JP2005045937A - サーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法 - Google Patents

サーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 最適な制御ゲインが自動的に設定できるサーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法を提供する。
【解決手段】 サーボ制御装置で、振動検出手段1と、制御ゲインを上げたところであるレベルの振動を与えるような模擬外乱トルクをトルク指令に加える加振手段を持ち、調整して加振し振動検出手段で振動検出を行い、あるレベルの振動を検出するまで制御ゲインを上げ模擬外乱トルクを加える処理を繰り返し、あるレベルを超えた振動を検出した時の制御ゲインを限界ゲインとする限界ゲイン抽出方法で、最大ゲインを予め決めてそこで制御ゲインを抑える方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、サーボモータを駆動するサーボ制御装置における制御ゲインを自動設定する方法に関し、特に機械等を加振手段による加振と振動を検出することにより制御ゲインの限界値を検出する方法で、振動させたくない場合最大ゲインで抑え制御ゲインの余裕を得る方法、及び剛体の場合、速度の応答より制御ゲインの余裕を得る方法に関する。
従来のサーボ制御装置は一般的に図11に示すように、制御対象のサーボモータ6と、そのモータ6をベースドライブ回路4よりトランジスタ5をスイッチングして駆動するインバータ部と、位置制御、速度制御を演算するCPU(マイクロコンピュータ)2と、CPU2からの電流指令を入力してベースドライブ回路4へのドライブ指令を出力する電流アンプ3とで構成され、位置、速度といった指令を外部から受取ったマイクロコンピュータ2は、例えば、指令が速度指令の場合は速度制御を行い、その出力の電流指令や電流制御の出力でベースドライブ駆動回路4を通してパワートランジスタ5を駆動している。
特開平2−261083号公報
こうしたサーボ制御装置での制御ゲインの設定では、例えば、上記特許文献1に開示の「サーボ系の発振検出及び速度ループゲイン自動調整方式」のようにゲインを上げて発振させて、そこのゲインを最大値としていた。つまりそこからマシン等を考慮してゲインの最大値にしたり、再度調整等をしていた。
ところが、従来の技術では、ゲインを上げて発振状態になってからでないと発振が観測できないので時間がかかる問題があった。すなわち、停止中などではゲインを上げた直後に発振するのではなく、また運転中でも図12(i)のように発生しやすいところAおよびBで振動を始める。つまり機械には摩擦や負荷等があり、そしてそれらは振動を抑えるように働くので大きなきっかけがないと発振しない。そこで図12(ii)のように発振しやすいように1回1回早い速度で長い送りの指令をして、発振が始まるまでの時間遅れを見越してゲインをゆっくり上げる必要があり、そうすると最大ゲインを検出するまでの時間が長くなる問題がある。
これを無視して図13のようにゲインを早く上げると、時点t1では既にゲインを上げ過ぎており、そうすると図のように発振を検出した時点t2では、さらにゲインが上がり過ぎており、ゲインを下げても図のCで示したように容易には発振が止まらないため、マシンが大きく振動してしまう問題があった。
またゲインを抑えると振動しない場合があった。そしてその場合ゲインの余裕が分からなかった。また位置ループ等を組む時、ゲインに余裕がないと振動する等の問題もあった。
また、剛体では加振しても振動しにくく、制御ゲインを上げて外乱トルクを加えても大きなゲインとなってしまう。しかしその場合安定度は低いので何かのきっかけがあると、大きな振動又は停止時の振動などになる問題があった。
そこで、本発明は、ゲインを上げて振動させるが、早めに検出して即止めるためマシンを大きく振動させず、なるべく振動させたくない場合はゲインを抑えて限界ゲインを得て、更にゲインの余裕を得ることが可能であり、剛体で振動しにくい場合でも、位相遅れより限界ゲインを算出することにより安定度を上げることができるサーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法を提供することを目的としている。
