JP2005045321A - 画像処理装置 - Google Patents

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Kunihiko Tanaka
邦彦 田中
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Abstract

【課題】原稿画像の濃度にかかわらず、エッジ画素抽出処理などを良好に行うことができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】エッジ抽出のための空間フィルタ処理の前処理として、入力画像データに対する濃度正規化処理が正規化処理部1で行われる。正規化処理部1は、原稿画像をN(N:2以上の自然数)個の画素からなる局所領域単位に分割して抽出する局所領域抽出部11と、局所領域に含まれるN個の画素の濃度値f(n=1,2,・・・,N−1,N)の平均値favを算出する平均値算出部12と、局所領域に含まれるN個の画素の濃度値fのノルム‖f‖を算出するノルム算出部13と、局所領域に含まれるN個の画素の濃度値fを、その局所領域についての平均値favおよびノルム‖f‖に基づいて、それぞれ濃度正規化された濃度値gに変換する画素値変換部14とを備えている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像データに対して所定の画像処理を行う画像処理装置に関する。所定の画像処理には、たとえば、文字または線画などのエッジを構成するエッジ画素を抽出するエッジ画素抽出処理、このエッジ画素抽出処理で抽出されたエッジ画素をその周辺の画素に対して際立たせるためのエッジ強調処理、原稿画像の各部が文字領域または網点領域のどちらに属するかを判定するための領域判定処理などが含まれる。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル式の複写機やプリンタでは、原稿画像を良好に再現可能な画像データを得るために、イメージセンサによって読み取られた原稿の画像データ(原稿を構成する各画素のデータ)に対して、その画像データの種類に応じた画像処理が行われる。たとえば、文字または線画のエッジ(輪郭)を構成する画素(エッジ画素)のデータに対しては、その画素を周辺の画素に対して際立たせるためのエッジ強調処理が行われる(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなエッジ強調処理を行うためには、原稿画像を構成している全画素の中からエッジ画素を抽出しなければならない。エッジ画素を抽出する手法としては、空間フィルタ処理(たとえば、ラプラシアンフィルタ処理)を用いた手法が従来から一般に知られている。空間フィルタ処理では、注目画素(エッジ画素であるかどうか判定すべき画素)とその周囲の一定領域内に含まれる画素のデータ(濃度値)に、それぞれ所定のフィルタ係数を乗じて得られる値の総和が求められる。そして、この空間フィルタ処理の結果(各乗算値の総和)が所定の閾値以上であれば、その注目画素はエッジ画素であると判定される。たとえば、図5に示す3×3画素の領域内の中央の画素D5を注目画素として、図6に示す3×3ラプラシアンフィルタが空間フィルタとして用いられる場合、その3×3画素の領域内の画素D1〜D9の濃度値をそれぞれf,f,f,f,f,f,f,f,fとすると、空間フィルタ処理では、8×f+(−1)×f+(−1)×f+(−1)×f+(−1)×f+(−1)×f+(−1)×f+(−1)×f+(−1)×fの演算が行われる。そして、この演算値が所定の閾値以上であれば、注目画素D5はエッジ画素であると判定される。
【0004】
空間フィルタ処理で行われる演算は、注目画素およびその周囲の一定領域内に含まれる画素のデータの数列と空間フィルタのフィルタ係数の数列との畳み込み演算である。畳み込み演算は、それぞれの数列をフーリエ変換したものを掛け合わせることに等しいから、空間フィルタ処理の結果は、空間周波数領域において、注目画素およびその周囲の一定領域内に含まれる画素のデータの数列をフーリエ変換して得られる周波数成分と、空間フィルタのフィルタ係数の数列をフーリエ変換して得られる周波数成分とを掛け合わせた結果に対応する。したがって、空間フィルタ処理は、空間周波数領域において達成することもできる。すなわち、原稿画像のエッジに跨る画素間では濃度勾配(濃度変化)が大きいために、エッジ画素のデータは高い周波数成分を有するので、図7に示すような特性、つまり入力データの高周波数成分を強調して出力する特性を有するフィルタを用いた処理を行うことにより、空間周波数領域においてエッジ画素の抽出を達成することもできる。
