JP2005041253A - メガフロートを用いたクリーンコジェネレーション装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】メガフロートを利用した自然エネルギー利用のコジェネレーション装置の高効率化を図る。
【解決手段】メガフロートの上面、下面、周囲及びメガフロートの構造物自体の空間を利用した水素ガス及び酸素ガスの製造設備であって、特に風力発電、太陽光発電及び波力発電を組み合わせて、水素ガスを効率よく生産する設備を提供する。
【効果】これにより、メガフロートを立体的に効率よく活用して、クリーンエネルギーの製造効率を上げることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】メガフロートの上面、下面、周囲及びメガフロートの構造物自体の空間を利用した水素ガス及び酸素ガスの製造設備であって、特に風力発電、太陽光発電及び波力発電を組み合わせて、水素ガスを効率よく生産する設備を提供する。
【効果】これにより、メガフロートを立体的に効率よく活用して、クリーンエネルギーの製造効率を上げることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海洋や湖沼に設置したメガフロートを利用して、太陽光、風力、波力などの自然エネルギーを利用して製造したクリーンなエネルギーにより、水素ガスおよび酸素ガスを安価に製造するコジェネレーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
石油、石炭などの化石燃料の消費、天然ガスなどの消費によって、炭酸ガスなどの温暖化ガスの問題が地球規模で非常に深刻化している。また原子力発電にしても立地その他の事情から、容易にその設備が作りにくい状況になっている。
【0003】
水素燃料は、事実上無尽蔵であり、またその燃焼によって化石燃料や原子力のような問題がまったく発生しないことから、その重要性が認識されている。
【0004】
しかし、水素ガスをどのようにして製造するかということが最大の問題である。単に水を電気分解するのでは、そのエネルギー効率は30%以下であり、例えば化石燃料や天然ガスの燃焼によって発電して水の電気分解をしようとしても、エネルギー効率の点で実用レベルに至らない。
【0005】
原子力発電設備の夜間の余剰電力を利用した水の電解による水素ガスの製造、天然ガスからの水素ガスの分離などが有望視されているが、前者は実用化上の問題点特に原子炉の稼働率の低下により夜間でさえ余剰電力が確保できるのかという問題があり、後者はシステム全体として炭酸ガスの排出がゼロではないという問題がある。
【0006】
太陽光発電、風力発電、水力発電、波力発電などの電力を利用することも考えられるが、設置場所などの制約がある。そこで最近はメガフロートを海上又は湖沼上に設置し、自然エネルギー利用の発電装置によって水電解装置を運転する提案がなされている。
【0007】
例えば、メガフロートに風力発電装置、太陽光発電装置、波力発電装置などを設置して発電を行い、これを利用して水の電気分解により水素ガス、酸素ガスを製造することは、特開2001−59472号公報(特許文献1)に記載されている。この技術では、生産された水素ガス及び酸素ガスを冷却、液化して貯蔵する装置を設けている。
【0008】
また、平成13年電気学会電力・エネルギー部門大会での発表“地球観測衛星による自然エネルギーの最適利用”(602−603頁)(非特許文献1)には、メガフロートに風力発電装置を設置することが報告されている。
【0009】
さらに、インターネット上では、平成14年度NGO/NPO・企業環境政策提言集の応募用紙(非特許文献2)が公開され、これによれば、メガフロート上に風力発電、太陽光発電及び波力発電装置を設置し、その発生電力及びガスを燃料電池、温水、水の電気分解装置、純粋製造装置ならびに会議・研修設備などの付帯設備の電力として利用することが記載されている。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−59472号公報(要約)
【非特許文献1】
平成13年電気学会電力・エネルギー部門大会での発表“地球観測衛星による自然エネルギーの最適利用”(602−603頁)
【非特許文献2】
平成14年度NGO/NPO・企業環境政策提言集の応募用紙
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の一つの目的は、メガフロート構造物自体及びその上下空間を効率的に利用するコジェネレーション装置を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、自然エネルギーを利用して水を電気分解して水素ガス、酸素ガスを製造するに際して、水の電気分解効率を高めることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の目的は、メガフロートの上面に太陽光発電装置と風力発電装置を設置して、空間を二重、三重に活用し、メガフロートの下面に水電解装置を設け、メガフロート構造物自体には交直変換装置、制御装置、水素ガスタンク、酸素ガスタンクなどを設置することにより達成される。
【0014】
