JP2005042868A - 歯付ベルト駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯付ベルトとプーリとの円滑なかみ合いを達成すると共に、繰り返し位置決め精度誤差を極限迄減少させた歯付ベルトとプーリからなる駆動装置を提供する。
【解決手段】直線上で測定して歯付プーリ11のプーリ溝13深さをベルト歯部の高さより小さく構成せしめる。さらに、歯付ベルト の心線が長さ方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部 2と、心線3を埋設した背部4とを有し、上記歯部2の表面に歯布5を被覆した歯付ベルト1であり、上記心線3が総デニール数1,000〜10,000の炭素繊維のマルチフィラメント糸にゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させた後、これを5〜10回/10cmで片撚りし、その表面に接着層を被覆したコードであり該コードに接着層を付着させたものであり、更にコード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、かつベルトの引張弾性率が50〜85N/mmである。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば自動車用エンジンのカム軸又はカム軸とインジェクションポンプの駆動用、一般産業用機械の同期伝動用などに使用される歯布被覆の歯付ベルトに関し、特に高負荷用ベルトに関して、耐摩耗性及び耐歯欠け性を維持しつつ、特に心線の伸びを小さくして、起動時或いは停止時の従動側のオーバーシュートを小さくして応答性を高め、ジャンピングを低減して伝達能力を高め、そして高温高張力下及び高温多湿下での走行における耐久性を改善した歯付ベルト駆動装置に関する。
自動車用エンジンのカム軸、インジェクションポンプ、オイルポンプ、ウォーターポンプ等を駆動する歯付ベルトは、エンジンの高出力化に伴うベルトへの負荷の増大及び、エンジンルームのコンパクト化に伴う雰囲気温度の上昇等歯付べルトの使用環境は近年特に厳しくなってきている為、更なる耐久性の向上が要求されている。又、一般産業用に使用される歯付ベルトについても、射出成形機等の高負荷駆動用等取替え周期の延長を要求されている。
特に高負荷条件下で使用される歯付ベルトは、弾性体エラストマーで歯部が形成されており、該弾性体エラストマーは硬度がJISA70°程度である為、歯部の変形、歯飛びから歯欠けへと故障形態が進み、高負荷の動力を伝達するにはベルトの伝達力が劣っていた。
又、半導体検査装置の搬送機構、産業用ロボット、アクチュエーター等には、従来ボールネジが用いられてきたが、これらの市場においては近年、低コスト化及び高速化に対する要求が非常に厳しくなってきており、ボールネジに替わる製品として、今まで以上の位置決め精度が発揮できる、且つ省スペースで使用可能なベルト駆動装置の開発が求められてきた。
従来位置決め精度を向上させた動力伝動装置としては、特許文献1に記載されているように、歯溝円弧の曲率半径が歯付プーリの歯溝数に拘らず一定の値に設定され、上記各円弧の曲率半径が溝中心線上の上記溝底面からの距離が歯溝数に拘わらず一定の値に設定された位置において該溝中心線と直交する直線上に配置されている歯付プーリ群が記載されている。
特許第2995021号
しかし、特許文献1に記載されている歯付ベルト駆動装置においても、ベルト歯とプーリ溝間のバックラッシュは小さくはなるが、全くなくなるということはなかった。
又、上記心線として、ガラス繊維やアラミド繊維に代わって炭素繊維を使用した伝動ベルトも提案されている。例えば、特許文献1にはウレタンエラストマーのベルト素材に心線として炭素繊維コードを使用し、又特許文献2には熱可塑性エラストマーのベルト素材に、片撚りの炭素素材で撚る前にベルト本体と同じ材質の熱可塑性エラストマーで処理して接着を改善したものが使用されている。また特許文献2には、上撚り係数が2.0〜4.0であって、下撚り係数が上撚り係数の1/2〜3/2にして、初期強力が大きく、伸びが小さく、耐水性、耐屈曲疲労性を改善した歯付ベルトが開示されている。
しかし、従来の駆動軸と従動軸に歯付ベルトを懸架したロボットアームの駆動装置では、高度な応答性が求められ、起動時と停止時の従動側のオーバーシュートを小さくすることが要求されている。即ち、駆動軸と従動軸に懸架した歯付ベルトが僅かに伸張する為に、駆動軸の停止時において従動側のオーバーシュートによる停止により、応答性を悪くしていた。このため、従来の歯付ベルトよりも更に伸びの小さなものが要求され、心線の材質や構成の開発が望まれていた。
また、従来の歯付ベルトでは、高負荷伝動の場合には、心線の伸びによってベルトのジャンピングが発生し、又走行後のベルト残存強力も走行前に比べて大きく低下することがあった。
特許第2954554号 特開平10−2379号公報 特公平03−4782号公報
