JP2005035062A - インクジェットプリンタのインク噴射量制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】階調表現に幅をもたせて滑らかな印字結果が得られるとともに、インクをセーブすることが可能であり、しかも簡単な構成で実現できるインク噴射量制御装置を提供する。
【解決手段】DC/DCコンバータ1の出力電圧VDDを分圧して得られるリファレンス電圧REFに基づいて出力電圧VDDを制御することにより、インク3aの噴射量を制御するインク噴射量制御装置であって、コントローラ4の制御信号bによりスイッチSを閉状態にして、抵抗R2を抵抗R1と並列接続することでリファレンス電圧REFを低下させ、印字ヘッド駆動回路2に与える出力電圧VDDを低下させることにより、インクカートリッジ3の印字ヘッドから噴射されるインク3aの噴射量を少なくするようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】DC/DCコンバータ1の出力電圧VDDを分圧して得られるリファレンス電圧REFに基づいて出力電圧VDDを制御することにより、インク3aの噴射量を制御するインク噴射量制御装置であって、コントローラ4の制御信号bによりスイッチSを閉状態にして、抵抗R2を抵抗R1と並列接続することでリファレンス電圧REFを低下させ、印字ヘッド駆動回路2に与える出力電圧VDDを低下させることにより、インクカートリッジ3の印字ヘッドから噴射されるインク3aの噴射量を少なくするようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタにおいてインクカートリッジから噴射されるインクの量を制御するためのインク噴射量制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、インクカートリッジを保持したキャリアを移動させながら、インクカートリッジの印字ヘッドからインクを噴射させて用紙に印刷を行うものである。図6は、従来のインクジェットプリンタのブロック回路図である。51は一定の直流電圧を別の電圧値の直流電圧に変換するDC/DCコンバータ、52はインクカートリッジ53に所定の電圧cを与えて印字ヘッドからインク53aを噴射させる印字ヘッド駆動回路、54は印字ヘッド駆動回路52に対して印字指令aを与えるコントローラ、55は操作キーを含む操作部である。
【0003】
DC/DCコンバータ51からは出力電圧VDDが出力され、これが印字ヘッド駆動回路52に直流電源として供給される。VDDの値は、後述するリファレンス電圧に基づいて調整され、たとえば11.82Vに設定される。DC/DCコンバータ51の出力側には、出力電圧VDDを分圧するための抵抗RxおよびRyが直列に接続されている。抵抗Rxの一端は出力電圧VDDのラインに接続され、他端は分圧点Bに接続されている。また、抵抗Ryの一端は分圧点Bに接続され、他端は接地ラインGNDに接続されている。そして、抵抗Rxと抵抗Ryとの接続点である分圧点Bの電圧はリファレンス電圧REFとしてフィードバックされ、抵抗Rx、Ryの値で決まる分圧比を適切に選定することにより、リファレンス電圧REFを調整して、出力電圧VDDを所定値に設定することができる。
【0004】
印字ヘッド駆動回路52には、DC/DCコンバータ51から出力電圧VDDが供給されるとともに、コントローラ54から印字指令aが与えられる。また、印字ヘッド駆動回路52は、出力電圧VDDに応じた所定の電圧cをインクカートリッジ53に与え、コントローラ54から印字指令aが与えられると、インクカートリッジ53は上記電圧cに応じた量のインク53aを印字ヘッドから噴射して用紙への印字を行なう。コントローラ54は、CPUやASIC(Application Specific Integrated Circuit)、およびメモリなどから構成され、PC(Personal Computer)などのホスト装置と通信可能となっていて、ホスト装置から各種のコマンドやデータを受信して、プリンタの動作を制御する。インクジェットプリンタの構成としては、以上のほかに紙送りのためのフィードモータや、インクキャリアを搬送するためのキャリアモータなどが設けられるが、図6ではこれらを省略してある。
【0005】
上述した従来のインクジェットプリンタにおいては、DC/DCコンバータ51から印字ヘッド駆動回路52へ与えられる出力電圧VDDは一定値(上記の例では、11.82V)に固定されており、したがって、インクカートリッジ53から噴射されるインク53aの1回あたりの噴射量も一定となっている。このため、印字の階調を制御するにあたっては、図7に模式的に示したように、用紙上へ滴下するインクの所定面積あたりのドット数をコントローラ54で制御することにより濃淡を調整し、所望の階調表現を得るようにしている。図7では、黒丸が滴下されたインクドットを表しており、ここでは5段階の階調表現が得られるようになっている。
【0006】
また、インクジェットプリンタにおける階調制御に関する技術は、たとえば下記の特許文献1〜3にも記載されている。特許文献1および特許文献2には、パルス幅などを制御することでインクの噴射量を制御する技術が開示され、特許文献3には、形状の異なる複数の駆動波形信号を選択することによりインクのドット径を調節する技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−254710号公報
【特許文献2】
特開2001−347694号公報
【特許文献3】
