JP2005039581A - 3次元画像表示装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】回転する2次元表示ディスプレイを用いて実用レベルの品質の3次元画像を表示することと、電力及び画像データを無線で2次元表示ディスプレイ側に伝送すること。
【解決手段】回転する2次元表示ディスプレイとして高速リフレッシュレートの有機ELパネル8を用い、この有機ELパネル8が立設された回転板6の裏側に4個の磁石74を配置し、台座部4の上面に4個の駆動コイル44を配置し、駆動コイル44に交流を流すことにより、回転板6を高速回転させる。その際に、回転板6の裏側に4個の受電コイル76を設け、これら受電コイル76と駆動コイル44の磁気結合により駆動コイル44から受電コイル76側に電力を無線で送電すると共に、駆動コイル44に流す前記交流を断面画像データで変調することにより、受電コイル76側に誘導される交流から断面画像データを抽出して、駆動コイル44から受電コイル76側に画像データを無線で送信する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、回転する2次元表示ディスプレイの回転角に同期して、この2次元表示ディスプレイに画像を切り替えて表示することによって3次元画像を表示する3次元画像表示装置に関する。
3次元画像を表示する3次元画像表示装置(3次元ディスプレイ装置と称することもある)は、医療や化学(分子構造解析)、機械設計(CAD)、広告ディスプレイ、エンターテイメントなど多くの分野でその実現が望まれている。
その結果、3次元ディスプレイ装置として、両眼視差を利用したものが実用化され、例えば、50インチ型の4視点の3次元ディスプレイ装置が発表されたり、3次元ディスプレイ機能を組み込んだ携帯電話が実用化されている。
これらの両眼視差を利用した3次元ディスプレイ装置は、平面ディスプレイ装置から比較的容易に3次元画像を表示することが可能である反面、立体に見える視点位置が限定されてしまい、観察者が自由な位置から画像を観察することができない。
そこで、観察者が自由な位置から3次元画像を観察できる方式として、体積走査型の3次元ディスプレイ装置が知られており、製品として実用化されている。
図17はこの体積走査型の3次元ディスプレイ装置の概略構造を示した図である。3次元ディスプレイ装置132は、台座部134と、台座部134の上で高速回転(730rpm)するスクリーン136と、このスクリーン136を収納する風防138を有している。台座部134は回転するスクリーン136にDMD(Digital Micromirror Device)を使用して画像を投影するプロジェクタを構成する光学系を内蔵し、その投影ミラ−部140が台座部134の上面に設置されている。このプロジェクション機能はスクリーン136の回転角に同期して3次元オブジェクトの断面画像をスクリーン136に切り替えて投影する。
ここで、上記した体積走査型の3次元ディスプレイ装置により3次元画像を表示できる原理について図18を用いて説明する。図18(A)に示すように、ある丸い3次元オブジェクト142を表示することを考える。スクリーン136が連続的に回転している状態で、スクリーン136がある回転角のとき、この3次元オブジェクト142の表面切断画像を考える。
図18(B)に示すように、アングル(回転角)1のとき、スクリーン136は3次元オブジェクト142に僅かに侵入した位置にあり、その表面切断画像(以下断面図と称する)は図18(C)のアングル1に示すように、初めは小さい円144となる。以下同様で、スクリーン136は3次元オブジェクト142に侵入するにつれて、その断面画像の大きさが変化し、アングル3で円144のサイズが最大、その後アングル5でまた小さくなり、最後に、スクリーン136は3次元オブジェクト142から離脱する。
このようにスクリーン136のアングル毎に、図18(C)に示したような3次元オブジェクトの断面画像を投影ミラ−部140からスクリーン136に投影して表示させるようにする。この時スクリーン136が高速回転していれば、目の積分効果によりスクリーン136は見えなくなり、表示した断面画像が残像として全て見えるようになる。そのため、連続した断面画像の集合として、3次元オブジェクト142の3次元画像が表示される。この効果が有効にあらわれるためには、体積の書き換え周期が30Hz以上あることが望ましい。(それ以下でもちらつきはあるものの3次元画像表示は可能)そのため、スクリーン136の回転数として15Hz以上(900rpm)が望ましい。
しかし、回転するスクリーン136にプロジェクタを用いて画像を表示するには、複数回に亙りミラーに映像を反射させる必要があるため、精度良く画像を表示するには、ミラーによる複雑な反射系を精密に作る必要がある。これでは、装置の価格が高くなってしまうし、そもそも表示精度を上げることが難しく、ぼやけた3次元画像しか得られず、その上、3次元画像の輝度やコントラストを向上させることも難しいという問題がある。
このような3次元ディスプレイ装置の問題点を解決する1つの方法として、プロジェクタを使用せずに、図19に示すような構成とすれば良い。図19にて、台座部402に内蔵されたモータ404により回転する回転板406に垂直に立設されて共に回転する自発光の2次元表示ディスプレイ(2次元表示パネルに同じ)408に、その回転角に同期して画像を切り替えて直接表示する方式がある。この方式では、3次元画像を鮮明に表示できると共に、表示精度、輝度及びコントラストを向上させることができ、このような方式の基本アイデアが公知となっている(例えば特許文献1参照)。
また、上記した図19のような構成では、回転板406側に電力を供給するため、台座部402に内蔵された電源部500から回転軸502に摺動接触するブラシ部504と、回転板406の裏面外周部に円環状に配線されたコイル状の電極(図示せず)に摺動接触するブラシ部506などのブラシ摺動機構を通して回転板406側の電子回路508に電力を送電している。
特表昭56−500313号公報 (第3−8頁、第1図)
