィードバック部と、前記速度検出信号ωmを積分した信号又はその低周波数成分に速度積分ゲインKviと負の符号を乗じた信号成分を前記駆動力指令信号τrに加算するように演算を行う速度積分フィードバック部と、外部から入力した応答設定パラメータωsと前記電動機慣性値Jmと前記機械系における全体の総慣性値J0に基づいて前記速度ゲインKvと前記速度積分ゲインKviと前記遮断周波数ωfを設定するパラメータ設定部を備え、前記パラメータ設定部は、前記遮断周波数ωfの前記速度積分ゲインKviを前記速度ゲインKvで割った値である折れ点周波数ωviに対する比が、前記総慣性値J0の電動機慣性値Jmに対する比が大きければ大きくなるように前記速度ゲインKvと前記速度積分ゲインKviと前記遮断周波数ωfを設定する、ことを特徴とするものである。
第2の発明に係る電動機の制御装置は、前記電動機の速度検出信号ωmに速度ゲインKvと負の符号を乗じて遮断周波数がωfのローパスフィルタを作用させた信号成分を前記駆動力指令信号τrに加算するように演算を行う速度比例フィードバック部と、前記速度検出信号ωmを積分した信号又はその低周波数成分に積分ゲインKviと負の符号を乗じた信号成分を前記駆動力指令信号τrに加算するように演算を行う速度積分フィードバック部と、外部から入力した応答設定パラメータωsと前記電動機の慣性値Jmと前記機械系における全体の総慣性値J0に基づいて前記速度ゲインKvと前記速度積分ゲインKviと前記遮断周波数ωfを設定するパラメータ設定部を備え、前記パラメータ設定部は、前記速度積分ゲインKviを前記速度ゲインKvで割った値である折れ点周波数ωviの前記速度ゲインKvを前記総慣性値J0で割った値である交差周波数ωcに対する比が予め設定した定数r2になるとともに、前記遮断周波数ωfの前記速度ゲインKvを前記電動機慣性値Jmで割った値である前記電動機単体の交差周波数ωcm対する比が予め設定した定数r3になるように設定する、ことを特徴とするものである。
第3の発明に係る電動機の制御装置は、電動機の速度検出信号ωmに速度ゲインKvと負の符号を乗じてローパスフィルタを作用させた信号成分を前記駆動力指令信号に加算するように演算を行う速度比例フィードバック部と、前記電動機の位置検出信号xm又はその低周波数成分に位置ゲインKxと負の符号を乗じた信号成分を前記駆動力指令信号τrに加算するように演算を行う位置比例フィードバック部と、外部から入力した応答設定パラメータωsと前記電動機慣性値Jmと前記機械系における全体の総慣性値J0に基づいて前記速度ゲインKvと前記位置ゲインKxと前記ローパスフィルタの遮断周波数ωfを設定するパラメータ設定部を備え、前記パラメータ設定部は、前記遮断周波数ωfの前記位置ゲインKxを前記速度ゲインKvで割った値である折れ点周波数ωxに対する比が、前記総慣性値J0の電動機慣性値Jmに対する比が大きければ大きくなるように前記速度ゲインKvと位置ゲインKxと前記遮断周波数ωfを設定する、ことを特徴とするものである。
第4の発明に係る電動機の制御装置は、前記電動機の速度検出信号ωmに速度ゲインKvと負の符号を乗じてローパスフィルタを作用させた信号成分を前記駆動力指令信号τrに加算するように演算を行う速度比例フィードバック部と、前記電動機の位置検出信号xm又はその低周波数成分に位置ゲインKxと負の符号を乗じた信号成分を前記駆動力指令信号τrに加算するように演算を行う位置比例フィードバック部と、外部から入力した応答設定パラメータωsと前記電動機慣性値Jmと前記機械系における全体の総慣性値J0に基づいて前記速度ゲインKvと前記位置ゲインKxと前記ローパスフィルタの遮断周波数ωfを設定するパラメータ設定部を備え、前記パラメータ設定部は、前記位置ゲインKxを前記速度ゲインKvで割った値である折れ点周波数ωxの前記速度ゲインKvを前記総慣性値J0で割った値である交差周波数ωcに対する比が予め設定した定数r2になるとともに、前記遮断周波数ωfの前記速度ゲインKvを前記電動機慣性値Jmで割った値である電動機単体の交差周波数ωcm対する比が予め設定した定数r3になるように設定することを特徴とするものである。
第5の発明に係る電動機の制御装置は、電動機の速度指令信号と前記電動機の速度検出信号との差となる速度偏差信号を、速度ゲインKvを介して第1の補償信号を発生する速度制御部と、前記速度偏差信号を積分すると共に、速度積分ゲインKviを介して第2の補償トルク信号を発生する速度積分制御部と、前記第1の補償信号と前記第2の補償信号を加算して第1の全補償信号を発生する第1の加算手段と、前記第1の全補償信号を入力すると共に、遮断周波数ωfのローパスの特性を有して前記駆動力指令信号を発生するフィルタ手段と、前記電動機慣性値Jm、前記総慣性値J0を入力すると共に、前記遮断周波数ωfと比例・積分制御部の折れ点周波数ωviとの比ωf/ωviを、前記電動機慣性値Jmと前記総慣性値J0との比が大きくなると、大きくするように前記速度ゲインKv、前記速度積分ゲインKvi、前記遮断周波数ωfを設定するパラメータ設定手段と、を備えたことを特徴とするものである。
