JP2005043189A - 宇宙航行システムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】宇宙航行システムおよび方法に関し,宇宙船がパルサーパルスを利用して太陽系を航行するシステムおよび方法に関するものである。
【解決手段】地上システムの指示に従って宇宙船が航行する宇宙航行システムにおいて,宇宙船はパルサーパルスの受信手段と、受信したパルサーパルスの時刻情報を求める手段と、複数のパルサーパルスを受信して観測信号として地上システムに送信する送信手段とを備え,地上システムはパルサーパルスを受信する手段と,受信したパルサーパルスの時刻情報とパルサーパルスカウント情報と、宇宙船から送信されるパルサーパルスの観測信号を受信する手段とを備え,地上観測センターが観測した同じパルサーパルスについて宇宙船が観測した時刻情報と地上システムが観測した時刻情報を比較することにより宇宙船の位置を求める。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,宇宙航行システムおよび方法に関し,特に,宇宙船がパルサーパルスを利用して太陽系を航行するシステムおよび方法に関するものである。
【0002】
パルサーは1934年にW.BaadeとF.Zwckyにより存在が予想された高速に回転する中性子星であり,HewishとBellによりその存在が確認された。パルサーのあるものは数年で10−12レベルのきわめて安定な回転周期をもつことが明らかにされている。なかでも,Backer等により1981年に発見された,ミリ秒パルサーPSR1937+21(周期1.56ms)は,10−14という驚異的な回転安定性を備えている。このようなミリ秒程度の周期をもつパルサーで回転安定性の高いものは重力波の検出,中性子星物理の研究,冥王星より遠いところにある天体の検出等の基礎的な研究に利用できる。さらに,天体クロックとして宇宙航行等の時間基準に利用できる。
【0003】
【従来の技術】
深宇宙探索機等の宇宙船の位置の測定は,現在,探査機の通信機能を利用したレンジ&レンジレート測定を利用してなされている。あるいは,超長基線干渉計を利用して宇宙船から発射される電波を地球上の二地点間で受信し,その到着時間差から宇宙船の天球上での位置の測定がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のレンジ&レンジレート測定を使う方法は,視線方向には感度があるが視線と垂直な方向には感度がない。そのため,地球から遠く離れた深宇宙の宇宙船の位置の正確な測定は難しいものであった。
【0005】
本発明は,パルサーパルスを利用することにより,太陽系だけでなく太陽系の外のような深い宇宙を探索する宇宙船の位置(地球からの距離と方向)を正確に推定できる宇宙航行システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
複数のパルサーを使用することにより,惑星間航行において,地球からパーセック(1pc=3.26光年)およびキロパーセックの距離にある宇宙船の位置を,P・cの0.1%の精度で測定できる。ここに,Pはパルス周期,cは光速度であり,P ・cはパルサーのタイプとその安定性に依存して10−10mの範囲になる。
【0007】
このような航行で生じる主な問題点は,パルサー信号は弱いため,感度の高い比較的大きいアンテナを宇宙船が備える必要があるということである。さらにパルサーまでの距離が確定していないと宇宙船の位置を正しく測定できない。そのため,本発明では距離が正しく求められているパルサーのパルスを使用する。また,宇宙船が地球の近くにあって地球からパルサーまでの距離に比べて小さい場合には距離の誤差は小さいが,地球から宇宙船までの距離が地球とパルサーの距離に等しい程度(数千光年)離れると,正確に距離を測定できない。その場合,宇宙船の位置はパルサー距離の誤差と同程度になる。
【0008】
パルサーによる航行とGPS等のような人工衛星に基づく航行の違いは,パルサーパルスは自身の周期情報を除いて情報をもたないということである。大部分のパルサーパルスの周期は,自転運動エネルギーのロスのために増加する(dP/dt>0)。宇宙船の位置測定に利用するためには,周期の不安定なパルサーのパルサーパルスは使用を避けるべきである。太陽系重心(Solar System Barycenter),以下SSB)で観測されるパルサーの回転位相(パルス数)は次の式で表される。
【0009】
【数8】
Figure 2005043189
【0010】
ここに,Nは時刻tにおける初期位相,
【0011】
【数9】
Figure 2005043189
【0012】
はパルサーの自転周期,自転周期の時間変化率,および加速度,tはSSB時刻である。
【0013】
地球の周囲を回る人工衛星は,正確な軌道を維持するように連続的にモニターされていて,観測データをもとに軌道要素を正確に計算し,高精度に人工衛星の位置を予測することが可能である。パルサーにはこの方法をあてはめることができず,現状では,その方位座標と固有な運動だけが高精度に知られ,地球からパルサーまでの距離は比較的に精度が高くない。この理由のために,本発明では,宇宙船に位置測定はパルサーと宇宙船の絶対的な距離に基づくものでなく,SSB(太陽系重心)と宇宙船の間相対的な位置関係を求める。宇宙船,パルサー,SSBおよびパルサーパルスの伝搬の関係は図2に図式化されている(図2については後述する)。
【0014】
上記の主な誤差は,後述する式(10)の右辺の第2項から生じる。それは,パルサーまでの有限な距離とパルサー信号の波面の曲率を考慮した項
【0015】
【数10】
Figure 2005043189
【0016】
に基づくものである。この項の値は約|r|=1a.u.(天文単位:太陽と地球の間の距離)およびパルサーとSSBとの距離R=1kpcに対して,光速度での時間に換算して約1.2μsec(マイクロ秒)である。Rの相対的な誤差を10%とすると,太陽系の周辺でのその誤差は1.2μsec×40×0.1≒200μsecになる。太陽系航行(|r|≒R)の場合,この状況は好ましくなく,宇宙船の位置の誤差はパルサー距離の誤差と同程度になる。そのため,本発明では,可能な限り位置を正確に知られたパルサーを使用する必要がある。
【0017】
太陽系重心(その原点は太陽系天体の運動に対して動かない)は,地球と宇宙船の間の相対位置を決定する参照点として都合よい。SSBを使用する時,宇宙船のSSBからの位置の変化の情報が重要なので,SSBと宇宙船の間の相対位置のみが測定できればよい。
【0018】
