JP2005036357A - 耐油紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、油性食品を収納しても、加温状態であっても油が外部まで浸み出す恐れのない、かつ水滴などの付着が生じない包装材料として、耐油剤等を用いない構成の、吸油性、吸水性、通気性を併せ持つ十分な耐油性を発揮する優れた耐油紙を提供することを目的とするものである。
【解決手段】パルプ繊維を主体とするパルプ繊維層と樹脂繊維を主体とする樹脂繊維層を交互に複数層積層した多層構成からなり、表裏がパルプ繊維を主体とするパルプ繊維層からなることを特徴とする耐油紙である。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐油性等を要求される油性食品を収納する紙製トレー、紙製容器等の基材として適する、吸油性、吸水性、通気性を併せ持つ耐油性に優れる耐油紙に関するものである。
耐油紙は「耐油性をもたせた紙の総称。高度に粘性叩解した化学パルプで製造した紙、耐油脂性の材料処理した紙などがある。油脂性食品の包装などに用いられる。」と定義されている(JIS Z0108参照)。
一般的には、耐油性としてはキット値(TAPPI UM−557)が8以上であることが望ましく、これはサラダ油をはじくレベルである。紙を耐油化するためには、加工処理面の臨界表面張力を油性物質の表面張力より小さくすることが必要である。このような機能を有する薬品を耐油剤と称し、主に過フッ素炭化水素のアクリルレートまたはリン酸エステルなどのフッ素系化合物を用いたものが、従来耐油紙の主流となっていた。
耐油紙としては、この他にもグラシン紙、ポリエチレン加工紙、塩化ビニリデン加工紙、防湿セロハン及びアルミウム箔ラミネート紙などがあるが、紙の表面張力を下げ,濡れの現象から油の浸透を防止するという点から、やはり、従来フッ素系耐油剤で処埋した加工紙が耐油紙の本命であった。
しかしながら、フッ素系の耐油剤は、耐油性を発現するパーフルオロアルキル基と紙の表面に定着させるためのリン酸エステル基などの官能基を分子の両端に有している。このうち、紙に定着させるための官能基は親水性であり、アニオン性あるいはノニオン性を帯びているのが一般的である。フッ素系耐油剤の耐油性は、リン酸エステル基などがその親水性によって紙に定着すること、パーフルオロアルキル基が紙表面で外側に向けて配向し、加工処理面の表面張力が油性物質の表面張力より低くなることによって発現する。言い換えれば、紙に耐油剤の定着を阻害する物質が存在していると、パーフルオロアルキル基の紙表面での配向が乱れ、耐油性は発現しないという問題があった。
また、フッ素系耐油剤を用いた耐油紙は、加熱(例えば、120℃、10分)すると紙中に存在するフッ素系耐油剤が熱分解されて自然界において「難分解性」のフッ素系炭化水素が発生し、環境汚染の問題が危惧されている。
ところで、最近、ファーストフード店やコンビニエンスストアが多くなり、これらの店では、一般のお菓子や食品の他、持ち帰り調理食品を扱うのが特徴となっている。
この持ち帰り食品としては、ハンバーガー、ホットドッグ等の油を用いた食品があり、この中には加温状態の食品もあり、これら食品は油性食品であるため、油の浸み出しを防止するため最内層に合成樹脂フィルムを用いた、例えばアルミ箔/紙/ポリエチレン層、紙/ポリエチレン層からなる袋、箱等に収納するか、ワックス含浸紙からなる袋に収納して持ち帰っていたのが一般的であった。
前記材料からなる袋、または箱は、油性食品であっても油の浸み出しがないが、加温状態の食品を包装する際、袋、箱等の容器の内外の温度差により、容器内面に結露し、この結露した水が食品に移行してしまうため、持ち帰った食品の食感を損なうことがあった。
以上のようなファーストフード店やコンビニエンスストア等で発売している、加温状態の持ち帰り調理食品を包装しても、結露による食感の低下を小さくした加温食品用包装材料が提案されている。
すなわち、基材の内面にヒートシール性、および吸水性を有する材料からなる内面層を設けたことを特徴とした加温食品用包装材料であり、また前記内面層として、ヒートシール性および吸水性を有する不織布、または無サイズ紙と穴のあいた熱接着性フィルムとの積層材料を用いた加温食用品包装材料である。
さらに、基材と内面層との間に吸水性樹脂層を設けた加温食品用包装材料である。
このように包装材料の内面層を、吸水性、ヒートシール性を有する構成としたので加温食品を収納しても、内面に結露が発生せず、袋、箱として使用できる。また、基材と内面層の間に吸水性樹脂層を設けることにより水蒸気を多く発生する、いわゆる水分の多い食品であっても内面に結露が発生せず安心して使用することができるようにしたものである。
