JP2005039439A - 超音波スピーカシステム及び超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法 - Google Patents
超音波スピーカシステム及び超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005039439A JP2005039439A JP2003198718A JP2003198718A JP2005039439A JP 2005039439 A JP2005039439 A JP 2005039439A JP 2003198718 A JP2003198718 A JP 2003198718A JP 2003198718 A JP2003198718 A JP 2003198718A JP 2005039439 A JP2005039439 A JP 2005039439A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reproduction
- signal
- sound
- playback
- wave
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)
Abstract
【課題】空間的な再生範囲を制御可能な超音波スピーカを用いて、情報通知を効果的に行うこと。
【解決手段】可聴周波数帯の信号波を生成する信号源10と、キャリア波を生成し、出力するキャリア波供給手段12と、キャリア波を信号波で変調する変調手段20と、変調手段から出力される変調信号により駆動され該変調信号を有限振幅レベルの音波に変換して媒質中に放射する超音波トランスデューサ24とを有し、再生信号を出力する超音波スピーカを含んで構成される超音波スピーカシステムにおいて、超音波トランスデューサは、広周波数帯域の音響信号を発振できる超音波トランスデューサであり、入力された再生範囲を示す距離情報を含む再生情報に基づいて段階的に空間的な再生範囲を変更するためにキャリア波の周波数を変更するようにキャリア波供給手段を制御する制御手段(16、18)を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】可聴周波数帯の信号波を生成する信号源10と、キャリア波を生成し、出力するキャリア波供給手段12と、キャリア波を信号波で変調する変調手段20と、変調手段から出力される変調信号により駆動され該変調信号を有限振幅レベルの音波に変換して媒質中に放射する超音波トランスデューサ24とを有し、再生信号を出力する超音波スピーカを含んで構成される超音波スピーカシステムにおいて、超音波トランスデューサは、広周波数帯域の音響信号を発振できる超音波トランスデューサであり、入力された再生範囲を示す距離情報を含む再生情報に基づいて段階的に空間的な再生範囲を変更するためにキャリア波の周波数を変更するようにキャリア波供給手段を制御する制御手段(16、18)を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波に対する媒質(空気)の非線形性を用いて可聴周波数帯の信号音を再生させるとともに、可聴周波数帯の信号音が再生される範囲を制御することができる超音波スピーカを含んで構成される超音波スピーカシステム及び超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、超音波に対する媒質(空気)の非線形性を利用した超音波スピーカが、通常のスピーカに比べてはるかに鋭い指向性を持つ可聴周波数帯の信号を再生し得ることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
従来の超音波スピーカの構成を図8に示す。同図において、超音波スピーカは、可聴周波数帯の信号を生成する可聴周波数波発振源151と、キャリア波を生成するキャリア波発振源152と、変調器153と、パワーアンプ154と、超音波トランスデューサ155とを有している。
【0003】
上記構成において、可聴周波数波発振源151より出力される信号波によってキャリア波発振源152から出力される超音波周波数帯のキャリア波を変調器153により変調し、パワーアンプ154で増幅した変調信号により超音波トランスデューサ155を駆動する。この結果、上記変調信号が超音波トランスデューサ155により有限振幅レベルの音波に変換され、この音波は媒質中(空気中)に放射されて媒質(空気)の非線形効果によって元の可聴周波数帯の信号音が再生されるようになっている。
この場合、可聴周波数帯の再生信号の再生範囲は、超音波トランスデューサ155から放出軸方向へのビーム状の範囲となる。ここで、「再生信号の再生範囲」とは超音波トランスデューサの音波放射面から放射軸方向に再生信号が到達する距離と、超音波ビームのビーム幅(ビーム放射角)との両者を含む。
【0004】
ここで、従来の超音波スピーカに使用されている超音波トランスデューサの構成を図9に示す。従来の超音波トランスデューサ(あるいは振動トランスデューサ)は、振動素子として圧電セラミックを用いた共振型がほとんどである。図9に示す超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いて電気信号から超音波への変換と、超音波から電気信号への変換(超音波の送信と受信)の両方を行う。図9(A)に示すバイモルフ型の超音波トランスデューサは、2枚の圧電セラミック161および162と、コーン163と、ケース164と、リード165および166と、スクリーン167とから構成されている。
【0005】
圧電セラミック161および162は、互いに貼り合わされていて、その貼り合わせ面と反対側の面にそれぞれリード165とリード166が接続されている。
一方、図9(B)に示すユニモルフ型の超音波トランスデューサは、1枚の圧電セラミック171と、ケース172と、リード173および174と、内部配線175と、ガラス176とから構成されている。圧電セラミック171は、内部配線175を介してリード173が接続されるとともに、ケース72に接地されている。
共振型の超音波トランスデューサは、圧電セラミックの共振現象を利用しているので、超音波の送信および受信の特性がその共振周波数周辺の比較的狭い周波数帯域で良好となる。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58−119293号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の超音波スピーカ(図8)では、圧電セラミックを用いた共振型である為、固定の共振周波数付近でしかキャリア信号周波数を変動させることができない為、再生範囲の制御という部分においては、通常のスピーカと同じく入力音圧の高低で調節することしかできないという問題が有った。
一方、再生音を情報通知(目覚まし音、アラーム通知、電話の呼出音、街角情報配信など)という側面から見ると、段階的に効果的な通知を必要とする際には、音量の制御や、再生音がアラームである場合には再生音のピッチを制御するなどして行われるのが一般的である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、空間的な再生範囲を制御可能な超音波スピーカを用いて、情報通知を効果的に行うことができる超音波スピーカシステム及び超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した従来技術において、空間的な再生範囲を制御可能な超音波スピーカを応用すると、段階的に効果的な通知が必要な場合の制御として「再生範囲の制御」も加えることができ、本発明で示す段階的な再生範囲制御を実現する超音波スピーカーシステム及び超音波スピーカの信号音再生制御方法を提供することができる。
本発明のポイントは、広周波数帯域の音響信号(音波)を発振できる超音波トランスデューサを用いた超音波スピーカを、キャリア波の周波数を変更することにより可聴周波数帯の再生信号の再生範囲を段階的に制御すると同時に、再生音の音量、ピッチ等も各段階で変更することにより段階的な情報通知(目覚まし音、アラーム通知、電話の呼出音、街角情報配信など)を効果的に行うようにした点にある。
具体的なイメージを挙げると、アラーム通知(携帯電話の着信音も含む)や目覚まし時計などにおいて、最初は狭い範囲で音が再生され、時間経過とともに再生範囲が広がっていくようなスピーカーシステムとなる。この仕組みにより、聴取を目的とする対象者以外に迷惑を極力かけない制御を可能とする超音波スピーカーシステムを実現することが可能となる。
従来のアラーム等での再生音量の段階的な制御や、ピッチの制御と組合わせることにより、より効果的な超音波スピーカーシステムを構成することが可能である。
また、再生情報を設定するにあたっては、リモートコントローラにより実際に聴取する位置に於いて、再生音等を確認しながら設定可能とすることにより利便性を更に向上させることができる。