JP2005035990A - 皮膚刺激低減剤、皮膚刺激低減方法及び洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 コロイド粒子から成り、ヘモグロビン凝集作用を有することを特徴とする皮膚、粘膜への化学物質の皮膚刺激低減剤。
また、皮膚刺激低減方法は、界面活性剤を含有する洗浄剤組成物における皮膚刺激低減方法であって、該洗浄剤組成物中に上記の皮膚刺激低減剤を含有してなることを特徴とする。
更に、界面活性剤を含有する洗浄剤組成物にあっては、該洗浄剤組成物中に上記皮膚刺激低減剤を含有してなることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、洗浄力が優れているだけでは、未だ本当の意味での良好な洗浄剤組成物であるということはできないものである。
このような要望に対して、蛋白変性作用を有するアニオン界面活性剤にアミンオキサイドを混合することにより、その蛋白変性力を低下させて洗浄剤の刺激性を低下させることが行われてきた(例えば、非特許文献1参照)。また、洗浄力の優れたアニオン界面活性剤から蛋白変性作用の低いノニオン界面活性剤へ代替することが行われてきた(例えば、特許文献1参照)。
(1) コロイド粒子から成り、ヘモグロビン凝集作用を有することを特徴とする皮膚、粘膜への化学物質の皮膚刺激低減剤。
(2) 界面活性剤を含有する洗浄剤組成物における皮膚刺激低減方法であって、該洗浄剤組成物中に上記(1)記載の皮膚刺激低減剤を含有してなることを特徴とする皮膚刺激低減方法。
(3) 界面活性剤を含有する洗浄剤組成物であって、該洗浄剤組成物中に上記(1)記載記載の皮膚刺激低減剤を含有してなることを特徴とする洗浄剤組成物。
(4) 更に、界面活性剤として半極性界面活性剤を含有する上記(3)記載の洗浄剤組成物。
(5) 更に、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含有する上記(4)記載の洗浄剤組成物。
〔ヘモグロビン沈殿率試験法〕
牛血液製のヘモグロビンを精製水に0.4質量%となるように溶解する(以下、「ヘモグロビン溶液」という)。pH6.0の1Mリン酸緩衝液(以下、「緩衝液P」という)、及びpH9.0の1Mトリス緩衝液(以下、「緩衝液T」という)を調製する。試料を純分として1.0質量%となるように精製水に懸濁または溶解する(以下、「試料原液」という)。
25℃に保温した前記の液を用いて、試験管にて下記の試料溶液A〜C及びブランク1,2を調製する。
試料溶液A:ヘモグロビン溶液:1mL、緩衝液P:1mL及び精製水:1mLを混合後、試料原液1mLを加えて混合した溶液。
試料溶液B:ヘモグロビン溶液:1mL、緩衝液T:1mL及び精製水:1mLを混合後、試料原液1mLを加えて混合した溶液。
試料溶液C:ヘモグロビン溶液:1mL及び精製水:2mLを混合後、試料原液1mLを加えて混合した溶液。
ブランク1:試料溶液A〜Cに対応するブランクとして、上記試料溶液A〜Cにおいて、試料原液の代わりに精製水を用いたもの。
ブランク2:溶液A〜Cに対応するブランクとして、上記溶液A〜Cにおいて、ヘモグロビン溶液の代わりに精製水を用いたもの。
上記の試料溶液A〜C及びブランク1,2を室温(20〜25℃)で30分間放置した後、室温で遠心分離(約1800G、5分間)を行ない、上清液を分取して、分光光度計にて波長578nmにおける上清液の吸光度(以下、「OD値」という)を測定する。
ヘモグロビン沈殿率(%)は、次の式より求める。
ヘモグロビン沈殿率(%)=(ブランク1のOD値−試料溶液A〜CのOD値)/(ブランク1のOD値−ブランク2のOD値)×100
なお、ヘモグロビン沈殿率として、上記の試料溶液A〜Cにおいて、最も高い数値をその試料のヘモグロビン沈殿率とする。
また、本発明の界面活性剤を含有する洗浄剤組成物における、皮膚、粘膜への刺激を低減させる皮膚刺激低減方法及びその洗浄剤組成物によれば、身体の表面、特に皮膚、粘膜に対する界面活性剤等の刺激をできるだけ低減させることができるものとなる。
本発明における皮膚、粘膜への化学物質の皮膚刺激低減剤は、コロイド粒子から成り、ヘモグロビン凝集作用を有することを特徴とするものである。
本発明の皮膚刺激低減剤は、皮膚や粘膜に適用又は作用する化学物質等が含有された組成物に広汎に適用でき、例えば、洗浄剤、入浴剤、化粧品、医薬品等へ含有せしめて界面活性剤、色素、香料、カルシウム捕捉剤などの化学物質の刺激を低減させることできるものである。