第6の発明に係る電動機の制御装置は、位置偏差信号を微分すると共に、微分ゲインKvを介して第3の補償信号を発生する第1の速度制御部と、前記電動機の位置指令信号と前記電動機の位置検出信号との差となる位置偏差信号を、位置ゲインKxを介して第4の補償信号を発生する位置制御部と、前記第3の補償信号と前記第4の補償信号を加算して第2の全補償信号を発生する第2の加算手段と、前記第2の全補償信号を入力すると共に、遮断周波数ωfのローパスの特性を有して前記駆動力指令信号を発生するフィルタ手段と、前記電動機慣性値Jm、前記総慣性値J0を入力すると共に、前記遮断周波数ωfと比例・積分制御部の折れ点周波数ωviとの比ωf/ωviを、前記電動機慣性値Jmと前記総慣性値J0との比が大きくなると、大きくするように前記速度ゲインKv、前記速度積分ゲインKvi、前記遮断周波数ωfを設定するパラメータ設定手段と、を備えたことを特徴とするものである。
第7の発明に係る電動機の制御装置は、位置検出信号を微分すると共に、微分ゲインKvを介して第5の補償信号を発生する第2の速度制御部と、前記電動機の位置指令信号と前記電動機の位置検出信号との差となる位置偏差信号を、位置ゲインKxを介して第4の補償信号を発生する位置制御部と、前記第4の補償信号との前記第5の補償トルク信号との差となる第3の全補償信号を求める演算手段と、第3の全補償信号を入力すると共に、遮断周波数ωf、ローパスの特性を有して前記駆動力指令信号を発生するフィルタ手段と、前記電動機慣性値Jm、前記総慣性値J0を入力すると共に、前記遮断周波数ωfと比例・積分制御部の折れ点周波数ωviとの比ωf/ωviを、前記電動機慣性値Jmと前記総慣性値J0との比が大きくなると、大きくするように前記速度ゲインKv、前記速度積分ゲインKvi、前記遮断周波数ωfを設定するパラメータ設定手段と、を備えたことを特徴とするものである。
第8の発明に係る電動機の制御装置は、定数をkとすると、下式を満たす
ωf/ωvi=k・J0/Jm
ことを特徴とするものである。
第9の発明に係る電動機の制御装置は、入力された第1のパラメータr1と第2のパラメータωsとの積に基づいて前記速度ゲインKvを設定し、交差周波数をωcとすると、前記遮断周波数ωfは、下式を満たす
ωf=r3・r1・ωs・(J0/Jm)
ここに、r3・ωc=r3・r1・ωs
ことを特徴とするものである。
以上のように、第1の発明によれば、制御対象の剛性が低く、また総慣性比が大きい場合でも制御系が不安定になりにくく、より速い制御系の応答を簡単に得ることが可能になる効果がある。
第2の発明によれば、パラメータ設定部は、速度積分ゲインKviを速度ゲインKvで割った値である折れ点周波数ωviの速度ゲインKvを総慣性値J0で割った値である交差周波数ωcに対する比が予め設定した定数r2になるとともに、遮断周波数ωfの速度ゲインKvを電動機慣性値Jmで割った値である電動機単体の交差周波数ωcm対する比が予め設定した定数r3になるように設定するようにしたため、制御対象の剛性が低くても開ループゲインが0dBより大きくなりにくく、制御系が不安定になり難い。そのため、より速い制御系の応答を簡単に得ることが可能になる効果がある。
第3の発明によれば、電動機の位置信号である電動機位置xmあるいはその低周波数成分に位置ゲインKxと負の符号を乗じた信号成分を前記駆動力指令τrに加算するように演算を行う位置比例フィードバック部を備え、パラメータ設定部は、遮断周波数ωfの位置ゲインKxを速度ゲインKvで割った値である折れ点周波数ωxに対する比が、総慣性値J0の電動機慣性値Jmに対する比が大きければ大きくなるように速度ゲインKvと位置ゲインKxと遮断周波数ωfを設定するようにしたため、位置制御を行う場合においても、制御対象の剛性が低く、また総慣性比が大きい場合でも制御系が不安定になりにくく、より速い制御系の応答を簡単に得ることができるという効果がある。
