JP2005038022A - 2線式測定・処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的簡単な構成を用いて、対象部位の動的情報等の計測情報を効率良く処理収集する。
【解決手段】センサSが接続された計測モジュール1は、給電路と通信路を兼ねた平衡2線式の接続線を介してコントロールユニット2に接続され、センサSに所要の電力を供給するとともに、コントロールユニット2と通信を行なって、センサSから得られる信号に所定の処理を施した結果を出力する。コントロールユニット2は、計測モジュール1との間で信号データの授受を行なって、測定データの収集制御を行ない、パーソナルコンピュータ3に転送する。計測モジュール1の中央処理ユニット13は、センサSからの測定データの取り込みおよびA/D変換、所定のデータ処理および格納、そしてファームウェア12および通信チップ11を介してコントロールユニット2への測定データの出力を行なう。
【選択図】 図1
【解決手段】センサSが接続された計測モジュール1は、給電路と通信路を兼ねた平衡2線式の接続線を介してコントロールユニット2に接続され、センサSに所要の電力を供給するとともに、コントロールユニット2と通信を行なって、センサSから得られる信号に所定の処理を施した結果を出力する。コントロールユニット2は、計測モジュール1との間で信号データの授受を行なって、測定データの収集制御を行ない、パーソナルコンピュータ3に転送する。計測モジュール1の中央処理ユニット13は、センサSからの測定データの取り込みおよびA/D変換、所定のデータ処理および格納、そしてファームウェア12および通信チップ11を介してコントロールユニット2への測定データの出力を行なう。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建造物を含む構造物の損傷検知等のために構造物等における所要部位に設置されたひずみゲージ等のセンサを用いて各部の状況を測定/検知し且つ測定/検知情報を処理するシステムに係り、特に多数のセンサを用いる多点測定に好適な2線式測定・処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
土木、建築および機械装置等では、構造物等のひずみをひずみゲージを用いて測定し、構造物等の所要部位におけるひずみ量を検知することが行なわれる。この構造物等のひずみ測定においては、当該構造物等の多数の部位の測定を行なう多点測定が一般的に行なわれる。このような構造物の所要部位における状態の測定/検知には、ひずみゲージに限らず他の各種のセンサを用いることもあり、個々のセンサに対応する各種の物理量等の状態を測定/検知することも行なわれている。
従来のひずみ量の測定システムにおいては、ひずみゲージを用いて得られる対象部位のひずみ量に応じた測定信号を、A/D(アナログ−ディジタル)変換し、測定出力データを得て送信し、複数のひずみゲージによる各測定出力データを測定データ処理装置で受信収集し且つ所定の処理を施すことが行なわれている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、ひずみゲージに接続され、ひずみ量に応じた測定信号を得る測定信号生成用回路と、測定信号をA/D変換するA/D変換手段と、測定出力データを生成するデータ出力処理手段とを一体的にモジュール化してモジュール本体部を構成すること、そして各部位毎のひずみゲージに近傍にて前記モジュール本体部を接続してひずみ測定モジュールを構成することなどが記載されている。
【0003】
特許文献1には、さらに、ひずみ測定モジュールに対象部位の温度を検出する温度センサを組み込み、その温度データをも前記測定出力データと共に出力すること、ひずみ測定モジュールに対象部位の温度を検出する温度センサを組み込み、前記データ出力処理手段で、温度情報に基づく温度補償を施して測定出力データを生成すること、ひずみゲージとして3個以上のひずみゲージからなるロゼットゲージを用い、前記データ出力処理手段で、ロゼット解析を行なって、主ひずみ量、剪断ひずみ量および主ひずみ方向のうちの少なくとも1つを求めて測定出力データを生成すること、前記測定データ処理装置と各ひずみ測定モジュールのデータ出力処理手段とを共通の通信線を介して通信可能に接続し、さらには該共通の通信線を介して前記測定データ処理装置から各ひずみ測定モジュールへの電源電力の供給も行なうこと、そして前記ひずみ測定モジュールが、前記測定データ処理装置からの測定開始指令に応じて前記測定出力データを記憶保持し、且つその記憶保持された測定出力データを、前記測定データ処理装置からの出力指令に応じて出力する機能を有することなども開示されている。
【0004】
また、特許文献1とほぼ同様のひずみ量の測定システムにおいて、ひずみゲージが貼着された起歪体と、および前記起歪体のひずみ量に応じたひずみ測定信号を得るための前記ひずみゲージにより構成されるホイートストンブリッジ回路と、前記ひずみ測定信号をA/D変換するA/D変換手段と、A/D変換されたデータをそのまま、または所定処理を施して測定結果データを生成し外部の測定データ処理装置に送信するデータ通信処理手段とを、単一筐体内に一体化してひずみゲージ式変換器を構成するものもある(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2には、ひずみゲージが貼着された起歪体、および前記起歪体のひずみ量に応じたひずみ測定信号を得るための前記ひずみゲージにより構成されるホイートストンブリッジ回路を、同一筐体内に配置するひずみゲージ式変換器と、前記ひずみ測定信号をA/D変換するA/D変換手段、およびA/D変換されたデータをそのまままたは所定処理を施して測定結果データを生成し外部の測定データ処理装置に送信するデータ通信処理手段を同一の筐体内に配置するひずみゲージ式変換器用測定モジュールとを、近接して接続する構成も記載されている。
【0005】
特許文献1における測定データ処理装置と各ひずみ測定モジュールのデータ出力処理手段との間のように指令やデータ等の信号通信と電源電力の給電とを行なう場合には、通常は、それぞれ専用の信号通信線と給電線とを用いて各独立に接続するが、信号線や給電線の引き回しが煩雑となる場合には、特許文献1および特許文献2に開示されているように、共通の接続線を通信と給電とに兼用することが行なわれる。このような信号通信線と給電線の共用は、単一の測定データ処理装置に多数のひずみ測定モジュールを接続する場合等には、重要であり、共通の接続線を極力少なくするために2本の接続線、つまり2線、による信号通信と給電の共用が行なわれる。一般に、この種の2線による信号通信と給電の共用は、直流給電に通信信号成分を変調重畳することにより行なわれる。また、2線による信号通信と給電の共用に信号パルスに基づく交流平衡パルスを用いることも行なわれている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平11−83420号公報
【特許文献2】特開平11−211587号公報
【特許文献3】特許第2787976号公報
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1および特許文献2においては、ひずみゲージを用いる測定モジュールまたは変換器は、ひずみ量、その応力換算値、またはその温度補償用の温度情報のみを逐時的に測定処理して送信し、測定データ処理装置で収集している。また、測定モジュールまたは変換器と測定データ処理装置との間の接続線を通信および給電に共用することの記載はあるが、共用の方式および接続構成については具体的に示されていない。
ところで、構造物の損傷等を検知するためには、所定時間における測定情報の経時的な変動の状況を動的に知ることも重要であり、動的情報の測定/検知が必要となる。特許文献1および特許文献2に開示されたようなシステムで、動的情報を測定/検知しようとすると、測定データ処理装置での情報収集の繰り返し周期を高速化して動的情報の処理を行なうことになる。このような場合、システム各部に著しい高速化が要求され、各部装置構成および接続線の大規模化が避けられず、各部の装置構成の小型化や接続線の簡素化などは望むべくもない。このような傾向は、測定情報の動的情報化が増せばますほど、測定対象が多点化すればするほど、顕著になる。さらに、ひずみ量またはそれに関連する情報に限らず、その他の物理情報、場合によっては化学情報等の収集処理が必要となることもあり、それらの動的情報が必要とされることも少なくない。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、比較的簡単な構成を用いて、対象部位の動的情報等の計測情報を効率良く処理収集することを可能とする2線式測定・処理システムを提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、特に、簡単な構成で、しかも効率良く計測情報を収集することを可能とする2線式測定・処理システムを提供することにある。
また、本発明の請求項2の目的は、特に、センサが接続されて対象部位近傍に設置される計測モジュールの装置構成を簡単化し得る2線式測定・処理システムを提供することにある。
本発明の請求項3の目的は、特に、対象部位近傍に設置される計測モジュールと計測情報を収集処理するコントロールユニットとの間の接続構成を簡単化し得る2線式測定・処理システムを提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、対象部位の動的情報を効率良く収集し得る2線式測定・処理システムを提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、特に、対象部位の計測情報の所定時間における最大値/最小値を含む動的情報を効率良く収集し得る2線式測定・処理システムを提供することにある。
【0008】
本発明の請求項6の目的は、特に、対象部位の計測情報の所定時間における極大/極小値列を含む動的情報を効率良く収集し得る2線式測定・処理システムを提供することにある。
本発明の請求項7の目的は、特に、対象部位の計測情報の所定時間における極値の頻度分布を含む動的情報を効率良く収集し得る2線式測定・処理システムを提供することにある。
本発明の請求項8の目的は、特に、対象部位の計測情報の所定時間における累積振幅値を含む動的情報を効率良く収集し得る2線式測定・処理システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、上述した目的を達成するために、
センサが各対応して接続されて、該センサから得られるアナログ信号をディジタル信号に変換し、当該ディジタル信号に所定の演算処理を施し、その演算処理結果を一旦記憶して転送出力に供する1個以上の計測モジュールと、
前記1個以上の計測モジュールに各2線を介して接続され、該2線により前記計測モジュールに対する電力供給および前記計測モジュールとの間のデータ伝送を行なって、前記計測モジュールの前記演算処理結果に基づくデータを収集するコントロールユニットと
を具備することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、請求項1の2線式測定・処理システムであって、前記計測モジュールが、前記コントロールユニットからの制御指令によってその動作を制御されることを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、請求項1または請求項2の2線式測定・処理システムであって、前記計測モジュールと前記コントロールユニットとの間の接続が、極性なしの2線によって行なわれ、前記コントロールユニットから前記計測モジュールへの電力供給は交流平衡波形によって行なわれることを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、請求項1〜3のいずれか1項の2線式測定・処理システムであって、前記計測モジュールが、所定時間における動的データ処理を行なう演算処理手段を含むことを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における最大値/最小値を取得する手段を含むことを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における極大/極小値列を取得する手段を含むことを特徴としている。