すなわち、コロイド粒子から成り、ヘモグロビン凝集作用を有するもの(ヘモグロビン沈殿率が30%以上となるもの)を、皮膚や粘膜に適用などする化学物質が含有された組成物中に含有せしめて使用した場合に、皮膚、粘膜にコロイド粒子が緻密に付着することによりバリアが形成され、その結果、化学物質の皮膚への浸透を阻害し、化学物質による皮膚刺激が軽減されるものと考えられる。
本発明におけるコロイド粒子とは、物質の種類に無関係で、水中に分散し、平均粒子径が動的光散乱法により測定した場合の1nm〜1000nmの範囲にあるものをいう。
コロイド粒子の平均粒子径は、透明性の点から、好ましくは1nm〜300nm、より好ましくは1nm〜100nm、特に1nm〜50nmである。
コロイド粒子として具体的には、コロイダルシリカ、酸化アルミニウムゾル、水酸化アルミニウムゾル、酸化マグネシウムゾル、水酸化マグネシウムゾル、酸化亜鉛ゾル、水酸化亜鉛ゾル、金コロイド粒子などが挙げられ、これらの中で、上述の試験方法により、ヘモグロビン沈殿率が30%以上となるものが使用される。
好ましい皮膚刺激低減剤として、SiO含有量が90%以上で動的光散乱法による平均粒子径が1nm〜100nmのコロイダルシリカが挙げられる。
そしてコロイダルシリカの分散液中にナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンなどの陽イオンを配合して分散安定性を向上させたもの、コリダルシリカ表面または内部にアルミニウムなどの金属原子を有するものが、特に好ましい。
また、平均粒子径が5nm〜200nmの酸化アルミニウムゾルも挙げられる。
これらの条件を充足する本発明に用いることができる皮膚刺激低減剤としては、例えば、スノーテックスC、スノーテックスO、スノーテックスOS、スノーテックスS、スノーテックスAK、スノーテックスCM、(以上日産化学社製)、シリカドール20P、シリカドール20G−100(以上日本化学工業)、カタロイドSI−550、カタロイドSN、カタロイドSA(以上触媒化成工業製)、KLEBOSOL 50R50、KLEBOSOL 30L12、KLEBOSOL 30CAL25、KLEBOSOL PL40R25(以上クラリアント社製)などが挙げられる。
酸化アルミニウムゾルの具体例としては、アルミゾルー10(川研ファインケミカル社
製)、アルミナゾル100、アルミナゾル200(以上、日産化学社製)などが挙げら
れる。
上記皮膚刺激低減剤の中でも、平均粒子系4nm〜70nmとなるスノーテックスC、スノーテックスO、スノーテックスOS、スノーテックスS、スノーテックスAK、スノーテックスCM、シリカドール20P、カタロイドSI−550、カタロイドSN、カタロイドSA、KLEBOSOL 50R50、KLEBOSOL 30L12、KLEBOSOL 30CAL25、KLEBOSOL PL40R25などは透明性が高く、かつ、溶液中での分散安定性や流動性が良好で、液体組成物への配合に好都合である。
特に、平均粒子径が4nm〜30nmとなるスノーテックスC、スノーテックスO、スノーテックスOS、スノーテックスS、スノーテックスAK、シリカドール20P、カタロイドSI−550、カタロイドSN、カタロイドSA、KLEBOSOL 30L12、KLEBOSOL 30CAL25、KLEBOSOL PL40R25などは極めて透明性が高く、最も好ましい。
また、酸性〜中性〜アルカリ性領域の組成物中にあっても、皮膚刺激低減作用を示すが、特に弱酸性〜中性でその作用が優れている。
例えば、コロイドを形成するコロイド性ケイ酸塩〔ケイ酸アルミニウムマグネシウムである「ビーガム」(ブァンダービルト商品名)〕、スメクタイト〔クニピア(クニミネ工業)〕等は、天然物であり、産出される地域、場所などにより皮膚刺激緩和効果のバラツキがあり、均一な皮膚刺激緩和効果を有するものではなく、また、ヘモグロビン沈殿率が30%未満となる場合もあり、本発明の効果である皮膚や粘膜に対する化学物質の刺激を低減させることできないものである。
この含有量が0.01質量%未満であると、本発明の効果を発揮することができず、また、50質量%を越えると、分散安定性が低下することがあり、好ましくない。
