【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICチップを保持する複合繊維シート及び当該複合繊維シートを取り付けた繊維製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
本願発明の複合繊維シートは、ICチップを内蔵・保持しICチップの機能を活用して識別管理もしくは情報処理を行うものであり、特に繊維製品に縫製固定されて用いられるものである。
【0003】
従来、ICチップを保持した可撓性のシート状物としては、配線を描いた可撓性フィルム上にICチップを搭載したものが、IC搭載フレキシブルプリント基板として広く使われている。さらに、衣類等のクリーニング用IDタグとして、洗濯耐久性を向上させることを目的に、ICを搭載した可撓性フィルムシートを、上下一対の可撓性フィルムを用いてその両面から挟み込み、周縁部を融着したフィルム積層シートが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、フィルムのみをベースにしたシートでは、繊維製品等に縫製によって固定しようとすると、フィルムシートに針で穴を開けて糸を通したときに、糸を通すための針穴が穴にならずにエッジ方向までフィルムが裂けてうまく糸で固定できないという不具合が生じる。一方、針穴が裂けて破れないようにフィルムを厚くすると、今度は針がうまく通らなくて針が折れてしまうなどの不具合が生じる。
【0004】
さらに、IC搭載シートを上下一対の可撓性フィルムを用いてその両面から挟み込み周縁部を融着したフィルム積層シートでは、縫製する時に、針穴の位置によっては液密を破ってしまい、針穴から水分等が浸入しICに悪影響を与える不具合も生じる。
【0005】
また、フィルムのみをベースとしたシートでは、肌に触れた時に、フィルム面に汗がついて肌に貼り付き、着用感が悪くなるという欠点が生じる。またフィルムは皮膚との接触時に滑りが悪いので、肌触りが悪くなるなどの欠点も生じる。このため、直接肌に触れるように用いるのではなく、衣類にポケットのような収納部を設けて収納し、直接肌に触れないような工夫が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、収納用のポケットを特別に作るために、IC搭載フィルムを装着する繊維製品がコスト高になってしまったり、またそれぞれの繊維製品のポケットにひとつひとつIC搭載フィルムを挿入しなければならないため、手間がかかるという問題があった。
【0006】
一方、洗濯耐久性と縫製による固定性を考慮したICチップ内蔵物としては、ICチップを衣服のボタンのような形状のケースに内蔵させたものが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、ボタン形状とすることにより装着できる部位が限られるという問題が生じる。すなわち、もともとボタンを有しない繊維製品に装着しようとすると、デザイン的に不自然だったり、じゃまだったり、肌やその他の部材が引っかかりやすいなどの問題が生じる。
【0007】
このように、従来のICチップ保持・内蔵材料では、可撓性及び洗濯耐久性と縫製性とを同時に解決することはきわめて困難であった。さらに、肌触り等の着用性まで考慮した材料はいままで提案されていなかった。
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3071033号
【0009】
【特許文献2】特開平11−312224号公報
【0010】
【特許文献3】特開2000−132102号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のICチップ保持・内蔵材料が有する上述した問題点に鑑み、着用性に優れ、可撓性や洗濯耐久性と縫製性とを同時に解決できる複合繊維シートを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、繊維シート表面に、ICチップが樹脂保護層で覆われて固定されていることを特徴とする複合繊維シートを提供する。繊維シートは、樹脂コーティングもしくは樹脂含浸されているされていることが好ましい。さらに、繊維シートは、ICチップに接する面のみに樹脂コーティングされているとより好ましい。
【0013】
樹脂保護層は、ICチップ上およびその周囲のみに部分的に形成・貼付していることが好ましく、また、樹脂保護層は、フィルムを含んで成ることが好ましい。ICチップに対しては、ICチップの端子に接触するような配線を有していると、配線を介して情報をやりとりできるので好ましい。さらに、樹脂保護層がフィルムを含み、かつICチップの端子に接触するような配線が、フィルムのICチップに接する面側に施されているとより好ましい。また、繊維シート裏面に識別可能なマークが施されていると、情報の一部が視認できて好ましい。
【0014】
ICチップは、無線通信機能を有するものであると無線による情報のやりとりができて好ましい。また、上述の配線がアンテナ機能を有すると、無線による情報交信がスムーズに行えるのでより好ましい。
【0015】
また、本発明は、上記複合繊維シートを、縫製して取り付けた繊維製品を提供する。縫製により取り付けると手間がかからずに好ましい。上記複合繊維シートを識別ラベルとして取り付けた繊維製品は、在庫管理や物流管理あるいはリサイクル管理が容易であり、また着用可能な情報処理機材としても活用でき好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1において、複合繊維シートは、基材となる繊維シート1と、情報を記憶・処理して交信するICチップ3と、ICを保護する樹脂保護層2との複合構成を有する。繊維シート1は表面と裏面とを有し、ICチップ3を載せる面を表面、逆の面を裏面として以下説明する。また、複合繊維シートについても繊維シート表面側を複合繊維シートの表面とし、逆面を裏面として以下説明する。
【0017】
