JP2005039975A - 電流共振型コンバータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軽負荷時に十分なゲインを確保し、かつ重負荷時には異常発振を起こすことのない電流共振型コンバータ装置を提供する。
【解決手段】電流共振型の電流コンバータ装置において、コンバータトランスの2次側負荷に供給される負荷電圧を検出して1次側のコンバータ制御回路にフィードバックする際に、負荷に流れる負荷電流を検出する負荷電流検出回路の検出出力に基づいて、演算増幅器のゲインを調整する。これにより、軽負荷時から重負荷時までゲイン特性が安定化し、重負荷時のゲイン上昇による異常発振を防止することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】電流共振型の電流コンバータ装置において、コンバータトランスの2次側負荷に供給される負荷電圧を検出して1次側のコンバータ制御回路にフィードバックする際に、負荷に流れる負荷電流を検出する負荷電流検出回路の検出出力に基づいて、演算増幅器のゲインを調整する。これにより、軽負荷時から重負荷時までゲイン特性が安定化し、重負荷時のゲイン上昇による異常発振を防止することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電流共振型コンバータ装置に関し、特に、演算増幅器により定電圧制御を行っている装置において軽負荷時のステップレスポンスを改善した電流共振型コンバータ装置に関する。
従来の電流共振型コンバータ装置としては、図3に示すようなものがある。この電流共振型コンバータ装置では、直流電源1のプラス端子とマイナス端子間にスイッチング素子(NPNトランジスタ)2と3の直列回路が接続され、スイッチング素子3と並列にコンバータトランス4の1次巻線4aと共振用コンデンサ5の直列回路が接続されている。
そして、コンバータトランス4の2次巻線4bには整流用ダイオード6が接続され、半波整流された電圧が、平滑用コンデンサ7、9及びリップル成分カット用のチョークコイル8からなる平滑回路により平滑されて、負荷回路10に供給される。
そして、コンバータトランス4の2次巻線4bには整流用ダイオード6が接続され、半波整流された電圧が、平滑用コンデンサ7、9及びリップル成分カット用のチョークコイル8からなる平滑回路により平滑されて、負荷回路10に供給される。
負荷回路10に供給される直流電圧は、分割抵抗器11及び12からなる電圧検出器によって検出され、検出電圧が演算増幅器13の反転端子に供給される。そして、演算増幅器13において、基準電源15の基準電圧と比較され、この比較結果の誤差電圧がフォトカプラ16の発光ダイオード16aのカソードに供給される。発光ダイオード16aは、流れた電流量に応じた光を発し、この光がフォトカプラ16のフォトトランジスタ16bに伝わってフォトトランジスタ16bを導通させ、コンバータ制御回路17に制御信号が送られる。
コンバータ制御回路17の2つの出力端子には、位相が180度異なる2種類のパルスが出力され、この2種類のパルスによって、スイッチング素子2と3が交互にオンオフ制御される。そして、コンバータ制御回路17は、演算増幅器13の出力に応じて変化するフォトトランジスタ16bを流れる電流量に基づいて、スイッチング素子2とスイッチング素子3をオンオフする周波数を制御する。これにより、コンバータトランス4の1次巻線4aを流れる電流が変化し、この変化に連動して2次巻線4bを流れる電流も変化するので、負荷に加えられる出力電圧が定電圧制御される。
また、従来、直流出力電圧の変化に応じて検出電流に対するゲイン調整回路のゲインを自動的に調整する場合に、動作範囲全体にわたって直流出力電圧を安定化するスイッチング電源回路(例えば、特許文献1参照。)や、過渡的に負荷電流が変動して、電源電圧が変動する場合に、配線の線路抵抗による過渡的な電圧効果による影響を効果的に排除し、負荷装置に対して安定した電源電圧を供給できるようにした電源装置(例えば、特許文献2参照)が知られている。
すなわち、特許文献1に記載のものは、商用交流電源を入力源とする機器の入力回路に設けられるスイッチング電源回路に関するものであり、直流出力電圧の変化に応じて検出電流に対するゲイン調整回路のゲインを自動的に調整しようとする場合、ゲインの変化が不連続となり、動作が不安定となるか負荷電圧に微小変動が生じるという問題点に鑑み、動作範囲全体に亘って適確かつ安定に入力電流の高調波成分を低減し、入力力率の改善を行うようにしたものである。
