JP2005032314A - 光学部品の固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ピックアップ装置の受光素子や発光素子の位置ずれを抑制するとともに、加熱時効処理過程の省略が可能な光学部品の固定方法を提供することを目的とする。
【解決手段】光ピックアップ装置10の受光素子16を保持する保持部材21及びCD用半導体レーザ素子17を保持する保持部材22と光学シャシ11との間に設けられた位置調整用の隙間21s,22sに紫外線硬化型接着剤を塗布して上記保持部材21,保持部材22を上記光学シャシ11へ固着する際に、上記紫外線硬化型接着剤として紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型接着剤1を用いるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】光ピックアップ装置10の受光素子16を保持する保持部材21及びCD用半導体レーザ素子17を保持する保持部材22と光学シャシ11との間に設けられた位置調整用の隙間21s,22sに紫外線硬化型接着剤を塗布して上記保持部材21,保持部材22を上記光学シャシ11へ固着する際に、上記紫外線硬化型接着剤として紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型接着剤1を用いるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置の光学系を構成する光学部品の固定方法に関するもので、特に、上記光学部品を保持する保持部材を光学シャシに固定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDプレーヤ装置、DVDプレーヤ装置、あるいはDVD−ROM装置などの光記録再生装置には、光ディスクへの信号書込みや読出しを行う光ピックアップ装置が用いられている。
図5は、DVD再生装置に用いられている従来の光ピックアップ装置10Pの主要部品の配置を示す図で、同図において、11はPPS等の樹脂や亜鉛あるいはアルミニウム等のダイカストより成る光学シャシ、12は上記光学シャシ11の側面に形成された孔部に挿入・固定された、赤色レーザ光を発光するDVD用半導体レーザ素子、13は上記DVD用半導体レーザ素子12の出射側に配設されたダイクロイックプリズム、14は上記ダイクロイックプリズム13からのレーザー光を反射して立ち上げミラー15に導くためのハーフミラー、16は図示しないDVD用光ディスクからの反射光を検出するための受光素子である。
なお、上記光ピックアップ装置10Pには、CD用光ディスクの再生も可能なように、赤外のレーザ光を発光するCD用半導体レーザ素子17と、上記CD用半導体レーザ素子17の出射側に配設される回折格子18とが設けられている。
【0003】
次に、上記光ピックアップ装置10PによるDVD用光ディスクの再生方法について説明する。
DVD用半導体レーザ素子12からの赤色レーザ光はダイクロイックプリズム13のフィルタ膜形成面13fで反射されてハーフミラー14の表面に導かれ、更に、このハーフミラー14の反射膜14fで反射されて立ち上げミラー15に導かれた後、紙面に垂直な方向に反射され、図示しないコリメータレンズ、対物レンズを介して、DVD用光ディスクの信号記録面に集光される。このDVD用光ディスクの信号記録面には概略同心円状にエンボス形成されたピット列19が形成されており、上記ディスクに照射されたレーザ光は上記ピット列19の有無に伴って干渉し、これにより上記ディスクからの反射光に濃淡が生じる。
上記赤色レーザの反射光は、図示しない対物レンズ、コリメータレンズから上記立ち上げミラー15、ハーフミラー14まで上記の往路を逆にたどり、今度は、上記ハーフミラー14の反射膜14fを通過して上記受光素子16の検知部16Dに導かれる。
【0004】
また、CD用光ディスクを再生する際には、上記DVD用半導体レーザ素子12に代えて、CD用半導体レーザ素子17が使用される。CD用半導体レーザ素子17からの赤外のレーザ光は、回折格子18を通過して0次光及び±1次光に分割された後、ダイクロイックプリズム13を通過してハーフミラー14の表面に導かれ、その後は上記DVD用半導体レーザ素子12からの赤色レーザ光と同様に、ハーフミラー14から立ち上げミラー15に導かれた後、紙面に垂直な方向に反射され、図示しないコリメータレンズ、対物レンズを介して、CD用光ディスクの信号記録面に集光される。このCD用光ディスクに照射された赤外のレーザ光はCD用光ディスクの信号記録面に形成されたピット列19の有無に伴って干渉し、これにより上記ディスクからの反射光に濃淡が生じる。上記赤外のレーザの反射光は、図示しない対物レンズ、コリメータレンズから上記立ち上げミラー15、ハーフミラー14まで上記の往路を逆にたどり、上記ハーフミラー14の反射膜14fを通過して上記受光素子16の検知部16Dに導かれる。
【0005】
上記DVD用半導体レーザ素子12、受光素子16、及び、CD用半導体レーザ素子17等の光学部品を光学シャシ11に装着する際には、まず、DVD用半導体レーザ素子12及びダイクロイックプリズム13,ハーフミラー14等の光学系を構成する部品を装着し、しかる後に受光素子16を装着する。
上記受光素子16は保持部材21に固定されており、上記受光素子16は、DVD用半導体レーザ素子12の赤色レーザ反射光の像が受光素子16の検知部16Dの所定の位置に正確に形成されるように、上記保持部材21を図中の三次元座標座標で示すX(P),Y(P),Z(P)の各軸方向に移動調整した後、上記保持部材21とともに光学シャシ11に装着される。具体的には、図6に示すように、光学シャシ11の側面と保持部材21の側面との間におおよそ0.2mm〜0.7mmの位置調整用の隙間21sを設け、この隙間21sの上記検知部16Dの外側で、上記保持部材21の両端側の2箇所に紫外線硬化型樹脂接着剤50を塗布し、上記保持部材21が所定の位置からずれないように治具等の保持部材移動調整手段により仮支持した状態で上記樹脂接着剤50に紫外線を照射して上記樹脂接着剤50を固化させることにより、上記保持部材21を上記光学シャシ11に固定する。なお、上記保持部材移動調整手段は上記樹脂接着剤50の固化後に撤去される。
【0006】
また、CD用半導体レーザ素子17は上記受光素子16の装着後に上記光学シャシ11に装着される。上記CD用半導体レーザ素子17及び回折格子18はともに保持部材22に固定されており、上記保持部材22を光学シャシ11に装着する際には、上記CD用半導体レーザ素子17からの赤外のレーザの反射光の像が、光学シャシ11に先に固着された上記受光素子16の検知部16Dの所定の位置に正確に形成されるように、上記保持部材22を図中の三次元座標座標で示すX(L),Y(L),Z(L)の各軸方向に移動調整した後、上記保持部材22を光学シャシ11に装着する。このとき、図6に示すように、光学シャシ11の側面と保持部材22の側面との間にも、おおよそ0.2mm〜0.7mmの位置調整用の隙間22sを設け、この隙間22sの上記保持部材22の両端側の2箇所に紫外線硬化型樹脂接着剤50を塗布し、上記保持部材22が所定の位置からずれないように治具等の保持部材移動調整手段により上記保持部材22を仮支持した状態で上記樹脂接着剤50に紫外線を照射して上記樹脂接着剤50を固化させることにより、上記保持部材22を上記光学シャシ11に固定する。なお、上記保持部材移動調整手段は上記樹脂接着剤50の固化後に撤去される。