請求項7に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における極値の頻度分布を取得する手段を含むことを特徴としている。
請求項8に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における累積振幅値を取得する手段を含むことを特徴としている。
【0012】
【作 用】
すなわち、本発明の請求項1による2線式測定・処理システムは、1個以上の計測モジュールと、コントロールユニットとを具備し、前記計測モジュールは、センサが各対応して接続されて、該センサから得られるアナログ信号をディジタル信号に変換し、当該ディジタル信号に所定の演算処理を施し、その演算処理結果を一旦記憶して転送出力に供し、前記コントロールユニットは、前記1個以上の計測モジュールに各2線を介して接続され、該2線により前記計測モジュールに対する電力供給および前記計測モジュールとの間のデータ伝送を行なって、前記計測モジュールの前記演算処理結果に基づくデータを収集する。
このような構成により、簡単な構成で、しかも対象部位の動的情報等の計測情報を効率良く収集することが可能となる。
また、本発明の請求項2による2線式測定・処理システムは、請求項1の2線式測定・処理システムであって、前記計測モジュールが、前記コントロールユニットからの制御指令によってその動作を制御される。
このような構成により、特に、センサが接続されて対象部位近傍に設置される計測モジュールの装置構成を簡単化することができる。
【0013】
本発明の請求項3による2線式測定・処理システムは、請求項1または請求項2の2線式測定・処理システムであって、前記計測モジュールと前記コントロールユニットとの間の接続が、極性なしの2線によって行なわれ、前記コントロールユニットから前記計測モジュールへの電力供給は交流平衡波形によって行なわれる。
このような構成により、特に、対象部位近傍に設置される計測モジュールと計測情報を収集処理するコントロールユニットとの間の接続構成を簡単化することができる。
本発明の請求項4による2線式測定・処理システムは、請求項1〜3のいずれか1項の2線式測定・処理システムであって、前記計測モジュールが、所定時間における動的データ処理を行なう演算処理手段を含んでいる。
このような構成により、特に、対象部位の動的情報を効率良く収集することができる。
本発明の請求項5による2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における最大値/最小値を取得する手段を含んでいる。
このような構成により、特に、対象部位の計測情報の所定時間における最大値/最小値を含む動的情報を効率良く収集することができる。
【0014】
本発明の請求項6による2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における極大/極小値列を取得する手段を含んでいる。
このような構成により、特に、対象部位の計測情報の所定時間における極大/極小値列を含む動的情報を効率良く収集することができる。
本発明の請求項7による2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における極値の頻度分布を取得する手段を含んでいる。
このような構成により、特に、対象部位の計測情報の所定時間における極値の頻度分布を含む動的情報を効率良く収集することができる。
本発明の請求項8による2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における累積振幅値を取得する手段を含んでいる。
このような構成により、特に、対象部位の計測情報の所定時間における累積振幅値を含む動的情報を効率良く収集することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して本発明の2線式測定・処理システムを詳細に説明する。
図1は、本発明の一つの実施の形態に係る2線式測定・処理システムの構成を模式的に示している。
図1に示す2線式測定・処理システムは、センサS、計測モジュール1、コントロールユニット2およびパーソナルコンピュータ(PC)3を具備している。センサSは、物理量等の状態を計測/検知してアナログ信号を出力する。センサSとしては、典型的には電圧出力型のセンサが用いられ、具体的には、例えばひずみゲージセンサ、圧電型センサ、静電誘導型センサおよびレーザセンサ等を使用することができる。ひずみゲージセンサには、単体でのひずみゲージの他に、ひずみゲージをブリッジ接続してなるひずみゲージブリッジや、起歪体にひずみゲージを添着してなるひずみゲージ式変換器などが含まれる。ここでは、主としてセンサSとしてひずみゲージセンサが用いられる場合を例にとって説明しており、それ以外のセンサが用いられる場合については補足的に加えている。
【0016】
計測モジュール1は、センサSが接続され且つ該センサSに近接して設けられ、またはセンサSと一体に構成され、給電路と通信路を兼ねた2線式の接続線を介してコントロールユニット2に接続され、コントロールユニット2から供給される電力に基づいてセンサSに所要の電力を供給するとともに、コントロールユニット2と通信を行なって、センサSから得られる電圧信号等の出力アナログ信号をA/D(アナログ−ディジタル)変換し、所定の処理を施し、途中データおよび処理結果を必要に応じて一時記憶し、コントロールユニット2に送信する。計測モジュール1は、通信チップ11、ファームウェア12、中央処理ユニット(CPU)13およびひずみアンプ(増幅器)14を備えている。
通信チップ11は、2本の接続線を介してコントロールユニット2に接続され、コントロールユニット2から望ましくは極性のない交流電圧の形で供給される電力を抽出して、当該計測モジュール1内の各部、つまり通信チップ11、ファームウェア12、中央処理ユニット13およびひずみアンプ14に動作電力を供給するとともに、コントロールユニット2との間で望ましくは前述の極性のない交流電圧の形で通信を行なって、コントロールユニット2からの指令およびデータを受けファームウェア12に伝達し、且つファームウェア12からの情報およびシリアル化された測定データをコントロールユニット2に伝達する。この通信チップ11としては、例えばAI−NET TW2000(アイオイ・システム製)等を使用することができる。
【0017】
ファームウェア12は、例えばシリアル転送のデータ信号線を用いて通信チップ11と接続されるとともに、中央処理ユニット13とは、例えば4つの信号ポートおよびデータバスを介して接続されており、通信チップ11から与えられるコントロールユニット2側からの指令を中央処理ユニット13に供給するとともに中央処理ユニット13からの通信情報およびデータを通信チップ11に与えてコントロールユニット2側へ送る。ファームウェア12と中央処理ユニット13とを接続する信号ポートは、それぞれ読み込みタイミング信号RDポートおよびコマンド信号L0〜L2の各ポートであり、データバスは、8ビット、12ビットまたは16ビット等のパラレルデータバスである。このファームウェア12では、例えば、8ビットのパラレルデータのシリアルデータへの変換も行なっている。
中央処理ユニット13は、演算制御機能部13a、A/D変換機能部13bおよびメモリ機能部13cを備えており、ファームウェア12から与えられる指令を解読し且つそれに応動して、センサSからの測定データの取り込みおよびA/D変換、所定のデータ処理および格納、そして格納データのファームウェア12への出力等を行なう。演算制御機能部13aは、例えば、いわゆるマイクロプロセッサ等を用いて構成されて、所定の処理に応じた演算制御を実行する。A/D変換機能部13bは、例えばひずみアンプ14を介して与えられるセンサSからのアナログ電圧信号をディジタルデータに変換する。メモリ機能部13cは、測定データの収集および演算制御機能部13aによる処理の過程において、各種設定データ、収集データ、中間データ、および処理結果データの一部または全部を含むデータを記憶する。
【0018】
ひずみアンプ14は、センサSとしてひずみゲージセンサを用いる場合に挿入され、センサSから得られるアナログ信号を増幅して中央処理ユニット13のA/D変換部13bに供給する。センサSとしてひずみゲージセンサ以外の出力の小さいセンサを用いる場合には、ひずみアンプ14に代えて適宜なる前置増幅器(プリアンプ)を設ける。センサSから充分な出力が得られる場合には、ひずみアンプ14は不要となり、この場合、センサSが出力の処理に特別な回路が必要ならばその回路をひずみアンプ14の代わりに挿入し、そのような特別な回路が不要であれば、センサSの出力は、直接中央処理ユニット13のA/D変換部13bに入力する。ひずみアンプ14を設けておらず、しかもセンサSの動作に電源電力が必要である場合には、通信チップ11からセンサSへ直接的に電力を供給するようにする。
コントロールユニット2は、計測モジュール1(の通信チップ11)、パーソナルコンピュータ3および明確には図示していない直流(DC)電源に接続され、直流電源からの電力を計測モジュール1に供給するとともに計測モジュール1の通信チップ11との間で信号データの授受を行なって、センサSに基づく測定データの収集制御を行ない、パーソナルコンピュータ3に転送する。
【0019】
コントロールユニット2は、測定データの処理/制御を行なうためのパーソナルコンピュータ3によって制御され、1以上の計測モジュール1を作動させて、測定データを収集し、パーソナルコンピュータ3に転送して各種の処理/制御に供する。コントロールユニット2は、通信回路21、結合回路22および交流電圧発生回路23を有して構成され、通信回路21を介してパーソナルコンピュータ3に接続され、交流電圧発生回路23を介して、例えば12Vまたは24V等の直流電源に接続される。通信回路21は、パーソナルコンピュータ3との間の通信インターフェースであり、パーソナルコンピュータ3からの指令等の信号を結合回路22に供給し、結合回路22を介して受信される計測モジュール1からの測定データを含む信号をパーソナルコンピュータ3に与える。交流電圧発生回路23は、直流電源からの直流電力に基づいて交流平衡波形等の交流電圧を発生して、結合回路22に与える。結合回路22は、通信回路21からの通信データに基づき交流電圧発生回路23の出力を用いて、通信データ成分と給電電力成分とを含む交流平衡波形等のような極性のない交流信号を計測モジュール1の通信チップ11に送り、計測モジュール1の通信チップ11から通信データ成分を含む交流平衡波形等のような極性のない交流信号から通信データを得て通信回路21に送る。
【0020】
なお、共通のコントロールユニット2およびパーソナルコンピュータ3に計測モジュール1およびセンサSを多数計測して多点計測を行なう場合には、多数の計測モジュール1を共通のコントロールユニット2に対してカスケード接続などにより多数接続することになるが、このような場合にも多重の接続が必要となるコントロールユニット2の結合回路22から計測モジュール1の通信チップ11への接続線が2本のみであることは、非常に有利である。
通信チップ11における2本の接続線を介してコントロールユニット2に接続され、コントロールユニット2から供給される電力を抽出して、当該計測モジュール1内の各部に動作電力を供給するとともに、コントロールユニット2との間で通信を行なって、コントロールユニット2からの指令およびデータを受けファームウェア12に伝達し、且つファームウェア12からの情報およびシリアル化された測定データをコントロールユニット2に伝達する技術としては、例えば特許文献3に示された交流平衡波形による給電を利用する技術を用いることができる(先に挙げたTW2000では、この特許文献3に示された技術を用いていると思われる)。
【0021】