【0005】
空間周波数領域で行われる処理としては、上記のようなエッジ抽出処理の他に、原稿画像の各画素が属する領域(たとえば、文字領域、写真領域または網点領域)を判定する処理がある。たとえば、特許文献2では、原稿画像を8×8画素のブロックに分割して、各ブロックごとに離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)を行うことにより、各ブロックに対応した8×8個のDCT係数を取得し、この8×8個のDCT係数に基づいて、各ブロックが文字領域または網点領域のどちらに属するかを判定する処理が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−102875号公報
【特許文献2】
特開平6−303425号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図8は、エッジに交差する一方向に連続する画素群(9画素)に対して空間フィルタ処理を施した結果を示す図である。図8(a)に示すように、濃度値「0」の画素と濃度値「200」の画素とによってエッジを形成している画素群に対して、1×3空間フィルタ(エッジ抽出フィルタ)F[−1,2,−1]による空間フィルタ処理を行った場合、エッジに跨って隣接する2画素についての空間フィルタ処理結果(畳み込み演算値)は「−200」,「200」となり、これらの2画素間で空間フィルタ処理結果に大きな差を生じる。ところが、図8(b)に示すように、濃度値「0」の画素と濃度値「100」の画素とによってエッジを形成している画素群については、1×3空間フィルタFによる空間フィルタ処理を行った場合、そのエッジに跨って隣接する2画素についての空間フィルタ処理結果は「−100」,「100」となり、これらの2画素間での空間フィルタ処理結果の差は大きな値にならない。そのため、図8(b)に示すような画素群に含まれるエッジ画素(低濃度画像のエッジを構成する画素)を、エッジ画素であるにもかかわらず、エッジ画素として抽出できないことがあった。
【0008】
このような問題は、空間周波数領域でフィルタ処理を行うことによってエッジ抽出する場合にも生じる。たとえば、図8(a),(b)に示す画素群の周波数特性をそれぞれ求めると、図9に示すように、図8(b)に示す画素群からなる領域は、図8(a)に示す画素群からなる領域と比べて、各周波数成分のスペクトル量が小さいことがわかる。このため、図8(b)に示す画素群からなる領域については、図7に示すような特性を有するフィルタを用いても、高周波数成分のスペクトル量が十分大きな値にならず、そのような周波数特性に基づいてはエッジ画素を抽出できないことがあった。
【0009】
さらにまた、原稿画像の濃度が低い場合、離散コサイン変換を利用した領域判定処理においても問題を生じる。すなわち、離散コサイン変換のために区分けされたブロック内の各画素の濃度が低く、そのブロック内の画像の各周波数成分のスペクトル量が小さいと、離散コサイン変換によって得られる8×8個のDCT係数の総和が小さくなる。このため、当該ブロックが網点領域に属するにもかかわらず、高周波数成分を示すDCT係数の総和が網点領域として判定されるための閾値を越えない結果、そのブロックが文字領域に属すると誤判定されることがあった。
【0010】
そこで、この発明の目的は、原稿画像の濃度(濃淡)にかかわらず、エッジ画素の抽出や領域判定などの処理を良好に行うことができる画像処理装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、原稿画像を複数の画素を含む局所領域単位に分割して、その分割によって得られた局所領域を抽出する局所領域抽出手段(11)と、この局所領域抽出手段によって抽出される局所領域に含まれる全画素の濃度値の平均値を算出する平均値算出手段(12)と、上記局所領域抽出手段によって抽出される局所領域に含まれる全画素の濃度値のノルムを算出するノルム算出手段(13)と、上記局所領域抽出手段によって抽出される局所領域に含まれる全画素の濃度値を、当該局所領域について上記平均値算出手段によって算出される平均値および上記ノルム算出手段によって算出されるノルムに基づいて、それぞれ正規化された濃度値に変換する正規化変換手段(14)と、この正規化変換手段によって生成される正規化された濃度値を表すデータに基づいて所定の画像処理を行う画像処理手段(2,3;4;5,6)とを含むことを特徴とする画像処理装置である。