しかしながら、フライドポテト、フライドチキン等の油で揚げた食品を前記構成の包装材料からなる容器に収納した場合、油が食品との接触部分だけでなく、食品の周囲まで広がり美観性に問題があり、改善が望まれていた。特に、揚げたての食品の場合、前記の油の広がりだけでなく、容器の外部まで浸み出してしまうことがあった。
また、特に、アクリル系樹脂やポリエステル系樹脂からなる耐油剤を紙等に含浸もしくはコーティングした耐油紙は、耐油剤樹脂からなる被膜を形成するために、通気性が消失するかもしくは通気性が低下する。このような耐油紙を容器などに成形して、内容物として、例えば、コロッケ等の揚げ物等の油性食品を収納した場合、内容物の水分が容器内に溜まり、内容物の風味が損なわれたり、水分が内容物に再吸収されて内容物のクリスビー感が損なわれるという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、油性食品を収納しても、加温状態であっても油が外部まで浸み出す恐れのない、かつ水滴などの付着が生じない包装材料として、耐油剤等を用いない構成の、吸油性、吸水性、通気性を併せ持つ十分な耐油性を発揮する優れた耐油紙を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、
請求項1に係る発明は、
パルプ繊維を主体とするパルプ繊維層と樹脂繊維を主体とする樹脂繊維層を交互に複数層積層した多層構成からなり、表裏がパルプ繊維を主体とするパルプ繊維層からなることを特徴とする耐油紙である。
請求項2に係る発明は、
前記樹脂繊維が、熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の耐油紙である。
請求項3に係る発明は、
前記樹脂繊維が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルアクリレ
ート酸共重合体、アイオノマー、ポリビニルアルコール、アクリルから選ばれるいずれかの樹脂繊維であることを特徴とする請求項2記載の耐油紙である。
請求項4に係る発明は、
前記樹脂繊維層が、溶融温度もしくは軟化温度の異なる2種以上の樹脂繊維を混合してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐油紙である。
請求項5に係る発明は、
前記樹脂繊維層の坪量が、30g/m2以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐油紙である。
請求項6に係る発明は、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐油紙において、多層漉き合わせ抄紙方法により、パルプ繊維を主体とするパルプ繊維層と樹脂繊維を主体とする樹脂繊維層を交互に複数層積層することを特徴とする耐油紙である。
本発明の耐油紙は、吸油性、吸水性、通気性を併せ持つ優れた耐油性を有することから、例えば、テイクアウト用紙容器にして、内容物として揚げ物など加温状態の油性食品を収納した場合、油が外部まで染み出すこと防止することができ、さらに容器内に蒸気がこもらず内容物の風味・食感が損なわれないという効果を奏するものである。
また、本発明の耐油紙を用いて容器を成形するために罫線を形成する際、その罫線部にクラックが生ずることがなく、パルプ繊維を主体とするパルプ繊維層と樹脂繊維を主体とする樹脂繊維層を交互に複数層積層した多層構成からなることで、紙層中に油分が吸収されて表面に染み出ることを防止できる。
本発明の耐油紙はフッ素系耐油剤などの耐油剤を使用していないので、従来問題となっていた環境汚染の危惧が解消された環境配慮型の耐油紙を提供できる。
本発明の耐油紙は、耐油性を要求される油性食品を収納する紙製トレー、紙製容器等の基材として好適に用いられるのみならず広い用途に使用できるものである。
以下、本発明の最も好ましい一実施例としての実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の耐油紙の一例を示す断面図である。本発明の耐油紙10は、パルプ繊維を主体とするパルプ繊維層1と樹脂繊維を主体とする樹脂繊維層2を交互に複数層積層してなり、表裏がパルプ繊維を主体とするパルプ繊維層1からなることを特徴とするものである。
本発明におけるパルプ繊維を主体とする紙層を形成する紙製材料として、パルプ以外のの副材料、例えば、各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留まり向上剤および紙力増強剤、サイズ剤、填料、消泡剤、染料、顔料、濾水性向上剤、PH調整剤、粘剤、防腐剤、防カビ剤などの公知の材料を必要に応じて単独または組み合わせて使用することができる。