また、特許文献2に記載のものは、レーダ装置のように、消費電力が過渡的に変動するシステムに使用される電源装置に関し、負荷装置から発生する負荷電流による駆動電圧の変動を検出し、この検出結果に基づいて制御電圧を算出して駆動電圧の変動を抑制するものである。これにより、安定した電圧を負荷に供給できるとともに、軽負荷時においても、駆動電圧の変動分を検出して、その検出結果に応じて駆動電圧を制御するので、不要な電力を削減できるとしている。
特開2000−139073号公報
特開2000−278935号公報
しかしながら、一般に、共振型コンバータ装置においては、図4に示すように、負荷回路10が重い負荷の場合と、軽い負荷の場合とで、演算増幅器13のゲイン(利得)が変化するという問題が生じる。そして、このようなゲイン特性の下で、負荷回路10に急激な負荷変動(例えば、最大負荷の30%)が発生したような場合、重負荷時と軽負荷時とでコンバータ制御回路17の応答に変化が生じてしまうという問題がある。
すなわち、図5Aに示すように、重負荷時には負荷変動に対するステップレスポンスがよく、つまりコンバータ制御回路17への応答が速く、出力電圧のオーバーシュート、アンダーシュートが少ないのであるが、軽負荷時に負荷変動が起こると、軽負荷時はゲインが下がっているため、図5Bに示すように、負荷変動に対してステップレスポンスが悪く、つまりコンバータ制御回路17への応答が遅く、出力電圧にオーバーシュート、アンダーシュートが発生してしまう。このため、負荷システムに障害が発生する恐れがあるという問題があった。
すなわち、図5Aに示すように、重負荷時には負荷変動に対するステップレスポンスがよく、つまりコンバータ制御回路17への応答が速く、出力電圧のオーバーシュート、アンダーシュートが少ないのであるが、軽負荷時に負荷変動が起こると、軽負荷時はゲインが下がっているため、図5Bに示すように、負荷変動に対してステップレスポンスが悪く、つまりコンバータ制御回路17への応答が遅く、出力電圧にオーバーシュート、アンダーシュートが発生してしまう。このため、負荷システムに障害が発生する恐れがあるという問題があった。
この負荷システムへの障害を防ぐための対策として、軽負荷時にも十分なゲインを確保するために、演算増幅器13のゲインを上げる方法が考えられるが、この場合には、図6に示すように、軽負荷時から重負荷時まで全体的に一律にゲインが上昇するため、重負荷時のゲイン上昇により異常発振が発生して、不安定な出力電圧状態となるという弊害があった。
本発明は、軽負荷時に十分なゲインを確保し、かつ重負荷時には異常発振を起こすことのない電流共振型コンバータ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の電流共振型コンバータ装置は、直流電源と、1次巻線と2次巻線を有するコンバータトランスと、該直流電源に直列に接続され、かつ交互にオンオフ制御される第1及び第2のスイッチング素子の直列回路と、該第2のスイッチング素子と並列に接続される前記コンバータトランスの前記1次巻線と共振用コンデンサの直列回路と、コンバータトランスの2次巻線と接続され、該2次巻線に得られる電力を整流平滑して負荷に供給する整流平滑回路と、第1及び第2のスイッチング素子に接続され、これらのスイッチング素子のオンオフの周波数を制御するコンバータ制御回路と、負荷に供給される負荷電圧を検出して増幅する演算増幅器と、該演算増幅器の出力電圧変化を検出してコンバータ制御回路にフィードバックする光結合手段を備えた電流共振型コンバータ装置において、負荷に流れる負荷電流を検出する負荷電流検出回路と、該負荷電流検出回路の検出出力に基づいて、上記演算増幅器のゲインを調整するゲイン調整回路を備えたことを特徴とする。
そして、本発明に用いられるゲイン調整回路は、負荷が軽いときは演算増幅器のゲインを上げる方向に演算増幅器の帰還インピーダンスを調整し、負荷が重いときは演算増幅器のゲインを下げる方向に演算増幅器の帰還インピーダンスを調整することを特徴とする。
本発明の電流共振型コンバータ装置によれば、軽負荷時に急激な負荷変動があっても、負荷電圧検出増幅器のゲインをあげて誤差電圧をフィードバックするので、出力電圧の変化(オーバーシュート、アンダーシュート)が抑制される。これにより、出力電圧精度を要求されるシステムにおいて、急激な負荷変動があっても出力電圧精度を保証できる。また、重負荷時には、軽負荷時と比べて負荷電圧検出増幅器の利得を下げるので、重負荷時の急激な電圧変動によって負荷システムに障害が発生することを防ぐことができる。