本発明はこのような問題点を改善するものであり、特に上記ベルト歯部に加わる力を歯が圧縮することによって分散する形状の丸歯を有する歯付ベルト駆動装置のベルト歯部の硬度が高いベルトについて、ベルト歯部高さとプーリ溝部深さとの関係適正化することにより、高負荷を伝達しなければならない箇所に使用される歯付ベルト駆動装置について、ベルト歯先端部と、プーリ歯底部を干渉(接触)させ、ベルト歯を圧縮させることによりベルト歯圧力面から歯元部分を膨張させ、歯付ベルト駆動装置の動力伝達力を向上させることを目的とする。
その手段として、本発明はピッチ線に沿って延在し、かつそれにより該ピッチ線を画定する1個以上の補強部材により補強された硬度がJISA80°からJISA88°のエラストマーで形成された無端同期伝動ベルトであって、一連の同一の歯がピッチPだけ一様に離隔し、各歯の前方及び後方側面の大部分又は全部が半径Wの円弧として断面を形状づけられ、前記円弧の両方とも中心が距離Wだけ離れて該ピッチ線上に位置しているような無端同期駆動ベルトであって、前記駆動ベルトの心線が総デニール数1,000〜10,000の炭素繊維のマルチフィラメントにゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させた後、これを5〜10回/10cmで片撚りし、その表面に接着層を被覆したコードであり、更にコード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、かつベルトの引張弾性率が50〜85N/mmである無端同期駆動ベルトと、プーリ溝の間に形成した周辺部に設けられた同一形状の複数個のベルト係合歯を有するプーリであって、各プーリ溝の前方及び後方の表面の大部分又は全部がピッチ円上に中心を有する円弧として断面を形状づけられ、ピッチ円の半径がプーリ歯先端を通るプーリの外側半径とベルト歯の間の底部からベルトピッチ線までの距離との和であるようなプーリと、の組み合わせであって、各ベルト歯の先端と各プーリ溝の底部は、ベルトがプーリに係合するときに該プーリ溝の底部から係合する各ベルト歯を介して圧縮応力が作用するように、直線状で測定して前記歯付プーリのプーリ溝部の深さをベルト歯部の高さより小さく構成せしめ、ベルトとプーリが完全にかみ合ったときに、ベルト歯が高さ方向に圧縮されることにより、ベルト歯が膨張し、プーリとの隙間が全くなくなりベルト歯部側面、底面での応力が全体に分散され、プーリ溝の中心線とベルト歯の中心線が略一致することを特徴とする歯付ベルト駆動装置にある。
請求項2に記載の発明は、ピッチ線に沿って延在し、かつそれにより該ピッチ線を画定する1個以上の補強部材により補強された硬度がJISA80°からJISA88°のエラストマーで形成された無端同期伝動ベルトであって、一連の同一の歯がピッチPだけ一様に離隔し、各歯の前方及び後方側面の大部分又は全部が半径Wの円弧として断面を形状づけられ、前記円弧の両方とも中心が距離Wだけ離れて該ピッチ線上に位置しているような無端同期駆動ベルトであって、前記駆動ベルトの心線が総デニール数1,000〜10,000の炭素繊維のマルチフィラメント糸にゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させた後、これを5〜10回/10cmで下撚りし、更に2.5〜5回/10cmで上撚りし、その表面に接着層を被覆したコードであり、更にコード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、かつベルトの引張弾性率が50〜85N/mmである無端同期駆動ベルトと、プーリ溝の間に形成した周辺部に設けられた同一形状の複数個のベルト係合歯を有するプーリであって、各プーリ溝の前方及び後方の表面の大部分又は全部がピッチ円上に中心を有する円弧として断面を形状づけられ、ピッチ円の半径がプーリ歯先端を通るプーリの外側半径とベルト歯の間の底部からベルトピッチ線までの距離との和であるようなプーリと、の組み合わせであって、各ベルト歯の先端と各プーリ溝の底部は、ベルトがプーリに係合するときに該プーリ溝の底部から係合する各ベルト歯を介して圧縮応力が作用するように、直線状で測定して前記歯付プーリのプーリ溝部の深さをベルト歯部の高さより小さく構成せしめ、ベルトとプーリが完全にかみ合ったときに、ベルト歯が高さ方向に圧縮されることにより、ベルト歯が膨張し、プーリとの隙間が全くなくなりベルト歯部側面、底面での応力が全体に分散され、プーリ溝の中心線とベルト歯の中心線が略一致する歯付ベルト駆動装置にある。
請求項3に記載の発明は、前記ベルトとプーリとをかみ合わせたときに、歯付ベルト歯部の側壁形状とプーリ溝部の溝壁形状が合致し、隙間が無くなる請求項1又は2に記載の歯付ベルト駆動装置にある。
請求項4に記載の発明は、前記歯付ベルトのゴム層がベルトの背面硬度として略JISA80°であるクロロプレンゴムを使用した請求項1から3のいずれかに記載の歯付ベルト駆動装置にある。
請求項5に記載の発明は、接着層がレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液から得られた1層である請求項1から4のいずれかに記載の歯付ベルト駆動装置にある。