しかしながら、従来の回転する自発光の2次元表示ディスプレイ408にその回転角に同期して画像を切り替えて表示する方式では、自発光の2次元表示ディスプレイとして、以下の条件が必要となる。(1)高速リフレッシュレート、例えば、体積の書き換え周期が30Hzで、角度分解能を2度(一周で180)とすると、自発光2次元表示ディスプレイの1画面の書き換え周期は30Hz×180=4800Hzとなる。(2)ディスプレイとしての基本性能である高精細・高輝度・高コントラスト、(3)視野角が広い、これは視野角が狭いと斜めからディスプレイを見ても表示画像が見えず、これでは3次元画像として見えない。(4)薄い、ディスプレイが厚いとその部分は画像が表示されないため違和感のある3次元画像となる。(5)表面と裏面の両面発光。
ところが上記公知例では、自発光ディスプレイの実施例として2次元に配列されたLEDパネルを用いることが記述されているが、現在まで、2次元に配列されたLEDで、上記のような条件を満たすようなものは存在せず、従って、LEDパネルを用いて回転する自発光の2次元表示ディスプレイを構成しても、角度分解能が悪いものしかできず、それ故ちらつきが大きく且つ解像度が粗い3次元画像しか表示できない。このため、回転するLEDパネルにその回転角に同期して2次元の断面画像を表示しても実用レベルのまともな3次元画像を表示することは不可能である。
また、上記のように回転板406側で必要とする電力を台座部402側から摺動接触部を持つ電力供給路を通して回転板406側に有線で供給する構成では、摺動接触部の摩耗によりその耐久性に限界があり、また、摺動接触部の接触が円滑で無いと電気的な雑音が発生するなどの問題がある。その上、画像データを回転板406側の電子回路508に別の摺動接触部などを設けて別途送信しなければならず、この摺動接触部にも同様の耐久性と雑音発生の問題がある。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、電力及び画像データを同時に無線で回転する自発光の2次元表示ディスプレイ側に送ることができると共に、無線による電力伝送及び画像データ伝送を容易にする2次元表示ディスプレイの回転機構を備え且つ、回転する自発光の2次元表示ディスプレイを用いて実用レベルの品質を持った3次元画像を表示することができる3次元画像表示装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、回転する自発光の2次元表示パネルにその回転角に同期して2次元画像を切り替えて表示することによって前記2次元画像の集合としての3次元画像を表示する3次元画像表示装置にあって、前記2次元表示パネルを固定支持して回転させる回転体と、前記回転体を回転自在に支持する支持体と、前記回転体の裏面に配置される複数の磁石と、前記支持体に前記複数の磁石に対向して配置される複数の駆動コイルと、前記複数のコイルと前記磁石の相対的な位置に応じて極性が反転する電流を前記複数のコイルに流す駆動手段とを具備することを特徴とする。
このように本発明の3次元画像表示装置では、回転体の裏面に配置される複数の磁石と、前記複数の磁石に対向して支持体に配置される複数の駆動コイルとの相対的な位置に応じて極性が反転する例えば交流を前記複数のコイルに流して駆動コイルと磁石との間に回転板を一方向に回転させるような斥力と引力を発生させることにより回転板を回転させることができる。その際に、回転体側の前記駆動コイルに対向する位置に受電コイルを設ければ、この受電コイルと前記駆動コイルの磁気結合により、受電コイル側に交流が誘導されるため、電力を無線にて支持体から回転体側に伝送することができる。更に、前記駆動コイルを流れる交流を画像データで変調することにより、受電コイル側に誘導される交流も画像データで変調されたものになり、この画像データを抽出することにより、画像データを無線にて支持体側から回転体側に送信することができる。更に、自発光の2次元表示パネルとして高速のリフレッシュレートを持つ有機ELパネルを用いることにより、2次元の断面画像を有機ELパネルの回転角に同期して高速で切り替えて表示することができるため、角度分解能を上げることができ、前記2次元の断面画像の集合としての3次元画像をちらつきなく表示することができる。
また、本発明は、回転する1枚の自発光の2次元表示パネルにその回転角に同期して2次元画像を切り替えて表示することによって前記2次元画像の集合としての3次元画像を表示する3次元画像表示装置であって、前記2次元表示パネルを固定支持して回転させる回転体と、前記回転体を回転自在に支持する支持体と、前記支持体側から前記回転体側に磁気結合を利用して電力を無線で送電する送電手段とを具備することを特徴とする。
このように本発明の3次元画像表示装置では、支持体側から前記回転体側に磁気結合を利用して電力を無線で送電する送電手段を設けることにより、送電手段を電力伝送に特化することができるため、送電手段を最適に設計することができ、電力を支持体側から回転体側に効率良く送電することができる。
また、本発明は、回転する1枚の自発光の2次元表示パネルにその回転角に同期して2次元画像を切り替えて表示することによって前記2次元画像の集合としての3次元画像を表示する3次元画像表示装置であって、前記2次元表示パネルを固定支持して回転させる回転体と、前記回転体を回転自在に支持する支持体と、前記支持体側から前記回転体側に無線により画像データを送信する通信手段とを具備することを特徴とする。
このように本発明の3次元画像表示装置では、支持体側から回転体側に画像データを無線送信する通信手段を設けることにより、通信手段を画像伝送に特化することができるため、通信手段を例えば光通信方式とか近距離無線方式などの最適な方式として設計することができるため、無線通信を用いて画像データを支持体側から回転体側に効率良く送信することができる。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、回転体の裏面に配置される複数の磁石と、支持体に前記複数の磁石に対向して配置される複数の駆動コイルとの相対的な位置に応じて、極性が反転する例えば交流を前記複数のコイルに流して駆動コイルと磁石との間に回転板を一方向に回転させるような斥力と引力を発生させることによって回転板を回転させる回転機構を採用しているため、回転体を高速且つ円滑に回転させることができる。