例えば、2本の電力線を介して接続された装置間で送受電および相互通信を行なう方法であって、送電側装置が、所定電力レベルの直流電力を前記2本の電力線に給電するとともに各電力線上の電力レベルを受電側装置宛の指示データを含む第1のパルス群データの個々のデータレベルの変化に従い逐次遅延反転させて平衡パルス状となし、前記第1のパルス群データが終了した時点で前記給電を停止して各電力線からの受電状態を形成する段階と、前記受電側装置が、前記2本の電力線から受電した前記平衡パルス状の電力を整流し、該整流電力を用いて前記平衡パルス状の電力があらわす前記第1のパルス群データ成分の解読処理を行ないながら前記整流電力を蓄電しておき、前記受電の停止を検出した時点で前記蓄電された電力を前記2本の電力線に給電するとともに各電力線上の電力レベルを前記送電側装置宛の返答データを含む第2のパルス群データの個々のデータレベルの変化に従い逐次遅延反転させて平衡パルス状となす段階と、前記受電状態の送電側装置において前記2本の電力線上の平衡パルス状電力があらわす第2のパルス群データ成分の解読処理を行なう段階とを有する方法である。また、このような方法を具体的に実施する装置は、例えばコントロールユニット2の結合回路22側と、測定モジュール1の通信チップ11側とで対応する装置構成を用いる。
【0022】
例えば、2本の電力線を介して接続される少なくとも1つの相手側装置との間で送受電および相互通信を行なう装置であって、通信相手を定める相手側装置の指定アドレスおよび該相手側装置宛の指示データを含む第1のパルス群データを生成するとともに、入力された論理情報に基づくデータ成分の解読処理を行なうデータ処理部と、所定電力レベルの直流電力を出力する電源と、前記直流電力を前記2本の電力線に給電するとともに各電力線上の電力レベルを前記第1のパルス群データの個々のデータレベルの変化に従い逐次遅延反転させて平衡パルス状となし、前記第1のパルス群データの終了を契機に前記給電を停止する電力制御手段と、給電停止中における各電力線の電力レベルの反転情報を検出して論理情報に変換し、変換した論理情報を前記データ処理部へ導く受信バッファ回路とを備える装置を、例えばコントロールユニット2の結合回路側に設ける。
【0023】
そして、例えば、2本の電力線を介して接続される相手側装置との間で送受電および相互通信を行なう装置であって、前記相手側装置が指定した通信相手の指定アドレスおよび当該通信相手に対する指示データを含む第1のパルス群データ成分をあらわす所定電力レベルの平衡パルス状電力を前記2本の電力線から受電して整流する整流器と、前記整流器から出力された整流電力を蓄電する蓄電器と、前記第1のパルス群データ成分の電力レベルの反転情報を検出して論理情報に変換する受信バッファ回路と、前記整流電力により、少なくとも、前記バッファ回路で変換された論理情報から自装置宛の指定アドレスの有無を検出し、該指定アドレスを検出した場合は自装置アドレスおよび所定の返答データを含む第2のパルス群データを生成する処理と、前記受電の停止検出を契機に前記蓄電器に蓄電された電力の前記2本の電力線への給電制御を行なうとともに各電力線上の電力レベルを前記第2のパルス群データのレベル変化に従って逐次反転させて平衡パルス状となす処理とを行なうデータ処理手段とを備える装置を、例えば測定モジュール1の通信チップ11側に設ける。
【0024】
もちろん、2線を介しての給電とデータ通信とを行なう方法および装置として、他の方法および装置を用いることもできるが、配線および接続の便宜の点からは、極性なしの交流的な方法による給電を行なうことが望ましく、さらにはデータ通信も極性なしの交流的な方法を用いることが望ましい。
次に、計測モジュール1の中央処理ユニット13におけるデータ処理について詳細に説明する。
中央処理ユニット13は、センサSの計測信号に所定の処理を施して処理結果をメモリ13cに格納する。すなわち、損傷検知等の目的で多点計測等を行なう場合には、センサSからの計測情報に経時的な変化が少なく静的に計測情報を取得すれば充分な情報に限らず、センサSからの計測情報が時々刻々変化しておりその動的な計測情報の変化を観測する必要がある情報も少なくない。動的な計測情報の場合、大量の時系列の計測値から計測値の経時的な変化の特徴を示すパラメータを求めて計測情報とするため計測値のデータ処理が必要となる。従来は、パーソナルコンピュータ3等において計測情報を取得した後にパーソナルコンピュータ3内でこのデータ処理を行なっていたため、充分な情報を取得するためには、全てのセンサSおよび計測モジュール1、さらにはコントロールユニット2並びにパーソナルコンピュータ3を含む多点計測系全体の計測データ取得速度および繰り返し周期が問題となっていた。
【0025】
計測系全体の伝送速度を高速化するにはデータ通信系の速度を向上させる必要があり、そのように伝送速度の高速化を図っても多点計測の場合の繰り返し周期は、計測点数により大きな影響を受けるため、高速化は容易ではない。本発明の計測モジュール1では、計測モジュール1において単独で計測を繰り返し、一定期間における経時的な計測値の処理を中央処理ユニット13で行なって、処理により得られたデータを記憶し、コントロールユニット2へ出力する。このため、パーソナルコンピュータ3では、既に所定の処理が施された動的計測データを取得することができるため、簡易に高速で広範囲の計測情報収集が可能となる。
このような計測値の動的なデータ処理には、種々の手法があり、一般に、対象とする計測値および目的に応じて使い分けている。そこで、本システムにおいては、計測モジュール1の中央処理ユニット13に所要のデータ処理を予め設定しておく。このようなデータ処理の主要な例を示す。
【0026】
(1)ヒストグラム(疲労評価)
疲労評価等に好適なヒストグラム情報は、次の各手法の中から適切な手法を適宜採用し、処理されたデータに基づいて例えば疲労評価を行う。
(1−1)極大値/極小値法(Peak/Valley 法)
信号波形が正勾配から負勾配に変化した極値(極大値)と、負勾配から正勾配に変化した極値(極小値)とを全て数える方法である。図2(a)に示すような変化では、図2(b)に示すようなレベル毎の極値の頻度カウントが得られ、図2(c)に示すような頻度分布となる。この頻度分布情報を用いる。
(1−2)正極大値/負極小値法(Peak[+]/Valley[−] 法)信号波形の中心レベルを基準レベルと考え、この基準レベルを境に正側は極大値のみ、負側は極小値のみを数える方法である。図3(a)に示すような変化では、図3(b)に示すようなレベル毎の各極値の頻度カウントが得られ、図3(c)に示すような頻度分布となる。この頻度分布情報を用いる。
(1−3)最大値/最小値法(Max/Min 法)
信号波形の中心レベルを基準レベルと考え、この基準レベルを超えてから次にもう一度、基準レベルを横切るまでの間の最大値と最小値を数える方法である。図4(a)に示すような変化では、図4(b)に示すようなレベル毎の最大値および最小値の頻度カウントが得られ、図4(c)に示すような頻度分布となる。この頻度分布情報を用いる。
【0027】
(1−4)レベルクロッシング法
信号波形が、予め出力レベル毎に設定した各閾値レベルを横切った頻度を数える方法である。図5(a)に示すような変化では、図5(b)に示すようなレベル毎の頻度カウントが得られ、図5(c)に示すような頻度分布となる。この頻度分布情報を用いる。
(1−5)振幅法
極大値から極小値までの振幅幅および極小値から極大値までの振幅幅をそれぞれ区別なく数える方法である。図6(a)に示すような変化では、図6(b)に示すような振幅幅レベル毎の頻度カウントが得られ、図6(c)に示すような頻度分布となる。この頻度分布情報を用いる。
(1−6)レインフロー法(一次元)
レインフロー法(RainFlow法)は、応力−ひずみ曲線のヒステリシスループ(閉じたループ)に着目し、そのひずみ振幅頻度を数える方法である。すなわち、応力−ひずみ曲線を観察すると、そのヒステリシスの中には決して閉じることのない部分が存在する。このレインフロー法では、このような部分が一つのレンジの1/2の疲労被害を与えるものと見なしカウントする。
【0028】
まず、図7(b)のように時間軸を縦に取り、ひずみ信号の波形の時間変化P1→P2…P9→P10を多重の屋根構造にみたて、その各屋根の付け根の位置から山、谷の順に雨滴を流すことを想定する。このときの応力−ひずみヒステリシスは図7(a)のようになる。雨滴は、次の3つの条件を満たす流れとし、その雨滴の停止するまでに流れた横座標を求め、これに相当する大きさのひずみ振幅を分解して、図7(c)に示すような成分をカウントして疲労に有効な成分とする。
条件1:雨滴は、屋根の付け根から番号の順に流れ、停止条件が満たされるまで下の屋根に流れ落ち続ける。
条件2:軒先から落下中の雨滴は、次の条件の一方を満たしたときに落下を停止する。
− 右向き流れの場合
右向きに流れる雨滴の出発点より左側に他の屋根の軒先があらわれたとき(P1から右への流れは、P4の軒先で落下するが、出発点P1より左側に軒先P5があらわれるので、流れはP4からの落下中で停止する)。
【0029】
− 左向きの流れの場合
左向きに流れる雨滴の出発点より右側に他の屋根の軒先があらわれたとき。
条件3:屋根の一部を既に雨滴が流れていたら、その流れは停止とする。
(1−7)レインフロー法(2次元)
振幅およびその平均値(Mean)を計算し、頻度処理する方法である。図8において、Rn(n=1,2…)は振幅を示し、Mn(n=1,2…)は平均値(基準0に対しての値)を示している。すなわち、1次元のレインフロー法はR1,R2,…に対して頻度処理をするが、2次元のレインフロー法の場合には、平均値を同時に処理し、波形の平均応力を合わせて処理する。
(2)最大・最小値(損傷評価)
信号波形の中心レベルを基準レベルと考え、この基準レベルを中心に正負両側に閾値を設ける。閾値を超えてから、次に基準レベルの反対側の閾値を横切るまでの間の最大値と最小値を求める方法である。このようにして得られる最大・最小値は、例えば損傷評価に利用することができる。
【0030】
すなわち、図9に示すように、基準レベルを中心に一方の閾値を超え、次に他方の閾値を超えた時点で先の極値を最大(最小)値の候補とする。次に再度前記一方の閾値を横切った時点で、先の極値を最大(最小)値と確定とし、次の極値を最小(最大)値の候補とする。同様にして、前記一方の閾値を横切った後に前記他方の閾値を横切った時点で次の極値を最小(最大)値とし、再度一方の閾値を横切った時点ではその次の極値を最大(最小)値とする。測定期間中、この操作を常に繰り返し、常に最新の最大値・最小値を求める。
(3)極値列(損傷評価)
信号波形の中心レベルを基準レベルと考え、この基準レベルを中心に正負両側に閾値を設け、また極値決定閾値を絶対値で設定する。閾値を超えてから反対側へ向かう途中、推移変動が極値決定閾値を超えた場合の極値を求める。このような極値列も、例えば損傷評価に利用することができる。
すなわち、図10に示すように、一方の閾値(+αまたは−α)を超えてから反転し、他方の閾値(−αまたは+α)へ向かう途中、推移変動が極値決定閾値βを超えた時点で極値候補となる。極値決定閾値βを超えて再度反転した場合、極値決定閾値βを超えた時点で先の極値候補は極大(小)値と確定し、次に出現した極値が極値候補となる。
【0031】
(4)累積振幅(損傷評価)
信号波形の中心レベルを基準レベルと考え、この基準レベルを中心に正負両側に閾値を設ける。一方の閾値を超えてから他方の閾値へ向かう途中、反転後に推移変動が閾値決定閾値を超えた場合の極値の累積を求める。
このような処理のいずれか、または他の同様の処理のいずれかを計測モジュール1の中央処理ユニット13に予め設定しておき、中央処理ユニット13で所要のデータ処理を行なうようにする。
次に、図1に示した2線式測定・処理システムの具体的な動作を図11〜図13に示すフローチャートを参照して説明する。図11および図12は、測定開始動作についてのフローチャートであり、図13は、データ回収動作についてのフローチャートである。
図11および図12において、処理が開始されると、パーソナルコンピュータ3からコントロールユニット2へ、オールリセットコマンドが送信される(ステップS11)。コントロールユニット2からそれに接続された全ての測定モジュール1へ、リセットコマンドを送信する(ステップS12)。
【0032】
