JP2005041024A - インクリボン - Google Patents
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Abstract
【課題】インク層が主に紫外線反応性樹脂からなるインクリボンにおいて、熱転写による記録媒体に対する密着性と、紫外線照射による硬化性をともに備えたインクリボンを提供すること。
【解決手段】インク層を少なくとも2層形成するとともに、各インク層3,4に、紫外線照射後の弾性率がことなる紫外線反応性樹脂を含有し、紫外線照射後の各インク層3,4の弾性率を記録媒体7に近いほど小さくする。
【選択図】 図1
【解決手段】インク層を少なくとも2層形成するとともに、各インク層3,4に、紫外線照射後の弾性率がことなる紫外線反応性樹脂を含有し、紫外線照射後の各インク層3,4の弾性率を記録媒体7に近いほど小さくする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインク層に紫外線反応性樹脂を含むインクリボンに係り、特に、記録媒体に転写後、紫外線照射によりインク層の固さと密着性を向上させることのできるインクリボンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の溶融型熱転写方式のインクリボンは、インク層の材料に熱可塑性樹脂を利用しているため、得られた記録媒体上の画像は、冷却後に固体状態になったとしても、記録媒体あるいは画像が加熱されると再度軟化溶融する問題があった。即ち、従来のインクリボンは、熱転写記録した画像の耐熱特性が悪かった。
【0003】
さらに、インク層が溶剤可溶性であるため、得られた記録媒体上の画像は、溶剤に触れると再度溶解する問題があった。
【0004】
また、熱可塑性樹脂は、加熱することにより硬化する熱硬化性樹脂と比較して一般的に機械的強度が低く、記録媒体に熱転写記録した画像に、高い耐摩耗特性を得ることは困難であった。そのために、従来から、記録媒体に記録した画像の耐熱性、耐摩耗性、耐溶剤性等を向上することができるインクリボンとして、インク層に熱可塑性を示さない紫外線反応性樹脂を添加したインクリボンが採用されてきた。
【0005】
このような従来のインクリボンの一例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂からなるベースフィルム上に、離型層を介してインク層が形成されている。
【0006】
また、前記ベースフィルムの背面側には摺接するサーマルヘッドの磨耗の防止、インクリボンの走行の安定化、さらに、巻取り時のインク層との融着の防止等のための潤滑層が形成される。
【0007】
前記インク層は、少なくとも紫外線反応性樹脂と光開始剤とを主成分とし、必要に応じて紫外線吸収剤や着色剤、さらには各種の可塑剤、分散剤、酸化防止剤等を微量添加することにより構成されている。
【0008】
また、前記インク層には、必要に応じて増感剤、充填剤、レベリング剤、粘弾性改質剤等の添加剤が配合される。
【0009】
前記インク層は、紫外線反応性樹脂としてダイセル化学工業(株)社製の無黄変型ウレタンアクリレートに、光開始剤として日本チバガイギー(株)社製のアセトフェノン系化合物を0.5重量部と、着色剤として三菱化成(株)社製のカーボンブラックを20重量部とを添加して紫外線反応性インク材料塗液を製造した。
【0010】
また、前記ベースフィルムは、テイジン(株)社製の厚さが略3.5μmのPETフィルムからなり、前記ベースフィルムの背面側には、東亜合成化学(株)社製のシリコン樹脂(MEK溶媒希釈)が塗布され潤滑層が形成されている。そして、前記ベースフィルムの一方の面に、紫外線反応性インク材料塗液をグラビア塗工し、その後80℃で10分間乾燥して、膜厚が略2μmのインク層12bを形成し、インクリボンの母剤としてのシート材を製造する。このようなシート材を所定の幅に裁断することによりインクリボンが製造されている。
【0011】
このような構成からなるインクリボンを、まず、前記インクリボンの裏面側、即ち潤滑層側からサーマルヘッドを圧接して、例えば黒色で単色のインク層を記録媒体の記録面に密着させる。この状態で、サーマルヘッドの複数の発熱素子を記録情報に基づいて選択的に発熱させることにより、前記ベースフィルムを介して発熱素子と対向して接触する部分のインク層が選択的に熱軟化溶融する。この熱軟化溶融した部分のインク層が、記録媒体に熱転写されると共に、前記インクリボンが記録媒体に密着した状態で搬送方向に搬送される。
【0012】
そして、画像が転写された前記記録媒体に対して、紫外線照射手段により紫外線が照射することにより前記記録媒体に転写された画像が紫外線硬化して前記画像が定着された。
【0013】
こうして紫外線硬化した画像に、クロスカット粘着テープ剥離試験を行った結果、前記画像に剥離は見られず、記録媒体に対して十分な耐剥離性のあることが確認できた。また、紫外線硬化させた画像を記録した記録媒体を、40℃で48時間放置した後、前記画像の表面に荷重300gを加えた状態で10回往復のラビング試験を行った結果、前記画像の変型、あるいは消失は全く見られず、十分な耐熱性と耐摩耗性のあることが確認できた。さらに、紫外線硬化した画像に、99%エタノールで湿潤した木綿布を重ね、この上から荷重300gを加えた状態で、10回往復のラビング試験を行った結果、前記画像の変型や消失は全く見られず、十分な耐溶剤性のあることが確認できた(例えば、特許文献1参照)。