また、前記回転機構の一部分用いて電力を同時に無線で2次元表示ディスプレイ側に送ることができ、使用部品の共通化により部品点数を減らして装置の製造コストを削減することができる。
更に、前記回転機構の一部分用いて電力及び画像データを同時に無線で2次元表示ディスプレイ側に送ることができ、使用部品の大幅な共通化により部品点数を減らして装置の製造コストを更に削減することができる。
また、前記回転機構とは別に、磁気結合を利用して無線で電力を2次元表示ディスプレイ側に送電することにより、回転機構系及び電力伝送系をそれぞれ最適化することができ、回転機構系及び電力伝送系の効率を向上させることができる。
更に、前記回転機構とは別に設けた電力伝送系に乗せて画像データを送信することにより、部品点数を減らして装置の製造コストを更に削減することができる。
また、前記回転機構及び電力伝送系とは別に画像データを無線伝送することにより、通信系を最適化して効率良く画像データを2次元表示ディスプレイ側に伝送することができる。
電力及び画像データを同時に無線で回転する自発光の2次元表示ディスプレイ側に送ることができると共に、無線による電力伝送及び画像データ伝送を容易にする2次元表示ディスプレイの回転機構を備え且つ、回転する自発光の2次元表示ディスプレイを用いて実用レベルの品質を持った3次元画像を表示させる目的を、回転体の裏面に配置される複数の磁石と、支持体に前記複数の磁石に対向して配置される複数の駆動コイルとの相対的な位置に応じて、極性が反転する例えば交流を前記複数のコイルに流して駆動コイルと磁石との間に回転板を一方向に回転させるような斥力と引力を発生させることによって回転板を回転させる回転機構を採用すると共に、自発光の2次元表示ディスプレイとして有機エレクトロルミネッセンスパネルを用いることによって実現した。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る3次元画像表示装置の外観例を示した斜視図である。
3次元画像表示装置2は、円筒状の台座部4と、台座部4の上面に回転自在に垂直に立設された円板状の回転板6と、この回転板6の直径方向に立設された1枚の四角形状の有機エレクトロルミネッセンス(以下ELと略称する)パネル8から構成されている。この有機ELパネル8は矢印200に示すように片面発光タイプで、回転板6が回転すると、有機ELパネル8も回転し、その回転軸Oは回転板6の中心点と一致する。但し、図1において、特許請求の範囲の2次元表示パネルが有機ELパネル8に相当し、回転体が回転板6に相当し、支持体が台座部4に相当する。
図2は有機ELパネル8に画像を表示する3次元画像表示回路の構成を示したブロック図である。
3次元画像表示回路は、台座部4と回転板6に分かれて搭載されている。台座部4側は、外部から画像データと制御情報を受け取る受信手段12と、受信した画像データを圧縮する圧縮部14、圧縮部14の動作領域を提供するメモリ16と、圧縮した画像データを回転板6側に送信する伝送手段18と、受信した画像データの画像処理等を行う制御部20を有している。
回転板6側は、台座部4側から送信された圧縮画像データを受信する受信手段22と、受信した圧縮データを伸長して有機ELパネル8に画像データを出力する伸長部24と、伸長部24の動作領域を提供するメモリ26と、有機ELパネル8、即ち回転板6の回転角を検出する光学式或いは機械式などのアングルセンサ28と、受信手段22や伸長部24を制御する制御部30を有している。但し、特許請求の範囲の送信手段は伝送手段18に相当し、受信手段は受信手段22に相当し、請求項7の通信手段は伝送手段18及び受信手段22に相当する。
ここで、有機ELパネル8は、図示されない記憶素子(メモリ)を含む表示部82と、表示部82に含まれる記憶素子に画像データを書き込むためのソース信号線駆動回路84と、同記憶素子に画像データを書き込むための書込用ゲート信号線駆動回路86と、表示用ゲート信号線駆動回路88とを備え、回転板6上に立設されている。
尚、台座部4の受信手段12は外部通信路40を介してパーソナルコンピュータ(PC)等で構成される制御装置10に接続されている。
図3は表示部82の回路構成を示した回路図である。表示部82は、行方向に320個、列方向に200個マトリックス状に配列された画素90により構成されている。各画素90は、ソース信号線駆動回路84から出る複数のソース信号線52、書込用ゲート信号線駆動回路86から出る複数の書込用ゲート信号線X、表示用ゲート信号線駆動回路88から出る複数の表示用ゲート信号線Yに接続されている。
図4は表示部82を構成する画素90の回路構成を示した回路図である。ソース信号線52に書込スイッチ用トランジスタ(TFT)54を介して例えばSRAM等の記憶素子56の書き込み側が接続され、この記憶素子56の読み出し側が表示スイッチ用トランジスタ(TFT)58を介して有機EL素子62を駆動するEL駆動用トランジスタ(TFT)60のゲートに接続されている。
n個の書込スイッチ用トランジスタ54、記憶素子56、表示スイッチ用トランジスタ58は有機ELパネル8に表示する画像を切り替える回転角(ここでは2度)で360度を除した数(n=180)だけ配置されている。書込スイッチ用トランジスタ54のゲートは書込用ゲート信号線X(X=1〜n)に接続され、表示スイッチ用トランジスタ58のゲートは表示用信号線Y(Y=1〜n)に接続され、EL駆動用トランジスタ60のソースは電源供給線64に、ドレインは有機EL素子62に接続され、有機EL素子62の他端(カソード側)は接地されている。
