JP2005032644A - 無電極放電ランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 高周波(480(±20)kHz)で駆動する場合において、管球内で発生するプラズマの影響により発光色が乱れるのを補正して、所望の発色、具体的には電球色または昼光色を得ることのできる低出力(12W)または高出力(20W)の無電極放電ランプを提供する。
【解決手段】 低出力電球色ではR、G、B蛍光体の各重量比を、同順に65.5〜76.9:26.5〜31.1:0〜1.0とする。低出力昼光色では同順に34.13〜40.05:29.86〜35.06:28.01〜32.89とする。高出力電球色では同順に66.4〜78.0:25.6〜30.0:0〜1.0とする。高出力昼光色では、同順に35.69〜41.89:30.51〜35.81:25.81〜30.29とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電磁誘導により駆動して発光する低出力および高出力の無電極放電ランプに関し、特に所望の発光色(電球色または昼光色)を得るための技術に関する。
無電極放電ランプは、内面に蛍光体膜が塗布された管球(バルブ)に電磁誘導コイルが近接配置され、内部に放電ガスが封入された構成を持つ。そして、放電ガスを電磁誘導により励起してプラズマを発生し、当該プラズマの紫外線で管球内面に塗布された蛍光体から可視光を得て発光駆動する。このような無電極放電ランプは、放電灯に比べて高いエネルギー効率を有し、数万時間におよぶ連続駆動中の耐久性を発揮するなど優れた性能を持ち、近年注目を集めている。
ところで従来の無電極放電ランプでは、430kHz程度の駆動周波数で駆動されているが、複数の無電極放電ランプを併設した場合に個々のランプ内で発生したプラズマが干渉し、点灯安定性(放電安定性)や、点灯時の始動性が低下する場合がある。このため現在では、従来より高周波(具体的には480(±20)kHzの駆動周波数)でランプを駆動する方法が採られるようになっている。このような高周波駆動を行うと、管球内部の電磁誘導コイル周辺で発生するプラズマが収束するので、複数の無電極放電ランプを隣接配置させてもプラズマ同士が干渉するのが低減され、安定した放電のもとにちらつきの少ない駆動が可能となる。また、点灯時の始動性が向上する効果も期待することができる。
特開2003-51504号公報
しかしながら無電極放電ランプでは、管球内で発生するプラズマ自身の発光波長が元々若干可視光側に及んでいることから、蛍光体の発光とプラズマ自身の発光が混ざり合って発光色をなす性質がみられる。このような性質は当該ランプの設計時に定められた発光色を乱す原因となるので、所望の色温度を得るためには是非とも解決すべき課題である。
また、前述のように駆動周波数を高周波に変更するに伴い、管球内で発生するプラズマの発光強度が変化するので、このようなプラズマの発光を考慮に入れて所望の発光を得られるようにする必要がある。
本願発明はこのような課題に対してなされたものであって、高周波(480(±20)kHz)で駆動する場合において、管球内で発生するプラズマの影響により発光色が乱れるのを補正して、所望の発色、具体的には電球色または昼光色を得ることのできる低出力(12W)または高出力(20W)の無電極放電ランプを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、内面に蛍光体膜が塗布された管球に放電ガスが封入され、当該管球に近接配置された電磁誘導手段により放電ガスを励起して発光駆動する低出力の無電極放電ランプであって、前記蛍光体膜における赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各蛍光体の質量比が、同順に65.5〜76.9:26.5〜31.1:0.0〜1.0、かつ当該蛍光体膜の膜厚範囲が15μm以上20μm以下であり、480(±20)kHz駆動時において色温度2800(±150)Kの電球色を発色するものとした。
また本発明は、内面に蛍光体膜が塗布された管球に放電ガスが封入され、当該管球に近接配置された電磁誘導手段により放電ガスを励起して発光駆動する低出力の無電極放電ランプであって、前記蛍光体膜における赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各蛍光体の質量比が、同順に34.13〜40.05:29.86〜35.06:28.01〜32.89、かつ当該蛍光体膜の膜厚範囲が15μm以上20μm以下であり、480(±20)kHz駆動時において色温度6700(±400)Kの昼光色を発色するものとした。