実際のパルサーパルスは,パルスを分散させる不均一な惑星系の外および惑星系の内の電離媒体を通過するので,パルスの周波数成分により異なる伝搬速度の遅延(分散)を生じる。すなわち,低い観測線周波数ほど,遅れて到着する。2つの離れた周波数の信号を観測することによりディスパージョンメジャー(パルサーへの視線方向の単位面積あたりの総電子数)がわかるのでパルサーパルスの到着時間の分散による影響を取り除くことができる。ディスパージョンメジャーをDM(cm−3 pc)としたとき,観測周波数f(MHz)の分散による到着遅延時間ΔtDMは次の式から計算できる。
【0019】
【数11】
Figure 2005043189
【0020】
周波数とfとf(MHz)の信号の到着時間差は,次のようになる。
【0021】
【数12】
Figure 2005043189
【0022】
差t−tは測定できる値であり,fとfがわかれば,
DMは次の式により決定できる。
【0023】
【数13】
Figure 2005043189
【0024】
DMによる遅延時間は,低周波数領域で大きく,高周波数領域で小さい。しかし,パルサーパルスの分散により生じるパルスの到着時間(Time of Arrival:TOA)の精度の低下の問題は上記のように容易に解決できる。
【0025】
パルサーは一般には,複雑な物理現象をもつ天体であり,天体現象にもとづいて不規則な回転をすることがある。例えば,グリッチ(中性子星の殻の崩壊),連星系の場合は対の天体による潮汐効果や,対の天体からのガスの降着による中性子星のスピン加速等による回線の不規則性(タイミングノイズ(後述するδtnoise))をもつ。そのような不規則性はパルサーパルスの精度をそこない,結果的に位置測定精度を悪くする。
【0026】
GPSと違って,パルサーにより航行するシステムの場合には,タイミングノイズを取り除くことができない。その解決方法は,地球上で地上管制センターからの航行に対して使用されるパルサーパルスをモニタし,そしてタイミングの不規則性を監視し,宇宙船の位置計測に反映させることである。太陽系における宇宙航行では宇宙船と地上管制センターとで交信できるのでパルサーパルスを太陽系における宇宙航行に応用することは可能である。太陽系の外でも宇宙船と地上管制センターと交信できる程度の距離であれば本発明は適用できるものである。
【0027】
パルサーパルスを宇宙航行に利用する場合の測定誤差について以下に説明する。
【0028】
1)システムノイズエラー
パルサーパルスのパルス到着時間の精度は,次の式で与えられる。
【0029】
【数14】
Figure 2005043189
【0030】
ここに,σrmsはTOA(パルス到着時間)の観測精度である。Wはパルスの半値幅である。Pはパルサー周期である(秒),Tsysはシステム温度である。
<S>はフラックス密度(J)である。Gは電波望遠鏡のゲイン(K/J )である。Bはバンド幅である。τは積分時間である(秒)。
【0031】
アンテナゲインは観測周波数に依存する。そのようなアンテナゲインと観測周波数の関係の例を図17(a)に示す(Effelsberg(ドイツ)における100m電波望遠鏡のデータである)。回折効果とアンテナ反射面の精度の不完全性のために,ある周波数において最大値を生じ,ゲインは高い周波数および低い周波数において低下することが示されている(図17(a),(b)については後述する)。
【0032】
2)惑星系の外および惑星系の内側の媒体に基づく誤差
分散遅延は,次の式で表される。
【0033】
【数15】
Figure 2005043189
【0034】
DMst,DMpl(cm−3pc)はそれぞれ惑星系の外側および惑星系の内側におけるディスパージョンメジャーである。2つの周波数のΔtの観測値を基にDMslとDMplを求めることができる。さらにそのDMslとDMplをもとに受信したパルサーパルスの到着時刻の補正をすることができる。
【0035】
分散遅延の変化はDMの変化および観測周波数fとその変動δf(MHz)で次のように表現できる。
【0036】
【数16】
Figure 2005043189
【0037】
ここに,δΔtは対応値の変化を示す。
【0038】
3)シンチレーションによる誤差
観測されるパルサーパルスは星間空間の低温プラズマを通過してきたものである。パルサーは極めて小さな電波源であるため,空間周波数がコヒーレントで,星間空間のプラズマにより屈折・回折の影響を受けて信号同士が干渉し,地上で信号の時間及び周波数に依存する強度変動が観測される。これをシンチレーションと呼ぶが,これはパルサーパルスの観測時に観測帯域幅でデータを平均化した際の中心周波数のずれを引き起こし,パルサーパルスの到達時間の誤差として影響する。この時間のずれの大きさは,中心周波数のずれをf(kHz),観測周波数を(GHz)として次式で表される。
【0039】
【数17】
Figure 2005043189
【0040】
【数18】
Figure 2005043189
【0041】
【数19】
Figure 2005043189
【0042】
ここに,ΔFは1周波数チャネルのバンド幅であり,Δfはシンチレーションバンド幅,tobsは積分周期である。tsci はシンチレーション時間スケールである。Mは周波数チャネル数である。
【0043】
4)観測周波数とパルサーパルスの到着時刻(TOA(Time of Arival))の観測精度とアンテナ口径の関係について
観測周波数は式(5)を考慮して宇宙航行システムに適切なものを選択できる。
【0044】
図17(a)は周波数とアンテナゲインの関係を示す図である。直径100mのアンテナについてのものである(Foster,Backer,1990年)。図17(b)は周波数とTOAの観測誤差δt(前述の式(5)のσrmsに同じ) の関係を示すものである。図17(b)において,バンド幅Bは観測周波数の5%(0.05fobs),観測時間tobs=1時間,G=0.14〜1.7K/J,Tsys=20−130Kとした。TOAの誤差に影響するσrmsはアンテナゲインが大きいほうが小さい。そこで,図17(a)から判断して,周波数レンジとして200〜700MHzが適切である。
【0045】
図17(b)は,パルサーPSR1937+21(400MHzでのフラックス密度は240mJ )に対するTOA測定値の精度を示している。但し,計算には次の条件を仮定した。
【0046】