図5は図4に示した画素90を構成する有機EL素子62の構造を示した断面図である。光透過性カソード66とメタルアノード68の間に有機発光層(図では発光層)70が挟まれて成る積層体が、ガラス基板72上に形成されて有機EL素子62が構成されている。光透過性カソード66とメタルアノード68の間に電圧がかかると有機発光層70が発光し、光はメタルアノード68により反射され、光透過性カソード66、保護層96、透明シール98を通して一方向に放射される。尚、図3で示した記憶素子56は例えばガラス基板72内に搭載される。
図6は上記した回転板6を回転させる回転機構を示した斜視図及び平面図である。図6(A)に示すように、回転板6は台座部4にその中心が軸78(図6(B)参照)により回転自在に軸支されている。
図6(A)、(B)に示すように、回転板6の裏面には、4個の磁石(永久磁石或いは電磁石)74が同一円周上に等間隔で、しかも隣り合う磁石74の極性が互いに異なるように配置され、更に、これら磁石74の間に電力及びデータを受電及び受信する受電コイル76が等間隔で、上記磁石74が配置されている円周上に配置されている。また、台座部4の上面には、図6(C)に示すように、回転板6の駆動用及びデータ送信用の駆動コイル44が同一円周上に等間隔で配置され、駆動コイル44に駆動手段48から電流を流した時に隣接する駆動コイル44が互いに逆極性になるように、隣接する駆動コイル44の巻回方向を逆にしてある。尚、磁石74の配置円周と駆動コイル44の配置円周の直径は同一であり、台座部4の伝送手段18は駆動コイル44と信号増幅器46から構成されている。また、回転板6の受電コイル76は受信手段22を構成している。但し、特許請求の範囲の磁石は磁石74に相当し、駆動コイルは駆動コイル44に相当し、駆動手段は駆動手段48に相当する。受電コイルは受電コイル76又は図11の受電コイル232に相当する。
次に本実施の形態の動作について説明するが、まず、その概略動作を図1を用いて説明する。図1にて、台座部4の上面に設置された回転板6が回転軸Oを中心にして高速で回転(例えば900rpm)するため、回転板6に立設された有機ELパネル8が高速回転する。この状態で、表示する3次元オブジェクトを有機ELパネル8の回転角(例えば2度)毎に、有機ELパネル8で仮想的に切断した時に得られる2次元の断面画像データを、台座部4側から回転板6側に供給する。
有機ELパネル8は回転角毎の2次元の断面画像データを一旦図示されない記憶素子に記憶した後、有機ELパネル8の回転角に応じて、該当する断面画像データを記憶素子から読み出し、この断面画像データに従って有機ELパネル8の表示部を構成する自発光のマトリックス状に配置された複数の画素を点滅させる。
これにより、マトリックス状に配置された自発光の画素により2次元の断面画像が表示され、それが有機ELパネル8の回転角に同期して切り替わるため、連続する2次元の断面画像の集合として3次元オブジェクト画像が表示される。尚、図中の矢印200は有機ELパネル8の画素の発光方向を示しており、本例の有機ELパネル8は片面発光である。
ここで、有機ELパネル8は次のような周知の特性を持っている。(1)画素を構成する有機EL素子の反応速度が早い(数10マイクロセコンド)、(2)有機EL素子が自発光なため、視野角が広い、(180度近い)、(3)有機EL素子が自発光なため、高精細・高輝度・高コントラストが実現可能、(4)有機EL素子が自発光なため、非常に薄い(1mm程度)。
従って、回転角に同期して表示画像を切り替えて直接表示する自発光の2次元表示ディスプレイとして、上記特性を持った有機ELパネル8を用いることにより、3次元オブジェクトを3次元画像として鮮明な画像で表示することができる。
以下、本実施の形態の動作について更に詳しく説明する。図2の制御装置10は、例えば表示すべき図7(A)、(B)、(C)に示すような、球体の3次元オブジェクト画像データの時間変化に対する差分データ302、304を生成し、これら差分データを外部通信路40を通して台座部4の受信手段12に送信する。
台座部4の制御部20は受信手段12により外部通信路40から受信された差分データ302、304より、元の3次元オブジェクト画像データを復元する。更に、制御部20は復元された3次元オブジェクト画像データから、有機ELパネル8の回転角(例えば2度)毎に有機ELパネル8の平面で3次元オブジェクトを仮想的に切断した時に生じる断面画像データを生成し、これら断面画像データを圧縮部14に順次出力する。
ここで、復元した3次元オブジェクトが例えば図8(A)に示すような球体802であった場合、制御部20は、有機ELパネル8の回転角毎に、有機ELパネル8の平面で3次元オブジェクトを仮想的にスライスしたときに生じる断面画像より断面画像データを生成する。この場合、図8(B)に示すように、有機ELパネル8の回転角0度、2度、4度、6度、8度の断面画像データ102、104、106、108、110が生成されて圧縮部14に順次出力される。尚、回転角10度以降も同様で、有機ELパネル8の1回転当たり、180枚の断面画像データが生成される。
圧縮部14は、一つ前の断面画像データと次に表示する断面画像データの差分データをメモリ16を用いて算出し、得られた差分データを伝送手段18に出力する。伝送手段18は入力される差分データを電磁結合を利用した無線通信により回転板6側に送信する。尚、この無線通信については後述する。
回転板6の受信手段22は、台座部4から送信されて来た上記の差分データを受信して、伸長部24に出力する。伸長部24は入力される差分データから有機ELパネル8の回転角毎の断面画像データをメモリ26を用いて復元し、これら復元した断面画像データを有機ELパネル8に順次出力する。
次に有機ELパネル8での画像表示動作を図3、図4を参照して説明する。図3にて、有機ELパネル8のソース信号線駆動回路84と書込用ゲート信号線駆動回路86はソース信号線52と書込用ゲート信号線Xを順番にアクティブにし、これら信号線が交差しているところに接続された画素90に対してソース信号線52から断面画像データを送ることにより、各画素90が表示すべき断面画像データを各画素90の記憶素子56(図4参照)に書き込むことができる。この例の記憶素子56は有機ELパネル8の回転分解能(この例では2度)に対応して、1個の画素90に対して180個あるため、有機ELパネル8の回転角に対応した1回転分の全ての断面画像データが1画素中の各記憶素子56に書き込まれることになる。
