JP2005034243A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の遊技機においてランプの点灯態様による予告報知を行なった場合、その予告報知として行なわれるランプの点灯態様のみでは単調であるため、遊技者は単調な点灯態様にすぐに飽きてしまうという課題があった。
【解決手段】複数の遊技機にて行なう大当り予告演出をランプによる光演出のみでなく、特別図柄表示部の画像による演出、音声による演出、役物による演出を行なうことにより、遊技者は飽きがこなく、特定遊技状態となる期待感を抱かせることができる。
【選択図】 図27
【解決手段】複数の遊技機にて行なう大当り予告演出をランプによる光演出のみでなく、特別図柄表示部の画像による演出、音声による演出、役物による演出を行なうことにより、遊技者は飽きがこなく、特定遊技状態となる期待感を抱かせることができる。
【選択図】 図27
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機、パチスロ機などで代表される遊技機に関する。詳しくは、複数種類の識別情報を変動表示可能な変動表示装置と、所定の始動条件の成立を条件として、前記変動表示装置の表示結果を決定する表示結果決定手段とを備え、該表示結果決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記変動表示装置に該特定表示結果を導出表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、表示結果決定手段により決定された表示結果が、遊技機を特定遊技状態に制御する特定表示結果と一致したときに、遊技者に特定表示結果が表示されることを事前に報知する事前報知手段を設け、1つの遊技機からの事前報知信号の出力に基づいて他の複数の遊技機の事前報知手段を作動させるように構成されているものがあった。このことにより、遊技者は、遊技者自身が遊技している遊技機で特定表示結果とならない場合でも、遊技者自身の遊技機に対応して設けられる事前報知手段が作動するので、遊技者自身の遊技機に特定表示結果が表示されるのではないかという期待感を抱くことができ、変動表示装置の変動表示動作に強く引き付けられるというものであった(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−305175号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の遊技機においては、特定遊技状態発生の予告報知として行なわれるランプの点灯態様が1種類しかなく単調なため、遊技者は単調な点灯態様にすぐに飽きてしまうという問題があった。また、複数回予告報知を経験した遊技者にとっては、予告報知のランプ点灯態様からどの遊技機で特定遊技状態が発生するかの見当がついてしまうため、予告報知があっても遊技者自身の遊技機に特定表示結果が表示されるという期待感を持つことなく、変動表示装置の変動表示動作に強く引き付けられる効果もなかった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技者自身の遊技機に特定表示結果が表示されるかもしれないという期待感を抱き続けることができる予告報知を行なう遊技機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 複数種類の識別情報(特別図柄)を変動表示可能な変動表示装置(変動表示装置8、特別図柄表示部9)と、所定の始動条件の成立(打玉が始動口14に入賞し、始動口スイッチ17で検出されたとき)を条件として、前記変動表示装置の表示結果を決定する表示結果決定手段(表示結果決定手段206、図12のS154等参照)とを備え、該表示結果決定手段が表示結果を特定表示結果(特定図柄の組合せが、たとえば、「777」等のゾロ目。大当り図柄ともいう。)とすることを決定したときに前記変動表示装置に該特定表示結果を導出表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)を発生させる遊技機であって、前記特定表示結果が導出表示される以前の段階において、該特定表示結果が導出表示される旨を示す予告報知(大当り予告演出)を複数種類の予告報知態様(図7、図37〜図42参照)のうちのいずれかの予告報知態様で遊技者に報知する予告報知手段(予告報知手段207、具体的には特別図柄表示部9、スピーカ27R,L、ランプ78R,L)と、前記表示結果決定手段により前記特定表示結果であると判定されたことに基づいて、前記複数種類の予告報知態様のうちのどの予告報知態様で前記予告報知をするかを決定する予告報知態様決定手段(予告報知態様決定手段209、S401等参照)と、前記予告報知手段に前記予告報知を実行させる制御を行なう予告報知制御手段(特定表示結果判定時予告報知制御手段210、予告制御情報入力時予告報知制御手段212、具体的には図26の大当り予告報知処理を実行する表示制御用CPU101)と、該予告報知態様決定手段により決定された予告報知態様を特定可能な予告報知態様情報を少なくとも含む予告報知制御情報(予告コマンドなど)を他の遊技機に出力する予告報知情報出力手段(予告報知情報出力手段208、S403等参照)と、他の遊技機から出力された前記予告報知制御情報を入力する予告報知情報入力手段(予告報知情報入力手段211、S450等参照)とを備え、
前記予告報知制御手段は、前記予告報知情報入力手段に入力された予告報知制御情報に含まれている前記予告報知態様情報から特定される予告報知態様に応じた前記予告報知を前記予告報知手段に実行させる(S508等参照)とともに、前記予告報知情報出力手段を介して、該入力された予告報知制御情報を出力させる制御を行なう(S452等参照)。
【0007】
このような構成によれば、遊技者自身の遊技機以外の他の遊技機において、予告報知が行なえるので、遊技者は他の遊技機の特定遊技状態に対する予告報知に対しても、遊技者自身の遊技機が特定遊技状態になるのではないかと期待感を抱き、予告報知に興味を示し、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、複数種類の予告報知により単調さの課題を解決して遊技者が予告報知に飽きてしまう不都合を極力防止できる。
【0008】
(2) 前記予告報知情報出力手段は、前記予告報知を終了させるための予告報知停止指令情報(予告終了コマンド、S520等参照)を他の遊技機に出力し(S531、S520、S533等参照)、前記予告報知情報入力手段は、他の遊技機から出力された前記予告報知停止指令情報を入力し(S509等参照)、前記予告報知制御手段は、前記表示結果決定手段により前記特定表示結果となることが決定されたときに(S111等参照)、前記変動表示装置の変動表示が開始された後当該特定表示結果が導出表示されるまでに(S530によりYESと判定され中図柄(最終停止図柄)が停止する直前の段階でS519によりYESと判定され)前記予告報知停止指令情報を前記予告報知情報出力手段を介して出力する(S520等参照)とともに、前記予告報知情報入力手段に入力された他の遊技機からの前記予告情報停止指令情報に基づき(S509等参照)、前記予告報知手段による予告報知を終了させ(S513等参照)、前記予告報知情報出力手段を介して、該予告情報停止指令情報を出力させる制御を行なう(S531、S533等参照)。
【0009】
このような構成によれば、変動表示装置の変動表示が開始された後特定表示結果が導出表示されるまでに予告報知停止指令情報が他の遊技機へ出力されて特定遊技状態に対する予告報知を終了させる制御が行なわれるので、確実にすべての遊技機の予告報知を終了させることができる。
【0010】
(3) 前記予告報知情報出力手段と前記予告報知情報入力手段とを含む情報通信装置が備えられ(情報通信装置200)、該情報通信装置は、情報通信ポート(情報通信ポート201)から入力された前記予告報知制御情報を前記予告報知情報入力手段に入力する一方、前記予告報知情報出力手段から出力された前記予告報知制御情報を前記情報通信ポートから出力する双方向通信機能を有する(図3、図9参照)。
【0011】
このような構成によれば、予告情報の通信が1方向でなく双方向となるので、予告の種類が一層増え、さらに予告報知に対して遊技者は飽きがこなく、遊技者に特定遊技状態となる期待感を抱かせることができる。
【0012】
(4) 前記予告報知情報入力手段により予告報知情報が入力された際に(S450等参照)前記予告報知を行なうことができる条件が成立しているか否かを判定する予告報知可能状態判定手段(予告報知可能状態判定手段215、S500、S504、S505、S506等参照)を備え、前記予告報知制御手段は、前記予告報知可能状態判定手段により予告報知を行なうことができる条件が成立していると判定されたことに基づき、前記予告報知を前記予告報知手段に実行させる制御を行なう(S508等参照)。
【0013】
このような構成によれば、変動表示が行なわれていない遊技機で、予告報知を行なうことがないため、予告報知の信頼度が増し、遊技者に予告報知に対する期待感を抱かせることができる。
【0014】
(5) 前記予告報知制御手段は、予告報知決定手段により決定された予告報知態様に応じた予告報知を前記変動表示装置に表示させることにより報知させる制御を行なう(図1・図37・図38参照)。
【0015】
このような構成によれば、複数の遊技機において、変動表示装置の表示部により複数種類の予告報知を行うので、予告報知に対して遊技者は飽きがこなく、遊技者に特定遊技状態となるのではないかとの期待感を抱かせることができる。
【0016】
(6) 遊技機における遊技者が視認可能な箇所に設けられ、発光することによって遊技機を装飾する発光装飾部材(ランプ78R,L)を備え、前記予告報知制御手段は、前記予告報知決定手段により決定された予告報知態様に応じた予告報知を前記発光装飾部材を発光させることにより報知させる制御を行なう(図38・図39参照)。
【0017】
このような構成によれば、複数の遊技機において、発光装飾部材を使用し複数種類の予告報知を行うので、光による演出により予告報知に対して遊技者は飽きがこなく、特定遊技状態となる期待感を抱かせることができる。
【0018】
(7) 音声を出力する音声出力手段(スピーカ27)を備え、前記予告報知制御手段は、前記予告報知態様決定手段により決定された予告報知態様に応じた予告報知を前記音声出力手段を用いて音声を出力させることにより報知させる制御を行なう(図40・図42参照)ことを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、複数の遊技機において、音声を使用し複数種類の予告報知が行なえるので、音声による演出により予告報知に対して遊技者は飽きがこなく、特定遊技状態となる期待感を抱かせることができる。
【0020】
(8) 前記予告報知制御手段は、前記予告報知を開始する時期を遅延させて該予告報知を前記予告報知手段により報知させる予告報知遅延手段を含む(タイミング設定手段(遅延手段)213、S401またはS451により決定された遅延時間により、S507で遅延させる)ことを特徴とする。
【0021】
このような構成によれば、予告報知遅延手段が予告報知を開始する時期を遅延させるので、特定遊技状態となる遊技機が遊技者に把握されなくなり、予告報知に対して遊技者に期待感を抱かせることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシンなどであってもよく、所定の始動条件の成立を条件として、複数種類の識別情報を変動表示可能な変動表示装置と、前記始動条件が成立したときに前記変動表示装置の表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段とを備え、該事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記変動表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機であればすべてに適用することが可能である。
【0023】
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1およびこれに対応して設置されたカードユニット50を複数台配置したときの正面図である。
【0024】
カードユニット50には、カード利用可表示ランプ151が設けられており、カードユニット50が使用可能な状態にある旨が、このカード利用可表示ランプ151の点灯または点滅により遊技者に知らされる。このカードユニット50は、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機の間に挿入された状態で設置されており、左右どちらの遊技機に接続されているかが連結台方向表示器153により表示される。なお、図1では、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1のうち、説明の関係上3台のパチンコ遊技機1を示し、説明する。
【0025】
遊技者がカード残高の記録されたプリペイドカードをカード挿入口155に挿入すると、そのプリペイドカードに記録されているカード残高が読取られる。次に、遊技者が所定の貸玉操作を行なうことにより、予め入力設定されている貸出単位額分の残高が減額されるとともに、その貸出単位額分の打玉がパチンコ遊技機1の打玉供給皿3に貸出される。
【0026】
カードユニット50には、端数表示スイッチ152が設けられている。この端数表示スイッチ152を押圧操作することにより、たとえばカード残高やエラーが発生したときのエラーコードなどの情報がパチンコ遊技機1に設けられた情報表示器(図示省略)に表示される。図中156はカードユニット錠であり、このカードユニット錠156に所定のキーを挿入して解錠操作することにより、カードユニット50の前面側を開成できるように構成されている。
【0027】
パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。このガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱自在に取付けられている。また、ガラス扉枠2の下部表面には打玉供給皿3がある。打玉供給皿3の下部には、打玉供給皿3から溢れた玉を貯留する余剰玉受皿4と、遊技者が打玉を操作するための操作ノブ5とが設けられている。
【0028】
操作ノブ5を遊技者が操作することにより、打玉供給皿3内に貯留されている打玉を1個ずつ発射することができる。発射された打玉は、誘導レール29によって遊技領域7内に導かれる。誘導レール29から遊技領域7への出口部分には、弁状の逆流防止部材30が設けられている。この逆流防止部材30によって一旦遊技領域7内に打込まれた打玉が誘導レール29に逆戻りすることが防止される。
【0029】
遊技領域7の中央には、各々が識別可能な複数種類の識別情報の一例となる特別図柄を変動表示させる変動表示装置8が設けられている。
【0030】
この変動表示装置8には、液晶表示器よりなる特別図柄表示部9、普通図柄表示器10、始動記憶表示器18および通過記憶表示器13が設けられている。さらに、変動表示装置8の下方には、始動口(始動入賞口)14が構成された始動用電動役物15と、開閉板20の傾動により打玉の入賞可能な開成状態となる可変入賞球装置19とが設けられている。始動用電動役物15には、可動片が左右に設けられている。また、一般入賞口として、変動表示装置8の上部や、変動表示装置8の左右下方、遊技領域7の下方左右に入賞口24がそれぞれ設けられている。また、打玉が進入可能な通過口11が変動表示装置8の下方左右に設けられている。また、26は、打込まれた打玉がいずれの入賞口24や可変入賞球装置19にも入賞しなかったときにアウト玉として回収するアウト口であり、25は、装飾ランプである。
【0031】
遊技領域7の外周には枠ランプ(遊技効果LED28a)と、賞球の払出し時に点灯する賞球ランプ51と、玉切れ中に点灯する玉切れランプ52とが設けられており、遊技領域7には遊技効果ランプ28b,28cが設けられており、遊技領域7の上部の左右にはステレオ音の音声などの効果音を発生するためのスピーカ27R,27Lが設けられている。
【0032】
なお、特別図柄表示部9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス等その他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。
【0033】
通過口11に進入した打玉は、ゲートスイッチ12で検出される。打玉がゲートスイッチ12で検出されると、通過記憶表示器13に表示されている記憶数が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10の変動表示を開始させることができる状態であれば、普通図柄表示器10の変動表示が開始される。なお、普通図柄表示器10が変動表示している最中にさらに打玉が通過口に進入し、ゲートスイッチ12で検出されたときには、普通図柄表示器10の変動表示を開始させることができない状態であるので、「4」を記憶数の上限として通過玉(乱数値等)が所定の記憶装置に記憶され、その記憶数が通過記憶表示器13においてLEDの点灯数により表示される。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯しているLEDの数を1つ減らす。
【0034】
普通図柄表示器10は、数字等の複数種類の識別情報(普通識別情報)としての普通図柄を変動表示する。そして、その変動表示の表示結果が予め定められた特定の識別情報(たとえば「7」)となった場合は「当り」となり、ソレノイド16が励磁されることによって始動口14を構成している始動用電動役物15に設けられた左右の1対の可動片が1回開成する。これにより始動用電動役物15が開成状態となって打玉がより始動入賞しやすくなる。始動用電動役物15が開成状態にある際に打玉が1つ始動入賞すれば、可動片が元の位置まで閉成して打玉が始動入賞しにくい状態に戻る。また、始動用電動役物15が開成状態となってから所定の開放期間が経過すれば、始動入賞が発生しなくとも可動片が元の位置まで閉成して開成状態は終了する。
【0035】
なお、特別図柄表示部9および普通図柄表示器10により変動表示される識別情報は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。
【0036】
始動口14に入賞(始動入賞という)した始動入賞玉は、遊技盤6に設けられた始動口スイッチ17(図2参照)により検出される。始動入賞玉が始動口スイッチ17で検出されると5個の賞球が払出されるとともに、始動記憶表示器に表示されている記憶数が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。
【0037】
特別図柄表示部9の変動表示を開始させることができる状態であれば、特別図柄表示部9において特別図柄が変動表示を開始させる。なお、特別図柄表示部9が変動表示している最中にさらに打玉が始動口14に入賞し、始動口スイッチ17で検出されたときは、特別図柄表示部9の変動表示を開始させることができない状態であるので、「4」を記憶数の上限として始動入賞玉(乱数値等)が所定の記憶装置に記憶されて、その記憶数が始動記憶表示器18においてLEDの点灯数により表示される。そして、変動表示装置が可変開始される毎に、点灯しているLEDの数を1つ減らす。
【0038】
変動表示装置8の特別図柄表示部9には、左変動表示部、中変動表示部および右変動表示部の3つの変動表示部が設けられている。
【0039】
打玉が始動口14に入賞(始動入賞)したことを条件として、3つの変動表示部において特別図柄の変動表示が一斉に開始される。変動表示(更新表示ともいう)は、各変動表示部において上から下へ特別図柄をスクロールさせることによって行なわれる。所定時間が経過すると、まず、左変動表示部の特別図柄が停止表示される。さらに所定時間が経過すると、次に、右変動表示部の特別図柄が停止表示される。さらに所定時間が経過すると、最後に中変動表示部の特別図柄が停止表示される。この実施の形態では、各変動表示部において表示される特別図柄は、0〜9の10種類の数字である。
【0040】
3つの変動表示部の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せ(たとえば、「333」等のゾロ目。以下大当り図柄ともいう。)となると、「大当り」となり、遊技状態が特定遊技状態(大当たり状態)に移行する。特定遊技状態では、可変入賞球装置19の開閉板20が開成して大入賞口が開口する。これにより、打玉を大入賞口に入賞させることが可能な遊技者にとって有利な第1の状態に制御される。開閉板20はソレノイド21によって駆動される。
【0041】
この実施の形態では、左変動表示部、中変動表示部および右変動表示部の特別図柄は、それぞれ、「0」〜「9」の10通りあって、特別図柄表示部9において「0」から順に特別図柄の表示が変化することによって特別図柄の変動が実現される。なお、特別図柄の変動中において、表示図柄の表示は非連続的に変化してもよい。また、特別図柄の最終停止図柄(確定図柄)が左変動表示部、中変動表示部および右変動表示部で揃った場合に大当りとなり、左変動表示部および右変動表示部が揃った場合にリーチ状態となる。そして、大当りとなる場合において、奇数図柄で揃ったときには、大当り状態終了後に確率変動状態に移行する。また、確率変動状態において、大当りが発生すると、または、特別図柄表示部9の表示結果の導出回数が所定回に達すると確率変動状態は終了し、低確率状態(通常遊技状態)に移行する。ただし、発生した大当りが奇数図柄が揃った大当りの場合には、当該大当り状態が終了した後再度確率変動状態となる。
【0042】
可変入賞球装置19の大入賞口内部には、可変入賞球装置19に入賞した打玉を検出するカウントスイッチ23が設けられている。また、大入賞口内は、特定入賞領域と通常入賞領域とに区分されており、特定入賞領域には、V入賞を検出するVカウントスイッチ22が設けられている。特定入賞領域に入賞した入賞玉はVカウントスイッチ22により検出された後、カウントスイッチ23により検出される。一方、通常入賞領域に入賞した通常入賞玉は大入賞口内においてはカウントスイッチ23のみにより検出される。可変入賞球装置19に入賞した入賞玉がカウントスイッチ23により検出される毎に15個の賞球が払出される。
【0043】
パチンコ遊技機1の背面側には、各入賞口および可変入賞球装置に入賞した入賞玉を所定の入賞経路に沿って導く入賞玉集合カバー(図示省略)が設けられており、この入賞玉集合カバーにより導かれた入賞玉は、入賞玉を1個宛処理する入賞玉処理装置(図示省略)に供給される。入賞玉処理装置には入賞球検出スイッチ(図示省略)が設けられており、これにより、入賞玉処理装置による景品玉の払出しの対象となる入賞玉が検出される。
【0044】
可変入賞球装置19の第1の状態は、大入賞口に進入した打玉の数が所定個数(たとえば10個)に達したとき、または所定期間(たとえば30秒間)経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときに一旦終了して開閉板20が閉成する。これにより、可変入賞球装置19は、打玉を入賞させることが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態に制御される。そして、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に特定入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、その回における可変入賞球装置19の第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度開閉板20が開成されて、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態はラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御の実行上限回数が16回のときには、第1ラウンドから第16ラウンドまでの16ラウンド分、可変入賞球装置19が第1の状態にされ得る。
【0045】
3つの変動表示部の表示結果が特別の識別情報の組合せ(たとえば、「777」の奇数のゾロ目。以下確変大当り図柄ともいう。)となると、「確変大当り」となり、該確変大当りの終了後次に大当りとなる確率が通常遊技状態より高くなる。すなわち、遊技者にとってさらに有利な確率変動状態(特別遊技状態)となる。なお、通常遊技状態とは、特定遊技状態および確率変動状態以外の遊技状態のことをいう。
【0046】
3つの変動表示部の表示結果が大当り図柄でも、確変大当り図柄でもない場合は、「はずれ」となり、遊技状態は変化せずに通常遊技状態のままとなる。
【0047】
また、各変動表示部の変動表示中においては、リーチ状態(リーチ態様、リーチ表示ともいう)が発生する場合がある。
【0048】
ここで、リーチ状態とは、各々が識別可能な複数種類の識別情報が変動表示される変動表示部を備えた変動表示装置を有し、表示画面において前記複数種類の識別情報を可変開始させた後、時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、予め定められた特定の識別情報の組合せとなったときに、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特定の組合せとなる条件を満たしている表示状態をいう。
【0049】
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示状態が変化可能な変動表示部を複数有する変動表示装置における識別情報の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記変動表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、前記特定の識別情報の組合せが表示されやすい変動表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。さらにリーチ状態の中には、そのリーチ状態が出現すると、通常のリーチ状態に比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチ状態をスーパーリーチという。
【0050】
また、リーチ状態とは、変動表示装置が可変開始された後表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、前記特定の識別情報の組合せとなる表示条件から外れていない表示態様をもいう。
【0051】
また、リーチ状態とは、変動表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示部の表示結果の少なくとも一部が前記特定の識別情報の組合せとなる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
【0052】
また、リーチ状態とは、複数の変動表示部における一部の変動表示部において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている変動表示部の表示結果が特定の識別情報の組合せとなる条件を満たしている表示状態をもいう。
【0053】
図2は、遊技制御基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。
図2には、制御基板として、遊技制御基板(主基板ともいう)31、賞球基板37、音声制御基板70、ランプ制御基板35、発射制御基板91および表示制御基板80が示されている。
【0054】
賞球基板37、音声制御基板70、ランプ制御基板35および発射制御基板91にはマイクロコンピュータ等が搭載されており、表示制御基板80には、表示制御用マイクロコンピュータ81等が搭載されている。各基板には、たとえば、CPUやI/Oポートが設けられている。
【0055】
賞球基板37には、球払出装置97およびカードユニット50が接続される。音声制御基板70には、スピーカ27が接続される。ランプ制御基板35には、遊技効果LED28a、賞球ランプ51、玉切れランプ52、遊技効果ランプ28b,28cおよび通過記憶表示器13が接続される。発射制御基板91には、操作ノブ(打球操作ハンドル)5と打球ハンマー(図示省略)を駆動する駆動モータ94とが接続される。駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。表示制御基板80には、普通図柄表示器10および特別図柄表示部9が接続される。
【0056】
遊技制御基板31には、遊技制御用のプログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53と、スイッチ回路58と、ソレノイド回路59と、ランプ・LED回路60と、情報出力回路64と、初期リセット回路65と、アドレスデコード回路67とが設けられている。
【0057】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、遊技制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、タイマ割込みにしたがって、ROM54に記憶されている遊技用制御プログラムを定期的(たとえば2msec毎)に先頭から繰返し実行する。
【0058】
スイッチ回路58は、各種スイッチからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える回路である。スイッチ回路58には、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、および入賞球検出スイッチ99等が接続される。
【0059】
ソレノイド回路59は、始動用電動役物15の左右に設けられた可動片を動作させるソレノイド16および可変入賞球装置19の開閉板20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する回路である。
【0060】
ランプ・LED回路60は、始動記憶表示器18、および装飾ランプ25の点灯および滅灯を制御する回路である。
【0061】
情報出力回路64は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、確変大当りが発生し確率変動状態となっていることを示す確変情報、大当りが発生し特定遊技状態となっていることを示す大当り情報、および始動入賞のうち特別図柄表示部9の変動表示に有効に使用される始動入賞の発生を示す始動入賞情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する回路である。
【0062】
初期リセット回路65は、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ53をリセットする回路である。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、初期リセット回路65から送られてきた初期リセットパルスに応答してパチンコ遊技機1を初期化する。
【0063】
アドレスデコード回路67は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート57のうちのいずれかのポートを選択するための信号を出力する回路である。
【0064】
遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータ、音声制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータ、ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータおよび表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81には、指令情報の一例となるコマンドが送信される。
【0065】
遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに伝送されるコマンドには、賞球の払出制御に関する指令情報としてのコマンドと、貸玉の払出制御に関する指令情報としてのコマンド(たとえば、玉貸し禁止コマンド、玉貸し禁止解除コマンド等)とが含まれる。
【0066】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、大当りあるいは入賞等の発生に基づき所定の音声制御コマンドを音声制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータへ出力する。音声制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータでは、音声制御コマンドに基づいて所定の効果音をスピーカ27から出力させる制御が行なわれる。
【0067】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、大当りあるいは入賞等の発生に基づき、所定のランプ制御コマンドをランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータへ出力する。ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータでは、ランプ制御コマンドに基づく上記電気的装飾部品の点灯制御が行なわれる。
【0068】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、入賞球検出スイッチ99の検出信号と始動口スイッチ17の検出信号、Vカウントスイッチ22の検出信号、カウントスイッチ23の検出信号に基づいて所定個数の景品玉を払出すための賞球信号を賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに出力する。賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータでは、その出力されてきた賞球信号に基づいて球払出装置を制御して所定個数の景品玉を払出すための制御を行なう。具体的には、可変入賞球装置19の大入賞口に入賞した入賞玉については1個の入賞玉につきたとえば15個の景品玉が払出され、始動入賞口14に入賞した入賞玉については1個の入賞玉につきたとえば5個の景品玉が払出され、その他の入賞口24に入賞した入賞玉については入賞玉1個につきたとえば10個の景品玉が払出されるように制御される。
【0069】
このような3種類の個数の景品玉を払出制御するべく、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、次のような制御動作を行なう。始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23からの検出信号が入力されると、その検出信号を賞球の払出個数決定の際に用いる払出個数決定用データとして、スイッチに応じた賞球の払出個数別に一時的に内部に記憶する。その後、入賞球検出スイッチ99からの検出信号が入力されれば、その入力以前に始動口スイッチ17からの検出信号があったかどうかを払出個数決定用データを参照することによって判断し、あったときには遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53は賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに対し「5」の賞球個数を払出指令するための賞球指令信号を出力する。一方、入賞球検出スイッチ99からの検出信号があったときに、それ以前にVカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23からの検出信号があったときには、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53は、「15」の賞球個数の賞球指令信号を賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに出力する。さらに、入賞球検出スイッチ99からの検出信号があったときにおいて、それ以前に始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23のいずれからも検出信号が入力されていなかったときには、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、「10」の賞球個数を払出し指令するための賞球指令信号を賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに出力する。
【0070】
遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに送られた賞球指令信号により賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータは、球払出装置97を駆動して賞球指令信号により特定される個数の賞球を払出す制御を行なう。
【0071】
図3は、表示制御基板80内の回路構成を、画像表示を実現するLCD9とともに示すブロック図である。
【0072】
RAM101aを内蔵する表示制御用CPU101は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、遊技制御基板31から入力バッファ回路105における入力バッファ105aを介してストローブ信号としての表示制御信号INT(割込信号ともいう)が入力されると表示制御用CPU101が割込動作状態となって表示制御用のコマンドデータを取込む。そして、取込んだ表示制御コマンドデータに従って、LCD9に表示される画像の表示制御を行なう。制御データROM102には、変動表示の表示パターンに関するデータ等の表示制御用のデータが各種記憶されている。
【0073】
具体的には、表示制御用CPU101は、表示コマンドデータと図柄変動データの初期画面の識別番号を制御データROM102から読出し、VDP103に送信する。VDP103は、表示画面の識別番号に応じて、表示画面における画像の配置関係を示すマップデータをVRAM87に記憶させる。VRAM87に記憶されたマップデータには、制御データROM102に格納された図柄制御用プログラムに従い、図柄の拡大、縮小、回転、反転、座標等の情報が付加される。VDP103は、所定のタイミングでVRAM87からマップデータを読み出し、マップデータに含まれる各画像の識別番号に基づいて、キャラクタROM86から各画像のドットデータを読み出す。次に、VDP103は、読み出したドットデータに着色処理を行ない画像表示信号を生成する。そして、VDP103は、生成した画像信号をD−A変換回路104で変換したアナログのRGB信号と、複合同期信号SYNCをLCD9に送信する。LCD9は、送信されてきたRGB信号と複合同期信号SYNCに基づいてLCD9に画像を表示する。