次に、パーソナルコンピュータ3からコントロールユニット2へ、各計測モジュール1の正常動作/故障を判定するための状態確認コマンドを送信し、使用可能な計測モジュール1を走査させる(ステップS13)。コントロールユニット2から全計測モジュール1へ状態確認コマンドを走査送信する(ステップS14)。状態確認コマンドを受信すると、各計測モジュール1は、正常であればモジュールID(識別情報)をコントロールユニット2へ送信する(ステップS15)。コントロールユニット2は、モジュールIDを受信したか否かを判定する(ステップS16)。コントロールユニット2は、モジュールIDを受信していれば、該当する計測モジュール1が動作可能であると判定し、動作可能な計測モジュール1としてパーソナルコンピュータ3にモジュールIDを送信する(ステップS17)。コントロールユニット2は、モジュールIDを受信しなければ、該当する計測モジュール1が動作不能であると判定し、パーソナルコンピュータ3に動作不能な計測モジュール1である旨のNG情報を送信する(ステップS18)。
【0033】
パーソナルコンピュータ3は、動作可能な計測モジュール1だけへの閾値設定コマンドをコントロールユニット2へ送信する(ステップS19)。コントロールユニット2は、動作可能な計測モジュール1へ閾値設定コマンドを送信する(ステップS20)。計測モジュール1は、コントロールユニット2から閾値設定コマンドを受信して所要の閾値設定作業を行なう(ステップS21)。
パーソナルコンピュータ3から、コントロールユニット2を介して先に動作可能と判定された計測モジュール1の全部またはその一部からなる各計測モジュール1へ測定開始コマンドを送信する(ステップS22)。パーソナルコンピュータ3では、この測定開始コマンドの送信のタイミングを調整することにより、各計測モジュール1における閾値の設定方法を選択することができる。
すなわち、各計測モジュール1は、中央処理ユニット13に自動閾値設定機能を有しており、自動閾値設定機能を用いることにより、常時微動、予備加振、および0点の変動(クリープ)等に対して自動的に適応させて閾値を設定することができる。
【0034】
閾値設定コマンドが送信されて計測モジュール1がその信号を受け取ると、自動閾値設定機能が作動する。この機能は、図14に示すように、閾値設定コマンドを受信してから測定開始コマンドを受信するまで、測定値の最大値と最小値を監視する。閾値設定コマンドが受信されてから所定時間、この場合10秒、以上経ってから測定開始コマンドを受信すると、その間の最大値および最小値をそれぞれ区間最大値および区間最小値として設定し、それらにプログラム内で予め定めた定数α′を加えたものを、新たな閾値として設定する。
上閾値=区間最大値+α′
下閾値= 区間最小値−α′
なお、閾値設定コマンドから10秒以上の間隔をおかないで測定開始コマンドを受信した場合には、予め設定された規定の閾値が用いられる。
そこで、パーソナルコンピュータ3では、閾値設定コマンドおよび測定開始コマンドを送信するタイミングを計測モジュール1毎に設定し、該当する計測モジュール1におけるセンサSの種類および計測情報の種類等に応じて、自動閾値設定機能を用いない第1の設定法か、自動閾値設定機能を用いる第2の設定法かを選定し、それに応じたタイミングで計測モジュール1にコマンドを与える。
【0035】
各計測モジュール1は、測定開始コマンドを受信した時点で、閾値設定コマンドから測定開始コマンドまでの経過時間を判定し、予め設定された規定の閾値による第1の設定法か、自動閾値設定機能を用いる第2の設定法かの閾値の設定方法の判定を行なう(ステップS23)。そして、計測モジュール1は、判定された第1または第2の設定法のいずれかの設定法により閾値を設定する(ステップS24)。そして、計測モジュール1は、測定待機状態となり、センサSによる測定値を常時監視する(ステップS25)。計測モジュール1は、中央処理ユニット13において、測定値が閾値を超えたか否かを判定し(ステップS26)、超えていなければステップS25に戻り、測定値が閾値を超えれば、予め設定された所定の演算処理を開始する(ステップS27)。計測モジュール1の中央処理ユニット13は、演算処理の結果を、逐次、メモリ機能部13cに格納し(ステップS28)、演算処理結果の記録データが予め設定されたメモリ記録容量の上限を超えたか否かを判定する(ステップS29)。ステップS28の演算処理の結果のメモリ機能部13cへの格納は、記録容量の上限を超えるまで逐次繰り返され、上限を超えた時点で処理を終了し、計測モジュール1は待機状態となる。
【0036】
データ回収動作は、使用可能な計測モジュール1に対して、図13に示すフローチャートに従って行なわれる。図13において、処理が開始されると、パーソナルコンピュータ3からコントロールユニット2を介して使用可能な各計測モジュール1に対して、データ転送コマンドを送信する(ステップS31)。データ転送コマンドを受信した計測モジュール1は、測定データをコントロールユニット2を介してパーソナルコンピュータ3へ送信する(ステップS32)。
パーソナルコンピュータ3は、測定データを受信したか否かを判定し(ステップS33)、受信していなければステップ31に戻り、データ転送コマンドを送信する。パーソナルコンピュータ3は、ステップS33において測定データを受信したと判定すると、各計測モジュール1へ、次期測定データ転送準備コマンドを送信する(ステップS34)。
このような手順を繰り返して測定データを回収する(ステップS35)。測定データ回収の順番は、次の通りである。
【0037】
(1)現在値
(2)最大値
(3)最小値
(4)上閾値
(5)下閾値
(6)演算処理結果(収録数)
以後、演算処理結果の測定データを収録数だけ繰り返し回収する。測定データを収録数だけ回収した後に、演算処理結果の妥当性を判定する測定結果判定コマンドを回収する。
そして、パーソナルコンピュータ3は、所定数の測定データを回収したか否かを判定し(ステップS36)、所定数に達していなければステップS31に戻って同様の処理を繰り返し、所定数に達すれば、処理を終了する。
なお、上述における計測モジュール1への各種命令は、計測モジュール1内のファームウェア12から中央処理ユニット13へのコマンド信号ポートL2、L1およびL0の信号を組み合わせて生成する。
【0038】
【表1】
【0039】
なお、送信ビットL1は、特殊なコマンドの時だけ使用するが今回は用いていない。コマンド番号「00」は、閾値設定時には測定開始、データ回収時にはポインタ移動、それ以外には現在値転送要求とする。コマンド番号「01」はタイミングによって、閾値の設定を判断する。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、比較的簡単な構成を用いて、対象部位の動的情報等の計測情報を効率良く処理収集することを可能とする2線式測定・処理システムを提供することができる。
すなわち本発明の請求項1の2線式測定・処理システムによれば、1個以上の計測モジュールと、コントロールユニットとを具備し、前記計測モジュールは、センサが各対応して接続されて、該センサから得られるアナログ信号をディジタル信号に変換し、当該ディジタル信号に所定の演算処理を施し、その演算処理結果を一旦記憶して転送出力に供し、前記コントロールユニットは、前記1個以上の計測モジュールに各2線を介して接続され、該2線により前記計測モジュールに対する電力供給および前記計測モジュールとの間のデータ伝送を行なって、前記計測モジュールの前記演算処理結果に基づくデータを収集することにより、簡単な構成で、しかも対象部位の動的情報等の計測情報を効率良く収集することが可能となる。
【0041】
また、本発明の請求項2の2線式測定・処理システムによれば、請求項1の2線式測定・処理システムにおいて、前記計測モジュールが、前記コントロールユニットからの制御指令によってその動作を制御されることにより、特に、センサが接続されて対象部位近傍に設置される計測モジュールの装置構成を簡単化することができる。
さらに、本発明の請求項3の2線式測定・処理システムによれば、請求項1または請求項2の2線式測定・処理システムにおいて、前記計測モジュールと前記コントロールユニットとの間の接続が、極性なしの2線によって行なわれ、前記コントロールユニットから前記計測モジュールへの電力供給は交流平衡波形によって行なわれることにより、特に、対象部位近傍に設置される計測モジュールと計測情報を収集処理するコントロールユニットとの間の接続構成を簡単化することができる。
本発明の請求項4の2線式測定・処理システムによれば、請求項1〜3のいずれか1項の2線式測定・処理システムにおいて、前記計測モジュールが、所定時間における動的データ処理を行なう演算処理手段を含むことにより、特に、対象部位の動的情報を効率良く収集することができる。
【0042】
本発明の請求項5の2線式測定・処理システムによれば、請求項4の2線式測定・処理システムにおいて、前記演算処理手段が、所定時間における最大値/最小値を取得する手段を含むことにより、特に、対象部位の計測情報の所定時間における最大値/最小値を含む動的情報を効率良く収集することができる。
本発明の請求項6の2線式測定・処理システムによれば、請求項4の2線式測定・処理システムにおいて、前記演算処理手段が、所定時間における極大/極小値列を取得する手段を含むことにより、特に、対象部位の計測情報の所定時間における極大/極小値列を含む動的情報を効率良く収集することができる。
本発明の請求項7の2線式測定・処理システムによれば、請求項4の2線式測定・処理システムにおいて、前記演算処理手段が、所定時間における極値の頻度分布を取得する手段を含むことにより、特に、対象部位の計測情報の所定時間における極値の頻度分布を含む動的情報を効率良く収集することができる。
本発明の請求項8の2線式測定・処理システムによれば、請求項4の2線式測定・処理システムにおいて、前記演算処理手段が、所定時間における累積振幅値を取得する手段を含むことにより、特に、対象部位の計測情報の所定時間における累積振幅値を含む動的情報を効率良く収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る2線式測定・処理システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】図1の2線式測定・処理システムで用い得る極大値/極小値法によるヒストグラム処理のデータ処理を説明するための図である。
【図3】図1の2線式測定・処理システムで用い得る正極大値/負極小値法によるヒストグラム処理のデータ処理を説明するための図である。
【図4】図1の2線式測定・処理システムで用い得る最大値/最小値法によるヒストグラム処理のデータ処理を説明するための図である。
【図5】図1の2線式測定・処理システムで用い得るレベルクロッシング法によるヒストグラム処理のデータ処理を説明するための図である。
【図6】図1の2線式測定・処理システムで用い得る振幅法によるヒストグラム処理のデータ処理を説明するための図である。
【図7】図1の2線式測定・処理システムで用い得る一次元レインフロー法によるヒストグラム処理のデータ処理を説明するための図である。
【図8】図1の2線式測定・処理システムで用い得る二次元レインフロー法によるヒストグラム処理のデータ処理を説明するための図である。
【図9】図1の2線式測定・処理システムで用い得る最大・最小値処理のデータ処理を説明するための図である。
【図10】図1の2線式測定・処理システムで用い得る極値列処理のデータ処理を説明するための図である。
【図11】図1の2線式測定・処理システムにおける測定開始動作の前半を説明するためのフローチャートである。
【図12】図1の2線式測定・処理システムにおける測定開始動作の残部を説明するためのフローチャートである。
【図13】図1の2線式測定・処理システムにおけるデータ回収動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】図1の2線式測定・処理システムにおける自動閾値設定機能を説明するための図である。
【符号の説明】
1 計測モジュール
2 コントロールユニット
3 パーソナルコンピュータ(PC)
11 通信チップ
12 ファームウェア
13 中央処理ユニット(CPU)
13a 演算制御機能部
13b A/D(アナログ−ディジタル)変換機能部
13c メモリ機能部
14 ひずみアンプ(ひずみ増幅器)
21 通信回路
22 結合回路
23 交流電圧発生回路
S センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、建造物を含む構造物の損傷検知等のために構造物等における所要部位に設置されたひずみゲージ等のセンサを用いて各部の状況を測定/検知し且つ測定/検知情報を処理するシステムに係り、特に多数のセンサを用いる多点測定に好適な2線式測定・処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