図4にて、この画素90に接続されている書込用ゲート信号線Xの中の有機ELパネル8の回転角が0度の時の断面画像を書き込むための書込用ゲート信号線1がハイレベルになると、この書込用ゲート信号線1にゲートが接続された書込スイッチ用トランジスタ54がオンになる。これにより、ソース信号線52を通して前記回転角が0度の時の断面画像データがこの書込スイッチ用トランジスタ54に接続された記憶素子56に書き込まれる。その後、書込用ゲート信号線1がローレベルになって書込スイッチ用トランジスタ54がオフになり、次に書込用ゲート信号線2がハイレベルになると、この書込用ゲート信号線2にゲートが接続された書込スイッチ用トランジスタ54がオンになるため、ソース信号線52を通して前記回転角が2度の時の断面画像データが記憶素子56に書き込まれる。以下同様で、1個の画素90に設けられた複数の記憶素子56に有機ELパネル8の回転角毎の1回転分の全ての断面画像データが記憶される。このような1個の画素90に対する前記回転角毎の断面画像データの書き込みは、図3に示した全ての画素90に対して同様に行われる。
上記のようにして図3に示した表示部82を構成する全ての画素90に有機ELパネル8の回転角毎の1回転分の全ての断面画像データが記憶されると、表示用ゲート信号線駆動回路88は、表示用ゲート信号線Yをアングルセンサ28の検出回転角に同期して順次ハイレベルにすることにより、全ての画素90の記憶素子56から例えば前記回転角が0度の時の断面画像データを同時に読み出して、表示部82を構成する全ての画素90の有機EL素子62を点滅させる。これにより、表示部82に有機ELパネル8の回転角が0度の時の断面画像が表示される。従って、1画素分の切り替え走査で、有機ELパネル8の回転角毎の断面画像の表示を切り替えることができる。
ここで、上記した断面画像の表示動作について図4を用いて画素単位で説明する。有機ELパネル8の回転角が0度の時の断面画像データを表示するために、表示用ゲート信号線1がハイレベルになると、この表示用ゲート信号線1にゲートが接続された表示スイッチ用トランジスタ58がオンになって、この表示スイッチ用トランジスタ58に接続された記憶素子56から前記回転角が0度の時の断面画像データが読み出され、EL駆動用トランジスタ60のゲートに印加される。その結果、断面画像データが“1”であればEL駆動用トランジスタ60がオンして有機EL素子62に電源供給線64から電圧が印加され発光し、断面画像データが“0”であればEL駆動用トランジスタ60がオフして有機EL素子62に電圧が印加されず発光しない。
次に回転板6の回転動作及台座部4側から回転板6側に電力を伝送する動作について図6及び図9を参照して説明する。
まず、回転動作について説明する。今、回転板6の裏面に配置された磁石74と、台座部4の上面に配置された駆動コイル44との相対的な位置関係が図9(A)に示した如くであった場合、駆動手段48から駆動コイル44には図示の極性になるように電流が流される。ここで、N極になった駆動コイル44(A)に着目すると、その両側の磁石74(1)はN極、磁石74(2)はS極であるため、磁石74(1)との間には斥力が、磁石74(2)との間には引力が発生する。他の駆動コイル44とその両側にある磁石74との間にも同様に斥力と引力が発生し、図中矢印の方向に回転板6が回転する。但し、図中、Fは回転板6の回転方向を知るための目印である。
こうして、回転板6の裏面に配置された磁石74と、台座部4の上面に配置された駆動コイル44との相対的な位置関係は図9(B)に示したように変化し、回転板6の慣性力により、回転板6は左回転方向に行き過ぎて図9(C)に示したように、回転板6の裏面に配置された磁石74と、台座部4の上面に配置された駆動コイル44との相対的な位置関係が変化する。この状態で、駆動手段48は駆動コイル44に流していた電流の向きを反対にして、図9(D)に示したようにその極性を反転させる。
これにより、駆動コイル44(B)はS極からN極となるため、近接しているN極の磁石74(3)との間に斥力が発生する。これは他の駆動コイル44と磁石74の間でも同様で、結局、回転板6は左回転方向に回転を継続する。このように、磁石74と駆動コイル44の相対的な位置に応じて、駆動手段48は駆動コイル44に流れる電流の向きを高速で切り替えることにより、回転板6を高速で回転(900rpm)させることができる。
次に電力の伝送動作について説明する。図6(B)に示すように、回転板6の裏側には、受電コイル76が磁石74と同一の円周上に配置されている。今、台座部4側の駆動コイル44に駆動手段48から回転板6を回転させるために正弦波電流を流して、駆動コイル44の電磁石としての極性をスイッチングさせた場合に、駆動コイル44の中心と受電コイル76の中心が一致するような位置関係に両コイルが近接する際に、両コイルの電磁的な結合度が最大になり、駆動コイル44側に流れている正弦波電流と同様の正弦波電流が受電コイル76側に誘導されて発生する。従って、4個の受電コイル76を同一方向に誘導電流が流れるように接続して取り出された交流電流を整流した後、DC/DCレギュレータを通して回転板6側で必要とする電圧の電力を供給することができる。
最後に、台座部4側から回転板6側に圧縮した画像データを無線通信で送信する動作について説明する。伝送手段18により駆動コイル44側に流れている正弦波電流を圧縮部14から入力される圧縮画像データで変調する。これにより、受電コイル76に誘導される正弦波電流も圧縮した画像データで変調された電流となる。そこで、受電手段22は受電コイル76に誘導される正弦波電流から圧縮画像データをハイパスフィルターなどを用いて抽出して、圧縮画像データを復調することができる。
