JP2005035996A - 排尿障害予防・治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】副作用のない安全且つ有効な排尿障害予防・治療剤およびその探索手段の提供。
【解決手段】アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を有しない化合物を含有してなる、蓄尿機能を阻害しない排尿障害予防・治療剤。排尿障害治療剤の投与により誘発される口渇の予防・治療剤および口渇を伴わない、過活動膀胱予防・治療剤。試験化合物のアセチルコリンエステラーゼ阻害活性とブチリルコリンエステラーゼ阻害活性とを測定・比較することを特徴とする、蓄尿機能を阻害しない排尿障害予防・治療物質のスクリーニング方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬、より詳しくは排尿障害予防・治療剤、排尿障害治療剤投与により誘発される口渇の予防・治療剤、口渇を伴わない過活動膀胱予防・治療剤およびそのスクリーニング方法に関する。ここで過活動膀胱(Overactive Bladder)とは尿意切迫感を主症状とし、しばしば頻尿や夜間頻尿を伴い、時には尿失禁を引き起こすとのある症状、疾患をいう。
排尿障害は、尿の蓄積(蓄尿)から排泄(排尿)の過程における自覚的あるいは他覚的異常の総称であり、蓄尿障害(尿失禁、頻尿等)、排出障害(排尿困難、排尿痛、尿路閉塞等)に分けられる。近年、高齢化社会の進展とともに高齢者の下部尿路疾患、特に排尿障害が大きな社会問題となっている。
排尿障害(排尿困難)は尿道の閉塞、排尿筋収縮不全や排尿筋−括約筋協調不全あるいはそれらが複合して起こり、その背景疾患または原因は脳・脊髄疾患や前立腺肥大症、糖尿病、骨盤内手術、加齢などさまざまである。物理的に膀胱の排出機能を高めるには、尿道を弛緩し、尿道の抵抗を低下させる方法と、排尿時に膀胱の収縮力を高める方法とが考えられる。尿道の弛緩にはα1ブロッカーが広く用いられており、前立腺肥大症に伴う尿道閉塞症状における第一選択薬である。
排尿筋の収縮不全に対しては、膀胱収縮力を増強する目的でカルバメート系アセチルコリンエステラーゼ阻害剤である臭化ジスチグミン(distigmine bromide)やメチル硫酸ネオスチグミン(neostigmine methylsulfate)およびムスカリン受容体作動剤である塩化ベタネコール(bethanechol chrolide)などが用いられる。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤は排尿時に骨盤神経終末から遊離されるアセチルコリンの作用を増強することから、排尿時に膀胱の収縮を増強し、排尿の生理機構を考えると優れた薬剤である。
しかしながら、例えば、ジスチグミンは膀胱を収縮させる一方で、膀胱出口部の圧を高めるため残尿が増加する危険性が指摘されており、またネオスチグミンは作用持続が短いため治療には用いられない(例えば、非特許文献1参照。)。さらにネオスチグミンは膀胱容量を低下させると同時に尿意を誘発し、ジスチグミンは律動的な膀胱収縮を誘起することなどの報告から、これらのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤は蓄尿期にも膀胱を収縮し、膀胱のコンプライアンス(膀胱の柔軟性)を低下させることが推察される(例えば、非特許文献2参照。)。また、ベタネコールはムスカリン受容体の作動剤であることから、蓄尿期・排尿時にかかわらず膀胱の収縮を促し、同様に膀胱のコンプライアンスを低下させることが推察される。蓄尿期に膀胱内が低圧に保たれ、膀胱に十分量の尿が貯留されることは、下部尿路の蓄尿における重要な機能の一つであり、排尿筋の収縮不全の治療に用いられる薬剤が、蓄尿機能を損なうことはその使用範囲を狭める原因となりうる。このように排尿筋の収縮不全に起因する排尿障害の薬物治療はその臨床効果の低さや副作用から広く認められてはいない。
排尿障害のうち過活動膀胱や前立腺肥大症に伴う排尿障害に対する基礎研究や新規薬剤の開発研究が盛んに行われている一方、排尿筋の収縮不全による排尿障害においては清潔間欠自己導尿の普及とともに新規薬剤開発の対象からはずされてきた経緯がある。しかしながら、患者の精神的負担を考慮すると真に効果のある薬物治療は依然として求められている。
生体内でアセチルコリンは膜上に存在するアセチルコリンエステラーゼと遊離蛋白質である非特異的コリンエステラーゼ(ブチリルコリンエステラーゼ)により加水分解され失活する。膀胱平滑筋においてもアセチルコリンエステラーゼとブチリルコリンエステラーゼが共存しており、両酵素が遊離されたアセチルコリンの分解に関与していると考えられる(例えば、非特許文献3参照。)。アセチルコリンエステラーゼおよびブチリルコリンエステラーゼの活性はインビトロで測定することが可能であり、それらの活性を阻害する薬剤がこれまでに多く報告されている。両酵素における阻害活性の選択性は様々である(表1;非特許文献4〜7)。
Figure 2005035996
非選択的コリンエステラーゼ阻害剤とブチリルコリンエステラーゼ選択的阻害剤とを用いた研究から、アセチルコリンによる膀胱収縮の調節においては、上記2種のコリンエステラーゼのうち、アセチルコリンエステラーゼがより重要な役割を担っていることが示唆されてはいるが(非特許文献8)、コリンエステラーゼ阻害剤の酵素選択性が薬効や副作用と関係があるのか、またどのような選択性を有する薬剤が使用に最適であるかについては未だ詳細は不明である。
一方、特許文献1には、アセチルコリンエステラーゼ阻害作用を有する非カルバメート系アミン化合物が膀胱排出力を改善し、排尿障害、特に排尿困難の治療に有効であることが開示されている。
特許文献2には、アセチルコリンエステラーゼ阻害作用とα1拮抗作用を併有する化合物が開示されており、排尿障害の治療に有効であることが記載されている。
他方で、排尿障害治療剤、主に塩酸オキシブチニンや塩酸プロピベリン、トルテロジンなどの抗コリン作用を有する過活動膀胱治療剤の投与による副作用として口渇が多く報告されており(非特許文献9)、投薬の中止にいたる最大の原因の一つである。口渇は抗コリン剤が唾液腺(顎下腺、耳下腺)において唾液分泌を促すアセチルコリンに対し拮抗的に作用することによって生じる。アセチルコリンのムスカリン様M受容体は膀胱の収縮に最も大きな役割を果たしている受容体であるが、唾液腺における唾液分泌に対しても同時に大きく関与している受容体である。したがって、新規化合物で過活動膀胱抑制作用と唾液分泌抑制作用との乖離を薬理作用から志向した抗コリン剤の創出は困難である。現在のところ、徐放化あるいは経皮吸収剤などの剤形変更により、副作用が軽減されることが報告されているが、依然として口渇の発現率は高い。
国際公開第00/18391号パンフレット 国際公開第03/57254号パンフレット 「神経因性膀胱の診断と治療」第2版、服部孝道、安田耕作著、医学書院 p.105-106 Urology, 1977年, 第10巻, p.83-89 The Anatomical Record,1996年,第245巻,p.645-641 The Japanese Journal of Pharmacology,2002年,第89巻,p.7-20 Biochemical Pharmacology,1998年,第55巻,p.1733-1737 The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,1997年,第280巻,p.1261-1269 CNS Drug Reviews,2002年,第8巻,p.53-69 Urological Research,2003年5月8日オンライン公開(http://link.springer.de/link/service/journals/00240/contents/03/00326/paper/s00240) Urology, 2000年, 第55巻, p.33-46
本発明は、排尿障害治療効果を有することが知られている公知のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤に比べて、治療効果および利便性が高く、副作用の少ない、排尿障害、特に排尿困難の予防・治療物質およびそのスクリーニング方法を提供し、該物質を用いた排尿障害の予防・治療手段を提供することを目的とする。
さらには排尿障害予防・治療剤投与時により誘発される口渇の予防・治療、あるいは口渇を伴わない、過活動膀胱予防・治療剤の提供をも目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アセチルコリンエステラーゼ阻害作用を有する化合物のうち、ブチリルコリンエステラーゼに阻害作用を実質的に有しない化合物が、ウレタン麻酔モルモットを用いたプレッシャー/フロースタディにおいて膀胱の蓄尿機能に影響することなく膀胱の排出機能を高めることを見出した。また、ブチリルコリンエステラーゼにも阻害作用を有するアセチルコリンエステラーゼ阻害剤であるジスチグミンやネオスチグミンは、膀胱コンプライアンスの低下により膀胱の蓄尿機能を低下させ、さらに外尿道括約筋の収縮により尿道抵抗を増大し、膀胱の排出機能をも低下させることを見出した。さらに、モルモット摘出膀胱筋標本における基底張力(静止時張力)に対する種々のコリンエステラーゼ阻害剤の作用を検討した結果、非選択的コリンエステラーゼ阻害剤はいずれも基底張力を有意に増大させるのに対し、アセチルコリンエステラーゼ選択的阻害剤である非カルバメート系アミン化合物は、意外にも基底張力に影響しないことを見出した。しかも、該アミン化合物とブチリルコリンエステラーゼ選択的阻害剤であるテトライソプロピルピロフォスフォラミド(以下、iso-OMPAと略記する)は、それぞれ単独では基底張力に影響しないが、両者を同時に作用させるとジスチグミンやネオスチグミンと同様に基底張力を増大させることを見出した。
これらの結果から、アセチルコリンエステラーゼとブチリルコリンエステラーゼをともに阻害する薬剤は膀胱の基底張力ひいては蓄尿時の膀胱内圧を高めるために蓄尿機能を低下させるのに対し、上記アミン化合物をはじめとするアセチルコリンエステラーゼ選択的阻害剤は、蓄尿機能に影響せずに排尿時にのみ膀胱の収縮を増強することから、副作用のない安全かつ有効な排尿障害予防・治療薬となることが示された。
また上記アセチルコリンエステラーゼ選択的阻害剤は、排尿障害予防・治療剤の投与により誘発される口渇に対して有効な予防・治療剤となることが見出された。すなわち排尿障害予防・治療剤、例えば抗コリン剤の投与により誘発される口渇(唾液分泌抑制作用)に対して、上記アセチルコリンエステラーゼ選択的阻害剤は拮抗的に作用することが見出された。その一方で、上記アセチルコリンエステラーゼ選択的阻害剤は、排尿障害予防・治療剤による膀胱容量の増大作用には影響せず、口渇を伴わない、過活動膀胱予防・治療剤としても有用であることが判明した。
加えて、上記のように、試験化合物のアセチルコリンエステラーゼ阻害活性とブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を測定・比較することにより、迅速かつ簡便に蓄尿機能に影響しない排尿障害予防・治療物質のスクリーニング、排尿障害治療剤の投与により誘発される口渇の予防・治療物質のスクリーニングおよび口渇を伴わない、過活動膀胱予防・治療物質のスクリーニングを行えることが示された。
本発明者らは、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
[1] アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物を含有してなる、蓄尿機能を阻害しない排尿障害予防・治療剤、
[2] アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物を含有してなる、排尿障害治療剤投与により誘発される口渇の予防・治療剤、
[3] アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物および抗コリン剤を組み合わせてなる、口渇を伴わない、過活動膀胱予防・治療剤、
[4] 化合物のアセチルコリンエステラーゼ50%阻害濃度に対するブチリルコリンエステラーゼ50%阻害濃度の比が20以上である、上記[1]、[2]または[3]記載の剤、
[5] 化合物のアセチルコリンエステラーゼ50%阻害濃度に対するブチリルコリンエステラーゼ50%阻害濃度の比が100以上である、上記[1]、[2]または[3]記載の剤、
[6] 排尿障害が排尿困難である上記[1]記載の剤、
[7] 排尿障害治療剤が抗コリン剤である上記[2]記載の剤、
[8] 試験化合物のアセチルコリンエステラーゼ阻害活性とブチリルコリンエステラーゼ阻害活性とを測定・比較することを特徴とする、蓄尿機能を阻害しない排尿障害予防・治療物質のスクリーニング方法、
[9] 哺乳動物に対して、アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物の有効量を投与することを特徴とする蓄尿機能を阻害せずに排尿障害を予防・治療する方法、
[10] 哺乳動物に対して、アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物の有効量を投与することを特徴とする排尿障害治療剤投与により誘発される口渇の予防・治療方法、
[11] 哺乳動物に対して、アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物および抗コリン剤の有効量を組み合わせて投与することを特徴とする、口渇を伴わずに過活動膀胱を予防・治療する方法、
[12] 蓄尿機能を阻害しない排尿障害予防・治療剤を製造するためのアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物の使用、
[13] 排尿障害治療剤投与により誘発される口渇の予防・治療剤を製造するためのアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物の使用、
[14] 口渇を伴わない、過活動膀胱予防・治療剤を製造するためのアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物および抗コリン剤の使用、
[15] アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物を含有してなる、口渇を伴わない、過活動膀胱予防・治療剤、
[16] 哺乳動物に対して、アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物の有効量を投与することを特徴とする、口渇を伴わずに過活動膀胱を予防・治療する方法、および
[17] 口渇を伴わない、過活動膀胱予防・治療剤を製造するためのアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物の使用に関する。
AChE阻害活性を有し、且つBuChE阻害活性を有しない化合物は蓄尿期の膀胱コンプライアンスを低下させることなく、排尿時にのみ排尿筋の収縮作用を増強するので、当該化合物は副作用のない安全かつ有効な排尿障害予防・治療剤としてきわめて有用である他、排尿障害治療剤の投与により誘発される口渇の予防・治療剤として、また口渇を伴わない、過活動膀胱予防・治療剤としてもきわめて有用である。
本発明で用いられる「アセチルコリンエステラーゼ(以下、AChEと略記する場合もある)阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ(以下、BuChEと略記する場合もある)阻害活性を実質的に有しない化合物」(以下、「本発明の化合物」と略記する場合もある)とは、排尿時において排尿筋の収縮不全を改善するのに十分なAChE阻害活性を有し、且つ実質的にBuChE阻害活性を有しない、即ち、BuChE阻害活性を全く有しないかあるいは蓄尿時において排尿筋の基底張力を増大させない程度の低いBuChE阻害活性しか有しない化合物をいう。
好ましくは、本発明の化合物のAChE阻害活性は、チオコリン法(Ellman法:後述の試験例1のイン・ビトロ(in vitro)酵素阻害試験において用いられる測定法)により得られるAChEの50%阻害濃度(IC50)値が約0.5μM以下であり、より好ましくは約0.2μM以下である。
また、本発明の化合物のBuChE阻害活性は、好ましくはチオコリン法(同上)により得られるBuChEの50%阻害濃度(IC50)値が約1μM以上であり、より好ましくは約10μM以上である。
本発明の化合物における両酵素阻害活性のバランスは、チオコリン法(同上)により得られるAChEのIC50値とBuChEのIC50値の比が、少なくとも約1:20以上以上、より好ましくは約1:100以上、さらに好ましくは約1:1000以上、最も好ましくは約1:10000以上である。
本発明の化合物を含有してなる排尿障害予防・治療剤は、蓄尿機能を阻害しないことを特徴とする。ここで「蓄尿機能を阻害しない」とは、該薬剤の投与によって、投与前よりも、初発尿意の発現時間を短縮させない、あるいは膀胱コンプライアンスおよび/または膀胱容量を有意に低下させないことを意味する。
本発明の化合物を含有してなる排尿障害治療剤投与により誘発される口渇の予防・治療剤は、排尿障害予防・治療剤、例えば抗コリン剤の投与により誘発される口渇を予防・治療することを特徴とする。
本発明の化合物を含有してなる口渇を伴わない、過活動膀胱予防・治療剤は、本発明の化合物自体を過活動膀胱予防・治療剤として使用する場合、あるいは他の過活動膀胱予防・治療剤(抗コリン剤など)と組み合わせて使用する場合に口渇を生じさせないことを特徴とする。
本発明の化合物は、本明細書において定義されたAChE阻害活性を有し、且つBuChE阻害活性を実質的に有しない化合物であれば、どのような分子構造の化合物であってもよい。なかでも好ましくは、アンモニアの水素原子を炭化水素基で置換したアミン化合物であり、より好ましくは、第一級アミン化合物、第二級アミン化合物、第三級アミン化合物がある。
そのようなアミン化合物の一つとしては、例えば、以下に記載する1)〜49)などの分子内にカルバメート構造(−OCON−)を有しないアミン化合物等(以下、化合物Aと称することがある)が挙げられる。これらの非カルバメート系アミン化合物のうち、少なくとも1個の5ないし7員含窒素複素環を部分構造として有する化合物等が好ましく、中でも後述の1)、20)、23)、41)、42)および43)の化合物等が好ましく、1)の化合物等が特に好ましい。
また他の好ましいアミン化合物としては、例えば、後述の化合物(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)又は(IId)の塩やプロドラッグのように、塩になることによりアセチルコリンエステラーゼ阻害作用とα1拮抗作用を併有する化合物に変換する化合物や、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応によりアセチルコリンエステラーゼ阻害作用とα1拮抗作用を併有する化合物に変換する化合物が挙げられる(以下、化合物Bと称することがある)。
具体的には、以下に記載する化合物が好ましい。
化合物Aは、

Figure 2005035996

〔式中、Arは縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい、
nは1ないし10の整数、
RおよびR’はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子または置換基を有していてもよい炭化水素基、
Yは置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい含窒素飽和複素環基を示す。〕で表される化合物(以下、化合物(I)と略記することもある)またはその塩である。
上記式中、Arで示される「縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい」の「置換基」としては、例えば、(i)ハロゲン化されていてもよい低級アルキル基、(ii)ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロル、ブロム、ヨード等)、(iii)低級アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1−3アルキレンジオキシ基等)、(iv)ニトロ基、(v)シアノ基、(vi)ヒドロキシ基、(vii)ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ基、(viii)シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3−6シクロアルキル基等)、(ix)ハロゲン化されていてもよい低級アルキルチオ基、(x)アミノ基、(xi)モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ等のモノ−C1−6アルキルアミノ基等)、(xii)ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1−6アルキルアミノ基等)、(xiii)5ないし7員環状アミノ基(例えば、1個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい5ないし7員環状アミノ基(例、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ等)等)、(xiv)低級アルキル−カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ等のC1−6アルキル−カルボニルアミノ基等)、(xv)低級アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ等のC1−6アルキルスルホニルアミノ基等)、(xvi)低級アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソブトキシカルボニル等のC1−6アルコキシ−カルボニル基等)、(xvii)カルボキシ基、(xviii)低級アルキル−カルボニル基(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニル等のC1−6アルキル−カルボニル基等)、(xix)シクロアルキル−カルボニル基(例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル等のC3−6シクロアルキル−カルボニル基等)、(xx)カルバモイル基、チオカルバモイル基、(xxi)モノ−低級アルキル−カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル等のモノ−C1−6アルキル−カルバモイル基等)(xxii)ジ−低級アルキル−カルバモイル基(例えば、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモイル等のジ−C1−6アルキル−カルバモイル基等)、(xxiii)低級アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル等のC1−6アルキルスルホニル基等)、(xxiv)シクロアルキルスルホニル基(例えば、シクロペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル等のC3−6シクロアルキルスルホニル等)、(xxv)フェニル基、(xxvi)ナフチル基、(xxvii)モノ−フェニル−低級アルキル基(例えばベンジル、フェニルエチル等のモノ−フェニル−C1−6アルキル基等)、(xxviii)ジ−フェニル−低級アルキル基(例えば、ジフェニルメチル、ジフェニルエチル等のジ−フェニル−C1−6アルキル基等)、(xxix)モノ−フェニル−低級アルキル−カルボニルオキシ基(例えばフェニルメチルカルボニルオキシ、フェニルエチルカルボニルオキシ等のモノ−フェニル−C1−6アルキル−カルボニルオキシ基等)、(xxx)ジ−フェニル−低級アルキル−カルボニルオキシ基(例えば、ジフェニルメチルカルボニルオキシ、ジフェニルエチルカルボニルオキシ等のジ−フェニル−C1−6アルキル−カルボニルオキシ基等)、(xxxi)フェノキシ基、(xxxii)モノ−フェニル−低級アルキル−カルボニル基(例えばフェニルメチルカルボニル、フェニルエチルカルボニル等のモノ−フェニル−C1−6アルキル−カルボニル基等)、(xxxiii)ジ−フェニル−低級アルキル−カルボニル基(例えば、ジフェニルメチルカルボニル、ジフェニルエチルカルボニル等のジ−フェニル−C1−6アルキル−カルボニル基等)、(xxxiv)ベンゾイル基、(xxxv)フェノキシカルボニル基、(xxxvi)フェニル−低級アルキル−カルバモイル基(例えば、フェニル−メチルカルバモイル、フェニル−エチルカルバモイル等のフェニル−C1−6アルキル−カルバモイル基等)、(xxxvii)フェニルカルバモイル基、(xxxviii)フェニル−低級アルキル−カルボニルアミノ基(例えば、フェニル−メチルカルボニルアミノ、フェニル−エチルカルボニルアミノ等のフェニル−C1−6アルキル−カルボニルアミノ基等)、(xxxix)フェニル−低級アルキルアミノ基(例えば、フェニル−メチルアミノ、フェニル−エチルアミノ等のフェニル−C1−6アルキルアミノ基等)、(xxxx)フェニル−低級アルキルスルホニル基(例えば、フェニル−メチルスルホニル、フェニル−エチルスルホニル等のフェニル−C1−6アルキルスルホニル基等)、(xxxxi)フェニルスルホニル基、(xxxxii)フェニル−低級アルキルスルフィニル基(例えば、フェニル−メチルスルフィニル、フェニル−エチルスルフィニル等のフェニル−C1−6アルキルスルフィニル基等)、(xxxxiii)フェニル−低級アルキルスルホニルアミノ基(例えば、フェニル−メチルスルホニルアミノ、フェニル−エチルスルホニルアミノ等のフェニル−C1−6アルキルスルホニルアミノ基等)および(xxxxiv)フェニルスルホニルアミノ基(上記(xxv)ないし(xxxxiv)のフェニル基、ナフチル基、モノ−フェニル−低級アルキル基、ジ−フェニル−低級アルキル基、モノ−フェニル−低級アルキル−カルボニルオキシ基、ジ−フェニル−低級アルキル−カルボニルオキシ基、フェノキシ基、モノ−フェニル−低級アルキル−カルボニル基、ジ−フェニル−低級アルキル−カルボニル基、ベンゾイル基、フェノキシカルボニル基、フェニル−低級アルキル−カルバモイル基、フェニルカルバモイル基、フェニル−低級アルキル−カルボニルアミノ基、フェニル−低級アルキルアミノ基、フェニル−低級アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、フェニル−低級アルキルスルフィニル基、フェニル−低級アルキルスルホニルアミノ基およびフェニルスルホニルアミノ基は、さらに、例えば、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1−6アルキル等)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等のC1−6アルコキシ等)、ハロゲン原子(例えば、クロル、ブロム、ヨード等)、ヒドロキシ基、ベンジルオキシ基、アミノ基、モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ等のモノ−C1−6アルキルアミノ等)、ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1−6アルキルアミノ等)、ニトロ基、低級アルキル−カルボニル基(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニル等のC1−6アルキル−カルボニル等)、ベンゾイル基等から選ばれた1ないし4個の置換基を有していてもよい。)等が挙げられる。該フェニル基はこれらの置換基を1ないし4個有していてもよい。
上記の「ハロゲン化されていてもよい低級アルキル基」としては、例えば、1ないし3個のハロゲン原子(例えば、クロル、ブロム、ヨード等)を有していてもよい低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1−6アルキル基等)等が挙げられ、具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2、2,2−トリフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシル等が挙げられる。
上記の「ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ基」としては、例えば、1ないし3個のハロゲン原子(例えば、クロル、ブロム、ヨード等)を有していてもよい低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等のC1−6アルコキシ基等)等が挙げられ、具体例としては、例えばメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
上記の「ハロゲン化されていてもよい低級アルキルチオ基」としては、例えば、1ないし3個のハロゲン原子(例えば、クロル、ブロム、ヨード等)を有していてもよい低級アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等のC1−6アルキルチオ基等)等が挙げられ、具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等が挙げられる。
「縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい」の「置換基」として好ましくは、(i)アミノ基、(ii)モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ等のモノ−C1−6アルキルアミノ基等)、(iii)ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1−6アルキルアミノ基等)、(iv)例えば1個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい5ないし7員環状アミノ基(例えば、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ等)、(v)低級アルキル−カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ等のC1−6アルキル−カルボニルアミノ基等)、(vi)低級アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ等のC1−6アルキルスルホニルアミノ基等)、(vii)フェニル−低級アルキルアミノ(例えば、フェニル−メチルアミノ、フェニル−エチルアミノ等のフェニル−C1−6アルキルアミノ等)、(viii)フェニル−低級アルキルスルホニルアミノ基(例えば、フェニル−メチルスルホニルアミノ、フェニル−エチルスルホニルアミノ等のフェニル−C1−6アルキル−スルホニルアミノ基等)、(ix)フェニルスルホニルアミノ基、(x)ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロル等)、(xi)ハロゲン化されていてもよい低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、トリフルオロメチル等)および(xii)ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert-ブトキシ、トリフルオロメトキシ等)等が挙げられ、特に、ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1−6アルキルアミノ基等)、1個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい5ないし7員環状アミノ基(例えば、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ等)等が好ましい。
該「縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい」の「フェニル基」が縮合する例としては、例えば、
(1)置換基を有していてもよい単環式複素環と縮合する場合、
(2)置換基を有していてもよい2環式複素環と縮合する、あるいは2つの同一または異なった単環(但し、少なくとも一方の環が単環式複素環である)と縮合する場合、および
(3)置換基を有していてもよい3環式複素環と縮合する場合等が挙げられる。
上記(1)の「縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい」のフェニル基が単環式複素環と縮合する場合の具体例としては、例えば、式
Figure 2005035996

〔式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環、およびB環は置換基を有していてもよい複素環を示す。〕で表される基等が挙げられる。
A環の置換基としては、上記の「縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい」の「置換基」等が挙げられ、その置換基数は1ないし3個である。
B環で示される「置換基を有していてもよい複素環」の「複素環」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む4ないし14員(好ましくは5ないし9員)芳香族または非芳香族複素環等が挙げられる。具体的には例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、イミダゾール、フラン、チオフェン、ジヒドロピリジン、ジアゼピン、オキサゼピン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、テトラヒドロフラン、ピペラジン、ホモピペラジン、テトラヒドロオキサゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピロール、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、チアゾール、チアゾリジン、イソオキサゾール、イミダゾリン等が挙げられる。このうち、1個のヘテロ原子あるいは同一または異なる2個のヘテロ原子を含有する5ないし9員環の非芳香族複素環(例えば、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、テトラヒドロフラン、ピペラジン、ホモピペラジン、テトラヒドロオキサゼピン、モルホリン、チオモルホリン等)等が好ましい。特に、〔1〕例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1個のヘテロ原子を含有する非芳香族複素環、〔2〕1個の窒素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1個のヘテロ原子とを含有する非芳香族複素環等が好ましい。
B環で示される「置換基を有していてもよい複素環」の「置換基」としては、例えば(i)ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロル、ブロム、ヨード等)、(ii)ニトロ基、(iii)シアノ基、(iv)オキソ基、(v)ヒドロキシ基、(vi)低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル等のC1−6アルキル基等)(vii)低級アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,プロピルオキシ,イソプロピルオキシ、ブチルオキシ等のC1−6アルコキシ基等)、(viii)低級アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等のC1−6アルキルチオ基等)、(ix)アミノ基、(x)モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ等のモノ−C1−6アルキルアミノ基等)、(xi)ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1−6アルキルアミノ基等)、(xii)例えば炭素原子と1個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい5ないし7員環状アミノ基(例えば、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ等)、(xiii)低級アルキル−カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ等のC1−6アルキル−カルボニルアミノ基等)、(xiv)低級アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ等のC1−6アルキル−カルボニルアミノ基等)、(xv)低級アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル等のC1−6アルコキシ−カルボニル基等)、(xvi)カルボキシ基、(xvii)低級アルキルカルボニル基(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル等のC1−6アルキル−カルボニル基等)、(xviii)カルバモイル基、(xix)モノ−低級アルキルカルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等のモノ−C1−6アルキル−カルバモイル基等)、(xx)ジ−低級アルキルカルバモイル基(例えば、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル等のジ−C1−6アルキル−カルバモイル基等)、(xxi)低級アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル等のC1−6アルキルスルホニル基等)等から選ばれた1ないし5個が用いられる。中でも、オキソ基、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル等のC1−6アルキル基等)等が好ましい。特にオキソ基等が好ましい。
B環が環中に窒素原子を有する場合、例えば、B環は環中に式
>N−R
〔式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、アシル基または置換基を有していてもよい複素環基を示す。〕で表される基を有していてもよい。さらに、B環は上記置換基(i)ないし(xxi)を1ないし3個有していてもよい。
で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」は、炭化水素化合物から水素原子を1個除いた基を示し、その例としては、例えば以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、これらの組み合わせの基等が挙げられる。このうち、C1−16炭化水素基等が好ましい。
(1)アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1−6アルキル基等)
(2)アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec-ブテニル等のC2−6アルケニル基等)
(3)アルキニル基(例えば、プロパルギル、エチニル、ブチニル、1−ヘキシニル等のC2−6アルキニル基等)
(4)シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3−6シクロアルキル基等)
(5)架橋環式低級飽和炭化水素基(例えば、ビシクロ〔3.2.1〕オクト−2−イル、ビシクロ〔3.3.1〕ノン−2−イル、アダマンタン−1−イル等の架橋環式C8−14飽和炭化水素基等)
(6)アリール基(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニル、2−インデニル、2−アンスリル等のC6−14アリール基等、好ましくはフェニル基等)
(7)アラルキル基(例えば、ベンジル,フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、フェニルペンチル、フェニルヘキシル等のフェニル−C1−10アルキル;α−ナフチルメチル等のナフチル−C1−6アルキル;ジフェニルメチル、ジフェニルエチル等のジフェニル−C1−3アルキル等のC7−16アラルキル基等)
(8)アリ−ル−アルケニル基(例えばスチリル、シンナミル、4−フェニル−2−ブテニル、4−フェニル−3−ブテニル等のフェニル−C2−12アルケニル等のC6−14アリ−ル−C2−12アルケニル基等)
(9)アリ−ル−C2−12アルキニル基(例えば、フェニルエチニル、3−フェニル−2−プロピニル、3−フェニル−1−プロピニル等のフェニル−C2−12アルキニル等のC6−14アリ−ル−C2−12アルキニル基等)
(10)シクロアルキル−アルキル基(例えば、シクロプロピルメチル,シクロブチルメチル,シクロペンチルメチル,シクロヘキシルメチル,シクロヘプチルメチル,シクロプロピルエチル,シクロブチルエチル,シクロペンチルエチル,シクロヘキシルエチル,シクロヘプチルエチル,シクロプロピルプロピル,シクロブチルプロピル,シクロペンチルプロピル,シクロヘキシルプロピル,シクロヘプチルプロピル,シクロプロピルブチル,シクロブチルブチル,シクロペンチルブチル,シクロヘキシルブチル,シクロヘプチルブチル,シクロプロピルペンチル,シクロブチルペンチル,シクロペンチルペンチル,シクロヘキシルペンチル,シクロヘプチルペンチル,シクロプロピルヘキシル,シクロブチルヘキシル,シクロペンチルヘキシル,シクロヘキシルヘキシル等のC3−7シクロアルキル−C1−6アルキル基等)
(11)アリール−アリール−C1−10アルキル基(例えばビフェニルメチル、ビフェニルエチル等)
で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」の好ましいものとしては、例えば、C1−6アルキル基、C3−6シクロアルキル基、C7−16アラルキル基等である。さらに好ましくはC7−10アラルキル基(例えば、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のフェニル−C1−4アルキル等)等である。
で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」としては、例えば、(i)ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロル、ブロム、ヨード等)、(ii)ニトロ基、(iii)シアノ基、(iv)オキソ基、(v)ヒドロキシ基、(vi)ハロゲン化されていてもよい低級アルキル基、(vii)ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ基、(viii)ハロゲン化されていてもよい低級アルキルチオ基、(ix)アミノ基、(x)モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ等のモノ−C1−6アルキルアミノ基等)、(xi) ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1−6アルキルアミノ基等)、(xii)例えば炭素原子と1個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい5ないし7員環状アミノ基(例えば、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ等)、(xiii)低級アルキル−カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ等のC1−6アルキル−カルボニルアミノ基等)、(xiv)低級アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ等のC1−6アルキル−スルホニルアミノ基等)、(xv)低級アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル等のC1−6アルコキシ−カルボニル基等)、(xvi)カルボキシ基、(xvii)低級アルキル−カルボニル基(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル等のC1−6アルキル−カルボニル基等)、(xviii)カルバモイル基、チオカルバモイル基、(xix)モノ−低級アルキル−カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等のモノ−C1−6アルキル−カルバモイル基等)、(xx)ジ−低級アルキル−カルバモイル基(例えば、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル等のジ−C1−6アルキル−カルバモイル基等)、(xxi)低級アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル等のC1−6アルキルスルホニル基等)、(xxii)低級アルコキシ−カルボニル−低級アルキル基(例えば、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、tert-ブトキシカルボニルメチル、メトキシカルボニルエチル、メトキシカルボニルメチル、メトキシカルボニル(ジメチル)メチル、エトキシカルボニル(ジメチル)メチル、tert-ブトキシカルボニル(ジメチル)メチル等のC1−6アルキル−カルボニル−C1−6アルキル基等)、(xxiii)カルボキシ−低級アルキル基(例えば、カルボキシルメチル、カルボキシルエチル、カルボキシル(ジメチル)メチル等のカルボキシ−C1−6アルキル基等)、(xxiv)置換基を有していてもよい複素環基、(xxv)C6−14アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等)、(xxvi)C7−16アラルキル基(例えば、ベンジル等)、(xxvii)置換基を有していてもよいウレイド基(例えば、ウレイド、3−メチルウレイド、3−エチルウレイド、3−フェニルウレイド、3−(4−フルオロフェニル)ウレイド、3−(2−メチルフェニル)ウレイド、3−(4−メトキシフェニル)ウレイド、3−(2,4−ジフルオロフェニル)ウレイド、3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ウレイド、3−ベンジルウレイド、3−(1−ナフチル)ウレイド、3−(2−ビフェニリル)ウレイド等)、(xxviii)置換基を有していてもよいチオウレイド基(例えば、チオウレイド、3−メチルチオウレイド、3−エチルチオウレイド、3−フェニルチオウレイド、3−(4−フルオロフェニル)チオウレイド、3−(4−メチルフェニル)チオウレイド、3−(4−メトキシフェニル)チオウレイド、3−(2,4−ジクロロフェニル)チオウレイド、3−ベンジルチオウレイド、3−(1−ナフチル)チオウレイド等)、(xxix)置換基を有していてもよいアミジノ基(例えば、アミジノ、N−メチルアミジノ、N−エチルアミジノ、N−フェニルアミジノ、N,N−ジメチルアミジノ、N,N−ジメチルアミジノ、N−メチル−N−エチルアミジノ、N,N−ジエチルアミジノ、N−メチル−N−フェニルアミジノ、N,N−ジ(4−ニトロフェニル)アミジノ等)、(xxx)置換基を有していてもよいグアニジノ基(例えば、グアニジノ、3−メチルグアニジノ、3,3−ジメチルグアニジノ、3,3−ジエチルグアニジノ等)、(xxxi)置換基を有していてもよい環状アミノカルボニル基(例えば、ピロリジノカルボニル、ピペリジノカルボニル、(4−メチルピペリジノ)カルボニル、(4−フェニルピペリジノ)カルボニル、(4−ベンジルピペリジノ)カルボニル、(4−ベンゾイルピペリジノ)カルボニル、[4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジノ]カルボニル、(4−メチルピペラジノ)カルボニル、(4−フェニルピペラジノ)カルボニル、[4−(4−ニトロフェニル)ピペラジノ]カルボニル、(4−ベンジルピペラジノ)カルボニル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル等)、(xxxii)置換基を有していてもよいアミノチオカルボニル基(例えば、アミノチオカルボニル、メチルアミノチオカルボニル、ジメチルアミノチオカルボニル等)、(xxxiii)置換基を有していてもよいアミノスルホニル基(例えば、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル等)、(xxxiv)置換基を有していてもよいフェニルスルホニルアミノ(例えば、フェニルスルホニルアミノ、(4−メチルフェニル)スルホニルアミノ、(4−クロロフェニル)スルホニルアミノ、(2,5−ジクロロフェニル)スルホニルアミノ、(4−メトキシフェニル)スルホニルアミノ、(4−アセチルアミノフェニル)スルホニルアミノ、(4−ニトロフェニル)フェニルスルホニルアミノ等)、(xxxv)スルホ基、(xxxvi)スルフィノ基、(xxxvii)スルフェノ基、(xxxviii)C1−6アルキルスルホ基(例えば、メチルスルホ、エチルスルホ、プロピルスルホ等)、(xxxix)C1−6アルキルスルフィノ基(例えば、メチルスルフィノ、エチルスルフィノ、プロピルスルフィノ等)、(xxxx)C1−6アルキルスルフェノ基(例えば、メチルスルフェノ、エチルスルフェノ、プロピルスルフェノ等)、(xxxxi)ホスホノ基、(xxxxii)ジ−C1−6アルコキシホスホリル基(例えば、ジメトキシホスホリル、ジエトキシホスホリル、ジプロポキシホスホリル等)等から選ばれた1ないし5個(好ましくは1ないし3個)が挙げられる。
このうち好ましくは、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいアルキル基、ハロゲン化されていてもよいアルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、カルバモイル基、アミノチオカルボニル基、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル基、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、アミノ基、モノ−C1−6アルキルアミノ基、ジ−C1−6アルキルアミノ基、5ないし7員環状アミノ基、C1−6アルキル−カルボニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
上記「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれるヘテロ原子1ないし6個(好ましくは1ないし4個)を含む5ないし14員(単環式または2ないし4環式)複素環から水素原子を1個除去してできる基等が用いられる。
単環式複素環基としては、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、イミダゾール、フラン、チオフェン、ジヒドロピリジン、ジアゼピン、オキサゼピン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、テトラヒドロフラン、ピペラジン、ホモピペラジン、テトラヒドロオキサゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピロール、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、チアゾール、チアゾリジン、イソオキサゾール、イミダゾリン、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、オキサチアジアゾール、トリアジン、テトラゾール等の単環式複素環から水素原子を1個除去してできる基等が挙げられる。
2環式複素環としては、例えば、インドール、ジヒドロインドール、イソインドール、ジヒドロイソインドール、ベンゾフラン、ジヒドロベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、インダゾール、キノリン、テトラヒドロキノリン、イソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロ-1H-1-ベンズアゼピン、テトラヒドロ-1H-2-ベンズアゼピン、テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン、テトラヒドロベンズオキサゼピン、キナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、キノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、ベンゾジオキサン、ベンゾジオキソール、ベンゾチアジン、イミダゾピリジン等の2環式複素環から水素原子を1個除去してできる基等が用いられる。
3または4環式複素環基としては、アクリジン、テトラヒドロアクリジン、ピロロキノリン、ピロロインドール、シクロペントインドール、イソインドロベンズアゼピン等の3または4環式複素環から水素原子を1個除去してできる基等が挙げられる。
該「複素環基」としては、単環または2環式複素環から水素原子を1個除去してできる基等が好ましい。
該「置換基を有していてもよい複素環基」の「置換基」としては上記B環で示される「置換基を有していてもよい複素環」の「置換基」が挙げられ、その置換基数は1ないし5個である。
で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」として好ましくは、ハロゲン原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ニトロ、シアノおよびヒドロキシから選ばれる置換基を1ないし5個有していてもよいC7−16アラルキル基(好ましくはベンジル等)等が挙げられる。
上記Rで示される「アシル基」としては、例えば、式:
−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−NR、−SO−R、−SO−R、−(C=S)−ORまたは −(C=S)NR〔式中、RおよびRはそれぞれ(i)水素原子、(ii)置換基を有していてもよい炭化水素基または(iii)置換基を有していてもよい複素環基を示すか、RとRとは互いに結合して隣接する窒素原子と共に置換基を有していてもよい含窒素環基を形成してもよい。〕で表されるアシル基等が挙げられる。
このうち好ましくは、式:−(C=O)−Rまたは −(C=O)−NR〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表されるアシル基である。
またはRで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」は、上記Rで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」と同様のものがそれぞれ挙げられる。
とRとで形成される「置換基を有していてもよい含窒素環基」としては、炭素原子および1個の窒素原子以外に、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含有していてもよい5ないし9員(好ましくは5ないし7員)の含窒素飽和複素環基等が挙げられる。より具体的には、例えば、式
Figure 2005035996

で表される基等が挙げられる。
該「置換基を有していてもよい含窒素環基」の「置換基」としては、上記B環で示される「置換基を有していてもよい複素環」の「置換基」と同様のものが挙げられ、その置換基数は1ないし5個である。
およびRとして、好ましくは、(i)水素原子、(ii)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(iii)C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC6−10アリール、(iii)C7−16アラルキル(例、ベンジル等)、(iv)5または6員複素環基(例、ピリジル、チエニル、フリル等)等が挙げられる。
上記Rで示される「アシル基」として、好ましくは、ホルミル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、トリフルオロアセチル、プロピオニル等)、5または6員複素環カルボニル(例、ピリジルカルボニル、チエニルカルボニル、フリルカルボニル等)、C6−14アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等)、C7−16アラルキル−カルボニル(例、フェニルアセチル、3−フェニルプロピオニル等)、C6−10アリールスルホニル(例、ベンゼンスルホニル、ナフチルスルホニル等)等が挙げられる。
は、好ましくは、水素原子、C1−6アルキル、C1−6アルキル−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル等である。
上記式
Figure 2005035996

で表される基の具体例としては、2,3−ジヒドロベンゾフラン;3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾチオピラン;2,3−ジヒドロ−1H−インドール;1,2,3,4−テトラヒドロキノリン;2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール;1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンズアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン等のベンズアゼピン;1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−1−ベンズアゾシン、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−2−ベンズアゾシン、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−3−ベンズアゾシン等のベンズアゾシン;2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−1−ベンズアゾニン、2,3,4,5, 6,7−ヘキサヒドロ−1H−2−ベンズアゾニン、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−3−ベンズアゾニン、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−4−ベンズアゾニン等のベンズアゾニン;2,3−ジヒドロベンズオキサゾール等のベンズオキサゾール;2,3−ジヒドロベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール;2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール等のベンズイミダゾール;3,4−ジヒドロ−1H−2,1−ベンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−1H−2,3−ベンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,2−ベンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンズオキサジン等のベンズオキサジン;3,4−ジヒドロ−1H−2,1−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−1H−2,3−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,2−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾチアジン等のベンゾチアジン;1,2,3,4−テトラヒドロシンノリン、1,2,3,4−テトラヒドロフタラジン、1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン等のベンゾジアジン;3,4−ジヒドロ−1,2−ベンズオキサチイン、3,4−ジヒドロ−2,1−ベンズオキサチイン、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンズオキサチイン、1,4−ジヒドロ−2,3−ベンズオキサチイン、4H−1,3−ベンズオキサチイン、4H−3,1−ベンズオキサチイン等のベンズオキサチイン;3,4−ジヒドロ−1,2−ベンゾジオキシン、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン、1,4−ジヒドロ−2,3−ベンゾジオキシン、4H−1,3−ベンゾジオキシン等のベンゾジオキシン;3,4−ジヒドロ−1,2−ベンズジチイン、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンズジチイン、1,4−ジヒドロ−2,3−ベンズジチイン、4H−1,3−ベンズジチイン等のベンズジチイン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2−ベンズオキサゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1,3−ベンズオキサゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンズオキサゼピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2,1−ベンズオキサゼピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2,3−ベンズオキサゼピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2,4−ベンズオキサゼピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−3,1−ベンズオキサゼピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−3,2−ベンズオキサゼピン、1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンズオキサゼピン等のベンズオキサゼピン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2−ベンゾチアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2,1−ベンゾチアゼピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2,4−ベンゾチアゼピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−3,1−ベンゾチアゼピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−3,2−ベンゾチアゼピン、1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン等のベンゾチアゼピン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2−ベンゾチアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,3−ベンゾジアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−ベンゾジアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2,3−ベンゾジアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2,4−ベンゾジアゼピン等のベンゾジアゼピン;4,5−ジヒドロ−1,3−ベンゾジオキセピン、4,5−ジヒドロ−3H−1,2−ベンゾジオキセピン、2,3−ジヒドロ−5H−1,4−ベンゾジオキセピン、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン、4,5−ジヒドロ−1H−2,3−ベンゾジオキセピン、1,5−ジヒドロ−2,4−ベンゾジオキセピン等のベンゾジオキセピン;4,5−ジヒドロ−1H−2,3−ベンゾチエピン、1,5−ジヒドロ−2,4−ベンゾジチエピン、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジチエピン、2,3−ジヒドロ−5H−1,4−ベンゾジチエピン等のベンゾジチエピン、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,5−ベンズオキサゾシン、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,6−ベンズオキサゾシン等のベンズオキサゾシン;3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,5−ベンゾチアゾシン、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,6−ベンゾチアゾシン等のベンゾチアゾシン;1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−1,6−ベンゾジアゾシン等のベンゾジアゾシン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,6−ベンズオキサチオシン等のベンズオキサチオシン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,6−ベンゾジオキソシン等のベンゾジオキソシン;1,3,5−ベンゾトリオキセピン、5H−1,3,4−ベンゾトリオキセピン等のベンゾトリオキセピン;3,4−ジヒドロ−1H−5,2,1−ベンズオキサチアゼピン、3,4−ジヒドロ−2H−5,1,2−ベンズオキサチアゼピン、4,5−ジヒドロ−3,1,4−ベンズオキサチアゼピン、4,5−ジヒドロ−3H−1,2,5−ベンズオキサチアゼピン等のベンズオキサチアゼピン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,3,4−ベンズオキサジアゼピン等のベンズオキサジアゼピン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,3,5−ベンズチアジアゼピン等のベンズチアジアゼピン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,5−ベンゾトリアゼピン等のベンゾトリアゼピン;4,5−ジヒドロ−1,3,2−ベンゾオキサチエピン、4,5−ジヒドロ−1H−2,3−ベンズオキサチエピン、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンズオキサチエピン、4,5−ジヒドロ−3H−1,2−ベンズオキサチエピン、4,5−ジヒドロ−3H−2,1−ベンズオキサチエピン、2,3−ジヒドロ−5H−1,4−ベンズオキサチエピン、2,3−ジヒドロ−5H−4,1−ベンズオキサチエピン等、とりわけ2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンズアゼピン、2,3−ジヒドロ−1H−インドール、2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン等の2環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基等が挙げられる。
このうち、好ましい例としては式
Figure 2005035996