【0074】
なお、図3には、VDP103をリセットするためのリセット回路83、VDP103に動作クロックを与えるための発振回路85、使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM86、および表示制御コマンドデータを入力する入力バッファ回路105も示されている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の高い画像データとは、たとえば、LCD9に表示される人物、動物または文字、図形もしくは記号等からなる画像などである。
【0075】
表示制御用CPU101は、表示制御コマンドデータを記憶しておくためのRAM101aを内蔵しており、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御コマンドを受信すると、各変動パターンにおいて予め決められている背景やキャラクタを画面上で移動表示する制御を行なう。なお、予め決められているタイミングで背景やキャラクタの切換も行なわれるが、それらも表示制御用CPU101が独自に制御する。
【0076】
また、表示制御基板80側において表示制御コマンドが入力される入力バッファ回路105は、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81へ向かう方向にのみ信号の伝送を許容するが表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53へ向かう信号の伝送を行なわない不可逆性入力手段である。入力バッファ回路105を構成する入力バッファ105aとして、たとえば、汎用のCMOS−ICである74HC244が2チップ用いられる。この入力バッファ105aのイネーブル端子には常にローレベル(GNDレベル)が与えられている。このような構成によれば、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53に信号が与えられる可能性を確実になくすことができる。従って、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53に信号が伝わる余地はなく、表示制御コマンドの伝送経路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータに伝わることはない。このため、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53と表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81との間の信号の一方向通信が担保され、表示制御コマンドの伝送経路を介して遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53に不正な信号(データ)を入力させて不正な制御動作を行なわせる不正行為を確実に防ぐことができる。また、不可逆性入力手段は、バッファIC回路で構成されているために、比較的容易に遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53への不正情報の入力を阻止できる。なお、不可逆性入力手段として、個別のトランジスタ等の他の回路素子を設けてもよい。
【0077】
また、遊技制御基板31側において表示制御コマンドが出力される出力バッファ回路63も同様に、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81へ向かう方向にのみ信号の伝送を許容するが、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53へ向かう信号の伝送を行なわない不可逆性を有する出力インターフェースである。従って、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53に信号が伝わる余地はなく、表示制御コマンドの伝送経路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53に伝わることはない。
【0078】
表示制御基板80には、さらに、情報通信装置200が設けられている。この情報通信装置200は、隣接するパチンコ遊技機1に対して後述する予告コマンドや予告終了コマンドを送受信するための装置である。本実施の形態では、遊技機設置島に設置されているパチンコ遊技機1のいずれか1つにおいて大当りを発生させることが事前決定され、しかもその大当りが発生する予告報知を当該遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1において行なうことが決定されたときには、後述する図37〜図42等で説明するように、当該遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1において大当りの予告報知をするように構成されている。図3に示す制御回路のパチンコ遊技機1において、大当りを発生させることが事前決定されかつ複数台のパチンコ遊技機1において大当り予告を行なうことが決定されたときには、後述する複数台予告コマンドが遊技制御基板31から表示制御基板80へ送信され、その複数台予告コマンドにしたがって表示制御用CPU101は、予告コマンドを情報通信装置200内の出力回路202、情報通信ポート201を介して隣接するパチンコ遊技機1に送信される。
【0079】
一方、この図3に示すパチンコ遊技機1に隣接するパチンコ遊技機1から前述した予告コマンドが送信されてくれば、その予告コマンドが情報通信ポート201、入力回路203を介して表示制御用CPU101へ入力される。表示制御用CPU110は、その入力信号があったときには、予告コマンドを出力回路202、情報通信ポート201を介して、前記予告コマンドが送られてきたパチンコ遊技機1とは異なる側の隣接するパチンコ遊技機1へ送信する。その結果、この予告コマンドが、隣接するパチンコ遊技機同士順次送信されてゆき、当該遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1すべてに送信される状態となる。
【0080】
また、複数台のパチンコ遊技機での予告報知を終了させるための後述する予告終了コマンドも、前述した予告コマンドと同様に、隣接するパチンコ遊技機へ順次送信されるように構成されている。
【0081】
図4は、各ランダムカウンタの説明図である。この実施の形態では、複数種類の乱数の生成に複数種類のランダムカウンタが用いられている。図4のR1〜R8、R11の各ランダムカウンタは、遊技制御用マイクロコンピュータ53によって加算更新されるものであり、遊技制御用プログラムが定期的に実行される毎(具体的には2msec毎)、または遊技制御用プログラムが定期的に実行される毎および割込み処理余り時間にその値が「1」ずつ加算更新される。R9、R10は、表示制御用マイクロコンピュータ81によって表示制御用プログラムが定期的に実行される毎(具体的には2msec毎)にその値が「1」ずつ加算更新される。図10、図11に基づいて後述するように、2msec毎にタイマ割込みによりS21〜S36の処理がなされた後S15〜S18の処理が無限ループで実行される。この無限ループの実行は前記S21〜S36の処理がなされた後次の割込み処理がなされるまでの残り時間を利用してなされる。この後次の割込み処理がなされるまでの残り時間が「割込み処理余り時間」である。
【0082】
R1は、表示結果を大当りとするか否かをランダムに決定するために用いられるランダムカウンタであり、「0」〜「316」の範囲内で、2msec毎に「1」ずつ加算更新される。その上限である「316」まで達すると再度「0」から加算更新されるものである。
【0083】
R2−1、R2−2およびR2−3は、R1により、はずれが事前決定された場合に、変動表示部において行なわれる変動表示の表示結果としてのはずれ図柄を事前決定するために用いられるランダムカウンタである。R2−1は、「0」〜「9」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「9」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。
【0084】
R2−2は、R2−1の桁上げ毎に「1」加算更新して、その上限である「9」に達すると再度「0」から加算更新されるものである。
【0085】
R2−3は、R2−2の桁上げ毎に「1」加算更新して、その上限である「9」に達すると再度「0」から加算更新されるものである。
【0086】
決定されたはずれ図柄が偶然ゾロ目となってしまった場合は、R2−2の抽出値(カウント値)に「1」が加算され、強制的にはずれ図柄とされる。本実施の形態では、ランダムカウンタのカウント値を乱数または乱数値とも表現する。
【0087】
R3は、R1により、大当りが事前決定された場合に、変動表示部において行なわれる変動表示の表示結果としての大当り図柄を決定するために用いられるランダムカウンタである。「0」〜「9」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「9」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。R3より抽出されたカウント値が偶数である場合は、前述した大当り図柄となり、奇数である場合は、確変大当り図柄となる。
【0088】
R4は、変動表示の際の変動種類(変動パターン)を決定するために用いられるランダムカウンタであり、「0」〜「149」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「149」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。なお、変動パターンについては、R1(大当り決定用)、R2(はずれ図柄決定用)、R3(大当り図柄決定用)より抽出されたカウント値によって利用するテーブルの種類が決まり、R4(変動パターン決定用)より抽出された値により対応する変動パターンが決定される。
【0089】
R5は、R1により、はずれが事前決定された場合に、リーチ状態を発生させるか否かを決定するために用いられるランダムカウンタであり、「0」〜「13」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「13」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。
【0090】
R6は、普通図柄表示器10を特定の識別情報(たとえば「7」)にするか否か、すなわち普通図柄の当りはずれを決定するために用いられるランダムカウンタであり、「3」〜「13」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「13」まで加算更新された後再度「3」から加算更新されるものである。
【0091】
R7は、R1の初期値を決定するために用いられるランダムカウンタであり、「0」〜「316」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「316」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。
【0092】
R8は、R6の初期値を決定するために用いられるランダムカウンタであり、「3」〜「13」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「13」まで加算更新された後再度「3」から加算更新されるものである。
【0093】
R9は、大当りが発生する旨の予告演出を行なう場合に予め定められた複数種類の予告演出パターン(図7に示す10種類の予告演出パターン)のなかからどの予告演出パターンを選択して実行するかを決定するために用いられるランダムカウンタであり、「0」〜「11」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「11」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。「予告演出パターン」とは、後に詳しく説明するが、或るパチンコ遊技機1において大当り状態の発生が事前決定された場合に、当該パチンコ遊技機1が属する遊技機設置島に設置された複数台のパチンコ遊技機1…により行なわれる大当りが発生する旨の予告演出の演出態様のことであり、たとえば、図37に示す亀や小魚やイルカ等の予告キャラクタが隣接する複数台(たとえば3台)のパチンコ遊技機1、1、1間で移動表示する演出パターン、図39に示すランプが隣接する複数台(たとえば3台)のパチンコ遊技機1、1、1間であたかも波が移動するように順次点灯移動する演出パターン等がある。
【0094】
R10は、大当りが発生する旨の予告演出を行なう場合にその予告演出の開始時期を遅延させる遅延時間を決定するために用いられるランダムカウンタであり、「0」〜「4」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「4」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。この遅延時間については後に詳しく説明する。
【0095】
R11は、大当りが発生する旨の予告演出を複数台のパチンコ遊技機で行なうか否かをランダムに決定するための複数台予告決定用ランダムカウンタであり、「0」〜「4」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「4」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。
【0096】
以上に示したランダムカウンタは、ランダムカウンタ毎に定められた抽出条件の成立に応じてランダムなタイミング(たとえば始動入賞発生時等)でカウント値が抽出される。これにより、各ランダムカウンタから抽出されたカウント値は、ランダムな値になる。
【0097】
図5は、大当り判定処理で用いられる大当り決定用テーブルの一例およびリーチ判定処理で用いられるリーチ状態決定用テーブルの一例を示す説明図である。
【0098】
図5(A)に示すように、この実施の形態では、低確率時(非確変時)では大当り決定値は「3」であり、高確率時(確変時)では大当り決定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」である。また、図5(B)に示すように、低確率時(非確変時)ではリーチ状態決定値は「0」、「1」、「11」であり、高確率時ではリーチ状態決定値は「0」、「1」、「7」、「9」、「11」、「12」である。従って、高確率時には、低確率時に比べて大当り状態およびリーチ状態が生じやすくなっている。
【0099】
図6は、この実施の形態で用いられる変動パターンを示す説明図である。
図6において、「EXT」とは、2バイト構成の表示制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。つまり、特別図柄の各変動パターンと表示制御コマンドとは1対1に対応付けられている。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の変動表示期間)を示す。
【0100】
図6の「大当り用テーブル」は、大当りを発生させることが事前決定されているときに参照されるテーブルである。「リーチはずれ用テーブル」は、はずれが事前決定されかつリーチにすることが事前決定されているときに参照されるテーブルである。「はずれ用テーブル」は、はずれが事前決定されかつリーチを発生させないことが事前決定されているときに参照されるテーブルである。
【0101】
「大当り用テーブル」、「リーチはずれ用テーブル」、「はずれ用テーブル」の各列に示された数字は、図4に示された変動パターン決定用ランダムカウンタR4のカウント値を抽出しその抽出値がどの数値範囲に属するかを判別するための判別範囲を示したものである。たとえば、はずれが事前決定されておりかつリーチにしないことが事前決定されているときには、「はずれ用テーブル」が参照され、「0〜149」の範囲内でカウントする変動パターン決定用のランダムカウンタR4の抽出値がこの「0〜149」の範囲内に属すれば(必ず属することになる)、変動パターンとして「通常変動」が選択決定され、その通常変動が特別図柄表示部9により表示されることとなる。この「通常変動」は、リーチ状態を伴わない変動パターンである。
【0102】
図6には、8種類のリーチの変動パターンが示されている。この8種類のリーチ変動パターンは、ノーマルリーチとスーパーリーチとに大きく分類することができる。ノーマルリーチとスーパーリーチとの相違点は、前者が大当り発生に対する信頼度が低くそれほど複雑な演出表示を行なうことなく比較的短時間に表示結果が導出表示されるものであるのに対し、後者は、大当りに対する信頼度が高くキャラクタ等が出現されて遊技者の大当りに対する期待感を盛り上げるための凝った演出制御がなされるリーチ変動パターンである。
【0103】
また、図6に示すリーチ変動パターンは、はずれが事前決定されているときに表示されるリーチ変動パターンと大当りを発生させることが事前決定されているときに表示されるリーチ変動パターンとにも分類することができる。図6に括弧書きではずれと記載されているリーチ変動パターンが前者に属し、括弧書きで大当りと記載されているリーチ変動パターンが後者に属する。
【0104】
さらに、ノーマルリーチおよびスーパーリーチともに、AとBとの2種類存在し、それぞれ演出動作のパターンが異なるように構成されている。
【0105】
この図6のテーブルを参照して、変動パターン決定用ランダムカウンタR4の抽出値(カウント値)がどの数値範囲に属するかに応じてリーチ変動パターンの種類が選択決定される。たとえば、大当りを発生させることが事前決定されかつ変動パターン決定用ランダムカウンタR4の抽出値(カウント値)がたとえば「25」の場合には、「大当り用テーブル」の「15〜29」の数値範囲が参照されて、変動パターン番号「7」のノーマルリーチB(大当り)が選択決定されることとなる。また、はずれが事前決定されているときでかつ変動パターン決定用ランダムR4の抽出値(カウント値)がたとえば「10」であったときには、「リーチはずれ用テーブル」の「0〜19」の数値範囲が参照されて、変動パターン番号「2」のノーマルリーチA(はずれ)が選択決定されることとなる。
【0106】
なお、この実施の形態では、高確率時(確変中)でも低確率時(非確変中)でも変動パターン1〜9の変動パターンが用いられるが、高確率時には変動パターン1〜9のそれぞれの変動時間を短くするようにしてもよい。また、高確率時に用いられる変動パターン群(使用されうる複数の変動パターン)と低確率時に用いられる変動パターン群とを別にしてもよい。
【0107】
図7は、予告演出パターンの決定に用いられる予告演出パターン決定用テーブルの一例を示す説明図である。
【0108】
図7に示すように、予告演出パターンは、R9から抽出されたカウント値により決定され、R9から抽出されたカウント値である抽出値が「0」〜「2」のときは、画像による予告演出パターンが決定され、抽出値が「3」のときは、画像とランプによる予告演出パターンが決定され、抽出値が「4」または「5」のときは、ランプによる予告演出パターンが決定され、抽出値が「6」または「7」のときは、音による予告演出パターンが決定され、抽出値が「8」のときは、役物による予告演出パターンが決定され、そして抽出値が「9」のときは、役物と音による予告演出パターンがそれぞれ決定される。
【0109】
図8は、遅延時間の決定に用いられる遅延時間決定用テーブルの一例を示す説明図である。
【0110】
図8に示すように、遅延時間は、R10から抽出された抽出値が、「0」の時は0秒、「1」の時は2秒、「2」の時は4秒、「3」の時は6秒、「4」の時は8秒とそれぞれ決定される。
【0111】
図9は、複数台のパチンコ遊技機で大当りが発生する旨の予告演出を行なうための機能を説明する機能ブロック図である。パチンコ遊技機1には、遊技制御基板31で構成された遊技制御手段と、表示制御基板80で構成された表示制御手段と、予告報知手段207とが備えられている。
【0112】
遊技制御手段(遊技制御基板)31には、変動表示装置8を変動表示させるための変動表示条件が成立したか否かを判定する変動表示条件成立判定手段204が備えられている。これは、前述した始動口スイッチ17からの始動入賞玉検出信号に基づいて、変動表示装置8を変動表示させる条件が成立したか否かを判定するものである。変動条件成立判定手段204が変動条件の成立を判定したときには、大当り事前決定手段205が大当りにするか否かを事前決定する。これは、前述したランダムカウンタR1の抽出値(カウント値)が大当り判定値と一致するか否かに基づいて行なわれる。この決定結果に従って、表示結果決定手段206が変動表示装置8の特別図柄表示部9の表示結果である予定停止図柄をランダムカウンタR2−1〜R2−3の抽出値(カウント値)に基づいて決定する。
【0113】
上述した大当り事前決定手段205の事前決定結果および表示結果決定手段206の予定停止図柄の決定結果は、遊技制御基板31から表示制御基板80へ、表示制御用の各種コマンドが送信される。大当り事前決定手段205が大当りにする旨の決定を行なった場合には、その旨のコマンドが表示制御基板80の予告報知態様決定手段209へ与えられる。また、遊技制御手段は、前述したランダムカウンタR11の抽出値(カウント値)に基づいて複数台で予告報知(大当りが発生する旨の予告演出)をするか否かを決定するとともに、複数台で予告報知(大当りが発生する旨の予告演出)をすることを決定した場合には、後述するように複数台予告コマンドを表示制御手段80へ送信する。その複数台予告コマンドにしたがって予告報知態様決定手段209は、予告報知(大当りが発生する旨の予告演出)の態様を予告演出パターン決定用のランダムカウンタR9の抽出値(カウント値)に基づいてランダムに決定する。その決定された予告演出パターン(予告報知態様)が特定表示結果判定時予告報知制御手段210に与えられる。すると、特定表示結果判定時予告報知制御手段210は予告報知制御のための指令をタイミング設定手段(遅延手段)213に与える。タイミング設定手段(遅延手段)213は、大当りの予告報知(大当りが発生する旨の予告演出)をランダムな時間遅延させる制御を行なうものである。これは、遅延時間決定用のランダムカウンタR10の抽出値(カウント値)に基づいて図8に示す遅延時間のテーブルを参照し、抽出値(カウント値)に相当する遅延時間を検索してその遅延時間だけ予告報知の開始を遅延させる。その遅延時間が経過したか否かがタイミング判定手段214により判定され、遅延時間が経過して予告報知タイミングが到来したことが判定されたときに、予告報知可能状態判定手段215が現在予告報知できる状態か否かを判定し、予告報知できる状態と判定されたときに、予告報知態様決定手段209で決定された予告演出パターンで予告報知手段207による予告報知を行なわせる。前述した複数台による予告報知(大当りが発生する旨の予告演出)を行なう旨の決定が遊技制御手段31により行なわれたときには、前記決定された予告演出パターン(予告報知態様)が予告報知情報出力手段208へ与えられ、その決定された予告演出パターンを特定可能な予告報知制御情報とともに予告コマンドが前述したように隣接するパチンコ遊技機1へ送信される。その予告コマンドは、前述したように、情報通信装置200に備えられている情報通信ポート201を介して送信される。
【0114】
一方、隣接する他のパチンコ遊技機1から予告コマンドが情報通信ポート201を介して予告報知情報入力手段211に入力されれば、その入力コマンドに従って予告制御情報入力時予告報知制御手段212が予告報知制御のための指令をタイミング設定手段(遅延手段)213へ与える。タイミング設定手段(遅延手段)213は、前述と同様に、遅延時間決定用のランダムカウンタR10の抽出値(カウント値)に基づいて図8に示す遅延時間のテーブルを参照し、抽出値(カウント値)に相当する遅延時間を検索してその遅延時間だけ予告報知の開始を遅延させる。その遅延時間が経過したか否かがタイミング判定手段214により判定され、遅延時間が経過して予告報知タイミングが到来したことが判定されたときに、予告報知可能状態判定手段215が現在予告報知できる状態か否かを判定し、予告報知できる状態と判定されたときに、予告報知手段207による予告報知を行なわせる。
【0115】
タイミング設置手段213およびタイミング判定手段214は、前述した大当り予告演出の開始タイミングをランダムに遅延させる機能を有するばかりでなく、予告報知態様決定手段209により決定された予告報知態様が、たとえば、図7に示した予告キャラクタ同時出現演出や予告キャラクタ台間移動演出等であった場合には、遅延時間を一律に「0」に設定する一律ゼロ設定機能をも有している。また、情報通信装置200は、予告報知態様決定手段209により決定された予告報知態様が、たとえば、図7に示す予告キャラクタ台間移動演出の予告報知態様であった場合には、後に詳細するが、予告キャラクタが隣接するパチンコ遊技機1の変動表示装置9に移動表示されるタイミングがくるまで予告コマンドの送信を遅延させ、タイミングがきた段階で予告コマンドの送信を行なうという送信遅延機能を有している。
【0116】
この予告報知可能状態判定手段215は、後に詳しく説明するが、始動口14へのパチンコ玉の始動入賞に伴う保留記憶が存在しないときでかつ特別図柄表示部9が変動表示していないときには、予告報知できる状態ではないと判断して、予告報知制御を行なわない。これは、保留記憶が存在せずかつ現在特別図柄表示部9が変動表示していないときには、当該パチンコ遊技機において大当りが発生する筈がないのであり、そのような大当りの可能性が全くないときに大当り予告をする矛盾を防止するためである。
【0117】
また、タイミング設定手段(遅延手段)213による遅延制御を行なうことにより、遊技機設置島に設置された複数台のパチンコ遊技機1での大当り予告が開始される時期がランダムとなり、大当り予告の開始時期を手がかりに大当りが発生するパチンコ遊技機1が遊技者に見破られてしまうことによる興ざめを防止することができる。
【0118】
予告報知手段207は、変動表示装置8の特別図柄変動表示部9により、後述するようなキャラクタを出現させたり背景表示を変化させたりあるいは表示図柄の変化等により、予告報知(大当りが発生する旨の予告演出)を行なう。またそれに加えて、ランプやLED等の装飾部材の点灯さらにはスピーカ等の音声出力手段により、予告報知(大当りが発生する旨の予告演出)を行なうようにしてもよい。
【0119】
なお、この図9では、予告報知制御手段として、特別表示結果判定時予告報知制御手段210と予告制御情報入力時予告報知制御手段212とを別々に示したが、特定表示結果判定時の場合と予告制御情報入力時の場合とで本実施の形態においては予告報知態様が同じであるために、実際の制御プログラム(図28(b)参照)においては、両者を区別することなく共通のプログラムステップにより予告報知制御を行なっている。また、情報通信装置200は、隣接する左側のパチンコ遊技機1から予告コマンドまたは予告終了コマンドが送信されてきたときには隣接する右側のパチンコ遊技機1へ予告コマンドまたは予告終了コマンドを送信し、隣接する右側のパチンコ遊技機1から予告コマンドまたは予告終了コマンドが送信されてきたときには隣接する左側のパチンコ遊技機1へ予告コマンドまたは予告終了コマンドを送信するように、双方向通信機能を備えている。また、遊技機設置島の端部に設置されたパチンコ遊技機1の場合には、片方にしか隣接するパチンコ遊技機1が存在しない。その場合には、情報通信装置200が、片方のパチンコ遊技機1にしか配線接続されていないことを感知し、片方のパチンコ遊技機1から予告コマンドまたは予告終了コマンドが送信されてきたときにはその同じ片方のパチンコ遊技機1へ折返し予告コマンドまたは予告終了コマンドを送信する折返し送信機能を有している。なお、遊技機設置島は一方面と他方面との両面にパチンコ遊技機1…が設置されており、遊技機設置島の端部に設置された前記一方面と他方面との2台のパチンコ遊技機1、1同士を配線接続して、遊技機設置島のパチンコ遊技機1…全体をループ状に接続してもよい。その場合には、前述の折返し送信は行なわれないこととなる。
【0120】
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【0121】
まず、ステップS(以下単に「S」という)1において、制御処理の実行のための初期設定を行なう処理が行なわれる。
【0122】
次に、S7において、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチの出力信号の状態を1回だけ確認する。その確認においてオンを検出した場合には、S11〜S14において、CPU56は、通常の初期化処理を実行する。
【0123】
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、S8において、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この実施の形態では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0124】
バックアップありを確認したら、S9において、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう。S9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0125】
チェック結果が正常であれば、S10において、CPU56は、遊技制御基板31の内部状態と表示制御基板80等の電気部品制御基板の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0126】
初期化処理では、まず、S11において、CPU56は、RAMクリア処理を行なう。また、S12において、所定の作業領域(たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄判定用バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行なう。さらに、S13において、サブ基板(この実施の形態では賞球基板37、音声制御基板70、ランプ制御基板35、発射制御基板80および表示制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に搭載されたマイクロコンピュータに送信する処理を実行する。初期化コマンドとして、特別図柄表示部9に表示される初期図柄を示すコマンドや賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
【0127】
そして、S14において、2msec毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行なわれる。すなわち、初期値として2msecに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0128】
S11〜S14の初期化処理の実行が完了すると、S16において表示用乱数更新処理およびS17において初期値用乱数更新処理が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには、S15において、割込禁止状態とされ、前述した表示用のランダムカウンタR2−1、R4、R5のカウント値を更新させる処理および初期値決定用のランダムカウンタR7、R8のカウント値を更新させる処理の実行が終了すると、S18において、割込許可状態とされる。表示用のランダムカウンタとは、特別図柄表示部9に表示される特別図柄を決定するために用いられるランダムカウンタである。また、初期値決定用のランダムカウンタとは、大当りとするか否かを決定するために用いられるランダムカウンタR1と前述した普通図柄の当りはずれを決定するために用いられるランダムカウンタR6とのカウント値の初期値を決定するために用いられるランダムカウンタである。後述する遊技制御メイン処理(図10参照)において、大当り決定用ランダムカウンタR1や普通図柄の当りはずれ決定用ランダムカウンタR6のカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0129】
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S16の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S16の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0130】
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される2msecタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【0131】
タイマ割込が発生すると、S21において、CPU56は、レジスタの退避処理を行った後、S22〜S36の各ステップの処理(以下、これを「遊技制御処理」という)を実行する。まず、S22において、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22および入賞球検出スイッチ99等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう。
【0132】
次に、S23において、遊技制御に用いられる大当り決定用の乱数等の各判定用乱数を発生するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう。S24において、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行ない、S25において、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう。
【0133】
S26において、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。S27において、普通図柄プロセス処理を行なう。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0134】
S28において、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを表示制御基板80へ送信する処理(特別図柄コマンド制御処理)を行なう。特別図柄に関する表示制御コマンドとは、具体的には、後述する複数台予告コマンドと入賞コマンドである。入賞コマンドには、確変を伴わない通常の大当りになることを指定する大当り入賞指定コマンド、確変大当りになることを指定する確変大当り入賞指定コマンド、リーチ状態になることを指定するリーチ入賞指定コマンドがある。次に、S29において、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送信する処理(普通図柄コマンド制御処理)を行なう。
【0135】
S30において、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される前述した大当り情報、始動入賞情報、確率変動情報等を出力する情報出力処理を行なう。
【0136】
S31において、CPU56は、入賞球検出スイッチ99の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する。具体的には、入賞球検出スイッチ99がオンしたことに基づく入賞検出に応じて、賞球基板37に搭載されている賞球基板37に、賞球個数を払出指令するための賞球指令信号を出力する。賞球基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0137】
そして、S32において、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。具体的には、始動入賞があったことを示す入賞ありフラグが後述するS51でセットされているか否かが参照され、また、後述する入賞コマンドとしてS63によりセットされてRAM55の入賞時演出用バッファとして定められている領域に格納されているデータが参照される。また、S33において、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。さらに、S34において、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行なう。始動用電動役物15または開閉板20を開成状態または閉成状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切替たりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動する。その後、S35において、レジスタの内容を復帰させ、S36において、割込許可状態に設定する。
【0138】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msec毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では、たとえば、割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理は図10の遊技制御メイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0139】
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【0140】