また本発明は内面に蛍光体膜が塗布された管球に放電ガスが封入され、当該管球に近接配置された電磁誘導手段により放電ガスを励起して発光駆動する高出力の無電極放電ランプであって、前記蛍光体膜における赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各蛍光体の質量比が、同順に66.4〜78.0:25.6〜30.0:0.0〜1.0、かつ当該蛍光体膜の膜厚範囲が15μm以上20μm以下であり、480(±20)kHz駆動時において色温度2800(±150)Kの電球色を発色するものとした。
さらに本発明は、内面に蛍光体膜が塗布された管球に放電ガスが封入され、当該管球に近接配置された電磁誘導手段により放電ガスを励起して発光駆動する高出力の無電極放電ランプであって、前記蛍光体膜における赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各蛍光体の質量比が、同順に35.69〜41.89:30.51〜35.81:25.81〜30.29、かつ当該蛍光体膜の膜厚範囲が15μm以上20μm以下であり、480(±20)kHz駆動時において色温度6700(±400)Kの昼光色を発色するものとした。
なお本発明で言う「低出力」とは12±1.46W、「高出力」とは20±2.1Wの出力範囲のことをそれぞれ指す。
なお各色蛍光体としては、赤色蛍光体にはユーロピウム付活酸化イットリウム、緑色蛍光体にはセリウム、テルビウム付活リン酸ランタン、青色蛍光体には、ユーロピウム付活バリウム・マグネシウム・アルミネートを選ぶことができる。
このような本発明の無電極放電ランプの発色は、ランプが低出力タイプの場合、管球の最冷点温度範囲が47.0(±2.0)℃、ランプが高出力タイプの場合、管球の最冷点温度範囲は48.0(±2.0)℃であるときに特に良好に得られる。
以上のことから明らかなように、本発明は、内面に蛍光体膜が塗布された管球に放電ガスが封入され、当該管球に近接配置された電磁誘導手段により放電ガスを励起して発光駆動する低出力の無電極放電ランプであって、前記蛍光体膜における赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各蛍光体の質量比が、同順に65.5〜76.9:26.5〜31.1:0.0〜1.0、かつ当該蛍光体膜の膜厚範囲が15μm以上20μm以下であり、480(±20)kHz駆動時において色温度2800(±150)Kの電球色を発色するものとした。
また本発明は、内面に蛍光体膜が塗布された管球に放電ガスが封入され、当該管球に近接配置された電磁誘導手段により放電ガスを励起して発光駆動する低出力の無電極放電ランプであって、前記蛍光体膜における赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各蛍光体の質量比が、同順に34.13〜40.05:29.86〜35.06:28.01〜32.89、かつ当該蛍光体膜の膜厚範囲が15μm以上20μm以下であり、480(±20)kHz駆動時において色温度6700(±400)Kの昼光色を発色するものとした。
また本発明は内面に蛍光体膜が塗布された管球に放電ガスが封入され、当該管球に近接配置された電磁誘導手段により放電ガスを励起して発光駆動する高出力の無電極放電ランプであって、前記蛍光体膜における赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各蛍光体の質量比が、同順に66.4〜78.0:25.6〜30.0:0.0〜1.0、かつ当該蛍光体膜の膜厚範囲が15μm以上20μm以下であり、480(±20)kHz駆動時において色温度2800(±150)Kの電球色を発色するものとした。
さらに本発明は、内面に蛍光体膜が塗布された管球に放電ガスが封入され、当該管球に近接配置された電磁誘導手段により放電ガスを励起して発光駆動する高出力の無電極放電ランプであって、前記蛍光体膜における赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各蛍光体の質量比が、同順に35.69〜41.89:30.51〜35.81:25.81〜30.29、かつ当該蛍光体膜の膜厚範囲が15μm以上20μm以下であり、480(±20)kHz駆動時において色温度6700(±400)Kの昼光色を発色するものとした。