〔式中、B'環は置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環、その他の各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基等が挙げられる。
該「置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環」の「5ないし9員の含窒素複素環」としては、炭素原子および1個の窒素原子以外に、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環等が挙げられ、5ないし9員の非芳香族含窒素複素環(例えば、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、ピペラジン、ホモピペラジン、テトラヒドロオキサゼピン、モルホリン、チオモルホリン等)等が好ましく用いられる。該「置換基」としては、上記のB環で示される「置換基を有していてもよい複素環」の「置換基」と同様のものから選ばれる1ないし3個の置換基が挙げられるが、好ましくは、オキソである。
このうち、より好ましい例としては、式
Figure 2005035996

〔式中、Ba環は置換基を有していてもよい複素環を示し、その他の記号は上記と同意義を示す。〕で表される基等が挙げられる。特に好ましくは、式
Figure 2005035996

〔式中の記号は上記と同意義を示す。〕で表される基等が挙げられる。
Ba環で示される「置換基を有していてもよい複素環」の「置換基」としては、上記のB環で示される「置換基を有していてもよい複素環」の「置換基」と同様のものから選ばれる1ないし3個の置換基が挙げられるが、好ましくは、オキソである。
上記(2)の「縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい」のフェニル基が置換基を有していてもよい2環式複素環と縮合する、あるいは2つの同一または異なった単環(但し、少なくとも一方の環が単環式複素環である)と縮合する場合の具体例としては、例えば、式
Figure 2005035996


〔式中、A環は上記と同意義、C環およびD環の一方は置換基を有していてもよい複素環、他方は置換基を有していてもよい5ないし9員環を示す。〕で表される基等が挙げられる。
C環またはD環で示される「置換基を有していてもよい複素環」の「複素環」としては、B環で示される「置換基を有していてもよい複素環」が挙げられる。 C環またはD環で示される「置換基を有していてもよい5ないし9員環」の「5ないし9員環」は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含有していてもよく、例えば、5ないし9員複素環(例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、イミダゾール、フラン、チオフェン、ジヒドロピリジン、ジアゼピン、オキサゼピン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、テトラヒドロフラン、ピペラジン、ホモピペラジン、テトラヒドロオキサゼピン、モルホリン、チオモルホリン等)、5ないし9員炭素環(例えば、ベンゼン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタン、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン等)等が挙げられる。このうち、5ないし7員環が好ましい。中でも、ベンゼン、シクロヘキサン等が好ましい。
「置換基を有していてもよい5ないし9員環」の「置換基」としては、上記B環で示される「置換基を有していてもよい複素環」の「置換基」と同様のものが挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、カルバゾール、1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロカルバゾール、9,10−ジヒドロアクリジン、1,2,3,4−テトラヒドロアクリジン、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ〔b,f〕アゼピン、5,6,7,12−テトラヒドロジベンズ〔b,g〕アゾシン、6,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ〔b,e〕アゼピン、6,7−ジヒドロ−5H−ジベンズ〔c,e〕アゼピン、5,6,11,12−テトラヒドロジベンズ〔b,f〕アゾシン、ジベンゾフラン、9H−キサンテン、10,11−ジヒドロジベンズ〔b,f〕オキセピン、6,11−ジヒドロジベンズ〔b,e〕オキセピン、6,7−ジヒドロ−5H−ジベンズ〔b,g〕オキソシン、ジベンゾチオフェン、9H−チオキサンテン、10,11−ジヒドロジベンゾ〔b,f〕チエピン、6,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕チエピン、6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ〔b,g〕チオシン、10H−フェノチアジン、10H−フェノキサジン、5,10−ジヒドロフェナジン、10,11−ジベンゾ〔b,f〕〔1,4〕チアゼピン、10,11−ジヒドロジベンズ〔b,f〕〔1,4〕オキサゼピン、2,3,5,6,11,11a−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ〔2,1−b〕〔3〕ベンズアゼピン、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕ジアゼピン、5,11−ジヒドロジベンズ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,f〕〔1,4〕チアゼピン、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕ジアゼピン、1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ〔2,3−b〕インドール等の3環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、1H,3H−ナフト〔1,8−cd〕〔1,2〕オキサジン、ナフト〔1,8−de〕−1,3−オキサジン、ナフト〔1,8−de〕−1,2−オキサジン、1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ〔cd〕インドール、2,3,3a,4,5,6−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ〔de〕キノリン、4H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン、1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン、5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン、1H,5H−ベンゾ〔ij〕キノリジン、アゼピノ〔3,2,1−hi〕インドール、1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ〔3,2,1−hi〕インドール、1H−ピリド〔3,2,1−jk〕〔1〕ベンズアゼピン、5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−ピリド〔3,2,1−jk〕〔1〕ベンズアゼピン、1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−ピリド〔3,2,1−jk〕〔1〕ベンズアゼピン、2,3−ジヒドロ−1H−ベンズ〔de〕イソキノリン、1,2,3,4,4a,5,6,7−オクタヒドロナフト〔1,8−bc〕アゼピン、2, 3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−ピリド〔3,2,1−jk〕〔1〕ベンズアゼピン等の3環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロベンゾ〔1,2−b:4,5−b’〕ジピロール、1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロシクロペント〔f〕インドール等の3環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、1,2,3,6,7,8−ヘキサヒドロシクロペント〔e〕インドール、2,3,4,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ〔f〕キノリン等の3環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
このうち、式
Figure 2005035996

〔式中、C'環およびD'環は、それぞれ置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環、その他の各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基等が好ましい。このうち式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基等がさらに好ましい。
C'環またはD'環で示される「置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環」は、B'環で示される「置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環」と同様のものが挙げられる。該置換基としてはオキソ基が好ましい。
中でもより好ましくは、式
Figure 2005035996

〔式中、C''環及びD''環はそれぞれ置換基を有していてもよい含窒素複素環を示し、その他の記号は前記と同意義を示す。〕で表される基等が挙げられる。
C''環及びD''環で示される「置換基を有していてもよい含窒素複素環」の「置換基」としては、上記のB環で示される「置換基を有していてもよい複素環」の「置換基」のうちオキソ基以外のものと同様のものから選ばれる1または2個の置換基が挙げられる。
上記(3)の「縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい」のフェニル基が置換基を有していてもよい3環式複素環と縮合する場合の具体例としては、例えば、式
Figure 2005035996

〔式中、A環は上記と同意義、E環、F環およびG環の少なくとも一つの環は置換基を有していてもよい複素環、その他の環は置換基を有していてもよい5ないし9員環を示す。〕で表される基等が挙げられる。
E環、F環またはG環で示される「置換基を有していてもよい複素環」および「置換基を有していてもよい5ないし9員環」は、B環またはC環で示される「置換基を有していてもよい複素環」および「置換基を有していてもよい5ないし9員環」がそれぞれ挙げられる。
このうち、好ましくは
(i)式
Figure 2005035996

〔式中、E'環、F'環およびG'環は、それぞれ置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環を、- - -は単結合または二重結合を、その他の記号は上記と同意義を示す。〕で表される基、
(ii)例えば、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、プレイアデン、ベンゾ[a]アントラセン、インデノ[1,2−a]インデン、シクロペンタ[a]フェナントレン、ピリド[1’,2’:1,2]イミダゾ[4,5−b]キノキサリン、1H−2−オキサピレン、スピロ[ピペリジン−4.9’−キサンテン]等の環から水素原子を1個除去してできる基、およびこれらのジヒドロ体、テトラヒドロ体、ヘキサヒドロ体、オクタヒドロ体、デカヒドロ体等が挙げられる。
E'環、F'環およびG'環で示される「置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環」は、B'環で示される「置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環」と同様のものが挙げられる。該置換基としてはオキソ基が好ましい。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、2H−イソインドロ〔2,1−e〕プリン,1H−ピラゾロ〔4',3':3,4〕ピリド〔2,1−a〕イソインドール,1H−ピリド〔2',3':4,5〕イミダゾ〔2,1−a〕イソインドール,2H,6H−ピリド〔1',2':3,4〕イミダゾ〔5,1−a〕イソインドール,1H−イソインドロ〔2,1−a〕ベンズイミダゾール,1H−ピリド〔3',4':4,5〕ピロロ〔2,1−a〕イソインドール,2H−ピリド〔4',3':4,5〕ピロロ〔2,1−a〕イソインドール,1H−イソインドロ〔2,1−a〕インドール,2H−イソインドロ〔1,2−a〕イソインドール,1H−シクロペンタ〔4,5〕ピリミド〔2,1−a〕イソインドール,2H,4H−ピラノ〔4',3':4,5〕〔1,3〕オキサジノ〔2,3−a〕イソインドール,2H−イソインドロ〔2,1−a〕〔3,1〕ベンズオキサジン,7H−イソインドロ〔1,2−b〕〔1,3〕ベンズオキサジン,2H−ピリド〔2',1':3,4〕ピラジノ〔2,1−a〕イソインドール,ピリド〔2',3':4,5〕ピリミド〔2,1−a〕イソインドール,ピリド〔3',2':5,6〕ピリミド〔2,1−a〕イソインドール,1H−ピリド〔1',2':3,4〕ピリミド〔2,1−a〕イソインドール,イソインドロ〔2,1−a〕キナゾリン,イソインドロ〔2,1−a〕キノキサリン,イソインドロ〔1,2−a〕イソキノリン,イソインドロ〔2,1−b〕イソキノリン,イソインドロ〔2,1−a〕キノリン,6H−オキサジノ〔3',4':3,4〕〔1,4〕ジアゼピノ〔2,1−a〕イソインドール,アゼピノ〔2',1':3,4〕ピラジノ〔2,1−a〕イソインドール,2H,6H−ピリド〔2',1':3,4〕〔1,4〕ジアゼピノ〔2,1−a〕イソインドール,1H−イソインドロ〔1,2−b〕〔1,3,4〕ベンゾトリアゼピン,2H−イソインドロ〔2,1−a〕〔1,3,4〕ベンゾトリアゼピン,イソインドロ〔2,1−d〕〔1,4〕ベンズオキサゼピン,1H−イソインドロ〔2,1−b〕〔2,4〕ベンゾジアゼピン,1H−イソインドロ〔2,1−c〕〔2,3〕ベンゾジアゼピン,2H−イソインドロ〔1,2−a〕〔2,4〕ベンゾジアゼピン,2H−イソインドロ〔2,1−d〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン,5H−インドロ〔2,1−b〕〔3〕ベンズアゼピン,2H−イソインドロ〔1,2−a〕〔2〕ベンズアゼピン,2H−イソインドロ〔1,2−b〕〔3〕ベンズアゼピン,2H−イソインドロ〔2,1−b〕〔2〕ベンズアゼピン,2H−イソインドロ〔1,2−b〕〔1,3,4〕ベンゾオキサジアゾシン,イソインドロ〔2,1−b〕〔1,2,6〕ベンゾトリアゾシン,5H−4,8−メタノ−1H−〔1,5〕ジアザシクロウンデシノ〔1,11−a〕インドール等の4環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、1H,4H−ピロロ〔3',2':4,5〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン,ピロロ〔3,2,1−jk〕カルバゾール,1H−フロ〔2',3':4,5〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン,1H,4H−シクロペンタ〔4,5〕ピロロ〔1,2,3−de〕キノキサリン,1H,4H−シクロペンタ〔4,5〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン,ピリド〔3',4':4,5〕ピロロ〔1,2,3−de〕ベンズオキサジン,〔1,4〕オキサジノ〔2,3,4−jk〕カルバゾール,1H,3H−〔1,3〕オキサジノ〔5,4,3−jk〕カルバゾール,ピリド〔3',4':4,5〕ピロロ〔1,2,3−de〕〔1,4〕ベンゾチアジン,4H−ピロロ〔3,2,1−de〕フェナンスリジン,4H,5H−ピリド〔3,2,1−de〕フェナンスリジン,1H,4H−3a,6a−ジアザフルオロアンテン,1−オキサ−4,6a−ジアザフルオロアンテン,4−オキサ−2,10b−ジアザフルオロアンテン,1−チア−4,6a−ジアザフルオロアンテン,1H−ピラジノ〔3,2,1−jk〕カルバゾール,1H−インドロ〔3,2,1−de〕〔1,5〕ナフチリジン,ベンゾ〔b〕ピラノ〔2,3,4−hi〕インドリジン,1H,3H−ベンゾ〔b〕ピラノ〔3,4,5−hi〕インドリジン,1H,4H−ピラノ〔2',3':4,5〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン,1H,3H−ベンゾ〔b〕チオピラノ〔3,4,5−hi〕インドリジン,1H−ピリド〔3,2,1−jk〕カルバゾール,4H−3−オキサ−11b−アザシクロヘプタ〔jk〕フルオレン,2H−アゼピノ〔1',2':1,2〕ピリミジノ〔4,5−b〕インドール,1H,4H−シクロヘプタ〔4,5〕ピロロ〔1,2,3−de〕キノキサリン,5H−ピリド〔3',4':4,5〕ピロロ〔1,2,3−ef〕〔1,5〕ベンズオキサゼピン,4H−ピリド〔3',4':4,5〕ピロロ〔3,2,1−jk〕〔4,1〕ベンゾチアゼピン,5H−ピリド〔3',4':4,5〕ピロロ〔1,2,3−ef〕〔1,5〕ベンゾチアゼピン,5H−ピリド〔4',3':4,5〕ピロロ〔1,2,3−ef〕〔1,5〕ベンゾチアゼピン,〔1,2,4〕トリアゼピノ〔6,5,4−jk〕カルバゾール,〔1,2,4〕トリアゼピノ〔6,7,1−jk〕カルバゾール,〔1,2,5〕トリアゼピノ〔3,4,5−jk〕カルバゾール,5H−〔1,4〕オキサゼピノ〔2,3,4−jk〕カルバゾール,5H−〔1,4〕チアゼピノ〔2,3,4−jk〕カルバゾール,〔1,4〕ジアゼピノ〔3,2,1−jk〕カルバゾール,〔1,4〕ジアゼピノ〔6,7,1−jk〕カルバゾール,アゼピノ〔3,2,1−jk〕カルバゾール,1H−シクロオクタ〔4,5〕ピロロ〔1,2,3−de〕キノキサリン,1H−シクロオクタ〔4,5〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン等の4環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、1H−インドロ〔1,2−a〕ベンズイミダゾール,1H−インドロ〔1,2−b〕インダゾール,ピロロ〔2',1':3,4〕ピラジノ〔1,2−a〕インドール,1H,5H−ピロロ〔1',2':4,5〕ピラジノ〔1,2−a〕インドール,2H−ピリド〔2',3':3,4〕ピロロ〔1,2−a〕インドール,1H−ピロロ〔2',3':3,4〕ピリド〔1,2−a〕インドール,1H−インドロ〔1,2−a〕インドール,6H−イソインドロ〔2,1−a〕インドール,6H−インドロ〔1,2−c〕〔1,3〕ベンズオキサジン,1H−インドロ〔1,2−b〕〔1,2〕ベンゾチアジン,ピリミド〔4',5':4,5〕ピリミド〔1,6−a〕インドール,ピラジノ〔2',3':3,4〕ピリド〔1,2−a〕インドール,6H−ピリド〔1',2':3,4〕ピリミド〔1,6−a〕インドール,インドロ〔1,2−b〕シンノリン,インドロ〔1,2−a〕キナゾリン,インドロ〔1,2−c〕キナゾリン,インドロ〔2,1−b〕キナゾリン,インドロ〔1,2−a〕キノキサリン,インドロ〔1,2−a〕〔1,8〕ナフチリジン,インドロ〔1,2−b〕−2,6−ナフチリジン,インドロ〔1,2−b〕〔2,7〕ナフチリジン,インドロ〔1,2−h〕−1,7−ナフチリジン,インドロ〔1,2−b〕イソキノリン,インドロ〔2,1−a〕イソキノリン,インドロ〔1,2−a〕キノリン,2H,6H−ピリド〔2',1':3,4〕〔1,4〕ジアゼピノ〔1,2−a〕インドール,1H−インドロ〔2,1−c〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン,2H−インドロ〔1,2−d〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン,2H−インドロ〔2,1−a〕〔2,3〕ベンゾジアゼピン,2H−インドロ〔2,1−b〕〔1,3〕ベンゾジアゼピン,1H−インドロ〔1,2−b〕〔2〕ベンズアゼピン,2H−インドロ〔1,2−a〕〔1〕ベンズアゼピン,2H−インドロ〔2,1−a〕〔2〕ベンズアゼピン,インドロ〔1,2−e〕〔1,5〕ベンゾジアゾシン,インドロ〔2,1−b〕〔3〕ベンズアゾシン等の4環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、1H−イミダゾ〔1',2':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,1H−イミダゾ〔1',2':1,6〕ピリド〔4,3−b〕インドール,1H−イミダゾ〔1',5':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,1H−イミダゾ〔1',5':1,6〕ピリド〔4,3−b〕インドール,1H−ピリド〔2',1':2,3〕イミダゾ〔4,5−b〕インドール,イミダゾ〔4,5−a〕カルバゾール,イミダゾ〔4,5−c〕カルバゾール,ピラゾロ〔3,4−c〕カルバゾール,2H−ピラジノ〔1',2':1,5〕ピロロ〔2,3−b〕インドール,1H−ピロロ〔1',2':1,2〕ピリミド〔4,5−b〕インドール,1H−インドリジノ〔6,7−b〕インドール,1H−インドリジノ〔8,7−b〕インドール,インドロ〔2,3−b〕インドール,インドロ〔3,2−b〕インドール,ピロロ〔2,3−a〕カルバゾール,ピロロ〔2,3−b〕カルバゾール,ピロロ〔2,3−c〕カルバゾール,ピロロ〔3,2−a〕カルバゾール,ピロロ〔3,2−b〕カルバゾール,ピロロ〔3,2−c〕カルバゾール,ピロロ〔3,4−a〕カルバゾール,ピロロ〔3,4−b〕カルバゾール,ピロロ〔3,4−c〕カルバゾール,1H−ピリド〔3',4':4,5〕フロ〔3,2−b〕インドール,1H−フロ〔3,4−a〕カルバゾール,1H−フロ〔3,4−b〕カルバゾール,1H−フロ〔3,4−c〕カルバゾール,2H−フロ〔2,3−a〕カルバゾール,2H−フロ〔2,3−c〕カルバゾール,2H−フロ〔3,2−a〕カルバゾール,2H−フロ〔3,2−c〕カルバゾール,1H−ピリド〔3',4':4,5〕チエノ〔2,3−b〕インドール,チエノ〔3',2':5,6〕チオピラノ〔4,3−b〕インドール,チエノ〔3',4':5,6〕チオピラノ〔4,3−b〕インドール,1H−〔1〕ベンゾチエノ〔2,3−b〕インドール,1H−〔1〕ベンゾチエノ〔3,2−b〕インドール,1H−チエノ〔3,4−a〕カルバゾール,2H−チエノ〔2,3−b〕カルバゾール,2H−チエノ〔3,2−a〕カルバゾール,2H−チエノ〔3,2−b〕カルバゾール,シクロペンタ〔4,5〕ピロロ〔2,3−f〕キノキサリン,シクロペンタ〔5,6〕ピリド〔2,3−b〕インドール,ピリド〔2',3':3,4〕シクロペンタ〔1,2−b〕インドール,ピリド〔2',3':4,5〕シクロペンタ〔1,2−b〕インドール,ピリド〔3',4':3,4〕シクロペンタ〔1,2−b〕インドール,ピリド〔3',4':4,5〕シクロペンタ〔1,2−b〕インドール,ピリド〔4',3':4,5〕シクロペンタ〔1,2−b〕インドール,1H−シクロペンタ〔5,6〕ピラノ〔2,3−b〕インドール,1H−シクロペンタ〔5,6〕チオピラノ〔4,3−b〕インドール,シクロペンタ〔a〕カルバゾール,シクロペンタ〔c〕カルバゾール,インデノ〔1,2−b〕インドール,インデノ〔2,1−b〕インドール,〔1,2,4〕トリアジノ〔4',3':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,1,3,5−トリアジノ〔1',2':1,1〕ピリド〔3,4−b〕インドール,1H−〔1,4〕オキサジノ〔4',3':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,1H−〔1,4〕オキサジノ〔4',3':1,6〕ピリド〔3,4−b〕インドール,4H−〔1,3〕オキサジノ〔3',4':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,インドロ〔3,2−b〕〔1,4〕ベンズオキサジン,1,3−オキサジノ〔6,5−b〕カルバゾール,2H−ピリミド〔2',1':2,3〕〔1,3〕チアジノ〔5,6−b〕インドール,2H−〔1,3〕チアジノ〔3',2':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,4H−〔1,3〕チアジノ〔3',4':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,インドロ〔2,3−b〕〔1,4〕ベンゾチアジン,インドロ〔3,2−b〕〔1,4〕ベンゾチアジン,インドロ〔3,2−c〕〔2,1〕ベンゾチアジン,1,4−チアジノ〔2,3−a〕カルバゾール,〔1,4〕チアジノ〔2,3−b〕カルバゾール,〔1,4〕チアジノ〔2,3−c〕カルバゾール,1,4−チアジノ〔3,2−b〕カルバゾール,1,4−チアジノ〔3,2−c〕カルバゾール,1H−インドロ〔2,3−g〕プテリジン,1H−インドロ〔3,2−g〕プテリジン,ピラジノ〔1',2':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,ピラジノ〔1',2':1,2〕ピリド〔4,3−b〕インドール,1H−ピリド〔2',3':5,6〕ピラジノ〔2,3−b〕インドール,1H−ピリド〔3',2':5,6〕ピラジノ〔2,3−b〕インドール,1H−ピリド〔3',4':5,6〕ピラジノ〔2,3−b〕インドール,ピリド〔1',2':1,2〕ピリミド〔4,5−b〕インドール,ピリド〔1',2':1,2〕ピリミド〔5,4−b〕インドール,ピリド〔2',1':2,3〕ピリミド〔4,5−b〕インドール,ピリミド〔1',2':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,ピリミド〔1',2':1,6〕ピリド〔3,4−b〕インドール,ピリミド〔5',4':5,6〕ピラノ〔2,3−b〕インドール,ピリダジノ〔4',5':5,6〕チオピラノ〔4,5−b〕インドール,1H−インドロ〔3,2−c〕シンノリン,1H−インドロ〔2,3−b〕キノキサリン,1H−ピラジノ〔2,3−a〕カルバゾール,1H−ピラジノ〔2,3−b〕カルバゾール,1H−ピラジノ〔2,3−c〕カルバゾール,1H−ピリダジノ〔3,4−c〕カルバゾール,1H−ピリダジノ〔4,5−b〕カルバゾール,1H−ピリミド〔4,5−a〕カルバゾール,1H−ピリミド〔4,5−c〕カルバゾール,1H−ピリミド〔5,4−a〕カルバゾール,1H−ピリミド〔5,4−b〕カルバゾール,1H−ピリミド〔5,4−c〕カルバゾール,7H−1,4−ジオキシノ〔2',3':5,6〕〔1,2〕ジオキシノ〔3,4−b〕インドール,6H−〔1,4〕ベンゾジオキシノ〔2,3−b〕インドール,6H−〔1,4〕ベンゾジチイノ〔2,3−b〕インドール,1H−インドロ〔2,3−b〕−1,5−ナフチリジン,1H−インドロ〔2,3−b〕〔1,6〕ナフチリジン,1H−インドロ〔2,3−b〕〔1,8〕ナフチリジン,1H−インドロ〔2,3−c〕−1,5−ナフチリジン,1H−インドロ〔2,3−c〕〔1,6〕ナフチリジン,1H−インドロ〔2,3−c〕〔1,7〕ナフチリジン,1H−インドロ〔2,3−c〕〔1,8〕ナフチリジン,1H−インドロ〔3,2−b〕−1,5−ナフチリジン,1H−インドロ〔3,2−b〕〔1,7〕ナフチリジン,1H−インドロ〔3,2−b〕〔1,8〕ナフチリジン,1H−インドロ〔3,2−c〕〔1,8〕ナフチリジン,インドロ〔2,3−a〕キノリジン,インドロ〔2,3−b〕キノリジン,インドロ〔3,2−a〕キノリジン,インドロ〔3,2−b〕キノリジン,ピラノ〔4',3':5,6〕ピリド〔3,4−b〕インドール,ピリド〔4',3':4,5〕ピラノ〔3,2−b〕インドール,ピリド〔4',3':5,6〕ピラノ〔2,3−b〕インドール,ピリド〔4',3':5,6〕ピラノ〔3,4−b〕インドール,1H−インドロ〔2,3−c〕イソキノリン,1H−インドロ〔3,2−c〕イソキノリン,1H−インドロ〔2,3−c〕キノリン,1H−インドロ〔3,2−c〕キノリン,1H−ピリド〔2,3−a〕カルバゾール,1H−ピリド〔2,3−b〕カルバゾール,1H−ピリド〔2,3−c〕カルバゾール,1H−ピリド〔3,2−a〕カルバゾール,1H−ピリド〔3,2−b〕カルバゾール,1H−ピリド〔3,2−c〕カルバゾール,1H−ピリド〔3,4−a〕カルバゾール,1H−ピリド〔3,4−b〕カルバゾール,1H−ピリド〔3,4−c〕カルバゾール,1H−ピリド〔4,3−a〕カルバゾール,1H−ピリド〔4,3−b〕カルバゾール,1H−ピリド〔4,3−c〕カルバゾール,1H−キンドリン,1H−キニンドリン,1H−ピラノ〔3',4':5,6〕ピラノ〔4,3−b〕インドール,〔1〕ベンゾピラノ〔2,3−b〕インドール,〔1〕ベンゾピラノ〔3,2−b〕インドール,〔1〕ベンゾピラノ〔3,4−b〕インドール,〔1〕ベンゾピラノ〔4,3−b〕インドール,〔2〕ベンゾピラノ〔4,3−b〕インドール,ピラノ〔2,3−a〕カルバゾール,ピラノ〔2,3−b〕カルバゾール,ピラノ〔2,3−c〕カルバゾール,ピラノ〔3,2−a〕カルバゾール,ピラノ〔3,2−c〕カルバゾール,ピラノ〔3,4−a〕カルバゾール,1H−ホスフィノリノ〔4,3−b〕インドール,〔1〕ベンゾチオピラノ〔2,3−b〕インドール,〔1〕ベンゾチオピラノ〔3,2−b〕インドール,〔1〕ベンゾチオピラノ〔3,4−b〕インドール,〔1〕ベンゾチオピラノ〔4,3−b〕インドール,〔2〕ベンゾチオピラノ〔4,3−b〕インドール,1H−ベンゾ〔a〕カルバゾール,1H−ベンゾ〔b〕カルバゾール,1H−ベンゾ〔c〕カルバゾール,〔1,6,2〕オキサチアゼピノ〔2',3':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,1H−アゼピノ〔1',2':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,1H−ピリド〔1',2':1,2〕アゼピノ〔4,5−b〕インドール,2H−ピリド〔1',2':1,2〕アゼピノ〔3,4−b〕インドール,1H−ピリド〔3',2':5,6〕オキセピノ〔3,2−b〕インドール,1H−ピリド〔4',3':5,6〕オキセピノ〔3,2−b〕インドール,2H−ピリド〔2',3':5,6〕オキセピノ〔2,3−b〕インドール,2H−ピリド〔2',3':5,6〕オキセピノ〔3,2−b〕インドール,2H−ピリド〔3',4':5,6〕オキセピノ〔3,2−b〕インドール,ピリド〔2',3':4,5〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,ピリド〔3',2':3,4〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,ピリド〔3',4':4,5〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,ピリド〔3',4':5,6〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,2H−ピラノ〔3',2':2,3〕アゼピノ〔4,5−b〕インドール,1H−インドロ〔3,2−b〕〔1,5〕ベンズオキサゼピン,1H−インドロ〔3,2−d〕〔1,2〕ベンズオキサゼピン,1H−インドロ〔2,3−c〕〔1,5〕ベンゾチアゼピン,〔1,4〕ジアゼピノ〔2,3−a〕カルバゾール,インドロ〔2,3−b〕〔1,5〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔2,3−d〕〔1,3〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔3,2−b〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔3,2−b〕〔1,5〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔3,2−d〕〔1,3〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔3,2−d〕〔2,3〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔2,3−a〕〔3〕ベンズアゼピン,インドロ〔2,3−c〕〔1〕ベンズアゼピン,インドロ〔2,3−d〕〔1〕ベンズアゼピン,インドロ〔2,3−d〕〔2〕ベンズアゼピン,インドロ〔3,2−b〕〔1〕ベンズアゼピン,インドロ〔3,2−c〕〔1〕ベンズアゼピン,インドロ〔3,2−d〕〔1〕ベンズアゼピン,1H−インドロ〔2,1−b〕〔3〕ベンズアゼピン,1H−〔1〕ベンズオキセピノ〔5,4−b〕インドール,1H−〔2〕ベンズオキセピノ〔4,3−b〕インドール,1H−〔1〕ベンゾチエピノ〔4,5−b〕インドール,1H−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−b〕インドール,ベンゾ〔3,4〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,ベンゾ〔5,6〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,ベンゾ〔6,7〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,シクロヘプタ〔b〕カルバゾール,4H−〔1,5〕オキサゾシノ〔5',4':1,6〕ピリド〔3,4−b〕インドール,アゾシノ〔1',2':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,2,6−メタノ−2H−アゼシノ〔4,3−b〕インドール,3,7−メタノ−3H−アゼシノ〔5,4−b〕インドール,ピリド〔1',2':1,8〕アゾシノ〔5,4−b〕インドール,ピリド〔4',3':6,7〕オキソシノ〔2,3−b〕インドール,ピリド〔4',3':6,7〕オキソシノ〔4,3−b〕インドール,1,5−メタノ−1H−アゼシノ〔3,4−b〕インドール,2,6−メタノ−1H−アゼシノ〔5,4−b〕インドール,1H−ピリド〔3',4':5,6〕シクロオクタ〔1,2−b〕インドール,1,4−エタノオキソシノ〔3,4−b〕インドール,ピラノ〔3',4':5,6〕シクロオクタ〔1,2−b〕インドール,1H−インドロ〔2,3−c〕〔1,2,5,6〕ベンゾテトラゾシン,1H−インドロ〔2,3−c〕〔1,6〕ベンゾジ

アゾシン,6,13b−メタノ−13bH−アゼシノ〔5,4−b〕インドール,オキソシノ〔3,2−a〕カルバゾール,1H−ベンゾ〔g〕シクロオクタ〔b〕インドール,6,3−(イミノメタノ)−2H−1,4−チアゾニノ〔9,8−b〕インドール,1H,3H−〔1,4〕オキサゾニノ〔4',3':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,2H−3,6−エタノアゾニノ〔5,4−b〕インドール,2H−3,7−メタノアザシクロウンデシノ〔5,4−b〕インドール,1H−6,12b−エタノアゾニノ〔5,4−b〕インドール,インドロ〔3,2−e〕〔2〕ベンズアゾニン,5,9−メタノアザシクロウンデシノ〔5,4−b〕インドール,3,6−エタノ−3H−アゼシノ〔5,4−b〕インドール,3,7−メタノ−3H−アザシクロウンデシノ〔5,4−b〕インドール,ピラノ〔4',3':8,9〕アゼシノ〔5,4−b〕インドール,1H−インドロ〔2,3−c〕〔1,7〕ベンゾジアゼシン,1H−インドロ〔3,2−e〕〔2〕ベンズアゼシン,ベンゾ〔e〕ピロロ〔3,2−b〕インドール,ベンゾ〔e〕ピロロ〔3,2−g〕インドール,ベンゾ〔e〕ピロロ〔3,2,1−hi〕インドール,ベンゾ〔e〕ピロロ〔3,4−b〕インドール,ベンゾ〔g〕ピロロ〔3,4−b〕インドール,1H−ベンゾ〔f〕ピロロ〔1,2−a〕インドール,1H−ベンゾ〔g〕ピロロ〔1,2−a〕インドール,2H−ベンゾ〔e〕ピロロ〔1,2−a〕インドール,1H−ベンゾ〔f〕ピロロ〔2,1−a〕イソインドール,1H−ベンゾ〔g〕ピロロ〔2,1−a〕イソインドール,2H−ベンゾ〔e〕ピロロ〔2,1−a〕イソインドール,イソインドロ〔6,7,1−cde〕インドール,スピロ〔シクロヘキサン−1,5'−〔5H〕ピロロ〔2,1−a〕イソインドール〕,イソインドロ〔7,1,2−hij〕キノリン,7,11−メタノアゾシノ〔1,2−a〕インドール,7,11−メタノアゾシノ〔2,1−a〕イソインドール,ジベンズ〔cd,f〕インドール,ジベンズ〔cd,g〕インドール,ジベンズ〔d,f〕インドール,1H−ジベンズ〔e,g〕インドール,1H−ジベンズ〔e,g〕イソインドール,ナフト〔1,2,3−cd〕インドール,ナフト〔1,8−ef〕インドール,ナフト〔1,8−fg〕インドール,ナフト〔3,2,1−cd〕インドール,1H−ナフト〔1,2−e〕インドール,1H−ナフト〔1,2−f〕インドール,1H−ナフト〔1,2−g〕インドール,1H−ナフト〔2,1−e〕インドール,1H−ナフト〔2,3−e〕インドール,1H−ナフト〔1,2−f〕イソインドール,1H−ナフト〔2,3−e〕イソインドール,スピロ〔1H−カルバゾール−1,1'−シクロヘキサン〕,スピロ〔2H−カルバゾール−2,1'−シクロヘキサン〕,スピロ〔3H−カルバゾール−3,1'−シクロヘキサン〕,シクロヘプタ〔4,5〕ピロロ〔3,2−f〕キノリン,シクロヘプタ〔4,5〕ピロロ〔3,2−h〕キノリン,アゼピノ〔4,5−b〕ベンズ〔e〕インドール,1H−アゼピノ〔1,2−a〕ベンズ〔f〕インドール,1H−アゼピノ〔2,1−a〕ベンズ〔f〕イソインドール,ベンゾ〔e〕シクロヘプタ〔b〕インドール,ベンゾ〔g〕シクロヘプタ〔b〕インドール等の4環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、1H−ジピロロ〔2,3−b:3',2',1'−hi〕インドール,スピロ〔シクロペンタン−1,2'(1'H)−ピロロ〔3,2,1−hi〕インドール〕,スピロ〔イミダゾリジン−4,1'(2'H)−〔4H〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン〕,ピリド〔2,3−b〕ピロロ〔3,2,1−hi〕インドール,ピリド〔4,3−b〕ピロロ〔3,2,1−hi〕インドール,ベンゾ〔de〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン,3H−ピロロ〔3,2,1−de〕アクリジン,1H−ピロロ〔3,2,1−de〕フェナントリジン,スピロ〔シクロヘキサン−1,6'−〔6H〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン〕,4,9−メタノピロロ〔3,2,1−lm〕〔1〕ベンゾアゾシン,スピロ〔シクロヘプタン−1,6'−〔6H〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン〕,1H−ピラノ〔3,4−d〕ピロロ〔3,2,1−jk〕〔1〕ベンズアゼピン,3H−ベンゾ〔b〕ピロロ〔3,2,1−jk〕〔4,1〕ベンズオキサゼピン,7H−インドロ〔1,7−ab〕〔4,1〕ベンズオキサゼピン,ベンゾ〔b〕ピロロ〔3,2,1−jk〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔1,7−ab〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔1,7−ab〕〔1〕ベンズアゼピン,インドロ〔7,1−ab〕〔3〕ベンズアゼピン,1H−シクロヘプタ〔d〕〔3,2,1−jk〕〔1〕ベンズアゼピン,スピロ〔アゼピノ〔3,2,1−hi〕インドール−7(4H),1'−シクロヘプタン〕,4H−5,11−メタノピロロ〔3,2,1−no〕〔1〕ベンズアザシクロウンデシン,スピロ〔アゼピノ〔3,2,1−hi〕インドール−7(4H),1'−シクロオクタン〕等の4環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基等が挙げられる。
このうち、さらに好ましくは、式
Figure 2005035996

で表される基等である。
Arで示される「縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい」として、好ましくは、式
Figure 2005035996

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される基である。特に好ましくは、式
Figure 2005035996

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される基である。
nは、好ましくは、1ないし6の整数である。さらに好ましくは2ないし6である。特に好ましくは2である。
RおよびR’は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、nの繰り返しにおいて異なっていてもよい。
RおよびR’で示される「ハロゲン原子」としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、なかでもフッ素が好ましい。
RおよびR’で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」としては、Rで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
RおよびR’としては水素原子またはフッ素が好ましい。RおよびR’としては水素原子がさらに好ましい。
Yで示される「置換されていてもよいアミノ基」としては、例えば式
Figure 2005035996

〔式中、RおよびRは、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシル基を示す。〕で表される基等が挙げられる。
またはRで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「アシル基」としては、Rで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「アシル基」と同様のものが挙げられる。
Yで示される「置換基を有していてもよい含窒素飽和複素環基」の「含窒素飽和複素環基」としては、炭素原子および1個の窒素原子以外に、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含有していてもよい5ないし9員(好ましくは5ないし7員)含窒素飽和複素環基等が挙げられる。具体的には、式
Figure 2005035996

で表される基等が挙げられる。このうち、好ましくは6員環基である。さらに好ましくは
Figure 2005035996

である。
該「置換基を有していてもよい含窒素飽和複素環基」の「置換基」としては、上記B環で示される「置換基を有していてもよい複素環」の「置換基」と同様のものが挙げられ、その置換基数は1ないし5個である。また、該「置換基を有していてもよい含窒素飽和複素環基」の「含窒素飽和複素環基」の窒素は、上記Rで表される基と同様のものを有していてもよい。
Yとして、好ましくは式
Figure 2005035996

〔式中、RはRと同意義を示す。〕で表される基等である。さらに好ましくは、式
Figure 2005035996

〔式中、Rは上記と同意義を示す。〕で表される基等である。
は、好ましくは、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基である。さらに好ましくは、ハロゲン原子(好ましくはフルオロ等)、C1−6アルキル(好ましくはメチル等)、C1−6アルコキシ(好ましくはメトキシ等)、シアノ、ニトロおよびヒドロキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC7−16アラルキル基(好ましくはベンジル)等である。
化合物(I)として、好ましくは、Arが式
Figure 2005035996

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される基で、このうちA環が、(i)ハロゲン(フルオロ等)、(ii)C1-6アルコキシ(メトキシ等)、(iii)ハロゲノC1-6アルコキシ(トリフルオロメトキシ等)、(iv)アミノ、(v)(モノ又はジ)C1-6アルキルアミノ(メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、(vi)1-ピロリジニル、(vii)ピペリジノ、(viii)1-ピペラジニル、(ix)N−メチル-1-ピペラジニル、(x)N−アセチル-1-ピペラジニル、(xi)モルホリノ、(xii)ヘキサメチレンイミノ、(xiii)イミダゾリル、(xiv)C1-6アルキル(メチル等)でエステル化されていてもよいカルボキシで置換されていてもよいC1-6アルキル(プロピル等)、(xv)低級アルキル−カルボニルアミノ(アセチルアミノ等)、(xvi)低級アルキルスルホニルアミノ(メチルスルホニルアミノ等),(xvii)アミノスルホニル、(xviii) (モノ又はジ)C1-6アルキルアミノスルホニル、(xix)5ないし7員環状アミノ−スルホニル( (1-ピロリジニル) スルホニル、ピペリジノスルホニル、(1-ピペラジニル) スルホニル、モルホリノスルホニル等)(xx)カルバモイル、(xxi) (モノ又はジ)C1-6アルキルカルバモイル、(xxi)5ないし7員環状アミノ−カルボニル( (1-ピロリジニル) カルボニル、ピペリジノカルボニル、(1-ピペラジニル) カルボニル、モルホリノカルボニル等)、(xxii)シアノ等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいベンゼン環〔より好ましくはA環がアミノスルホニル、モノ−又はジ−C1−6アルキルアミノスルホニル、カルバモイルおよびモノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイルから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいベンゼン環〕;
Ba環、C''環及びD''環はそれぞれC1−6アルキル、C1−6アルキル−カルボニルアミノ及びC1−6アルキルスルホニルアミノから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよく;
は(1)水素原子、(2)それぞれヒドロキシおよびC1−6アルコキシ−カルボニルから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基またはC7−16アラルキル基または(3)式−(C=O)−R2'、 −(C=O)−NR2'3'もしくは−SO2'〔式中、R2'及びR3'はそれぞれ水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルまたはC6−10アリールを示す。〕で表される基;
nが2;
RおよびR’がそれぞれ水素原子またはフッ素(より好ましくは水素原子);
すなわち、
Figure 2005035996

が−CHCH−、−CHFCH−またはCFCH−;
Yが式
Figure 2005035996

〔式中の記号は上記と同意義を示す。〕で表される基で、
が〔1〕水素原子、〔2〕シアノ、ヒドロキシ、(モノまたはジ)C1−6アルキルアミノ(ジエチルアミノ等)、ピリジルおよび(C1−6アルキル(エチル等)で)エステル化されていてもよいカルボキシから選ばれる置換基を有していてもよいC1−6アルキル(メチル、エチル、イソプロピル等)、〔3〕ハロゲン(フルオロ、クロロ等)、C1−6アルキル(メチル、t−ブチル等)、ハロゲノC1−6アルキル(トリフルオロメチル等)、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ(メトキシ等)、ニトロ、アミノ、シアノ、カルバモイル、(C1−6アルキル等で)エステル化されていてもよいカルボキシで置換されていてもよいC1−6アルコキシ(OCHCOH、OCHCOEt等)、C1−6アルキルで置換されていてもよいカルバモイルまたはホルミルで置換されていてもよいアミノ(NHCHO、NHCONH、NHCONHMe等)およびC1−3アルキレンジオキシ(メチレンジオキシ等)から選ばれる置換基を有していてもよいC7−16アラルキル(ベンジル、α−メチルベンジル、フェニルエチル等)、〔4〕(C1−6アルキル(エチル等)等で)エステル化されていてもよいカルボキシで置換されていてもよいC1−6アルキル(メチル、プロピル等)または〔5〕(モノまたはジ)C1−6アルキルアミノ(ジメチルアミノ等)で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル(アセチル等)である化合物等が挙げられる。
化合物(I)として、さらに好ましくは、Arが式
Figure 2005035996

で表される基;
nが2;
RおよびR’がそれぞれ水素原子またはフッ素(より好ましくは水素原子);
すなわち、
Figure 2005035996

が−CHCH−、−CHFCH−またはCFCH−;
Yが式
Figure 2005035996

〔式中、R’はハロゲン原子、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、シアノ、ニトロおよびヒドロキシから選ばれる置換基を1または2個有していてもよいベンジルを示す。〕で表される基である化合物等が挙げられる。
化合物Aとしては具体的にはWO00/18391に記載の参考例1〜30の化合物またはその塩が用いられる。
特に好ましくは、8−[3−[1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−4−ピペリジニル]−1−オキソプロピル]−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン、
8−[3−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]−1−オキソプロピル]−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン、
8−[3−[1−[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−ピペリジニル]−1−オキソプロピル]−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン、
8−[2−フルオロ−3−[1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−4−ピペリジニル]−1−オキソプロピル]−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ「3,2,1−ij」」」キノリン−4−オン、
またはその塩等が挙げられるが、本発明の結晶が有効成分の安定性や有効性の面から最も好適である。
次に、本発明で用いられる化合物Bとしては、以下に記載する化合物が開示できる。