皮膚刺激低減剤の洗浄剤組成物への含有量は、洗浄剤の用途により変動するものであるが、上述の如く、組成物全量に対して、固形分(濃度)で0.01〜50質量%とすることが望ましい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)、アルカンスルホン酸塩(SAS)、アルキル硫酸塩(AS)、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(α−SF)、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(NRES)、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、石鹸、アミドエーテルカルボン酸塩、スルホコハク酸塩、アミノ酸系アニオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましくは、優れた洗浄性能、安定化の点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(NRES)を用いることが望ましい。
好ましいノニオン界面活性剤としては、以下のものが例示できる。
1)平均炭素数10〜20のアルコールにエチレンオキサイド(EO)を平均5〜30モル付加させたEO付加型ノニオン界面活性剤(アルキルエーテルエトキシレート)。
2)平均炭素数10〜20のアルコールにエチレンオキサイド(EO)およびプロピレンオキサイド(PO)を平均5〜30モル付加させたEO−PO付加型ノニオン界面活性剤。
3)下記式で表される脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤。
R1−CO(OR2)nOR3
(式中、R1は炭素数5〜21、好ましくは炭素数9〜17のアルキル基またはアルケニル基、R2は炭素数2〜4であり、EOが単独で、またはEOおよびPOが混合して付加してOR2を構成することが好ましい、R3は炭素数1〜4のアルキル基、好ましくは炭素数1〜2のアルキル基、nはOR2の平均付加モル数を示し、5〜30の数、好ましくは5〜20の数、を示す。)
これらの界面活性剤のうち、シャンプーやコンディショナーに使用する場合は、毛髪損傷防止の点から、好ましくは、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤の使用が望ましい。
半極性界面活性剤としては、アルキルアミンオキサイド型界面活性剤、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド、アルキルヒドロキシアミンオキサイドなどが挙げられ、特に、配合安定性の点から、アルキルアミンオキサイド型界面活性剤が望ましい。
アミンオキサイド型界面活性剤としては、炭素数10〜18のアルキルジメチルアミンオキサイド、炭素数8〜18のアルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキサイド等が挙げられ、具体的には、ドデシルジメチルアミンオキサイド(以下、「AX剤」という)、ジメチルオクチルアミンオキサイド、ジエチルデシルアミンオキサイド、ビス−(2−ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキサイド、ジプロピルテトラデシルアミンオキサイド、メチルエチルへキサデシルアミンオキサイド、ドデシルアミドプロピルジメチルアミンオキサイド、セチルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジメチルアミンオキサイド、タロウジメチルアミンオキサイド、ジメチル−2−ヒドロキシオクタデシルアミンオキサイドなどが挙げられ、これらは、単独で或いは2種以上の組み合わせで配合することができる。
この半極性界面活性剤の含有量は、洗浄剤組成物に含有せしめる界面活性剤全量に対して、好ましくは、0.1〜30質量%、更に好ましくは、0.5〜15質量%とすることが望ましい。
この半極性界面活性剤の含有量が0.1質量%未満であると、刺激低減効果を充分発揮することができず、また、30質量%を越えると、洗浄力が充分に発揮されないため、好ましくない。
その他の成分として、以下のような成分を含有することができる。