【0014】
【特許文献1】
特開2003−165237号公報 (第4−6頁)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したようなインク層が主に紫外線反応性樹脂からなるインクリボンは、紫外線照射により硬化膜が得られることを特徴としているが、このようなインクリボンにおいて、熱転写による記録媒体に対する密着性と、紫外線照射による硬化性は相反する特性であり、両方の特性を良好に保つことは困難であり、どちらか一方、あるいは両方の特性を抑えた状態で使用されていた。
【0016】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、インク層が主に紫外線反応性樹脂からなるインクリボンにおいて、熱転写による記録媒体に対する密着性と、紫外線照射による硬化性をともに備えたインクリボンを提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため本発明に係るインクリボンの特徴は、インク層を少なくとも2層形成するとともに、各インク層に、紫外線照射後の弾性率がことなる紫外線反応性樹脂を含有し、紫外線照射後の各インク層の弾性率を記録媒体に近いほど小さくした点にある。
【0018】
このような構成を採用したことにより、記録媒体に最も近いインク層の密着性が向上され、記録媒体から最も遠いインク層の硬化性が向上され、密着性、硬化性をともに得ることができる。
【0019】
また、本発明に係るインクリボンの他の特徴は、紫外線照射後の最も記録媒体に近いインク層の弾性率を、500Mpa未満とした点にある。
【0020】
このような構成を採用したことにより、インクリボンの記録媒体に対する熱転写の際の密着性を十分に確保することができる。
【0021】
また、本発明に係るインクリボンの他の特徴は、紫外線照射後の最も記録媒体から遠いインク層の弾性率を、500Mpa以上とした点にある。
【0022】
このような構成を採用したことにより、紫外線照射後の記録媒体から最も遠いインク層、即ち、表面となるインク層の硬化性を十分に確保することができ、高い耐熱性、耐摩耗性、耐溶剤性を得ることができる。
【0023】
また、本発明に係るインクリボンの他の特徴は、紫外線照射後の最も記録媒体に近いインク層の弾性率を500Mpa未満とし、最も記録媒体から遠いインク層の弾性率を500Mpa以上とし、かつ、最も記録媒体に近いインク層の弾性率を、最も記録媒体から遠いインク層の弾性率の半分よりも小さくした点にある。
【0024】
このような構成を採用したことにより、インクリボンの記録媒体に対する熱転写の際の密着性を十分に確保することができるとともに、紫外線照射後の記録媒体から最も遠いインク層、即ち、表面となるインク層の硬化性を十分に確保することができ、高い耐熱性、耐摩耗性、耐溶剤性を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明に係るインクリボンの実施形態について説明する。
【0026】
図1は本発明に係るインクリボンの実施形態を示す概略断面図、図2は図1のインクリボンを用いて形成されたモノクロ画像の概略断面図、図3は本発明のインクリボンを用いて形成されたカラー画像の概略断面図である。
【0027】
本実施形態のインクリボン1は、図1に示すように、ベースフィルム2の一方の面に離型層5を介して2層のインク層3,4が積層して形成され、前記ベースフィルム2の背面側となるもう一方の面には、潤滑層6が形成されている。
【0028】
前記ベースフィルム2は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アラミド等の樹脂材料からなり、膜厚を1〜12μmに形成されている。本実施形態において前記ベースフィルム2は、テイジン(株)社製の厚さ3.5μmのPETフィルムが使用する。
【0029】
前記インク層3,4は、紫外線反応性樹脂と光開始剤とを主成分とし、必要に応じて紫外線吸収剤や着色剤、さらには各種の可塑剤、分散剤、酸化防止剤等を微量添加することにより構成されている。
【0030】
前記紫外線反応性樹脂は、紫外線照射時に末端官能基の作用により、自らが重合反応に関与するものであり、官能基の数により単官能性モノマー、多官能性モノマーに分類できる。また、特に多官能性モノマーは高分子間の橋かけをなす架橋剤の役割を果すものである。また、光開始剤は光を吸収して紫外線反応性樹脂の光重合反応のトリガーになるものである。
【0031】
