JP2005039929A - サーボ制御装置の振動抑制方法 - Google Patents

サーボ制御装置の振動抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 測定器を特に必要としないで安全に自動的又は半自動的に制御ゲインと補正ゲインの調整することを目的とする。
【解決手段】 補正ゲインを上げ制御ゲインを上げて振動を確認する方法で、推定速度から速度を引いた差の振動振幅より振動を検出する振動検出手段を使い、あるレベルの振動を与えるような模擬外乱トルクをトルク指令に加え、その差がある大きさになる制御ゲインを最大として、補正ゲインを大きくして変えていき最終的に制御ゲインの上がるものを選択するようにして調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、サーボモータを駆動するサーボ制御装置及びサーボモータに駆動される機械において、振動周波数の位相をずらして補正を加算して振動を抑制する方法において、補正ゲインを上げ制御ゲインを上げて振動を確認する方法で、加振して振動しない最大ゲインと最適な補正ゲインを抽出する方法に関する。
従来、振動周波数の位相をずらして補正を加算して振動を抑制する方法においては、補正ゲインを上げ制御ゲインを上げてマシンが振動するかを図9(i)から図9(ii)のように確認し、図10のようにトルクや補正量を測定器で確認しながら繰り返して調整していた。また制御ゲインを調整する方法としては特許文献1のように数値モデルに模擬信号を入れてその応答より判断して制御ゲインの調整を行ったり、特許文献2のように機械モデルのシミュレータで動作させて求めた制御ゲインを実対象に入れたりしていた。
特開2001−8477号公報
特開2000−92881号公報
ところが従来の技術では、制御ゲインの調整を感覚的に行っている為、誤って発振することがあった。機械が振動しやすいと直ぐに発振していた。また測定器が別に必要で簡単に調整できないという問題もあった。また機械的に出来ない為自動的にできなかった。特許文献1や特許文献2では数値モデルや機械のモデルを実機械等から取得して入力する必要があり、これを行うのが困難なこと、また実対象と合致していないと使うことができないという問題があった。
そこで本発明は測定器を特に必要としないで安全に自動的又は半自動的に制御ゲインと補正ゲインの調整をすることを目的とする。
上記課題を解決するため、補正ゲインを上げ制御ゲインを上げて振動を確認する方法で、推定速度から速度を引いた速度の振動振幅より振動を検出する振動検出手段を使い、あるレベルの振動を与えるような模擬外乱トルクをトルク指令に加え、その差がある大きさになる制御ゲインを最大として、補正ゲインを大きくして変えていき最終的に制御ゲインの上がるものを選択するようにして調整する。
本発明によれば、特別の測定器等を使用することなく推定速度から速度を引いた差を使い振動を検出するので、補正ゲインや制御ゲインの調整を行い、振動を抑制することができる。また推定速度から速度を引いた差は徐々に大きくなるので、発振等する前兆程度で機械を止めることができ、安全に調整を行うことができる。
以下、本発明の具体的実施例を図1に基づいて説明する。
図1において1はマイクロコンピュータ、2は電流アンプ、3はベースドライブ回路、4はパワートランジスタモジュール、5はモータ、6は機械、7は振動検出、8は最大振幅検出である。
以上のように構成された回路において、その動作を説明する。 まずマイクロコンピュータ1は位置や速度といった指令を外部のコントローラ等から受け取る。そして例えば速度指令の場合は速度制御を行いその出力の電流指令で電流制御を行い、ベースドライブ駆動回路3を通してパワートランジスタ4を駆動してモータ5を制御する。ここでマイクロコンピュータ1は、通常の制御以外に図2のブロック図のようにトルクτよりモデルの推定速度ωoを得る。そして推定速度から速度の差を算出して振動成分としてその最大振幅を観測できるようにする。推定速度から速度の差は、図2のようにモータ及び負荷のモデル11から推定速度を算出してそれに速度を引いて求める。あるいは図3のようにオブザーバ18から推定速度ωobを算出してそれに速度を引いて求める。推定速度と速度の差の最大振幅から振動や調整不良等を推定するのは、振動成分が観測しやすく正確に振動を反映しやすいからである。
またマイクロコンピュータ1は、図4のように速度制御の出力であるトルク指令τrefに、ステップ状の模擬外乱トルクを加えることができる。機械共振等により制御系の振動が発生する場合、図4のように振動補正手段23で振動の補正信号を出力し、速度指令に加算することで制御系の振動も抑えることができる。この場合、振動の補正ゲイン24を自動で設定する手法が本発明のポイントである。
本発明の振動抑制の補正ゲイン、制御ゲイン設定を図8の概略フローチャートを用いて説明する。最初に位置ループや速度ループといった制御系のゲインを低ゲインとしておき、図5のように運転して機械特有の運転時の振動レベルを検出する。この図では通常運転での推定速度−速度の振動振幅の最大値を検出している。図8の処理1を行う。ここで振動検出7は推定速度−速度がある振動レベルを超えた場合、振動として検出する。この振動レベルは、最初通常運転での振動レベルを検出して例えばその3倍したものを振動レベルとする。この振動レベルの倍率は目安で機械の用途、状況等に応じて決めても良い。