土木、建築および機械装置等では、構造物等のひずみをひずみゲージを用いて測定し、構造物等の所要部位におけるひずみ量を検知することが行なわれる。この構造物等のひずみ測定においては、当該構造物等の多数の部位の測定を行なう多点測定が一般的に行なわれる。このような構造物の所要部位における状態の測定/検知には、ひずみゲージに限らず他の各種のセンサを用いることもあり、個々のセンサに対応する各種の物理量等の状態を測定/検知することも行なわれている。
従来のひずみ量の測定システムにおいては、ひずみゲージを用いて得られる対象部位のひずみ量に応じた測定信号を、A/D(アナログ−ディジタル)変換し、測定出力データを得て送信し、複数のひずみゲージによる各測定出力データを測定データ処理装置で受信収集し且つ所定の処理を施すことが行なわれている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、ひずみゲージに接続され、ひずみ量に応じた測定信号を得る測定信号生成用回路と、測定信号をA/D変換するA/D変換手段と、測定出力データを生成するデータ出力処理手段とを一体的にモジュール化してモジュール本体部を構成すること、そして各部位毎のひずみゲージに近傍にて前記モジュール本体部を接続してひずみ測定モジュールを構成することなどが記載されている。
【0003】
特許文献1には、さらに、ひずみ測定モジュールに対象部位の温度を検出する温度センサを組み込み、その温度データをも前記測定出力データと共に出力すること、ひずみ測定モジュールに対象部位の温度を検出する温度センサを組み込み、前記データ出力処理手段で、温度情報に基づく温度補償を施して測定出力データを生成すること、ひずみゲージとして3個以上のひずみゲージからなるロゼットゲージを用い、前記データ出力処理手段で、ロゼット解析を行なって、主ひずみ量、剪断ひずみ量および主ひずみ方向のうちの少なくとも1つを求めて測定出力データを生成すること、前記測定データ処理装置と各ひずみ測定モジュールのデータ出力処理手段とを共通の通信線を介して通信可能に接続し、さらには該共通の通信線を介して前記測定データ処理装置から各ひずみ測定モジュールへの電源電力の供給も行なうこと、そして前記ひずみ測定モジュールが、前記測定データ処理装置からの測定開始指令に応じて前記測定出力データを記憶保持し、且つその記憶保持された測定出力データを、前記測定データ処理装置からの出力指令に応じて出力する機能を有することなども開示されている。
【0004】
また、特許文献1とほぼ同様のひずみ量の測定システムにおいて、ひずみゲージが貼着された起歪体と、および前記起歪体のひずみ量に応じたひずみ測定信号を得るための前記ひずみゲージにより構成されるホイートストンブリッジ回路と、前記ひずみ測定信号をA/D変換するA/D変換手段と、A/D変換されたデータをそのまま、または所定処理を施して測定結果データを生成し外部の測定データ処理装置に送信するデータ通信処理手段とを、単一筐体内に一体化してひずみゲージ式変換器を構成するものもある(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2には、ひずみゲージが貼着された起歪体、および前記起歪体のひずみ量に応じたひずみ測定信号を得るための前記ひずみゲージにより構成されるホイートストンブリッジ回路を、同一筐体内に配置するひずみゲージ式変換器と、前記ひずみ測定信号をA/D変換するA/D変換手段、およびA/D変換されたデータをそのまままたは所定処理を施して測定結果データを生成し外部の測定データ処理装置に送信するデータ通信処理手段を同一の筐体内に配置するひずみゲージ式変換器用測定モジュールとを、近接して接続する構成も記載されている。
【0005】
特許文献1における測定データ処理装置と各ひずみ測定モジュールのデータ出力処理手段との間のように指令やデータ等の信号通信と電源電力の給電とを行なう場合には、通常は、それぞれ専用の信号通信線と給電線とを用いて各独立に接続するが、信号線や給電線の引き回しが煩雑となる場合には、特許文献1および特許文献2に開示されているように、共通の接続線を通信と給電とに兼用することが行なわれる。このような信号通信線と給電線の共用は、単一の測定データ処理装置に多数のひずみ測定モジュールを接続する場合等には、重要であり、共通の接続線を極力少なくするために2本の接続線、つまり2線、による信号通信と給電の共用が行なわれる。一般に、この種の2線による信号通信と給電の共用は、直流給電に通信信号成分を変調重畳することにより行なわれる。また、2線による信号通信と給電の共用に信号パルスに基づく交流平衡パルスを用いることも行なわれている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平11−83420号公報
【特許文献2】特開平11−211587号公報
【特許文献3】特許第2787976号公報
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1および特許文献2においては、ひずみゲージを用いる測定モジュールまたは変換器は、ひずみ量、その応力換算値、またはその温度補償用の温度情報のみを逐時的に測定処理して送信し、測定データ処理装置で収集している。また、測定モジュールまたは変換器と測定データ処理装置との間の接続線を通信および給電に共用することの記載はあるが、共用の方式および接続構成については具体的に示されていない。
ところで、構造物の損傷等を検知するためには、所定時間における測定情報の経時的な変動の状況を動的に知ることも重要であり、動的情報の測定/検知が必要となる。特許文献1および特許文献2に開示されたようなシステムで、動的情報を測定/検知しようとすると、測定データ処理装置での情報収集の繰り返し周期を高速化して動的情報の処理を行なうことになる。このような場合、システム各部に著しい高速化が要求され、各部装置構成および接続線の大規模化が避けられず、各部の装置構成の小型化や接続線の簡素化などは望むべくもない。このような傾向は、測定情報の動的情報化が増せばますほど、測定対象が多点化すればするほど、顕著になる。さらに、ひずみ量またはそれに関連する情報に限らず、その他の物理情報、場合によっては化学情報等の収集処理が必要となることもあり、それらの動的情報が必要とされることも少なくない。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、比較的簡単な構成を用いて、対象部位の動的情報等の計測情報を効率良く処理収集することを可能とする2線式測定・処理システムを提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、特に、簡単な構成で、しかも効率良く計測情報を収集することを可能とする2線式測定・処理システムを提供することにある。
また、本発明の請求項2の目的は、特に、センサが接続されて対象部位近傍に設置される計測モジュールの装置構成を簡単化し得る2線式測定・処理システムを提供することにある。
本発明の請求項3の目的は、特に、対象部位近傍に設置される計測モジュールと計測情報を収集処理するコントロールユニットとの間の接続構成を簡単化し得る2線式測定・処理システムを提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、対象部位の動的情報を効率良く収集し得る2線式測定・処理システムを提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、特に、対象部位の計測情報の所定時間における最大値/最小値を含む動的情報を効率良く収集し得る2線式測定・処理システムを提供することにある。
【0008】
本発明の請求項6の目的は、特に、対象部位の計測情報の所定時間における極大/極小値列を含む動的情報を効率良く収集し得る2線式測定・処理システムを提供することにある。
本発明の請求項7の目的は、特に、対象部位の計測情報の所定時間における極値の頻度分布を含む動的情報を効率良く収集し得る2線式測定・処理システムを提供することにある。
本発明の請求項8の目的は、特に、対象部位の計測情報の所定時間における累積振幅値を含む動的情報を効率良く収集し得る2線式測定・処理システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、上述した目的を達成するために、
センサが各対応して接続されて、該センサから得られるアナログ信号をディジタル信号に変換し、当該ディジタル信号に所定の演算処理を施し、その演算処理結果を一旦記憶して転送出力に供する1個以上の計測モジュールと、
前記1個以上の計測モジュールに各2線を介して接続され、該2線により前記計測モジュールに対する電力供給および前記計測モジュールとの間のデータ伝送を行なって、前記計測モジュールの前記演算処理結果に基づくデータを収集するコントロールユニットと
を具備することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、請求項1の2線式測定・処理システムであって、前記計測モジュールが、前記コントロールユニットからの制御指令によってその動作を制御されることを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、請求項1または請求項2の2線式測定・処理システムであって、前記計測モジュールと前記コントロールユニットとの間の接続が、極性なしの2線によって行なわれ、前記コントロールユニットから前記計測モジュールへの電力供給は交流平衡波形によって行なわれることを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、請求項1〜3のいずれか1項の2線式測定・処理システムであって、前記計測モジュールが、所定時間における動的データ処理を行なう演算処理手段を含むことを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における最大値/最小値を取得する手段を含むことを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における極大/極小値列を取得する手段を含むことを特徴としている。
請求項7に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における極値の頻度分布を取得する手段を含むことを特徴としている。
請求項8に記載した本発明に係る2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における累積振幅値を取得する手段を含むことを特徴としている。
【0012】
【作 用】
すなわち、本発明の請求項1による2線式測定・処理システムは、1個以上の計測モジュールと、コントロールユニットとを具備し、前記計測モジュールは、センサが各対応して接続されて、該センサから得られるアナログ信号をディジタル信号に変換し、当該ディジタル信号に所定の演算処理を施し、その演算処理結果を一旦記憶して転送出力に供し、前記コントロールユニットは、前記1個以上の計測モジュールに各2線を介して接続され、該2線により前記計測モジュールに対する電力供給および前記計測モジュールとの間のデータ伝送を行なって、前記計測モジュールの前記演算処理結果に基づくデータを収集する。
このような構成により、簡単な構成で、しかも対象部位の動的情報等の計測情報を効率良く収集することが可能となる。
また、本発明の請求項2による2線式測定・処理システムは、請求項1の2線式測定・処理システムであって、前記計測モジュールが、前記コントロールユニットからの制御指令によってその動作を制御される。
このような構成により、特に、センサが接続されて対象部位近傍に設置される計測モジュールの装置構成を簡単化することができる。
【0013】
本発明の請求項3による2線式測定・処理システムは、請求項1または請求項2の2線式測定・処理システムであって、前記計測モジュールと前記コントロールユニットとの間の接続が、極性なしの2線によって行なわれ、前記コントロールユニットから前記計測モジュールへの電力供給は交流平衡波形によって行なわれる。