繊維シート1とは、繊維を含有するシート状物であって、繊維織物、繊維編物、湿式不織布、乾式不織布のいずれであっても良く、さらにこれらの繊維シートを組み合わせたものであっても良い。繊維シートに用いる繊維は、配線部分を除き非導電性の繊維が用いられる。繊維シートに用いられる非導電性繊維は、非導電性であれば合成繊維、天然繊維、半合成繊維、無機繊維のいずれであってもよい。合成繊維の例としては、ナイロン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、アクリル繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維、ポリエチレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、フッ素繊維、PPS(ポリフェニレンサルファイド)繊維、アラミド繊維、ポリ乳酸繊維などが挙げられる。天然繊維としては、綿、麻、羊毛、絹、パルプなどが、半合成繊維としてはレーヨン、キュプラ、アセテート繊維などが用いられる。無機繊維は柔軟性に欠けるため衣料用途としては適さないが、工業用途では場合によってガラス繊維、セラミック繊維などを使用しても良い。これらの繊維は、用途に応じて適宜選択され、またこれらの複数の繊維を組み合わせて使用しても良い。衣料品の一部として用いる場合は、取り付ける衣料品と同じか、もしくは類似の繊維からなる繊維シートを用いると、皮膚に触れたときに違和感が少なくて好ましい。耐薬品性を求められる用途、例えば溶剤等を扱う工業用のユニフォームやエプロン等に用いる場合は、対象となる薬品に応じて、耐薬品性の高いフッ素繊維やPPS繊維などを用いると好ましい。
【0018】
繊維シート1は、層状構造を有していても良い。層状構造は、別々の繊維シートを重ね合わせた構造であっても良く、また織編構造で層状構造を持たせたものであっても良い。織編構造で層状構造を持たせた例としては、二重織りの織物などが挙げられる。繊維シート1の裏面が皮膚に接触する用途に用いる場合は、層状構造の皮膚に接触する繊維層を皮膚への違和感の少ない衣料用途で用いられる繊維シートを配することが好ましい。
【0019】
繊維シート1の裏面を物品に貼り付けて使用する用途に用いる場合は、繊維シートは、熱接着性を有する樹脂を保持していたり、もしくは、シートを構成する繊維が熱融着性の繊維を含んでいると、アイロン等で物品に容易に固定できるので好ましい。熱接着性を有する樹脂は、繊維シートを物品と接着させる面にドット上に配すると、柔軟性を保持できるので、繊維製品の芯地として特に好適に用いることができる。熱融着性の繊維を用いる場合は、芯鞘構造を有した熱融着繊維であると、熱融着後も繊維の強度が保持できるのでより好ましい。熱接着性を有する樹脂を保持する繊維シート、もしくは熱融着性の繊維を含む繊維シートは、上記の層状構造を有した繊維シートにおいて外面側のシートとしても良い。洗濯を行わない用途、洗濯耐久性を求められない用途では、具体的には使い捨てにする識別タグ用途等では、単層で厚みの薄い繊維シートが製造コストの面からより好適に用いられる。
【0020】
樹脂保護層2は、ICチップ3を物理的・化学的に保護しつつ、繊維シート1とICチップ3とを一体化する機能を有する。樹脂保護層2を構成する樹脂は、繊維シート1に一部浸透して固化していると、接着強度がより強くなるので好ましい。特にICチップ3を取り囲むように繊維シートに浸透・固化すると、ICチップをより確実に保護できるので好ましい。樹脂保護層2に用いる樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、エラストマー系樹脂等が用いられる。樹脂保護層2に用いる熱硬化性樹脂の例としては、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂等を挙げることができる。熱硬化性樹脂は、熱硬化前は一般に分子量が低くて繊維シートに浸透しやすいので、繊維シートとの接着強度を特に要求される場合は好ましく用いられる。また、耐熱性や耐溶剤性が要求される場合も、耐熱性や耐溶剤性に優れる熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ナイロン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、フッ素樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、アラミド樹脂、EVA(エチレン−酢ビニル共重合体)樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ乳酸樹脂等を挙げることができる。エラストマー系樹脂としては、合成ゴム系樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。耐衝撃性や屈曲性を求める場合は、熱可塑性樹脂もしくはエラストマー系樹脂を適宜選択して用いることが好ましい。さらに、工程合理化をはかる場合には、熱可塑性を有する樹脂のなかでもホットメルト型樹脂と呼ばれる加熱溶融型で固形分100%の樹脂を用いると特に好ましい。ホットメルト型樹脂は、耐久性や耐熱性には熱硬化性樹脂には劣るものの、工程として樹脂をその流動点温度以上に加熱してICチップ3と繊維シート1上に塗布後数秒以下の冷却時間で固化し一体化することができるので大量生産に向いており、用途により好ましく用いることができる。固形分が100%であって溶剤を含有しない樹脂であると、ICチップや繊維シートが溶剤によるダメージを受けやすい素材からなる場合には特に好ましい。ホットメルト型樹脂としては、EVA系、ポリアミド系、ポリエステル系、エラストマー系、アモルファスポリマー系のホットメルト型樹脂を挙げることができる。ホットメルト型樹脂の中でも、湿気硬化、酸素硬化、紫外線硬化、電子線硬化等の反応性を付与した反応性ホットメルト型樹脂は、硬化後の耐久性や耐熱性を向上させることができるので、たとえば、耐久性や耐熱性が必要な用途に用いるものであるにもかかわらず、熱硬化性樹脂の硬化温度以上での耐久性までは備えていない繊維シート等を使用する必要がある場合には好適に用いることができる。熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、エラストマー系樹脂等は、それぞれ単独で用いても良く、また、これらの樹脂を混合して用いたり、積層して塗布・成型しても良く、さらにこれらの樹脂に接着剤を適性に応じてブレンドして用いても良い。
【0021】
