JP2005043410A - 撮影レンズのオートトラッキング調整システム - Google Patents
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Abstract
【課題】トラッキング調整におけるピント合わせを画像のコントラストに基づくいわゆるコントラスト方式のオートフォーカスにより行うことによりトラッキング調整の自動化を可能にし、また、オートフォーカスによる最初のピント合わせを開始する前に、ズームをテレ端に移動させて露光調整を行うことにより、ピント合わせの対象として選択した被写体以外の被写体による露光調整への影響を低減し、オートフォーカスの誤動作を防止すると共に、高精度でピント合わせを行えるようにしてトラッキング調整の精度の向上を図る撮影レンズのオートトラッキング調整システムを提供する。
【解決手段】コントロールユニット16は、オートトラッキング調整の開始が指示されると、撮影レンズ10のズームレンズをテレ端に移動させて露光調整を実行する。そして、ズームレンズをテレ端とワイド端とに交互に移動させると共に、テレ端ではフォーカスレンズを駆動し、ワイド端ではトラッキングレンズを駆動してオートフォーカスによりピント合わせを行う。
【選択図】 図1
【解決手段】コントロールユニット16は、オートトラッキング調整の開始が指示されると、撮影レンズ10のズームレンズをテレ端に移動させて露光調整を実行する。そして、ズームレンズをテレ端とワイド端とに交互に移動させると共に、テレ端ではフォーカスレンズを駆動し、ワイド端ではトラッキングレンズを駆動してオートフォーカスによりピント合わせを行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は撮影レンズのオートトラッキング調整システムに係り、特にコントラスト方式のオートフォーカスを用いてトラッキング調整を行う撮影レンズのオートトラッキング調整システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビカメラやビデオカメラで採用されるオートフォーカス(AF)の方式はコントラスト方式が一般的である。コントラスト方式は、例えば、被写体を撮影して得られる映像信号からフィルタにより高域周波数成分を抽出し、その高域周波数成分に基づいて被写体画像のコントラストの高低(鮮鋭度)を評価する。そして、その評価した値(本明細書では焦点評価値という)が最大(極大)となるように撮影レンズのフォーカス(フォーカスレンズ)を制御するようにしたものである。
【0003】
また、テレビカメラに用いられる撮影レンズには、一般にリレー系の一部に可動のレンズ群(以下、トラッキングレンズという)が配置されており、工場出荷時等にそのトラッキングレンズの位置が調整されてトラッキング調整(フランジバック調整)が行われている。
【0004】
トラッキング調整は、主にズームミングによる焦点ボケ(ズーム焦点移動)が生じないようにトラッキングレンズにより撮影レンズの結像面の位置(焦点位置)を調整するというもので、例えば次のような作業手順で行われる。できるだけ遠くの特定の被写体をピント合わせの対象とし、ズームをワイド端に設定すると共に、トラッキングレンズの位置を調整してピントを合わせる。続いて、ズームをテレ端に設定すると共にフォーカスレンズを動かしてピントを合わせる。このようにズームをワイド端とテレ端とで変化させてワイド端でのトラッキングレンズによるピント合わせと、テレ端でのフォーカスレンズによるピント合わせを繰り返し、ズームを変化させてもピントがボケなくなればトラッキング調整が完了する。尚、特許文献1にはトラッキング調整に関して記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特公平6―64223号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来、上述のようなトラッキング調整の作業はマニュアルで行うのが一般的である。しかしながら、マニュアルで行うのは煩雑な手間を要するため、トラッキング調整におけるピント合わせをオートフォーカスで行うようにし、トラッキング調整を自動で行えるようにすることが望ましい。
【0007】
一方、トラッキング調整におけるピント合わせに上述のコントラスト方式のオートフォーカスを使用した場合、露光が適切でないとオートフォーカスが誤動作したりフォーカス精度が低下する等の不具合が生じるため露光調整が重要となる。特にこの場合における露光調整はピント合わせの対象と同じ被写体を対象として行うことが必要であり、ピント合わせの対象以外の被写体に影響されないようにすることが重要である。もし、撮影範囲全体の明るさを考慮して露光調整を行うようにした場合、撮影範囲内において対象の被写体の周辺部に高輝度の被写体があると、その影響で対象の被写体の映像が暗くなりそれにピントを合わせることができないという問題が生じる。
【0008】
また、絞りをできるだけ開放に近い状態にして焦点深度を浅くすると精度の高いピント合わせを行うことができるという点も考慮するとより効果的である。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、トラッキング調整におけるピント合わせをオートフォーカスにより容易に行えるようにすると共に、その際の露光調整を適切に行い、オートフォーカスの誤動作を防止すると共に高精度でピント合わせを行えるようにした撮影レンズのオートトラッキング調整システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、所望の被写体にピントを合わせるために駆動されるフォーカスレンズと、焦点距離を変更するために駆動されるズームレンズと、結像面の位置を変更するために駆動されるトラッキングレンズとを備えた撮影レンズと、前記撮影レンズにより結像された画像のコントラストに基づいて前記フォーカスレンズを駆動してピント合わせを自動で行う第1のオートフォーカス手段と、前記撮影レンズにより結像された画像のコントラストに基づいて前記トラッキングレンズを駆動してピント合わせを自動で行う第2のオートフォーカス手段と、前記ズームレンズを駆動して第1の位置又は第2の位置に設定するズーム制御手段と、オートトラッキング調整の開始を指示する開始指示手段と、前記ズーム制御手段により前記ズームレンズが前記第1の位置に設定された状態での前記第1のオートフォーカス手段によるピント合わせと、前記ズーム制御手段により前記ズームレンズが前記第2の位置に設定された状態での前記第2のオートフォーカス手段によるピント合わせとを、前記開始指示手段によりトラッキング調整の開始が指示された後、トラッキング調整の所定の終了条件が満たされるまで繰り返すトラッキング調整手段と、前記開始指示手段によりトラッキング調整の開始が指示された後、前記トラッキング調整手段における最初のピント合わせが開始される前に前記ズームレンズをテレ端又はFドロップの開始位置に設定して露光調整を実行する露光調整手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、トラッキング調整におけるピント合わせを画像のコントラストに基づくいわゆるコントラスト方式のオートフォーカスにより行うようにしたため、トラッキング調整の自動化が可能となる。また、トラッキング調整におけるオートフォーカスによる最初のピント合わせが開始される前に、ズームをテレ端又はFドロップの開始位置に移動させて露光調整を行うようにしたため、ピント合わせの対象として選択した被写体を撮影範囲内で拡大して露光調整が行われるようになり、対象の被写体に対して適切に露光調整が行われる。即ち、ズームをワイド側に設定した状態で露光調整を行った場合に、対象の被写体以外の被写体の影響で対象の被写体の画像が暗すぎたり、明るすぎたりする不具合が低減され、対象の被写体に対して適切な露光調整が行われる。