【0007】
以上の組立作業を経て、種々の光学部品の固定が完了するが、上記紫外線硬化型樹脂接着剤50の経時的劣化に伴って上記受光素子16やCD用半導体レーザ素子17の微妙な位置ずれが生じ易いといった問題点があった。そこで、例えば、上記樹脂接着剤50のガラス転移点を超える温度において所定時間加熱時効処理して上記樹脂接着剤50の紫外線硬化時に生じる残留応力の緩和処理を行い、これにより、経時的に生じ得る位置ずれを工場出荷前に出しきって、出荷後の変動を抑制する方法が行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記加熱時効処理は残留応力を緩和して位置ずれを加速し、上記受光素子16やCD用半導体レーザ素子17の経時的位置変化を抑制することが目的であるので、この加速処理によって大きな位置ずれが生じた光ピックアップ装置は不良品となる。
このような不良品を排除して加速処理後も位置ずれの少ない製品のみを出荷することは、出荷後の安定性を確保することに繋がるので製品品質の維持には寄与するが、その一方で、加速処理による排除率が高ければ製造歩留まりが低下するといった問題点があった。また、上記加熱時効処理は処理に長時間を要するため、生産効率を低下させる原因でもあった。
【0009】
ここで、上記位置ずれの大きさと光ディスクの再生特性との関係について説明する。
受光素子16やCD用半導体レーザ素子17の位置決めは、図7に示すように、受光素子16の検知部16Dにおいて、各検知セル16a,16b,16c,16dに対してレーザ反射光が均等に照射され、同図の太い破線で示すスポット16Pのように、それぞれの検知セル16a,16b,16c,16dの受ける光量が等しくなるように治具等により調整される。
ところで、受光素子16を保持する保持部材21やCD用半導体レーザ素子17を保持する保持部材22と光学シャシ11との間には、上述したように、位置調整用の隙間21s,22sが設けられているため、保持部材21や保持部材22を光学シャシ11に密着させて固定することができない。そこで、紫外線硬化型樹脂接着剤50を盛り上げて上記保持部材21,22と光学シャシ11とを連結しなければならないため、受光素子16やCD用半導体レーザ素子17の取付精度は上記樹脂接着剤50の安定性に依存することになる。上記樹脂接着剤50の硬化の進行度合は照射された紫外線量に応じて微妙に異なるため、硬化後の残留応力は一様でなく、加熱時効処理を施した時に上記樹脂接着剤50の各部での残留応力が均衡する状態まで上記樹脂接着剤50が変形することがある。このため、受光素子16やCD用半導体レーザ素子17が上記保持部材21や保持部材22とともに所定位置から移動してしまい、上記検知部16Dの各検知セル16a,16b,16c,16dへのレーザ反射光の照射位置が図7の細い破線で示すスポット16Qのようにずれてしまう。
こうしたスポット16Qのズレは、例えば、DVD用半導体レーザ光の場合であれば、1μmずれただけで検知部16Dの各検知セル16a,16b,16c,16dの出力は約5%のバランス変動を生じてしまう。このように、スポット16Qのようにずれて出力のバランスが悪くなると、ドライブ装置やプレーヤとしての再生能力が劣化してしまうことになる。
【0010】
また、紫外線照射装置から照射される光線には、紫外線硬化型樹脂接着剤50の硬化を促進させる波長域の紫外線の他に、照射対象を昇温させてしまう波長域の、いわゆる熱線と呼ばれる光線も含まれているため、上記樹脂接着剤50の硬化過程において、上記樹脂接着剤50の温度が上昇してしまい、硬化反応終了後に治具等を保持部材21や保持部材22から外す時に、上記樹脂接着剤50が軟化気味の状態となる。そのため、降温過程での収縮や軟化に伴う変形によって、受光素子16やCD用半導体レーザ素子17が所定位置からずれ易くなるといった問題点があった。
このため、近年、紫外線照射装置に熱線カットフィルタを装着するなどして、紫外線照射時の昇温を抑制する工夫がなされているが、昇温の防止は必ずしも十分ではなく、位置ずれの抑制に対しては有効な手段にはなり得なかった。
【0011】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、受光素子や発光素子の位置ずれを抑制するとともに、加熱時効処理過程の省略が可能な光学部品の固定方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、受光素子または発光素子を保持する保持部材と光学シャシとの間に移動調整用の隙間を設け、上記隙間に紫外線硬化型の樹脂接着剤を塗布して上記保持部材を上記光学シャシへ固着する光学部品の固定方法であって、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤として紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型の樹脂接着剤を用いたことを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤に代えて、紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型の樹脂接着剤と上記無機化合物粉末が混合されていない紫外線硬化型の樹脂接着剤とを上記隙間に別個に塗布して、上記保持部材を上記光学シャシへ固着するようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の光学部品の固定方法において、上記無機化合物粉末の粒径を、上記隙間の大きさの略半分以下の大きさとするとともに、上記無機化合物粉末の含有量を5〜40重量%としたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光学部品の固定方法において、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤にガラスを混合したことを特徴とするものである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光学部品の固定方法において、上記無機化合物粉末の粒子形状を略破砕形状としたことを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光学部品の固定方法において、上記無機化合物粉末の粒子形状を略球状としたことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。なお、各図において、従来と同様のものは、同一の符号を付して説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る光ピックアップ装置10の主要部品の配置を示す図で、同図において、11は光学シャシ、12はDVD用半導体レーザ素子、13はダイクロイックプリズム、14はハーフミラー、16は受光素子、16Dは上記受光素子16の検知部、17はCD用半導体レーザ素子、18は回折格子、21は受光素子16の保持部材、22は上記CD用半導体レーザ素子17の保持部材である。