このような構成により、特に、対象部位近傍に設置される計測モジュールと計測情報を収集処理するコントロールユニットとの間の接続構成を簡単化することができる。
本発明の請求項4による2線式測定・処理システムは、請求項1〜3のいずれか1項の2線式測定・処理システムであって、前記計測モジュールが、所定時間における動的データ処理を行なう演算処理手段を含んでいる。
このような構成により、特に、対象部位の動的情報を効率良く収集することができる。
本発明の請求項5による2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における最大値/最小値を取得する手段を含んでいる。
このような構成により、特に、対象部位の計測情報の所定時間における最大値/最小値を含む動的情報を効率良く収集することができる。
【0014】
本発明の請求項6による2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における極大/極小値列を取得する手段を含んでいる。
このような構成により、特に、対象部位の計測情報の所定時間における極大/極小値列を含む動的情報を効率良く収集することができる。
本発明の請求項7による2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における極値の頻度分布を取得する手段を含んでいる。
このような構成により、特に、対象部位の計測情報の所定時間における極値の頻度分布を含む動的情報を効率良く収集することができる。
本発明の請求項8による2線式測定・処理システムは、請求項4の2線式測定・処理システムであって、前記演算処理手段が、所定時間における累積振幅値を取得する手段を含んでいる。
このような構成により、特に、対象部位の計測情報の所定時間における累積振幅値を含む動的情報を効率良く収集することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して本発明の2線式測定・処理システムを詳細に説明する。
図1は、本発明の一つの実施の形態に係る2線式測定・処理システムの構成を模式的に示している。
図1に示す2線式測定・処理システムは、センサS、計測モジュール1、コントロールユニット2およびパーソナルコンピュータ(PC)3を具備している。センサSは、物理量等の状態を計測/検知してアナログ信号を出力する。センサSとしては、典型的には電圧出力型のセンサが用いられ、具体的には、例えばひずみゲージセンサ、圧電型センサ、静電誘導型センサおよびレーザセンサ等を使用することができる。ひずみゲージセンサには、単体でのひずみゲージの他に、ひずみゲージをブリッジ接続してなるひずみゲージブリッジや、起歪体にひずみゲージを添着してなるひずみゲージ式変換器などが含まれる。ここでは、主としてセンサSとしてひずみゲージセンサが用いられる場合を例にとって説明しており、それ以外のセンサが用いられる場合については補足的に加えている。
【0016】
計測モジュール1は、センサSが接続され且つ該センサSに近接して設けられ、またはセンサSと一体に構成され、給電路と通信路を兼ねた2線式の接続線を介してコントロールユニット2に接続され、コントロールユニット2から供給される電力に基づいてセンサSに所要の電力を供給するとともに、コントロールユニット2と通信を行なって、センサSから得られる電圧信号等の出力アナログ信号をA/D(アナログ−ディジタル)変換し、所定の処理を施し、途中データおよび処理結果を必要に応じて一時記憶し、コントロールユニット2に送信する。計測モジュール1は、通信チップ11、ファームウェア12、中央処理ユニット(CPU)13およびひずみアンプ(増幅器)14を備えている。
通信チップ11は、2本の接続線を介してコントロールユニット2に接続され、コントロールユニット2から望ましくは極性のない交流電圧の形で供給される電力を抽出して、当該計測モジュール1内の各部、つまり通信チップ11、ファームウェア12、中央処理ユニット13およびひずみアンプ14に動作電力を供給するとともに、コントロールユニット2との間で望ましくは前述の極性のない交流電圧の形で通信を行なって、コントロールユニット2からの指令およびデータを受けファームウェア12に伝達し、且つファームウェア12からの情報およびシリアル化された測定データをコントロールユニット2に伝達する。この通信チップ11としては、例えばAI−NET TW2000(アイオイ・システム製)等を使用することができる。
【0017】
ファームウェア12は、例えばシリアル転送のデータ信号線を用いて通信チップ11と接続されるとともに、中央処理ユニット13とは、例えば4つの信号ポートおよびデータバスを介して接続されており、通信チップ11から与えられるコントロールユニット2側からの指令を中央処理ユニット13に供給するとともに中央処理ユニット13からの通信情報およびデータを通信チップ11に与えてコントロールユニット2側へ送る。ファームウェア12と中央処理ユニット13とを接続する信号ポートは、それぞれ読み込みタイミング信号RDポートおよびコマンド信号L0〜L2の各ポートであり、データバスは、8ビット、12ビットまたは16ビット等のパラレルデータバスである。このファームウェア12では、例えば、8ビットのパラレルデータのシリアルデータへの変換も行なっている。
中央処理ユニット13は、演算制御機能部13a、A/D変換機能部13bおよびメモリ機能部13cを備えており、ファームウェア12から与えられる指令を解読し且つそれに応動して、センサSからの測定データの取り込みおよびA/D変換、所定のデータ処理および格納、そして格納データのファームウェア12への出力等を行なう。演算制御機能部13aは、例えば、いわゆるマイクロプロセッサ等を用いて構成されて、所定の処理に応じた演算制御を実行する。A/D変換機能部13bは、例えばひずみアンプ14を介して与えられるセンサSからのアナログ電圧信号をディジタルデータに変換する。メモリ機能部13cは、測定データの収集および演算制御機能部13aによる処理の過程において、各種設定データ、収集データ、中間データ、および処理結果データの一部または全部を含むデータを記憶する。
【0018】
ひずみアンプ14は、センサSとしてひずみゲージセンサを用いる場合に挿入され、センサSから得られるアナログ信号を増幅して中央処理ユニット13のA/D変換部13bに供給する。センサSとしてひずみゲージセンサ以外の出力の小さいセンサを用いる場合には、ひずみアンプ14に代えて適宜なる前置増幅器(プリアンプ)を設ける。センサSから充分な出力が得られる場合には、ひずみアンプ14は不要となり、この場合、センサSが出力の処理に特別な回路が必要ならばその回路をひずみアンプ14の代わりに挿入し、そのような特別な回路が不要であれば、センサSの出力は、直接中央処理ユニット13のA/D変換部13bに入力する。ひずみアンプ14を設けておらず、しかもセンサSの動作に電源電力が必要である場合には、通信チップ11からセンサSへ直接的に電力を供給するようにする。
コントロールユニット2は、計測モジュール1(の通信チップ11)、パーソナルコンピュータ3および明確には図示していない直流(DC)電源に接続され、直流電源からの電力を計測モジュール1に供給するとともに計測モジュール1の通信チップ11との間で信号データの授受を行なって、センサSに基づく測定データの収集制御を行ない、パーソナルコンピュータ3に転送する。
【0019】
コントロールユニット2は、測定データの処理/制御を行なうためのパーソナルコンピュータ3によって制御され、1以上の計測モジュール1を作動させて、測定データを収集し、パーソナルコンピュータ3に転送して各種の処理/制御に供する。コントロールユニット2は、通信回路21、結合回路22および交流電圧発生回路23を有して構成され、通信回路21を介してパーソナルコンピュータ3に接続され、交流電圧発生回路23を介して、例えば12Vまたは24V等の直流電源に接続される。通信回路21は、パーソナルコンピュータ3との間の通信インターフェースであり、パーソナルコンピュータ3からの指令等の信号を結合回路22に供給し、結合回路22を介して受信される計測モジュール1からの測定データを含む信号をパーソナルコンピュータ3に与える。交流電圧発生回路23は、直流電源からの直流電力に基づいて交流平衡波形等の交流電圧を発生して、結合回路22に与える。結合回路22は、通信回路21からの通信データに基づき交流電圧発生回路23の出力を用いて、通信データ成分と給電電力成分とを含む交流平衡波形等のような極性のない交流信号を計測モジュール1の通信チップ11に送り、計測モジュール1の通信チップ11から通信データ成分を含む交流平衡波形等のような極性のない交流信号から通信データを得て通信回路21に送る。
【0020】
なお、共通のコントロールユニット2およびパーソナルコンピュータ3に計測モジュール1およびセンサSを多数計測して多点計測を行なう場合には、多数の計測モジュール1を共通のコントロールユニット2に対してカスケード接続などにより多数接続することになるが、このような場合にも多重の接続が必要となるコントロールユニット2の結合回路22から計測モジュール1の通信チップ11への接続線が2本のみであることは、非常に有利である。
通信チップ11における2本の接続線を介してコントロールユニット2に接続され、コントロールユニット2から供給される電力を抽出して、当該計測モジュール1内の各部に動作電力を供給するとともに、コントロールユニット2との間で通信を行なって、コントロールユニット2からの指令およびデータを受けファームウェア12に伝達し、且つファームウェア12からの情報およびシリアル化された測定データをコントロールユニット2に伝達する技術としては、例えば特許文献3に示された交流平衡波形による給電を利用する技術を用いることができる(先に挙げたTW2000では、この特許文献3に示された技術を用いていると思われる)。
【0021】
例えば、2本の電力線を介して接続された装置間で送受電および相互通信を行なう方法であって、送電側装置が、所定電力レベルの直流電力を前記2本の電力線に給電するとともに各電力線上の電力レベルを受電側装置宛の指示データを含む第1のパルス群データの個々のデータレベルの変化に従い逐次遅延反転させて平衡パルス状となし、前記第1のパルス群データが終了した時点で前記給電を停止して各電力線からの受電状態を形成する段階と、前記受電側装置が、前記2本の電力線から受電した前記平衡パルス状の電力を整流し、該整流電力を用いて前記平衡パルス状の電力があらわす前記第1のパルス群データ成分の解読処理を行ないながら前記整流電力を蓄電しておき、前記受電の停止を検出した時点で前記蓄電された電力を前記2本の電力線に給電するとともに各電力線上の電力レベルを前記送電側装置宛の返答データを含む第2のパルス群データの個々のデータレベルの変化に従い逐次遅延反転させて平衡パルス状となす段階と、前記受電状態の送電側装置において前記2本の電力線上の平衡パルス状電力があらわす第2のパルス群データ成分の解読処理を行なう段階とを有する方法である。また、このような方法を具体的に実施する装置は、例えばコントロールユニット2の結合回路22側と、測定モジュール1の通信チップ11側とで対応する装置構成を用いる。
【0022】
例えば、2本の電力線を介して接続される少なくとも1つの相手側装置との間で送受電および相互通信を行なう装置であって、通信相手を定める相手側装置の指定アドレスおよび該相手側装置宛の指示データを含む第1のパルス群データを生成するとともに、入力された論理情報に基づくデータ成分の解読処理を行なうデータ処理部と、所定電力レベルの直流電力を出力する電源と、前記直流電力を前記2本の電力線に給電するとともに各電力線上の電力レベルを前記第1のパルス群データの個々のデータレベルの変化に従い逐次遅延反転させて平衡パルス状となし、前記第1のパルス群データの終了を契機に前記給電を停止する電力制御手段と、給電停止中における各電力線の電力レベルの反転情報を検出して論理情報に変換し、変換した論理情報を前記データ処理部へ導く受信バッファ回路とを備える装置を、例えばコントロールユニット2の結合回路側に設ける。
【0023】