本発明の他の目的は、メガフロートに設置した上記波力発電装置を利用して水を汲み上げ、それにより太陽光発電装置の太陽光パネルを冷却して太陽光パネルの光―電気変換効率を維持し、かつ暖められた水を電解槽に供給して水電解効率を高めることにより達成される。
【0015】
本発明によれば、メガフロート構造物の上面及び周囲に設置された自然エネルギーによる発電装置と、該メガフロートから水中に伸びメガフロート構造物のバランスを取る複数の錘と、該錘によって支えられる水電気分解装置と、該水電気分解装置に電力を供給する手段とを備えたメガフロートを用いたクリーンコジェネレーション装置が提供される。上記メガフロート構造物の上面に設置された発電装置は、風力発電および太陽電池であり、上記メガフロート構造物の周囲に設置された発電装置は波力発電である。
【0016】
本発明はまた、上記錘に支持された上記水電気分解装置の電解槽が設けられ、発生した水素ガスと酸素ガスが分離されて上記メガフロート構造物内に設置されたタンクに導かれるクリーンコジェネレーション装置を提供する。さらに、上記水電気分解装置の電解槽は上記錘の先端よりも十分に水面に近接して配置されているクリーンコジェネレーション装置を提供する。
【0017】
本発明によれば、上記太陽電池を水で冷却するように構成されているか、または上記電解槽内に水を保温する手段を有するクリーンコジェネレーション装置が提供される。
【0018】
本発明のクリーンコジェネレーション装置において、上記電解槽内の水の電気伝導度を維持するために水中の電解質濃度または電気伝導度をモニターし、かつ制御する手段を有する。あるいは、上記太陽電池をポンプまたは波力で汲み上げた水で冷却し、温まった冷却水を電解槽内に供給することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明によるクリーンコジェネレーション装置の概念図であり、メガフロート6の上面には風力発電装置及び太陽光発電装置が設置されている。
【0020】
風力発電装置は風車1と、それを支持する支柱2を備え、交流発電機16を駆動して交流電流を発電する。太陽光発電装置は太陽電池パネル3とそこで発生した直流電流を配線5によって直流電源に蓄積する。また交流電流は交直変換器9により直流電流に変換され、直流電源8の電流とともに、直流電源装置18、例えばバッテリなどに蓄えられる。直流電源装置18に蓄えられた直流電流を利用して、水例えば海水や淡水を電気分解して水素ガスと酸素ガスを製造する。
【0021】
海水の電気伝導度を高めて電気分解の効率をあげたいときには、食塩、苛性ソーダ、苛性カリなどの電解質を電解槽に加える。淡水の場合も同様である。
【0022】
製造された水素ガスと酸素ガスはそれぞれ水素ガス管13と酸素ガス管15を通って水素ガスタンク11、酸素ガスタンク10に蓄えられる。
【0023】
水電気分解装置は、例えばメガフロート6の下面に設置した錘14に取り付けてある。その理由は製造した水素ガス、酸素ガスをタンクに貯蔵するときに、水頭圧をかけるためである。しかし、タンクへのガスの貯蔵はコンプレッサ20などを用いて加圧する方法も採用可能である。なお、電解槽の上面が、メガフロートの上面よりも突出して、メガフロート面の利用効率を下げないように配置する。従って、電解槽をメガフロート構造物の内部に取り込んでもよい。
【0024】
メガフロートにおいては、これを繋留するために碇(図示しない)などが設置されるが、本発明ではメガフロートの水中でのバランス性を向上するため、複数の錘を設置する。この錘の深さや数はメガフロートの規模や求められる安定性などによって決められる。本発明の実施例では、この錘の支持体を利用して電解槽を水中の設置するものである。
【0025】
本発明の実施形態では、メガフロートを最大限効率よく利用するため、比較的面積、体積の必要な水電解装置をメガフロートの底面を利用して設置したことが特徴である。従って、電解槽をメガフロートの底面(底板)に取り付けるとか、錘の支柱に固定するなどして、メガフロートの上面は極力発電に有効活用できる。
【0026】
風力発電及び/又は波力発電により生産した交流電力は、図示していないケーブルで地上やほかの設備に搬送し、そのまま一般電力として使用することも可能である。
【0027】
本発明においては、メガフロート6の周囲に波力発電装置19を設置して、発電する。この波力発電装置のタービンは、海水等をパイプ17で汲み上げるために使用してもよい。海水又は淡水を汲み上げるのは、太陽光パネルを冷却して、温度上昇によるパネルの効率低下を防ぐためである。太陽光パネルの冷却については追って説明する。
【0028】
なお、太陽光パネルの冷却水などとして利用する水の汲み上げのためには、波力タービンに付属した機器を用いるのが適していると思われる。風力発電、太陽光発電、波力発電により発電し、蓄積した電気はできるだけ水の電気分解に使用したほうがよい。しかし、勿論モータ、ポンプを用いて汲み上げてもよいことは言うまでもない。
【0029】
メガフロートを設置する場所及び季節によって、海水または淡水の温度を何度まで温められるかにより水電解の効率が決まる。また、もし冬季には水面が結氷する場所にメガフロートを設置した場合は、電解槽が利用できなくなる恐れもある。その場合は結氷しない深さまで電解槽を沈める。
【0030】
風力発電装置の支柱2を補強するために、鳥除けのワイヤ21を張り、支柱を相互に補強する。鳥除けのワイヤを張ることにより、鳥が太陽光パネルの障害物となる糞や汚物を撒き散らすのを防止する。鳥除けのワイヤについては追って説明する。現在、陸上で使用されている風力発電設備の支柱の高さは、羽根の長さを考慮し、風を効率よく捉え、地上の樹木等の障害を避けるために、50〜70mの高さが適する。