また、負荷電圧の急激な変動により、出力保護回路(過電圧保護、過電流保護)が誤動作することを防止し、電源の信頼性を上げることができる。
また、負荷電圧の急激な変動により、出力保護回路(過電圧保護、過電流保護)が誤動作することを防止し、電源の信頼性を上げることができる。
図1は本発明の電流共振型コンバータ装置の全体構成を示す回路図である。
図3に示す従来の電流共振型コンバータ回路と同じ構成部分は同一符号を付して示している。
図3に示す従来の電流共振型コンバータ回路と同じ構成部分は同一符号を付して示している。
図1に示す本発明の電流共振型コンバータ装置において、直流電源1は通常商用電源を整流平滑したものであり、そのプラス端子はスイッチング素子として動作するNPNトランジスタ2のコレクタに接続され、直流電源1のマイナス端子は同じくスイッチング素子として動作するNPNトランジスタ3に接続される。NPNトランジスタ2と3は直列に接続され、それぞれのベース電極がコンバータ制御回路17に接続されている。NPNトランジスタ3のコレクタ−エミッタ間には、コンバータトランス4の1次巻線4aと共振用コンデンサ5の直列回路が接続され、この1次巻線4aのインダクタンスLと共振用コンデンサ5のキャパシタンスCとで直列共振回路が形成される。
コンバータトランス4の2次巻線4bの一端は整流用ダイオード6のアノードに接続され、整流用ダイオード6のカソードはリップル成分除去用のチョークコイル8を介して負荷10に接続されている。そして、チョークコイル8の両端には平滑用のコンデンサ7と9の一端が接続され、平滑用コンデンサ7と9の他端は、コンバータトランス4の2次巻線4bの他端に接続されている。
また、負過電圧(+Vcc)を検出するために抵抗器11と12の直列回路が負荷10の一方の端子とアース間に接続され、抵抗器11と12の接続点が演算増幅器13の反転端子(−端子)に接続される。演算増幅器13の非反転端子(+端子)には、基準電圧源を構成する電池15が接続されている。そして、演算増幅器13の反転端子(−端子)と演算増幅器13の出力端子は帰還用インピーダンス14を介して接続されている。
演算増幅器13の出力端子は、フォトカプラ16を構成する発光ダイオード16aのカソードに接続される。フォトカプラ16は発光ダイオード16aとフォトトランジスタ16bとから構成され、発光ダイオード16aのアノードとフォトトランジスタ16bのコレクタはそれぞれ異なる電源端子に接続されている。フォトトランジスタ16bのエミッタ端子はコンバータ制御回路17に接続される。
また、負荷10の他端には負荷電流検出用の抵抗器18が設けられ、この抵抗器18の両端は負荷電流検出回路19に接続されている。負荷電流検出回路19はゲイン調整回路20に接続され、このゲイン調整回路20の出力が帰還用インピーダンス14に供給されている。以上が本発明の電流共振型コンバータ装置の実施の形態の構成である。
次に、本発明の電流共振型コンバータ装置の実施の形態の動作を説明する。
NPNトランジスタ2と3は交互にオンオフ制御されるので、NPNトランジスタ2がオンのときは、直流電源1のプラス端子、NPNトランジスタ2、コンバータトランス4の1次巻線4a、共振用コンデンサ5及び直流電源1のマイナス端子の閉回路が形成されて共振用コンデンサ7が充電される。
NPNトランジスタ2と3は交互にオンオフ制御されるので、NPNトランジスタ2がオンのときは、直流電源1のプラス端子、NPNトランジスタ2、コンバータトランス4の1次巻線4a、共振用コンデンサ5及び直流電源1のマイナス端子の閉回路が形成されて共振用コンデンサ7が充電される。
NPNトランジスタ2のベース電圧が下がり、NPNトランジスタ2がオフになると、今度はオフ状態にあったNPNトランジスタ3がオンになるので、共振用コンデンサ5に充電された電荷がトランスの1次巻線4aとNPNトランジスタ3を通して放電し、この充放電を繰り返すことにより、共振用コンデンサ5とコンバータトランス4の1次巻線4aとで共振回路が形成され、この共振周波数の交流電圧がコンバータトランス4の1次巻線4aの両端に発生する。
このように発生した交流電圧はコンバータトランス4の1次巻線4aと2次巻線4bの巻線比に応じた電圧に変換されて、2次巻線4bの両端に2次側電圧として出力され、ダイオード6、平滑コンデンサ7、チョークコイル8、平滑コンデンサ9を経て負荷回路10に供給される。
負荷回路10に供給される電圧は、抵抗器11及び12からなる負荷電圧検出回路により検出され、演算増幅器13の反転入力端子(−)に供給される。そして、演算増幅器13において非反転端子(+)に供給される基準電圧源15の基準電圧と比較され、誤差電圧が演算増幅器13の出力端子に取り出される。