本実施の形態によれば、高速回転する自発光の2次元表示ディスプレイとして、有機ELパネル8を用いることにより、画素90を構成する速い反応速度を持った有機EL素子62によって2次元の断面画像を有機ELパネル8の回転角に同期して高速(例えばリフレッシュ周波数4.8KHz前後)で切り替えて表示することができるため、角度分解能を上げることができ、前記2次元の断面画像の集合としての3次元画像をちらつきなく表示することができるので、実用レベルの品質を持った3次元画像表示装置を実現することができる。しかも、投影画像でないため、鮮明な3次元画像を表示することができる。尚、本例の有機ELパネル8は片面発光のタイプのものであるが、リフレッシュレートが十分に高速であれば、その分、有機ELパネル8の回転数を上げることができ、片面発光のタイプでも上記した効果を得ることができる。
また、4個の磁石76を回転板6の裏面に円形状に配置すると共に、4個の駆動コイル44を台座4の上面に前記磁石74と対向するように円形状に配置し、磁石74と駆動コイル44の相対的な位置に応じて駆動コイル44に流れる電流の向きを切り替えることにより、磁石74と駆動コイル44間に発生する磁力の方向を切り替えて回転動力とすることにより、回転板6を高速で回転させる回転機構を採用しているため、回転板6の裏面に配置された磁石74の間に受電コイル76を設けるだけで、駆動コイル44と受電コイル76間の電磁結合を利用して駆動コイル44に流れる正弦波電流に対応する正弦波電流を受電コイル76側に電磁誘導で発生させ、発生した正弦波電流を回転板6側の電力として用いることができ、これにより、台座部4から回転板6側に無線で電力を送電することができる。したがって、摺動部などの機械的な部分を無くすことができ、電力伝送の耐久性及び信頼性を向上させることができると共に、雑音発生の無い電力伝送を行うことができる。
更に、伝送手段18により駆動コイル44に流す正弦波電流を圧縮断面画像データで変調することにより、受電コイル76側に同様に変調された正弦波電流を発生させ、受信手段22によりこの正弦波電流から圧縮断面画像データを抽出することにより、電力の無線送電と共に圧縮画像データの無線送信を行うことができ、無線送信の耐久性及び信頼性を向上させることができる。
また、回転板6の回転機構を構成する駆動コイル44を回転板6の駆動用、電力伝送の送電用及び圧縮画像データの送信用に兼用で用いることができ且つ、受電コイル76を電力受電用用及び圧縮画像データの受信用に兼用で用いることができるので、装置の部品点数を減らしてその組み立て性を良好にすることができると共に、装置の製造コストを低減させることができる。
尚、回転板6の裏面に配置される受電コイル76は図10に示すように四角形状でも、同様の効果があり、また、台座部4側に配置される駆動コイル44も四角形状にしても良い。また、上記実施の形態では回転板6側に配置する磁石74の数を4個としたが、磁石74の数は2個、6個、8個等の偶数個であれば何個でも良く、それに応じて台座部4側に配置される駆動コイル44の2個、6個、8個等の偶数となる。但し、回転板6側に配置するn個の磁石74は回転板6のダイナミックバランスが取れるように配置されなければならない。更に、複数の磁石74は回転板6の裏面に埋設し、その表面が回転板6の裏面と同一レベルの位置にすることにより、回転時の空気抵抗を低減させることができる。
図11、図12は、本発明の第2の実施の形態に係る3次元画像表示装置の回転板の裏面と台座部の上面の構成を示した平面図である。但し、第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して説明する。
本実施の形態の3次元画像表示装置2も、台座部4と、台座部4の上面に回転自在に設置された円板状の回転板6と、この回転板6の直径方向に立設された1枚の四角形状の有機ELパネル8とから構成され、その基本構成は第1の実施の形態と同様で、回転板6の裏面に4個の磁石74が円周上に配置され、台座部4の上面に4個の駆動コイル44が円周上に配置されている。しかし、回転板6の裏面には円形の受電コイル232がその中心に1個配置され、台座部4の上面には、円形の送電コイル234がその中心に1個配置されていて、回転板6の回転機構と電力伝送系が独立しているところが異なっている。特許請求の範囲の送電コイルは送電コイル234に相当し、送電手段は受電コイル232及び送電コイル234に相当する。
次に本実施の形態の動作について説明する。台座部4の上面の駆動コイル44に電流の向きが高速で切り替わる交番電流を流すと、第1の実施の形態で説明したのと同じ動作原理で回転板6が高速回転し、それに伴い有機ELパネル8が高速回転する。同時に、台座部4の上面の円形の送電コイル234に交流電流を流すと、受電コイル232と送電コイル234は近接対向配置されているため両コイルが磁気結合して、受電コイル232側に交流電流が誘導され、この交流電流を整流した後、DC/DCレギュレータ(図示せず)を通して回転板6側で必要とする電圧の電力を供給することができる。
本実施の形態によれば、回転板6の回転機構と電力伝送系が独立しているため、駆動コイル44は回転板6の駆動のみの機能に則して設計をすれば良いため、最適のものを使用できると共に、駆動コイル44に流す交番電流も最適な電圧、電流及び形状のものを選択できるため、駆動効率を第1の実施の形態よりも向上させることができる。
同様に、受電コイル232及び送電コイル234は磁気結合を用いた電力送電のみの機能に則して設計をすれば良いため、最適のものを使用できると共に、送電コイル234に流す交流電流も最適な電圧、電流のものを選択できるため、電力伝送効率を第1の実施の形態よりも向上させることができる。
したがって、本例では台座部4から回転板6側への断面画像データの送信は赤外線を用いた光通信や近距離無線通信を用いた通信手段(請求項8の通信手段に相当する。)で行われるが、第1の実施の形態と同様に上記した電力伝送時に送電コイル234に流す交流電流を断面画像データで変調することにより送信しても良い。その場合は、電力伝送に適した交流電流を断面画像データで変調するだけであるため、電力伝送への影響はほとんどない。
尚、受電コイル232の形は図13に示すように四角形でも良く、その場合は送電コイルも図示はしないが四角形状となり、同様の効果を得ることができる。