特開2000−218834号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示した従来の装置においては、上述したように、印字ヘッド駆動回路52へ与えられる出力電圧VDDが固定された値であって、インク53aの1回あたりの噴射量が一定となっている、このため、図7に示したような限られたパターンの階調表現しかできず、インクジェット特有の粒子感が目立って、滑らかな印字結果を得るのが困難であった。また、たとえば試し印刷を行うような場合は、通常の印刷に比べてインクの噴射量は少なくてもよいが、従来のものでは試し印刷のような場合にも通常の印刷と同量のインクが噴射されるので、利用者からみてインクが無駄に消費されるという問題もあった。
【0009】
一方、特許文献1ないし特許文献3に記載された技術によれば、インクの噴射量をコントロールすることはできるが、このためには複雑な信号処理回路を必要とし、コスト高になるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するものであって、その目的とするところは、階調表現に幅をもたせて滑らかな印字結果が得られるとともに、インクをセーブすることが可能であり、しかも簡単な構成で実現できるインクジェットプリンタのインク噴射量制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るインク噴射量制御装置は、インクカートリッジに所定の電圧を与えて印字ヘッドからインクを噴射させる印字ヘッド駆動回路と、この印字ヘッド駆動回路に直流電源を供給するDC/DCコンバータと、印字ヘッド駆動回路に印字指令を与えるコントローラとを備え、DC/DCコンバータの出力電圧を分圧して得られるリファレンス電圧に基づいて出力電圧を制御することによりインクの噴射量を制御するインク噴射量制御装置であって、コントローラにより、出力電圧の分圧点の電位を制御してリファレンス電圧を変化させ、印字ヘッド駆動回路に与えられるDC/DCコンバータの出力電圧を変化させることにより、インク噴射量を制御するようにしている。
【0012】
このようにすれば、DC/DCコンバータのリファレンス電圧をコントローラで制御することで出力電圧が調整され、印字ヘッド駆動回路に加わる電圧が変化するので、DC/DCコンバータの出力電圧を低下させることよって、印字ヘッドから噴射されるインクの量が減少して薄い色の印字が行われ、階調表現の幅が広がる。また、試し印刷などでインクをセーブしたい場合も、DC/DCコンバータの出力電圧を低下させることで、インク噴射量を少なくすることができる。さらに、複雑な信号処理を行う回路を必要とせず、DC/DCコンバータのリファレンス電圧をコントローラで制御するだけでよいので、きわめて簡単な構成で実現することができる。
【0013】
本発明では、出力電圧の分圧点の電位をコントローラで多段階に制御するようにしてもよい。これによると、DC/DCコンバータの出力電圧が多段階に変化するので、より多様な階調表現が可能となる。
【0014】
また、本発明では、通常の印字時よりもインク噴射量を少なくするインクセーブモードを指定するためのキーをインクジェットプリンタに設け、このキーの操作によるインクセーブモードでの印字時にリファレンス電圧を低下させて、印字ヘッド駆動回路に与えるDC/DCコンバータの出力電圧を低下させることにより、インク噴射量が少なくなるようにしてもよい。これによると、プリンタ側においてキー操作を行うだけでインク噴射量を調整することができ、ホスト装置側での煩雑な操作が不要となるため、利用者からみて使い勝手のよいものとなる。
【0015】
本発明において、DC/DCコンバータのリファレンス電圧を制御する手段としては、種々のものが考えられるが、典型的な例としては、抵抗とスイッチとを用いる。すなわち、DC/DCコンバータの出力電圧を分圧して、分圧された電圧をリファレンス電圧としてフィードバックする第1および第2の抵抗と、インクセーブモードでの印字時に第2の抵抗と並列に接続される第3の抵抗と、第1および第2の抵抗の接続点と第3の抵抗との間に接続されるスイッチとを設ける。そして、インクセーブモードの場合は、コントローラによりスイッチを閉状態にして、第3の抵抗を第2の抵抗と並列に接続し、この第3の抵抗の接続によりリファレンス電圧を低下させて、インク噴射量が少なくなるようにする。これによると、抵抗とスイッチだけの簡単な回路によってDC/DCコンバータのリファレンス電圧を制御することができる。
【0016】
また、リファレンス電圧を制御する他の手段として、PWM(Pulse Width Modulation)制御を用いてもよい。この場合は、DC/DCコンバータの出力電圧を分圧して、分圧された電圧をリファレンス電圧としてDC/DCコンバータにフィードバックする第1、第2の抵抗およびトランジスタと、トランジスタの入力側に接続された積分回路とを設ける。そして、コントローラにより、所定のデューティ比をもったPWM信号を積分回路を介してトランジスタへ与え、トランジスタに流れる電流を制御してリファレンス電圧を変化させることで、インク噴射量を制御する。これによると、PWM制御によってリファレンス電圧を微調整できるため、DC/DCコンバータの出力電圧をきめ細かく制御することが可能となり、その結果、さらに多様な階調表現を実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るインクジェットプリンタにおけるインク噴射量制御装置のブロック回路図である。1は一定の直流電圧を別の電圧値の直流電圧に変換するDC/DCコンバータ、2はインクカートリッジ3に所定の電圧cを与えて印字ヘッドからインク3aを噴射させる印字ヘッド駆動回路、4は印字ヘッド駆動回路2に対して印字指令aを与えるコントローラ、5は操作キーを含む操作部、5aは試し印刷を行う場合などに操作されるインクセーブキーである。
【0018】