本発明において使用される上記のパルプ繊維としては、特に限定されず、通常の製紙で使用されるもののいずれもが使用可能である。例えば、針葉樹晒クラフトパルプ(NBK
P)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)などの化学パルプ、GPやMP機械パルプ等の木材パルプ、ケナフ、麻、綿などの非木材天然パルプ等が使用できる。
上記の歩留まり向上剤および紙力増強剤としては、具体的には、紙力増強剤、歩留まり向上剤として、ポリアクリルアミド系のカチオン性、ノニオン性、アニオン性及び両性の樹脂、ポリエチレンイミン及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリアミン、ポリアミド、ポリアミドポリアミン及びその誘導体、カチオン性及び両性澱粉、酸化澱粉、カルボキシメチル化澱粉、植物ガム、ポリビニルアルコール、尿素ホルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、親水性のポリマー粒子等の有機系化合物、及び硫酸バンド、アルミナゾル、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等のアルミ化合物、更に硫酸第一鉄、塩化第一鉄あるいはコロイダルシリカ、ベントナイト等の無機系化合物等を組み合わせて使用することができる。
上記のサイズ剤としては、具体的には、ロジン系サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤などの各種サイズ剤を使用することができる。
上記の填料としては、具体的には、タルク、カオリン、焼成カオリン、クレー、ケイソウ土、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸マグネシウム、シリカ、アルミノ硅酸塩、ベントナイト等の鉱物質填料やポリスチレン粒子、尿素ホルマリン樹脂粒子等の有機合成填料等が挙げられる。
本発明において使用される樹脂繊維としては、熱可塑性樹脂からなる樹脂繊維を使用することができる。
樹脂繊維の形態としては、特に限定されないが、繊維の直径は、通常5μm〜50μm、繊維長は1mm〜10mm、好ましくは繊維の直径は、5μm〜10μm、繊維長は1mm〜6mmのものを用いる。抄紙時の樹脂繊維スラリーの分散性、濾水性とバランスを考慮して選択される。すなわち、繊維長の長い方が繊維の絡み合い箇所を多くし、強度の点からは有効であるが、抄紙時の樹脂繊維スラリーの分散性に対しては、繊維長が短い方が良く、概ね上記の範囲で選択する。
樹脂繊維を抄紙して樹脂繊維層を形成する際、通常の製紙に用いられる各種の添加剤、例えば、紙力増強剤、分散剤、消泡剤などの添加剤を配合することができる。
上記の熱可塑性樹脂からなる樹脂繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルアクリレート酸共重合体、アイオノマー、ポリビニルアルコール、アクリルから選ばれるいずれかの樹脂繊維を挙げることができる。
上記のアイオノマーとして、例えば、エチレン共重合体アイオノマーは、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が、金属陽イオンで中和されたアイオノマーが用いられる。
エチレン共重合体アイオノマーを構成するエチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体であるが、この不飽和カルボン酸としては、炭素数3〜8の不飽和カルボン酸、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステルなどが用いられる。これらの不飽和カルボン酸のうちで、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が特に好ましく用いられる。
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと上記のような不飽和カルボン酸とに加えて第3成分を含んでいてもよく、このような第3成分としては、炭素数3〜12程度の極性ビニル化合物たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニルなどのビニルエステルが用いられる。
上記のようなエチレン−不飽和カルボン酸共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部が、金属陽イオンで中和されている。このような金属イオンとしては、Na+、K+、Li+、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Cu2+、Co2+、Ni2+、Mn2+、Al3+などの1価ないし3価の金属陽イオンが挙げられる。