【0012】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の構成によれば、原稿画像が複数の画素を含む局所領域単位に分割され、各局所領域ごとに、局所領域に含まれる複数の画素の濃度値の平均値およびノルムが算出され、その算出された平均値およびノルムに基づいて、当該局所領域に含まれる全画素の濃度値がそれぞれ濃度正規化された濃度値に変換される。こうして濃度正規化された濃度値を表すデータに基づいて、画像処理手段による所定の画像処理が行われる。
【0013】
上記画像処理手段による所定の画像処理は、文字または線画などのエッジを構成するエッジ画素を抽出するエッジ画素抽出処理を含んでいてもよい。すなわち、上記画像処理手段は、請求項2に記載のように、上記画像処理手段は、上記正規化変換手段によって生成される正規化された濃度値を表すデータに基づいて、原稿画像を形成する複数の画像の中からエッジ画素を抽出するエッジ画素抽出処理を行うエッジ画素抽出処理手段(3)を含むものであってもよい。より具体的には、請求項3に記載のように、上記画像処理手段は、上記正規化変換手段によって生成される正規化された濃度値を表すデータに対して空間フィルタ処理を施す空間フィルタ処理手段(2)をさらに含み、上記エッジ画素抽出処理手段は、この空間フィルタ処理手段による空間フィルタ処理後のデータに基づいてエッジ画素抽出処理を行うものであってもよい。
【0014】
濃度正規化された濃度値を表すデータに対して空間フィルタ処理を行うことによって、低濃度画像のエッジ部分と高濃度画像のエッジ部分とで同等の空間フィルタ処理結果を得ることができる。よって、エッジ画素であるか否かの判定のための閾値を適当な値に定めておけば、原稿に形成されている文字や線画の濃度(濃淡)にかかわらず、そのエッジを構成しているエッジ画素を精度良く抽出することができる。
【0015】
また、上記画像処理手段による所定の画像処理は、上記エッジ画素抽出処理で抽出されたエッジ画素をその周辺の画素に対して際立たせるためのエッジ強調処理をさらに含んでいてもよい。すなわち、請求項4に記載のように、上記画像処理手段は、上記エッジ画素抽出処理によって抽出されたエッジ画素をその周辺の画素に対して際立たせるためのエッジ強調処理手段(4)をさらに含むものであってもよい。
【0016】
エッジ画素抽出処理でエッジ画素を精度良く抽出することができるから、エッジ画素以外の画素にエッジ強調処理が行われることがない。よって、良好なエッジ強調処理を達成することができる。
さらにまた、原稿画像の各部が文字領域または網点領域のどちらに属するかを判定するための領域判定処理を含んでいてもよい。すなわち、請求項5に記載のように、原稿画像を所定のブロック単位に分割し、各ブロックに含まれる画素についての正規化された濃度値を表すデータを用いて離散コサイン変換を行うことにより、各ブロックに対応したDCT(Discrete Cosine Transform)係数群を取得し、その取得したDCT係数群に基づいて各ブロックが文字領域または網点領域のどちらに属するかを判定する領域判定処理を行う領域判定処理手段(5,6)をさらに含むものであってもよい。
【0017】
原稿画像を所定のブロック単位に分割し、各ブロックごとに、ブロック内に含まれる画素についての濃度正規化された濃度値を表すデータを用いて離散コサイン変換を行うことにより、原稿画像の濃度にかかわらず、文字領域に属するブロックについては、低周波数成分を示すDCT係数が多く含まれたDCT係数群を得ることができ、網点領域に属するブロックについては、高周波数成分を示すDCT係数が多く含まれたDCT係数群を得ることができる。よって、各ブロックが文字領域または網点領域のどちらに属するかを正確に判定することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像処理装置は、ディジタル複写機、ディジタルプリンタまたはディジタルファクシミリ装置などの画像形成装置に適用されて、原稿画像を光学的に読み取って得られた画像データ(たとえば、原稿画像を構成している各画素の濃度値を表す8ビットデータ)に対して各種の処理を施すためのものである。画像処理後の画像データは、その画像処理後の画像データに基づいて記録シート上に画像を形成する画像形成部へと送られる。
【0019】
画像処理装置は、マイクロコンピュータを含む構成であり、このマイクロコンピュータがプログラム処理を実行することによって、入力される画像データに対して濃度正規化処理を行う正規化処理部1と、この正規化処理部1による濃度正規化処理後の画像データに対して空間フィルタ処理を行う空間フィルタ処理部2と、空間フィルタ処理部2による空間フィルタ処理後の画像データに基づいて、原稿画像を形成する各画素が文字または線画のエッジを構成するエッジ画素であるか否かを判定するためのエッジ判定部3と、このエッジ判定部3によってエッジ画素と判定された画素(注目画素)に対して、その画素を周辺の画素に対して際立たせるためのエッジ強調処理を行うエッジ強調処理部4とを備えている。