DC/DCコンバータ1からは出力電圧VDDが出力され、これが印字ヘッド駆動回路2に直流電源として供給される。VDDの値は、後述するリファレンス電圧に基づいて調整され、たとえば11.82Vに設定される。DC/DCコンバータ1の出力側には、通常の印字時にDC/DCコンバータ1の出力電圧VDDを分圧する抵抗RおよびR1が直列に接続されている。抵抗Rの一端は出力電圧VDDのラインに接続され、他端は分圧点Aに接続されている。また、抵抗R1の一端は分圧点Aに接続され、他端は接地ラインGNDに接続されている。そして、抵抗Rと抵抗R1との接続点である分圧点Aの電圧はリファレンス電圧REFとしてフィードバックされ、このリファレンス電圧REFの値に基づいて出力電圧VDDが調整される。また、インクセーブモードでの印字時に抵抗R1と並列に接続される抵抗R2が設けられ、さらに、分圧点Aと抵抗R2との間に、コントローラ4により開閉制御されるスイッチSが設けられる。このスイッチSは、半導体スイッチング素子からなる電子スイッチであってもよいし、機械的なスイッチであってもよい。
【0019】
印字ヘッド駆動回路2には、DC/DCコンバータ1から出力電圧VDDが供給されるとともに、コントローラ4から印字指令aが与えられる。また、印字ヘッド駆動回路2は、出力電圧VDDに応じた所定の電圧cをインクカートリッジ3に与え、コントローラ4から印字指令aが与えられると、インクカートリッジ3は上記電圧cに応じた量のインク3aを印字ヘッドから噴射して用紙への印字を行なう。コントローラ4は、CPUやASIC(Application Specific Integrated Circuit)、およびメモリなどから構成され、PC(Personal Computer)などのホスト装置と通信可能となっていて、ホスト装置から各種のコマンドやデータを受信して、プリンタの動作を制御する。インクジェットプリンタの構成としては、以上のほかに紙送りのためのフィードモータや、インクキャリアを搬送するためのキャリアモータなどが設けられるが、図1ではこれらを省略してある。
【0020】
以上の構成において、ホスト装置からの指示に基づいて、薄い印字により階調表現を行う場合、コントローラ4は印字ヘッド駆動回路2に印字指令aを与えるとともに、スイッチSを閉状態にする制御信号bを出力する。この制御信号bにより、スイッチSは開状態から閉状態へ移行する。スイッチSが閉状態になると、抵抗R2が抵抗R1の両端に並列に接続されるため、分圧点Aの電位が下がる。したがって、リファレンス電圧REFが低下して、DC/DCコンバータ1の出力電圧VDD、すなわち印字ヘッド駆動回路2に与えられる電圧も低下する(たとえば11.82Vから10.0Vに低下)。この結果、コントローラ4から印字指令aを受けた印字ヘッド駆動回路2は、通常より低い電圧cでインクカートリッジ3の印字ヘッドを駆動し、印字ヘッドからは通常の印字時よりも少ない量のインク3aが噴射される。
【0021】
一方、ホスト装置からの指示に基づいて、通常の濃度により印字を行う場合は、コントローラ4がスイッチSを閉状態にする制御信号bを出力しないので、抵抗R2は抵抗R1に並列接続されず、リファレンス電圧REFは低下しない。したがって、DC/DCコンバータ1の出力電圧VDDは通常値(11.82V)を維持し、印字ヘッド駆動回路2は、通常の電圧cでインクカートリッジ3の印字ヘッドを駆動し、印字ヘッドからは通常の量のインク3aが噴射される。
【0022】
このようにして、コントローラ4によりスイッチSを開閉して、リファレンス電圧REFを変化させることにより、図2(a)に示したような通常の印字による階調表現のほかに、図2(b)に示したような少ないインク量による滑らかな階調表現を得ることができ、全部で10段階の階調表現が可能となる。これらの階調表現は適宜組み合せることができる。そして、このような階調表現を得るにあたって複雑な信号処理を行う必要はなく、また、インクカートリッジ3や印字ヘッド駆動回路2などの改造も不要であり、DC/DCコンバータ1のリファレンス電圧REFをコントローラ4で制御するだけでよいので、抵抗とスイッチだけの回路で簡単に実現することができる。
【0023】
また、ホスト装置からの指示だけでなく、操作部5のインクセーブキー5aが操作された場合も、プリンタはインクセーブモードとなり、この場合もコントローラ4はスイッチSを閉状態にする制御信号bを出力して、スイッチSを閉状態とする。この状態は、インクセーブモードが解除されるまで維持される。スイッチSが閉状態になることで、前述したようにリファレンス電圧REFが低下し、印字ヘッド駆動回路2に与えられる電圧が低下するので、印字ヘッドからは通常の印字時よりも少ない量のインク3aが噴射されて、図2(b)のような薄い色で用紙への試刷が行われる。これによって、試刷時のインクの消費を節約することができる。また、プリンタ側のインクセーブキー5aを操作するだけでインク噴射量を調整することができるため、ホスト装置側での煩雑な操作が不要となって使い勝手のよいものとなる。
【0024】
図3は、本発明の他の実施形態に係るインク噴射量制御装置のブロック回路図である。図において、図1と同一部分については、同一符号を付してある。本実施形態では、スイッチS1、S2、…と、抵抗R2、R3、…とを複数設け、分圧点Aの電位をコントローラ4で多段階に制御するようにしている。たとえば、スイッチS1、S2、…が全て開状態の場合は、抵抗R2、R3、…はいずれも抵抗R1に並列接続されないので、リファレンス電圧REFは低下せず、図4(a)に示したように、通常の濃度による印字が行われる。また、コントローラ4から制御信号b1が出力されてスイッチS1が閉状態になると、抵抗R2が抵抗R1に並列接続され、図1の場合と同様の動作が行われて、図4(b)に示したように、通常の濃度より薄い濃度による印字が行われる。また、コントローラ4から制御信号b1、b2が出力されてスイッチS1、S2が閉状態になると、抵抗R2、R3が抵抗R1に並列接続されるため、分圧点Aの電位はさらに下がり、図4(c)に示したように、(b)よりもさらに薄い濃度による印字が行われる。また、コントローラ4から制御信号b1、b2、b3が出力されてスイッチS1、S2、S3(S3は不図示)が閉状態になると、抵抗R2、R3、R4(R4は不図示)が抵抗R1に並列接続されるため、分圧点Aの電位はさらに下がり、図4(d)に示したように、(c)よりもさらに薄い濃度による印字が行われる。
