JP2005034238A - 水はね防止具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】洗面台11の蛇口16に取り付けられる水はね防止具10は、凹状の水受面24を備える水受板23有しており、水受板23の基板部23aには蛇口16の導水管19が挿通される取付孔26が形成されている。水受板23を蛇口16に取り付ける際には、蛇口16に沿って案内される水受板23が洗面ボウル12の縁に接触するまで押し込まれる。蛇口16に向けて飛散する水滴は、凹状の水受面24に受け止められた後に水受板23の下方に案内され、水受板23に案内される水滴は洗面ボウル12内に流れ込む。これにより、洗面台11の蛇口16付近に水滴がかかることはなく、清掃に手間を要する蛇口16や蛇口16付近のカウンター13の清掃作業を省くことができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗面台や流し台などに取り付けて水の飛散を防止する水はね防止具に関する。
【0002】
【従来の技術】
洗面所や台所などの水廻りには洗面台や流し台が設置されている。これらの洗面台や流し台は、水道水を吐出する蛇口を備えるとともに、洗い水を流すための流しである洗面ボウルや洗い槽を備えている。洗面台においては手洗いや洗顔などが行われ、流し台においては食器の洗浄などが行われるが、これらの水仕事によって周囲に水滴が飛び散るため、後片付けに手間が掛かるという問題があった。
【0003】
そこで、洗面ボウルの脇のカウンターに板材を直立させ、カウンターを超えて飛び散ろうとする水滴を板材によって遮断するようにした水はね防止具が開発されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−225898号公報(第2−3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の水はね防止具は、水滴の飛散を防止する板材をコ字状の固定具を介して洗面台のカウンターに嵌合させるため、汎用性の低い水はね防止具となっていた。また、カウンターの一部を固定具によって覆うため、汚れや湿気がたまり易いだけでなく、金属製の固定具を腐食させるおそれもある。さらには、部品点数が多いため製作コストを削減することが困難となっていた。
【0006】
また、近年の洗面台や流し台はその使い勝手を向上させるため、大型のカウンターを採用する傾向にあり、従来のようにカウンターを超えて水滴が飛散するということが少なくなっている。ところが、カウンター上に設置される蛇口は複雑な形状を備えることが多いだけでなく、蛇口の背後に設けられるバックガードによってクリアランスが狭められるため、蛇口付近の水滴を拭き取ることは困難となっていた。
【0007】
しかしながら、従来の水はね防止具は、洗面台や流し台から外部に水滴を飛散させないことに主眼を置いたものが多く、洗面台や流し台内の蛇口付近に飛散する水滴を考慮したものとはなっていないため、蛇口付近に飛散する水滴を遮断する水はね防止具が所望されている。
【0008】
本発明の目的は、蛇口の背後や蛇口付近に向けて飛散する水滴を遮断することにより、洗面台や流し台などの清掃を容易にすることにある。
【0009】
本発明の他の目的は、水はね防止具の汎用性を高めるとともに、水はね防止具の低コスト化を達成することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の水はね防止具は、蛇口に取り付けられ、水滴の飛散を防ぐ水はね防止具であって、取付孔が形成される基板部とこれの両側から湾曲して延びる湾曲板部とを備え、前記基板部と前記湾曲板部とにより凹状の水受面が形成される水受板を有し、前記取付孔に前記蛇口を挿通するとともに前記水受板の下端を流し内に収容することにより、前記蛇口に向けて飛散する水滴を前記水受板から前記流し内に案内することを特徴とする。
【0011】
本発明の水はね防止具は、前記取付孔は前記水受板に形成される切断指示線により区画され、前記切断指示線を切り離すことにより前記取付孔が開口されることを特徴とする。
【0012】
本発明の水はね防止具は、前記水受板の下部に切断指示線を形成し、前記切断指示線を切り離すことにより前記水受板の高さ寸法を変更することを特徴とする。
【0013】
本発明の水はね防止具は、前記切断指示線を複数形成することを特徴とする。
【0014】