請求項6に記載の発明は、接着層がレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液からなる下層とゴム糊からなる上層の2層からなる請求項1から4のいずれかに記載の歯付ベルト駆動装置にある。
本発明の歯付ベルト駆動装置は、ピッチ線に沿って延在し、かつそれにより該ピッチ線を画定する1個以上の補強部材により補強された硬度がJISA80°からJISA88°のエラストマーで形成された無端同期伝動ベルトであって、一連の同一の歯がピッチPだけ一様に離隔し、各歯の前方及び後方側面の大部分又は全部が半径Wの円弧として断面を形状づけられ、前記円弧の両方とも中心が距離Wだけ離れて該ピッチ線上に位置しているような無端同期駆動ベルトであって、前記駆動ベルトの心線が総デニール数1,000〜10,000の炭素繊維のマルチフィラメントにゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させた後、これを5〜10回/10cmで片撚りし、その表面に接着層を被覆したコードであり、更にコード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、かつベルトの引張弾性率が50〜85N/mmである無端同期駆動ベルトと、プーリ溝の間に形成した周辺部に設けられた同一形状の複数個のベルト係合歯を有するプーリであって、各プーリ溝の前方及び後方の表面の大部分又は全部がピッチ円上に中心を有する円弧として断面を形状づけられ、ピッチ円の半径がプーリ歯先端を通るプーリの外側半径とベルト歯の間の底部からベルトピッチ線までの距離との和であるようなプーリと、の組み合わせであって、各ベルト歯の先端と各プーリ溝の底部は、ベルトがプーリに係合するときに該プーリ溝の底部から係合する各ベルト歯を介して圧縮応力が作用するように、直線状で測定して前記歯付プーリのプーリ溝部の深さをベルト歯部の高さより小さく構成せしめ、ベルトとプーリが完全にかみ合ったときに、ベルト歯が高さ方向に圧縮されることにより、ベルト歯が膨張し、プーリとの隙間が全くなくなりベルト歯部側面、底面での応力が全体に分散され、プーリ溝の中心線とベルト歯の中心線が略一致することを特徴とする歯付ベルト駆動装置であることから、ベルト歯部の強度が大きく、一定の圧縮率があり、プーリ溝の中心線とベルト歯の中心線が略一致することによりかみ合いも良好となり、大きな伝達力を得られる効果があり、さらに、心線の伸びを小さくして、起動時或いは停止時の従動側のオーバーシュートを小さくすることができて応答性を高めることができ、またジャンピングを低減して伝達容量も高くでき、そして高温高張力下及び高温多湿下での走行における耐久性を改善することができる。
請求項2に記載の発明は、ピッチ線に沿って延在し、かつそれにより該ピッチ線を画定する1個以上の補強部材により補強された硬度がJISA80°からJISA88°のエラストマーで形成された無端同期伝動ベルトであって、一連の同一の歯がピッチPだけ一様に離隔し、各歯の前方及び後方側面の大部分又は全部が半径Wの円弧として断面を形状づけられ、前記円弧の両方とも中心が距離Wだけ離れて該ピッチ線上に位置しているような無端同期駆動ベルトであって、前記駆動ベルトの心線が総デニール数1,000〜10,000の炭素繊維のマルチフィラメント糸にゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させた後、これを5〜10回/10cmで下撚りし、更に2.5〜5回/10cmで上撚りし、その表面に接着層を被覆したコードであり、更にコード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、かつベルトの引張弾性率が50〜85N/mmである無端同期駆動ベルトと、プーリ溝の間に形成した周辺部に設けられた同一形状の複数個のベルト係合歯を有するプーリであって、各プーリ溝の前方及び後方の表面の大部分又は全部がピッチ円上に中心を有する円弧として断面を形状づけられ、ピッチ円の半径がプーリ歯先端を通るプーリの外側半径とベルト歯の間の底部からベルトピッチ線までの距離との和であるようなプーリと、の組み合わせであって、各ベルト歯の先端と各プーリ溝の底部は、ベルトがプーリに係合するときに該プーリ溝の底部から係合する各ベルト歯を介して圧縮応力が作用するように、直線状で測定して前記歯付プーリのプーリ溝部の深さをベルト歯部の高さより小さく構成せしめ、ベルトとプーリが完全にかみ合ったときに、ベルト歯が高さ方向に圧縮されることにより、ベルト歯が膨張し、プーリとの隙間が全くなくなりベルト歯部側面、底面での応力が全体に分散され、プーリ溝の中心線とベルト歯の中心線が略一致する歯付ベルト駆動装置であることから、請求項1の効果と同じく、ベルト歯部の強度が大きく、一定の圧縮率があり、プーリ溝の中心線とベルト歯の中心線が略一致することによりかみ合いも良好となり、大きな伝達力を得られる効果が有り、さらに、心線の伸びを小さくして、起動時或いは停止時の従動側のオーバーシュートを小さくすることができて応答性を高めることができ、またジャンピングを低減して伝達容量も高くでき、そして高温高張力下及び高温多湿下での走行における耐久性を改善することができる。