【0025】
このようにして、図3の実施形態によれば、分圧点Aの電位を多段階に制御することで、DC/DCコンバータ1の出力電圧VDDが多段階に変化するので、より多様な階調表現(図4の例では20段階)が可能となる。本実施形態では、各濃度に対応してインクセーブキー5aを複数個設けてもよい。なお、以上の点を除き、図3の回路の構成や動作は図1の回路と同様であるので、図1と重複する内容の説明は省略する。
【0026】
図5は、本発明の他の実施形態に係るインク噴射量制御装置のブロック回路図である。図において、図1と同一部分については、同一符号を付してある。本実施形態では、DC/DCコンバータ1のリファレンス電圧REFを制御する手段として、PWM制御を用いている。このため、コントローラ4の内部にパルス幅変調されたパルス信号を出力するPWM回路6が設けられる。このPWM回路6はコントローラ4と独立して設けてもよい。また、DC/DCコンバータ1の出力電圧VDDを分圧してリファレンス電圧としてフィードバックする抵抗Ra、RbおよびトランジスタQの直列回路と、トランジスタQの入力側に接続されたコンデンサCと抵抗Rcからなる積分回路とが設けられる。
【0027】
図5において、薄い印字により階調表現を行う場合、コントローラ4はホスト装置からの指示に基づいて、印字ヘッド駆動回路2に印字指令aを与えるとともに、印字濃度に対応した所定のデューティ比をもつPWM信号を、コンデンサCと抵抗Rcからなる積分回路を介してトランジスタQへ与える。積分回路で積分された電圧の値は、PWM信号のデューティ比により変化するから、このデューティ比によってトランジスタQに流れる電流を制御し、分圧点Aのリファレンス電圧REFを変化させることで、図1や図3の場合と同様に、インク噴射量を制御することができる。
【0028】
このようにして、図5の実施形態によれば、PWM制御によってリファレンス電圧REFを制御するので、PWM信号のデューティ比を細かく設定することで、リファレンス電圧REFを微調整することができ、これによってDC/DCコンバータ1の出力電圧VDDをきめ細かく制御することが可能となって、さらに多様な階調表現を実現することができる。なお、以上の点を除き、図3の回路の構成や動作は図1や図3の回路と同様であるので、それらと重複する内容の説明は省略する。
【0029】
以上の実施形態においては、インクセーブキー5aを用いる場合の例として試し印刷を挙げたが、インクセーブキー5aはこの他にも、レイアウト印刷を行う場合や、OHP(Over Head Projector)シートに印刷を行う場合などにも利用することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、DC/DCコンバータのリファレンス電圧をコントローラで制御することで、階調表現の幅が広がるとともに、無駄なインク消費を抑制することができる。さらに、複雑な信号処理回路などを必要とせず、きわめて簡単な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインク噴射量制御装置のブロック回路図である。
【図2】第1実施形態による階調表現を説明する模式図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るインク噴射量制御装置のブロック回路図である。
【図4】第2実施形態による階調表現を説明する模式図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係るインク噴射量制御装置のブロック回路図である。
【図6】従来のインクジェットプリンタのブロック回路図である。
【図7】従来の階調表現を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 DC/DCコンバータ
2 印字ヘッド駆動回路
3 インクカートリッジ
3a インク
4 コントローラ
5 操作部
5a インクセーブキー
A 分圧点
R、R1〜R3 抵抗
S、S1、S2 スイッチ
Ra、Rb、Rc 抵抗
C コンデンサ
Q トランジスタ
VDD 出力電圧
REF リファレンス電圧
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタにおいてインクカートリッジから噴射されるインクの量を制御するためのインク噴射量制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、インクカートリッジを保持したキャリアを移動させながら、インクカートリッジの印字ヘッドからインクを噴射させて用紙に印刷を行うものである。図6は、従来のインクジェットプリンタのブロック回路図である。51は一定の直流電圧を別の電圧値の直流電圧に変換するDC/DCコンバータ、52はインクカートリッジ53に所定の電圧cを与えて印字ヘッドからインク53aを噴射させる印字ヘッド駆動回路、54は印字ヘッド駆動回路52に対して印字指令aを与えるコントローラ、55は操作キーを含む操作部である。
【0003】