【0020】
空間フィルタ処理部2は、原稿画像を形成する各画素を順次注目画素とし、注目画素およびその周囲の一定領域内に含まれる画素の濃度正規化後の濃度値に、それぞれ所定のフィルタ係数を乗じて得られる値の総和を表すデータを、その注目画素についての空間フィルタ処理後の画像データとして出力する。たとえば、1×3空間フィルタ(エッジ抽出フィルタ)F[−1,2,−1]による空間フィルタ処理であれば、注目画素の濃度正規化後の濃度値をgとし、その注目画素の主走査方向に隣接する2画素の濃度正規化後の濃度値をそれぞれg,gとすると、空間フィルタ処理部2では、2×g+(−1)×g+(−1)×gの演算が行われ、その演算結果を表すデータが注目画素についての空間フィルタ処理後の画像データとして出力されることになる。
【0021】
空間フィルタ処理部2から出力される画像データは、エッジ判定部3に与えられる。エッジ判定部3は、空間フィルタ処理部2から与えられた空間フィルタ処理後の画像データが表す濃度値と所定の閾値との大小を比較し、濃度値が所定の閾値以上であれば、その空間フィルタ処理部2から与えられた画像データに対応した画素はエッジ画素であると判定する。
図2は、正規化処理部1の構成を説明するためのブロック図である。正規化処理部1は、原稿画像をN(N:2以上の自然数)個の画素からなる局所領域単位に分割して、その分割によって得られた各局所領域を順次に抽出する局所領域抽出部11を備えている。たとえば、空間フィルタ処理部2による空間フィルタ処理で用いられるフィルタが1×3空間フィルタであれば、局所領域抽出部11は、原稿画像が主走査方向に並ぶ3画素からなる局所領域単位に分割して、この分割によって得られた各局所領域を順次に抽出する。
【0022】
正規化処理部1はさらに、局所領域抽出部11によって抽出される局所領域ごとに、局所領域に含まれるN個の画素の濃度値f(n=1,2,・・・,N−1,N)の平均値favを算出する平均値算出部12と、局所領域抽出部11によって抽出される局所領域ごとに、局所領域に含まれるN個の画素の濃度値fのノルム‖f‖を算出するノルム算出部13とを備えている。平均値算出部12によって算出される平均値favおよびノルム算出部13によって算出されるノルム‖f‖は、それぞれ下記式(1),(2)の通りに表すことができる。
【0023】
【数1】
Figure 2005045321
【0024】
平均値算出部12によって算出された平均値favおよびノルム算出部13によって算出されたノルム‖f‖は、画素値変換部14に入力されるようになっている。画素値変換部14は、局所領域抽出部11によって抽出される局所領域ごとに、局所領域に含まれるN個の画素の濃度値fを、その局所領域についての平均値favおよびノルム‖f‖に基づいて、それぞれ濃度正規化された濃度値gに変換する。
【0025】
局所領域に含まれるN個の画素の濃度値fの分散値δ は、その局所領域についての平均値favおよびノルム‖f‖を用いて、下記式(3)の通りに表すことができる。
【0026】
【数2】
Figure 2005045321
【0027】
原稿画像を形成する全画素についての濃度正規化は、局所領域抽出部11によって抽出される局所領域ごとに、その局所領域についての濃度正規化後の濃度値gの平均値gavおよびノルム‖g‖をそれぞれ一定値にすることによって達成できる。したがって、濃度正規化前の濃度値fを濃度正規化後の濃度値gに変換するための変換式を
=Af+B ・・・・・・(4)
ただし、A,B:係数
とすると、局所領域に含まれるN個の画素の濃度正規化後の濃度値gの平均値gavおよびノルム‖g‖は、それぞれ下記式(5),(6)の通りに表すことができる。
【0028】
【数3】
Figure 2005045321
【0029】
そして、平均値gavおよびノルム‖g‖をそれぞれ一定値α,βに等しくするとすれば、下記式(7),(8)の関係が成立し、これらの下記式(7),(8)を連立させて係数A,Bについて解くと、係数A,Bについての下記式(9),(10)を得ることができる。
【0030】
【数4】
Figure 2005045321
【0031】
したがって、パラメータとして設定される一定値α,β、ならびに平均値算出部12によって算出される平均値favおよびノルム算出部13によって算出されるノルム‖f‖を上記式(9),(10)に代入することにより、係数A,Bをそれぞれ求めることができ、さらに、その求めた係数A,Bを上記式(4)に代入することにより、濃度正規化前の濃度値fを濃度正規化後の濃度値gに変換するための変換式を得ることができる。ただし、平均値fav=0であれば、上記式(9),(10)中の根号内の分母の値が零となり、係数A,Bを求めることができないので、平均値fav=0のときには、係数A,Bをどちらも零(A=0,B=0)とする。