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、可聴周波数帯の信号波を生成する信号源から出力される信号波によりキャリア波を変調し、該変調信号により広周波数帯域の音響信号を発振できる超音波トランスデューサを駆動することにより可聴波周波数帯の信号音を再生させる空間的な再生範囲を変更可能な超音波スピーカを含んで構成される超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法であって、再生範囲を示す距離情報を含む再生情報に基づいて段階的に空間的な再生範囲を変更するように前記キャリア波の周波数を変更することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法において、前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた再生時間データを含み、複数段階にわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて前記空間的な再生範囲を段階的に変更することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の超音波スピーカシステムの信号音再生方法において、前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた再生時間データ及び再生音量データを含み、複数段階にわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、段階毎に再生範囲に応じて再生音量を変更することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の超音波スピーカシステムの信号音再生方法において、前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた再生時間データ及び再生音のピッチデータを含み、複数段階にわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて再生音のピッチを変更することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の超音波スピーカシステムの信号音再生方法において、前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた、再生時間データ、再生音量データ及び再生音のピッチデータを含み、複数段階ににわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて再生音量及び再生音のピッチを変更することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の超音波スピーカの信号音再生制御方法において、前記超音波トランスデューサは、広周波数帯域の音響信号を発振できる静電型トランスデューサであることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、可聴周波数帯の信号波を生成する信号源と、キャリア波を生成し、出力するキャリア波供給手段と、前記キャリア波を前記信号波で変調する変調手段と、前記変調手段から出力される変調信号により駆動され該変調信号を有限振幅レベルの音波に変換して媒質中に放射する超音波トランスデューサとを有し、可聴波周波数帯の信号音である再生信号を出力する超音波スピーカを含んで構成される超音波スピーカシステムにおいて、前記超音波トランスデューサは、広周波数帯域の音響信号を発振できる超音波トランスデューサであり、入力された再生範囲を示す距離情報を含む再生情報に基づいて段階的に空間的な再生範囲を変更するために前記キャリア波の周波数を変更するように前記キャリア波供給手段を制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の超音波スピーカシステムにおいて、前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた、再生時間データと、再生音量データ及び再生音のピッチデータのいずれか一方または双方とを含み、前記制御手段は、複数段階にわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて再生音量及び再生音のピッチのいずれか一方または双方を変更するために、前記キャリア波の周波数及び前記信号波の振幅、または前記キャリア波の周波数、前記信号波の振幅及び周波数を変更するように前記キャリア波供給手段及び前記信号源を制御することを特徴とする。
【0017】
また、請求項9に記載の発明は、可聴周波数帯の信号波を生成する信号源と、キャリア波を生成し、出力するキャリア波供給手段と、前記キャリア波を前記信号波で変調する変調手段と、前記変調手段から出力される変調信号により駆動され該変調信号を有限振幅レベルの音波に変換して媒質中に放射する超音波トランスデューサとを有し、可聴波周波数帯の信号音である再生信号を出力する超音波スピーカを含んで構成される超音波スピーカシステムにおいて、前記超音波トランスデューサは、広周波数帯域の音響信号を発振できる超音波トランスデューサであり、前記再生信号の空間的な段階的再生範囲を指定するための距離情報を含む再生情報を設定し、保持する再生情報設定手段と、前記再生情報設定手段の設定内容を参照し、設定された再生情報に応じた制御情報を出力する再生管理手段と、前記再生管理手段から出力される制御情報に基づいて少なくとも設定された再生範囲となるよう前記キャリア波の周波数を変更するように前記キャリア波供給手段を制御する再生範囲制御手段とを有することを特徴とする。
【0018】
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の超音波スピーカシステムにおいて、前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた、再生時間データと、再生音量データ及び再生音のピッチデータのいずれか一方または双方とを含み、
前記再生範囲制御手段は、前記再生管理手段から入力された制御情報に基づいて複数段階にわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて再生音量及び再生音のピッチのいずれか一方または双方を変更するために、前記キャリア波の周波数及び前記信号波の振幅、または前記キャリア波の周波数、前記信号波の振幅及び周波数を変更するように前記キャリア波供給手段及び前記信号源を制御することを特徴とする。
【0019】
また、請求項11に記載の発明は、請求項7乃至10のいずれかに記載の超音波スピーカシステムにおいて、さらに、前記再生音の再生範囲を示す距離情報を含む再生情報を設定するリモートコントローラを有し、該リモートコントローラにより前記再生情報設定手段と通信して前記再生情報を設定することを特徴とする。
【0020】
また、請求項12に記載の発明は、請求項7乃至11のいずれかに記載の超音波スピーカにおいて、前記超音波トランスデューサは、広周波数帯域の音響信号を発振できる静電型トランスデューサであることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態に係る超音波スピーカシステムの構成を図1に示す。同図において、超音波スピーカシステム1は可聴周波数波発振源10と、キャリア波発振源12と、段階情報設定部14と、再生管理部16と、再生範囲制御処理部18と、変調器20と、パワーアンプ22と、超音波トランスデューサ24と、リモートコントローラ(RC)25とを有している。
【0022】
可聴周波数波発振源10は可聴周波数帯の信号波を生成する機能を有する。可聴周波数波発振源10は本発明の信号源に相当する。
また、キャリア波発振源12は、超音波周波数帯の周波数のキャリア波を生成する機能を有する。
段階情報設定部14は、操作用キー、つまみ等の操作手段を有しており、再生信号(再生音)の段階的再生制御を行う際の段階数、空間的な再生範囲(各段階での再生範囲)、各段階での再生時間、再生音量、再生信号のピッチ(このうち、再生音量、再生音のピッチは、情報通知の目的に応じて任意的に設定される。
)等を指定するための再生情報をユーザが入力できるようになっている。
【0023】
また、段階情報設定部14は通信機能を有しており、ユーザがリモートコントローラ25により再生情報を入力することにより、再生情報を設定できるようになっている。段階情報設定部14は、再生情報が入力されると、該再生情報を設定し、保持する機能を有している。段階情報設定部14は、本発明の再生情報設定手段に相当する。
再生信号の空間的な再生範囲の設定は、超音波トランスデューサ24の音波放射面から放射軸方向に再生信号が到達する距離を指定することに行われる。また、上記空間的な再生範囲の設定は、上記距離を指定する代わりに、直接、キャリア波の周波数を指定するようにしてもよい。
一般に、超音波が媒体中(空気中)を伝播する際、媒質の粘性による減衰量は周波数の2乗に比例する。この為、音波の周波数帯が高くなればなるほど、その到達距離は短くなる。キャリア波の到達距離を制御することに伴い、媒質(空気)の非線形性による可聴周波数帯の再生信号の到達距離も制御されることになる。すなわち、キャリア波の周波数と再生信号の到達距離は相関がある。また、キャリア波の周波数と再生信号のビーム幅にも相関がある。
【0024】
段階情報設定部14の具体的構成を図2に示す。同図において、段階情報設定部14は、CPU140と、ROM141と、RAM142と、入出力インターフェース143と、操作入力部144と、通信部145と、表示部146とを有している。
ROM141には、各種制御プログラム及び固定データが格納されている。また、ROM141には、再生範囲を規定する超音波トランスデューサ24の音波放射面から放射軸方向に再生信号が到達する距離とキャリア波の周波数との関係を示すテーブルが予め記憶されている。このテーブルのデータは、キャリア波の周波数と上記再生信号の到達距離との関係を実際に計測することにより得られる。
【0025】
操作入力部144は、テンキー、文字キー、機能キー等の操作キーや、アナログデータを入力するためのつまみ等を有している。ユーザは、操作キーやつまみ等を操作することにより段階的再生制御を行うための再生情報を入力する。
RAM142には、段階的な再生範囲制御における段階数、すなわち、何段階にわたって再生範囲を変更するのかを指定するデータ、各段階に対応づけられた空間的な再生範囲を規定する距離情報、再生時間データ、再生音量データ、再生音のピッチデータ等の再生情報が格納されるメモリエリアが設けられており、操作入力部144の入力操作により上記メモリエリアに再生情報が格納される。
上記RAM142に格納された上記再生範囲を規定する距離情報は、CPU140がROM141に格納されたテーブルを参照することによりキャリア周波数に変換され、RAM142の所定のメモリエリアに格納されるようになっている。
【0026】
またユーザが、再生情報を特に指定しない場合には、段階的再生制御を行わないか、または、ROM141に固定的な段階的再生制御を行うための制御データを格納しておき、これを読み出すことにより所定の段階的再生制御を行うようにしてもよい。
入出力インターフェース143は、再生管理部16が、段階情報設定部14にアクセスする際のインターフェース動作を行う。
通信部145は、例えば、赤外線通信インターフェースであり、リモートコントローラ25と通信を行い、リモートコントローラ25から入力された再生情報をCPU140の制御下にRAM142の所定のメモリエリアに書き込む。
【0027】
表示部146は、再生情報の設定動作に関連するメニュー表示や、入力データ等の表示等を行う表示部であり、例えば、液晶ディスプレイで構成される。