DC/DCコンバータ51からは出力電圧VDDが出力され、これが印字ヘッド駆動回路52に直流電源として供給される。VDDの値は、後述するリファレンス電圧に基づいて調整され、たとえば11.82Vに設定される。DC/DCコンバータ51の出力側には、出力電圧VDDを分圧するための抵抗RxおよびRyが直列に接続されている。抵抗Rxの一端は出力電圧VDDのラインに接続され、他端は分圧点Bに接続されている。また、抵抗Ryの一端は分圧点Bに接続され、他端は接地ラインGNDに接続されている。そして、抵抗Rxと抵抗Ryとの接続点である分圧点Bの電圧はリファレンス電圧REFとしてフィードバックされ、抵抗Rx、Ryの値で決まる分圧比を適切に選定することにより、リファレンス電圧REFを調整して、出力電圧VDDを所定値に設定することができる。
【0004】
印字ヘッド駆動回路52には、DC/DCコンバータ51から出力電圧VDDが供給されるとともに、コントローラ54から印字指令aが与えられる。また、印字ヘッド駆動回路52は、出力電圧VDDに応じた所定の電圧cをインクカートリッジ53に与え、コントローラ54から印字指令aが与えられると、インクカートリッジ53は上記電圧cに応じた量のインク53aを印字ヘッドから噴射して用紙への印字を行なう。コントローラ54は、CPUやASIC(Application Specific Integrated Circuit)、およびメモリなどから構成され、PC(Personal Computer)などのホスト装置と通信可能となっていて、ホスト装置から各種のコマンドやデータを受信して、プリンタの動作を制御する。インクジェットプリンタの構成としては、以上のほかに紙送りのためのフィードモータや、インクキャリアを搬送するためのキャリアモータなどが設けられるが、図6ではこれらを省略してある。
【0005】
上述した従来のインクジェットプリンタにおいては、DC/DCコンバータ51から印字ヘッド駆動回路52へ与えられる出力電圧VDDは一定値(上記の例では、11.82V)に固定されており、したがって、インクカートリッジ53から噴射されるインク53aの1回あたりの噴射量も一定となっている。このため、印字の階調を制御するにあたっては、図7に模式的に示したように、用紙上へ滴下するインクの所定面積あたりのドット数をコントローラ54で制御することにより濃淡を調整し、所望の階調表現を得るようにしている。図7では、黒丸が滴下されたインクドットを表しており、ここでは5段階の階調表現が得られるようになっている。
【0006】
また、インクジェットプリンタにおける階調制御に関する技術は、たとえば下記の特許文献1〜3にも記載されている。特許文献1および特許文献2には、パルス幅などを制御することでインクの噴射量を制御する技術が開示され、特許文献3には、形状の異なる複数の駆動波形信号を選択することによりインクのドット径を調節する技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−254710号公報
【特許文献2】
特開2001−347694号公報
【特許文献3】
特開2000−218834号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示した従来の装置においては、上述したように、印字ヘッド駆動回路52へ与えられる出力電圧VDDが固定された値であって、インク53aの1回あたりの噴射量が一定となっている、このため、図7に示したような限られたパターンの階調表現しかできず、インクジェット特有の粒子感が目立って、滑らかな印字結果を得るのが困難であった。また、たとえば試し印刷を行うような場合は、通常の印刷に比べてインクの噴射量は少なくてもよいが、従来のものでは試し印刷のような場合にも通常の印刷と同量のインクが噴射されるので、利用者からみてインクが無駄に消費されるという問題もあった。
【0009】
一方、特許文献1ないし特許文献3に記載された技術によれば、インクの噴射量をコントロールすることはできるが、このためには複雑な信号処理回路を必要とし、コスト高になるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するものであって、その目的とするところは、階調表現に幅をもたせて滑らかな印字結果が得られるとともに、インクをセーブすることが可能であり、しかも簡単な構成で実現できるインクジェットプリンタのインク噴射量制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るインク噴射量制御装置は、インクカートリッジに所定の電圧を与えて印字ヘッドからインクを噴射させる印字ヘッド駆動回路と、この印字ヘッド駆動回路に直流電源を供給するDC/DCコンバータと、印字ヘッド駆動回路に印字指令を与えるコントローラとを備え、DC/DCコンバータの出力電圧を分圧して得られるリファレンス電圧に基づいて出力電圧を制御することによりインクの噴射量を制御するインク噴射量制御装置であって、コントローラにより、出力電圧の分圧点の電位を制御してリファレンス電圧を変化させ、印字ヘッド駆動回路に与えられるDC/DCコンバータの出力電圧を変化させることにより、インク噴射量を制御するようにしている。
【0012】
このようにすれば、DC/DCコンバータのリファレンス電圧をコントローラで制御することで出力電圧が調整され、印字ヘッド駆動回路に加わる電圧が変化するので、DC/DCコンバータの出力電圧を低下させることよって、印字ヘッドから噴射されるインクの量が減少して薄い色の印字が行われ、階調表現の幅が広がる。また、試し印刷などでインクをセーブしたい場合も、DC/DCコンバータの出力電圧を低下させることで、インク噴射量を少なくすることができる。さらに、複雑な信号処理を行う回路を必要とせず、DC/DCコンバータのリファレンス電圧をコントローラで制御するだけでよいので、きわめて簡単な構成で実現することができる。
【0013】
本発明では、出力電圧の分圧点の電位をコントローラで多段階に制御するようにしてもよい。これによると、DC/DCコンバータの出力電圧が多段階に変化するので、より多様な階調表現が可能となる。
【0014】
