JP2005034750A - 流体攪拌装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
撹拌対象の液状体の適用範囲が広く、圧力損失が小さく、液状体に対する剪断力が小さく液状体を変質させるおそれが少なく、撹拌子が製造しやすい流体攪拌装置を提供する。
【解決手段】
攪拌対象の液状体の流路であるパイプ1の円柱状の内部空間の横断面を2つに分割して2本の流路を形成するように、捻り羽根エレメント2を前記流路に配設したスタティックミキサーを有し、前記捻り羽根エレメントには、形成した前記2本の流路のうちの一方の流路を流れる液状体の一部がもう一方の流路へ流入するように、孔3が設けられ、前記捻り羽根エレメントの形状は、厚さ方向に対して垂直方向の面の形状が長方形の加工前板状体に対して孔3を形成した加工板状体を、前記加工前板状体において中心軸であった軸の軸回りに捻って得られる形状である流体攪拌装置。
【選択図】
図1
撹拌対象の液状体の適用範囲が広く、圧力損失が小さく、液状体に対する剪断力が小さく液状体を変質させるおそれが少なく、撹拌子が製造しやすい流体攪拌装置を提供する。
【解決手段】
攪拌対象の液状体の流路であるパイプ1の円柱状の内部空間の横断面を2つに分割して2本の流路を形成するように、捻り羽根エレメント2を前記流路に配設したスタティックミキサーを有し、前記捻り羽根エレメントには、形成した前記2本の流路のうちの一方の流路を流れる液状体の一部がもう一方の流路へ流入するように、孔3が設けられ、前記捻り羽根エレメントの形状は、厚さ方向に対して垂直方向の面の形状が長方形の加工前板状体に対して孔3を形成した加工板状体を、前記加工前板状体において中心軸であった軸の軸回りに捻って得られる形状である流体攪拌装置。
【選択図】
図1
Description
本発明は、スタティックミキサーを利用した流体攪拌装置に関する。例えば、液状体がパイプ中を移動する力を利用し、それ以外の動力を用いないスタティックミキサー型の流体攪拌装置、特に、分割と旋回力を利用した流体攪拌装置に関する。
スタティックミキサーには多くの種類のものがあり、夫々特徴があって使い分けられているのが現状である。
図6は、従来のスタティックミキサーの長手方向(流路方向)の要部模式断面図である。パイプ60は、径方向の断面が円形である円柱状の内部空間を流路として有する。このパイプの流路である内部空間の中には、攪拌子61及び62が固定されている。攪拌子61及び62は、それぞれ、厚さ方向に対して垂直方向の面の形状が長方形である金属板を、この金属板の長手方向における中心軸の軸回りに180°捻って得られたものである。攪拌子61は右捻り板であり、攪拌子62は左捻り板である。攪拌子61及び62の径の長さは、パイプ60の内径の長さとほぼ同じである。
攪拌子61と攪拌子62は、これらが接合する部分におけるそれぞれの端面の長軸方向が直交する位置関係で、交互に所要個数で接合されてパイプ60の内部空間に設置されている。隣接する2つの攪拌子の端面が接触する部分は、通常、溶接や溶着等の方法で接合されている。接合した複数の攪拌子は、パイプの内周の壁面に固着されている。前記複数の攪拌子のパイプ内周面への固着には各種方法が適用でき、溶接や溶着あるいはキー溝形成等の機械的接合が用いられている。
図6において、攪拌対象の液状体は、矢印Bが向く方向へ移動するが、1つの攪拌子を通過することで2分割後旋回されて攪拌される。このとき、隣接する2つの攪拌子の旋回方向は互いに逆なので、強い攪拌力が得られる。液状体は、n個の攪拌子を通過すれば2nに分割されて攪拌される。このスタティックミキサーは、複数の液状体を通過させる場合は混合装置となり、単一の液状体を通過させる場合は攪拌だけであるが、例えば熱交換器等の構成要素として有用に利用される。