(1)蛍光剤として、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体、ビス(スルホスチリル)ビフェニル塩[チノパールCBS−X]など。
(2)漂白活性化剤として、炭素数11〜19のアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸/塩、炭素数8〜19のアルカノイルオキシ安息香酸/塩など。
(3)表面改質剤として、微粉炭酸カルシウム、微粉ゼオライト、顆粒ゼオライト、ポリエチレングリコールなど。
(4)多孔質吸油剤として、非晶質無水珪酸、珪酸カルシウムなど。
(5)油ゲル化剤として、12−ヒドロキシステアリン酸、金属石鹸など。
(6)還元剤
亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウムなど。
(7)崩壊剤
粉末セルロースの顆粒化品、架橋型カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウムなど。
(8)すすぎ剤として、シリコーン油など。
(9)香料、例えば、特開2002−146399号公報に記載の香料組成物など。
粒状洗剤組成物の場合、嵩密度は、好ましくは、0.6〜1.2g/cm3、特に、0.7〜1g/cm3とすると好適である。
また、粒子径は、好ましくは、200〜2000μm、特に、300〜1500μmの範囲とすると好適である。平均粒子径は、好ましくは、300〜1200μm、特に、350〜1000μmとすると好適である。粒状洗剤組成物は、捏和押出造粒法、捏和破砕造粒法、転動造粒法、撹拌造粒法等の方法で製造できる。
特に、食器手洗い洗剤等には、従来より、洗浄力向上のためにアニオン界面活性剤を含有しているが、アニオン活性剤は皮膚刺激性、すなわち、手あれを起こしやすく、そのためにAX剤(ドデシルジメチルアミンオキサイド)などの半極性界面活性剤を含有することにより刺激性を低下させ、手あれを起こしにくくさせるに至っている。しかしながら、一般健常人に比べて皮膚刺激に敏感な敏感肌者は、その洗剤を使用しても手あれを起こしやすく、アニオン界面活性剤に比べて刺激性の低い半極性界面活性剤によっても手あれを起こしやすいものである。そこで、AX剤などの半極性界面活性剤の有する刺激性においても低下させる手段が切望されているものであるところ、本発明では、本発明の皮膚刺激低減剤とAX剤などの半極性界面活性剤との併用で刺激抑制効果が更に増大し、敏感肌者に対しても手あれを抑制できるという更なる効果を発揮するものである。また、液体ヘビー洗剤、シャンプー、コンディショナーなどでも敏感肌者への皮膚刺激を低下させることができる。
牛血液製のヘモグロビン(和光純薬工業製、特級試薬)を精製水に0.4質量%となるように溶解した(以下、「ヘモグロビン溶液」という)。
無水リン酸一カリウム1M溶液と無水リン酸ニナトリウム1M溶液を混合して、pH6.0の1Mリン酸緩衝液(以下、「緩衝液P」という)を調製した。2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールを約2Mに溶解し、25℃に保温して塩酸を用いてpH9.0に調整し、精製水で1M溶液となるように希釈して1Mトリス緩衝液(以下、「緩衝液T」という)を調製した。試料を純分として1.0質量%となるように精製水に懸濁または溶解した(以下、「試料原液」という)。25℃に保温した前記の液を用いて、試験管にて下記の試料溶液A〜C及びブランク1,2を調製した。
試料溶液A:ヘモグロビン溶液:1mL、緩衝液P:1mL及び精製水:1mLを混合後、試料原液1mLを加えて混合した溶液。
試料溶液B:ヘモグロビン溶液:1mL、緩衝液T:1mL及び精製水:1mLを混合後、試料原液1mLを加えて混合した溶液。
試料溶液C:ヘモグロビン溶液:1mL及び精製水:2mLを混合後、試料原液1mLを加えて混合した溶液。
ブランク1:試料溶液A〜Cに対応するブランクとして、上記試料溶液A〜Cにおいて、試料原液の代わりに精製水を用いたもの。
ブランク2:溶液A〜Cに対応するブランクとして、上記溶液A〜Cにおいて、ヘモグロビン溶液の代わりに精製水を用いたもの。
上記の試料溶液A〜C及びブランク1,2を室温(20〜25℃)で30分間放置した後、室温で日立社製遠心分離機「ハイマックCF7D2」を用いて3,000rpm(約1800g)、」5分間、行ない、上清を分取して、日立社製分光光度計U−3000にて波長578nmにおける上清液の吸光度(以下、「OD値」という)を測定した。