【0031】
本発明のようにメガフロートを利用する場合は、地上用風力発電よりも低い支柱でよい。しかし、風を効率よく捉え、メガフロート上の設備や作業員の安全性を考慮し、羽根の長さを15mとすると、その長さプラス5m程度つまり20m以上、特に30〜60mの高さが必要である。羽根の長さが30mのときは35m以上である。したがって、支柱の補強を設けることにより、支柱それ自体の強度をある程度低くし、コストを削減することができる。
【0032】
以上説明したコジェネレーション装置において、風力発電装置、太陽光発電装置及び波力発電装置の効率を低下させないように、メガフロート自体及び上記発電装置の方向、高さ、角度、深さ(水深)などを適宜制御するための機構、制御装置などを設ける。
【0033】
この実施例によれば、メガフロートの上面、下面、周囲及びメガフロート構造物自体の容積を有効に利用することができる効果がある。
【0034】
図2は、水電解装置の構成を示す断面略図である。管37内の酸素発生極22、水素発生極25及びイオン伝導性の隔膜24が電解槽を構成する。隔膜はH+イオン及びOH―イオンを通すが、ガス透過性の低い絶縁性のたとえばシリカ、アルミナ等のセラミックスを用いることができる。これらはミクロン単位の空孔を有する。そのほかイオン交換膜などを用いることができる。
【0035】
水中に沈められた管37内に、酸素発生極22、水素発生極25及び両極を仕切る隔膜24を設ける。また、導電線38を通して、酸素発生極、水素発生極に通電する。酸素発生極で発生した酸素ガスは管23によって酸素ガスタンク10に蓄えられる。水素発生極で発生した水素ガスは管を上昇してメガフロート底板19上に設置された水素ガスタンク11に蓄えられる。
【0036】
水を電気分解する場合、水の導電性を高めるため、NaOHやKOH等のアルカリを数重量%から20重量%程度添加するのが好ましい。このように多量のアルカリを添加することは経済的にも問題がある。また、メガフロートに設置して用いられる電解槽のように比較的開放されたあるいは開放される可能性のある状況で運転される装置においては、環境に対する影響は、十分検討すべき課題である。つまり、これらの添加物がメガフロート外の海水や淡水に流出しない電解槽の構造や添加法を採用する必要がある。
【0037】
また、電気分解に適した水の温度は室温〜百数十度であり、電解槽内の圧力は常圧から数10気圧である。以上のことから、多量のアルカリ添加、高温、高圧が水電解の好ましい条件であるといえる。本発明の場合、アルカリ添加は約5〜10重量%、水の温度は約25以上、特に30〜80℃、電解槽の圧力は、約1気圧以上、特に3〜10気圧程度が実用的であろう。
【0038】
水の電解はある程度温度が高いほど効率がよいので、あまり深い位置の海水または淡水を利用するのは賢明でない。例えば海水では、200m程度の深さになると、水温は5℃程度になるから、このような低温の水を電気分解するには効率は非常に低くなる。そのため、錘14よりも水面に十分近い位置に電解槽を設置して、あまり低温の水を使用しないようにするのが好ましい。また、そのために、太陽光パネルを冷却するために使用し、温められた水を電解槽に供給して、より温度の高い水を利用するのがよい。
【0039】
電解槽で用いる電極材としては従来から用いられているニッケル、軟鉄などが用いられる。勿論、その他の材料例えば炭素極材でもよい。
【0040】
電解槽の電極22,25は分極及びガスの電極面での滞留によって、電極が劣化して電極抵抗が増大し、又は電解槽の内部抵抗が増大する。したがって、電極22,25は定期的に交換し、水素ガス、酸素ガスが電極面に多量に滞留しないように、随時電極22,25を上下するとか、左右に揺らすか振動させてやるのがよい。
【0041】
上記の説明では、水素ガスと酸素ガスを分離した状態で製造する方法を説明したが、特開2002−155387号公報や特開2002−129369号公報に記載されたように、水素ガスと酸素ガスを混合した形で製造してもよい。
【0042】
図3は、図1における風力発電の支柱2を補強するためのワイヤ21の具体例を示し、鋼索31にゆるく挿入した非円形の回転物33などを取り付けておけば、回転物に止まる鳥32は非常に不安定さを感じ、寄り付かなくなる。
【0043】
また、海鳥は岩場や岩礁に営巣するが、図1、図5に示すように、太陽光パネルを傾斜しておけば、海鳥の営巣を防止できる。特に図1のようにメガフロート面から突出した構造にすれば、海鳥の営巣を防止することができる。
【0044】
このようにして、鳥類が太陽光パネル上に糞やその他の汚物などを落としてパネルの効率を低下させるのを防止する。また、風力発電設備の支柱(高さは通常約50−70mである)を相互に補強し合うことにより、支柱の倒壊事故を防止する。山間部ではより高い支柱が必要であるが、メガフロートの場合は障害物が少ないので、比較的低く(例えば30−60m程度)してもよい。
【0045】
図4は、図1の実施例とは異なるパネル27の斜視図であり、配管26から海水等28をパネル面に流し、パネルを冷却する。これにより、太陽光パネルの変換効率の下がるのを防止する。この冷却海水は波力装置19を利用して汲み上げることができる。ここで温められた水は電解槽に供給され、水電解のエネルギー効率を高めるのに寄与する。