バンド幅0.05fobs,積分時間tobs=1時間,アンテナゲインG=1.7K/J,システム温度Tsys=130Kである。直径が10m,30mおよび100mの3つについて求めた。アンテナ直径が大きくなるほど打ち上げ費用が大きくなることを考慮すると,直径10m程度のアンテナが望ましい。アンテナが大きい程アンテナゲインは大きくなりrmsは小さくなる。300−700MHzの範囲のTOA精度は,相対的に平坦な最小値をもつ。シンチレーションにより生じたエラーは図17(b)に示される。シンチレーションエラーは,どの周波数におけるシステムノイズエラーより小さく,そのためシンチレーションエラーはほとんど無視できることがわかる。分散遅延を取り除くために,2つの周波数,例えば,300および700MHz,もしくは400と600MHzを使用するのが良い。
【0047】
宇宙船の位置の測定精度は直接的にはTOAの測定精度に依存する。典型的なTOAの測定精度は1マイクロ秒程度である。精度を1桁上げるためにはいくつかの方法がある。費用を考えないでよいなら大きいアンテナを使用することであるが,最も簡単な方法は積分時間を大きくすることである。数時間,さらには1日もしくは1週間積分することも可能である。低雑音増幅器を使用することによるシステムノイズを減少することにより,また幅広いバンド幅で観測することにより,TOAの観測精度を向上させることができる。
【0048】
適当な積分区間(移動平均等)を使用することにより一週間,一ヵ月以上の積分をすることは可能である。この場合,位置測定は,積分区間の中央のエポックを基準に行われる。
【0049】
[宇宙船の位置を計算する手順]
なお,r,k等のベクトルを表す
【0050】
【数20】
Figure 2005043189
【0051】
等は,ベクトルr,ベクトルk等と表現して説明する。
【0052】
図1および図2は本発明の宇宙船の位置測定方法の説明図である。図1および図2において,Sは太陽系重心(SSB)である。Aは宇宙船であり,Bはパルサーである。rは太陽系重心Sと宇宙船Aとの距離である。Rは太陽系重心SとパルサーBとの距離である。Rは太陽系重心座標における宇宙船AとパルサーBとの距離である。ベクトルkは太陽系重心からパルサーBへのベクトルの単位ベクトルである。ベクトルrは太陽系重心から宇宙船へのベクトルの単位ベクトルである。
【0053】
宇宙船の位置の正確な測定のために,P×c/2(Pはパルサー周期,cは光速度)の精度の正確な座標で宇宙船位置を測定し,正確なパルス位相(もしくはパルス数)をカウントする必要がある。パルサーiから太陽系重心に至るN番目のパルサーパルスの到着時間t’は以下のように表される。
【0054】
【数21】
Figure 2005043189
【0055】
ここに,tioは初期エポックである。
【0056】
【数22】
Figure 2005043189
【0057】
はパルサーパルスの周期とそのエポックにおける周期変化率である。ΔNはエポックt からカウントされるパルサーパルス数であり,δtnoiseはパルス到着時刻にあらわれるタイミングノイズ等のノイズである。太陽系重心座標における到着時刻と宇宙船の間の時間差は次のようになる。
【0058】
【数23】
Figure 2005043189
【0059】
ここに,tは宇宙船で観測されたパルサーパルスが太陽系重心に到着する時刻,t’は宇宙船が観測したパルサーパルスの宇宙船への到着時刻である。k はパルサーiへの単位ベクトルである。rは半径,宇宙船のベクトル,Rはパルサーiへの距離,δtrelは宇宙船と太陽系重心との間の太陽系惑星の重力場の時間遅れによる相対論効果の差で,δDMは宇宙船と太陽系重心からそれぞれパルサーの方向を見たときのディスパージョンメジャー(cm−3pc)の差であり,式(6)で表されるそれぞれのΔtの差である。fobsはドップラー効果を考慮した観測周波数である。
【0060】
【数24】
Figure 2005043189
【0061】
は宇宙船での実際の観測周波数である。
SSBからパルサーまでの距離に対して,SSBから宇宙船までの距離が十分小さい場合には,受信したパルサーパルスに対してパルス波形およびパルス到着時刻について分散にもとづく補正をするのでδDMは0に近いと考えられる。そのため,δDMは無視でき,(10)式は
【0062】
【数25】
Figure 2005043189
【0063】
となる。但しA=c(t−t’)である。この方程式を解くにあたって,
【0064】
【数26】
Figure 2005043189
【0065】
とおいて,
【0066】
【数27】
Figure 2005043189
【0067】
に対してNewton−Rapson法を適用し,以下の手順で太陽系重心に対する宇宙船の位置ベクトルrを求める。
(i)
【0068】
【数28】
Figure 2005043189
【0069】
(ii)
【0070】
【数29】
Figure 2005043189
【0071】
但し
【0072】
【数30】
Figure 2005043189
【0073】
【数31】
Figure 2005043189
【0074】
(iii)
【0075】
【数32】
Figure 2005043189
【0076】
(iv) (i)を初期値としてベクトルrが収束するまで(ii),(iii)を繰り返し計算する。ここで,RpiJ ,R,RpiA はそれぞれパルサーiと重力源J(重い天体J),太陽系重心と重力源J,パルサーiと宇宙船Aの間の距離である。
【0077】
本発明によれば,上記のようにパルサーパルスを利用することにより,太陽系において深宇宙を探索する宇宙船の位置(地球からの距離と方向)を10m〜10mの精度で推定することができる。
【0078】
【発明の実施の形態】
図3は,本発明の宇宙航行システムの実施の形態を示す図である。図3において,Aは宇宙船である。B,B,Bはそれぞれパルサー1,パルサー2,パルサー3である。宇宙船Aはパルサー1,パルサー2およびパルサー3からパルサーパルスを受信し,受信したパルサーパルスに受信した時点の時刻情報を付加し,元 TOAデータとして地上管制センター1に送信する。元TOAデータ(分散補正をしていないデータ)は宇宙船で受信したパルサーパルスとそのパルサーを受信した時点の時刻情報およびパルサーパルスカウント値,例えば出発してから数えて何個目のパルサーパルスであるか,原子時計でのカウント時間等である。
【0079】
1は地上管制センターであって,宇宙船からのデータの処理および宇宙船に位置の制御のための制御データ等の送信を行うものである。また,地上管制センター1はパルサー観測センター2と交信して,パルサーパルスを受信するパルサーについてのリスト等をパルサー観測センター2に要求する。あるいは,地上管制センター1は宇宙船Aの航行計画,観測計画を作成し,宇宙船Aに指示するものである。
【0080】
