JP2005036835A - シザーズギア - Google Patents
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Abstract
【課題】メインギアとサブギアとの摺動面を充分に潤滑にすることができるシザーズギアを提供する。
【解決手段】回転軸に固定されたメインギア11と、メインギア11の一側に、周方向に相対的に摺動可能に備えられたサブギア12とを備えたシザーズギアにおいて、メインギア11の側面及び/又はサブギア12の側面に、サブギア12のメインギア11との摺動面33の一部及び/又はメインギア11のサブギア12との摺動面25の一部を外部に開放する潤滑油導入孔26(34)を備えたことを特徴とするシザーズギアである。
【選択図】 図4
【解決手段】回転軸に固定されたメインギア11と、メインギア11の一側に、周方向に相対的に摺動可能に備えられたサブギア12とを備えたシザーズギアにおいて、メインギア11の側面及び/又はサブギア12の側面に、サブギア12のメインギア11との摺動面33の一部及び/又はメインギア11のサブギア12との摺動面25の一部を外部に開放する潤滑油導入孔26(34)を備えたことを特徴とするシザーズギアである。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックラッシュ、及びバックラッシュによるギアの歯打ち音の発生を低減するシザーズギアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シザーズギアは、例えば、自動車用エンジン等に搭載されるギアの噛合部において使用される。シザーズギアは、メインギアの側面にサブギアを取り付け、これらをスプリングにより周方向に付勢し、相手ギアの歯をメインギアの歯とサブギアの歯とで挟み込むものである。これにより、シザーズギアは、相手ギアとのバックラッシュ、及びバックラッシュによるギアの歯打ち音の発生を低減する。このようなシザーズギアにおいては、スプリングは、メインギアとサブギアとの間に形成された空間に収容されている。この空間には、潤滑油が回転軸等から供給される。このようなシザーズギアは、特許文献1等にも記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−288462号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のシザーズギアにおいては、メインギアとサブギアとが隙間なく接して、メインギアとサブギアとの摺動面を形成しており、このメインギアとサブギアとの摺動面には、潤滑油が進入しにくく、潤滑が充分に行われないことがあった。そのため、メインギア及びサブギアの、メインギアとサブギアとの摺動面が摩耗してしまうことがあった。また、メインギアとサブギアとの摺動(相対回転)がスムースでなくなり、シザーズギアの機能が充分に発揮されないことがあった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、メインギアとサブギアとの摺動面を充分に潤滑にすることができるシザーズギアを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、回転軸に固定されたメインギアと、該メインギアの一側に、周方向に相対的に摺動可能に備えられたサブギアとを備えたシザーズギアにおいて、上記メインギアの側面及び/又は上記サブギアの側面に、上記サブギアの上記メインギアとの摺動面の一部及び/又は上記メインギアの上記サブギアとの摺動面の一部を外部に開放する潤滑油導入孔を備えたことを特徴とするシザーズギアである。
【0007】
請求項2の発明は、上記メインギア及び/又は上記サブギアの摺動面に形成された溝と、該溝に収容され、上記メインギア及び上記サブギアを周方向に付勢するスプリングとを備え、上記潤滑油導入孔は、上記スプリングの側面の一部を外部に開放する請求項1記載のシザーズギアである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0009】
図1に示すように、シザーズギア10は、図示しない回転軸に固定されたメインギア11と、メインギア11の一側(図2中の左側)に、周方向に相対的に摺動可能に備えられたサブギア12と、メインギア11とサブギア12との間に形成された溝27(図2参照)に収容された、メインギア11及びサブギア12を周方向に付勢するスプリング(C字形スプリング)13とを備えている。
【0010】
メインギア11とサブギア12とは、これらの歯21、31の歯面が一致するように取り付けられている。メインギア11の側面に、スプリング13を収容するための溝27を設けているので、メインギア11とサブギア12との間には、空間14(図2参照)が形成される。
【0011】