又、請求項3に記載の発明によると、前記ベルトとプーリとをかみ合わせたときに、歯付ベルト歯部の側壁形状とプーリ溝部の溝壁形状が合致し、隙間が無くなる請求項1又は2に記載の歯付ベルト駆動装置であることから、ベルト歯とプーリ歯溝のバックラッシュ量を極限迄小さくすることができ、位置決め精度を向上できる効果がある。
請求項4に記載の発明によると、前記歯付ベルトのゴム層がベルトの背面硬度として略JISA80°であるクロロプレンゴムを使用した請求項1から3のいずれかに記載の歯付ベルト駆動装置であることから、背面クラックの発生を防止できる効果がある。
請求項5及び6に記載の発明によると、炭素繊維の耐屈曲疲労性が向上するという効果がある。
以下、本発明を実施する為の最良の形態を説明する。
図1は、本発明形態に係る歯付ベルトの全体斜視概略図である。図1において、歯付ベルトAは、長手方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部3と、歯部3と連続する背部2と、背部2に埋設された心線1と、歯部3の表面に被覆された歯布4とを有する構造である。背部2と歯部3は、ゴム層9で形成されたベルト本体を構成する。又、歯布4は、ベルトの長手方向に延在する緯糸7と、ベルトの幅方向に延在する経糸8とを織成してなる繊維材料を基材として構成される。
図2は、本発明の歯付ベルト駆動装置に使用する歯付ベルトの実施形態の一例を示す縦断面図であり、図3は、本発明の実施の形態であって、一つのベルト歯部のプーリへのかみ合い状態を示す縦断面図であり、図4は本発明の歯付ベルト駆動装置に使用するプーリの実施形態の一例を示す一部の断面図である。本発明によると、ピッチ線に沿って延在し、かつそれにより該ピッチ線を画定する1個以上の補強部材により補強された弾性エラストマーで形成された無端同期駆動ベルトであって、一連の同一の歯がピッチPだけ一様に離隔し、各ベルト歯の前方及び後方側面の大部分(プーリ溝の側面と係合する部分であって側面の半分以上を占める部分)又は全部が半径Wの円弧として断面を形状づけられ、前記円弧の両方とも中心が距離Wだけ離れて該ピッチ線上に位置しているような無端同期伝動ベルトと、プーリ溝の間に形成した周辺部に設けられた同一形状の複数個のベルト係合歯を有するプーリであって、各プーリ溝の前方及び後方の表面の大部分又は全部がピッチ円上に中心を有する円弧として断面を形状づけられ、ピッチ円の半径がプーリ歯先端を通るプーリの外側半径とベルト歯の間の底部からベルトピッチ線までの距離との和であるようなプーリと、の組み合わせであって、各ベルト歯の先端と各プーリ溝の底部は、ベルトがプーリに係合するときに該プーリ溝の底部から係合するときに該プーリ溝の底部から係合する各ベルト歯を介して圧縮応力が作用するように相対的に形状づけられた無端同期駆動ベルトとプーリの組み合わせが提供される。
本発明で必要なことは歯先とプーリ溝の底部とが接触し、これにより圧縮応力がかみ合う各ベルト歯の内部に発生することである。
好適には、各プーリ溝の表面は、半径がW+xcであり、ここでxは選択し得る数値係数、cはベルト歯の側面とプーリ溝の表面との間の所望の間隔であり、プーリ溝の前方及び後方表面の中心はピッチ円上にあり、両中心はW+(2x−1)cだけ離れている。
しかして、本発明においては、上記の如き歯付ベルト駆動装置でベルト歯の強度を大きくする為にベルトを形成するエラストマーの硬度をJISA80°からJISA88°とした場合、プーリ溝の中心線とベルト歯の中心線とを略一致させる為に直線状で測定して前記歯付プーリのプーリ溝部の深さをベルト歯部の高さより小さくして、ベルト歯部高さ/プーリ溝部深さが1.05以上1.10以下の範囲に設定されている。好ましくは、ベルト歯部高さ/プーリ溝部深さが1.08となることが好ましい。
ここで歯部及び背部を構成するゴムとしては、ベルトの背面硬度が略JISA80°となるようなクロロプレンゴムを使用することが好ましい。この場合、歯部を構成するゴムと背面ゴムとの両方にクロロプレンゴムを使用することが好ましい。
ここで、クロロプレンゴムの配合としては、高硬度を出現させる為にカーボンブラックをゴム100質量部に対して60〜80質量部添加するのが好ましい。又、可塑剤は無添加とするのが好ましい。
上記心線3は総デニール数1,000〜10,000の炭素繊維のマルチフィラメント糸をゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させた後、これを5〜10回/10cmで片撚り、あるいは5〜10回/10cmで下撚りをし、更に2.5〜5回/10cmで上撚りをした諸撚りコードであってもよい。