また、本発明では、通常の印字時よりもインク噴射量を少なくするインクセーブモードを指定するためのキーをインクジェットプリンタに設け、このキーの操作によるインクセーブモードでの印字時にリファレンス電圧を低下させて、印字ヘッド駆動回路に与えるDC/DCコンバータの出力電圧を低下させることにより、インク噴射量が少なくなるようにしてもよい。これによると、プリンタ側においてキー操作を行うだけでインク噴射量を調整することができ、ホスト装置側での煩雑な操作が不要となるため、利用者からみて使い勝手のよいものとなる。
【0015】
本発明において、DC/DCコンバータのリファレンス電圧を制御する手段としては、種々のものが考えられるが、典型的な例としては、抵抗とスイッチとを用いる。すなわち、DC/DCコンバータの出力電圧を分圧して、分圧された電圧をリファレンス電圧としてフィードバックする第1および第2の抵抗と、インクセーブモードでの印字時に第2の抵抗と並列に接続される第3の抵抗と、第1および第2の抵抗の接続点と第3の抵抗との間に接続されるスイッチとを設ける。そして、インクセーブモードの場合は、コントローラによりスイッチを閉状態にして、第3の抵抗を第2の抵抗と並列に接続し、この第3の抵抗の接続によりリファレンス電圧を低下させて、インク噴射量が少なくなるようにする。これによると、抵抗とスイッチだけの簡単な回路によってDC/DCコンバータのリファレンス電圧を制御することができる。
【0016】
また、リファレンス電圧を制御する他の手段として、PWM(Pulse Width Modulation)制御を用いてもよい。この場合は、DC/DCコンバータの出力電圧を分圧して、分圧された電圧をリファレンス電圧としてDC/DCコンバータにフィードバックする第1、第2の抵抗およびトランジスタと、トランジスタの入力側に接続された積分回路とを設ける。そして、コントローラにより、所定のデューティ比をもったPWM信号を積分回路を介してトランジスタへ与え、トランジスタに流れる電流を制御してリファレンス電圧を変化させることで、インク噴射量を制御する。これによると、PWM制御によってリファレンス電圧を微調整できるため、DC/DCコンバータの出力電圧をきめ細かく制御することが可能となり、その結果、さらに多様な階調表現を実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るインクジェットプリンタにおけるインク噴射量制御装置のブロック回路図である。1は一定の直流電圧を別の電圧値の直流電圧に変換するDC/DCコンバータ、2はインクカートリッジ3に所定の電圧cを与えて印字ヘッドからインク3aを噴射させる印字ヘッド駆動回路、4は印字ヘッド駆動回路2に対して印字指令aを与えるコントローラ、5は操作キーを含む操作部、5aは試し印刷を行う場合などに操作されるインクセーブキーである。
【0018】
DC/DCコンバータ1からは出力電圧VDDが出力され、これが印字ヘッド駆動回路2に直流電源として供給される。VDDの値は、後述するリファレンス電圧に基づいて調整され、たとえば11.82Vに設定される。DC/DCコンバータ1の出力側には、通常の印字時にDC/DCコンバータ1の出力電圧VDDを分圧する抵抗RおよびR1が直列に接続されている。抵抗Rの一端は出力電圧VDDのラインに接続され、他端は分圧点Aに接続されている。また、抵抗R1の一端は分圧点Aに接続され、他端は接地ラインGNDに接続されている。そして、抵抗Rと抵抗R1との接続点である分圧点Aの電圧はリファレンス電圧REFとしてフィードバックされ、このリファレンス電圧REFの値に基づいて出力電圧VDDが調整される。また、インクセーブモードでの印字時に抵抗R1と並列に接続される抵抗R2が設けられ、さらに、分圧点Aと抵抗R2との間に、コントローラ4により開閉制御されるスイッチSが設けられる。このスイッチSは、半導体スイッチング素子からなる電子スイッチであってもよいし、機械的なスイッチであってもよい。
【0019】
印字ヘッド駆動回路2には、DC/DCコンバータ1から出力電圧VDDが供給されるとともに、コントローラ4から印字指令aが与えられる。また、印字ヘッド駆動回路2は、出力電圧VDDに応じた所定の電圧cをインクカートリッジ3に与え、コントローラ4から印字指令aが与えられると、インクカートリッジ3は上記電圧cに応じた量のインク3aを印字ヘッドから噴射して用紙への印字を行なう。コントローラ4は、CPUやASIC(Application Specific Integrated Circuit)、およびメモリなどから構成され、PC(Personal Computer)などのホスト装置と通信可能となっていて、ホスト装置から各種のコマンドやデータを受信して、プリンタの動作を制御する。インクジェットプリンタの構成としては、以上のほかに紙送りのためのフィードモータや、インクキャリアを搬送するためのキャリアモータなどが設けられるが、図1ではこれらを省略してある。
【0020】
以上の構成において、ホスト装置からの指示に基づいて、薄い印字により階調表現を行う場合、コントローラ4は印字ヘッド駆動回路2に印字指令aを与えるとともに、スイッチSを閉状態にする制御信号bを出力する。この制御信号bにより、スイッチSは開状態から閉状態へ移行する。スイッチSが閉状態になると、抵抗R2が抵抗R1の両端に並列に接続されるため、分圧点Aの電位が下がる。したがって、リファレンス電圧REFが低下して、DC/DCコンバータ1の出力電圧VDD、すなわち印字ヘッド駆動回路2に与えられる電圧も低下する(たとえば11.82Vから10.0Vに低下)。この結果、コントローラ4から印字指令aを受けた印字ヘッド駆動回路2は、通常より低い電圧cでインクカートリッジ3の印字ヘッドを駆動し、印字ヘッドからは通常の印字時よりも少ない量のインク3aが噴射される。
【0021】