このような紫外線反応性樹脂としては、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、テトラヒドロフルフリールアクリレートの誘導体等の単官能型や、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、1,3−ブタンジオールアクリレート、1,4−ブタンジオールアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール400ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−ビス(3−アクリルオキシエトキシ−2−ヒドロキシプロピル)−5,5−ジメチルヒダントイン、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール誘導体のジアクリレート等の2官能型、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の3官能以上型のものが、好適なものとして挙げられる。
【0032】
また、本実施形態における紫外線反応性樹脂には、必要に応じて増感剤、充填剤、レベリング剤、粘弾性改質剤等の添加剤を配合してもよい。
【0033】
前記着色剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、オイルブラック等の黒色顔料ならびにチタニア、炭酸カルシウム等の白色顔料の他に、イエロー、マゼンタ、シアン等の公知の染料を挙げることができ、これらの顔料あるいは染料の添加量を適宜変化させることにより色調等が所望の状態に調整される。
【0034】
このような前記インク層3のインク塗液は、例えば、紫外線反応性樹脂として紫外線照射後の弾性率が700Mpaとなるダイセル化学工業社製のDW7770に、光開始剤として日本チバガイギー(株)社製のアセトフェノン系化合物を2.5重量部添加し、着色剤としてイエロー、マゼンタ、シアン等の染料をそれぞれ25重量部添加することにより、3色の紫外線反応性カラーインク塗液が製造される。
【0035】
また、前記インク層4のインク塗液は、例えば、紫外線反応性樹脂として紫外線照射後の弾性率が295Mpaとなるダイセル化学工業社製のDW7825に、光開始剤として日本チバガイギー(株)社製のアセトフェノン系化合物を2.5重量部添加し、着色剤としてイエロー、マゼンタ、シアン等の染料をそれぞれ25重量部添加することにより、3色の紫外線反応性カラーインク塗液が製造される。
【0036】
さらに、前記各インク層3,4の紫外線反応性樹脂に着色剤を添加しない場合には、無色透明の紫外線反応性インク塗液が製造され、紫外線反応性オーバーコート塗液として使用することができる。
【0037】
前記離型層5は、前記インク層3,4と同様に紫外線反応性樹脂と光開始剤とを主成分としている。そして、紫外線反応性樹脂としてダイセル化学工業(株)社製の無黄変形ウレタンアクリレートを水で希釈し、光開始剤として日本チバガイギー(株)社製のアセトフェノン系化合物を0.5重量部添加して離型層塗液が製造される。
【0038】
前記潤滑層6は、東亜合成化学(株)社製のシリコン樹脂(MEK溶媒希釈)が前記ベースフィルム2に塗布して形成される。
【0039】
そして、前記潤滑層6が形成された前記ベースフィルム2のもう一方の面に、前記離型層塗液を塗液パン(図示せず)に投入してグラビア塗工し、80℃で10分乾燥させて離型層5が形成される。
【0040】
その後、前記インク層3のインク塗液を塗液パン(図示せず)に投入し、前記離型層5上に前記インク塗液をグラビア塗工して、80℃で5分間乾燥させることにより膜厚が略1μmのインク層3が形成され、さらに、前記インク層4のインク塗液を塗液パンに投入し、前記インク層3上に前記インク塗液をグラビア塗工して、80℃で5分間乾燥させることにより膜厚が略1μmのインク層4が形成され、例えば、黒、イエロー、マゼンタ、シアン等の異なる色の複数のインクリボン1が形成される。
【0041】
つぎに、前述した構成からなるインクリボン1の作用について説明する。
【0042】
前述した構成からなるインクリボン1を熱転写記録装置(図示せず)にセットし、専用紙、あるいは普通紙、あるいはOHP用紙等の記録媒体7をセットする。
【0043】
そして、前記熱転写記録装置の熱転写記録工程で、前記インクリボン1の背面側からサーマルヘッド(図示せず)をヘッドダウンさせて圧接させることにより、例えば黒色で単色のインク層3を記録媒体7の記録面に密着させる。この状態で、前記サーマルヘッドの複数の発熱素子(図示せず)を記録情報に基づいて選択的に発熱させることにより、ベースフィルム2を介して発熱素子と対向して接触する部分のインク層3およびインク層4が選択的に熱軟化溶融する。この熱軟化溶融した部分のインク層3およびインク層4が、記録媒体7に熱転写されると共に、インクリボン1が記録媒体7に密着した状態で搬送方向に搬送される。
【0044】
その結果、前記インクリボン1は、剥離ローラ(図示せず)の位置を境界として記録媒体7から剥離して巻取り方向に巻取られる。また、搬送方向に搬送される記録媒体7の表面に、図2に示すように、部分的に溶融した単色のインク層3、インク層4および離型層5が転写されて、記録媒体7上に高濃度で鮮明なモノクロ画像が記録される。この時の画像は、紫外線照射手段(図示せず)による紫外線照射前の画像であり、この画像が記録された記録媒体7が紫外線照射手段まで搬送される。