2はパルサー観測センターであって,パルサーパルスを観測する電波望遠鏡3とデータ処理センター4により構成される。電波望遠鏡3において,パルサーパルスを受信してタイミングノイズ(δtnoise)等をモニターする。データ処理センター4は,電波望遠鏡3の観測したパルサーパルスについてのデータ(元TOAデータ)と地上管制センター1からTOAデータ(元TOAデータに分散補正したデータ)を受け取り,計算機を使用して宇宙船の位置(座標)を計算する。5はGPS衛星であって,地上管制センター1とパルサー観測センター2に時間基準(UTCスケール)を与えるものである。図3の構成の動作は次のようなものである。
【0081】
(1)地上管制センター1はパルサー観測センター2に宇宙船の航行のために使用できるパルサーについてのリストを要求する。パルサー観測センター2はタイミングノイズの小さいパルサーパルス(TOA精度の高いパルサーパルス)および高精度のパラメータ(座標,固有運動,距離,回転パラメータ等)をもつパルサーを地上管制センター1に通知する。地上管制センター1は,パルサー観測センター2から送られてくるパルサーリストを元に宇宙船の観測スケジュール等を作成する。
【0082】
(2)宇宙船においてパルサー観測プログラムは良いSN比が得られるようにパルサーパルスを積分する。宇宙船に備えられた原子時計を使用して積分パルスプロファイルが測定される。元TOAデータの処理は宇宙船Aと地上管制センター1の双方で実行できる。
【0083】
(3)上記の(1),(2)の処理は,宇宙船の航行のために選択された他のパルサーについて繰替えされる。複数(3個)のパルサーにより地球から宇宙船までの距離を測定することが,宇宙船の位置を決めるために必要である。宇宙船Aが唯一の電波望遠鏡しかもっていない場合には,異なる時間にそれぞれのパルサーパルスを観測する。そのため,積分パルスの到着時間はパルサーパルス毎にそれぞれが異なる。そのため,それぞれのパルサーパルスを同じ時点での距離に換算する必要が生じる。これは,宇宙船の軌跡は時間に対して十分になめらかに変化しているので周期的なTOAデータについて多項式補完を使用することにより位置を求める(もしくは推定する)ことができる。この方法については図18を参照して後述する。
【0084】
(4)宇宙船Aにより観測された元TOAデータは解析のために地上管制センター1に送信される。
【0085】
(5)地上管制センター1は,宇宙船から元TOAデータを受取り,分散補正をしてTOAデータとして,データ処理センター4にTOAデータを送る。パルサー観測センター2は,タイミングノイズ(δtnoise)を測定するために,電波望遠鏡3を使用してパルサーに対してパラメータ(座標,固有運動,および時間微分の回転周期等)についてパルサーパルスをモニタする。観測データはデータ処理センター4に送られる。タイミングノイズは長い時間変化をもつのでその変化は数日間程度では問題を生じない。従って宇宙船Aとパルサー観測センター2によるパルサーパルスの観測はほぼ同時に観測されているとみなすことができる。
【0086】
図4は本発明の宇宙航行システムにおける宇宙船のシステムの実施の形態を示す。図4において,Aは宇宙船である。21は低雑音増幅器である。22はフィルタである。23はミキサである。24は中間周波増幅器(IF増幅器)である。20はパルス記録装置であって,スペクトルアナライザ25とパルス処理部A29を備えるものである。スペクトルアナライザ25は受信したパルス信号を狭帯域のバンド幅のチャネルに分割することにより受信した信号をスペクトルに分解するものである。26はローカル発振器である。27はメインクロックである。28は原子時計である。29はパルス処理部Aであって,パルス積分ユニットA,分散補正ユニットA,加速度補正ユニット等を備えるものである。281は加速度計であって,宇宙船の軌道修正等に伴う加速度を検出するものである。30は制御コンピュータである(図5参照)。31は受信機であって,地上管制センターからの信号を受信するものである。320は送信機であって,地上管制センターに信号を送信するものである。36はエンジン制御部であって,エンジン401,402,403を制御するものである。エンジン制御部36はコンピュータを備えるものである。図4の構成の動作は後述する。
【0087】
図5は本発明の宇宙船のパルス処理部Aと制御コンピュータの詳細を示す図である。29はパルス処理部Aであり,30は制御コンピュータである。36はエンジン制御部である。パルス処理部A29において,38はパルス積分ユニットAであって,スペクトルに分解されたパルサーパルスをチャネル毎にコヒーレント積分するものである。381はカウンタであって,観測されたパルス数をカウントするものである。32は元TOAデータ生成部Aであって,積分されたパルスをもとに各チャネル毎にコヒーレント積分された周波数成分について,宇宙船のタイムスケールでの観測時刻およびパルスカウント値を積分された観測値に付して元TOAデータを生成するものである。34は分散補正ユニットAであって,各チャネル毎にコヒーレント積分された周波数成分(元TOAデータ)について分散補正をするものである。321は加速度補正ユニットであって,宇宙船に生じる加速度に基づく元TOAデータの補正をするものである。
【0088】
制御コンピュータ30において,35は入出力インターフェイスであって,地上管制センターとの交信データのインターフェイスである。40はCPUである。41はメモリである。43は観測スケジュール実行部であって,観測スケジュールを実行するものである。制御コンピュータ30において点線はCPUの制御を表す。エンジン制御部36において,46はエンジン制御コマンド生成部であって,エンジン制御部を制御するコマンドを生成するものである。47はエンジン制御実行部であって,エンジン制御を実行するものである。
【0089】
図6は,本発明の宇宙船における観測スケジュール実行部43の構成を示す。
相対論的補正処理部431は宇宙船が光速度の数パーセントもしくはそれ以上の速度で航行する場合に,宇宙船からパルサーに向けるアンテナの角度補正等の補正を行う(後述する)。TOAデータ保存部432は分散補正ユニットA39の求めた分散補正されたTOAデータを保持する。位置演算部433は各パルサーのTOAデータを元に宇宙船が位置演算を行う場合に位置演算を行う。位置演算結果保存部434は位置演算結果を保存する。
【0090】
図4の構成の動作を説明する。アンテナ44でキャッチしたパルサーパルスは低雑音増幅器21において増幅され,フィルタ22で不要な周波数の信号を除去して,ミキサ23に入力される。ローカル発振器26は原子時計28を基準にしてローカル信号を生成し,ミキサ23に入力する。ミキサ23で生成された中間周波信号(IF)はIF増幅器(中間周波増幅器)24で増幅され,パルス記録装置20に送られる。