このように各色蛍光体の質量比を厳密に設定することにより、480(±20)kHzの高周波駆動を行う場合において、プラズマ本来の青色成分による発光色と蛍光体からの可視光との混合色が所望の色温度となるので、良好に電球色または昼光色の発色が得られる無電極ランプを提供することができる。
なお各色蛍光体としては、赤色蛍光体にはユーロピウム付活酸化イットリウム、緑色蛍光体にはセリウム、テルビウム付活リン酸ランタン、青色蛍光体には、ユーロピウム付活バリウム・マグネシウム・アルミネートを選ぶことができる。
このような本発明の無電極ランプの発色は、ランプが低出力タイプの場合、管球の最冷点温度範囲が47.0(±2.0)℃、ランプが高出力タイプの場合、管球の最冷点温度範囲は48.0(±2.0)℃であるときに特に良好に得られる。
1.実施の形態1
1-1.無電極放電ランプの構成
まず、実施の形態1の無電極放電ランプ1の基本的な構成について、図1の垂直部分断面図に従って説明する。当図1では回路駆動部40および口金60は便宜上カットしていない。なお、以下に挙げる無電極放電ランプの規格および構成サイズは一例であって、本発明はこれに限定するものではない。
本無電極放電ランプ1は、内部に細管部10aを有するガラス製密閉バルブである管球10と、前記管球10の細管部10aに挿設される電磁誘導部20と、電磁誘導部20のコイル22に電流を供給する駆動回路部40と、当該駆動回路部40を外部より保護して管球10側と接着されるケース部50、および駆動回路部40に電力供給するための口金60とからなる。
電磁誘導部20は、下部に円盤状の鍔21aのついた円筒形ボビン21に円筒形フェライトコア23(例えばMn-Zn系フェライト材)が挿設され、ボビン21の外周面に沿ってコイル22が配設された構成を有する。コイル巻線には一例として、いわゆるリッツ線を用いることができる。コイル22の接続リード22a、22b(22bは不図示)はコイル22表面を被覆する絶縁層24の表面を這い、鍔21aおよびホルダー30を介して駆動回路部40へ接続されている。
絶縁層24は駆動開始時におけるコイル22とリード22a、22bとの絶縁破壊を防止するためのものであり、例えば厚さ50μmの絶縁テープをコイル22表面に巻いて形成される。
駆動回路部40は、高周波回路および電源回路等を備えており、外部より供給される50Hzまたは60Hzの交流電流を電磁誘導部20へ送り、高周波(480±20kHz)の交流電流を発生させる。駆動回路40部に電力供給するための電力供給線41a、41bはそれぞれケース50下部に設けられたエジソン(E)型口金60とその端子61に接続される。
ホルダー30の鍔21aは管球10と接着部材70により互いに接着固定される。またフェライトコア23は中央部に筒部を持つホルダー30によりボビン21と駆動回路部40との間で固定される。ケース50はこれら駆動回路部40、ホルダー30、電磁誘導部20をそれぞれ外部から保護し固定するために、前記接着部材70によって管球10下部の接着部10cと固定されている。
管球10は、例えば低出力12Wタイプなら全長75mm、最大径65mmのサイズ、高出力20Wタイプなら全長90mm、最大径75mmのサイズに設定されたPS形管球であり、ガラス材料からなる複数の部材を射出成形したのち互いに溶着して形成されたものであって、内部に水銀と希ガス(例えば体積比が同順に20:80のアルゴンおよびクリプトン)からなる放電ガスが封入されている。なお管球10は、当然ながらPS形以外のもの(例えばG形、T形等)であってもよい。
外観側に位置する管球10の内面にはRGB各色の蛍光体を配合してなる蛍光体膜11が、管球10の最大径部分での平均厚みが15μm以上20μm以下の範囲になるように形成されている。ここで本発明は、蛍光体膜11中のRGB各色の蛍光体の配合比に主な特徴があるが、これについては詳細を後述する。
このような構成の無電極放電ランプ1によれば、口金60および電極端子61に電力供給を行うと、駆動回路部40部を介して電磁誘導部20に480±20kHzの高周波電流が供給される。これにより管球10内部ではコイル22の周囲に沿って交流磁場が形成され、発生する磁界によって水銀原子と電子との衝突が起こる。この衝突に起因して放出された紫外線が、管球10内面の蛍光体膜11を励起し、可視光に変換されることにより発色をなす。
なお、前記「480±20kHz」の±20kHzは、主として無電極放電ランプ1製造時のバラツキ(固体バラツキ)に起因する数値範囲である。