第4の発明によれば、パラメータ設定部は、位置ゲインKxを速度ゲインKvで割った値である折れ点周波数ωxの速度ゲインKvを総慣性値J0で割った値である交差周波数ωcに対する比が予め設定した定数r2になるとともに、遮断周波数ωfの速度ゲインKvを電動機慣性値Jmで割った値である電動機単体の交差周波数ωcm対する比が予め設定した定数r3になるように設定するようにしたため、位置制御の場合にも、制御対象の剛性が低くても開ループゲインが0dBより大きくなりにくく、制御系が不安定になり難い。そのため、より速い制御系の応答を簡単にできるという効果がある。
第5の発明によれば、制御対象の剛性が低く、また総慣性比が大きい場合でも制御系が不安定になりにくく、より速い速度制御系の応答を簡単に得ることが可能になる効果がある。
第6又は第7の発明によれば、制御対象の剛性が低く、また総慣性比が大きい場合でも制御系が不安定になりにくく、速い位置制御系の応答を簡単に得ることが可能になる効果がある。
第8又は第9の発明によれば、より制御対象の剛性が低く、また総慣性比が大きい場合でも制御系が不安定になりにくく、より速い位置制御系又は速度制御系の応答を簡単に得ることが可能になる効果がある。
実施の形態1
本発明の実施の形態を図1に示す電動機の制御装置のブロック図によって説明する。
電動機の制御装置は、制御対象101は電動機21とそれに結合された機械負荷23、電動機21の速度を検出して出力する検出器(図示せず)から構成され、電動機21が駆動力指令信号τrに応じた駆動力(回転系の場合はトルク、直動系の場合は推進力)を発生することにより電動機21と機械負荷23とからなる機械系を駆動し、電動機21の速度検出信号vmを出力する。次にPI(比例積分)制御器12は外部から入力した速度指令信号vrと速度検出信号vmの差である速度偏差信号veを減算器3により求め、速度偏差信号veをPI制御器12に入力してPI演算を行ってPI補償信号τcを出力する。
PI制御器12は、速度偏差信号veに速度ゲインKvを乗じて第1の補償信号を発生する速度制御部としての速度増幅器7と、速度偏差veを積分して速度積分ゲインKviを乗じて第2の補償信号を発生する速度積分制御部としての速度積分増幅器9と、速度増幅器7の出力と速度積分増幅器9の出力の和を求めて第1の全補償信号としてのPI補償信号τcを出力する第1の加算手段としての加算器10とから成っている。
フィルタ手段としてのローパスフィルタ15は入力されたPI補償信号τcを、伝達関数F(s)で表す遮断周波数がωfのローパスフィルタの演算を成す。PI制御器12は、駆動力指令信号としてのトルク指令信号τrを下式のように出力する。
τr=F(s)・(Kv+Kvi/s)・(vr−vm) ・・・(1)
ここに、s:ラプラス演算子
上記(1)式を展開すると下式となる。
τr=F(s)・A・vr−F(s)・Kv・vm−F(s)・(Kvi/s)・vm・・(2)
ここに、A:Kv+Kvi/s
したがって、上記(2)式のトルク指令信号τrに速度検出信号vmを−Kv倍してローパスフィルタ15を作用させた信号成分を加算し、また速度検出信号vmを積分して−Kvi倍した信号の低周波数成分を加算するように演算している。すなわち(2)式の右辺第2項で表される速度比例フィードバック部と第3項で表される速度積分フィードバック部を備えている。
次に、パラメータ設定部13は、予め設定した定数r1,r2,r3、外部から応答速度を設定するためのパラメータである応答設定パラメータωs(rad/sec)を入力し、電動機21の慣性値Jm、制御対象101における機械系全体の総慣性値J0を外部(自動推定などの方法)から入力する。
パラメータ設定部13は、入力されたr1,r2,r3、応答設定パラメータωsと電動機慣性値Jmおよび総慣性値J0に基づいて速度増幅器7の速度ゲインKv、速度積分増幅器9の速度積分ゲインKvi、ローパスフィルタ105の遮断周波数ωfを演算して設定する。
Kv=ωc・J0=r1・ωs・J0 ・・・・・(3)
Kvi=r2・ωc・Kv=r2・(r1・ωs)・J0 ・・・(4)
次に、ローパスフィルタ15の遮断周波数ωfを設定するに当たり制御対象101の特性を考慮する。制御対象101は、電動機21の軸とカップリングやボールネジ、ベルトなどの駆動力の伝達機構を介して機械負荷23を駆動するように構成されている。図2において、電動機21と剛体の機械負荷23がバネのような弾性体で結合されている場合の制御対象101における駆動力指令τrから速度検出信号vmまでの周波数応答ゲインの例を折れ線近似で示す。ここで、制御対象101において駆動力指令τrに対する電動機21の駆動力の制御は十分に応答が速いとする。図2の(a)は剛性が低い場合、(b)は剛性が比較的高い場合を示している。
制御対象101の特性は、共振ピークが複数個存在する場合もあり、複数の慣性が複数のバネで結合されたような特性に近似される。図2の(c)は共振ピークが2つある場合の周波数応答を示す。