図12に示す特別図柄プロセス処理は、図11のフローチャートにおけるステップS26の具体的な処理である。S150において、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう際に、変動短縮タイマ減算処理を行なう。本実施の形態においては、特別図柄表示部9の保留記憶数がその上限(たとえば「4」)に近かづいたとき等に特別図柄表示部9の変動時間を短縮させる特図時短制御を行ない保留記憶数を早期に消化(減少)させて、保留記憶数の上限を越えた始動入賞が無視されてしまうことを減少できるように構成されている。変動短縮タイマは、この特図時短制御時に特別図柄表示部9の変動時間を短縮させるために用いられるタイマである。次に、S151において、遊技盤6に設けられている始動口14に打玉が入賞したことを検出するための始動口スイッチ17がオンしているか否かの判断を行なう。始動口スイッチ17がオンしていたら、すなわち打玉が始動口14に入賞する始動入賞が発生していたら、S152において、始動口スイッチ通過処理を行った後に、内部状態に応じて、S153〜S161のうちのいずれかの処理を行なう。始動口スイッチ17がオンしていない場合にはS152の処理を行なうことなく内部状態に応じて、S153〜S161のうちのいずれかの処理を行なう。
【0141】
S153において、特別図柄通常処理が行なわれる。特別図柄通常処理では、特別図柄の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、変動表示の結果を大当りとするか否かを決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS154(特別図柄停止図柄設定処理)に移行するように更新する。
【0142】
S154において、特別図柄停止図柄設定処理が行なわれる。特別図柄停止図柄設定処理では、特別図柄の変動表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS155(変動パターン設定処理)に移行するように更新する。
【0143】
S155において、変動パターン設定処理が行なわれる。変動パターン設定処理では、特別図柄の変動表示の変動パターン(変動表示態様)を、R4の値に応じて決定する。表示制御基板80に搭載している表示制御用マイクロコンピュータ81に対して、最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS156(特別図柄変動処理)に移行するように更新する。
【0144】
S156において、特別図柄変動処理が行なわれる。特別図柄変動処理では、所定時間が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS157(特別図柄停止処理)に移行するように更新する。
【0145】
S157において、特別図柄停止処理が行なわれる。特別図柄停止処理では、特別図柄表示部9において表示される全図柄が停止表示されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す表示制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS158(大入賞口開放前処理)に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS153に移行するように更新する。
【0146】
S158において、大入賞口開放開始処理が行なわれる。大入賞口開放開始処理では、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS159(大入賞口開放中処理)に移行するように更新する。
【0147】
S159において、大入賞口開放中処理が行なわれる。大入賞口開放中処理では、大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドを表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS160(特定領域有効時間処理)に移行するように更新する。
【0148】
S160において、特定入賞領域有効時間処理が行なわれる。特定入賞領域有効時間処理では、Vカウントスイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS158(大入賞口開放前処理)に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS161(大当り終了処理)に移行するように更新する。
【0149】
S161において、大当り終了処理が行なわれる。大当り終了処理では、後述のS98によりONされた大当りフラグをOFFにするとともに、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS153(特別図柄通常処理)に移行するように更新する。
【0150】
図13は、始動入賞が生じたときに実行される前述した始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【0151】
始動口スイッチ通過処理では、まず、S41において、CPU56は、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する。4に達している場合にはそれ以上記憶できないために始動口スイッチ通過処理を終了する。始動入賞記憶数が4に達していなければ、S42において、始動入賞記憶数を1増やし、S43において、ランダムカウンタR1〜R5の各カウント値が抽出され、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する。S44において、変動時間を短縮させるか否かの判定を行なうタイマをセットする。そして、S45において、入賞時演出設定処理を実行する。
【0152】
図14は、入賞時演出設定処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、まず、S51において、CPU56は、始動入賞があったことを示す入賞ありフラグをセットする。入賞ありフラグは、特別図柄プロセス処理の終了後に実行される記憶処理で参照される。次に、S52において、CPU56は、S43において抽出し、保存領域に格納された各乱数値のうちR1(大当り決定用)より抽出したカウント値を読出し、S53において、大当り判定処理を実行する。S54では、S53の大当り判定処理においてR1のカウント値に基づいて大当りとなると判断された場合には、S54aに進み、複数台予告決定用のカウンタR11のカウント値を抽出する処理がなされる。次にS55に進み、R3(大当り図柄決定用)のカウント値に基づいて確変大当りとなるか否か判断する。すなわち、特別図柄表示部9に表示される予定の大当り図柄が奇数のゾロ目からなる確変大当たり図柄か否か判断する。
【0153】
S55において、確変大当りとならないと判断した場合には、S55aへ進み、S54aによる抽出値(カウント値)が0、1、2のいずれかか否か判定される。S54aによりNOと判定された場合にはS56へ進むが、YESと判定された場合にはS55bにより、複数台予告コマンドがセットされた後S56へ進む。複数台予告コマンドとは、遊技機設置島に設置された複数台のパチンコ遊技機により大当り予告演出を行なうためのフラグである。次に、S56において、大当り入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする。確変大当りとなると判断した場合には、S55cへ進み、S54aによる抽出値(カウント値)が0、1、2、3のいずれかか否かの判定がなされる。S55cによりNOと判定された場合にはS57へ進むが、YESと判定された場合にはS55dにより、複数台予告コマンドがセットされた後S57へ進む。このように、S55aとS55cとにより抽出値(カウント値)の判定値の数を変えることにより、確変を伴わない大当りに対する予告は3/5の確率で複数台による予告演出がなされ、確変を伴う大当りに対する予告は4/5の確率で複数台による予告演出がなされることとなり、複数台による予告演出がなされることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を盛り上げることができる。次に、S57において、確変大当り入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする。
【0154】
S54において大当りとしないと判断された場合には、S58において、S43において抽出し、保存領域に格納された各乱数値のうちR5(リーチ決定用)より抽出したカウント値を読出し、S59において、リーチ判定処理を実行する。すなわち、リーチ判定サブルーチンをコールする。S60において、リーチ判定処理においてR5(リーチ決定用)のカウント値に基づいてリーチとなると判断された場合には、S61において、リーチ入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする。リーチとならないと判断された場合には、S62において、はずれ入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする。
【0155】
そして、S63において、RAM55に入賞コマンドとしてセットされたデータを、RAM55の入賞時演出用バッファとして定められている領域に格納する。なお、入賞時演出用バッファに格納されたデータは、特別図柄プロセス処理の終了後に実行される記憶処理で参照される。
【0156】
図15は、大当り判定処理を示すフローチャートである。この大当り判定処理は、始動入賞時に行なわれる前述のS53と特別図柄変動開始時に行なわれる後述のS96との両方に兼用されるサブルーチンプログラムである。大当り判定処理では、S71において、CPU56は、遊技状態が確変中であるか否か判断し、確変中であれば、S72において、図5(A)に示された大当り決定用テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する。確変中でなければ、S73において、図5(A)に示された大当り決定用テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する。
【0157】
そして、S74において、S43で抽出され、S52で読出されたR1のカウント値と図5(A)に示された大当り決定用テーブル中の大当り決定値とを比較する処理が行なわれる。遊技状態が確変中でなければS73で使用することが決定された大当り決定用テーブル中の低確率時の大当り決定値「3」と比較され、遊技状態が確変中であればS72で使用することが決定された大当り決定用テーブル中の高確率時の大当り決定値「3,7,79,103,107」と比較される。S75において、R1(大当り決定用)のカウント値と大当り決定値とが一致すると判断されたときは、S76において、大当りとすることが決定される一方、R1(大当り決定用)のカウント値と大当り決定値とが一致しなければ、S77において大当りとしないことが決定される。なお、この大当り判定処理が特別図柄変動開始時に行なわれる後述のS96で実行された場合には、S76において大当りとすることが決定されることによりS98により大当りフラグがONにされる。この大当りフラグは、可変入賞球装置19を開成して大当り制御が実行されてその大当り制御が終了するときにS161によりOFFにされる。
【0158】
図16は、リーチ判定処理を示すフローチャートである。このリーチ判定処理は、始動入賞時に行なわれる前述のS59と特別図柄変動開始時に行なわれる後述のS105との両方に兼用されるサブルーチンプログラムである。リーチ判定処理では、S81において、CPU56は、そのときの状態が確変中であるか否か判断し、確変中であれば、S82において、図5(B)に示されたリーチ状態決定用テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する。確変中でなければ、S83において、図5(B)に示されたリーチ状態決定用テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する。
【0159】
そして、S84において、S43で抽出され、S58で読出されたR5のカウント値と図5(B)に示されたリーチ状態決定用テーブルのリーチ状態決定値とを比較する処理が行なわれる。遊技状態が確変中でなければS83で使用することが決定されたリーチ状態決定用テーブル中の低確率時のリーチ状態決定値「0,1,11」と比較され、遊技状態が確変中であればS82で使用することが決定されたリーチ状態決定用テーブル中の高確率時の大当り決定値「0,1,7,9,11,12」と比較される。S85において、R5(リーチ決定用)のカウント値とリーチ状態決定値とが一致すると判断されたときは、S86において、リーチ状態とすることが決定され、R5(リーチ決定用)のカウント値とリーチ状態決定値とが一致しなければ、S87において、リーチ状態としないことが決定される。
【0160】
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【0161】
特別図柄通常処理では、まず、S91において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(たとえば特別図柄プロセスフラグの値がS153を示す値となっている場合)であるか否か判断し、特別図柄の変動を開始することができない状態と判断した場合にはこの特別図柄通常処理が終了する。一方、特別図柄の変動を開始することができる状態と判断した場合には、S92において、始動入賞記憶数の値を確認する。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がS153を示す値となっている場合とは、特別図柄表示部9において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ大当り遊技中でもない場合である。
【0162】
始動入賞記憶数が0のときにはこの特別図柄通常処理が終了する。一方、始動入賞記憶数が0でなければ、S93において、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに、S94において、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ各保存領域の内容をシフトする。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
【0163】
次に、S95において、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数を読出し、S96において、大当り判定処理を実行する。S97において、前述したS53と同様の大当り判定処理であるS96の処理の結果大当りとすると判断した場合には、S98において、CPU56は、大当りフラグをONにする。そして、S99において、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する。S96の処理の結果大当りにしないと判断した場合には、S98のステップを実行することなくS99へ進む。
【0164】
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【0165】
特別図柄停止図柄設定処理では、まず、S101において、CPU56は、大当りフラグがONか否か確認する。大当りフラグがONである場合には、S102において、S93で読出したR3(大当り図柄決定用)のカウント値に従って大当り図柄を決定し、S103に移行する。この実施の形態では、R3(大当り図柄決定用)のカウント値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の組み合わせのそれぞれに対応した左変動表示部の特別図柄、中変動表示部の特別図柄および右変動表示部の特別図柄の図柄番号が設定されている。
【0166】
一方、大当りフラグがセットされていない場合には、S104において、R5(リーチ決定用)を読出し、S105において、CPU56は、前述したS59と同様のリーチ判定処理を実行する。S106において、S105の処理の結果リーチ状態とすると判断されたときは、S106aによりリーチフラグがONにされ、S107において、R2−1のカウント値に従って左変動表示部および右変動表示部に停止表示させる特別図柄を決定し、R2−2の値に従って中変動表示部に停止表示させる特別図柄を決定する。ここで、決定された中変動表示部の特別図柄が左変動表示部および右変動表示部の特別図柄と一致した場合には、中変動表示部の特別図柄に対応した乱数の値に「1」加算し、対応する特別図柄を中変動表示部に停止表示させる特別図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。そして、S103に移行する。
【0167】
S106において、リーチ状態にしないと判断されたときは、S108において、はずれの場合の停止図柄の決定を行なう。具体的には、S93で読み出した値、すなわち、抽出されているR2−1のカウント値に従って左変動表示部に停止表示させる特別図柄を決定し、R2−2のカウント値に従って中変動表示部に停止表示させる特別図柄を決定するとともに、R2−3のカウント値に従って右変動表示部に停止表示させる特別図柄を決定する。なお、ここでは、左変動表示部、右変動表示部に停止表示させる特別図柄が一致した場合には右変動表示部に停止表示させる特別図柄を1図柄ずらし、リーチ状態にもならないはずれとなるようにする。そして、S103に移行する。なお、S102において、確変大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後に確変状態に移行することを示す確変フラグがセットされる。そして、S103において特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する。
【0168】
図19は、変動パターン設定処理の1例を示すフローチャートである。
まず、S111において、大当りフラグがONになっているか否かの判断がなされる。この大当りフラグは、前述したS76により大当りとすることが決定されてS97によりYESと判断されてS98によりONにされ、大当り制御が終了するときに前述したS161によりOFFにされる。大当りフラグがONになっている場合は、YESの判断がなされ、S112において、図6に示した大当り用の変動パターンテーブルを選択し、選択した変動パターンテーブルを参照し、R4(変動パターン決定用)により抽出されたカウント値の変動パターンが設定される。
【0169】
一方、大当りフラグがOFFになっている場合は、S111によりNOの判断がなされ、S113において、リーチフラグがONになっているか否かの判断がなされる。このリーチフラグは、前述したS106aによりONにされ後述するS116aによりOFFにされる。リーチフラグがONになっている場合は、S113によりYESの判断がなされ、S114において、図6に示したリーチはずれ用の変動パターンテーブルを参照し、R4(変動パターン決定用)より抽出されたカウント値の変動パターンが設定される。
【0170】
S113において、リーチフラグがOFFになっている場合は、NOの判断がなされ、S115において、図6に示したはずれ用の変動パターンテーブルを参照し、R4(変動パターン決定用)より抽出されたカウント値の変動パターンが設定される。S116では、図6に示した変動パターンテーブルに基づいてS112、S114、S115で選択された変動パターンを変動パターンコマンドにセットする処理が行なわれ、S116aによりリーチフラグがOFFにされ、S117において、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値に更新する。
【0171】
図20は、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に送信される表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【0172】
図20に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に送信される。また、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53と表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81との間には、ストローブ信号(表示制御INT信号)を送信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図20には、表示制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
【0173】
この実施の形態では、表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は1例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0174】
図21は、制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【0175】
図21に示すように、表示制御コマンドの8ビットの表示制御コマンドデータは、表示制御INT信号に同期して出力される。表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81は、表示制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から見ると、表示制御INT信号は、表示制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
【0176】
表示制御コマンドは、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81が認識可能に1回だけ送信される。認識可能とは、この実施の形態では、表示制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送信されるとは、たとえば表示制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて表示制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、表示制御INT信号は図21に示された極性と逆極性であってもよい。
【0177】
図22は、表示制御用CPU101が実行する表示制御メイン処理を示すフローチャートである。
【0178】
表示制御メイン処理では、まず、S201において、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための2msecタイマの初期設定等を行なうための初期化処理が行なわれる。その後、S202において、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視の確認を行なうループ処理に移行する。図23に示すように、タイマ割込が発生すると、S210において表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグをセットする。表示制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、S203において、表示制御用CPU101は、そのフラグをクリアし、S204〜S207の処理を実行する。
【0179】
この実施の形態では、タイマ割込は2msec毎にかかる。すなわち、表示制御メイン処理は、2msec毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理(S204〜S207の各ステップの処理)は表示制御メイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
【0180】
表示制御メイン処理では、S204において、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドを解析する(コマンド解析処理)。このコマンド解析処理の詳細は後述する。次に、S205において、大当り予告報知処理を行なう。大当り予告報知処理では、予告演出パターンの決定と予告演出パターンなどの予告報知情報を含んだ予告コマンドの送信や予告報知の制御を行なう。この大当り予告報知処理の詳細は後述する。次に、S206において、表示制御用CPU101は、表示制御プロセス処理を行なう。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、S207において、ランダムカウンタR9〜R11(図4参照)を更新する処理を実行する。その後、S202のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。
【0181】
次に、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53からの表示制御コマンド受信処理について説明する。
【0182】
図24は、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から受信した表示制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。
【0183】
この実施の形態では、2バイト構成の表示制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、たとえば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。音声制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータや、ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータにおいても同様に、リングバッファ形式でないバッファ形式としてもよい。この場合、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81、音声制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータ、ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータは、変動パターンなどの格納領域に格納される最新のコマンドにもとづき制御される。これにより、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指示に迅速に対応することができる。
【0184】
図25は、前述したコマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から受信された表示制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0185】
コマンド解析処理では、まず、S251において、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判断される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、S252において、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す。なお、読み出したら読出ポインタの値を「1」加算しておく。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されていない場合には、このコマンド解析処理が終了する。
【0186】
S253において、受信した表示制御コマンドが左変動表示部に停止表示させる特別図柄指定の表示制御コマンド(91XX(H))であると判断された場合は、S254において、表示制御用CPU101は、「XX」で示される左変動表示部に停止表示させる特別図柄(左特別図柄)を示すデータを、RAM101aにおける左特別図柄格納領域に格納し、S251に戻る。また、S255において、受信した表示制御コマンドが中変動表示部に停止表示させる特別図柄指定の表示制御コマンド(92XX(H))であると判断された場合は、S256において、表示制御用CPU101は、「XX」で示される中変動表示部に停止表示させる特別図柄(中特別図柄)を示すデータを、RAM101aにおける中特別図柄格納領域に格納し、S251に戻る。そして、S257において、受信した表示制御用コマンドが右変動表示部に停止表示させる特別図柄指定の表示制御コマンド(93XX(H))であると判断された場合は、S258において、表示制御用CPU101は、「XX」で示される右変動表示部に停止表示させる特別図柄(右特別図柄)を示すデータを、RAM101aにおける右特別図柄格納領域に格納し、S251に戻る。
【0187】
また、S259において、受信した表示制御コマンドが変動パターン指定の表示制御コマンドであると判断された場合は、S260において、表示制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAM101aにおける変動パターンデータ格納領域に格納し、S261において、変動パターン受信フラグをセットする。
【0188】
また、S259において、受信した表示制御コマンドが変動パターン指定の表示制御コマンドでないと判断された場合は、S259aに進み、受信した表示制御コマンドが複数台予告コマンドであるか否かが判断される。複数台予告コマンドである場合には複数台予告フラグをONにした後S251へ戻る。この複数台予告コマンドは前述したS55bによりセットされてS28により遊技制御用基板31から表示制御基板80に送信されてくる。受信した表示制御コマンドが複数台予告コマンドでなかった場合には、受信した表示制御コマンドは入賞コマンドということになる。前述したように、入賞コマンドには、確変を伴わない通常の大当りになることを指定する大当り入賞指定コマンド、確変大当りになることを指定する確変大当り入賞指定コマンド、リーチ状態になることを指定するリーチ入賞指定コマンドがある。S262において、受信した入賞コマンドが、大当り入賞指定コマンド、確変大当り入賞指定コマンド、リーチ入賞指定コマンドのいずれのコマンドであるか判断して、対応したフラグをセットしてS251に戻る。
【0189】
図26は、表示制御用マイクロコンピュータ81により実行される大当り予告報知処理を示すフローチャートである。
【0190】
S301において、予告コマンド発生処理が行なわれ、大当りが発生する旨の予告演出の予告演出パターンの決定、およびその決定された予告演出パターンを他のパチンコ遊技機1に送信する制御を行なう。この予告コマンド発生処理の詳細は後述する。
【0191】
S302において、予告情報送信処理が行なわれ、他のパチンコ遊技機1aから受信した予告コマンドを他のパチンコ遊技機1に送信する制御を行なうとともに、パチンコ遊技機1から受信した予告終了コマンドを他のパチンコ遊技機1に送信する制御を行なう。この予告情報送信処理の詳細は後述する。予告終了コマンドとは、前述した複数台予告コマンドにしたがって複数台のパチンコ遊技機1で大当りが発生する旨の予告演出を行なっているときにその複数台での大当りが発生する旨の予告演出を終了させるためのコマンドである。
【0192】
S303において、予告報知制御処理が行なわれ、大当り予告演出するための制御を行なう。この予告報知制御処理の詳細は後述する。
【0193】
S303aにおいて、予告終了処理が行なわれる。この予告終了処理の詳細は後述する。
【0194】
図27は、前述した大当り予告報知処理における予告コマンド発生処理を示すフローチャートである。
【0195】
まず、S400において、複数台予告フラグがONになっているか否かが判断される。この、複数台予告フラグは、前述したS259bによりONにされる。複数台予告フラグがOFFの場合にはこの予告コマンド発生処理が終了するが、ONになっている場合には、S401に進み、予告演出パターンおよび遅延時間が決定される。この予告演出パターンは、S400により、複数台予告フラグがONになっていると判断された際に、表示制御用CPU101により、R9(予告演出パターン決定用)のカウント値を抽出し、その抽出されたカウント値と図7に示す予告演出パターン決定用テーブル中の予告演出パターン決定値とを比較し、予告演出パターンが決定される。また、遅延時間は、複数台予告フラグがONになっていると判断された際に、表示制御用CPU101により、R10(遅延時間決定用)のカウント値を抽出し、その抽出されたカウント値と図8に示す遅延時間決定用テーブルの各遅延時間とを比較し、遅延時間が決定される。
【0196】
S402において、決定された予告演出パターンの情報を含んだ予告コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ81のRAM101aの予告保留領域内に記憶し、他のパチンコ遊技機1に送信するためその予告演出パターンの情報を含んだ予告コマンドをセットする。なお、同じパチンコ遊技機設置島内の或るパチンコ遊技機1に大当りが発生することが事前決定されてそれに基づいた大当りが発生する旨の予告演出の処理を行なっている最中に次のパチンコ遊技機1に大当りが発生することが事前決定されてそれに基づいた大当りが発生する旨の予告演出を行なうという大当り予告同時多発状態が生じた場合には、予告保留領域は、大当りの発生順に予告コマンドを記憶する。そして、S403により、セットされた予告コマンドを他のパチンコ遊技機1に表示制御基板80の予告報知情報出力手段208から送信し、S403aにより複数台予告フラグをOFFにした後、S403bにより、自己のパチンコ遊技機1に大当りが発生していることを示す自台大当り発生フラグをONにし、この予告コマンド発生処理が終了する。
【0197】
なお、送信先のパチンコ遊技機1は、たとえば、遊技機設置島にそれぞれ設置されたパチンコ遊技機1であり、これらのパチンコ遊技機1はそれぞれ隣接するパチンコ遊技機1と有線により接続され、そして、たとえば、図1の1番台のパチンコ遊技機1について、大当りになることが決定されたときには、隣接するパチンコ遊技機1(2番台)に予告コマンドを送信する。
【0198】
図28(a)は、前述した大当り予告報知処理における予告情報送信処理を示すフローチャートである。
【0199】
S450において、他のパチンコ遊技機1の表示制御基板80の予告報知情報出力手段208から送信された予告コマンドを表示制御基板80の予告報知情報入力手段211により受信したか否かが判断される。すなわち、S403により送信された予告コマンドを受信したか否かが判断され、受信していないと判断されたときにはこの予告情報送信処理が終了する。受信したと判断されたときは、S451により、受信した予告コマンドをRAM101aの予告保留領域内に記憶するとともに、遅延時間を設定する。遅延時間は、予告コマンドを受信したと判断された際に、表示制御用CPU101により、R10(遅延時間決定用)のカウント値を抽出し、その抽出されたカウント値と図8に示す遅延時間決定用テーブルの各遅延時間とを比較し、遅延時間が決定される。S452において、受信した予告コマンドを他のパチンコ遊技機1へ送信するためにセットし、他のパチンコ遊技機1にそのセットされた予告コマンドを表示制御基板80の予告報知情報出力手段208から送信し、この予告情報送信処理が終了する。
【0200】
なお、ここでの、予告コマンドの送信も、S403の予告コマンドの送信と同様、たとえば、図1の1番台のパチンコ遊技機1から、予告コマンドが送信されたときには、隣接するパチンコ遊技機1(2番台)はその予告コマンドを受信し、そして、その予告コマンドは順々に2番台→3番台と送信、受信される。
【0201】
図28(b)は、図26のS303に示された予告報知制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS500により、大当り制御中であるか否かの判断がなされる。大当り制御中の場合には、この予告報知制御処理が終了するが、大当り制御中でない場合にはS503へ進み、前述したRAM101aの予告保留領域内に予告コマンドが記憶されているか否かの判断がなされる。この予告保留領域には、前述したように、当該パチンコ遊技機1において大当りを発生させることが事前決定されかつ複数台予告フラグがONになっているときにS400により予告コマンドが記憶されるとともに、他のパチンコ遊技機より予告コマンドを受信したときにS451により予告コマンドが記憶される。S503により予告保留領域内に予告コマンドが記憶されていないと判断された場合にはこの予告報知制御処理が終了するが、予告コマンドが記憶されていると判断された場合には、S504へ進み、予告演出実行中であるか否かの判断がなされる。既に予告演出(大当りが発生する旨の予告演出)が実行されているときには、新たな予告演出(大当りが発生する旨の予告演出)を開始させることなくこの予告報知制御処理が終了する。一方、大当りが発生する旨の予告演出が実行されていないときには制御がS505へ進み、特別図柄表示部9が変動表示中であるか否かの判断がなされる。変動中である場合にはS507へ進むが、変動中でないときにはS506へ進み、始動口14へのパチンコ玉の始動入賞に伴い保留記憶領域内に保留記憶があるか否かの判断がなされ、ない場合にはこの予告報知制御処理が終了するが、ある場合にはS507へ進む。S507では、予告演出のタイミングが到来しているか否かの判断がなされ、大当り予告演出を行なうタイミングでないと判断されたときには予告報知制御処理が終了するが、予告演出(大当りを発生させる旨の予告演出)を行なうタイミングであると判断されたときにはS508へ進む。
【0202】
この大当り予告演出を行なうタイミングであるか否かは、前述したS401またはS451により決定された遅延時間が経過しているか否かにより判断する。なお、前述した大当り予告同時多発状態のときには、予告保留記憶領域内に記憶されたそれぞれの予告コマンドに対応してS401またはS451により決定された遅延時間が記憶されており、各予告コマンドに対応する大当り予告演出を実行する際にそれに対応して記憶されている遅延時間に基づいて、S507による判断がなされる。また、大当り予告同時多発状態のときには、S508において、予告保留領域内の最先に記憶された予告コマンドに基づき、S401で決定された予告演出パターンによる大当り予告演出の実行が行なわれ、その先行する大当り予告演出が終了するのを待って終了してから後続の大当り予告演出を実行する。
【0203】