一方、ホスト装置からの指示に基づいて、通常の濃度により印字を行う場合は、コントローラ4がスイッチSを閉状態にする制御信号bを出力しないので、抵抗R2は抵抗R1に並列接続されず、リファレンス電圧REFは低下しない。したがって、DC/DCコンバータ1の出力電圧VDDは通常値(11.82V)を維持し、印字ヘッド駆動回路2は、通常の電圧cでインクカートリッジ3の印字ヘッドを駆動し、印字ヘッドからは通常の量のインク3aが噴射される。
【0022】
このようにして、コントローラ4によりスイッチSを開閉して、リファレンス電圧REFを変化させることにより、図2(a)に示したような通常の印字による階調表現のほかに、図2(b)に示したような少ないインク量による滑らかな階調表現を得ることができ、全部で10段階の階調表現が可能となる。これらの階調表現は適宜組み合せることができる。そして、このような階調表現を得るにあたって複雑な信号処理を行う必要はなく、また、インクカートリッジ3や印字ヘッド駆動回路2などの改造も不要であり、DC/DCコンバータ1のリファレンス電圧REFをコントローラ4で制御するだけでよいので、抵抗とスイッチだけの回路で簡単に実現することができる。
【0023】
また、ホスト装置からの指示だけでなく、操作部5のインクセーブキー5aが操作された場合も、プリンタはインクセーブモードとなり、この場合もコントローラ4はスイッチSを閉状態にする制御信号bを出力して、スイッチSを閉状態とする。この状態は、インクセーブモードが解除されるまで維持される。スイッチSが閉状態になることで、前述したようにリファレンス電圧REFが低下し、印字ヘッド駆動回路2に与えられる電圧が低下するので、印字ヘッドからは通常の印字時よりも少ない量のインク3aが噴射されて、図2(b)のような薄い色で用紙への試刷が行われる。これによって、試刷時のインクの消費を節約することができる。また、プリンタ側のインクセーブキー5aを操作するだけでインク噴射量を調整することができるため、ホスト装置側での煩雑な操作が不要となって使い勝手のよいものとなる。
【0024】
図3は、本発明の他の実施形態に係るインク噴射量制御装置のブロック回路図である。図において、図1と同一部分については、同一符号を付してある。本実施形態では、スイッチS1、S2、…と、抵抗R2、R3、…とを複数設け、分圧点Aの電位をコントローラ4で多段階に制御するようにしている。たとえば、スイッチS1、S2、…が全て開状態の場合は、抵抗R2、R3、…はいずれも抵抗R1に並列接続されないので、リファレンス電圧REFは低下せず、図4(a)に示したように、通常の濃度による印字が行われる。また、コントローラ4から制御信号b1が出力されてスイッチS1が閉状態になると、抵抗R2が抵抗R1に並列接続され、図1の場合と同様の動作が行われて、図4(b)に示したように、通常の濃度より薄い濃度による印字が行われる。また、コントローラ4から制御信号b1、b2が出力されてスイッチS1、S2が閉状態になると、抵抗R2、R3が抵抗R1に並列接続されるため、分圧点Aの電位はさらに下がり、図4(c)に示したように、(b)よりもさらに薄い濃度による印字が行われる。また、コントローラ4から制御信号b1、b2、b3が出力されてスイッチS1、S2、S3(S3は不図示)が閉状態になると、抵抗R2、R3、R4(R4は不図示)が抵抗R1に並列接続されるため、分圧点Aの電位はさらに下がり、図4(d)に示したように、(c)よりもさらに薄い濃度による印字が行われる。
【0025】
このようにして、図3の実施形態によれば、分圧点Aの電位を多段階に制御することで、DC/DCコンバータ1の出力電圧VDDが多段階に変化するので、より多様な階調表現(図4の例では20段階)が可能となる。本実施形態では、各濃度に対応してインクセーブキー5aを複数個設けてもよい。なお、以上の点を除き、図3の回路の構成や動作は図1の回路と同様であるので、図1と重複する内容の説明は省略する。
【0026】
図5は、本発明の他の実施形態に係るインク噴射量制御装置のブロック回路図である。図において、図1と同一部分については、同一符号を付してある。本実施形態では、DC/DCコンバータ1のリファレンス電圧REFを制御する手段として、PWM制御を用いている。このため、コントローラ4の内部にパルス幅変調されたパルス信号を出力するPWM回路6が設けられる。このPWM回路6はコントローラ4と独立して設けてもよい。また、DC/DCコンバータ1の出力電圧VDDを分圧してリファレンス電圧としてフィードバックする抵抗Ra、RbおよびトランジスタQの直列回路と、トランジスタQの入力側に接続されたコンデンサCと抵抗Rcからなる積分回路とが設けられる。
【0027】
図5において、薄い印字により階調表現を行う場合、コントローラ4はホスト装置からの指示に基づいて、印字ヘッド駆動回路2に印字指令aを与えるとともに、印字濃度に対応した所定のデューティ比をもつPWM信号を、コンデンサCと抵抗Rcからなる積分回路を介してトランジスタQへ与える。積分回路で積分された電圧の値は、PWM信号のデューティ比により変化するから、このデューティ比によってトランジスタQに流れる電流を制御し、分圧点Aのリファレンス電圧REFを変化させることで、図1や図3の場合と同様に、インク噴射量を制御することができる。
【0028】
このようにして、図5の実施形態によれば、PWM制御によってリファレンス電圧REFを制御するので、PWM信号のデューティ比を細かく設定することで、リファレンス電圧REFを微調整することができ、これによってDC/DCコンバータ1の出力電圧VDDをきめ細かく制御することが可能となって、さらに多様な階調表現を実現することができる。なお、以上の点を除き、図3の回路の構成や動作は図1や図3の回路と同様であるので、それらと重複する内容の説明は省略する。
【0029】