特に、上記の樹脂繊維のうちポリプロピレン、アイオノマーが強耐油性を付与できることから好適に用いられる。
そして、溶融温度もしくは軟化温度の異なる2種以上の樹脂繊維の混合して用いることができる。
溶融温度もしくは軟化温度の異なる2種以上の樹脂繊維の混合して用いることで、耐油紙を製造するドライヤーパートの熱で樹脂繊維が溶融被膜化して、耐油紙の通気性を阻害することがなく、優れた通気性を保持することができる。
本発明の耐油紙は、上記で得られる構成からなることで、吸油性、吸水性、通気性を併せ持つ優れた耐油性を有することから、例えば、テイクアウト用紙容器にして、内容物として揚げ物など加温状態の油性食品を収納した場合、油が外部に染み出すことを防止することができ、さらに容器内に蒸気がこもらず内容物の風味・食感が損なわれない。また、本発明の耐油紙を用いて容器を成形するために罫線を形成する際、その罫線部にクラックが生ずることがなく、パルプ繊維を主体とする紙層と樹脂繊維を主体とする樹脂繊維層を交互に複数層積層した多層構成からなることで、紙層中に油分が吸収されて表面に染み出ることを防止できる。本発明の耐油紙はフッ素系耐油剤を使用していないので、従来問題となっていた環境汚染の危惧が解消された環境配慮型の耐油紙を提供できる。本発明の耐油紙は、例えば、図4〜5に示すような形態の、耐油性を要求される油性食品を収納する紙製トレー、紙製容器等の基材として好適に用いられるのみならず広い用途に使用できるものである
次に、本発明の耐油紙を製造する方法について以下に説明する。
本発明の耐油紙は、多層漉き合わせ抄紙方法により、パルプ繊維を主体とする紙層と樹脂繊維を主体とする樹脂繊維層を交互に複数層積層することができる。その製造手段としては、例えば、丸網抄紙機を用いた多層漉き抄紙方法や長網もしくは短網抄紙機を用いた多層漉き抄紙方法を挙げることができる。
図2は、丸網抄紙機を用いた多層漉き抄紙方法による本発明の耐油紙の製造方法における一実施例としての製造工程の要部説明図である。図3は、長網抄紙機を用いた多層漉き抄紙方法による本発明の耐油紙の製造方法における一実施例としての製造工程の要部説明図である。
丸網抄紙機を用いた多層漉き抄紙方法による本発明の耐油紙の製造方法における抄紙機として、図2に示すように、例えば、3層漉き抄紙機20は、第1バット21、第2バット22、第3バット23が直列に配設され、各バット21〜23の内上部に、第1丸網24、第2丸網25、第3丸網26がそれぞれ平行に横架されている。各丸網24〜26上
部には各丸網と接触.離脱可能にクーチロール27が平行に横架されている。前記第1バット21の後方には駆動ロール28、第3バット23の前方にはブレストロール29が配設され、各丸網24〜26の上でクーチロール27の下に挾まれた回転無端帯30が駆動ロール28とブレストロール29間に架設されている。図中符号31は、ガイドロール、32は、サクションロール、29は脱水用回転無端帯である。以上の構成におて、回転無端帯30と各丸網24〜26は同速回転をすると、回転無端帯30にまず第1バット21内のパルプ繊維を主体とする第1紙料が第1丸網24によって転着され、次いで第1紙料による湿紙の上に第2バット22内の樹脂繊維を主体とする第2紙料が第2丸網25によって接合され、次いで第2紙料による湿紙の上に第3バット23内のパルプ繊維を主体とする第3紙料が第3丸網26によって接合され、3層が接合された湿紙が形成され、その湿紙がクーチロール27で脱水されブレストロール29で折り返して、途中で更に脱水され、駆動ロール28部分で脱水装置(図示せず)に移動し、乾燥装置(図示せず)で乾燥され、これによって3層積層してなる耐油紙が形成される。
なお、第3バット以降に、さらに複数のバットを配設することにより、さらに多層構成の耐油紙が得られる。
また、長網抄紙機を用いた多層漉き抄紙方法による本発明の耐油紙の製造方法における抄紙機として、図3に示すように、例えば3層漉きの抄紙装置40は、プーリ43,44にエンドレス状に回転するよう巻回された抄紙ワイヤ(図では短網)62と、その一端に保持され、パルプ繊維を主体とする第1の製紙原料を抄紙ワイヤ42に供給する第1のヘッドボックス45と、抄紙ワイヤ42上に供給された第1の製紙原料がシート状に形成される以前の部位に、樹脂繊維を主体とする第2の製紙原料、パルプ繊維を主体とする第3の製紙原料を供給するよう設けられた第2、第3のヘッドボックス46,47とから構成されている。48は、抄紙ワイヤ42を支持して製紙原料が自然に脱水するよう構成したテーブルロール、49は、製紙原料から強制脱水するためのサクションボックスである。