この無電極放電ランプ1の構成は、低出力(12W)または高出力(20W)のいずれかに対応させて作製することができる。
1-2.本実施の形態1の効果
無電極放電ランプにおいては、管球内で発生するプラズマ自身の発光波長が若干可視光側に及ぶ(具体的には青色発光波長の350nm付近に及ぶ発光波長となる)。特に、無電極放電ランプにおいて480kHz程度の高周波駆動を行うと、低周波駆動を行う場合に比べてこのプラズマの発光が増加する傾向が見られる。本発明は、このようにプラズマと蛍光体の各発光が混ざり合い、互いに干渉して設定とずれた発色になってしまう問題に対してなされており、RGB各色の蛍光体質量比を厳密かつ高度に規定することによって、管球内で発生するプラズマの発光波長の影響で発光色が乱れるのを回避した色補正を行うものである。本発明では、電球色および昼光色の演色性が良好な無電極放電ランプを実現している。特に本願発明は、駆動周波数が高周波(480±20kHz)とする場合に特化して、良好な色再現を可能としている。
無電極放電ランプの発色は、蛍光体膜の組成、すなわち赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の質量比によって設定される。本発明における具体的な蛍光体材料としては、ここでは以下のものを使用している。
赤色(R)蛍光体;ユーロピウム付活酸化イットリウム
緑色(G)蛍光体;セリウム、テルビウム付活リン酸ランタン
青色(B)蛍光体;ユーロピウム付活バリウム・マグネシウム・アルミネート
各蛍光体の平均粒径としては、R:4μm、G:5μm、B:8μm程度がそれぞれ適当である。
次に、本発明の低出力・高出力無電極ランプのそれぞれについて、各色(電球色・昼光色)の発色データに関する詳細を説明する。
<電球色の低出力無電極放電ランプについて>
図2は本実施の形態1における低出力電球色の色度特性を示すJIS規格(JIS Z 8701)に基づいたxy色度座標図である。図中、縦軸方向のx、yは色度、横軸方向は管球10の最冷点温度範囲または各蛍光体の添加量範囲を示す。
図2(a)は、RGB各色蛍光体の質量比を同順に71.2:28.8:0に固定した場合のxy座標色度座標図を示すものである。当該色度座標図で点線で囲まれた範囲が電球色として好適な範囲を示している。当図のように、管球10の最冷点温度範囲が45℃以上49℃以下のときが、電球色としての好適な発色を得ることができる。また最適の最冷点温度は、当図から47℃であることが分かる。なお、管球10の最冷点温度は、この場合管球10の上方先端部で測定している。
図2(b)は、管球10の最冷点温度を最適温度の47℃で一定にし、蛍光体質量比R/Bを一定に保った状態で緑色蛍光体の添加量を変化させたときの色度座標図を示すものである。当図から、緑色蛍光体の添加量としては他色の蛍光体に対して26.5〜31.1の質量比が適当であると考えられる。
次に図2(c)は、管球10の最冷点温度を最適温度の47℃で一定にし、蛍光体質量比G/Bを一定に保った状態で赤色蛍光体の添加量を変化させたときの色度座標図を示すものである。当図から、赤色蛍光体の添加量としては他色の蛍光体に対して65.5〜76.9の質量比が適当であると考えられる。
次に図2(d)は、管球10の最冷点温度を最適温度の47℃で一定にし、蛍光体R/G比を一定に保った状態で青色蛍光体の添加量を変化させたときの色度座標図を示すものである。当図から、青色蛍光体の添加量としては他色の蛍光体に対して0〜1.0の質量比が適当であると考えられる。
以上のデータをまとめると、本実施の形態1の電球色タイプにおける無電極放電ランプに用いる前記蛍光体は、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各質量比を、同順に65.5〜76.9:26.5〜31.1:0〜1.0として配合することが望ましい。これにより本実施の形態1の低出力の無電極放電ランプでは、駆動時において2800(±150)Kの電球色を良好に発色することが可能となる。
<昼光色の低出力無電極放電ランプについて>
図3は本実施の形態1における低出力昼光色の色度特性を示すJIS規格(JIS Z 8701)に基づいたxy色度座標図である。
図3(a)は、RGB各色蛍光体の質量比を同順に37.09:32.46:30.45に固定した場合のxy色度座標図を示すものである。当該色度座標図で点線で囲まれた範囲が昼光色として好適な範囲を示している。なお昼光色の場合においても、上記電極色の場合と同様に、当図のように管球10の最冷点温度範囲が45℃以上49℃以下のときが昼光色として好適な発色を得ることができる。最適の最冷点温度は、当図から47℃であることが分かる。なお管球10の最冷点温度は、この場合も管球10の上方先端部で測定した値としている。