スプリング13の周方向の両端部は、ピン15とそれぞれ係合している。メインギア11とサブギア12とは、セットボルト16により固定されている。メインギア11とサブギア12とを固定することにより、スプリング13による付勢を抑制する。このセットボルト16は、シザーズギア10を、図示しない相手ギアに噛合した後、取り外される。セットボルト16が取り外されると、メインギア11及びサブギア12は、スプリング13により周方向にそれぞれ付勢され、メインギア11とサブギア12とで、相手ギアを周方向に挟み込む。
【0012】
図3(a)及び(b)に示すように、メインギア11の外周部には、所定の歯数及び歯車形状を有する歯21が設けられている。本実施の形態のメインギア11は、インボリュート平歯車である。
【0013】
図3(b)に示すように、メインギア11の一側(図中の左側)には、軸方向に突出して、サブギア12を嵌入するためのボス24が設けられている。このボス24より径方向の外方の側面は、サブギア12の側面(摺動面33)と接する摺動面25である。この摺動面25は、メインギア11のサブギア12との摺動面である。摺動面25の一部には、スプリング13を収容するための溝27が全周に渡って設けられている。図3(a)に示すように、この溝27の底面には、ねじ孔28と、ピン孔29とがそれぞれ軸方向に設けられている。このねじ孔28には、後述するサブギア12のボルト孔35から挿入されたセットボルト16が螺合される。一方、ピン孔29には、ピン15が挿入される。
【0014】
メインギア11の径方向の中央には、メインギア11を回転軸に嵌入するための嵌入孔22が設けられている。嵌入孔22には、メインギア11を回転軸に固定するためのキー溝23が設けられている。
【0015】
メインギア11の側面には、軸方向に貫通して潤滑油導入孔26が設けられている。本実施の形態では、潤滑油導入孔26は、周方向に所定のピッチ(角度)p1(=60°)で、六箇所設けられている。
【0016】
ここで、潤滑油導入孔26は、少なくとも後述するサブギア12の摺動面33の一部、及び溝27に収容されたスプリング13の側面の一部を外部に開放するような位置及び大きさに設けられる。本実施の形態では、図4に示すように、潤滑油導入孔26は、サブギア12の摺動面33の一部、スプリング13の側面の一部、及び空間14(メインギア11の溝27)の一部が外部に開放するように設けられている。
【0017】
図5(a)及び(b)に示すように、サブギア12の外周部には、メインギア11の歯21と同一歯数及び同一歯車形状を有する歯31が設けられている。サブギア12の径方向の中央には、サブギア12をメインギア11のボス24に嵌入するための嵌入孔32が設けられている。図5(b)に示す、サブギア12の一側(図中の右側)は、メインギア11の側面(摺動面25)と接する摺動面33である。この摺動面33は、サブギア12のメインギア11との摺動面である。
【0018】
図5(a)に示すように、サブギア12の側面には、ボルト孔35と、ピン孔36とがそれぞれ軸方向に設けられている。これらボルト孔35及びピン孔36は、メインギア11のねじ孔28及びピン孔29と径方向に同位置にそれぞれ設けられる。ボルト孔35には、セットボルト16が挿入される。一方、ピン孔36には、ピン15が挿入される。
【0019】
サブギア11の側面には、軸方向に貫通して潤滑油導入孔34が設けられている。本実施の形態では、潤滑油導入孔34は、周方向に所定のピッチ(角度)p2(=90°)で、四箇所設けられている。
【0020】
ここで、潤滑油導入孔34は、少なくともメインギア11の摺動面25の一部、及び溝27に収容されたスプリング13の側面の一部を外部に開放するような位置及び大きさに設けられる。本実施の形態では、図6に示すように、潤滑油導入孔34は、メインギア11の摺動面25の一部、スプリング13の側面の一部、及び空間14(メインギア11の溝27)の一部が外部に開放するように設けられている。
【0021】
次に、メインギア11の潤滑油導入孔26、及びサブギア12の潤滑油導入孔34の作用について説明する。
【0022】
回転軸が回転されると、回転軸や各ギア等に付着している潤滑油が遠心力により周囲に飛散する。この飛散した潤滑油の一部は、メインギア11の潤滑油導入孔26、及びサブギア12の潤滑油導入孔34より空間14(図4及び6参照)に進入する。このとき、図4に示すように、メインギア11の潤滑油導入孔26より進入した潤滑油は、サブギア12の摺動面33、及びスプリング13の側面に直接かかる。一方、図6に示すように、サブギア12の潤滑油導入孔34より進入した潤滑油は、メインギア11の摺動面25、スプリング13の側面、及び溝27に直接かかる。
【0023】
空間14に供給された潤滑油は、スプリング13及びピン15を潤滑にする。メインギア11の摺動面25、及びサブギア12の摺動面33に直接かかった潤滑油は、メインギア11とサブギア12との摺動により、摺動面25、及び摺動面33の全体(より広い範囲)に行き渡る。空間14に供給された潤滑油の一部も摺動面25、及び摺動面33を潤滑にする。この摺動面25、及び摺動面33の全体に行き渡った潤滑油の一部は、メインギア11のボス24と、サブギア12の嵌入孔32との隙間にも達する。