樹脂保護層2は、繊維シート1に好ましくは一部含浸してICチップ3を保護する機能を有するが、樹脂保護層の樹脂種類や保護層形成時の粘度によっては、繊維シート1のごく表面にのみにしか浸透しないような場合がある。このとき、ICチップの繊維シートに接する面は、樹脂被覆されにくいため洗濯耐久性が劣るという問題が生じることがある。このため、繊維シート1は、予め樹脂コーティングもしくは樹脂含浸されたものであると、樹脂保護層2の樹脂種類によらず洗濯耐久性が向上するので好ましい。物品に貼り付け固定する目的で、樹脂コーティングもしくは樹脂含浸する樹脂として、接着性を有する樹脂を用いることもできる。
【0022】
繊維シート1は、繊維シートのICチップに接する面のみに樹脂コーティングされたものであるとより好ましい。繊維シートのICチップに接する面に樹脂コーティング層が施してあると、繊維シートに浸透する水分や薬剤からICチップを保護することができる。繊維シートが全体に樹脂含浸されている場合や、繊維シートの両面が樹脂コーティングされている場合に比べ、複合繊維シートの柔軟性が保持されるので好ましい。また、衣料品の一部として用い、繊維シートが皮膚に接触するような場合においても、繊維シート全体が樹脂含浸されている場合は肌触りがごつごつして悪いのに比べ、繊維シートの樹脂コーティングがICチップに接する面のみに施されている場合は、繊維シート裏面が皮膚に接触するように配置することで、皮膚には繊維基材そのものが触れることになるため、接触時の違和感が少なく好ましく用いられる。
【0023】
図3に示すように、樹脂保護層をICチップ上およびその周囲のみに部分的に形成すると、ICチップの周囲以外は繊維シートの柔軟性と縫製性がそのまま保持されるので好ましい。
【0024】
複合繊維シートに内蔵したICチップの情報内容を確認するためには、ICチップ内の情報の読み取り機能を有する外部機器に有線もしくは無線にて接続する。このとき、ICチップの場所が容易に視認できる印をつけると、ICチップの場所がすぐ分かるので接続を効率的に行うことができ好ましい。複合繊維シート表面側から見た場合は、樹脂保護層をICチップ上およびその周囲のみに部分的に形成すると視認しやすく、かつ樹脂保護層を繊維シートと異なる色に着色するとより視認しやすく好ましい。複合繊維シート裏面側から見る必要のある場合には、ICチップの場所を視認するために繊維シート裏面に識別可能なマークを施すことが、好ましい。また、マークにはICチップの位置を視認する役割だけではなく、ICチップが持つ情報の一部を表示もしくは関連づけるマークであっても良い。ICチップが持つ情報の一部を表示もしくは関連づける識別可能なマークの例としては、1次元バーコード、2次元バーコード、文字、数字、各種のアイコン、ブランドマーク等が該当する。識別可能なマークを施す方法としては、印刷もしくは刺繍が好ましく用いられる。印刷方法としては、インクジェット印刷、転写印刷、レーザー印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等による方法などを適宜用いることができ、大量生産に適している。また、マーク印字面保護のために、マークを施した後に印字面保護用のコーティングを施しても良い。刺繍により表示する場合は、あらかじめ繊維シートに専用のミシンで刺繍を施しておくことが好ましい。刺繍による方法は、ブランドタグなど高級感を必要とする場合に特に好ましく用いられる。また、繊維シートが織物で構成される場合には、その織り組織で模様を形成する方法も用いることができる。
【0025】
樹脂保護層は、図2に示すように樹脂保護層内にフィルムを含んで構成されると、ICチップがより確実に保護できて好ましい。樹脂フィルムの種類としては、例えばポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン)フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素フィルム、ポリフィニレンサルファイドフィルムまたは酢酸セルロースフィルムやこれらの複合フィルムであっても良い。また、図4に示すように、樹脂層とフィルムから構成される樹脂保護層をICチップ上およびその周囲のみに部分的に形成すると、ICチップの周囲以外は繊維シートの柔軟性と縫製性がそのまま保持されるのでより好ましい。
【0026】
複合繊維シートを構成するICチップとしては、用途により必要な情報記憶機能、情報演算機能、通信機能、センサー機能、クロック機能等を単独もしくは組み合わせた機能を有したICチップを用いる。ICチップへの情報の書き込みや、ICチップに書き込まれた情報の読み取り等、外部機器との情報のやりとりは、外部機器と配線をつないだ有線状態か、もしくは電波を用いて無線にて行うことができる。有線で外部機器とつなぐ場合は、固定して使用する用途には配線を常時接続していても良いし、持ち運ぶ用途や個別製品に多数接続する用途には、導電性のフックやホック、チャック、面ファスナー等を介して必要なときのみ接続するようにしても良い。また、無線通信機能を有するICチップを用いると、外部通信機器と非接触で情報のやりとりができるので好ましく用いられる。ICチップの端子数は、少ないほど配線数も減らせるので複合繊維シートのコストも減らせて好ましい。特に1端子もしくは2端子までであれば、電気的短絡による誤動作等の危険も少なく好ましい。複数端子を有する場合、たとえば2端子の場合は、端子の位置がICチップの異なる平面、すなわち上部と下部、もしくは右端と左端に端子接続位置を有するICチップであると、電気的短絡がより防げるので好ましい。
【0027】