従って、オートフォーカスの誤動作が防止されると共に、高精度でピント合わせが行われるようになり、トラッキング調整の精度の向上が図れる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、所望の被写体にピントを合わせるために駆動されるフォーカスレンズと、焦点距離を変更するために駆動されるズームレンズと、結像面の位置を変更するために駆動されるトラッキングレンズとを備えた撮影レンズと、前記撮影レンズにより結像された画像のコントラストに基づいて前記フォーカスレンズを駆動してピント合わせを自動で行う第1のオートフォーカス手段と、前記撮影レンズにより結像された画像のコントラストに基づいて前記トラッキングレンズを駆動してピント合わせを自動で行う第2のオートフォーカス手段と、前記ズームレンズを駆動して第1の位置又は第2の位置に設定するズーム制御手段と、オートトラッキング調整の開始を指示する開始指示手段と、前記ズーム制御手段により前記ズームレンズが前記第1の位置に設定された状態での前記第1のオートフォーカス手段によるピント合わせと、前記ズーム制御手段により前記ズームレンズが前記第2の位置に設定された状態での前記第2のオートフォーカス手段によるピント合わせとを前記開始指示手段によりトラッキング調整の開始が指示された後、トラッキング調整の所定の終了条件が満たされるまで繰り返すトラッキング調整手段と、前記開始指示手段によりトラッキング調整の開始が指示された後、前記トラッキング調整手段における最初のピント合わせが開始される前、又は、前記トラッキング調整手段における各ピント合わせが開始される前に、前記撮影レンズにより結像された画像を撮像する撮像面の一部の範囲であって前記第1及び第2のオートフォーカス手段により画像のコントラストを検出する対象範囲であるフォーカスエリアと略同一範囲の画像が適正露光となるように露光調整を実行する露光調整手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
本発明によれば、トラッキング調整におけるピント合わせを画像のコントラストに基づくいわゆるコントラスト方式のオートフォーカスにより行うようにしたため、トラッキング調整の自動化が可能となる。また、トラッキング調整におけるオートフォーカスによる最初のピント合わせが開始される前、又は、各ピント合わせが開始される前に、オートフォーカスによるピント合わせの対象範囲であるフォーカスエリアと同一範囲を対象範囲として露光調整を行うようにしたため、ピント合わせの対象として選択した被写体に対して露光調整が行われるようになる。従って、オートフォーカスの誤動作が防止されると共に、高精度でピント合わせが行われるようになる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記露光調整手段は、前記撮影レンズの絞りが開放となるように前記撮影レンズが装着されるカメラ本体での露光調整機能により露光調整を行うことを特徴としている。
【0015】
本発明によれば、撮影レンズの絞りが開放となるようにカメラ本体での露光調整機能、例えば、NDフィルターや電子シャッターを用いた露光調整機能により上記露光調整を行うようにしたため、焦点深度をできるだけ浅くした状態でオートフォーカスによるピント合わせを行うことができるようになる。従って、より高精度にピント合わせが行われ、トラッキング調整の精度も向上する。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記トラッキング調整手段における各ピント合わせが開始される前に前記露光調整を行う場合に、前記フォーカスエリアは、前記ズームレンズが前記第1の位置に設定されている場合と、前記第2の位置に設定されている場合とで略同一画角範囲の被写体の画像のコントラストを検出する範囲となるように変更されることを特徴としている。
【0017】
本発明によれば、フォーカスレンズ及びトラッキングレンズを駆動してオートフォーカスにより行うピント合わせを行う第1の位置と第2の位置とでピント合わせ及び露光調整の対象とする被写体が一致するため、両位置において同一対象の被写体に対して適切にオートフォーカスが行われるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る撮影レンズのオートトラッキング調整システムの好ましい実施の形態について詳説する。
【0019】
図1は、本発明が適用される例えばテレビジョン用やシネマ用の撮影システムの構成を示したブロック図である。同図において撮影レンズ(光学系)10は、撮像素子や映像信号処理回路等を搭載したカメラ本体12にマウントによって装着されている。撮影レンズ10は、鏡胴内に配置された可動の光学部品の種類に対応してフォーカス部10A、ズーム部10B、アイリス部10C、トラッキング部10Dとに分けられており、フォーカス部10Aには主に被写体にピントを合わせるために光軸方向に駆動されるフォーカスレンズ(フロントフォーカスレンズ)(群)が配置され、ズーム部10Bには撮影レンズ10の焦点距離を変更するために光軸方向に駆動されるズームレンズ(群)が配置されている。アイリス部10Cには絞りが配置され、トラッキング部10Dには撮影レンズ10の結像面の位置を調整するために駆動されるトラッキングレンズ(フランジフォーカスレンズ)(群)が配置されている。
【0020】
各部10A〜10Dに配置されたフォーカスレンズ、ズームレンズ、絞り、トラッキングレンズはそれぞれ、例えば撮影レンズ10の鏡胴に装着されるドライブユニット14A〜14Dの各モータに連結され、各モータによって駆動されるようになっている。また、各ドライブユニット14A〜14Dは、コントロールユニット16の所定端子にケーブル等で接続され、各ドライブユニット14A〜14Dのモータは、コントロールユニット16から与えられる駆動信号により駆動されるようになっている。従って、フォーカスレンズ、ズームレンズ、絞り、トラッキングレンズは、コントロールユニット16からの駆動信号に従って駆動される。
【0021】
コントロールユニット16は、詳細を後述するようにフォーカスやトラッキング調整の処理等を実行するための回路を内蔵した装置である。
【0022】
コントロールユニット16の所定端子には、カメラ本体12の映像信号出力端子12Aがケーブル等によって接続されており、撮影レンズ10により結像された画像をカメラ本体12の撮像素子により光電変換して得られた映像信号がコントロールユニット16に与えられるようになっている。コントロールユニット16は、オートフォーカスによるピント合わせを実行する際には詳細を後述するようにコントラスト方式のオートフォーカス処理によりその映像信号に基づいてフォーカスレンズやトラッキングレンズを駆動してピント合わせを行う。
【0023】
コントロールユニット16の他の端子には、カメラ本体12の制御端子12Bがケーブル等によって接続されており、コントロールユニット16の電源がカメラ本体12から供給されると共に、各種信号のやり取りがカメラ本体12との間で行われるようになっている。
【0024】
また、撮影レンズ10のフォーカスやズームは、コントロールユニット16の所定端子に接続されたフォーカスコントローラ18やズームコントローラ20を用いてマニュアルで操作することができるようになっており、コントロールユニット16には、フォーカスコントローラ18やズームコントローラ20に設けられたマニュアル操作部材の操作に基づく指令信号が与えられるようになっている。コントロールユニット16は、マニュアルフォーカスモード時において各コントローラ18、20から与えられる指令信号に基づいてフォーカスレンズやズームレンズを駆動することにより、マニュアルでのフォーカス、ズームの操作を可能にする。尚、絞りやトラッキングレンズについても同様にコントローラによってマニュアル操作できるようにすることは可能である。
【0025】
図2は、主にコントロールユニット16におけるオートフォーカス及びトラッキング調整の処理に関連する構成を示したブロック図である。同図に示すようにコントロールユニット16にはCPU30が内蔵されており、CPU30からは上記ドライブユニット14A〜14Dのそれぞれに搭載されたフォーカスドライバ回路32A、ズームドライバ回路32B、アイリスドライバ回路32C、トラッキングドライバ回路32Dに駆動信号が与えられ、上記ドライブユニット14A〜14Dの各モータがCPU30からの駆動信号に基づいて各ドライバ回路32A〜32Dによって駆動されるようなっている。また、CPU30とカメラ本体12の制御端子12Bとの間では各種信号の送受信が行われるようになっている。
【0026】