【0024】
このように、本実施の形態のシザーズギア10によれば、潤滑油が摺動面25、及び摺動面33に直接かかるように、メインギア11の潤滑油導入孔26、及びサブギア12の潤滑油導入孔34を設けているので、従来より確実に潤滑油を、メインギア11の摺動面25、サブギア12の摺動面33、及びボス24と嵌入孔32との隙間に供給することができる。これにより、メインギア11及びサブギア12の摩耗を防止することができる。
【0025】
また、空間14に供給された潤滑油は、スプリング13のメインギア11との摺動面(側面)、スプリング13のサブギア12との摺動面(側面)、及びスプリング13とピン15との摺動面を潤滑にする。これにより、スプリング13及びピン15の摩耗を防止することができる。
【0026】
以上、メインギア11の摺動面25の一部、及びサブギア12の摺動面33の一部を外部に開放するように、メインギア11の潤滑油導入孔26、及びサブギア12の潤滑油導入孔34を設けている。これにより、潤滑油は、メインギア11の摺動面25、及びサブギア12の摺動面33に直接かかり、潤滑油をメインギア11の摺動面25、及びサブギア12の摺動面33に充分に供給することができる。そのため、メインギア11及びサブギア12の摩耗を防止することができると共に、メインギア11とサブギア12との摺動は、スムースなままで維持され、シザーズギア10の機能が損なわれることはない。
【0027】
また、スプリング13の側面の一部を外部に開放するように、メインギア11の潤滑油導入孔26、及びサブギア12の潤滑油導入孔34を設けたので、潤滑油をスプリング13及びピン15に充分に供給することができる。そのため、スプリング13及びピン15の摩耗を防止することができる。
【0028】
なお、本実施の形態のシザーズギア10は、潤滑油導入孔26(34)を、メインギア11及びサブギア12の双方に設けているが、いずれか一方にだけ設けてもよい。そのようにしても、メインギア11の摺動面25、又はサブギア12の摺動面33のいずれか一方には、潤滑油が直接かかる。そして、メインギア11の摺動面25、又はサブギア12の摺動面33に直接かかった潤滑油は、メインギア11とサブギア12との摺動により、摺動面25、及び摺動面33の全体(より広い範囲)に行き渡る。
【0029】
また、メインギア11及びサブギア12にコーティング(例えば、モリブデン、グラファイト等による)を行うとよい。このコーティングは、少なくともメインギア11の摺動面25、及びサブギア12の摺動面33に行うとよい。これにより、より確実に摺動面25、及び摺動面33の摩耗を防止することができる。
【0030】
また、メインギア11の潤滑油導入孔26、及びサブギア12の潤滑油導入孔34の数(ピッチp1、p2)及び大きさは、上述の実施の形態には限定されない。
【0031】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、メインギアとサブギアとの摺動面を充分に潤滑にすることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態を示すシザーズギアの正面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】(a)は、メインギアの正面図である。
(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線断面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】(a)は、サブギアの正面図である。
(b)は、図5(a)のVb−Vb線断面図である。
【図6】図1のVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
11 メインギア
12 サブギア
13 スプリング
25、33 摺動面
26、34 潤滑油導入孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックラッシュ、及びバックラッシュによるギアの歯打ち音の発生を低減するシザーズギアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シザーズギアは、例えば、自動車用エンジン等に搭載されるギアの噛合部において使用される。シザーズギアは、メインギアの側面にサブギアを取り付け、これらをスプリングにより周方向に付勢し、相手ギアの歯をメインギアの歯とサブギアの歯とで挟み込むものである。これにより、シザーズギアは、相手ギアとのバックラッシュ、及びバックラッシュによるギアの歯打ち音の発生を低減する。