【0032】
画素値変換部14では、局所領域抽出部11によって抽出される局所領域ごとに、上述のようにして濃度正規化前の濃度値fを濃度正規化後の濃度値gに変換するための変換式が作成され、その作成された変換式に従って、濃度正規化前の濃度値fが濃度正規化後の濃度値gに変換される。
図3および図4は、正規化処理部1および空間フィルタ処理部2における処理の効果について説明するための図である。図3は、文字または線画などのエッジに交差する主走査方向に連続する9画素からなり、濃度値「0」の画素と濃度値「200」の画素とによってエッジを形成している画素群(高濃度画像のエッジ近傍の画素群)に対して、(a)濃度正規化処理を行った結果、および、(b)空間フィルタ処理を行った結果をそれぞれ示している。また、図4は、文字または線画などのエッジに交差する主走査方向に連続する9画素からなり、濃度値「0」の画素と濃度値「100」の画素とによってエッジを形成している画素群(低濃度画像のエッジ近傍の画素群)に対して、(a)濃度正規化処理を行った結果、および、(b)空間フィルタ処理を行った結果をそれぞれ示している。
【0033】
図3を参照して、9画素の画素群を3画素ごとの局所領域に分割し、上記式(9),(10)中の一定値α,βをそれぞれα=0,β=90として、各局所領域ごとに、濃度正規化前の濃度値fを濃度正規化後の濃度値gに変換するための変換式を作成し、その作成した変換式に従って、局所領域内の各画素の濃度値fを濃度正規化後の濃度値gに変換すると、濃度値「0」の画素については、濃度正規化後の濃度値として「−28」が得られ、濃度値「200」の画素については、濃度正規化後の濃度値として「33」が得られる。
【0034】
一方、図4に示す9画素の画素群に対しても、図3の場合と同様な濃度正規化処理を施す。つまり、9画素の画素群を3画素ごとの局所領域に分割し、上記式(9),(10)中の一定値α,βをそれぞれα=0,β=90として、各局所領域ごとに、濃度正規化前の濃度値fを濃度正規化後の濃度値gに変換するための変換式を作成し、その作成した変換式に従って、局所領域内の各画素の濃度値fを濃度正規化後の濃度値gに変換する。すると、図4(a)に示すように、濃度値「0」の画素については、濃度正規化後の濃度値として「−28」が得られ、濃度値「100」の画素については、濃度正規化後の濃度値として「33」が得られる。
【0035】
すなわち、濃度値「0」の画素と濃度値「200」の画素とによってエッジを形成している画素群に対して濃度正規化処理を行った結果と、濃度値「0」の画素と濃度値「100」の画素とによってエッジを形成している画素群に対して濃度正規化処理を行った結果とは同じになる。したがって、この濃度正規化処理後の画像データを用いて空間フィルタ処理を行うことにより、図3(b)および図4(b)を比較して理解できるように、濃度値「0」の画素と濃度値「200」の画素とによってエッジを形成している画素群と、濃度値「0」の画素と濃度値「100」の画素とによってエッジを形成している画素群とで、まったく同じ空間フィルタ処理結果を得ることができる。よって、エッジ画素であるか否かの判定のための閾値を適当な値に定めておけば、原稿に形成されている文字や線画の濃度(濃淡)にかかわらず、その文字や線画のエッジを構成しているエッジ画素を精度良く抽出することができる。
【0036】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。たとえば、上記の実施形態では、エッジ画素を抽出するための空間フィルタ処理の前処理として濃度正規化処理が行われる場合を取り上げたが、濃度正規化処理は、原稿画像を形成している各画素が文字領域または網点領域のどちらに属するかを判定する領域判定処理の前処理としても有効である。たとえば、図1に仮想線で示すように、正規化処理部1の後段にDCT(Discrete Cosine Transform)変換処理部5を設けて、原稿画像を所定のブロック単位に分割し、各ブロックごとに、ブロック内に含まれる画素についての濃度正規化処理後の画像データを用いて離散コサイン変換を行うことにより、原稿画像の濃度にかかわらず、文字領域に属するブロックについては、低周波数成分を示すDCT係数が多く含まれたDCT係数群を得ることができ、網点領域に属するブロックについては、高周波数成分を示すDCT係数が多く含まれたDCT係数群を得ることができる。よって、このDCT変換処理部5で得られた結果に基づいて、各ブロックが文字領域または網点領域のどちらに属するかを、領域判定処理部6において正確に判定することができる。