Figure 2005035996

〔式中、Arは縮合していてもよい5または6員芳香環基を示し、該芳香環基は置換基を有していてもよく、Lは置換基を有していてもよい主鎖の原子数1ないし10のスペーサーを示すか、またはArとの間で環を形成していてもよく、Yは置換基を有していてもよいアミノ基又は置換基を有していてもよい含窒素複素環を示す。〕で表される化合物(以下、化合物(II)と略記することもある)又はその塩。
上記式中、Arで示される「縮合していてもよい5または6員芳香環基を示し、該芳香環基は置換基を有していてもよく」の「置換基」としては、例えば、(i)ハロゲン化されていてもよい低級アルキル基、(ii)ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロル、ブロム、ヨード等)、(iii)低級アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1-3アルキレンジオキシ基等)、(iv)ニトロ基、(v)シアノ基、(vi)ヒドロキシ基、(vii)ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ基、(viii)シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基等)、(ix)ハロゲン化されていてもよい低級アルキルチオ基、(x)アミノ基、(xi)モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ等のモノ−C1-6アルキルアミノ基等)、(xii)ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1-6アルキルアミノ基等)、(xiii)5ないし7員環状アミノ基(例えば、1個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい5ないし7員環状アミノ基(例、1-ピロリジニル、ピペリジノ、1-ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ等)等)、(xiv)低級アルキル−カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ等のC1-6アルキル−カルボニルアミノ基等)、(xv)低級アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ等のC1-6アルキルスルホニルアミノ基等)、(xvi)低級アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニル基等)、(xvii)カルボキシ基、(xviii)低級アルキル−カルボニル基(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニル等のC1-6アルキル−カルボニル基等)、(xix)シクロアルキル−カルボニル基(例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル等のC3-6シクロアルキル−カルボニル基等)、(xx)カルバモイル基、チオカルバモイル基、(xxi)モノ−低級アルキル−カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル等のモノ−C1-6アルキル−カルバモイル基等)、(xxii)ジ−低級アルキル−カルバモイル基(例えば、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモイル等のジ−C1-6アルキル−カルバモイル基等)、(xxiii)低級アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニル基等)、(xxiv)シクロアルキルスルホニル基(例えば、シクロペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル等のC3-6シクロアルキルスルホニル等)、(xxv)フェニル基、(xxvi)ナフチル基、(xxvii)モノ−フェニル−低級アルキル基(例えばベンジル、フェニルエチル等のモノ−フェニル−C1-6アルキル基等)、(xxviii)ジ−フェニル−低級アルキル基(例えば、ジフェニルメチル、ジフェニルエチル等のジ−フェニル−C1-6アルキル基等)、(xxix)モノ−フェニル−低級アルキル−カルボニルオキシ基(例えばフェニルメチルカルボニルオキシ、フェニルエチルカルボニルオキシ等のモノ−フェニル−C1-6アルキル−カルボニルオキシ基等)、(xxx)ジ−フェニル−低級アルキル−カルボニルオキシ基(例えば、ジフェニルメチルカルボニルオキシ、ジフェニルエチルカルボニルオキシ等のジ−フェニル−C1-6アルキル−カルボニルオキシ基等)、(xxxi)フェノキシ基、(xxxii)モノ−フェニル−低級アルキル−カルボニル基(例えばフェニルメチルカルボニル、フェニルエチルカルボニル等のモノ−フェニル−C1-6アルキル−カルボニル基等)、(xxxiii)ジ−フェニル−低級アルキル−カルボニル基(例えば、ジフェニルメチルカルボニル、ジフェニルエチルカルボニル等のジ−フェニル−C1-6アルキル−カルボニル基等)、(xxxiv)ベンゾイル基、(xxxv)フェノキシカルボニル基、(xxxvi)フェニル−低級アルキル−カルバモイル基(例えば、フェニル−メチルカルバモイル、フェニル−エチルカルバモイル等のフェニル−C1-6アルキル−カルバモイル基等)、(xxxvii)フェニルカルバモイル基、(xxxviii)フェニル−低級アルキル−カルボニルアミノ基(例えば、フェニル−メチルカルボニルアミノ、フェニル−エチルカルボニルアミノ等のフェニル−C1-6アルキル−カルボニルアミノ基等)、(xxxix)フェニル−低級アルキルアミノ基(例えば、フェニル−メチルアミノ、フェニル−エチルアミノ等のフェニル−C1-6アルキルアミノ基等)、(xxxx)フェニル−低級アルキルスルホニル基(例えば、フェニル−メチルスルホニル、フェニル−エチルスルホニル等のフェニル−C1-6アルキルスルホニル基等)、(xxxxi)フェニルスルホニル基、(xxxxii)フェニル−低級アルキルスルフィニル基(例えば、フェニル−メチルスルフィニル、フェニル−エチルスルフィニル等のフェニル−C1-6アルキルスルフィニル基等)、(xxxxiii)フェニル−低級アルキルスルホニルアミノ基(例えば、フェニル−メチルスルホニルアミノ、フェニル−エチルスルホニルアミノ等のフェニル−C1-6アルキルスルホニルアミノ基等)、(xxxxiv)フェニルスルホニルアミノ基、(xxxxv)5ないし7員環状アミノ−カルボニル基(例えば、1個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい5ないし7員環状アミノ−カルボニル基(例、(1-ピロリジニル)カルボニル、ピペリジノカルボニル、(1-ピペラジニル)カルボニル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル基等)等)、(xxxxvi)アミノスルホニル基、(xxxxvii)モノ−低級アルキルアミノスルホニル基(例えば、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル、プロピルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル等のモノ−C1-6アルキルアミノスルホニル基等)、(xxxxviii)ジ−低級アルキルアミノスルホニル基(例えば、ジエチルアミノスルホニル、ジブチルアミノスルホニル等のジ−C1-6アルキルアミノスルホニル基等)、(xxxxix)5ないし7員環状アミノ−スルホニル基(例えば、1個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい5ないし7員環状アミノ−スルホニル基(例、(1-ピロリジニル)スルホニル、ピペリジノスルホニル、(1-ピペラジニル) スルホニル、モルホリノスルホニル、チオモルホリノスルホニル基等)等)、(xxxxx)アミノカルボニルオキシ基、(xxxxxi)モノ−低級アルキルアミノカルボニルオキシ基(例えば、メチルアミノカルボニルオキシ、エチルアミノカルボニルオキシ、プロピルアミノカルボニルオキシ等のモノ−C1-6アルキルアミノカルボニルオキシ基等)、(xxxxxii)ジ−低級アルキルアミノカルボニルオキシ基(例えば、ジメチルアミノカルボニルオキシ、ジエチルアミノカルボニルオキシ等のジ−C1-6アルキルアミノカルボニルオキシ基等)及び(xxxxxiii)5ないし7員環状アミノ−カルボニルオキシ基(例えば、1個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい5ないし7員環状アミノ−カルボニルオキシ基(例、(1-ピロリジニル)カルボニルオキシ、ピペリジノカルボニルオキシ、(1-ピペラジニル) カルボニルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、チオモルホリノカルボニルオキシ基等)等)(前記(xxv)ないし(xxxxiv)のフェニル基、ナフチル基、モノ−フェニル−低級アルキル基、ジ−フェニル−低級アルキル基、モノ−フェニル−低級アルキル−カルボニルオキシ基、ジ−フェニル−低級アルキル−カルボニルオキシ基、フェノキシ基、モノ−フェニル−低級アルキル−カルボニル基、ジ−フェニル−低級アルキル−カルボニル基、ベンゾイル基、フェノキシカルボニル基、フェニル−低級アルキル−カルバモイル基、フェニルカルバモイル基、フェニル−低級アルキル−カルボニルアミノ基、フェニル−低級アルキルアミノ基、フェニル−低級アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、フェニル−低級アルキルスルフィニル基、フェニル−低級アルキルスルホニルアミノ基及びフェニルスルホニルアミノ基におけるフェニル基の部分は、更に、例えば、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6アルキル等)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等のC1-6アルコキシ等)、ハロゲン原子(例えば、クロル、ブロム、ヨード等)、ヒドロキシ基、ベンジルオキシ基、アミノ基、モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ等のモノ−C1-6アルキルアミノ等)、ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1-6アルキルアミノ等)、ニトロ基、低級アルキル−カルボニル基(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニル等のC1-6アルキル−カルボニル等)、ベンゾイル基等から選ばれた1ないし4個の置換基を有していてもよい。)等が挙げられる。Arで示される「縮合していてもよい5または6員芳香環基」はこれら(i)〜(xxxxxiii)の置換基を1ないし4個、好ましくは1または2個有していてもよい。
上記の「ハロゲン化されていてもよい低級アルキル基」としては、例えば、1ないし3個のハロゲン原子(例えば、クロル、ブロム、ヨード等)を有していてもよい低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6アルキル基等)等が挙げられ、具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2、2,2−トリフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシル等が挙げられる。
上記の「ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ基」としては、例えば、1ないし3個のハロゲン原子(例えば、クロル、ブロム、ヨード等)を有していてもよい低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等のC1-6アルコキシ基等)等が挙げられ、具体例としては、例えばメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
上記の「ハロゲン化されていてもよい低級アルキルチオ基」としては、例えば、1ないし3個のハロゲン原子(例えば、クロル、ブロム、ヨード等)を有していてもよい低級アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等のC1-6アルキルチオ基等)等が挙げられ、具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等が挙げられる。
「縮合していてもよい5または6員芳香環基を示し、該芳香環基は置換基を有していてもよく」の「置換基」として好ましくは、(i)アミノ基、(ii)モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ等のモノ−C1-6アルキルアミノ基等)、(iii)ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1-6アルキルアミノ基等)、(iv)例えば1個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい5ないし7員環状アミノ基(例えば、1-ピロリジニル、ピペリジノ、1-ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ等)、(v)低級アルキル−カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ等のC1-6アルキル−カルボニルアミノ基等)、(vi)低級アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ等のC1-6アルキルスルホニルアミノ基等)、(vii)フェニル−低級アルキルアミノ(例えば、フェニル−メチルアミノ、フェニル−エチルアミノ等のフェニル−C1-6アルキルアミノ等)、(viii)フェニル−低級アルキルスルホニルアミノ基(例えば、フェニル−メチルスルホニルアミノ、フェニル−エチルスルホニルアミノ等のフェニル−C1-6アルキル−スルホニルアミノ基等)、(ix)フェニルスルホニルアミノ基、(x)ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロル等)、(xi)ハロゲン化されていてもよい低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、トリフルオロメチル等)、(xii)ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert-ブトキシ、トリフルオロメトキシ等)、(xiii)アミノスルホニル基、(xiv)モノ−低級アルキルアミノスルホニル基(例えば、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル、プロピルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル等のモノ−C1-6アルキルアミノスルホニル基等)、(xv)ジ−低級アルキルアミノスルホニル基(例えば、ジエチルアミノスルホニル、ジブチルアミノスルホニル等のジ−C1-6アルキルアミノスルホニル基、(xvi)カルバモイル基、(xvii)モノ−低級アルキル−カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル等のモノ−C1-6アルキル−カルバモイル基等)、(xviii)ジ−低級アルキル−カルバモイル基(例えば、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモイル等のジ−C1-6アルキル−カルバモイル基等)等が挙げられ、特に、ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1-6アルキルアミノ基等)、1個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい5ないし7員環状アミノ基(例えば、1-ピロリジニル、ピペリジノ、1-ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ等)、ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert-ブトキシ、トリフルオロメトキシ等)、アミノスルホニル基、モノ−低級アルキルアミノスルホニル基(例えば、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル、プロピルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル等のモノ−C1-6アルキルアミノスルホニル基等)、ジ−低級アルキル−アミノスルホニル基(例えば、ジエチルアミノスルホニル、ジブチルアミノスルホニル等のジ−C1-6アルキルアミノスルホニル基、カルバモイル基、モノ−低級アルキル−カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル等のモノ−C1-6アルキル−カルバモイル基等)、ジ−低級アルキル−カルバモイル基(例えば、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモイル等のジ−C1-6アルキル−カルバモイル基等)等が好ましい。
Arで示される「縮合していてもよい5または6員芳香環基」の「5または6員芳香環基」としては、フェニル基(ベンゼン環基)、5または6員芳香族複素環基などが挙げられる。
該「5または6員芳香族複素環基」としては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1個以上(例えば、1〜3個)を含む5または6員芳香族複素環基などが挙げられる。具体的には、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニルなどが挙げられる。
Arで示される「縮合していてもよい5または6員芳香環基」の「5または6員芳香環基」が、例えば「置換基を有していてもよいフェニル基」の場合、該「フェニル基」が縮合する例としては、例えば、
(a)置換基を有していてもよい単環式同素環又は複素環と縮合する場合、
(b)置換基を有していてもよい2環式同素環又は複素環と縮合する、あるいは2つの同一又は異なった単環式同素環又は複素環と縮合する場合、及び
(c)置換基を有していてもよい3環式同素環又は複素環と縮合する場合等が挙げられる。
上記(a)の「縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい」のフェニル基が単環式同素環又は複素環と縮合する場合の具体例としては、例えば、式
Figure 2005035996

〔式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環、及びB環は置換基を有していてもよい同素環又は複素環を示す。〕で表される基等が挙げられる。
環の置換基としては、上記のArで示される「縮合していてもよい5または6員芳香環基」の「置換基」等が挙げられ、その置換基数は1ないし3個である。
環で示される「置換基を有していてもよい同素環」の「同素環」としては、5ないし9員炭素環(例えば、ベンゼン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタン、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン等)等が挙げられる。
環で示される「置換基を有していてもよい複素環」の「複素環」としては、例えば、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む4ないし14員(好ましくは5ないし9員)芳香族又は非芳香族複素環等が挙げられる。具体的には例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、イミダゾール、フラン、チオフェン、ジヒドロピリジン、ジアゼピン、オキサゼピン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ピペラジン、ホモピペラジン、テトラヒドロオキサゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピロール、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、チアゾール、チアゾリジン、チアジアゾリジン、チアジアジナン、イソオキサゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ヘキサヒドロピリミジン等が挙げられる。このうち、1個のヘテロ原子あるいは同一又は異なる2個のヘテロ原子を含有する5ないし9員環の非芳香族複素環(例えば、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ピペラジン、ホモピペラジン、テトラヒドロオキサゼピン、モルホリン、チオモルホリン、イミダゾリン、チアジアゾリジン、チアジアジナン、イミダゾリジン、ヘキサヒドロピリミジン等)等が好ましい。特に、(1)例えば窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1個のヘテロ原子を含有する非芳香族複素環、(2)1個の窒素原子と窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1個のヘテロ原子とを含有する非芳香族複素環等が好ましい。
環で示される「置換基を有していてもよい同素環又は複素環」の「置換基」としては、例えば(i)ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロル、ブロム、ヨード等)、(ii)ニトロ基、(iii)シアノ基、(iv)オキソ基、(v)ヒドロキシ基、(vi)低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル等のC1-6アルキル基等)(vii)低級アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,プロピルオキシ,イソプロピルオキシ、ブチルオキシ等のC1-6アルコキシ基等)、(viii)低級アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等のC1-6アルキルチオ基等)、(ix)アミノ基、(x)モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ等のモノ−C1-6アルキルアミノ基等)、(xi)ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1-6アルキルアミノ基等)、(xii)例えば炭素原子と1個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい5ないし7員環状アミノ基(例えば、1-ピロリジニル、ピペリジノ、1-ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ等)、(xiii)低級アルキル−カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ等のC1-6アルキル−カルボニルアミノ基等)、(xiv)低級アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ等のC1-6アルキルスルホニルアミノ基等)、(xv)低級アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニル基等)、(xvi)カルボキシ基、(xvii)低級アルキルカルボニル基(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル等のC1-6アルキル−カルボニル基等)、(xviii)カルバモイル基、(xix)モノ−低級アルキルカルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等のモノ−C1-6アルキル−カルバモイル基等)、(xx)ジ−低級アルキルカルバモイル基(例えば、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル等のジ−C1-6アルキル−カルバモイル基等)、(xxi)低級アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニル基、(xxii)アミノスルホニル基、(xxiii)モノ−低級アルキルアミノスルホニル基(例えば、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル等のモノ−C1-6アルキル−アミノスルホニル基等)、(xxiv)ジ−低級アルキルアミノスルホニル基(例えば、ジメチルアミノスルホニル、ジエチルアミノスルホニル等のジ−C1-6アルキル−アミノスルホニル基等)等から選ばれた1ないし5個が用いられる。中でも、オキソ基、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル等のC1-6アルキル基等)等が好ましい。特にオキソ基、C1-6アルキル基、C1-6アルキル−カルボニルアミノ基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基等が好ましい。
環が環中に窒素原子を有する場合、例えば、B環は環中に式
>N−R
〔式中、R7は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、アシル基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す。〕で表される基を有していてもよい。更に、B環は上記置換基(i)ないし(xxiv)を1ないし3個有していてもよい。
7で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」は、炭化水素化合物から水素原子を1個除いた基を示し、その例としては、例えば以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、これらの組み合わせの基等が挙げられる。このうち、C1-16炭化水素基等が好ましい。
(1)アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6アルキル基等)
(2)アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec-ブテニル等のC2-6アルケニル基等)
(3)アルキニル基(例えば、プロパルギル、エチニル、ブチニル、1−ヘキシニル等のC2-6アルキニル基等)
(4)シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基等)
(5)架橋環式低級飽和炭化水素基(例えば、ビシクロ〔3.2.1〕オクト−2−イル、ビシクロ〔3.3.1〕ノン−2−イル、アダマンタン−1−イル等の架橋環式C8-14飽和炭化水素基等)
(6)アリール基(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニル、2−インデニル、2−アンスリル等のC6-14アリール基等、好ましくはフェニル基等)
(7)アラルキル基(例えば、ベンジル,フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、フェニルペンチル、フェニルヘキシル等のフェニル−C1-10アルキル;α−ナフチルメチル等のナフチル−C1-6アルキル;ジフェニルメチル、ジフェニルエチル等のジフェニル−C1-3アルキル等のC7-16アラルキル基等)
(8)アリ−ル−アルケニル基(例えばスチリル、シンナミル、4−フェニル−2−ブテニル、4−フェニル−3−ブテニル等のフェニル−C2-12アルケニル等のC6-14アリ−ル−C2-12アルケニル基等)
(9)アリ−ル−C2-12アルキニル基(例えば、フェニルエチニル、3−フェニル−2−プロピニル、3−フェニル−1−プロピニル等のフェニル−C2-12アルキニル等のC6-14アリ−ル−C2-12アルキニル基等)
(10)シクロアルキル−アルキル基(例えば、シクロプロピルメチル,シクロブチルメチル,シクロペンチルメチル,シクロヘキシルメチル,シクロヘプチルメチル,シクロプロピルエチル,シクロブチルエチル,シクロペンチルエチル,シクロヘキシルエチル,シクロヘプチルエチル,シクロプロピルプロピル,シクロブチルプロピル,シクロペンチルプロピル,シクロヘキシルプロピル,シクロヘプチルプロピル,シクロプロピルブチル,シクロブチルブチル,シクロペンチルブチル,シクロヘキシルブチル,シクロヘプチルブチル,シクロプロピルペンチル,シクロブチルペンチル,シクロペンチルペンチル,シクロヘキシルペンチル,シクロヘプチルペンチル,シクロプロピルヘキシル,シクロブチルヘキシル,シクロペンチルヘキシル,シクロヘキシルヘキシル等のC3-7シクロアルキル−C1-6アルキル基等)
(11)アリール−アリール−C1-10アルキル基(例えばビフェニルメチル、ビフェニルエチル等)
7で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」の好ましいものとしては、例えば、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C7-16アラルキル基等である。更に好ましくはC7-10アラルキル基(例えば、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のフェニル−C1-4アルキル等)等である。
7で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」としては、例えば、(i)ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロル、ブロム、ヨード等)、(ii)ニトロ基、(iii)シアノ基、(iv)オキソ基、(v)ヒドロキシ基、(vi)ハロゲン化されていてもよい低級(C1-6)アルキル基、(vii)ハロゲン化されていてもよい低級(C1-6)アルコキシ基、(viii)ハロゲン化されていてもよい低級(C1-6)アルキルチオ基、(ix)アミノ基、(x)モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ等のモノ−C1-6アルキルアミノ基等)、(xi) ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1-6アルキルアミノ基等)、(xii)例えば炭素原子と1個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい5ないし7員環状アミノ基(例えば、1-ピロリジニル、ピペリジノ、1-ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ等)、(xiii)低級アルキル−カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ等のC1-6アルキル−カルボニルアミノ基等)、(xiv)低級アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ等のC1-6アルキル−スルホニルアミノ基等)、(xv)低級アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニル基等)、(xvi)カルボキシ基、(xvii)低級アルキル−カルボニル基(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル等のC1-6アルキル−カルボニル基等)、(xviii)カルバモイル基、チオカルバモイル基、(xix)モノ−低級アルキル−カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等のモノ−C1-6アルキル−カルバモイル基等)、(xx)ジ−低級アルキル−カルバモイル基(例えば、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル等のジ−C1-6アルキル−カルバモイル基等)、(xxi)低級アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニル基等)、(xxii)低級アルコキシ−カルボニル−低級アルキル基(例えば、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、tert-ブトキシカルボニルメチル、メトキシカルボニルエチル、メトキシカルボニルメチル、メトキシカルボニル(ジメチル)メチル、エトキシカルボニル(ジメチル)メチル、tert-ブトキシカルボニル(ジメチル)メチル等のC1-6アルキル−カルボニル−C1-6アルキル基等)、(xxiii)カルボキシ−低級アルキル基(例えば、カルボキシルメチル、カルボキシルエチル、カルボキシル(ジメチル)メチル等のカルボキシ−C1-6アルキル基等)、(xxiv)置換基を有していてもよい複素環基、(xxv)C6-14アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等)、(xxvi)C7-16アラルキル基(例えば、ベンジル等)、(xxvii)置換基(例えば、C1-4アルキル、ハロゲノC1-4アルキル、C6-10アリール、ハロゲノC6-10アリール、C1-4アルキル-C6-10アリール、ハロゲノC1-4アルキル-C6-10アリール、C1-4アルコキシ-C6-10アリール、ベンジル等)を有していてもよいウレイド基(例えば、ウレイド、3−メチルウレイド、3−エチルウレイド、3−フェニルウレイド、3−(4−フルオロフェニル)ウレイド、3−(2−メチルフェニル)ウレイド、3−(4−メトキシフェニル)ウレイド、3−(2,4−ジフルオロフェニル)ウレイド、3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ウレイド、3−ベンジルウレイド、3−(1−ナフチル)ウレイド、3−(2−ビフェニリル)ウレイド等)、(xxviii)置換基(例えば、C1-4アルキル、ハロゲノC1-4アルキル、C6-10アリール、ハロゲノC6-10アリール、C1-4アルキル-C6-10アリール、ハロゲノC1-4アルキル-C6-10アリール、C1-4アルコキシ-C6-10アリール、ベンジル等)を有していてもよいチオウレイド基(例えば、チオウレイド、3−メチルチオウレイド、3−エチルチオウレイド、3−フェニルチオウレイド、3−(4−フルオロフェニル)チオウレイド、3−(4−メチルフェニル)チオウレイド、3−(4−メトキシフェニル)チオウレイド、3−(2,4−ジクロロフェニル)チオウレイド、3−ベンジルチオウレイド、3−(1−ナフチル)チオウレイド等)、(xxix)置換基(例えば、C1-4アルキル、C6-10アリール、ニトロ-C6-10アリール等から選ばれる1〜2個)を有していてもよいアミジノ基(例えば、アミジノ、N1−メチルアミジノ、N1−エチルアミジノ、N1−フェニルアミジノ、N1,N1−ジメチルアミジノ、N1,N2−ジメチルアミジノ、N1−メチル−N1−エチルアミジノ、N1,N1−ジエチルアミジノ、N1−メチル−N1−フェニルアミジノ、N1,N1−ジ(4−ニトロフェニル)アミジノ等)、(xxx)置換基(例えば、C1-4アルキル、C6-10アリール、ニトロ-C6-10アリール等から選ばれる1〜2個)を有していてもよいグアニジノ基(例えば、グアニジノ、3−メチルグアニジノ、3,3−ジメチルグアニジノ、3,3−ジエチルグアニジノ等)、(xxxi)置換基(例えば、C1-4アルキル、ハロゲノC1-4アルキル、C6-10アリール、ハロゲノC6-10アリール、C1-4アルキル-C6-10アリール、ハロゲノC1-4アルキル-C6-10アリール、C1-4アルコキシ-C6-10アリール、ニトロ-C6-10アリール、ベンジル、ハロゲノベンジル、ベンゾイル、ハロゲノベンゾイル等)を有していてもよい環状アミノカルボニル基(例えば、(1-ピロリジニル)カルボニル、ピペリジノカルボニル、(4−メチルピペリジノ)カルボニル、(4−フェニルピペリジノ)カルボニル、(4−ベンジルピペリジノ)カルボニル、(4−ベンゾイルピペリジノ)カルボニル、[4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジノ]カルボニル、(4−メチル-1-ピペラジニル)カルボニル、(4−フェニル-1-ピペラジニル)カルボニル、[4−(4−ニトロフェニル)-1-ピペラジニル]カルボニル、(4−ベンジル-1-ピペラジニル)カルボニル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル等)、(xxxii)置換基(例えば、C1-4アルキル、C6-10アリール等から選ばれる1〜2個)を有していてもよいアミノチオカルボニル基(例えば、アミノチオカルボニル、メチルアミノチオカルボニル、ジメチルアミノチオカルボニル等)、(xxxiii)置換基(例えば、C1-4アルキル、C6-10アリール等から選ばれる1〜2個)を有していてもよいアミノスルホニル基(例えば、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル等)、(xxxiv)置換基(例えば、ハロゲン原子、C1-4アルキル、ハロゲノC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ニトロ、C1-4アルキル-カルボニルアミノ等から選ばれる1〜2個)を有していてもよいフェニルスルホニルアミノ(例えば、フェニルスルホニルアミノ、(4−メチルフェニル)スルホニルアミノ、(4−クロロフェニル)スルホニルアミノ、(2,5−ジクロロフェニル)スルホニルアミノ、(4−メトキシフェニル)スルホニルアミノ、(4−アセチルアミノフェニル)スルホニルアミノ、(4−ニトロフェニル)フェニルスルホニルアミノ等)、(xxxv)スルホ基、(xxxvi)スルフィノ基、(xxxvii)スルフェノ基、(xxxviii)C1-6アルキルスルホ基(例えば、メチルスルホ、エチルスルホ、プロピルスルホ等)、(xxxix)C1-6アルキルスルフィノ基(例えば、メチルスルフィノ、エチルスルフィノ、プロピルスルフィノ等)、(xxxx)C1-6アルキルスルフェノ基(例えば、メチルスルフェノ、エチルスルフェノ、プロピルスルフェノ等)、(xxxxi)ホスホノ基、(xxxxii)ジ−C1-6アルコキシホスホリル基(例えば、ジメトキシホスホリル、ジエトキシホスホリル、ジプロポキシホスホリル等)、(xxxxiii)アミノカルボニルオキシ基、(xxxxxi)モノ−低級アルキルアミノカルボニルオキシ基(例えば、メチルアミノカルボニルオキシ、エチルアミノカルボニルオキシ、プロピルアミノカルボニルオキシ等のモノ−C1-6アルキルアミノカルボニルオキシ基等)、(xxxxxii)ジ−低級アルキルアミノカルボニルオキシ基(例えば、ジメチルアミノカルボニルオキシ、ジエチルアミノカルボニルオキシ等のジ−C1-6アルキルアミノカルボニルオキシ基等)及び(xxxxxiii)5ないし7員環状アミノ−カルボニルオキシ基(例えば、1個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい5ないし7員環状アミノ−カルボニルオキシ基(例、(1-ピロリジニル)カルボニルオキシ、ピペリジノカルボニルオキシ、(1-ピペラジニル) カルボニルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、チオモルホリノカルボニルオキシ基等)等)等から選ばれた1ないし5個(好ましくは1ないし3個)が挙げられる。
このうち好ましくは、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、C1-6アルコキシ−カルボニル基、カルバモイル基、アミノチオカルボニル基、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル基、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル基、アミノ基、モノ−C1-6アルキルアミノ基、ジ−C1-6アルキルアミノ基、5ないし7員環状アミノ基、C1-6アルキル−カルボニルアミノ基、アミノスルホニル基、モノ−C1-6アルキルアミノスルホニル基、ジ−C1-6アルキルアミノスルホニル基、フェニルスルホニルアミノ基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
上記「(xxiv)置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子1ないし6個(好ましくは1ないし4個)を含む5ないし14員(単環式又は2ないし4環式)複素環から水素原子を1個除去してできる基等が用いられる。
単環式複素環基としては、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、イミダゾール、フラン、チオフェン、ジヒドロピリジン、ジアゼピン、オキサゼピン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、テトラヒドロフラン、ピペラジン、ホモピペラジン、テトラヒドロオキサゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピロール、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、チアゾール、チアゾリジン、イソオキサゾール、イミダゾリン、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、オキサチアジアゾール、トリアジン、テトラゾール等の単環式複素環から水素原子を1個除去してできる基等が挙げられる。
2環式複素環としては、例えば、インドール、ジヒドロインドール、イソインドール、ジヒドロイソインドール、ベンゾフラン、ジヒドロベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、インダゾール、キノリン、テトラヒドロキノリン、イソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロ-1H-1-ベンズアゼピン、テトラヒドロ-1H-2-ベンズアゼピン、テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン、テトラヒドロベンズオキサゼピン、キナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、キノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、ベンゾジオキサン、ベンゾジオキソール、ベンゾチアジン、イミダゾピリジン等の2環式複素環から水素原子を1個除去してできる基等が用いられる。
3又は4環式複素環基としては、アクリジン、テトラヒドロアクリジン、ピロロキノリン、ピロロインドール、シクロペントインドール、イソインドロベンズアゼピン等の3又は4環式複素環から水素原子を1個除去してできる基等が挙げられる。
該「複素環基」としては、単環又は2環式複素環から水素原子を1個除去してできる基等が好ましい。
該「置換基を有していてもよい複素環基」の「置換基」としては上記B環で示される「置換基を有していてもよい同素環又は複素環」の「置換基」が挙げられ、その置換基数は1ないし5個である。
7で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」として好ましくは、ハロゲン原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルバモイル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、アミノスルホニル、モノ−C1-6アルキルアミノスルホニル、ジ−C1-6アルキルアミノスルホニル及びヒドロキシから選ばれる置換基を1ないし5個有していてもよいC7-16アラルキル基(好ましくはベンジル等)等が挙げられる。
上記R7で示される「アシル基」としては、例えば、式:
−(C=O)−R8、−(C=O)−OR8、−(C=O)−NR89、−SO2−R8、−SO−R8、−SO−NR89、−(C=S)−OR8又は −(C=S)NR89
〔式中、R8及びR9はそれぞれ(i)水素原子、(ii)置換基を有していてもよい炭化水素基又は(iii)置換基を有していてもよい複素環基を示すか、R8とR9とは互いに結合して隣接する窒素原子と共に置換基を有していてもよい含窒素環基を形成してもよい。〕で表されるアシル基等が挙げられる。
このうち好ましくは、式:−(C=O)−R8、−(C=O)−NR89、−SO2−R8、又は−SO−NR89〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表されるアシル基である。
8又はR9で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」及び「置換基を有していてもよい複素環基」は、上記R7で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」及び「置換基を有していてもよい複素環基」と同様のものがそれぞれ挙げられる。
8とR9とで形成される「置換基を有していてもよい含窒素環基」としては、炭素原子及び1個の窒素原子以外に、例えば窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含有していてもよい5ないし9員(好ましくは5ないし7員)の含窒素飽和複素環基等が挙げられる。より具体的には、例えば、式
Figure 2005035996

で表される基等が挙げられる。
該「置換基を有していてもよい含窒素環基」の「置換基」としては、上記B環で示される「置換基を有していてもよい同素環又は複素環」の「置換基」と同様のものが挙げられ、その置換基数は1ないし5個である。
8及びR9として、好ましくは、(i)水素原子、(ii)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、(iii)C1-6アルキル及びC1-6アルコキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC6-10アリール、(iii)C7-16アラルキル(例、ベンジル等)、(iv)5又は6員複素環基(例、ピリジル、チエニル、フリル等)等が挙げられる。
上記R7で示される「アシル基」として、好ましくは、ホルミル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カルボニル(例、アセチル、トリフルオロアセチル、プロピオニル等)、5又は6員複素環カルボニル(例、ピリジルカルボニル、チエニルカルボニル、フリルカルボニル等)、C6-14アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等)、C7-16アラルキル−カルボニル(例、フェニルアセチル、3−フェニルプロピオニル等)、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニル(例、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、プロピルスルホニル等)、C6-14アリールスルホニル(例、ベンゼンスルホニル、ナフチルスルホニル等)、カルバモイル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等)、C1-6アルキル−カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル等)、アミノスルホニル、モノ−C1-6アルキルアミノスルホニル(例、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル等)、ジ−C1-6アルキルアミノスルホニル(例、ジメチルアミノスルホニル、ジエチルアミノスルホニル等)等が挙げられる。
7は、好ましくは、水素原子、C1-6アルキル、C1-6アルキル−カルボニル、カルバモイル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、アミノスルホニル、モノ−C1-6アルキルアミノスルホニル、ジ−C1-6アルキルアミノスルホニル等である。
上記式
Figure 2005035996

で表される基の具体例としては、ナフタレン;テトラヒドロナフタレン;インダン;インデン;ベンゾ[a]シクロヘプテン;2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン、1,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラン等のベンゾフラン;クロマン;3,4−ジヒドロ−1H−イソクロメン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンゾオキセピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2−ベンゾオキセピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾオキセピン等のベンゾオキセピン;2,3−ジヒドロ−1−ベンゾチオフェン、1,3−ジヒドロ−2−ベンゾチオフェン等のベンゾチオフェン;チオクロマン;3,4−ジヒドロ−1H−イソチオクロメン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンゾチエピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2−ベンゾチエピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン等のベンゾチエピン;3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾチオピラン;2,3−ジヒドロ−1H−インドール;1,2,3,4−テトラヒドロキノリン;2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール;1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンズアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン等のベンズアゼピン;1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−1−ベンズアゾシン、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−2−ベンズアゾシン、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−3−ベンズアゾシン等のベンズアゾシン;2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−1−ベンズアゾニン、2,3,4,5, 6,7−ヘキサヒドロ−1H−2−ベンズアゾニン、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−3−ベンズアゾニン、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−4−ベンズアゾニン等のベンズアゾニン;2,3−ジヒドロベンズオキサゾール等のベンズオキサゾール;2,3−ジヒドロベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール;2,3−ジヒドロ−1,2−ベンズイソチアゾール、1,3−ジヒドロ−2,1−ベンズイソチアゾール等のベンズイソチアゾール;2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール等のベンズイミダゾール;1,3−ジヒドロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール;3,4−ジヒドロ−1H−2,1−ベンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−1H−2,3−ベンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,2−ベンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンズオキサジン等のベンズオキサジン;3,4−ジヒドロ−1H−2,1−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−1H−2,3−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,2−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾチアジン等のベンゾチアジン;3,4−ジヒドロ−2H−1,2−ベンゾイソチアジン、3,4−ジヒドロ−1H−2,1−ベンゾイソチアジン等のベンゾイソチアジン;3,4−ジヒドロ−1H−2,13−ベンゾチアジアジン;1,2,3,4−テトラヒドロシンノリン、1,2,3,4−テトラヒドロフタラジン、1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン等のベンゾジアジン;3,4−ジヒドロ−1,2−ベンズオキサチイン、3,4−ジヒドロ−2,1−ベンズオキサチイン、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンズオキサチイン、1,4−ジヒドロ−2,3−ベンズオキサチイン、4H−1,3−ベンズオキサチイン、4H−3,1−ベンズオキサチイン等のベンズオキサチイン;1,3−ベンゾジオキソール;1,3−ベンゾジチオール;3,4−ジヒドロ−1,2−ベンゾジオキシン、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン、1,4−ジヒドロ−2,3−ベンゾジオキシン、4H−1,3−ベンゾジオキシン等のベンゾジオキシン;3,4−ジヒドロ−1,2−ベンズジチイン、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンズジチイン、1,4−ジヒドロ−2,3−ベンズジチイン、4H−1,3−ベンズジチイン等のベンズジチイン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2−ベンズオキサゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1,3−ベンズオキサゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンズオキサゼピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2,1−ベンズオキサゼピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2,3−ベンズオキサゼピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2,4−ベンズオキサゼピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−3,1−ベンズオキサゼピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−3,2−ベンズオキサゼピン、1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンズオキサゼピン等のベンズオキサゼピン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2−ベンゾチアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2,1−ベンゾチアゼピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2,4−ベンゾチアゼピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−3,1−ベンゾチアゼピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−3,2−ベンゾチアゼピン、1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン等のベンゾチアゼピン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2−ベンゾチアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,3−ベンゾジアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−ベンゾジアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2,3−ベンゾジアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2,4−ベンゾジアゼピン等のベンゾジアゼピン;4,5−ジヒドロ−1,3−ベンゾジオキセピン、4,5−ジヒドロ−3H−1,2−ベンゾジオキセピン、2,3−ジヒドロ−5H−1,4−ベンゾジオキセピン、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン、4,5−ジヒドロ−1H−2,3−ベンゾジオキセピン、1,5−ジヒドロ−2,4−ベンゾジオキセピン等のベンゾジオキセピン;4,5−ジヒドロ−1H−2,3−ベンゾチエピン、1,5−ジヒドロ−2,4−ベンゾジチエピン、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジチエピン、2,3−ジヒドロ−5H−1,4−ベンゾジチエピン等のベンゾジチエピン、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,5−ベンズオキサゾシン、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,6−ベンズオキサゾシン等のベンズオキサゾシン;3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,5−ベンゾチアゾシン、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,6−ベンゾチアゾシン等のベンゾチアゾシン;1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−1,6−ベンゾジアゾシン等のベンゾジアゾシン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,6−ベンズオキサチオシン等のベンズオキサチオシン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,6−ベンゾジオキソシン等のベンゾジオキソシン;1,3,5−ベンゾトリオキセピン、5H−1,3,4−ベンゾトリオキセピン等のベンゾトリオキセピン;3,4−ジヒドロ−1H−5,2,1−ベンズオキサチアゼピン、3,4−ジヒドロ−2H−5,1,2−ベンズオキサチアゼピン、4,5−ジヒドロ−3,1,4−ベンズオキサチアゼピン、4,5−ジヒドロ−3H−1,2,5−ベンズオキサチアゼピン等のベンズオキサチアゼピン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,3,4−ベンズオキサジアゼピン等のベンズオキサジアゼピン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,3,5−ベンズチアジアゼピン等のベンズチアジアゼピン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,5−ベンゾトリアゼピン等のベンゾトリアゼピン;4,5−ジヒドロ−1,3,2−ベンゾオキサチエピン、4,5−ジヒドロ−1H−2,3−ベンズオキサチエピン、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンズオキサチエピン、4,5−ジヒドロ−3H−1,2−ベンズオキサチエピン、4,5−ジヒドロ−3H−2,1−ベンズオキサチエピン、2,3−ジヒドロ−5H−1,4−ベンズオキサチエピン、2,3−ジヒドロ−5H−4,1−ベンズオキサチエピン等、とりわけナフタレン、テトラヒドロナフタレン、インダン、インデン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンズアゼピン、2,3−ジヒドロ−1H−インドール、2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン、クロマン、1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン、1,3−ジヒドロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール等の2環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基等が挙げられる。
環が複素環の場合の好ましい例としては、式
Figure 2005035996

または
Figure 2005035996


〔式中、B'環は置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環、B''環は置換基を有していてもよい5ないし9員の含酸素複素環、その他の各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基等が挙げられる。
該「置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環」の「5ないし9員の含窒素複素環」としては、炭素原子及び1個の窒素原子以外に、例えば窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環等が挙げられ、5ないし9員の非芳香族含窒素複素環(例えば、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、ピペラジン、ホモピペラジン、テトラヒドロオキサゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ヘキサヒドロピリミジン、イミダゾリジン、チアジアゾリジン等)等が好ましく用いられる。該「置換基」としては、上記B環で示される「置換基を有していてもよい同素環又は複素環」の「置換基」と同様のものから選ばれる1ないし3個の置換基が挙げられる。
該「置換基を有していてもよい5ないし9員の含酸素複素環」の「5ないし9員の含酸素複素環」としては、炭素原子及び1個の酸素原子以外に、例えば酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含有していてもよい5ないし9員の含酸素複素環等が挙げられ、5ないし9員の非芳香族含酸素複素環(例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、オキセパン等)等が好ましく用いられる。該「置換基」としては、上記のB環で示される「置換基を有していてもよい同素環又は複素環」の「置換基」と同様のものから選ばれる1ないし3個の置換基が挙げられるが、好ましくは、オキソ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ等である。

Figure 2005035996

で表される基のうち、より好ましい例としては、式
Figure 2005035996
〔式中、Ba環は置換基を有していてもよい同素環又は複素環を示し、R7’はR7と同意義を示し、その他の記号は前記と同意義を示す。〕で表される基等が挙げられる。
Ba環で示される「置換基を有していてもよい同素環又は複素環」の「置換基」としては、上記のB環で示される「置換基を有していてもよい同素環又は複素環」の「置換基」のうちオキソ基以外のものと同様のものから選ばれる1または2個の置換基が挙げられる。
ここで、A環がアミノスルホニル、モノ−又はジ−C1−6アルキルアミノスルホニル、カルバモイルおよびモノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイルから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいベンゼン環で、Ba環がそれぞれC1−6アルキル、C1−6アルキル−カルボニルアミノ及びC1−6アルキルスルホニルアミノから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよく、R7及びR7’がそれぞれ(1)それぞれヒドロキシおよびC1−6アルコキシ−カルボニルから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基またはC7−16アラルキル基または(2)式−(C=O)−R8’、 −(C=O)−NR8’9’または−SO8’〔式中、R8’及びR9’はそれぞれ水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルまたはC6−10アリールを示す。〕であるものが好ましい。
上記(b)の「縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい」のフェニル基が置換基を有していてもよい2環式同素環又は複素環と縮合する、あるいは2つの同一又は異なった単環式同素環又は複素環と縮合する場合の具体例としては、例えば、式
Figure 2005035996

Figure 2005035996

Figure 2005035996

または
Figure 2005035996


〔式中、A環は上記と同意義、C環及びD環は置換基を有していてもよい同素環又は複素環を示す。〕で表される基等が挙げられる。
環又はD環で示される「置換基を有していてもよい同素環」の「同素環」としては、B環で示される「置換基を有していてもよい同素環」の「同素環」と同様のものが挙げられる。
環又はD環で示される「置換基を有していてもよい複素環」の「複素環」としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含有していてもよい5ないし9員複素環(例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、イミダゾール、フラン、チオフェン、ジヒドロピリジン、ジアゼピン、オキサゼピン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、テトラヒドロフラン、ピペラジン、ホモピペラジン、テトラヒドロオキサゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ヘキサヒドロピリミジン、イミダゾリジン、チアジアゾリジン等)等が挙げられる。
環又はD環で示される「置換基を有していてもよい同素環又は複素環」の「置換基」としては、上記B環で示される「置換基を有していてもよい同素環又は複素環」の「置換基」と同様のものが挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、アントラセン、カルバゾール、1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロカルバゾール、9,10−ジヒドロアクリジン、1,2,3,4−テトラヒドロアクリジン、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ〔b,f〕アゼピン、5,6,7,12−テトラヒドロジベンズ〔b,g〕アゾシン、6,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ〔b,e〕アゼピン、6,7−ジヒドロ−5H−ジベンズ〔c,e〕アゼピン、5,6,11,12−テトラヒドロジベンズ〔b,f〕アゾシン、ジベンゾフラン、9H−キサンテン、10,11−ジヒドロジベンズ〔b,f〕オキセピン、6,11−ジヒドロジベンズ〔b,e〕オキセピン、6,7−ジヒドロ−5H−ジベンズ〔b,g〕オキソシン、ジベンゾチオフェン、9H−チオキサンテン、10,11−ジヒドロジベンゾ〔b,f〕チエピン、6,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕チエピン、6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ〔b,g〕チオシン、10H−フェノチアジン、10H−フェノキサジン、5,10−ジヒドロフェナジン、10,11−ジベンゾ〔b,f〕〔1,4〕チアゼピン、10,11−ジヒドロジベンズ〔b,f〕〔1,4〕オキサゼピン、2,3,5,6,11,11a−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ〔2,1−b〕〔3〕ベンズアゼピン、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕ジアゼピン、5,11−ジヒドロジベンズ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,f〕〔1,4〕チアゼピン、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕ジアゼピン、1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ〔2,3−b〕インドール等の3環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、フェナレン、アセナフチレン、1H,3H−ナフト〔1,8−cd〕〔1,2〕オキサジン、ナフト〔1,8−de〕−1,3−オキサジン、ナフト〔1,8−de〕−1,2−オキサジン、1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ〔cd〕インドール、2,3,3a,4,5,6−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ〔de〕キノリン、4H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン、1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン、5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン、1H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キナゾリン、4H−イミダゾ〔4,5,1−ij〕キノリン、2,3,7,8−テトラヒドロ〔1,2,6〕チアジアジノ〔4,3,2−hi〕インドール、1,2,6,7-テトラヒドロ-3H,5H-ピリド[3,2,1-ij]キナゾリン、2,3,8,9-テトラヒドロ-7H-[1,2,6]チアジアジノ[4,3,2-ij]キノリン5,6−ジヒドロ−1H,4H−〔1,2,5〕チアジアゾロ〔4,3,2−ij〕キノリン、1H,5H−ベンゾ〔ij〕キノリジン、アゼピノ〔3,2,1−hi〕インドール、1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ〔3,2,1−hi〕インドール、1H−ピリド〔3,2,1−jk〕〔1〕ベンズアゼピン、5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−ピリド〔3,2,1−jk〕〔1〕ベンズアゼピン、1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−ピリド〔3,2,1−jk〕〔1〕ベンズアゼピン、2,3−ジヒドロ−1H−ベンズ〔de〕イソキノリン、1,2,3,4,4a,5,6,7−オクタヒドロナフト〔1,8−bc〕アゼピン、2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−ピリド〔3,2,1−jk〕〔1〕ベンズアゼピン等の3環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、アントラセン、1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロベンゾ〔1,2−b:4,5−b’〕ジピロール、1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロシクロペント〔f〕インドール等の3環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、フェナントロレン、1,2,3,6,7,8−ヘキサヒドロシクロペント〔e〕インドール、2,3,4,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ〔f〕キノリン等の3環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
このうち、式
Figure 2005035996

Figure 2005035996

または
Figure 2005035996

〔式中、C'環及びD'環は、それぞれ置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環、その他の各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基等が好ましい。このうち式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基等が更に好ましい。
'環又はD'環で示される「置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環」は、B'環で示される「置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環」と同様のものが挙げられる。該置換基としてはオキソ基が好ましい。
中でもより好ましくは、式
Figure 2005035996
〔式中、C''環及びD''環はそれぞれ置換基を有していてもよい含窒素複素環を示し、その他の記号は前記と同意義を示す。〕で表される基が挙げられる。
''環及びD''環で示される「置換基を有していてもよい含窒素複素環」の「置換基」としては、上記のB環で示される「置換基を有していてもよい同素環又は複素環」の「置換基」のうちオキソ基以外のものと同様のものから選ばれる1または2個の置換基が挙げられる。
ここで、A環がアミノスルホニル、モノ−又はジ−C1−6アルキルアミノスルホニル、カルバモイルおよびモノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイルから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいベンゼン環で、C''環及びD''環がそれぞれC1−6アルキル、C1−6アルキル−カルボニルアミノ及びC1−6アルキルスルホニルアミノから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよく、R7が(1)それぞれヒドロキシおよびC1−6アルコキシ−カルボニルから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基またはC7−16アラルキル基または(2)式−(C=O)−R8’、 −(C=O)−NR8’9’または−SO8’〔式中、R8’及びR9’はそれぞれ水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルまたはC6−10アリールを示す。〕であるものが好ましい。
上記(c)の「縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい」のフェニル基が置換基を有していてもよい3環式同素環又は複素環と縮合する場合の具体例としては、例えば、式
Figure 2005035996