一方、カメラ本体12の映像出力端子12Aからコントロールユニット16に与えられた映像信号は、焦点評価値生成部34に入力されて画像のコントラストの高低を評価する焦点評価値が生成され、その焦点評価値がCPU30に与えられるようになっている。
【0027】
焦点評価値生成部34は、主としてA/D変換器36、ハイパスフィルタ(HPF)38、ゲート回路40、加算回路42から構成される。コントロールユニット16に入力された映像信号は、まず、A/D変換器36によりデジタル信号に変換される。尚、ここでの映像信号は、画面を構成する各画素の輝度値を示す輝度信号とする。A/D変換器36によってデジタル信号に変換された映像信号は続いてHPF38に入力され高域周波数成分の信号が抽出される。そして、HPF38により抽出された信号はゲート回路40に入力される。ゲート回路40に入力された信号は、CPU30からの信号によって設定されるフォーカスエリア内(例えば、画面中央部)の画素に対応する範囲の信号のみを抽出され、加算回路42に入力される。そして、加算回路42により加算される。これにより、HPF38により映像信号から抽出された高域周波数成分の信号のうち、フォーカスエリア内における信号の値の総和が求められる。これによって得られた値は、フォーカスエリア内における画像のコントラスト(鮮鋭度)の高低を示す焦点評価値としてCPU30に与えられる。
【0028】
CPU30は、オートフォーカスの処理時において、焦点評価値生成部34から与えられる焦点評価値を参照しながらいわゆる山登り方式によりフォーカスレンズ又はトラッキングレンズを焦点評価値の極大点に移動させる。即ち、焦点評価値が増加する方向にフォーカスレンズ又はトラッキングレンズを移動させて行き、焦点評価値が減少を示すと、焦点評価値が増加から減少に切り替わった位置を極大点(合焦点)と判断してその位置にフォーカスレンズ又はトラッキングレンズを停止させる。これによりフォーカスエリア内の被写体にピントが合わせられる。
【0029】
コントロールユニット16には複数のスイッチから構成されるコントロールスイッチ44が設けられており、それらのスイッチ状態を示すスイッチ信号がCPU30に与えられるようになっている。詳細は省略するがコントロールスイッチ44のスイッチを操作することにより各種モードを選択できるようになっている。選択可能なモードとしては、例えば、フォーカスコントローラ18からの指令信号に基づいてフォーカスレンズを駆動するマニュアルフォーカスモード、焦点評価値生成部34により得られる焦点評価値に基づいてフォーカスレンズを駆動して自動でピント調整を行うオートフォーカスモード、自動でトラッキング調整を行う以下に詳説するオートトラッキング調整モード等がある。尚、オートトラッキング調整モードを選択するスイッチを特にATスイッチというものとする。
【0030】
次に、コントロールユニット16におけるオートトラッキング調整モードの処理について説明する。オートトラッキング調整モードは、撮影レンズ10のフォーカスレンズ、トラッキングレンズ、ズームレンズ及び絞りを駆動して自動でトラッキング調整を行うモードであり、コントロールユニット16に設けられたATスイッチをオンすると、オートトラッキング調整モードの処理が開始される。
【0031】
まず、オートトラッキング調整モードにおける上記CPU30の処理の概略を説明する。操作者は、オートトラッキング調整を開始する前に特定の被写体(例えば、コントラストの高いチャート)をピント合わせの対象としてその被写体が撮影範囲の略中央となるようにカメラの撮影方向を固定する。そして、コントロールユニット16のATスイッチをオンする。これにより、CPU30は、ズームドライバ回路32Bに駆動信号を出力してズームレンズをワイド端とテレ端とに順に移動させると共に、ワイド端ではフォーカスドライバ回路32Aに駆動信号を出力してフォーカスレンズを駆動することにより対象の被写体にピントを合わせる。一方、テレ端ではトラッキングドライバ回路32Dに駆動信号を出力してトラッキングレンズを駆動することにより対象の被写体にピントを合わせる。そして、この処理を数回繰り返し行う。これによって、ズームレンズをワイド端とテレ端とに動かしてもフォーカスレンズやトラッキングレンズを動かすことなく対象の被写体にピントが合った状態で維持されるようになる。これにより、トラッキング調整が終了する。
【0032】
ワイド端やテレ端での上記ピント合わせはオートフォーカスの処理により行われる。その際のオートフォーカスは一度だけピント合わせを行ういわゆるワンショットオートフォーカス(ワンショットAF)である。ワンショットAFの処理においてCPU30は、焦点評価値生成部34から取得した焦点評価値に基づく上述の山登り方式によって、ワイド端ではフォーカスレンズを、テレ端ではトラッキングレンズを、焦点評価値が極大となる合焦位置に移動させる。そして、このようにフォーカスレンズ又はトラッキングレンズを合焦位置に一度設定するとワンショットAFの処理を停止する。
【0033】
また、上述のようにATスイッチがオンされてワイド端とテレ端とでのワンショットAFの処理の開始する前に露光調整が行われるようになっている。具体的な処理手順については後述するが、CPU30は、露光調整を行う前にまずズームレンズをテレ端に移動させ、ピント合わせ(トラッキング調整)の対象としている被写体を撮影画面内で拡大する。そして、フォーカスエリア内の被写体に対して適切な露光調整を行う。これにより、フォーカスエリアの全範囲又は多くの部分を操作者がピント合わせの対象として選択した被写体が占めるようになり、その対象の被写体に対して適切な露光調整が行われるようになる。従って、対象の被写体の周辺部にその被写体と比べて極端に明るさが異なる高輝度や低輝度の被写体があっても対象の被写体に対して適切な信号レベル(輝度レベル)の映像信号が得られるため、この後に行われるワイド端やテレ端でのオートフォーカスによるピント合わせが対象の被写体に対して適切に行われるようになる。
【0034】
尚、フォーカスエリアは、例えば、図3に示すように撮影範囲100の中央部に鎖線FAに示す範囲に設定され、この範囲の画像の明るさに基づいて露光調整が行われる。
【0035】
更に、本実施の形態における上記露光調整は、撮影レンズ10の絞りが開放(フルオープン)となるようにカメラ本体12側において行われ、絞りを開放にした場合に得られるフォーカスエリア内の映像信号(輝度信号)が適正なレベルとなるようにNDフィルターや電子シャッター等を用いた露光調整機能により行われるようになっている。絞りを開放にすると焦点深度が浅くなるため高い精度でオートフォーカスによるピント合わせが行われる。
【0036】
このときのCPU30とカメラ本体12との信号のやり取りは次のように行われる。まず、CPU30は、カメラ本体12に対して制御端子12B(図1参照)を通じてオートトラッキング調整の開始を示す信号を送信する。これによって、カメラ本体12では、絞りを開放にした場合に得られる映像信号が適正なレベルとなるようにNDフィルターや電子シャッター等により露出調整を行う。そして、露出調整を適正に行うと、カメラ本体12は、絞りを開放に設定する旨の開放指令を制御端子12Bを通じてCPU30に送信する。通常、絞りの制御は、カメラ本体12から与えられる制御信号に従って行われるため、この場合もCPU30はカメラ本体12から与えられた開放指令を受信すると、それに従って絞りを開放に設定する。ただし、カメラ本体12からの開放指令を受けることなく、オートトラッキング調整を開始する際にCPU30が絞りを開放に設定するようにしてもよい。
【0037】
次に、上記CPU30の処理手順を図4のフローチャートで説明する。まず、CPU30は所要の初期設定を行った後(ステップS10)、オートトラッキング調整以外の処理を実行する(ステップS12)。続いてATスイッチがオンか否かを判断する(ステップS14)。NOと判定した場合にはステップS12に戻る。
【0038】
一方、YESと判定した場合には、ズーム(ズームレンズ)をテレ端に移動させる(ステップS16)。続いてカメラ本体12にATスタートを示す信号を送信する(ステップS18)。これにより、カメラ本体12で露光調整が行われ、その間、CPU30はカメラ本体12から絞り開放指令があったか否かを判定する(ステップS20)。NOと判定している間はステップS20の判定処理を繰り返す。一方、YES、即ち、カメラ本体12での露光調整が終了し、カメラ本体12から絞り開放指令があったと判定すると、続いて、絞りを開放に設定する(ステップS22)。