そして、例えば、2本の電力線を介して接続される相手側装置との間で送受電および相互通信を行なう装置であって、前記相手側装置が指定した通信相手の指定アドレスおよび当該通信相手に対する指示データを含む第1のパルス群データ成分をあらわす所定電力レベルの平衡パルス状電力を前記2本の電力線から受電して整流する整流器と、前記整流器から出力された整流電力を蓄電する蓄電器と、前記第1のパルス群データ成分の電力レベルの反転情報を検出して論理情報に変換する受信バッファ回路と、前記整流電力により、少なくとも、前記バッファ回路で変換された論理情報から自装置宛の指定アドレスの有無を検出し、該指定アドレスを検出した場合は自装置アドレスおよび所定の返答データを含む第2のパルス群データを生成する処理と、前記受電の停止検出を契機に前記蓄電器に蓄電された電力の前記2本の電力線への給電制御を行なうとともに各電力線上の電力レベルを前記第2のパルス群データのレベル変化に従って逐次反転させて平衡パルス状となす処理とを行なうデータ処理手段とを備える装置を、例えば測定モジュール1の通信チップ11側に設ける。
【0024】
もちろん、2線を介しての給電とデータ通信とを行なう方法および装置として、他の方法および装置を用いることもできるが、配線および接続の便宜の点からは、極性なしの交流的な方法による給電を行なうことが望ましく、さらにはデータ通信も極性なしの交流的な方法を用いることが望ましい。
次に、計測モジュール1の中央処理ユニット13におけるデータ処理について詳細に説明する。
中央処理ユニット13は、センサSの計測信号に所定の処理を施して処理結果をメモリ13cに格納する。すなわち、損傷検知等の目的で多点計測等を行なう場合には、センサSからの計測情報に経時的な変化が少なく静的に計測情報を取得すれば充分な情報に限らず、センサSからの計測情報が時々刻々変化しておりその動的な計測情報の変化を観測する必要がある情報も少なくない。動的な計測情報の場合、大量の時系列の計測値から計測値の経時的な変化の特徴を示すパラメータを求めて計測情報とするため計測値のデータ処理が必要となる。従来は、パーソナルコンピュータ3等において計測情報を取得した後にパーソナルコンピュータ3内でこのデータ処理を行なっていたため、充分な情報を取得するためには、全てのセンサSおよび計測モジュール1、さらにはコントロールユニット2並びにパーソナルコンピュータ3を含む多点計測系全体の計測データ取得速度および繰り返し周期が問題となっていた。
【0025】
計測系全体の伝送速度を高速化するにはデータ通信系の速度を向上させる必要があり、そのように伝送速度の高速化を図っても多点計測の場合の繰り返し周期は、計測点数により大きな影響を受けるため、高速化は容易ではない。本発明の計測モジュール1では、計測モジュール1において単独で計測を繰り返し、一定期間における経時的な計測値の処理を中央処理ユニット13で行なって、処理により得られたデータを記憶し、コントロールユニット2へ出力する。このため、パーソナルコンピュータ3では、既に所定の処理が施された動的計測データを取得することができるため、簡易に高速で広範囲の計測情報収集が可能となる。
このような計測値の動的なデータ処理には、種々の手法があり、一般に、対象とする計測値および目的に応じて使い分けている。そこで、本システムにおいては、計測モジュール1の中央処理ユニット13に所要のデータ処理を予め設定しておく。このようなデータ処理の主要な例を示す。
【0026】
(1)ヒストグラム(疲労評価)
疲労評価等に好適なヒストグラム情報は、次の各手法の中から適切な手法を適宜採用し、処理されたデータに基づいて例えば疲労評価を行う。
(1−1)極大値/極小値法(Peak/Valley 法)
信号波形が正勾配から負勾配に変化した極値(極大値)と、負勾配から正勾配に変化した極値(極小値)とを全て数える方法である。図2(a)に示すような変化では、図2(b)に示すようなレベル毎の極値の頻度カウントが得られ、図2(c)に示すような頻度分布となる。この頻度分布情報を用いる。
(1−2)正極大値/負極小値法(Peak[+]/Valley[−] 法)信号波形の中心レベルを基準レベルと考え、この基準レベルを境に正側は極大値のみ、負側は極小値のみを数える方法である。図3(a)に示すような変化では、図3(b)に示すようなレベル毎の各極値の頻度カウントが得られ、図3(c)に示すような頻度分布となる。この頻度分布情報を用いる。
(1−3)最大値/最小値法(Max/Min 法)
信号波形の中心レベルを基準レベルと考え、この基準レベルを超えてから次にもう一度、基準レベルを横切るまでの間の最大値と最小値を数える方法である。図4(a)に示すような変化では、図4(b)に示すようなレベル毎の最大値および最小値の頻度カウントが得られ、図4(c)に示すような頻度分布となる。この頻度分布情報を用いる。
【0027】
(1−4)レベルクロッシング法
信号波形が、予め出力レベル毎に設定した各閾値レベルを横切った頻度を数える方法である。図5(a)に示すような変化では、図5(b)に示すようなレベル毎の頻度カウントが得られ、図5(c)に示すような頻度分布となる。この頻度分布情報を用いる。
(1−5)振幅法
極大値から極小値までの振幅幅および極小値から極大値までの振幅幅をそれぞれ区別なく数える方法である。図6(a)に示すような変化では、図6(b)に示すような振幅幅レベル毎の頻度カウントが得られ、図6(c)に示すような頻度分布となる。この頻度分布情報を用いる。
(1−6)レインフロー法(一次元)
レインフロー法(RainFlow法)は、応力−ひずみ曲線のヒステリシスループ(閉じたループ)に着目し、そのひずみ振幅頻度を数える方法である。すなわち、応力−ひずみ曲線を観察すると、そのヒステリシスの中には決して閉じることのない部分が存在する。このレインフロー法では、このような部分が一つのレンジの1/2の疲労被害を与えるものと見なしカウントする。
【0028】
まず、図7(b)のように時間軸を縦に取り、ひずみ信号の波形の時間変化P1→P2…P9→P10を多重の屋根構造にみたて、その各屋根の付け根の位置から山、谷の順に雨滴を流すことを想定する。このときの応力−ひずみヒステリシスは図7(a)のようになる。雨滴は、次の3つの条件を満たす流れとし、その雨滴の停止するまでに流れた横座標を求め、これに相当する大きさのひずみ振幅を分解して、図7(c)に示すような成分をカウントして疲労に有効な成分とする。
条件1:雨滴は、屋根の付け根から番号の順に流れ、停止条件が満たされるまで下の屋根に流れ落ち続ける。
条件2:軒先から落下中の雨滴は、次の条件の一方を満たしたときに落下を停止する。
− 右向き流れの場合
右向きに流れる雨滴の出発点より左側に他の屋根の軒先があらわれたとき(P1から右への流れは、P4の軒先で落下するが、出発点P1より左側に軒先P5があらわれるので、流れはP4からの落下中で停止する)。
【0029】
− 左向きの流れの場合
左向きに流れる雨滴の出発点より右側に他の屋根の軒先があらわれたとき。
条件3:屋根の一部を既に雨滴が流れていたら、その流れは停止とする。
(1−7)レインフロー法(2次元)
振幅およびその平均値(Mean)を計算し、頻度処理する方法である。図8において、Rn(n=1,2…)は振幅を示し、Mn(n=1,2…)は平均値(基準0に対しての値)を示している。すなわち、1次元のレインフロー法はR1,R2,…に対して頻度処理をするが、2次元のレインフロー法の場合には、平均値を同時に処理し、波形の平均応力を合わせて処理する。
(2)最大・最小値(損傷評価)
信号波形の中心レベルを基準レベルと考え、この基準レベルを中心に正負両側に閾値を設ける。閾値を超えてから、次に基準レベルの反対側の閾値を横切るまでの間の最大値と最小値を求める方法である。このようにして得られる最大・最小値は、例えば損傷評価に利用することができる。
【0030】
すなわち、図9に示すように、基準レベルを中心に一方の閾値を超え、次に他方の閾値を超えた時点で先の極値を最大(最小)値の候補とする。次に再度前記一方の閾値を横切った時点で、先の極値を最大(最小)値と確定とし、次の極値を最小(最大)値の候補とする。同様にして、前記一方の閾値を横切った後に前記他方の閾値を横切った時点で次の極値を最小(最大)値とし、再度一方の閾値を横切った時点ではその次の極値を最大(最小)値とする。測定期間中、この操作を常に繰り返し、常に最新の最大値・最小値を求める。
(3)極値列(損傷評価)
信号波形の中心レベルを基準レベルと考え、この基準レベルを中心に正負両側に閾値を設け、また極値決定閾値を絶対値で設定する。閾値を超えてから反対側へ向かう途中、推移変動が極値決定閾値を超えた場合の極値を求める。このような極値列も、例えば損傷評価に利用することができる。
すなわち、図10に示すように、一方の閾値(+αまたは−α)を超えてから反転し、他方の閾値(−αまたは+α)へ向かう途中、推移変動が極値決定閾値βを超えた時点で極値候補となる。極値決定閾値βを超えて再度反転した場合、極値決定閾値βを超えた時点で先の極値候補は極大(小)値と確定し、次に出現した極値が極値候補となる。
【0031】
(4)累積振幅(損傷評価)
信号波形の中心レベルを基準レベルと考え、この基準レベルを中心に正負両側に閾値を設ける。一方の閾値を超えてから他方の閾値へ向かう途中、反転後に推移変動が閾値決定閾値を超えた場合の極値の累積を求める。
このような処理のいずれか、または他の同様の処理のいずれかを計測モジュール1の中央処理ユニット13に予め設定しておき、中央処理ユニット13で所要のデータ処理を行なうようにする。
次に、図1に示した2線式測定・処理システムの具体的な動作を図11〜図13に示すフローチャートを参照して説明する。図11および図12は、測定開始動作についてのフローチャートであり、図13は、データ回収動作についてのフローチャートである。
図11および図12において、処理が開始されると、パーソナルコンピュータ3からコントロールユニット2へ、オールリセットコマンドが送信される(ステップS11)。コントロールユニット2からそれに接続された全ての測定モジュール1へ、リセットコマンドを送信する(ステップS12)。
【0032】
次に、パーソナルコンピュータ3からコントロールユニット2へ、各計測モジュール1の正常動作/故障を判定するための状態確認コマンドを送信し、使用可能な計測モジュール1を走査させる(ステップS13)。コントロールユニット2から全計測モジュール1へ状態確認コマンドを走査送信する(ステップS14)。状態確認コマンドを受信すると、各計測モジュール1は、正常であればモジュールID(識別情報)をコントロールユニット2へ送信する(ステップS15)。コントロールユニット2は、モジュールIDを受信したか否かを判定する(ステップS16)。コントロールユニット2は、モジュールIDを受信していれば、該当する計測モジュール1が動作可能であると判定し、動作可能な計測モジュール1としてパーソナルコンピュータ3にモジュールIDを送信する(ステップS17)。コントロールユニット2は、モジュールIDを受信しなければ、該当する計測モジュール1が動作不能であると判定し、パーソナルコンピュータ3に動作不能な計測モジュール1である旨のNG情報を送信する(ステップS18)。
【0033】
パーソナルコンピュータ3は、動作可能な計測モジュール1だけへの閾値設定コマンドをコントロールユニット2へ送信する(ステップS19)。コントロールユニット2は、動作可能な計測モジュール1へ閾値設定コマンドを送信する(ステップS20)。計測モジュール1は、コントロールユニット2から閾値設定コマンドを受信して所要の閾値設定作業を行なう(ステップS21)。
パーソナルコンピュータ3から、コントロールユニット2を介して先に動作可能と判定された計測モジュール1の全部またはその一部からなる各計測モジュール1へ測定開始コマンドを送信する(ステップS22)。パーソナルコンピュータ3では、この測定開始コマンドの送信のタイミングを調整することにより、各計測モジュール1における閾値の設定方法を選択することができる。
すなわち、各計測モジュール1は、中央処理ユニット13に自動閾値設定機能を有しており、自動閾値設定機能を用いることにより、常時微動、予備加振、および0点の変動(クリープ)等に対して自動的に適応させて閾値を設定することができる。
【0034】
閾値設定コマンドが送信されて計測モジュール1がその信号を受け取ると、自動閾値設定機能が作動する。この機能は、図14に示すように、閾値設定コマンドを受信してから測定開始コマンドを受信するまで、測定値の最大値と最小値を監視する。閾値設定コマンドが受信されてから所定時間、この場合10秒、以上経ってから測定開始コマンドを受信すると、その間の最大値および最小値をそれぞれ区間最大値および区間最小値として設定し、それらにプログラム内で予め定めた定数α′を加えたものを、新たな閾値として設定する。