または
Figure 2005035996

〔式中、A環は上記と同意義、E環、F環及びG環は置換基を有していてもよい同素環又は複素環を示す。〕で表される基等が挙げられる。
環、F環又はG環で示される「置換基を有していてもよい同素環又は複素環」は、C環又はD環で示される「置換基を有していてもよい同素環又は複素環」と同様のものが挙げられる。
このうち、好ましくは
(i)式
Figure 2005035996
〔式中、E'環、F'環及びG'環はそれぞれ置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環を、 - - -は単結合又は二重結合を、その他の記号は前記と同意義を示す。〕で表される基、
(ii)例えば、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、プレイアデン、ベンゾ[a]アントラセン、インデノ[1,2−a]インデン、シクロペンタ[a]フェナントレン、ピリド[1’,2’:1,2]イミダゾ[4,5−b]キノキサリン、1H−2−オキサピレン、スピロ[ピペリジン−4.9’−キサンテン]等の環から水素原子を1個除去してできる基、及びこれらのジヒドロ体、テトラヒドロ体、ヘキサヒドロ体、オクタヒドロ体、デカヒドロ体等が挙げられる。
'環、F'環及びG'環で示される「置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環」は、B'環で示される「置換基を有していてもよい5ないし9員の含窒素複素環」と同様のものが挙げられる。該置換基としてはオキソ基が好ましい。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、2H−イソインドロ〔2,1−e〕プリン,1H−ピラゾロ〔4',3':3,4〕ピリド〔2,1−a〕イソインドール,1H−ピリド〔2',3':4,5〕イミダゾ〔2,1−a〕イソインドール,2H,6H−ピリド〔1',2':3,4〕イミダゾ〔5,1−a〕イソインドール,1H−イソインドロ〔2,1−a〕ベンズイミダゾール,1H−ピリド〔3',4':4,5〕ピロロ〔2,1−a〕イソインドール,2H−ピリド〔4',3':4,5〕ピロロ〔2,1−a〕イソインドール,1H−イソインドロ〔2,1−a〕インドール,2H−イソインドロ〔1,2−a〕イソインドール,1H−シクロペンタ〔4,5〕ピリミド〔2,1−a〕イソインドール,2H,4H−ピラノ〔4',3':4,5〕〔1,3〕オキサジノ〔2,3−a〕イソインドール,2H−イソインドロ〔2,1−a〕〔3,1〕ベンズオキサジン,7H−イソインドロ〔1,2−b〕〔1,3〕ベンズオキサジン,2H−ピリド〔2',1':3,4〕ピラジノ〔2,1−a〕イソインドール,ピリド〔2',3':4,5〕ピリミド〔2,1−a〕イソインドール,ピリド〔3',2':5,6〕ピリミド〔2,1−a〕イソインドール,1H−ピリド〔1',2':3,4〕ピリミド〔2,1−a〕イソインドール,イソインドロ〔2,1−a〕キナゾリン,イソインドロ〔2,1−a〕キノキサリン,イソインドロ〔1,2−a〕イソキノリン,イソインドロ〔2,1−b〕イソキノリン,イソインドロ〔2,1−a〕キノリン,6H−オキサジノ〔3',4':3,4〕〔1,4〕ジアゼピノ〔2,1−a〕イソインドール,アゼピノ〔2',1':3,4〕ピラジノ〔2,1−a〕イソインドール,2H,6H−ピリド〔2',1':3,4〕〔1,4〕ジアゼピノ〔2,1−a〕イソインドール,1H−イソインドロ〔1,2−b〕〔1,3,4〕ベンゾトリアゼピン,2H−イソインドロ〔2,1−a〕〔1,3,4〕ベンゾトリアゼピン,イソインドロ〔2,1−d〕〔1,4〕ベンズオキサゼピン,1H−イソインドロ〔2,1−b〕〔2,4〕ベンゾジアゼピン,1H−イソインドロ〔2,1−c〕〔2,3〕ベンゾジアゼピン,2H−イソインドロ〔1,2−a〕〔2,4〕ベンゾジアゼピン,2H−イソインドロ〔2,1−d〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン,5H−インドロ〔2,1−b〕〔3〕ベンズアゼピン,2H−イソインドロ〔1,2−a〕〔2〕ベンズアゼピン,2H−イソインドロ〔1,2−b〕〔3〕ベンズアゼピン,2H−イソインドロ〔2,1−b〕〔2〕ベンズアゼピン,2H−イソインドロ〔1,2−b〕〔1,3,4〕ベンゾオキサジアゾシン,イソインドロ〔2,1−b〕〔1,2,6〕ベンゾトリアゾシン,5H−4,8−メタノ−1H−〔1,5〕ジアザシクロウンデシノ〔1,11−a〕インドール等の4環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、1H,4H−ピロロ〔3',2':4,5〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン,ピロロ〔3,2,1−jk〕カルバゾール,1H−フロ〔2',3':4,5〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン,1H,4H−シクロペンタ〔4,5〕ピロロ〔1,2,3−de〕キノキサリン,1H,4H−シクロペンタ〔4,5〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン,ピリド〔3',4':4,5〕ピロロ〔1,2,3−de〕ベンズオキサジン,〔1,4〕オキサジノ〔2,3,4−jk〕カルバゾール,1H,3H−〔1,3〕オキサジノ〔5,4,3−jk〕カルバゾール,ピリド〔3',4':4,5〕ピロロ〔1,2,3−de〕〔1,4〕ベンゾチアジン,4H−ピロロ〔3,2,1−de〕フェナンスリジン,4H,5H−ピリド〔3,2,1−de〕フェナンスリジン,1H,4H−3a,6a−ジアザフルオロアンテン,1−オキサ−4,6a−ジアザフルオロアンテン,4−オキサ−2,10b−ジアザフルオロアンテン,1−チア−4,6a−ジアザフルオロアンテン,1H−ピラジノ〔3,2,1−jk〕カルバゾール,1H−インドロ〔3,2,1−de〕〔1,5〕ナフチリジン,ベンゾ〔b〕ピラノ〔2,3,4−hi〕インドリジン,1H,3H−ベンゾ〔b〕ピラノ〔3,4,5−hi〕インドリジン,1H,4H−ピラノ〔2',3':4,5〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン,1H,3H−ベンゾ〔b〕チオピラノ〔3,4,5−hi〕インドリジン,1H−ピリド〔3,2,1−jk〕カルバゾール,4H−3−オキサ−11b−アザシクロヘプタ〔jk〕フルオレン,2H−アゼピノ〔1',2':1,2〕ピリミジノ〔4,5−b〕インドール,1H,4H−シクロヘプタ〔4,5〕ピロロ〔1,2,3−de〕キノキサリン,5H−ピリド〔3',4':4,5〕ピロロ〔1,2,3−ef〕〔1,5〕ベンズオキサゼピン,4H−ピリド〔3',4':4,5〕ピロロ〔3,2,1−jk〕〔4,1〕ベンゾチアゼピン,5H−ピリド〔3',4':4,5〕ピロロ〔1,2,3−ef〕〔1,5〕ベンゾチアゼピン,5H−ピリド〔4',3':4,5〕ピロロ〔1,2,3−ef〕〔1,5〕ベンゾチアゼピン,〔1,2,4〕トリアゼピノ〔6,5,4−jk〕カルバゾール,〔1,2,4〕トリアゼピノ〔6,7,1−jk〕カルバゾール,〔1,2,5〕トリアゼピノ〔3,4,5−jk〕カルバゾール,5H−〔1,4〕オキサゼピノ〔2,3,4−jk〕カルバゾール,5H−〔1,4〕チアゼピノ〔2,3,4−jk〕カルバゾール,〔1,4〕ジアゼピノ〔3,2,1−jk〕カルバゾール,〔1,4〕ジアゼピノ〔6,7,1−jk〕カルバゾール,アゼピノ〔3,2,1−jk〕カルバゾール,1H−シクロオクタ〔4,5〕ピロロ〔1,2,3−de〕キノキサリン,1H−シクロオクタ〔4,5〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン等の4環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、1H−インドロ〔1,2−a〕ベンズイミダゾール,1H−インドロ〔1,2−b〕インダゾール,ピロロ〔2',1':3,4〕ピラジノ〔1,2−a〕インドール,1H,5H−ピロロ〔1',2':4,5〕ピラジノ〔1,2−a〕インドール,2H−ピリド〔2',3':3,4〕ピロロ〔1,2−a〕インドール,1H−ピロロ〔2',3':3,4〕ピリド〔1,2−a〕インドール,1H−インドロ〔1,2−a〕インドール,6H−イソインドロ〔2,1−a〕インドール,6H−インドロ〔1,2−c〕〔1,3〕ベンズオキサジン,1H−インドロ〔1,2−b〕〔1,2〕ベンゾチアジン,ピリミド〔4',5':4,5〕ピリミド〔1,6−a〕インドール,ピラジノ〔2',3':3,4〕ピリド〔1,2−a〕インドール,6H−ピリド〔1',2':3,4〕ピリミド〔1,6−a〕インドール,インドロ〔1,2−b〕シンノリン,インドロ〔1,2−a〕キナゾリン,インドロ〔1,2−c〕キナゾリン,インドロ〔2,1−b〕キナゾリン,インドロ〔1,2−a〕キノキサリン,インドロ〔1,2−a〕〔1,8〕ナフチリジン,インドロ〔1,2−b〕−2,6−ナフチリジン,インドロ〔1,2−b〕〔2,7〕ナフチリジン,インドロ〔1,2−h〕−1,7−ナフチリジン,インドロ〔1,2−b〕イソキノリン,インドロ〔2,1−a〕イソキノリン,インドロ〔1,2−a〕キノリン,2H,6H−ピリド〔2',1':3,4〕〔1,4〕ジアゼピノ〔1,2−a〕インドール,1H−インドロ〔2,1−c〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン,2H−インドロ〔1,2−d〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン,2H−インドロ〔2,1−a〕〔2,3〕ベンゾジアゼピン,2H−インドロ〔2,1−b〕〔1,3〕ベンゾジアゼピン,1H−インドロ〔1,2−b〕〔2〕ベンズアゼピン,2H−インドロ〔1,2−a〕〔1〕ベンズアゼピン,2H−インドロ〔2,1−a〕〔2〕ベンズアゼピン,インドロ〔1,2−e〕〔1,5〕ベンゾジアゾシン,インドロ〔2,1−b〕〔3〕ベンズアゾシン等の4環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、1H−イミダゾ〔1',2':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,1H−イミダゾ〔1',2':1,6〕ピリド〔4,3−b〕インドール,1H−イミダゾ〔1',5':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,1H−イミダゾ〔1',5':1,6〕ピリド〔4,3−b〕インドール,1H−ピリド〔2',1':2,3〕イミダゾ〔4,5−b〕インドール,イミダゾ〔4,5−a〕カルバゾール,イミダゾ〔4,5−c〕カルバゾール,ピラゾロ〔3,4−c〕カルバゾール,2H−ピラジノ〔1',2':1,5〕ピロロ〔2,3−b〕インドール,1H−ピロロ〔1',2':1,2〕ピリミド〔4,5−b〕インドール,1H−インドリジノ〔6,7−b〕インドール,1H−インドリジノ〔8,7−b〕インドール,インドロ〔2,3−b〕インドール,インドロ〔3,2−b〕インドール,ピロロ〔2,3−a〕カルバゾール,ピロロ〔2,3−b〕カルバゾール,ピロロ〔2,3−c〕カルバゾール,ピロロ〔3,2−a〕カルバゾール,ピロロ〔3,2−b〕カルバゾール,ピロロ〔3,2−c〕カルバゾール,ピロロ〔3,4−a〕カルバゾール,ピロロ〔3,4−b〕カルバゾール,ピロロ〔3,4−c〕カルバゾール,1H−ピリド〔3',4':4,5〕フロ〔3,2−b〕インドール,1H−フロ〔3,4−a〕カルバゾール,1H−フロ〔3,4−b〕カルバゾール,1H−フロ〔3,4−c〕カルバゾール,2H−フロ〔2,3−a〕カルバゾール,2H−フロ〔2,3−c〕カルバゾール,2H−フロ〔3,2−a〕カルバゾール,2H−フロ〔3,2−c〕カルバゾール,1H−ピリド〔3',4':4,5〕チエノ〔2,3−b〕インドール,チエノ〔3',2':5,6〕チオピラノ〔4,3−b〕インドール,チエノ〔3',4':5,6〕チオピラノ〔4,3−b〕インドール,1H−〔1〕ベンゾチエノ〔2,3−blインドール,1H−〔1〕ベンゾチエノ〔3,2−b〕インドール,1H−チエノ〔3,4−a〕カルバゾール,2H−チエノ〔2,3−b〕カルバゾール,2H−チエノ〔3,2−a〕カルバゾール,2H−チエノ〔3,2−b〕カルバゾール,シクロペンタ〔4,5〕ピロロ〔2,3−f〕キノキサリン,シクロペンタ〔5,6〕ピリド〔2,3−b〕インドール,ピリド〔2',3':3,4〕シクロペンタ〔1,2−b〕インドール,ピリド〔2',3':4,5〕シクロペンタ〔1,2−b〕インドール,ピリド〔3',4':3,4〕シクロペンタ〔1,2−b〕インドール,ピリド〔3',4':4,5〕シクロペンタ〔1,2−b〕インドール,ピリド〔4',3':4,5〕シクロペンタ〔1,2−b〕インドール,1H−シクロペンタ〔5,6〕ピラノ〔2,3−b〕インドール,1H−シクロペンタ〔5,6〕チオピラノ〔4,3−b〕インドール,シクロペンタ〔a〕カルバゾール,シクロペンタ〔c〕カルバゾール,インデノ〔1,2−b〕インドール,インデノ〔2,1−b〕インドール,〔1,2,4〕トリアジノ〔4',3':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,1,3,5−トリアジノ〔1',2':1,1〕ピリド〔3,4−b〕インドール,1H−〔1,4〕オキサジノ〔4',3':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,1H−〔1,4〕オキサジノ〔4',3':1,6〕ピリド〔3,4−b〕インドール,4H−〔1,3〕オキサジノ〔3',4':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,インドロ〔3,2−b〕〔1,4〕ベンズオキサジン,1,3−オキサジノ〔6,5−b〕カルバゾール,2H−ピリミド〔2',1':2,3〕〔1,3〕チアジノ〔5,6−b〕インドール,2H−〔1,3〕チアジノ〔3',2':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,4H−〔1,3〕チアジノ〔3',4':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,インドロ〔2,3−b〕〔1,4〕ベンゾチアジン,インドロ〔3,2−b〕〔1,4〕ベンゾチアジン,インドロ〔3,2−c〕〔2,1〕ベンゾチアジン,1,4−チアジノ〔2,3−a〕カルバゾール,〔1,4〕チアジノ〔2,3−b〕カルバゾール,〔1,4〕チアジノ〔2,3−c〕カルバゾール,1,4−チアジノ〔3,2−b〕カルバゾール,1,4−チアジノ〔3,2−c〕カルバゾール,1H−インドロ〔2,3−g〕プテリジン,1H−インドロ〔3,2−g〕プテリジン,ピラジノ〔1',2':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,ピラジノ〔1',2':1,2〕ピリド〔4,3−b〕インドール,1H−ピリド〔2',3':5,6〕ピラジノ〔2,3−b〕インドール,1H−ピリド〔3',2':5,6〕ピラジノ〔2,3−b〕インドール,1H−ピリド〔3',4':5,6〕ピラジノ〔2,3−b〕インドール,ピリド〔1',2':1,2〕ピリミド〔4,5−b〕インドール,ピリド〔1',2':1,2〕ピリミド〔5,4−b〕インドール,ピリド〔2',1':2,3〕ピリミド〔4,5−b〕インドール,ピリミド〔1',2':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,ピリミド〔1',2':1,6〕ピリド〔3,4−b〕インドール,ピリミド〔5',4':5,6〕ピラノ〔2,3−b〕インドール,ピリダジノ〔4',5':5,6〕チオピラノ〔4,5−b〕インドール,1H−インドロ〔3,2−c〕シンノリン,1H−インドロ〔2,3−b〕キノキサリン,1H−ピラジノ〔2,3−a〕カルバゾール,1H−ピラジノ〔2,3−b〕カルバゾール,1H−ピラジノ〔2,3−c〕カルバゾール,1H−ピリダジノ〔3,4−c〕カルバゾール,1H−ピリダジノ〔4,5−b〕カルバゾール,1H−ピリミド〔4,5−a〕カルバゾール,1H−ピリミド〔4,5−c〕カルバゾール,1H−ピリミド〔5,4−a〕カルバゾール,1H−ピリミド〔5,4−b〕カルバゾール,1H−ピリミド〔5,4−c〕カルバゾール,7H−1,4−ジオキシノ〔2',3':5,6〕〔1,2〕ジオキシノ〔3,4−b〕インドール,6H−〔1,4〕ベンゾジオキシノ〔2,3−b〕インドール,6H−〔1,4〕ベンゾジチイノ〔2,3−b〕インドール,1H−インドロ〔2,3−b〕−1,5−ナフチリジン,1H−インドロ〔2,3−b〕〔1,6〕ナフチリジン,1H−インドロ〔2,3−b〕〔1,8〕ナフチリジン,1H−インドロ〔2,3−c〕−1,5−ナフチリジン,1H−インドロ〔2,3−c〕〔1,6〕ナフチリジン,1H−インドロ〔2,3−c〕〔1,7〕ナフチリジン,1H−インドロ〔2,3−c〕〔1,8〕ナフチリジン,1H−インドロ〔3,2−b〕−1,5−ナフチリジン,1H−インドロ〔3,2−b〕〔1,7〕ナフチリジン,1H−インドロ〔3,2−b〕〔1,8〕ナフチリジン,1H−インドロ〔3,2−c〕〔1,8〕ナフチリジン,インドロ〔2,3−a〕キノリジン,インドロ〔2,3−b〕キノリジン,インドロ〔3,2−a〕キノリジン,インドロ〔3,2−b〕キノリジン,ピラノ〔4',3':5,6〕ピリド〔3,4−b〕インドール,ピリド〔4',3':4,5〕ピラノ〔3,2−b〕インドール,ピリド〔4',3':5,6〕ピラノ〔2,3−b〕インドール,ピリド〔4',3':5,6〕ピラノ〔3,4−b〕インドール,1H−インドロ〔2,3−c〕イソキノリン,1H−インドロ〔3,2−c〕イソキノリン,1H−インドロ〔2,3−c〕キノリン,1H−インドロ〔3,2−c〕キノリン,1H−ピリド〔2,3−a〕カルバゾール,1H−ピリド〔2,3−b〕カルバゾール,1H−ピリド〔2,3−c〕カルバゾール,1H−ピリド〔3,2−a〕カルバゾール,1H−ピリド〔3,2−b〕カルバゾール,1H−ピリド〔3,2−c〕カルバゾール,1H−ピリド〔3,4−a〕カルバゾール,1H−ピリド〔3,4−b〕カルバゾール,1H−ピリド〔3,4−c〕カルバゾール,1H−ピリド〔4,3−a〕カルバゾール,1H−ピリド〔4,3−b〕カルバゾール,1H−ピリド〔4,3−c〕カルバゾール,1H−キンドリン,1H−キニンドリン,1H−ピラノ〔3',4':5,6〕ピラノ〔4,3−b〕インドール,〔1〕ベンゾピラノ〔2,3−b〕インドール,〔1〕ベンゾピラノ〔3,2−b〕インドール,〔1〕ベンゾピラノ〔3,4−b〕インドール,〔1〕ベンゾピラノ〔4,3−b〕インドール,〔2〕ベンゾピラノ〔4,3−b〕インドール,ピラノ〔2,3−a〕カルバゾール,ピラノ〔2,3−b〕カルバゾール,ピラノ〔2,3−c〕カルバゾール,ピラノ〔3,2−a〕カルバゾール,ピラノ〔3,2−c〕カルバゾール,ピラノ〔3,4−a〕カルバゾール,1H−ホスフィノリノ〔4,3−b〕インドール,〔1〕ベンゾチオピラノ〔2,3−b〕インドール,〔1〕ベンゾチオピラノ〔3,2−b〕インドール,〔1〕ベンゾチオピラノ〔3,4−b〕インドール,〔1〕ベンゾチオピラノ〔4,3−b〕インドール,〔2〕ベンゾチオピラノ〔4,3−b〕インドール,1H−ベンゾ〔a〕カルバゾール,1H−ベンゾ〔b〕カルバゾール,1H−ベンゾ〔c〕カルバゾール,〔1,6,2〕オキサチアゼピノ〔2',3':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,1H−アゼピノ〔1',2':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,1H−ピリド〔1',2':1,2〕アゼピノ〔4,5−b〕インドール,2H−ピリド〔1',2':1,2〕アゼピノ〔3,4−b〕インドール,1H−ピリド〔3',2':5,6〕オキセピノ〔3,2−b〕インドール,1H−ピリド〔4',3':5,6〕オキセピノ〔3,2−b〕インドール,2H−ピリド〔2',3':5,6〕オキセピノ〔2,3−b〕インドール,2H−ピリド〔2',3':5,6〕オキセピノ〔3,2−b〕インドール,2H−ピリド〔3',4':5,6〕オキセピノ〔3,2−b〕インドール,ピリド〔2',3':4,5〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,ピリド〔3',2':3,4〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,ピリド〔3',4':4,5〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,ピリド〔3',4':5,6〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,2H−ピラノ〔3',2':2,3〕アゼピノ〔4,5−b〕インドール,1H−インドロ〔3,2−b〕〔1,5〕ベンズオキサゼピン,1H−インドロ〔3,2−d〕〔1,2〕ベンズオキサゼピン,1H−インドロ〔2,3−c〕〔1,5〕ベンゾチアゼピン,〔1,4〕ジアゼピノ〔2,3−a〕カルバゾール,インドロ〔2,3−b〕〔1,5〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔2,3−d〕〔1,3〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔3,2−b〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔3,2−b〕〔1,5〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔3,2−d〕〔1,3〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔3,2−d〕〔2,3〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔2,3−a〕〔3〕ベンズアゼピン,インドロ〔2,3−c〕〔1〕ベンズアゼピン,インドロ〔2,3−d〕〔1〕ベンズアゼピン,インドロ〔2,3−d〕〔2〕ベンズアゼピン,インドロ〔3,2−b〕〔1〕ベンズアゼピン,インドロ〔3,2−c〕〔1〕ベンズアゼピン,インドロ〔3,2−d〕〔1〕ベンズアゼピン,1H−インドロ〔2,1−b〕〔3〕ベンズアゼピン,1H−〔1〕ベンズオキセピノ〔5,4−b〕インドール,1H−〔2〕ベンズオキセピノ〔4,3−b〕インドール,1H−〔1〕ベンゾチエピノ〔4,5−b〕インドール,1H−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−b〕インドール,ベンゾ〔3,4〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,ベンゾ〔5,6〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,ベンゾ〔6,7〕シクロヘプタ〔1,2−b〕インドール,シクロヘプタ〔b〕カルバゾール,4H−〔1,5〕オキサゾシノ〔5',4':1,6〕ピリド〔3,4−b〕インドール,アゾシノ〔1',2':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,2,6−メタノ−2H−アゼシノ〔4,3−b〕インドール,3,7−メタノ−3H−アゼシノ〔5,4−b〕インドール,ピリド〔1',2':1,8〕アゾシノ〔5,4−b〕インドール,ピリド〔4',3':6,7〕オキソシノ〔2,3−b〕インドール,ピリド〔4',3':6,7〕オキソシノ〔4,3−b〕インドール,1,5−メタノ−1H−アゼシノ〔3,4−b〕インドール,2,6−メタノ−1H−アゼシノ〔5,4−b〕インドール,1H−ピリド〔3',4':5,6〕シクロオクタ〔1,2−b〕インドール,1,4−エタノオキソシノ〔3,4−b〕インドール,ピラノ〔3',4':5,6〕シクロオクタ〔1,2−b〕インドール,1H−インドロ〔2,3−c〕〔1,2,5,6〕ベンゾテトラゾシン,1H−インドロ〔2,3−c〕〔1,6〕ベンゾジア

ゾシン,6,13b−メタノ−13bH−アゼシノ〔5,4−b〕インドール,オキソシノ〔3,2−a〕カルバゾール,1H−ベンゾ〔g〕シクロオクタ〔b〕インドール,6,3−(イミノメタノ)−2H−1,4−チアゾニノ〔9,8−b〕インドール,1H,3H−〔1,4〕オキサゾニノ〔4',3':1,2〕ピリド〔3,4−b〕インドール,2H−3,6−エタノアゾニノ〔5,4−b〕インドール,2H−3,7−メタノアザシクロウンデシノ〔5,4−b〕インドール,1H−6,12b−エタノアゾニノ〔5,4−b〕インドール,インドロ〔3,2−e〕〔2〕ベンズアゾニン,5,9−メタノアザシクロウンデシノ〔5,4−b〕インドール,3,6−エタノ−3H−アゼシノ〔5,4−b〕インドール,3,7−メタノ−3H−アザシクロウンデシノ〔5,4−b〕インドール,ピラノ〔4',3':8,9〕アゼシノ〔5,4−b〕インドール,1H−インドロ〔2,3−c〕〔1,7〕ベンゾジアゼシン,1H−インドロ〔3,2−e〕〔2〕ベンズアゼシン,ベンゾ〔e〕ピロロ〔3,2−b〕インドール,ベンゾ〔e〕ピロロ〔3,2−g〕インドール,ベンゾ〔e〕ピロロ〔3,2,1−hi〕インドール,ベンゾ〔e〕ピロロ〔3,4−b〕インドール,ベンゾ〔g〕ピロロ〔3,4−b〕インドール,1H−ベンゾ〔f〕ピロロ〔1,2−a〕インドール,1H−ベンゾ〔g〕ピロロ〔1,2−a〕インドール,2H−ベンゾ〔e〕ピロロ〔1,2−a〕インドール,1H−ベンゾ〔f〕ピロロ〔2,1−a〕イソインドール,1H−ベンゾ〔g〕ピロロ〔2,1−a〕イソインドール,2H−ベンゾ〔e〕ピロロ〔2,1−a〕イソインドール,イソインドロ〔6,7,1−cde〕インドール,スピロ〔シクロヘキサン−1,5'−〔5H〕ピロロ〔2,1−a〕イソインドール〕,イソインドロ〔7,1,2−hij〕キノリン,7,11−メタノアゾシノ〔1,2−a〕インドール,7,11−メタノアゾシノ〔2,1−a〕イソインドール,ジベンズ〔cd,f〕インドール,ジベンズ〔cd,g〕インドール,ジベンズ〔d,f〕インドール,1H−ジベンズ〔e,g〕インドール,1H−ジベンズ〔e,g〕イソインドール,ナフト〔1,2,3−cd〕インドール,ナフト〔1,8−ef〕インドール,ナフト〔1,8−fg〕インドール,ナフト〔3,2,1−cd〕インドール,1H−ナフト〔1,2−e〕インドール,1H−ナフト〔1,2−f〕インドール,1H−ナフト〔1,2−g〕インドール,1H−ナフト〔2,1−e〕インドール,1H−ナフト〔2,3−e〕インドール,1H−ナフト〔1,2−f〕イソインドール,1H−ナフト〔2,3−e〕イソインドール,スピロ〔1H−カルバゾール−1,1'−シクロヘキサン〕,スピロ〔2H−カルバゾール−2,1'−シクロヘキサン〕,スピロ〔3H−カルバゾール−3,1'−シクロヘキサン〕,シクロヘプタ〔4,5〕ピロロ〔3,2−f〕キノリン,シクロヘプタ〔4,5〕ピロロ〔3,2−h〕キノリン,アゼピノ〔4,5−b〕ベンズ〔e〕インドール,1H−アゼピノ〔1,2−a〕ベンズ〔f〕インドール,1H−アゼピノ〔2,1−a〕ベンズ〔f〕イソインドール,ベンゾ〔e〕シクロヘプタ〔b〕インドール,ベンゾ〔g〕シクロヘプタ〔b〕インドール等の4環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基が挙げられる。
上記式
Figure 2005035996

〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基の具体例としては、1H−ジピロロ〔2,3−b:3',2',1'−hi〕インドール,スピロ〔シクロペンタン−1,2'(1'H)−ピロロ〔3,2,1−hi〕インドール〕,スピロ〔イミダゾリジン−4,1'(2'H)−〔4H〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン〕,ピリド〔2,3−b〕ピロロ〔3,2,1−hi〕インドール,ピリド〔4,3−b〕ピロロ〔3,2,1−hi〕インドール,ベンゾ〔de〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン,3H−ピロロ〔3,2,1−de〕アクリジン,1H−ピロロ〔3,2,1−de〕フェナントリジン,スピロ〔シクロヘキサン−1,6'−〔6H〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン〕,4,9−メタノピロロ〔3,2,1−lm〕〔1〕ベンゾアゾシン,スピロ〔シクロヘプタン−1,6'−〔6H〕ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン〕,1H−ピラノ〔3,4−d〕ピロロ〔3,2,1−jk〕〔1〕ベンズアゼピン,3H−ベンゾ〔b〕ピロロ〔3,2,1−jk〕〔4,1〕ベンズオキサゼピン,7H−インドロ〔1,7−ab〕〔4,1〕ベンズオキサゼピン,ベンゾ〔b〕ピロロ〔3,2,1−jk〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔1,7−ab〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン,インドロ〔1,7−ab〕〔1〕ベンズアゼピン,インドロ〔7,1−ab〕〔3〕ベンズアゼピン,1H−シクロヘプタ〔d〕〔3,2,1−jk〕〔1〕ベンズアゼピン,スピロ〔アゼピノ〔3,2,1−hi〕インドール−7(4H),1'−シクロヘプタン〕,4H−5,11−メタノピロロ〔3,2,1−no〕〔1〕ベンズアザシクロウンデシン,スピロ〔アゼピノ〔3,2,1−hi〕インドール−7(4H),1'−シクロオクタン〕等の4環式縮合ベンゼン環から水素原子を1個除去してできる基等が挙げられる。
このうち、更に好ましくは、式
Figure 2005035996

で表される基等である。
また、Arで示される「縮合していてもよい5または6員芳香環基」の「芳香環基」が、例えば「芳香族複素環基」の場合、該「芳香族複素環基」が縮合する例としては、例えば、
(d)置換基を有していてもよい単環式芳香環と縮合する場合、
(e)置換基を有していてもよい2ないし3環式芳香環と縮合する、あるいは2つの同一又は異なった単環式芳香環と縮合する場合等が挙げられる。
具体的には、1−,2−または3−インドリル;1−,2−または3−イソインドリル;2−または3−ベンゾフラニル;2−または3−ベンゾチオフラニル;1−または3−ベンズイミダゾリル;2−ベンズオキサゾリル;2−ベンゾチアゾリル;1,2−ベンズイソチアゾール-3-イル;1,2−ベンズイソキサゾール-3-イル;2−,3−または4−キノリル;1−,3−または4−イソキノリル;2−または3−キノキサリニル;1−または4−フタラジニル;例えば、1,8−ナフチリジン-2-イル、1,5−ナフチリジン-3-イルなどのナフチリジニル;2−または4−キナゾリニル;3−または4−シンノリニル;9-アクリジニル;2−,6−または8−プリニル;2−,4−, 6−または8−プテリジニルなどが挙げられる。
Arは、好ましくは、例えば、式
Figure 2005035996
〔式中、A'環はA環と同意義を、その他の記号は前記と同意義を示す。〕で表される基である。
ここで、A環およびA'環としては、(i)ハロゲン(フルオロ等)、(ii)C1-6アルコキシ(メトキシ等)、(iii)ハロゲノC1-6アルコキシ(トリフルオロメトキシ等)、(iv)アミノ、(v)(モノ又はジ)C1-6アルキルアミノ(メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、(vi)1-ピロリジニル、(vii)ピペリジノ、(viii)1-ピペラジニル、(ix)N−メチル-1-ピペラジニル、(x)N−アセチル-1-ピペラジニル、(xi)モルホリノ、(xii)ヘキサメチレンイミノ、(xiii)イミダゾリル、(xiv)C1-6アルキル(メチル等)でエステル化されていてもよいカルボキシで置換されていてもよいC1-6アルキル(プロピル等)、(xv)低級アルキル−カルボニルアミノ(アセチルアミノ等)、(xvi)低級アルキルスルホニルアミノ(メチルスルホニルアミノ等),(xvii)アミノスルホニル、(xviii)(モノ又はジ)C1-6アルキルアミノスルホニル、(xix)5ないし7員環状アミノ−スルホニル( (1-ピロリジニル) スルホニル、ピペリジノスルホニル、(1-ピペラジニル) スルホニル、モルホリノスルホニル等)(xx)カルバモイル、(xxi) (モノ又はジ)C1-6アルキルカルバモイル、(xxi)5ないし7員環状アミノ−カルボニル( (1-ピロリジニル) カルボニル、ピペリジノカルボニル、(1-ピペラジニル) カルボニル、モルホリノカルボニル等)、(xxii)シアノ等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいベンゼン環が好ましい。より好ましくはA環がアミノスルホニル、モノ−又はジ−C1−6アルキルアミノスルホニル、カルバモイルおよびモノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイルから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいベンゼン環で、A'環がアミノスルホニル、モノ−又はジ−C1−6アルキルアミノスルホニル、C1−6アルキル−カルボニルアミノおよびC1−6アルキルスルホニルアミノから選ばれる1または2個の置換基を有し、さらに1ないし4個の置換基(例えば、C1−6アルコキシ等)を有していてもよいベンゼン環である。
また、Ba環、C''環及びD''環はそれぞれC1−6アルキル、C1−6アルキル−カルボニルアミノ及びC1−6アルキルスルホニルアミノから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよく、R7及びR7’はそれぞれ(1)水素原子、(2)それぞれヒドロキシおよびC1−6アルコキシ−カルボニルから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基またはC7−16アラルキル基または(3)式−(C=O)−R8’、 −(C=O)−NR8’9’もしくは−SO8’〔式中、R8’及びR9’はそれぞれ水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルまたはC6−10アリールを示す。〕で表される基であるものが好ましい。
Lで示される「置換基を有していてもよい主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」における「主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」とは、主鎖の原子が1ないし10個連なっている間隔を意味する。ここで、「主鎖の原子数」は、主鎖の原子が最小となるように数えるものとする。例えば1,2−シクロペンチレンの原子数を2個、1,3−シクロペンチレンの原子数を3個として数える。
「置換基を有していてもよい主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」としては、例えば−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−NR10−(R10は水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1−10アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニルを示す)、置換基を有していてもよい2価のC1−10非環式炭化水素基、置換基を有していてもよい2価のC3−9環状炭化水素基及び置換基を有していてもよい2価の複素環基等から選ばれる2価の基の1ないし5個、好ましくは1ないし3個の組み合わせが挙げられる。
「置換基を有していてもよい主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」における「置換基」、即ち、「置換基を有していてもよい2価のC1−10非環式炭化水素基」、「置換基を有していてもよい2価のC3−9環状炭化水素基」及び「置換基を有していてもよい2価の複素環基」における「置換基」としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、オキソ、C1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、チオカルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、モノ−またはジ−C1-6アルキル−カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニル、ホルミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ及びフェニル等から選ばれる1ないし5個、好ましくは1ないし3個の置換基が挙げられる。このうち、フッ素等のハロゲン原子、オキソ、ヒドロキシ、フェニル等が好ましい。
「置換基を有していてもよい2価のC1−10非環式炭化水素基」の「2価のC1−10非環式炭化水素基」としては、C1−10アルキレン、C2−10アルケニレン、C2−10アルキニレンが挙げられる。
「C1−10アルキレン」としては、例えば、−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、−(CH2)7−、−(CH2)8−、−(CH2)9−、−(CH2)10−、−(CH2)3CH(CH3)−、−(CH2)4CH(CH3)−、−(CH3)CHCH2−、−(CH3)CH(CH2)2−、−(CH(CH3))2−などが挙げられる。
「C2−10アルケニレン」としては、例えば、−CH=CH−、−CH−CH=CH−、−C(CH)−CH=CH−、−CH−CH=CH−CH−、−CH−CH−CH=CH−、−CH=CH−CH=CH−、−CH=CH−CH−CH−CH−などが挙げられる。
「C2−10アルキニレン」としては、例えば、−C≡C−、−CH−C≡C−、−CH−C≡C−CH−CH−などが挙げられる。
「置換基を有していてもよい2価のC3−9環状炭化水素基」の「2価のC3−9環状炭化水素基」としては、C3−9シクロアルキレン、C3−9シクロアルケニレン、C6−14アリーレン(フェニレン等)等が挙げられる。
「C3−9シクロアルキレン」としては、
Figure 2005035996

等が挙げられる。
「C3−9シクロアルケニレン」としては、
Figure 2005035996

等が挙げられる。
「置換基を有していてもよい2価の複素環基」の「2価の複素環基」としては、例えば窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む4ないし14員(好ましくは5ないし9員)芳香族又は非芳香族複素環から水素原子を2個除去してできる基等が挙げられる。そのような芳香族又は非芳香族複素環としては、上記のB環で示される「置換基を有していてもよい複素環」において例示したものと同様のものが挙げられる。
Lとしては、置換基を有していてもよいC1−10アルキレンが好ましいが、とりわけ、ハロゲン原子、ヒドロキシ、オキソ、フェニル等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC2−6アルキレン基(例えば、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、−CHFCH2−、−CHF(CH2)2−、−CHF(CH2)3−、−CHF(CH2)4−、−CF2CH2−、−CF2(CH2)2−、−CF2(CH2)3−、−CF2(CH2)4−、−(CH2)3CH(CH3)−、−(CH2)4CH(CH3)−、−(CH2)3CH(CF3)−、−(CH2)4CH(CF3)−、−(CH3)CHCH2−、−(CH3)CH(CH2)2−、−(CH(CH3))2−、−CH2CH(OH)−、−CH2CO−、−(Ph)CHCH2−など)が好ましく、さらにC3−7シクロアルキレンまたはC3−7シクロアルキレンとC1−4アルキレンとの組み合わせ(例えば、
Figure 2005035996

など)も好ましい。
LがArとの間で形成する環としては、例えば、1-オキソインダン-2-イル、1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル、5-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾ[a]シクロヘプテン-6-イル、2,5-ジオキソ-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロインデノ[5,6-d]イミダゾール-6-イル、2,5-ジオキソ-2,3,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-6-イル、2,5-ジオキソ-1,2,3,5,6,7,8,9-オクタヒドロシクロヘプタ[f]ベンゾイミダゾール-6-イル、2,8-ジオキソ-2,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[g]キナゾリン-7-イル、2,9-ジオキソ-1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロベンゾ[g]キナゾリン-8-イル、2,10-ジオキソ-2,3,4,6,7,8,9,10-オクタヒドロ-1H-シクロヘプタ[g]キナゾリン-9-イル、2,2-ジオキシド-5-オキソ-3,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インデノ[5,6-c][1,2,5]チアジアゾール-6-イル、2,2-ジオキシド-5-オキソ-1,3,5,6,7,8-ヘキサヒドロナフト[2,3-c][1,2,5]チアジアゾール-6-イル、2,2-ジオキシド-5-オキソ-3,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-シクロヘプタ[f][2,1,3]ベンゾチアジアゾール-6-イル、2,2-ジオキシド-8-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロインデノ[5,6-c][1,2,6]チアジアジン-7-イル、2,2-ジオキシド-9-オキソ-3,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ナフト[2,3-c][1,2,6]チアジアジン-8-イル、および2,2-ジオキシド-10-オキソ-1,3,4,6,7,8,9,10-オクタヒドロシクロヘプタ[g][2,1,3]ベンゾチアジアジン-9-イルなどが挙げられる。好ましくは、式
Figure 2005035996

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される環等が挙げられる。
で示される「置換基を有していてもよいアミノ基」としては、例えば式
Figure 2005035996


〔式中、R11は水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、L2aは置換基を有していてもよいC1-4アルキレン基を示し、Xは結合手、酸素原子又は窒素原子を示し、Arは置換基を有していてもよい芳香環基を示すか、またはAr3とR11、もしくはAr3とL2aとが互いに結合して環を形成していてもよい。〕で表される基等が挙げられる。
11で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」としては、R7で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
11で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」としては、R7で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが挙げられ、その置換基数は1ないし3個である。
2aで示される「置換基を有していてもよいC1-4アルキレン基」としては、Lで示される「置換基を有していてもよい主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」において例示した、「C1-10アルキレン基」のうち、炭素鎖数1ないし4のものが挙げられる。
2aで示される「置換基を有していてもよいC1-4アルキレン基」における「置換基」としては、Lで示される「置換基を有していてもよい主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」における「置換基」と同様のものが挙げられる。
Xで示される「結合手、酸素原子又はNR1a(R1aは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、アシル基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す。)」におけるR1aで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」、「アシル基」、「置換基を有していてもよい複素環基」としては、R7におけるそれらと同様のものが挙げられる。
Ar3で示される「置換基を有していてもよい芳香環基」の「芳香環基」としては、Arで示される「縮合していてもよい5または6員芳香環基」と同様のものが挙げられる。Ar3で示される「置換基を有していてもよい芳香環基」の「置換基」としては、Arで示される「縮合していてもよい5または6員芳香環基を示し、該芳香環基は置換基を有していてもよく」の「置換基」と同様のものが挙げられ、その置換基数は1ないし5個である。
Ar3とR11とが互いに結合して形成する環としては、例えば、式
Figure 2005035996

〔式中、p及びqはそれぞれ1ないし3の整数を示し、H環はハロゲン、ヒドロキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルおよびハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシから選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。〕で表される環等が挙げられる。
Ar3とL2aとが互いに結合して形成する環としては、例えば、式
Figure 2005035996

〔式中、rは0ないし2の整数を、sは1ないし3の整数を、かつr+sが2ないし5の整数を示し、H環は前記と同意義を示す。〕で表される環等が挙げられる。
で示される「置換基を有していてもよい含窒素飽和複素環基」の「含窒素飽和複素環基」としては、炭素原子及び1個の窒素原子以外に、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含有していてもよい5ないし9員(好ましくは5ないし7員)含窒素飽和複素環基等が挙げられる。具体的には、式
Figure 2005035996

で表される基等が挙げられる。このうち、好ましくは6員環基である。
更に好ましくは、式
Figure 2005035996

で表される基である。
該「置換基を有していてもよい含窒素飽和複素環基」の「置換基」としては、上記B環で示される「置換基を有していてもよい複素環」の「置換基」と同様のものが挙げられ、その置換基数は1ないし5個である。また、該「置換基を有していてもよい含窒素飽和複素環基」の「含窒素飽和複素環基」の窒素は、式
Figure 2005035996


〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基と同様のものを有していてもよい。
として、好ましくは、式
Figure 2005035996
または
Figure 2005035996


〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基等である。
11としては、 (i)水素原子、(ii)ハロゲン原子(好ましくはフルオロ等)及びヒドロキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1-4アルキル基、又は(iii)C7-16アラルキル(ベンジル等)等が好ましく、水素原子又はC1-4アルキル基がより好ましい。
2aとしては、ハロゲン原子、ヒドロキシ、オキソ、フェニル等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC2−4アルキレン基(例えば、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−CHFCH2−、−CHF(CH2)2−、−CHF(CH2)3−、−CF2CH2−、−CF2(CH2)2−、−CF2(CH2)3−、−(CH3)CHCH2−、−(CH3)CH(CH2)2−、−(CH(CH3))2−、−CH2CH(OH)−、−CH2CO−、−(Ph)CHCH2−等)が好ましく、ヒドロキシ、オキソ又はフェニルを有していてもよいC2−3アルキレン基(例えば、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH3)CHCH2−、−(Ph)CHCH2−、−CH2CH(OH)−、−CH2CO−等)等がより好ましく、エチレン基が最も好ましい。
Xとしては、結合手、酸素原子又はNHが好ましく、結合手がより好ましい。
Arとして好ましくは、(1)それぞれ、ハロゲン(フルオロ、クロロ等)、C1-6アルキル(メチル、エチル等)、ハロゲノC1-6アルキル(トリフルオロメチル等)、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ(メトキシ、エトキシ等)、ハロゲノC1-6アルコキシ(トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ等)、ニトロ、アミノ、シアノ、カルバモイル、C1-6アルキルで置換されていてもよいカルバモイル又はホルミルで置換されていてもよいアミノ(NHCHO、NHCONH2、NHCONHMe等)、C1-3アルキレンジオキシ(メチレンジオキシ等)、C1-6アルキルで置換されていてもよいアミノカルボニルオキシ基(アミノカルボニルオキシ、メチルアミノカルボニルオキシ、エチルアミノカルボニルオキシ、ジメチルアミノカルボニルオキシ、ジエチルアミノカルボニルオキシ等)、5ないし7員環状アミノ−カルボニルオキシ( (1-ピロリジニル) カルボニルオキシ、ピペリジノカルボニルオキシ等)、アミノスルホニル、モノ−C1-6アルキルアミノスルホニル及びジ−C1-6アルキルアミノスルホニル等から選ばれる1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい、(i)C6-10アリール基(フェニル等)または(ii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基(ベンゼン環が縮合していてもよい)(例えば、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シンノリニル、アクリジニル等)、(2)ArとR11とが互いに結合して、式
Figure 2005035996

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される環を形成する場合、または(3)ArとL2aとが互いに結合して、式
Figure 2005035996

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される環を形成する場合等が挙げられる。
Arとして、より好ましくは、それぞれハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシおよびアミノスルホニルから選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい、(i)C6−10アリール基(フェニル等)または(ii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基(ベンゼン環が縮合していてもよい)(チエニル、インドリル等)等が挙げられる。
として、更に好ましくは、式
Figure 2005035996


〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基等である。
化合物(II)として、好ましくは、Arが式
Figure 2005035996
〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される基(A環は好ましくはアミノスルホニル、モノ−又はジ−C1−6アルキルアミノスルホニル、カルバモイルおよびモノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイルから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいベンゼン環で、A'環は好ましくはアミノスルホニル、モノ−又はジ−C1−6アルキルアミノスルホニル、C1−6アルキル−カルボニルアミノおよびC1−6アルキルスルホニルアミノから選ばれる1または2個の置換基を有し、さらに1ないし4個の置換基(例えば、C1−6アルコキシ等)を有していてもよいベンゼン環で、Ba環、C''環及びD''環は好ましくはそれぞれC1−6アルキル、C1−6アルキル−カルボニルアミノ及びC1−6アルキルスルホニルアミノから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよく、R7及びR7’は好ましくはそれぞれ(1)水素原子、(2)それぞれヒドロキシおよびC1−6アルコキシ−カルボニルから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基またはC7−16アラルキル基(ベンジル等)または(3)式−(C=O)−R8’、 −(C=O)−NR8’9’または−SO8’〔式中、R8’及びR9’はそれぞれ水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルまたはC6−10アリールを示す。〕で表される基);
Lが(1)ハロゲン原子、ヒドロキシ、オキソ、フェニル等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC2−6アルキレン基(例えば、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、−CHFCH2−、−CHF(CH2)2−、−CHF(CH2)3−、−CHF(CH2)4−、−CF2CH2−、−CF2(CH2)2−、−CF2(CH2)3−、−CF2(CH2)4−、−(CH2)3CH(CH3)−、−(CH2)4CH(CH3)−、−(CH2)3CH(CF3)−、−(CH2)4CH(CF3)−、−(CH3)CHCH2−、−(CH3)CH(CH2)2−、−(CH(CH3))2−、−CH2CH(OH)−、−CH2CO−、−(Ph)CHCH2−など)、または(2)C3−7シクロアルキレンまたはC3−7シクロアルキレンとC1−4アルキレンとの組み合わせ(例えば、
Figure 2005035996

など);
が式
Figure 2005035996

または
Figure 2005035996


〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基で、
11が (i)水素原子、(ii)ハロゲン原子(好ましくはフルオロ等)及びヒドロキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1-4アルキル基、又は(iii)C7-16アラルキル(ベンジル等)等;
2aがハロゲン原子、ヒドロキシ、オキソ、フェニル等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC2−4アルキレン基(例えば、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−CHFCH2−、−CHF(CH2)2−、−CHF(CH2)3−、−CF2CH2−、−CF2(CH2)2−、−CF2(CH2)3−、−(CH3)CHCH2−、−(CH3)CH(CH2)2−、−(CH(CH3))2−、−CH2CH(OH)−、−CH2CO−、−(Ph)CHCH2−等);
Xが結合手、酸素原子又はNH;
Arが(1)それぞれ、ハロゲン(フルオロ、クロロ等)、C1-6アルキル(メチル、エチル等)、ハロゲノC1-6アルキル(トリフルオロメチル等)、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ(メトキシ、エトキシ等)、ハロゲノC1-6アルコキシ(トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ等)、ニトロ、アミノ、シアノ、カルバモイル、C1-6アルキルで置換されていてもよいカルバモイル又はホルミルで置換されていてもよいアミノ(NHCHO、NHCONH2、NHCONHMe等)、C1-3アルキレンジオキシ(メチレンジオキシ等)、C1-6アルキルで置換されていてもよいアミノカルボニルオキシ基(アミノカルボニルオキシ、メチルアミノカルボニルオキシ、エチルアミノカルボニルオキシ、ジメチルアミノカルボニルオキシ、ジエチルアミノカルボニルオキシ等)、5ないし7員環状アミノ−カルボニルオキシ( (1-ピロリジニル) カルボニルオキシ、ピペリジノカルボニルオキシ等)、アミノスルホニル、モノ−C1-6アルキルアミノスルホニル及びジ−C1-6アルキルアミノスルホニル等から選ばれる1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい、(i)C6-10アリール基(フェニル等)または(ii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基(ベンゼン環が縮合していてもよい)(例えば、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シンノリニル、アクリジニル等)、(2)ArとR11とが互いに結合して、式
Figure 2005035996