CPU140は、ROM141に格納されている制御プログラムを実行することにより各部を制御する。CPU140と、ROM141と、RAM142と、入出力インターフェース143と、操作入力部144と、通信部145と、表示部146とは、バス147を介して相互に接続されている。
【0028】
また、再生管理部16は、段階情報設定部14の設定内容を参照し、再生範囲制御処理部18の要求に応じて設定された再生情報に応じた制御情報を出力する機能を有する。この制御情報は、空間的な段階的再生範囲を制御する際の各段階に対応付けられて段階情報設定部14に設定された超音波トランスデューサ24の音波放射面からの再生信号の到達距離に対応するキャリア波の周波数、再生時間、再生音量(信号波の振幅)、再生音のピッチ(信号波の周波数)を指定する情報であり、この情報は、記憶部160に記憶保持されるとともに、再生範囲制御処理部18に出力する。再生管理部16は本発明の再生管理手段に相当する。
【0029】
再生範囲制御処理部18は、再生管理部16から出力される制御情報に基づいて少なくとも設定された再生範囲となるようキャリア波の周波数を変更するようにキャリア波発振源12を制御する機能を有する。例えば、再生範囲設定部14の内部情報として、キャリア波周波数が50kHzに対応する上記距離が設定されている場合、キャリア波発振源12に対して50kHzで発振するように制御する。
【0030】
また、再生範囲制御処理部18は、再生管理部16から入力された制御情報に基づいて複数段階にわたって空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて再生音量及び再生音のピッチのいずれか一方または双方を変更するために、キャリア波の周波数及び信号波の振幅、またはキャリア波の周波数、信号波の振幅及び周波数を変更するようにキャリア波発振源12及び可聴周波数波発振源10を制御する機能を有する。再生範囲制御処理部18は、本発明の再生範囲制御手段に相当する。また、再生管理部16及び再生範囲制御処理部18は、本発明の制御手段に相当する。
【0031】
キャリア波発振源12は再生範囲制御処理部18に指示された周波数のキャリア波を生成し、変調器20に供給する。
変調器20はキャリア波発振源12から供給されるキャリア波を可聴周波数波発振源10より出力される信号波でAM変調し、変調信号をパワーアンプ22に出力する機能を有する。キャリア波発振源12は本発明のキャリア波供給手段に、変調器20は本発明の変調手段に、それぞれ相当する。
【0032】
超音波トランスデューサ24は、変調器20からパワーアンプ22を介して出力される変調信号により駆動され、該変調信号を有限振幅レベルの音波に変換して媒質中に放射し、可聴周波数帯の信号音(再生信号)を再生する機能を有する。
この超音波トランスデューサ24は、例えば、広周波数帯域の音響信号(超音波)を発振できる静電型トランスデューサである。超音波トランスデューサ22は、広周波数帯域の音響信号を発振できるものであれば、静電型のものでなくてもよい。
【0033】
超音波トランスデューサ24の具体的構成を図3に示す。図3に示す静電型の超音波トランスデューサは、振動体として3〜10μm程度の厚さのPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)等の誘電体31(絶縁体)を用いている。誘電体31に対しては、アルミ等の金属箔として形成される上電極32がその上面部に蒸着等の処理によって一体形成されるとともに、真鍮で形成された下電極33が誘電体31の下面部に接触するように設けられている。この下電極33は、リード52が接続されるとともに、ベークライト等からなるベース板35に固定されている。
【0034】
また、上電極32は、リード53が接続されており、このリード53は直流バイアス電源50に接続されている。この直流バイアス電源50により上電極32には50〜150V程度の上電極吸着用の直流バイアス電圧が常時、印加され上電極32が下電極33側に吸着されるようになっている。51は交流信号源であり、図1におけるパワーアンプ22の出力(AC50〜150Vp−p)に相当する。
誘電体31および上電極32ならびにベース板35は、メタルリング36、37、および38、ならびにメッシュ39とともに、ケース30によってかしめられている。
【0035】
下電極33の誘電体31側の面には不均一な形状を有する数十〜数百μm程度の微小な溝が複数形成されている。この微小な溝は、下電極33と誘電体31との間の空隙となるので、上電極32および下電極33間の静電容量の分布が微小に変化する。このランダムな微小な溝は、下電極33の表面を手作業によりヤスリで荒らすことで形成されている。静電方式の超音波トランスデューサでは、このようにして空隙の大きさや深さの異なる無数のコンデンサを形成することによって、超音波トランスデューサの周波数特性が図4において曲線Q1に示すように広帯域となっている。
【0036】
上記構成の超音波トランスデューサ22では、上電極32に直流バイアス電圧が印加された状態で上電極31と下電極33との間に変調信号(パワーアンプ22の出力)が印加されるようになっている。因みに、図4に曲線Q2で示すように共振型の超音波トランスデューサの周波数特性は、中心周波数(圧電セラミックの共振周波数)が例えば、40kHzであり、最大音圧となる中心周波数に対して±5kHzの周波数において最大音圧に対して−30dBである。これに対して、上記構成の広帯域発振型の超音波トランスデューサの周波数特性は、40kHzから100kHz付近まで平坦で、100kHzで最大音圧に比して±6dB程度である。
【0037】
上記構成からなる本発明の実施形態に係る超音波スピーカシステムの動作について説明する。段階情報設定部14により、再生信号の再生範囲(超音波トランスデューサ24の音波放射面から放射軸方向に再生信号が到達する距離)を含む再生情報が設定されると、再生管理部16は、段階情報設定部14に設定されている再生情報を参照し、該再生情報を内蔵する記憶部160に格納するとともに、該再生情報に応じた制御情報、すなわち、空間的な段階的再生範囲を制御する際の各段階に対応付けられて段階情報設定部14に設定された超音波トランスデューサ24の音波放射面からの再生信号の到達距離に対応するキャリア波の周波数、再生時間、さらには、再生音量(信号波の振幅)、再生音のピッチ(信号波の周波数)を制御するための制御情報を再生範囲制御処理部18に出力する。
【0038】
再生範囲制御処理部18は、再生管理部16から出力される制御情報に基づいて設定された段階数及び各段階に対応付けて設定された再生範囲となるよう各段階キャリア波の周波数を変更するようにキャリア波発振源12を制御する。
また、再生範囲制御処理部18は、複数段階にわたって空間的な再生範囲を変更する際に、制御情報に基づいて各段階に設定された再生時間に応じて再生音量及び再生音のピッチのいずれか一方または双方を変更するために、キャリア波の周波数及び信号波の振幅、またはキャリア波の周波数、信号波の振幅及び周波数を変更するようにキャリア波発振源12及び可聴周波数波発振源10を制御する。
【0039】
この結果、キャリア波発振源12は、段階情報設定部14で設定された各段階の再生時間において再生信号の上記到達距離に対応する周波数のキャリア波を生成し、変調器20の一方の入力端に出力する。
また、可聴周波数波発信源10は、段階情報設定部14で設定された各段階の再生時間において再生音の音量、ピッチとなるような振幅、周波数の可聴周波数帯の信号波を生成し、変調器20の他方の入力端に出力する。
変調器20では、キャリア波発信源12から入力されたキャリア波を可聴周波数波発振源10より入力された低周波信号でAM変調し、該変調信号をパワーアンプ22に出力する。
【0040】
パワーアンプ22により増幅された変調信号は、超音波トランスデューサ24の上電極32と下電極33との間に印加され、該変調信号は、有限振幅レベルの音波(音響信号)に変換され、媒質(空気中)に放射される。
ここで、媒質(空気)の非線形効果について簡単に述べておくと、超音波トランスデューサにより媒質中(空気中)に放射された超音波の伝播において、その伝播に伴い音圧の高い部分では音速が高くなり、音圧の低い部分では音速は遅くなる。この結果、波形の歪みが発生することが知られている。
【0041】
放射する超音波帯域の信号(キャリア波)を可聴周波数帯の信号で変調(AM変調)しておいた場合には、上記波形歪みの結果により、変調時に用いた可聴周波数帯の信号波が自己復調する形で形成されてくることも知られている。その際、再生信号の広がりは超音波の特性からビーム状となり、通常のスピーカとは全く異なる特定方向のみに音が再生される。
本実施形態に係る超音波スピーカシステム1によるキャリア波の周波数を変更した際の再生時の状態の一例を図5に示す。段階情報設定部14により再生範囲として超音波スピーカシステム1における超音波トランスデューサ22の音波放射面から音波の放射軸Z方向に比較的近い距離D1が設定された場合には、距離D1に対応するキャリア波の周波数が例えば、100kHzとなり距離D1の範囲で再生信号が再生される。図5では、空間的な段階的再生範囲の変化状態については、示していない。
【0042】
また、距離D1より遠い距離D2が段階情報設定部14により設定された場合には、距離D2に対応するキャリア波の周波数が例えば、40kHzとなり距離D2の範囲で再生信号が再生される。なお、キャリア波の周波数の高低により超音波トランスデューサ22より放射される音波のビーム幅が変化するので、超音波トランスデューサ22の音波放射面から音波の放射軸Z方向に距離Dを設定することにより、ビーム幅も同時に決定されることとなる。
【0043】
次に、図1に示した超音波スピーカシステム1を情報通知装置としての目覚まし時計に適用した場合の実施例について説明する。本実施例に係る目覚まし時計の構成は図1に示した超音波スピーカーシステムと基本的に同一であり、目覚ましの基本的な構成である時刻表示や通知時間設定に必要な構成は説明の便宜上、省略してある。したがって、構成については図1及び図2を使用して説明する。
【0044】
段階情報設定部14は、通知に伴い段階的に通知方法を変える為に必要な情報が設定・保持されることになる。段階の設定は幾つあっても構わないが、本実施例では図7に示すように、ユーザの設定により2段階の再生範囲制御が行われるものとする。以下に本実施例に係る目覚まし時計の動作を図6のフローチャート及び図7の説明図を参照して説明する。図6において、時刻が設定時刻に達すると、目覚まし時計70において、目覚まし音の再生処理が開始される(ステップ60)。