上記問題を解決するため、請求項1に記載の発明は、サーボモータを駆動するサーボ制御装置で、サーボ制御ゲインを上げて行き振動を検出することにより最大ゲイン値を得て系の制御ゲインを設定するサーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法において、制御系の振動を検出する振動検出手段を備え、制御ゲインをあげたところであるレベルの振動を与えるような模擬外乱トルクを、トルク指令に加える加振手段を持ち、加振の大きさを調整して加振し前記振動検出手段で振動検出を行い、あるレベルの振動を検出する迄前記の制御ゲインを上げ模擬外乱トルクを加える処理をくり返し、前記振動検出手段があるレベルを超えた振動を検出したときの制御ゲインを限界ゲインとなす限界ゲイン抽出法で、上げる最大ゲインをあらかじめ決めてそこで制御ゲインを抑えることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のサーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法において、上げる最大ゲイン迄振動を検出手段により振動が検出されない場合、模擬外乱トルクを増すことにより、なるべく振動させることなく最大制御ゲインの余裕を検出し余裕を得ることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、サーボモータを駆動するサーボ制御装置で、サーボ制御ゲインを上げて行き振動を検出することにより最大ゲイン値を得て系の制御ゲインを設定するサーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法において、制御系の振動を検出する振動検出手段を備え、制御ゲインをあげたところであるレベルの振動を与えるような模擬外乱トルクを、トルク指令に加える加振手段を持ち、加振の大きさを調整して加振し前記振動検出手段で振動検出を行い、あるレベルの振動を検出する迄前記の制御ゲインを上げ模擬外乱トルクを加える処理をくり返し、前記振動検出手段があるレベルを超えた振動を検出した時の制御ゲインを限界ゲインとする限界ゲイン抽出法で、制御ゲインがある程度大きい場合、機械を剛体として判断することを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のサーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法において、前記剛体と判断した場合制御ゲインを上げ速度指令に外乱速度を入れ、その応答遅れより限界ゲインとすることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3又は4のいずれか一項に記載のサーボ制御装置の限界ゲイン抽出法において、限界ゲインは許容遅れが指令に対する応答遅れが大きい場合、限界を超えたとすることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか一項に記載のサーボ制御装置の限界ゲイン抽出法において、剛性が高いと人等が判断した場合に制御ゲインを上げ速度指令に外乱速度を入れ、その応答遅れより限界ゲインとすることを特徴としている。
上記手段にて、トルク指令に模擬外乱トルクを加えることより、確実に振動を発生させ振動検出することができるので、ゲインを上げ過ぎることなく確実に限界ゲインを抽出することができ、すぐにゲインを下げることができるので、振動が発振に至ることも防止できる。
更に、振動させたくない場合、大きく振動させずゲインを抑えて余裕を得ることができる。
更に、振動する制御ゲインが高く剛体と判断した場合、速度の応答遅れより制御ゲインが算出できるので制御ゲインに余裕を得ることができる。
本発明によれば、マシンに合わせた模擬外乱トルクで確実に振動させて限界ゲインを得られ、しかも振動後、即ゲインを下げて振動を抑えることができるので、大きくゲインを上げることもなく、振動が発振に至る危険を防止することができる効果がある。
また、振動させたくない場合も大きく振動させず限界ゲインとその余裕を得ることが可能である。
また、振動する制御ゲインが高く剛体と判断した場合、速度応答の遅れより容易に制御ゲインが算出できるので制御ゲインに余裕を得ることが可能になる。
以下、本発明の第1の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るサーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法の構成図である。
図2は図1に示すサーボ制御装置の制御ブロック図である。
図3は図1に示すサーボ制御装置における通常運転時の速度指令、速度、トルクの波形と振動レベルの測定タイミング図である。
図4は図1に示すサーボ制御装置におけるゲインを上げた時の振動の発生、振動発生時のゲイン低下および限界ゲイン抽出タイミングを示す図である。
図5は図1に示すサーボ制御装置における振動が発生するゲインと加振する模擬外乱トルクの関係を示す図である。