【0091】
パルス記録装置20は,パルスを記憶する充分大きい量のメモリを制御コンピュータ30により制御され,観測されたパルサーパルスを狭帯域のバンド幅を持つ複数のチャネルに分割することにより入力されたパルサーパルスをスペクトルに分解する。パルス処理部A29において元TOAデータ生成部A32は各チャネルの周波数成分についてコヒーレント積分をすることによりSN比をよくする。宇宙船において元TOAデータに対して分散補正を行う場合には分散補正ユニットA39により元TOAデータに対して分散補正をする。
【0092】
分散補正ユニットA39の分散補正について説明する(図9の地上管制センター1の分散補正ユニットB78についても同様である)。分散はマイクロ波信号が低音のプラズマの宇宙空間を伝搬する際に周波数に依存して信号の伝搬が遅れる効果である。このために受信されたパルサーパルスは送信時より幅が広くなる。言い換えると,パルサーパルスの到着時刻(TOA)は周波数に依存する。周波数の高い成分程早く到着する。そこで,もし観測周波数バンドが広いと,パルサーパルスが広がって観測される。これを避けるために,バンド幅はパルサーパルスの広がりを無視できる狭いチャネルに分割される。充分なSN比が得られるまで積分したあと,各チャネルのパルスは分散値(分散遅延により遅れた分を計算して求めるものであり(前述の式(6)に従って求まる),この分散の予測値である)に従ってシフトされる(チャネルでの分散補正)。このときDMはパルサーカタログからわかるが,通常はデータ処理時にDMをやや変化させて積分して重ねあわせたパルス波形が最適になるように最適値をみつける。そして,それぞれの周波数チャネルのパルスの観測データを足し合わせ,パルサーパルスの波形を再現する。分散補正ユニットA34はこのような分散補正を行なう。なお,宇宙船で分散補正を行って良いが,太陽系の内側等のように地上管制センターと宇宙船が交信して運行する場合には,宇宙船ではこの分散補正を行なわず,分散補正のない元TOAデータを地上に送信し,地上管制センターにおいて分散補正する。分散補正をしてもとめたパルサーパルスをもとに正確なパルスの到着時刻(TOA)を求める。
【0093】
パルス処理部A29のパルス積分ユニットA38においてチャネル毎にパルスを位相積分する。元データTOA生成部A32は,パルサーパルスに対してチャネル毎に観測時刻情報等を付加し,地上に送信する元TOAデータを作成する。元TOAデータは制御コンピュータ30の元TOAデータ生成部Aに保持される。そして,元TOAデータは制御コンピュータ30の入出力インターフェイス35により送信機320に送られ,送信機320により地上管制センター1に送信される。観測スケジュール実行部43は地上管制センター1から送られてくるスケジュールデータに従ってパルサー観測等のスケジュールを実行する。あるいは,観測スケジュール実行部43は地上からの軌道修正指示を受け取り,エンジン制御部36に通知する。エンジン制御部36において,エンジン制御コマンド生成部46,地上管制センター1からの軌道修正指示に従ってエンジンを制御するコマンドを生成し,エンジン制御実行部47に通知する。エンジン制御実行部47はコマンドに従ってエンジン制御をする。
【0094】
図7は宇宙船のパルス積分ユニットおよび元TOAデータ生成のフローチャートである。パルス積分ユニットAはパルサーiのパルス信号を入力する(S1)。パルス積分ユニットは,パルサーiのパルス信号をチャネル毎に一定時間入力し,チャネル毎に任意期間パルス信号の位相積分をする(S2)。元データ生成部はチャネル毎に積分されたパルス周波数成分に宇宙船のタイムスケールでの時刻情報とパルスカウント情報を付与し,元TOAデータとする(S3)。軌道修正があって,宇宙船が加速度をうけた場合にはパルスカウント値をΔN = ν(α/c)δt により補正する(δtは加速度の加えられた時間)(S4)。時刻情報およびパルスカウント値を付与した元TOAデータを保持する(S5)。
【0095】
図8は元TOAデータとTOAデータの構成を示す。図8(a)は元TOAデータの構成である。元TOAデータはパルサー番号,周波数チャネル(チャネル番号),周波数(MHz),信号の強度(dB),宇宙船の観測時刻(宇宙船時刻),パルスカウント値をもつ。元TOAデータは各パルサー毎に各チャネル毎に作られるものである。図8(b)はパルサー毎に各チャネルについて元TOAデータの構成を示す。
【0096】
図8(c)はTOAデータの構成を示し,元TOAデータについて分散補正したものである。TOAデータはパルサー番号,周波数チャネル(チャネル番号),周波数(MHz),分散補正したあとの信号の強度(dB),分散補正した後の宇宙船の観測時刻(宇宙船時刻),パルスカウント値,宇宙船の観測時刻をSSB時刻に変換したSSB時刻をもつ。TOAデータは各パルサーパルス毎に各チャネルについて作られるものである。
【0097】
図9は本発明の地上管制センターの構成を示す。地上管制センター1はアンテナ501と受信装置50と送信装置60を備えて,宇宙船からの信号の受信および宇宙船への信号の送信を行うものである。
【0098】
宇宙船からの信号はアンテナ501で受信され,受信信号はアンテナ入出力部51を通過して,低雑音増幅器53で増幅される。低雑音増幅器53で増幅された信号は,さらに増幅器54で増幅される。増幅器54は,例えばローカル発振器,周波数変換器,中間周波数増幅器(IF増幅器)等を備えて,受信信号を中間周波数に変換し増幅して,さらに復調する。復調器55で復調された信号は復号器56で復号化される。復号化された元TOAデータ,観測データ等はデータ処理部70に送られる(図9ではTOAデータ以外の観測データを処理する構成については説明を省略されている)。データ処理部70はコンピュータとメモリ,元TOAデータ処理ユニットA71,軌道修正ユニット72,観測スケジュールユニット73を備えている。データ処理部70の入出力部A57から入力された元TOAデータは元TOAデータ保存部77に保持され,分散補正ユニットB78において元TOAデータに対して前述の分散補正を行ない,TOAデータ保存部79に保存する。分散補正されたTOAデータはパルサー観測センターに送信される。データ処理部70において点線はCPUの制御を表す。
【0099】