【0045】
そして、紫外線照射工程において、低圧あるいは高圧水銀灯、水銀キセノン、メタルハライドランプ等の紫外線照射手段と対向する位置に紫外線照射前の前記記録媒体7が搬送されてくると、画像の上から、波長が200〜500nmで、照射強度が90mW/cm2 の紫外線が、照射距離5cm、コンベア速度5m/分で全面照射される。この紫外線照射時の中心波長は略365nmである。このような条件で紫外線を照射行なうことにより、画像のインク層3を構成する紫外線反応性インク材料が光重合して記録媒体7上に強固に密着し、画像のインク層4を構成する紫外線反応性インク塗液が光重合し、固く硬化して画像が定着して記録される。
【0046】
また、前記記録媒体7上において、インク層4の上面に熱転写された離型層5も紫外線硬化して、硬化膜が積層形成される。
【0047】
このような紫外線硬化した画像は、インク層3により記録媒体7に対する密着性が向上され、インク層4により耐磨耗性、耐熱性、耐溶剤性等に優れている。
【0048】
また、図3に示すように、インク層3,4の色が異なる複数種類のインクリボン1を用いて、上述した熱転写記録工程と紫外線照射工程とを複数回繰り返す、即ち、重ね印刷を行なうことにより、所望の色のカラー画像を得ることができる。
【0049】
このようなカラー画像を記録する方法としては、まず、シアンのインク層3C,4Cを有するインクリボン1を用い、熱転写記録工程で記録媒体7の表面に、シアンの色のインク層3C,4Cおよび離型層5を熱転写して、シアンの色の画像を熱転写記録する。
【0050】
その後、紫外線照射工程において、前記画像の上から中心波長255nm、照射強度90mW/cm2の紫外線を照射距離5cm、前記記録媒体7の搬送速度5m/分で全面照射する。すると、画像のインク層3C,4Cを構成する紫外線反応性インク材料が光重合し、さらに、前記離型層5も光重合して硬化膜(図示せず)を形成し、前記記録媒体7上に紫外線硬化したシアン色の画像が定着して記録される。
【0051】
つぎに、シアン色の画像の表面に形成された硬化膜上にマゼンタのインク層3M,4Mを有するインクリボン1を用い、上述した熱転写記録工程と紫外線照射工程により、硬化膜(図示せず)が積層されたマゼンタ色の画像が定着して記録される。
【0052】
さらに、マゼンタ色の画像の表面に形成された硬化膜上にイエローのインク層3Y,4Yを有するインクリボン1を用い、上述した熱転写記録工程と紫外線照射工程により、硬化膜(図示せず)が積層されたイエロー色の画像が定着して記録される。
【0053】
以上の工程により、シアン、マゼンタ、イエローの画像を重ねて印刷することにより、所望のカラー画像を得ることができる。
【0054】
前述したような紫外線硬化したモノクロ画像およびカラー画像に、クロスカット粘着テープ剥離試験を行った結果、モノクロ画像およびカラー画像に剥離は見られず、前記記録媒体7に対して十分な耐剥離性のあることが確認できた。
【0055】
また、紫外線硬化したモノクロ画像およびカラー画像を記録した記録媒体7を、40℃で48時間放置した後、モノクロ画像およびカラー画像の表面に木綿布を荷重300gで押圧した状態で10回往復のラビング試験を行った結果、モノクロ画像およびカラー画像の表面に変形や消失は全く見られず、十分な耐熱性と耐摩耗性のあることが確認できた。
【0056】
さらに、モノクロ画像およびカラー画像の表面に、99%エタノールで湿潤した木綿布を重ね、この上から荷重300gを加えた状態で、10回往復のラビング試験を行った結果、モノクロ画像およびカラー画像の表面に変型や消失は全く見られず、十分な耐溶剤性のあることが確認できた。
【0057】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、インク層が主に紫外線反応性樹脂からなるインクリボンにおいて、熱転写による記録媒体に対する密着性と、紫外線照射による硬化性をともに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクリボンの実施形態を示す概略断面図
【図2】図1のインクリボンを用いて形成されたモノクロ画像の概略断面図
【図3】本発明のインクリボンを用いて形成されたカラー画像の概略断面図
【符号の説明】
1 インクリボン
2 ベースフィルム
3 インク層
4 インク層
5 離型層
6 潤滑層
7 記録媒体
【発明の属する技術分野】
本発明はインク層に紫外線反応性樹脂を含むインクリボンに係り、特に、記録媒体に転写後、紫外線照射によりインク層の固さと密着性を向上させることのできるインクリボンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の溶融型熱転写方式のインクリボンは、インク層の材料に熱可塑性樹脂を利用しているため、得られた記録媒体上の画像は、冷却後に固体状態になったとしても、記録媒体あるいは画像が加熱されると再度軟化溶融する問題があった。即ち、従来のインクリボンは、熱転写記録した画像の耐熱特性が悪かった。