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される環を形成する場合、または(3)ArとL2aとが互いに結合して、式
Figure 2005035996

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される環を形成する場合
である化合物等が挙げられる。
また、化合物(II)のうち、式
Figure 2005035996


〔式中、Arは置換基を有していてもよい二環ないし四環式縮合ベンゼン環基を示し、L1は置換基を有していてもよいC4-6アルキレン基を示し、その他の各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物(以下、化合物(IIa)と略記することもある)又はその塩は新規化合物である。
Arで示される「置換基を有していてもよい二環ないし四環式縮合ベンゼン環基」の「二環ないし四環式縮合ベンゼン環基」としては、Arで示される「縮合していてもよい5または6員芳香環基」の「5または6員芳香環基」が「フェニル基」の場合、該「フェニル基」が縮合する例として挙げた縮合ベンゼン環基と同様のものが挙げられる。
Arで示される「置換基を有していてもよい二環ないし四環式縮合ベンゼン環基」の「置換基」としては、Arで示される「縮合していてもよい5または6員芳香環基を示し、該芳香環基は置換基を有していてもよく」の「置換基」として挙げた置換基と同様のものが挙げられる。
Arとして、好ましくは、式
Figure 2005035996
〔式中の各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基等が挙げられる。
Arとして、より好ましくは、例えば式
Figure 2005035996
〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される基等が挙げられる。
ここで、A環としては、(i)ハロゲン(フルオロ等)、(ii)C1-6アルコキシ(メトキシ等)、(iii)ハロゲノC1-6アルコキシ(トリフルオロメトキシ等)、(iv)アミノ、(v)(モノ又はジ)C1-6アルキルアミノ(メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、(vi)1-ピロリジニル、(vii)ピペリジノ、(viii)1-ピペラジニル、(ix)N−メチル-1-ピペラジニル、(x)N−アセチル-1-ピペラジニル、(xi)モルホリノ、(xii)ヘキサメチレンイミノ、(xiii)イミダゾリル、(xiv)C1-6アルキル(メチル等)でエステル化されていてもよいカルボキシで置換されていてもよいC1-6アルキル(プロピル等)、(xv)低級アルキル−カルボニルアミノ(アセチルアミノ等)、(xvi)低級アルキルスルホニルアミノ(メチルスルホニルアミノ等),(xvii)アミノスルホニル、(xviii)(モノ又はジ)C1-6アルキルアミノスルホニル、(xix)5ないし7員環状アミノ−スルホニル( (1-ピロリジニル) スルホニル、ピペリジノスルホニル、(1-ピペラジニル) スルホニル、モルホリノスルホニル等)(xx)カルバモイル、(xxi) (モノ又はジ)C1-6アルキルカルバモイル、(xxi)5ないし7員環状アミノ−カルボニル( (1-ピロリジニル) カルボニル、ピペリジノカルボニル、(1-ピペラジニル) カルボニル、モルホリノカルボニル等)、(xxii)シアノ等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいベンゼン環が好ましい。より好ましくはA環がアミノスルホニル、モノ−又はジ−C1−6アルキルアミノスルホニル、カルバモイルおよびモノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイルから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいベンゼン環である。
また、Ba環、C''環及びD''環はそれぞれC1−6アルキル、C1−6アルキル−カルボニルアミノ及びC1−6アルキルスルホニルアミノから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよく、R7及びR7’はそれぞれ(1)水素原子、(2)それぞれヒドロキシおよびC1−6アルコキシ−カルボニルから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基またはC7−16アラルキル基または(3)式−(C=O)−R8’、 −(C=O)−NR8’9’もしくは−SO8’〔式中、R8’及びR9’はそれぞれ水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルまたはC6−10アリールを示す。〕で表される基であるものが好ましい。
1で示される「置換基を有していてもよいC4-6アルキレン基」としては、Lで示される「置換基を有していてもよい主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」において例示した、「C1-10アルキレン基」のうち、炭素鎖数4ないし6のものが挙げられる。
1で示される「置換基を有していてもよいC4-6アルキレン基」における「置換基」としては、Lで示される「置換基を有していてもよい主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」における「置換基」と同様のものが挙げられる。好ましくは、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ヒドロキシなどから選ばれる1ないし4個の置換基が挙げられる。
1として好ましくは、例えば、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、−CHF(CH2)3−、−CHF(CH2)4−、−CF2(CH2)3−、−CF2(CH2)4−、−(CH2)3CH(CH3)−、−(CH2)4CH(CH3)−、−(CH2)3CH(CF3)−、−(CH2)4CH(CF3)−などが挙げられる。
化合物(IIa)として、好ましくは、Arが式
Figure 2005035996
〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される基(より好ましくは、
Figure 2005035996
〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される基)(A環は好ましくはアミノスルホニル、モノ−又はジ−C1−6アルキルアミノスルホニル、カルバモイルおよびモノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイルから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいベンゼン環で、Ba環、C''環及びD''環は好ましくはそれぞれC1−6アルキル、C1−6アルキル−カルボニルアミノ及びC1−6アルキルスルホニルアミノから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよく、R及びR1’は好ましくはそれぞれ(1)水素原子、(2)それぞれヒドロキシおよびC1−6アルコキシ−カルボニルから選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基またはC7−16アラルキル基(ベンジル等)または(3)式−(C=O)−R8’、 −(C=O)−NR8’9’または−SO8’〔式中、R8’及びR9’はそれぞれ水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルまたはC6−10アリールを示す。〕で表される基);
1が−(CH2)4−、−(CH2)5−、−CHF(CH2)3−、−CHF(CH2)4−、−CF2(CH2)3−、−CF2(CH2)4−、−(CH2)3CH(CH3)−、−(CH2)4CH(CH3)−等の1または2個のハロゲン原子を有していてもよいC4−5アルキレン基(好ましくは無置換C4−5アルキレン基);
11が (i)水素原子、(ii)ハロゲン原子(好ましくはフルオロ等)及びヒドロキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1-4アルキル基、又は(iii)C7-16アラルキル(ベンジル等)等(より好ましくは水素原子またはC1-4アルキル基);
2がハロゲン原子、ヒドロキシ、オキソ、フェニル等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC2−4アルキレン基(例えば、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−CHFCH2−、−CHF(CH2)2−、−CHF(CH2)3−、−CF2CH2−、−CF2(CH2)2−、−CF2(CH2)3−、−(CH3)CHCH2−、−(CH3)CH(CH2)2−、−(CH(CH3))2−、−CH2CH(OH)−、−CH2CO−、−(Ph)CHCH2−等)(より好ましくはヒドロキシ、オキソまたはフェニルを有していてもよいC2−3アルキレン基);
Xが結合手、酸素原子又はNH(より好ましくは結合手);
Ar3が(1)それぞれ、ハロゲン(フルオロ、クロロ等)、C1-6アルキル(メチル、エチル等)、ハロゲノC1-6アルキル(トリフルオロメチル等)、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ(メトキシ、エトキシ等)、ハロゲノC1-6アルコキシ(トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ等)、ニトロ、アミノ、シアノ、カルバモイル、C1-6アルキルで置換されていてもよいカルバモイル又はホルミルで置換されていてもよいアミノ(NHCHO、NHCONH2、NHCONHMe等)、C1-3アルキレンジオキシ(メチレンジオキシ等)、C1-6アルキルで置換されていてもよいアミノカルボニルオキシ基(アミノカルボニルオキシ、メチルアミノカルボニルオキシ、エチルアミノカルボニルオキシ、ジメチルアミノカルボニルオキシ、ジエチルアミノカルボニルオキシ等)、5ないし7員環状アミノ−カルボニルオキシ( (1-ピロリジニル) カルボニルオキシ、ピペリジノカルボニルオキシ等)、アミノスルホニル、モノ−C1-6アルキルアミノスルホニル及びジ−C1-6アルキルアミノスルホニル等から選ばれる1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい、(i)C6-10アリール基(フェニル等)または(ii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基(ベンゼン環が縮合していてもよい)(例えば、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シンノリニル、アクリジニル等)、(2)ArとR11とが互いに結合して、式
Figure 2005035996

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される環を形成する場合、または(3)ArとL2とが互いに結合して、式
Figure 2005035996

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される環を形成する場合(Arはより好ましくは、それぞれハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシおよびアミノスルホニルから選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい、(i)C6−10アリール基(フェニル等)または(ii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基(ベンゼン環が縮合していてもよい)(チエニル、インドリル等)等である。)
である化合物等が挙げられる。
また、化合物(II)のうち、式
Figure 2005035996


〔式中、Ar5はそれぞれ置換基を有していてもよいベンズイミダゾール環基、キナゾリン環基、1,4-ベンズオキサジン環基または三環ないし四環式縮合ベンゼン環基を示し、L3は置換基を有していてもよいC2-4アルキレン基を示し、その他の各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物(以下、化合物(IIb)と略記することもある)又はその塩は新規化合物である。
Ar5で示される「置換基を有していてもよい三環ないし四環式縮合ベンゼン環基」の「三環ないし四環式縮合ベンゼン環基」としては、Arで示される「縮合していてもよい5または6員芳香環基」の「5または6員芳香環基」が「フェニル基」の場合、該「フェニル基」が縮合する例として挙げた縮合ベンゼン環基と同様のものが挙げられる。
Ar5で示される「それぞれ置換基を有していてもよいベンズイミダゾール環基、キナゾリン環基、1,4-ベンズオキサジン環基または三環ないし四環式縮合ベンゼン環基」の「置換基」としては、Ar2で示される「縮合していてもよい5または6員芳香環基を示し、該芳香環基は置換基を有していてもよく」の「置換基」として挙げた置換基と同様のものが挙げられる。
3で示される「置換基を有していてもよいC2-4アルキレン基」としては、Lで示される「置換基を有していてもよい主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」において例示した、「C1-10アルキレン基」のうち、炭素鎖数2ないし4のものが挙げられる。
3で示される「置換基を有していてもよいC2-4アルキレン基」における「置換基」としては、Lで示される「置換基を有していてもよい主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」における「置換基」と同様のものが挙げられる。好ましくは、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ヒドロキシなどから選ばれる1ないし4個の置換基が挙げられる。
3として好ましくは、例えば、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−CHFCH2−、−CHF(CH2)2−、−CF2CH2−、−CF2(CH2)2−などの1または2個のハロゲン原子を有していてもよいC2−4アルキレン基などが挙げられる。
化合物(IIb)として、好ましくは、Ar5が式
Figure 2005035996
〔式中の各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基(このうち、A環は無置換で、C’環及びD’環は式中のオキソ基以外に置換基を有さない場合がそれぞれ好ましい);
3が−(CH2)2−、−(CH2)3−、−CHFCH2−、−CHF(CH2)2−、−CF2CH2−、−CF2(CH2)2−等の1または2個のハロゲン原子を有していてもよいC2−3アルキレン基(より好ましくはエチレン基);
2が−(CH2)2−、−(CH2)3−、−CF2CH2−、−CF2(CH2)2−、−(CH3)CHCH2−、又は−(CH3)CH(CH2)2−、−CH2CH(OH)−、−CH2CO−、−(Ph)CHCH2−等のハロゲン原子、ヒドロキシ、オキソ、フェニル等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC2−4アルキレン基(より好ましくはヒドロキシ、オキソまたはフェニルを有していてもよいC2−3アルキレン基);
Xが結合手、酸素原子又はNH(より好ましくは結合手又は酸素原子);
Arが(1)それぞれ、ハロゲン(フルオロ、クロロ等)、C1-6アルキル(メチル、エチル等)、ハロゲノC1-6アルキル(トリフルオロメチル等)、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ(メトキシ、エトキシ等)、ハロゲノC1-6アルコキシ(トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ等)、ニトロ、アミノ、シアノ、カルバモイル、C1-6アルキルで置換されていてもよいカルバモイル又はホルミルで置換されていてもよいアミノ(NHCHO、NHCONH2、NHCONHMe等)、C1-3アルキレンジオキシ(メチレンジオキシ等)、C1-6アルキルで置換されていてもよいアミノカルボニルオキシ基(アミノカルボニルオキシ、メチルアミノカルボニルオキシ、エチルアミノカルボニルオキシ、ジメチルアミノカルボニルオキシ、ジエチルアミノカルボニルオキシ等)、5ないし7員環状アミノ−カルボニルオキシ( (1-ピロリジニル) カルボニルオキシ、ピペリジノカルボニルオキシ等)、アミノスルホニル、モノ−C1-6アルキルアミノスルホニル及びジ−C1-6アルキルアミノスルホニル等から選ばれる1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい、(i)C6-10アリール基(フェニル等)または(ii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基(ベンゼン環が縮合していてもよい)(例えば、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シンノリニル、アクリジニル等)(より好ましくは、それぞれハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシおよびアミノスルホニルから選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい、(i)C6−10アリール基(フェニル等)または(ii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基(ベンゼン環が縮合していてもよい)(チエニル、インドリル等)等である。)、または(2)ArとLとが互いに結合して、式
Figure 2005035996

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される環を形成する場合である化合物等が挙げられる。
また、化合物(II)のうち、式
Figure 2005035996


〔式中、Arはアミノスルホニル、モノ−又はジ−C1−6アルキルアミノスルホニル、C1−6アルキル−カルボニルアミノおよびC1−6アルキルスルホニルアミノから選ばれる1または2個の置換基を有し、さらに1ないし4個の置換基を有していてもよいベンゼン環基を示し、その他の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物(以下、化合物(IIc)と略記することもある)又はその塩は新規化合物である。
Arで示される「さらに1ないし4個の置換基を有していてもよいベンゼン環基」の「置換基」としては、Arで示される「縮合していてもよい5または6員芳香環基を示し、該芳香環基は置換基を有していてもよく」の「置換基」として挙げた置換基と同様のもの(但し、アミノスルホニル、モノ−又はジ−C1−6アルキルアミノスルホニル、C1−6アルキル−カルボニルアミノおよびC1−6アルキルスルホニルアミノを除く)が挙げられる。
化合物(IIc)として、好ましくは、Arがアミノスルホニル、モノ−又はジ−C1−6アルキルアミノスルホニル、C1−6アルキル−カルボニルアミノおよびC1−6アルキルスルホニルアミノから選ばれる1または2個(より好ましくは1個)の置換基を有し、さらに1または2個(より好ましくは1個)のC1−4アルコキシを有していてもよいベンゼン環基;
が−(CH2)4−、−(CH2)5−、−CHF(CH2)3−、−CHF(CH2)4−、−CF2(CH2)3−、−CF2(CH2)4−、−(CH2)3CH(CH3)−、−(CH2)4CH(CH3)−等の1または2個のハロゲン原子を有していてもよいC4−5アルキレン基(好ましくは無置換C4−5アルキレン基);
11が (i)水素原子、(ii)ハロゲン原子(好ましくはフルオロ等)及びヒドロキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1-4アルキル基、又は(iii)C7-16アラルキル(ベンジル等)等(より好ましくは水素原子またはC1-4アルキル基);
2がハロゲン原子、ヒドロキシ、オキソ、フェニル等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC2−4アルキレン基(例えば、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−CHFCH2−、−CHF(CH2)2−、−CHF(CH2)3−、−CF2CH2−、−CF2(CH2)2−、−CF2(CH2)3−、−(CH3)CHCH2−、−(CH3)CH(CH2)2−、−(CH(CH3))2−、−CH2CH(OH)−、−CH2CO−、−(Ph)CHCH2−等)(より好ましくはヒドロキシまたはオキソを有していてもよいC2−3アルキレン基);
Xが結合手、酸素原子又はNH(より好ましくは結合手);
Arが(1)それぞれ、ハロゲン(フルオロ、クロロ等)、C1-6アルキル(メチル、エチル等)、ハロゲノC1-6アルキル(トリフルオロメチル等)、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ(メトキシ、エトキシ等)、ハロゲノC1-6アルコキシ(トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ等)、ニトロ、アミノ、シアノ、カルバモイル、C1-6アルキルで置換されていてもよいカルバモイル又はホルミルで置換されていてもよいアミノ(NHCHO、NHCONH2、NHCONHMe等)、C1-3アルキレンジオキシ(メチレンジオキシ等)、C1-6アルキルで置換されていてもよいアミノカルボニルオキシ基(アミノカルボニルオキシ、メチルアミノカルボニルオキシ、エチルアミノカルボニルオキシ、ジメチルアミノカルボニルオキシ、ジエチルアミノカルボニルオキシ等)、5ないし7員環状アミノ−カルボニルオキシ( (1-ピロリジニル) カルボニルオキシ、ピペリジノカルボニルオキシ等)、アミノスルホニル、モノ−C1-6アルキルアミノスルホニル及びジ−C1-6アルキルアミノスルホニル等から選ばれる1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい、(i)C6-10アリール基(フェニル等)または(ii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基(ベンゼン環が縮合していてもよい)(例えば、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シンノリニル、アクリジニル等)、(2)ArとR11とが互いに結合して、式
Figure 2005035996

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される環を形成する場合、または(3)ArとL2とが互いに結合して、式
Figure 2005035996

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される環を形成する場合(Arはより好ましくは、それぞれハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシおよびアミノスルホニルから選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい、(i)C6−10アリール基(フェニル等)または(ii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基(ベンゼン環が縮合していてもよい)(チエニル、インドリル等)等である。)
である化合物等が挙げられる。
また、化合物(II)のうち、式
Figure 2005035996


〔式中、nは1または2の整数を示し、Lは置換基を有していてもよいC3−5アルキレン基を示し、その他の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物(以下、化合物(IId)と略記することもある)又はその塩は新規化合物である。
で示される「置換基を有していてもよいC3−5アルキレン基」としては、Lで示される「置換基を有していてもよい主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」において例示した、「C1-10アルキレン基」のうち、炭素鎖数3ないし5のものが挙げられる。
で示される「置換基を有していてもよいC3−5アルキレン基」における「置換基」としては、Lで示される「置換基を有していてもよい主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」における「置換基」と同様のものが挙げられる。好ましくは、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ヒドロキシなどから選ばれる1ないし4個の置換基が挙げられる。
化合物(IId)として、好ましくは、R7及びR7'が水素原子またはハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(メチル、エチル、トリフルオロメチル等);
4が−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−CHF(CH2)2−、−CHF(CH2)3−、−CF2(CH2)2−、−CF2(CH2)3−、−(CH2)2CH(CH3)−、−(CH2)3CH(CH3)−等の1または2個のハロゲン原子を有していてもよいC3−5アルキレン基(より好ましくはC3−4アルキレン基);
11が (i)水素原子、(ii)ハロゲン原子(好ましくはフルオロ等)及びヒドロキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1-4アルキル基、又は(iii)C7-16アラルキル(ベンジル等)等(より好ましくは水素原子またはC1-4アルキル基);
2がハロゲン原子、ヒドロキシ、オキソ、フェニル等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC2−4アルキレン基(例えば、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−CHFCH2−、−CHF(CH2)2−、−CHF(CH2)3−、−CF2CH2−、−CF2(CH2)2−、−CF2(CH2)3−、−(CH3)CHCH2−、−(CH3)CH(CH2)2−、−(CH(CH3))2−、−CH2CH(OH)−、−CH2CO−、−(Ph)CHCH2−等)(より好ましくはヒドロキシまたはオキソを有していてもよいC2−3アルキレン基);
Xが結合手、酸素原子又はNH(より好ましくは結合手);
Arが(1)それぞれ、ハロゲン(フルオロ、クロロ等)、C1-6アルキル(メチル、エチル等)、ハロゲノC1-6アルキル(トリフルオロメチル等)、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ(メトキシ、エトキシ等)、ハロゲノC1-6アルコキシ(トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ等)、ニトロ、アミノ、シアノ、カルバモイル、C1-6アルキルで置換されていてもよいカルバモイル又はホルミルで置換されていてもよいアミノ(NHCHO、NHCONH2、NHCONHMe等)、C1-3アルキレンジオキシ(メチレンジオキシ等)、C1-6アルキルで置換されていてもよいアミノカルボニルオキシ基(アミノカルボニルオキシ、メチルアミノカルボニルオキシ、エチルアミノカルボニルオキシ、ジメチルアミノカルボニルオキシ、ジエチルアミノカルボニルオキシ等)、5ないし7員環状アミノ−カルボニルオキシ( (1-ピロリジニル) カルボニルオキシ、ピペリジノカルボニルオキシ等)、アミノスルホニル、モノ−C1-6アルキルアミノスルホニル及びジ−C1-6アルキルアミノスルホニル等から選ばれる1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい、(i)C6-10アリール基(フェニル等)または(ii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基(ベンゼン環が縮合していてもよい)(例えば、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シンノリニル、アクリジニル等)、(2)ArとR11とが互いに結合して、式
Figure 2005035996

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される環を形成する場合、または(3)ArとL2とが互いに結合して、式
Figure 2005035996

〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される環を形成する場合(Ar3はより好ましくは、それぞれハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシおよびアミノスルホニルから選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい、(i)C6−10アリール基(フェニル等)または(ii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基(ベンゼン環が縮合していてもよい)(チエニル、インドリル等)等である。)
である化合物等が挙げられる。
化合物(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)または(IId)としては、具体的にはWO03/57254号公報に記載の参考例1〜242、実施例1〜414の化合物などが用いられる。
化合物(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)又は(IId)(以下、化合物Bとする。)が塩である場合、このような塩としては、例えば、無機塩基との塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
これらの塩のなかでも、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物Bは、酸性官能基を有する場合、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩など)などの無機塩、アンモニウム塩などであってもよい。また、化合物Bは、塩基性官能基を有する場合、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩などの無機塩;または酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などの有機塩であってもよい。
化合物Bは、無水物、水和物のいずれであってもよい。水和物の場合、0.1ないし5個の水分子を有していてもよい。
さらに、化合物Bは、同位元素(例、3H、14C、35Sなど)で標識されていてもよい。
化合物Bが、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体を含有する場合には、これらも本発明化合物として含有されるとともに、自体公知の合成手法、分離手法によりそれぞれを単品として得ることができる。例えば、化合物Bに光学異性体が存在する場合には、該化合物から分割された光学異性体も化合物Bに包含される。
該光学異性体は、自体公知の方法により製造することができる。具体的には、光学活性な合成化合物を用いる、または、最終物のラセミ体の混合物を常法に従って光学分割することにより光学異性体を得る。
光学分割法としては、自体公知の方法、例えば、以下に詳述する分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法等が用いられる。
1)分別再結晶法
ラセミ体と光学活性な化合物(例えば、(+)−マンデル酸、(−)−マンデル酸、(+)−酒石酸、(−)−酒石酸、(+)−1−フェネチルアミン、(−)−1−フェネチルアミン、シンコニン、(−)−シンコニジン、ブルシンなど)と塩を形成させ、これを分別再結晶法によって分離し、所望により、中和工程を経てフリーの光学異性体を得る方法。
2)キラルカラム法
ラセミ体またはその塩を光学異性体分離用カラム(キラルカラム)にかけて分離する方法。例えば液体クロマトグラフィーの場合、ENANTIO−OVM(トーソー社製)あるいは、ダイセル社製 CHIRALシリーズなどのキラルカラムに光学異性体の混合物を添加し、水、種々の緩衝液(例えば、リン酸緩衝液)、有機溶媒(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸、ジエチルアミンなど)を単独あるいは混合した溶液として展開させることにより、光学異性体を分離する。また、例えば、ガスクロマトグラフィーの場合、CP−Chirasil−DeXCB(ジーエルサイエンス社製)などのキラルカラムを使用して分離する。
3)ジアステレオマー法
ラセミ体の混合物を光学活性な試薬と化学反応によってジアステレオマーの混合物とし、これを通常の分離手段(例えば、分別再結晶、クロマトグラフィー法等)などを経て単一物質とした後、加水分解反応などの化学的な処理により光学活性な試薬部位を切り離すことにより光学異性体を得る方法。例えば、化合物Bが分子内にヒドロキシまたは1,2級アミノを有する場合、該化合物と光学活性な有機酸(例えば、MTPA〔α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸〕、(−)−メントキシ酢酸等)などとを縮合反応に付すことにより、それぞれエステル体またはアミド体のジアステレオマーを得ることができる。一方、化合物Bがカルボン酸基を有する場合、該化合物と光学活性アミンまたはアルコール試薬とを縮合反応に付すことにより、それぞれアミド体またはエステル体のジアステレオマーが得られる。分離されたジアステレオマーは、酸加水分解あるいは塩基性加水分解反応に付すことにより、元の化合物の光学異性体に変換される。
化合物Bのプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物Bに変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物Bに変化する化合物、胃酸等により加水分解などを起こして化合物Bに変化する化合物をいう。化合物Bのプロドラッグとしては、化合物Bのアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物[例、化合物Bのアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など];化合物Bの水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例、化合物Bの水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);化合物Bのカルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物[例、化合物Bのカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など]などが挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物Bから製造することができる。
また、化合物Bのプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物Bに変化するものであってもよい。
式(I)の化合物またはその塩は自体公知の方法またはそれに準じた方法によって製造することができる。具体的には、上記式中、
(1)Arで示される「縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい」が縮合環を形成しない場合、特開平3−173867号(EP−A−0378207号)、特開昭64−79151号(EP−A−0296560号)記載の方法等、
(2)Arで示される「縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい」が置換基を有していてもよい単環式複素環と縮合する場合、特開平5−140149号(EP−A−0487071号)、特開平6−166676号(EP−A−0560235号)、特開平6−206875号(EP−A−0567090号)、特開平2−169569号(USP 4,895,841号)記載の方法等、
(3)Arで示される「縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい」が置換基を有していてもよい2環式複素環と縮合する場合、あるいは2つの同一または異なった単環(但し、少なくとも一方の環が単環式複素環である)と縮合する場合、特開平7−206854号(EP−A−0607864号)記載の方法等、および
(4)Arで示される「縮合していてもよいフェニル基で、該フェニル基は置換基を有していてもよい」が置換基を有していてもよい3環式複素環と縮合する場合、特開平7−309835(EP−A−0655451号)記載の方法等に準じて目的物を製造すればよい。
2)式
Figure 2005035996

〔式中、C=Zaaを含む側鎖、R2aaあるいはR3aaのうちひとつは、環Baaの*で示した炭素原子に結合し、環Aaaはベンゾ,チエノ,ピリド,ピラジノ,ピリミド,フラノ,セレノ,ピロロ,チアゾロあるいはイミダゾロを示し、R1aaはフェニル,フェニル−C1−6アルキル,シンナミルまたはヘテロアリールメチル(ここでヘテロアリール基としては、イミダゾロ,チアゾロ,チエノ,ピリドまたはイソオキサゾロを示す)を示し、フェニルおよびヘテロアリール基はC1−6アルキル,C1−6アルコキシおよびハロゲンから選ばれる置換基を1〜2個有していてもよい。R2aaおよびR3aaは、それぞれ独立して、水素原子,C1−6アルコキシ、1〜3個のフッ素で置換されていても良いC1−6アルキル基、ベンジルオキシ,ヒドロキシ,フェニル,ベンジル,ハロゲン,ニトロ,シアノ,COOR4aa,CONHR4aa,NR4aa5aa,NR4aaCOR5aaまたはSOpaaCH2Ph(ここでpaaは0,1または2を示す)を示すか、R2aaとR3aaは隣接する炭素原子と共に5ないし6員環(環の構成原子は、炭素,窒素,酸素)、例えばメチレンジオキシ,エチレンジオキシあるいはラクタム環を形成してもよい。また、R4aaおよびR5aaはそれぞれ独立して、水素原子またはC1−6アルキル基を示すか、NR4aa5aaのR4aaおよびR5aaは隣接する窒素原子と共に窒素原子を少なくとも1個含む4ないし8員環(環の他の構成原子は炭素,酸素または窒素である。)を形成してもよい。またNR4aaCOR5aaのR4aaおよびR5aaは隣接する窒素原子および炭素原子と共に4ないし8員ラクタム環を形成してもよい。Xaaは窒素あるいはCHを、Yaaは酸素,イオウあるいはNR6aaを示す。R6aaは水素原子,C1−6アルキル,CO-C1−6アルキルあるいはSO2−フェニル(ここで、フェニル基はC1−4アルキルから独立して選ばれる1ないし5個の置換基を有していてもよい)を示す。naaは1ないし4の整数を、それぞれのqaaは独立して1ないし2を、Zaaは酸素あるいはイオウを示す。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、1−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−3−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]−1−プロパノン、1−(6−メチルベンゾ[b]チエ−2−イル)−3−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]−1−プロパノン、1−(6−メチルインドール−2−イル)−3−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]−1−プロパノン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、WO 93/07140記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
3)式
Figure 2005035996

〔式中、R1bbおよびR2bbはそれぞれ、水素原子、C1−6アルコキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、ヒドロキシ、フェニル、ベンジル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、式:COR5bb、−COOR5bb、−CONHR5bb、−NR5bb6bbまたはNR5bbCOR6bb(式中、
5bbおよびR6bbはそれぞれi)水素原子、ii)C1−6アルキル、iii)ハロゲン、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロおよびヒドロキシから選ばれる置換基を1または2個それぞれ有していてもよいフェニルまたはベンジル;または
NR5bb6bbのR5bbとR6bbとは一緒になって4ないし8員含窒素環を形成、
NR5bbCOR6bbのR5bbとR6bbとは一緒になって4ないし8員ラクタム環を形成する)で表される基、1ないし3個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル、式:SOpbbCH−フェニル または SOpbb1−6アルキル(式中、pbbは0、1または2を示す)で表される基、ピリジルメチルオキシ、チエニルメチルオキシ、2−オキサゾリル、2−チアゾリルまたはベンゼンスルホンアミド(該フェノキシ、ベンジルオキシ、フェニル、ベンジル、ベンゼンスルホンアミド、ピリジルメチルオキシ、チエニルメチルオキシ、2−オキサゾリル、2−チアゾリルは、ハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチル、C1−6アルコキシ、シアノ、ニトロおよびヒドロキシから選ばれる置換基を1または2個を有していてもよい);または
1bbおよびR2bbは隣接する炭素原子に結合する場合およびXbbが酸素、硫黄またはNR4bb(R4bbは、水素またはC1−4アルキルである)である場合、これらが結合する炭素原子と一緒になって式
Figure 2005035996

〔式中、Jbbは酸素、硫黄またはNR4bb
abbは1または2、
3bbは水素またはC1−6アルキル
Qbbは酸素、硫黄、NH、CHCH、C(CH)、−CH=CH− または (CH)lbb、および
lbbは1ないし3の整数を示す。〕で表される基を形成;
Xbbは酸素、硫黄、−CH=CH−、−CH=N−、−NH=CH−、−N=N− または NR4bb (R4bbは上記と同意義);
Ybbは −(CH)mbb−、−CH=CH(CH)nbb−、−NR4bb(CH)mbb− または −O(CH)mbb− (R4bbは上記と同意義、nbbは0ないし3の整数、mbbは1ないし3の整数;
Mbbは −CH− または窒素;
Lbbはi)ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルまたはC1−6アルキル−カルボニルから選ばれる置換基を1ないし3個それぞれ有していてもよいフェニルまたはフェニル−C1−6アルキル、ii)シンナミル、iii)ピリジルメチル、またはiv)式:
Figure 2005035996

〔式中、bbbは1ないし4の整数、
13bbおよびR14bbはそれぞれ水素、C1−4アルキル、ハロゲンまたはフェニル、
EbbおよびFbbはそれぞれ −CH− または窒素、
Gbbは酸素、硫黄または NR4bb(R4bbは上記と同意義)を示す。但し、EbbおよびFbbが両者とも窒素の場合、R13bbおよびR14bbの一方は存在せず。〕で表される基;
7bbおよびR8bbはそれぞれ水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6アルキル−カルボニルまたはC1−6アルコキシを示す。但し、該C1−6アルコキシは窒素に隣接する炭素原子には結合しない。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、3−[2−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]エチル]−5,6,8−トリヒドロ−7H−イソキサゾロ[4,5−g]キノリン−7−オン、6,8−ジヒドロ−3−[2−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]エチル]−7H−ピロロ[5,4−g]−1,2−ベンズイソキサゾール−7−オン、5,7−ジヒドロ−3−[2−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリル]エチル]−6H−ピロロ[5,4−f]−1,2−ベンズイソキサゾール−6−オン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特表平6−500794号公報(WO 92/17475)記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
4)式
Figure 2005035996

〔式中、環Accはベンゾ、チエノ、ピリド、ピラジノ、ピリミド、フラノ、セレノロまたはピロロ;
2ccは水素、C1−4アルキル、ベンジル、フルオロまたはシアノ;
3cc、R4cc、R5ccおよびR6ccはそれぞれ、水素、C1−6アルコキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、ヒドロキシ、フェニル、ベンジル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、−COOR9cc、−CONHR9cc、−NR9cc10cc、−NR9ccCOR10cc、または1ないし3個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−6アルキル; SOpccCH−フェニル(pccは0、1または2)、ピリジルメチルオキシまたはチエニルメチルオキシ(該フェノキシ、ベンジルオキシ、フェニル、ピリジルメチルオキシおよびチエニルメチルオキシは、ハロゲン、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロおよびヒドロキシから選ばれる置換基を1または2個有していてもよい);または
3cc、R4cc、R5ccおよびR6ccの2つは、隣接する炭素原子と一緒になって、該隣接炭素原子と共に環の各原子が炭素、窒素または酸素である飽和5または6員環(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシまたはラクタム環)を形成;
9ccおよびR10ccはそれぞれ水素またはC1−6アルキル、または
NR9cc10ccのR9ccおよびR10ccは一緒になって環の1つの原子が窒素であり、他が炭素である4ないし8員環状アミノ基を形成、または
NR9ccCOR10ccのR9ccおよびR10ccは、一緒になって4ないし8員環状ラクタム環を形成;
Gccは炭素または窒素;
Eccは炭素、窒素、酸素、硫黄、スルホキシドまたはスルホン;
Figure 2005035996

は単結合または二重結合;
環Dccの1−、2−または3−位のいずれかにある炭素がカルボニル基に隣接している場合、適宜窒素で置換されていてもよい(該炭素は環Dccの1−、2−または3−位にあるため環はラクタム環となる);
XccはO、S、NOR1cc、水素またはC1−6アルキル(但し、Xccが結合している環Dccの原子が炭素であり、XccがO、S、NOR1ccであるときのみ、Xccは環Dccに二重結合する);
1ccは水素またはC1−6アルキル;
qccは1または2;
環Dccがラクタム環の場合、nccは1ないし3の整数、環Dccがラクタム環ではない場合、nccは0または1ないし3の整数;
Mccは炭素または窒素;
Lccはフェニル、フェニル−C1−6アルキル、シンナミルまたはピリジルメチル(該フェニルおよびフェニル−C1−6アルキルは、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6アルキル−カルボニルおよびハロゲンから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい);
11ccは水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシまたは酸素;
12ccおよびR13ccはそれぞれ、水素、フルオロ、ヒドロキシ、アセトキシ、o−メシレート、o−トシレート、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシ;または
12ccおよびR13ccの両者が炭素原子に結合している場合、それらが結合している原子と一緒になって環の各原子が炭素または酸素である3ないし5員環を形成;
7ccおよびR8ccはそれぞれ、水素、C1−6アルキルまたはC1−6アルコキシ(該C1−6アルコキシは、窒素、C1−6アルコキシ−カルボニルおよびC1−6アルキル−カルボニルに隣接している炭素とは結合しない);または
8ccおよびR12ccはそれらが結合している原子と一緒となって4ないし7員飽和炭素環を形成する(上記炭素原子の1つは、酸素、窒素または硫黄で置換されていてもよい)。
但し、(a)Eccが炭素、窒素、酸素、硫黄、スルホキシドまたはスルホンの場合、Gccは炭素であり;(b)Gccが窒素の場合、Eccは炭素または窒素であり;(c)EccとGccの両者が窒素の場合、 Gccが炭素であり、Eccが酸素、硫黄、スルホキシドまたはスルホンの場合、R2ccはなく;(d)環Dccの1−、2−および3−位の原子の各々は1つをこえた二重結合で結合することはなく;(e)R11ccが酸素の場合、環Dccに二重結合し、R11ccが酸素以外の場合、環Dccに一重結合し;(f)XccとR11ccの両者が酸素で、かつ各々環Dccの1−および3−位の炭素に結合している、または各々環Dccの3−および1−位の炭素に結合している場合、環Dccの2−位の炭素は窒素で置換されており;(g)
Figure 2005035996

を含有する炭化水素基が結合している位置に隣接する位置でXccが環Dccに結合する。〕 で表される化合物またはその塩。具体例としては、2,3−ジヒドロ−2−[[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]メチレン]−1H−ピロロ[1,2−a]インドール−1−オン、1,2,3,4−テトラヒドロ−4−メチル−2−[[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]メチレン]−シクロペント[b]インドール−3−オン、2,3−ジヒドロ−2−[[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]メチル]−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール−1−オン、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−2−[[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]エチル]−ピロロ[3,4−b]インドール−3−オン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平4−234845号公報(EP−A−441517)記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
5)式
Figure 2005035996

〔式中、Xddは水素,低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシまたはニトロ;Yddは水素または低級アルコキシ;またはXddとYddはいっしょに結合して基 −OCH2O−を形成(この場合にはベンゼン環部分のXddとYddの各位置は互いに隣接していなければならない);Zddは水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲンまたはニトロ;nddは0または1である。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては2−[(N−ベンジルピペリジン−4−イル)メチル]−2a,3,4,5−テトラヒドロ−1(2H)−アセナフチレン−1−オン、2−[[N−(3−フルオロベンジル)ピペリジン−4−イル]メチル]−2a,3,4,5−テトラヒドロ−1(2H)−アセナフチレン−1−オン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平6−116237号公報(EP−A−517221,USP 5,106,856)記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
6)式
Figure 2005035996

〔式中、R1eeは水素、低級アルキル、アリール低級アルキル、CONHR11eeまたはCONR6ee7ee;R2eeは水素、シアノ、CHNR8ee9ee、CONHR5eeまたはCONR6ee7ee;R3ee
Figure 2005035996

(ここで、R10eeは水素、低級アルキル、アリール低級アルキル、CONHR5ee、CONR6ee7ee、アシル、アシルオキシ低級アルキルまたはアシルオキシアリール低級アルキルである);R4eeは水素、ハロゲン、低級アルキルまたは低級アルコキシ; R5eeは水素、低級アルキルまたはアリール低級アルキル;R6eeは低級アルキルまたはアリール低級アルキル;R7eeは低級アルキルまたはアリール低級アルキル;R8eeは水素、低級アルキル、アリール低級アルキルまたはアシル;R9eeは水素、低級アルキルまたはアリール低級アルキル;R11eeは低級アルキル、アリールまたはアリール低級アルキルである。但し、R1eeが水素または低級アルキルである場合、R2eeは水素ではない。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、1−メチル−4−(4−シアノ−7−メトキシ−2−ベンゾフラニル)ピペリジン、1−メチル−4−(4−N,N−ジエチルアミド−7−メトキシ−2−ベンゾフラニル)ピペリジン、1−メチル−4−(4−N,N−ジエチルアミノメチル−7−メトキシ−2−ベンゾフラニル)ピペリジン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平7−109275号公報記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
7)式
Figure 2005035996

〔式中、Xffは水素、ハロゲン、低級アルコキシ、低級アルキル、ヒドロキシまたはトリフルオロメチル;mffは1または2;R1ffは水素または低級アルキル;R2ffは水素、式
Figure 2005035996

(式中、nffは1または2、Xffおよびmffは上記と同意義を示す)で表される基、式
Figure 2005035996

(式中、Xffとmffは上記と同意義を示す)で表される基、または式
Figure 2005035996

(式中、Xffは上記と同意義、Yffは水素または式:COR4ff(式中、R4ffは水素または低級アルキルを示す)、pffは2または3を示す)である。〕で表される化合物またはその塩。具体的には、1,4−ジヒドロ−7−メトキシ−4−メチル−1'−フェニルメチルスピロ[シクロペント[b]インドール−3(2H),4’−ピペリジン]、1,4−ジヒドロ−4−メチル−1'−(4−メトキシフェニル)メチルスピロ[シクロペント[b]インドール−3(2H),4'−ピペリジン]等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、WO 97/37992記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
8)式
Figure 2005035996

〔式中、R1ggはC5−7シクロアルキル基、フェニル基、またはC1−4アルキル基、 C1−4アルコキシ基、ニトロ基若しくはハロゲン原子で置換されたフェニル基;R2ggおよびR3ggは、互いに独立して水素原子またはC1−4アルキル基;Xggはイオウ原子、酸素原子、CH−NO基またはN−R5gg基(ここでR5ggは水素原子、ヒドロキシル基、C1−4アルコキシ基、C1−4アルキル基、シアノ基またはC1−4アルキルスルホニル基;Arggは、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4アシル基、 シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基およびトリフルオロメトキシ基から選ばれる置換基を1若しくは2以上それぞれ有していてもよいピリジル基またはフェニル基を意味する。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、N−フェニル−N'−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]−1,1−ジアミノ−2−ニトロエチレン、1−(2−ピリジル)−3−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]チオ尿素、1−フェニル−2−ヒドロキシ−3−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]グアニジン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平5−148228号公報(EP−A−516520)に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
9)式
Figure 2005035996

〔式中、R1hhはC1−4アルキル基、R2hhはC5−7シクロアルキル基、C5−7シクロアルキル−メチル基、ベンジル基、またはC1−4アルキル基、C1−4アルコキシル基、ハロゲン原子若しくはニトロ基を有するベンジル基;Ahhは酸素原子またはメチレン基;Bhhは直接結合、メチレン基またはカルボニル基;Arhhはピリジル基、下式のフェニル基、
Figure 2005035996

(ここで、R3hhとR4hhは互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ニトロ基、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシル基、フェニル基またはトリフルオロメトキシ基を意味する)、下式のオキソフルオレニル基、
Figure 2005035996

下式のジオキソアントラセニル基、
Figure 2005035996

またはナフチル基を、nhhは1または2を、Xhhは酸素原子またはイオウ原子を意味する。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、1−[2−[2−(N−ベンジル− N−メチルアミノ)エトキシ]エチル]−3−(3−ニトロベンゾイル)チオ尿素、1−[2−[2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)エトキシ]エチル]−3−(9−オキソ−2−フルオレノイル)チオ尿素等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平5−194359号公報(EP−A−526313)に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
10)式
Figure 2005035996

〔式中、R1iiはC5−7シクロアルキル基、フェニル基、またはC1−4アルキル基、C1−4アルコキシル基若しくはハロゲン原子で置換されたフェニル基;R2iiは水素原子またはC1−4アルキル基;Xiiは酸素原子またはイオウ原子;Aiiはメチレン基、カルボニル基またはスルホニル基;R3iiは〔1〕式
Figure 2005035996

(ここで、R4iiとR5iiは互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ニトロ基、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシル基、C1−4アシル基、 ベンゾイル基、C1−4アルキルスルホニル基またはトリフルオロメトキシ基を表すか、またはR4iiとR5iiが一緒になってメチレンジオキシ基を形成)で表される基、〔2〕式
Figure 2005035996

で表される基または〔3〕式
Figure 2005035996

で表される基;但し、Xiiが酸素原子を表すときは、Aiiはメチレン基以外の基を表す。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、1−(3−ニトロベンゾイル)−3−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]チオ尿素、1−(9,10−ジオキソ−2−アントラセノイル)−3−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]チオ尿素等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特表平6−507387号公報(WO 92/14710)に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
11)式
Figure 2005035996

〔式中、njjは1、2または3であり;pjjは1または2であり;qjjは1または2であり;Xjjは独立して水素、低級アルキル、アリール、アリールオキシ、CN、低級アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチル、アルキルスルホンアミド、NHCORjj(ここで、Rjjは低級アルキルまたはアリールである)、NR1jj2jj(ここで、R1jjおよびR2jjは独立して水素または低級アルキルであるか、一緒になって環を形成する)、COjj(ここで、Rjjは低級アルキルである)、または場合によっては、さらに低級アルキルにより置換されたシクロアルキル、シクロアルケニル若しくはビシクロアルキルから選択される1個以上の置換基であり;YjjはCOまたはCR3jj4jj(ここで、R3jjおよびR4jjは独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシであるか、または一緒になって環状アセタールを形成する)であり;ZjjはNまたはCHであり;
Figure 2005035996

は場合によっては置換されたフェニルまたはシクロヘキシル基である(ここで、Wjjは独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲンから選択される1個以上の置換基である)〕で表される化合物(但し、njj=1、pjj=1、qjj=1、Xjj=H、Yjj=CO、Zjj=Nかつ
Figure 2005035996

が未置換フェニルである化合物、およびnjj=2、pjj=1、qjj=1、Xjj=H、Yjj=CO、Zjj=Nかつ
Figure 2005035996

が4−クロロフェニルである化合物を除く)、その立体異性体、光学異性体、ラセミ体またはそれらの塩。具体例としては、5−シロヘキシル−1,3−ジヒドロ−1−[2−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]エチル]−2H−インドール−2−オン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特表平7−502272号公報(WO 93/12085)に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
12)式
Figure 2005035996

〔式中、nkkは3、4、5、6または7;Xkkは独立して水素、低級アルキル、アリール、低級アルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、−NHCORkk(ここで、Rkkは低級アルキルまたはアリールである)、−NR1kk2kk(ここで、R1kkおよびR2kkは独立して水素または低級アルキルであるか、または一緒になって環を形成する)、または場合によっては、さらに低級アルキルにより置換されたシクロアルキル、シクロアルケニル若しくはビシクロアルキルから選択される1個以上の置換基;YkkはCOまたはCR3kk4kk(ここで、R3kkおよびR4kkは独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシであるか、または一緒になって環状アセタールを形成する);Zkkは低級アルキル;そして、Wkkは独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲンから選択される1個以上の置換基である。〕で表される化合物、その立体異性体、光学異性体、ラセミ体またはそれらの塩。具体例として、5−シクロヘキシル−1,3−ジヒドロ−1−[5−(N−エチル−N−フェニルメチルアミノ)ペンチル]−2H−インドール−2−オン、5−シクロヘキシル−1−[5−(N−エチル−N−フェニルメチルアミノ)ペンチル]−1H−インドール−2,3−ジオン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特表平8−511515号公報(WO 94/29272)に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
13)式
Figure 2005035996