このタイプのスタティックミキサーは、圧力損失が非常に小さいという特徴があり、液状体に掛かる剪断力(shear:シアー)も小さい。また、適用できる液状体の粘度範囲が非常に広いという特徴も併せ持つ。
しかしながら、上記従来のスタティックミキサーよりも攪拌作用をより向上させた流体攪拌装置が要求されている。また、上記従来のスタティックミキサーでは、攪拌子形成の手間が大きいという欠点がある。前記攪拌子61と前記攪拌子62の接合体は、金属板を螺旋状に捻る工程、これを1捻り(捻り角度180°ぶんのエレメント長さ)毎に切断する工程、捻り方向が右方向の攪拌子と左方向の攪拌子とを必要な数だけ交互に接合する工程、接合した複数の攪拌子全体の外形を研摩等により整えて仕上げる工程といった具合に、製造に必要な工程数が多いからである。
従って、撹拌対象の液状体の粘度について適用範囲が広いこと、圧力損失が小さく、液状体に強い剪断力を与えず変質を起こさないこと、及び、撹拌子を製造するための形成及び取り付け工程数が少なく製造しやすいことを同時に満足する流体攪拌装置は実現されていないのが現状である。
そこで、本発明では前記問題点に鑑み、攪拌作用をより向上させた流体攪拌装置を提供することを第1の目的とする。また、本発明では、撹拌対象の液状体の適用範囲が広く、圧力損失が小さく、液状体に対する剪断力が小さく液状体を変質させるおそれが少なく、撹拌子が製造しやすい流体攪拌装置を提供することを第2の目的とする。
本発明によれば、第1の視点において、攪拌対象の液状体の流路の横断面を少なくとも2つに分割して少なくとも2本の流路を形成するように、捻り羽根エレメントを前記流路に配設したスタティックミキサーを有し、前記捻り羽根エレメントには、形成した前記少なくとも2本の流路のうちの一の流路を流れる液状体の一部が他の流路へ流入するように、孔及び切り欠きのうちの1以上を設けている流体攪拌装置により、上記第1の目的を達成することができる。また、本発明によれば、第2の視点において、攪拌対象の液状体の流路の横断面を2つに分割して2本の流路を形成するように、捻り羽根エレメントを前記流路に配設したスタティックミキサーを有し、前記捻り羽根エレメントには、形成した前記2本の流路のうちの一方の流路を流れる液状体の一部がもう一方の流路へ流入するように、孔及び切り欠きのうちの1以上を設け、前記捻り羽根エレメントの形状は、厚さ方向に対して垂直方向の面の形状が長方形ないし正方形の加工前板状体に対して孔及び切り欠きのうちの1以上を形成した加工板状体を、前記加工前板状体において中心軸であった軸の軸回りに捻って得られる形状である流体攪拌装置により、上記第2の目的を達成することができる。本発明の流体攪拌装置では、次のようにすることができる。
前記孔又は前記切り欠きは、前記捻り羽根エレメントの長さ方向における捻り角度180°ぶんのエレメント長さごとに1個以上形成することができる。前記加工前板状体の厚さ方向に対して垂直方向の片面の総面積に対する、前記孔及び切り欠きのうちの1以上の形成により前記加工前板状体の片面に生じた空間領域の総面積の割合は、5〜60%であるようにすることができる。前記捻り羽根エレメントの長さ方向における捻り角度180°ぶんのエレメント長さは、前記捻り羽根エレメントの径の長さの0.3〜2倍(より好ましくは0.5〜2倍、さらに好ましくは1〜2倍)であるようにすることができる。前記捻り羽根エレメントは、前記孔及び切り欠きのうちの1以上に対して前記液状体を流入させやすくする突起ないしひれを有することができる。
本発明の第1の視点における上記流体攪拌装置は、圧力損失が小さく、液状体を変質させる剪断力が小さく、使用時に乱流発生を必要としないため故障や騒音の発生が少ないと共に、撹拌作用がより向上している。
また、本発明の第2の視点における上記流体攪拌装置は、撹拌対象の液状体の適用範囲が広く、圧力損失が小さく、液状体を変質させる剪断力が小さく、使用時に乱流発生を必要としないため故障や騒音の発生が少なく、撹拌作用がより向上していると共に、簡便な工程で製造することができる。