図5に示すように、複合繊維シートにはICチップ3の端子6に接触する配線部7を施すと、外部機器との情報のやりとりが効率的に行えて好ましい。配線を施す場所は、繊維シート内、樹脂保護層内、繊維シートと樹脂保護層の間いずれであっても良い。繊維シート内に配線を施す方法としては、繊維シートに導電性の繊維を織り込む方法を挙げることができる。ここで挙げる導電性繊維としては、銅線などの金属からなる繊維のほか、炭素繊維、有機導電性繊維、金属メッキ繊維等を用いることができる。前記導電性繊維は、導電接着剤によってICチップの端子に直接固定される。導電接着剤としては、異方性導電ペーストや異方性導電フィルムからなる導電性接着剤を用いると、他の配線とショートすることなく導電接着が確実に行われるので好ましい。樹脂保護層内、もしくは繊維シートと樹脂保護層の間にも、同様に配線を施すことができるが、繊維シートに導電性の繊維を織り込む方法は、導電性繊維の位置固定が容易で好ましく用いられる。配線方法は導電性繊維による方法以外に、導電性樹脂を線状に配置する方法や繊維シートに銅などの導電性金属箔を貼りあわせた後にエッチングによって必要な配線を描く方法などを用いても良い。さらに、樹脂保護層が樹脂とフィルムとからなる場合には、ICチップの端子に接触するような配線をICチップに接するフィルム面側に施すとより好ましい。図6で具体的に説明すると、フィルム4のICチップに接する面側に配線部7を施し、ICチップ3を配線部7のICチップ端子を配置すべき位置に合うように樹脂を介して繊維シート1とフィルム4とを貼り合わせて一体化する。フィルム面上の配線は、導電性インクを印刷する方法や、フィルム上に銅などの導電性金属箔を貼りあわせてエッチングにより配線を描く方法などを用いることができるが、特に導電インクで印刷により行う方法が量産性に優れており好ましい。導電インクの種類としては、銀含有インク、カーボン含有インク、グラファイト含有インク、金属化ポリエステル含有インク、アルミニウム含有インク、その他の導電性金属含有インク等を単独もしくは混合して用いることができる。印刷方法としては、インクジェット印刷、転写印刷、レーザー印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等による方法などを適宜用いることができ、大量生産に適している。
【0028】
無線通信にはアンテナが必要であるが、アンテナは、ICチップ内に内蔵してあっても良いし、外部アンテナを有していても良い。外部アンテナを用いると無線通信可能距離を長くできるので、例えば箱の中の複合繊維シートの情報を読みとる場合のように、外部機器にICチップを近づけて読みとることが困難な場合に好ましい。ICチップの端子に接触する配線を有した複合繊維シートの場合、配線がアンテナ機能を有するとより好ましい。さらに、ICチップ内の情報を読み出しもしくは演算してその結果を発信するエネルギーを、アンテナが受け取った電気的もしくは磁気的エネルギーを用いて行うと、ICチップに特別の電源を持たせる必要が無く好ましい。
【0029】
前記複合繊維シートは、情報を付与したい被対象物に固定して用いられる。固定する方法としては、上述のように接着樹脂により被対象物に固定する方法、被対象物に複合繊維シートを挿入する部位を設ける方法、複合繊維シートを被対象物に取り付け治具で固定する方法等を適宜選択して用いることができる。特に被対象物が繊維製品の場合は、本発明の複合繊維シートは縫製性が良いので、ミシン等を用いて縫製により固定する場合でも、フィルムのみの基材のときのように針穴が破れたり、または縫い針が折れたり曲がったりすることは起こりにくく、確実にかつ容易に固定することができ好ましい。
【0030】
本発明の複合繊維シートを固定した製品は、ICチップに個別の識別番号を持たせることにより、在庫管理や物流管理あるいはリサイクル管理に好適に用いることができる。在庫管理や物流管理の場合は、常時あるいは入出荷など適宜の時間サイクルで外部機器に情報を与えることができ、コンピュータ上で個別製品の正確な管理を行うことができる。さらに、コンピュータをネットワークでつなぐことにより、どこにいても各製品の情報を得ることができるため、効率的な管理ができる。特に無線通信機能を有する複合繊維シートを固定した製品に対しては、従来行われていたバーコード等の人手による情報認識の手間を省き、外部通信機器を適宜配置することにより無人で、常時、場所や状態をモニターすることができ、不適切な在庫を削減したり、効率的な物流システムを構築することができる。家庭においても、タンスや冷蔵庫、押入など物を入れる場所にネットワークにつながれた外部通信機器を配置することにより、そこに入っている複合繊維シートを固定した個別の物品明細を、現物確認することなく、別途ネットワークにつながれた携帯情報機器で内容を確認することができ、例えば不要な買い物等を減らすことができる。複合繊維シートを固定した製品の識別番号と、製品の原材料をデータベースとしてコンピュータ上に保持しておくことで、製品使用後のリサイクルを、原料別により最適に進めることができる。
【0031】
本発明の複合繊維シートを着用可能な製品に固定すると、ウエアラブルコンピュータ(着用可能な情報処理機材)として活用できる。特に複合繊維シート内のICに生体情報センサー機能を持たせると、着用者の健康状態を常時モニターできるために、例えば病人や老人、乳幼児など健康状態に不安のある人に着用させて、異常があれば直ちに救助するシステム等を構築することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の複合繊維シートは、ICチップ保持する材料でありながら、可撓性と耐久性に優れ、かつ縫製により確実に対象物に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る複合繊維シートの断面概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る複合繊維シートの断面概略図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る複合繊維シートの断面概略図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る複合繊維シートの断面概略図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る複合繊維シートの上面から見た概略図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る複合繊維シートの重ね合わせ構造を示した概略図である。
【符号の説明】
1:繊維シート
2:樹脂保護層
3:ICチップ
4:フィルム
5:樹脂層
6:ICチップ端子
7:配線部
8:ICチップ配置部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a composite fiber sheet that holds an IC chip and a fiber product to which the composite fiber sheet is attached.