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る3次元画像表示装置の外観例を示した斜視図である。但し、第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して説明する。
3次元画像表示装置2は、円形の上面を持つ台座部4と、この台座部4の上面に回転自在に設置された円板状の回転板(図示せず)と、この回転板の直径方向に垂直に立設された1枚の四角形状の有機ELパネル8から構成されている。台座部4の上面の直径に対して回転板の直径が短いため、この図では回転板は見えないが、この回転板の表面の外周部に沿って複数の磁石362が円形状に配置されている。また、この円形状に配置された複数の磁石362を外側から取り囲むように台座部4の上面の外周部に沿って複数の駆動コイル368が配置されている。
図15は図14に示した3次元画像表示装置2を上から見た平面図である。回転板6の外周部に沿って複数の磁石362が円形状に配置され、この複数の磁石362を外側から取り囲むように台座部4の上面に沿って複数の駆動コイル368が配置されている。また、磁石362は隣り合う磁石の極性が反対になるように配置され、また、駆動コイル368を電磁石にした場合、隣り合うコイルが互いに逆極性になるようにその巻回方向が互いに逆になるようにしてある。
図16は上記した複数の磁石362と複数の駆動コイル368を側面から見た部分側面図である。磁石362は回転板(図示せず)の表面に立設され、同様に駆動コイル368も台座部4の上面に立設され、磁石362と駆動コイル368は所定の間隙が生じるように対向配置されている。
次に本実施の形態の回転板6の回転動作について説明する。複数の磁石362を外側から取り巻くように配置された複数の駆動コイル368に電流を流すと共に、複数の駆動コイル368により発生される磁極が例えば左回転方向に移動するように電流の向きを切り換える。これにより、複数の磁石362側に複数の駆動コイル368間に働く斥力と引力とにより回転板6が左回転する回転力が生じ、回転板6が回転する。
一方、電力伝送は第2の実施の形態と同様に回転板6の裏面に配置された受電コイル(図示せず)と、台座部4の上面に配置された送電コイル(図示せず)により独立に行われるものとする。また、台座部4から回転板6側への断面画像データの送信は赤外線を用いた光通信や近距離無線通信を用いた通信手段で行われるが、第2の実施の形態と同様に電力伝送時に送電コイルに流す交流電流を断面画像データで変調することにより送信しても良い。
本実施の形態も第2の実施の形態と同様の効果があるが、回転機構を構成する磁石362と駆動コイル368の数が多いため、回転板6を極めて円滑に回転させることができる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲において、具体的な構成、機能、作用、効果において、他の種々の形態によっても実施することができる。
例えば、上記実施の形態では、回転板6側に複数の磁石74を配置し、台座部4側に複数の駆動コイル76を配置した回転機構を設けたが、回転板6を従来のようにモータなどで回転させ、台座部4側から回転板6側に電力及び画像データを電磁結合を用いて無線伝送する構成としても良く、或いは電力を電磁結合を用いて無線伝送し、画像データは光通信や近距離無線通信などの通常の通信手段で送信しても良い。
また、上記実施の形態では有機ELパネル8として片面発光のものを用いたが、1枚の有機ELパネルで両面発光のものや、2枚の片面発光の有機ELパネルの非発光面同士を貼り合わせて1枚の有機ELパネルとして両面発光としたものを用いることにより、有機ELパネル8の回転数を上記実施の形態の例えば半分にしてもちらつきのない同品質の3次元画像を表示することができ、その分、回転板6の回転機構の消費電力を低減できると共に、その設計の容易化を図ることができる。特に2枚の有機ELパネルを貼り合わせて1枚のパネルとしたものでは、1枚の有機ELパネルで両面発光できるタイプのように表示画像の明るさが半減することがなくなり、片面から出る光量が減ることは無いので、有機ELパネルの回転数を減らしてもちらつきのない、しかも明るい3次元画像を得ることができる。
更に、上記実施の形態では、記憶素子56を内蔵する有機ELパネル8を用いて、断面画像データをEL駆動用トランジスタ60に印加するまでの配線路を短くして配線の時定数を小さくすることにより、配線が長い画面サイズの大きな有機ELパネルでもそのリフレッシュレートを高速にして、3次元画像を表示できるようにしてある。しかし、有機ELパネル8の画面サイズが小さい場合は配線が短いため、上記した記憶素子がない通常の構成でもリフレッシュレートを高速にすることができるので、有機ELパネル8として記憶素子のない通常構成のパネルを用いても、3次元画像を表示することができ、しかも、通常構成の有機ELパネル8は安価であるため、その分、装置のコストを削減することができる。
また、上記実施の形態では、自発光の有機ELパネル8に回転角に同期して断面画像を表示することにより、3次元画像を表示する構成としたが、回転するスクリーンに断面画像をプロジェクタで投影する形態の3次元画像表示装置で、回転力を提供すると共に回転側に電力を供給しなければならないような装置或いは、静止側と回転体側で構成される映像表示装置で、回転力を提供すると共に静止側から回転体側に電力や画像データ等を送信する装置に対しても本発明を適用して同様の効果を得ることができる。