[第1の視点における流体攪拌装置]
第1の視点における流体攪拌装置としては、例えば、攪拌対象の液状体の流路の横断面を3つに分割して3本の流路を形成するように、捻り羽根エレメントを前記流路に配設したスタティックミキサーを有し、前記捻り羽根エレメントには、形成した前記3本の流路のうちの一の流路を流れる液状体の一部が他の流路へ流入するように、孔及び切り欠きのうちの1以上を設けている流体攪拌装置がある。前記捻り羽根エレメントとしては、例えば、横断面の形状が円形である流路に配設した場合に、前記円形の横断面を3つの扇形の横断面に分割して、3本の螺旋状の流路を形成するもの(例えば、前記円形の横断面を中心角120°の扇形の横断面に3等分する3枚の羽根を中心軸の軸回りに螺旋状に有する捻り羽根エレメント)にすることができる。
第1の視点における流体攪拌装置としては、例えば、攪拌対象の液状体の流路の横断面を3つに分割して3本の流路を形成するように、捻り羽根エレメントを前記流路に配設したスタティックミキサーを有し、前記捻り羽根エレメントには、形成した前記3本の流路のうちの一の流路を流れる液状体の一部が他の流路へ流入するように、孔及び切り欠きのうちの1以上を設けている流体攪拌装置がある。前記捻り羽根エレメントとしては、例えば、横断面の形状が円形である流路に配設した場合に、前記円形の横断面を3つの扇形の横断面に分割して、3本の螺旋状の流路を形成するもの(例えば、前記円形の横断面を中心角120°の扇形の横断面に3等分する3枚の羽根を中心軸の軸回りに螺旋状に有する捻り羽根エレメント)にすることができる。
捻り羽根エレメントは、好ましくは、攪拌対象の液状体の流路の横断面を少なくとも2つ(例えば3つ)に分割して少なくとも2本(例えば3本)の流路を形成するように、螺旋の中心軸の軸回りに螺旋状の羽根を少なくとも2枚(例えば3枚)有するものである。
また、捻り羽根エレメントとしては、2以上の捻り羽根(厚さ方向に対して垂直方向の面の形状が長方形ないし正方形である板状体を、前記板状体の中心軸の軸回りに捻って得られる形状の捻り羽根)を接合したものであって、隣接する2つの捻り羽根の捻り軸が共通の軸上に位置するように端面間を接合したものを用いることができる。前記隣接する2つの捻り羽根の捻り方向は、同じ方向にすることができ、また、異なる方向にすることができる。
また、前記隣接する2つの捻り羽根は、一方の捻り羽根により分割された流路を、もう一方の捻り羽根の端面が分割するように接合したものにすることができる。例えば、前記隣接する2つの捻り羽根が、横断面の形状が円形である流路の前記横断面を、中心角120°の扇形の横断面に3等分する、3枚の羽根を中心軸の軸回りに螺旋状に有する捻り羽根である場合、もう一方の捻り羽根の端面が前記扇形の横断面を2つの形状(例えば、中心角60°の扇形の横断面)に分割するように、隣接する2つの捻り羽根の端面間を接合することができる。また、例えば、前記隣接する2つの捻り羽根が、横断面の形状が円形である流路の前記横断面を、半円形の横断面に2等分するものである場合、もう一方の捻り羽根の端面が前記半円形の横断面を2つの形状(例えば、中心角90°の扇形の横断面)に分割するように、隣接する2つの捻り羽根の端面間を接合することができる。
[第2の視点における流体攪拌装置]
本発明の第2の視点における流体攪拌装置は、攪拌対象の液状体の流路の横断方向(流路の長さ方向に対して直角方向)の断面を2つに分割して2本の流路を形成するように、捻り羽根エレメントを前記流路に配設したスタティックミキサーを有する。
本発明の第2の視点における流体攪拌装置は、攪拌対象の液状体の流路の横断方向(流路の長さ方向に対して直角方向)の断面を2つに分割して2本の流路を形成するように、捻り羽根エレメントを前記流路に配設したスタティックミキサーを有する。