炭素繊維のマルチフィラメント糸を構成するモノフィラメント(単繊維)は、その断面形状が実質的に真円形状に近いものであり、数多くのフィラメントを効率よく集合して、密接したフィラメント間の空間を減少させてコードの強度を高めている。具体的には、コード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、フィラメント群が効率よく高充填しており、ベルトの引張り弾性率が50〜85N/mmになる。もし楕円形になると、モノフィラメント同士が擦れ合いよりコードが破断しやすくなる。また、これ以外の形状になると、フィラメントを集合しても密接したフィラメント間の空間が多くなってコードの強度が向上しなくなる。
コード中の処理液(固形分)の含有量は、炭素繊維のマルチフィラメント糸100質量部に対して10〜40質量部、好ましくは15〜35質量部である。10質量部未満であると、モノフィラメント同士の擦れ合いによりコードの耐疲労性が低下することがあり、一方40質量部を越えるとコードの耐熱性、耐水性、耐溶剤性が低下することがある。
上記処理液(固形分)に含まれるゴムラテックス(固形分)の含有量は、処理液(固形分)100質量部に対して20〜80質量部、好ましくは30〜70質量部である。20質量部未満であると、コードの柔軟性が低下してベルトの耐屈曲疲労性が低下することがあり、一方80質量部を越えるとコードに粘着性が過剰になり、取扱い性が悪くなる。
上記ゴムラテックスの具体例としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、水素化ニトリルゴムラテックス(H−NBRラテックス)、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体(VPラテックス)、EPDMゴムラテックスの一種又は二種以上のブレンド物が使用される。
上記処理液(固形分)に含まれる処理液中のエポキシ樹脂の含有量は、処理液(固形分)100質量部に対して20〜80質量部、好ましくは30〜70質量部である。20質量部未満であると、コードとゴム界面の接着性が低下することがあり、80質量部を越えるとコードの柔軟性が低下してベルトの耐屈曲疲労性が低下することがある。
エポキシ樹脂の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の一種又は二種以上が使用される。
上記のコードには、その表面に接着層を付着させるが、ここでは接着層がレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液(RFL液)から得られた1層であってもよく、またゴム糊から得られた1層であってもよく、更にはRFL液からなる下層とゴム糊からなる上層の2層であってもよい。
RFL液は、レゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物とゴムラテックスとを混合したものであり、この場合レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は3/1〜1/3にすることが接着力を高めるうえで好適である。また、レゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物は、これをゴムラテックスのゴム分100質量部に対して樹脂分が5〜50質量部になるようにゴムラテックスと混合し、更にフェノール樹脂を含むレゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物とゴムラテックスとの固形分の質量比が5/95〜40/60に調節する。5/95未満では接着性が著しく低下し、また40/60を超えるとゴムラテックス分が少なくなり、耐熱性が悪くなって屈曲疲労性が低下する。
RFL処理液に使用するゴムラテックスとしては、水素化ニトリルゴムラテックス(H−NBRラテックス)、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体(VPラテックス)、クロロプレンゴムラテックス、EPDMゴムラテックスの一種又は二種以上のブレンド物が使用される。水素化ニトリルゴムラテックスとビニルピリジンゴムラテックスとは、固形分の質量比が60/40〜95/5で混合される。その水素化ニトリルゴムの質量比が60未満であれば、耐熱性が悪くなり屈曲疲労性が低下し、95を超えると、耐水性が著しく低下する。
使用する炭素繊維コードは下記方法によって処理される。まず未処理無撚りマルチフィラメント糸をゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液に含浸処理し、その後130〜250℃に調節したオ−ブンに通して熱処理する。続いて、上記処理したマルチフィラメント糸を5〜10回/10cmで片撚り、あるいは5〜10回/10cmで下撚りをし、更に2.5〜5回/10cmで上撚りをした諸撚りコードにした後、このコードをRFL液に含浸処理して接着層を形成する。
また、該処理コードをゴム糊に漬けてゴム層を付着し、この後130〜180℃前後に調節したオ−ブンに通して熱処理する。