上記のように剛性が低い場合の制御対象101の特性は、駆動力指令τrが低い周波数で変化する場合には、電動機21と機械負荷23とが一体となって動作するので、慣性が総慣性値J0である剛体の特性と同様になり、下式の特性に近似できる。
P(s)=1/(J0・S) ・・・(5)
一方、駆動力指令τrが高い周波数で変化する場合には、電動機の軸や駆動力伝達機構の弾性に起因して、機械負荷は動作せずに電動機だけが高い周波数で動作する。したがって制御対象101の周波数応答は、高い周波数では慣性が電動機慣性Jmである電動機21単体の特性に近づき、周波数応答ゲインが高くなり、下式の特性で近似できる。
P(s)=1/(Jm・s) ・・・・(6)
また、上記の低い周波数領域と高い周波数領域の中間に、図3に上向きのピーク線で示される共振特性と、図3に下向きのノッチ(下向き切れ込み)で示される反共振特性が表れる。
制御対象101の特性は、高い周波数でゲインが高くなり、高い周波数領域におけるゲインは、共振のピーク特性を無視すれば、慣性が電動機慣性値Jmの特性に近似される。その結果、総慣性J0の電動機慣性Jmに対する比(以下、総慣性比J0/Jmという)が大きい方が、高い周波数領域における制御対象101のゲインが相対的に高くなる。
次に、本実施の形態におけるパラメータ設定部13の動作を図3に基づいて説明する。図3は本実施の形態によるパラメータ設定部13を用いた場合の、制御系の開ループ周波数応答ゲイン(以下では単に開ループゲインと記述する)の例を示し、(a)は剛性が低い場合、(b)は剛性が相対的に高い場合を示す。本実施の形態では、低い周波数領域では、制御対象101の伝達関数P(s)が上記の(5)式で近似されると考えて制御パラメータの設定を行う。したがって、外部から入力する応答設定パラメータωsに応じて開ループゲインの全体的な大きさを調整すると共に、なるべく速く制御誤差を収束させるよう、PI制御器12の折れ点周波数ωviが下記交差周波数ωcの数分の1程度になるように設定する。
ωc=Kv/J0 ・・・・(7)
一方、上記のように、高い周波数領域では共振ピークを無視すれば、制御対象101の周波数応答ゲインは上記(6)式で示す慣性が電動機慣性値Jmである電動機単体の特性に近づく。また開ループゲインにおける電動機21単体での交差周波数ωcmは下式で表される。
ωcm=Kv/Jm=ωc・J0/Jm ・・・(8)
したがって、安定を保つために、剛性が低い場合でも開ループゲインが0dBより大きい周波数領域で位相を遅らさないよう、かつ、高い周波数領域におけるモデル誤差や、観測ノイズの影響を低減するために、電動機21単体の交差周波数ωcmより高い周波数成分はフィードバックループから除去するようにローパスフィルタ15の設定を行う。
すなわち、電動機21単体の交差周波数ωcmを基準に、その数倍から10倍程度にローパスフィルタ15の遮断周波数ωfを設定する。具体的には、例えば、入力された定数r1、r3と総慣性値J0、電動機慣性値Jm、応答設定パラメータωsを用いて、ローパスフィルタ15の遮断周波数ωfを下式のように設定する。
ωf=r3・ωcm=r3・r1・(J0/Jm)・ωs・・・(9)
また、 ωf/ωviと総慣性比J0/Jmとの関係を求めると下式となる。
ωf/ωvi=r3/r2・(J0/Jm)=k・(J0/Jm) ・・・(10)
上記のように設定することにより、ローパスフィルタ105の遮断周波数ωfの折れ点周波数ωviに対する比は、総慣性比J0/Jmが大きくなるほど大きくするように設定すれば良い。
本実施の形態ではパラメータ設定部13が上記のように動作することにより、図3に示すように、位相が遅れるωfより高い周波数領域では、減衰が非常に小さいために高い共振ピークが存在する場合以外は、制御対象101の剛性が低くても開ループゲインが0dBより大きくならず、その結果、従来に比べて制御系が不安定になり難い。そのため、従来技術に比べて制御系の安定を保ちながら、交差周波数ωcおよび折れ点周波数ωviを大きくすることが可能になり、より速い制御系の応答を簡単に得ることができる。
なお、上記説明では、遮断周波数ωfと電動機21単体の交差周波数ωcmとの比は固定の値r3として説明したが、完全に固定の値でなくてもよく、総慣性比J0/Jmが大きいほど遮断周波数ωfの交差周波数ωcに対する比が大きくなれば、不安定に成り難い、同様な効果を得ることができる。
また、同時に、低い周波数の制御誤差を安定になるべく速く収束させためには、折れ点周波数ωviと交差周波数ωcとの比は一定に近い値が良好であるため、安定を保ちながらなるべく速い応答と速い収束特性を得るためには、総慣性比J0/Jmが大きいほど遮断周波数ωfの折れ点周波数ωviに対する比が大きくなるように設定することになる。