なお、複数台予告を行なわないことが前述したS55a、S55cにより判断されたときには、複数台予告コマンドが遊技制御基板31から表示制御基板80へ送信されない。表示制御基板80は、複数台予告コマンドを受信することなく前述した大当り入賞指定コマンドあるいは確変大当り入賞指定コマンド等を受信した場合には、当該パチンコ遊技機1のみで大当りが発生する旨の予告演出を実行するか否か抽選決定し、大当りが発生する旨の予告演出を実行することが決定されたときには、たとえば、前述したS504〜S508と同様の制御プログラムにより大当り予告演出を実行するようにしてもよい。
【0204】
このS508のステップの実行後予告報知制御処理が終了する。このように、大当り予告演出は、大当り制御中でなく、既に大当り予告演出実行中でもなく、かつ、特別図柄表示部9が変動表示中かまたは保留記憶があるときに、予告演出タイミングの到来により開始される。特別図柄表示部9が変動表示中でなくかつ保留記憶もないときには大当りが発生するはずがなく、そのようなときに大当り予告演出が実行される矛盾をS505、S506により解消できる。
【0205】
また、変動表示がされていない場合(S505でNOの場合)や保留記憶領域内に始動口14へのパチンコ玉の始動入賞に伴う保留記憶がない場合(S506でNOの場合)や既に大当り予告演出実行中の場合(S504でYESの場合)は新たな大当り予告演出(大当りが発生する旨の予告演出)が行なれないが、遅延時間の計時は行われる。そして、たとえば前述の大当り予告同時多発状態時における先行の大当り予告演出(大当りが発生する旨の予告演出)が終了した段階で後続の大当り予告演出(大当りが発生する旨の予告演出)の遅延時間が既に経過しているのであれば、大当り予告演出のタイミングであるとして、後続の大当り予告演出が行なわれる。
【0206】
図29は、図26のS303aに示された予告終了処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S509において、予告終了コマンドを受信したか否かの判断がなされる。他のパチンコ遊技機1から情報通信ポート201、予告情報入力手段211を介して予告終了コマンドを受信すれば、制御がS531へ進み、その受信した予告終了コマンドをセットする処理がなされ、S531aにより、前記受信した予告終了コマンドに対応する予告コマンドの記憶を予告保留領域から削除する処理がなされる。
【0207】
一方、予告終了コマンドを受信していない場合にはS509によりNOの判断がなされてS509aに進み、予告保留領域内に予告コマンドがあるか否かの判断がなされる。予告コマンドがなければこの予告終了処理を終了し、予告コマンドがあればS530へ進み、今回の変動表示で大当り図柄が表示されるか否かの判断がなされる。S530により、当該パチンコ遊技機1により大当りの発生が事前決定されたことに伴い当該パチンコ遊技機で複数台による大当り予告演出を実行しているときには、当該パチンコ遊技機1で大当り図柄が停止表示されることとなる。S530により、今回の特別図柄表示部9による変動表示で大当り図柄が表示されるか否かの判断がなされ、YESの判断がなされたときには、大当り図柄が表示されないと判断したときは、S532に進み、大当り図柄が表示されると判断したときは、S530aに進む。S530aにおいて、自台大当り発生フラグがONか否かが判断され、自台大当り発生フラグがONでない場合は、S532に進み、ONである場合はS519に進む。この自台大当り発生フラグは、上述したS403によりONにされるが、S530aにおいては、複数予告を行なう契機となる大当りが発生するパチンコ遊技機1のみが自台大当り発生フラグONになっており、複数予告を行なう契機となる大当りが発生しないパチンコ遊技機1については、自台大当り発生フラグONとなっていない。その結果、現在実行している大当りが発生する旨の予告演出が、他のパチンコ遊技機から送信されてきた予告コマンドに従って行なわれている場合には、他のパチンコ遊技機から予告コマンドが送信されてきたときにのみ大当り予告演出が終了する(S509、S529ともにYESと判断されてS513により大当り予告演出が終了する)。
【0208】
S519においては、中図柄(最終停止図柄)変動停止直前であるか否かの判断がなされる。中図柄変動停止直前でないと判断された場合には制御がS532へ進むが、中図柄変動停止直前であると判断された場合にはS520へ進み、当該予告コマンドに対応する予告終了コマンドをセットし、当該予告コマンドの記憶を予告保留領域から削除する処理がなされた後にS520aへ進み、自台大当りフラグをOFFにし、S513に進む。このS519、S520の制御の結果、中図柄(最終停止図柄)が停止して大当りが発生することを遊技者が認識できる状態になる直前まで大当り予告演出が実行されることとなり、最大限の期間大当り予告演出を実行することにより大当り図柄の表示直前まで遊技者の期待感を向上させることができる。
【0209】
S513により、大当り予告演出を終了させる制御がなされた後、S532により、予告終了コマンドがセットされているか否かの判断がなされる。予告終了コマンドがセットされていない場合にはこの予告終了処理のサブルーチンプログラムが終了するが、前述したS531またはS520により予告終了コマンドがセットされている場合には、S533により、予告終了コマンドを予告情報出力手段208、情報通信ポート201を介して他のパチンコ遊技機1へ送信する処理がなされる。
【0210】
S520によりセットされた予告終了コマンドをS533により送信する場合、すなわち、複数台予告を行う契機となる大当りが発生したパチンコ遊技機1が他のパチンコ遊技機1へ予告終了コマンドを送信する際には、予告終了コマンドを送信するパチンコ遊技機1の右側および左側の両側に隣接するパチンコ遊技機1がある場合は、それぞれ右側のパチンコ遊技機1および左側のパチンコ遊技機1の双方に予告終了コマンドを送信する。そして、右側のパチンコ遊技機1に送信された予告終了コマンドは、さらに右側のパチンコ遊技機1に送信され、この予告終了コマンドは、送信することができる右側のパチンコ遊技機1が存在しなくなるまで、すなわち遊技機設置島の右側端部のパチンコ遊技機1に到達するまで予告終了コマンドを送信し続ける。
【0211】
同様に、複数台予告を行う契機となる大当りが発生したパチンコ遊技機1から左側のパチンコ遊技機1へ送信された予告終了コマンドは、さらに左側のパチンコ遊技機1に送信され、この予告終了コマンドは、送信することができる左側のパチンコ遊技機1が存在しなくなるまで、すなわち遊技機設置島の左側端部のパチンコ遊技機1に到達するまで予告終了コマンドを送信し続ける。そして、遊技機設置島の右端のパチンコ遊技機1が予告終了コマンドを受信した時点で、その予告終了コマンドを折り返し送信することなく、予告終了コマンドの送信を終了する。また、遊技機設置島の左端のパチンコ遊技機1が予告終了コマンドを受信した時点で、その予告終了コマンドを折り返し送信することなく、予告終了コマンドの送信を終了する。
【0212】
また、上述した複数台予告を行う契機となる大当りが発生したパチンコ遊技機1が遊技機設置島の端部に位置していた場合、片方にしか隣接するパチンコ遊技機1が存在しないために、その片方のパチンコ遊技機1にのみ予告終了コマンドを送信し、その予告終了コマンドが、次々に隣接するパチンコ遊技機1に送信され、最終的に遊技機設置島の反対側の端部に位置するパチンコ遊技機1にまで予告終了コマンドが到達した時点で予告終了コマンドを折り返し送信することなく予告終了コマンドの送信を終了する。
【0213】
なお、上記では予告終了コマンドを送信するパチンコ遊技機1の右側および左側の両側に隣接するパチンコ遊技機1がある場合は、それそれ右側のパチンコ遊技機1および左側のパチンコ遊技機1の双方に予告終了コマンドを送信することにより行われるようにしたが、これに限らず、予告終了コマンドを送信するパチンコ遊技機1の右側および左側の両側に隣接するパチンコ遊技機1がある場合でも、それぞれ右側のパチンコ遊技機1またが左側のパチンコ遊技機1の一方にのみ予告終了コマンドを送信してもよい。
【0214】
その場合には、予告終了コマンドが最初に遊技機設置島の端部のパチンコ遊技機1までに到達した時点で、予告終了コマンドを上述した折返し送信機能により折返し送信し、その折返し送信された予告終了コマンドが遊技機設置島の他方の端部に位置するパチンコ遊技機1にまで到達した時点で、予告終了コマンドの送信を終了するように制御する。
【0215】
図30は、表示制御メイン処理の表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてS600〜S605のいずれかの処理が行なわれる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0216】
S600において、変動パターンコマンド受信待ち処理が行なわれる。コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。この変動パターンコマンド受信待ち処理の詳細は後述する。
【0217】
S601により、特別図柄の変動が開始されるように制御する図柄変動開始処理が行なわれる。この図柄変動開始処理の詳細は後述する。
【0218】
S602により、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御し、変動時間の終了を監視するとともに、左変動表示部および右変動表示部の特別図柄の停止制御を行なう図柄変動中処理が行なわれる。この図柄変動中処理の詳細は後述する。
【0219】
S603により、変動時間の終了時に、図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行なう図柄停止待ち処理が行なわれる。この図柄停止待ち処理の詳細は後述する。
【0220】
S604により、変動時間の終了後、確変大当り表示または大当り表示の制御を行なう大当り表示処理が行なわれる。この大当り表示処理の詳細は後述する。
【0221】
S605により、大当たり遊技中の制御を行なう。たとえば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の表示制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう大当たり遊技中処理が行なわれる。
図31は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【0222】
プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。各表示制御実行テーブルには、それぞれ、特別図柄の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている特別図柄制御実行データが含まれている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。表示制御用CPU101は、プロセスデータを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行テーブルに設定されている変動態様で特別図柄を変動表示させる制御を行なう。
【0223】
図31に示すプロセスデータは、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81におけるROMに格納されている。プロセスデータは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
【0224】
図32は、表示制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【0225】
変動パターンコマンド受信待ち処理では、S701において、表示制御用CPU101は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する。セットされていたら、S702において、そのフラグをリセットする。そして、S703において、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動開始処理(S601)に対応した値に変更する。
【0226】
図33は、表示制御プロセス処理における図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【0227】
図柄変動開始処理では、まず、S751において、表示制御用CPU101は、使用するプロセスデータを選択する。次に、S752において、選択されたプロセスデータの最初に設定されているプロセスタイマをスタートし、S753において、特別図柄制御実行データ1の内容に従って特別図柄の変動表示を行い、S754において、変動時間タイマをスタートし、S755において、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする。
【0228】
図34は、表示制御プロセス処理における図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【0229】
S801において、変動時間タイマがタイムアウトしているか否かが判断され、タイムアウトしていると判断されたら、S802において、特別図柄停止の表示制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ、S803において、表示制御プロセスフラグの値を図柄停止待ち処理に対応した値にする。
【0230】
図35は、表示制御プロセス処理における図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【0231】
図柄停止待ち処理では、S851において、表示制御用CPU101は、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信しているか否か判断する。全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信している場合は、S852において、記憶されている停止図柄で図柄を停止させる制御を行なう。S852において、変動表示部に表示結果が導出表示されると、S853に進む。
【0232】
S853において、S852で導出表示された表示結果が大当り図柄であると判断した場合は、S854において、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値に設定する。S853において、S852で導出表示された表示結果が大当たり図柄でないと判断した場合(はずれ図柄を表示した場合)は、S855において、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に設定する。
【0233】
全図柄停止を指定する表示制御コマンドを受信していない場合には、S856において、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、S857において、特別図柄表示部9にエラー画面を表示する制御を行なう。そして、S853に進む。
【0234】
図36は、大当り表示処理を説明するためのフローチャートである。
大当り表示処理では、まず、S901において、大当りが確率変動状態を付随する確変大当りであるか否かが判断される。S901において、大当たりが確変大当りであると判断された場合は、S902において、確変大当りであることを示す表示を行なってからS904に進む。S901において、確変大当りでないと判断された場合は、S903において、通常大当りであることを示す表示が行なわれ、S904に進む。S904において、大当り遊技が終了する時期であるか否かが判別される。S904において、大当り遊技が終了する時期であると判断された場合は、S905において、表示プロセスフラグを変動パターンコマンド受信待ち処理に設定してから大当たり表示処理を終了する。なお、大当り遊技とは、特定遊技状態となっている期間のことである。
【0235】
図1および図37〜図42は、遊技機設置島の複数台のパチンコ遊技機1のうちの代表として3台のパチンコ遊技機1を示したものであり、その複数台のパチンコ遊技機1が同時に前述した大当り予告報知を行なっているときの特別図柄表示部9による画像表示演出状態、左ランプ78L、右ランプ78Rによる発光演出状態、左スピーカ27L、右スピーカ27Rによる音声演出状態を説明するための図である。なお、1つの遊技機設置島に設置されているパチンコ遊技機1のうちの3台のパチンコ遊技機1のみ示したのは、説明の関係上であり、これらのパチンコ遊技機1,1,1うちの1台のパチンコ遊技機1に大当りとなることが決定され、他の2台のパチンコ遊技機1については、現在変動表示中か、または始動入賞に伴う保留記憶を有して、いずれ変動表示を開始する状況にあるものとしている。
【0236】
図1は特別図柄表示部9の表示画面に大当りを予告する大当り予告演出のキャラクタとしてのドラム君9Aが3台のパチンコ遊技機1,1,1に同時に現われている状態を示している。この図1は、図7に示したランダムカウンタR9が「0」のときに実行される画像1が表示された状態を示している。この画像1の予告キャラクタ同時出現演出の大当り予告演出が実行される場合には、タイミング設定手段213の上述した一律ゼロ設定機能により大当り予告の開始タイミングを一律「0」に設定される。具体的には、3台のパチンコ遊技機1,1,1のうちの、たとえば、いずれか1台のパチンコ遊技機1に大当りとなることが決定され、その大当りとなることが決定されたパチンコ遊技機1(1番台)が、大当り予告演出の開始タイミングの遅延時間を一律に「0」に設定し、その予告コマンドを2番台のパチンコ遊技機1に送信する。2番台のパチンコ遊技機1はその送信されてきた予告コマンドに含まれている予告演出パターンが「画像1」であることを判別して、1番台のパチンコ遊技機1と同様に、大当り予告の開始タイミングの遅延時間を「0」に設定する。3番台のパチンコ遊技機1は、送信されてきた予告コマンドに含まれている予告演出パターンが「画像1」であることを判別して、上記と同様に、一律ゼロ設定機能により大当り予告の開始タイミングの遅延時間を「0」に設定する。そして、この「画像1」の大当り予告演出が実行される台数分のパチンコ遊技機1に上述した方法で予告コマンドとが送信された段階で、予告コマンドとの送信を終了する。前述したように遅延時間「0」により、たとえば、その大当りとなることが決定されたパチンコ遊技機1(1番台)から他のパチンコ遊技機1(2番台)に予告コマンドが送信され、他の2台のパチンコ遊技機1が予告コマンドを受信して、前述した遅延時間なしに、3台のパチンコ遊技機1,1,1が同時に大当り予告演出を行なっている。このドラム君9Aは特別図柄表示部9の液晶表示部に背景として映し出されたものである。なお、ドラム君9A等の予告キャラクタは、背景として映し出されたものに限定されず、たとえば変動表示される図柄等として映し出されたものであてもよい。
【0237】
なお、上記のように大当り予告演出中に継続してドラム君9Aを表示画面に表示させてもよいが、遊技者の興味をさらに引き付けるために、たとえば、一秒間ON(表示)とし、1秒間OFF(非表示)とするように間欠的に大当り予告演出を行なってもよい。
【0238】
図37は特別図柄表示部9の表示画面に大当りを予告する表示画像として、小魚や亀が表示画面を横切っている様子が表示されるものである。この図37は、図7に示したランダムカウンタR9が「2」のときに実行される画像3の種類の予告演出パターンが表示された状態が示されている。この図37に示された大当りが発生する旨の予告演出(大当り予告演出)では、パチンコ遊技機設置島の複数台のパチンコ遊技機1…が組となって演出される。この大当り予告演出では、亀、小魚、イルカの順に特別図柄表示部9を横切る画像表示がなされる。たとえば、まず1番台のパチンコ遊技機1に亀の画像が左から右方向に横切り、表示画面の右端から亀が消えていくに従って2番台のパチンコ遊技機1の表示画面の左端から亀が現れ、右方向に横切る画像が表示され、その2番台のパチンコ遊技機1の表示画面の右端から亀が消えていくに従って3番台のパチンコ遊技機1の表示画面の左端から亀が現れて右方向に移動する画像が表示される。このような複数台のパチンコ遊技機1…のそれぞれの表示画面があたかも連続している表示画面のように亀(予告キャラクタ)が移動して横切っていく演出表示(予告キャラクタ台間移動演出)がなされる。この予告キャラクタ台間移動演出は、亀の後に続く小魚、イルカも同様に表示される。図37(A)のように、各キャラクタが左方向に台間移動した後、図37(B)に示すように、今度は、亀、小魚、イルカの順にキャラクタが3番台、2番台、1番台と折り返して左方向に台間移動表示される演出が行なわれる。
【0239】
さらに、その後、図37(C)に示すように、亀、小魚、イルカの順に予告キャラクタが1番台、2番台、3番台の順に右方向に台間移動する演出表示がなされる。このように、ランダムカウンタR9が「2」のときに実行される画像3は、複数の予告キャラクタの台間移動が右方向および左方向に折り返して繰返し表示される演出である。このように一連の動きのある画像が表示され、3台のパチンコ遊技機1,1,1を1組として予告キャラクタ台間移動演出がなされ、たとえば、最後に亀が停止したパチンコ遊技機1が大当りであるなどの演出も行なうことができる。
【0240】
なお、この場合も上記図1の説明と同様、その大当りとなることが決定されたパチンコ遊技機1(1番台)が、大当り予告演出の開始タイミングの遅延時間を一律に「0」に設定し、その予告コマンドを2番台のパチンコ遊技機1に送信する。2番台のパチンコ遊技機1はその送信されてきた予告コマンドに含まれている予告演出パターンが「画像1」であることを判別して、1番台のパチンコ遊技機1と同様に、大当り予告の開始タイミングの遅延時間を「0」に設定する。3番台のパチンコ遊技機1はその送信されてきた予告コマンドに含まれている予告演出パターンが「画像1」であることを判別して、上記と同様に、一律ゼロ設定機能により大当り予告の開始タイミングの遅延時間を「0」に設定する。そして、この「画像1」の大当り予告演出が実行される台数分のパチンコ遊技機1に上述した方法で予告コマンドが送信された段階で、予告コマンドの送信を終了する。
【0241】
このように、上述した予告キャラクタ同時出現演出(図7参照)による大当り予告演出を行なうときは、遅延時間をR10(図4参照)を用いてランダムに決定するのではなく、常に遅延時間を「0」とし、隣接するパチンコ遊技機1への予告コマンドの送信については、予告キャラクタが特別図柄表示部9の表示画面から消えるタイミングを見計って行なう(コマンド送信時のタイミング遅延制御)。これにより、予告キャラクタの台間移動が可能となる。
【0242】
次に、複数のパチンコ遊技機1において、同時に大当り予告演出する場合(複数台同時予告)には、大当り予告演出を行なうすべてのパチンコ遊技機1に、その予告コマンドを送信し、上述した遅延時間もR10(図4参照)を用いてランダムに決定するのではなく、常に遅延時間を「0」とする。これにより、複数台同時予告が可能となる。
【0243】
図38は、ランダムカウンタR9が「3」のときに実行される画像+ランプの種類の予告演出パターンが表示された状態が示されている。特別図柄表示部9に予告画像として土星が静止画として表示されるとともに、大当りを予告する発光演出として左ランプ78L、右ランプ78Rが短い間隔でON,OFFを繰返す高速点灯状態となる。複数台のパチンコ遊技機1…により、このような大当り予告演出を行なうことにより、表示画像のみの予告演出のみならずランプの発光演出が加わることにより、大当り予告演出をより効果的に盛り上げることができる。
【0244】
図39は、ランダムカウンタR9が「5」のときに実行されるランプ2の種類の予告演出パターンが表示された状態が示されている。この図39では、ランプの発光演出のみにて大当りの予告演出を行なうものである。図39に示す3台のパチンコ遊技機1,1,1のすべてのランプ78L,78Rが同時に点灯するのではなく、図39の矢印に示したように、あたかも波が流れているようにランプを1つずつ時間をずらせて点灯移動表示させることにより、複数台の1…により大当り予告演出を実行する。
【0245】
このランプの点灯移動表示の方向は、まず図39(A)に示すように、1番台のパチンコ遊技機1の左ランプ78L→右ランプ78R→2番台の左ランプ78L→右ランプ78R→3番台の左ランプ78L→右ランプ78Rと、右方向に点灯移動させる。その後、図39(B)に示すように、3番台のパチンコ遊技機1の右ランプ78R→左ランプ78L→2番台のパチンコ遊技機1の右ランプ78R→左ランプ78L→1番台のパチンコ遊技機1の右ランプ78R→右ランプ78Lと、左方向に点灯移動表示させる。その後、さらに、図39(C)に示すように、ランプの点灯移動方向を再度左から右に切換える。このように、ランダムカウンタRのカウント値が「5」のときの「ランプ2」の予告演出パターンは、複数台のパチンコ遊技機1…のランプの点灯移動方向を左,右と繰返し切換える予告演出である。
【0246】
図40は、ランダムカウンタR9が「7」のときに実行される「音2」の種類の予告演出パターンを示している。この図40では、左スピーカ27L、右スピーカ27Rにより音声演出による大当り予告演出が行なわれる。3台のパチンコ遊技機1,1,1が同時にスピーカ27L、27Rから音声を発生するのではなく、図40の矢印で示されているように、あたかも波が流れているように各スピーカが時間をずらして音声を発生させるという音声移動発生による演出を行なう。発生する音声の移動方向は、まず図40(A)に示すように、1番台のパチンコ遊技機1の左スピーカ27L→右スピーカ27R→2番台のパチンコ遊技機1の左スピーカ27L→右スピーカ27R→3番台のパチンコ遊技機1の左スピーカ27L→右スピーカ27Rと、右方向に移動報知させる。その次に、図40(B)に示すように、3番台のパチンコ遊技機1の右スピーカ27R→左スピーカ27L→2番台のパチンコ遊技機1の右スピーカ27R→左スピーカ27L→1番台のパチンコ遊技機1の右スピーカ27R→左スピーカ27Lと、左方向に移動報知させる。さらに図40(C)に示すように、再度右方向に音声を移動発生させる。このランダムカウンタR9が「7」のときの音2の種類の予告演出パターンは、音声の移動発生方向を左右に繰返し切換えて行なうものである。
【0247】
図41は、ランダムカウンタRが「8」のときの役物1の種類の予告演出パターンを示している。この大当り予告演出では、特別図柄表示部9の上方に設けられたベル79を左右に振って動かすことにより大当り予告演出を行なうものである。まず図41(A)に示すように、1番台のパチンコ遊技機1のベル79を左右に振り、次に図41(B)に示すように、2番台のパチンコ遊技機1のベル79を左右に振り、次に図41(C)に示すように、3番台のパチンコ遊技機1のベル79を左右に振る。このように、左右に振るベル79が、1番台、2番台、3番台と順次移動することにより、大当り予告演出を行なう。
【0248】
図42は、ランダムカウンタR9が「9」のときの役物2+音の種類の予告演出パターンを示している。この予告演出パターンは、特別図柄表示部9の上方左右にある左小役物79L、右小役物79Rを左右に振って動かすと同時に左スピーカ27L、右スピーカ27Rからそれぞれ「ピコッ」という音を発することで大当りを予告するものである。3台のパチンコ遊技機1とも同時に大当り予告演出を行なうためにすべてのパチンコ遊技機1で一斉に小役物76を動かしスピーカ27から音声を発している。
【0249】
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、大当りとなることが事前決定されたパチンコ遊技機1は他のパチンコ遊技機1に予告コマンドを送り、大当りとなることが事前決定されたパチンコ遊技機1自身の特別図柄表示部9の最後に変動停止する中特別図柄が停止する直前に大当り予告演出の実行を終了するとともに、他のパチンコ遊技機1に対しても、予告終了コマンドを送信するものであったが、これに限らず、たとえば、予告コマンドを他のパチンコ遊技機1に予告コマンドとともに予告終了コマンドも同時に送信してもよい。
【0250】
このような構成にすれば、予告コマンド送信後に再び予告終了コマンドを送信する必要がなくなるばかりか、大当りとなることが決定されたパチンコ遊技機1の信号により他のパチンコ遊技機1の大当り演出時間を制御することができる。
【0251】
なお、上記の場合、予告終了コマンドの情報には、所定時間経過後に予告演出を終了させる情報(タイマー機能など)をも含んでいる。
【0252】
(2) 前述した実施の形態においては、前述した大当り予告同時多発状態のときには、先行する大当り予告演出が終了するのを待って後発の大当り予告演出を実行するように制御しているが、その代わりに、後発の大当り予告を無視して実行しないように制御してもよい。すなわち、パチンコ遊技機1が既に大当り予告演出を行なっているときには、たとえば、他のパチンコ遊技機1から予告コマンドが送信されてきてもその後発の予告コマンドに基づいた予告演出を実行しない。このように構成すれば、大当り予告演出のための前述した予告保留領域を設けなくてもよく、構成が簡単になる。
【0253】
また、先行する大当り予告演出が終了するのを待って後発の大当り予告演出を実行する代わりに、先行する大当り予告演出の実行中に後発の大当り予告演出を同時に実行するように制御してもよい。この場合には、同時実行される大当り予告演出の予告演出パターンを互いに異ならせるようにして、遊技者が複数の大当り予告演出が実行されている旨を認識できるようにするのが望ましい。たとえば、現在行なわれている大当り予告演出が図37で示すように特別図柄表示部9の表示画面による大当り予告演出である場合に、後発の大当り予告演出は図39に示すようにランプ78の発光演出による大当り予告演出とするとか、図40に示すようにスピーカ28による音声演出による大当り予告演出のようにするとか、互いに異なった予告演出パターンの大当り予告演出を平行して同時実行させるようにすればよい。このようにすれば、平行して実行されている複数の大当り予告演出を遊技者が区別して認識することができ、画像、光、音声と重なった大当り予告演出で豪華な大当り予告演出ができ、遊技者の興趣を一段と盛り上げることができる。
【0254】
(3) また、前述の実施の形態では、自台のパチンコ遊技機1で大当りの発生が事前決定されて複数台予告の実行が決定された場合には、自台での大当りが発生する旨の予告演出処理と他のパチンコ遊技機1への予告コマンドの送信処理とを行なうようにしたが、その代わりに、自台のパチンコ遊技機1で大当りの発生が事前決定されて複数台予告の実行が決定された場合に他のパチンコ遊技機1への予告コマンドの送信処理のみを行ない、他のパチンコ遊技機1から予告コマンドが送信されてきたときに初めて大当りが発生する旨の予告演出処理を行なうようにしてもよい。
【0255】
(4) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機およびこれに対応して設置されたカードユニットの正面図である。
【図2】遊技制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
【図3】表示制御基板内の回路構成を、画像表示を実現するLCDとともに示すブロック図である。
【図4】各ランダムカウンタの説明図である。
【図5】(A)は大当り判定処理で用いられる大当り決定用テーブルの一例を示す説明図であり、(B)はリーチ判定処理で用いられるリーチ状態決定用テーブルの一例を示す説明図である。
【図6】変動パターンを示す説明図である。
【図7】予告演出パターンの決定に用いられる予告演出パターン決定用テーブルの一例を示す説明図である。
【図8】遅延時間の決定に用いられる遅延時間決定用テーブルの一例を示す説明図である。
【図9】複数台のパチンコ遊技機で大当りの予告を行なうための機能を説明する機能ブロック図である。
【図10】遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図11】遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される2msecタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図12】遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図13】始動入賞が生じたときに実行される始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【図14】入賞時演出設定処理を示すフローチャートである。
【図15】大当り判定処理を示すフローチャートである。
【図16】リーチ判定処理を示すフローチャートである。
【図17】特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図18】特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図19】変動パターン設定処理の1例を示すフローチャートである。
【図20】遊技制御基板に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータから表示制御基板に搭載された表示制御用マイクロコンピュータに送信される表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【図21】制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図22】表示制御用CPUが実行する表示制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図23】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図24】遊技制御基板に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータから受信した表示制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。
【図25】コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。
【図26】大当り予告報知処理を示すフローチャートである。
【図27】大当り予告報知処理における予告コマンド発生処理を示すフローチャートである。
【図28】(a)は大当り予告報知処理における予告情報送信処理を示すフローチャートであり、(b)は大当り予告報知処理における予告報知制御処理を示すフローチャートである。
【図29】大当り予告報知処理における予告終了処理を示すフローチャートである。
【図30】表示制御メイン処理における表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図31】変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【図32】表示制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【図33】表示制御プロセス処理における図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図34】表示制御プロセス処理における図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図35】表示制御プロセス処理における図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図36】大当り表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図37】魚のキャラクタによる大当り予告演出の表示画面の予告演出パターン説明図である。
【図38】宇宙画像表示とランプ発光による大当り予告演出の予告演出パターンの説明図である。
【図39】ランプ発光の遊技機台間移動による予告演出パターンの説明図である。
【図40】スピーカの音声演出の遊技機台間移動による予告演出パターンの説明図である。
【図41】大役物演出の遊技機台間移動による大当り予告演出の予告演出パターンの説明図である。
【図42】小役物演出とスピーカの音声演出による大当り予告演出の予告演出パターンの説明図である。
【符号の説明】
8 変動表示装置、9 特別図柄表示部、14 始動口、17 始動口スイッチ、18 始動記憶表示器、27R,27L スピーカ、78R,78L ランプ、101 表示制御用CPU。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機、パチスロ機などで代表される遊技機に関する。詳しくは、複数種類の識別情報を変動表示可能な変動表示装置と、所定の始動条件の成立を条件として、前記変動表示装置の表示結果を決定する表示結果決定手段とを備え、該表示結果決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記変動表示装置に該特定表示結果を導出表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、表示結果決定手段により決定された表示結果が、遊技機を特定遊技状態に制御する特定表示結果と一致したときに、遊技者に特定表示結果が表示されることを事前に報知する事前報知手段を設け、1つの遊技機からの事前報知信号の出力に基づいて他の複数の遊技機の事前報知手段を作動させるように構成されているものがあった。このことにより、遊技者は、遊技者自身が遊技している遊技機で特定表示結果とならない場合でも、遊技者自身の遊技機に対応して設けられる事前報知手段が作動するので、遊技者自身の遊技機に特定表示結果が表示されるのではないかという期待感を抱くことができ、変動表示装置の変動表示動作に強く引き付けられるというものであった(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−305175号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の遊技機においては、特定遊技状態発生の予告報知として行なわれるランプの点灯態様が1種類しかなく単調なため、遊技者は単調な点灯態様にすぐに飽きてしまうという問題があった。また、複数回予告報知を経験した遊技者にとっては、予告報知のランプ点灯態様からどの遊技機で特定遊技状態が発生するかの見当がついてしまうため、予告報知があっても遊技者自身の遊技機に特定表示結果が表示されるという期待感を持つことなく、変動表示装置の変動表示動作に強く引き付けられる効果もなかった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技者自身の遊技機に特定表示結果が表示されるかもしれないという期待感を抱き続けることができる予告報知を行なう遊技機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 複数種類の識別情報(特別図柄)を変動表示可能な変動表示装置(変動表示装置8、特別図柄表示部9)と、所定の始動条件の成立(打玉が始動口14に入賞し、始動口スイッチ17で検出されたとき)を条件として、前記変動表示装置の表示結果を決定する表示結果決定手段(表示結果決定手段206、図12のS154等参照)とを備え、該表示結果決定手段が表示結果を特定表示結果(特定図柄の組合せが、たとえば、「777」等のゾロ目。大当り図柄ともいう。)とすることを決定したときに前記変動表示装置に該特定表示結果を導出表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)を発生させる遊技機であって、前記特定表示結果が導出表示される以前の段階において、該特定表示結果が導出表示される旨を示す予告報知(大当り予告演出)を複数種類の予告報知態様(図7、図37〜図42参照)のうちのいずれかの予告報知態様で遊技者に報知する予告報知手段(予告報知手段207、具体的には特別図柄表示部9、スピーカ27R,L、ランプ78R,L)と、前記表示結果決定手段により前記特定表示結果であると判定されたことに基づいて、前記複数種類の予告報知態様のうちのどの予告報知態様で前記予告報知をするかを決定する予告報知態様決定手段(予告報知態様決定手段209、S401等参照)と、前記予告報知手段に前記予告報知を実行させる制御を行なう予告報知制御手段(特定表示結果判定時予告報知制御手段210、予告制御情報入力時予告報知制御手段212、具体的には図26の大当り予告報知処理を実行する表示制御用CPU101)と、該予告報知態様決定手段により決定された予告報知態様を特定可能な予告報知態様情報を少なくとも含む予告報知制御情報(予告コマンドなど)を他の遊技機に出力する予告報知情報出力手段(予告報知情報出力手段208、S403等参照)と、他の遊技機から出力された前記予告報知制御情報を入力する予告報知情報入力手段(予告報知情報入力手段211、S450等参照)とを備え、