図6は図1に示すサーボ制御装置の限界ゲイン抽出処理のフローチャートである。
図1において、1は振動を検出する振動検出手段、2はCPU(マイクロコンピュータ)、3は電流アンプ、4はベースドライブ回路、5はパワートランジスタモジュール、6はモータである。
図2において、11は位置ループ、12はトルク指令を作成する速度制御で、13はモータのイナーシャ、14は積分で、速度を積分し位置θとなる。なお、この図2に示すステップ状の模擬外乱トルクが振動を誘発させるトルクである。
以上のように構成された回路において、その動作を図1〜図6を用いて説明する。まず、マイクロコンピュータ2は位置や速度といった指令を外部のコントローラ等から受取る。そして、例えば速度指令の場合は速度制御を行いその出力の電流指令や電流制御の出力でベースドライブ駆動回路4を通してパワートランジスタ5を駆動する。ここで、振動検出手段1は、トルク指令あるいはモータの速度信号中に含まれる振動成分が、あらかじめ定めたレベルを超えた場合に、振動を検出するものである。
ここで本発明の基本的な考え方を説明するために、制御系が発振する状況を考察すると、機械の摩擦等の負荷がない状態で、機械共振等で制御系に振動が発生した場合、制御ループゲインの働きで振動が急速に増大して発振状態に移行してしまい振動を止めることが困難となる。本来摩擦等の機械の負荷は、エネルギーを消費することで、振動を押さえる働きがあるが、機械負荷があるもののゲインが高くて、振動しやすい不安定な状態では、負荷を変動させることで、振動を誘発することもできるし、また誘発した振動を止めることもできる。こうした不安定な状態をつくり出すために、本発明では、図2の制御ブロック図のようにステップで疑似外乱トルクを加えることで、摩擦等の機械負荷に打ち勝って安定状態を壊し振動を誘発する。但し、疑似外乱トルクを加える時間を短く設定することで、振動検出手段にて振動を検出した直後に振動を止めることができるものである。
この限界ゲインの具体的な検出手順は、以下、図6のフローチャートを参照すると、最初に、位置ループや速度ループといった制御系のゲインを低ゲインとしておき、図3のように通常運転或いは運転して機械特有の運転時の振動レベルを振動検出手段1により検出する(ステップ1、以下S1と略す)。この図3では通常運転でのトルクの振動振幅の最大値を検出している。
次に、位置ループや速度ループといった制御系のゲインを低ゲインとしておき、図2の制御ブロック図のトルク指令τrefに模擬外乱トルクをステップで加えて(S2)、位置偏差或いは速度等の応答がある振動レベルを超えているかどうかを判断する(S3。注:フロー図において、「判断」(decision)の記号は本来、「菱形」であるが、紙面の関係でここでは本来、「準備」(preparation)記号を表す「六角形」で代用することにしている。)。ステップS3で、振動レベルを超えていなければ(Noならば)、加えた模擬外乱トルクが機械負荷を超えられなかったと考え、模擬外乱トルクを大きくする(S4)。あらかじめ定めたレベルまで、応答が大きくなるように模擬外乱トルクを大きくする。この応答のレベルはS1の処理中の例えば通常の運転中の振動振幅の最大値の2倍等にする。
そして模擬外乱トルクをあるレベルまで大きくしても応答が大きくならない場合、応答の検出レベルを下げる。このようにして模擬外乱トルクの大きさとその応答の検出レベルを調整する。
ステップS3で、振動レベルを超えていれば(Yesならば)、模擬外乱トルクの大きさを決めた後で、次に図4に示すような時間タイミングで段階的にゲインを上げる(S5)。ステップS5の処理のように制御ゲインを上げた後、ゲインが設定最大ゲインかどうかを判断する(S6)。ステップS6でNoならば、トルク指令に模擬外乱トルクを加え(S7)、振動検出手段1にて、振動を確認する(S8)。振動検出手段1は例えばトルク又は速度等の振幅を振動検出レベルと比較し、大きい場合振動として検出する。振動レベルは前に調整した応答レベルの例えば1.5倍等とする。模擬外乱トルクを加えた後に、あるレベルを超えて振動を検出したら、図4のようなタイミングで模擬外乱トルクを加えるのは停止し、制御ゲインを振動しないレベル迄下げる(S9)。(例えば、振動したゲインの半分あるいは、最初に設定した低いゲイン等)。あるいは、確実に振動を止めるため、トルク指令を絞るか、位置偏差を一瞬ゼロにする。そして振動した時のゲインの1つ前のゲインをマイクロコンピュータ内等の記憶手段内に限界ゲインとして記憶しておく。この記憶したゲインが検出すべき限界ゲインである。