このようなシザーズギアにおいては、スプリングは、メインギアとサブギアとの間に形成された空間に収容されている。この空間には、潤滑油が回転軸等から供給される。このようなシザーズギアは、特許文献1等にも記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−288462号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のシザーズギアにおいては、メインギアとサブギアとが隙間なく接して、メインギアとサブギアとの摺動面を形成しており、このメインギアとサブギアとの摺動面には、潤滑油が進入しにくく、潤滑が充分に行われないことがあった。そのため、メインギア及びサブギアの、メインギアとサブギアとの摺動面が摩耗してしまうことがあった。また、メインギアとサブギアとの摺動(相対回転)がスムースでなくなり、シザーズギアの機能が充分に発揮されないことがあった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、メインギアとサブギアとの摺動面を充分に潤滑にすることができるシザーズギアを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、回転軸に固定されたメインギアと、該メインギアの一側に、周方向に相対的に摺動可能に備えられたサブギアとを備えたシザーズギアにおいて、上記メインギアの側面及び/又は上記サブギアの側面に、上記サブギアの上記メインギアとの摺動面の一部及び/又は上記メインギアの上記サブギアとの摺動面の一部を外部に開放する潤滑油導入孔を備えたことを特徴とするシザーズギアである。
【0007】
請求項2の発明は、上記メインギア及び/又は上記サブギアの摺動面に形成された溝と、該溝に収容され、上記メインギア及び上記サブギアを周方向に付勢するスプリングとを備え、上記潤滑油導入孔は、上記スプリングの側面の一部を外部に開放する請求項1記載のシザーズギアである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0009】
図1に示すように、シザーズギア10は、図示しない回転軸に固定されたメインギア11と、メインギア11の一側(図2中の左側)に、周方向に相対的に摺動可能に備えられたサブギア12と、メインギア11とサブギア12との間に形成された溝27(図2参照)に収容された、メインギア11及びサブギア12を周方向に付勢するスプリング(C字形スプリング)13とを備えている。
【0010】
メインギア11とサブギア12とは、これらの歯21、31の歯面が一致するように取り付けられている。メインギア11の側面に、スプリング13を収容するための溝27を設けているので、メインギア11とサブギア12との間には、空間14(図2参照)が形成される。
【0011】
スプリング13の周方向の両端部は、ピン15とそれぞれ係合している。メインギア11とサブギア12とは、セットボルト16により固定されている。メインギア11とサブギア12とを固定することにより、スプリング13による付勢を抑制する。このセットボルト16は、シザーズギア10を、図示しない相手ギアに噛合した後、取り外される。セットボルト16が取り外されると、メインギア11及びサブギア12は、スプリング13により周方向にそれぞれ付勢され、メインギア11とサブギア12とで、相手ギアを周方向に挟み込む。
【0012】
図3(a)及び(b)に示すように、メインギア11の外周部には、所定の歯数及び歯車形状を有する歯21が設けられている。本実施の形態のメインギア11は、インボリュート平歯車である。
【0013】
図3(b)に示すように、メインギア11の一側(図中の左側)には、軸方向に突出して、サブギア12を嵌入するためのボス24が設けられている。このボス24より径方向の外方の側面は、サブギア12の側面(摺動面33)と接する摺動面25である。この摺動面25は、メインギア11のサブギア12との摺動面である。摺動面25の一部には、スプリング13を収容するための溝27が全周に渡って設けられている。図3(a)に示すように、この溝27の底面には、ねじ孔28と、ピン孔29とがそれぞれ軸方向に設けられている。このねじ孔28には、後述するサブギア12のボルト孔35から挿入されたセットボルト16が螺合される。一方、ピン孔29には、ピン15が挿入される。
【0014】
メインギア11の径方向の中央には、メインギア11を回転軸に嵌入するための嵌入孔22が設けられている。嵌入孔22には、メインギア11を回転軸に固定するためのキー溝23が設けられている。
【0015】
メインギア11の側面には、軸方向に貫通して潤滑油導入孔26が設けられている。本実施の形態では、潤滑油導入孔26は、周方向に所定のピッチ(角度)p1(=60°)で、六箇所設けられている。
【0016】