前記予告報知制御手段は、前記予告報知情報入力手段に入力された予告報知制御情報に含まれている前記予告報知態様情報から特定される予告報知態様に応じた前記予告報知を前記予告報知手段に実行させる(S508等参照)とともに、前記予告報知情報出力手段を介して、該入力された予告報知制御情報を出力させる制御を行なう(S452等参照)。
【0007】
このような構成によれば、遊技者自身の遊技機以外の他の遊技機において、予告報知が行なえるので、遊技者は他の遊技機の特定遊技状態に対する予告報知に対しても、遊技者自身の遊技機が特定遊技状態になるのではないかと期待感を抱き、予告報知に興味を示し、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、複数種類の予告報知により単調さの課題を解決して遊技者が予告報知に飽きてしまう不都合を極力防止できる。
【0008】
(2) 前記予告報知情報出力手段は、前記予告報知を終了させるための予告報知停止指令情報(予告終了コマンド、S520等参照)を他の遊技機に出力し(S531、S520、S533等参照)、前記予告報知情報入力手段は、他の遊技機から出力された前記予告報知停止指令情報を入力し(S509等参照)、前記予告報知制御手段は、前記表示結果決定手段により前記特定表示結果となることが決定されたときに(S111等参照)、前記変動表示装置の変動表示が開始された後当該特定表示結果が導出表示されるまでに(S530によりYESと判定され中図柄(最終停止図柄)が停止する直前の段階でS519によりYESと判定され)前記予告報知停止指令情報を前記予告報知情報出力手段を介して出力する(S520等参照)とともに、前記予告報知情報入力手段に入力された他の遊技機からの前記予告情報停止指令情報に基づき(S509等参照)、前記予告報知手段による予告報知を終了させ(S513等参照)、前記予告報知情報出力手段を介して、該予告情報停止指令情報を出力させる制御を行なう(S531、S533等参照)。
【0009】
このような構成によれば、変動表示装置の変動表示が開始された後特定表示結果が導出表示されるまでに予告報知停止指令情報が他の遊技機へ出力されて特定遊技状態に対する予告報知を終了させる制御が行なわれるので、確実にすべての遊技機の予告報知を終了させることができる。
【0010】
(3) 前記予告報知情報出力手段と前記予告報知情報入力手段とを含む情報通信装置が備えられ(情報通信装置200)、該情報通信装置は、情報通信ポート(情報通信ポート201)から入力された前記予告報知制御情報を前記予告報知情報入力手段に入力する一方、前記予告報知情報出力手段から出力された前記予告報知制御情報を前記情報通信ポートから出力する双方向通信機能を有する(図3、図9参照)。
【0011】
このような構成によれば、予告情報の通信が1方向でなく双方向となるので、予告の種類が一層増え、さらに予告報知に対して遊技者は飽きがこなく、遊技者に特定遊技状態となる期待感を抱かせることができる。
【0012】
(4) 前記予告報知情報入力手段により予告報知情報が入力された際に(S450等参照)前記予告報知を行なうことができる条件が成立しているか否かを判定する予告報知可能状態判定手段(予告報知可能状態判定手段215、S500、S504、S505、S506等参照)を備え、前記予告報知制御手段は、前記予告報知可能状態判定手段により予告報知を行なうことができる条件が成立していると判定されたことに基づき、前記予告報知を前記予告報知手段に実行させる制御を行なう(S508等参照)。
【0013】
このような構成によれば、変動表示が行なわれていない遊技機で、予告報知を行なうことがないため、予告報知の信頼度が増し、遊技者に予告報知に対する期待感を抱かせることができる。
【0014】
(5) 前記予告報知制御手段は、予告報知決定手段により決定された予告報知態様に応じた予告報知を前記変動表示装置に表示させることにより報知させる制御を行なう(図1・図37・図38参照)。
【0015】
このような構成によれば、複数の遊技機において、変動表示装置の表示部により複数種類の予告報知を行うので、予告報知に対して遊技者は飽きがこなく、遊技者に特定遊技状態となるのではないかとの期待感を抱かせることができる。
【0016】
(6) 遊技機における遊技者が視認可能な箇所に設けられ、発光することによって遊技機を装飾する発光装飾部材(ランプ78R,L)を備え、前記予告報知制御手段は、前記予告報知決定手段により決定された予告報知態様に応じた予告報知を前記発光装飾部材を発光させることにより報知させる制御を行なう(図38・図39参照)。
【0017】
このような構成によれば、複数の遊技機において、発光装飾部材を使用し複数種類の予告報知を行うので、光による演出により予告報知に対して遊技者は飽きがこなく、特定遊技状態となる期待感を抱かせることができる。
【0018】
(7) 音声を出力する音声出力手段(スピーカ27)を備え、前記予告報知制御手段は、前記予告報知態様決定手段により決定された予告報知態様に応じた予告報知を前記音声出力手段を用いて音声を出力させることにより報知させる制御を行なう(図40・図42参照)ことを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、複数の遊技機において、音声を使用し複数種類の予告報知が行なえるので、音声による演出により予告報知に対して遊技者は飽きがこなく、特定遊技状態となる期待感を抱かせることができる。
【0020】
(8) 前記予告報知制御手段は、前記予告報知を開始する時期を遅延させて該予告報知を前記予告報知手段により報知させる予告報知遅延手段を含む(タイミング設定手段(遅延手段)213、S401またはS451により決定された遅延時間により、S507で遅延させる)ことを特徴とする。
【0021】
このような構成によれば、予告報知遅延手段が予告報知を開始する時期を遅延させるので、特定遊技状態となる遊技機が遊技者に把握されなくなり、予告報知に対して遊技者に期待感を抱かせることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシンなどであってもよく、所定の始動条件の成立を条件として、複数種類の識別情報を変動表示可能な変動表示装置と、前記始動条件が成立したときに前記変動表示装置の表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段とを備え、該事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記変動表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機であればすべてに適用することが可能である。
【0023】
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1およびこれに対応して設置されたカードユニット50を複数台配置したときの正面図である。
【0024】
カードユニット50には、カード利用可表示ランプ151が設けられており、カードユニット50が使用可能な状態にある旨が、このカード利用可表示ランプ151の点灯または点滅により遊技者に知らされる。このカードユニット50は、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機の間に挿入された状態で設置されており、左右どちらの遊技機に接続されているかが連結台方向表示器153により表示される。なお、図1では、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1のうち、説明の関係上3台のパチンコ遊技機1を示し、説明する。
【0025】
遊技者がカード残高の記録されたプリペイドカードをカード挿入口155に挿入すると、そのプリペイドカードに記録されているカード残高が読取られる。次に、遊技者が所定の貸玉操作を行なうことにより、予め入力設定されている貸出単位額分の残高が減額されるとともに、その貸出単位額分の打玉がパチンコ遊技機1の打玉供給皿3に貸出される。
【0026】
カードユニット50には、端数表示スイッチ152が設けられている。この端数表示スイッチ152を押圧操作することにより、たとえばカード残高やエラーが発生したときのエラーコードなどの情報がパチンコ遊技機1に設けられた情報表示器(図示省略)に表示される。図中156はカードユニット錠であり、このカードユニット錠156に所定のキーを挿入して解錠操作することにより、カードユニット50の前面側を開成できるように構成されている。
【0027】
パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。このガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱自在に取付けられている。また、ガラス扉枠2の下部表面には打玉供給皿3がある。打玉供給皿3の下部には、打玉供給皿3から溢れた玉を貯留する余剰玉受皿4と、遊技者が打玉を操作するための操作ノブ5とが設けられている。
【0028】
操作ノブ5を遊技者が操作することにより、打玉供給皿3内に貯留されている打玉を1個ずつ発射することができる。発射された打玉は、誘導レール29によって遊技領域7内に導かれる。誘導レール29から遊技領域7への出口部分には、弁状の逆流防止部材30が設けられている。この逆流防止部材30によって一旦遊技領域7内に打込まれた打玉が誘導レール29に逆戻りすることが防止される。
【0029】
遊技領域7の中央には、各々が識別可能な複数種類の識別情報の一例となる特別図柄を変動表示させる変動表示装置8が設けられている。
【0030】
この変動表示装置8には、液晶表示器よりなる特別図柄表示部9、普通図柄表示器10、始動記憶表示器18および通過記憶表示器13が設けられている。さらに、変動表示装置8の下方には、始動口(始動入賞口)14が構成された始動用電動役物15と、開閉板20の傾動により打玉の入賞可能な開成状態となる可変入賞球装置19とが設けられている。始動用電動役物15には、可動片が左右に設けられている。また、一般入賞口として、変動表示装置8の上部や、変動表示装置8の左右下方、遊技領域7の下方左右に入賞口24がそれぞれ設けられている。また、打玉が進入可能な通過口11が変動表示装置8の下方左右に設けられている。また、26は、打込まれた打玉がいずれの入賞口24や可変入賞球装置19にも入賞しなかったときにアウト玉として回収するアウト口であり、25は、装飾ランプである。
【0031】
遊技領域7の外周には枠ランプ(遊技効果LED28a)と、賞球の払出し時に点灯する賞球ランプ51と、玉切れ中に点灯する玉切れランプ52とが設けられており、遊技領域7には遊技効果ランプ28b,28cが設けられており、遊技領域7の上部の左右にはステレオ音の音声などの効果音を発生するためのスピーカ27R,27Lが設けられている。
【0032】
なお、特別図柄表示部9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス等その他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。
【0033】
通過口11に進入した打玉は、ゲートスイッチ12で検出される。打玉がゲートスイッチ12で検出されると、通過記憶表示器13に表示されている記憶数が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10の変動表示を開始させることができる状態であれば、普通図柄表示器10の変動表示が開始される。なお、普通図柄表示器10が変動表示している最中にさらに打玉が通過口に進入し、ゲートスイッチ12で検出されたときには、普通図柄表示器10の変動表示を開始させることができない状態であるので、「4」を記憶数の上限として通過玉(乱数値等)が所定の記憶装置に記憶され、その記憶数が通過記憶表示器13においてLEDの点灯数により表示される。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯しているLEDの数を1つ減らす。
【0034】
普通図柄表示器10は、数字等の複数種類の識別情報(普通識別情報)としての普通図柄を変動表示する。そして、その変動表示の表示結果が予め定められた特定の識別情報(たとえば「7」)となった場合は「当り」となり、ソレノイド16が励磁されることによって始動口14を構成している始動用電動役物15に設けられた左右の1対の可動片が1回開成する。これにより始動用電動役物15が開成状態となって打玉がより始動入賞しやすくなる。始動用電動役物15が開成状態にある際に打玉が1つ始動入賞すれば、可動片が元の位置まで閉成して打玉が始動入賞しにくい状態に戻る。また、始動用電動役物15が開成状態となってから所定の開放期間が経過すれば、始動入賞が発生しなくとも可動片が元の位置まで閉成して開成状態は終了する。
【0035】
なお、特別図柄表示部9および普通図柄表示器10により変動表示される識別情報は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。
【0036】
始動口14に入賞(始動入賞という)した始動入賞玉は、遊技盤6に設けられた始動口スイッチ17(図2参照)により検出される。始動入賞玉が始動口スイッチ17で検出されると5個の賞球が払出されるとともに、始動記憶表示器に表示されている記憶数が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。
【0037】
特別図柄表示部9の変動表示を開始させることができる状態であれば、特別図柄表示部9において特別図柄が変動表示を開始させる。なお、特別図柄表示部9が変動表示している最中にさらに打玉が始動口14に入賞し、始動口スイッチ17で検出されたときは、特別図柄表示部9の変動表示を開始させることができない状態であるので、「4」を記憶数の上限として始動入賞玉(乱数値等)が所定の記憶装置に記憶されて、その記憶数が始動記憶表示器18においてLEDの点灯数により表示される。そして、変動表示装置が可変開始される毎に、点灯しているLEDの数を1つ減らす。
【0038】
変動表示装置8の特別図柄表示部9には、左変動表示部、中変動表示部および右変動表示部の3つの変動表示部が設けられている。
【0039】
打玉が始動口14に入賞(始動入賞)したことを条件として、3つの変動表示部において特別図柄の変動表示が一斉に開始される。変動表示(更新表示ともいう)は、各変動表示部において上から下へ特別図柄をスクロールさせることによって行なわれる。所定時間が経過すると、まず、左変動表示部の特別図柄が停止表示される。さらに所定時間が経過すると、次に、右変動表示部の特別図柄が停止表示される。さらに所定時間が経過すると、最後に中変動表示部の特別図柄が停止表示される。この実施の形態では、各変動表示部において表示される特別図柄は、0〜9の10種類の数字である。
【0040】
3つの変動表示部の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せ(たとえば、「333」等のゾロ目。以下大当り図柄ともいう。)となると、「大当り」となり、遊技状態が特定遊技状態(大当たり状態)に移行する。特定遊技状態では、可変入賞球装置19の開閉板20が開成して大入賞口が開口する。これにより、打玉を大入賞口に入賞させることが可能な遊技者にとって有利な第1の状態に制御される。開閉板20はソレノイド21によって駆動される。
【0041】
この実施の形態では、左変動表示部、中変動表示部および右変動表示部の特別図柄は、それぞれ、「0」〜「9」の10通りあって、特別図柄表示部9において「0」から順に特別図柄の表示が変化することによって特別図柄の変動が実現される。なお、特別図柄の変動中において、表示図柄の表示は非連続的に変化してもよい。また、特別図柄の最終停止図柄(確定図柄)が左変動表示部、中変動表示部および右変動表示部で揃った場合に大当りとなり、左変動表示部および右変動表示部が揃った場合にリーチ状態となる。そして、大当りとなる場合において、奇数図柄で揃ったときには、大当り状態終了後に確率変動状態に移行する。また、確率変動状態において、大当りが発生すると、または、特別図柄表示部9の表示結果の導出回数が所定回に達すると確率変動状態は終了し、低確率状態(通常遊技状態)に移行する。ただし、発生した大当りが奇数図柄が揃った大当りの場合には、当該大当り状態が終了した後再度確率変動状態となる。
【0042】
可変入賞球装置19の大入賞口内部には、可変入賞球装置19に入賞した打玉を検出するカウントスイッチ23が設けられている。また、大入賞口内は、特定入賞領域と通常入賞領域とに区分されており、特定入賞領域には、V入賞を検出するVカウントスイッチ22が設けられている。特定入賞領域に入賞した入賞玉はVカウントスイッチ22により検出された後、カウントスイッチ23により検出される。一方、通常入賞領域に入賞した通常入賞玉は大入賞口内においてはカウントスイッチ23のみにより検出される。可変入賞球装置19に入賞した入賞玉がカウントスイッチ23により検出される毎に15個の賞球が払出される。
【0043】
パチンコ遊技機1の背面側には、各入賞口および可変入賞球装置に入賞した入賞玉を所定の入賞経路に沿って導く入賞玉集合カバー(図示省略)が設けられており、この入賞玉集合カバーにより導かれた入賞玉は、入賞玉を1個宛処理する入賞玉処理装置(図示省略)に供給される。入賞玉処理装置には入賞球検出スイッチ(図示省略)が設けられており、これにより、入賞玉処理装置による景品玉の払出しの対象となる入賞玉が検出される。
【0044】
可変入賞球装置19の第1の状態は、大入賞口に進入した打玉の数が所定個数(たとえば10個)に達したとき、または所定期間(たとえば30秒間)経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときに一旦終了して開閉板20が閉成する。これにより、可変入賞球装置19は、打玉を入賞させることが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態に制御される。そして、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に特定入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、その回における可変入賞球装置19の第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度開閉板20が開成されて、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態はラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御の実行上限回数が16回のときには、第1ラウンドから第16ラウンドまでの16ラウンド分、可変入賞球装置19が第1の状態にされ得る。
【0045】
3つの変動表示部の表示結果が特別の識別情報の組合せ(たとえば、「777」の奇数のゾロ目。以下確変大当り図柄ともいう。)となると、「確変大当り」となり、該確変大当りの終了後次に大当りとなる確率が通常遊技状態より高くなる。すなわち、遊技者にとってさらに有利な確率変動状態(特別遊技状態)となる。なお、通常遊技状態とは、特定遊技状態および確率変動状態以外の遊技状態のことをいう。
【0046】
3つの変動表示部の表示結果が大当り図柄でも、確変大当り図柄でもない場合は、「はずれ」となり、遊技状態は変化せずに通常遊技状態のままとなる。
【0047】
また、各変動表示部の変動表示中においては、リーチ状態(リーチ態様、リーチ表示ともいう)が発生する場合がある。
【0048】
ここで、リーチ状態とは、各々が識別可能な複数種類の識別情報が変動表示される変動表示部を備えた変動表示装置を有し、表示画面において前記複数種類の識別情報を可変開始させた後、時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、予め定められた特定の識別情報の組合せとなったときに、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特定の組合せとなる条件を満たしている表示状態をいう。
【0049】
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示状態が変化可能な変動表示部を複数有する変動表示装置における識別情報の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記変動表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、前記特定の識別情報の組合せが表示されやすい変動表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。さらにリーチ状態の中には、そのリーチ状態が出現すると、通常のリーチ状態に比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチ状態をスーパーリーチという。
【0050】
また、リーチ状態とは、変動表示装置が可変開始された後表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、前記特定の識別情報の組合せとなる表示条件から外れていない表示態様をもいう。
【0051】
また、リーチ状態とは、変動表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示部の表示結果の少なくとも一部が前記特定の識別情報の組合せとなる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
【0052】
また、リーチ状態とは、複数の変動表示部における一部の変動表示部において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている変動表示部の表示結果が特定の識別情報の組合せとなる条件を満たしている表示状態をもいう。
【0053】
図2は、遊技制御基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。
図2には、制御基板として、遊技制御基板(主基板ともいう)31、賞球基板37、音声制御基板70、ランプ制御基板35、発射制御基板91および表示制御基板80が示されている。
【0054】
賞球基板37、音声制御基板70、ランプ制御基板35および発射制御基板91にはマイクロコンピュータ等が搭載されており、表示制御基板80には、表示制御用マイクロコンピュータ81等が搭載されている。各基板には、たとえば、CPUやI/Oポートが設けられている。
【0055】
賞球基板37には、球払出装置97およびカードユニット50が接続される。音声制御基板70には、スピーカ27が接続される。ランプ制御基板35には、遊技効果LED28a、賞球ランプ51、玉切れランプ52、遊技効果ランプ28b,28cおよび通過記憶表示器13が接続される。発射制御基板91には、操作ノブ(打球操作ハンドル)5と打球ハンマー(図示省略)を駆動する駆動モータ94とが接続される。駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。表示制御基板80には、普通図柄表示器10および特別図柄表示部9が接続される。
【0056】
遊技制御基板31には、遊技制御用のプログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53と、スイッチ回路58と、ソレノイド回路59と、ランプ・LED回路60と、情報出力回路64と、初期リセット回路65と、アドレスデコード回路67とが設けられている。
【0057】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、遊技制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、タイマ割込みにしたがって、ROM54に記憶されている遊技用制御プログラムを定期的(たとえば2msec毎)に先頭から繰返し実行する。
【0058】
スイッチ回路58は、各種スイッチからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える回路である。スイッチ回路58には、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、および入賞球検出スイッチ99等が接続される。
【0059】
ソレノイド回路59は、始動用電動役物15の左右に設けられた可動片を動作させるソレノイド16および可変入賞球装置19の開閉板20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する回路である。
【0060】
ランプ・LED回路60は、始動記憶表示器18、および装飾ランプ25の点灯および滅灯を制御する回路である。
【0061】
情報出力回路64は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、確変大当りが発生し確率変動状態となっていることを示す確変情報、大当りが発生し特定遊技状態となっていることを示す大当り情報、および始動入賞のうち特別図柄表示部9の変動表示に有効に使用される始動入賞の発生を示す始動入賞情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する回路である。
【0062】
初期リセット回路65は、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ53をリセットする回路である。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、初期リセット回路65から送られてきた初期リセットパルスに応答してパチンコ遊技機1を初期化する。
【0063】
アドレスデコード回路67は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート57のうちのいずれかのポートを選択するための信号を出力する回路である。
【0064】
遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータ、音声制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータ、ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータおよび表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81には、指令情報の一例となるコマンドが送信される。
【0065】
遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに伝送されるコマンドには、賞球の払出制御に関する指令情報としてのコマンドと、貸玉の払出制御に関する指令情報としてのコマンド(たとえば、玉貸し禁止コマンド、玉貸し禁止解除コマンド等)とが含まれる。
【0066】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、大当りあるいは入賞等の発生に基づき所定の音声制御コマンドを音声制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータへ出力する。音声制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータでは、音声制御コマンドに基づいて所定の効果音をスピーカ27から出力させる制御が行なわれる。
【0067】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、大当りあるいは入賞等の発生に基づき、所定のランプ制御コマンドをランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータへ出力する。ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータでは、ランプ制御コマンドに基づく上記電気的装飾部品の点灯制御が行なわれる。
【0068】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、入賞球検出スイッチ99の検出信号と始動口スイッチ17の検出信号、Vカウントスイッチ22の検出信号、カウントスイッチ23の検出信号に基づいて所定個数の景品玉を払出すための賞球信号を賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに出力する。賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータでは、その出力されてきた賞球信号に基づいて球払出装置を制御して所定個数の景品玉を払出すための制御を行なう。具体的には、可変入賞球装置19の大入賞口に入賞した入賞玉については1個の入賞玉につきたとえば15個の景品玉が払出され、始動入賞口14に入賞した入賞玉については1個の入賞玉につきたとえば5個の景品玉が払出され、その他の入賞口24に入賞した入賞玉については入賞玉1個につきたとえば10個の景品玉が払出されるように制御される。
【0069】
このような3種類の個数の景品玉を払出制御するべく、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、次のような制御動作を行なう。始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23からの検出信号が入力されると、その検出信号を賞球の払出個数決定の際に用いる払出個数決定用データとして、スイッチに応じた賞球の払出個数別に一時的に内部に記憶する。その後、入賞球検出スイッチ99からの検出信号が入力されれば、その入力以前に始動口スイッチ17からの検出信号があったかどうかを払出個数決定用データを参照することによって判断し、あったときには遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53は賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに対し「5」の賞球個数を払出指令するための賞球指令信号を出力する。一方、入賞球検出スイッチ99からの検出信号があったときに、それ以前にVカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23からの検出信号があったときには、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53は、「15」の賞球個数の賞球指令信号を賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに出力する。さらに、入賞球検出スイッチ99からの検出信号があったときにおいて、それ以前に始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23のいずれからも検出信号が入力されていなかったときには、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、「10」の賞球個数を払出し指令するための賞球指令信号を賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに出力する。
【0070】
遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに送られた賞球指令信号により賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータは、球払出装置97を駆動して賞球指令信号により特定される個数の賞球を払出す制御を行なう。
【0071】
図3は、表示制御基板80内の回路構成を、画像表示を実現するLCD9とともに示すブロック図である。
【0072】
RAM101aを内蔵する表示制御用CPU101は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、遊技制御基板31から入力バッファ回路105における入力バッファ105aを介してストローブ信号としての表示制御信号INT(割込信号ともいう)が入力されると表示制御用CPU101が割込動作状態となって表示制御用のコマンドデータを取込む。そして、取込んだ表示制御コマンドデータに従って、LCD9に表示される画像の表示制御を行なう。制御データROM102には、変動表示の表示パターンに関するデータ等の表示制御用のデータが各種記憶されている。
【0073】
具体的には、表示制御用CPU101は、表示コマンドデータと図柄変動データの初期画面の識別番号を制御データROM102から読出し、VDP103に送信する。VDP103は、表示画面の識別番号に応じて、表示画面における画像の配置関係を示すマップデータをVRAM87に記憶させる。VRAM87に記憶されたマップデータには、制御データROM102に格納された図柄制御用プログラムに従い、図柄の拡大、縮小、回転、反転、座標等の情報が付加される。VDP103は、所定のタイミングでVRAM87からマップデータを読み出し、マップデータに含まれる各画像の識別番号に基づいて、キャラクタROM86から各画像のドットデータを読み出す。次に、VDP103は、読み出したドットデータに着色処理を行ない画像表示信号を生成する。そして、VDP103は、生成した画像信号をD−A変換回路104で変換したアナログのRGB信号と、複合同期信号SYNCをLCD9に送信する。LCD9は、送信されてきたRGB信号と複合同期信号SYNCに基づいてLCD9に画像を表示する。
【0074】
なお、図3には、VDP103をリセットするためのリセット回路83、VDP103に動作クロックを与えるための発振回路85、使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM86、および表示制御コマンドデータを入力する入力バッファ回路105も示されている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の高い画像データとは、たとえば、LCD9に表示される人物、動物または文字、図形もしくは記号等からなる画像などである。
【0075】
表示制御用CPU101は、表示制御コマンドデータを記憶しておくためのRAM101aを内蔵しており、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御コマンドを受信すると、各変動パターンにおいて予め決められている背景やキャラクタを画面上で移動表示する制御を行なう。なお、予め決められているタイミングで背景やキャラクタの切換も行なわれるが、それらも表示制御用CPU101が独自に制御する。
【0076】
また、表示制御基板80側において表示制御コマンドが入力される入力バッファ回路105は、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81へ向かう方向にのみ信号の伝送を許容するが表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53へ向かう信号の伝送を行なわない不可逆性入力手段である。入力バッファ回路105を構成する入力バッファ105aとして、たとえば、汎用のCMOS−ICである74HC244が2チップ用いられる。この入力バッファ105aのイネーブル端子には常にローレベル(GNDレベル)が与えられている。このような構成によれば、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53に信号が与えられる可能性を確実になくすことができる。従って、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53に信号が伝わる余地はなく、表示制御コマンドの伝送経路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータに伝わることはない。このため、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53と表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81との間の信号の一方向通信が担保され、表示制御コマンドの伝送経路を介して遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53に不正な信号(データ)を入力させて不正な制御動作を行なわせる不正行為を確実に防ぐことができる。また、不可逆性入力手段は、バッファIC回路で構成されているために、比較的容易に遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53への不正情報の入力を阻止できる。なお、不可逆性入力手段として、個別のトランジスタ等の他の回路素子を設けてもよい。