次いで、再生管理部16は、段階情報設定部14内のRAM142に設定されている第1段階の再生情報を参照し(ステップ61)、記憶部160に参照した第1段階の再生情報(キャリア波の周波数及び再生時間)を記憶・保持するとともに、該再生情報に応じた制御情報を再生範囲制御処理部18に出力する(ステップ62)。
【0045】
次いで、再生範囲制御処理部18は、再生管理部16から受け取った制御情報に基づいてキャリア波発振源12及び可聴周波数波発振源10を制御する(ステップ63)。この結果、図7に示すように第1段階の再生範囲に目覚まし音が再生される。図7に示す例では、第1段階で設定された空間的な再生範囲に、すなわち目覚まし音の再生対象者Aの寝ているエリア80にのみ到達するように再生音が放射される。ここで、図7中では再生範囲に対象者Aが入っているが、周りの非対象者B,Cは再生範囲に入っておらず、周囲への迷惑通知はこの時点では発生していない。
【0046】
ステップ64で、第1段階に対応して設定されている再生時間をチェックし(ステップ64)、再生時間が終了していない場合においてユーザより再生終了の指示が有る場合(ステップ65)、すなわち、対象者Aが目覚まし音に気付いて、目覚まし音を止める操作を行えば、この時点で処理は終了する(ステップ68)。
他方、ステップ64において、第1段階の再生範囲に対応づけて設定された再生時間が終了したと判定された場合、すなわち、対象者Aが目覚まし音により目覚めない場合には、再生管理部16は、段階情報設定部14のRAM142に設定内容を参照し、次の段階(この場合には第2段階)の再生情報が存在するか否かが判定される(ステップ66、67)。
【0047】
ステップ67の判定で第2段階の再生情報が存在すると判定された場合には、ステップ62に戻り、既述した処理を繰り返す。すなわち、図7に示すように第2段階の再生が行われ、この第2段階の再生では、第1段階の再生の場合に比してキャリア波の周波数が低く設定されるために、目覚まし時計に内蔵する超音波トランスデューサ24の音波放射面の放射軸方向に再生音が到達する距離が長くなり、前方の壁等84でビーム状に放射された再生音が拡散され、目覚まし音の再生の対象となっていない対象者Aの周囲の非対象者B、Cが寝ているエリア81、82にも再生音が聞こえるようになる。
【0048】
この場合に、対象者Aだけでなく、周囲の非対象者B,Cにも聞こえる音で再生されることになり、通常の目覚まし時計で利用されるスピーカの再生音と同様の機能を果たすことになり、周囲の非対象者が目覚まし音に気付くことができる。この場合には、周囲には迷惑をかけてしまうが、目覚まし時計として本来の目的を達成することができる。
第1段階の通知に対し、対象者が気付かなかった場合には、設定されている再生時間を経過した後に、第2段階の通知となり、図7中の第2段階とされている範囲に目覚まし音が再生される。
【0049】
なお、上記実施例では、再生音の音量及びピッチの制御については触れていないが、既述した実施形態と同様に再生情報として再生の各段階において再生音の音量及びピッチについて再生情報の設定があれば、可聴周波数帯の信号波の振幅(音量)、周波数(ピッチ)について各段階において可聴周波数波発信源を制御することにより制御でき、より効果的な情報通知を行うことができる。
本実施例によれば、通知対象者が個人的に利用する目覚まし時計において、通知音の再生範囲が段階的に広がって行く機能を有していることにより、周囲にいる非対象者には極力迷惑をかけない通知が実現される。
すなわち、従来の目覚まし時計と異なる点は、第1の段階での通知時には、周囲の非対象者は通知音の再生範囲に人らないようにできることであり、この結果、聴取を目的とする対象者以外に迷惑を極力かけない制御を可能とする目覚まし時計が実現される。
【0050】
尚、本実施例では超音波スピーカシステムを目覚まし時計に適用した例について説明したが、一般的な通知、すなわち、再生音をアラーム通知、電話の呼出音(携帯電話機の着信通知等を含む。)、街角情報配信などを行う情報通知装置にも適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る超音波スピーカシステムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係る超音波スピーカシステムにおける段階情報設定部の具体的構成を示すブロック図。
【図3】図1に示した本発明の実施形態に係る超音波スピーカにおける超音波トランスデューサの具体的構成を示す図。
【図4】図3に示した超音波トランスデューサの周波数特性を示す特性図。
【図5】本発明の実施形態に係る超音波スピーカシステムによる再生信号の再生時の状態を示すイメージ図。
【図6】本発明の実施形態に係る超音波スピーカシステムを目覚まし時計に適用した実施例を示し、その動作を示すフローチャート。
【図7】本発明の実施形態に係る超音波スピーカシステムを目覚まし時計に適用した際の再生時の状態を示す説明図。
【図8】従来の超音波スピーカの構成を示すブロック図。
【図9】共振型の超音波トランスデューサの構成例を示す図。
【符号の説明】
10…可聴周波数波発振源
12…キャリア波発振源
14…段階情報設定部
16…再生管理部
18…再生範囲制御処理部
20…変調器
22…パワーアンプ
24…超音波トランスデューサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波に対する媒質(空気)の非線形性を用いて可聴周波数帯の信号音を再生させるとともに、可聴周波数帯の信号音が再生される範囲を制御することができる超音波スピーカを含んで構成される超音波スピーカシステム及び超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、超音波に対する媒質(空気)の非線形性を利用した超音波スピーカが、通常のスピーカに比べてはるかに鋭い指向性を持つ可聴周波数帯の信号を再生し得ることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
従来の超音波スピーカの構成を図8に示す。同図において、超音波スピーカは、可聴周波数帯の信号を生成する可聴周波数波発振源151と、キャリア波を生成するキャリア波発振源152と、変調器153と、パワーアンプ154と、超音波トランスデューサ155とを有している。
【0003】
上記構成において、可聴周波数波発振源151より出力される信号波によってキャリア波発振源152から出力される超音波周波数帯のキャリア波を変調器153により変調し、パワーアンプ154で増幅した変調信号により超音波トランスデューサ155を駆動する。この結果、上記変調信号が超音波トランスデューサ155により有限振幅レベルの音波に変換され、この音波は媒質中(空気中)に放射されて媒質(空気)の非線形効果によって元の可聴周波数帯の信号音が再生されるようになっている。
この場合、可聴周波数帯の再生信号の再生範囲は、超音波トランスデューサ155から放出軸方向へのビーム状の範囲となる。ここで、「再生信号の再生範囲」とは超音波トランスデューサの音波放射面から放射軸方向に再生信号が到達する距離と、超音波ビームのビーム幅(ビーム放射角)との両者を含む。
【0004】
ここで、従来の超音波スピーカに使用されている超音波トランスデューサの構成を図9に示す。従来の超音波トランスデューサ(あるいは振動トランスデューサ)は、振動素子として圧電セラミックを用いた共振型がほとんどである。図9に示す超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いて電気信号から超音波への変換と、超音波から電気信号への変換(超音波の送信と受信)の両方を行う。図9(A)に示すバイモルフ型の超音波トランスデューサは、2枚の圧電セラミック161および162と、コーン163と、ケース164と、リード165および166と、スクリーン167とから構成されている。
【0005】
圧電セラミック161および162は、互いに貼り合わされていて、その貼り合わせ面と反対側の面にそれぞれリード165とリード166が接続されている。
一方、図9(B)に示すユニモルフ型の超音波トランスデューサは、1枚の圧電セラミック171と、ケース172と、リード173および174と、内部配線175と、ガラス176とから構成されている。圧電セラミック171は、内部配線175を介してリード173が接続されるとともに、ケース72に接地されている。
共振型の超音波トランスデューサは、圧電セラミックの共振現象を利用しているので、超音波の送信および受信の特性がその共振周波数周辺の比較的狭い周波数帯域で良好となる。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58−119293号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の超音波スピーカ(図8)では、圧電セラミックを用いた共振型である為、固定の共振周波数付近でしかキャリア信号周波数を変動させることができない為、再生範囲の制御という部分においては、通常のスピーカと同じく入力音圧の高低で調節することしかできないという問題が有った。
一方、再生音を情報通知(目覚まし音、アラーム通知、電話の呼出音、街角情報配信など)という側面から見ると、段階的に効果的な通知を必要とする際には、音量の制御や、再生音がアラームである場合には再生音のピッチを制御するなどして行われるのが一般的である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、空間的な再生範囲を制御可能な超音波スピーカを用いて、情報通知を効果的に行うことができる超音波スピーカシステム及び超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した従来技術において、空間的な再生範囲を制御可能な超音波スピーカを応用すると、段階的に効果的な通知が必要な場合の制御として「再生範囲の制御」も加えることができ、本発明で示す段階的な再生範囲制御を実現する超音波スピーカーシステム及び超音波スピーカの信号音再生制御方法を提供することができる。
本発明のポイントは、広周波数帯域の音響信号(音波)を発振できる超音波トランスデューサを用いた超音波スピーカを、キャリア波の周波数を変更することにより可聴周波数帯の再生信号の再生範囲を段階的に制御すると同時に、再生音の音量、ピッチ等も各段階で変更することにより段階的な情報通知(目覚まし音、アラーム通知、電話の呼出音、街角情報配信など)を効果的に行うようにした点にある。