【0039】
次に、カメラ本体12からオートトラッキング開始指令があったか否かを判定する(ステップS24)。NOと判定している間はステップS24の判定処理を繰り返す。一方、YESと判定した場合には、フォーカスレンズを駆動してワンショットAFの処理を実行する(ステップS26)。この処理によりテレ端でのフォーカスレンズによるピント合わせが終了すると、続いて、ズームをワイド端に移動させる(ステップS28)。そして、トラッキングレンズを駆動してワンショットAFの処理を実行する(ステップS30)。次にズームをテレ端に移動させ(ステップS32)、ステップS26からステップS32までの処理ループが3回目か否かを判定する(ステップS34)。NOと判定した場合にはステップS26の処理から繰り返す。一方、YESと判定した場合には、AT完了をカメラ本体12に通知し(ステップS36)、上記ステップS12に戻る。
【0040】
尚、ワイド端でのフォーカスレンズによるピント合わせと、テレ端でのトラッキングレンズによるピント合わせとの処理(ステップS26〜ステップS32)はトラッキング調整が完了したと判断されるまで繰り返すが、トラッキング調整が完了したと判断する条件は、上記実施の形態のように繰り返し回数が規定数に達したか否かでなくてもよい。例えば、ワイド端とテレ端でのピント合わせ時においてフォーカスレンズの変位量とトラッキングレンズの変位量とがそれぞれ所定量以下になったか否かを条件とし、この条件が満たされた場合にトラッキング調整が完了したと判断することもできる。
【0041】
以上、上記実施の形態のオートトラッキング調整モードでは、露光調整を行うズームの位置をテレ端としたが、これに限らない。絞りを開放にした状態でズームをテレ側に変化させるとある位置から急激に光量が低下し映像信号の信号レベル(輝度レベル)が低下するRamping(Fドロップ)という現象が知られている。このような現象が生じる場合に、ズームをテレ端にして露光調整を行うと、ワイド端でのピント合わせ時に光量オーバーとなり、オートフォーカスでのピント合わせが適切に行われなくなるおそれがある。そのため、露光調整を行うズームの位置をテレ端ではなくズームをテレ側に変化させたときにFドロップが始まる位置(Fドロップの開始位置)としてもよい。尚、この場合においてフォーカスレンズの駆動によるピント合わせもテレ端ではなくFドロップの開始位置としてもよいが、テレ端のままであってもよい。Fドロップの開始位置で露光調整を行った場合、テレ端では光量が不足するが光量の不足に対してはオートフォーカスによるピント合わせが適正に行われる許容範囲が広いため不具合は生じ難い。
【0042】
また、上記実施の形態のオートトラッキング調整モードでは、ズームをテレ端(又はFドロップの開始位置)に設定すると共に、フォーカスエリアと同一範囲を対象として露光調整を行うようにしたが、いずれか一方のみの条件下で露光調整を行うようにしてもよい。例えば、ズームをテレ端(又はFドロップの開始位置)に設定し、そのときの撮影範囲全体を露光調整の対象範囲とした場合であってもピント合わせの対象として操作者が選択した被写体を画面上で拡大することができるため、他の被写体による露光調整への影響を低減することができる。また、露光調整を行うズームの位置を特に限定せず、フォーカスエリアと同一範囲を対象範囲として露光調整を行うようにした場合であっても、フォーカスエリア外の被写体の露光調整への影響は受けずピント合わせの対象の被写体に適切な露光調整が行われるようになる。
【0043】
更に、上記実施の形態のオートトラッキング調整モードでは、最初のオートフォーカス(ワンショットAF)によるピント合わせ(テレ端でのフォーカスレンズの駆動によるピント合わせ)の前に一度だけ露光調整を行うようにしたが、上述のようにフォーカスエリアと同一範囲を対象範囲として露光調整を行うとした場合にテレ端やワイド端での各ピント合わせの開始前に露光調整を行うようにしてもよい。また、この場合に、フォーカスエリアを変更し、オートフォーカス及び露光調整の対象範囲をズーム位置にかかわらず同一画角範囲となるようにしてもよい。
【0044】
また、上記実施の形態では、フォーカスレンズの駆動によるピント合わせをテレ端(又はFドロップの開始位置)で行い、トラッキングレンズの駆動によるピント合わせをワイド端で行うようにしたが、ピント合わせを行うズームの位置は必ずしもこれに限定されない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る撮影レンズのオートトラッキング調整システムによれば、トラッキング調整におけるピント合わせを画像のコントラストに基づくいわゆるコントラスト方式のオートフォーカスにより行うようにしたため、トラッキング調整の自動化が可能となる。また、トラッキング調整におけるオートフォーカスによる最初のピント合わせが開始される前に、ズームをテレ端に移動させて露光調整を行うようにし、又は、トラッキング調整におけるオートフォーカスによる最初のピント合わせが開始される前や各ピント合わせが開始される前に、オートフォーカスによるピント合わせの対象範囲であるフォーカスエリアと同一範囲を対象範囲として露光調整を行うようにしたため、ピント合わせの対象として選択した被写体に対して露光調整が行われるようになる。即ち、ピント合わせの対象として選択した被写体以外の被写体の影響で対象の被写体の画像が暗すぎたり、明るすぎたりする不具合が低減され、対象の被写体に対して適切な露光調整が行われる。従って、オートフォーカスの誤動作が防止されると共に、高精度でピント合わせが行われるようになり、トラッキング調整の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用される撮影システムの構成を示したブロック図である。
【図2】図2は、コントロールユニットの構成を示したブロック図である。
【図3】図3は、フォーカスエリアを示した図である。
【図4】図4は、オートトラッキング調整モードでの処理手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
10…撮影レンズ、10A…フォーカス部、10B…ズーム部、10C…アイリス部、10D…トラッキング部、12…カメラ本体、14A〜14D…ドライブユニット、16…コントロールユニット、18…フォーカスコントローラ、30…CPU、32A…フォーカスドライバ回路、32B…ズームドライバ回路、32C…アイリスドライバ回路、32D…トラッキングドライバ回路、34…焦点評価値生成部、36…A/D変換器、38…ハイパスフィルタ、40…ゲート回路、42…加算回路
【発明の属する技術分野】
本発明は撮影レンズのオートトラッキング調整システムに係り、特にコントラスト方式のオートフォーカスを用いてトラッキング調整を行う撮影レンズのオートトラッキング調整システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビカメラやビデオカメラで採用されるオートフォーカス(AF)の方式はコントラスト方式が一般的である。コントラスト方式は、例えば、被写体を撮影して得られる映像信号からフィルタにより高域周波数成分を抽出し、その高域周波数成分に基づいて被写体画像のコントラストの高低(鮮鋭度)を評価する。そして、その評価した値(本明細書では焦点評価値という)が最大(極大)となるように撮影レンズのフォーカス(フォーカスレンズ)を制御するようにしたものである。
【0003】
また、テレビカメラに用いられる撮影レンズには、一般にリレー系の一部に可動のレンズ群(以下、トラッキングレンズという)が配置されており、工場出荷時等にそのトラッキングレンズの位置が調整されてトラッキング調整(フランジバック調整)が行われている。
【0004】