すなわち、上記第1のヘッドボックス45の前方にはフォーミングボードと称するガイド41が設けられており、製紙原料を一定の膜厚で供給するようになっている。製紙原料がテーブルロール48で脱水されて行くにしたがい、上記膜厚は低下する。その後製紙原料が紙の状態になる以前の部位に、順流型の第2のヘッドボックス46が保持され、あまり間隔を置かないで逆流型の第3のヘッドボックス47が保持されている。製紙原料はその後紙の状態になり、フェルト(図示せず)等で抄紙ワイヤ42上から移送されて強制乾燥されるのである。
第1のヘッドボックス45から供給されて上記ガイド41上で地合混合の状態から、抄紙ワイヤ42上において製紙原料がシート状に形成される以前の、第2、第3のヘッドボックス46,47から第2、第3の製紙原料を供給される段階で地合が形成される。
なお、第3のヘッドボックス以降に、さらに複数のヘッドボックスを配設することにより、さらに多層構成の耐油紙が得られる。
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)との混合比率3:7の混合パルプ繊維を主体とするパルプ濃度が0.5重量%のパルプスラリーからなるパルプ繊維層を形成する原料を準備し、一方樹脂繊維を主体とするポリプロピレン(PP)90重量%とポリビニルアルコール(PVA)重量%からなる樹脂繊維濃度1.0重量%の樹脂繊維スラリーからなる樹脂繊維層を形成する原料を準備し、丸網抄紙機を用いて3層漉き抄紙により、1層目(表面)と3層目(内面)が、前記パルプスラリーから形成されるパルプ繊維層からなり、第2層目の中間層を、樹脂繊維スラリーから形成さ
れる樹脂繊維層からなる3層構成の湿紙を抄紙し、ドライヤー温度120℃で乾燥し、1層目の坪量120g/m2、2層目の坪量50g/m2、3層目の坪量120g/m2からなる坪量290g/m2の本発明の耐油紙を作成した。
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)パルプと針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)ととの混合比率3:7の混合パルプを主体とするパルプ濃度が0.5重量%のパルプスラリーからなるパルプ繊維層を形成する原料を準備し、樹脂繊維を主体とするポリビニルアルコール(PVA)100重量%からなる樹脂繊維濃度1.0重量%の樹脂繊維スラリーからなる樹脂繊維層を形成する原料を準備し、丸網抄紙機を用いて3層漉き抄紙により、1層目(表面)と3層目(内面)が、前記パルプスラリーから形成されるパルプ繊維層からなり、第2層目の中間層を、樹脂繊維スラリーから形成される樹脂繊維層からなる3層構成の湿紙を抄紙し、ドライヤー温度120℃で乾燥し、1層目の坪量120g/m2、2層目の坪量50g/m2、3層目の坪量120g/m2からなる坪量290g/m2の本発明の耐油紙を作成した。
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)パルプと針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)ととの混合比率3:7の混合パルプを主体とするパルプ濃度が0.5重量%のパルプスラリーからなるパルプ繊維層を形成する原料を準備し、樹脂繊維を主体とするポリエチレン(PE)100重量%、ポリプロピレン(PP)45重量%、ポリビニルアルコール(PVA)10重量%からなる樹脂繊維濃度1.0重量%の樹脂繊維スラリーからなる樹脂繊維層を形成する原料を準備し、丸網抄紙機を用いて3層漉き抄紙により、1層目(表面)と3層目(内面)が、前記パルプスラリーから形成されるパルプ繊維層からなり、第2層目の中間層を、樹脂繊維スラリーから形成される樹脂繊維層からなる3層構成の湿紙を抄紙し、ドライヤー温度120℃で乾燥し、1層目の坪量120g/m2、2層目の坪量50g/m2、3層目の坪量120g/m2からなる坪量290g/m2の本発明の耐油紙を作成した。
比較例として一般市販の耐油コート紙(アクリルコート紙)を用いた。
上記で得られた耐油紙を下記の評価方法に基づいて平面耐油度、罫線部耐油度、吸油性、油表ヌケ性、吸水性、透気度、コシについて測定し、その結果を表1に示した。
<平面耐油度>
Kit試薬により耐油紙の平面部の耐油度を測定した。通常は、滴下面への浸透で評価するが、今回は吸油性が必要のため表までの貫通するKit試薬を確認した。
<罫線部耐油度>
耐油紙に下記の設定の木型により罫線高さ200μmの罫線を入れて、Kit試薬により耐油紙の罫線部の耐油度を測定した。方法は、平面耐油度と同様である。
罫線設定・・・罫幅1.0mm、丸罫