【0003】
さらに、インク層が溶剤可溶性であるため、得られた記録媒体上の画像は、溶剤に触れると再度溶解する問題があった。
【0004】
また、熱可塑性樹脂は、加熱することにより硬化する熱硬化性樹脂と比較して一般的に機械的強度が低く、記録媒体に熱転写記録した画像に、高い耐摩耗特性を得ることは困難であった。そのために、従来から、記録媒体に記録した画像の耐熱性、耐摩耗性、耐溶剤性等を向上することができるインクリボンとして、インク層に熱可塑性を示さない紫外線反応性樹脂を添加したインクリボンが採用されてきた。
【0005】
このような従来のインクリボンの一例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂からなるベースフィルム上に、離型層を介してインク層が形成されている。
【0006】
また、前記ベースフィルムの背面側には摺接するサーマルヘッドの磨耗の防止、インクリボンの走行の安定化、さらに、巻取り時のインク層との融着の防止等のための潤滑層が形成される。
【0007】
前記インク層は、少なくとも紫外線反応性樹脂と光開始剤とを主成分とし、必要に応じて紫外線吸収剤や着色剤、さらには各種の可塑剤、分散剤、酸化防止剤等を微量添加することにより構成されている。
【0008】
また、前記インク層には、必要に応じて増感剤、充填剤、レベリング剤、粘弾性改質剤等の添加剤が配合される。
【0009】
前記インク層は、紫外線反応性樹脂としてダイセル化学工業(株)社製の無黄変型ウレタンアクリレートに、光開始剤として日本チバガイギー(株)社製のアセトフェノン系化合物を0.5重量部と、着色剤として三菱化成(株)社製のカーボンブラックを20重量部とを添加して紫外線反応性インク材料塗液を製造した。
【0010】
また、前記ベースフィルムは、テイジン(株)社製の厚さが略3.5μmのPETフィルムからなり、前記ベースフィルムの背面側には、東亜合成化学(株)社製のシリコン樹脂(MEK溶媒希釈)が塗布され潤滑層が形成されている。そして、前記ベースフィルムの一方の面に、紫外線反応性インク材料塗液をグラビア塗工し、その後80℃で10分間乾燥して、膜厚が略2μmのインク層12bを形成し、インクリボンの母剤としてのシート材を製造する。このようなシート材を所定の幅に裁断することによりインクリボンが製造されている。
【0011】
このような構成からなるインクリボンを、まず、前記インクリボンの裏面側、即ち潤滑層側からサーマルヘッドを圧接して、例えば黒色で単色のインク層を記録媒体の記録面に密着させる。この状態で、サーマルヘッドの複数の発熱素子を記録情報に基づいて選択的に発熱させることにより、前記ベースフィルムを介して発熱素子と対向して接触する部分のインク層が選択的に熱軟化溶融する。この熱軟化溶融した部分のインク層が、記録媒体に熱転写されると共に、前記インクリボンが記録媒体に密着した状態で搬送方向に搬送される。
【0012】
そして、画像が転写された前記記録媒体に対して、紫外線照射手段により紫外線が照射することにより前記記録媒体に転写された画像が紫外線硬化して前記画像が定着された。
【0013】
こうして紫外線硬化した画像に、クロスカット粘着テープ剥離試験を行った結果、前記画像に剥離は見られず、記録媒体に対して十分な耐剥離性のあることが確認できた。また、紫外線硬化させた画像を記録した記録媒体を、40℃で48時間放置した後、前記画像の表面に荷重300gを加えた状態で10回往復のラビング試験を行った結果、前記画像の変型、あるいは消失は全く見られず、十分な耐熱性と耐摩耗性のあることが確認できた。さらに、紫外線硬化した画像に、99%エタノールで湿潤した木綿布を重ね、この上から荷重300gを加えた状態で、10回往復のラビング試験を行った結果、前記画像の変型や消失は全く見られず、十分な耐溶剤性のあることが確認できた(例えば、特許文献1参照)。
【0014】
【特許文献1】
特開2003−165237号公報 (第4−6頁)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したようなインク層が主に紫外線反応性樹脂からなるインクリボンは、紫外線照射により硬化膜が得られることを特徴としているが、このようなインクリボンにおいて、熱転写による記録媒体に対する密着性と、紫外線照射による硬化性は相反する特性であり、両方の特性を良好に保つことは困難であり、どちらか一方、あるいは両方の特性を抑えた状態で使用されていた。
【0016】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、インク層が主に紫外線反応性樹脂からなるインクリボンにおいて、熱転写による記録媒体に対する密着性と、紫外線照射による硬化性をともに備えたインクリボンを提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため本発明に係るインクリボンの特徴は、インク層を少なくとも2層形成するとともに、各インク層に、紫外線照射後の弾性率がことなる紫外線反応性樹脂を含有し、紫外線照射後の各インク層の弾性率を記録媒体に近いほど小さくした点にある。