【0046】
図5には他のパネル冷却法を示す.図5は太陽光発電装置のパネル部分の断面図で、太陽光40が当たるパネル43の下とメガフロートの上板45との間に形成された空間に海水供給管42を配管し、パネル43を背面から冷却する。ここで温まった海水又は淡水を電解槽に供給し、電気分解の効率を上げるのが好ましい。
【0047】
以上述べた実施例について、以下いくつか補足する。製造された水素ガスや酸素ガスはメガフロート上で消費してもよいし、気体又は液体の形でタンクに貯蔵し、これをメガフロートから搬出してメガフロート外で適宜利用することもできる。
【0048】
また、電解槽の効率を高めるため、水または海水の電導度をモニターし、必要に応じて電解質を供給するようにしてもよい。その場合、環境に悪影響がない様に、電解質が設備外に出ないように留意する。
【0049】
メガフロート構造物の建設コストはかなりかかる。したがって、メガフロートの利用効率を高めることが必要である。そこで本発明は、上述のように、太陽光パネル、風力発電装置及び波力発電を組み合わせ、メガフロートを効率よく利用してメガフロートの運用コストの削減を図るものである。
【0050】
以下に、上述した本発明についての具体的な実施形態をまとめておく。以下の実施形態はいずれも請求項1または他の請求項との関係において成り立つものである。
【0051】
(1)請求項のいずれかにおいて、前記メガフロート構造物の容積内に水の電気分解によって製造された水素ガス及び酸素ガスを貯蔵するタンクを備えたクリーンコジェネレーション装置。
【0052】
(2)請求項のいずれかにおいて、前記風力発電の支柱間を鳥除け機能を持つ手段によって支柱を相互に補強するクリーンコジェネレーション装置。
【0053】
(3)請求項のいずれかにおいて、前記メガフロート構造物内の容積に交直変換器及び制御装置を設置したクリーンコジェネレーション装置。
【0054】
(4)請求項のいずれかにおいて、前記錘はパイプによって上記メガフロートのタンクに支持されているクリーンコジェネレーション装置。
【0055】
(5)請求項のいずれかにおいて、前記タンク内のガスは上記パイプによって与えられる水頭圧によって加圧されるクリーンコジェネレーション装置。
【0056】
(6)請求項のいずれかにおいて、前記水素ガスタンク又は酸素ガスタンクに所望の量の水素ガス又は酸素ガスが蓄積された後、上記メガフロートから搬出する手段を有するクリーンコジェネレーション装置。
【0057】
(7)請求項のいずれかにおいて、前記水素ガスタンク及び酸素ガスタンクに水素ガス及び酸素ガスを圧縮・供給する手段が上記電解槽とタンクの間に設けられているクリーンコジェネレーション装置。
【0058】
(8)請求項のいずれかにおいて、前記風力発電装置の電力を搬出するケーブルを備えたクリーンコジェネレーション装置。
【0059】
(9)請求項のいずれかにおいて、前記波力発電装置は水を汲み上げる装置を備えたクリーンコジェネレーション装置。
【0060】
(10)請求項のいずれかにおいて、前記メガフロート構造物は水素ガス及び酸素ガスを冷却・液化する装置を備えたクリーンコジェネレーション装置。
【0061】
(11)請求項のいずれかにおいて、風力発電装置、太陽光発電装置、波力発電装置及びメガフロートの位置、角度、高さ、水深などを最適化する手段を設けたクリーンコジェネレーション装置。
【0062】
(12)請求項のいずれかにおいて、太陽光パネルの冷却水をポンプで汲み上げるようにしたクリーンコジェネレーション装置。
【0063】
(13)請求項のいずれかにおいて、風向によって風力発電装置、波力発電装置及びメガフロートの位置、角度、高さ、水深などを最適化する手段を設けたクリーンコジェネレーション装置。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、メガフロート構造物近辺の空間の効率よい活用を図ることができ、かつ効率のよい水の電気分解が実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるメガフロート利用のクリーンコジェネレーション装置の概念図を示す線図。
【図2】本発明において用いられる電解槽の例を示す断面図。
【図3】風力発電装置の支柱の補強のために用いられる鳥除けワイヤの例を示す斜視図。
【図4】太陽光パネルの冷却法を示すパネルの斜視図。
【図5】他のパネル冷却法を示す太陽光発電装置の断面図。
【符号の説明】
1…風車、2…支柱、3…太陽光パネル、6…メガフロート、8…直流電源、9…交直変換器、10…酸素ガスタンク、11…水素ガスタンク、13…水素ガス管、14…錘、15…酸素ガス管、16…交流発電機、20…コンプレッサ、19…波力発電装置、22…酸素発生極、24…隔膜、25…水素発生極、38…導線。
【発明の属する技術分野】
本発明は、海洋や湖沼に設置したメガフロートを利用して、太陽光、風力、波力などの自然エネルギーを利用して製造したクリーンなエネルギーにより、水素ガスおよび酸素ガスを安価に製造するコジェネレーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
石油、石炭などの化石燃料の消費、天然ガスなどの消費によって、炭酸ガスなどの温暖化ガスの問題が地球規模で非常に深刻化している。また原子力発電にしても立地その他の事情から、容易にその設備が作りにくい状況になっている。