具体的なイメージを挙げると、アラーム通知(携帯電話の着信音も含む)や目覚まし時計などにおいて、最初は狭い範囲で音が再生され、時間経過とともに再生範囲が広がっていくようなスピーカーシステムとなる。この仕組みにより、聴取を目的とする対象者以外に迷惑を極力かけない制御を可能とする超音波スピーカーシステムを実現することが可能となる。
従来のアラーム等での再生音量の段階的な制御や、ピッチの制御と組合わせることにより、より効果的な超音波スピーカーシステムを構成することが可能である。
また、再生情報を設定するにあたっては、リモートコントローラにより実際に聴取する位置に於いて、再生音等を確認しながら設定可能とすることにより利便性を更に向上させることができる。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、可聴周波数帯の信号波を生成する信号源から出力される信号波によりキャリア波を変調し、該変調信号により広周波数帯域の音響信号を発振できる超音波トランスデューサを駆動することにより可聴波周波数帯の信号音を再生させる空間的な再生範囲を変更可能な超音波スピーカを含んで構成される超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法であって、再生範囲を示す距離情報を含む再生情報に基づいて段階的に空間的な再生範囲を変更するように前記キャリア波の周波数を変更することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法において、前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた再生時間データを含み、複数段階にわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて前記空間的な再生範囲を段階的に変更することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の超音波スピーカシステムの信号音再生方法において、前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた再生時間データ及び再生音量データを含み、複数段階にわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、段階毎に再生範囲に応じて再生音量を変更することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の超音波スピーカシステムの信号音再生方法において、前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた再生時間データ及び再生音のピッチデータを含み、複数段階にわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて再生音のピッチを変更することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の超音波スピーカシステムの信号音再生方法において、前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた、再生時間データ、再生音量データ及び再生音のピッチデータを含み、複数段階ににわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて再生音量及び再生音のピッチを変更することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の超音波スピーカの信号音再生制御方法において、前記超音波トランスデューサは、広周波数帯域の音響信号を発振できる静電型トランスデューサであることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、可聴周波数帯の信号波を生成する信号源と、キャリア波を生成し、出力するキャリア波供給手段と、前記キャリア波を前記信号波で変調する変調手段と、前記変調手段から出力される変調信号により駆動され該変調信号を有限振幅レベルの音波に変換して媒質中に放射する超音波トランスデューサとを有し、可聴波周波数帯の信号音である再生信号を出力する超音波スピーカを含んで構成される超音波スピーカシステムにおいて、前記超音波トランスデューサは、広周波数帯域の音響信号を発振できる超音波トランスデューサであり、入力された再生範囲を示す距離情報を含む再生情報に基づいて段階的に空間的な再生範囲を変更するために前記キャリア波の周波数を変更するように前記キャリア波供給手段を制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の超音波スピーカシステムにおいて、前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた、再生時間データと、再生音量データ及び再生音のピッチデータのいずれか一方または双方とを含み、前記制御手段は、複数段階にわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて再生音量及び再生音のピッチのいずれか一方または双方を変更するために、前記キャリア波の周波数及び前記信号波の振幅、または前記キャリア波の周波数、前記信号波の振幅及び周波数を変更するように前記キャリア波供給手段及び前記信号源を制御することを特徴とする。
【0017】
また、請求項9に記載の発明は、可聴周波数帯の信号波を生成する信号源と、キャリア波を生成し、出力するキャリア波供給手段と、前記キャリア波を前記信号波で変調する変調手段と、前記変調手段から出力される変調信号により駆動され該変調信号を有限振幅レベルの音波に変換して媒質中に放射する超音波トランスデューサとを有し、可聴波周波数帯の信号音である再生信号を出力する超音波スピーカを含んで構成される超音波スピーカシステムにおいて、前記超音波トランスデューサは、広周波数帯域の音響信号を発振できる超音波トランスデューサであり、前記再生信号の空間的な段階的再生範囲を指定するための距離情報を含む再生情報を設定し、保持する再生情報設定手段と、前記再生情報設定手段の設定内容を参照し、設定された再生情報に応じた制御情報を出力する再生管理手段と、前記再生管理手段から出力される制御情報に基づいて少なくとも設定された再生範囲となるよう前記キャリア波の周波数を変更するように前記キャリア波供給手段を制御する再生範囲制御手段とを有することを特徴とする。
【0018】
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の超音波スピーカシステムにおいて、前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた、再生時間データと、再生音量データ及び再生音のピッチデータのいずれか一方または双方とを含み、
前記再生範囲制御手段は、前記再生管理手段から入力された制御情報に基づいて複数段階にわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて再生音量及び再生音のピッチのいずれか一方または双方を変更するために、前記キャリア波の周波数及び前記信号波の振幅、または前記キャリア波の周波数、前記信号波の振幅及び周波数を変更するように前記キャリア波供給手段及び前記信号源を制御することを特徴とする。
【0019】
また、請求項11に記載の発明は、請求項7乃至10のいずれかに記載の超音波スピーカシステムにおいて、さらに、前記再生音の再生範囲を示す距離情報を含む再生情報を設定するリモートコントローラを有し、該リモートコントローラにより前記再生情報設定手段と通信して前記再生情報を設定することを特徴とする。
【0020】
また、請求項12に記載の発明は、請求項7乃至11のいずれかに記載の超音波スピーカにおいて、前記超音波トランスデューサは、広周波数帯域の音響信号を発振できる静電型トランスデューサであることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態に係る超音波スピーカシステムの構成を図1に示す。同図において、超音波スピーカシステム1は可聴周波数波発振源10と、キャリア波発振源12と、段階情報設定部14と、再生管理部16と、再生範囲制御処理部18と、変調器20と、パワーアンプ22と、超音波トランスデューサ24と、リモートコントローラ(RC)25とを有している。
【0022】
可聴周波数波発振源10は可聴周波数帯の信号波を生成する機能を有する。可聴周波数波発振源10は本発明の信号源に相当する。
また、キャリア波発振源12は、超音波周波数帯の周波数のキャリア波を生成する機能を有する。
段階情報設定部14は、操作用キー、つまみ等の操作手段を有しており、再生信号(再生音)の段階的再生制御を行う際の段階数、空間的な再生範囲(各段階での再生範囲)、各段階での再生時間、再生音量、再生信号のピッチ(このうち、再生音量、再生音のピッチは、情報通知の目的に応じて任意的に設定される。
)等を指定するための再生情報をユーザが入力できるようになっている。
【0023】
また、段階情報設定部14は通信機能を有しており、ユーザがリモートコントローラ25により再生情報を入力することにより、再生情報を設定できるようになっている。段階情報設定部14は、再生情報が入力されると、該再生情報を設定し、保持する機能を有している。段階情報設定部14は、本発明の再生情報設定手段に相当する。
再生信号の空間的な再生範囲の設定は、超音波トランスデューサ24の音波放射面から放射軸方向に再生信号が到達する距離を指定することに行われる。また、上記空間的な再生範囲の設定は、上記距離を指定する代わりに、直接、キャリア波の周波数を指定するようにしてもよい。
一般に、超音波が媒体中(空気中)を伝播する際、媒質の粘性による減衰量は周波数の2乗に比例する。この為、音波の周波数帯が高くなればなるほど、その到達距離は短くなる。キャリア波の到達距離を制御することに伴い、媒質(空気)の非線形性による可聴周波数帯の再生信号の到達距離も制御されることになる。すなわち、キャリア波の周波数と再生信号の到達距離は相関がある。また、キャリア波の周波数と再生信号のビーム幅にも相関がある。
【0024】
段階情報設定部14の具体的構成を図2に示す。同図において、段階情報設定部14は、CPU140と、ROM141と、RAM142と、入出力インターフェース143と、操作入力部144と、通信部145と、表示部146とを有している。