本発明の水はね防止具は、前記水受板の上部を前記水受面側に曲げることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、水受板に取付孔と凹状の水受面とを形成するようにしたので、蛇口に向けて飛散する水滴を水受板により遮断することができ、水受板によって遮断された水滴を流し内に案内することができる。
【0016】
これにより、洗面台や流し台などの蛇口付近に水滴がかかることはなく、清掃に手間を要する蛇口付近や蛇口背後の清潔作業を省くことができ、洗面台や流し台などの清掃を容易に行うことができる。
【0017】
また、取付孔を介して蛇口に水受板を取り付けるようにしたので、水はね防止具の取り付けが容易になるだけでなく、様々な洗面台や流し台に対応させることができ、水はね防止具の汎用性を高めるとともに低コスト化を達成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施の形態である水はね防止具10の使用状態を示す斜視図であり、図2は図1の水はね防止具10を示す拡大斜視図である。また、図3は図2のA−A線に沿って水はね防止具10を示す断面図であり、図4は図2のB方向から水はね防止具10を示す平面図である。
【0020】
図1に示すように、水はね防止具10が取り付けられる洗面台11は、流しとしての洗面ボウル12と、洗面ボウル12の周囲を取り囲むように形成されるカウンター13とを備えている。また、カウンター13の背後には上方に延びるバックガード14が取り付けられ、このバックガード14には化粧鏡15が取り付けられている。そして、バックガード14と洗面ボウル12との間のカウンター13には蛇口16が取り付けられている。なお、バックガード14を全て化粧鏡によって覆うようにしても良い。
【0021】
蛇口16は上方に延びる蛇口本体17を備えており、蛇口本体17の上端には水栓レバー18が組み付けられ、蛇口本体17の外周面にはほぼ水平方向に延びる導水管19が設けられている。導水管19の先端には下方に開口する吐水口20が設けられており、水栓レバー18を操作することによって吐水口20から水道水を流すことができる。洗面ボウル12の底面には排水口21が形成されており、洗面ボウル12内に流された水道水は排水口21より外部に排出される。また、洗面ボウル12の内壁には洗面ボウル12内の上限水位を定めるオーバーフロー口22が形成されており、上限水位に達した水道水はオーバーフロー口22から排水されるようになっている。
【0022】
続いて、洗面台11の蛇口16に取り付けられる水はね防止具10について説明する。図1および図2に示すように、水はね防止具10は水受板23によって形成されており、水受板23は、ほぼ平板状の基板部23aと、これの両側から前方に湾曲して延びる湾曲板部23bとを備えている。水受板23には基板部23aと湾曲板部23bとによって凹状の水受面24が形成されており、水受板23の上部は水受面24側に曲げるように形成されている。この水受板23は樹脂材料を用いて一体に成型されており、樹脂材料としてはPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂が用いられている。なお、水受板23を形成する材料としてはPET樹脂に限られることはなく、耐水性を備える材料であれば他の材料を用いて水受板23を形成しても良い。
【0023】
基板部23aのほぼ中央部には、切断指示線である複数のミシン目25が矩形状や円形状に形成されており、これらミシン目25によって水受板23上に複数の取付孔26が区画されている。ミシン目25のいずれかを切り離すことにより取付孔26を水受板23に開口することができ、このような取付孔26に導水管19を挿通することにより、図1に示すように、水はね防止具10は蛇口16に取り付けられる。
【0024】
水受板23に複数のミシン目25を形成するようにしたのは、導水管19の太さや形状に合わせて取付孔26の大きさや形状を容易に変化させるためであり、これにより水はね防止具10の汎用性を向上させることができる。また、PET樹脂は容易に切断することができるため、ミシン目25に代えて印刷や刻印により切断箇所を示す切断指示線を形成するようにしても良い。なお、取付孔26としては、水受板23上にミシン目25などの切断指示線によって区画され、使用時に開口させる取付孔26に限られることはなく、予め開口された取付孔を水受板23に形成しても良い。また、切断指示線によって区画された複数の取付孔26のうち、最小の取付孔を予め開口させても良い。