また、ステップS6で既に最大ゲインの設定値等になった(Yes)ならば、模擬外乱トルクを増やし(S10)、S11〜14の処理を行って、振動レベルを超えると(S14)、限界ゲインを更新する(S15)というゲイン余裕度を確保する処理を行う。
ここで模擬外乱トルクと振動が発生するゲインの関係を考えてみる。模擬外乱トルクを大きくしていくと機械への衝撃も大きくなり、振動が発生しないような制御ゲインは小さくなる。機械の加減速やフィルタを入れて滑らかにすると衝撃が減り制御ゲインが上げられるのは、こういう理由である。図5は実機での模擬外乱トルクと振動が発生するゲインの関係例である。これも模擬外乱トルクを大きくしていくと振動検出手段1により振動が検出されないような制御ゲインは小さくなることが分かる。この原理を使いゲインの余裕を得るために模擬外乱トルクを少し大きくして検出する。以上のゲインの余裕度を確保する処理について、再度S10以降の処理で詳細に説明する。
先ず、模擬外乱トルクを少し大きくして(S10)、同様に次のS11〜S14で限界ゲインの抽出を行う。このように模擬外乱トルクを少し大きくして限界ゲインの抽出を行うと、制御ゲインは下がりその分が、実際の運転時における制御ゲインの余裕となり、余裕を持って運転ができる。そして用途等に応じて余裕を変えることができる。
或いは、余裕確保の方法としてはゲインを一定率下げるという方法もあるが、これは逆にゲインを上げられなくなり、余裕も分からないという問題があって、好ましくない。
なお、トルク指令に加える模擬トルクは、負荷のイナーシャに応じて大きくする必要がある。また、本実施例では、模擬外乱トルクをトルク指令に直接入力しているが、微少距離を移動することでも、トルクが発生するので、同等のことが行える。
また、振動検出回路1はマイクロコンピュータ2で行っても良く、ゲインに伴い積分ゲインやトルクフィルタ等を連動させても良い。
次に、本発明の第2の実施の形態について図を参照して説明する。
図7は本発明の第2の実施の形態に係るサーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法の構成図である。
図8は図7のサーボ制御装置で模擬外乱速度を加えた場合の速度応答を示す図である。
図9は図7に示すサーボ制御装置の制御ゲインと速度のステップ応答の遅れ時間の関係例を示す図である。
図10は図7に示すサーボ制御装置の処理のフローチャートである。
図7において、1は振動検出手段、2はマイクロコンピュータ、3は電流アンプ、4はベースドライブ回路、5はパワートランジスタモジュール、6はモータ、20は応答遅れ時間検出である。図7と図1の相違点は応答遅れ時間検出20が追加された点である。
以上のような構成による動作を各図を参照して説明する。
まず、マイクロコンピュータ2は位置や速度といった指令を外部のコントローラ等から受取る。そして例えば速度指令の場合は速度制御を行いその出力の電流指令や電流制御の出力でベースドライブ駆動回路4を通してパワートランジスタ5を駆動してモータ6を制御する。ここで振動検出手段1は、前実施の形態で説明したように、トルク指令あるいはモータの速度信号中に含まれる振動成分が、あらかじめ定めたレベルを超えた場合に、振動を検出する。検出レベルは図3のように通常の運転を行い、機械特有の運転時の振動の振幅レベルを検出する。ここでは通常運転でのトルクの振動振幅の最大値を検出している。 この通常時の振動レベルの、例えば、3倍程度を振動の検出レベルとすればよい。
本発明の基本的な考え方については前実施の形態でも説明したが、再度、制御系が発振する状況の考察について説明すれば、
機械の摩擦等の負荷がない状態で、機械共振等で制御系に振動が発生すると、制御ループゲインの働きで振動が急速に増大して発振状態に移行してしまい振動を止めることが困難となる。摩擦等の機械の負荷は、エネルギーを消費することで、振動を押さえる働きがある。機械負荷があるもののゲインが高くて、振動しやすい不安定な状態では、負荷を変動させることで、振動を誘発することもできるし、また、誘発した振動を止めることもできる。こうした不安定な状態をつくり出すために、第2の実施の形態でも、図2の制御ブロック図のようにステップ状の模擬外乱トルクを加えることで、摩擦等の機械負荷に打ち勝って安定状態を壊し振動を誘発するように構成している。なお、この模擬外乱トルクを加える時間を短く設定することで、振動検出手段にて振動を検出した直後に振動を止めることができるようになっている。
次に、限界ゲインの具体的な検出手順を、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
最初に、位置ループや速度ループといった制御系のゲインを低ゲインとしておき、図3のように通常運転或いは運転して機械特有の運転時の振動レベルを検出する(S11)。この図では通常運転でのトルクの振動振幅の最大値を検出している。