本例では、上記受光素子16が固定された保持部材21を紫外線硬化型の樹脂接着剤を用いて光学シャシ11に固着する際に、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤として紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された、例えば、アクリル系の紫外線硬化型の樹脂接着剤1を用いている。具体的には、上記保持部材21を光学シャシ11に装着する際に、DVD用半導体レーザ素子12の赤色レーザの反射光の像が、上記受光素子16の検知部16Dの所定の位置に正確に形成されるように、図1中の三次元座標座標で示すX(P),Y(P),Z(P)の各軸方向に上記保持部材21を移動調整した後、図2に示すように、光学シャシ11の側面と保持部材21の側面との間に設けられたおおよそ0.2mm〜0.7mmの位置調整用の隙間21sの、上記受光素子16の検知部16Dの外側で、上記保持部材21の両端側の2箇所に本発明による紫外線硬化型樹脂接着剤1を塗布し、上記保持部材21が上記移動調整された所定の位置からずれないように治具等の保持部材移動調整手段により上記保持部材21を仮支持した状態で上記樹脂接着剤1に紫外線を照射して上記樹脂接着剤1を固化させて上記保持部材21を上記光学シャシ11に固定する。
【0017】
ここで、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤1に混合される無機化合物粉末にとしては、紫外線透過率の高い石英ガラス、バイコールガラス等の非晶質もしくは結晶質の酸化物、あるいは、窒化物や炭化物が挙げられる。混合可能な無機化合物粉末の紫外線の透過率を例示すると、石英ガラスの場合で92〜94%、バイコールガラスの場合で90〜92%、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)の場合で88〜90%、炭酸カルシウム(CaCO3)の場合で80〜84%、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)の場合で55〜59%であり、これにより、紫外線照射による樹脂接着剤の硬化の際に混合された粉末による紫外線の透過を阻害することがなく、樹脂接着剤の硬化のための必要な紫外線を上記樹脂接着剤に十分に与えることが可能である。
これらの無機化合物粉末の粒径としては、光学シャシ11と保持部材21との隙間21sの大きさを超えない大きさであれば使用可能であるが、上記保持部材21をX(P),Y(P),Z(P)の各軸方向にスムースに移動調整するためには、上記粒径を上記隙間21sの大きさの略半分以下の大きさとすることが好ましい。
また、上記無機化合物粉末の樹脂接着剤に対する混合比率としては、混合された粉末粒子のそれぞれが樹脂接着剤で全面被覆されていれば接着剤の機能を維持する意味で問題はないが、ディスペンサ等を用いて塗布する目的で、混合された樹脂接着剤をシリンジに充填し、空気圧等を利用して吐出させるためには、ある程度の流動性が要求されるので、その場合には、無機化合物粉末が40重量%以下に混合されたスラリーもしくはペースト状の樹脂接着剤を用いることが望ましい。なお、上記無機化合物粉末の混合量が5重量%未満の場合には、樹脂接着剤の硬化時おける昇温に伴う変形の抑制効果が低減するので、上記無機化合物粉末の混合量としては、5重量%〜40重量%とすることが望ましい。
なお、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤1として、上記のように、スラリーもしくはペースト状に混練したものを用いてもよいが、無機化合物粉末の比率を高めて所定の大きさのペレット状に成形し、これを光学シャシ11と保持部材21との隙間21sに挟持して上記受光素子16の位置合わせをした後に紫外線を照射して固着させるようにしてもよい。
【0018】
次に、CD用半導体レーザ素子17が固定された保持部材22を上記無機化合物粉末が混合された、例えば、アクリル系の紫外線硬化型の樹脂接着剤1を用いて光学シャシ11に固着する。このとき、CD用半導体レーザ素子17の赤外のレーザの反射光の像が、光学シャシ11に先に固着された上記受光素子16の検知部16Dの所定の位置に正確に形成されるように、図1中の三次元座標座標で示すX(L),Y(L),Z(L)の各軸方向に上記保持部材22を移動調整した後、図2に示すように、光学シャシ11の側面と保持部材22の側面との間に設けられたおおよそ0.2mm〜0.7mmの位置調整用の隙間22sの上記保持部材22の両端側の2箇所に本発明による紫外線硬化型樹脂接着剤1を塗布し、上記保持部材22が上記移動調整された所定の位置からずれないように治具等の保持部材移動調整手段により上記保持部材22を仮支持した状態で上記樹脂接着剤1に紫外線を照射して上記樹脂接着剤1を固化させることにより、上記保持部材22を上記光学シャシ11に固定する。
なお、上記保持部材移動調整手段は上記樹脂接着剤1の固化後に撤去される。
【0019】
これら一連の作業が完了した後、必要に応じて、加熱炉に投入し、上記樹脂接着剤1のガラス転移点を超える温度において所定時間加熱時効処理して上記樹脂接着剤1の紫外線硬化時に生じる残留応力の緩和処理を行う。
本発明では、紫外線照射による樹脂接着剤1の硬化の際に、混合された無機化合物粉末による紫外線の透過を阻害することがないので、上記樹脂接着剤1に十分に必要な紫外線を与えることができる。したがって、硬化後の樹脂接着剤1の残留応力のバラツキが抑制されるとともに、上記無機化合物粉末が樹脂接着剤1の硬化時における流動変形を抑制するので、受光素子16やCD用半導体レーザ素子17の位置ずれを大幅に抑制することができる。このため、本発明の樹脂接着剤1を用いた場合には、上記加熱時効処理時間を短くしたり、省略したりすることが可能である。
【0020】
表1は、受光素子16を、紫外線を透過させる無機化合物粉末である、粒度325メッシュに破砕されたバイコールガラス粉末をそれぞれ10重量%及び20重量%混合した紫外線硬化型樹脂接着剤を用いて光学シャシ11に固着させた後の上記受光素子16の出力バランスを示したものである。なお、参考として、バイコールガラス粉末を混合していない従来の紫外線硬化型樹脂接着剤を用いた場合の結果についても併せて記載した。
【表1】
表中のPDX、PDYは紫外線照射による硬化後の検知部16Dの各検知セル16a,16b,16c,16dの光電流出力をそれぞれ、VAB, VBB, VCB, VDBとしたときに、以下の式(1),(2)で表わせる出力バランス値で、均等に照射されていれば0%となる値である。
【数1】
表1から明らかなように、本発明による紫外線を透過させる無機化合物粉末を混合した紫外線硬化型樹脂接着剤を用いた固着方法では、紫外線による硬化処理後の出力バランス値は、従来の紫外線硬化型樹脂接着剤のみを用いた固着方法に比べて各段の安定性を示し、受光素子16の出力バランス値が良好に維持されている。これにより、紫外線を透過させる無機化合物粉末を混合した場合に、樹脂接着剤の硬化時における流動が抑制されていることが確認された。
【0021】
また、表2は、受光素子16及びCD用半導体レーザ素子17を紫外線を透過させる無機化合物粉末である、粒度325メッシュに破砕されたバイコールガラス粉末をそれぞれ10重量%及び20重量%混合した紫外線硬化型樹脂接着剤を用いて光学シャシ11に固着させた光ピックアップ装置を、炉温70℃の加熱炉内に23時間保持する加熱時効処理を施した後の、上記受光素子16の出力バランス変化を示したものである。なお、参考として、バイコールガラス粉末を混合していない従来の紫外線硬化型樹脂接着剤を用いた場合の結果についても併せて記載した。
【表2】