【0003】
水素燃料は、事実上無尽蔵であり、またその燃焼によって化石燃料や原子力のような問題がまったく発生しないことから、その重要性が認識されている。
【0004】
しかし、水素ガスをどのようにして製造するかということが最大の問題である。単に水を電気分解するのでは、そのエネルギー効率は30%以下であり、例えば化石燃料や天然ガスの燃焼によって発電して水の電気分解をしようとしても、エネルギー効率の点で実用レベルに至らない。
【0005】
原子力発電設備の夜間の余剰電力を利用した水の電解による水素ガスの製造、天然ガスからの水素ガスの分離などが有望視されているが、前者は実用化上の問題点特に原子炉の稼働率の低下により夜間でさえ余剰電力が確保できるのかという問題があり、後者はシステム全体として炭酸ガスの排出がゼロではないという問題がある。
【0006】
太陽光発電、風力発電、水力発電、波力発電などの電力を利用することも考えられるが、設置場所などの制約がある。そこで最近はメガフロートを海上又は湖沼上に設置し、自然エネルギー利用の発電装置によって水電解装置を運転する提案がなされている。
【0007】
例えば、メガフロートに風力発電装置、太陽光発電装置、波力発電装置などを設置して発電を行い、これを利用して水の電気分解により水素ガス、酸素ガスを製造することは、特開2001−59472号公報(特許文献1)に記載されている。この技術では、生産された水素ガス及び酸素ガスを冷却、液化して貯蔵する装置を設けている。
【0008】
また、平成13年電気学会電力・エネルギー部門大会での発表“地球観測衛星による自然エネルギーの最適利用”(602−603頁)(非特許文献1)には、メガフロートに風力発電装置を設置することが報告されている。
【0009】
さらに、インターネット上では、平成14年度NGO/NPO・企業環境政策提言集の応募用紙(非特許文献2)が公開され、これによれば、メガフロート上に風力発電、太陽光発電及び波力発電装置を設置し、その発生電力及びガスを燃料電池、温水、水の電気分解装置、純粋製造装置ならびに会議・研修設備などの付帯設備の電力として利用することが記載されている。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−59472号公報(要約)
【非特許文献1】
平成13年電気学会電力・エネルギー部門大会での発表“地球観測衛星による自然エネルギーの最適利用”(602−603頁)
【非特許文献2】
平成14年度NGO/NPO・企業環境政策提言集の応募用紙
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の一つの目的は、メガフロート構造物自体及びその上下空間を効率的に利用するコジェネレーション装置を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、自然エネルギーを利用して水を電気分解して水素ガス、酸素ガスを製造するに際して、水の電気分解効率を高めることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の目的は、メガフロートの上面に太陽光発電装置と風力発電装置を設置して、空間を二重、三重に活用し、メガフロートの下面に水電解装置を設け、メガフロート構造物自体には交直変換装置、制御装置、水素ガスタンク、酸素ガスタンクなどを設置することにより達成される。
【0014】
本発明の他の目的は、メガフロートに設置した上記波力発電装置を利用して水を汲み上げ、それにより太陽光発電装置の太陽光パネルを冷却して太陽光パネルの光―電気変換効率を維持し、かつ暖められた水を電解槽に供給して水電解効率を高めることにより達成される。
【0015】
本発明によれば、メガフロート構造物の上面及び周囲に設置された自然エネルギーによる発電装置と、該メガフロートから水中に伸びメガフロート構造物のバランスを取る複数の錘と、該錘によって支えられる水電気分解装置と、該水電気分解装置に電力を供給する手段とを備えたメガフロートを用いたクリーンコジェネレーション装置が提供される。上記メガフロート構造物の上面に設置された発電装置は、風力発電および太陽電池であり、上記メガフロート構造物の周囲に設置された発電装置は波力発電である。
【0016】
本発明はまた、上記錘に支持された上記水電気分解装置の電解槽が設けられ、発生した水素ガスと酸素ガスが分離されて上記メガフロート構造物内に設置されたタンクに導かれるクリーンコジェネレーション装置を提供する。さらに、上記水電気分解装置の電解槽は上記錘の先端よりも十分に水面に近接して配置されているクリーンコジェネレーション装置を提供する。
【0017】
本発明によれば、上記太陽電池を水で冷却するように構成されているか、または上記電解槽内に水を保温する手段を有するクリーンコジェネレーション装置が提供される。
【0018】
本発明のクリーンコジェネレーション装置において、上記電解槽内の水の電気伝導度を維持するために水中の電解質濃度または電気伝導度をモニターし、かつ制御する手段を有する。あるいは、上記太陽電池をポンプまたは波力で汲み上げた水で冷却し、温まった冷却水を電解槽内に供給することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明によるクリーンコジェネレーション装置の概念図であり、メガフロート6の上面には風力発電装置及び太陽光発電装置が設置されている。