ヘモグロビン沈殿率(%)は、次の式より求めた。
ヘモグロビン沈殿率(%)=(ブランク1のOD値−試料溶液A〜CのOD値)/(ブランク1のOD値−ブランク2のOD値)×100
なお、ヘモグロビン沈殿率として、上記の試料溶液A〜Cにおいて、最も高い数値をその試料のヘモグロビン沈殿率とした。
また、上記緩衝液は、純正化学製、特級試薬を使用した。
下記表1に示すとおり、各コロイド粒子A〜Fを純分として1.0質量%となるように精製水で希釈し、上述のヘモグロビン沈殿率(%)を求めた。また、各コロイド粒子A〜Fと各化学物質からなるコロイド粒子溶液を下記表1に示す濃度(純分として質量%)となるように精製水を用いて調製し、下記方法により刺激スコアを測定した。
得られた各測定結果を下記表1に示す。
各コロイド粒子溶液を、局方滅菌水に15質量%となるように希釈した。これを毛刈りした白色モルモット6匹の背部皮膚2cm×2cmの投与部位に、1日1回0.04mLを塗布し、4日後にDraize法(DraizeJHJ,Pharmacol.,82,377-390,1944)に従い、下記に記載するごとく、紅斑と浮腫を点数化し、紅斑と浮腫を合計して個別評点とした。各コロイド粒子溶液に示す刺激スコアは、6匹の個別評点の平均値とした。
刺激スコアは、点数が低い程、低刺激性を示す。
(紅斑および痂皮の形成:評価点数)
0点:紅斑なし
1点:非常に軽度な紅斑
2点:はっきりとした紅斑
3点:中程度ないし高度紅斑
4点:高度紅斑からわずかな痂皮の形成まで
(浮腫の形成:評価点数)
0点:浮腫なし
1点:非常に軽度な浮腫
2点:軽度浮腫(はっきりとした膨隆)
3点:中程度浮腫(約1mm)
4点:高度浮腫(1mm以上)
これに対して、コロイド粒子から成っていても、ヘモグロビン沈殿率が30%未満となる試験例7(コロイド粒子F)は、刺激スコアが高く、皮膚刺激低減効果がないことが判明した。試験例8は、コロイド粒子を含有しない例(ブランク)である。
上記コロイド粒子A〜Fを用いると共に、下記表2及び表3に示す配合組成(全量100質量%、以下の表4以降においても同様)により、洗浄剤組成物を調製した。
得られた各洗浄剤組成物について、上記測定方法により刺激スコアを測定した。
これらの結果を下記表2及び表3に示す。
EO15:平均炭素数10〜20のアルコールにエチレンオキサイド(EO)を平均15モル付加させたEO付加型ノニオン界面活性剤(アルキルエーテルエトキシレート)
NRES:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム
AOS:α−オレフィンスルホン酸塩
LAS:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩
PTS:パラトルエンスルホン酸
PEG:ポリエチレングリコール
香料組成:特開2002−146399号公報記載の表11〜18の香料A〜D組成。
色素:特開2002−180093号公報、実施例に記載の色素
なお、実施例では、皮膚刺激性の評価の他、粘膜の刺激性、具体的には、モルモットの口腔粘膜の刺激性についても行なったが、皮膚刺激性と同様の結果が得られるものであった。
上記コロイド粒子A〜C,Eを用いると共に、下記表4に示す配合組成により、液体ヘビー洗浄剤組成物を調製した。
得られた各洗浄剤組成物について、上記測定方法により刺激スコアを測定した。
これらの結果を下記表4に示す。
LAS−K:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸カリウム(洗剤組成物製造の際に、ライオン(株)製ライポンLH−200(LAS−H純分96%)を48%水酸化カリウム水溶液で中和することにより調製したもの)
AES−Na:ポリオキシエチレン(EO3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、純分70%、ライオン(株)製
石鹸:炭素数12〜18のアルキル基をもつ脂肪酸ナトリウム(ライオン(株)製、C12:0.9%、C18:80.2%、不飽和脂肪酸80.2%、分子量289、純分67〜68%、タイター47.0℃)
BRE15:炭素鎖12の直鎖1級アルコールエトキシレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数:15)ライオン(株)製