表中のΔX、ΔYは紫外線照射による硬化後の検知部16Dの各検知セル16a,16b,16c,16dの加熱時効処理前の光電流出力をそれぞれVAB, VBB, VCB, VDBとし、加熱時効処理後の光電流出力をそれぞれVAA, VBA, VCA, VDAとしたときに、以下の式(3),(4)で表わせる出力バランス値の、加熱炉への投入前と投入後の変化を示したものである。
【数2】
表2から明らかなように、本発明による紫外線を透過させる無機化合物粉末を混合した紫外線硬化型樹脂接着剤を用いた固着方法では、加熱時効処理による出力バランス変動が小さく、従来の紫外線硬化型樹脂接着剤のみを用いた固着方法に比べて各段の経時変化安定性を示し、樹脂接着剤の変形を抑制できることが確認された。これにより、必要に応じて、上記加熱時効処理を光ピックアップ装置の組立工程から省略することも可能であることがわかる。
【0022】
このように、本実施の形態では、受光素子16を保持する保持部材21やCD用半導体レーザ素子17を保持する保持部材22と光学シャシ11との間に設けられた位置調整用の隙間21s,22sに紫外線硬化型の樹脂接着剤を塗布して上記保持部材21,保持部材22を上記光学シャシ11へ固着する際に、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤として紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型の樹脂接着剤1を用いるようにしたので、上記樹脂接着剤に十分に必要な紫外線を与えることができ、硬化後の樹脂接着剤の残留応力のバラツキを抑制することができるとともに、上記無機化合物粉末が樹脂接着剤の硬化時における流動変形を抑制することができるので、受光素子16やCD用半導体レーザ素子17の位置ずれを少なくすることができる。したがって、加熱時効処理時間を短くしたり、省略したりしても、受光素子16やCD用半導体レーザ素子17の位置ずれの少ない、経時変化安定性を有する光ピックアップ装置を得ることができる。
【0023】
なお、上記実施の形態では、受光素子16とCD用半導体レーザ素子17について位置調整し、これらを紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型の樹脂接着剤1を用いて光学シャシ11に固着させる構成の光ピックアップ装置10について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、DVD用半導体レーザ素子12を位置調整して固着させる構成の光ピックアップ装置に対しても適用可能である。また、本発明は、発光素子と受光素子とが一体化された、いわゆるホログラムレーザ素子の固着にも適用することが可能である。
【0024】
また、上記例では、受光素子16を保持する保持部材21、あるいは、CD用半導体レーザ素子17を保持する保持部材22の両側の2箇所に紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された、例えば、アクリル系の紫外線硬化型の樹脂接着剤1を用いたが、図3及び図4に示すように、上記保持部材21及び保持部材22に塗着された上記紫外線硬化型の樹脂接着剤1の両外側の2箇所に、更に、紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合されていない、例えば、アクリル系の紫外線硬化型の樹脂接着剤50を塗布し、再度紫外線を照射して上記紫外線硬化型の樹脂接着剤50を固着させるようにしてもよい。これにより、接着力を更に高めることが可能となる。
なお、紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型の樹脂接着剤1と紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合されていない紫外線硬化型の樹脂接着剤50とを同時に固着させてもよいし、これらの接着剤1,50の塗布順や塗布位置を任意に変更してもよい。
【0025】
また、上記例では、無機化合物粉末の粒子形状を破砕形状としたが、一般には、破砕形状の粒子は表面の凹凸が激しく、樹脂接着剤の硬化時や硬化後における流動や変形を効果的に抑制するという利点はあるが、硬化前の液状時には流動性が若干乏しいことから、ディスペンサによりシリンダから吐出させる場合には、その混合比率を20重量%以下にすると取扱いやすい。但し、無機化合物粉末を混合した樹脂接着剤の流動性は、樹脂接着剤の初期の粘度や無機化合物の密度によって異なるため、上記混合比率は扱い方に応じた目安として考えればよい。また、上記破砕粒子は、ブロック状の塊から粉砕して得られたものであってもよいし、繊維状の長片から粉砕して得られたものでもよい。
【0026】
また、粒子形状として上記破砕形状に代えて球形状の無機化合物粉末を用いてもよい。これにより、無機化合物の混合比率を高めた上で未硬化の樹脂接着剤の流動性も高めることができるので、シリンダからの吐出も容易になるとともに、加熱時効処理における樹脂接着剤の変形を効果的に抑制することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、受光素子または発光素子を保持する保持部材と光学シャシとの間に移動調整用の隙間を設け、上記隙間に紫外線硬化型の樹脂接着剤を塗布して上記保持部材を上記光学シャシへ固着する際に、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤として紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型の樹脂接着剤を用いたので、受光素子または発光素子を光学シャシへ安定的に固着することができる。したがって、光ディスクからのレーザ反射光の検知部上での位置ずれを抑制することができ、加熱時効処理過程を行うことなく、経時変化の少ない光ピックアップ装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光ピックアップ装置の主要部品の配置を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る保持部材の固着方法を示す図である。
【図3】本発明に係る光ピックアップ装置の主要部品の配置を示す図である。
【図4】本発明に係る保持部材の固着方法の他の例を示す図である。
【図5】従来の光ピックアップ装置の主要部品の配置を示す図である。
【図6】従来の保持部材の固着方法を示す図である。
【図7】受光素子及び発光素子の位置決め方法を示す図である。
【符号の説明】
1 紫外線を透過させる無機化合物粉末を混合した紫外線硬化型の樹脂接着剤、10 光ピックアップ装置、11 光学シャシ、12 DVD用半導体レーザ素子、13 ダイクロイックプリズム、14 ハーフミラー、15 立ち上げミラー、16 受光素子、16D 受光素子16の検知部、16a,16b,16c,16d 検知セル、17 CD用半導体レーザ素子、18 回折格子、19 ピット列、21 受光素子の保持部材、21s 位置調整用の隙間、22 CD用半導体レーザ素子保持部材、22s 位置調整用の隙間、50 紫外線硬化型の樹脂接着剤。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置の光学系を構成する光学部品の固定方法に関するもので、特に、上記光学部品を保持する保持部材を光学シャシに固定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDプレーヤ装置、DVDプレーヤ装置、あるいはDVD−ROM装置などの光記録再生装置には、光ディスクへの信号書込みや読出しを行う光ピックアップ装置が用いられている。