[0002]
[Prior art]
The composite fiber sheet of the present invention incorporates and holds an IC chip and performs identification management or information processing by utilizing the function of the IC chip, and is particularly used by being sewn and fixed to a textile product.
[0003]
Conventionally, as a flexible sheet-like material holding an IC chip, an IC chip mounted on a flexible film on which wiring is drawn has been widely used as an IC-mounted flexible printed board. Further, as an ID tag for cleaning clothes, etc., a flexible film sheet having an IC mounted thereon is sandwiched from both sides using a pair of upper and lower flexible films for the purpose of improving washing durability. Has been proposed (see, for example, Patent Document 1). However, in a sheet based only on film, when trying to fix it to textile products etc. by sewing, when a hole is made in the film sheet with a needle and thread is passed, the needle hole for threading does not become a hole. In other words, the film tears to the edge direction and cannot be fixed with a thread. On the other hand, if the film is thickened so that the needle hole is not torn and torn, there is a problem that the needle does not pass well and the needle breaks.
[0004]
Furthermore, in a film laminated sheet in which an IC mounting sheet is sandwiched from both sides using a pair of upper and lower flexible films and the peripheral edge is fused, the liquid tightness is broken depending on the position of the needle hole when sewing, and the needle hole As a result, moisture or the like enters and the IC has an adverse effect on the IC.
[0005]
Moreover, in the sheet | seat based only on a film, when touching skin, the film surface sweats and sticks on skin, and the fault that a feeling of wear worsens arises. In addition, since the film does not slip easily when it comes into contact with the skin, there are also disadvantages such as poor touch. For this reason, it is not used to directly touch the skin, but a device has been proposed in which clothes are provided with a storage portion such as a pocket so as not to touch the skin directly (see, for example, Patent Document 2). . However, in order to make a special pocket for storage, the textile products to which the IC mounting film is attached become expensive, and it is necessary to insert the IC mounting film into each textile product pocket, There was a problem that it took time and effort.
[0006]
On the other hand, as a built-in IC chip in consideration of washing durability and fixing by sewing, an IC chip built in a case shaped like a button of clothes has been proposed (for example, see Patent Document 3). ). However, the button shape causes a problem that the parts that can be worn are limited. In other words, when trying to attach to a textile product that does not have a button from the beginning, problems such as unnatural design, stagnation, and the skin and other members tend to get caught.
[0007]
Thus, with the conventional IC chip holding / built-in material, it has been extremely difficult to solve the flexibility, the washing durability and the sewing property at the same time. In addition, no material has been proposed that takes into consideration the wearability such as touch.
[0008]
[Patent Document 1] Utility Model Registration No. 3071033
[Patent Document 2] Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-31224
[Patent Document 3] Japanese Unexamined Patent Publication No. 2000-132102
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a composite fiber sheet that is excellent in wearability and that can simultaneously solve flexibility, washing durability, and sewing properties in view of the above-described problems of conventional IC chip holding / built-in materials. It is.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention provides a composite fiber sheet characterized in that an IC chip is covered with a resin protective layer and fixed to the fiber sheet surface. The fiber sheet is preferably resin-coated or resin-impregnated. Furthermore, the fiber sheet is more preferably resin-coated only on the surface in contact with the IC chip.
[0013]
The resin protective layer is preferably partially formed and affixed only on and around the IC chip, and the resin protective layer preferably comprises a film. It is preferable for the IC chip to have a wiring that contacts the terminal of the IC chip because information can be exchanged via the wiring. Furthermore, it is more preferable that the resin protective layer includes a film and the wiring that contacts the terminal of the IC chip is provided on the surface side of the film that contacts the IC chip. Further, it is preferable that an identifiable mark is provided on the back side of the fiber sheet because part of the information can be visually recognized.
[0014]
It is preferable that the IC chip has a wireless communication function because information can be exchanged wirelessly. In addition, it is more preferable that the above-described wiring has an antenna function because wireless information communication can be performed smoothly.
[0015]
Moreover, this invention provides the textiles which sewed and attached the said composite fiber sheet. If it is attached by sewing, it is preferable because it does not take time. A fiber product in which the above composite fiber sheet is attached as an identification label is preferable because it can be easily managed in inventory, distribution, or recycling, and can be used as wearable information processing equipment.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In FIG. 1, the composite fiber sheet has a composite structure of a fiber sheet 1 serving as a base material, an IC chip 3 that stores and processes information, and a resin protective layer 2 that protects the IC. The fiber sheet 1 has a front surface and a back surface, and the surface on which the IC chip 3 is placed will be described as the front surface and the reverse surface as the back surface. The composite fiber sheet will be described below with the fiber sheet surface side as the surface of the composite fiber sheet and the opposite surface as the back surface.