〔式中、R1llおよびR2llは、それぞれ水素原子、下記置換基群Allより選択された基、または下記置換基群Allより選択された1ないし3個の置換基(同一または異なって)をそれぞれ有していてもよいアリール基、アラルキル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールアミノ基、アリールアミノアルキル基、複素環基、複素環アルキル基若しくは複素環アミノアルキル基;pllは1ないし3の整数を示す。;Ullは式:−CO− または −CH(OR3ll)− で表される基(式中、R3llは水素原子または水酸基の保護基を示す);Vllは式:−(CH=CH)mll−(CH)nll− で表される基(式中、mllは0ないし2、nllは0ないし7の整数を示す。但し、mllおよびnllが同時に0であることはない);Wllは環内窒素原子上にVllと結合点を有する含窒素複素環基、

Figure 2005035996

で表される基(式中、kllおよびlllは同一または異なって1ないし4、R4llは後記のR5llおよびR6llと同意義を有する);上記一般式(2ll)において、環アルキレン基が5または6員環を形成するとき、該5または6員環中のエチレン基と1または2個のベンゼン環が縮合してなる基、または式:−NR5ll6llで表される基(式中、R5llおよびR6llはそれぞれ、水素原子、下記置換基群Allより選択される基、または下記置換基群Allより選択された1ないし3個の置換基(同一または異なって)をそれぞれ有していてもよいアリール基、アリールカルボニル基、アラルキル基、複素環基若しくは複素環アルキル基を示す。)を示す。
置換基群All:
低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基、アラルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、低級アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ低級アルキル基、低級アルキルアミノアルキル基、低級アルキニルアミノアルキル基、ニトロ基、シアノ基、スルフォニル基、低級アルキルスルフォニル基、ハロゲノアルキルスルフォニル基、低級アルカノイル基、アリールカルボニル基、アリールアルカノイル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ハロゲノ低級アルキル基、N−低級アルキニル、N−シアノアミノ基、N−低級アルキニルおよびN−メチルアミノメチル基。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、1−メチル−3−[3−(1−ベンジル−4−ピペリジル)プロピオニル]インドール、1−メチル−3−[3−[1−(3−フルオロベンジル)−4−ピペリジル]プロピオニル]−5−フルオロインドール、1−メチル−3−[3−[1−(2−クロロベンジル)−4−ピペリジル]プロピオニル]インダゾール等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平6−41070号号公報(EP−A−562832)に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
14)式
Figure 2005035996

〔式中、R1mmは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基;R2mmは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基;nmmは0〜7の整数;破線は二重結合が存在してもよいことを示す。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、N−[1−[4−(1−ベンジルピペリジル)エチル]−2−オキソ−3−ピロリン−4−イル]−2−アミノベンゾニトリル、N−[1−[4−(1−ベンジルピペリジル)プロピル]−2−オキソ−3−ピロリン−4−イル]−2−アミノベンゾニトリル等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平5−9188号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
15)式
Figure 2005035996

〔式中、
Figure 2005035996

は、 >N−(CH)nnn−、 >C=、 >C=CH(CH)nnn− または >CH(CH)nnn−(ここでnnnは0〜7の整数を示す);Ynnは >C=O または >CHOH;R1nnは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基;R2nnは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、フェノキシ基、アルカノイルオキシ基または置換基を有してもよいアミノ基;R3nnは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基;mnnは1〜3の整数を示す。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、9−アミノ−2−[4−(1−ベンジルピペリジル)エチル]−2,3−ジヒドロピロロ[3,4−b]キノリン−1−オン、9−アミノ−2−[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロアクリジン−1−オン、9−メトキシ−2−[4−(1−ベンジルピペリジル)エチル]−2,3−ジヒドロピロロ[3,4−b]キノリン−1−オン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平5−279355号公報(EP−A−481429)に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
16)式
Figure 2005035996

〔式中、Rooは水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキルアルキル、フェニルアルキル、ナフチルアルキル、シクロアルキルアルケニル、フェニルアルケニルまたはナフチルアルケニル;R1oo、R2oo、R3ooおよびR4ooは同一または異なって、それぞれ水素、ハロゲン、アルキル、フェニル、フェニルアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、フェニルアルコキシ、フェノキシ、ヘテロアリールアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、アシル、アシルオキシ、水酸基、ニトロ、シアノ、−NHCOR5oo、−S(O)mooR5oo、−NHSO5oo、−CONR6oo7oo、−NR6oo7oo、−OCONR6oo7oo、−OCSNR6oo7oo、−SONR6oo7oo または −COOR8oo;またはR1oo、R2oo、R3ooおよびR4ooの隣接するものが相互に結合して、置換基を有してもよい−O(CH)poo−、−O(CH)qooO−、−O(CH)rooN(R9oo)−、−O(CH)sooCON(R9oo)−、−N(R9oo)CO−CH=CH− またはベンゼン環若しくは複素芳香環を形成する基を示す(ここで、R5ooは、アルキル、フェニルまたはフェニルアルキル;R6ooおよびR7ooは同一または異なって、それぞれ水素、アルキル、フェニルまたはフェニルアルキルを示すか、隣接する窒素原子を結合して複素環を形成する基;R8ooは、アルキル、フェニルまたはフェニルアルキル;R9ooは、水素、アルキル、フェニルアルキルまたはアシル;mooは、0、1または2;poo、qoo、rooおよびsooは同一または異なって、1、2、または3を示す);Aooは直鎖または分枝鎖状のアルキレン;nooは1、2、または3;上記定義中、アルキル、アルケニル、アルコキシ、フェニル、フェノキシ、シクロアルキルアルキル、フェニルアルキル、ナフチルアルキル、シクロアルキルアルケニル、フェニルアルケニル、ナフチルアルケニル、フェニルアルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、ベンゼン環および複素芳香環は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、水酸基、ニトロ、シアノ、−NHCOR5oo、−S(O)moo5oo、−NHSO5oo、−CONR6oo7oo、−NR6oo7oo、−OCONR6oo7oo、−OCSNR6oo7oo、−SONR6oo7oo または −COOR8oo(ここで、R5oo、R6oo、R7oo、R8oo および mooは上記と同義である)から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、3−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]−6,7−ジメトキシ−1,2−ベンゾイソオキサゾール、3−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]−6−(N−メチルアセトアミノ)−1,2−ベンゾイソオキサゾール等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平5−320160号公報(WO 93/04063)に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
17)式
Figure 2005035996

〔式中、2位と3位の間の結合が単結合を示すとき、Rappは式
Figure 2005035996

(式中、Rppは水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、フェニルアルキル、フェニルアルケニル、ナフチルアルキルまたはナフチルアルケニル;Appは直鎖または分枝鎖状のアルキレン;nppは1、2、または3を示す)により表される基を示し、Rbppは酸素を示す。
2位と3位の間の結合が二重結合を示すとき、Rappは存在せず、Rbppは式
Figure 2005035996

(式中の各記号は上記と同意義である)により表される基または式
Figure 2005035996

(式中、Eppは酸素、硫黄を示し、他の各記号は上記と同意義である)により表される基;R1pp、R2pp、R3ppおよびR4ppは同一または異なって、それぞれ水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、フェニル、フェニルアルキル、フェニルアルコキシ、フェノキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、アシル、アシルオキシ、水酸基、ニトロ、シアノ、−NHCOR5pp、−S(O)mpp5pp、−NHSO5pp、−CONR6pp7pp、−NR6pp7pp、−OCSNR6pp7pp、−SONR6pp7pp または −COOR8ppを示す。(R5ppは、アルキル、フェニルまたはフェニルアルキル;R6ppおよびR7ppは同一または異なって、それぞれ水素、アルキル、フェニルまたはフェニルアルキルを示すか、隣接する窒素原子と結合して複素環を形成する基;R8ppは、水素、アルキル、フェニルまたはフェニルアルキル;mppは、0、1または2を示す;上記定義中、アルキル、アルケニル、アルコキシ、フェニル、フェニルアルキル、フェニルアルケニル、フェニルアルコキシ、フェノキシ、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、ナフチルアルキル、ナフチルアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシおよびヘテロアリールオキシは、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、水酸基、ニトロ、シアノ、−NHCOR5pp、−S(O)mpp5pp、−NHSO5pp、−CONR6pp7pp、−NR6pp7pp、−OCONR6pp7pp、−OCSNR6pp7pp、−SONR6pp7pp または −COOR8pp(R5pp、R6pp、R7pp、R8ppおよびmppは上記と同意義である)から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、3−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]−6,7−ジメトキシ−1,2−ベンゾイソオキサゾール、6−ベンゾイルアミノ−2−[3−(1−ベンジル−4−ピペリジル)プロピル]−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3(2H)−オン、6−ベンゾイルアミノ−2−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3(2H)−オン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平6−41125号公報(WO 93/04063)に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
18)式
Mqq−Wqq−Yqq−Aqq−Qqq
〔式中、Mqqは式:
Figure 2005035996

(式中、R1qqは水素、低級アルキル、置換基を有していてもよい複素環基または置換基を有していてもよいアリール;R2qqは、水素、低級アルキル、置換基を有していてもよい複素環基または置換基を有していてもよいアリールを表わすか、または、R1qqとR2qqが互いに結合して、式:
Figure 2005035996

で表される基を形成;Zqqは、SまたはOをそれぞれ示す)で表される基、
式:
Figure 2005035996

(式中、R1qqおよびR2qqは上記と同意義を示す)で表される基、または式:
Figure 2005035996

(式中、R1qqおよびR2qqは上記と同意義を示す)で表される基;Wqqは、結合、低級アルキレンまたは低級アルケニレン;Yqqは、低級アルキレン、−NH−、−CO−、−CONR3qq−(式中、R3qqは水素または低級アルキルを示す)の基または式:−CHR7qq−(式中、R7qqはヒドロキシまたは保護されたヒドロキシを示す)の基;Aqqは、結合または低級アルキレン;Qqqは、式:−NR8qq9qq(式中、R8qqは低級アルキル;R9qqはアル(低級)アルキルを示す)の基または式:
Figure 2005035996

(式中、R4qqは低級アルキルまたは置換基を有していてもよいアル(低級)アルキルを示す)で表される基をそれぞれ示す。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、4−(ピリジン−3−イル)−5−メチル−2−[[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]カルバモイル]チアゾール、2−[[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]カルバモイル]−4−(4−クロロフェニル)−5−メチルオキサゾール、5−[[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]カルバモイル]−3−(4−ニトロフェニル)ピラゾール等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平5−345772号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
19)式
1rr−Qrr−Zrr−Xrr−Arr−Mrr
〔式中、R1rrは低級アルキル、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアル(低級)アルキルまたはアル(低級)アルケニル;Qrrはオキサジアゾールジイル;Zrrは結合またはビニル;Xrrは結合、式:−CONR4rr−(式中、R4rrは水素または低級アルキルを示す)、式:−CHR8rr−(式中、R8rrはヒドロキシまたは保護されたヒドロキシを示す)、−CO− または −NHCO−;Arrは結合、低級アルキレンまたは低級アルケニレン;Mrrは、低級アルキル、イミノ保護基および置換基を有していてもよいアル(低級)アルキルからなる群から選ばれる1個の置換基を有していてもよい少なくとも1個の窒素原子を含む複素環基をそれぞれ示す。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、5−(キヌクリジン−3−イル)−3−[[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]カルバモイル]−1,2,4−オキサジアゾール、3−[[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]カルバモイル]−5−(4−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特表平7−502529号公報(WO 93/13083)に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
20)式
Figure 2005035996

〔式中、Jssは(a)置換若しくは無置換の次に示す基;(1)フェニル基、(2)ピリジル基、(3)ピラジル基、(4)キノリル基、(5)シクロヘキシル基、(6)キノキサリル基または(7)フリル基、
(b)フェニル基が置換されていてもよい次の群から選択された一価または二価の基;(1)インダニル、(2)インダノニル、(3)インデニル、(4)インデノニル、(5)インダンジオニル、(6)テトラロニル、(7)ベンズスベロニル、(8)インダノリル、(9)式
Figure 2005035996

で示される基、
(c)環状アミド化合物から誘導される一価の基、
(d)低級アルキル基、または
(e)式R1ss−CH=CH−(式中、R1ssは水素原子または低級アルコキシカルボニル基を意味する)で示される基を意味する。
Bssは式 −(CHR2ss)nss− で示される基、式 −CO−(CHR2ss)nss− で示される基、式 −NR3ss−(CHR2ss)nss−(式中、R3ssは水素原子、低級アルキル基、アシル基、低級アルキルスルホニル基、置換されていてもよいフェニル基またはベンジル基を意味する)で示される基、式 −CO−NR4ss−(CHR2ss)nss−(式中、R4ssは水素原子、低級アルキル基またはフェニル基を意味する)で示される基、式−CH=CH−(CHR2ss)nss− で示される基、式 −O−COO−(CHR2ss)nss− で示される基、式 −O−CO−NH−(CHR2ss)nss− で示される基、式 −NH−CO−(CHR2ss)nss− で示される基、式 −CH−CO−NH−(CHR2ss)nss− で示される基、式 −(CH)−CO−NH−(CHR2ss)nss− で示される基、式 −C(OH)H−(CHR2ss)nss− で示される基(以上の式中、nssは0または1〜10の整数を意味する。R2ssは式 −(CHR2ss)nss− で示されるアルキレン基が置換基を持たないか、または1つまたは1つ以上のメチル基を有しているような形で水素原子またはメチル基を意味する)、式 =(CH−CH=CH)bss− (式中、bssは1〜3の整数を意味する)で示される基、式 =CH−(CH2)css−(式中、cssは0または1〜9の整数を意味する)で示される基、式 =(CH−CH)dss= (式中、dssは0または1〜5の整数を意味する)で示される基、式 −CO−CH=CH−CH− で示される基、式 −CO−CH−C(OH)H−CH− で示される基、式 −C(CH)H−CO−NH−CH− で示される基、式 −CH=CH−CO−NH−(CH)− で示される基、式 −NH− で示される基、式 −O− で示される基、式 −S− で示される基、ジアルキルアミノアルキルカルボニル基または低級アルコキシカルボニル基を意味する。
Tssは窒素原子または炭素原子を意味する。
Qssは窒素原子、炭素原子または式>N→Oで示される基を意味する。
Kssは水素原子、置換若しくは無置換のフェニル基、フェニル基が置換されてもよいアリールアルキル基、フェニル基が置換されていてもよいシンナミル基、低級アルキル基、ピリジルメチル基、シクロアルキルアルキル基、アダマンタンメチル基、フリルメチル基、シクロアルキル基、低級アルコキシカルボニル基またはアシル基を意味する。
qssは1〜3の整数を意味する。
式中、
Figure 2005035996

は単結合若しくは二重結合を意味する。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピペリジン、 N−[4'−(1'−ベンジルピペリジル)エチル]−2−キノキサリンカルボン酸アミド、 4−[4'−(N −ベンジル)ピペリジル]−p−メトキシブチロフェノン、1−[4'−(1'−ベンジルピペリジン)エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンツアゼピン−2−オン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開昭64−79151号公報(USP 4,895,841)に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
21)式
Figure 2005035996

〔式中、R1ttは、置換基を有していてもよいベンゼン、ピリジン、ピラジン、インドール、アントラキノン、キノリン、置換基を有していてもよいフタールイミド、ホモフタールイミド、ピリジンカルボン酸イミド、ピリジン−N−オキサイド、ピラジンジカルボン酸イミド、ナフタレンジカルボン酸イミド、置換基を有していてもよいキナゾリジンジオン、1,8−ナフタールイミド、ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸イミドおよびピロメイルイミドから選ばれるものから誘導される一価の基;Xttは式 −(CH)mtt− (式中、mttは0〜7の整数を示す)で示される基、式 −O(CH)n tt− で示される基、式 −S(CH)n tt− で示される基、式 −NH(CH)n tt− で示される基、式 −SONH(CH)ntt− で示される基、式 −NHCO(CH)ntt− で示される基、式 −NH(CH)ntt−CO− で示される基、式 −COO(CH)ntt− で示される基、式 −CHNH(CH)ntt− で示される基、式 −CONR3tt−(CH)ntt− で示される基 (Xttの定義中、これまでの式でnttはいずれも1〜7の整数、R3ttは低級アルキルまたはベンジル基を意味する)、式 −O−CHCHCH(CH)− で示される基、式 −O−CH(CH)CHCH− で示される基、式 −O−CHCHCH= で示される基、式 −O−CHCH(OH)CH− で示される基;環Attは式
Figure 2005035996

で示される基、式
Figure 2005035996

で示される基、式
Figure 2005035996

で示される基、または式
Figure 2005035996

で示される基;R2ttは水素原子、低級アルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、置換基を有していてもよいベンゾイル基、ピリジル基、2−ハイドロキシエチル基、ピリジルメチル基、または式
Figure 2005035996

(式中、Zttはハロゲン原子を意味する)で表される基を示す。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、N−メチル−N−[2−(1'−ベンジルピペリジン−4'−イル)エチル]−4−ベンジルスルホニルベンツアミド、N−[2−( N'−ベンジルピペリジン−4'−イル)エチル]−4−ニトロフタールイミド、N−[2−( N'−ベンジルピペリジン−4'−イル)エチル]−1,8−ナフタールイミド等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開昭62−234065号公報(EP−A−229391)に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
22)式
1uu−(CH)nuu−Zuu
〔式中、R1uuは置換基を有していてもよい環状アミド化合物から誘導される基;nuuは0または1〜10の整数;Zuuは、〔1〕式
Figure 2005035996

(式中、R2uuは置換基を有していてもよいアリール基、シクロアルキル基または複素環基;muuは1〜6の整数を意味する)で示される基、または〔2〕式
Figure 2005035996

(式中、R3uuは水素原子または低級アルキル基;R4uuは置換基を有していてもよいアリール基、シクロアルキル基または複素環基;puuは1〜6の整数を意味する)で示される基を意味する。但し、R1uuの定義における置換基を有していてもよい環状アミド化合物がキナゾリジン−オンまたはキナゾリジン−ジオンである場合、Zuuの定義において、R2uuおよびR4uuがアリール基である場合は除く。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、3−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]−5−メトキシ−2H−3,4−ジヒドロ−1,3−ベンツオキサジン−2−オン、3−[2−[1−(4−ピリジルメチル)−4−ピペリジル]エチル]−2H−3,4−ジヒドロ−1,3−ベンツオキサジン−2−オン、3−[2−[1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−4−ピペリジル]エチル]−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−2,4−ジオン、3−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]−6−メトキシ−2H−3,4−ジヒドロ−1,3−ベンツオキサジン−2,4−ジオン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平4−235161号公報(EP−A−468187)に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
23)式
Figure 2005035996

で表される光学活性インダノン誘導体またはその塩。
上記化合物またはその塩は、特開平4−21670号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
24)式
Figure 2005035996

〔式中、nwwは0または1〜2の整数;Awwは式
Figure 2005035996

(式中、Cwwは水素原子またはヒドロキシ基;Dwwは水素原子または低級ヒドロキシアルキル基;Rwwは同一または異なって水素原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から選ばれる基;mwwは0または1〜4の整数を意味する)で表される基、または式
Figure 2005035996

(式中、各記号は上記と同意義)で表される基;Bwwは水素原子またはヒドロキシ基を示し;AwwとBwwが二重結合を形成し、式
Figure 2005035996

(式中、各記号は上記と同意義)で表される基を形成してもよい。〕で表される化合物またはその塩。具体例としては、1−ベンジル−4−(5,6−ジメトキシ−1−インダノン−2−イル)ヒドロキシメチルピペリジン、1−ベンジル−4−(5,6−ジメトキシ−2−ヒドロキシメチル−1−インダノン−2−イル)メチルピペリジン、1−ベンジル−4−[3−(4,5−ジメトキシ−2−カルボキシフェニル)−2−オキソ]プロピルピペリジン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平9−268176号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
25)式
Figure 2005035996

[式中、R1xaは水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級アルキル基またはモノ(またはジまたはトリ)ハロ(低級)アルキル基、
Figure 2005035996

(式中、R2xaおよびR3xaはそれぞれ低級アルキル基を意味する。)を意味する。]で表される化合物またはその塩。具体例としては、9−アミノ−6−クロロ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロアクリジン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平2−167267号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
26)式
Figure 2005035996

[式中、R1xb、R2xbおよびR3xbはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシメチル基、低級アルキルチオ基、ニトロ基、アミノ基、低級アルカノイルアミノ基、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシル基、フェニル基またはハロゲン原子、低級アルキル基若しくは低級アルコキシ基で置換されたフェニル基を表わし、
4xbは水素原子、低級アルキル基、アラルキル基、ジアラルキル基、または式
5xb−CO−
で表される基(R5xbは低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アラルキル基、フェニル基またはハロゲン原子、低級アルキル基若しくは低級アルコキシ基で置換されたフェニル基を表わす。)を表わす。]で表されるアミノアザアクリジン誘導体またはその塩。具体例としては、9−アミノ−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−エタノ−1−アザアクリジン等が挙げられる。 上記化合物またはその塩は、特開昭63−166881号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
27)式
Figure 2005035996

[式中、R1xcは、水素原子または低級アルキル基を、R2xcは独立して水素原子若しくは、低級アルキル基を示すか、またはR6xcと一緒になって環状のアルキレン鎖を示す。R3xcおよびR4xcは、独立して各々水素原子を示すか、または一緒になって環Axcとともにキノリン環若しくは、テトラヒドロキノリン環を構成する。Xxcは酸素原子、硫黄原子またはN−R5xcを示し、R5xcは水素原子、または低級アルキル基を示す。Yxcは酸素原子またはN−R6xcを示し、R6xcは独立して、水素原子若しくは低級アルキル基を示すか、またはR2xcと一緒になって環状アルキレンを示す。nxcは0または1を、mxcは0〜4の整数を示す。]で表される化合物またはその塩。具体的には、4'−アミノキノリノ[2,3−b]−4−メチル−5,6−ジヒドロ−1,4−オキサジンや4'−アミノ−5',6',7',8'−テトラヒドロキノリノ[2,3−b]−4−メチル−5,6−ジヒドロ−1,4−オキサジン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平2−96580号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
28)式
Figure 2005035996

[式中、nxdは1,2または3であり、Xxdは水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロまたはトリフルオロメチルであり;
1xdおよびR2xdはそれぞれ独立して水素、低級アルキルまたはアリール低級アルキルであるが、しかし両者は同時にアリール低級アルキルであることはできないものであり;
3xdおよびR4xdはそれぞれ独立して水素、低級アルキル、アリール低級アルキル、ホルミルまたは低級アルキルカルボニルであるかまたは基−NR3xd4xdが全体として次の基
Figure 2005035996

を構成する。]で表される化合物、その立体異性体またはその塩。具体的には、1−(1−ピペリジニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−9−アクリジナミンやN−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,9−アクリジンジアミン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平3−153667号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
29)式
Figure 2005035996

[式中、nxeは1,2または3であり、Xxeは水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチル,NHCOR2xe(ここでR2xeはC〜C−アルキルである)またはNR3xe4xe(ここでR3xeおよびR4xeは独立して水素またはC〜C−アルキルである)であり、Rxeは水素またはC〜C−アルキルであり、R1xeは水素、C〜C−アルキル、ジ−C〜C−アルキルアミノ−C〜C−アルキル、アリール−C〜C−アルキル、ジアリール−C〜C−アルキル、フリル−C〜C−アルキル、チエニル−C〜C−アルキル、酸素架橋されたアリール−C〜C−アルキル、酸素架橋されたジアリール−C〜C−アルキル、酸素架橋されたフリル−C〜C−アルキル、または酸素架橋されたチエニル−C〜C−アルキルであり、YxeはC=OまたはCR5xeOH(ここでR5xeは水素またはC〜C−アルキルである)であり、そしてZxeはCHまたはC=CR6xe7xe(ここでR6xeおよびR7xeは独立して水素またはC〜C−アルキルである)であるか、またはYxeとZxeが一緒になってCR5xe=CH(ここでCR5xeおよびCHはそれぞれYxeとZxeに対応する)を構成するものとする。]で表される化合物、その光学対掌体またはその塩。具体的には、9−アミノ−3,4−ジヒドロアクリジン−1(2H)−オンまたは9−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロアクリジン−1−オール等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開昭61−148154号公報または特告平5−41141号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
30)式
Figure 2005035996

[式中、nxfは1〜4であり;Rxfは水素、低級アルキルまたは低級アルキルカルボニルであり;R 1xfは水素、低級アルキル、低級アルキルカルボニル、アリール、ジ低級アルキルアミノ低級アルキル、アリール低級アルキル、ジアリール低級アルキル、酸素架橋されたアリール低級アルキル、または酸素架橋されたジアリール低級アルキルであり;Axfは直接の結合または(CHR3xf)mxfであり;mxfは1〜3であり;Xxfは水素、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチル,ホルミル、低級アルキルカルボニル、アリールカルボニル、−SH、低級アルキルチオ、−NHCOR4xfまたはNR5xf6xfであり、上記式中R4xfは水素または低級アルキルであり、R5xfおよびR6xfは各々独立して水素、低級アルキルまたはシクロアルキルであリ;YxfはO、SまたはNR7xfであり;各R2xf、各R3xfおよびR7xfは独立して水素若しくは低級アルキルであるか、または2つが同時に、少なくとも5つの原子からなる環の一部をなすメチレン若しくはエチレン基を形成し;但しAxfがCHで、YxfがNCHで、(CHR2xf)nxfがCHCHで、XxfがH、CH、Cl、BrまたはNOで、RxfがHである場合には、R1xfはH、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはベンジルではなく;Axfが−CH−またはCHR'−で、YxfがNHまたはNR'で、(CHR2xf)nxfが−CHCH−またはCHCHR'−である場合には、基−NRxf1xfは−NH、−NHCまたはジ低級アルキルアミノ低級アルキルアミノではなく、各R'は独立して低級アルキルであり;AxfがCHで、YxfがNHまたはNR'で、(CHR2xf)nxfが−(CH−またはCHR'CHCH−である場合には、基−NRxf1xfは−NHではなく;Axfが−CHCH−で、YxfがNHまたはNR'で、(CHR2xf)nxfが−CHCH−またはCHR'CH−である場合には、基−NRxf1xfは−NHではない。]で示される化合物、その立体、光学若しくは幾何異性体またはその塩。具体的には、9−アミノ−2,3−ジヒドロチエノ[3,2−b]キノリンまたは10−アミノ−3,4−ジヒドロ−1H−チオピラノ[4,3−b]キノリン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開昭63−284175号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
31)式
Figure 2005035996

[式中、Xxgは水素、低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲンであり;Rxgは、存在する場合には、水素、低級アルキルまたはアリール低級アルキルであり;R1xgは、水素、低級アルキルまたはアリール低級アルキルであり;そしてR2xgは、存在する場合には、水素または低級アルキルである。]で表される化合物またはその塩。具体的には、2−(1,2,3,4−テトラヒドロ−9−アクリジンイミノ)−シクロヘキサンカルボン酸や2−(1,2,3,4−テトラヒドロ−9−アクリジンイミノ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平3−95161号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
32)式
Figure 2005035996

[式中、R1xhおよびR2xhはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、低級アルコキシ基、低級アルカノイルオキシ基、ニトロ基、アミノ基または低級アルカノイルアミノ基を表わし、R3xhは、水素原子;炭素数1〜15のアルキル基;シクロアルキル基;ハロゲン、低級アルキル基若しくは低級アルコキシで置換されていてもよい炭素数7〜15のアラルキル基;炭素数2〜15のアルカノイル基;またはハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、ヒドロキシル若しくはアミノで置換されていてもよいベンゾイル基を表わし、nxhは2〜5の整数を表わす。]で示される化合物またはその塩。具体的には、6−アミノ−1−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−アゼピノ[2,3−b]キノリンや5−アミノ−6−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロベンゾ[d−[1,8]ナフチリジンが挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平3−220189号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
33)式
Figure 2005035996

[式中、R1xi、R2xiはそれぞれ水素原子、炭素数1〜4の直鎖および分枝アルキル基を表わす。但しともに水素原子となることはない。]で示される4−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−b]キノリン誘導体またはその塩。具体的には、4−アミノ−2,3−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−b]キノリン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平4−134083号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
34)式
Figure 2005035996

[式中、Axjは式−(CH)nxj−(但しnxjは3〜5の整数である)のアルキレン基を表わして、これに隣接するピリジン核の隣り合う2個の炭素原子に結合して1個のシクロアルケノ基を形成するか、若しくはAxjはこれに隣接するピリジン核の隣り合う2個の炭素原子と連合して1個のベンゼン環を形成する基であり、そして(i)Axjがシクロアルケノ基を形成する場合にはYxjは水素原子、ハロゲン原子、C〜Cの低級アルキル基またはアミノ基を表わし、かつZxjは水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、式−NR1xj2xj(R1xj、R2xjは同一でも異なっていてもよく、低級アルキル基またはベンジル基を表わす)の基、ピロリジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、N−置換ピペラジル基、ピリジル基または次式
Figure 2005035996

(式中、Bは酸素原子または硫黄原子を示し、mxjは0〜2の整数を示し、R3xj、R4xj、R5xjは同一でも異なっていてもよく水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、水酸基、低級アルコキシ基、直鎖または分枝の(C〜C)低級アルキル基、アミノ基、アシルアミノ基を表わす)の基を示すかまたはZxjはピリジルチオ基の基を示し、また(ii)Axjがベンゼン環を形成する場合には、Yxjは水素原子またはC〜Cの低級アルキル基を示しかつZxjは式−CONR6xj7xj(但しR6xjおよびR7xjはそれぞれ水素原子またはC〜Cの低級アルキル基を表わし、あるいはR6xjおよびR7xjは共同してC〜Cのシクロアルキル基を形成する)の基を示すか、またはZxjは式
Figure 2005035996

(式中、ExjはC〜Cのアルキレン基または式−(CH=CH)pxj−(但しpxjは1または2を表わす)の基を示し、R3xj、R4xjおよびR5xjは前期の意味を表わす)の基を示す。]で表される4−アミノ−2,3−シクロアルケノピリジンおよび4−アミノキノリン誘導体またはそれらの塩。具体的には、4−アミノ−2−(N−メチルカルバモイル)キノリン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平4−66571号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
35)式
Figure 2005035996

[式中、Rxkは水素、アルキル、アラルキルまたはアシルであり、R1xkおよびR2xkは、独立して、水素、アルキル、アラルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アミノまたは1または2個のアルキル、アラルキルまたはアシル基で置換されたアミノであり、mxkおよびnxkは1、2または3の値であり、XxkおよびYxkは、独立して、2個の炭素間の結合、酸素または硫黄原子、基N−R3xk(式中基R3xkはRxkについて上記において定義した意味を有する)または1〜5個の炭素原子を含有しかつ1または2以上の置換基R4xkを含有できるアルキレンまたはアルケニレン架橋(ここでR4xkは、独立して、水素、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝鎖状の低級アルキル、アルケニルまたはアルキリデン、フェニルまたは1または2以上の1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基、1〜4個の炭素原子を有する低級アルコキシ基またはハロゲン基で置換されたフェニル、アラルキル、1〜4個の炭素原子を有する低級アルコキシ、およびヒドロキシルである)であり、そしてXxkがアルケニレン基であるとき、後者は飽和若しくは不飽和の炭素環式または複素環式環系に融合することができ、上記環は1または2以上の基R5xk(R5xkは水素、1〜4個の炭素原子を有する低級アルキルまたは低級アルコキシまたはハロゲンである)で置換することができ、そして
Figure 2005035996

pxk,qxkおよびrxkは1または1より大きい値であり、そしてR6xkまたはR7xkは、独立して、水素、ハロゲン、低級アルコキシまたは低級アルキルであることができる置換基である。]の多環式アミノピリジン化合物またはその塩。具体的には、(+)−12−アミノ−6,7,10,11−テトラヒドロ−9−エチル−7,11−メタノシクロオクタ[b]キノリンや(+)−12−アミノ−6,7,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−7,11−メタノシクロオクタ[b]キノリン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特表平11−500144号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
36)式
Figure 2005035996

[式中、Yxlは−C=Oであるか、またはR2xl、Yは=CHであり、RxlはC〜C低級アルキル、
Figure 2005035996

(ここで、nxl=0または1であり、Xxlは水素、C〜C低級アルキル、C〜C低級アルコキシ、ニトロ、ハロゲン、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ、ビス−C〜C低級アルキル置換アミノを表わす)、−(CHmxlCOOZxl(ここで、mxl=0〜5であり、Zxlは水素またはC〜C低級アルキルを表わす)、−CH=CH−Gxl基(ここで、Gxlはフェニル、フラニル、カルボキシ、アルコキシカルボニルを表わす)、および窒素原子においてC〜C低級アルキルにより置換されたジヒドロ若しくはテトラヒドロピリジルを表わし、R1xlは水素、C〜C低級アルキル、ピリドイルおよびC〜C低級アルコキシ置換ベンゾイルを表し、R2xlは水素およびC〜C低級アルキルを表わす。]で表される化合物またはその塩。具体的には、下式の化合物等が挙げられる。
Figure 2005035996

上記化合物またはその塩は、特表平10−511651号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
37)式
Figure 2005035996

[式中、Xxm−Yxmは、式
Figure 2005035996

(式中、Rxmは水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニルまたはアリール低級アルキルである)の基、または式
Figure 2005035996

(式中、R1xmは水素、低級アルキルまたはアリール低級アルキルである)の基であり、R2xmおよびR3xmは、独立して水素、低級アルキル、アリール低級アルキル、ジアリール低級アルキル、低級シクロアルケニル低級アルキル、低級アルコキシ、アリール低級アルコキシまたは低級アルカノイルであるか、またはR2xmおよびR3xmは、これらが結合している窒素原子と一緒になって式
Figure 2005035996

(式中、pxmは0または1である)の基、式
Figure 2005035996

(式中、ZxmはO、Sまたは式NR6xm(R6xmは水素、低級アルキルまたはアリール低級アルキルである)の基である)の基を形成し、R4xmは水素、低級アルキルまたはアリール低級アルキルであり、R5xmは水素、低級アルキルまたはアリール低級アルキルであり、mxmは0、1または2であり、そしてnxmは1または2である。]の化合物、その幾何学的および光学的異性体またはその塩。具体的には、N−(1,2,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−5−メチル−2−オキソ−5−キノリニル)アセトアミドや5−[[2−(3,4−ジクロロフェニル)エチル]アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−メチル−2(1H)−キノリノン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平4−290872号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
38)式
Figure 2005035996

[式中、R1xn、R2xnおよびR3xnはそれぞれ水素原子;低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、低級アルキル基が置換していても良いアミノ基、低級アルキル基が置換していても良いスルファモイル基を表わすか、若しくはR1xnおよびR2xnがいっしょになってメチレンジオキシ基を表わし、R4xnおよびR5xnはそれぞれ低級アルキル基または炭素数3から6個のシクロアルキル基、若しくはR4xnおよびR5xnがいっしょになってその置換する窒素原子と共に、それぞれ低級アルキル基が置換していても良い1−ピロリジニル基、1−ピペリジニル基、1−ピペラジニル基、4−モルホリニル基を表わす。]で示される化合物またはその塩。具体的には、N−[4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]ベンジル]−2−エトキシベンズアミドや4−アミノ−N−[4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]ベンジル]−2−メトキシ−5−スルファモイルベンズアミド等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平2−231421号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
39)式
Figure 2005035996

[式中、Xxpは炭素数1〜10の直鎖または分枝状のアルキレン、
Figure 2005035996

または、
Figure 2005035996

を表わす。
1xpはArxp−CHR2xp−(但しArxpは無置換のフェニル基またはハロゲン原子、トリフルオロメチル基、低級アルキル基若しくは低級アルコキシ基で置換されたフェニル基を表わし、R2xpは水素原子または低級アルキル基を表わす。)、フェニル基が無置換またはハロゲン原子、低級アルキル基若しくは低級アルコキシ基で置換されたシンナミル基、シクロアルキルメチル基または複素環芳香族基で置換されたメチル基を表わす。また、Xの2つのピペリジン環への結合部位は一方が2位なら他方は2'位、一方が3位なら他方は3'位、一方が4位なら他方は4'位である。]で示される化合物またはその塩。具体的には、1,6−ジ−(1−ベンジル−4−ピペリジル)ヘキサンや1,5−ジ−(1−ベンジル−4−ピペリジル)ペンタン等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、特開平4−18071号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
40)式
Figure 2005035996

[式中、Rxqは水酸基またはメトキシ基を示す。]で示される化合物またはその塩。
上記化合物またはその塩は、特開平4−159225号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
41)下式で表される9−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロアクリジンまたはその塩。
Figure 2005035996

上記化合物またはその塩は、特開平4−346975号公報に記載の方法、該公報に引用された文献記載の方法、またはそれらに準じた方法により製造される。
42)式
Figure 2005035996

[式中、R1xr、R2xrおよびR3xrはそれぞれ水素原子または低級アルキル基を示す。]で表される化合物またはその塩。
下式で表されるフペルジンA(Huperzine A)またはその塩。
Figure 2005035996

上記化合物またはその塩は、USP 5,177,082、J.Am.Chem.Soc.,1991,113,p4695-4696、または、J.Am.Chem.Soc.,1989,111,p4116-4117に記載の方法またはそれらに準じた方法により製造されるか、あるいは、中草薬の千層塔(トウゲシバ)から抽出後、分離して得られる。
43)下式の構造を有しているガランタミンあるいはガランタミンの誘導体
Figure 2005035996

上式においてR1xsおよびR2xsは同一のもの若しくは異なるものであり、それぞれ水素原子あるいは低級アルカノイル基のようなアシル基を意味しており、例えばアセチル基であり、あるいは例えばメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル等の直鎖あるいは枝分かれしたアルキル基である。
3xsは直鎖または枝分かれしたアルキル基、アルケニル基あるいはアルカリル(alkaryl)基であり、これらの基は任意にハロゲン原子、あるいはシクロアルキル基、水酸基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミノアルキル基、アシルアミノ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール−アルキル基、アロイル基、アロイルアルキル基、あるいはシアノ基により置き換えられるものであり、
4xsは四つの環状骨格を形成している炭素の少なくとも一つに結合している水素原子あるいはハロゲン原子を意味している。但しRが窒素原子に隣接した位置に存在している場合は、Rは好ましくはハロゲン原子、ならびに例えば臭化水素酸塩、塩酸塩等のハロゲンの塩、硫酸メチルあるいはメチオダイドとは異なるものであることを条件とする。
具体的には、下式で表されるGalanthamineまたはその塩が挙げられる。
Figure 2005035996

上記化合物またはその塩は、特表平6−507617号、Heterocycles,1977,8,p277-282、または、J.Chem.Soc.(C),1971,p1043-1047に記載の方法またはそれに準じた方法により製造されるか、あるいは、Galanthus nivalisやGalanthus waronowii等のユリ科植物から抽出後、分離して得られる。
44)式
Figure 2005035996

〔式中、R1yaとR2yaは、それぞれ独立して、水素原子または、置換基を有していてもよい炭化水素残基を示すか、あるいは、隣接する窒素原子とともに縮合複素環基を形成し、R3yaとR4yaは、R3yaが水素原子または、それぞれ置換基を有していてもよい炭化水素残基若しくはアシル基を示し、R4yaが水素原子を示すか、あるいは、R3yaとR4yaが結合して −(CHmya−CO−,−CO−(CHmya−または(CHmya+1−(式中、myaは0,1または2を示す)を形成し、Ayaは−(CHlya−(式中、lyaは0,1または2を示す)または、−CH=CH−を示し、Xyaは1以上の置換基を示し、nyaは4ないし7の整数を示す。〕で表わされる置換アミン類またはその塩。
上記化合物またはその塩は、特開平2−91052号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
45)式
Figure 2005035996

〔式中、環Aybは置換されていてもよく、環構成ヘテロ原子としてO,S,Nの1〜2個を含んでいてもよい5〜8員環状基を示し、R1ybは水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素残基を示し、R2ybは水素原子または低級アルキル基を示し、R3ybは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、R4ybは水素原子または低級アルキル基若しくは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、nybは2〜7の整数を示す。〕で表されるアミノケトン誘導体またはその塩。
上記化合物またはその塩は、特開平3−95143号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
46)式
Figure 2005035996

〔式中、R1ycは水素原子または低級アルキル基を示し、R2ycは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、R3ycは水素原子または低級アルキル基若しくは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、nycは0〜7の整数を示し、環Aycは置換されていてもよく、環構成ヘテロ原子としてO,Sの1または2個を含んでいてもよい5〜8員環状基を示し、環Bycは置換されていてもよいベンゼン環を示す。〕で表されるアラルキルアミン誘導体またはその塩。
上記化合物またはその塩は、特開平3−141244号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
47)式
Figure 2005035996

〔式中、Bydは置換されていてもよい飽和または不飽和の5〜7員アザ複素環状基を示し、Aydは結合手または炭化水素残基、オキソ基、ヒドロキシイミノ基若しくはヒドロキシ基で置換されていてもよい二価または三価の脂肪族炭化水素残基を示し、
Figure 2005035996

は単結合若しくは二重結合を示し(但し、Aydが結合手を表わすときは、
Figure 2005035996

は単結合を表わす)、R2yd,R3ydはそれぞれ独立して水素原子若しくは置換基を有していてもよい炭化水素残基を示すかまたは、隣接する窒素原子とともに環状アミノ基を形成してもよく、pydは1または2を示す。〕で表されるアミノナフタレン化合物またはその塩。
上記化合物またはその塩は、特開平3−223251号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
48)式
Figure 2005035996

〔式中、X1yeはR4ye−N(R4yeは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよいアシル基を示す)、酸素原子または硫黄原子を示し、X2yeはR5ye−N(R5yeは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよいアシル基を示す)または酸素原子を示し、Aye環はさらに置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、R1yeは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、R1yeはnyeの繰り返しにおいてそれぞれ異なっていてもよく、Yyeは置換されていてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい含窒素飽和複素環基を示し、nyeは1ないし10の整数を、kyeは0ないし3の整数を、myeは1ないし8の整数を示す。〕で表される縮合複素環カルボン酸誘導体またはその塩。
上記化合物またはその塩は、特開平5−239024号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
49)式
Figure 2005035996

〔式中、環Ayfは置換基を有していてもよい芳香環を示し、R1yfは水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素残基を示すか、あるいは隣接する基−CH=C−および環Ayfを構成する2個の炭素原子とともに置換されていてもよい炭素環を形成し、R2yfは水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素残基若しくはアシル基を示し、R3yfは置換基を有していてもよい炭化水素残基を示し、nyfは2から6の整数を示す。〕で表わされる不飽和カルボン酸アミド誘導体またはその塩。
上記化合物またはその塩は、特開平2−138255号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
次に、化合物Bの製造法について述べる。化合物(II)は、以下に示す(IIa)、(IIb)、(IIc)および(IId)の製造法に準じて製造される。
化合物(IIa)、(IIc)および(IId)は、例えば以下の[製造法A]、[製造法B]の方法で、化合物(IIb)は、例えば以下の[製造法C]によって製造される。[製造法A]−[製造法C]において、アルキル化反応、加水分解反応、アミノ化反応、エステル化反応、アミド化反応、エステル化反応、エーテル化反応、酸化反応、還元反応,還元的アミノ化反応などを行う場合、これらの反応は、自体公知の方法にしたがって行われる。このような方法としては、例えばオーガニック ファンクショナル グループ プレパレーションズ(ORGANIC FUNCTIONAL GROUP PREPARATIONS)第2版、アカデミックプレス社(ACADEMIC PRESS, INC.)1989年刊;コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーション (Comprehensive Organic Transformations) VCH Publishers Inc.,1989年刊等に記載の方法などが挙げられる。
また、以下に記載の製造法において、化合物(III)、(III’)、(III'')、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VII’)、(VII'')、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)、(XV)、(XVI)、(XVII)、(XVIII)、(XIX)、(XX)、(XXI)、(XXII)はそれぞれ塩を形成していてもよい。「塩」は、例えば前記「化合物Bが塩である場合」の「塩」を適用することができる。
[製造法A]化合物(III)、(III’)または(III'')と化合物(IV)のカップリング反応により化合物(IIa)、(IIc)または(IId)を製造する方法。
Figure 2005035996

[式中、Z1は脱離基を、その他の各記号は前記と同意義を示す。]
1で示される「脱離基」としては、例えばハロゲン原子(例えばクロル、ブロム、ヨード)、C1-6アルキルスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)、C6-10アリールスルホニルオキシ(例えばベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ)などが用いられる。特にハロゲン原子(例えば、クロル、ブロムなど)、メタンスルホニルオキシ等が好ましい。
本カップリング反応は、無溶媒あるいは適当な溶媒、例えば炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、カルボン酸系溶媒、水等に溶解または縣濁して行うことができる。これらは、二種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。好ましくは、例えば無溶媒、あるいはエタノール等のアルコール系溶媒、トルエン等の芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒等が用いられる。
また、本カップリング反応は適当な塩基を添加して行ってもよい。また、該塩基を溶媒として用いることもできる。
「塩基」としては例えば、
1)例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水素化物(例、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウムなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアミド類(例、リチウムアミド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジドなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の低級アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム tert−ブトキシドなど)などの強塩基;
2)例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウムなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸水素塩(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど)などの無機塩基;および
3)例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどのアミン類;例えばDBU(1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデス−7−エン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン)などのアミジン類;例えばピリジン、ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、2,6−ルチジンなどの塩基性複素環化合物などの有機塩基などが挙げられる。
「塩基」としては、例えば炭酸カリウム等のアルカリ金属塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン類等が好ましい。
本カップリング反応の際、化合物(IV)の水素原子をあらかじめ金属原子、例えばリチウム、ナトリウム等のアルカリ金属等で置換しておいてもよい。
本カップリング反応は、-100℃ないし300℃で行うことができるが、0℃ないし150℃が好ましい。反応時間は、例えば1分ないし1日である。
本カップリング反応は、化合物(III)、(III’)または(III'')と化合物(IV)を任意の比率で行うことができ、さらにどちらかを溶媒として用いることもできる。
化合物(IV)は、それ自体公知あるいはそれに準じた方法により製造することができる。例えば、コンプリヘンシブ オーガニック トランスフォーメーション(Comprehensive Organic Transformation) VCH Publishers Inc.,1989年刊等に記載の方法、具体的には、ジャーナル オブ ジ オーガニック ケミストリー(J. Org. Chem.) 24, 1106 (1959)、ブリティン オブ ザ ケミカル ソサイエティー オブ ジャパン(Bull. Chem. Soc. Jpn.) 63, 1252 (1990)、シンセティック コミュニケーションズ(Synth. Commun.) 14, 1099 (1984)、テトラヘドロン(Tetrahedron)49, 1807 (1993)、ジャーナル オブ ヘテロサイクリック ケミストリー(J. Heterocyclic Chem.) 28, 1587(1991)、ジャーナル オブ ジ オーガニック ケミストリー(J. Org. Chem.) 60, 7086 (1995) 等に記載の方法あるいはそれに準じた方法によって製造することができる。
化合物(III)または(III’)は、例えば以下に示すようなフリーデル−クラフツ反応等の方法で製造することができる。
Figure 2005035996