ここで、潤滑油導入孔26は、少なくとも後述するサブギア12の摺動面33の一部、及び溝27に収容されたスプリング13の側面の一部を外部に開放するような位置及び大きさに設けられる。本実施の形態では、図4に示すように、潤滑油導入孔26は、サブギア12の摺動面33の一部、スプリング13の側面の一部、及び空間14(メインギア11の溝27)の一部が外部に開放するように設けられている。
【0017】
図5(a)及び(b)に示すように、サブギア12の外周部には、メインギア11の歯21と同一歯数及び同一歯車形状を有する歯31が設けられている。サブギア12の径方向の中央には、サブギア12をメインギア11のボス24に嵌入するための嵌入孔32が設けられている。図5(b)に示す、サブギア12の一側(図中の右側)は、メインギア11の側面(摺動面25)と接する摺動面33である。この摺動面33は、サブギア12のメインギア11との摺動面である。
【0018】
図5(a)に示すように、サブギア12の側面には、ボルト孔35と、ピン孔36とがそれぞれ軸方向に設けられている。これらボルト孔35及びピン孔36は、メインギア11のねじ孔28及びピン孔29と径方向に同位置にそれぞれ設けられる。ボルト孔35には、セットボルト16が挿入される。一方、ピン孔36には、ピン15が挿入される。
【0019】
サブギア11の側面には、軸方向に貫通して潤滑油導入孔34が設けられている。本実施の形態では、潤滑油導入孔34は、周方向に所定のピッチ(角度)p2(=90°)で、四箇所設けられている。
【0020】
ここで、潤滑油導入孔34は、少なくともメインギア11の摺動面25の一部、及び溝27に収容されたスプリング13の側面の一部を外部に開放するような位置及び大きさに設けられる。本実施の形態では、図6に示すように、潤滑油導入孔34は、メインギア11の摺動面25の一部、スプリング13の側面の一部、及び空間14(メインギア11の溝27)の一部が外部に開放するように設けられている。
【0021】
次に、メインギア11の潤滑油導入孔26、及びサブギア12の潤滑油導入孔34の作用について説明する。
【0022】
回転軸が回転されると、回転軸や各ギア等に付着している潤滑油が遠心力により周囲に飛散する。この飛散した潤滑油の一部は、メインギア11の潤滑油導入孔26、及びサブギア12の潤滑油導入孔34より空間14(図4及び6参照)に進入する。このとき、図4に示すように、メインギア11の潤滑油導入孔26より進入した潤滑油は、サブギア12の摺動面33、及びスプリング13の側面に直接かかる。一方、図6に示すように、サブギア12の潤滑油導入孔34より進入した潤滑油は、メインギア11の摺動面25、スプリング13の側面、及び溝27に直接かかる。
【0023】
空間14に供給された潤滑油は、スプリング13及びピン15を潤滑にする。メインギア11の摺動面25、及びサブギア12の摺動面33に直接かかった潤滑油は、メインギア11とサブギア12との摺動により、摺動面25、及び摺動面33の全体(より広い範囲)に行き渡る。空間14に供給された潤滑油の一部も摺動面25、及び摺動面33を潤滑にする。この摺動面25、及び摺動面33の全体に行き渡った潤滑油の一部は、メインギア11のボス24と、サブギア12の嵌入孔32との隙間にも達する。
【0024】
このように、本実施の形態のシザーズギア10によれば、潤滑油が摺動面25、及び摺動面33に直接かかるように、メインギア11の潤滑油導入孔26、及びサブギア12の潤滑油導入孔34を設けているので、従来より確実に潤滑油を、メインギア11の摺動面25、サブギア12の摺動面33、及びボス24と嵌入孔32との隙間に供給することができる。これにより、メインギア11及びサブギア12の摩耗を防止することができる。
【0025】
また、空間14に供給された潤滑油は、スプリング13のメインギア11との摺動面(側面)、スプリング13のサブギア12との摺動面(側面)、及びスプリング13とピン15との摺動面を潤滑にする。これにより、スプリング13及びピン15の摩耗を防止することができる。
【0026】
以上、メインギア11の摺動面25の一部、及びサブギア12の摺動面33の一部を外部に開放するように、メインギア11の潤滑油導入孔26、及びサブギア12の潤滑油導入孔34を設けている。これにより、潤滑油は、メインギア11の摺動面25、及びサブギア12の摺動面33に直接かかり、潤滑油をメインギア11の摺動面25、及びサブギア12の摺動面33に充分に供給することができる。そのため、メインギア11及びサブギア12の摩耗を防止することができると共に、メインギア11とサブギア12との摺動は、スムースなままで維持され、シザーズギア10の機能が損なわれることはない。
【0027】
また、スプリング13の側面の一部を外部に開放するように、メインギア11の潤滑油導入孔26、及びサブギア12の潤滑油導入孔34を設けたので、潤滑油をスプリング13及びピン15に充分に供給することができる。そのため、スプリング13及びピン15の摩耗を防止することができる。
【0028】