以上の実施形態においては、インクセーブキー5aを用いる場合の例として試し印刷を挙げたが、インクセーブキー5aはこの他にも、レイアウト印刷を行う場合や、OHP(Over Head Projector)シートに印刷を行う場合などにも利用することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、DC/DCコンバータのリファレンス電圧をコントローラで制御することで、階調表現の幅が広がるとともに、無駄なインク消費を抑制することができる。さらに、複雑な信号処理回路などを必要とせず、きわめて簡単な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインク噴射量制御装置のブロック回路図である。
【図2】第1実施形態による階調表現を説明する模式図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るインク噴射量制御装置のブロック回路図である。
【図4】第2実施形態による階調表現を説明する模式図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係るインク噴射量制御装置のブロック回路図である。
【図6】従来のインクジェットプリンタのブロック回路図である。
【図7】従来の階調表現を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 DC/DCコンバータ
2 印字ヘッド駆動回路
3 インクカートリッジ
3a インク
4 コントローラ
5 操作部
5a インクセーブキー
A 分圧点
R、R1〜R3 抵抗
S、S1、S2 スイッチ
Ra、Rb、Rc 抵抗
C コンデンサ
Q トランジスタ
VDD 出力電圧
REF リファレンス電圧
Claims (5)
- インクカートリッジに所定の電圧を与えて印字ヘッドからインクを噴射させる印字ヘッド駆動回路と、この印字ヘッド駆動回路に直流電源を供給するDC/DCコンバータと、前記印字ヘッド駆動回路に印字指令を与えるコントローラとを備え、前記DC/DCコンバータの出力電圧を分圧して得られるリファレンス電圧に基づいて前記出力電圧を制御することによりインクの噴射量を制御するインク噴射量制御装置であって、
通常の印字時よりもインク噴射量を少なくするインクセーブモードを指定するためのキーを備えた操作部と、
通常の印字時に、前記DC/DCコンバータの出力電圧を分圧して、分圧された電圧を前記リファレンス電圧としてDC/DCコンバータにフィードバックする第1および第2の抵抗と、
インクセーブモードでの印字時に前記第2の抵抗と並列に接続される第3の抵抗と、
前記第1および第2の抵抗の接続点と前記第3の抵抗との間に接続され、前記コントローラにより開閉制御されるスイッチと、を備え、
前記コントローラは、前記操作部からのインクセーブモードの指令に基づき前記スイッチを閉状態にして、前記第3の抵抗を第2の抵抗と並列に接続し、この第3の抵抗の接続により前記リファレンス電圧を低下させ、前記印字ヘッド駆動回路に与えるDC/DCコンバータの出力電圧を低下させてインク噴射量が少なくなるように制御を行うことを特徴とするインクジェットプリンタのインク噴射量制御装置。 - インクカートリッジに所定の電圧を与えて印字ヘッドからインクを噴射させる印字ヘッド駆動回路と、この印字ヘッド駆動回路に直流電源を供給するDC/DCコンバータと、前記印字ヘッド駆動回路に印字指令を与えるコントローラとを備え、前記DC/DCコンバータの出力電圧を分圧して得られるリファレンス電圧に基づいて前記出力電圧を制御することによりインクの噴射量を制御するインク噴射量制御装置であって、
前記コントローラは、前記出力電圧の分圧点の電位を制御して前記リファレンス電圧を変化させ、前記印字ヘッド駆動回路に与えられるDC/DCコンバータの出力電圧を変化させることにより、インク噴射量を制御することを特徴とするインクジェットプリンタのインク噴射量制御装置。 - 請求項2に記載のインク噴射量制御装置において、
前記コントローラは、前記分圧点の電位を多段階に制御することを特徴とするインクジェットプリンタのインク噴射量制御装置。 - 請求項2または請求項3に記載のインク噴射量制御装置において、
通常の印字時よりもインク噴射量を少なくするインクセーブモードを指定するためのキーをインクジェットプリンタに設け、
前記キーの操作によるインクセーブモードでの印字時に、前記リファレンス電圧を低下させ、前記印字ヘッド駆動回路に与えるDC/DCコンバータの出力電圧を低下させることにより、インク噴射量が少なくなるようにしたことを特徴とするインクジェットプリンタのインク噴射量制御装置。 - インクカートリッジに所定の電圧を与えて印字ヘッドからインクを噴射させる印字ヘッド駆動回路と、この印字ヘッド駆動回路に直流電源を供給するDC/DCコンバータと、前記印字ヘッド駆動回路に印字指令を与えるコントローラとを備え、前記DC/DCコンバータの出力電圧を分圧して得られるリファレンス電圧に基づいて前記出力電圧を制御することによりインクの噴射量を制御するインク噴射量制御装置であって、
前記DC/DCコンバータの出力電圧を分圧して、分圧された電圧を前記リファレンス電圧としてDC/DCコンバータにフィードバックする第1、第2の抵抗およびトランジスタと、
前記トランジスタの入力側に接続された積分回路と、を備え、
前記コントローラは、所定のデューティ比をもったPWM信号を前記積分回路を介して前記トランジスタへ与え、トランジスタに流れる電流を制御して前記リファレンス電圧を変化させ、前記印字ヘッド駆動回路に与えられるDC/DCコンバータの出力電圧を変化させることにより、インク噴射量を制御することを特徴とするインクジェットプリンタのインク噴射量制御装置。
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