【0018】
このような構成を採用したことにより、記録媒体に最も近いインク層の密着性が向上され、記録媒体から最も遠いインク層の硬化性が向上され、密着性、硬化性をともに得ることができる。
【0019】
また、本発明に係るインクリボンの他の特徴は、紫外線照射後の最も記録媒体に近いインク層の弾性率を、500Mpa未満とした点にある。
【0020】
このような構成を採用したことにより、インクリボンの記録媒体に対する熱転写の際の密着性を十分に確保することができる。
【0021】
また、本発明に係るインクリボンの他の特徴は、紫外線照射後の最も記録媒体から遠いインク層の弾性率を、500Mpa以上とした点にある。
【0022】
このような構成を採用したことにより、紫外線照射後の記録媒体から最も遠いインク層、即ち、表面となるインク層の硬化性を十分に確保することができ、高い耐熱性、耐摩耗性、耐溶剤性を得ることができる。
【0023】
また、本発明に係るインクリボンの他の特徴は、紫外線照射後の最も記録媒体に近いインク層の弾性率を500Mpa未満とし、最も記録媒体から遠いインク層の弾性率を500Mpa以上とし、かつ、最も記録媒体に近いインク層の弾性率を、最も記録媒体から遠いインク層の弾性率の半分よりも小さくした点にある。
【0024】
このような構成を採用したことにより、インクリボンの記録媒体に対する熱転写の際の密着性を十分に確保することができるとともに、紫外線照射後の記録媒体から最も遠いインク層、即ち、表面となるインク層の硬化性を十分に確保することができ、高い耐熱性、耐摩耗性、耐溶剤性を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明に係るインクリボンの実施形態について説明する。
【0026】
図1は本発明に係るインクリボンの実施形態を示す概略断面図、図2は図1のインクリボンを用いて形成されたモノクロ画像の概略断面図、図3は本発明のインクリボンを用いて形成されたカラー画像の概略断面図である。
【0027】
本実施形態のインクリボン1は、図1に示すように、ベースフィルム2の一方の面に離型層5を介して2層のインク層3,4が積層して形成され、前記ベースフィルム2の背面側となるもう一方の面には、潤滑層6が形成されている。
【0028】
前記ベースフィルム2は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アラミド等の樹脂材料からなり、膜厚を1〜12μmに形成されている。本実施形態において前記ベースフィルム2は、テイジン(株)社製の厚さ3.5μmのPETフィルムが使用する。
【0029】
前記インク層3,4は、紫外線反応性樹脂と光開始剤とを主成分とし、必要に応じて紫外線吸収剤や着色剤、さらには各種の可塑剤、分散剤、酸化防止剤等を微量添加することにより構成されている。
【0030】
前記紫外線反応性樹脂は、紫外線照射時に末端官能基の作用により、自らが重合反応に関与するものであり、官能基の数により単官能性モノマー、多官能性モノマーに分類できる。また、特に多官能性モノマーは高分子間の橋かけをなす架橋剤の役割を果すものである。また、光開始剤は光を吸収して紫外線反応性樹脂の光重合反応のトリガーになるものである。
【0031】
このような紫外線反応性樹脂としては、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、テトラヒドロフルフリールアクリレートの誘導体等の単官能型や、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、1,3−ブタンジオールアクリレート、1,4−ブタンジオールアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール400ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−ビス(3−アクリルオキシエトキシ−2−ヒドロキシプロピル)−5,5−ジメチルヒダントイン、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール誘導体のジアクリレート等の2官能型、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の3官能以上型のものが、好適なものとして挙げられる。
【0032】
また、本実施形態における紫外線反応性樹脂には、必要に応じて増感剤、充填剤、レベリング剤、粘弾性改質剤等の添加剤を配合してもよい。
【0033】
前記着色剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、オイルブラック等の黒色顔料ならびにチタニア、炭酸カルシウム等の白色顔料の他に、イエロー、マゼンタ、シアン等の公知の染料を挙げることができ、これらの顔料あるいは染料の添加量を適宜変化させることにより色調等が所望の状態に調整される。
【0034】