【0020】
風力発電装置は風車1と、それを支持する支柱2を備え、交流発電機16を駆動して交流電流を発電する。太陽光発電装置は太陽電池パネル3とそこで発生した直流電流を配線5によって直流電源に蓄積する。また交流電流は交直変換器9により直流電流に変換され、直流電源8の電流とともに、直流電源装置18、例えばバッテリなどに蓄えられる。直流電源装置18に蓄えられた直流電流を利用して、水例えば海水や淡水を電気分解して水素ガスと酸素ガスを製造する。
【0021】
海水の電気伝導度を高めて電気分解の効率をあげたいときには、食塩、苛性ソーダ、苛性カリなどの電解質を電解槽に加える。淡水の場合も同様である。
【0022】
製造された水素ガスと酸素ガスはそれぞれ水素ガス管13と酸素ガス管15を通って水素ガスタンク11、酸素ガスタンク10に蓄えられる。
【0023】
水電気分解装置は、例えばメガフロート6の下面に設置した錘14に取り付けてある。その理由は製造した水素ガス、酸素ガスをタンクに貯蔵するときに、水頭圧をかけるためである。しかし、タンクへのガスの貯蔵はコンプレッサ20などを用いて加圧する方法も採用可能である。なお、電解槽の上面が、メガフロートの上面よりも突出して、メガフロート面の利用効率を下げないように配置する。従って、電解槽をメガフロート構造物の内部に取り込んでもよい。
【0024】
メガフロートにおいては、これを繋留するために碇(図示しない)などが設置されるが、本発明ではメガフロートの水中でのバランス性を向上するため、複数の錘を設置する。この錘の深さや数はメガフロートの規模や求められる安定性などによって決められる。本発明の実施例では、この錘の支持体を利用して電解槽を水中の設置するものである。
【0025】
本発明の実施形態では、メガフロートを最大限効率よく利用するため、比較的面積、体積の必要な水電解装置をメガフロートの底面を利用して設置したことが特徴である。従って、電解槽をメガフロートの底面(底板)に取り付けるとか、錘の支柱に固定するなどして、メガフロートの上面は極力発電に有効活用できる。
【0026】
風力発電及び/又は波力発電により生産した交流電力は、図示していないケーブルで地上やほかの設備に搬送し、そのまま一般電力として使用することも可能である。
【0027】
本発明においては、メガフロート6の周囲に波力発電装置19を設置して、発電する。この波力発電装置のタービンは、海水等をパイプ17で汲み上げるために使用してもよい。海水又は淡水を汲み上げるのは、太陽光パネルを冷却して、温度上昇によるパネルの効率低下を防ぐためである。太陽光パネルの冷却については追って説明する。
【0028】
なお、太陽光パネルの冷却水などとして利用する水の汲み上げのためには、波力タービンに付属した機器を用いるのが適していると思われる。風力発電、太陽光発電、波力発電により発電し、蓄積した電気はできるだけ水の電気分解に使用したほうがよい。しかし、勿論モータ、ポンプを用いて汲み上げてもよいことは言うまでもない。
【0029】
メガフロートを設置する場所及び季節によって、海水または淡水の温度を何度まで温められるかにより水電解の効率が決まる。また、もし冬季には水面が結氷する場所にメガフロートを設置した場合は、電解槽が利用できなくなる恐れもある。その場合は結氷しない深さまで電解槽を沈める。
【0030】
風力発電装置の支柱2を補強するために、鳥除けのワイヤ21を張り、支柱を相互に補強する。鳥除けのワイヤを張ることにより、鳥が太陽光パネルの障害物となる糞や汚物を撒き散らすのを防止する。鳥除けのワイヤについては追って説明する。現在、陸上で使用されている風力発電設備の支柱の高さは、羽根の長さを考慮し、風を効率よく捉え、地上の樹木等の障害を避けるために、50〜70mの高さが適する。
【0031】
本発明のようにメガフロートを利用する場合は、地上用風力発電よりも低い支柱でよい。しかし、風を効率よく捉え、メガフロート上の設備や作業員の安全性を考慮し、羽根の長さを15mとすると、その長さプラス5m程度つまり20m以上、特に30〜60mの高さが必要である。羽根の長さが30mのときは35m以上である。したがって、支柱の補強を設けることにより、支柱それ自体の強度をある程度低くし、コストを削減することができる。
【0032】
以上説明したコジェネレーション装置において、風力発電装置、太陽光発電装置及び波力発電装置の効率を低下させないように、メガフロート自体及び上記発電装置の方向、高さ、角度、深さ(水深)などを適宜制御するための機構、制御装置などを設ける。
【0033】
この実施例によれば、メガフロートの上面、下面、周囲及びメガフロート構造物自体の容積を有効に利用することができる効果がある。
【0034】
図2は、水電解装置の構成を示す断面略図である。管37内の酸素発生極22、水素発生極25及びイオン伝導性の隔膜24が電解槽を構成する。隔膜はH+イオン及びOH―イオンを通すが、ガス透過性の低い絶縁性のたとえばシリカ、アルミナ等のセラミックスを用いることができる。これらはミクロン単位の空孔を有する。そのほかイオン交換膜などを用いることができる。
【0035】
水中に沈められた管37内に、酸素発生極22、水素発生極25及び両極を仕切る隔膜24を設ける。また、導電線38を通して、酸素発生極、水素発生極に通電する。酸素発生極で発生した酸素ガスは管23によって酸素ガスタンク10に蓄えられる。水素発生極で発生した水素ガスは管を上昇してメガフロート底板19上に設置された水素ガスタンク11に蓄えられる。