次に図8の処理2から処理3を行う。位置ループや速度ループといった制御系のゲインを低ゲインとしておき、図4の制御ブロック図のトルク指令τrefに模擬外乱トルクをステップで加えて、推定速度−速度の応答があるレベル以上あることを確認する。ここで、あるレベル以上の応答がなければ、加えた模擬外乱トルクが機械負荷を超えられなかったと考え、模擬外乱トルクを大きくする。あらかじめ定めたレベルまで、応答が大きくなるように模擬外乱トルクを大きくする。この応答のレベルは前記図8の処理1のように例えば通常の運転中の振動振幅の最大値を2倍にする。そして模擬外乱トルクがあるレベルまで大きくしても応答が大きくならない場合、応答の検出レベルを下げる。このようにして模擬外乱トルクの大きさとその応答の検出レベルを調整する。
模擬外乱トルクの大きさを決めた後で、図8の処理4のように補正ゲインを上げて、次に図6に示すような時間タイミングで、図8の処理5のように段階的に制御ゲインを上げる。図8の処理5〜7のようにゲインを上げたところで、トルク指令に模擬外乱トルクを加え振動検出7にて、振動を確認する。振動検出(処理1)は図6のように推定速度−速度の振幅を振動検出レベルと比較し、大きい場合振動として検出する。振動レベルは例えば前に調整した応答レベルの1.5倍等とする。模擬外乱トルクを加えた後にあるレベルを超えて振動を検出したら、図8の処理8のように最大制御ゲインを記憶し、制御ゲインは下げる。そして図8の処理9のように補正ゲインを上げることを制御ゲインが下がる迄繰返して行う。これは補正ゲインを0から上げることにより図7のP1を堺に制御ゲインが下がるので、図8の処理10のようにこのP1の時の制御ゲインと補正ゲインK1を抽出する。つまりその補正ゲインでの制御ゲインの最大値が下がる手前、前回の補正ゲイン、制御ゲインが最適な補正ゲインということになる。図4の振動補正手段23は例えば速度フィードバックより振動成分を抽出しその周波数の逆位相に補正ゲインをかけて補正する。補正ゲインは例えば振動成分を100%とした時その比率分をかける。一般に補正ゲインを大きくするとあるレベル迄は振動は低下し続けるが、補正が大きすぎると補正分が逆に振動を発生させてしまう。このようにして振動を抑制する補正ゲインと制御ゲインの最適点を得ることができる。また振動検出7と最大振幅検出8はマイクロコンピュータ1で行っても良い。
特別の測定器等を使用することなく推定速度から速度を引いた差を使い振動を検出するので、補正ゲインや制御ゲインの調整を行い、応答性を上げても振動を抑制することができる。また推定速度から速度を引いた差は徐々に大きくなるので、発振等する前兆程度で機械を止めることができ、安全に調整を行うことができる。
本発明の具体的実施例の構成図である。 本発明の制御ブロック図である。 本発明の別の実施例の制御ブロック図である。 制御ブロック図である。 通常運転した時の速度指令、速度、トルクの波形と振動レベルの測定タイミング図である。 制御ゲインと補正ゲインを上げて振動を発生及び振動発生時の制御ゲイン低下の動作タイミング図である。 補正ゲインと制御ゲインの関係例である。 本案の振動抑制の補正ゲイン、制御ゲイン設定の概略フローチャートである。 従来の補正ゲインと制御ゲインを調整する時の速度とトルクの観測波形例である。(i)は通常の場合で振動が無い場合、(ii)は振動気味の場合の速度とトルクの波形例である。 従来の実施例の構成図である。
符号の説明
1 マイクロコンピュータ
2 電流アンプ
3 ベースドライブ回路
4 パワートランジスタモジュール
5 モータ
6 機械
7 振動検出
8 最大振幅検出
9 速度制御
10 モータ
11 モータ及び負荷のモデル
12 速度制御
13 モータ
14 オブザーバの負荷イナーシャ分
15 オブザーバの速度制御のゲイン
16 積分
17 オブザーバの速度制御の積分
18 オブザーバの全体
19 位置ループゲイン
20 速度制御
21 モータ
22 積分
23 振動補正手段
24 補正ゲイン
25 マイクロコンピュータ
26 電流アンプ
27 ベースドライブ回路
28 パワートランジスタモジュール
29 モータ
30 機械
31 測定器(オシロスコープ等)

Claims (2)

  1. 機械を駆動するサーボモータ及びサーボモータを駆動するサーボ制御装置に関し、振動が発生した際に振動周波数の位相をずらして速度指令及びトルク指令に補正信号を加算して振動を抑制する方法において、速度指令及びトルク指令に加える補正信号の補正ゲインを上げ制御ゲインを上げて振動を確認する方法であって、推定速度から速度を差し引いた速度の振動振幅より振動を検出する振動検出手段と、あるレベルの振動を与えるような模擬外乱トルクをトルク指令に加える加振手段を持ち、加振の大きさを調整して加振し前記振動検出手段で振動検出を行い、振動しない最大制御ゲインを抽出する振動抑制方法。
  2. 前記振動しない最大制御ゲインを抽出する方法において、速度指令及びトルク指令に加える補正ゲインを調整して、振動しない最大制御ゲインと最適な補正ゲインを抽出する振動抑制方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006271116A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Yaskawa Electric Corp サーボ制御装置およびサーボ制御装置の最大ゲインの抽出方法
JP2009044947A (ja) * 2007-02-13 2009-02-26 Yaskawa Electric Corp フィードバック制御系の振動検出装置およびその検出方法、ならびに振動検出装置を備えたモータ制御装置

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