これにより、制御対象101の剛性が低く、総慣性比が大きい場合でも不安定になりにくく、その結果、より速い制御系の応答を簡単に得ることが可能になる。
また、電動機21と機械負荷23との結合部にバックラッシが存在するような場合にも、小振幅動作においては機械負荷が動作せずに、電動機だけが動作するため、制御対象101の特性は同様に上記の式9になる。また通常、バックラッシが問題になるような制御系の小振幅動作は高い周波数領域で生じるため、剛性が低い場合と同様な特性であると考えられる。したがって、バックラッシが存在する場合でも、上記の設定によって、不安定になりにくく、かつ、より速い制御系の応答を簡単に得ることが可能になる。
また、上記説明では、ローパスフィルタ15の出力をそのまま駆動力指令τrにするように構成したが、駆動力指令τrには、例えば速度指令vrから適切な伝達関数演算を行ったフィードフォワード信号などを、更に加算しても良いことは言うまでもない。
また、上記説明では、応答設定パラメータωsと交差周波数ωcの比はr1で固定として記述したが、総慣性比J0/Jmに応じて変更してもよい。
また、上記説明では、ローパスフィルタ15をPI制御器12の出力に作用させるように挿入したが、ローパスフィルタ15を挿入する箇所は制御ループ内の他の箇所でも良く、例えばPI制御器12の入力側や、電動機21から検出した速度検出信号vmに直接ローパスフィルタを作用させるような構成にしても良いのは言うまでもない。
<比較例>
パラメータ設定部13の動作を図4によって説明する。図4は比較例によるパラメータ設定部13を用いて設定した場合の、制御系の開ループゲインを折れ線近似で示したものである。比較例では、制御対象101の伝達関数P(s)を、基本的に下式で表される剛体の機械系のモデルであると仮定して制御パラメータの設定を行う。
P(s)=1/(J0・s) ・・・・(11)
また、外部から入力する応答設定パラメータωsの調整により、制御系が安定な範囲でなるべく速い応答を得られるよう、すなわち開ループゲインが全体的に大きくなるように調整し、また、低い周波数の制御誤差を安定になるべく速く収束させるよう、下記(11)式で表されるPI制御器12の折れ点周波数ωviが、下式で表される交差周波数ωcの数分の1程度になるように設定する。
ωvi=Kvi/Kv ・・・・(12)
ここで、上記の交差周波数ωcは制御帯域と呼ばれる指標とほぼ同一なもので、交差周波数ωcより低い周波数領域にて制御誤差を低減するように制御系が動作する。
また、制御対象101における、減衰の悪い機械共振などの高い周波数領域におけるモデル誤差や、検出ノイズの影響を低減する目的から、交差周波数ωcより高い周波数成分はフィードバックループから除去するようにローパスフィルタ15の設定をする。すなわち、交差周波数ωcを基準に、その数倍から10倍程度にローパスフィルタ105の遮断周波数ωfを設定する。具体的には、遮断周波数ωfを下式のように設定する。
ωf=r3・ωc=r3・r1・ωs ・・・・(13)
上記のように設定することにより、比較例では、遮断周波数ωfの折れ点周波数ωviに対する比は、総慣性J0の電動機慣性Jmに対する比(以下では総慣性比と呼ぶ)によらず、常にr3/r2の一定値になる。
図4の実線に、制御対象101が式5で表される場合、すなわち剛性が十分に高い場合の開ループゲインを示す。また図中に交差周波数ωc、折れ点周波数ωvi、遮断周波数ωfと開ループゲインの関係も示す。
次に、比較例が実施の形態1よりも性能的に劣る点を説明する。制御対象101の剛性が低い場合における制御系の開ループゲインの一例を図2に破線で示す。図に示すように、制御対象101の剛性が低い場合には、剛体の場合に比べて高い周波数領域で開ループゲインが高くなる。
また、低剛性に起因した機械共振の減衰が小さい場合には共振ピーク(上向きのゲインピーク線)が現れる。ここで、遮断周波数ωfより高い周波数領域では、ローパスフィルタ15の作用により位相が遅れる。これらの結果、図4に示すように位相が遅れる遮断周波数ωfより高い周波数領域で開ループゲインが0dBより高くなると、制御系が不安定になる。したがってこのような場合は、開ループゲイン全体が小さくなるように、応答設定パラメータωsを小さくせざるを得ず、その結果、制御系の応答が遅くなるという問題がある。また、上記するように、総慣性比が大きい方が高周波数領域で開ループゲインが大きくなる効果が大きく、その結果、制御系が不安定になりやすく、制御系の応答がより遅くなる。
実施の形態2.