前記捻り羽根エレメントは、形成した前記2本の流路のうちの一方の流路を流れる液状体の一部がもう一方の流路へ流入するように、孔及び切り欠きのうちの1以上を設けている。前記捻り羽根エレメントの形状は、厚さ方向に対して垂直方向の面の形状が長方形ないし正方形の加工前板状体に対して孔及び切り欠きのうちの1以上を形成した加工板状体を、前記加工前板状体において中心軸(好ましくは、前記加工前板状体の長手方向の中心軸)であった軸の軸回りに捻って得られる形状である。前記中心軸の軸回りに捻る方向としては、例えば、右方向のみに捻る場合、左方向のみに捻る場合、右方向と左方向に交互に捻る場合がある。
前記加工前板状体の厚さ方向に対して垂直方向の片面の総面積に対する、前記孔及び切り欠きのうちの1以上の形成により前記加工前板状体の片面に生じた空間領域の総面積の割合は、好ましくは5〜60%(より好ましくは10〜50%、さらに好ましくは15〜45%)である。このような条件下において、前記孔又は切り欠きは、前記捻り羽根エレメントの長さ方向における捻り角度180°ぶんのエレメント長さごとに1個以上(例えば、2〜6個)形成することができる。
本発明の第1及び第2の視点におけるそれぞれの流体攪拌装置は、円柱状の空間部を流路として具備する形状の流路部を有することができる。前記流路部の形状は、例えば、円柱状の空間部を内蔵し前記空間部の両端が開口する面を有する直方体ないし立方体等にすることができるが、好ましくは、円柱状の空間部を有する管状にする。
本発明の第1及び第2の視点におけるそれぞれの流体攪拌装置において、捻り羽根エレメントに設けた孔あるいは切り欠きに対して前記液状体を流入させやすくする突起ないしひれは、当該孔あるいは切り欠きの近傍に(好ましくは、液状体の流れの下流側の領域に)設けることができる。前記捻り羽根エレメントは、網状体を含んで成ることができる。本発明の第1及び第2の視点におけるそれぞれの流体攪拌装置は、液体のみを攪拌対象の液状体とするだけでなく、液体と気体の混合物、液体に溶解しない不溶物を前記液体に含有させた混合物(さらに気体を含有させた混合物)も攪拌対象の液状体とすることができる。以下、本発明の実施形態を図面に基づいてより詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る流体攪拌装置の概要構成を示す、前記流体攪拌装置の長手方向の概略断面図である。パイプ1は、径方向の断面が円形である円柱状の内部空間を流路として有する。パイプ1の前記内部空間の中には一方向のみに捻られた板である螺旋状の攪拌子2を設けている。捻り羽根エレメントである攪拌子2には、孔3が形成されている。図1における矢印Aの向く方向は、攪拌対象の液状体の流れる方向である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る流体攪拌装置の概要構成を示す、前記流体攪拌装置の長手方向の概略断面図である。パイプ1は、径方向の断面が円形である円柱状の内部空間を流路として有する。パイプ1の前記内部空間の中には一方向のみに捻られた板である螺旋状の攪拌子2を設けている。捻り羽根エレメントである攪拌子2には、孔3が形成されている。図1における矢印Aの向く方向は、攪拌対象の液状体の流れる方向である。
攪拌子2の形状は、厚さ方向に対して垂直方向の面の形状が長方形の板状体であって前記板状体の長手方向に複数の孔を形成したものを、前記複数の孔を形成する前の板状体において長手方向の中心軸であった軸の軸回りに捻って得られる形状である。攪拌子2は、厚さ方向に対して垂直方向の面の形状が長方形である金属の板状体であって前記板状体の長手方向に複数の孔を等間隔で形成したものを、前記複数の孔を形成する前の板状体において長手方向の中心軸であった軸の軸回りに捻って得られたものである。