【0025】
また、水受板23を蛇口16に取り付ける際には、図1および図3に示すように、蛇口16に沿って案内される水受板23が洗面ボウル12の縁に接触するまで押し込まれる。図示する場合には、水受板23の下端がオーバーフロー口22の下方に位置することになるが、図3に示すように、水受板23は若干傾斜して蛇口に取り付けられるため、水受板23と洗面ボウル12との間にはオーバーフロー口22に繋がる隙間が生じることになる。つまり、水受板23を取り付けた場合であっても、水受板23と洗面ボウル12との間に生じる隙間を介して、オーバーフロー口22と洗面ボウル12内とは連通状態となるため、オーバーフロー口22からの排水が阻害されることはない。
【0026】
さらに、水受板23の下部には水平方向に延びる切断指示線としてのミシン目27が複数形成されており、このミシン目27を切り離すことにより、水受板23の高さ寸法を短く変更することができる。これにより、蛇口16とオーバーフロー口22との間の高さ寸法が変わる各種洗面台に水はね防止具10を取り付ける場合であっても、オーバーフロー口22からの排水を確保することができ、水はね防止具10の汎用性を高めることができる。また、水受板23によってオーバーフロー口22を塞いでしまうおそれがある場合であっても、水受板23の高さ寸法を短く変更することによって、水受板23の下端をオーバーフロー口22の上方に位置させることができ、オーバーフロー口22からの排水を確保することができる。なお、水受板23の下部に形成される切断指示線としては、ミシン目27に限られることはなく、印刷や刻印により切断箇所を示す切断指示線を水受板23に形成しても良い。
【0027】
またさらに、水受板23の上部には2つの貫通孔28が形成されている。この貫通孔28は取付孔26の両側にそれぞれ形成されており、それぞれの貫通孔28は取付孔26から水受板23の幅方向にほぼ等間隔となって開口されている。この貫通孔28は水受板23を安定させるために設けられており、万一、水受板23の取付状態が安定しないときには、水受板23の貫通孔28に紐の一端を結びつけ、蛇口16などに紐の他端を結びつけることにより、水受板23の揺れ動きを抑制することができる。また、バックガード14や化粧鏡15に、紐の挿通孔を備えた吸盤やねじ部材を取り付け、これらの吸盤やねじ部材と水受板23とを紐を介して結ぶようにしても良く、これによって水受板23の取付状態を更に安定させることができる。
【0028】
次いで、蛇口16方向に飛散する水滴の遮断について説明する。まず、洗面台11の水栓レバー18を操作することにより、蛇口16の吐水口20から水道水を流す際には、洗面ボウル12に衝突する際の跳ね返りは勿論のこと、洗面台11で行われる各種作業によっても、水滴が四方八方に飛び散ることになる。このとき、蛇口16に向けて飛散する水滴は、蛇口16に取り付けられる水受板23によって遮断され、遮断された水滴は重力によって水受板23の下方に案内される。水滴を遮断する水受板23は、その下端が洗面ボウル12内に入り込んだ状態となっているため、水受板23の下方に流れる水滴はそのまま洗面ボウル12内に流れ込むことになる。このため、水受板23に遮断される水滴を別途に処理する必要はなく、水受板23に受け止められた水滴によってカウンター13を汚すこともない。
【0029】
なお、蛇口16からの水量が増大して水滴の飛散状態が激しくなる場合であっても、水受板23の水受面24は水平方向に凹状となるだけでなく、水受板23の上部が水受面24側に湾曲するため、水受面24に当たる水滴は洗面ボウル12に向けて跳ね返ることになる。これにより、水受板23に衝突した水滴を確実に洗面ボウル12に案内することができる。
【0030】
このように、蛇口16に水はね防止具10を装着することにより、蛇口16に向けて飛散する水滴を回収して洗面ボウル12に戻すことができるため、洗面台11の蛇口付近に水滴がかかることはなく、清掃に手間を要する蛇口16や蛇口付近のカウンター13およびバックガード14を汚すことはない。特に、蛇口16の背後に設けられるバックガード14は、図1および図3に示すように、奥に入り込んでいるために清掃が困難となるが、水はね防止具10を装着することによってこの困難な清掃作業を解消することができる。したがって、洗面台11を使用した後の清掃作業としては、障害物のない平滑なカウンター13に付着した水滴を拭き取る容易な作業のみで良く、この作業を行うだけで洗面台11を清潔に保つことができる。