ROM141には、各種制御プログラム及び固定データが格納されている。また、ROM141には、再生範囲を規定する超音波トランスデューサ24の音波放射面から放射軸方向に再生信号が到達する距離とキャリア波の周波数との関係を示すテーブルが予め記憶されている。このテーブルのデータは、キャリア波の周波数と上記再生信号の到達距離との関係を実際に計測することにより得られる。
【0025】
操作入力部144は、テンキー、文字キー、機能キー等の操作キーや、アナログデータを入力するためのつまみ等を有している。ユーザは、操作キーやつまみ等を操作することにより段階的再生制御を行うための再生情報を入力する。
RAM142には、段階的な再生範囲制御における段階数、すなわち、何段階にわたって再生範囲を変更するのかを指定するデータ、各段階に対応づけられた空間的な再生範囲を規定する距離情報、再生時間データ、再生音量データ、再生音のピッチデータ等の再生情報が格納されるメモリエリアが設けられており、操作入力部144の入力操作により上記メモリエリアに再生情報が格納される。
上記RAM142に格納された上記再生範囲を規定する距離情報は、CPU140がROM141に格納されたテーブルを参照することによりキャリア周波数に変換され、RAM142の所定のメモリエリアに格納されるようになっている。
【0026】
またユーザが、再生情報を特に指定しない場合には、段階的再生制御を行わないか、または、ROM141に固定的な段階的再生制御を行うための制御データを格納しておき、これを読み出すことにより所定の段階的再生制御を行うようにしてもよい。
入出力インターフェース143は、再生管理部16が、段階情報設定部14にアクセスする際のインターフェース動作を行う。
通信部145は、例えば、赤外線通信インターフェースであり、リモートコントローラ25と通信を行い、リモートコントローラ25から入力された再生情報をCPU140の制御下にRAM142の所定のメモリエリアに書き込む。
【0027】
表示部146は、再生情報の設定動作に関連するメニュー表示や、入力データ等の表示等を行う表示部であり、例えば、液晶ディスプレイで構成される。
CPU140は、ROM141に格納されている制御プログラムを実行することにより各部を制御する。CPU140と、ROM141と、RAM142と、入出力インターフェース143と、操作入力部144と、通信部145と、表示部146とは、バス147を介して相互に接続されている。
【0028】
また、再生管理部16は、段階情報設定部14の設定内容を参照し、再生範囲制御処理部18の要求に応じて設定された再生情報に応じた制御情報を出力する機能を有する。この制御情報は、空間的な段階的再生範囲を制御する際の各段階に対応付けられて段階情報設定部14に設定された超音波トランスデューサ24の音波放射面からの再生信号の到達距離に対応するキャリア波の周波数、再生時間、再生音量(信号波の振幅)、再生音のピッチ(信号波の周波数)を指定する情報であり、この情報は、記憶部160に記憶保持されるとともに、再生範囲制御処理部18に出力する。再生管理部16は本発明の再生管理手段に相当する。
【0029】
再生範囲制御処理部18は、再生管理部16から出力される制御情報に基づいて少なくとも設定された再生範囲となるようキャリア波の周波数を変更するようにキャリア波発振源12を制御する機能を有する。例えば、再生範囲設定部14の内部情報として、キャリア波周波数が50kHzに対応する上記距離が設定されている場合、キャリア波発振源12に対して50kHzで発振するように制御する。
【0030】
また、再生範囲制御処理部18は、再生管理部16から入力された制御情報に基づいて複数段階にわたって空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて再生音量及び再生音のピッチのいずれか一方または双方を変更するために、キャリア波の周波数及び信号波の振幅、またはキャリア波の周波数、信号波の振幅及び周波数を変更するようにキャリア波発振源12及び可聴周波数波発振源10を制御する機能を有する。再生範囲制御処理部18は、本発明の再生範囲制御手段に相当する。また、再生管理部16及び再生範囲制御処理部18は、本発明の制御手段に相当する。
【0031】
キャリア波発振源12は再生範囲制御処理部18に指示された周波数のキャリア波を生成し、変調器20に供給する。
変調器20はキャリア波発振源12から供給されるキャリア波を可聴周波数波発振源10より出力される信号波でAM変調し、変調信号をパワーアンプ22に出力する機能を有する。キャリア波発振源12は本発明のキャリア波供給手段に、変調器20は本発明の変調手段に、それぞれ相当する。
【0032】
超音波トランスデューサ24は、変調器20からパワーアンプ22を介して出力される変調信号により駆動され、該変調信号を有限振幅レベルの音波に変換して媒質中に放射し、可聴周波数帯の信号音(再生信号)を再生する機能を有する。
この超音波トランスデューサ24は、例えば、広周波数帯域の音響信号(超音波)を発振できる静電型トランスデューサである。超音波トランスデューサ22は、広周波数帯域の音響信号を発振できるものであれば、静電型のものでなくてもよい。
【0033】
超音波トランスデューサ24の具体的構成を図3に示す。図3に示す静電型の超音波トランスデューサは、振動体として3〜10μm程度の厚さのPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)等の誘電体31(絶縁体)を用いている。誘電体31に対しては、アルミ等の金属箔として形成される上電極32がその上面部に蒸着等の処理によって一体形成されるとともに、真鍮で形成された下電極33が誘電体31の下面部に接触するように設けられている。この下電極33は、リード52が接続されるとともに、ベークライト等からなるベース板35に固定されている。
【0034】
また、上電極32は、リード53が接続されており、このリード53は直流バイアス電源50に接続されている。この直流バイアス電源50により上電極32には50〜150V程度の上電極吸着用の直流バイアス電圧が常時、印加され上電極32が下電極33側に吸着されるようになっている。51は交流信号源であり、図1におけるパワーアンプ22の出力(AC50〜150Vp−p)に相当する。
誘電体31および上電極32ならびにベース板35は、メタルリング36、37、および38、ならびにメッシュ39とともに、ケース30によってかしめられている。
【0035】
下電極33の誘電体31側の面には不均一な形状を有する数十〜数百μm程度の微小な溝が複数形成されている。この微小な溝は、下電極33と誘電体31との間の空隙となるので、上電極32および下電極33間の静電容量の分布が微小に変化する。このランダムな微小な溝は、下電極33の表面を手作業によりヤスリで荒らすことで形成されている。静電方式の超音波トランスデューサでは、このようにして空隙の大きさや深さの異なる無数のコンデンサを形成することによって、超音波トランスデューサの周波数特性が図4において曲線Q1に示すように広帯域となっている。
【0036】
上記構成の超音波トランスデューサ22では、上電極32に直流バイアス電圧が印加された状態で上電極31と下電極33との間に変調信号(パワーアンプ22の出力)が印加されるようになっている。因みに、図4に曲線Q2で示すように共振型の超音波トランスデューサの周波数特性は、中心周波数(圧電セラミックの共振周波数)が例えば、40kHzであり、最大音圧となる中心周波数に対して±5kHzの周波数において最大音圧に対して−30dBである。これに対して、上記構成の広帯域発振型の超音波トランスデューサの周波数特性は、40kHzから100kHz付近まで平坦で、100kHzで最大音圧に比して±6dB程度である。
【0037】
上記構成からなる本発明の実施形態に係る超音波スピーカシステムの動作について説明する。段階情報設定部14により、再生信号の再生範囲(超音波トランスデューサ24の音波放射面から放射軸方向に再生信号が到達する距離)を含む再生情報が設定されると、再生管理部16は、段階情報設定部14に設定されている再生情報を参照し、該再生情報を内蔵する記憶部160に格納するとともに、該再生情報に応じた制御情報、すなわち、空間的な段階的再生範囲を制御する際の各段階に対応付けられて段階情報設定部14に設定された超音波トランスデューサ24の音波放射面からの再生信号の到達距離に対応するキャリア波の周波数、再生時間、さらには、再生音量(信号波の振幅)、再生音のピッチ(信号波の周波数)を制御するための制御情報を再生範囲制御処理部18に出力する。
【0038】
再生範囲制御処理部18は、再生管理部16から出力される制御情報に基づいて設定された段階数及び各段階に対応付けて設定された再生範囲となるよう各段階キャリア波の周波数を変更するようにキャリア波発振源12を制御する。
また、再生範囲制御処理部18は、複数段階にわたって空間的な再生範囲を変更する際に、制御情報に基づいて各段階に設定された再生時間に応じて再生音量及び再生音のピッチのいずれか一方または双方を変更するために、キャリア波の周波数及び信号波の振幅、またはキャリア波の周波数、信号波の振幅及び周波数を変更するようにキャリア波発振源12及び可聴周波数波発振源10を制御する。
【0039】
この結果、キャリア波発振源12は、段階情報設定部14で設定された各段階の再生時間において再生信号の上記到達距離に対応する周波数のキャリア波を生成し、変調器20の一方の入力端に出力する。
また、可聴周波数波発信源10は、段階情報設定部14で設定された各段階の再生時間において再生音の音量、ピッチとなるような振幅、周波数の可聴周波数帯の信号波を生成し、変調器20の他方の入力端に出力する。
変調器20では、キャリア波発信源12から入力されたキャリア波を可聴周波数波発振源10より入力された低周波信号でAM変調し、該変調信号をパワーアンプ22に出力する。
【0040】
パワーアンプ22により増幅された変調信号は、超音波トランスデューサ24の上電極32と下電極33との間に印加され、該変調信号は、有限振幅レベルの音波(音響信号)に変換され、媒質(空気中)に放射される。
ここで、媒質(空気)の非線形効果について簡単に述べておくと、超音波トランスデューサにより媒質中(空気中)に放射された超音波の伝播において、その伝播に伴い音圧の高い部分では音速が高くなり、音圧の低い部分では音速は遅くなる。この結果、波形の歪みが発生することが知られている。
【0041】