【0037】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】正規化処理部の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】エッジに交差する主走査方向に連続する9画素からなり、濃度値「0」の画素と濃度値「200」の画素とによってエッジを形成している画素群に対して、(a)濃度正規化処理を行った結果、および、(b)空間フィルタ処理を行った結果を示す図である。
【図4】エッジに交差する主走査方向に連続する9画素からなり、濃度値「0」の画素と濃度値「100」の画素とによってエッジを形成している画素群に対して、(a)濃度正規化処理を行った結果、および、(b)空間フィルタ処理を行った結果を示す図である。
【図5】3×3ラプラシアンフィルタによる空間フィルタ処理における注目画素およびその周辺の8画素を示す図である。
【図6】3×3ラプラシアンフィルタの一例を示す図である。
【図7】空間周波数領域においてエッジ画素を抽出するためのフィルタ特性を示す図である。
【図8】従来の画像処理装置において、エッジに交差する一方向に連続する画素群((a)濃度値「0」の画素と濃度値「200」の画素とによってエッジを形成している画素群、(b)濃度値「0」の画素と濃度値「100」の画素とによってエッジを形成している画素群)に対して空間フィルタ処理を施した結果を示す図である。
【図9】図8(a),(b)に示す画素群の周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1 正規化処理部
2 空間フィルタ処理部
3 エッジ判定部
4 エッジ強調処理部
5 DCT変換処理部
6 領域判定処理部
11 局所領域抽出部
12 平均値算出部
13 ノルム算出部
14 画素値変換部

Claims (5)

  1. 原稿画像を複数の画素を含む局所領域単位に分割して、その分割によって得られた局所領域を抽出する局所領域抽出手段と、
    この局所領域抽出手段によって抽出される局所領域に含まれる全画素の濃度値の平均値を算出する平均値算出手段と、
    上記局所領域抽出手段によって抽出される局所領域に含まれる全画素の濃度値のノルムを算出するノルム算出手段と、
    上記局所領域抽出手段によって抽出される局所領域に含まれる全画素の濃度値を、当該局所領域について上記平均値算出手段によって算出される平均値および上記ノルム算出手段によって算出されるノルムに基づいて、それぞれ正規化された濃度値に変換する正規化変換手段と、
    この正規化変換手段によって生成される正規化された濃度値を表すデータに基づいて所定の画像処理を行う画像処理手段と
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 上記画像処理手段は、上記正規化変換手段によって生成される正規化された濃度値を表すデータに基づいて、原稿画像を形成する複数の画像の中からエッジ画素を抽出するエッジ画素抽出処理を行うエッジ画素抽出処理手段を含むものであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 上記画像処理手段は、上記正規化変換手段によって生成される正規化された濃度値を表すデータに対して空間フィルタ処理を施す空間フィルタ処理手段をさらに含み、
    上記エッジ画素抽出処理手段は、この空間フィルタ処理手段による空間フィルタ処理後のデータに基づいてエッジ画素抽出処理を行うものであることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 上記画像処理手段は、上記エッジ画素抽出処理によって抽出されたエッジ画素をその周辺の画素に対して際立たせるためのエッジ強調処理手段をさらに含むものであることを特徴とする請求項2または3記載の画像処理装置。
  5. 上記画像処理手段は、原稿画像を所定のブロック単位に分割し、各ブロックに含まれる画素についての正規化された濃度値を表すデータを用いて離散コサイン変換を行うことにより、各ブロックに対応したDCT係数群を取得し、その取得したDCT係数群に基づいて各ブロックが文字領域または網点領域のどちらに属するかを判定する領域判定処理を行う領域判定処理手段を含むものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007286808A (ja) * 2006-04-14 2007-11-01 Kddi Corp 特徴点抽出装置

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