図5は、DVD再生装置に用いられている従来の光ピックアップ装置10Pの主要部品の配置を示す図で、同図において、11はPPS等の樹脂や亜鉛あるいはアルミニウム等のダイカストより成る光学シャシ、12は上記光学シャシ11の側面に形成された孔部に挿入・固定された、赤色レーザ光を発光するDVD用半導体レーザ素子、13は上記DVD用半導体レーザ素子12の出射側に配設されたダイクロイックプリズム、14は上記ダイクロイックプリズム13からのレーザー光を反射して立ち上げミラー15に導くためのハーフミラー、16は図示しないDVD用光ディスクからの反射光を検出するための受光素子である。
なお、上記光ピックアップ装置10Pには、CD用光ディスクの再生も可能なように、赤外のレーザ光を発光するCD用半導体レーザ素子17と、上記CD用半導体レーザ素子17の出射側に配設される回折格子18とが設けられている。
【0003】
次に、上記光ピックアップ装置10PによるDVD用光ディスクの再生方法について説明する。
DVD用半導体レーザ素子12からの赤色レーザ光はダイクロイックプリズム13のフィルタ膜形成面13fで反射されてハーフミラー14の表面に導かれ、更に、このハーフミラー14の反射膜14fで反射されて立ち上げミラー15に導かれた後、紙面に垂直な方向に反射され、図示しないコリメータレンズ、対物レンズを介して、DVD用光ディスクの信号記録面に集光される。このDVD用光ディスクの信号記録面には概略同心円状にエンボス形成されたピット列19が形成されており、上記ディスクに照射されたレーザ光は上記ピット列19の有無に伴って干渉し、これにより上記ディスクからの反射光に濃淡が生じる。
上記赤色レーザの反射光は、図示しない対物レンズ、コリメータレンズから上記立ち上げミラー15、ハーフミラー14まで上記の往路を逆にたどり、今度は、上記ハーフミラー14の反射膜14fを通過して上記受光素子16の検知部16Dに導かれる。
【0004】
また、CD用光ディスクを再生する際には、上記DVD用半導体レーザ素子12に代えて、CD用半導体レーザ素子17が使用される。CD用半導体レーザ素子17からの赤外のレーザ光は、回折格子18を通過して0次光及び±1次光に分割された後、ダイクロイックプリズム13を通過してハーフミラー14の表面に導かれ、その後は上記DVD用半導体レーザ素子12からの赤色レーザ光と同様に、ハーフミラー14から立ち上げミラー15に導かれた後、紙面に垂直な方向に反射され、図示しないコリメータレンズ、対物レンズを介して、CD用光ディスクの信号記録面に集光される。このCD用光ディスクに照射された赤外のレーザ光はCD用光ディスクの信号記録面に形成されたピット列19の有無に伴って干渉し、これにより上記ディスクからの反射光に濃淡が生じる。上記赤外のレーザの反射光は、図示しない対物レンズ、コリメータレンズから上記立ち上げミラー15、ハーフミラー14まで上記の往路を逆にたどり、上記ハーフミラー14の反射膜14fを通過して上記受光素子16の検知部16Dに導かれる。
【0005】
上記DVD用半導体レーザ素子12、受光素子16、及び、CD用半導体レーザ素子17等の光学部品を光学シャシ11に装着する際には、まず、DVD用半導体レーザ素子12及びダイクロイックプリズム13,ハーフミラー14等の光学系を構成する部品を装着し、しかる後に受光素子16を装着する。
上記受光素子16は保持部材21に固定されており、上記受光素子16は、DVD用半導体レーザ素子12の赤色レーザ反射光の像が受光素子16の検知部16Dの所定の位置に正確に形成されるように、上記保持部材21を図中の三次元座標座標で示すX(P),Y(P),Z(P)の各軸方向に移動調整した後、上記保持部材21とともに光学シャシ11に装着される。具体的には、図6に示すように、光学シャシ11の側面と保持部材21の側面との間におおよそ0.2mm〜0.7mmの位置調整用の隙間21sを設け、この隙間21sの上記検知部16Dの外側で、上記保持部材21の両端側の2箇所に紫外線硬化型樹脂接着剤50を塗布し、上記保持部材21が所定の位置からずれないように治具等の保持部材移動調整手段により仮支持した状態で上記樹脂接着剤50に紫外線を照射して上記樹脂接着剤50を固化させることにより、上記保持部材21を上記光学シャシ11に固定する。なお、上記保持部材移動調整手段は上記樹脂接着剤50の固化後に撤去される。
【0006】
また、CD用半導体レーザ素子17は上記受光素子16の装着後に上記光学シャシ11に装着される。上記CD用半導体レーザ素子17及び回折格子18はともに保持部材22に固定されており、上記保持部材22を光学シャシ11に装着する際には、上記CD用半導体レーザ素子17からの赤外のレーザの反射光の像が、光学シャシ11に先に固着された上記受光素子16の検知部16Dの所定の位置に正確に形成されるように、上記保持部材22を図中の三次元座標座標で示すX(L),Y(L),Z(L)の各軸方向に移動調整した後、上記保持部材22を光学シャシ11に装着する。このとき、図6に示すように、光学シャシ11の側面と保持部材22の側面との間にも、おおよそ0.2mm〜0.7mmの位置調整用の隙間22sを設け、この隙間22sの上記保持部材22の両端側の2箇所に紫外線硬化型樹脂接着剤50を塗布し、上記保持部材22が所定の位置からずれないように治具等の保持部材移動調整手段により上記保持部材22を仮支持した状態で上記樹脂接着剤50に紫外線を照射して上記樹脂接着剤50を固化させることにより、上記保持部材22を上記光学シャシ11に固定する。なお、上記保持部材移動調整手段は上記樹脂接着剤50の固化後に撤去される。
【0007】
以上の組立作業を経て、種々の光学部品の固定が完了するが、上記紫外線硬化型樹脂接着剤50の経時的劣化に伴って上記受光素子16やCD用半導体レーザ素子17の微妙な位置ずれが生じ易いといった問題点があった。そこで、例えば、上記樹脂接着剤50のガラス転移点を超える温度において所定時間加熱時効処理して上記樹脂接着剤50の紫外線硬化時に生じる残留応力の緩和処理を行い、これにより、経時的に生じ得る位置ずれを工場出荷前に出しきって、出荷後の変動を抑制する方法が行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記加熱時効処理は残留応力を緩和して位置ずれを加速し、上記受光素子16やCD用半導体レーザ素子17の経時的位置変化を抑制することが目的であるので、この加速処理によって大きな位置ずれが生じた光ピックアップ装置は不良品となる。
このような不良品を排除して加速処理後も位置ずれの少ない製品のみを出荷することは、出荷後の安定性を確保することに繋がるので製品品質の維持には寄与するが、その一方で、加速処理による排除率が高ければ製造歩留まりが低下するといった問題点があった。また、上記加熱時効処理は処理に長時間を要するため、生産効率を低下させる原因でもあった。
【0009】
ここで、上記位置ずれの大きさと光ディスクの再生特性との関係について説明する。
受光素子16やCD用半導体レーザ素子17の位置決めは、図7に示すように、受光素子16の検知部16Dにおいて、各検知セル16a,16b,16c,16dに対してレーザ反射光が均等に照射され、同図の太い破線で示すスポット16Pのように、それぞれの検知セル16a,16b,16c,16dの受ける光量が等しくなるように治具等により調整される。