このゴム糊としては、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)以外に、NBR、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、エチレンプロピレン共重合体(EPR)、SBR、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)のゴム配合物トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などの溶剤に溶かして得られたものである。
また、該処理コードを前述と同様にRFL液に含浸処理して下層を形成した後、ゴム糊でオーバーコート処理して上層の2層を形成してもよい。
歯布4を構成する緯糸、経糸の材質としては、それぞれポリアミド、アラミド、ポリエステル、ポリベンゾオキサゾール繊維の何れか又は組み合わせが採用できる。繊維の形態は、フィラメント糸及び紡績糸の何れでも良く、単独組成の撚糸又は混撚糸、混紡糸の何れであっても良い。RFL液を繊維内部にまで含浸できる程度に紡績糸又はフィラメントが集まった糸が好ましい。また、アラミド繊維又はポリベンゾオキサゾール繊維は、それ自体が低摩擦係数の繊維であるため、少なくともベルト長手方向の緯糸に含ませることにより、耐歯欠け性を向上させる。また、織成構成は綾織り、朱子織り、平織り等何れであっても良い。
前記ベルト背面硬度は少なくとも80度以上、好ましくは85度以上(JISA)である。背面硬度を少なくとも80度以上とする為には、ゴム配合物としては、高硬度となるクロロプレンゴムを使用する。
実施例1として、炭素繊維の無撚のマルチフィラメント糸(T700GC・6K・31E(型番、東レ(株)製)繊度4,300デニール)を、処理液(固定分濃度40質量%のビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス:JSR社製200質量部とエチレングルコールジグリシジルエーテル200質量部を水500質量部に溶かした水溶液)を含む処理液槽に通過させて含浸させた後、140℃の温度調節したオ−ブンに通して熱処理する。続いて、上記処理したマルチフィラメント糸を5回/10cmで片撚りしてコードにした後、このコードを表1に示すRFL液に浸漬し、130〜180℃の範囲で熱処理して接着層を形成した。
Figure 2005042868
上記処理コードの片撚り数と強力の関係をオートグラフで測定した結果を図6に示す。これによると、片撚りコードでは撚り数が5〜10回/10cmであれば、高強度を維持できることが判る。
歯部と背部用のゴムシートとして、表2に示すクロロプレンゴム配合からなるゴムを通常方法で混練してカレンダーロールによって所定の厚さに調整した。
歯布としては、経糸に6,6ナイロン、緯糸に6,6ナイロンとウレタン弾性糸を混撚りした糸を用いて綾織したものを用いた。
Figure 2005042868
次に、ベルト作製用のSTPD歯形120歯数の金型に上記歯布を巻き付け、心線としてSZ撚一対の前記炭素繊維コード(片撚り数、5回/10cm)をピッチ(1.0mm/本)にてスパイラルに所定の張力で巻き付けた。この心線の上に、表2のゴムシートを巻き付けた後、ジャケットを被せて加硫缶に投入し、通常の圧入方式により加圧加硫して歯形を形成させた。その後、ベルト背面を一定厚さに研磨し一定幅(10.0mm)にカットして走行用歯付ベルトを得た。
作製したベルトは3種あり、ベルト幅10.0mm、ベルト歯形STPD、歯数120、歯ピッチ5.00mmの実施例1、ベルト幅19.0mm、ベルト歯形STPD、歯数105歯、歯ピッチ8.00mmの実施例2、そしてベルト幅30.0mm、ベルト歯形STPD、歯数100歯、歯ピッチ14.00mmの実施例3であった。
実施例1のベルトとプーリの組み合わせとしては、図2において、製品として成形されたベルト歯部側壁の曲率半径Rが3.25mm、歯高さ1.91mmである100S5M600のベルトを元に、プーリの歯溝側壁の曲率半径Rpが3.25mm、歯溝深さを1.77mmとした。又、歯溝の歯底の円弧半径Rdを2.53mmとした。そして、Rbを0.20mm、Rtを0.55mmとした。
そして、実施例1のプーリとベルトとをかみ合わせて、ベルト駆動装置として、適正な張力を与えた場合、ベルト歯部側壁とプーリ歯溝側壁とが合致した。又、ベルト歯底部と、プーリ歯先部とも合致した。
そして、実施例1のベルトとプーリとで繰り返し位置決め誤差試験を行った。試験条件としては、駆動プーリと従動プーリ共に35歯のプーリを用い、運転パターンとしては、回転速度を90°/s、加減速度を450°/sとした。又、プーリ回転角度を360度としてその正逆回転を20回繰り返した。そして、駆動プーリと従動プーリとの回転差をロータリーエンコーダにて検出した。その結果を図5に示す。
比較例として、心線として、無撚のガラス繊維(E―ガラス)を3本引き揃えたものを表 に示すRFL処理液に浸漬した後、200〜280°Cで熱処理した。これを撚り数8回/cmでS及びZ方向に片撚りコードを準備した。これを11本引き揃え、12回/cmで上撚りした。更に、これをゴム糊に浸漬し、130〜180°Cの範囲で熱処理した。その後、実施例と同じ歯部と背部用のゴムシート、歯布を用い、また同様の製造条件にして3種の歯付ベルトを作製した。