このような前記インク層3のインク塗液は、例えば、紫外線反応性樹脂として紫外線照射後の弾性率が700Mpaとなるダイセル化学工業社製のDW7770に、光開始剤として日本チバガイギー(株)社製のアセトフェノン系化合物を2.5重量部添加し、着色剤としてイエロー、マゼンタ、シアン等の染料をそれぞれ25重量部添加することにより、3色の紫外線反応性カラーインク塗液が製造される。
【0035】
また、前記インク層4のインク塗液は、例えば、紫外線反応性樹脂として紫外線照射後の弾性率が295Mpaとなるダイセル化学工業社製のDW7825に、光開始剤として日本チバガイギー(株)社製のアセトフェノン系化合物を2.5重量部添加し、着色剤としてイエロー、マゼンタ、シアン等の染料をそれぞれ25重量部添加することにより、3色の紫外線反応性カラーインク塗液が製造される。
【0036】
さらに、前記各インク層3,4の紫外線反応性樹脂に着色剤を添加しない場合には、無色透明の紫外線反応性インク塗液が製造され、紫外線反応性オーバーコート塗液として使用することができる。
【0037】
前記離型層5は、前記インク層3,4と同様に紫外線反応性樹脂と光開始剤とを主成分としている。そして、紫外線反応性樹脂としてダイセル化学工業(株)社製の無黄変形ウレタンアクリレートを水で希釈し、光開始剤として日本チバガイギー(株)社製のアセトフェノン系化合物を0.5重量部添加して離型層塗液が製造される。
【0038】
前記潤滑層6は、東亜合成化学(株)社製のシリコン樹脂(MEK溶媒希釈)が前記ベースフィルム2に塗布して形成される。
【0039】
そして、前記潤滑層6が形成された前記ベースフィルム2のもう一方の面に、前記離型層塗液を塗液パン(図示せず)に投入してグラビア塗工し、80℃で10分乾燥させて離型層5が形成される。
【0040】
その後、前記インク層3のインク塗液を塗液パン(図示せず)に投入し、前記離型層5上に前記インク塗液をグラビア塗工して、80℃で5分間乾燥させることにより膜厚が略1μmのインク層3が形成され、さらに、前記インク層4のインク塗液を塗液パンに投入し、前記インク層3上に前記インク塗液をグラビア塗工して、80℃で5分間乾燥させることにより膜厚が略1μmのインク層4が形成され、例えば、黒、イエロー、マゼンタ、シアン等の異なる色の複数のインクリボン1が形成される。
【0041】
つぎに、前述した構成からなるインクリボン1の作用について説明する。
【0042】
前述した構成からなるインクリボン1を熱転写記録装置(図示せず)にセットし、専用紙、あるいは普通紙、あるいはOHP用紙等の記録媒体7をセットする。
【0043】
そして、前記熱転写記録装置の熱転写記録工程で、前記インクリボン1の背面側からサーマルヘッド(図示せず)をヘッドダウンさせて圧接させることにより、例えば黒色で単色のインク層3を記録媒体7の記録面に密着させる。この状態で、前記サーマルヘッドの複数の発熱素子(図示せず)を記録情報に基づいて選択的に発熱させることにより、ベースフィルム2を介して発熱素子と対向して接触する部分のインク層3およびインク層4が選択的に熱軟化溶融する。この熱軟化溶融した部分のインク層3およびインク層4が、記録媒体7に熱転写されると共に、インクリボン1が記録媒体7に密着した状態で搬送方向に搬送される。
【0044】
その結果、前記インクリボン1は、剥離ローラ(図示せず)の位置を境界として記録媒体7から剥離して巻取り方向に巻取られる。また、搬送方向に搬送される記録媒体7の表面に、図2に示すように、部分的に溶融した単色のインク層3、インク層4および離型層5が転写されて、記録媒体7上に高濃度で鮮明なモノクロ画像が記録される。この時の画像は、紫外線照射手段(図示せず)による紫外線照射前の画像であり、この画像が記録された記録媒体7が紫外線照射手段まで搬送される。
【0045】
そして、紫外線照射工程において、低圧あるいは高圧水銀灯、水銀キセノン、メタルハライドランプ等の紫外線照射手段と対向する位置に紫外線照射前の前記記録媒体7が搬送されてくると、画像の上から、波長が200〜500nmで、照射強度が90mW/cm2 の紫外線が、照射距離5cm、コンベア速度5m/分で全面照射される。この紫外線照射時の中心波長は略365nmである。このような条件で紫外線を照射行なうことにより、画像のインク層3を構成する紫外線反応性インク材料が光重合して記録媒体7上に強固に密着し、画像のインク層4を構成する紫外線反応性インク塗液が光重合し、固く硬化して画像が定着して記録される。
【0046】
また、前記記録媒体7上において、インク層4の上面に熱転写された離型層5も紫外線硬化して、硬化膜が積層形成される。
【0047】
このような紫外線硬化した画像は、インク層3により記録媒体7に対する密着性が向上され、インク層4により耐磨耗性、耐熱性、耐溶剤性等に優れている。
【0048】
また、図3に示すように、インク層3,4の色が異なる複数種類のインクリボン1を用いて、上述した熱転写記録工程と紫外線照射工程とを複数回繰り返す、即ち、重ね印刷を行なうことにより、所望の色のカラー画像を得ることができる。
【0049】
このようなカラー画像を記録する方法としては、まず、シアンのインク層3C,4Cを有するインクリボン1を用い、熱転写記録工程で記録媒体7の表面に、シアンの色のインク層3C,4Cおよび離型層5を熱転写して、シアンの色の画像を熱転写記録する。