[0017]
The fiber sheet 1 is a sheet-like material containing fibers, and may be any of a fiber woven fabric, a fiber knitted fabric, a wet nonwoven fabric, and a dry nonwoven fabric, or may be a combination of these fiber sheets. . As the fibers used for the fiber sheet, non-conductive fibers are used except for the wiring portion. The non-conductive fiber used for the fiber sheet may be any of synthetic fiber, natural fiber, semi-synthetic fiber, and inorganic fiber as long as it is non-conductive. Examples of synthetic fibers include nylon fibers, polyethylene terephthalate fibers, acrylic fibers, polyvinyl alcohol (PVA) fibers, polypropylene (PP) fibers, polyethylene fibers, polyvinyl chloride fibers, polyvinylidene chloride fibers, polyurethane fibers, fluorine fibers, PPS. (Polyphenylene sulfide) fiber, aramid fiber, polylactic acid fiber, etc. are mentioned. Examples of natural fibers include cotton, hemp, wool, silk, and pulp, and examples of semisynthetic fibers include rayon, cupra, and acetate fibers. Inorganic fibers are not suitable for clothing because they lack flexibility, but glass fibers, ceramic fibers, and the like may be used in some industrial applications. These fibers are appropriately selected depending on the application, and a plurality of these fibers may be used in combination. When used as a part of clothing, it is preferable to use a fiber sheet made of the same or similar fibers as the clothing to be attached, because there is little discomfort when touching the skin. When used in applications requiring chemical resistance, such as industrial uniforms or aprons that handle solvents, it is preferable to use fluorine fibers or PPS fibers that have high chemical resistance depending on the chemicals to be used.
[0018]
The fiber sheet 1 may have a layered structure. The layered structure may be a structure in which separate fiber sheets are stacked, or may be a woven / knitted structure with a layered structure. An example of a woven / knitted structure having a layered structure is a double woven fabric. When using for the use in which the back surface of the fiber sheet 1 is in contact with the skin, it is preferable to arrange the fiber layer used in the clothing application with less discomfort to the skin as the fiber layer in contact with the skin having a layered structure.
[0019]
When the fiber sheet 1 is used for an application in which the back surface of the fiber sheet 1 is attached to an article, the fiber sheet holds a heat-adhesive resin, or the fibers constituting the sheet are heat-fusible fibers. If it is included, it can be easily fixed to the article with an iron or the like, which is preferable. The resin having thermal adhesiveness can be particularly suitably used as a core of a textile product because flexibility can be maintained by arranging the fiber sheet on the surface where the fiber sheet is adhered to the article. In the case of using a heat-sealable fiber, a heat-sealable fiber having a core-sheath structure is more preferable because the strength of the fiber can be maintained even after heat-seal. The fiber sheet holding the resin having thermal adhesiveness or the fiber sheet containing the heat-fusible fiber may be an outer surface side sheet in the fiber sheet having the layered structure described above. In applications where washing is not performed and applications where washing durability is not required, specifically, a single-layer thin fiber sheet is more preferably used from the viewpoint of manufacturing cost for disposable identification tag applications.
[0020]
The resin protective layer 2 has a function of integrating the fiber sheet 1 and the IC chip 3 while protecting the IC chip 3 physically and chemically. It is preferable that the resin constituting the resin protective layer 2 is partially infiltrated and solidified into the fiber sheet 1 because the adhesive strength becomes stronger. In particular, it is preferable to infiltrate and solidify the fiber sheet so as to surround the IC chip 3 because the IC chip can be more reliably protected. As the resin used for the resin protective layer 2, a thermosetting resin, a thermoplastic resin, an elastomer resin, or the like is used. Examples of the thermosetting resin used for the resin protective layer 2 include melamine resin, phenol resin, epoxy resin, xylene resin, furan resin, polyisocyanate resin, thermosetting polyester resin, and the like. The thermosetting resin generally has a low molecular weight and is likely to penetrate into the fiber sheet before thermosetting, so that it is preferably used when the adhesive strength with the fiber sheet is particularly required. Moreover, when heat resistance and solvent resistance are required, it is preferable to use a thermosetting resin excellent in heat resistance and solvent resistance. The thermoplastic resin includes nylon resin, thermoplastic polyester resin, acrylic resin, polyvinyl alcohol (PVA) resin, polypropylene (PP) resin, polyethylene resin, polyvinyl chloride resin, polyvinylidene chloride resin, fluororesin, PPS (polyphenylene sulfide) ) Resin, aramid resin, EVA (ethylene-vinyl acetate copolymer) resin, polyurethane resin, polylactic acid resin and the like. Examples of elastomeric resins include synthetic rubber resins and silicone resins. When demanding impact resistance and flexibility, it is preferable to select and use a thermoplastic resin or an elastomeric resin as appropriate. Furthermore, when streamlining the process, it is particularly preferable to use a resin having a solid content of 100% in a heat-melt type resin called a hot melt type resin among thermoplastic resins. Although the hot melt resin is inferior to the thermosetting resin in terms of durability and heat resistance, as a process, the resin is heated above its pour point temperature and cooled on the IC chip 3 and the fiber sheet 1 for several seconds or less after cooling. Since it can be solidified and integrated over time, it is suitable for mass production and can be preferably used depending on the application. The resin having a solid content of 100% and containing no solvent is particularly preferable when the IC chip or the fiber sheet is made of a material that is easily damaged by the solvent. Examples of the hot melt resin include EVA, polyamide, polyester, elastomer, and amorphous polymer hot melt resins. Among hot melt type resins, reactive hot melt type resins imparted with reactivity such as moisture curing, oxygen curing, ultraviolet curing, and electron beam curing can improve durability and heat resistance after curing. For example, when it is necessary to use a fiber sheet that does not have durability up to the curing temperature of the thermosetting resin even though it is used for applications that require durability and heat resistance It can be used suitably. Thermosetting resins, thermoplastic resins, elastomeric resins, etc. may be used alone, or may be used by mixing these resins, or by laminating and applying and molding these resins. Adhesives may be blended according to suitability.