ところで、受光素子16を保持する保持部材21やCD用半導体レーザ素子17を保持する保持部材22と光学シャシ11との間には、上述したように、位置調整用の隙間21s,22sが設けられているため、保持部材21や保持部材22を光学シャシ11に密着させて固定することができない。そこで、紫外線硬化型樹脂接着剤50を盛り上げて上記保持部材21,22と光学シャシ11とを連結しなければならないため、受光素子16やCD用半導体レーザ素子17の取付精度は上記樹脂接着剤50の安定性に依存することになる。上記樹脂接着剤50の硬化の進行度合は照射された紫外線量に応じて微妙に異なるため、硬化後の残留応力は一様でなく、加熱時効処理を施した時に上記樹脂接着剤50の各部での残留応力が均衡する状態まで上記樹脂接着剤50が変形することがある。このため、受光素子16やCD用半導体レーザ素子17が上記保持部材21や保持部材22とともに所定位置から移動してしまい、上記検知部16Dの各検知セル16a,16b,16c,16dへのレーザ反射光の照射位置が図7の細い破線で示すスポット16Qのようにずれてしまう。
こうしたスポット16Qのズレは、例えば、DVD用半導体レーザ光の場合であれば、1μmずれただけで検知部16Dの各検知セル16a,16b,16c,16dの出力は約5%のバランス変動を生じてしまう。このように、スポット16Qのようにずれて出力のバランスが悪くなると、ドライブ装置やプレーヤとしての再生能力が劣化してしまうことになる。
【0010】
また、紫外線照射装置から照射される光線には、紫外線硬化型樹脂接着剤50の硬化を促進させる波長域の紫外線の他に、照射対象を昇温させてしまう波長域の、いわゆる熱線と呼ばれる光線も含まれているため、上記樹脂接着剤50の硬化過程において、上記樹脂接着剤50の温度が上昇してしまい、硬化反応終了後に治具等を保持部材21や保持部材22から外す時に、上記樹脂接着剤50が軟化気味の状態となる。そのため、降温過程での収縮や軟化に伴う変形によって、受光素子16やCD用半導体レーザ素子17が所定位置からずれ易くなるといった問題点があった。
このため、近年、紫外線照射装置に熱線カットフィルタを装着するなどして、紫外線照射時の昇温を抑制する工夫がなされているが、昇温の防止は必ずしも十分ではなく、位置ずれの抑制に対しては有効な手段にはなり得なかった。
【0011】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、受光素子や発光素子の位置ずれを抑制するとともに、加熱時効処理過程の省略が可能な光学部品の固定方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、受光素子または発光素子を保持する保持部材と光学シャシとの間に移動調整用の隙間を設け、上記隙間に紫外線硬化型の樹脂接着剤を塗布して上記保持部材を上記光学シャシへ固着する光学部品の固定方法であって、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤として紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型の樹脂接着剤を用いたことを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤に代えて、紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型の樹脂接着剤と上記無機化合物粉末が混合されていない紫外線硬化型の樹脂接着剤とを上記隙間に別個に塗布して、上記保持部材を上記光学シャシへ固着するようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の光学部品の固定方法において、上記無機化合物粉末の粒径を、上記隙間の大きさの略半分以下の大きさとするとともに、上記無機化合物粉末の含有量を5〜40重量%としたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光学部品の固定方法において、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤にガラスを混合したことを特徴とするものである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光学部品の固定方法において、上記無機化合物粉末の粒子形状を略破砕形状としたことを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光学部品の固定方法において、上記無機化合物粉末の粒子形状を略球状としたことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。なお、各図において、従来と同様のものは、同一の符号を付して説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る光ピックアップ装置10の主要部品の配置を示す図で、同図において、11は光学シャシ、12はDVD用半導体レーザ素子、13はダイクロイックプリズム、14はハーフミラー、16は受光素子、16Dは上記受光素子16の検知部、17はCD用半導体レーザ素子、18は回折格子、21は受光素子16の保持部材、22は上記CD用半導体レーザ素子17の保持部材である。
本例では、上記受光素子16が固定された保持部材21を紫外線硬化型の樹脂接着剤を用いて光学シャシ11に固着する際に、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤として紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された、例えば、アクリル系の紫外線硬化型の樹脂接着剤1を用いている。具体的には、上記保持部材21を光学シャシ11に装着する際に、DVD用半導体レーザ素子12の赤色レーザの反射光の像が、上記受光素子16の検知部16Dの所定の位置に正確に形成されるように、図1中の三次元座標座標で示すX(P),Y(P),Z(P)の各軸方向に上記保持部材21を移動調整した後、図2に示すように、光学シャシ11の側面と保持部材21の側面との間に設けられたおおよそ0.2mm〜0.7mmの位置調整用の隙間21sの、上記受光素子16の検知部16Dの外側で、上記保持部材21の両端側の2箇所に本発明による紫外線硬化型樹脂接着剤1を塗布し、上記保持部材21が上記移動調整された所定の位置からずれないように治具等の保持部材移動調整手段により上記保持部材21を仮支持した状態で上記樹脂接着剤1に紫外線を照射して上記樹脂接着剤1を固化させて上記保持部材21を上記光学シャシ11に固定する。
【0017】
ここで、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤1に混合される無機化合物粉末にとしては、紫外線透過率の高い石英ガラス、バイコールガラス等の非晶質もしくは結晶質の酸化物、あるいは、窒化物や炭化物が挙げられる。混合可能な無機化合物粉末の紫外線の透過率を例示すると、石英ガラスの場合で92〜94%、バイコールガラスの場合で90〜92%、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)の場合で88〜90%、炭酸カルシウム(CaCO3)の場合で80〜84%、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)の場合で55〜59%であり、これにより、紫外線照射による樹脂接着剤の硬化の際に混合された粉末による紫外線の透過を阻害することがなく、樹脂接着剤の硬化のための必要な紫外線を上記樹脂接着剤に十分に与えることが可能である。