トラッキング調整は、主にズームミングによる焦点ボケ(ズーム焦点移動)が生じないようにトラッキングレンズにより撮影レンズの結像面の位置(焦点位置)を調整するというもので、例えば次のような作業手順で行われる。できるだけ遠くの特定の被写体をピント合わせの対象とし、ズームをワイド端に設定すると共に、トラッキングレンズの位置を調整してピントを合わせる。続いて、ズームをテレ端に設定すると共にフォーカスレンズを動かしてピントを合わせる。このようにズームをワイド端とテレ端とで変化させてワイド端でのトラッキングレンズによるピント合わせと、テレ端でのフォーカスレンズによるピント合わせを繰り返し、ズームを変化させてもピントがボケなくなればトラッキング調整が完了する。尚、特許文献1にはトラッキング調整に関して記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特公平6―64223号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来、上述のようなトラッキング調整の作業はマニュアルで行うのが一般的である。しかしながら、マニュアルで行うのは煩雑な手間を要するため、トラッキング調整におけるピント合わせをオートフォーカスで行うようにし、トラッキング調整を自動で行えるようにすることが望ましい。
【0007】
一方、トラッキング調整におけるピント合わせに上述のコントラスト方式のオートフォーカスを使用した場合、露光が適切でないとオートフォーカスが誤動作したりフォーカス精度が低下する等の不具合が生じるため露光調整が重要となる。特にこの場合における露光調整はピント合わせの対象と同じ被写体を対象として行うことが必要であり、ピント合わせの対象以外の被写体に影響されないようにすることが重要である。もし、撮影範囲全体の明るさを考慮して露光調整を行うようにした場合、撮影範囲内において対象の被写体の周辺部に高輝度の被写体があると、その影響で対象の被写体の映像が暗くなりそれにピントを合わせることができないという問題が生じる。
【0008】
また、絞りをできるだけ開放に近い状態にして焦点深度を浅くすると精度の高いピント合わせを行うことができるという点も考慮するとより効果的である。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、トラッキング調整におけるピント合わせをオートフォーカスにより容易に行えるようにすると共に、その際の露光調整を適切に行い、オートフォーカスの誤動作を防止すると共に高精度でピント合わせを行えるようにした撮影レンズのオートトラッキング調整システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、所望の被写体にピントを合わせるために駆動されるフォーカスレンズと、焦点距離を変更するために駆動されるズームレンズと、結像面の位置を変更するために駆動されるトラッキングレンズとを備えた撮影レンズと、前記撮影レンズにより結像された画像のコントラストに基づいて前記フォーカスレンズを駆動してピント合わせを自動で行う第1のオートフォーカス手段と、前記撮影レンズにより結像された画像のコントラストに基づいて前記トラッキングレンズを駆動してピント合わせを自動で行う第2のオートフォーカス手段と、前記ズームレンズを駆動して第1の位置又は第2の位置に設定するズーム制御手段と、オートトラッキング調整の開始を指示する開始指示手段と、前記ズーム制御手段により前記ズームレンズが前記第1の位置に設定された状態での前記第1のオートフォーカス手段によるピント合わせと、前記ズーム制御手段により前記ズームレンズが前記第2の位置に設定された状態での前記第2のオートフォーカス手段によるピント合わせとを、前記開始指示手段によりトラッキング調整の開始が指示された後、トラッキング調整の所定の終了条件が満たされるまで繰り返すトラッキング調整手段と、前記開始指示手段によりトラッキング調整の開始が指示された後、前記トラッキング調整手段における最初のピント合わせが開始される前に前記ズームレンズをテレ端又はFドロップの開始位置に設定して露光調整を実行する露光調整手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、トラッキング調整におけるピント合わせを画像のコントラストに基づくいわゆるコントラスト方式のオートフォーカスにより行うようにしたため、トラッキング調整の自動化が可能となる。また、トラッキング調整におけるオートフォーカスによる最初のピント合わせが開始される前に、ズームをテレ端又はFドロップの開始位置に移動させて露光調整を行うようにしたため、ピント合わせの対象として選択した被写体を撮影範囲内で拡大して露光調整が行われるようになり、対象の被写体に対して適切に露光調整が行われる。即ち、ズームをワイド側に設定した状態で露光調整を行った場合に、対象の被写体以外の被写体の影響で対象の被写体の画像が暗すぎたり、明るすぎたりする不具合が低減され、対象の被写体に対して適切な露光調整が行われる。従って、オートフォーカスの誤動作が防止されると共に、高精度でピント合わせが行われるようになり、トラッキング調整の精度の向上が図れる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、所望の被写体にピントを合わせるために駆動されるフォーカスレンズと、焦点距離を変更するために駆動されるズームレンズと、結像面の位置を変更するために駆動されるトラッキングレンズとを備えた撮影レンズと、前記撮影レンズにより結像された画像のコントラストに基づいて前記フォーカスレンズを駆動してピント合わせを自動で行う第1のオートフォーカス手段と、前記撮影レンズにより結像された画像のコントラストに基づいて前記トラッキングレンズを駆動してピント合わせを自動で行う第2のオートフォーカス手段と、前記ズームレンズを駆動して第1の位置又は第2の位置に設定するズーム制御手段と、オートトラッキング調整の開始を指示する開始指示手段と、前記ズーム制御手段により前記ズームレンズが前記第1の位置に設定された状態での前記第1のオートフォーカス手段によるピント合わせと、前記ズーム制御手段により前記ズームレンズが前記第2の位置に設定された状態での前記第2のオートフォーカス手段によるピント合わせとを前記開始指示手段によりトラッキング調整の開始が指示された後、トラッキング調整の所定の終了条件が満たされるまで繰り返すトラッキング調整手段と、前記開始指示手段によりトラッキング調整の開始が指示された後、前記トラッキング調整手段における最初のピント合わせが開始される前、又は、前記トラッキング調整手段における各ピント合わせが開始される前に、前記撮影レンズにより結像された画像を撮像する撮像面の一部の範囲であって前記第1及び第2のオートフォーカス手段により画像のコントラストを検出する対象範囲であるフォーカスエリアと略同一範囲の画像が適正露光となるように露光調整を実行する露光調整手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
本発明によれば、トラッキング調整におけるピント合わせを画像のコントラストに基づくいわゆるコントラスト方式のオートフォーカスにより行うようにしたため、トラッキング調整の自動化が可能となる。また、トラッキング調整におけるオートフォーカスによる最初のピント合わせが開始される前、又は、各ピント合わせが開始される前に、オートフォーカスによるピント合わせの対象範囲であるフォーカスエリアと同一範囲を対象範囲として露光調整を行うようにしたため、ピント合わせの対象として選択した被写体に対して露光調整が行われるようになる。従って、オートフォーカスの誤動作が防止されると共に、高精度でピント合わせが行われるようになる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記露光調整手段は、前記撮影レンズの絞りが開放となるように前記撮影レンズが装着されるカメラ本体での露光調整機能により露光調整を行うことを特徴としている。
【0015】
本発明によれば、撮影レンズの絞りが開放となるようにカメラ本体での露光調整機能、例えば、NDフィルターや電子シャッターを用いた露光調整機能により上記露光調整を行うようにしたため、焦点深度をできるだけ浅くした状態でオートフォーカスによるピント合わせを行うことができるようになる。従って、より高精度にピント合わせが行われ、トラッキング調整の精度も向上する。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記トラッキング調整手段における各ピント合わせが開始される前に前記露光調整を行う場合に、前記フォーカスエリアは、前記ズームレンズが前記第1の位置に設定されている場合と、前記第2の位置に設定されている場合とで略同一画角範囲の被写体の画像のコントラストを検出する範囲となるように変更されることを特徴としている。