更に、上記実施の形態では、3次元画像表示回路の台座部4側に外部通信路40を介して制御装置10が接続された構成であったが、3次元オブジェクト画像データの時間変化に対する差分データを入力できるものであれば、受信機や光ディスク再生装置などの各種の映像機器を接続することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る3次元画像表示装置の外観例を示した斜視図である。 図1に示した有機ELパネル8に画像を表示する3次元画像表示回路の構成を示したブロック図である。 図2に示した表示部82の回路構成を示した回路図である。 図2に示した表示部82を構成する画素90の回路構成を示した回路図である。 図4に示した有機ELパネル8の表示部の画素90を構成する有機EL素子62の構造を示した断面図である。 図1に示した回転板6を回転させる回転機構を説明する斜視図及び平面図である。 図2に示した制御装置10で球体の3次元オブジェクト画像データの時間変化に対する差分データを生成する方法を示した図である。 図2に示した制御部20により復元した3次元オブジェクト画像データからその断面画像データを作成する方法を示した図である。 図1、図6に示した回転板6を回転させる動作を説明する図である。 図6に示した受電コイルの他の形態を示した図である。 本発明の第2の実施の形態に係る3次元画像表示装置の回転板の裏面の構成を示した平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る3次元画像表示装置の台座部の上面の構成を示した平面図である。 図11に示した受電コイルの他の形態を示した図である。 本発明の第3の実施の形態に係る3次元画像表示装置の外観例を示した斜視図である。 図14に示した3次元画像表示装置2を上から見た平面図である。 図15に示した複数の磁石362と複数の駆動コイル368を側面から見た部分側面図である。 従来の体積走査型の3次元ディスプレイ装置の概略構造を示した図である。 図17に示した体積走査型の3次元ディスプレイ装置により3次元画像を表示できる原理を説明する図である。 従来の体積走査型の3次元ディスプレイ装置の他の概略構造を示した図である。
符号の説明
2……3次元画像表示装置、4……台座部、6……回転板、8……有機エレクトロルミネッセンスパネル(有機ELパネル)、10……制御装置、12、22……受信手段、14……圧縮部、16、26……メモリ、18……伝送手段、20、30……制御部、24……伸長部、28……アングルセンサ、40……外部通信路、44、368……駆動コイル、46……信号増幅器、48……駆動手段、52……ソース信号線、54……書込スイッチ用トランジスタ(TFT)、56……記憶素子(メモリ)、58……表示スイッチ用トランジスタ(TFT)、60……EL駆動用トランジスタ(TFT)、62……有機EL素子、64……電源供給線、66……光透過性カソード、68……メタルアノード、70…有機発光層、72……ガラス基板、74、362……磁石、76、232……受電コイル、78……軸、82……表示部、84……ソース信号線駆動回路、86……書込用ゲート信号線駆動回路、88……表示用ゲート信号線駆動回路、90……画素、96……保護層、98……透明シール、234……送電コイル、X……書込用ゲート信号線、Y……表示用ゲート信号線。

Claims (9)

  1. 回転する自発光の2次元表示パネルにその回転角に同期して2次元画像を切り替えて表示することによって前記2次元画像の集合としての3次元画像を表示する3次元画像表示装置であって、
    前記2次元表示パネルを固定支持して回転させる回転体と、
    前記回転体を回転自在に支持する支持体と、
    前記回転体の裏面に配置される複数の磁石と、
    前記支持体に前記複数の磁石に対向して配置される複数の駆動コイルと、
    前記複数のコイルと前記磁石の相対的な位置に応じて極性が反転する電流を前記複数のコイルに流す駆動手段と、
    を具備することを特徴とする3次元画像表示装置。
  2. 前記回転体の裏面の前記複数の駆動コイルに対向する位置に複数の受電コイルを配置し、前記受電コイルと前記駆動コイルの磁気結合を利用して電力を無線で前記支持体側から前記回転体側に送電することを特徴とする請求項1記載の3次元画像表示装置。
  3. 前記駆動コイルに流す交番電流を画像データで変調する送信手段と、前記受電コイルに誘導された交番電流から前記画像データを抽出する受信手段とを具備することを特徴とする請求項2記載の3次元画像表示装置。
  4. 前記支持体の上面に前記駆動コイルとは別に送電コイルを設け、前記送電コイルと前記受電コイルの磁気結合を利用して電力を無線で前記支持体側から前記回転体側に送電することを特徴とする請求項1記載の3次元画像表示装置。
  5. 前記送電コイルに流す交番電流を画像データで変調する送信手段と、前記第1の受電コイルに誘導された交番電流から前記画像データを抽出する受信手段とを具備することを特徴とする請求項4記載の3次元画像表示装置。
  6. 回転する自発光の2次元表示パネルにその回転角に同期して2次元画像を切り替えて表示することによって前記2次元画像の集合としての3次元画像を表示する3次元画像表示装置であって、
    前記2次元表示パネルを固定支持して回転させる回転体と、
    前記回転体を回転自在に支持する支持体と、
    前記支持体側から前記回転体側に磁気結合を利用して電力を無線で送電する送電手段と、
    を具備することを特徴とする3次元画像表示装置。
  7. 前記支持体側から前記回転体側に磁気結合を利用して電力を無線で送電すると共に、無線送電される前記電力に乗せて画像データを前記支持体側から前記回転体側に無線送信する通信手段を設けたことを特徴とする請求項6記載の3次元画像表示装置。
  8. 回転する自発光の2次元表示パネルにその回転角に同期して2次元画像を切り替えて表示することによって前記2次元画像の集合としての3次元画像を表示する3次元画像表示装置であって、
    前記2次元表示パネルを固定支持して回転させる回転体と、
    前記回転体を回転自在に支持する支持体と、
    前記支持体側から前記回転体側に無線により画像データを送信する通信手段と、
    を具備することを特徴とする3次元画像表示装置。
  9. 前記2次元表示パネルは有機エレクトロルミネッセンスパネルであることを特徴とする請求項1、6または8項記載の3次元画像表示装置。
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