【0031】
また、蛇口16に水はね防止具10を装着する際には、水受板23の取付孔26に蛇口16の導水管19を通すようにしたので、水はね防止具10の汎用性を向上させることができる。つまり、各種洗面台に設けられる導水管の形状や太さ寸法が大幅に異なることは少ないため、水はね防止具10を各種洗面台に対応させることができる。
【0032】
さらに、水受板23の上部を水受面24側に湾曲させるようにしたので、湾曲板部23bを備える水受板23の剛性を高めることができる。またさらに、図4に示すように、水受板23の上縁29は後方に湾曲した状態となるため、使用者と水受板23との間のクリアランスを大きく採ることができ、使用者に圧迫感を与えることもない。
【0033】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、図示する場合には、水はね防止具10を洗面台11に取り付けているが、流しとしての洗い槽を備える流し台に本発明の水はね防止具10を取り付けても良い。
【0034】
また、水はね防止具10の形状は、図示する形状に限られることはなく、洗面台11や流し台の形状に応じて適宜変更しても良い。たとえば、図示する水受板23の基板部23aは、ストレートタイプの洗面ボウルに合わせるためほぼ平板状に形成されているが、この形状に限られることはなく、ラウンドタイプの洗面ボウルに合わせて基板部23aを水平方向に湾曲させても良い。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、水受板に取付孔と凹状の水受面とを形成するようにしたので、蛇口に向けて飛散する水滴を水受板により遮断することができ、水受板によって遮断された水滴を流し内に案内することができる。
【0036】
これにより、洗面台や流し台などの蛇口付近に水滴がかかることはなく、清掃に手間を要する蛇口付近や蛇口背後の清潔作業を省くことができ、洗面台や流し台などの清掃を容易に行うことができる。
【0037】
また、取付孔を介して蛇口に水受板を取り付けるようにしたので、水はね防止具の取り付けが容易になるだけでなく、様々な洗面台や流し台に対応させることができ、水はね防止具の汎用性を高めるとともに低コスト化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である水はね防止具の使用状態を示す斜視図である。
【図2】図1の水はね防止具を示す拡大斜視図である。
【図3】図2のA−A線に沿って水はね防止具を示す断面図である。
【図4】図2のB方向から水はね防止具を示す平面図である。
【符号の説明】
10 水はね防止具
11 洗面台
12 洗面ボウル(流し)
13 カウンター
14 バックガード
15 化粧鏡
16 蛇口
17 蛇口本体
18 水栓レバー
19 導水管
20 吐水口
21 排水口
22 オーバーフロー口
23 水受板
23a 基板部
23b 湾曲板部
24 水受面
25 ミシン目(切断指示線)
26 取付孔
27 ミシン目(切断指示線)
28 貫通孔
29 上縁
Claims (5)
- 蛇口に取り付けられ、水滴の飛散を防ぐ水はね防止具であって、
取付孔が形成される基板部とこれの両側から湾曲して延びる湾曲板部とを備え、前記基板部と前記湾曲板部とにより凹状の水受面が形成される水受板を有し、
前記取付孔に前記蛇口を挿通するとともに前記水受板の下端を流し内に収容することにより、前記蛇口に向けて飛散する水滴を前記水受板から前記流し内に案内することを特徴とする水はね防止具。 - 請求項1記載の水はね防止具において、前記取付孔は前記水受板に形成される切断指示線により区画され、前記切断指示線を切り離すことにより前記取付孔を開口させることを特徴とする水はね防止具。
- 請求項1または2記載の水はね防止具において、前記水受板の下部に切断指示線を形成し、前記切断指示線を切り離すことにより前記水受板の高さ寸法を変更することを特徴とする水はね防止具。
- 請求項2または3記載の水はね防止具において、前記切断指示線を複数形成することを特徴とする水はね防止具。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の水はね防止具において、前記水受板の上部を前記水受面側に曲げることを特徴とする水はね防止具。
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