本発明の他の実施形態を、電動機の制御装置を示す図5のブロック図によって説明する。実施の形態1では速度制御について説明したが、実施の形態2は位置制御について説明する。図5中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
実施の形態2では速度検出信号vmのかわりに移動位置を検出器で検出した電動機の位置検出信号(電動機位置)xmを出力する。外部から入力した位置指令信号xrと位置検出信号xmの差である位置偏差信号xeを減算器103により求め、位置偏差信号xeをPID制御器112に入力してPID(比例積分微分)演算を行い第2の全補償信号としてのPID補償信号τcを出力する。
PID制御器112は、位置偏差信号xeを微分した信号に速度ゲインKvを乗じて第3の補償信号を発生する速度増幅器(第1の速度制御部)105と、位置偏差信号xeに位置ゲインKxを乗じて第4の補償信号を発生する位置増幅器(位置制御部)107と、位置偏差信号xeを積分した信号に位置積分ゲインKxiを乗じる位置積分増幅器(位置積分制御部)109からなり、速度増幅器105の出力と位置増幅器107の出力と位置積分増幅器109の出力の和をPID補償信号τcとして出力する第2の加算手段としての加算器110とを備えている。
ローパスフィルタ15はPID補償信号τcを入力し、伝達関数F(s)で表す遮断周波数がωfのローパスフィルタを有している。
PID制御器112は、駆動力指令信号としてのトルク指令信号τrを下式により演算して出力する。
τr=F(s)・(Kv・s+Kx+Kxi/s)・(xr−xm) ・・・(14)
上記の(14)式を展開すると次の(15)式になる。
τr=F(s)・B・xr−F(s)・Kv・s・xm−F(s)・Kxi・xm
−F(s)(Kxi/s)・xm ・・・(15)
ここに、B=Kv・s+Kx+Kxi/s
したがって図5の構成により、トルク指令信号τrに、位置検出信号xmの微分信号を−Kv倍して遮断周波数ωfのローパスフィルタを作用させた信号を加算し、また電動機21の位置検出信号xmを−Kx倍した信号の低周波数成分を加算するように演算を行っている。すなわち(15)式の右辺第2項で表される速度比例フィードバック部と右辺第3項で表される位置比例フィードバック部を備えている。
パラメータ設定部13は、外部から応答速度を設定するためのパラメータである応答設定パラメータωsを入力し、また、電動機慣性値Jmおよび総慣性値J0を外部から入力する。またパラメータ設定部13は上記の応答設定パラメータωsと電動機慣性値Jmおよび総慣性値J0に基づいて、速度増幅器105の速度ゲインKv、位置増幅器107の位置ゲインKx、位置積分増幅器109の位置積分ゲインKxi、ローパスフィルタ15の遮断周波数ωfを、予め設定した定数r1、r2、r3、r4を用いて、交差周波数ωcが応答設定パラメータωsのr1倍になるようにし、各制御パラメータを下記(16)〜(19)式により演算して設定する。
Kv=ωc・J0=r1・ωs・J0 ・・・(16)
Kx=r2・ωc・Kv=r2・(r1・ωs)・J0・・・(17)
Kxi=r4・ωc・Kx=r4・r2・(r1・ωs)・J0・・・(18)
ωf=r3・ωcm=r3・r1・(J0/Jm)・ωs・・・(19)
ωf/ωviと総慣性比J0/Jmとの関係を求めると上記(9)式となる。上記のように設定することにより、PID制御器112の折れ点に相当する次の(20)、(21)式のωx、ωxiが、それぞれ交差周波数のr2倍、r4倍に設定し、r2およびr4を予め適切に設定しておけば、低い周波数の制御誤差を速く収束させることが可能になる。
ωx=Kx/Kv ・・・(20)
ωxi=Kxi/Kx ・・・(21)
以上を図6によって説明すると、図6はパラメータ設定部13を用いた場合の制御系の開ループゲインの例を示し、(a)は剛性が低い場合、(b)は剛性が相対的に高い場合を示している。
また、ローパスフィルタ205の遮断周波数ωfは電動機21単体での交差周波数ωcmのr3倍に設定し、r3を数倍から10倍程度にしておけば、実施の形態1にて説明したように、制御対象101の剛性が低くても開ループゲインが0dBより大きくなりにくく、その結果、従来例に比べて制御系を不安定にし難い。そのため、交差周波数ωcおよび折れ点周波数ωx、ωxiを従来例に比べて安定に大きくすることが可能になり、より速い制御系の応答を簡単に得ることが可能になる。
上記の結果、総慣性比J0/Jmが大きくなれば、必然的に、ローパスフィルタ15における遮断周波数ωfのPID制御器112における折れ点周波数ωx、ωxiに対する比が大きくなるため、制御対象101の剛性が低く、また総慣性比が大きい場合でも不安定になりにくく、より速い制御系の応答を簡単に得ることができる。
なお、実施の形態2の変形として図7に示す電動機の制御装置のブロック図を説明する。図7中、図5と同一符号は、同一又は相当部分を示し説明を省略する。
図7において、電動機の制御装置は図5の速度制御部105の代りに、位置検出信号xmを微分すると共に、微分ゲインKvを介して第5の補償信号を発生する第2の速度制御部205と、図5の加算器110の代りに、位置増幅器(位置制御部)107の出力となる第4の補償信号と第5の補償信号との差となる第3の全補償信号を求める演算手段としての演算器210を備えても図5に示す電動機の制御装置とほぼ同様の作用、効果を奏するものである。