作製したベルトは3種あり、ベルト幅10.0mm、ベルト歯形STPD、歯数120、歯ピッチ5.00mmの比較例1、ベルト幅19.0mm、ベルト歯形STPD、歯数105歯、歯ピッチ8.00mmの比較例2、そしてベルト幅30.0mm、ベルト歯形STPD、歯数100歯、歯ピッチ14.00mmの比較例3であった。
比較例1として、図9において、プーリの歯溝側壁の曲率半径Rを3.275mm、歯溝深さを1.77mmとした。また、歯溝の歯底の円弧半径を2.53mmとした。そして、Rbを0.25mm、Rtを0.55mmとした。
そして、比較例1のベルトとプーリとをかみ合わせてベルト駆動装置として、適正な張力を与えた場合、図10のようにベルト歯部側壁とプーリ歯溝側壁との間にはバックラッシュ2Bが発生していた。
そして、実施例と同様の試験条件にて繰り返し位置決め誤差試験を行った。その結果を図5に示す。図5の結果から実施例の歯付ベルト駆動装置は比較例の歯付ベルト駆動装置に比べて繰り返し位置決め精度は1/10程度であった。
上記実施例1から3と比較例1から3に係る歯付ベルトのコード径、コードの断面積、コード断面積中の繊維断面積占有率、ベルト弾性率(幅当り)を求めた結果を表3に示す。ベルト弾性率はベルトの軸間距離変化率と軸荷重の関係を室温下においてオートグラフによって測定した。
Figure 2005042868
これによると、実施例は比較例に比べて高強度、高弾性率により、伸びが小さくなっていることが判り、ベルト高張力時における寸法変化が小さくなっている。また、コード断面積中の繊維断面積占有率については、実施例の炭素繊維コードは比較例のガラス繊維コードに比べて繊維の充填量が多くなっていることが判る。
続いて、実施例と比較例で作製された歯付ベルトの評価として、ロボットアームの駆動等の位置決め精度の評価として応答性評価を行った。この走行試験装置としては、駆動モータに連結した35歯の駆動プーリ、フライホイール(GD=0.402kgm)を取り付けた35歯の従動プーリに、上記歯付ベルトを張力10kgfで懸架し、トルク80.4g・mを与えて、試験パターンとして回転速度90度/秒、加減速度450度/秒でプーリ回転角度360度の正逆回転を各20回繰り返し、駆動プーリと従動プーリの回転差をロータリエンコーダにより起動/停止時のオーバーシュート検出した。その結果を図3に示す。
また、歯付ベルトの伝動容量比較を行うため、ジャンピング試験を行った。このジャンピング試験では、ベルト走行中に従動軸の負荷を上げて行き、ジャンピング(歯飛び)が発生した際の負荷値を測定した。試験条件としては、22歯の駆動プーリ、20歯の従動プーリに歯付ベルトを懸架し、回転数3,600rpm、軸荷重10.6kgfで測定した。その結果を表4に併記する。
Figure 2005042868
これによると、実施例の歯付ベルトは、応答性評価では起動/停止時の駆動プーリと従動プーリの回転差が小さくて応答性が高く、更にジャンピング試験でもジャンピングが発生しにくく、伝達容量が高いことが判る。
本発明の歯付ベルトは、駆動側の回転により従動側のロボットアームを移動させる駆動装置や自動車のオーバーヘッドカムシャフトの駆動装置に使用するものであり、歯付ベルトがコード断面積に占める繊維断面積の割合を70〜90%にして炭素繊維を多く充填するで、ベルトの引張り弾性率を50〜85N/mmに設定し、これにより心線の伸びを小さくして、起動時あるいは停止時の従動側のオーバーシュートを小さくすることができて、応答性を高めることができ、また伝達容量も高くなる。
本発明の歯付ベルト駆動装置に使用する歯付ベルトの実施形態の一例を示す一部の断面図である。 本発明の歯付ベルト駆動装置に使用する歯付ベルトの実施形態の一例を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態であって、一つのベルト歯部のプーリへのかみ合い状態を示す縦断面図である。 本発明の歯付ベルト駆動装置に使用するプーリの実施形態の一例を示す一部の断面図である。 本発明の歯付ベルト駆動装置で繰り返し位置決め誤差を測定した結果を示したグラフである。 上記歯付ベルトの心線処理コードの片撚り数と強力の関係を示すグラフである。 実施例1における駆動プーリと従動プーリの回転差をロータリエンコーダにより起動/停止時のオーバーシュート検出した結果を示す。 比較例1における駆動プーリと従動プーリの回転差をロータリエンコーダにより起動/停止時のオーバーシュート検出した結果を示す。 比較例1の歯付ベルト駆動装置に使用したプーリの一本の溝部の縦断面図である。 比較例1の歯付ベルト駆動装置で、歯付ベルトとプーリとをかみ合わせた図である。
符号の説明
1 心線
2 背部
3 歯部
4 歯布
5 歯付ベルト
7 緯糸
8 経糸
9 ゴム層
10 プーリ
11 プーリ歯先部
13 ベルト歯元部
15 プーリ溝壁
16 プーリ溝部
17 プーリ歯頂面