【0077】
また、遊技制御基板31側において表示制御コマンドが出力される出力バッファ回路63も同様に、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81へ向かう方向にのみ信号の伝送を許容するが、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53へ向かう信号の伝送を行なわない不可逆性を有する出力インターフェースである。従って、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53に信号が伝わる余地はなく、表示制御コマンドの伝送経路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53に伝わることはない。
【0078】
表示制御基板80には、さらに、情報通信装置200が設けられている。この情報通信装置200は、隣接するパチンコ遊技機1に対して後述する予告コマンドや予告終了コマンドを送受信するための装置である。本実施の形態では、遊技機設置島に設置されているパチンコ遊技機1のいずれか1つにおいて大当りを発生させることが事前決定され、しかもその大当りが発生する予告報知を当該遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1において行なうことが決定されたときには、後述する図37〜図42等で説明するように、当該遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1において大当りの予告報知をするように構成されている。図3に示す制御回路のパチンコ遊技機1において、大当りを発生させることが事前決定されかつ複数台のパチンコ遊技機1において大当り予告を行なうことが決定されたときには、後述する複数台予告コマンドが遊技制御基板31から表示制御基板80へ送信され、その複数台予告コマンドにしたがって表示制御用CPU101は、予告コマンドを情報通信装置200内の出力回路202、情報通信ポート201を介して隣接するパチンコ遊技機1に送信される。
【0079】
一方、この図3に示すパチンコ遊技機1に隣接するパチンコ遊技機1から前述した予告コマンドが送信されてくれば、その予告コマンドが情報通信ポート201、入力回路203を介して表示制御用CPU101へ入力される。表示制御用CPU110は、その入力信号があったときには、予告コマンドを出力回路202、情報通信ポート201を介して、前記予告コマンドが送られてきたパチンコ遊技機1とは異なる側の隣接するパチンコ遊技機1へ送信する。その結果、この予告コマンドが、隣接するパチンコ遊技機同士順次送信されてゆき、当該遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1すべてに送信される状態となる。
【0080】
また、複数台のパチンコ遊技機での予告報知を終了させるための後述する予告終了コマンドも、前述した予告コマンドと同様に、隣接するパチンコ遊技機へ順次送信されるように構成されている。
【0081】
図4は、各ランダムカウンタの説明図である。この実施の形態では、複数種類の乱数の生成に複数種類のランダムカウンタが用いられている。図4のR1〜R8、R11の各ランダムカウンタは、遊技制御用マイクロコンピュータ53によって加算更新されるものであり、遊技制御用プログラムが定期的に実行される毎(具体的には2msec毎)、または遊技制御用プログラムが定期的に実行される毎および割込み処理余り時間にその値が「1」ずつ加算更新される。R9、R10は、表示制御用マイクロコンピュータ81によって表示制御用プログラムが定期的に実行される毎(具体的には2msec毎)にその値が「1」ずつ加算更新される。図10、図11に基づいて後述するように、2msec毎にタイマ割込みによりS21〜S36の処理がなされた後S15〜S18の処理が無限ループで実行される。この無限ループの実行は前記S21〜S36の処理がなされた後次の割込み処理がなされるまでの残り時間を利用してなされる。この後次の割込み処理がなされるまでの残り時間が「割込み処理余り時間」である。
【0082】
R1は、表示結果を大当りとするか否かをランダムに決定するために用いられるランダムカウンタであり、「0」〜「316」の範囲内で、2msec毎に「1」ずつ加算更新される。その上限である「316」まで達すると再度「0」から加算更新されるものである。
【0083】
R2−1、R2−2およびR2−3は、R1により、はずれが事前決定された場合に、変動表示部において行なわれる変動表示の表示結果としてのはずれ図柄を事前決定するために用いられるランダムカウンタである。R2−1は、「0」〜「9」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「9」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。
【0084】
R2−2は、R2−1の桁上げ毎に「1」加算更新して、その上限である「9」に達すると再度「0」から加算更新されるものである。
【0085】
R2−3は、R2−2の桁上げ毎に「1」加算更新して、その上限である「9」に達すると再度「0」から加算更新されるものである。
【0086】
決定されたはずれ図柄が偶然ゾロ目となってしまった場合は、R2−2の抽出値(カウント値)に「1」が加算され、強制的にはずれ図柄とされる。本実施の形態では、ランダムカウンタのカウント値を乱数または乱数値とも表現する。
【0087】
R3は、R1により、大当りが事前決定された場合に、変動表示部において行なわれる変動表示の表示結果としての大当り図柄を決定するために用いられるランダムカウンタである。「0」〜「9」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「9」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。R3より抽出されたカウント値が偶数である場合は、前述した大当り図柄となり、奇数である場合は、確変大当り図柄となる。
【0088】
R4は、変動表示の際の変動種類(変動パターン)を決定するために用いられるランダムカウンタであり、「0」〜「149」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「149」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。なお、変動パターンについては、R1(大当り決定用)、R2(はずれ図柄決定用)、R3(大当り図柄決定用)より抽出されたカウント値によって利用するテーブルの種類が決まり、R4(変動パターン決定用)より抽出された値により対応する変動パターンが決定される。
【0089】
R5は、R1により、はずれが事前決定された場合に、リーチ状態を発生させるか否かを決定するために用いられるランダムカウンタであり、「0」〜「13」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「13」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。
【0090】
R6は、普通図柄表示器10を特定の識別情報(たとえば「7」)にするか否か、すなわち普通図柄の当りはずれを決定するために用いられるランダムカウンタであり、「3」〜「13」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「13」まで加算更新された後再度「3」から加算更新されるものである。
【0091】
R7は、R1の初期値を決定するために用いられるランダムカウンタであり、「0」〜「316」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「316」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。
【0092】
R8は、R6の初期値を決定するために用いられるランダムカウンタであり、「3」〜「13」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「13」まで加算更新された後再度「3」から加算更新されるものである。
【0093】
R9は、大当りが発生する旨の予告演出を行なう場合に予め定められた複数種類の予告演出パターン(図7に示す10種類の予告演出パターン)のなかからどの予告演出パターンを選択して実行するかを決定するために用いられるランダムカウンタであり、「0」〜「11」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「11」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。「予告演出パターン」とは、後に詳しく説明するが、或るパチンコ遊技機1において大当り状態の発生が事前決定された場合に、当該パチンコ遊技機1が属する遊技機設置島に設置された複数台のパチンコ遊技機1…により行なわれる大当りが発生する旨の予告演出の演出態様のことであり、たとえば、図37に示す亀や小魚やイルカ等の予告キャラクタが隣接する複数台(たとえば3台)のパチンコ遊技機1、1、1間で移動表示する演出パターン、図39に示すランプが隣接する複数台(たとえば3台)のパチンコ遊技機1、1、1間であたかも波が移動するように順次点灯移動する演出パターン等がある。
【0094】
R10は、大当りが発生する旨の予告演出を行なう場合にその予告演出の開始時期を遅延させる遅延時間を決定するために用いられるランダムカウンタであり、「0」〜「4」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「4」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。この遅延時間については後に詳しく説明する。
【0095】
R11は、大当りが発生する旨の予告演出を複数台のパチンコ遊技機で行なうか否かをランダムに決定するための複数台予告決定用ランダムカウンタであり、「0」〜「4」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「4」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。
【0096】
以上に示したランダムカウンタは、ランダムカウンタ毎に定められた抽出条件の成立に応じてランダムなタイミング(たとえば始動入賞発生時等)でカウント値が抽出される。これにより、各ランダムカウンタから抽出されたカウント値は、ランダムな値になる。
【0097】
図5は、大当り判定処理で用いられる大当り決定用テーブルの一例およびリーチ判定処理で用いられるリーチ状態決定用テーブルの一例を示す説明図である。
【0098】
図5(A)に示すように、この実施の形態では、低確率時(非確変時)では大当り決定値は「3」であり、高確率時(確変時)では大当り決定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」である。また、図5(B)に示すように、低確率時(非確変時)ではリーチ状態決定値は「0」、「1」、「11」であり、高確率時ではリーチ状態決定値は「0」、「1」、「7」、「9」、「11」、「12」である。従って、高確率時には、低確率時に比べて大当り状態およびリーチ状態が生じやすくなっている。
【0099】
図6は、この実施の形態で用いられる変動パターンを示す説明図である。
図6において、「EXT」とは、2バイト構成の表示制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。つまり、特別図柄の各変動パターンと表示制御コマンドとは1対1に対応付けられている。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の変動表示期間)を示す。
【0100】
図6の「大当り用テーブル」は、大当りを発生させることが事前決定されているときに参照されるテーブルである。「リーチはずれ用テーブル」は、はずれが事前決定されかつリーチにすることが事前決定されているときに参照されるテーブルである。「はずれ用テーブル」は、はずれが事前決定されかつリーチを発生させないことが事前決定されているときに参照されるテーブルである。
【0101】
「大当り用テーブル」、「リーチはずれ用テーブル」、「はずれ用テーブル」の各列に示された数字は、図4に示された変動パターン決定用ランダムカウンタR4のカウント値を抽出しその抽出値がどの数値範囲に属するかを判別するための判別範囲を示したものである。たとえば、はずれが事前決定されておりかつリーチにしないことが事前決定されているときには、「はずれ用テーブル」が参照され、「0〜149」の範囲内でカウントする変動パターン決定用のランダムカウンタR4の抽出値がこの「0〜149」の範囲内に属すれば(必ず属することになる)、変動パターンとして「通常変動」が選択決定され、その通常変動が特別図柄表示部9により表示されることとなる。この「通常変動」は、リーチ状態を伴わない変動パターンである。
【0102】
図6には、8種類のリーチの変動パターンが示されている。この8種類のリーチ変動パターンは、ノーマルリーチとスーパーリーチとに大きく分類することができる。ノーマルリーチとスーパーリーチとの相違点は、前者が大当り発生に対する信頼度が低くそれほど複雑な演出表示を行なうことなく比較的短時間に表示結果が導出表示されるものであるのに対し、後者は、大当りに対する信頼度が高くキャラクタ等が出現されて遊技者の大当りに対する期待感を盛り上げるための凝った演出制御がなされるリーチ変動パターンである。
【0103】
また、図6に示すリーチ変動パターンは、はずれが事前決定されているときに表示されるリーチ変動パターンと大当りを発生させることが事前決定されているときに表示されるリーチ変動パターンとにも分類することができる。図6に括弧書きではずれと記載されているリーチ変動パターンが前者に属し、括弧書きで大当りと記載されているリーチ変動パターンが後者に属する。
【0104】
さらに、ノーマルリーチおよびスーパーリーチともに、AとBとの2種類存在し、それぞれ演出動作のパターンが異なるように構成されている。
【0105】
この図6のテーブルを参照して、変動パターン決定用ランダムカウンタR4の抽出値(カウント値)がどの数値範囲に属するかに応じてリーチ変動パターンの種類が選択決定される。たとえば、大当りを発生させることが事前決定されかつ変動パターン決定用ランダムカウンタR4の抽出値(カウント値)がたとえば「25」の場合には、「大当り用テーブル」の「15〜29」の数値範囲が参照されて、変動パターン番号「7」のノーマルリーチB(大当り)が選択決定されることとなる。また、はずれが事前決定されているときでかつ変動パターン決定用ランダムR4の抽出値(カウント値)がたとえば「10」であったときには、「リーチはずれ用テーブル」の「0〜19」の数値範囲が参照されて、変動パターン番号「2」のノーマルリーチA(はずれ)が選択決定されることとなる。
【0106】
なお、この実施の形態では、高確率時(確変中)でも低確率時(非確変中)でも変動パターン1〜9の変動パターンが用いられるが、高確率時には変動パターン1〜9のそれぞれの変動時間を短くするようにしてもよい。また、高確率時に用いられる変動パターン群(使用されうる複数の変動パターン)と低確率時に用いられる変動パターン群とを別にしてもよい。
【0107】
図7は、予告演出パターンの決定に用いられる予告演出パターン決定用テーブルの一例を示す説明図である。
【0108】
図7に示すように、予告演出パターンは、R9から抽出されたカウント値により決定され、R9から抽出されたカウント値である抽出値が「0」〜「2」のときは、画像による予告演出パターンが決定され、抽出値が「3」のときは、画像とランプによる予告演出パターンが決定され、抽出値が「4」または「5」のときは、ランプによる予告演出パターンが決定され、抽出値が「6」または「7」のときは、音による予告演出パターンが決定され、抽出値が「8」のときは、役物による予告演出パターンが決定され、そして抽出値が「9」のときは、役物と音による予告演出パターンがそれぞれ決定される。
【0109】
図8は、遅延時間の決定に用いられる遅延時間決定用テーブルの一例を示す説明図である。
【0110】
図8に示すように、遅延時間は、R10から抽出された抽出値が、「0」の時は0秒、「1」の時は2秒、「2」の時は4秒、「3」の時は6秒、「4」の時は8秒とそれぞれ決定される。
【0111】
図9は、複数台のパチンコ遊技機で大当りが発生する旨の予告演出を行なうための機能を説明する機能ブロック図である。パチンコ遊技機1には、遊技制御基板31で構成された遊技制御手段と、表示制御基板80で構成された表示制御手段と、予告報知手段207とが備えられている。
【0112】
遊技制御手段(遊技制御基板)31には、変動表示装置8を変動表示させるための変動表示条件が成立したか否かを判定する変動表示条件成立判定手段204が備えられている。これは、前述した始動口スイッチ17からの始動入賞玉検出信号に基づいて、変動表示装置8を変動表示させる条件が成立したか否かを判定するものである。変動条件成立判定手段204が変動条件の成立を判定したときには、大当り事前決定手段205が大当りにするか否かを事前決定する。これは、前述したランダムカウンタR1の抽出値(カウント値)が大当り判定値と一致するか否かに基づいて行なわれる。この決定結果に従って、表示結果決定手段206が変動表示装置8の特別図柄表示部9の表示結果である予定停止図柄をランダムカウンタR2−1〜R2−3の抽出値(カウント値)に基づいて決定する。
【0113】
上述した大当り事前決定手段205の事前決定結果および表示結果決定手段206の予定停止図柄の決定結果は、遊技制御基板31から表示制御基板80へ、表示制御用の各種コマンドが送信される。大当り事前決定手段205が大当りにする旨の決定を行なった場合には、その旨のコマンドが表示制御基板80の予告報知態様決定手段209へ与えられる。また、遊技制御手段は、前述したランダムカウンタR11の抽出値(カウント値)に基づいて複数台で予告報知(大当りが発生する旨の予告演出)をするか否かを決定するとともに、複数台で予告報知(大当りが発生する旨の予告演出)をすることを決定した場合には、後述するように複数台予告コマンドを表示制御手段80へ送信する。その複数台予告コマンドにしたがって予告報知態様決定手段209は、予告報知(大当りが発生する旨の予告演出)の態様を予告演出パターン決定用のランダムカウンタR9の抽出値(カウント値)に基づいてランダムに決定する。その決定された予告演出パターン(予告報知態様)が特定表示結果判定時予告報知制御手段210に与えられる。すると、特定表示結果判定時予告報知制御手段210は予告報知制御のための指令をタイミング設定手段(遅延手段)213に与える。タイミング設定手段(遅延手段)213は、大当りの予告報知(大当りが発生する旨の予告演出)をランダムな時間遅延させる制御を行なうものである。これは、遅延時間決定用のランダムカウンタR10の抽出値(カウント値)に基づいて図8に示す遅延時間のテーブルを参照し、抽出値(カウント値)に相当する遅延時間を検索してその遅延時間だけ予告報知の開始を遅延させる。その遅延時間が経過したか否かがタイミング判定手段214により判定され、遅延時間が経過して予告報知タイミングが到来したことが判定されたときに、予告報知可能状態判定手段215が現在予告報知できる状態か否かを判定し、予告報知できる状態と判定されたときに、予告報知態様決定手段209で決定された予告演出パターンで予告報知手段207による予告報知を行なわせる。前述した複数台による予告報知(大当りが発生する旨の予告演出)を行なう旨の決定が遊技制御手段31により行なわれたときには、前記決定された予告演出パターン(予告報知態様)が予告報知情報出力手段208へ与えられ、その決定された予告演出パターンを特定可能な予告報知制御情報とともに予告コマンドが前述したように隣接するパチンコ遊技機1へ送信される。その予告コマンドは、前述したように、情報通信装置200に備えられている情報通信ポート201を介して送信される。
【0114】
一方、隣接する他のパチンコ遊技機1から予告コマンドが情報通信ポート201を介して予告報知情報入力手段211に入力されれば、その入力コマンドに従って予告制御情報入力時予告報知制御手段212が予告報知制御のための指令をタイミング設定手段(遅延手段)213へ与える。タイミング設定手段(遅延手段)213は、前述と同様に、遅延時間決定用のランダムカウンタR10の抽出値(カウント値)に基づいて図8に示す遅延時間のテーブルを参照し、抽出値(カウント値)に相当する遅延時間を検索してその遅延時間だけ予告報知の開始を遅延させる。その遅延時間が経過したか否かがタイミング判定手段214により判定され、遅延時間が経過して予告報知タイミングが到来したことが判定されたときに、予告報知可能状態判定手段215が現在予告報知できる状態か否かを判定し、予告報知できる状態と判定されたときに、予告報知手段207による予告報知を行なわせる。
【0115】
タイミング設置手段213およびタイミング判定手段214は、前述した大当り予告演出の開始タイミングをランダムに遅延させる機能を有するばかりでなく、予告報知態様決定手段209により決定された予告報知態様が、たとえば、図7に示した予告キャラクタ同時出現演出や予告キャラクタ台間移動演出等であった場合には、遅延時間を一律に「0」に設定する一律ゼロ設定機能をも有している。また、情報通信装置200は、予告報知態様決定手段209により決定された予告報知態様が、たとえば、図7に示す予告キャラクタ台間移動演出の予告報知態様であった場合には、後に詳細するが、予告キャラクタが隣接するパチンコ遊技機1の変動表示装置9に移動表示されるタイミングがくるまで予告コマンドの送信を遅延させ、タイミングがきた段階で予告コマンドの送信を行なうという送信遅延機能を有している。
【0116】
この予告報知可能状態判定手段215は、後に詳しく説明するが、始動口14へのパチンコ玉の始動入賞に伴う保留記憶が存在しないときでかつ特別図柄表示部9が変動表示していないときには、予告報知できる状態ではないと判断して、予告報知制御を行なわない。これは、保留記憶が存在せずかつ現在特別図柄表示部9が変動表示していないときには、当該パチンコ遊技機において大当りが発生する筈がないのであり、そのような大当りの可能性が全くないときに大当り予告をする矛盾を防止するためである。
【0117】
また、タイミング設定手段(遅延手段)213による遅延制御を行なうことにより、遊技機設置島に設置された複数台のパチンコ遊技機1での大当り予告が開始される時期がランダムとなり、大当り予告の開始時期を手がかりに大当りが発生するパチンコ遊技機1が遊技者に見破られてしまうことによる興ざめを防止することができる。
【0118】
予告報知手段207は、変動表示装置8の特別図柄変動表示部9により、後述するようなキャラクタを出現させたり背景表示を変化させたりあるいは表示図柄の変化等により、予告報知(大当りが発生する旨の予告演出)を行なう。またそれに加えて、ランプやLED等の装飾部材の点灯さらにはスピーカ等の音声出力手段により、予告報知(大当りが発生する旨の予告演出)を行なうようにしてもよい。
【0119】
なお、この図9では、予告報知制御手段として、特別表示結果判定時予告報知制御手段210と予告制御情報入力時予告報知制御手段212とを別々に示したが、特定表示結果判定時の場合と予告制御情報入力時の場合とで本実施の形態においては予告報知態様が同じであるために、実際の制御プログラム(図28(b)参照)においては、両者を区別することなく共通のプログラムステップにより予告報知制御を行なっている。また、情報通信装置200は、隣接する左側のパチンコ遊技機1から予告コマンドまたは予告終了コマンドが送信されてきたときには隣接する右側のパチンコ遊技機1へ予告コマンドまたは予告終了コマンドを送信し、隣接する右側のパチンコ遊技機1から予告コマンドまたは予告終了コマンドが送信されてきたときには隣接する左側のパチンコ遊技機1へ予告コマンドまたは予告終了コマンドを送信するように、双方向通信機能を備えている。また、遊技機設置島の端部に設置されたパチンコ遊技機1の場合には、片方にしか隣接するパチンコ遊技機1が存在しない。その場合には、情報通信装置200が、片方のパチンコ遊技機1にしか配線接続されていないことを感知し、片方のパチンコ遊技機1から予告コマンドまたは予告終了コマンドが送信されてきたときにはその同じ片方のパチンコ遊技機1へ折返し予告コマンドまたは予告終了コマンドを送信する折返し送信機能を有している。なお、遊技機設置島は一方面と他方面との両面にパチンコ遊技機1…が設置されており、遊技機設置島の端部に設置された前記一方面と他方面との2台のパチンコ遊技機1、1同士を配線接続して、遊技機設置島のパチンコ遊技機1…全体をループ状に接続してもよい。その場合には、前述の折返し送信は行なわれないこととなる。
【0120】
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【0121】
まず、ステップS(以下単に「S」という)1において、制御処理の実行のための初期設定を行なう処理が行なわれる。
【0122】
次に、S7において、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチの出力信号の状態を1回だけ確認する。その確認においてオンを検出した場合には、S11〜S14において、CPU56は、通常の初期化処理を実行する。
【0123】
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、S8において、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この実施の形態では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0124】
バックアップありを確認したら、S9において、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう。S9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0125】
チェック結果が正常であれば、S10において、CPU56は、遊技制御基板31の内部状態と表示制御基板80等の電気部品制御基板の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0126】
初期化処理では、まず、S11において、CPU56は、RAMクリア処理を行なう。また、S12において、所定の作業領域(たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄判定用バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行なう。さらに、S13において、サブ基板(この実施の形態では賞球基板37、音声制御基板70、ランプ制御基板35、発射制御基板80および表示制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に搭載されたマイクロコンピュータに送信する処理を実行する。初期化コマンドとして、特別図柄表示部9に表示される初期図柄を示すコマンドや賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
【0127】
そして、S14において、2msec毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行なわれる。すなわち、初期値として2msecに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0128】
S11〜S14の初期化処理の実行が完了すると、S16において表示用乱数更新処理およびS17において初期値用乱数更新処理が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには、S15において、割込禁止状態とされ、前述した表示用のランダムカウンタR2−1、R4、R5のカウント値を更新させる処理および初期値決定用のランダムカウンタR7、R8のカウント値を更新させる処理の実行が終了すると、S18において、割込許可状態とされる。表示用のランダムカウンタとは、特別図柄表示部9に表示される特別図柄を決定するために用いられるランダムカウンタである。また、初期値決定用のランダムカウンタとは、大当りとするか否かを決定するために用いられるランダムカウンタR1と前述した普通図柄の当りはずれを決定するために用いられるランダムカウンタR6とのカウント値の初期値を決定するために用いられるランダムカウンタである。後述する遊技制御メイン処理(図10参照)において、大当り決定用ランダムカウンタR1や普通図柄の当りはずれ決定用ランダムカウンタR6のカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0129】
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S16の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S16の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0130】
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される2msecタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【0131】
タイマ割込が発生すると、S21において、CPU56は、レジスタの退避処理を行った後、S22〜S36の各ステップの処理(以下、これを「遊技制御処理」という)を実行する。まず、S22において、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22および入賞球検出スイッチ99等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう。
【0132】
次に、S23において、遊技制御に用いられる大当り決定用の乱数等の各判定用乱数を発生するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう。S24において、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行ない、S25において、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう。
【0133】
S26において、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。S27において、普通図柄プロセス処理を行なう。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0134】
S28において、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを表示制御基板80へ送信する処理(特別図柄コマンド制御処理)を行なう。特別図柄に関する表示制御コマンドとは、具体的には、後述する複数台予告コマンドと入賞コマンドである。入賞コマンドには、確変を伴わない通常の大当りになることを指定する大当り入賞指定コマンド、確変大当りになることを指定する確変大当り入賞指定コマンド、リーチ状態になることを指定するリーチ入賞指定コマンドがある。次に、S29において、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送信する処理(普通図柄コマンド制御処理)を行なう。
【0135】
S30において、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される前述した大当り情報、始動入賞情報、確率変動情報等を出力する情報出力処理を行なう。
【0136】
S31において、CPU56は、入賞球検出スイッチ99の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する。具体的には、入賞球検出スイッチ99がオンしたことに基づく入賞検出に応じて、賞球基板37に搭載されている賞球基板37に、賞球個数を払出指令するための賞球指令信号を出力する。賞球基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0137】
そして、S32において、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。具体的には、始動入賞があったことを示す入賞ありフラグが後述するS51でセットされているか否かが参照され、また、後述する入賞コマンドとしてS63によりセットされてRAM55の入賞時演出用バッファとして定められている領域に格納されているデータが参照される。また、S33において、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。さらに、S34において、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行なう。始動用電動役物15または開閉板20を開成状態または閉成状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切替たりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動する。その後、S35において、レジスタの内容を復帰させ、S36において、割込許可状態に設定する。
【0138】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msec毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では、たとえば、割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理は図10の遊技制御メイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0139】
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【0140】
図12に示す特別図柄プロセス処理は、図11のフローチャートにおけるステップS26の具体的な処理である。S150において、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう際に、変動短縮タイマ減算処理を行なう。本実施の形態においては、特別図柄表示部9の保留記憶数がその上限(たとえば「4」)に近かづいたとき等に特別図柄表示部9の変動時間を短縮させる特図時短制御を行ない保留記憶数を早期に消化(減少)させて、保留記憶数の上限を越えた始動入賞が無視されてしまうことを減少できるように構成されている。変動短縮タイマは、この特図時短制御時に特別図柄表示部9の変動時間を短縮させるために用いられるタイマである。次に、S151において、遊技盤6に設けられている始動口14に打玉が入賞したことを検出するための始動口スイッチ17がオンしているか否かの判断を行なう。始動口スイッチ17がオンしていたら、すなわち打玉が始動口14に入賞する始動入賞が発生していたら、S152において、始動口スイッチ通過処理を行った後に、内部状態に応じて、S153〜S161のうちのいずれかの処理を行なう。始動口スイッチ17がオンしていない場合にはS152の処理を行なうことなく内部状態に応じて、S153〜S161のうちのいずれかの処理を行なう。
【0141】
S153において、特別図柄通常処理が行なわれる。特別図柄通常処理では、特別図柄の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、変動表示の結果を大当りとするか否かを決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS154(特別図柄停止図柄設定処理)に移行するように更新する。
【0142】
S154において、特別図柄停止図柄設定処理が行なわれる。特別図柄停止図柄設定処理では、特別図柄の変動表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS155(変動パターン設定処理)に移行するように更新する。
【0143】
S155において、変動パターン設定処理が行なわれる。変動パターン設定処理では、特別図柄の変動表示の変動パターン(変動表示態様)を、R4の値に応じて決定する。表示制御基板80に搭載している表示制御用マイクロコンピュータ81に対して、最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS156(特別図柄変動処理)に移行するように更新する。
【0144】
S156において、特別図柄変動処理が行なわれる。特別図柄変動処理では、所定時間が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS157(特別図柄停止処理)に移行するように更新する。
【0145】
S157において、特別図柄停止処理が行なわれる。特別図柄停止処理では、特別図柄表示部9において表示される全図柄が停止表示されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す表示制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS158(大入賞口開放前処理)に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS153に移行するように更新する。
【0146】