酵素:ノボザイムズ社のサビナーゼ16Lとターマミル240Lとセルザイム1.5Lとリポラーゼウルトラ100Lを1:1:1:1の割合で混合したもの
ASDA:アスパラギン酸ジ酢酸ナトリウム(日本触媒(株)製)
HIDS:ヒドロキシイミノジコハク酸ナトリウム(日本触媒(株)製)
クエン酸およびそのナトリウム塩:扶桑化学工業(株)製
AA/MA共重合体塩:アクリル酸/マレイン酸共重合体のナトリウム塩、商品名ソカランCP7(BASF社製)
エタノール:純分99.5%(日本エタノール製)
香料組成:特開2002−146399号公報記載の表11〜18の香料A〜D組成。
なお、実施例では、皮膚刺激性の評価の他、粘膜の刺激性、具体的には、モルモットの口腔粘膜の刺激性についても行なったが、皮膚刺激性と同様の結果が得られるものであった。
上記コロイド粒子A〜Eを用いると共に、下記表5に示す配合組成により、シャンプー組成物を調製した。
得られた各シャンプー組成物について、上記測定方法により刺激スコアを測定した。
これらの結果を下記表5に示す。
*1:アミノ変性シリコーンは、SM8704C(東レダウコーニング社製)を使用。化粧品種別配合成分規格(以下「粧配規」と略す)に準拠したアモジメチコンの水分散液で、アミノ変性シリコーンの濃度は約40%。水分散液中のアミノ変性シリコーンの平均粒子径は約0.1μm。表5中にはアミノ変性シリコーンの純分相当量を記載。
*2:ジメチルシリコーンは、レオフローDMS−55(ライオン社製)を使用。粧配規に準拠した粘度10万センチストークス、平均分子量約13万の高重合メチルポリシロキサンを、化粧品原料基準(以下「粧原基」と略す)に準拠したPOE(15)セチルエーテルで機械力にて乳化分散した水分散液で、ジメチルシリコンの濃度は約55%。水分散液中のジメチルシリコーンの平均粒子径は約0.5μm。表5中にはジメチルシリコーンの純分相当量を記載
*3:POEアルキルエーテル硫酸ナトリウムは、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ライオン社製)を使用。粧配規に準拠したポリオキシエチレンアルキル(12,13)エーテル硫酸ナトリウム液(3E.O.)で、純分約27%の水溶液。表5中にはPOEアルキルエーテル硫酸ナトリウムの純分相当量を記載。
*4:テトラデセンスルホン酸ナトリウムは、テトラデセンスルホン酸ナトリウム(ライオン社製)を使用。粧配規に準拠したテトラデセンスルホン酸ナトリウム液で、純分約35%の水溶液。表5中にはテトラデセンスルホン酸ナトリウムの純分相当量を記載。
*5:ラウリン酸アミドプロピルベタインは、エナジコールN30B(ライオン社製)を使用。粧配規に準拠したラウリン酸アミドプロピルベタイン液で、純分約30%の水溶液。表5中にはラウリン酸アミドプロピルベタインの純分相当量を記載。
*6:ラウリルジメチルアミンオキシドは、アロモックスDM12D−W(ライオン社製)を使用。粧配規に準拠したラウリルジメチルアミンオキシド液で、純分約33%の水溶液。表5中にはラウリルジメチルアミンオキシドの純分相当量を記載。
*7:カチオン化セルロースは、XE−511K(ライオン社製)を使用。粧配規の塩化O−〔ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕ヒドロキシエチルセルロースに準拠。
*8:塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体は、カヤクリルレジンMN−50(日本化薬社製)を使用。粧配規に準拠した塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体液で、純分は約5.5%の水溶液。
モノマーである塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドの仕込み比は、約1:1。表5中には塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体の純分相当量を記載。
*10:ジステアリン酸エチレングリコールは、Genapol PMS(クラリアントジャパン製)を使用。粧配規に準拠したジステアリン酸エチレングリコールで、C16とC18の混合比は6:4。