【0017】
本発明によれば、フォーカスレンズ及びトラッキングレンズを駆動してオートフォーカスにより行うピント合わせを行う第1の位置と第2の位置とでピント合わせ及び露光調整の対象とする被写体が一致するため、両位置において同一対象の被写体に対して適切にオートフォーカスが行われるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る撮影レンズのオートトラッキング調整システムの好ましい実施の形態について詳説する。
【0019】
図1は、本発明が適用される例えばテレビジョン用やシネマ用の撮影システムの構成を示したブロック図である。同図において撮影レンズ(光学系)10は、撮像素子や映像信号処理回路等を搭載したカメラ本体12にマウントによって装着されている。撮影レンズ10は、鏡胴内に配置された可動の光学部品の種類に対応してフォーカス部10A、ズーム部10B、アイリス部10C、トラッキング部10Dとに分けられており、フォーカス部10Aには主に被写体にピントを合わせるために光軸方向に駆動されるフォーカスレンズ(フロントフォーカスレンズ)(群)が配置され、ズーム部10Bには撮影レンズ10の焦点距離を変更するために光軸方向に駆動されるズームレンズ(群)が配置されている。アイリス部10Cには絞りが配置され、トラッキング部10Dには撮影レンズ10の結像面の位置を調整するために駆動されるトラッキングレンズ(フランジフォーカスレンズ)(群)が配置されている。
【0020】
各部10A〜10Dに配置されたフォーカスレンズ、ズームレンズ、絞り、トラッキングレンズはそれぞれ、例えば撮影レンズ10の鏡胴に装着されるドライブユニット14A〜14Dの各モータに連結され、各モータによって駆動されるようになっている。また、各ドライブユニット14A〜14Dは、コントロールユニット16の所定端子にケーブル等で接続され、各ドライブユニット14A〜14Dのモータは、コントロールユニット16から与えられる駆動信号により駆動されるようになっている。従って、フォーカスレンズ、ズームレンズ、絞り、トラッキングレンズは、コントロールユニット16からの駆動信号に従って駆動される。
【0021】
コントロールユニット16は、詳細を後述するようにフォーカスやトラッキング調整の処理等を実行するための回路を内蔵した装置である。
【0022】
コントロールユニット16の所定端子には、カメラ本体12の映像信号出力端子12Aがケーブル等によって接続されており、撮影レンズ10により結像された画像をカメラ本体12の撮像素子により光電変換して得られた映像信号がコントロールユニット16に与えられるようになっている。コントロールユニット16は、オートフォーカスによるピント合わせを実行する際には詳細を後述するようにコントラスト方式のオートフォーカス処理によりその映像信号に基づいてフォーカスレンズやトラッキングレンズを駆動してピント合わせを行う。
【0023】
コントロールユニット16の他の端子には、カメラ本体12の制御端子12Bがケーブル等によって接続されており、コントロールユニット16の電源がカメラ本体12から供給されると共に、各種信号のやり取りがカメラ本体12との間で行われるようになっている。
【0024】
また、撮影レンズ10のフォーカスやズームは、コントロールユニット16の所定端子に接続されたフォーカスコントローラ18やズームコントローラ20を用いてマニュアルで操作することができるようになっており、コントロールユニット16には、フォーカスコントローラ18やズームコントローラ20に設けられたマニュアル操作部材の操作に基づく指令信号が与えられるようになっている。コントロールユニット16は、マニュアルフォーカスモード時において各コントローラ18、20から与えられる指令信号に基づいてフォーカスレンズやズームレンズを駆動することにより、マニュアルでのフォーカス、ズームの操作を可能にする。尚、絞りやトラッキングレンズについても同様にコントローラによってマニュアル操作できるようにすることは可能である。
【0025】
図2は、主にコントロールユニット16におけるオートフォーカス及びトラッキング調整の処理に関連する構成を示したブロック図である。同図に示すようにコントロールユニット16にはCPU30が内蔵されており、CPU30からは上記ドライブユニット14A〜14Dのそれぞれに搭載されたフォーカスドライバ回路32A、ズームドライバ回路32B、アイリスドライバ回路32C、トラッキングドライバ回路32Dに駆動信号が与えられ、上記ドライブユニット14A〜14Dの各モータがCPU30からの駆動信号に基づいて各ドライバ回路32A〜32Dによって駆動されるようなっている。また、CPU30とカメラ本体12の制御端子12Bとの間では各種信号の送受信が行われるようになっている。
【0026】
一方、カメラ本体12の映像出力端子12Aからコントロールユニット16に与えられた映像信号は、焦点評価値生成部34に入力されて画像のコントラストの高低を評価する焦点評価値が生成され、その焦点評価値がCPU30に与えられるようになっている。
【0027】
焦点評価値生成部34は、主としてA/D変換器36、ハイパスフィルタ(HPF)38、ゲート回路40、加算回路42から構成される。コントロールユニット16に入力された映像信号は、まず、A/D変換器36によりデジタル信号に変換される。尚、ここでの映像信号は、画面を構成する各画素の輝度値を示す輝度信号とする。A/D変換器36によってデジタル信号に変換された映像信号は続いてHPF38に入力され高域周波数成分の信号が抽出される。そして、HPF38により抽出された信号はゲート回路40に入力される。ゲート回路40に入力された信号は、CPU30からの信号によって設定されるフォーカスエリア内(例えば、画面中央部)の画素に対応する範囲の信号のみを抽出され、加算回路42に入力される。そして、加算回路42により加算される。これにより、HPF38により映像信号から抽出された高域周波数成分の信号のうち、フォーカスエリア内における信号の値の総和が求められる。これによって得られた値は、フォーカスエリア内における画像のコントラスト(鮮鋭度)の高低を示す焦点評価値としてCPU30に与えられる。
【0028】
CPU30は、オートフォーカスの処理時において、焦点評価値生成部34から与えられる焦点評価値を参照しながらいわゆる山登り方式によりフォーカスレンズ又はトラッキングレンズを焦点評価値の極大点に移動させる。即ち、焦点評価値が増加する方向にフォーカスレンズ又はトラッキングレンズを移動させて行き、焦点評価値が減少を示すと、焦点評価値が増加から減少に切り替わった位置を極大点(合焦点)と判断してその位置にフォーカスレンズ又はトラッキングレンズを停止させる。これによりフォーカスエリア内の被写体にピントが合わせられる。
【0029】
コントロールユニット16には複数のスイッチから構成されるコントロールスイッチ44が設けられており、それらのスイッチ状態を示すスイッチ信号がCPU30に与えられるようになっている。詳細は省略するがコントロールスイッチ44のスイッチを操作することにより各種モードを選択できるようになっている。選択可能なモードとしては、例えば、フォーカスコントローラ18からの指令信号に基づいてフォーカスレンズを駆動するマニュアルフォーカスモード、焦点評価値生成部34により得られる焦点評価値に基づいてフォーカスレンズを駆動して自動でピント調整を行うオートフォーカスモード、自動でトラッキング調整を行う以下に詳説するオートトラッキング調整モード等がある。尚、オートトラッキング調整モードを選択するスイッチを特にATスイッチというものとする。
【0030】
次に、コントロールユニット16におけるオートトラッキング調整モードの処理について説明する。オートトラッキング調整モードは、撮影レンズ10のフォーカスレンズ、トラッキングレンズ、ズームレンズ及び絞りを駆動して自動でトラッキング調整を行うモードであり、コントロールユニット16に設けられたATスイッチをオンすると、オートトラッキング調整モードの処理が開始される。