また、上記説明では位置積分増幅器109を有する構成により説明したが、制御対象101によっては、位置積分増幅器109は必ずしも必要ない。
上記のように電動機と機械負荷が結合された電動機の速度制御、位置制御の用途に適用できる。
実施の形態1による電動機の制御装置を示すブロック図である。 制御対象の特性を説明するためのゲイン対周波数の特性図である。 実施の形態1による制御装置のゲイン対周波数の特性図である。 比較例の特性を説明するためのゲイン対周波数の特性図である。 実施の形態2による電動機の制御装置を示すブロック図である。 実施の形態2の特性を説明するための説明するためのゲイン対周波数の特性図である。 実施の形態2の変形例による電動機の制御装置を示すブロック図である。
符号の説明
12 PI制御器、 7 速度増幅器、9 速度積分増幅器、15 ローパスフィルタ、13 パラメータ設定部、101 制御対象、112 PID制御器、105 速度増幅器、107 位置増幅器、109 位置積分増幅器。

Claims (9)

  1. 電動機慣性値Jmを有する電動機に結合した負荷からなる機械系を成し、前記電動機に駆動力指令信号τrに応じた駆動力を発生する電動機の制御装置において、
    前記電動機の速度検出信号ωmに速度ゲインKvと負の符号を乗じて遮断周波数がωfのローパスフィルタを作用させた信号成分を前記駆動力指令信号τrに加算するように演算を行う速度比例フィードバック部と、
    前記速度検出信号ωmを積分した信号又はその低周波数成分に速度積分ゲインKviと負の符号を乗じた信号成分を前記駆動力指令信号τrに加算するように演算を行う速度積分フィードバック部と、
    外部から入力した応答設定パラメータωsと前記電動機慣性値Jmと前記機械系における全体の総慣性値J0に基づいて前記速度ゲインKvと前記速度積分ゲインKviと前記遮断周波数ωfを設定するパラメータ設定部を備え、
    前記パラメータ設定部は、前記遮断周波数ωfの前記速度積分ゲインKviを前記速度ゲインKvで割った値である折れ点周波数ωviに対する比が、前記総慣性値J0の電動機慣性値Jmに対する比が大きければ大きくなるように前記速度ゲインKvと前記速度積分ゲインKviと前記遮断周波数ωfを設定する、
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  2. 電動機慣性値Jmを有する電動機に結合した負荷からなる機械系を成し、前記電動機に駆動力指令信号τrに応じた駆動力を発生する電動機の制御装置において、
    前記電動機の速度検出信号ωmに速度ゲインKvと負の符号を乗じて遮断周波数がωfのローパスフィルタを作用させた信号成分を前記駆動力指令信号τrに加算するように演算を行う速度比例フィードバック部と、
    前記速度検出信号ωmを積分した信号又はその低周波数成分に積分ゲインKviと負の符号を乗じた信号成分を前記駆動力指令信号τrに加算するように演算を行う速度積分フィードバック部と、
    外部から入力した応答設定パラメータωsと前記電動機の慣性値Jmと前記機械系における全体の総慣性値J0に基づいて前記速度ゲインKvと前記速度積分ゲインKviと前記遮断周波数ωfを設定するパラメータ設定部を備え、
    前記パラメータ設定部は、前記速度積分ゲインKviを前記速度ゲインKvで割った値である折れ点周波数ωviの前記速度ゲインKvを前記総慣性値J0で割った値である交差周波数ωcに対する比が予め設定した定数r2になるとともに、前記遮断周波数ωfの前記速度ゲインKvを前記電動機慣性値Jmで割った値である前記電動機単体の交差周波数ωcm対する比が予め設定した定数r3になるように設定する、
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  3. 電動機慣性値Jmを有する電動機に結合した負荷からなる機械系を成し、前記電動機に駆動力指令信号τrに応じた駆動力を発生する電動機の制御装置において、
    前記電動機の速度検出信号ωmに速度ゲインKvと負の符号を乗じてローパスフィルタを作用させた信号成分を前記駆動力指令信号に加算するように演算を行う速度比例フィードバック部と、
    前記電動機の位置検出信号xm又はその低周波数成分に位置ゲインKxと負の符号を乗じた信号成分を前記駆動力指令信号τrに加算するように演算を行う位置比例フィードバック部と、
    外部から入力した応答設定パラメータωsと前記電動機慣性値Jmと前記機械系における全体の総慣性値J0に基づいて前記速度ゲインKvと前記位置ゲインKxと前記ローパスフィルタの遮断周波数ωfを設定するパラメータ設定部を備え、
    前記パラメータ設定部は、前記遮断周波数ωfの前記位置ゲインKxを前記速度ゲインKvで割った値である折れ点周波数ωxに対する比が、前記総慣性値J0の電動機慣性値Jmに対する比が大きければ大きくなるように前記速度ゲインKvと位置ゲインKxと前記遮断周波数ωfを設定する、
    ことを特徴とする電動機制御装置。
  4. 電動機慣性値Jmを有する電動機に結合した負荷からなる機械系を成し、前記電動機に駆動力指令信号τrに応じた駆動力を発生する電動機の制御装置において、
    前記電動機の速度検出信号ωmに速度ゲインKvと負の符号を乗じてローパスフィルタを作用させた信号成分を前記駆動力指令信号τrに加算するように演算を行う速度比例フィードバック部と、