【0036】
水を電気分解する場合、水の導電性を高めるため、NaOHやKOH等のアルカリを数重量%から20重量%程度添加するのが好ましい。このように多量のアルカリを添加することは経済的にも問題がある。また、メガフロートに設置して用いられる電解槽のように比較的開放されたあるいは開放される可能性のある状況で運転される装置においては、環境に対する影響は、十分検討すべき課題である。つまり、これらの添加物がメガフロート外の海水や淡水に流出しない電解槽の構造や添加法を採用する必要がある。
【0037】
また、電気分解に適した水の温度は室温〜百数十度であり、電解槽内の圧力は常圧から数10気圧である。以上のことから、多量のアルカリ添加、高温、高圧が水電解の好ましい条件であるといえる。本発明の場合、アルカリ添加は約5〜10重量%、水の温度は約25以上、特に30〜80℃、電解槽の圧力は、約1気圧以上、特に3〜10気圧程度が実用的であろう。
【0038】
水の電解はある程度温度が高いほど効率がよいので、あまり深い位置の海水または淡水を利用するのは賢明でない。例えば海水では、200m程度の深さになると、水温は5℃程度になるから、このような低温の水を電気分解するには効率は非常に低くなる。そのため、錘14よりも水面に十分近い位置に電解槽を設置して、あまり低温の水を使用しないようにするのが好ましい。また、そのために、太陽光パネルを冷却するために使用し、温められた水を電解槽に供給して、より温度の高い水を利用するのがよい。
【0039】
電解槽で用いる電極材としては従来から用いられているニッケル、軟鉄などが用いられる。勿論、その他の材料例えば炭素極材でもよい。
【0040】
電解槽の電極22,25は分極及びガスの電極面での滞留によって、電極が劣化して電極抵抗が増大し、又は電解槽の内部抵抗が増大する。したがって、電極22,25は定期的に交換し、水素ガス、酸素ガスが電極面に多量に滞留しないように、随時電極22,25を上下するとか、左右に揺らすか振動させてやるのがよい。
【0041】
上記の説明では、水素ガスと酸素ガスを分離した状態で製造する方法を説明したが、特開2002−155387号公報や特開2002−129369号公報に記載されたように、水素ガスと酸素ガスを混合した形で製造してもよい。
【0042】
図3は、図1における風力発電の支柱2を補強するためのワイヤ21の具体例を示し、鋼索31にゆるく挿入した非円形の回転物33などを取り付けておけば、回転物に止まる鳥32は非常に不安定さを感じ、寄り付かなくなる。
【0043】
また、海鳥は岩場や岩礁に営巣するが、図1、図5に示すように、太陽光パネルを傾斜しておけば、海鳥の営巣を防止できる。特に図1のようにメガフロート面から突出した構造にすれば、海鳥の営巣を防止することができる。
【0044】
このようにして、鳥類が太陽光パネル上に糞やその他の汚物などを落としてパネルの効率を低下させるのを防止する。また、風力発電設備の支柱(高さは通常約50−70mである)を相互に補強し合うことにより、支柱の倒壊事故を防止する。山間部ではより高い支柱が必要であるが、メガフロートの場合は障害物が少ないので、比較的低く(例えば30−60m程度)してもよい。
【0045】
図4は、図1の実施例とは異なるパネル27の斜視図であり、配管26から海水等28をパネル面に流し、パネルを冷却する。これにより、太陽光パネルの変換効率の下がるのを防止する。この冷却海水は波力装置19を利用して汲み上げることができる。ここで温められた水は電解槽に供給され、水電解のエネルギー効率を高めるのに寄与する。
【0046】
図5には他のパネル冷却法を示す.図5は太陽光発電装置のパネル部分の断面図で、太陽光40が当たるパネル43の下とメガフロートの上板45との間に形成された空間に海水供給管42を配管し、パネル43を背面から冷却する。ここで温まった海水又は淡水を電解槽に供給し、電気分解の効率を上げるのが好ましい。
【0047】
以上述べた実施例について、以下いくつか補足する。製造された水素ガスや酸素ガスはメガフロート上で消費してもよいし、気体又は液体の形でタンクに貯蔵し、これをメガフロートから搬出してメガフロート外で適宜利用することもできる。
【0048】
また、電解槽の効率を高めるため、水または海水の電導度をモニターし、必要に応じて電解質を供給するようにしてもよい。その場合、環境に悪影響がない様に、電解質が設備外に出ないように留意する。
【0049】
メガフロート構造物の建設コストはかなりかかる。したがって、メガフロートの利用効率を高めることが必要である。そこで本発明は、上述のように、太陽光パネル、風力発電装置及び波力発電を組み合わせ、メガフロートを効率よく利用してメガフロートの運用コストの削減を図るものである。
【0050】
以下に、上述した本発明についての具体的な実施形態をまとめておく。以下の実施形態はいずれも請求項1または他の請求項との関係において成り立つものである。
【0051】
(1)請求項のいずれかにおいて、前記メガフロート構造物の容積内に水の電気分解によって製造された水素ガス及び酸素ガスを貯蔵するタンクを備えたクリーンコジェネレーション装置。
【0052】
(2)請求項のいずれかにおいて、前記風力発電の支柱間を鳥除け機能を持つ手段によって支柱を相互に補強するクリーンコジェネレーション装置。