放射する超音波帯域の信号(キャリア波)を可聴周波数帯の信号で変調(AM変調)しておいた場合には、上記波形歪みの結果により、変調時に用いた可聴周波数帯の信号波が自己復調する形で形成されてくることも知られている。その際、再生信号の広がりは超音波の特性からビーム状となり、通常のスピーカとは全く異なる特定方向のみに音が再生される。
本実施形態に係る超音波スピーカシステム1によるキャリア波の周波数を変更した際の再生時の状態の一例を図5に示す。段階情報設定部14により再生範囲として超音波スピーカシステム1における超音波トランスデューサ22の音波放射面から音波の放射軸Z方向に比較的近い距離D1が設定された場合には、距離D1に対応するキャリア波の周波数が例えば、100kHzとなり距離D1の範囲で再生信号が再生される。図5では、空間的な段階的再生範囲の変化状態については、示していない。
【0042】
また、距離D1より遠い距離D2が段階情報設定部14により設定された場合には、距離D2に対応するキャリア波の周波数が例えば、40kHzとなり距離D2の範囲で再生信号が再生される。なお、キャリア波の周波数の高低により超音波トランスデューサ22より放射される音波のビーム幅が変化するので、超音波トランスデューサ22の音波放射面から音波の放射軸Z方向に距離Dを設定することにより、ビーム幅も同時に決定されることとなる。
【0043】
次に、図1に示した超音波スピーカシステム1を情報通知装置としての目覚まし時計に適用した場合の実施例について説明する。本実施例に係る目覚まし時計の構成は図1に示した超音波スピーカーシステムと基本的に同一であり、目覚ましの基本的な構成である時刻表示や通知時間設定に必要な構成は説明の便宜上、省略してある。したがって、構成については図1及び図2を使用して説明する。
【0044】
段階情報設定部14は、通知に伴い段階的に通知方法を変える為に必要な情報が設定・保持されることになる。段階の設定は幾つあっても構わないが、本実施例では図7に示すように、ユーザの設定により2段階の再生範囲制御が行われるものとする。以下に本実施例に係る目覚まし時計の動作を図6のフローチャート及び図7の説明図を参照して説明する。図6において、時刻が設定時刻に達すると、目覚まし時計70において、目覚まし音の再生処理が開始される(ステップ60)。
次いで、再生管理部16は、段階情報設定部14内のRAM142に設定されている第1段階の再生情報を参照し(ステップ61)、記憶部160に参照した第1段階の再生情報(キャリア波の周波数及び再生時間)を記憶・保持するとともに、該再生情報に応じた制御情報を再生範囲制御処理部18に出力する(ステップ62)。
【0045】
次いで、再生範囲制御処理部18は、再生管理部16から受け取った制御情報に基づいてキャリア波発振源12及び可聴周波数波発振源10を制御する(ステップ63)。この結果、図7に示すように第1段階の再生範囲に目覚まし音が再生される。図7に示す例では、第1段階で設定された空間的な再生範囲に、すなわち目覚まし音の再生対象者Aの寝ているエリア80にのみ到達するように再生音が放射される。ここで、図7中では再生範囲に対象者Aが入っているが、周りの非対象者B,Cは再生範囲に入っておらず、周囲への迷惑通知はこの時点では発生していない。
【0046】
ステップ64で、第1段階に対応して設定されている再生時間をチェックし(ステップ64)、再生時間が終了していない場合においてユーザより再生終了の指示が有る場合(ステップ65)、すなわち、対象者Aが目覚まし音に気付いて、目覚まし音を止める操作を行えば、この時点で処理は終了する(ステップ68)。
他方、ステップ64において、第1段階の再生範囲に対応づけて設定された再生時間が終了したと判定された場合、すなわち、対象者Aが目覚まし音により目覚めない場合には、再生管理部16は、段階情報設定部14のRAM142に設定内容を参照し、次の段階(この場合には第2段階)の再生情報が存在するか否かが判定される(ステップ66、67)。
【0047】
ステップ67の判定で第2段階の再生情報が存在すると判定された場合には、ステップ62に戻り、既述した処理を繰り返す。すなわち、図7に示すように第2段階の再生が行われ、この第2段階の再生では、第1段階の再生の場合に比してキャリア波の周波数が低く設定されるために、目覚まし時計に内蔵する超音波トランスデューサ24の音波放射面の放射軸方向に再生音が到達する距離が長くなり、前方の壁等84でビーム状に放射された再生音が拡散され、目覚まし音の再生の対象となっていない対象者Aの周囲の非対象者B、Cが寝ているエリア81、82にも再生音が聞こえるようになる。
【0048】
この場合に、対象者Aだけでなく、周囲の非対象者B,Cにも聞こえる音で再生されることになり、通常の目覚まし時計で利用されるスピーカの再生音と同様の機能を果たすことになり、周囲の非対象者が目覚まし音に気付くことができる。この場合には、周囲には迷惑をかけてしまうが、目覚まし時計として本来の目的を達成することができる。
第1段階の通知に対し、対象者が気付かなかった場合には、設定されている再生時間を経過した後に、第2段階の通知となり、図7中の第2段階とされている範囲に目覚まし音が再生される。
【0049】
なお、上記実施例では、再生音の音量及びピッチの制御については触れていないが、既述した実施形態と同様に再生情報として再生の各段階において再生音の音量及びピッチについて再生情報の設定があれば、可聴周波数帯の信号波の振幅(音量)、周波数(ピッチ)について各段階において可聴周波数波発信源を制御することにより制御でき、より効果的な情報通知を行うことができる。
本実施例によれば、通知対象者が個人的に利用する目覚まし時計において、通知音の再生範囲が段階的に広がって行く機能を有していることにより、周囲にいる非対象者には極力迷惑をかけない通知が実現される。
すなわち、従来の目覚まし時計と異なる点は、第1の段階での通知時には、周囲の非対象者は通知音の再生範囲に人らないようにできることであり、この結果、聴取を目的とする対象者以外に迷惑を極力かけない制御を可能とする目覚まし時計が実現される。
【0050】
尚、本実施例では超音波スピーカシステムを目覚まし時計に適用した例について説明したが、一般的な通知、すなわち、再生音をアラーム通知、電話の呼出音(携帯電話機の着信通知等を含む。)、街角情報配信などを行う情報通知装置にも適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る超音波スピーカシステムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係る超音波スピーカシステムにおける段階情報設定部の具体的構成を示すブロック図。
【図3】図1に示した本発明の実施形態に係る超音波スピーカにおける超音波トランスデューサの具体的構成を示す図。
【図4】図3に示した超音波トランスデューサの周波数特性を示す特性図。
【図5】本発明の実施形態に係る超音波スピーカシステムによる再生信号の再生時の状態を示すイメージ図。
【図6】本発明の実施形態に係る超音波スピーカシステムを目覚まし時計に適用した実施例を示し、その動作を示すフローチャート。
【図7】本発明の実施形態に係る超音波スピーカシステムを目覚まし時計に適用した際の再生時の状態を示す説明図。
【図8】従来の超音波スピーカの構成を示すブロック図。
【図9】共振型の超音波トランスデューサの構成例を示す図。
【符号の説明】
10…可聴周波数波発振源
12…キャリア波発振源
14…段階情報設定部
16…再生管理部
18…再生範囲制御処理部
20…変調器
22…パワーアンプ
24…超音波トランスデューサ
Claims (12)
- 可聴周波数帯の信号波を生成する信号源から出力される信号波によりキャリア波を変調し、該変調信号により広周波数帯域の音響信号を発振できる超音波トランスデューサを駆動することにより可聴波周波数帯の信号音を再生させる空間的な再生範囲を変更可能な超音波スピーカを含んで構成される超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法であって、
再生範囲を示す距離情報を含む再生情報に基づいて段階的に空間的な再生範囲を変更するように前記キャリア波の周波数を変更することを特徴とする超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法。 - 前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた再生時間データを含み、複数段階にわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて前記空間的な再生範囲を段階的に変更することを特徴とする請求項1に記載の超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法。
- 前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた再生時間データ及び再生音量データを含み、複数段階にわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、段階毎に再生範囲に応じて再生音量を変更することを特徴とする請求項1に記載の超音波スピーカシステムの信号音再生方法。
- 前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた再生時間データ及び再生音のピッチデータを含み、複数段階にわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて再生音のピッチを変更することを特徴とする請求項1に記載の超音波スピーカシステムの信号音再生方法。
- 前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた、再生時間データ、再生音量データ及び再生音のピッチデータを含み、複数段階ににわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて再生音量及び再生音のピッチを変更することを特徴とする請求項1に記載の超音波スピーカシステムの信号音再生方法。
- 前記超音波トランスデューサは、広周波数帯域の音響信号を発振できる静電型トランスデューサであることを特徴とする請求項1に記載の超音波スピーカの信号音再生制御方法。
- 可聴周波数帯の信号波を生成する信号源と、キャリア波を生成し、出力するキャリア波供給手段と、前記キャリア波を前記信号波で変調する変調手段と、前記変調手段から出力される変調信号により駆動され該変調信号を有限振幅レベルの音波に変換して媒質中に放射する超音波トランスデューサとを有し、可聴波周波数帯の信号音である再生信号を出力する超音波スピーカを含んで構成される超音波スピーカシステムにおいて、