この演算増幅器13の出力により、フォトカプラ16の発光ダイオード16aを流れる電流量が制御され、これによって光結合しているフォトトランジスタ16bを流れる電流も変化する。
そして、このフォトトランジスタ16bを流れる電流変化がコンバータ制御回路17に伝達され、コンバータ制御回路17はこの検出電流変化に基づいて、NPNトランジスタ2とNPNトランジスタ3をオンオフする周波数を変化させ、これによって、2次側の出力電圧を安定化させるようにしている。
そして、このフォトトランジスタ16bを流れる電流変化がコンバータ制御回路17に伝達され、コンバータ制御回路17はこの検出電流変化に基づいて、NPNトランジスタ2とNPNトランジスタ3をオンオフする周波数を変化させ、これによって、2次側の出力電圧を安定化させるようにしている。
また、コンバータトランス4の2次巻線4bの他端と負荷回路10との間には、負荷電流を検出するための抵抗器18が設けられ、この抵抗器18を流れる電流が負荷電流検出回路19によって検出される。すなわち、軽負荷時は小さい電流が検出され、重負荷時は大きい電流が検出される。
そして、負荷電流検出回路19で検出された電流が、ゲイン調整回路20に供給され、ゲイン調整回路20は、軽負荷時には、演算増幅器13のゲインを増大するように帰還インピーダンス14を制御し、重負荷時には演算増幅器13のゲインを増大することがないように、すなわち通常状態とするように制御する。図2は、このゲインの制御状態を示した図であり、この図の斜線部に示すように、軽負荷時はゲインを上昇させるように補正するが、重負荷時は補正前の状態を保つようにしている。
本例によれば、軽負荷時には十分なゲインを確保し、かつ重負荷時には異常発振を起こすことのない電流共振型コンバータ装置が提供される。したがって、軽負荷時から重負荷時にいたるまでゲイン特性が安定化し、重負荷時のゲイン上昇による異常発振を防止することができる。
なお、本例ではスイッチング素子としてNPNトランジスタ2、3を用いているが、NPNトランジスタの代わりに、電界効果トランジスタ(FET)を用いて同じ回路が構成できることは言うまでもない。
1・・・直流電源、2、3・・・スイッチング素子(NPNトランジスタ)、4・・・コンバータトランス、5・・・共振用コンデンサ、6・・・ダイオード、7、9・・・平滑コンデンサ、8・・・チョークコイル、10・・・負荷回路、11、12・・・電圧検出用抵抗器、13・・・演算増幅器、14・・・帰還用インピーダンス、15・・・基準電源、16・・・フォトカプラ、17・・・コンバータ制御回路、18・・・電流検出用抵抗器、19・・・負荷電流検出回路、20・・・ゲイン調整回路
Claims (2)
- 直流電源と、
1次巻線と2次巻線を有するコンバータトランスと、
該直流電源に直列に接続され、かつ交互にオンオフ制御される第1及び第2のスイッチング素子の直列回路と、
該第2のスイッチング素子と並列に接続される前記コンバータトランスの前記1次巻線と共振用コンデンサの直列回路と、
前記コンバータトランスの前記2次巻線と接続され、該2次巻線に得られる電力を整流平滑して負荷に供給する整流平滑回路と、
前記第1及び第2のスイッチング素子に接続され前記スイッチング素子のオンオフの周波数を制御するコンバータ制御回路と、
前記負荷に供給される負荷電圧を検出して増幅する演算増幅器と、
該演算増幅器の出力電圧変化を検出して前記コンバータ制御回路にフィードバックする光結合手段を備えた電流共振型コンバータ装置において、
前記負荷に流れる負荷電流を検出する負荷電流検出回路と、
該負荷電流検出回路の検出出力に基づいて、前記演算増幅器のゲインを調整するゲイン調整回路を備えたことを特徴とする電流共振型コンバータ装置。 - 前記ゲイン調整回路は、負荷が軽いときは前記演算増幅器のゲインを上げる方向に前記演算増幅器の帰還インピーダンスを調整し、前記負荷が重いときは前記演算増幅器のゲインを下げる方向に前記演算増幅器の帰還インピーダンスを調整することを特徴とする請求項1に記載の電流共振型コンバータ装置。
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- 2003-07-18 JP JP2003277135A patent/JP2005039975A/ja active Pending
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