図1では攪拌子2の1ピッチ(捻り角度180°ぶんのエレメント長さ)毎に2つの貫通孔が形成されているものを示している。この孔を攪拌子2の外周端部からはみ出して形成した場合は切欠きになる。
攪拌子2の径は、パイプ1の内径とほぼ同じ寸法である。パイプ1の円柱状の内部空間(攪拌対象の液状体の流路)の横断面を2つに分割し、さらに、パイプ1の管内の円柱状の内部空間を2本に分割して、パイプ1の長さ方向(前記流路の長さ方向、撹拌子2の捻り軸方向)に延在する2本の螺旋状の流路を形成するように、パイプ1の内部空間に攪拌子2を設けている。攪拌子2には、前記2本の流路のうちの一方の流路を流れる液状体の一部がもう一方の流路へ流れ込むことのできる孔3を設けている。
攪拌子2を配設したパイプ1の管内を通過する液状体は、螺旋形状の攪拌子2によってパイプ中で旋回力を受ける。また、2本の流路のうちの一方の流路を流れる液状体の一部は、流路の途中において撹拌子2に形成された孔3に流入する。これによって、前記2本の流路のうちの一方の流路を旋回して流れる液状体と、もう一方の流路から孔3を通過した液状体とが混合すると共に、前記2本の流路を流れる2つの液状体は攪拌される。このような作用により、本発明の流体攪拌装置は充分な性能を有する。
上記のような攪拌子の形成方法には各種の手法が適用できるが、簡単なものを例示する。まず、展性、延性に富むリボン状の板(例えば、金属板)を用意し、これに所定寸法の孔あるいは切り欠きを形成する。例えば、前記リボン状の板の長手方向に孔及び切り欠きのうちの1以上を形成する。そして、このリボン状の板の両端を挟み込んで所定の捻りが生じるまで捻れば、攪拌子の形成は完了する。この攪拌子の形成は、図6の従来のスタティックミキサーにおける攪拌子の形成工程と比べれば、非常に容易である。
孔や切り欠きの数や大きさは、適用する液状体の粘性や流速を考慮して設定するが、適宜、所望の攪拌が達成されるよう実験により定めることが可能である。図1では、螺旋1ピッチ(捻り角度180°ぶんのエレメント長さ)毎に開口の形状が円形の2個の孔を形成しているが、孔あるいは切り欠きの形状やその個数(分布密度)は、適用する液状体の種類等を考慮して、必要に応じて定めることができる。なお、孔あるいは切り欠きは、等ピッチで形成する必要はない。
しかし、液状体の分割数が余り少ないと攪拌効果も小さくなるため、好ましくは、螺旋1ピッチ当り1箇所以上の割合で孔あるいは切り欠きを形成する。孔又は切り欠きを形成する前の攪拌子の片面(螺旋面)の総面積に対する、前記孔及び切り欠きのうちの1以上の形成により前記片面に生じた空間領域の総面積の割合は、5〜60%とすることが好ましい。前記割合が5%よりも小さい場合は、分割される液状体の量が少なくて充分な攪拌効果が得られなくなる傾向がある。前記割合が60%を越える場合は、旋回力が小さくなり、攪拌効果が小さくなる傾向があると共に、攪拌子の強度が弱まる傾向があるので、高粘性液状体や流速の早い攪拌が困難になる傾向がある。これらの知見は、種々の液状体を各種の流速で攪拌実験した結果から得られたものである。
撹拌子の螺旋の捻りピッチも性能に影響する。本発明では1ピッチの長さ(捻り角度180°ぶんのエレメント長さ)は、好ましくは、攪拌子の径の長さの0.3〜2倍(より好ましくは0.5〜2倍、さらに好ましくは1〜2倍)にする。0.3倍よりも短いと圧力損失が過大になる傾向があり、2倍よりも長いと攪拌効果が小さくなる傾向がある。これらの知見も各種の実験から得られたものである。
<第2の実施の形態>
本発明の流体撹拌装置の第2の実施の形態として、孔数が多い攪拌子を形成する簡便な例を説明する。リボン状で金属製の網状のシート(例えば、網状の金属製のシート、好ましくは、網がばらばらにならないよう縁取りを施したもの)を用意し、これを長手方向の中心軸の軸回りに捻れば容易に本発明における攪拌子を形成することができる。なお、前記金属製の網状のシートの開口率(シートの片面における開口領域の総面積/前記網状のシートの片面の総面積(前記開口領域の総面積を含む)×100%)は、好ましくは5〜60%である。