なお、本実施の形態のシザーズギア10は、潤滑油導入孔26(34)を、メインギア11及びサブギア12の双方に設けているが、いずれか一方にだけ設けてもよい。そのようにしても、メインギア11の摺動面25、又はサブギア12の摺動面33のいずれか一方には、潤滑油が直接かかる。そして、メインギア11の摺動面25、又はサブギア12の摺動面33に直接かかった潤滑油は、メインギア11とサブギア12との摺動により、摺動面25、及び摺動面33の全体(より広い範囲)に行き渡る。
【0029】
また、メインギア11及びサブギア12にコーティング(例えば、モリブデン、グラファイト等による)を行うとよい。このコーティングは、少なくともメインギア11の摺動面25、及びサブギア12の摺動面33に行うとよい。これにより、より確実に摺動面25、及び摺動面33の摩耗を防止することができる。
【0030】
また、メインギア11の潤滑油導入孔26、及びサブギア12の潤滑油導入孔34の数(ピッチp1、p2)及び大きさは、上述の実施の形態には限定されない。
【0031】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、メインギアとサブギアとの摺動面を充分に潤滑にすることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態を示すシザーズギアの正面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】(a)は、メインギアの正面図である。
(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線断面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】(a)は、サブギアの正面図である。
(b)は、図5(a)のVb−Vb線断面図である。
【図6】図1のVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
11 メインギア
12 サブギア
13 スプリング
25、33 摺動面
26、34 潤滑油導入孔
Claims (2)
- 回転軸に固定されたメインギアと、該メインギアの一側に、周方向に相対的に摺動可能に備えられたサブギアとを備えたシザーズギアにおいて、上記メインギアの側面及び/又は上記サブギアの側面に、上記サブギアの上記メインギアとの摺動面の一部及び/又は上記メインギアの上記サブギアとの摺動面の一部を外部に開放する潤滑油導入孔を備えたことを特徴とするシザーズギア。
- 上記メインギア及び/又は上記サブギアの摺動面に形成された溝と、該溝に収容され、上記メインギア及び上記サブギアを周方向に付勢するスプリングとを備え、上記潤滑油導入孔は、上記スプリングの側面の一部を外部に開放する請求項1記載のシザーズギア。
Priority Applications (1)
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Cited By (2)
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EP3376075A4 (en) * | 2015-11-12 | 2019-07-03 | Isuzu Motors Limited | SCISSORS GEAR OIL SUPPLY STRUCTURE |
CN112032281A (zh) * | 2020-09-11 | 2020-12-04 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种消隙齿轮及齿轮传动系 |
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2003
- 2003-07-16 JP JP2003197763A patent/JP2005036835A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP3376075A4 (en) * | 2015-11-12 | 2019-07-03 | Isuzu Motors Limited | SCISSORS GEAR OIL SUPPLY STRUCTURE |
US10626976B2 (en) | 2015-11-12 | 2020-04-21 | Isuzu Motors Limited | Scissor gear oil supplying structure |
CN112032281A (zh) * | 2020-09-11 | 2020-12-04 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种消隙齿轮及齿轮传动系 |
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