本原料のシャンプー組成物への配合方法は、シャンプー中での分散性を良くするため、予め本原料の重量比25%に対して、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム水溶液20%、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド25%、水30%を約80℃で混合して分散液を作製し、その分散液をシャンプー液中に添加した。
*11:POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミドは、アミゼット2L(川研ファインケミカル社製)を使用。
*12:POE(20)硬化ヒマシ油は、CW−20−90(青木油脂工業社製)を使用。粧原基に準拠したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油で、純分約90%の水溶液。表5中にはPOE(20)硬化ヒマシ油の純分相当量を記載した。
*13:黄色203号は、キノリン イエローWS−G(中央合成化学社製)を使用。
*14:赤色106号は、赤色106号(癸巳化成社製)を使用。
*15:緑色3号は、緑色3号(癸巳化成社製)を使用。
*16:安息香酸Naは、粧原基に準拠した安息香酸ソーダ(BFGoodrich Kalama Inc.社製)を使用。
*17:メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン液は、粧配規に準拠したKATHON CG(ローム・アンド・ハース社製)を使用。表5中には本液の配合量を記載した。
*18:クエン酸は、粧原基クエン酸・1水塩に準拠したケッショウクエンサンL(扶桑化学工業社製)を使用。
レモン油5%、スイートオレンジ油10%、ゼラニウム油3%、ラベンダー油6%、サンダルウッド油 1%、リリアール5%、ノピルアセテート1%、リナロール2%、ベンジルベンゾエート 2%、ベンジルサリシレート3%、β−イオノン2%、メチルイオノン3%、ヘリオナール2%、へディオン8%、イソEスーパー3%、cis−3−へキセノール0.3%、リガンドラール0.3%、トリプラール0.4%、シクラメンアルデヒド 1.5%、へキシルシンナミックアルデヒド6%、ベルトフィックス3%、ガラクソリド 5%、トナリッド 6%、ベンダリッド1%、バクダノール0.5%、カシュメラン2%、ムスクT1%、フルーツベース3%、ローズベース3%、ジャスミンベース1%、ミューゲベース3%、アンバーベース1%、ノナナール10%、ジプロピレングリコール溶液2%、デカナール10%、ジプロピレングリコール溶液1%、メチルノニルアルデヒド10%、ジプロピレングリコール溶液2%、ジプロピレングリコール残部、合計100%。
なお、実施例では、皮膚刺激性の評価の他、粘膜の刺激性、具体的には、モルモットの口腔粘膜の刺激性についても行なったが、皮膚刺激性と同様の結果が得られるものであった。
上記コロイド粒子A〜Eを用いると共に、下記表6に示す配合組成により、コンディショナー組成物を調製した。
得られた各コンディショナー組成物について、上記測定方法により刺激スコアを測定した。
これらの結果を下記表6に示す。
*19:香料は、表5の香料組成を用いた。
*20:アミノ変性シリコーンは、信越化学株式会社製KF−8020を使用。
なお、実施例では、皮膚刺激性の評価の他、粘膜の刺激性、具体的には、モルモットの口腔粘膜の刺激性についても行なったが、皮膚刺激性と同様の結果が得られるものであった。
Claims (5)
- コロイド粒子から成り、ヘモグロビン凝集作用を有することを特徴とする皮膚、粘膜への化学物質の皮膚刺激低減剤。
- 界面活性剤を含有する洗浄剤組成物における皮膚刺激低減方法であって、該洗浄剤組成物中に請求項1記載の皮膚刺激低減剤を含有してなることを特徴とする皮膚刺激低減方法。
- 界面活性剤を含有する洗浄剤組成物であって、該洗浄剤組成物中に請求項1記載の皮膚刺激低減剤を含有してなることを特徴とする洗浄剤組成物。
- 更に、界面活性剤として半極性界面活性剤を含有する請求項3記載の洗浄剤組成物。
- 更に、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項4記載の洗浄剤組成物。
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