これらの無機化合物粉末の粒径としては、光学シャシ11と保持部材21との隙間21sの大きさを超えない大きさであれば使用可能であるが、上記保持部材21をX(P),Y(P),Z(P)の各軸方向にスムースに移動調整するためには、上記粒径を上記隙間21sの大きさの略半分以下の大きさとすることが好ましい。
また、上記無機化合物粉末の樹脂接着剤に対する混合比率としては、混合された粉末粒子のそれぞれが樹脂接着剤で全面被覆されていれば接着剤の機能を維持する意味で問題はないが、ディスペンサ等を用いて塗布する目的で、混合された樹脂接着剤をシリンジに充填し、空気圧等を利用して吐出させるためには、ある程度の流動性が要求されるので、その場合には、無機化合物粉末が40重量%以下に混合されたスラリーもしくはペースト状の樹脂接着剤を用いることが望ましい。なお、上記無機化合物粉末の混合量が5重量%未満の場合には、樹脂接着剤の硬化時おける昇温に伴う変形の抑制効果が低減するので、上記無機化合物粉末の混合量としては、5重量%〜40重量%とすることが望ましい。
なお、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤1として、上記のように、スラリーもしくはペースト状に混練したものを用いてもよいが、無機化合物粉末の比率を高めて所定の大きさのペレット状に成形し、これを光学シャシ11と保持部材21との隙間21sに挟持して上記受光素子16の位置合わせをした後に紫外線を照射して固着させるようにしてもよい。
【0018】
次に、CD用半導体レーザ素子17が固定された保持部材22を上記無機化合物粉末が混合された、例えば、アクリル系の紫外線硬化型の樹脂接着剤1を用いて光学シャシ11に固着する。このとき、CD用半導体レーザ素子17の赤外のレーザの反射光の像が、光学シャシ11に先に固着された上記受光素子16の検知部16Dの所定の位置に正確に形成されるように、図1中の三次元座標座標で示すX(L),Y(L),Z(L)の各軸方向に上記保持部材22を移動調整した後、図2に示すように、光学シャシ11の側面と保持部材22の側面との間に設けられたおおよそ0.2mm〜0.7mmの位置調整用の隙間22sの上記保持部材22の両端側の2箇所に本発明による紫外線硬化型樹脂接着剤1を塗布し、上記保持部材22が上記移動調整された所定の位置からずれないように治具等の保持部材移動調整手段により上記保持部材22を仮支持した状態で上記樹脂接着剤1に紫外線を照射して上記樹脂接着剤1を固化させることにより、上記保持部材22を上記光学シャシ11に固定する。
なお、上記保持部材移動調整手段は上記樹脂接着剤1の固化後に撤去される。
【0019】
これら一連の作業が完了した後、必要に応じて、加熱炉に投入し、上記樹脂接着剤1のガラス転移点を超える温度において所定時間加熱時効処理して上記樹脂接着剤1の紫外線硬化時に生じる残留応力の緩和処理を行う。
本発明では、紫外線照射による樹脂接着剤1の硬化の際に、混合された無機化合物粉末による紫外線の透過を阻害することがないので、上記樹脂接着剤1に十分に必要な紫外線を与えることができる。したがって、硬化後の樹脂接着剤1の残留応力のバラツキが抑制されるとともに、上記無機化合物粉末が樹脂接着剤1の硬化時における流動変形を抑制するので、受光素子16やCD用半導体レーザ素子17の位置ずれを大幅に抑制することができる。このため、本発明の樹脂接着剤1を用いた場合には、上記加熱時効処理時間を短くしたり、省略したりすることが可能である。
【0020】
表1は、受光素子16を、紫外線を透過させる無機化合物粉末である、粒度325メッシュに破砕されたバイコールガラス粉末をそれぞれ10重量%及び20重量%混合した紫外線硬化型樹脂接着剤を用いて光学シャシ11に固着させた後の上記受光素子16の出力バランスを示したものである。なお、参考として、バイコールガラス粉末を混合していない従来の紫外線硬化型樹脂接着剤を用いた場合の結果についても併せて記載した。
【表1】
表中のPDX、PDYは紫外線照射による硬化後の検知部16Dの各検知セル16a,16b,16c,16dの光電流出力をそれぞれ、VAB, VBB, VCB, VDBとしたときに、以下の式(1),(2)で表わせる出力バランス値で、均等に照射されていれば0%となる値である。
【数1】
表1から明らかなように、本発明による紫外線を透過させる無機化合物粉末を混合した紫外線硬化型樹脂接着剤を用いた固着方法では、紫外線による硬化処理後の出力バランス値は、従来の紫外線硬化型樹脂接着剤のみを用いた固着方法に比べて各段の安定性を示し、受光素子16の出力バランス値が良好に維持されている。これにより、紫外線を透過させる無機化合物粉末を混合した場合に、樹脂接着剤の硬化時における流動が抑制されていることが確認された。
【0021】
また、表2は、受光素子16及びCD用半導体レーザ素子17を紫外線を透過させる無機化合物粉末である、粒度325メッシュに破砕されたバイコールガラス粉末をそれぞれ10重量%及び20重量%混合した紫外線硬化型樹脂接着剤を用いて光学シャシ11に固着させた光ピックアップ装置を、炉温70℃の加熱炉内に23時間保持する加熱時効処理を施した後の、上記受光素子16の出力バランス変化を示したものである。なお、参考として、バイコールガラス粉末を混合していない従来の紫外線硬化型樹脂接着剤を用いた場合の結果についても併せて記載した。
【表2】
表中のΔX、ΔYは紫外線照射による硬化後の検知部16Dの各検知セル16a,16b,16c,16dの加熱時効処理前の光電流出力をそれぞれVAB, VBB, VCB, VDBとし、加熱時効処理後の光電流出力をそれぞれVAA, VBA, VCA, VDAとしたときに、以下の式(3),(4)で表わせる出力バランス値の、加熱炉への投入前と投入後の変化を示したものである。
【数2】
表2から明らかなように、本発明による紫外線を透過させる無機化合物粉末を混合した紫外線硬化型樹脂接着剤を用いた固着方法では、加熱時効処理による出力バランス変動が小さく、従来の紫外線硬化型樹脂接着剤のみを用いた固着方法に比べて各段の経時変化安定性を示し、樹脂接着剤の変形を抑制できることが確認された。これにより、必要に応じて、上記加熱時効処理を光ピックアップ装置の組立工程から省略することも可能であることがわかる。
【0022】
このように、本実施の形態では、受光素子16を保持する保持部材21やCD用半導体レーザ素子17を保持する保持部材22と光学シャシ11との間に設けられた位置調整用の隙間21s,22sに紫外線硬化型の樹脂接着剤を塗布して上記保持部材21,保持部材22を上記光学シャシ11へ固着する際に、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤として紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型の樹脂接着剤1を用いるようにしたので、上記樹脂接着剤に十分に必要な紫外線を与えることができ、硬化後の樹脂接着剤の残留応力のバラツキを抑制することができるとともに、上記無機化合物粉末が樹脂接着剤の硬化時における流動変形を抑制することができるので、受光素子16やCD用半導体レーザ素子17の位置ずれを少なくすることができる。したがって、加熱時効処理時間を短くしたり、省略したりしても、受光素子16やCD用半導体レーザ素子17の位置ずれの少ない、経時変化安定性を有する光ピックアップ装置を得ることができる。