図3(b)は、管球10の最冷点温度を最適温度の47℃に一定にし、蛍光体質量比R/Bを一定に保った状態で緑色蛍光体の添加量を変化させたときの色度座標図を示すものである。当図から、緑色蛍光体の添加量としては他色の蛍光体に対して29.86〜35.06の質量比が適当であると考えられる。
次に図3(c)は、管球10の最冷点温度を最適温度の47℃に一定にし、蛍光体質量比G/Bを一定に保った状態で赤色蛍光体の添加量を変化させたときの色度座標図を示すものである。当図から、赤色蛍光体の添加量としては他色の蛍光体に対して34.13〜40.05の質量比が適当であると考えられる。
次に図3(d)は、管球10の最冷点温度を最適温度の47℃に一定にし、蛍光体質量比R/Gを一定に保った状態で青色蛍光体の添加量を変化させたときの色度座標図を示すものである。当図から、青色蛍光体の添加量としては他色の蛍光体に対して28.01〜32.89の質量比が適当であると考えられる。
以上のデータをまとめると、本実施の形態1の昼光色タイプにおける無電極放電ランプに用いる前記蛍光体は、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各質量比を、同順に34.13〜40.05:29.86〜35.05:28.01〜32.89として配合することが望ましい。これにより本実施の形態1の低出力の無電極放電ランプ1では、駆動時に6700(±400)Kの昼光色を良好に発色することが可能となる。
<電球色の高出力無電極放電ランプについて>
図4は本実施の形態1における高出力電球色の色度特性を示すJIS規格(JIS Z 8701)に基づいたxy色度座標図である。図中、縦軸方向のx、yは色度、横軸方向は管球10の最冷点温度範囲または各蛍光体の添加量範囲を示す。
図4(a)は、RGB各色蛍光体の質量比を同順に72.2:27.8:0に固定した場合のxy座標色度座標図を示すものである。当該色度座標図で点線で囲まれた範囲が高出力電球色として好適な範囲を示している。当図のように、管球10の最冷点温度範囲が46℃以上50℃以下のときが、電球色としての好適な発色を得ることができる。また最適の最冷点温度は、当図から48℃であることが分かる。なお、管球10の最冷点温度は、この場合管球10の上方先端部で測定している。
図4(b)は、管球10の最冷点温度を最適温度の48℃で一定にし、蛍光体質量比R/Bを一定に保った状態で緑色蛍光体の添加量を変化させたときの色度座標図を示すものである。当図から、緑色蛍光体の添加量としては他色の蛍光体に対して25.6〜30.0の質量比が適当であると考えられる。
次に図4(c)は、管球10の最冷点温度を最適温度の48℃で一定にし、蛍光体質量比G/Bを一定に保った状態で赤色蛍光体の添加量を変化させたときの色度座標図を示すものである。当図から、赤色蛍光体の添加量としては他色の蛍光体に対して66.4〜78.0の質量比が適当であると考えられる。
次に図4(d)は、管球10の最冷点温度を最適温度の48℃で一定にし、蛍光体R/G比を一定に保った状態で青色蛍光体の添加量を変化させたときの色度座標図を示すものである。当図から、青色蛍光体の添加量としては他色の蛍光体に対して0〜1.0の質量比が適当であると考えられる。
以上のデータをまとめると、本実施の形態1の電球色タイプにおける無電極放電ランプに用いる前記蛍光体は、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各質量比を、同順に66.4〜78.0:25.6〜30.0:0〜1.0として配合することが望ましい。これにより本実施の形態1の高出力の無電極放電ランプでは、駆動時において2800(±150)Kの電球色を良好に発色することが可能となる。
<昼光色の高出力無電極放電ランプについて>
図5は本実施の形態1における高出力昼光色の色度特性を示すJIS規格(JIS Z 8701)に基づいたxy色度座標図である。
図5(a)は、RGB各色蛍光体の質量比を同順に38.79:33.16:28.05に固定した場合のxy色度座標図を示すものである。当該色度座標図で点線で囲まれた範囲が昼光色として好適な範囲を示している。なお昼光色の場合においても、上記電極色の場合と同様に、当図のように管球10の最冷点温度範囲が46℃以上50℃以下のときが昼光色として好適な発色を得ることができる。最適の最冷点温度は、当図から48℃であることが分かる。なお管球10の最冷点温度は、この場合も管球10の上方先端部で測定した値としている。