【0053】
(3)請求項のいずれかにおいて、前記メガフロート構造物内の容積に交直変換器及び制御装置を設置したクリーンコジェネレーション装置。
【0054】
(4)請求項のいずれかにおいて、前記錘はパイプによって上記メガフロートのタンクに支持されているクリーンコジェネレーション装置。
【0055】
(5)請求項のいずれかにおいて、前記タンク内のガスは上記パイプによって与えられる水頭圧によって加圧されるクリーンコジェネレーション装置。
【0056】
(6)請求項のいずれかにおいて、前記水素ガスタンク又は酸素ガスタンクに所望の量の水素ガス又は酸素ガスが蓄積された後、上記メガフロートから搬出する手段を有するクリーンコジェネレーション装置。
【0057】
(7)請求項のいずれかにおいて、前記水素ガスタンク及び酸素ガスタンクに水素ガス及び酸素ガスを圧縮・供給する手段が上記電解槽とタンクの間に設けられているクリーンコジェネレーション装置。
【0058】
(8)請求項のいずれかにおいて、前記風力発電装置の電力を搬出するケーブルを備えたクリーンコジェネレーション装置。
【0059】
(9)請求項のいずれかにおいて、前記波力発電装置は水を汲み上げる装置を備えたクリーンコジェネレーション装置。
【0060】
(10)請求項のいずれかにおいて、前記メガフロート構造物は水素ガス及び酸素ガスを冷却・液化する装置を備えたクリーンコジェネレーション装置。
【0061】
(11)請求項のいずれかにおいて、風力発電装置、太陽光発電装置、波力発電装置及びメガフロートの位置、角度、高さ、水深などを最適化する手段を設けたクリーンコジェネレーション装置。
【0062】
(12)請求項のいずれかにおいて、太陽光パネルの冷却水をポンプで汲み上げるようにしたクリーンコジェネレーション装置。
【0063】
(13)請求項のいずれかにおいて、風向によって風力発電装置、波力発電装置及びメガフロートの位置、角度、高さ、水深などを最適化する手段を設けたクリーンコジェネレーション装置。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、メガフロート構造物近辺の空間の効率よい活用を図ることができ、かつ効率のよい水の電気分解が実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるメガフロート利用のクリーンコジェネレーション装置の概念図を示す線図。
【図2】本発明において用いられる電解槽の例を示す断面図。
【図3】風力発電装置の支柱の補強のために用いられる鳥除けワイヤの例を示す斜視図。
【図4】太陽光パネルの冷却法を示すパネルの斜視図。
【図5】他のパネル冷却法を示す太陽光発電装置の断面図。
【符号の説明】
1…風車、2…支柱、3…太陽光パネル、6…メガフロート、8…直流電源、9…交直変換器、10…酸素ガスタンク、11…水素ガスタンク、13…水素ガス管、14…錘、15…酸素ガス管、16…交流発電機、20…コンプレッサ、19…波力発電装置、22…酸素発生極、24…隔膜、25…水素発生極、38…導線。
Claims (10)
- メガフロート構造物の上面及び周囲に設置された自然エネルギーによる発電装置と、該メガフロートから水中に伸びメガフロート構造物のバランスを取る複数の錘と、実質的に該メガフロートの上面以下に設けられた水電気分解装置と、該水電気分解装置に電力を供給する手段とを備えたメガフロートを用いたクリーンコジェネレーション装置。
- 上記メガフロート構造物の上面に設置された発電装置は、風力発電および太陽電池であることを特徴とする請求項1に記載のメガフロートを用いたクリーンコジェネレーション装置。
- 上記メガフロート構造物の周囲に設置された発電装置は波力発電であることを特徴とするメガフロートを用いた請求項1又は2に記載のクリーンコジェネレーション装置。
- 上記錘に支持された上記水電気分解装置の電解槽が設けられ、発生した水素ガスと酸素ガスが分離されて上記メガフロート構造物内に設置されたタンクに導かれる請求項1ないし3のいずれかに記載のメガフロートを用いたクリーンコジェネレーション装置。
- 上記水電気分解装置の電解槽は上記錘の先端よりも十分に水面に近接して配置されているメガフロートを用いた請求項1ないし4のいずれかに記載のクリーンコジェネレーション装置。
- 上記太陽電池を水又は海水で冷却するように構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載のメガフロートを用いたクリーンコジェネレーション装置。
- 上記水電気分解槽内に水を保温する手段を有する請求項1ないし6のいずれかに記載のメガフロートを用いたクリーンコジェネレーション装置。
- 上記水電気分解槽内の水中の電解質濃度又は電気伝導度を維持するために水中の電解質濃度は電気伝導度をモニターし、かつ制御する手段を有する請求項1ないし7のいずれかに記載のメガフロートを用いたクリーンコジェネレーション装置。
- 上記太陽電池を汲み上げた水で冷却し、温まった冷却水を電解槽内に供給することを特徴とする請求項3記載のメガフロートを用いたクリーンコジェネレーション装置。
- 上記太陽電池を波力で汲み上げた水で冷却することを特徴とする請求項9記載のメガフロートを用いたクリーンコジェネレーション装置。
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