【0023】
なお、上記実施の形態では、受光素子16とCD用半導体レーザ素子17について位置調整し、これらを紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型の樹脂接着剤1を用いて光学シャシ11に固着させる構成の光ピックアップ装置10について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、DVD用半導体レーザ素子12を位置調整して固着させる構成の光ピックアップ装置に対しても適用可能である。また、本発明は、発光素子と受光素子とが一体化された、いわゆるホログラムレーザ素子の固着にも適用することが可能である。
【0024】
また、上記例では、受光素子16を保持する保持部材21、あるいは、CD用半導体レーザ素子17を保持する保持部材22の両側の2箇所に紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された、例えば、アクリル系の紫外線硬化型の樹脂接着剤1を用いたが、図3及び図4に示すように、上記保持部材21及び保持部材22に塗着された上記紫外線硬化型の樹脂接着剤1の両外側の2箇所に、更に、紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合されていない、例えば、アクリル系の紫外線硬化型の樹脂接着剤50を塗布し、再度紫外線を照射して上記紫外線硬化型の樹脂接着剤50を固着させるようにしてもよい。これにより、接着力を更に高めることが可能となる。
なお、紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型の樹脂接着剤1と紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合されていない紫外線硬化型の樹脂接着剤50とを同時に固着させてもよいし、これらの接着剤1,50の塗布順や塗布位置を任意に変更してもよい。
【0025】
また、上記例では、無機化合物粉末の粒子形状を破砕形状としたが、一般には、破砕形状の粒子は表面の凹凸が激しく、樹脂接着剤の硬化時や硬化後における流動や変形を効果的に抑制するという利点はあるが、硬化前の液状時には流動性が若干乏しいことから、ディスペンサによりシリンダから吐出させる場合には、その混合比率を20重量%以下にすると取扱いやすい。但し、無機化合物粉末を混合した樹脂接着剤の流動性は、樹脂接着剤の初期の粘度や無機化合物の密度によって異なるため、上記混合比率は扱い方に応じた目安として考えればよい。また、上記破砕粒子は、ブロック状の塊から粉砕して得られたものであってもよいし、繊維状の長片から粉砕して得られたものでもよい。
【0026】
また、粒子形状として上記破砕形状に代えて球形状の無機化合物粉末を用いてもよい。これにより、無機化合物の混合比率を高めた上で未硬化の樹脂接着剤の流動性も高めることができるので、シリンダからの吐出も容易になるとともに、加熱時効処理における樹脂接着剤の変形を効果的に抑制することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、受光素子または発光素子を保持する保持部材と光学シャシとの間に移動調整用の隙間を設け、上記隙間に紫外線硬化型の樹脂接着剤を塗布して上記保持部材を上記光学シャシへ固着する際に、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤として紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型の樹脂接着剤を用いたので、受光素子または発光素子を光学シャシへ安定的に固着することができる。したがって、光ディスクからのレーザ反射光の検知部上での位置ずれを抑制することができ、加熱時効処理過程を行うことなく、経時変化の少ない光ピックアップ装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光ピックアップ装置の主要部品の配置を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る保持部材の固着方法を示す図である。
【図3】本発明に係る光ピックアップ装置の主要部品の配置を示す図である。
【図4】本発明に係る保持部材の固着方法の他の例を示す図である。
【図5】従来の光ピックアップ装置の主要部品の配置を示す図である。
【図6】従来の保持部材の固着方法を示す図である。
【図7】受光素子及び発光素子の位置決め方法を示す図である。
【符号の説明】
1 紫外線を透過させる無機化合物粉末を混合した紫外線硬化型の樹脂接着剤、10 光ピックアップ装置、11 光学シャシ、12 DVD用半導体レーザ素子、13 ダイクロイックプリズム、14 ハーフミラー、15 立ち上げミラー、16 受光素子、16D 受光素子16の検知部、16a,16b,16c,16d 検知セル、17 CD用半導体レーザ素子、18 回折格子、19 ピット列、21 受光素子の保持部材、21s 位置調整用の隙間、22 CD用半導体レーザ素子保持部材、22s 位置調整用の隙間、50 紫外線硬化型の樹脂接着剤。
Claims (6)
- 受光素子または発光素子を保持する保持部材と光学シャシとの間に位置調整用の隙間を設け、上記隙間に紫外線硬化型の樹脂接着剤を塗布して上記保持部材を上記光学シャシへ固着する光学部品の固定方法において、上記紫外線硬化型の樹脂接着剤として紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型の樹脂接着剤を用いたことを特徴とする光学部品の固定方法。
- 受光素子または発光素子を保持する保持部材と光学シャシとの間に位置調整用の隙間を設け、上記隙間に紫外線硬化型の樹脂接着剤を塗布して上記保持部材を上記光学シャシへ固着する光学部品の固定方法において、紫外線を透過させる無機化合物粉末が混合された紫外線硬化型の樹脂接着剤と上記無機化合物粉末が混合されていない紫外線硬化型の樹脂接着剤とを上記隙間に別個に塗布して、上記保持部材を上記光学シャシへ固着するようにしたことを特徴とする光学部品の固定方法。
- 上記無機化合物粉末の粒径を、上記隙間の大きさの略半分以下の大きさとするとともに、上記無機化合物粉末の含有量を5〜40重量%としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学部品の固定方法。
- 上記紫外線硬化型の樹脂接着剤にガラスを混合したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光学部品の固定方法。
- 上記無機化合物粉末の粒子形状を略破砕形状としたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光学部品の固定方法。
- 上記無機化合物粉末の粒子形状を略球状としたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光学部品の固定方法。
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