面板設定・・・溝幅1.6mm、深さ0.5mm
<吸油性>
0.1ccのひまし油を滴下し10秒後に紙表面に油が残っているかで、◎・・・優、○・・・良、×・・・不可の3段階評価を行った。
<油表ヌケ性>
吸油テストを行った用紙の反対面に表染みが現れているかを目視で、◎・・・優、○・・・良、×・・・不可の3段階評価を行った。
<吸水性>
0.1ccの蒸留水を滴下し10秒後に紙表面に油が残っているかで、◎・・・優、○・・・良、×・・・不可の3段階評価を行った。
<透気度>
ガーレ試験機法(JIS P8117)により、透気抵抗度(面積642mmの紙を空気100mlが透過する時間)を測定し、透気度を求めた。
<コシ>
紙の剛度が初期値と内容物を包装した後の90%以下に低下していないか評価した。◎・・・低下なし、×・・・低下有りを表す。
表1より明らかに、本発明の耐油紙(実施例1〜3)は、実施例4(比較例)と比較して、平面耐油度、罫線耐油度のいずれもKit値で9以上を有し、優れた耐油性を有するものである。また、吸油性、油表ヌケ性、吸水性についても優れている。さらに、本発明の耐油紙は、透気度100秒の値を示し、通気性に優れるものである。
さらに、本発明の耐油紙を用いた紙製容器を作成し、内容物として揚げ物などを収納して、その耐油性について外観および内容物の食味評価した結果、本発明の耐油紙(実施例1〜3)を用いた紙製容器場合、いずれも、内容物が加温状態であっても油が外部まで浸み出すことがなく、かつ容器内に水蒸気がこもることがないので、水滴の付着が認められず、内容物が濡れて内容物の風味・食感が損なわれることがないことを確認できた。
本発明の耐油紙は、耐油性を要求される油性食品を収納する紙製トレー、テイクアウト用などの包装紙製容器の基材として好適に使用することができるものである。
本発明の耐油紙の一例を示す断面図である。 本発明の耐油紙を製造する方法の一例として、丸網抄紙機を用いた多層漉き抄紙方法における製造工程の要部説明図である。 本発明の耐油紙を製造する方法の他の例として長網(短網)抄紙機を用いた多層漉き抄紙方法における製造工程の要部説明図である。 本発明の耐油紙を用いた容器の一例を示す斜視図である。 本発明の耐油紙を用いた他の容器の例を示す斜視図である。 本発明の耐油紙を用いたさらに別の容器の例を示す斜視図である。
符号の説明
10・・・耐油紙
1・・・パルプ繊維を主体とするパルプ繊維層
2・・・樹脂繊維を主体とする樹脂繊維層
20・・・丸網抄紙機を用いた多層漉き抄紙機
21・・・第1バット
22・・・第2バット
23・・・第3バット
44・・・第1丸網
45・・・第2丸網
46・・・第3丸網
47・・・クーチロール
28・・・駆動ロール
29・・・プレストロール
30・・・無端回転帯
31・・・ガイドロール
32・・・サクションロール
33・・・脱水用無端回転帯
40・・・長網(短網)抄紙機を用いた多層漉き抄紙機
41・・・ガイド
42・・・抄紙ワイヤー
43、44・・・プーリー
45・・・第1のヘッドボックス
46・・・第2のヘッドボックス
47・・・第3のヘッドボックス
48・・・テーブルロール
49・・・サクションボックス
50・・・蓋
60・・・容器

Claims (6)

  1. パルプ繊維を主体とするパルプ繊維層と樹脂繊維を主体とする樹脂繊維層を交互に複数層積層した多層構成からなり、表裏がパルプ繊維を主体とするパルプ繊維層からなることを特徴とする耐油紙。
  2. 前記樹脂繊維が、熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の耐油紙。
  3. 前記樹脂繊維が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルアクリレート酸共重合体、アイオノマー、ポリビニルアルコール、アクリルから選ばれるいずれかの樹脂繊維であることを特徴とする請求項2記載の耐油紙。
  4. 前記樹脂繊維層が、溶融温度もしくは軟化温度の異なる2種以上の樹脂繊維を混合してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐油紙。
  5. 前記樹脂繊維層の坪量が、30g/m2以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐油紙。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐油紙において、
    多層漉き合わせ抄紙方法により、パルプ繊維を主体とするパルプ繊維層と樹脂繊維を主体とする樹脂繊維層を交互に複数層積層することを特徴とする耐油紙。
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