18 ベルト歯先部
19 ベルト側壁
21 コーナー部
23 歯溝底部
37 従来のプーリ底部形状

Claims (6)

  1. ピッチ線に沿って延在し、かつそれにより該ピッチ線を画定する1個以上の補強部材により補強された硬度がJISA80°からJISA88°のエラストマーで形成された無端同期伝動ベルトであって、一連の同一の歯がピッチPだけ一様に離隔し、各歯の前方及び後方側面の大部分又は全部が半径Wの円弧として断面を形状づけられ、前記円弧の両方とも中心が距離Wだけ離れて該ピッチ線上に位置しているような無端同期駆動ベルトであって、前記駆動ベルトの心線が総デニール数1,000〜10,000の炭素繊維のマルチフィラメントにゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させた後、これを5〜10回/10cmで片撚りし、その表面に接着層を被覆したコードであり、更にコード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、かつベルトの引張弾性率が50〜85N/mmである無端同期駆動ベルトと、プーリ溝の間に形成した周辺部に設けられた同一形状の複数個のベルト係合歯を有するプーリであって、各プーリ溝の前方及び後方の表面の大部分又は全部がピッチ円上に中心を有する円弧として断面を形状づけられ、ピッチ円の半径がプーリ歯先端を通るプーリの外側半径とベルト歯の間の底部からベルトピッチ線までの距離との和であるようなプーリと、の組み合わせであって、各ベルト歯の先端と各プーリ溝の底部は、ベルトがプーリに係合するときに該プーリ溝の底部から係合する各ベルト歯を介して圧縮応力が作用するように、直線状で測定して前記歯付プーリのプーリ溝部の深さをベルト歯部の高さより小さく構成せしめ、ベルトとプーリが完全にかみ合ったときに、ベルト歯が高さ方向に圧縮されることにより、ベルト歯が膨張し、プーリとの隙間が全くなくなりベルト歯部側面、底面での応力が全体に分散され、プーリ溝の中心線とベルト歯の中心線が略一致することを特徴とする歯付ベルト駆動装置。
  2. ピッチ線に沿って延在し、かつそれにより該ピッチ線を画定する1個以上の補強部材により補強された硬度がJISA80°からJISA88°のエラストマーで形成された無端同期伝動ベルトであって、一連の同一の歯がピッチPだけ一様に離隔し、各歯の前方及び後方側面の大部分又は全部が半径Wの円弧として断面を形状づけられ、前記円弧の両方とも中心が距離Wだけ離れて該ピッチ線上に位置しているような無端同期駆動ベルトであって、前記駆動ベルトの心線が総デニール数1,000〜10,000の炭素繊維のマルチフィラメント糸にゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させた後、これを5〜10回/10cmで下撚りし、更に2.5〜5回/10cmで上撚りし、その表面に接着層を被覆したコードであり、更にコード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、かつベルトの引張弾性率が50〜85N/mmである無端同期駆動ベルトと、プーリ溝の間に形成した周辺部に設けられた同一形状の複数個のベルト係合歯を有するプーリであって、各プーリ溝の前方及び後方の表面の大部分又は全部がピッチ円上に中心を有する円弧として断面を形状づけられ、ピッチ円の半径がプーリ歯先端を通るプーリの外側半径とベルト歯の間の底部からベルトピッチ線までの距離との和であるようなプーリと、の組み合わせであって、各ベルト歯の先端と各プーリ溝の底部は、ベルトがプーリに係合するときに該プーリ溝の底部から係合する各ベルト歯を介して圧縮応力が作用するように、直線状で測定して前記歯付プーリのプーリ溝部の深さをベルト歯部の高さより小さく構成せしめ、ベルトとプーリが完全にかみ合ったときに、ベルト歯が高さ方向に圧縮されることにより、ベルト歯が膨張し、プーリとの隙間が全くなくなりベルト歯部側面、底面での応力が全体に分散され、プーリ溝の中心線とベルト歯の中心線が略一致することを特徴とする歯付ベルト駆動装置。
  3. 前記ベルトとプーリとをかみ合わせたときに、歯付ベルト歯部の側壁形状とプーリ溝部の溝壁形状が合致し、隙間が無くなる請求項1又は2に記載の歯付ベルト駆動装置。
  4. 前記歯付ベルトのゴム層がベルトの背面硬度として略JISA80°であるクロロプレンゴムを使用した請求項1から3のいずれかに記載の歯付ベルト駆動装置。
  5. 接着層がレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液から得られた1層である請求項1から4のいずれかに記載の歯付ベルト駆動装置。
  6. 接着層がレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液からなる下層とゴム糊からなる上層の2層からなる請求項1から4のいずれかに記載の歯付ベルト駆動装置。
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