【0031】
まず、オートトラッキング調整モードにおける上記CPU30の処理の概略を説明する。操作者は、オートトラッキング調整を開始する前に特定の被写体(例えば、コントラストの高いチャート)をピント合わせの対象としてその被写体が撮影範囲の略中央となるようにカメラの撮影方向を固定する。そして、コントロールユニット16のATスイッチをオンする。これにより、CPU30は、ズームドライバ回路32Bに駆動信号を出力してズームレンズをワイド端とテレ端とに順に移動させると共に、ワイド端ではフォーカスドライバ回路32Aに駆動信号を出力してフォーカスレンズを駆動することにより対象の被写体にピントを合わせる。一方、テレ端ではトラッキングドライバ回路32Dに駆動信号を出力してトラッキングレンズを駆動することにより対象の被写体にピントを合わせる。そして、この処理を数回繰り返し行う。これによって、ズームレンズをワイド端とテレ端とに動かしてもフォーカスレンズやトラッキングレンズを動かすことなく対象の被写体にピントが合った状態で維持されるようになる。これにより、トラッキング調整が終了する。
【0032】
ワイド端やテレ端での上記ピント合わせはオートフォーカスの処理により行われる。その際のオートフォーカスは一度だけピント合わせを行ういわゆるワンショットオートフォーカス(ワンショットAF)である。ワンショットAFの処理においてCPU30は、焦点評価値生成部34から取得した焦点評価値に基づく上述の山登り方式によって、ワイド端ではフォーカスレンズを、テレ端ではトラッキングレンズを、焦点評価値が極大となる合焦位置に移動させる。そして、このようにフォーカスレンズ又はトラッキングレンズを合焦位置に一度設定するとワンショットAFの処理を停止する。
【0033】
また、上述のようにATスイッチがオンされてワイド端とテレ端とでのワンショットAFの処理の開始する前に露光調整が行われるようになっている。具体的な処理手順については後述するが、CPU30は、露光調整を行う前にまずズームレンズをテレ端に移動させ、ピント合わせ(トラッキング調整)の対象としている被写体を撮影画面内で拡大する。そして、フォーカスエリア内の被写体に対して適切な露光調整を行う。これにより、フォーカスエリアの全範囲又は多くの部分を操作者がピント合わせの対象として選択した被写体が占めるようになり、その対象の被写体に対して適切な露光調整が行われるようになる。従って、対象の被写体の周辺部にその被写体と比べて極端に明るさが異なる高輝度や低輝度の被写体があっても対象の被写体に対して適切な信号レベル(輝度レベル)の映像信号が得られるため、この後に行われるワイド端やテレ端でのオートフォーカスによるピント合わせが対象の被写体に対して適切に行われるようになる。
【0034】
尚、フォーカスエリアは、例えば、図3に示すように撮影範囲100の中央部に鎖線FAに示す範囲に設定され、この範囲の画像の明るさに基づいて露光調整が行われる。
【0035】
更に、本実施の形態における上記露光調整は、撮影レンズ10の絞りが開放(フルオープン)となるようにカメラ本体12側において行われ、絞りを開放にした場合に得られるフォーカスエリア内の映像信号(輝度信号)が適正なレベルとなるようにNDフィルターや電子シャッター等を用いた露光調整機能により行われるようになっている。絞りを開放にすると焦点深度が浅くなるため高い精度でオートフォーカスによるピント合わせが行われる。
【0036】
このときのCPU30とカメラ本体12との信号のやり取りは次のように行われる。まず、CPU30は、カメラ本体12に対して制御端子12B(図1参照)を通じてオートトラッキング調整の開始を示す信号を送信する。これによって、カメラ本体12では、絞りを開放にした場合に得られる映像信号が適正なレベルとなるようにNDフィルターや電子シャッター等により露出調整を行う。そして、露出調整を適正に行うと、カメラ本体12は、絞りを開放に設定する旨の開放指令を制御端子12Bを通じてCPU30に送信する。通常、絞りの制御は、カメラ本体12から与えられる制御信号に従って行われるため、この場合もCPU30はカメラ本体12から与えられた開放指令を受信すると、それに従って絞りを開放に設定する。ただし、カメラ本体12からの開放指令を受けることなく、オートトラッキング調整を開始する際にCPU30が絞りを開放に設定するようにしてもよい。
【0037】
次に、上記CPU30の処理手順を図4のフローチャートで説明する。まず、CPU30は所要の初期設定を行った後(ステップS10)、オートトラッキング調整以外の処理を実行する(ステップS12)。続いてATスイッチがオンか否かを判断する(ステップS14)。NOと判定した場合にはステップS12に戻る。
【0038】
一方、YESと判定した場合には、ズーム(ズームレンズ)をテレ端に移動させる(ステップS16)。続いてカメラ本体12にATスタートを示す信号を送信する(ステップS18)。これにより、カメラ本体12で露光調整が行われ、その間、CPU30はカメラ本体12から絞り開放指令があったか否かを判定する(ステップS20)。NOと判定している間はステップS20の判定処理を繰り返す。一方、YES、即ち、カメラ本体12での露光調整が終了し、カメラ本体12から絞り開放指令があったと判定すると、続いて、絞りを開放に設定する(ステップS22)。
【0039】
次に、カメラ本体12からオートトラッキング開始指令があったか否かを判定する(ステップS24)。NOと判定している間はステップS24の判定処理を繰り返す。一方、YESと判定した場合には、フォーカスレンズを駆動してワンショットAFの処理を実行する(ステップS26)。この処理によりテレ端でのフォーカスレンズによるピント合わせが終了すると、続いて、ズームをワイド端に移動させる(ステップS28)。そして、トラッキングレンズを駆動してワンショットAFの処理を実行する(ステップS30)。次にズームをテレ端に移動させ(ステップS32)、ステップS26からステップS32までの処理ループが3回目か否かを判定する(ステップS34)。NOと判定した場合にはステップS26の処理から繰り返す。一方、YESと判定した場合には、AT完了をカメラ本体12に通知し(ステップS36)、上記ステップS12に戻る。
【0040】
尚、ワイド端でのフォーカスレンズによるピント合わせと、テレ端でのトラッキングレンズによるピント合わせとの処理(ステップS26〜ステップS32)はトラッキング調整が完了したと判断されるまで繰り返すが、トラッキング調整が完了したと判断する条件は、上記実施の形態のように繰り返し回数が規定数に達したか否かでなくてもよい。例えば、ワイド端とテレ端でのピント合わせ時においてフォーカスレンズの変位量とトラッキングレンズの変位量とがそれぞれ所定量以下になったか否かを条件とし、この条件が満たされた場合にトラッキング調整が完了したと判断することもできる。
【0041】
以上、上記実施の形態のオートトラッキング調整モードでは、露光調整を行うズームの位置をテレ端としたが、これに限らない。絞りを開放にした状態でズームをテレ側に変化させるとある位置から急激に光量が低下し映像信号の信号レベル(輝度レベル)が低下するRamping(Fドロップ)という現象が知られている。このような現象が生じる場合に、ズームをテレ端にして露光調整を行うと、ワイド端でのピント合わせ時に光量オーバーとなり、オートフォーカスでのピント合わせが適切に行われなくなるおそれがある。そのため、露光調整を行うズームの位置をテレ端ではなくズームをテレ側に変化させたときにFドロップが始まる位置(Fドロップの開始位置)としてもよい。尚、この場合においてフォーカスレンズの駆動によるピント合わせもテレ端ではなくFドロップの開始位置としてもよいが、テレ端のままであってもよい。Fドロップの開始位置で露光調整を行った場合、テレ端では光量が不足するが光量の不足に対してはオートフォーカスによるピント合わせが適正に行われる許容範囲が広いため不具合は生じ難い。
【0042】