[式中、Z2は脱離基を、その他の各記号は前記と同意義を示す。]
2で示される「脱離基」としては、前記Z1と同様のものを適用できる。好ましくは、ハロゲン原子(例えば、クロル、ブロムなど)あるいは水酸基である。
本反応は、好ましくは酸触媒を添加して反応を行うことができるが、酸触媒を添加せずに反応を行うこともできる。反応に用いられる酸触媒としては、例えば硫酸、無水リン酸、ポリリン酸等の鉱酸、塩化アルミニウム、四塩化スズ、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、塩化亜鉛等のルイス酸等を用いることができる。好ましくは、ポリリン酸、塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、塩化亜鉛等が挙げられる。酸触媒は、任意の当量を用いることができるが、通常、化合物(V)あるいは化合物(VI)に対して0.1当量ないし10当量である。また、場合によっては酸触媒を溶媒として用いることもできる。
本反応は、無溶媒あるいは適当な溶媒、例えば炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、ニトロ化炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、カルボン酸系溶媒等に溶解または縣濁して行うことができる。これらは、二種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。好ましくは、例えば無溶媒、あるいはジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ニトロメタン等のニトロ化炭化水素系溶媒、ニトロベンゼン等の芳香族系溶媒、二硫化炭素等が用いられる。
本反応は、-100℃ないし300℃で行うことができるが、通常、0℃ないし150℃が好ましい。反応時間は、例えば1分ないし3日である。
本反応は、化合物(V)と化合物(VI)を任意の比率で行うことができ、さらにどちらかを溶媒として用いることもできる。
化合物(V)は、それ自体公知あるいはそれに準じた方法により製造することができる。例えばシンセシス(Synthesis)10, 862 (1984)、ジャーナル オブ ザ ケミカル ソサイエティー(J. Chem. Soc.) 1518 (1964)、シンセシス(Synthesis) 851 (1984)、特開平9−124605等に記載の方法あるいはそれに準じた方法によって製造することができる。
化合物(VI)は、それ自体公知あるいはそれに準じた方法により製造することができる。例えばオーガニック シンセシス(Org. Syn.) Coll. Vol.1, 12 (1941)、ヘルベチカ ヒミカ アクタ(Helv. Chem. Acta) 42, 1653 (1959) 等に記載の方法あるいはそれに準じた方法によって製造することができる。
化合物(III)または(III’)は、上述したフリーデル−クラフツ反応以外の方法でも製造できる。「フリーデル−クラフツ反応以外の方法」としては、例えばテトラへドロン レターズ(Tetrahedron Lett.)27, 929 (1986)、ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサイエティー(J. Am. Chem. Soc.) 70, 426(1948)、シンレット(Synlett) 3, 225 (1996) 等に記載されたアリールマグネシウム試薬を用いる方法、テトラヘドロン(Tetrahedron)46, 6061(1990) 等に記載の有機亜鉛試薬を用いる方法等、有機金属試薬を用いる方法等が挙げられる。また、例えば特開平3-95143等に記載の活性メチレン誘導体からの合成法等を用いて製造することもできる。
化合物(III’’)は、例えば以下に示すように化合物(XIII)に置換基Vを導入して化合物(XIV)とした後、化合物(XIV)と化合物(XV)とのカップリングを行い、さらに置換基Vを除去する方法等で製造することができる。
Figure 2005035996


[式中、置換基Vは電子吸引基を、Zは脱離基を、その他の各記号は前記と同意義を示す。]
置換基Vで示される「電子吸引基」としては、例えばC1-8アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル基など)、C7-16アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基など)、カルボキシル基、シアノ基等が用いられる。好ましくはC1-4アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル基など)である。
で示される「脱離基」としては、前記Z1と同様のものを適用できる。好ましくは、ハロゲン原子(例えば、クロル、ブロムなど)、p−トルエンスルホニルオキシ基あるいはメタンスルホニルオキシ基である。
「置換基Vの導入」反応は、無溶媒あるいは適当な溶媒中で行うことができる。「溶媒」は前記製造法Aで述べた「溶媒」と同様なものを用いることができるが、例えば無溶媒、あるいはテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン等の芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒等が好ましい。
本「置換基Vの導入」反応における置換基Vの前駆体としては、例えば炭酸エステル(炭酸ジメチル等)、ハロ炭酸エステル(クロロ炭酸メチル等)あるいは二酸化炭素等が用いられる。
また、本「置換基Vの導入」反応は適当な塩基を添加して行ってもよい。また、該塩基を溶媒として用いることもできる。「塩基」は前記製造法Aで述べた「塩基」と同様なものを用いることができるが、例えば水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等が好ましい。
本「置換基Vの導入」反応は、-100℃ないし300℃で行うことができるが、0℃ないし150℃が好ましい。反応時間は、例えば1分ないし1日である。
化合物(XIV)と化合物(XV)とのカップリング反応は、無溶媒あるいは適当な溶媒中で行うことができる。「溶媒」は前記製造法Aで述べた「溶媒」と同様なものを用いることができるが、例えば無溶媒、あるいはテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン等の芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒等が好ましい。
また、本「化合物(XIV)と化合物(XV)とのカップリング」反応は適当な塩基を添加して行ってもよい。また、該塩基を溶媒として用いることもできる。「塩基」は前記製造法Aで述べた「塩基」と同様なものを用いることができるが、例えば水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等が好ましい。
本「化合物(XIV)と化合物(XV)とのカップリング」反応は、-100℃ないし300℃で行うことができるが、0℃ないし150℃が好ましい。反応時間は、例えば1分ないし1日である。
「置換基Vの除去」反応は、無溶媒あるいは適当な溶媒中で行うことができる。「溶媒」は前記製造法Aで述べた「溶媒」と同様なものを用いることができるが、例えば無溶媒、あるいはジグライム等のエーテル系溶媒、キシレン等の芳香族系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、水等が好ましい。
また、本「置換基Vの除去」反応は適当な酸や塩を添加して行ってもよい。また、該酸を溶媒として用いることもできる。「酸」は、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸やp−トルエンスルホン酸等が好ましい。「塩」は、例えば塩化ナトリウム等が用いられる。
本「置換基Vの除去」反応は、好ましくは加熱して行われる。好ましくは室温ないし250℃である。反応時間は、例えば1分ないし1日である。
化合物(XIII)は、例えばジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J. Org. Chem.) 36, 2480 (1971)に記載の方法に準じて製造することができる。すなわち、例えば以下に示すように、化合物(XVII)と化合物(XVIII)のフリーデル−クラフツ反応により化合物(XIX)とし、還元反応によって化合物(XX)に導いた後、ハロゲン化によって化合物(XXI)とし、次いで分子内フリーデル−クラフツ反応を行う方法等で製造することができる。また、化合物(XX)の分子内フリーデル−クラフツ反応によっても製造することができる。
また、例えばオーガニック シンセシス(Org. Syn.) Coll. Vol.4, 898 (1963)に準じた方法によっても製造することができる。すなわち、例えば以下に示すように、化合物(XVII)と化合物(XXII)のタンデム型分子内フリーデル−クラフツ反応によって化合物(XIII)を製造することができる。
Figure 2005035996

[式中、各記号は前記と同意義を示す。]
「化合物(XVII)と化合物(XVIII)のフリーデル−クラフツ反応」は、前記「化合物(V)と(XI)のフリーデル−クラフツ反応」に準じた方法で行うことができる。化合物(XVIII)から化合物(XX)への「還元」反応は、例えばパラジウム触媒を用いた接触還元、例えばオーガニック リアクションズ(Org. React.) 22, 401 (1975)に記載のクレメンゼン還元、例えばオーガニック リアクションズ(Org. React.) 4, 378 (1948)に記載のヴォルフ−キシュナー還元等を用いることができる。
化合物(XX)から化合物(XXI)への「ハロゲン化」反応は、例えば塩化チオニル、オキザリルクロリド、塩素等ハロゲン化に用いられる試薬を用いて行われる。また、該ハロゲン化試薬を溶媒として用いても良い。
化合物(XX)から化合物(XIII)への「分子内フリーデルクラフツ反応」は、前記「化合物(V)と(XI)のフリーデル−クラフツ反応」に準じた方法で行うことができるが、ルイス酸としてポリリン酸が好ましい。
化合物(XXI)から化合物(XIII)への「分子内フリーデルクラフツ反応」は、前記「化合物(V)と(XI)のフリーデル−クラフツ反応」に準じた方法で行うことができる。
化合物(XVII)と化合物(XXII)との「タンデム型分子内フリーデルクラフツ反応」による化合物(XIII)の製造は、前記「化合物(IV)と(XI)のフリーデル−クラフツ反応」に準じた方法で行うことができる。
[製造法B]化合物(VII)または(VII’)と化合物(VIII)のカップリング反応により化合物(IIa)、(IIc)または(IId)を製造する方法。
Figure 2005035996


[式中、各記号は前記と同意義を示す。]
本カップリング反応は、無溶媒あるいは適当な溶媒中で行うことができる。「溶媒」は前記製造法Aで述べた「溶媒」と同様なものを用いることができるが、例えば無溶媒、あるいはエタノール等のアルコール系溶媒、トルエン等の芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒等が好ましい。
また、本カップリング反応は適当な塩基を添加して行ってもよい。また、該塩基を溶媒として用いることもできる。「塩基」は前記製造法Aで述べた「塩基」と同様なものを用いることができる。
本カップリング反応の際、化合物(VII)または(VII’)の水素原子をあらかじめ金属原子、例えばリチウム、ナトリウム等のアルカリ金属等で置換しておいてもよい。
本カップリング反応は、-100℃ないし300℃で行うことができるが、0℃ないし150℃が好ましい。反応時間は、例えば1分ないし1日である。
本カップリング反応は、化合物(VII)または(VII’)と化合物(VIII)を任意の比率で行うことができ、さらにどちらかを溶媒として用いることもできる。
化合物(VIII)は、それ自体公知あるいはそれに準じた方法により製造することができる。
化合物(VII)、(VII’)または(VII'')は、例えば以下に示すように前記化合物(III)または(III’)と化合物(IX)とのカップリング反応によって製造することができる。
Figure 2005035996


[式中、各記号は前記と同意義を示す。]
本カップリング反応は、無溶媒あるいは適当な溶媒中で行うことができる。「溶媒」は前記製造法Aで述べた「溶媒」と同様なものを用いることができるが、例えば無溶媒、あるいはエタノール等のアルコール系溶媒、トルエン等の芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒等が好ましい。
また、本カップリング反応は適当な塩基を添加して行ってもよい。また、該塩基を溶媒として用いることもできる。「塩基」は前記製造法Aで述べた「塩基」と同様なものを用いることができる。
本カップリング反応の際、化合物(IX)の水素原子をあらかじめ金属原子、例えばリチウム、ナトリウム等のアルカリ金属等で置換しておいてもよい。
本カップリング反応は、-100℃ないし300℃で行うことができるが、0℃ないし150℃が好ましい。反応時間は、例えば1分ないし1日である。
本カップリング反応は、化合物(III)または(III’)と化合物(IX)を任意の比率で行うことができ、さらにどちらかを溶媒として用いることもできる。
化合物(IX)は、それ自体公知あるいはそれに準じた方法により製造することができる。例えば、コンプリヘンシブ オーガニック トランスフォーメーション(Comprehensive Organic Transformation) VCH Publishers Inc.,1989年刊等に記載の方法、具体的にはオーガニック リアクションズ(Org. Rxs.) 14, 52 (1965)、シンセシス(Synthesis) 30 (1972) 等に記載の還元的アミノ化反応、オーガニック リアクションズ(Org. Rxs.) 6, 469 (1951)、ケミカル アンド ファーマシューティカル ブレティン(Chem. Pharm. Bull.)32, 873(1984) 等に記載のニトリルの還元反応、ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(J. Med. Chem.) 12, 658 (1969)、ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサイエティー(J. Am. Chem. Soc.) 73,5865 (1951) 等に記載のアジドの還元反応、オーガニック シンセシス(Org. Syn.) Coll. Vol. 2,83 (1943)、ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサイエティー(J. Am. Chem. Soc.) 72,2786 (1950) 等に記載のガブリエル合成法等によって製造することができる。
[製造法C]化合物(X)と化合物(VIII)のカップリング反応により(IIb)を製造する方法。
Figure 2005035996


[式中、各記号は前記と同意義を示す。]
本カップリング反応は前記製造法Aに準じて行うことができる。具体的には、本反応は無溶媒あるいは適当な溶媒中で行うことができる。「溶媒」は前記製造法Aで述べた「溶媒」と同様なものを用いることができるが、例えば無溶媒、あるいはエタノール等のアルコール系溶媒、トルエン等の芳香族系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒等が好ましい。
また、本カップリング反応は適当な塩基を添加して行ってもよい。また、該塩基を溶媒として用いることもできる。「塩基」は前記製造法Aで述べた「塩基」と同様なものを用いることができるが、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が好ましい。
本カップリング反応の際、化合物(X)の水素原子をあらかじめ金属原子、例えばリチウム、ナトリウム等のアルカリ金属等で置換しておいてもよい。
本カップリング反応は、-100℃ないし300℃で行うことができるが、0℃ないし150℃が好ましい。反応時間は、例えば1分ないし1日である。
本カップリング反応は、化合物(X)と化合物(VIII)を任意の比率で行うことができ、さらにどちらかを溶媒として用いることもできる。
化合物(X)は、例えば以下に示すように、化合物(V)と(XI)のフリーデル−クラフツ反応により得られた化合物(XII)を、次いで脱保護反応に付す等の方法で製造することができる。
Figure 2005035996


[式中、Wはアミンの保護基を、その他の各記号は前記と同意義を示す。]
アミンの保護基Wは、例えばプロテクティブ グループス イン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis), Third Edition, Wiley-Interscience (1999) に記載の保護基等を用いることができる。具体的には、例えば、ホルミル、置換基を有していてもよいC1-6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、エチルカルボニル、トリフルオロアセチル、クロロアセチルなど)、ベンゾイル、C1-6アルキル−オキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニルなど)、フェニルオキシカルボニル(例えば、フェノキシカルボニルなど)、C7-15アラルキルオキシ−カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニル、フルオレニルオキシカルボニルなど)などのアシル基、あるいはトリチル、フタロイルなどの炭化水素基などが挙げられ、中でもアセチル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシカルボニル等が好ましい。
2は、好ましくは、ハロゲン原子(例えば、クロル、ブロムなど)あるいは水酸基等である。
化合物(V)と(XI)のフリーデル−クラフツ反応は、好ましくは酸触媒を添加して行うことができるが、酸触媒を添加せずに反応を行うこともできる。反応に用いられる酸触媒としては、前記化合物(III)の製造に用いた酸触媒と同様のものが用いられるが、好ましくは、ポリリン酸、塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、塩化亜鉛等が挙げられる。酸触媒は、任意の当量を用いることができるが、通常、化合物(V)あるいは化合物(XI)に対して0.1当量ないし10当量である。また、場合によっては酸触媒を溶媒として用いることもできる。
溶媒は、前記化合物(III)の製造で用いた溶媒と同様のものを適用できるが、好ましくは、例えば無溶媒、あるいはジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ニトロメタン等のニトロ化炭化水素系溶媒、ニトロベンゼン等の芳香族系溶媒、二硫化炭素等が挙げられる。
本反応は、-100℃ないし300℃で行うことができるが、通常、0℃ないし150℃が好ましい。反応時間は、例えば1分ないし3日である。
化合物(XII)の脱保護は、例えば前記プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis), Third Edition, Wiley-Interscience (1999) に記載の方法等に準じて行うことができる。具体的には、酸処理、アルカリ加水分解、接触還元反応等によって実施される。
化合物(XI)は、それ自体公知あるいはそれに準じた方法により製造することができる。例えば、特開平5−140149、ケミカル ファルマシューティカル ブリティン (Chem. Pharm. Bull.), 34, 3747 (1986)、ケミカル ファルマシューティカル ブリティン (Chem. Pharm. Bull.), 41, 529 (1993)、EP-A-0,378,207等に記載の方法あるいはそれに準じた方法によって製造することができる。
上記[製造法A]−[製造法C]で製造した化合物(IIa)〜(IId)が1級および2級アミンの場合、必要に応じて他の誘導体に導いた後、単離精製することもできる。「他の誘導体」として好ましくは、該1級および2級アミンに一般的なアミン保護基で保護した化合物等が挙げられる。「一般的なアミン保護基」は、例えばプロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis), Third Edition, Wiley-Interscience (1999) に記載の保護基等を挙げることができる。具体的には、例えば、ホルミル、置換基を有していてもよいC1-6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、エチルカルボニルなど)、ベンゾイル、C1-6アルキル−オキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニルなど)、フェニルオキシカルボニル(例えば、フェノキシカルボニルなど)、C7-15アラルキルオキシ−カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニル、フルオレニルオキシカルボニルなど)などのアシル基、あるいはトリチル、フタロイルなどの炭化水素基などがあり、好ましくは、アセチル基、ベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ベンジル基等が用いられる。精製した「他の誘導体」はそれぞれに適した脱保護反応によって元の1級および2級アミンあるいはその塩に導くことができる。「脱保護反応」は、例えば前記プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis), Third Edition, Wiley-Interscience (1999) に記載の方法等に準じて行うことができる。具体的には、酸処理、アルカリ加水分解、接触還元反応等によって実施される。
「1級および2級アミンあるいはその塩」の「塩」は、例えば前記「化合物Bが塩である場合」の「塩」を適用することができる。
また、化合物(IIa)〜(IId)は、前述した以外の製造法によっても製造することができる。例えば、ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサイエティー(J. Am. Chem. Soc.) 2897 (1971)、シンセシス(Synthesis) 135 (1975)、テトラへドロン レターズ(Tetrahedron Lett.) 5595 (1990)等に記載の還元的アミノ化反応、シンセティック コミュニケーションズ(Synth. Commun.) 177 (1973)、テトラへドロン レターズ(TetrahedronLett.) 4661 (1990)等に記載のエポキシドに対するアミンの付加反応、オーガニック リアクションズ(Org. Rxs.) 79 (1949)、オーガニック シンセシス(Org. Syn.) Coll. Vol. 1, 196 (1941) 等に記載の共役2重結合に対するアミンのマイケル付加反応、シンセシス(Synthesis) 752(1978)、オーガニック リアクションズ(Org. Rxs.) 303 (1942)等に記載のアミドの還元反応、オーガニック リアクションズ(Org. Rxs.) 469 (1941)、アンゲバンテ ヘミー(Angew. Chem.) 265 (1956)等に記載のマンニッヒ反応等によっても製造することができる。
上述の通り、本発明の化合物A,Bには、本明細書において定義されたAChE阻害活性を有し、且つBuChE阻害活性を有しない化合物であれば、その分子構造に制限はなく、例えば、分子内にカルバメート構造を有する化合物も包含される。AChE阻害活性を有し、且つBuChE阻害活性を有しないカルバメート系化合物としては、例えば、
50)式
Figure 2005035996