パルサー観測センター2から地上管制センター1に送信されてくるデータはデータ処理部70の入出力部B58を介してデータ処理部70に入力される。パルサー観測センター2から送信されてくるパルサーリストはパルサーリスト保存部731に保持される。パルサーリストに従って,観測スケジュールユニット73において観測スケジュールが生成される。また,パルサー観測センター2から送信されてくる宇宙船軌道についてのデータは軌道修正ユニット72に入力され,軌道修正データが生成される。観測スケジュールおよび軌道修正データは入出力部A57を介して送信装置60に送られる。送信装置60において,宇宙船に送信するデータは符号器66で符号化され,変調器65で変調されて大電力送信機64で電力増幅され,アンテナ入出力部51を介してアンテナ501から宇宙船に送信される。また,地上管制センター1では,GPS受信機80がGPS衛星の信号を受信し,ローカルタイムサービス81における地上管制センター1の処理において利用する。
【0100】
図10は地上管制センターの元TOAデータ処理ユニットのフローチャートを示す。宇宙船から送られてくる元TOAデータはデータ処理部70に入力され,保持される(S1)。元データをチャネル毎に分散補正をする(S2)。各チャネルのパルスを足し合わせて再現されたパルサーパルス(波形)をもとにパルサーパルスの正確な到着時刻(TOA)を求める(S3)。TOAの時間スケール(観測時刻等)をSSBスケールに変換する(S4)。タイミングノイズδtnoiseを参照し,パルス到着時間(TOA)からδtnoiseを除いて補正をする(S5)。求めたTOAを保存する(S6)。
【0101】
図11は,地上管制センターもしくはパルサー観測センターでもつ各種データ,パラメータを示す。図11(a)は観測周波数である。観測周波数は宇宙観測システムに適切なものをパルサー毎に選択する。図11(b)は分散補正に必要なDMstとDMplであり,式(6)の計算に使用するものであり,パルサー観測センターにおいて予め観測しておくものである。
【0102】
図12は本発明のシステムのパルサー観測センターの構成を示す。図12の構成において,パルサーパルスは電波望遠鏡3で受信される。電波望遠鏡3で受信されたパルサーパルスは,低雑音増幅器100で増幅され,フィルタ101で雑音を除去され,ミキサ102に入力される。さらに,ミキサ102においてローカル発振器104から出力されるローカル信号LOと混合され,中間周波信号IFを生成し,スペクトルアナライザ106に入力される。一方,GPS受信機90で受信された信号と原子時計105を使用してメインクロック91を生成する。メインクロック91を使用してパルス処理部B92を制御し,スペクトルアナライザ106でスペクトルに分解されたパルサーパルスを各チャネル毎にコヒーレント積分をして元TOAデータを生成する。元TOAデータは観測コンピュータ93により制御され,データ処理センター4に送信される。データ処理センター4はデータ保存装置110,コンピュータ111,宇宙船の位置を演算する位置計算ユニット112,その他の演算を行う各種ユニット113を備えていて,宇宙船の位置を求める演算等を行う。
【0103】
図13はパルサー観測センター2における宇宙船の位置計算のための構成を示す。
【0104】
スペクトルアナライザ106(図12参照)において周波数スペクトルに分解された信号はパルス処理部B92において位相積分される。観測コンピュータ93により制御され,時刻情報およびパルスカウント情報等を付して元TOAデータが生成される。元TOAデータは観測コンピュータ93によりデータ処理センター4に転送される。元TOAデータは元TOAデータ保存部150に保存される。元TOAデータ処理ユニットB141において,分散補正ユニットC142は,パルサー観測センター2で観測した元TOAデータについて分散補正をしてパルサーパルスを再現し,TOAを求める。そのTOAはデータ保存部160に保存される。
【0105】
一方,地上管制センター1からデータ処理センター4に送られてきた宇宙船の観測データに基づくTOAデータはデータ保存部160に保存される。位置計算ユニット112はデータ保存部160に保持されているパルサー観測センター161の観測データに基づくTOAデータと宇宙船の観測したTOAデータについて,カウント値の同じパルスについて宇宙船到着時刻とSSB到着時刻の差を求め,式(12)に従って,宇宙船の位置を求める演算を行う(宇宙船座標,距離等)。宇宙船のカウンタとパルサー観測センターのカウンタは同じ初期値で同時にスタートする。さらに,位置計算ユニット112は位置データ以外の各種数値を演算する。その演算により得られた宇宙船の位置,各種定数は位置計算結果保持部163に保持される。
【0106】
図14において(A)はパルサー観測センターのパルス処理部Bのフローチャートである。
【0107】
パルス処理部B92はスペクトルアナライザ106からパルサーiの観測データのチャネル毎のパルス信号を入力し,保存する(S1)。チャネル毎に所定時間パルサーiのパルスの周波数成分を位相積分する(S2)。元TOAデータ生成部B121はチャネル毎にパルスに時刻情報を付加し,元TOAデータとする(S3)。元TOAデータをデータ処理センターに転送する(S4)。
【0108】
図14において(B)はデータ処理センターの元TOAデータ処理ユニットBのフローチャートである。
【0109】
パルサー観測装置で観測したパルサーパルスの元TOAデータを保存する(S1)。チャネル毎の分散補正をする(S2)。各チャネルのパルスを足し合わせて再現されたパルサーパルスをもとに正確な到着時刻(TOA)を求める(S3)。求めたTOAの時間スケールをSSB時間スケールに変換する(S3)。別に求められているタイミングノイズδtnoiseを参照し,TOAからタイミングノイズδtnoiseを除き,補正する(S5)。求めたTOAを保存する(S6)。
【0110】
図15は,パルサー観測センター2における宇宙船の位置計算ユニットと地上管制センターのフローチャートである。図15において,S1〜S6’,S8〜S10はパルサー観測センターにおけるデータ処理センターの処理である。S7,S7’は地上管制センターの処理である。
【0111】