また、上記実施の形態のオートトラッキング調整モードでは、ズームをテレ端(又はFドロップの開始位置)に設定すると共に、フォーカスエリアと同一範囲を対象として露光調整を行うようにしたが、いずれか一方のみの条件下で露光調整を行うようにしてもよい。例えば、ズームをテレ端(又はFドロップの開始位置)に設定し、そのときの撮影範囲全体を露光調整の対象範囲とした場合であってもピント合わせの対象として操作者が選択した被写体を画面上で拡大することができるため、他の被写体による露光調整への影響を低減することができる。また、露光調整を行うズームの位置を特に限定せず、フォーカスエリアと同一範囲を対象範囲として露光調整を行うようにした場合であっても、フォーカスエリア外の被写体の露光調整への影響は受けずピント合わせの対象の被写体に適切な露光調整が行われるようになる。
【0043】
更に、上記実施の形態のオートトラッキング調整モードでは、最初のオートフォーカス(ワンショットAF)によるピント合わせ(テレ端でのフォーカスレンズの駆動によるピント合わせ)の前に一度だけ露光調整を行うようにしたが、上述のようにフォーカスエリアと同一範囲を対象範囲として露光調整を行うとした場合にテレ端やワイド端での各ピント合わせの開始前に露光調整を行うようにしてもよい。また、この場合に、フォーカスエリアを変更し、オートフォーカス及び露光調整の対象範囲をズーム位置にかかわらず同一画角範囲となるようにしてもよい。
【0044】
また、上記実施の形態では、フォーカスレンズの駆動によるピント合わせをテレ端(又はFドロップの開始位置)で行い、トラッキングレンズの駆動によるピント合わせをワイド端で行うようにしたが、ピント合わせを行うズームの位置は必ずしもこれに限定されない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る撮影レンズのオートトラッキング調整システムによれば、トラッキング調整におけるピント合わせを画像のコントラストに基づくいわゆるコントラスト方式のオートフォーカスにより行うようにしたため、トラッキング調整の自動化が可能となる。また、トラッキング調整におけるオートフォーカスによる最初のピント合わせが開始される前に、ズームをテレ端に移動させて露光調整を行うようにし、又は、トラッキング調整におけるオートフォーカスによる最初のピント合わせが開始される前や各ピント合わせが開始される前に、オートフォーカスによるピント合わせの対象範囲であるフォーカスエリアと同一範囲を対象範囲として露光調整を行うようにしたため、ピント合わせの対象として選択した被写体に対して露光調整が行われるようになる。即ち、ピント合わせの対象として選択した被写体以外の被写体の影響で対象の被写体の画像が暗すぎたり、明るすぎたりする不具合が低減され、対象の被写体に対して適切な露光調整が行われる。従って、オートフォーカスの誤動作が防止されると共に、高精度でピント合わせが行われるようになり、トラッキング調整の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用される撮影システムの構成を示したブロック図である。
【図2】図2は、コントロールユニットの構成を示したブロック図である。
【図3】図3は、フォーカスエリアを示した図である。
【図4】図4は、オートトラッキング調整モードでの処理手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
10…撮影レンズ、10A…フォーカス部、10B…ズーム部、10C…アイリス部、10D…トラッキング部、12…カメラ本体、14A〜14D…ドライブユニット、16…コントロールユニット、18…フォーカスコントローラ、30…CPU、32A…フォーカスドライバ回路、32B…ズームドライバ回路、32C…アイリスドライバ回路、32D…トラッキングドライバ回路、34…焦点評価値生成部、36…A/D変換器、38…ハイパスフィルタ、40…ゲート回路、42…加算回路
Claims (4)
- 所望の被写体にピントを合わせるために駆動されるフォーカスレンズと、焦点距離を変更するために駆動されるズームレンズと、結像面の位置を変更するために駆動されるトラッキングレンズとを備えた撮影レンズと、
前記撮影レンズにより結像された画像のコントラストに基づいて前記フォーカスレンズを駆動してピント合わせを自動で行う第1のオートフォーカス手段と、
前記撮影レンズにより結像された画像のコントラストに基づいて前記トラッキングレンズを駆動してピント合わせを自動で行う第2のオートフォーカス手段と、
前記ズームレンズを駆動して第1の位置又は第2の位置に設定するズーム制御手段と、
オートトラッキング調整の開始を指示する開始指示手段と、
前記ズーム制御手段により前記ズームレンズが前記第1の位置に設定された状態での前記第1のオートフォーカス手段によるピント合わせと、前記ズーム制御手段により前記ズームレンズが前記第2の位置に設定された状態での前記第2のオートフォーカス手段によるピント合わせとを、前記開始指示手段によりトラッキング調整の開始が指示された後、トラッキング調整の所定の終了条件が満たされるまで繰り返すトラッキング調整手段と、
前記開始指示手段によりトラッキング調整の開始が指示された後、前記トラッキング調整手段における最初のピント合わせが開始される前に前記ズームレンズをテレ端又はFドロップの開始位置に設定して露光調整を実行する露光調整手段と、
を備えたことを特徴とする撮影レンズのオートトラッキング調整システム。 - 所望の被写体にピントを合わせるために駆動されるフォーカスレンズと、焦点距離を変更するために駆動されるズームレンズと、結像面の位置を変更するために駆動されるトラッキングレンズとを備えた撮影レンズと、
前記撮影レンズにより結像された画像のコントラストに基づいて前記フォーカスレンズを駆動してピント合わせを自動で行う第1のオートフォーカス手段と、
前記撮影レンズにより結像された画像のコントラストに基づいて前記トラッキングレンズを駆動してピント合わせを自動で行う第2のオートフォーカス手段と、
前記ズームレンズを駆動して第1の位置又は第2の位置に設定するズーム制御手段と、
オートトラッキング調整の開始を指示する開始指示手段と、
前記ズーム制御手段により前記ズームレンズが前記第1の位置に設定された状態での前記第1のオートフォーカス手段によるピント合わせと、前記ズーム制御手段により前記ズームレンズが前記第2の位置に設定された状態での前記第2のオートフォーカス手段によるピント合わせとを前記開始指示手段によりトラッキング調整の開始が指示された後、トラッキング調整の所定の終了条件が満たされるまで繰り返すトラッキング調整手段と、
前記開始指示手段によりトラッキング調整の開始が指示された後、前記トラッキング調整手段における最初のピント合わせが開始される前、又は、前記トラッキング調整手段における各ピント合わせが開始される前に、前記撮影レンズにより結像された画像を撮像する撮像面の一部の範囲であって前記第1及び第2のオートフォーカス手段により画像のコントラストを検出する対象範囲であるフォーカスエリアと略同一範囲の画像が適正露光となるように露光調整を実行する露光調整手段と、
を備えたことを特徴とする撮影レンズのオートトラッキング調整システム。 - 前記露光調整手段は、前記撮影レンズの絞りが開放となるように前記撮影レンズが装着されるカメラ本体での露光調整機能により露光調整を行うことを特徴とする請求項1又は2の撮影レンズのオートトラッキング調整システム。
- 前記トラッキング調整手段における各ピント合わせが開始される前に前記露光調整を行う場合に、前記フォーカスエリアは、前記ズームレンズが前記第1の位置に設定されている場合と、前記第2の位置に設定されている場合とで略同一画角範囲の被写体の画像のコントラストを検出する範囲となるように変更されることを特徴する請求項2の撮影レンズのオートトラッキング調整システム。
Priority Applications (1)
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JP2003199782A JP2005043410A (ja) | 2003-07-22 | 2003-07-22 | 撮影レンズのオートトラッキング調整システム |
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2003
- 2003-07-22 JP JP2003199782A patent/JP2005043410A/ja active Pending
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