S158において、大入賞口開放開始処理が行なわれる。大入賞口開放開始処理では、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS159(大入賞口開放中処理)に移行するように更新する。
【0147】
S159において、大入賞口開放中処理が行なわれる。大入賞口開放中処理では、大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドを表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS160(特定領域有効時間処理)に移行するように更新する。
【0148】
S160において、特定入賞領域有効時間処理が行なわれる。特定入賞領域有効時間処理では、Vカウントスイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS158(大入賞口開放前処理)に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS161(大当り終了処理)に移行するように更新する。
【0149】
S161において、大当り終了処理が行なわれる。大当り終了処理では、後述のS98によりONされた大当りフラグをOFFにするとともに、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS153(特別図柄通常処理)に移行するように更新する。
【0150】
図13は、始動入賞が生じたときに実行される前述した始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【0151】
始動口スイッチ通過処理では、まず、S41において、CPU56は、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する。4に達している場合にはそれ以上記憶できないために始動口スイッチ通過処理を終了する。始動入賞記憶数が4に達していなければ、S42において、始動入賞記憶数を1増やし、S43において、ランダムカウンタR1〜R5の各カウント値が抽出され、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する。S44において、変動時間を短縮させるか否かの判定を行なうタイマをセットする。そして、S45において、入賞時演出設定処理を実行する。
【0152】
図14は、入賞時演出設定処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、まず、S51において、CPU56は、始動入賞があったことを示す入賞ありフラグをセットする。入賞ありフラグは、特別図柄プロセス処理の終了後に実行される記憶処理で参照される。次に、S52において、CPU56は、S43において抽出し、保存領域に格納された各乱数値のうちR1(大当り決定用)より抽出したカウント値を読出し、S53において、大当り判定処理を実行する。S54では、S53の大当り判定処理においてR1のカウント値に基づいて大当りとなると判断された場合には、S54aに進み、複数台予告決定用のカウンタR11のカウント値を抽出する処理がなされる。次にS55に進み、R3(大当り図柄決定用)のカウント値に基づいて確変大当りとなるか否か判断する。すなわち、特別図柄表示部9に表示される予定の大当り図柄が奇数のゾロ目からなる確変大当たり図柄か否か判断する。
【0153】
S55において、確変大当りとならないと判断した場合には、S55aへ進み、S54aによる抽出値(カウント値)が0、1、2のいずれかか否か判定される。S54aによりNOと判定された場合にはS56へ進むが、YESと判定された場合にはS55bにより、複数台予告コマンドがセットされた後S56へ進む。複数台予告コマンドとは、遊技機設置島に設置された複数台のパチンコ遊技機により大当り予告演出を行なうためのフラグである。次に、S56において、大当り入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする。確変大当りとなると判断した場合には、S55cへ進み、S54aによる抽出値(カウント値)が0、1、2、3のいずれかか否かの判定がなされる。S55cによりNOと判定された場合にはS57へ進むが、YESと判定された場合にはS55dにより、複数台予告コマンドがセットされた後S57へ進む。このように、S55aとS55cとにより抽出値(カウント値)の判定値の数を変えることにより、確変を伴わない大当りに対する予告は3/5の確率で複数台による予告演出がなされ、確変を伴う大当りに対する予告は4/5の確率で複数台による予告演出がなされることとなり、複数台による予告演出がなされることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を盛り上げることができる。次に、S57において、確変大当り入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする。
【0154】
S54において大当りとしないと判断された場合には、S58において、S43において抽出し、保存領域に格納された各乱数値のうちR5(リーチ決定用)より抽出したカウント値を読出し、S59において、リーチ判定処理を実行する。すなわち、リーチ判定サブルーチンをコールする。S60において、リーチ判定処理においてR5(リーチ決定用)のカウント値に基づいてリーチとなると判断された場合には、S61において、リーチ入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする。リーチとならないと判断された場合には、S62において、はずれ入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする。
【0155】
そして、S63において、RAM55に入賞コマンドとしてセットされたデータを、RAM55の入賞時演出用バッファとして定められている領域に格納する。なお、入賞時演出用バッファに格納されたデータは、特別図柄プロセス処理の終了後に実行される記憶処理で参照される。
【0156】
図15は、大当り判定処理を示すフローチャートである。この大当り判定処理は、始動入賞時に行なわれる前述のS53と特別図柄変動開始時に行なわれる後述のS96との両方に兼用されるサブルーチンプログラムである。大当り判定処理では、S71において、CPU56は、遊技状態が確変中であるか否か判断し、確変中であれば、S72において、図5(A)に示された大当り決定用テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する。確変中でなければ、S73において、図5(A)に示された大当り決定用テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する。
【0157】
そして、S74において、S43で抽出され、S52で読出されたR1のカウント値と図5(A)に示された大当り決定用テーブル中の大当り決定値とを比較する処理が行なわれる。遊技状態が確変中でなければS73で使用することが決定された大当り決定用テーブル中の低確率時の大当り決定値「3」と比較され、遊技状態が確変中であればS72で使用することが決定された大当り決定用テーブル中の高確率時の大当り決定値「3,7,79,103,107」と比較される。S75において、R1(大当り決定用)のカウント値と大当り決定値とが一致すると判断されたときは、S76において、大当りとすることが決定される一方、R1(大当り決定用)のカウント値と大当り決定値とが一致しなければ、S77において大当りとしないことが決定される。なお、この大当り判定処理が特別図柄変動開始時に行なわれる後述のS96で実行された場合には、S76において大当りとすることが決定されることによりS98により大当りフラグがONにされる。この大当りフラグは、可変入賞球装置19を開成して大当り制御が実行されてその大当り制御が終了するときにS161によりOFFにされる。
【0158】
図16は、リーチ判定処理を示すフローチャートである。このリーチ判定処理は、始動入賞時に行なわれる前述のS59と特別図柄変動開始時に行なわれる後述のS105との両方に兼用されるサブルーチンプログラムである。リーチ判定処理では、S81において、CPU56は、そのときの状態が確変中であるか否か判断し、確変中であれば、S82において、図5(B)に示されたリーチ状態決定用テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する。確変中でなければ、S83において、図5(B)に示されたリーチ状態決定用テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する。
【0159】
そして、S84において、S43で抽出され、S58で読出されたR5のカウント値と図5(B)に示されたリーチ状態決定用テーブルのリーチ状態決定値とを比較する処理が行なわれる。遊技状態が確変中でなければS83で使用することが決定されたリーチ状態決定用テーブル中の低確率時のリーチ状態決定値「0,1,11」と比較され、遊技状態が確変中であればS82で使用することが決定されたリーチ状態決定用テーブル中の高確率時の大当り決定値「0,1,7,9,11,12」と比較される。S85において、R5(リーチ決定用)のカウント値とリーチ状態決定値とが一致すると判断されたときは、S86において、リーチ状態とすることが決定され、R5(リーチ決定用)のカウント値とリーチ状態決定値とが一致しなければ、S87において、リーチ状態としないことが決定される。
【0160】
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【0161】
特別図柄通常処理では、まず、S91において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(たとえば特別図柄プロセスフラグの値がS153を示す値となっている場合)であるか否か判断し、特別図柄の変動を開始することができない状態と判断した場合にはこの特別図柄通常処理が終了する。一方、特別図柄の変動を開始することができる状態と判断した場合には、S92において、始動入賞記憶数の値を確認する。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がS153を示す値となっている場合とは、特別図柄表示部9において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ大当り遊技中でもない場合である。
【0162】
始動入賞記憶数が0のときにはこの特別図柄通常処理が終了する。一方、始動入賞記憶数が0でなければ、S93において、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに、S94において、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ各保存領域の内容をシフトする。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
【0163】
次に、S95において、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数を読出し、S96において、大当り判定処理を実行する。S97において、前述したS53と同様の大当り判定処理であるS96の処理の結果大当りとすると判断した場合には、S98において、CPU56は、大当りフラグをONにする。そして、S99において、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する。S96の処理の結果大当りにしないと判断した場合には、S98のステップを実行することなくS99へ進む。
【0164】
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【0165】
特別図柄停止図柄設定処理では、まず、S101において、CPU56は、大当りフラグがONか否か確認する。大当りフラグがONである場合には、S102において、S93で読出したR3(大当り図柄決定用)のカウント値に従って大当り図柄を決定し、S103に移行する。この実施の形態では、R3(大当り図柄決定用)のカウント値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の組み合わせのそれぞれに対応した左変動表示部の特別図柄、中変動表示部の特別図柄および右変動表示部の特別図柄の図柄番号が設定されている。
【0166】
一方、大当りフラグがセットされていない場合には、S104において、R5(リーチ決定用)を読出し、S105において、CPU56は、前述したS59と同様のリーチ判定処理を実行する。S106において、S105の処理の結果リーチ状態とすると判断されたときは、S106aによりリーチフラグがONにされ、S107において、R2−1のカウント値に従って左変動表示部および右変動表示部に停止表示させる特別図柄を決定し、R2−2の値に従って中変動表示部に停止表示させる特別図柄を決定する。ここで、決定された中変動表示部の特別図柄が左変動表示部および右変動表示部の特別図柄と一致した場合には、中変動表示部の特別図柄に対応した乱数の値に「1」加算し、対応する特別図柄を中変動表示部に停止表示させる特別図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。そして、S103に移行する。
【0167】
S106において、リーチ状態にしないと判断されたときは、S108において、はずれの場合の停止図柄の決定を行なう。具体的には、S93で読み出した値、すなわち、抽出されているR2−1のカウント値に従って左変動表示部に停止表示させる特別図柄を決定し、R2−2のカウント値に従って中変動表示部に停止表示させる特別図柄を決定するとともに、R2−3のカウント値に従って右変動表示部に停止表示させる特別図柄を決定する。なお、ここでは、左変動表示部、右変動表示部に停止表示させる特別図柄が一致した場合には右変動表示部に停止表示させる特別図柄を1図柄ずらし、リーチ状態にもならないはずれとなるようにする。そして、S103に移行する。なお、S102において、確変大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後に確変状態に移行することを示す確変フラグがセットされる。そして、S103において特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する。
【0168】
図19は、変動パターン設定処理の1例を示すフローチャートである。
まず、S111において、大当りフラグがONになっているか否かの判断がなされる。この大当りフラグは、前述したS76により大当りとすることが決定されてS97によりYESと判断されてS98によりONにされ、大当り制御が終了するときに前述したS161によりOFFにされる。大当りフラグがONになっている場合は、YESの判断がなされ、S112において、図6に示した大当り用の変動パターンテーブルを選択し、選択した変動パターンテーブルを参照し、R4(変動パターン決定用)により抽出されたカウント値の変動パターンが設定される。
【0169】
一方、大当りフラグがOFFになっている場合は、S111によりNOの判断がなされ、S113において、リーチフラグがONになっているか否かの判断がなされる。このリーチフラグは、前述したS106aによりONにされ後述するS116aによりOFFにされる。リーチフラグがONになっている場合は、S113によりYESの判断がなされ、S114において、図6に示したリーチはずれ用の変動パターンテーブルを参照し、R4(変動パターン決定用)より抽出されたカウント値の変動パターンが設定される。
【0170】
S113において、リーチフラグがOFFになっている場合は、NOの判断がなされ、S115において、図6に示したはずれ用の変動パターンテーブルを参照し、R4(変動パターン決定用)より抽出されたカウント値の変動パターンが設定される。S116では、図6に示した変動パターンテーブルに基づいてS112、S114、S115で選択された変動パターンを変動パターンコマンドにセットする処理が行なわれ、S116aによりリーチフラグがOFFにされ、S117において、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値に更新する。
【0171】
図20は、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に送信される表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【0172】
図20に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に送信される。また、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53と表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81との間には、ストローブ信号(表示制御INT信号)を送信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図20には、表示制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
【0173】
この実施の形態では、表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は1例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0174】
図21は、制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【0175】
図21に示すように、表示制御コマンドの8ビットの表示制御コマンドデータは、表示制御INT信号に同期して出力される。表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81は、表示制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から見ると、表示制御INT信号は、表示制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
【0176】
表示制御コマンドは、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81が認識可能に1回だけ送信される。認識可能とは、この実施の形態では、表示制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送信されるとは、たとえば表示制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて表示制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、表示制御INT信号は図21に示された極性と逆極性であってもよい。
【0177】
図22は、表示制御用CPU101が実行する表示制御メイン処理を示すフローチャートである。
【0178】
表示制御メイン処理では、まず、S201において、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための2msecタイマの初期設定等を行なうための初期化処理が行なわれる。その後、S202において、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視の確認を行なうループ処理に移行する。図23に示すように、タイマ割込が発生すると、S210において表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグをセットする。表示制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、S203において、表示制御用CPU101は、そのフラグをクリアし、S204〜S207の処理を実行する。
【0179】
この実施の形態では、タイマ割込は2msec毎にかかる。すなわち、表示制御メイン処理は、2msec毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理(S204〜S207の各ステップの処理)は表示制御メイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
【0180】
表示制御メイン処理では、S204において、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドを解析する(コマンド解析処理)。このコマンド解析処理の詳細は後述する。次に、S205において、大当り予告報知処理を行なう。大当り予告報知処理では、予告演出パターンの決定と予告演出パターンなどの予告報知情報を含んだ予告コマンドの送信や予告報知の制御を行なう。この大当り予告報知処理の詳細は後述する。次に、S206において、表示制御用CPU101は、表示制御プロセス処理を行なう。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、S207において、ランダムカウンタR9〜R11(図4参照)を更新する処理を実行する。その後、S202のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。
【0181】
次に、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53からの表示制御コマンド受信処理について説明する。
【0182】
図24は、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から受信した表示制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。
【0183】
この実施の形態では、2バイト構成の表示制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、たとえば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。音声制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータや、ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータにおいても同様に、リングバッファ形式でないバッファ形式としてもよい。この場合、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81、音声制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータ、ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータは、変動パターンなどの格納領域に格納される最新のコマンドにもとづき制御される。これにより、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指示に迅速に対応することができる。
【0184】
図25は、前述したコマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から受信された表示制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0185】
コマンド解析処理では、まず、S251において、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判断される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、S252において、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す。なお、読み出したら読出ポインタの値を「1」加算しておく。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されていない場合には、このコマンド解析処理が終了する。
【0186】
S253において、受信した表示制御コマンドが左変動表示部に停止表示させる特別図柄指定の表示制御コマンド(91XX(H))であると判断された場合は、S254において、表示制御用CPU101は、「XX」で示される左変動表示部に停止表示させる特別図柄(左特別図柄)を示すデータを、RAM101aにおける左特別図柄格納領域に格納し、S251に戻る。また、S255において、受信した表示制御コマンドが中変動表示部に停止表示させる特別図柄指定の表示制御コマンド(92XX(H))であると判断された場合は、S256において、表示制御用CPU101は、「XX」で示される中変動表示部に停止表示させる特別図柄(中特別図柄)を示すデータを、RAM101aにおける中特別図柄格納領域に格納し、S251に戻る。そして、S257において、受信した表示制御用コマンドが右変動表示部に停止表示させる特別図柄指定の表示制御コマンド(93XX(H))であると判断された場合は、S258において、表示制御用CPU101は、「XX」で示される右変動表示部に停止表示させる特別図柄(右特別図柄)を示すデータを、RAM101aにおける右特別図柄格納領域に格納し、S251に戻る。
【0187】
また、S259において、受信した表示制御コマンドが変動パターン指定の表示制御コマンドであると判断された場合は、S260において、表示制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAM101aにおける変動パターンデータ格納領域に格納し、S261において、変動パターン受信フラグをセットする。
【0188】
また、S259において、受信した表示制御コマンドが変動パターン指定の表示制御コマンドでないと判断された場合は、S259aに進み、受信した表示制御コマンドが複数台予告コマンドであるか否かが判断される。複数台予告コマンドである場合には複数台予告フラグをONにした後S251へ戻る。この複数台予告コマンドは前述したS55bによりセットされてS28により遊技制御用基板31から表示制御基板80に送信されてくる。受信した表示制御コマンドが複数台予告コマンドでなかった場合には、受信した表示制御コマンドは入賞コマンドということになる。前述したように、入賞コマンドには、確変を伴わない通常の大当りになることを指定する大当り入賞指定コマンド、確変大当りになることを指定する確変大当り入賞指定コマンド、リーチ状態になることを指定するリーチ入賞指定コマンドがある。S262において、受信した入賞コマンドが、大当り入賞指定コマンド、確変大当り入賞指定コマンド、リーチ入賞指定コマンドのいずれのコマンドであるか判断して、対応したフラグをセットしてS251に戻る。
【0189】
図26は、表示制御用マイクロコンピュータ81により実行される大当り予告報知処理を示すフローチャートである。
【0190】
S301において、予告コマンド発生処理が行なわれ、大当りが発生する旨の予告演出の予告演出パターンの決定、およびその決定された予告演出パターンを他のパチンコ遊技機1に送信する制御を行なう。この予告コマンド発生処理の詳細は後述する。
【0191】
S302において、予告情報送信処理が行なわれ、他のパチンコ遊技機1aから受信した予告コマンドを他のパチンコ遊技機1に送信する制御を行なうとともに、パチンコ遊技機1から受信した予告終了コマンドを他のパチンコ遊技機1に送信する制御を行なう。この予告情報送信処理の詳細は後述する。予告終了コマンドとは、前述した複数台予告コマンドにしたがって複数台のパチンコ遊技機1で大当りが発生する旨の予告演出を行なっているときにその複数台での大当りが発生する旨の予告演出を終了させるためのコマンドである。
【0192】
S303において、予告報知制御処理が行なわれ、大当り予告演出するための制御を行なう。この予告報知制御処理の詳細は後述する。
【0193】
S303aにおいて、予告終了処理が行なわれる。この予告終了処理の詳細は後述する。
【0194】
図27は、前述した大当り予告報知処理における予告コマンド発生処理を示すフローチャートである。
【0195】
まず、S400において、複数台予告フラグがONになっているか否かが判断される。この、複数台予告フラグは、前述したS259bによりONにされる。複数台予告フラグがOFFの場合にはこの予告コマンド発生処理が終了するが、ONになっている場合には、S401に進み、予告演出パターンおよび遅延時間が決定される。この予告演出パターンは、S400により、複数台予告フラグがONになっていると判断された際に、表示制御用CPU101により、R9(予告演出パターン決定用)のカウント値を抽出し、その抽出されたカウント値と図7に示す予告演出パターン決定用テーブル中の予告演出パターン決定値とを比較し、予告演出パターンが決定される。また、遅延時間は、複数台予告フラグがONになっていると判断された際に、表示制御用CPU101により、R10(遅延時間決定用)のカウント値を抽出し、その抽出されたカウント値と図8に示す遅延時間決定用テーブルの各遅延時間とを比較し、遅延時間が決定される。
【0196】
S402において、決定された予告演出パターンの情報を含んだ予告コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ81のRAM101aの予告保留領域内に記憶し、他のパチンコ遊技機1に送信するためその予告演出パターンの情報を含んだ予告コマンドをセットする。なお、同じパチンコ遊技機設置島内の或るパチンコ遊技機1に大当りが発生することが事前決定されてそれに基づいた大当りが発生する旨の予告演出の処理を行なっている最中に次のパチンコ遊技機1に大当りが発生することが事前決定されてそれに基づいた大当りが発生する旨の予告演出を行なうという大当り予告同時多発状態が生じた場合には、予告保留領域は、大当りの発生順に予告コマンドを記憶する。そして、S403により、セットされた予告コマンドを他のパチンコ遊技機1に表示制御基板80の予告報知情報出力手段208から送信し、S403aにより複数台予告フラグをOFFにした後、S403bにより、自己のパチンコ遊技機1に大当りが発生していることを示す自台大当り発生フラグをONにし、この予告コマンド発生処理が終了する。
【0197】
なお、送信先のパチンコ遊技機1は、たとえば、遊技機設置島にそれぞれ設置されたパチンコ遊技機1であり、これらのパチンコ遊技機1はそれぞれ隣接するパチンコ遊技機1と有線により接続され、そして、たとえば、図1の1番台のパチンコ遊技機1について、大当りになることが決定されたときには、隣接するパチンコ遊技機1(2番台)に予告コマンドを送信する。
【0198】
図28(a)は、前述した大当り予告報知処理における予告情報送信処理を示すフローチャートである。
【0199】
S450において、他のパチンコ遊技機1の表示制御基板80の予告報知情報出力手段208から送信された予告コマンドを表示制御基板80の予告報知情報入力手段211により受信したか否かが判断される。すなわち、S403により送信された予告コマンドを受信したか否かが判断され、受信していないと判断されたときにはこの予告情報送信処理が終了する。受信したと判断されたときは、S451により、受信した予告コマンドをRAM101aの予告保留領域内に記憶するとともに、遅延時間を設定する。遅延時間は、予告コマンドを受信したと判断された際に、表示制御用CPU101により、R10(遅延時間決定用)のカウント値を抽出し、その抽出されたカウント値と図8に示す遅延時間決定用テーブルの各遅延時間とを比較し、遅延時間が決定される。S452において、受信した予告コマンドを他のパチンコ遊技機1へ送信するためにセットし、他のパチンコ遊技機1にそのセットされた予告コマンドを表示制御基板80の予告報知情報出力手段208から送信し、この予告情報送信処理が終了する。
【0200】
なお、ここでの、予告コマンドの送信も、S403の予告コマンドの送信と同様、たとえば、図1の1番台のパチンコ遊技機1から、予告コマンドが送信されたときには、隣接するパチンコ遊技機1(2番台)はその予告コマンドを受信し、そして、その予告コマンドは順々に2番台→3番台と送信、受信される。
【0201】
図28(b)は、図26のS303に示された予告報知制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS500により、大当り制御中であるか否かの判断がなされる。大当り制御中の場合には、この予告報知制御処理が終了するが、大当り制御中でない場合にはS503へ進み、前述したRAM101aの予告保留領域内に予告コマンドが記憶されているか否かの判断がなされる。この予告保留領域には、前述したように、当該パチンコ遊技機1において大当りを発生させることが事前決定されかつ複数台予告フラグがONになっているときにS400により予告コマンドが記憶されるとともに、他のパチンコ遊技機より予告コマンドを受信したときにS451により予告コマンドが記憶される。S503により予告保留領域内に予告コマンドが記憶されていないと判断された場合にはこの予告報知制御処理が終了するが、予告コマンドが記憶されていると判断された場合には、S504へ進み、予告演出実行中であるか否かの判断がなされる。既に予告演出(大当りが発生する旨の予告演出)が実行されているときには、新たな予告演出(大当りが発生する旨の予告演出)を開始させることなくこの予告報知制御処理が終了する。一方、大当りが発生する旨の予告演出が実行されていないときには制御がS505へ進み、特別図柄表示部9が変動表示中であるか否かの判断がなされる。変動中である場合にはS507へ進むが、変動中でないときにはS506へ進み、始動口14へのパチンコ玉の始動入賞に伴い保留記憶領域内に保留記憶があるか否かの判断がなされ、ない場合にはこの予告報知制御処理が終了するが、ある場合にはS507へ進む。S507では、予告演出のタイミングが到来しているか否かの判断がなされ、大当り予告演出を行なうタイミングでないと判断されたときには予告報知制御処理が終了するが、予告演出(大当りを発生させる旨の予告演出)を行なうタイミングであると判断されたときにはS508へ進む。
【0202】
この大当り予告演出を行なうタイミングであるか否かは、前述したS401またはS451により決定された遅延時間が経過しているか否かにより判断する。なお、前述した大当り予告同時多発状態のときには、予告保留記憶領域内に記憶されたそれぞれの予告コマンドに対応してS401またはS451により決定された遅延時間が記憶されており、各予告コマンドに対応する大当り予告演出を実行する際にそれに対応して記憶されている遅延時間に基づいて、S507による判断がなされる。また、大当り予告同時多発状態のときには、S508において、予告保留領域内の最先に記憶された予告コマンドに基づき、S401で決定された予告演出パターンによる大当り予告演出の実行が行なわれ、その先行する大当り予告演出が終了するのを待って終了してから後続の大当り予告演出を実行する。
【0203】
なお、複数台予告を行なわないことが前述したS55a、S55cにより判断されたときには、複数台予告コマンドが遊技制御基板31から表示制御基板80へ送信されない。表示制御基板80は、複数台予告コマンドを受信することなく前述した大当り入賞指定コマンドあるいは確変大当り入賞指定コマンド等を受信した場合には、当該パチンコ遊技機1のみで大当りが発生する旨の予告演出を実行するか否か抽選決定し、大当りが発生する旨の予告演出を実行することが決定されたときには、たとえば、前述したS504〜S508と同様の制御プログラムにより大当り予告演出を実行するようにしてもよい。
【0204】
このS508のステップの実行後予告報知制御処理が終了する。このように、大当り予告演出は、大当り制御中でなく、既に大当り予告演出実行中でもなく、かつ、特別図柄表示部9が変動表示中かまたは保留記憶があるときに、予告演出タイミングの到来により開始される。特別図柄表示部9が変動表示中でなくかつ保留記憶もないときには大当りが発生するはずがなく、そのようなときに大当り予告演出が実行される矛盾をS505、S506により解消できる。
【0205】
また、変動表示がされていない場合(S505でNOの場合)や保留記憶領域内に始動口14へのパチンコ玉の始動入賞に伴う保留記憶がない場合(S506でNOの場合)や既に大当り予告演出実行中の場合(S504でYESの場合)は新たな大当り予告演出(大当りが発生する旨の予告演出)が行なれないが、遅延時間の計時は行われる。そして、たとえば前述の大当り予告同時多発状態時における先行の大当り予告演出(大当りが発生する旨の予告演出)が終了した段階で後続の大当り予告演出(大当りが発生する旨の予告演出)の遅延時間が既に経過しているのであれば、大当り予告演出のタイミングであるとして、後続の大当り予告演出が行なわれる。
【0206】
図29は、図26のS303aに示された予告終了処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S509において、予告終了コマンドを受信したか否かの判断がなされる。他のパチンコ遊技機1から情報通信ポート201、予告情報入力手段211を介して予告終了コマンドを受信すれば、制御がS531へ進み、その受信した予告終了コマンドをセットする処理がなされ、S531aにより、前記受信した予告終了コマンドに対応する予告コマンドの記憶を予告保留領域から削除する処理がなされる。
【0207】
一方、予告終了コマンドを受信していない場合にはS509によりNOの判断がなされてS509aに進み、予告保留領域内に予告コマンドがあるか否かの判断がなされる。予告コマンドがなければこの予告終了処理を終了し、予告コマンドがあればS530へ進み、今回の変動表示で大当り図柄が表示されるか否かの判断がなされる。S530により、当該パチンコ遊技機1により大当りの発生が事前決定されたことに伴い当該パチンコ遊技機で複数台による大当り予告演出を実行しているときには、当該パチンコ遊技機1で大当り図柄が停止表示されることとなる。S530により、今回の特別図柄表示部9による変動表示で大当り図柄が表示されるか否かの判断がなされ、YESの判断がなされたときには、大当り図柄が表示されないと判断したときは、S532に進み、大当り図柄が表示されると判断したときは、S530aに進む。S530aにおいて、自台大当り発生フラグがONか否かが判断され、自台大当り発生フラグがONでない場合は、S532に進み、ONである場合はS519に進む。この自台大当り発生フラグは、上述したS403によりONにされるが、S530aにおいては、複数予告を行なう契機となる大当りが発生するパチンコ遊技機1のみが自台大当り発生フラグONになっており、複数予告を行なう契機となる大当りが発生しないパチンコ遊技機1については、自台大当り発生フラグONとなっていない。その結果、現在実行している大当りが発生する旨の予告演出が、他のパチンコ遊技機から送信されてきた予告コマンドに従って行なわれている場合には、他のパチンコ遊技機から予告コマンドが送信されてきたときにのみ大当り予告演出が終了する(S509、S529ともにYESと判断されてS513により大当り予告演出が終了する)。