本発明の流体撹拌装置の第2の実施の形態として、孔数が多い攪拌子を形成する簡便な例を説明する。リボン状で金属製の網状のシート(例えば、網状の金属製のシート、好ましくは、網がばらばらにならないよう縁取りを施したもの)を用意し、これを長手方向の中心軸の軸回りに捻れば容易に本発明における攪拌子を形成することができる。なお、前記金属製の網状のシートの開口率(シートの片面における開口領域の総面積/前記網状のシートの片面の総面積(前記開口領域の総面積を含む)×100%)は、好ましくは5〜60%である。
<第3の実施の形態>
図2は、本発明の第3の実施の形態に係る流体攪拌装置の概要構成を示す、前記流体攪拌装置の長さ方向の概略断面図(液状体の流れる方向の断面図)である。孔3の代わりに、開口の形状が半円形状の孔23と、この孔の下流側の近傍に突起24が形成されていること以外は図1の攪拌子2と同様の攪拌子22がパイプ21の中に設置されている。図2における矢印Aの向く方向は、攪拌対象の液状体の流れる方向である。
図2は、本発明の第3の実施の形態に係る流体攪拌装置の概要構成を示す、前記流体攪拌装置の長さ方向の概略断面図(液状体の流れる方向の断面図)である。孔3の代わりに、開口の形状が半円形状の孔23と、この孔の下流側の近傍に突起24が形成されていること以外は図1の攪拌子2と同様の攪拌子22がパイプ21の中に設置されている。図2における矢印Aの向く方向は、攪拌対象の液状体の流れる方向である。
突起24は、例えば、半円柱状の突起にすることができるが、図4に示すように中空球状体を4等分したうちの1つの形状である1/4欠球状シェルにすることができる。なお、図4は、図2のII−II線矢視方向の概略断面図(但し、捻る前の平面板状体の概略部分断面図)である。この突起24により、液状体の一部は孔の中へよりスムーズに、より速く多量に分割進入する。従って、攪拌効果がより一層促進される。また、液状体の粘性や流速によっては突起によって乱流を発生し、より攪拌効果を高めることもできる。
次に、ひれ状の突起の簡単な形成方法を例示する。図3(a)は、開口の形状が半円の円弧状である孔33を開けた板材32を、前記板材の厚さ方向に視た図である。また、図3(a)における板材32の開口の形状が半円の円弧状である孔33と破線Lで規定される半月部分34を板材32に対して垂直方向に折り曲げて起こした突起(ひれ)34’を有する前記板材32を、前記板材32の厚さ方向に視た図が図3(b)である。また、図3(b)におけるIII−III線矢視方向の概略断面図を図5に示す。なお、図4〜5における矢印の向く方向は、攪拌対象の液状体の流れる方向である。
図3(b)は、開口の形状が半円形である孔33’及び突起(ひれ)34’を前記板材32に形成したことを示している。このような板材を、孔33を形成する前の板材32において長手方向の中心軸であった軸の軸回りに捻れば、ひれ付き孔を有する攪拌子を容易に形成できる。なお、孔や突起の形状及び大きさ、さらには突起の角度(板材32と突起(ひれ)34’のなす角度)は、撹拌対象の液状体についての目的とする攪拌の程度、圧力損失、機械強度等を考慮して設計されるものである。また、板材の捻りは孔及び突起の形成前であってもかまわない。もちろん、突起は板と別に形成して任意の場所に取り付けることも可能である。なお、板材32は、例えば、金属製の板材にすることができる。
<第4の実施の形態>
なお、本発明は、図6に示された従来のタイプのスタティックミキサーに適用することも可能である。つまり、捻り方向が異なる攪拌子を交互に組み合わせた撹拌子の接合体に、孔及び切り欠きのうちの1以上と、必要であればさらに突起(好ましくは、ひれ状の突起)を形成したものにすることができる。形成の手間は煩雑になるが、攪拌力が増加するから、図6に示された従来のタイプのスタティックミキサーと同程度に撹拌する場合は撹拌子の数ないし長さを大幅に削減することができる。この場合、上述のように交互に組み合わせる攪拌子の長さは、図6に示すような螺旋1ピッチである必要がなく、様様な長さの撹拌子を組み合わせること(例えば、1ピッチよりも長い撹拌子を交互に組み合わせること)が可能である。