〔式中、Rは水素またはC1−3アルキル(例:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)基を示し、Rは水素(但し、Rがメチルの場合は水素またはメチル)を示す。〕で表わされるフェンセリン(phenserine)もしくはその誘導体またはその塩等が挙げられる。
上記化合物またはその塩は、Qian-sheng Yuら,ジャーナル・オヴ・メディシナル・ケミストリー(J. Med. Chem.),2001年,第44巻,p. 4062-4071に記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
本発明の化合物は、AChE阻害活性を有し、且つBuChE阻害活性を有しないとの特徴を有することにより、排尿時における排尿筋の収縮作用の増強効果を示す一方、蓄尿時における排尿筋の基底張力の増大をもたらさず、膀胱コンプライアンスの低下を来すことがないので、ジスチグミンやネオスチグミンなどの従来の非選択的コリンエステラーゼ阻害剤における蓄尿機能の阻害という重大な副作用を回避することができる。したがって、本発明の化合物は、より安全かつ有効な下部尿路疾患予防・治療剤、好ましくは排尿障害予防・治療剤、特に排尿困難の予防・治療剤として使用することができる。
本発明の化合物は、毒性が低く、そのまま、または薬理学的に許容し得る担体などと混合して医薬組成物(以下、本発明の医薬組成物)とすることにより、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対して下部尿路疾患予防・治療剤、好ましくは排尿障害予防・治療剤として用いることができる。
ここにおいて、薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、デキストリン、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。
結合剤の好適な例としては、例えばα化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、生理的食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油などが挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖などが挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられる。
着色剤の好適な例としては、例えば水溶性食用タール色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号などの食用色素、水不溶性レーキ色素(例、上記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩など)、天然色素(例、β−カロチン、クロロフィル、ベンガラなど)などが挙げられる。
甘味剤の好適な例としては、例えばサッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビアなどが挙げられる。
医薬組成物の剤形としては、例えば錠剤、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、顆粒剤、散剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などの経口剤;および注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤など)、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤など)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤など)、ペレット、点滴剤等の非経口剤が挙げられ、これらはそれぞれ経口的あるいは非経口的に安全に投与できる。
医薬組成物は、製剤技術分野において慣用の方法、例えば日本薬局方に記載の方法等により製造することができる。以下に、製剤の具体的な製造法について詳述する。
例えば、経口剤は、有効成分に、例えば賦形剤(例、乳糖,白糖,デンプン,D−マンニトールなど)、崩壊剤(例、カルボキシメチルセルロースカルシウムなど)、結合剤(例、α化デンプン,アラビアゴム,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,ポリビニルピロリドンなど)または滑沢剤(例、タルク,ステアリン酸マグネシウム,ポリエチレングリコール6000など)などを添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性を目的として、コーティング基剤を用いて自体公知の方法でコーティングすることにより製造される。
該コーティング基剤としては、例えば糖衣基剤、水溶性フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティング基剤、徐放性フィルムコーティング基剤などが挙げられる。
糖衣基剤としては、白糖が用いられ、さらに、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナバロウなどから選ばれる1種または2種以上を併用してもよい。
水溶性フィルムコーティング基剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE〔オイドラギットE(商品名)、ロームファルマ社〕、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子;プルランなどの多糖類などが挙げられる。
腸溶性フィルムコーティング基剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースなどのセルロース系高分子;メタアクリル酸コポリマーL〔オイドラギットL(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマーLD〔オイドラギットL−30D55(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマーS〔オイドラギットS(商品名)、ロームファルマ社〕などのアクリル酸系高分子;セラックなどの天然物などが挙げられる。
徐放性フィルムコーティング基剤としては、例えばエチルセルロースなどのセルロース系高分子;アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS〔オイドラギットRS(商品名)、ロームファルマ社〕、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体懸濁液〔オイドラギットNE(商品名)、ロームファルマ社〕などのアクリル酸系高分子などが挙げられる。
上記したコーティング基剤は、その2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。また、コーティングの際に、例えば酸化チタン、三二酸化鉄等のような遮光剤を用いてもよい。
注射剤は、有効成分を分散剤(例、ポリソルベート80,ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60など),ポリエチレングリコール,カルボキシメチルセルロース,アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メチルパラベン,プロピルパラベン,ベンジルアルコール,クロロブタノール,フェノールなど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム,グリセリン,D−マンニトール,D−ソルビトール,ブドウ糖など)などと共に水性溶剤(例、蒸留水,生理的食塩水,リンゲル液等)あるいは油性溶剤(例、オリーブ油,ゴマ油,綿実油,トウモロコシ油などの植物油、プロピレングリコール等)などに溶解、懸濁あるいは乳化することにより製造される。この際、所望により溶解補助剤(例、サリチル酸ナトリウム,酢酸ナトリウム等)、安定剤(例、ヒト血清アルブミン等)、無痛化剤(例、ベンジルアルコール等)等の添加物を用いてもよい。
本発明の医薬組成物は、例えば、以下の1)〜7)等に起因する排尿障害、特に排尿困難の予防・治療剤として用いることができる:1)前立腺肥大症、2)膀胱頸部閉鎖症、3)神経因性膀胱、4)糖尿病、5)手術、6)低緊張性膀胱、および7)シェーグレン症候群(ドライアイ、ドライマウス、膣乾燥等)。
より具体的には、前立腺肥大による低緊張膀胱、糖尿病による低緊張膀胱、糖尿病性神経障害による低緊張膀胱、特発性低緊張膀胱(加齢によるものを含む)、多発性硬化症による低緊張膀胱、パーキンソン病による低緊張膀胱、脊髄損傷による低緊張膀胱、手術後の低緊張膀胱、脳閉塞による低緊張膀胱、糖尿病による神経因性膀胱、糖尿病性神経障害による神経因性膀胱、多発性硬化症による神経因性膀胱、パーキンソン病による神経因性膀胱、脊髄損傷による神経因性膀胱、脳閉塞による神経因性膀胱などによる排尿困難の予防・治療剤として用いることができる。
本発明の化合物は、排尿障害(例えば、排尿困難等)を引き起こす疾患を治療する薬剤もしくは他の疾患治療のために投与されるがそれ自体が排尿障害(例えば、排尿困難等)を惹起する薬剤などと組み合わせて用いることができる。
「排尿障害を引き起こす疾患を治療する薬剤」としては、前立腺肥大症の治療薬、前立腺癌の治療薬、膀胱頚部硬化症の治療薬、慢性膀胱炎の治療薬、便秘の治療薬、大腸癌の治療薬、子宮癌の治療薬、糖尿病の治療薬、脳血管障害の治療薬、脊髄損傷の治療薬、脊髄腫瘍の治療薬、多発性硬化症の治療薬、アルツハイマー病を含む痴呆症の治療薬、パーキンソン病の治療薬、進行性核上性麻痺の治療薬、ギラン−バレ症候群の治療薬、急性汎自律神経異常症の治療薬、オリーブ橋小脳萎縮症の治療薬、頸椎症の治療薬などが挙げられる。
前立腺肥大症の治療薬としては、例えば、Allylestrenol、Chlormadinone acetate、Gestonorone caproate、Nomegestrol、Mepartricin、Finasteride、PA-109、THE-320などが挙げられる。また、前立腺肥大に伴う排尿障害の治療薬として、YM-31758、YM-32906、KF-20405、MK-0434、フィナステリド、CS-891などのα-リダクターゼ阻害薬などが挙げられる。
前立腺癌の治療薬としては、例えば、Ifosfamide、Estramustine phosphate sodium、Cyproterone、Chlormadinone acetate、Flutamide、Cisplatin、Lonidamine、Peplomycin、Leuprorelin、Finasteride、Triptorelin-DDS、Buserelin、Goserelin-DDS、Fenretinide、Bicalutamide、Vinorelbine、Nilutamide、Leuprolide-DDS、Deslorelin、Cetrorelix、Ranpirnase、Leuprorelin-DDS、Satraplatin、Prinomastat、Exisulind、Buserelin-DDS、Abarelix-DDSなどが挙げられる。
膀胱頚部硬化症の治療薬としては、例えば、α1遮断剤などのα遮断剤などが挙げられる。α遮断剤としては、例えば、タムスロシン (Tamsulosin)、プラゾシン (Prazosin)、テラゾシン(Terazosin)、ドキサゾシン(Doxazosin)、ウラピジル(Urapidil)、インドラミン(Indoramin)、アルフゾシン(Alfuzosin)、ダピプラゾール(Dapiprazole)、ナフトピジル(Naftopidil)、Ro 70−0004、KMD−3213、GYKI−16084、JTH−601、Z−350、Rec−15−2739、SK&F−86466、ブナゾシン(Bunazosin)、BMY−15037、ブフロメジル(Buflomedil)、ネルダゾシン(Neldazosin)、Moxisylyte、SL−890591、LY−23352、ABT−980,AIO−8507−L,L−783308, L−780945,SL−910893,GI−231818,SK&F−106686、RWJ-38063、セロドシン、フィドキソシン(Fiduxosin)などが挙げられる。
慢性膀胱炎の治療薬としては、例えば、Flavoxate hydrochlorideなどが挙げられる。
便秘の治療薬としては、例えば、Sennoside A・B、Phenovalinなどが上げられる。
大腸癌の治療薬としては、例えば、Chromomycin A3、Fluorouracil、Tegafur、Krestinなどが挙げられる。
子宮癌の治療薬としては、例えば、Chromomycin A3、Fluorouracil、Bleomycin hydrochloride、Medroxyprogesterone acetateなどが挙げられる。
糖尿病の治療薬としては、例えばインスリン抵抗性改善薬、インスリン分泌促進薬、ビグアナイド剤、インスリン、α−グルコシダーゼ阻害薬、β3アドレナリン受容体作動薬などが挙げられる。
インスリン抵抗性改善薬としては、例えばピオグリタゾンまたはその塩(好ましくは塩酸塩)、トログリタゾン、ロシグリタゾンまたはその塩(好ましくはマレイン酸塩)、JTT−501、GI−262570、MCC−555、YM−440、DRF−2593、BM−13−1258、KRP−297、CS−011などが挙げられる。
インスリン分泌促進薬としては、例えばスルフォニル尿素剤が挙げられる。該スルフォニル尿素剤の具体例としては、例えばトルブタミド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、 グリクロピラミドおよびそのアンモニウム塩、グリベンクラミド、グリクラジド、グリメピリドなどが挙げられる。上記以外にも、インスリン分泌促進剤としては、例えばレパグリニド、ナテグリニド、KAD−1229、JTT−608などが挙げられる。
ビグアナイド剤としては、例えばメトホルミン、ブホルミンなどが挙げられる。
インスリンとしては、例えばウシ,ブタの膵臓から抽出された動物インスリン;ブタの膵臓から抽出されたインスリンから酵素的に合成された半合成ヒトインスリン;大腸菌,イーストを用い遺伝子工学的に合成したヒトインスリンなどが挙げられる。インスリンとしては、0.45から0.9(w/w)%の亜鉛を含むインスリン亜鉛;塩化亜鉛,硫酸プロタミンおよびインスリンから製造されるプロタミンインスリン亜鉛なども用いられる。さらに、インスリンは、そのフラグメントあるいは誘導体(例、INS-1など)であってもよい。
α−グルコシダーゼ阻害薬としては、例えばアカルボース、ボグリボース、ミグリトール、エミグリテートなどが挙げられる。
β3アドレナリン受容体作動薬としては、例えばAJ−9677、BMS−196085、SB−226552、SR−58611−A、CP−114271、L−755507などが挙げられる。
上記以外にも、糖尿病治療薬としては、例えばエルゴセット、プラムリンタイド、レプチン、BAY-27-9955などが挙げられる。
などが挙げられる。
脳血管障害の治療薬としては、例えば、Nicaraven、Bencyclane fumarate、 Eurnamonine、Flunarizine、Nilvadipine、Ibudilast、Argatroban、Nizofenone、 Naftidrofuryl、Nicergoline、Nimodipine、Papaveroline、Alteplase、Viquidil hydrochloride、Moxisylyte、Pentoxifylline、Dihydroergotoxine mesylate、Lemildipine、Cyclandelate、Xanthinol nicotinate、Febarbamate、Cinnarizine、Memantine、Ifenprodil、Meclofenoxate hydrochloride、Ebselen、Clopidogrel、Nebracetam、Edaravone、Clinprost-DDS、Vatanidipine、Ancrod、Dipyridamoleなどが挙げられる。
脊髄損傷の治療薬としては、例えば、Methylprednisolone、Dural graft matrixなどが挙げられる。
脊髄腫瘍の治療薬としては、例えば、Nimustine hydrochlorideなどが挙げられる。
多発性硬化症の治療薬としては、例えば、Interferon-β-1bなどが挙げられる。
アルツハイマー病を含む痴呆症の治療薬としては、例えば、Aniracetam、Arginine pyroglutamate、Nefiracetam、Nimodipine、Piracetam、Propentfylline、Vinpocetine、Indeloxazine、Vitamin E、Cinepazide、 Memantine、Lisuride hydrogen malate、 Pramiracetam、Zuclopenthixol、Protirelin、EGB-761、Acetyl-L-carnitine、Phosphatidylserine、Nebracetam、Taltireline、Choline alphoscerate、Ipidacrine、Talsaclidine、 Cerebrolysin、Rofecoxib、ST-618、T-588、Tacrine、Physostigmine-DDS、Huperzine A、Donepezil、Rivastigmine、Metrifonate、TAK-147などが挙げられる。
パーキンソン病の治療薬としては、例えば、Talipexole、Amantadine、Pergolide、Bromocriptine、Selegiline、Mazaticol hydrochloride、Memantine、Lisuride hydrogen malate、Trihexyphenidyl、Piroheptin hydrochloride、Terguride、Ropinirole、Ganglioside-GM1、Droxidopa、Riluzole、Gabergoline、Entacapone、Rasagiline、Pramipexole、L-dopa-methylester、Tolcapone、Remacemide, Dihydroergocryptine, Carbidopa, Selegiline-DDS, Apomorphine、Apomorphine-DDS、Etilevodopa、Levodopaなどが挙げられる。
進行性核上性麻痺の治療薬としては、例えば、L-ドーパ(L-dopa)、カルビドパ(carbidopa)、ブロモクリプチン(bromocriptine)、ペルゴリド(pergolide)、リスリド(lisuride)、アミトリプチリン(amitriptyline)などが挙げられる。
ギラン−バレ症候群の治療薬としては、例えば、ステロイド剤やプロチレリン(protireline)などのTRH製剤などが挙げられる。
急性汎自律神経異常症の治療薬としては、例えば、ステロイド剤、ドロキシドパ(L-threo-DOPS)、ジヒドロエルゴタミン(dihydroergotamine)、アメジニウム(amezinium)などが挙げられる。
オリーブ橋小脳萎縮症の治療薬としては、例えば、TRH製剤、ステロイド剤あるいはミドドリン(midodrine)、アメジニウム(amezinium)などが挙げられる。
頸椎症の治療薬としては、例えば、消炎鎮静薬などが挙げられる。
「他の疾患治療のために投与されるがそれ自体が排尿障害を惹起する薬剤」としては、例えば、鎮痛薬(モルヒネ、塩酸トラマドールなど)、中枢性骨格筋弛緩薬(バクロフェンなど)、ブチロフェノン系抗精神病薬(ハロペリドールなど)、過活動膀胱治療薬(頻尿・尿失禁治療薬)(塩酸オキシブチニン、塩酸プロピベリン、トルテロジン、ダリフェナシン、YM-905/YM-537、テミベリン(NS-21)、KRP-197、トロスピウムなどのムスカリン拮抗薬(抗コリン薬);塩酸フラボキサートなどの平滑筋弛緩薬;NC-1800などの筋弛緩薬;クレンブトールなどのBeta2 アゴニスト;ZD-0947、NS-8、KW-7158、WAY-151616などのカリウムチャンネル開口薬;ONO-8711などのPGE2 アンタゴニスト;レジニフェラトキシン、カプサイシンなどのバニロイド受容体アゴニスト;TAK-637、SR-48968 (saredutant)、SB-223412 (talnerant) などのタキキニン拮抗薬;デルタオピオイドアゴニストなど)、鎮痙薬(臭化ブチルスコポラミン、臭化ブトロピウム、臭化チキジウム、臭化チメピジウム、臭化プロパンテリンなど)、消化管潰瘍治療薬(コランチル、メサフィリン、シメチジンなど)、パーキンソン病治療薬(塩酸トリヘキシフェニジル、ビペリデン、塩酸マザチコール、レボドパなど)、抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ホモクロルシクリジンなど)、三環系抗うつ薬(塩酸イミプラミン、塩酸アミトリプチリン、塩酸クロミプラミン、アモキサピン、塩酸デシプラミンなど)、フェノチアジン系抗精神病薬(クロルプロマジン、プロペリシアジン、レボメプロマジン、チオリダジンなど)、ベンゾジアゼピン系精神安定薬・睡眠鎮静薬(ジアゼパム、クロルジアゼポキシド、クロチアゼパム、エスタゾラムなど)、抗不整脈薬(ジソピラミドなど)、血管拡張薬(塩酸ヒドララジンなど)、脳末梢循環改善薬(ペントキシフィリンなど)、気管支拡張薬(テオフィリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリンなど)、β-アドレナリン遮断薬(塩酸プロプラノロールなど)、感冒薬(ダンリッチなど)、末梢性骨格筋弛緩薬(ダントロレンナトリウムなど)、抗結核薬(イソニアジドなど)などが挙げられる。
これらの組み合わせのうち、8−[3−[1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−4−ピペリジニル]−1−オキソプロピル]−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オンまたはその塩の結晶とタムスロシン (Tamsulosin)、プラゾシン (Prazosin)などのα遮断剤との組み合わせが好ましい。
本発明の化合物と、上記の排尿障害を引き起こす疾患を治療する薬剤もしくは排尿障害を惹起する薬剤とを併用して用いる場合、例えば(1)公知の製剤学的製造法に準じ、所望により適宜製剤学的に許容され得る賦形剤等と共に単一剤に製造する、(2)それぞれを所望により製剤学的に許容され得る賦形剤等を用いて各製剤とし同時または時差を設けて組み合わせて使用(併用)する、または(3)それぞれを常法により適宜賦形剤と共にそれぞれ製剤化したものをセット(キット剤等)等としてもよい。(2)の場合、本発明の目的が達成される限り、各製剤の投与回数は異なっていてもよい。このような製剤中の有効成分の含有量は、各々の有効成分の有効量の範囲内あるいは製剤学的、薬理学的に許容される範囲内であればよい。具体的には通常約0.01〜約100重量%である。
本発明の排尿障害予防・治療剤の投与量は、投与対象、投与ルート、疾患等により異なるが、例えば、排尿困難治療剤として、成人(体重約60kg)に対して、経口剤として、1回当たり有効成分として約0.005〜100mg、好ましくは約0.05〜30mg、さらに好ましくは約0.2〜10mgであり、1日1回の投与でもよいし、数回に分けて投与することもできる。
薬物を組み合わせて用いる場合には、個々の薬物の最少推奨臨床投与量を基準とし、投与対象、投与対象の年齢および体重、症状、投与時間、投与方法、剤型、薬物の組み合わせなどにより、適宜選択することができる。ある特定の患者の投与量は、年令、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物の組み合わせ、患者のその時に治療を行っている病状の程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められる。
典型的には、本発明の化合物と、各種疾患治療薬から選ばれる少なくとも一種の化合物またはその塩との組み合わせに関する個々の一日投与量は、それらが単独で投与される場合の実態に関して最少推奨臨床投与量の約1/50以上最大推奨レベル以下の範囲である。
本発明はまた、排尿障害予防・治療作用を示し、且つ蓄尿機能を阻害しない物質の迅速かつ簡便なスクリーニング方法を提供する。
本発明のスクリーニング方法は、試験化合物のAChE阻害活性とBuChE阻害活性とを測定し、比較することを特徴とする。AChE阻害活性およびBuChE阻害活性の測定方法は特に制限されず、公知のいかなる方法も使用することができるが、例えば、後述の実施例1にて使用されるチオコリン法(Ellman法)等が好ましく挙げられる。種々の濃度での試験化合物の阻害活性(% of control)の実測値に基づいて各酵素の50%阻害濃度(IC50)値を算出し、AChEのIC50値に対するBuChEのIC50値の比を求める。その結果、例えば、前記IC50比が約20以上、好ましくは約100以上、より好ましくは約1000以上、最も好ましくは約10000以上である化合物が、AChE阻害活性を有し、且つBuChE阻害活性を有しない化合物、即ち蓄尿機能を阻害しない排尿障害予防・治療物質の候補として選択される。これら選択された化合物の排尿障害予防・治療活性は、例えば、後述の実施例3に示される、実験動物を用いたプレッシャー/フロースタディ(例えば、The Journal of Urology,1995年,第154巻,p.580;American Journal of Physiology,1995年,第269巻,p.98;Neurourology and Urodynamics,1996年,第15巻,p.513等を参照)により、排尿時および蓄尿時の各種パラメータを測定することにより検証することができる。
さらに、本発明の化合物は単独で、または他の過活動膀胱等の予防・治療剤(抗コリン剤等)と組み合わせて、口渇を伴わずに排尿障害、例えば過活動膀胱(例えば頻尿、夜間頻尿、尿失禁等)等の予防・治療に用いることができる。
本発明の化合物は他の薬剤、例えば排尿障害予防治療剤(例えば塩酸オキシブチニン、塩酸プロピベリン、トルテロジン、ダリフェナシン、YM-905/YM-537、テミベリン(NS-21)、KRP-197、トロスピウムなどの抗コリン剤)の投与で誘発される副作用、例えば口渇を抑えることができる。
薬剤のスクリーニング方法としては、前述したAChEとBuChEの阻害活性を測定することによる蓄尿機能に影響しない化合物の選択と、実施例5に記載した抗コリン剤誘発唾液分泌抑制作用に対する拮抗作用の観察等が好ましく挙げられる。さらに例えば実施例6に記載した方法などにより膀胱容量を測定し、抗コリン剤の主薬効(過活動膀胱抑制作用)に対する選択化合物を同時に投与することの影響を検証することができる。
このスクリーニング方法において、蓄尿機能に影響を与えずアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物の選択基準として、アセチルコリンエステラーゼ50%阻害濃度に対するブチリルコリンエステラーゼ50%阻害濃度を使用することができ、上記アセチルコリンエステラーゼ50%阻害濃度に対するブチリルコリンエステラーゼ50%阻害濃度の比率が約20以上、好ましくは約100以上、より好ましくは約1000以上、最も好ましくは10000以上である化合物が、口渇を伴わない排尿障害、例えば過活動膀胱(例えば頻尿、夜間頻尿・尿失禁等)等の予防・治療剤として、あるいは他の薬剤、例えば排尿障害予防治療剤(例えば塩酸オキシブチニン、塩酸プロピベリン、トルテロジン、ダリフェナシン、YM-905/YM-537、テミベリン(NS-21)、KRP-197、トロスピウムなどの抗コリン剤)の投与で誘発される副作用、例えば口渇を抑える目的での使用に有効である。
過活動膀胱予防・治療剤として使用される抗コリン剤等と本発明の化合物を併用する場合に使用比率は、投与対象である患者における抗コリン剤等の主薬効(過活動膀胱抑制作用)と副作用(口渇)の発現のバランスによって変更可能である。すなわち、口渇が重篤である場合には、発明の化合物の投与量は高めになり、口渇がそれほど重篤でない場合には逆に低めとなる。具体的な本発明化合物と他の過活動膀胱予防・治療剤との併用比率は1:0.0001〜10000、好ましくは1:0.001〜1000、さらに好ましくは1:0.01〜100である。
本発明の化合物を口渇を伴わない排尿障害の予防・治療剤、または他の薬剤の投与で誘発される副作用の予防、治療剤として用いる場合、本発明の化合物の投与量は、投与対象、投与ルート、疾患等により異なるが、例えば、成人(体重約60kg)に対して、経口剤として、1回当たり有効成分として約0.005〜100mg、好ましくは約0.05〜30mg、さらに好ましくは約0.2〜10mgであり、1日1回の投与でもよいし、数回に分けて投与することもできる。
本発明の化合物と他の過活動膀胱の予防・治療剤とを組み合わせて用いる場合には、個々の薬物の最少推奨臨床投与量を基準とし、投与対象、投与対象の年齢および体重、症状、投与時間、投与方法、剤型、薬物の組み合わせなどにより、適宜選択することができる。ある特定の患者の投与量は、年令、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物の組み合わせ、患者のその時に治療を行っている病状の程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められる。
典型的には、本発明の化合物と、各種疾患治療薬から選ばれる少なくとも一種の化合物またはその塩との組み合わせに関する個々の一日投与量は、それらが単独で投与される場合の実態に関して最少推奨臨床投与量の約1/50以上最大推奨レベル以下の範囲である。
本発明の化合物と他の過活動膀胱予防治療薬(以下、併用薬物と略記)とを組み合わせることにより、
(1)本発明の化合物または併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減することができる、
(2)患者の症状(軽症、重症など)に応じて、本発明の化合物と併用する薬物を選択することができる、
(3)本発明の化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療期間を長く設定することができる、
(4)本発明の化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療効果の持続を図ることができる、
(5)本発明の化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られる
(6)本発明の化合物と併用薬物の併用により、併用薬物の投与により誘発される口渇が軽減される、
などの優れた効果を得ることができる。
以下、本発明の化合物(I)と併用薬物を併用して使用することを「本発明の併用剤」と称する。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明の化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明の化合物またはその医薬組成物と併用薬物またはその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の併用剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明の化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の化合物;併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)などが挙げられる。
本発明の併用剤は、毒性が低く、例えば、本発明の化合物または(および)上記併用薬物を自体公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤、(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤等として、経口的又は非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。注射剤は、静脈内、筋肉内、皮下または臓器内投与あるいは直接病巣に投与することができる。
本発明の併用剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質があげられ、例えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤、あるいは液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤及び無痛化剤等があげられる。更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量用いることもできる。
賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。
結合剤としては、例えば結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
溶剤としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。
溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
懸濁化剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン、等の界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。
等張化剤としては、例えばブドウ糖、 D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
無痛化剤としては、例えばベンジルアルコール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等が挙げられる。
本発明の併用剤における本発明の化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明の化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし100重量%、好ましくは約0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし20重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし100重量%、好ましくは約0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし20重量%程度である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1ないし99.99重量%、好ましくは約10ないし90重量%程度である。
また、本発明の化合物および併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
これらの製剤は、製剤工程において通常一般に用いられる自体公知の方法により製造することができる。
例えば、本発明の化合物または併用薬物は、分散剤(例、ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国)、HCO 60(日光ケミカルズ製)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリンなど)、安定化剤(例、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム等)、界面活性剤(例、ポリソルベート80、マクロゴール等)、可溶剤(例、グリセリン、エタノール等)、緩衝剤(例、リン酸及びそのアルカリ金属塩、クエン酸及びそのアルカリ金属塩等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖等)、pH調節剤(例、塩酸、水酸化ナトリウム等)、保存剤(例、パラオキシ安息香酸エチル、安息香酸、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール等)、溶解剤(例、濃グリセリン、メグルミン等)、溶解補助剤(例、プロピレングリコール、白糖等)、無痛化剤(例、ブドウ糖、ベンジルアルコール等)などと共に水性注射剤に、あるいはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油などの植物油、プロピレングリコールなどの溶解補助剤に溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤に成形し、注射剤とすることができる。
経口投与用製剤とするには、自体公知の方法に従い、本発明の化合物または併用薬物を例えば、賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプンなど)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウムなど)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロースなど)又は滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール 6000など)などを添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコーティングすることにより経口投与製剤とすることができる。そのコーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、ツイーン 80、プルロニック F68、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、オイドラギット(ローム社製、ドイツ,メタアクリル酸・アクリル酸共重合)および色素(例、ベンガラ,二酸化チタン等)などが用いられる。経口投与用製剤は速放性製剤、徐放性製剤のいずれであってもよい。
例えば、坐剤とするには、自体公知の方法に従い、本発明の化合物または併用薬物を油性又は水性の固状、半固状あるいは液状の坐剤とすることができる。上記組成物に用いる油性基剤としては、例えば、高級脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ脂、ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社製,ドイツ)など〕、中級脂肪酸〔例、ミグリオール類(ダイナマイトノーベル社製,ドイツ)など〕、あるいは植物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油など)などが挙げられる。また、水性基剤としては、例えばポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、水性ゲル基剤としては、例えば天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体などが挙げられる。
上記徐放性製剤としては、徐放性マイクロカプセル剤などが挙げられる。
徐放型マイクロカプセルとするには、自体公知の方法を採用できるが、例えば、下記〔2〕に示す徐放性製剤に成型して投与するのが好ましい。
本発明の化合物は、固形製剤(例、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤)などの経口投与用製剤に成型するか、坐剤などの直腸投与用製剤に成型するのが好ましい。特に経口投与用製剤が好ましい。
併用薬物は、薬物の種類に応じて上記した剤形とすることができる。
以下に、〔1〕本発明の化合物または併用薬物の注射剤およびその調製、〔2〕本発明の化合物または併用薬物の徐放性製剤又は速放性製剤およびその調製、〔3〕本発明の化合物または併用薬物の舌下錠、バッカル又は口腔内速崩壊剤およびその調製について具体的に示す。
〔1〕注射剤およびその調製
本発明の化合物または併用薬物を水に溶解してなる注射剤が好ましい。該注射剤には安息香酸塩又は/およびサリチル酸塩を含有させてもよい。
該注射剤は、本発明の化合物または併用薬物と所望により安息香酸塩又は/およびサリチル酸塩の双方を水に溶解することにより得られる。
上記安息香酸、サリチル酸の塩としては、例えばナトリウム,カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム,マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、メグルミン塩、その他トロメタモールなどの有機酸塩などが挙げられる。
注射剤中の本発明の化合物または併用薬物の濃度は0.5〜50w/v%、好ましくは3〜20w/v%程度である。また安息香酸塩又は/およびサリチル酸塩の濃度は0.5〜50w/v%、好ましくは3〜20w/v%が好ましい。
また、本剤には一般に注射剤に使用される添加剤、例えば安定化剤(アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム等)、界面活性剤(ポリソルベート80、マクロゴール等)、可溶剤(グリセリン、エタノール等)、緩衝剤(リン酸及びそのアルカリ金属塩、クエン酸及びそのアルカリ金属塩等)、等張化剤(塩化ナトリウム、塩化カリウム等)、分散剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリン)、pH調節剤(塩酸、水酸化ナトリウム等)、保存剤(パラオキシ安息香酸エチル、安息香酸等)、溶解剤(濃グリセリン、メグルミン等)、溶解補助剤(プロピレングリコール、白糖等)、無痛化剤(ブドウ糖、ベンジルアルコール等)などを適宜配合することができる。これらの添加剤は一般に注射剤に通常用いられる割合で配合される。
注射剤はpH調節剤の添加により2〜12好ましくは2.5〜8.0に調整するのがよい。
注射剤は本発明の化合物または併用薬物と所望により安息香酸塩又は/およびサリチル酸塩の双方を、また必要により上記添加剤を水に溶解することにより得られる。これらの溶解はどのような順序で行ってもよく、従来の注射剤の製法と同様に適宜行うことができる。
注射用水溶液は加温するのがよく、また通常の注射剤と同様にたとえば濾過滅菌,高圧加熱滅菌などを行うことにより注射剤として供することができる。
注射用水溶液は、例えば100℃〜121℃の条件で5分〜30分高圧加熱滅菌するのがよい。
さらに多回分割投与製剤として使用できるように、溶液の抗菌性を付与した製剤としてもよい。
〔2〕徐放性製剤又は速放性製剤およびその調製
本発明の化合物または併用薬物を含んでなる核を所望により水不溶性物質や膨潤性ポリマーなどの被膜剤で被覆してなる徐放性製剤が好ましい。例えば、1日1回投与型の経口投与用徐放性製剤が好ましい。
被膜剤に用いられる水不溶性物質としては、例えばエチルセルロース、ブチルセルロースなどのセルロースエーテル類、セルロースアセテート、セルロースプロピオネートなどのセルロースエステル類、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチレートなどのポリビニルエステル類、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート共重合体、エトキシエチルメタクリレート/シンナモエチルメタクリレート/アミノアルキルメタクリレート共重合体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、メタクリル酸アルキルアミド共重合体、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリメタクリレート、ポリメタクリルアミド、アミノアルキルメタクリレート共重合体、ポリ(メタクリル酸アンヒドリド)、グリシジルメタクリレート共重合体、とりわけオイドラギットRS−100,RL−100,RS−30D,RL−30D,RL−PO,RS−PO(アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチル・アンモニウムエチル共重合体)、オイドラギットNE−30D(メタアクリル酸メチル・アクリル酸エチル共重合体)などのオイドラギット類(ローム・ファーマ社)などのアクリル酸系ポリマー、硬化ヒマシ油(例、ラブリーワックス(フロイント産業)など)などの硬化油、カルナバワックス、脂肪酸グリセリンエステル、パラフィンなどのワックス類、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
膨潤性ポリマーとしては、酸性の解離基を有し、 pH依存性の膨潤を示すポリマーが好ましく、胃内のような酸性領域では膨潤が少なく、小腸や大腸などの中性領域で膨潤が大きくなる酸性の解離基を有するポリマーが好ましい。
このような酸性の解離基を有し pH依存性の膨潤を示すポリマーとしては、例えばカーボマー(Carbomer)934P、940、941、974P、980、1342等、ポリカーボフィル(polycarbophil)、カルシウムポリカボーフィル(carcium polycarbophil)(前記はいずれもBFグツドリッチ社製)、ハイビスワコー103、104、105、304(いずれも和光純薬(株)製)などの架橋型ポリアクリル酸重合体が挙げられる。
徐放性製剤に用いられる被膜剤は親水性物質をさらに含んでいてもよい。
該親水性物質としては、例えばプルラン、デキストリン、アルギン酸アルカリ金属塩などの硫酸基を有していてもよい多糖類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのヒドロキシアルキル基又はカルボキシアルキル基を有する多糖類、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
徐放性製剤の被膜剤における水不溶性物質の含有率は約30ないし約90%(w/w)、好ましくは約35ないし約80%(w/w)、さらに好ましくは約40ないし75%(w/w)、膨潤性ポリマーの含有率は約3ないし約30%(w/w)、好ましくは約3ないし約15%(w/w)である。被膜剤は親水性物質をさらに含んでいてもよく、その場合被膜剤における親水性物質の含有率は約50%(w/w)以下、好ましくは約5〜約40%(w/w)、さらに好ましくは約5〜約35%(w/w)である。ここで上記%(w/w)は被膜剤液から溶媒(例、水、メタノール、エタノール等の低級アルコール等)を除いた被膜剤組成物に対する重量%を示す。
徐放性製剤は、以下に例示するように薬物を含む核を調製し、次いで得られた核を、水不溶性物質や膨潤性ポリマーなどを加熱溶解あるいは溶媒に溶解又は分散させた被膜剤液で被覆することにより製造される。
I.薬剤を含む核の調製。
被膜剤で被覆される薬物を含む核(以下、単に核と称することがある)の形態は特に制限されないが、好ましくは顆粒あるいは細粒などの粒子状に形成される。
核が顆粒又は細粒の場合、その平均粒子径は、好ましくは約150ないし2,000μm、さらに好ましくは約500ないし約1,400μmである。
核の調製は通常の製造方法で実施することができる。例えば、薬物に適当な賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定化剤等を混合し、湿式押し出し造粒法、流動層造粒法などにより調製する。
核の薬物含量は、約0.5ないし約95%(w/w)、好ましくは約5.0ないし約80%(w/w)、さらに好ましくは約30ないし約70%(w/w)である。
核に含まれる賦形剤としては、例えば白糖、乳糖、マンニトール、グルコースなどの糖類、澱粉、結晶セルロース、リン酸カルシウム、コーンスターチなどが用いられる。中でも、結晶セルロース、コーンスターチが好ましい。
結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、プルロニックF68、アラビアゴム、ゼラチン、澱粉などが用いられる。崩壊剤としては、例えばカルボキシメチルセルロースカルシウム(ECG505)、クロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol)、架橋型ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)などが用いられる。中でも、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。滑沢剤、凝集防止剤としては例えばタルク、ステアリン酸マグネシウムおよびその無機塩、また潤滑剤としてポリエチレングリコールなどが用いられる。安定化剤としては酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸などの酸が用いられる。
核は上記製造法以外にも、例えば核の中心となる不活性担体粒子上に水、低級アルコール(例、メタノール、エタノールなど)等の適当な溶媒に溶解した結合剤をスプレーしながら、薬物あるいはこれと賦形剤、滑沢剤などとの混合物を少量づつ添加して行なう転動造粒法、パンコーティング法、流動層コーティング法や溶融造粒法によっても調製することができる。不活性担体粒子としては、例えば白糖、乳糖、澱粉、結晶セルロース、ワックス類で製造されたものが使用でき、その平均粒子径は約100μmないし約1,500μmであるものが好ましい。
核に含まれる薬物と被膜剤とを分離するために、防護剤で核の表面を被覆してもよい。防護剤としては、例えば前記親水性物質や、水不溶性物質等が用いられる。防護剤は、好ましくはポリエチレングリコールやヒドロキシアルキル基又はカルボキシアルキル基を有する多糖類、より好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが用いられる。該防護剤には安定化剤として酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸等の酸や、タルクなどの滑沢剤を含んでいてもよい。防護剤を用いる場合、その被覆量は核に対して約1ないし約15%(w/w)、好ましくは約1ないし約10%(w/w)、さらに好ましくは約2ないし約8%(w/w)である。
防護剤は通常のコーティング法により被覆することができ、具体的には、防護剤を例えば流動層コーティング法、パンコーティング法等により核にスプレーコーティングすることで被覆することができる。
II.核の被膜剤による被覆
前記Iで得られた核を、前記水不溶性物質及び pH依存性の膨潤性ポリマー、および親水性物質を加熱溶解あるいは溶媒に溶解又は分散させた被膜剤液により被覆することにより徐放性製剤が製造される。
核の被膜剤液による被覆方法として、例えば噴霧コーティングする方法などが挙げられる。
被膜剤液中の水不溶性物質、膨潤性ポリマー又は親水性物質の組成比は、被膜中の各成分の含有率がそれぞれ前記含有率となるように適宜選ばれる。
被膜剤の被覆量は、核(防護剤の被覆量を含まない)に対して約1ないし約90%(w/w)、好ましくは約5ないし約50%(w/w)、さらに好ましくは約5ないし35%(w/w)である。
被膜剤液の溶媒としては水又は有機溶媒を単独であるいは両者の混液を用いることができる。混液を用いる際の水と有機溶媒との混合比(水/有機溶媒:重量比)は、1ないし100%の範囲で変化させることができ、好ましくは1ないし約30%である。該有機溶媒としては、水不溶性物質を溶解するものであれば特に限定されないが、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等の低級アルコール、アセトンなどの低級アルカノン、アセトニトリル、クロロホルム、メチレンクロライドなどが用いられる。このうち低級アルコールが好ましく、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが特に好ましい。水及び水と有機溶媒との混液が被膜剤の溶媒として好ましく用いられる。この時、必要であれば被膜剤液中に被膜剤液安定化のために酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸などの酸を加えてもよい。
噴霧コーティングにより被覆する場合の操作は通常のコーティング法により実施することができ、具体的には、被膜剤液を例えば流動層コーティング法、パンコーティング法等により核にスプレーコーティングすることで実施することができる。この時必要であれば、タルク、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸などを滑沢剤として、グリセリン脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油、クエン酸トリエチル、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどを可塑剤として添加してもよい。
被膜剤による被膜後、必要に応じてタルクなどの帯電防止剤を混合してもよい。
速放性製剤は、液状(溶液、懸濁液、乳化物など)であっても固形状(粒子状、丸剤、錠剤など)であってもよい。経口投与剤、注射剤など非経口投与剤が用いられるが、経口投与剤が好ましい。
速放性製剤は、通常、活性成分である薬物に加えて、製剤分野で慣用される担体、添加剤や賦形剤(以下、賦形剤と略称することがある)を含んでいてもよい。用いられる製剤賦形剤は、製剤賦形剤として常用される賦形剤であれば特に限定されない。例えば経口固形製剤用の賦形剤としては、乳糖、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース(旭化成(株)製、アビセルPH101など)、粉糖、グラニュウ糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、L−システインなどが挙げられ、好ましくはコーンスターチおよびマンニトールなどが挙げられる。これらの賦形剤は一種又は二種以上を組み合わせて使用できる。賦形剤の含有量は速放性製剤全量に対して、例えば約4.5〜約99.4w/w%、好ましくは約20〜約98.5w/w%、さらに好ましくは約30〜約97w/w%である。
速放性製剤における薬物の含量は、速放性製剤全量に対して、約0.5〜約95%、好ましくは約1〜約60%の範囲から適宜選択することができる。
速放性製剤が経口固型製剤の場合、通常上記成分に加えて、崩壊剤を含有する。このような崩壊剤としては、例えばカルボキシメチルセルロースカルシウム(五徳薬品製、ECG−505)、クロスカルメロースナトリウム(例えば、旭化成(株)製、アクジゾル)、クロスポビドン(例えば、BASF社製、コリドンCL)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学(株))、カルボキシメチルスターチ(松谷化学(株)、カルボキシメチルスターチナトリウム(木村産業製、エキスプロタブ)、部分α化デンプン(旭化成(株)製、PCS)などが用いられ、例えば水と接触して吸水、膨潤、あるいは核を構成している有効成分と賦形剤との間にチャネルを作るなどにより顆粒を崩壊させるものを用いることができる。これらの崩壊剤は、一種又は二種以上を組み合わせて使用できる。崩壊剤の配合量は、用いる薬物の種類や配合量、放出性の製剤設計などにより適宜選択されるが、速放性製剤全量に対して、例えば約0.05〜約30w/w%、好ましくは約0.5〜約15w/w%である。
速放性製剤が経口固型製剤である場合、経口固型製剤の場合には上記の組成に加えて、所望により固型製剤において慣用の添加剤をさらに含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば結合剤(例えば、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリンなど)、滑沢剤(例えば、ポリエチレングリコール、ステアリン酸マグネシウム、タルク、軽質無水ケイ酸(例えば、アエロジル(日本アエロジル))、界面活性剤(例えば、アルキル硫酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体等の非イオン系界面活性剤など)、着色剤(例えば、タール系色素、カラメル、ベンガラ、酸化チタン、リボフラビン類)、必要ならば、橋味剤(例えば、甘味剤、香料など)、吸着剤、防腐剤、湿潤剤、帯電防止剤などが用いられる。また、安定化剤として酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸などの有機酸を加えてもよい。
上記結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコールおよびポリビニルピロリドンなどが好ましく用いられる。
速放性製剤は、通常の製剤の製造技術に基づき、前記各成分を混合し、必要により、さらに練合し、成型することにより調製することができる。上記混合は、一般に用いられる方法、例えば、混合、練合などにより行われる。具体的には、例えば速放性製剤を粒子状に形成する場合、前記徐放性製剤の核の調製法と同様の手法により、バーチカルグラニュレーター、万能練合機(畑鉄工所製)、流動層造粒機FD−5S(パウレック社製)等を用いて混合しその後、湿式押し出し造粒法、流動層造粒法などにより造粒することにより調製することができる。
このようにして得られた速放性製剤と徐放性製剤とは、そのままあるいは適宜、製剤賦形剤等と共に常法により別々に製剤化後、同時あるいは任意の投与間隔を挟んで組み合わせて投与する製剤としてもよく、また両者をそのままあるいは適宜、製剤賦形剤等と共に一つの経口投与製剤(例、顆粒剤、細粒剤、錠剤、カプセル等)に製剤化してもよい。両製剤を顆粒あるいは細粒に製して、同一のカプセル等に充填して経口投与用製剤としてもよい。
〔3〕舌下錠、バッカル又は口腔内速崩壊剤およびその調製
舌下錠、バッカル製剤、口腔内速崩壊剤は錠剤などの固形製剤であってもよいし、口腔粘膜貼付錠(フィルム)であってもよい。
舌下錠、バッカル又は口腔内速崩壊剤としては、本発明の化合物または併用薬物と賦形剤とを含有する製剤が好ましい。また、滑沢剤、等張化剤、親水性担体、水分散性ポリマー、安定化剤などの補助剤を含有していてもよい。また、吸収を容易にし、生体内利用率を高めるためにβ−シクロデキストリン又はβ−シクロデキストリン誘導体(例、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンなど)などを含有していてもよい。
上記賦形剤としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。滑沢剤としてはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられ、特に、ステアリン酸マグネシウムやコロイドシリカが好ましい。等張化剤としては塩化ナトリウム、グルコース、フルクトース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、サッカロース、グリセリン、尿素などが挙げられ、特にマンニトールが好ましい。親水性担体としては結晶セルロース、エチルセルロース、架橋性ポリビニルピロリドン、軽質無水珪酸、珪酸、リン酸二カルシウム、炭酸カルシウムなどの膨潤性親水性担体が挙げられ、特に結晶セルロース(例、微結晶セルロースなど)が好ましい。水分散性ポリマーとしてはガム(例、トラガカントガム、アカシアガム、グアーガム)、アルギン酸塩(例、アルギン酸ナトリウム)、セルロース誘導体(例、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ゼラチン、水溶性デンプン、ポリアクリル酸(例、カーボマー)、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリカーボフィル、アスコルビン酸パルミチン酸塩などが挙げられ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、アルギン酸塩、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどが好ましい。特にヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましい。安定化剤としては、システイン、チオソルビトール、酒石酸、クエン酸、炭酸ナトリウム、アスコルビン酸、グリシン、亜硫酸ナトリウムなどが挙げられ、特に、クエン酸やアスコルビン酸が好ましい。
舌下錠、バッカル又は口腔内速崩壊剤は、本発明の化合物または併用薬物と賦形剤とを自体公知の方法により混合することにより製造することができる。さらに、所望により上記した滑沢剤、等張化剤、親水性担体、水分散性ポリマー、安定化剤、着色剤、甘味剤、防腐剤などの補助剤を混合してもよい。上記成分を同時に若しくは時間差をおいて混合した後、加圧打錠成形することにより舌下錠、バッカル錠又は口腔内速崩壊錠が得られる。適度な硬度を得るため、打錠成形の過程の前後において必要に応じ水やアルコールなどの溶媒を用いて加湿・湿潤させ、成形後、乾燥させて製造してもよい。
粘膜貼付錠(フィルム)に成型する場合は、本発明の化合物または併用薬物および上記した水分散性ポリマー(好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、賦形剤などを水などの溶媒に溶解させ、得られる溶液を流延させて(cast)フィルムとする。さらに、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、保存剤、着色剤、緩衝剤、甘味剤などの添加物を加えてもよい。フィルムに適度の弾性を与えるためポリエチレングリコールやプロピレングリコールなどのグリコール類を含有させたり、口腔の粘膜ライニングへのフィルムの接着を高めるため生物接着性ポリマー(例、ポリカルボフィル、カルボポール)を含有させてもよい。流延は、非接着性表面に溶液を注ぎ、ドクターブレードなどの塗布用具で均一な厚さ(好ましくは10〜1000ミクロン程度)にそれを広げ、次いで溶液を乾燥してフィルムを形成することにより達成される。このように形成されたフィルムは室温若しくは加温下乾燥させ、所望の表面積に切断すればよい。
好ましい口腔内速崩壊剤としては、本発明の化合物または併用薬物と、本発明の化合物または併用薬物とは不活性である水溶性若しくは水拡散性キャリヤーとの網状体からなる固体状の急速拡散投与剤が挙げられる。該網状体は、本発明の化合物または併用薬物を適当な溶媒に溶解した溶液とから構成されている固体状の該組成物から溶媒を昇華することによって得られる。
該口腔内速崩壊剤の組成物中には、本発明の化合物または併用薬物に加えて、マトリックス形成剤と二次成分とを含んでいるのが好ましい。
該マトリックス形成剤としてはゼラチン類、デキストリン類ならびに大豆、小麦ならびにオオバコ(psyllium)種子タンパクなどの動物性タンパク類若しくは植物性タンパク類;アラビアゴム、ガーガム、寒天ならびにキサンタンなどのゴム質物質;多糖類;アルギン酸類;カルボキシメチルセルロース類;カラゲナン類;デキストラン類;ペクチン類;ポリビニルピロリドンなどの合成ポリマー類;ゼラチン−アラビアゴムコンプレックスなどから誘導される物質が含まれる。さらに、マンニトール、デキストロース、ラクトース、ガラクトースならびにトレハロースなどの糖類;シクロデキストリンなどの環状糖類;リン酸ナトリウム、塩化ナトリウムならびにケイ酸アルミニウムなどの無機塩類;グリシン、L−アラニン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、L−ヒドロシキプロリン、L−イソロイシン、L−ロイシンならびにL−フェニルアラニンなどの炭素原子数が2から12までのアミノ酸などが含まれる。
マトリックス形成剤は、その1種若しくはそれ以上を、固形化の前に、溶液又は懸濁液中に導入することができる。かかるマトリックス形成剤は、界面活性剤に加えて存在していてもよく、また界面活性剤が排除されて存在していてもよい。マトリックス形成剤はそのマトリックスを形成することに加えて、本発明の化合物または併用薬物の拡散状態をその溶液又は懸濁液中に維持する助けをすることができる。
保存剤、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、着色剤、pH調整剤、香味料、甘味料若しくは食味マスキング剤などの二次成分を組成物中に含有していてよい。適当な着色剤としては、赤色、黒色ならびに黄色酸化鉄類およびエリス・アンド・エベラールド社のFD&Cブルー2号ならびにFD&Cレッド40号などのFD&C染料が挙げられる。適当な香味料には、ミント、ラスベリー、甘草、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、カラメル、バニラ、テェリーならびにグレープフレーバーおよびその組合せたものが含まれる。適当なpH調整剤は、クエン酸、酒石酸、リン酸、塩酸およびマレイン酸が含まれる。適当な甘味料としてはアスパルテーム、アセスルフェームKならびにタウマチンなどが含まれる。適当な食味マスキング剤としては、重炭酸ナトリウム、イオン交換樹脂、シクロデキストリン包接化合物、吸着質物質ならびにマイクロカプセル化アポモルフィンが含まれる。
製剤には通常約0.1〜約50重量%、好ましくは約0.1〜約30重量%の本発明の化合物または併用薬物を含み、約1分〜約60分の間、好ましくは約1分〜約15分の間、より好ましくは約2分〜約5分の間に(水に)本発明の化合物または併用薬物の90%以上を溶解させることが可能な製剤(上記、舌下錠、バッカルなど)や、口腔内に入れられて1ないし60秒以内に、好ましくは1ないし30秒以内に、さらに好ましくは1ないし10秒以内に崩壊する口腔内速崩壊剤が好ましい。
上記賦形剤の製剤全体に対する含有量は、約10〜約99重量%、好ましくは約30〜約90重量%である。β−シクロデキストリン又はβ−シクロデキストリン誘導体の製剤全体に対する含有量は0〜約30重量%である。滑沢剤の製剤全体に対する含有量は、約0.01〜約10重量%、好ましくは約1〜約5重量%である。等張化剤の製剤全体に対する含有量は、約0.1〜約90重量%、好ましくは、約10〜約70重量%である。親水性担体の製剤全体に対する含有量は約0.1〜約50重量%、好ましくは約10〜約30重量%である。水分散性ポリマーの製剤全体に対する含有量は、約0.1〜約30重量%、好ましくは約10〜約25重量%である。安定化剤の製剤全体に対する含有量は約0.1〜約10重量%、好ましくは約1〜約5重量%である。上記製剤はさらに、着色剤、甘味剤、防腐剤などの添加剤を必要に応じ含有していてもよい。
本発明の併用剤の投与量は、本発明の化合物の種類、年齢、体重、症状、剤形、投与方法、投与期間などにより異なるが、例えば、過活動膀胱患者(成人、体重約60kg)一人あたり、通常、本発明の化合物および併用薬物の経口剤として、それぞれ1回あたり有効成分として約0.005〜約100mg、好ましくは約0.05〜約30mg、さらに好ましくは約0.2〜約10mgであり、1日1回の投与でもよいし、数回に分けて投与することもできる。
本発明の医薬を投与するに際しては、同時期に投与してもよいが、併用薬物を先に投与した後、本発明の化合物を投与してもよいし、本発明の化合物を先に投与し、その後で併用薬物を投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与方法により異なるが、例えば、併用薬物を先に投与する場合、併用薬物を投与した後1分〜3日以内、好ましくは10分〜1日以内、より好ましくは15分〜1時間以内に本発明の化合物を投与する方法が挙げられる。本発明の化合物を先に投与する場合、本発明の化合物を投与した後、1分〜1日以内、好ましくは10分〜6時間以内、より好ましくは15分から1時間以内に併用薬物を投与する方法が挙げられる。
好ましい投与方法としては、例えば、経口投与製剤に製形された併用薬物約0.001〜200mg/kgを経口投与し、約15分後に経口投与製剤に製形された本発明の化合物 約0.005〜100mg/kgを1日量として経口投与する。
以下に実施例、製剤例、参考製剤例等を挙げて本発明をより具体的に説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
実施例1 各種薬物のアセチルコリンエステラーゼ選択性
AChE阻害活性およびBuChE阻害活性は、ヒト赤血球由来アセチルコリンエステラーゼ(Sigma、St. Louis、MO、USA)およびヒト血清由来ブチリルコリンエステラーゼ(Biogenesis、Poole,、UK)を使用し、チオコリン法(Ellman法)にて行った。アセチルコリンエステラーゼまたはブチリルコリンエステラーゼを0.3% 牛血清アルブミン(BSA)含有80 mMトリス塩酸緩衝液(pH 7.4)にて0.2 IU/mLの濃度に希釈し、酵素標品とした。試験薬物〔(8−[3−[1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−4−ピペリジニル]−1−オキソプロピル]−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン(以下、化合物Aと略記する)、ネオスチグミン、ジスチグミン、iso-OMPA)を電子天秤でスピッツロール中に秤量し、10-2 Mの濃度となるように、ジメチルスルフォキシド(DMSO)を添加して溶解し、薬物原液とした。原液は、10% DMSOおよび0.3% BSA含有80 mMトリス塩酸緩衝液にて3倍公比で希釈した。96ウエルマイクロプレートに所定濃度の薬物溶液20 μL、0.3% BSA含有80 mMトリス塩酸緩衝液30 μL、酵素標品50 μLを分注し、10秒間振とうした後、1時間室温でインキュベーションした。5 mM 5,5-dithio-bis(2-nitrobenzoic acid)(Sigma、St. Louis、MO、USA)50 μLおよび4 mMヨウ化アセチルチオコリン(acetylthiocholine iodide)(Sigma)または4 mM塩化ブチリルチオコリン(butyryl thiocholine chloride)50 μLを添加し、再度振とう後、直ちに10分間30秒間隔で波長412nmの吸光増加をマイクロプレートリーダー(Spectra rainbow thermo、TECAN、Austria)にて測定した。各薬物について2回実験を繰り返した。各薬物について濃度ごとに吸光増加の% of controlを以下の式によって算出した。
% of control = 薬物の吸光増加/controlの吸光増加×100
実験ごとに求めた各濃度の% of controlを用い、全臨床パッケージプログラム(SASインスティテュートジャパン)にて50%阻害濃度(IC50)値を求めた。
化合物A、ネオスチグミンおよびジスチグミンは濃度依存的にヒトアセチルコリンエステラーゼの活性を阻害した。ヒトブチリルコリンエステラーゼに対して化合物Aは10-5 Mまでで阻害作用を示さなかったのに対し、ネオスチグミンおよびジスチグミンでは阻害作用が認められた。ブチリルコリンエステラーゼ選択的阻害剤であるiso-OMPAはブチリルコリンエステラーゼにのみ阻害作用を示した。表2に各薬物のそれぞれの酵素の阻害におけるIC50値とアセチルコリンエステラーゼ阻害作用の選択性を示した。化合物Aには6700倍以上の高いアセチルコリンエステラーゼ選択的阻害活性が認められたが、ネオスチグミンやジスチグミンは選択性がほとんどなかった。
化合物B1〜B6(B1:8-(5-[[2-(2-クロロフェニル)エチル]アミノ]ペンタノイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2,1-ij]キノリン-2(1H)-オン 塩酸塩、B2:5-[5-[[2-(2-クロロフェニル)エチル](メチル)アミノ]ペンタノイル]-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-2-オン 塩酸塩、B3:5-[5-[[2-(2-クロロフェニル)エチル](メチル)アミノ]ペンタノイル]-1,3-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-2-オン 塩酸塩、B4:N-エチル-5-(5-[[2-(2-メトキシフェニル)エチル]アミノ]ペンタノイル)-1-インドリンカルボキサミド 塩酸塩、B5:5-(5-[[2-(2-メトキシフェニル)エチル]アミノ]ペンタノイル)-1,3-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-2-オン 塩酸塩、B6:5-(5-[[2-(2-クロロフェニル)エチル]アミノ]ペンタノイル)-1,3-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-2-オン 塩酸塩)についても化合物Aと同様にアセチルコリンエステラーゼ選択性の試験を行った。化合物B1〜B6はいずれもアセチルコリンエステラーゼの阻害作用に高い選択性を有していた(表3)。
Figure 2005035996

Figure 2005035996
実施例2 膀胱筋の基底張力に及ぼす各種薬物の効果
5週齢のHartley系雄性モルモット(日本エスエルシー)を用いた。動物を断頭屠殺し膀胱を摘出し、縦方向に長さ約10 mm、幅約4 mmの筋切片を作製した。一匹の動物より4つの切片を作製した。張力は等尺性ひずみトランデューサにて測定し、アンプおよび多チャンネルデータ解析装置(MP-100A-CE、Biopac systems)を介してPC(Vectra VE、Hewlett Packard、Palo Alto, CA、USA)に取り込み、専用ソフトウエア(Acqknowledge、Biopac systems)にて解析した。データのサンプリング間隔は0.2秒とした。95% O2+ 5% CO2を通気したクレブズ液(20 mL)を満たしたマグヌス槽内に筋切片を約1 gの負荷をかけて懸垂した。20分以上の平衡期間の後、100 mM KCl-クレブズ液にて脱分極性の収縮を誘起し、最大収縮反応を測定した。洗浄し20分以上の後、薬物(化合物A、ネオスチグミン、ピリドスチグミン、ジスチグミン、iso-OMPAまたは化合物A+iso-OMPA)を30分間処置した。薬物は100% DMSOまたはクレブズ液にて溶解し、20 μLを所定の濃度になるようマグヌス管内に滴下した。対照群では溶媒を滴下した。
100 mM KCl処置直前30秒間(マーカー:100 mM KClより前30秒間)の張力の平均値と処置後の最大値の差を100%として、薬物による膀胱筋の収縮張力の変化を標準化した。薬物処置直前および薬物処置後30分後からの30秒間(マーカー:drugより前30秒間およびマーカー:drugより30分後から30秒間)の張力の平均値からその差を求め、薬物による作用を検討した。
ネオスチグミンおよびピリドスチグミンは濃度依存的かつ有意に基底張力を増大させた。ジスチグミンは微弱であったが有意に張力を増大させた。一方、化合物Aは基底張力に影響しなかった(表4)。ブチリルコリンエステラーゼ選択的阻害剤iso-OMPAも単独で張力に影響しなかったが、化合物Aとiso-OMPAとを併用したところ、基底張力の有意な増大が確認された(表5)。
Figure 2005035996
Figure 2005035996
実施例3 モルモットを用いたプレッシャー/フロースタディ(化合物A)
5週齢雄性Hartley系モルモット(日本エスエルシー)を使用した。ウレタン麻酔後下腹部を正中切開し、膀胱を露出した。膀胱内にポリエチレンチューブ(PE-100)を連結した注射針(20G)2本を刺入し、一方を生理食塩水の注入に、他方を膀胱内圧の測定に用いた。生理食塩水の注入をシリンジポンプ(SP-100S、JMS、広島)を用いて18 mL/hの速度で持続的に行い間欠的な排尿を最低3回確認した後注入を止め、膀胱内の生理食塩水を吸引除去した。再び注入を開始し、排尿直前の膀胱内圧の上昇が確認された時点で注入を停止した。排出される尿の重量を電子天秤(HX-400、A&D、東京)にて、膀胱内圧は圧トランスデューサ(AP641G、日本光電)を用いて測定した。尿重量および膀胱内圧のアナログデータを多チャンネルデータ解析装置(MP-100A-CE、 Biopac systems)に入力し、PCおよび専用ソフトウエア(Acqknowledge、 Biopac systems)にて解析した。データのサンプリング間隔は0.1秒とし、排出量および尿流率のデータはノイズを除去するため0.5 Hzでlow pass filterをかけた。尿の秤量における遅延時間0.1秒を補正し、排出量の値を微分して尿流率を求めた。2回の薬物投与前値を測定した後、薬物(化合物A、ジスチグミン、ネオスチグミン、ベタネコール)を静脈内投与した。化合物A、ベタネコールおよびネオスチグミンについては投与10分後、ジスチグミンについては投与30分後に膀胱内の生理食塩水を抜き取り、再度注入を開始して測定を行った。薬物は蒸留水にて投与容量が0.5 mL/kgとなるよう溶解した。以下のパラメータ(膀胱容量、排尿量、最大尿流率、最大尿流時膀胱内圧、膀胱コンプライアンス)を測定した。膀胱コンプライアンスは蓄尿期と排尿反射時のそれぞれの膀胱内圧曲線における回帰直線を求め、その交点(膀胱容量閾値,閾値圧)から算出した。各パラメータにつき薬物投与前後の変化率を算出し、溶媒投与群とDunnett検定にて有意差検定を行った。(〔表6〕および〔表7〕)
化合物A、ジスチグミン、ネオスチグミンおよびベタネコールの投与による排尿時のパラメータの変化を表5に、蓄尿期のパラメータの変化を表6に示した。化合物Aは排尿量および最大尿流率を0.003 mg/kg以上で有意に増大させ、排尿圧(最大尿流時膀胱内圧)には影響を及ぼさず、膀胱の排出機能を高めることが明らかとなった。また膀胱容量の増大が0.03 mg/kgで認められ、膀胱コンプライアンスには影響しなかったことから、蓄尿機能を損なわず、むしろ該機能を高める方向に作用することが示唆された。一方、ジスチグミンとネオスチグミンのカルバメート系アセチルコリンエステラーゼ阻害剤は共に排尿量および最大尿流率に明らかな作用を示さず、排尿圧を有意に増大させた。これらの薬物は尿道抵抗を高めるために必ずしも膀胱の排出機能を改善しないことが明らかとなった。またネオスチグミンは0.03 mg/kg以上で、ジスチグミンは0.1 mg/kgで膀胱コンプライアンスを有意に低下させたことから、蓄尿機能を低下させる作用を有することが示唆された。ベタネコールは排尿量、膀胱容量および膀胱コンプライアンスを有意に低下させ、排尿機能と蓄尿機能を共に低下させることが明らかとなった。
Figure 2005035996
Figure 2005035996


実施例4 モルモットを用いたプレッシャー/フロースタディ(化合物B)
以下に示す実施例3と同様な方法により化合物B1〜B6についても排尿時のパラメーター(最大尿流率)および蓄尿時のパラメーター(膀胱コンプライアンス)の測定を行った。(〔表8〕)
4-5週齢雄性Hartley系モルモット(日本エスエルシー)を使用した。ウレタン麻酔後下腹部を正中切開し、膀胱を露出した。膀胱内にポリエチレンチューブ(PE-100)を連結した注射針(20G)2本を刺入し、一方を生理食塩水の注入に、他方を膀胱内圧の測定に用いた。大腿静脈にカテーテルを挿入し、フェニレフリンを3 μg/animal/minの流速で持続的に投与した。生理食塩水を膀胱内に18 mL/hの速度で持続的に注入し、間欠的な排尿を最低2回確認した後注入を止め、膀胱内の生理食塩水を吸引除去した。再び注入を開始し、排尿直前の膀胱内圧の上昇が確認された時点で注入を停止した。排出される尿の重量を電子天秤にて、膀胱内圧は圧トランスデューサを用いて測定した。尿重量および膀胱内圧のアナログデータを多チャンネルデータ解析装置(MP-100A-CE、 Biopac systems)に入力し、PCおよび専用ソフトウエア(Acqknowledge、 Biopac systems)にて解析した。パラメータとして最大尿流率と膀胱コンプライアンスを測定した。化合物の静脈内投与10分後に膀胱内の生理食塩水を抜き取り、再度注入を開始して測定を行った。化合物はDMSOにて投与容量が0.5 mL/kgとなるよう溶解した。各パラメータにつき化合物投与前後の変化率を算出し、溶媒投与群とt検定にて有意差検定を行った。
化合物投与によるパラメータの変化を〔表8〕に示した。いずれの化合物も最大尿流率を有意に増大した。一方、膀胱コンプライアンスには影響しなかった。本結果よりいずれの化合物も膀胱の蓄尿機能を損なうことなく、排尿機能を高めることが明らかとなった。
Figure 2005035996
実施例5
体重400 g前後の雄性SD系ラット(日本クレア)または体重400-500 gの雄性Hartley系雄性モルモット(日本エスエルシー)を使用した。ウレタン麻酔後、動物の口腔にあらかじめ秤量した脱脂綿を挿入し、アセチルコリンを静脈内投与した。5分後に脱脂綿を取り出し秤量し、分泌唾液量を測定した。薬剤はアセチルコリン投与の10分前に静脈内投与した。オキシブチニンの効果はpaired t検定にて、化合物Aの併用効果についてはWilliams検定にて解析した。
ラットおよびモルモットにおいてアセチルコリンは唾液分泌を促進し、この作用は抗コリン剤オキシブチニンの前投与により有意に抑制された(〔表9〕および〔表10〕)。オキシブチニンの唾液分泌抑制作用は化合物Aの同時投与により有意に拮抗された。
以上の結果より化合物Aが抗コリン剤による唾液分泌抑制作用に対し拮抗的な効果を有することが分かった。
Figure 2005035996

Figure 2005035996
実施例6
体重500 g前後の雄性Hartley系モルモット(日本エスエルシー、浜松)を使用した。Urethane麻酔(1.4 g/kg, i.p.)後下腹部を正中切開し、膀胱を露出した。膀胱内にポリエチレンチューブ(PE-100、Becton Dickinson、Franklin Lakes、NJ、USA)を連結した注射針(20G)2本を刺入し、一方を生理食塩水の注入に、他方を膀胱内圧の測定に用いた。また右側総頚静脈にphenylephrine注入用のカニューレ(PE-10、Becton Dickinson)を挿入した。膀胱内の生理食塩水を吸引除去した後に生理食塩水の注入をシリンジポンプ(model 220、KD scientific、New Hope、PA、USA)を用いて18 mL/hの速度で持続的に行い排尿直前の膀胱内圧の上昇が確認された時点で注入を停止した。排出される尿の重量を電子天秤(GX-400、A&D、東京)にて、膀胱内圧は圧トランスデューサ(AP641G、日本光電、東京)を用いて測定した。尿重量および膀胱内圧のアナログデータを多チャンネルデータ解析装置(MP-100A-CE、 Biopac systems)に入力し、PCおよび専用ソフトウエア(Acqknowledge 3.7.1、 Biopac systems)にて解析した。データのサンプリング間隔は0.1秒とし、排出量および尿流率のデータはノイズを除去するため0.5 Hzでlow pass filterをかけた。尿の秤量における遅延時間0.1秒を補正し、排出量の値を微分して尿流率を求めた。以下の尿流動態パラメータを測定した。膀胱容量、最大尿流率、排尿効率( = 排尿量 / 膀胱容量)。オキシブチニンの効果はpaired t検定にて、化合物Aの併用効果についてはDunnett検定にて解析した。
オキシブチニン(1 mg/kg)の投与後には有意な膀胱容量の増大と最大尿流率および排尿効率の低下が認められた(〔表11〕)。オキシブチニンのこれらの作用のうち、化合物A(0.003, 0.01 mg/kg)は最大尿流率と排尿効率の低下には拮抗的に作用したが、膀胱容量の増大作用には影響しなかった。
以上の結果より抗コリン剤による排尿時の膀胱収縮力低下に伴う排尿パラメータの変化に化合物Aは拮抗的に作用するが、膀胱容量の増大作用には影響しないことが示唆され、化合物Aが従来の排尿筋低活動に伴う排尿障害だけでなく、抗コリン薬の副作用を軽減するための薬剤として使用できることが明らかになった。
Figure 2005035996
製剤例1
(1)化合物A 10.0mg
(2)乳糖 60.0mg
(3)コーンスターチ 35.0mg
(4)ゼラチン 3.0mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
化合物A 10.0mgと乳糖60.0mg及びコーンスターチ35.0mgの混合物を10%ゼラチン水溶液0.03ml(ゼラチンとして3.0mg)を用い、1mmメッシュの篩を通して顆粒化した後、40℃で乾燥し再び篩過する。かくして得られる顆粒をステアリン酸マグネシウム2.0mgと混合し、圧縮する。得られる中心錠を、蔗糖,二酸化チタン,タルク及びアラビアゴムの水懸液による糖衣でコーティングする。コーティングが施された錠剤をミツロウで艶出してコート錠を得る。
製剤例2
(1)化合物A 10.0mg
(2)乳糖 70.0mg
(3)コーンスターチ 50.0mg
(4)可溶性デンプン 7.0mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
化合物A 10.0mgとステアリン酸マグネシウム3.0mgを可溶性デンプンの水溶液0.07ml(可溶性デンプンとして7.0mg)で顆粒化した後、乾燥し、乳糖70.0mg及びコーンスターチ50.0mgと混合する。混合物を圧縮して錠剤を得る。
製剤例3
(1)化合物A 5.0mg
(2)食塩 20.0mg
(3)蒸留水 全量2mlとする
化合物A 5.0mg及び食塩20.0mgを蒸留水に溶解させ、水を加えて全量2.0mlとする。溶液をろ過し、無菌条件下に2mlのアンプルに充填する。アンプルを滅菌した後、密封し注射用溶液を得る。
製剤例4
製剤例1〜3いずれかの製剤と参考製剤例1〜3のいずれかの製剤を組み合わせる。
参考製剤例1
(1)オキシブチニン 10.0mg
(2)乳糖 60.0mg
(3)コーンスターチ 35.0mg
(4)ゼラチン 3.0mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
オキシブチニン 10.0mgと乳糖60.0mg及びコーンスターチ35.0mgの混合物を10%ゼラチン水溶液0.03ml(ゼラチンとして3.0mg)を用い、1mmメッシュの篩を通して顆粒化した後、40℃で乾燥し再び篩過する。かくして得られる顆粒をステアリン酸マグネシウム2.0mgと混合し、圧縮する。得られる中心錠を、蔗糖,二酸化チタン,タルク及びアラビアゴムの水懸液による糖衣でコーティングする。コーティングが施された錠剤をミツロウで艶出してコート錠を得る。
参考製剤例2
(1)オキシブチニン 10.0mg
(2)乳糖 70.0mg
(3)コーンスターチ 50.0mg
(4)可溶性デンプン 7.0mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
オキシブチニン 10.0mgとステアリン酸マグネシウム3.0mgを可溶性デンプンの水溶液0.07ml(可溶性デンプンとして7.0mg)で顆粒化した後、乾燥し、乳糖70.0mg及びコーンスターチ50.0mgと混合する。混合物を圧縮して錠剤を得る。
参考製剤例3
(1)オキシブチニン 5.0mg
(2)食塩 20.0mg
(3)蒸留水 全量2mlとする
オキシブチニン 5.0mg及び食塩20.0mgを蒸留水に溶解させ、水を加えて全量2.0mlとする。溶液をろ過し、無菌条件下に2mlのアンプルに充填する。アンプルを滅菌した後、密封し注射用溶液を得る。
AChE阻害活性を有し、且つBuChE阻害活性を有しない化合物は蓄尿期の膀胱コンプライアンスを低下させることなく、排尿時にのみ排尿筋の収縮作用を増強するので、当該化合物は副作用のない安全かつ有効な排尿障害予防・治療剤としてきわめて有用である他、排尿障害治療剤の投与により誘発される口渇の予防・治療剤として、また口渇を伴わない、過活動膀胱予防・治療剤としてもきわめて有用である。

Claims (17)

  1. アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物を含有してなる、蓄尿機能を阻害しない排尿障害予防・治療剤。
  2. アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物を含有してなる、排尿障害治療剤投与により誘発される口渇の予防・治療剤。
  3. アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物および抗コリン剤を組み合わせてなる、口渇を伴わない、過活動膀胱予防・治療剤。
  4. 化合物のアセチルコリンエステラーゼ50%阻害濃度に対するブチリルコリンエステラーゼ50%阻害濃度の比が20以上である、請求項1、2または3記載の剤。
  5. 化合物のアセチルコリンエステラーゼ50%阻害濃度に対するブチリルコリンエステラーゼ50%阻害濃度の比が100以上である、請求項1、2または3記載の剤。
  6. 排尿障害が排尿困難である請求項1記載の剤。
  7. 排尿障害治療剤が抗コリン剤である請求項2記載の剤。
  8. 試験化合物のアセチルコリンエステラーゼ阻害活性とブチリルコリンエステラーゼ阻害活性とを測定・比較することを特徴とする、蓄尿機能を阻害しない排尿障害予防・治療物質のスクリーニング方法。
  9. 哺乳動物に対して、アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物の有効量を投与することを特徴とする蓄尿機能を阻害せずに排尿障害を予防・治療する方法。
  10. 哺乳動物に対して、アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物の有効量を投与することを特徴とする排尿障害治療剤投与により誘発される口渇の予防・治療方法。
  11. 哺乳動物に対して、アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物および抗コリン剤の有効量を組み合わせて投与することを特徴とする、口渇を伴わずに過活動膀胱を予防・治療する方法。
  12. 蓄尿機能を阻害しない排尿障害予防・治療剤を製造するためのアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物の使用。
  13. 排尿障害治療剤投与により誘発される口渇の予防・治療剤を製造するためのアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物の使用。
  14. 口渇を伴わない、過活動膀胱予防・治療剤を製造するためのアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物および抗コリン剤の使用。
  15. アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物を含有してなる、口渇を伴わない、過活動膀胱予防・治療剤。
  16. 哺乳動物に対して、アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物の有効量を投与することを特徴とする、口渇を伴わずに過活動膀胱を予防・治療する方法。
  17. 口渇を伴わない、過活動膀胱予防・治療剤を製造するためのアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有し、且つブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を実質的に有しない化合物の使用。

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WO2006070934A1 (ja) * 2004-12-28 2006-07-06 Takeda Pharmaceutical Company Limited 二環性縮合複素環誘導体の結晶、その製造法および用途

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