[0021]
The resin protective layer 2 has a function of protecting the IC chip 3 by preferably impregnating the fiber sheet 1, but depending on the resin type of the resin protective layer and the viscosity at the time of forming the protective layer, the very surface of the fiber sheet 1 In some cases, it only penetrates into At this time, since the surface of the IC chip that contacts the fiber sheet is not easily resin-coated, there is a problem that the washing durability is inferior. For this reason, it is preferable that the fiber sheet 1 is resin-coated or impregnated in advance because washing durability is improved regardless of the resin type of the resin protective layer 2. A resin having adhesiveness can be used as the resin coating or resin impregnated for the purpose of sticking and fixing to an article.
[0022]
The fiber sheet 1 is more preferably resin-coated only on the surface of the fiber sheet that contacts the IC chip. If the resin coating layer is applied to the surface of the fiber sheet that contacts the IC chip, the IC chip can be protected from moisture and chemicals that penetrate the fiber sheet. This is preferable because the flexibility of the composite fiber sheet is maintained as compared with the case where the fiber sheet is entirely impregnated with resin or when both surfaces of the fiber sheet are resin-coated. In addition, even when the fiber sheet is used as a part of clothing and the fiber sheet comes into contact with the skin, the fiber sheet resin coating is more difficult when the entire fiber sheet is impregnated with resin than when the touch is harsh. When it is applied only to the surface in contact with the IC chip, the fiber base material itself is in contact with the skin by placing the back side of the fiber sheet in contact with the skin. Used.
[0023]
As shown in FIG. 3, it is preferable that the resin protective layer is partially formed only on and around the IC chip because the flexibility and sewing properties of the fiber sheet are maintained as it is except for the periphery of the IC chip.
[0024]
In order to confirm the information content of the IC chip built in the composite fiber sheet, it is connected to an external device having a function of reading information in the IC chip by wire or wirelessly. At this time, it is preferable to mark the location of the IC chip so that the location of the IC chip can be easily recognized, since the location of the IC chip can be immediately known, so that the connection can be efficiently performed. When viewed from the surface of the composite fiber sheet, it is easy to visually recognize that the resin protective layer is partially formed only on and around the IC chip, and it is preferable that the resin protective layer is colored in a color different from that of the fiber sheet. . When it is necessary to see from the back side of the composite fiber sheet, it is preferable to provide an identifiable mark on the back side of the fiber sheet in order to visually recognize the location of the IC chip. Further, the mark may be a mark for displaying or associating a part of information held by the IC chip as well as the role of visually recognizing the position of the IC chip. Examples of identifiable marks for displaying or associating part of information held by the IC chip include one-dimensional barcodes, two-dimensional barcodes, characters, numbers, various icons, brand marks, and the like. Printing or embroidery is preferably used as a method for applying an identifiable mark. As the printing method, methods such as inkjet printing, transfer printing, laser printing, offset printing, flexographic printing, gravure printing, screen printing, and the like can be used as appropriate, which is suitable for mass production. In order to protect the mark printing surface, a coating for protecting the printing surface may be applied after the marking. When displaying by embroidery, it is preferable to embroidery the fiber sheet with a dedicated sewing machine in advance. The method using embroidery is particularly preferably used when a high-class feeling such as a brand tag is required. Moreover, when a fiber sheet is comprised with a woven fabric, the method of forming a pattern with the woven structure can also be used.
[0025]
It is preferable that the resin protective layer includes a film in the resin protective layer as shown in FIG. 2 because the IC chip can be more reliably protected. Examples of the resin film include polyester film, polyvinyl chloride film, polyolefin (polypropylene, polyethylene) film, polycarbonate film, polystyrene film, polyamide film, polyimide film, fluorine film, polyfinylene sulfide film, cellulose acetate film, and the like. The composite film may be used. Further, as shown in FIG. 4, when a resin protective layer composed of a resin layer and a film is partially formed only on and around the IC chip, the flexibility and sewing properties of the fiber sheet are provided except for the periphery of the IC chip. It is more preferable because it is maintained as it is.
[0026]
As an IC chip constituting the composite fiber sheet, an IC chip having a function that is necessary or independent of an information storage function, an information calculation function, a communication function, a sensor function, a clock function, or the like that is necessary depending on the application is used. Information exchange with external devices, such as writing information to the IC chip and reading information written to the IC chip, should be performed in a wired state where the external device is connected to the wire or wirelessly using radio waves. Can do. When connecting to an external device by wire, the wiring may be always connected for fixed use, or for conductive applications such as carrying or connecting to many individual products, conductive hooks, hooks, chucks, The connection may be made only when necessary via a hook-and-loop fastener. In addition, an IC chip having a wireless communication function is preferably used because information can be exchanged with an external communication device without contact. The smaller the number of terminals of the IC chip, the more the number of wirings can be reduced. Therefore, the cost of the composite fiber sheet can be reduced, which is preferable. In particular, one terminal or two terminals is preferable because there is little risk of malfunction due to an electrical short circuit. In the case of having a plurality of terminals, for example, in the case of two terminals, electrical shorting can be further prevented when the terminals are located on different planes of the IC chip, that is, IC chips having terminal connection positions on the upper and lower sides or on the right and left ends. Therefore, it is preferable.