パルサー観測センターの観測したパルサーiのパルサーパルスのSSBスケールのTOAデータのリストを入力する(S1)。位置計算ユニットは,宇宙船の観測したパルサーiのパルサーパルスのSSBスケールのTOAデータのリストを入力する(S2)。宇宙船の観測したパルサーパルスについては多項式補完により同一時刻のTOAに換算する(S3)。A=c(t−t’)と式(12)により宇宙船の位置を表すベクトルrを計算する(S4)。測定位置の予測値からの誤差を判定するために,新たに計算されたベクトルrと更新前のベクトルrpredictの間の差の絶対値が計算され,解析される(S6,S8)。その差がε以下のとき,計算されたベクトルを宇宙船位置と推定し,計算結果を保存する(S8,S9)。S6の差がεを越えたとき,測定位置を地上管制センターに送る(S6’)。地上管制センターは軌道修正する指示(信号)を宇宙船に送信する(S7,S7’)。訂正された軌道にもとづいて,差がε以下になるまでS1以下のステップが実行される。S10で航行が継続されるなら,S1以降のステップが繰り返され,S10において航行を中止するならフローを終了する。
【0112】
図16は地上管制センターおよび宇宙船における軌道修正のフローチャートである。
【0113】
地上管制センター1において,軌道修正ユニットにより軌道修正データを作成する(S1)。地上管制センター1は軌道修正のためのデータ,コマンドを宇宙船に送信する(S2)。宇宙船は,地上管制センター1から送信される軌道修正コマンドを受信する(S3)。宇宙船においてエンジン制御コマンドを生成し,軌道修正をする(S4,S5)。
【0114】
図17は前述した通りである。
【0115】
図18は,本発明の観測時刻の補完の説明図である。式(12)を計算するためにはt’は各パルサーパルスついて同一時刻のTOAである必要がある。宇宙船に搭載されているアンテナが一つである場合には,複数のパルサーパルスを同一時刻において観測することは不可能である。そこで,このような場合には各パルサーパルスの到着時刻が同一時刻であるように補完する必要がある。
【0116】
図18はその補完方法を説明するものである。通常,宇宙船の軌道は時間に対して滑らかに変化する。図18において,N (t)はパルサーの回転位相(i=1,2,3)である。宇宙船のアンテナは,パルサー方向に向き,一組のN(t)(i=1,2,3,k=1,2,3)が繰り返し観測される。この一組の観測値に基づいて各パルサーの回転位相を表す多項式の係数を求めることができる。例えば,N(t)を表す式が,N(t)=a+bt+ctのような時間についての二次の多項式で表される時,各N(t)の係数a,b,cは各3組ずつの各t に基づいて求めることができる。求められた各N(t)により,任意のt (t<t<t)におけるNix=N (t )を求めることができる。
【0117】
そして,(9)式を使用して,t ’は次のように求まる。
【0118】
【数33】
Figure 2005043189
【0119】
ここにΔNix=N(t)−N(ti0)である。さらに,式(10)と(12)を使用して宇宙船の位置を求めることができる。
【0120】
位置を測定するために,宇宙船自体のタイムスケールを宇宙船において持つことが大切である。もし宇宙船(観測船)が太陽系を航行している場合,そこにはブラックホールや中性子性のような強い重力場はないので,パルサータイムスケールの時間座標tと宇宙船の原子時計に基づく固有時間τの間の変換は次のようになる。
【0121】
【数34】
Figure 2005043189
【0122】
ニュートンポテンシャル
【0123】
【数35】
Figure 2005043189
【0124】
dは宇宙船と摂動質量の質量中心,Gはニュートン重心係数,Mは摂動体の質量とし,Φは宇宙船により測定された重力の摂動をもとに計算される。宇宙船の座標速度
【0125】
【数36】
Figure 2005043189
【0126】
はパルサー周期のドップラ測定値もしくは宇宙船の軌道の数値導関数により計算できる。
【0127】
本発明のシステムを使用する宇宙船システムは光速度の数パーセントもしくはそれ以上の速度で太陽系を航行する。そのため,定義される時間と空間が宇宙船とSSBの間で異なる。パルサーパルスが準相対論的速度で航行している時,観測周波数,パルサー回転パラメータ,およびパルサーへの方向がSSBで観測されるのと異なる。
【0128】
宇宙船の速度が光速度の数パーセントの時,パルサーのこの方向の変化は無視できない。表1は,宇宙船の速度に対するパルサーの方向の最大変化を表す。直径10mのアンテナが使われる時,400MHzと600MHzに対するビームサイズはそれぞれ4°と2.8°である。そのため,方向修正が光速度の数パーセントで航行する宇宙船に必要になる。
【0129】
【表1】
Figure 2005043189
【0130】
宇宙船の固有の座標系から見たパルサーに対する単位ベクトルとSSBの座標系から見たパルサーへの単位ベクトルa’の間の関係は,次の通りである。
【0131】
【数37】
Figure 2005043189
【0132】
【数38】
Figure 2005043189
【0133】
Lは次のように定義される3X3の行列である。
【0134】
【数39】
Figure 2005043189
【0135】
【数40】
Figure 2005043189
【0136】
また,
【0137】
【数41】
Figure 2005043189
【0138】
と定義する。ベクトルVはSSBに対する宇宙船の速度であり,cは光速度である。
【0139】
軌道を変更する場合,宇宙船は加速度を生じる操作をしなければならない。加速度を変える間に,観測されるパルサーのパルス周期ν導関数の変化は,
【0140】
【数42】
Figure 2005043189
である。ここに,αは宇宙船の加速度である。加速度はパルサー位相を見失うことのないように,宇宙船に搭載された充分に正確な加速度計により測定されなければならない。同様な状況は,パルサーが突然回転周期とその時間導関数を変えた時(いわゆるグリッチ),パルサーのタイミング観測で生じる。このような場合には,連続的なパルサー位相の処理において,グリッチの後のデータについてカウントされるパルス位相の加速により生じる周期変化分の補正を行う。この補正量は次の式により与えられる。
【0141】
ΔN =ν(α/c)δt
ここにδtは操作時間である。
【0142】
【発明の効果】
本発明によれば,安定度の高い回転周期をもつパルサーを使用して宇宙船の位置の測定もしくは推定をすることができる。高感度のアンテナ,パルサー受信機およびパルサーパルスを修正するユニットを備えることにより,高い精度で宇宙船の位置を計算する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の宇宙船の位置測定方法の説明図Aである。
【図2】本発明の宇宙船の位置測定方法の説明図Bである。
【図3】本発明の宇宙航行システムの実施の形態を示す図である。
【図4】本発明の宇宙船のシステムの実施の形態を示す図である。
【図5】本発明の宇宙船のパルス処理部A,観測スケジュール実行部およびエンジン制御部の構成を示す図である。