次に、位置ループや速度ループといった制御系のゲインを低ゲインとしておき、図2の制御ブロック図のトルク指令τrefに模擬外乱トルクをステップで加えて(S12)、位置偏差或いは速度等の応答をあるレベル以上あることを確認する(S13)。ここで、あるレベル以上の応答がなければ、加えた模擬外乱トルクが機械負荷を超えられなかったと考え、模擬外乱トルクを大きくする(S14)。あらかじめ定めたレベルまで、応答が大きくなるように模擬外乱トルクを大きくする。この応答のレベルはS11の処理のような例えば通常の運転中の振動振幅の最大値の2倍等にする。
そして模擬外乱トルクがあるレベルまで大きくしても応答が大きくならない場合、応答の検出レベルを下げる。このようにして模擬外乱トルクの大きさとその応答の検出レベルを調整する。模擬外乱トルクの大きさを決めた後で、次に図4に示すような時間タイミングで段階的にゲインを上げる(S15)。ゲインを上げたところで、トルク指令に模擬外乱トルクを加え(S16)、振動検出手段1にて、振動を確認する。振動検出手段1は例えばトルク又は速度等の振幅を振動検出レベルと比較し、大きい場合振動として検出する。振動レベルは前に調整した応答レベルの例えば1.5倍等とする。模擬外乱トルクを加えた後にあるレベルを超えて振動を検出したら(S17)、図4のようなタイミングで模擬外乱トルクを加えるのは停止し、制御ゲインを振動しないレベル迄下げる(例えば、振動したゲインの半分あるいは、最初に設定した低いゲイン等)。あるいは確実に振動を止めるため、トルク指令を絞るか、位置偏差を一瞬ゼロにする。そして振動した時のゲインの1つ前のゲインを、マイクロコンピュータ内等の記憶手段内に限界ゲインとして記憶しておく(S18)。この記憶したゲインが検出すべき限界ゲインである。
以上の限界ゲインの抽出処理は、第1の実施の形態で説明したS1〜S9の処理とほぼ同じである
次に限界ゲインがある程度高い場合、機械を剛体として判断し剛体での限界ゲインの抽出を行う。このS19〜の処理が第2の実施の形態の部分である。
先ず、ここで速度の応答と制御ゲインの関係を考えてみると、周波数応答のカットオフ周波数fcとステップ応答の時定数Tの関係はfc= 1/2πT、となる。従ってステップ応答の時定数に相応する遅れ時間を求めると実際のカットオフ周波数を求めることができる。これは2次遅れもほぼ同様である。ここで制御ゲインを上げて応答を早めていくと遅れ時間は小さくなる。しかし制御系、機械系にはもともと遅れ要素やフィルタ等があるため、あるところ迄制御ゲインは上がってもこれ以上応答は上がらなくなってしまう。
ここが制御ゲインの限界の1つと考えることができる。
図9はある条件でのシミュレーションにより上げた制御ゲインとステップ応答の遅れの時間より換算した制御ゲインの関係を求めたものである。速度ループゲインを300Hz以上上げても応答の遅れ時間は早くならず、換算ゲインで限界であることが分かる。
この原理を応用して剛体での限界ゲインを抽出する。
まず、図10に戻って、制御ゲインを上げ(S20)、限界ゲインかどうかを確認する(S21)。次に図2の速度指令にステップ状の模擬外乱速度を加える(S22)。ここで模擬外乱速度の大きさは速度の応答が確認できれば良いので、速度が検出できるような小さな指令で充分である。すると応答遅れ時間検出20による検出により、図8(a)のような速度応答になるので、例えば、指令の63%の速度になる時間Tを計測する。この応答遅れ時間Tを周波数応答fcに換算すると図8(b)のように、
fc= 1/2πT [Hz] となる。
そして上げた制御ゲインがこの値より小さければ余裕があるものとし(S23)、再度制御ゲインを上げて限界ゲインかどうか確認する(S20)、(S21)。上げた制御ゲインがこの値よりも大きい場合は、余裕がないので、この値より小さな値を、限界ゲインとして更新する(S24)。そして、制御ゲインを下げる(S25)。制御ゲインの下げ方は前述(例えば振動したゲインの半分或いは最初に設定した低ゲイン等)したように下げる。
なお、振動検出手段1及び応答遅れ時間検出20はマイクロコンピュータ3で行っても良く、制御ゲインに伴い積分ゲインやトルクフィルタ等を連動させても良い。