[0027]
As shown in FIG. 5, it is preferable to provide the composite fiber sheet with a wiring portion 7 that contacts the terminal 6 of the IC chip 3 because information can be efficiently exchanged with an external device. The place where wiring is applied may be in the fiber sheet, in the resin protective layer, or between the fiber sheet and the resin protective layer. Examples of a method for providing wiring in the fiber sheet include a method of weaving conductive fibers into the fiber sheet. As the conductive fibers mentioned here, carbon fibers, organic conductive fibers, metal-plated fibers and the like can be used in addition to fibers made of metal such as copper wire. The conductive fiber is directly fixed to the terminal of the IC chip by a conductive adhesive. It is preferable to use a conductive adhesive made of an anisotropic conductive paste or an anisotropic conductive film as the conductive adhesive because the conductive adhesion is reliably performed without short-circuiting with other wirings. Wiring can be similarly applied in the resin protective layer or between the fiber sheet and the resin protective layer, but the method of weaving conductive fibers into the fiber sheet is preferably used because the position of the conductive fibers is easy to fix. It is done. In addition to the method using a conductive fiber, the wiring method may be a method of arranging a conductive resin in a line or a method of drawing a necessary wiring by etching after bonding a conductive metal foil such as copper to a fiber sheet. good. Furthermore, when the resin protective layer is made of a resin and a film, it is more preferable to provide wiring that contacts the IC chip terminals on the film surface side that contacts the IC chip. Specifically, referring to FIG. 6, the wiring portion 7 is provided on the surface side of the film 4 that contacts the IC chip, and the IC chip 3 is made of fiber through a resin so that the IC chip terminal of the wiring portion 7 is to be disposed. The sheet 1 and the film 4 are bonded and integrated. For wiring on the film surface, a method of printing a conductive ink or a method of drawing a wiring by etching by bonding a conductive metal foil such as copper on the film can be used. The method to be performed is preferable because it is excellent in mass productivity. As the type of conductive ink, silver-containing ink, carbon-containing ink, graphite-containing ink, metallized polyester-containing ink, aluminum-containing ink, other conductive metal-containing ink, and the like can be used alone or in combination. As the printing method, methods such as inkjet printing, transfer printing, laser printing, offset printing, flexographic printing, gravure printing, screen printing, and the like can be used as appropriate, which is suitable for mass production.
[0028]
An antenna is required for wireless communication, but the antenna may be built in the IC chip or may have an external antenna. When an external antenna is used, the wireless communication possible distance can be increased, which is preferable when it is difficult to read an IC chip close to an external device, for example, when reading information on a composite fiber sheet in a box. In the case of a composite fiber sheet having wiring that contacts the terminals of the IC chip, it is more preferable that the wiring has an antenna function. Furthermore, it is preferable to use the electrical or magnetic energy received by the antenna to read or calculate information in the IC chip and transmit the result, because it is not necessary to have a special power source for the IC chip. .
[0029]
The composite fiber sheet is used by being fixed to an object to be given information. As a fixing method, as described above, a method of fixing to a target object with an adhesive resin, a method of providing a part for inserting a composite fiber sheet in the target object, and fixing the composite fiber sheet to the target object with a mounting jig A method or the like can be appropriately selected and used. Especially when the object is a textile product, the composite fiber sheet of the present invention has good sewing properties, so even when it is fixed by sewing using a sewing machine or the like, the needle hole is torn as in the case of a film-only substrate. Or bending or bending of the sewing needle is unlikely to occur, and can be reliably and easily fixed.
[0030]
The product to which the composite fiber sheet of the present invention is fixed can be suitably used for inventory management, physical distribution management, or recycling management by giving each IC chip an individual identification number. In the case of inventory management and physical distribution management, information can be given to an external device at an appropriate time cycle such as always or in and out, and individual products can be managed accurately on a computer. Furthermore, by connecting computers with a network, information on each product can be obtained from anywhere, so that efficient management can be performed. Especially for products with a composite fiber sheet having a wireless communication function fixed, it eliminates the need for manual information recognition such as barcodes that have been performed in the past, and it is unmanned by appropriately arranging external communication devices. The location and condition can be monitored, inappropriate inventory can be reduced, and an efficient logistics system can be constructed. Even at home, by placing an external communication device connected to the network at the place where things such as chests, refrigerators, and closets are put, there is no need to check the individual item details with the composite fiber sheet fixed there. The contents can be confirmed with a portable information device connected to a network separately, and unnecessary shopping, for example, can be reduced. By storing the identification number of the product to which the composite fiber sheet is fixed and the raw material of the product on a computer as a database, recycling after using the product can be optimally advanced according to the raw material.
[0031]
When the composite fiber sheet of the present invention is fixed to a wearable product, it can be used as a wearable computer (wearable information processing equipment). In particular, if the IC in the composite fiber sheet has a biological information sensor function, the health status of the wearer can be monitored at all times. For example, sick people, elderly people, infants and other people who are worried about the health status can wear it. If there is, you can build a system to rescue immediately.
[0032]
【The invention's effect】
Although the composite fiber sheet of the present invention is a material for holding an IC chip, it is excellent in flexibility and durability, and can be reliably fixed to an object by sewing.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view of a composite fiber sheet according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view of a composite fiber sheet according to an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view of a composite fiber sheet according to an embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a schematic cross-sectional view of a composite fiber sheet according to an embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a schematic view of a composite fiber sheet according to an embodiment of the present invention as viewed from the upper surface.
FIG. 6 is a schematic view showing a composite structure of composite fiber sheets according to an embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1: Fiber sheet 2: Resin protective layer 3: IC chip 4: Film 5: Resin layer 6: IC chip terminal 7: Wiring part 8: IC chip placement part