【図6】本発明の宇宙船における観測スケジュール実行部の構成を示す図である。
【図7】本発明の宇宙船のパルス積分ユニットおよび元TOAデータ生成のフローチャートを示す図である。
【図8】本発明の元TOAデータおよびTOAデータAの構成を示す図である。
【図9】本発明の地上管制センターのシステム構成を示す図である。
【図10】本発明の地上管制センターの元TOAデータ処理ユニットのフローチャートを示す図である。
【図11】本発明の観測周波数等のデータの構成を示す図である。
【図12】本発明のパルサー観測センターの構成を示す図である。
【図13】本発明のパルサー観測センターにおけるパルス処理部Bとデータ処理センターの構成を示す図である。
【図14】本発明のパルサー観測センターのパルス処理部Bのフローチャートとデータ処理センターの元TOAデータ処理ユニットBのフローチャートを示す図である。
【図15】本発明のデータ処理センターの位置計算ユニットと地上管制センターのフローチャートである。
【図16】本発明の地上管制センターおよび宇宙船における軌道修正のフローチャートである。
【図17】電波望遠鏡の周波数とゲインの関係,およびTOAデータの精度と観測周波数の関係を示す図である。
【図18】本発明のパルサーパルス到着時刻を同一時刻に補完する方法の説明図である。
【符号の説明】
A:宇宙船
B:パルサー
S:SSB(太陽系重心)
:パルサー1
:パルサー2
:パルサー3
1:地上管制センター
2:パルサー観測センター
3:電波望遠鏡
4:データ処理センター
5:GPS衛星

Claims (11)

  1. 地上システムの指示に従って宇宙船が航行する宇宙航行システムにおいて,
    宇宙船はパルサーパルスの受信手段と,受信したパルサーパルスの到着時刻情報を求め記録する手段と,複数のパルサーパルスを受信して観測信号として地上システムに送信する送信手段とを備え,
    地上システムはパルサーパルスを受信し,受信したパルサーパルスの到着時刻情報を記録し,パルサーパルスカウント情報を求める手段と,宇宙船から送信されるパルサーパルスの観測信号を受信する手段とを備え,
    地上システムは,同じパルサーパルスについて宇宙船が観測したパルス到着時刻情報と地上システムが観測したパルス到着時刻情報に基づいて宇宙船の位置を求める手段を備えることを特徴とする宇宙航行システム。
  2. 地上システムのパルサーパルスの観測時刻と宇宙船の観測時刻を太陽系重心時刻に換算することにより宇宙船の位置を求めることを特徴とする請求項1に記載の宇宙航行システム。
  3. 太陽系重心から宇宙船までの相対距離を,方程式
    Figure 2005043189
    を解くものであって,
    ここに,A=c(t−t’) であり,cは光速度,t はパルサーパルスの太陽系重心に到着する時刻,t’はパルサーパルスの宇宙船への到着時刻,ベクトルkは太陽系重心からパルサーiに向く単位ベクトル,ベクトルrは太陽系重心から宇宙船への位置ベクトル,δtrelは宇宙船と太陽系重心での相対論効果の差であることを特徴とする請求項1または2に記載の宇宙航行システム。
  4. パルサーパルスの到着時刻の分散遅延を考慮し分散補正をしてパルサーパルスの到着時刻を求めることを特徴とする請求項1,2または3に記載の宇宙航行システム。
  5. 宇宙船におけるパルサーパルスの到着時刻は任意のパルサーについて時系列の複数パルスのカウント値と到着時刻を観測し該時系列のカウント値に基づいて任意の時刻のパルサーパルスのカウント値を求めるものであり,複数のパルサーのパルスを同一時刻のパルスカウント値に換算したパルスカウント値を求め,該時刻情報と該換算パルスカウント値に基づいて宇宙船位置を求めることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の宇宙航行システム。
  6. 特殊相対性理論に従って,宇宙船から見たパルサーの方角を修正することを特徴とする請求項1,2,3,4または5に記載の宇宙航行システム。
  7. 地上システムの指示に従って宇宙船が航行する宇宙航行方法において,
    宇宙船はパルサーパルスの受信手段と,受信したパルサーパルスの到着時刻情報を記録する手段と,複数のパルサーパルスを受信して観測信号として地上システムに送信する送信手段とを備え,
    地上システムはパルサーパルスを受信し,受信したパルサーパルスの到着時刻情報を記録し,パルサーパルスカウント情報を求める手段と,宇宙船から送信されるパルサーパルスの観測信号を受信する手段とを備え,
    同じパルサーパルスについて宇宙船が観測したパルス到着時刻情報と地上システムが観測したパルス到着時刻情報に基づいて宇宙船の位置を求めることを特徴とする宇宙航行方法。
  8. 同じパルサーパルスの宇宙船到着時刻と太陽系重心到着時刻の時間差に基づいて宇宙船の位置を求めることを特徴とする請求項7に記載の宇宙航行方法。
  9. 太陽系重心から宇宙船までの相対 距離を求めるために,方程式
    Figure 2005043189
    を解くにあたって,
    Figure 2005043189
    に対してNewton−Rapson法を適用し,以下の手順で太陽系重心に対する宇宙船の位置ベクトルrを求めるものであり,
    (i)
    Figure 2005043189
    (ii)
    Figure 2005043189
    但し,
    Figure 2005043189
    (iii)
    Figure 2005043189
    (iv) (i)を初期値としてベクトルrが収束するまで(ii),(iii)を繰り返し計算するものであり,
    ここに,A=c(t−t’)であり,cは光速度,tは宇宙船で観測されたパルサーパルスが太陽系重心に到着する時刻,t’は宇宙船が観測したパルサーパルスの宇宙船への到着時刻,ベクトルkは太陽系重心からパルサーiに向く単位ベクトルであり,δtrelは宇宙船と太陽系重心でのパルサーパルスの伝搬における相対論効果の差であることを特徴とする請求項7又は8に記載の宇宙航行方法。
  10. δtrelを無視できる場合にはδtrel=0として太陽系重心と宇宙船との相対距離を計算することを特徴とする請求項3に記載の宇宙航行システム。
  11. δtrelを無視できる場合にはδtrel=0として太陽系重心と宇宙船との相対距離を計算することを特徴とする請求項9に記載の宇宙航行方法。
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