本発明の第1の実施の形態に係るサーボ制御装置の制御ゲイン抽出方法の構成図である。 図1に示すサーボ制御装置の制御ブロック図である。 図1に示すサーボ制御装置における通常運転時の速度指令、速度、トルク波形と振動レベルの測定タイミング図である。 図1に示すサーボ制御装置におけるゲインを上げた時の振動の発生、振動発生時のゲイン低下および限界ゲイン抽出タイミングを示す図である。 図1に示すサーボ制御装置における振動が発生するゲインと加振する模擬外乱トルクの関係を示す図である。 図1に示すサーボ制御装置の限界ゲインを抽出する処理のフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るサーボ制御装置の制御ゲイン抽出方法の構成図である。 (a)は図7に示すサーボ制御装置で模擬外乱速度を加えた場合の速度応答を示す図、(b)は速度制御の周波数応答を示す図である。 図7に示すサーボ制御装置の制御ゲインと速度ステップ応答の遅れ時間の関係例を示す図である。 図7に示すサーボ制御装置の処理のフローチャートの前半である。 従来のサーボ制御装置の構成図である。 (i)は図7に示すサーボ制御装置の通常運転で振動する場合のタイミング図、(ii)は通常運転でゲインを上げていくタイミング図である。 図11に示すサーボ制御装置の通常運転で調整する場合に大きく発振した例を示す図である。
符号の説明
1 振動検出
2 CPU
3 電流アンプ
4 ベースドライブ回路
5 パワートランジスタ・モジュール
6 モータ
11 位置ループゲイン
12 速度制御
13 モータ
14 積分
20 応答遅れ時間検出

Claims (6)

  1. サーボモータを駆動するサーボ制御装置で、サーボ制御ゲインを上げて行き振動を検出することにより最大ゲイン値を得て系の制御ゲインを設定するサーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法において、
    制御系の振動を検出する振動検出手段を備え、制御ゲインをあげたところであるレベルの振動を与えるような模擬外乱トルクをトルク指令に加える加振手段を持ち、加振の大きさを調整して加振し前記振動検出手段で振動検出を行い、あるレベルの振動を検出する迄前記の制御ゲインを上げ模擬外乱トルクを加える処理をくり返し、前記振動検出手段があるレベルを超えた振動を検出したときの制御ゲインを限界ゲインとなす限界ゲイン抽出法で、上げる最大ゲインをあらかじめ決めてそこで制御ゲインを抑えることを特徴とするサーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法。
  2. サーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法において、上げる最大ゲイン迄上げ振動検出手段により振動が検出されない場合、模擬外乱トルクを増すことにより、なるべく振動させることなく最大制御ゲインの余裕を検出し余裕を得ることを特徴とする請求項1に記載のサーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法。
  3. サーボモータを駆動するサーボ制御装置で、制御ゲインを上げて行き振動を検出することにより最大ゲイン値を得て系の制御ゲインを設定するサーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法において、
    制御系の振動を検出する振動検出手段を備え、制御ゲインをあげたところであるレベルの振動を与えるような模擬外乱トルクを、トルク指令に加える加振手段を持ち、加振の大きさを調整して加振し前記振動検出手段で振動検出を行い、あるレベルの振動を検出する迄前記の制御ゲインを上げ模擬外乱トルクを加える処理をくり返し、前記振動検出手段があるレベルを超えた振動を検出した時の制御ゲインを限界ゲインとする限界ゲイン抽出法で、制御ゲインがある程度大きい場合、機械を剛体として判断することを特徴とするサーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法。
  4. サーボ制御装置の限界ゲイン抽出法において、前記剛体と判断した場合制御ゲインを上げ速度指令に外乱速度を入れ、その応答遅れより限界ゲインとすることを特徴とする請求項3に記載のサーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法。
  5. サーボ制御装置の限界ゲイン抽出法において、限界ゲインは許容遅れが指令に対する応答遅れが大きい場合、限界を超えたとすることを特徴とする請求項3又は4のいずれか一項に記載のサーボ制御装置の限界ゲイン抽出法。
  6. サーボ制御装置の限界ゲイン抽出法において、剛性が高いと人等が判断した場合に制御ゲインを上げ速度指令に外乱速度を入れ、その応答遅れより限界ゲインとすることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のサーボ制御装置の限界ゲイン抽出方法。
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