【0050】
その後、紫外線照射工程において、前記画像の上から中心波長255nm、照射強度90mW/cm2の紫外線を照射距離5cm、前記記録媒体7の搬送速度5m/分で全面照射する。すると、画像のインク層3C,4Cを構成する紫外線反応性インク材料が光重合し、さらに、前記離型層5も光重合して硬化膜(図示せず)を形成し、前記記録媒体7上に紫外線硬化したシアン色の画像が定着して記録される。
【0051】
つぎに、シアン色の画像の表面に形成された硬化膜上にマゼンタのインク層3M,4Mを有するインクリボン1を用い、上述した熱転写記録工程と紫外線照射工程により、硬化膜(図示せず)が積層されたマゼンタ色の画像が定着して記録される。
【0052】
さらに、マゼンタ色の画像の表面に形成された硬化膜上にイエローのインク層3Y,4Yを有するインクリボン1を用い、上述した熱転写記録工程と紫外線照射工程により、硬化膜(図示せず)が積層されたイエロー色の画像が定着して記録される。
【0053】
以上の工程により、シアン、マゼンタ、イエローの画像を重ねて印刷することにより、所望のカラー画像を得ることができる。
【0054】
前述したような紫外線硬化したモノクロ画像およびカラー画像に、クロスカット粘着テープ剥離試験を行った結果、モノクロ画像およびカラー画像に剥離は見られず、前記記録媒体7に対して十分な耐剥離性のあることが確認できた。
【0055】
また、紫外線硬化したモノクロ画像およびカラー画像を記録した記録媒体7を、40℃で48時間放置した後、モノクロ画像およびカラー画像の表面に木綿布を荷重300gで押圧した状態で10回往復のラビング試験を行った結果、モノクロ画像およびカラー画像の表面に変形や消失は全く見られず、十分な耐熱性と耐摩耗性のあることが確認できた。
【0056】
さらに、モノクロ画像およびカラー画像の表面に、99%エタノールで湿潤した木綿布を重ね、この上から荷重300gを加えた状態で、10回往復のラビング試験を行った結果、モノクロ画像およびカラー画像の表面に変型や消失は全く見られず、十分な耐溶剤性のあることが確認できた。
【0057】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、インク層が主に紫外線反応性樹脂からなるインクリボンにおいて、熱転写による記録媒体に対する密着性と、紫外線照射による硬化性をともに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクリボンの実施形態を示す概略断面図
【図2】図1のインクリボンを用いて形成されたモノクロ画像の概略断面図
【図3】本発明のインクリボンを用いて形成されたカラー画像の概略断面図
【符号の説明】
1 インクリボン
2 ベースフィルム
3 インク層
4 インク層
5 離型層
6 潤滑層
7 記録媒体
Claims (4)
- インク層に紫外線反応性樹脂を含み、記録媒体に対してインク層が熱転写された後、紫外線を照射することによりインク層を硬化させるインクリボンであって、
前記インク層を少なくとも2層形成するとともに、各インク層に、紫外線照射後の弾性率がことなる紫外線反応性樹脂を含有し、紫外線照射後の各インク層の弾性率を記録媒体に近いほど小さくしたことを特徴とするインクリボン。 - 紫外線照射後の最も記録媒体に近いインク層の弾性率を、500Mpa未満としたことを特徴とする請求項1に記載のインクリボン。
- 紫外線照射後の最も記録媒体から遠いインク層の弾性率を、500Mpa以上としたことを特徴とする請求項1に記載のインクリボン。
- 紫外線照射後の最も記録媒体に近いインク層の弾性率を500Mpa未満とし、最も記録媒体から遠いインク層の弾性率を500Mpa以上とし、かつ、最も記録媒体に近いインク層の弾性率を、最も記録媒体から遠いインク層の弾性率の半分よりも小さくしたことを特徴とする請求項1に記載のインクリボン。
Priority Applications (1)
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JP2003201063A JP2005041024A (ja) | 2003-07-24 | 2003-07-24 | インクリボン |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10328651B2 (en) | 2012-10-03 | 2019-06-25 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Rigid core mold and method for manufacturing pneumatic tire using the same |
-
2003
- 2003-07-24 JP JP2003201063A patent/JP2005041024A/ja not_active Withdrawn
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