なお、本発明は、図6に示された従来のタイプのスタティックミキサーに適用することも可能である。つまり、捻り方向が異なる攪拌子を交互に組み合わせた撹拌子の接合体に、孔及び切り欠きのうちの1以上と、必要であればさらに突起(好ましくは、ひれ状の突起)を形成したものにすることができる。形成の手間は煩雑になるが、攪拌力が増加するから、図6に示された従来のタイプのスタティックミキサーと同程度に撹拌する場合は撹拌子の数ないし長さを大幅に削減することができる。この場合、上述のように交互に組み合わせる攪拌子の長さは、図6に示すような螺旋1ピッチである必要がなく、様様な長さの撹拌子を組み合わせること(例えば、1ピッチよりも長い撹拌子を交互に組み合わせること)が可能である。
攪拌子やパイプの材質は金属、セラミック、プラスチック等の広範囲な材料が適用でき、これらは撹拌対象の液状体の種類、攪拌される環境等で各種選択される。また、前記攪拌子の形成方法は好ましいものの数例であって、一般に知られる多くの加工方法が利用できることはもちろんである。
1、21 パイプ
2、22 攪拌子
3、23、33’ 孔
24、34’ 突起又はひれ
2、22 攪拌子
3、23、33’ 孔
24、34’ 突起又はひれ
Claims (6)
- 攪拌対象の液状体の流路の横断面を少なくとも2つに分割して少なくとも2本の流路を形成するように、捻り羽根エレメントを前記流路に配設したスタティックミキサーを有し、
前記捻り羽根エレメントには、形成した前記少なくとも2本の流路のうちの一の流路を流れる液状体の一部が他の流路へ流入するように、孔及び切り欠きのうちの1以上を設けていることを特徴とする流体攪拌装置。 - 攪拌対象の液状体の流路の横断面を2つに分割して2本の流路を形成するように、捻り羽根エレメントを前記流路に配設したスタティックミキサーを有し、
前記捻り羽根エレメントには、形成した前記2本の流路のうちの一方の流路を流れる液状体の一部がもう一方の流路へ流入するように、孔及び切り欠きのうちの1以上を設け、
前記捻り羽根エレメントの形状は、厚さ方向に対して垂直方向の面の形状が長方形ないし正方形の加工前板状体に対して孔及び切り欠きのうちの1以上を形成した加工板状体を、前記加工前板状体において中心軸であった軸の軸回りに捻って得られる形状であることを特徴とする流体攪拌装置。 - 前記孔又は前記切り欠きは、前記捻り羽根エレメントの長さ方向における捻り角度180°ぶんのエレメント長さごとに1個以上形成されていることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一に記載の流体攪拌装置。
- 前記加工前板状体の厚さ方向に対して垂直方向の片面の総面積に対する、前記孔及び切り欠きのうちの1以上の形成により前記加工前板状体の片面に生じた空間領域の総面積の割合は、5〜60%であることを特徴とする請求項2に記載の流体攪拌装置。
- 前記捻り羽根エレメントの長さ方向における捻り角度180°ぶんのエレメント長さは、前記捻り羽根エレメントの径の長さの0.3〜2倍であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の流体攪拌装置。
- 前記捻り羽根エレメントは、前記孔及び切り欠きのうちの1以上に対して前記液状体を流入させやすくする突起ないしひれを有することを特徴とする請求項1〜2のいずれか一に記載の流体攪拌装置。
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