図5(b)は、管球10の最冷点温度を最適温度の48℃に一定にし、蛍光体質量比R/Bを一定に保った状態で緑色蛍光体の添加量を変化させたときの色度座標図を示すものである。当図から、緑色蛍光体の添加量としては他色の蛍光体に対して30.51〜35.81の質量比が適当であると考えられる。
次に図5(c)は、管球10の最冷点温度を最適温度の48℃に一定にし、蛍光体質量比G/Bを一定に保った状態で赤色蛍光体の添加量を変化させたときの色度座標図を示すものである。当図から、赤色蛍光体の添加量としては他色の蛍光体に対して35.69〜41.89の質量比が適当であると考えられる。
次に図5(d)は、管球10の最冷点温度を最適温度の48℃に一定にし、蛍光体質量比R/Gを一定に保った状態で青色蛍光体の添加量を変化させたときの色度座標図を示すものである。当図から、青色蛍光体の添加量としては他色の蛍光体に対して25.81〜30.29の質量比が適当であると考えられる。
以上のデータをまとめると、本実施の形態1の昼光色タイプにおける無電極放電ランプに用いる前記蛍光体では、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各質量比を、同順に35.69〜41.89:30.51〜35.81:25.81〜30.29として配合することが望ましい。これにより本実施の形態1の高出力の無電極放電ランプ1では、駆動時に6700(±400)Kの昼光色を良好に発色することが可能となる。
1-3.蛍光体の膜厚について
ここでは本発明の低出力および高出力の無電極放電ランプの最適な蛍光体膜厚について考察する。
図6〜図9は、それぞれ低出力電球色、低出力昼光色、高出力電球色、高出力昼光色の各無電極放電ランプについて、蛍光体の膜厚が発色に及ぼす影響を示す図である。
当該図6〜図9のデータを得るための実験では、低出力電球色、低出力昼光色の各ランプにおいては最冷点温度を47℃で一定とし、高出力電球色、高出力昼光色の各ランプにおいては最冷点温度を48℃で一定とした。
RGB各色蛍光体の質量比は以下の値でそれぞれ一定とした。
低出力電球色(図6);R:G:B=71.2:28.8:0
低出力昼光色(図7);R:G:B=37.09:32.46:30.45
高出力電球色(図8);R:G:B=72.2:27.8:0
高出力昼光色(図9);R:G:B=38.79:33.16:28.05
次に、ここに挙げた各タイプの無電極放電ランプについて、光束積分球を用いて最も安定した発色が得られる全光束(lumen)を測定し(このときの蛍光体膜厚は17.5μmであった)、これを基準100%として、蛍光体膜厚が15〜20μmの範囲における全光束の変化を調べた。このときの蛍光体膜厚は管球10の最大径部分における数値を記載した。
図6〜図9から明らかなように、ここに挙げられた計4種(低出力×2種、高出力×2種)のいずれの構成であっても、蛍光体膜厚が17.5μmを基準として15〜20μmの範囲の蛍光体膜厚であれば、全光束比率φの変化が95%〜102%の間に収まり、ほぼ望ましい発色が得られることが分かった。なお蛍光体膜厚が15μmより薄くなると、プラズマの青色が蛍光体膜の発色と混合し、青みがかった発色になるので望ましくない。また蛍光体膜厚が20μmより大きくなると、発光が暗くなり全光束が低下し過ぎ、この場合も望ましくない。以上のことから本発明の無電極蛍光ランプの蛍光体膜厚は15〜20μmの範囲が最適であると言うことができる。
2.その他の事項
本発明の無電極放電ランプ1の管球10の形状は図1に示す、いわゆる電球型形状に限定するものではなく、これ以外の形状に設定してもよい。
また、本発明は各蛍光体の種類も上記蛍光物質に限定するものではなく、これ以外の組成からなるものを用いてもよい。
本発明は、店舗・公用施設における照明用ランプとして利用することが可能である。
無電極放電ランプの構成を示す部分断面図である。 本実施の形態1の色度(低出力電球色)の特性を示す図である。 本実施の形態1の色度(低出力昼光色)の特性を示す図である。 本実施の形態1の色度(高出力電球色)の特性を示す図である。 本実施の形態1の色度(高出力昼光色)の特性を示す図である。 本実施の形態1の蛍光体(低出力電球色)の膜厚特性を示す図である。 本実施の形態1の蛍光体(低出力昼光色)の膜厚特性を示す図である。 本実施の形態1の蛍光体(高出力電球色)の膜厚特性を示す図である。 本実施の形態1の蛍光体(高出力昼光色)の膜厚特性を示す図である。