上閾値=区間最大値+α′
下閾値= 区間最小値−α′
なお、閾値設定コマンドから10秒以上の間隔をおかないで測定開始コマンドを受信した場合には、予め設定された規定の閾値が用いられる。
そこで、パーソナルコンピュータ3では、閾値設定コマンドおよび測定開始コマンドを送信するタイミングを計測モジュール1毎に設定し、該当する計測モジュール1におけるセンサSの種類および計測情報の種類等に応じて、自動閾値設定機能を用いない第1の設定法か、自動閾値設定機能を用いる第2の設定法かを選定し、それに応じたタイミングで計測モジュール1にコマンドを与える。
【0035】
各計測モジュール1は、測定開始コマンドを受信した時点で、閾値設定コマンドから測定開始コマンドまでの経過時間を判定し、予め設定された規定の閾値による第1の設定法か、自動閾値設定機能を用いる第2の設定法かの閾値の設定方法の判定を行なう(ステップS23)。そして、計測モジュール1は、判定された第1または第2の設定法のいずれかの設定法により閾値を設定する(ステップS24)。そして、計測モジュール1は、測定待機状態となり、センサSによる測定値を常時監視する(ステップS25)。計測モジュール1は、中央処理ユニット13において、測定値が閾値を超えたか否かを判定し(ステップS26)、超えていなければステップS25に戻り、測定値が閾値を超えれば、予め設定された所定の演算処理を開始する(ステップS27)。計測モジュール1の中央処理ユニット13は、演算処理の結果を、逐次、メモリ機能部13cに格納し(ステップS28)、演算処理結果の記録データが予め設定されたメモリ記録容量の上限を超えたか否かを判定する(ステップS29)。ステップS28の演算処理の結果のメモリ機能部13cへの格納は、記録容量の上限を超えるまで逐次繰り返され、上限を超えた時点で処理を終了し、計測モジュール1は待機状態となる。
【0036】
データ回収動作は、使用可能な計測モジュール1に対して、図13に示すフローチャートに従って行なわれる。図13において、処理が開始されると、パーソナルコンピュータ3からコントロールユニット2を介して使用可能な各計測モジュール1に対して、データ転送コマンドを送信する(ステップS31)。データ転送コマンドを受信した計測モジュール1は、測定データをコントロールユニット2を介してパーソナルコンピュータ3へ送信する(ステップS32)。
パーソナルコンピュータ3は、測定データを受信したか否かを判定し(ステップS33)、受信していなければステップ31に戻り、データ転送コマンドを送信する。パーソナルコンピュータ3は、ステップS33において測定データを受信したと判定すると、各計測モジュール1へ、次期測定データ転送準備コマンドを送信する(ステップS34)。
このような手順を繰り返して測定データを回収する(ステップS35)。測定データ回収の順番は、次の通りである。
【0037】
(1)現在値
(2)最大値
(3)最小値
(4)上閾値
(5)下閾値
(6)演算処理結果(収録数)
以後、演算処理結果の測定データを収録数だけ繰り返し回収する。測定データを収録数だけ回収した後に、演算処理結果の妥当性を判定する測定結果判定コマンドを回収する。
そして、パーソナルコンピュータ3は、所定数の測定データを回収したか否かを判定し(ステップS36)、所定数に達していなければステップS31に戻って同様の処理を繰り返し、所定数に達すれば、処理を終了する。
なお、上述における計測モジュール1への各種命令は、計測モジュール1内のファームウェア12から中央処理ユニット13へのコマンド信号ポートL2、L1およびL0の信号を組み合わせて生成する。
【0038】
【表1】
【0039】
なお、送信ビットL1は、特殊なコマンドの時だけ使用するが今回は用いていない。コマンド番号「00」は、閾値設定時には測定開始、データ回収時にはポインタ移動、それ以外には現在値転送要求とする。コマンド番号「01」はタイミングによって、閾値の設定を判断する。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、比較的簡単な構成を用いて、対象部位の動的情報等の計測情報を効率良く処理収集することを可能とする2線式測定・処理システムを提供することができる。
すなわち本発明の請求項1の2線式測定・処理システムによれば、1個以上の計測モジュールと、コントロールユニットとを具備し、前記計測モジュールは、センサが各対応して接続されて、該センサから得られるアナログ信号をディジタル信号に変換し、当該ディジタル信号に所定の演算処理を施し、その演算処理結果を一旦記憶して転送出力に供し、前記コントロールユニットは、前記1個以上の計測モジュールに各2線を介して接続され、該2線により前記計測モジュールに対する電力供給および前記計測モジュールとの間のデータ伝送を行なって、前記計測モジュールの前記演算処理結果に基づくデータを収集することにより、簡単な構成で、しかも対象部位の動的情報等の計測情報を効率良く収集することが可能となる。
【0041】
また、本発明の請求項2の2線式測定・処理システムによれば、請求項1の2線式測定・処理システムにおいて、前記計測モジュールが、前記コントロールユニットからの制御指令によってその動作を制御されることにより、特に、センサが接続されて対象部位近傍に設置される計測モジュールの装置構成を簡単化することができる。
さらに、本発明の請求項3の2線式測定・処理システムによれば、請求項1または請求項2の2線式測定・処理システムにおいて、前記計測モジュールと前記コントロールユニットとの間の接続が、極性なしの2線によって行なわれ、前記コントロールユニットから前記計測モジュールへの電力供給は交流平衡波形によって行なわれることにより、特に、対象部位近傍に設置される計測モジュールと計測情報を収集処理するコントロールユニットとの間の接続構成を簡単化することができる。
本発明の請求項4の2線式測定・処理システムによれば、請求項1〜3のいずれか1項の2線式測定・処理システムにおいて、前記計測モジュールが、所定時間における動的データ処理を行なう演算処理手段を含むことにより、特に、対象部位の動的情報を効率良く収集することができる。
【0042】
本発明の請求項5の2線式測定・処理システムによれば、請求項4の2線式測定・処理システムにおいて、前記演算処理手段が、所定時間における最大値/最小値を取得する手段を含むことにより、特に、対象部位の計測情報の所定時間における最大値/最小値を含む動的情報を効率良く収集することができる。
本発明の請求項6の2線式測定・処理システムによれば、請求項4の2線式測定・処理システムにおいて、前記演算処理手段が、所定時間における極大/極小値列を取得する手段を含むことにより、特に、対象部位の計測情報の所定時間における極大/極小値列を含む動的情報を効率良く収集することができる。
本発明の請求項7の2線式測定・処理システムによれば、請求項4の2線式測定・処理システムにおいて、前記演算処理手段が、所定時間における極値の頻度分布を取得する手段を含むことにより、特に、対象部位の計測情報の所定時間における極値の頻度分布を含む動的情報を効率良く収集することができる。
本発明の請求項8の2線式測定・処理システムによれば、請求項4の2線式測定・処理システムにおいて、前記演算処理手段が、所定時間における累積振幅値を取得する手段を含むことにより、特に、対象部位の計測情報の所定時間における累積振幅値を含む動的情報を効率良く収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る2線式測定・処理システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】図1の2線式測定・処理システムで用い得る極大値/極小値法によるヒストグラム処理のデータ処理を説明するための図である。
【図3】図1の2線式測定・処理システムで用い得る正極大値/負極小値法によるヒストグラム処理のデータ処理を説明するための図である。
【図4】図1の2線式測定・処理システムで用い得る最大値/最小値法によるヒストグラム処理のデータ処理を説明するための図である。
【図5】図1の2線式測定・処理システムで用い得るレベルクロッシング法によるヒストグラム処理のデータ処理を説明するための図である。
【図6】図1の2線式測定・処理システムで用い得る振幅法によるヒストグラム処理のデータ処理を説明するための図である。
【図7】図1の2線式測定・処理システムで用い得る一次元レインフロー法によるヒストグラム処理のデータ処理を説明するための図である。
【図8】図1の2線式測定・処理システムで用い得る二次元レインフロー法によるヒストグラム処理のデータ処理を説明するための図である。
【図9】図1の2線式測定・処理システムで用い得る最大・最小値処理のデータ処理を説明するための図である。
【図10】図1の2線式測定・処理システムで用い得る極値列処理のデータ処理を説明するための図である。
【図11】図1の2線式測定・処理システムにおける測定開始動作の前半を説明するためのフローチャートである。
【図12】図1の2線式測定・処理システムにおける測定開始動作の残部を説明するためのフローチャートである。
【図13】図1の2線式測定・処理システムにおけるデータ回収動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】図1の2線式測定・処理システムにおける自動閾値設定機能を説明するための図である。
【符号の説明】
1 計測モジュール
2 コントロールユニット
3 パーソナルコンピュータ(PC)
11 通信チップ
12 ファームウェア
13 中央処理ユニット(CPU)
13a 演算制御機能部
13b A/D(アナログ−ディジタル)変換機能部
13c メモリ機能部
14 ひずみアンプ(ひずみ増幅器)
21 通信回路
22 結合回路
23 交流電圧発生回路
S センサ
Claims (8)
- センサが各対応して接続されて、該センサから得られるアナログ信号をディジタル信号に変換し、当該ディジタル信号に所定の演算処理を施し、その演算処理結果を一旦記憶して転送出力に供する1個以上の計測モジュールと、
前記1個以上の計測モジュールに各2線を介して接続され、該2線により前記計測モジュールに対する電力供給および前記計測モジュールとの間のデータ伝送を行なって、前記計測モジュールの前記演算処理結果に基づくデータを収集するコントロールユニットと
を具備することを特徴とする2線式測定・処理システム。 - 前記計測モジュールは、その動作が前記コントロールユニットからの制御指令によって制御されることを特徴とする請求項1に記載の2線式測定・処理システム。
- 前記計測モジュールと前記コントロールユニットとの間の接続は、極性なしの2線によって行なわれ、前記コントロールユニットから前記計測モジュールへの電力供給は交流平衡波形によって行なわれることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の2線式測定・処理システム。
- 前記計測モジュールは、所定時間における動的データ処理を行なう演算処理手段を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の2線式測定・処理システム。
- 前記演算処理手段は、所定時間における最大値/最小値を取得する手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の2線式測定・処理システム。
- 前記演算処理手段は、所定時間における極大/極小値列を取得する手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の2線式測定・処理システム。
- 前記演算処理手段は、所定時間における極値の頻度分布を取得する手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の2線式測定・処理システム。
- 前記演算処理手段は、所定時間における累積振幅値を取得する手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の2線式測定・処理システム。
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