前記超音波トランスデューサは、広周波数帯域の音響信号を発振できる超音波トランスデューサであり、
入力された再生範囲を示す距離情報を含む再生情報に基づいて段階的に空間的な再生範囲を変更するために前記キャリア波の周波数を変更するように前記キャリア波供給手段を制御する制御手段を有することを特徴とする超音波スピーカシステム。 - 前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた、再生時間データと、再生音量データ及び再生音のピッチデータのいずれか一方または双方とを含み、
前記制御手段は、複数段階にわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて再生音量及び再生音のピッチのいずれか一方または双方を変更するために、前記キャリア波の周波数及び前記信号波の振幅、または前記キャリア波の周波数、前記信号波の振幅及び周波数を変更するように前記キャリア波供給手段及び前記信号源を制御することを特徴とする請求項7に記載の超音波スピーカシステム。 - 可聴周波数帯の信号波を生成する信号源と、キャリア波を生成し、出力するキャリア波供給手段と、前記キャリア波を前記信号波で変調する変調手段と、前記変調手段から出力される変調信号により駆動され該変調信号を有限振幅レベルの音波に変換して媒質中に放射する超音波トランスデューサとを有し、可聴波周波数帯の信号音である再生信号を出力する超音波スピーカを含んで構成される超音波スピーカシステムにおいて、
前記超音波トランスデューサは、広周波数帯域の音響信号を発振できる超音波トランスデューサであり、
前記再生信号の空間的な段階的再生範囲を指定するための距離情報を含む再生情報を設定し、保持する再生情報設定手段と、
前記再生情報設定手段の設定内容を参照し、設定された再生情報に応じた制御情報を出力する再生管理手段と、
前記再生管理手段から出力される制御情報に基づいて少なくとも設定された再生範囲となるよう前記キャリア波の周波数を変更するように前記キャリア波供給手段を制御する再生範囲制御手段と、を有することを特徴とする超音波スピーカシステム。 - 前記再生情報は、再生の各段階に対応付けられた、再生時間データと、再生音量データ及び再生音のピッチデータのいずれか一方または双方とを含み、
前記再生範囲制御手段は、前記再生管理手段から入力された制御情報に基づいて複数段階にわたって前記空間的な再生範囲を変更する際に、各段階に設定された再生時間に応じて再生音量及び再生音のピッチのいずれか一方または双方を変更するために、前記キャリア波の周波数及び前記信号波の振幅、または前記キャリア波の周波数、前記信号波の振幅及び周波数を変更するように前記キャリア波供給手段及び前記信号源を制御することを特徴とする請求項9に記載の超音波スピーカシステム。 - さらに、前記再生音の再生範囲を示す距離情報を含む再生情報を設定するリモートコントローラを有し、
該リモートコントローラにより前記再生情報設定手段と通信して前記再生情報を設定することを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の超音波スピーカシステム。 - 前記超音波トランスデューサは、広周波数帯域の音響信号を発振できる静電型トランスデューサであることを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載の超音波スピーカシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003198718A JP2005039439A (ja) | 2003-07-17 | 2003-07-17 | 超音波スピーカシステム及び超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003198718A JP2005039439A (ja) | 2003-07-17 | 2003-07-17 | 超音波スピーカシステム及び超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005039439A true JP2005039439A (ja) | 2005-02-10 |
Family
ID=34208414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003198718A Withdrawn JP2005039439A (ja) | 2003-07-17 | 2003-07-17 | 超音波スピーカシステム及び超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005039439A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005122638A1 (en) * | 2004-06-14 | 2005-12-22 | Seiko Epson Corporation | Ultrasonic transducer and ultrasonic speaker using the same |
JP2014519027A (ja) * | 2011-05-12 | 2014-08-07 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ | 目覚ましアラーム供給装置 |
-
2003
- 2003-07-17 JP JP2003198718A patent/JP2005039439A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005122638A1 (en) * | 2004-06-14 | 2005-12-22 | Seiko Epson Corporation | Ultrasonic transducer and ultrasonic speaker using the same |
US7881489B2 (en) | 2004-06-14 | 2011-02-01 | Seiko Epson Corporation | Ultrasonic transducer and ultrasonic speaker using the same |
JP2014519027A (ja) * | 2011-05-12 | 2014-08-07 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ | 目覚ましアラーム供給装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8130973B2 (en) | Superdirectional acoustic system and projector | |
JP4802998B2 (ja) | 静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法、静電型超音波トランスデューサ、これを用いた超音波スピーカ、音声信号再生方法、超指向性音響システム及び表示装置 | |
JP5103873B2 (ja) | 静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法、静電型超音波トランスデューサ、これを用いた超音波スピーカ、音声信号再生方法、超指向性音響システム及び表示装置 | |
US7899197B2 (en) | Electrostatic transducer, driving circuit of capacitive load, method for setting circuit constant, ultrasonic speaker, display device and directional acoustic system | |
US8116508B2 (en) | Dual-mode loudspeaker | |
JP4844411B2 (ja) | 静電型超音波トランスデューサ、静電型超音波トランスデューサの製造方法、超音波スピーカ、音声信号再生方法、超指向性音響システム及び表示装置 | |
JP4285537B2 (ja) | 静電型超音波トランスデューサ | |
US7690792B2 (en) | Projector and method of controlling ultrasonic speaker in projector | |
JPH11164384A (ja) | 超指向性スピーカ及びスピーカの駆動方法 | |
JP2007067514A (ja) | スピーカー装置 | |
JP2006245731A (ja) | 指向性スピーカー | |
JPS62231991A (ja) | 二重空洞呼び鈴装置 | |
JP6021184B2 (ja) | 電子装置 | |
JP2005039439A (ja) | 超音波スピーカシステム及び超音波スピーカシステムの信号音再生制御方法 | |
JP4222169B2 (ja) | 超音波スピーカ及び超音波スピーカの信号音再生制御方法 | |
JPH11341584A (ja) | スピーカ装置 | |
JP2008118247A (ja) | 静電型超音波トランスデューサ、これを用いた超音波スピーカ、音声信号再生方法、超指向性音響システム及び表示装置 | |
JP4803246B2 (ja) | 超音波スピーカ、音声信号再生方法、超指向性音響システム | |
JP4241231B2 (ja) | プロジェクタ | |
JPH0832111B2 (ja) | 発音体 | |
JP2005039438A (ja) | 超音波スピーカ及び超音波スピーカの信号音再生制御方法 | |
JP4803245B2 (ja) | 静電型超音波トランスデューサ | |
JP2008048003A (ja) | 静電型超音波トランスデューサ、これを用いた超音波スピーカ、静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法、音声信号再生方法、超指向性音響システム及び表示装置 | |
JP2005073126A (ja) | 超音波スピーカの指向角制御方法、超音波スピーカ、超音波スピーカシステム及びルーバ装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061003 |