符号の説明
1 無電極放電ランプ
10 管球(バルブ)
11 蛍光体膜
20 電磁誘導部
30 ホルダー
40 駆動回路部
50 ケース
60 口金

Claims (9)

  1. 内面に蛍光体膜が塗布された管球に放電ガスが封入され、当該管球に近接配置された電磁誘導手段により放電ガスを励起して発光駆動する無電極放電ランプであって、
    前記蛍光体膜における赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各蛍光体の質量比が、同順に65.5〜76.9:26.5〜31.1:0.0〜1.0、かつ当該蛍光体膜の膜厚範囲が15μm以上20μm以下であり、
    480(±20)kHz駆動時において色温度2800(±150)Kの電球色を発色することを特徴とする低出力の無電極放電ランプ。
  2. 内面に蛍光体膜が塗布された管球に放電ガスが封入され、当該管球に近接配置された電磁誘導手段により放電ガスを励起して発光駆動する無電極放電ランプであって、
    前記蛍光体膜における赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各蛍光体の質量比が、同順に34.13〜40.05:29.86〜35.06:28.01〜32.89、かつ当該蛍光体膜の膜厚範囲が15μm以上20μm以下であり、
    480(±20)kHz駆動時において色温度6700(±400)Kの昼光色を発色することを特徴とする低出力の無電極放電ランプ。
  3. 前記管球の最冷点温度範囲は47.0(±2.0)℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の無電極放電ランプ。
  4. 内面に蛍光体膜が塗布された管球に放電ガスが封入され、当該管球に近接配置された電磁誘導手段により放電ガスを励起して発光駆動する無電極放電ランプであって、
    前記蛍光体膜における赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各蛍光体の質量比が、同順に66.4〜78.0:25.6〜30.0:0.0〜1.0、かつ当該蛍光体膜の膜厚範囲が15μm以上20μm以下であり、
    480(±20)kHz駆動時において色温度2800(±150)Kの電球色を発色することを特徴とする高出力の無電極放電ランプ。
  5. 内面に蛍光体膜が塗布された管球に放電ガスが封入され、当該管球に近接配置された電磁誘導手段により放電ガスを励起して発光駆動する無電極放電ランプであって、
    前記蛍光体膜における赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の各蛍光体の質量比が、同順に35.69〜41.89:30.51〜35.81:25.81〜30.29、かつ当該蛍光体膜の膜厚範囲が15μm以上20μm以下であり、
    480(±20)kHz駆動時において色温度6700(±400)Kの昼光色を発色することを特徴とする高出力の無電極放電ランプ。
  6. 前記管球の最冷点温度範囲は48.0(±2.0)℃であることを特徴とする請求項4または5に記載の無電極放電ランプ。
  7. 前記赤色蛍光体は、ユーロピウム付活酸化イットリウムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の無電極放電ランプ。
  8. 前記緑色蛍光体は、セリウム、テルビウム付活リン酸ランタンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の無電極放電ランプ。
  9. 前記青色蛍光体は、ユーロピウム付活バリウム・マグネシウム・アルミネートであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の無電極放電ランプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008153022A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Matsushita Electric Works Ltd 無電極蛍光ランプ及び照明器具

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