【0208】
S519においては、中図柄(最終停止図柄)変動停止直前であるか否かの判断がなされる。中図柄変動停止直前でないと判断された場合には制御がS532へ進むが、中図柄変動停止直前であると判断された場合にはS520へ進み、当該予告コマンドに対応する予告終了コマンドをセットし、当該予告コマンドの記憶を予告保留領域から削除する処理がなされた後にS520aへ進み、自台大当りフラグをOFFにし、S513に進む。このS519、S520の制御の結果、中図柄(最終停止図柄)が停止して大当りが発生することを遊技者が認識できる状態になる直前まで大当り予告演出が実行されることとなり、最大限の期間大当り予告演出を実行することにより大当り図柄の表示直前まで遊技者の期待感を向上させることができる。
【0209】
S513により、大当り予告演出を終了させる制御がなされた後、S532により、予告終了コマンドがセットされているか否かの判断がなされる。予告終了コマンドがセットされていない場合にはこの予告終了処理のサブルーチンプログラムが終了するが、前述したS531またはS520により予告終了コマンドがセットされている場合には、S533により、予告終了コマンドを予告情報出力手段208、情報通信ポート201を介して他のパチンコ遊技機1へ送信する処理がなされる。
【0210】
S520によりセットされた予告終了コマンドをS533により送信する場合、すなわち、複数台予告を行う契機となる大当りが発生したパチンコ遊技機1が他のパチンコ遊技機1へ予告終了コマンドを送信する際には、予告終了コマンドを送信するパチンコ遊技機1の右側および左側の両側に隣接するパチンコ遊技機1がある場合は、それぞれ右側のパチンコ遊技機1および左側のパチンコ遊技機1の双方に予告終了コマンドを送信する。そして、右側のパチンコ遊技機1に送信された予告終了コマンドは、さらに右側のパチンコ遊技機1に送信され、この予告終了コマンドは、送信することができる右側のパチンコ遊技機1が存在しなくなるまで、すなわち遊技機設置島の右側端部のパチンコ遊技機1に到達するまで予告終了コマンドを送信し続ける。
【0211】
同様に、複数台予告を行う契機となる大当りが発生したパチンコ遊技機1から左側のパチンコ遊技機1へ送信された予告終了コマンドは、さらに左側のパチンコ遊技機1に送信され、この予告終了コマンドは、送信することができる左側のパチンコ遊技機1が存在しなくなるまで、すなわち遊技機設置島の左側端部のパチンコ遊技機1に到達するまで予告終了コマンドを送信し続ける。そして、遊技機設置島の右端のパチンコ遊技機1が予告終了コマンドを受信した時点で、その予告終了コマンドを折り返し送信することなく、予告終了コマンドの送信を終了する。また、遊技機設置島の左端のパチンコ遊技機1が予告終了コマンドを受信した時点で、その予告終了コマンドを折り返し送信することなく、予告終了コマンドの送信を終了する。
【0212】
また、上述した複数台予告を行う契機となる大当りが発生したパチンコ遊技機1が遊技機設置島の端部に位置していた場合、片方にしか隣接するパチンコ遊技機1が存在しないために、その片方のパチンコ遊技機1にのみ予告終了コマンドを送信し、その予告終了コマンドが、次々に隣接するパチンコ遊技機1に送信され、最終的に遊技機設置島の反対側の端部に位置するパチンコ遊技機1にまで予告終了コマンドが到達した時点で予告終了コマンドを折り返し送信することなく予告終了コマンドの送信を終了する。
【0213】
なお、上記では予告終了コマンドを送信するパチンコ遊技機1の右側および左側の両側に隣接するパチンコ遊技機1がある場合は、それそれ右側のパチンコ遊技機1および左側のパチンコ遊技機1の双方に予告終了コマンドを送信することにより行われるようにしたが、これに限らず、予告終了コマンドを送信するパチンコ遊技機1の右側および左側の両側に隣接するパチンコ遊技機1がある場合でも、それぞれ右側のパチンコ遊技機1またが左側のパチンコ遊技機1の一方にのみ予告終了コマンドを送信してもよい。
【0214】
その場合には、予告終了コマンドが最初に遊技機設置島の端部のパチンコ遊技機1までに到達した時点で、予告終了コマンドを上述した折返し送信機能により折返し送信し、その折返し送信された予告終了コマンドが遊技機設置島の他方の端部に位置するパチンコ遊技機1にまで到達した時点で、予告終了コマンドの送信を終了するように制御する。
【0215】
図30は、表示制御メイン処理の表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてS600〜S605のいずれかの処理が行なわれる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0216】
S600において、変動パターンコマンド受信待ち処理が行なわれる。コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。この変動パターンコマンド受信待ち処理の詳細は後述する。
【0217】
S601により、特別図柄の変動が開始されるように制御する図柄変動開始処理が行なわれる。この図柄変動開始処理の詳細は後述する。
【0218】
S602により、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御し、変動時間の終了を監視するとともに、左変動表示部および右変動表示部の特別図柄の停止制御を行なう図柄変動中処理が行なわれる。この図柄変動中処理の詳細は後述する。
【0219】
S603により、変動時間の終了時に、図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行なう図柄停止待ち処理が行なわれる。この図柄停止待ち処理の詳細は後述する。
【0220】
S604により、変動時間の終了後、確変大当り表示または大当り表示の制御を行なう大当り表示処理が行なわれる。この大当り表示処理の詳細は後述する。
【0221】
S605により、大当たり遊技中の制御を行なう。たとえば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の表示制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう大当たり遊技中処理が行なわれる。
図31は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【0222】
プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。各表示制御実行テーブルには、それぞれ、特別図柄の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている特別図柄制御実行データが含まれている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。表示制御用CPU101は、プロセスデータを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行テーブルに設定されている変動態様で特別図柄を変動表示させる制御を行なう。
【0223】
図31に示すプロセスデータは、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81におけるROMに格納されている。プロセスデータは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
【0224】
図32は、表示制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【0225】
変動パターンコマンド受信待ち処理では、S701において、表示制御用CPU101は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する。セットされていたら、S702において、そのフラグをリセットする。そして、S703において、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動開始処理(S601)に対応した値に変更する。
【0226】
図33は、表示制御プロセス処理における図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【0227】
図柄変動開始処理では、まず、S751において、表示制御用CPU101は、使用するプロセスデータを選択する。次に、S752において、選択されたプロセスデータの最初に設定されているプロセスタイマをスタートし、S753において、特別図柄制御実行データ1の内容に従って特別図柄の変動表示を行い、S754において、変動時間タイマをスタートし、S755において、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする。
【0228】
図34は、表示制御プロセス処理における図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【0229】
S801において、変動時間タイマがタイムアウトしているか否かが判断され、タイムアウトしていると判断されたら、S802において、特別図柄停止の表示制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ、S803において、表示制御プロセスフラグの値を図柄停止待ち処理に対応した値にする。
【0230】
図35は、表示制御プロセス処理における図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【0231】
図柄停止待ち処理では、S851において、表示制御用CPU101は、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信しているか否か判断する。全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信している場合は、S852において、記憶されている停止図柄で図柄を停止させる制御を行なう。S852において、変動表示部に表示結果が導出表示されると、S853に進む。
【0232】
S853において、S852で導出表示された表示結果が大当り図柄であると判断した場合は、S854において、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値に設定する。S853において、S852で導出表示された表示結果が大当たり図柄でないと判断した場合(はずれ図柄を表示した場合)は、S855において、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に設定する。
【0233】
全図柄停止を指定する表示制御コマンドを受信していない場合には、S856において、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、S857において、特別図柄表示部9にエラー画面を表示する制御を行なう。そして、S853に進む。
【0234】
図36は、大当り表示処理を説明するためのフローチャートである。
大当り表示処理では、まず、S901において、大当りが確率変動状態を付随する確変大当りであるか否かが判断される。S901において、大当たりが確変大当りであると判断された場合は、S902において、確変大当りであることを示す表示を行なってからS904に進む。S901において、確変大当りでないと判断された場合は、S903において、通常大当りであることを示す表示が行なわれ、S904に進む。S904において、大当り遊技が終了する時期であるか否かが判別される。S904において、大当り遊技が終了する時期であると判断された場合は、S905において、表示プロセスフラグを変動パターンコマンド受信待ち処理に設定してから大当たり表示処理を終了する。なお、大当り遊技とは、特定遊技状態となっている期間のことである。
【0235】
図1および図37〜図42は、遊技機設置島の複数台のパチンコ遊技機1のうちの代表として3台のパチンコ遊技機1を示したものであり、その複数台のパチンコ遊技機1が同時に前述した大当り予告報知を行なっているときの特別図柄表示部9による画像表示演出状態、左ランプ78L、右ランプ78Rによる発光演出状態、左スピーカ27L、右スピーカ27Rによる音声演出状態を説明するための図である。なお、1つの遊技機設置島に設置されているパチンコ遊技機1のうちの3台のパチンコ遊技機1のみ示したのは、説明の関係上であり、これらのパチンコ遊技機1,1,1うちの1台のパチンコ遊技機1に大当りとなることが決定され、他の2台のパチンコ遊技機1については、現在変動表示中か、または始動入賞に伴う保留記憶を有して、いずれ変動表示を開始する状況にあるものとしている。
【0236】
図1は特別図柄表示部9の表示画面に大当りを予告する大当り予告演出のキャラクタとしてのドラム君9Aが3台のパチンコ遊技機1,1,1に同時に現われている状態を示している。この図1は、図7に示したランダムカウンタR9が「0」のときに実行される画像1が表示された状態を示している。この画像1の予告キャラクタ同時出現演出の大当り予告演出が実行される場合には、タイミング設定手段213の上述した一律ゼロ設定機能により大当り予告の開始タイミングを一律「0」に設定される。具体的には、3台のパチンコ遊技機1,1,1のうちの、たとえば、いずれか1台のパチンコ遊技機1に大当りとなることが決定され、その大当りとなることが決定されたパチンコ遊技機1(1番台)が、大当り予告演出の開始タイミングの遅延時間を一律に「0」に設定し、その予告コマンドを2番台のパチンコ遊技機1に送信する。2番台のパチンコ遊技機1はその送信されてきた予告コマンドに含まれている予告演出パターンが「画像1」であることを判別して、1番台のパチンコ遊技機1と同様に、大当り予告の開始タイミングの遅延時間を「0」に設定する。3番台のパチンコ遊技機1は、送信されてきた予告コマンドに含まれている予告演出パターンが「画像1」であることを判別して、上記と同様に、一律ゼロ設定機能により大当り予告の開始タイミングの遅延時間を「0」に設定する。そして、この「画像1」の大当り予告演出が実行される台数分のパチンコ遊技機1に上述した方法で予告コマンドとが送信された段階で、予告コマンドとの送信を終了する。前述したように遅延時間「0」により、たとえば、その大当りとなることが決定されたパチンコ遊技機1(1番台)から他のパチンコ遊技機1(2番台)に予告コマンドが送信され、他の2台のパチンコ遊技機1が予告コマンドを受信して、前述した遅延時間なしに、3台のパチンコ遊技機1,1,1が同時に大当り予告演出を行なっている。このドラム君9Aは特別図柄表示部9の液晶表示部に背景として映し出されたものである。なお、ドラム君9A等の予告キャラクタは、背景として映し出されたものに限定されず、たとえば変動表示される図柄等として映し出されたものであてもよい。
【0237】
なお、上記のように大当り予告演出中に継続してドラム君9Aを表示画面に表示させてもよいが、遊技者の興味をさらに引き付けるために、たとえば、一秒間ON(表示)とし、1秒間OFF(非表示)とするように間欠的に大当り予告演出を行なってもよい。
【0238】
図37は特別図柄表示部9の表示画面に大当りを予告する表示画像として、小魚や亀が表示画面を横切っている様子が表示されるものである。この図37は、図7に示したランダムカウンタR9が「2」のときに実行される画像3の種類の予告演出パターンが表示された状態が示されている。この図37に示された大当りが発生する旨の予告演出(大当り予告演出)では、パチンコ遊技機設置島の複数台のパチンコ遊技機1…が組となって演出される。この大当り予告演出では、亀、小魚、イルカの順に特別図柄表示部9を横切る画像表示がなされる。たとえば、まず1番台のパチンコ遊技機1に亀の画像が左から右方向に横切り、表示画面の右端から亀が消えていくに従って2番台のパチンコ遊技機1の表示画面の左端から亀が現れ、右方向に横切る画像が表示され、その2番台のパチンコ遊技機1の表示画面の右端から亀が消えていくに従って3番台のパチンコ遊技機1の表示画面の左端から亀が現れて右方向に移動する画像が表示される。このような複数台のパチンコ遊技機1…のそれぞれの表示画面があたかも連続している表示画面のように亀(予告キャラクタ)が移動して横切っていく演出表示(予告キャラクタ台間移動演出)がなされる。この予告キャラクタ台間移動演出は、亀の後に続く小魚、イルカも同様に表示される。図37(A)のように、各キャラクタが左方向に台間移動した後、図37(B)に示すように、今度は、亀、小魚、イルカの順にキャラクタが3番台、2番台、1番台と折り返して左方向に台間移動表示される演出が行なわれる。
【0239】
さらに、その後、図37(C)に示すように、亀、小魚、イルカの順に予告キャラクタが1番台、2番台、3番台の順に右方向に台間移動する演出表示がなされる。このように、ランダムカウンタR9が「2」のときに実行される画像3は、複数の予告キャラクタの台間移動が右方向および左方向に折り返して繰返し表示される演出である。このように一連の動きのある画像が表示され、3台のパチンコ遊技機1,1,1を1組として予告キャラクタ台間移動演出がなされ、たとえば、最後に亀が停止したパチンコ遊技機1が大当りであるなどの演出も行なうことができる。
【0240】
なお、この場合も上記図1の説明と同様、その大当りとなることが決定されたパチンコ遊技機1(1番台)が、大当り予告演出の開始タイミングの遅延時間を一律に「0」に設定し、その予告コマンドを2番台のパチンコ遊技機1に送信する。2番台のパチンコ遊技機1はその送信されてきた予告コマンドに含まれている予告演出パターンが「画像1」であることを判別して、1番台のパチンコ遊技機1と同様に、大当り予告の開始タイミングの遅延時間を「0」に設定する。3番台のパチンコ遊技機1はその送信されてきた予告コマンドに含まれている予告演出パターンが「画像1」であることを判別して、上記と同様に、一律ゼロ設定機能により大当り予告の開始タイミングの遅延時間を「0」に設定する。そして、この「画像1」の大当り予告演出が実行される台数分のパチンコ遊技機1に上述した方法で予告コマンドが送信された段階で、予告コマンドの送信を終了する。
【0241】
このように、上述した予告キャラクタ同時出現演出(図7参照)による大当り予告演出を行なうときは、遅延時間をR10(図4参照)を用いてランダムに決定するのではなく、常に遅延時間を「0」とし、隣接するパチンコ遊技機1への予告コマンドの送信については、予告キャラクタが特別図柄表示部9の表示画面から消えるタイミングを見計って行なう(コマンド送信時のタイミング遅延制御)。これにより、予告キャラクタの台間移動が可能となる。
【0242】
次に、複数のパチンコ遊技機1において、同時に大当り予告演出する場合(複数台同時予告)には、大当り予告演出を行なうすべてのパチンコ遊技機1に、その予告コマンドを送信し、上述した遅延時間もR10(図4参照)を用いてランダムに決定するのではなく、常に遅延時間を「0」とする。これにより、複数台同時予告が可能となる。
【0243】
図38は、ランダムカウンタR9が「3」のときに実行される画像+ランプの種類の予告演出パターンが表示された状態が示されている。特別図柄表示部9に予告画像として土星が静止画として表示されるとともに、大当りを予告する発光演出として左ランプ78L、右ランプ78Rが短い間隔でON,OFFを繰返す高速点灯状態となる。複数台のパチンコ遊技機1…により、このような大当り予告演出を行なうことにより、表示画像のみの予告演出のみならずランプの発光演出が加わることにより、大当り予告演出をより効果的に盛り上げることができる。
【0244】
図39は、ランダムカウンタR9が「5」のときに実行されるランプ2の種類の予告演出パターンが表示された状態が示されている。この図39では、ランプの発光演出のみにて大当りの予告演出を行なうものである。図39に示す3台のパチンコ遊技機1,1,1のすべてのランプ78L,78Rが同時に点灯するのではなく、図39の矢印に示したように、あたかも波が流れているようにランプを1つずつ時間をずらせて点灯移動表示させることにより、複数台の1…により大当り予告演出を実行する。
【0245】
このランプの点灯移動表示の方向は、まず図39(A)に示すように、1番台のパチンコ遊技機1の左ランプ78L→右ランプ78R→2番台の左ランプ78L→右ランプ78R→3番台の左ランプ78L→右ランプ78Rと、右方向に点灯移動させる。その後、図39(B)に示すように、3番台のパチンコ遊技機1の右ランプ78R→左ランプ78L→2番台のパチンコ遊技機1の右ランプ78R→左ランプ78L→1番台のパチンコ遊技機1の右ランプ78R→右ランプ78Lと、左方向に点灯移動表示させる。その後、さらに、図39(C)に示すように、ランプの点灯移動方向を再度左から右に切換える。このように、ランダムカウンタRのカウント値が「5」のときの「ランプ2」の予告演出パターンは、複数台のパチンコ遊技機1…のランプの点灯移動方向を左,右と繰返し切換える予告演出である。
【0246】
図40は、ランダムカウンタR9が「7」のときに実行される「音2」の種類の予告演出パターンを示している。この図40では、左スピーカ27L、右スピーカ27Rにより音声演出による大当り予告演出が行なわれる。3台のパチンコ遊技機1,1,1が同時にスピーカ27L、27Rから音声を発生するのではなく、図40の矢印で示されているように、あたかも波が流れているように各スピーカが時間をずらして音声を発生させるという音声移動発生による演出を行なう。発生する音声の移動方向は、まず図40(A)に示すように、1番台のパチンコ遊技機1の左スピーカ27L→右スピーカ27R→2番台のパチンコ遊技機1の左スピーカ27L→右スピーカ27R→3番台のパチンコ遊技機1の左スピーカ27L→右スピーカ27Rと、右方向に移動報知させる。その次に、図40(B)に示すように、3番台のパチンコ遊技機1の右スピーカ27R→左スピーカ27L→2番台のパチンコ遊技機1の右スピーカ27R→左スピーカ27L→1番台のパチンコ遊技機1の右スピーカ27R→左スピーカ27Lと、左方向に移動報知させる。さらに図40(C)に示すように、再度右方向に音声を移動発生させる。このランダムカウンタR9が「7」のときの音2の種類の予告演出パターンは、音声の移動発生方向を左右に繰返し切換えて行なうものである。
【0247】
図41は、ランダムカウンタRが「8」のときの役物1の種類の予告演出パターンを示している。この大当り予告演出では、特別図柄表示部9の上方に設けられたベル79を左右に振って動かすことにより大当り予告演出を行なうものである。まず図41(A)に示すように、1番台のパチンコ遊技機1のベル79を左右に振り、次に図41(B)に示すように、2番台のパチンコ遊技機1のベル79を左右に振り、次に図41(C)に示すように、3番台のパチンコ遊技機1のベル79を左右に振る。このように、左右に振るベル79が、1番台、2番台、3番台と順次移動することにより、大当り予告演出を行なう。
【0248】
図42は、ランダムカウンタR9が「9」のときの役物2+音の種類の予告演出パターンを示している。この予告演出パターンは、特別図柄表示部9の上方左右にある左小役物79L、右小役物79Rを左右に振って動かすと同時に左スピーカ27L、右スピーカ27Rからそれぞれ「ピコッ」という音を発することで大当りを予告するものである。3台のパチンコ遊技機1とも同時に大当り予告演出を行なうためにすべてのパチンコ遊技機1で一斉に小役物76を動かしスピーカ27から音声を発している。
【0249】
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、大当りとなることが事前決定されたパチンコ遊技機1は他のパチンコ遊技機1に予告コマンドを送り、大当りとなることが事前決定されたパチンコ遊技機1自身の特別図柄表示部9の最後に変動停止する中特別図柄が停止する直前に大当り予告演出の実行を終了するとともに、他のパチンコ遊技機1に対しても、予告終了コマンドを送信するものであったが、これに限らず、たとえば、予告コマンドを他のパチンコ遊技機1に予告コマンドとともに予告終了コマンドも同時に送信してもよい。
【0250】
このような構成にすれば、予告コマンド送信後に再び予告終了コマンドを送信する必要がなくなるばかりか、大当りとなることが決定されたパチンコ遊技機1の信号により他のパチンコ遊技機1の大当り演出時間を制御することができる。
【0251】
なお、上記の場合、予告終了コマンドの情報には、所定時間経過後に予告演出を終了させる情報(タイマー機能など)をも含んでいる。
【0252】
(2) 前述した実施の形態においては、前述した大当り予告同時多発状態のときには、先行する大当り予告演出が終了するのを待って後発の大当り予告演出を実行するように制御しているが、その代わりに、後発の大当り予告を無視して実行しないように制御してもよい。すなわち、パチンコ遊技機1が既に大当り予告演出を行なっているときには、たとえば、他のパチンコ遊技機1から予告コマンドが送信されてきてもその後発の予告コマンドに基づいた予告演出を実行しない。このように構成すれば、大当り予告演出のための前述した予告保留領域を設けなくてもよく、構成が簡単になる。
【0253】
また、先行する大当り予告演出が終了するのを待って後発の大当り予告演出を実行する代わりに、先行する大当り予告演出の実行中に後発の大当り予告演出を同時に実行するように制御してもよい。この場合には、同時実行される大当り予告演出の予告演出パターンを互いに異ならせるようにして、遊技者が複数の大当り予告演出が実行されている旨を認識できるようにするのが望ましい。たとえば、現在行なわれている大当り予告演出が図37で示すように特別図柄表示部9の表示画面による大当り予告演出である場合に、後発の大当り予告演出は図39に示すようにランプ78の発光演出による大当り予告演出とするとか、図40に示すようにスピーカ28による音声演出による大当り予告演出のようにするとか、互いに異なった予告演出パターンの大当り予告演出を平行して同時実行させるようにすればよい。このようにすれば、平行して実行されている複数の大当り予告演出を遊技者が区別して認識することができ、画像、光、音声と重なった大当り予告演出で豪華な大当り予告演出ができ、遊技者の興趣を一段と盛り上げることができる。
【0254】
(3) また、前述の実施の形態では、自台のパチンコ遊技機1で大当りの発生が事前決定されて複数台予告の実行が決定された場合には、自台での大当りが発生する旨の予告演出処理と他のパチンコ遊技機1への予告コマンドの送信処理とを行なうようにしたが、その代わりに、自台のパチンコ遊技機1で大当りの発生が事前決定されて複数台予告の実行が決定された場合に他のパチンコ遊技機1への予告コマンドの送信処理のみを行ない、他のパチンコ遊技機1から予告コマンドが送信されてきたときに初めて大当りが発生する旨の予告演出処理を行なうようにしてもよい。
【0255】
(4) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機およびこれに対応して設置されたカードユニットの正面図である。
【図2】遊技制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
【図3】表示制御基板内の回路構成を、画像表示を実現するLCDとともに示すブロック図である。
【図4】各ランダムカウンタの説明図である。
【図5】(A)は大当り判定処理で用いられる大当り決定用テーブルの一例を示す説明図であり、(B)はリーチ判定処理で用いられるリーチ状態決定用テーブルの一例を示す説明図である。
【図6】変動パターンを示す説明図である。
【図7】予告演出パターンの決定に用いられる予告演出パターン決定用テーブルの一例を示す説明図である。
【図8】遅延時間の決定に用いられる遅延時間決定用テーブルの一例を示す説明図である。
【図9】複数台のパチンコ遊技機で大当りの予告を行なうための機能を説明する機能ブロック図である。
【図10】遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図11】遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される2msecタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図12】遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図13】始動入賞が生じたときに実行される始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【図14】入賞時演出設定処理を示すフローチャートである。
【図15】大当り判定処理を示すフローチャートである。
【図16】リーチ判定処理を示すフローチャートである。
【図17】特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図18】特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図19】変動パターン設定処理の1例を示すフローチャートである。
【図20】遊技制御基板に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータから表示制御基板に搭載された表示制御用マイクロコンピュータに送信される表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【図21】制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図22】表示制御用CPUが実行する表示制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図23】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図24】遊技制御基板に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータから受信した表示制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。
【図25】コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。
【図26】大当り予告報知処理を示すフローチャートである。
【図27】大当り予告報知処理における予告コマンド発生処理を示すフローチャートである。
【図28】(a)は大当り予告報知処理における予告情報送信処理を示すフローチャートであり、(b)は大当り予告報知処理における予告報知制御処理を示すフローチャートである。
【図29】大当り予告報知処理における予告終了処理を示すフローチャートである。
【図30】表示制御メイン処理における表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図31】変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【図32】表示制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【図33】表示制御プロセス処理における図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図34】表示制御プロセス処理における図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図35】表示制御プロセス処理における図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図36】大当り表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図37】魚のキャラクタによる大当り予告演出の表示画面の予告演出パターン説明図である。
【図38】宇宙画像表示とランプ発光による大当り予告演出の予告演出パターンの説明図である。
【図39】ランプ発光の遊技機台間移動による予告演出パターンの説明図である。
【図40】スピーカの音声演出の遊技機台間移動による予告演出パターンの説明図である。
【図41】大役物演出の遊技機台間移動による大当り予告演出の予告演出パターンの説明図である。
【図42】小役物演出とスピーカの音声演出による大当り予告演出の予告演出パターンの説明図である。
【符号の説明】
8 変動表示装置、9 特別図柄表示部、14 始動口、17 始動口スイッチ、18 始動記憶表示器、27R,27L スピーカ、78R,78L ランプ、101 表示制御用CPU。
Claims (8)
- 複数種類の識別情報を変動表示可能な変動表示装置と、所定の始動条件の成立を条件として、前記変動表示装置の表示結果を決定する表示結果決定手段とを備え、該表示結果決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記変動表示装置に該特定表示結果を導出表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機であって、
前記特定表示結果が導出表示される以前の段階において、該特定表示結果が導出表示される旨を示す予告報知を複数種類の予告報知態様のうちのいずれかの予告報知態様で遊技者に報知する予告報知手段と、
前記表示結果決定手段により前記特定表示結果であると判定されたことに基づいて、前記複数種類の予告報知態様のうちのどの予告報知態様で予告報知をするかを決定する予告報知態様決定手段と、
前記予告報知手段に前記予告報知を実行させる制御を行なう予告報知制御手段と、
該予告報知態様決定手段により決定された予告報知態様を特定可能な予告報知態様情報を少なくとも含む予告報知制御情報を他の遊技機に出力する予告報知情報出力手段と、
他の遊技機から出力された前記予告報知制御情報を入力する予告報知情報入力手段とを備え、
前記予告報知制御手段は、前記予告報知情報入力手段に入力された予告報知制御情報に含まれている前記予告報知態様情報から特定される予告報知態様に応じた前記予告報知を前記予告報知手段に実行させるとともに、前記予告報知情報出力手段を介して、該入力された予告報知制御情報を出力させる制御を行なうことを特徴とする、遊技機。 - 前記予告報知情報出力手段は、前記予告報知を終了させるための予告報知停止指令情報を他の遊技機に出力し、
前記予告報知情報入力手段は、他の遊技機から出力された前記予告報知停止指令情報を入力し、
前記予告報知制御手段は、前記表示結果決定手段により前記特定表示結果となることが決定されたときに、前記変動表示装置の変動表示が開始された後当該特定表示結果が導出表示されるまでに前記予告報知停止指令情報を前記予告報知情報出力手段を介して出力するとともに、前記予告報知情報入力手段に入力された他の遊技機からの前記予告情報停止指令情報に基づき、前記予告報知手段による予告報知を終了させ、前記予告報知情報出力手段を介して、該予告情報停止指令情報を出力させる制御を行なうことを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。 - 前記予告報知情報出力手段と前記予告報知情報入力手段とを含む情報通信装置が備えられ、
該情報通信装置は、情報通信ポートから入力された前記予告報知制御情報を前記予告報知情報入力手段に入力する一方、前記予告報知情報出力手段から出力された前記予告報知制御情報を前記情報通信ポートから出力する双方向通信機能を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。 - 前記予告報知情報入力手段により予告報知情報が入力された際に、前記予告報知を行なうことができる条件が成立しているか否かを判定する予告報知可能状態判定手段を備え、
前記予告報知制御手段は、前記予告報知可能状態判定手段により予告報知を行なうことができる条件が成立していると判定されたことに基づき、前記予告報知を前記予告報知手段に実行させる制御を行なうことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の遊技機。 - 前記予告報知制御手段は、予告報知決定手段により決定された予告報知態様に応じた予告報知を前記変動表示装置に表示させることにより報知させる制御を行なうことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか記載の遊技機。
- 遊技機における遊技者が視認可能な箇所に設けられ、発光することによって遊技機を装飾する発光装飾部材を備え、
前記予告報知制御手段は、前記予告報知決定手段により決定された予告報知態様に応じた予告報知を前記発光装飾部材を発光させることにより報知させる制御を行なうことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれかに記載の遊技機。 - 音声を出力する音声出力手段を備え、
前記予告報知制御手段は、前記予告報知態様決定手段により決定された予告報知態様に応じた予告報知を前記音声出力手段を用いて音声を出力させることにより報知させる制御を行なうことを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の遊技機。 - 前記予告報知制御手段は、前記予告報知を開始する時期を遅延させて該予告報知を前記予告報知手段により報知させる予告報知遅延手段を含むことを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれかに記載の遊技機。
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JP2013128691A (ja) * | 2011-12-22 | 2013-07-04 | Kyoraku Sangyo Kk | 遊技機 |
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