    前記電動機の位置検出信号xm又はその低周波数成分に位置ゲインKxと負の符号を乗じた信号成分を前記駆動力指令信号τrに加算するように演算を行う位置比例フィードバック部と、
    外部から入力した応答設定パラメータωsと前記電動機慣性値Jmと前記機械系における全体の総慣性値J0に基づいて前記速度ゲインKvと前記位置ゲインKxと前記ローパスフィルタの遮断周波数ωfを設定するパラメータ設定部を備え、
    前記パラメータ設定部は、前記位置ゲインKxを前記速度ゲインKvで割った値である折れ点周波数ωxの前記速度ゲインKvを前記総慣性値J0で割った値である交差周波数ωcに対する比が予め設定した定数r2になるとともに、前記遮断周波数ωfの前記速度ゲインKvを前記電動機慣性値Jmで割った値である電動機単体の交差周波数ωcm対する比が予め設定した定数r3になるように設定することを特徴とする電動機の制御装置。
  5. 電動機慣性値Jmの電動機に結合される負荷により機械系を成し、該機械系が総慣性値J0を有すると共に、前記電動機に駆動力指令信号τrに応じた駆動力を発生する電動機の制御装置において、
    前記電動機の速度指令信号と前記電動機の速度検出信号との差となる速度偏差信号を、速度ゲインKvを介して第1の補償信号を発生する速度制御部と、
    前記速度偏差信号を積分すると共に、速度積分ゲインKviを介して第2の補償トルク信号を発生する速度積分制御部と、
    前記第1の補償信号と前記第2の補償信号を加算して第1の全補償信号を発生する第1の加算手段と、
    前記第1の全補償信号を入力すると共に、遮断周波数ωfのローパスの特性を有して前記駆動力指令信号を発生するフィルタ手段と、
    前記電動機慣性値Jm、前記総慣性値J0を入力すると共に、前記遮断周波数ωfと前記速度積分ゲインKviを前記速度ゲインKvで割った値である比例・積分制御部の折れ点周波数ωviとの比ωf/ωviを、前記電動機慣性値Jmと前記総慣性値J0との比が大きくなると、大きくするように前記速度ゲインKv、前記速度積分ゲインKvi、前記遮断周波数ωfを設定するパラメータ設定手段と、
    を備えたことを特徴とする電動機の制御装置。
  6. 電動機慣性値Jmの電動機に結合される負荷により機械系を成し、該機械系が総慣性値J0を有すると共に、前記電動機に駆動力指令信号τrに応じた駆動力を発生する電動機の制御装置において、
    前記電動機の位置指令信号と前記電動機の位置検出信号との差となる位置偏差信号を、微分すると共に、微分ゲインKvを介して第3の補償信号を発生する第1の速度制御部と、
    前記位置偏差信号を、位置ゲインKxを介して第4の補償信号を発生する位置制御部と、
    前記第3の補償信号と前記第4の補償信号を加算して第2の全補償信号を発生する第2の加算手段と、
    前記第2の全補償信号を入力すると共に、遮断周波数ωfのローパスの特性を有して前記駆動力指令信号を発生するフィルタ手段と、
    前記電動機慣性値Jm、前記総慣性値J0を入力すると共に、前記遮断周波数ωfと比例・積分制御部の折れ点周波数ωviとの比ωf/ωviを、前記電動機慣性値Jmと前記総慣性値J0との比が大きくなると、大きくするように前記速度ゲインKv、前記速度積分ゲインKvi、前記遮断周波数ωfを設定するパラメータ設定手段と、
    を備えたことを特徴とする電動機の制御装置。
  7. 電動機慣性値Jmの電動機に結合される負荷により機械系を成し、該機械系が総慣性値J0を有すると共に、前記電動機に駆動力指令信号τrに応じた駆動力を発生する電動機の制御装置において、
    前記電動機の位置指令信号と前記電動機の位置検出信号との差となる位置偏差信号を、微分すると共に、微分ゲインKvを介して第5の補償信号を発生する第2の速度制御部と、
    前記位置検出信号を、位置ゲインKxを介して第4の補償信号を発生する位置制御部と、
    前記第4の補償信号との前記第5の補償トルク信号との差となる第3の全補償信号を求める演算手段と、
    第3の全補償信号を入力すると共に、遮断周波数ωfのローパスの特性を有して前記駆動力指令信号を発生するフィルタ手段と、
    前記電動機慣性値Jm、前記総慣性値J0を入力すると共に、前記遮断周波数ωfと比例・積分制御部の折れ点周波数ωviとの比ωf/ωviを、前記電動機慣性値Jmと前記総慣性値J0との比が大きくなると、大きくするように前記速度ゲインKv、前記速度積分ゲインKvi、前記遮断周波数ωfを設定するパラメータ設定手段と、を備えたことを特徴とする電動機の制御装置。
  8. 定数をkとすると、下式を満たす
    ωf/ωvi=k・J0/Jm
    ことを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の電動機の制御装置。
  9. 入力された第1のパラメータr1と第2のパラメータωsとの積に基づいて前記速度ゲインKvを設定し、交差周波数をωcとすると、
    前記遮断周波数ωfは、
    ωf=r3・r1・ωs・(J0/Jm)
    ここに、r3・ωc=r3・r1・ωs
    とすることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の電動機の制御装置。
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