JP2005031900A - 搬送監視システム、搬送システムおよび半導体製造システム - Google Patents
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Abstract
【課題】自動搬送システムにおいて、搬送車に異常が発生した時に保守員が即座に状況を把握し、異常発生からの復旧時間を短縮することができる搬送監視システム、搬送システムおよび半導体製造システムを提供する。
【解決手段】搬送車11の走行を自動追尾し搬送車11の映像を撮影するカメラ14と、カメラ14を制御するカメラコントローラ15と、カメラ14で撮影した映像を表示する映像表示装置16と、カメラ14で撮影した映像を記録する映像記録装置17などから構成され、カメラ14により搬送車11を常時監視し、搬送車11に異常が発生した場合、その異常が発生した時の映像を映像表示装置16に自動表示する。また、搬送開始から異常が発生するまでの映像を映像記録装置17に記録し、映像表示装置16に再生表示する。
【選択図】 図1
【解決手段】搬送車11の走行を自動追尾し搬送車11の映像を撮影するカメラ14と、カメラ14を制御するカメラコントローラ15と、カメラ14で撮影した映像を表示する映像表示装置16と、カメラ14で撮影した映像を記録する映像記録装置17などから構成され、カメラ14により搬送車11を常時監視し、搬送車11に異常が発生した場合、その異常が発生した時の映像を映像表示装置16に自動表示する。また、搬送開始から異常が発生するまでの映像を映像記録装置17に記録し、映像表示装置16に再生表示する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送監視システム、搬送システムおよび半導体製造システムに関し、特に工業製品の製造ラインにおける自動搬送車の稼動状況の監視に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者が検討した技術として、例えば、搬送監視システムなどにおいては、以下の技術が考えられる。
【0003】
半導体製造ラインなどにおけるクリーンルーム内の自動搬送システムの稼動状況の監視は、従来、搬送コントローラが搬送車と制御信号のやりとりをすることで行われていた。故障などの異常が搬送車に発生すると、搬送コントローラが異常を認識してエラーメッセージを表示し、または指定された他のシステムにエラーメッセージを報告する。異常の発生を知った保守員は、エラーメッセージを見てシステムの状態を推測し、近傍の作業者に連絡をとって状況を確認したり、故障などの異常が発生した場所へ行ったりして異常現象の把握を行って、復旧作業を実施していた。
【0004】
また、自動搬送車の遠隔監視システムとして、生産現場に必要数設置したカメラにより自動搬送車の運行状態を撮影してモニタ室へ送り、トラブル発生時にトラブルが発生した搬送車の映像をモニタしてトラブルを短時間で復旧する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−41145号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のような搬送監視システムなどの技術について、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
【0007】
例えば、製造ラインの自動化が進み、また、製造ラインの規模が大きくなると、搬送システムの異常を示すエラーメッセージを保守員が受け取ってから異常現象を把握するまでの時間が長くなり、搬送システムの復旧時間が長くなってしまう。
【0008】
また、対応可能なトラブルは、搬送車が異常停止したことのみであり、通常の搬送動作とは異なる異常現象、例えば、動作遅延、動作異常などの異常を認識することができない。また、カメラで走行状態を監視するために、搬送車の走行経路をあらかじめ記憶させておかなければならない。また、カメラで捉えた走行映像を記録する装置が組み込まれていないため、トラブル発生の前後の状況をトラブル発生後に確認することができない。また、過去のトラブル映像を参照し、再発トラブルであるか否かの確認を映像からとることができない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、自動搬送システムにおいて、搬送車に異常が発生した時に保守員が即座に状況を把握し、異常発生からの復旧時間を短縮することができる搬送監視システム、搬送システムおよび半導体製造システムを提供するものである。
【0010】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0012】
(1)本発明による搬送監視システムは、搬送車(車輪を備えない搬送装置も含む)の映像を撮影するカメラと、カメラを制御するカメラコントローラと、カメラで撮影した映像を表示する映像表示装置と、カメラで撮影した映像を記録する映像記録装置などから構成され、カメラにより搬送車を常時監視し、搬送車に異常が発生した場合、その異常が発生した時の映像を映像表示装置に自動表示するものである。
【0013】
(2)前記(1)の搬送監視システムは、さらに、カメラで撮影した映像から画像処理により搬送車を認識し、搬送車の走行をカメラに自動追尾させるものである。
【0014】
(3)前記(2)の搬送監視システムは、さらに、複数のカメラで連携をとって搬送車の走行を画像認識により連続的に監視するものである。
【0015】
(4)前記(2)、(3)の搬送監視システムは、さらに、搬送車に異常が発生した場合、搬送開始から異常が発生するまで、あるいは異常が解除されるまで、あるいはシステムが復旧するまでの映像を映像記録装置に記録するものである。
【0016】
(5)前記(4)の搬送監視システムは、さらに、映像記録装置に記録された映像を映像表示装置に再生表示するものである。
【0017】
(6)前記(1)〜(5)の搬送監視システムは、さらに、搬送車に異常が発生した場合、エラーメッセージ、エラーメッセージの付帯情報および異常が発生した時の映像を映像表示装置に表示するものである。
【0018】
(7)本発明による搬送システムは、前記(1)〜(6)の搬送監視システムを備えるものである。
【0019】
(8)本発明による半導体製造システムは、前記(1)〜(6)の搬送監視システムを備えるものである。
【0020】
よって、前記(1)〜(6)の搬送監視システム、前記(7)の搬送システムおよび前記(8)の半導体製造システムによれば、搬送車に異常が発生した時に保守員が即座に状況を把握し、異常発生からの復旧時間を短縮することができる。また、異常発生時の映像を記録に残せるため、原因究明が短時間で正確にできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0022】
図1は本発明の一実施の形態の搬送監視システムの構成を示すブロック図、図2は本実施の形態の搬送監視システムを備えた搬送システムの構成を示す斜視図、図3は本実施の形態の搬送監視システムを備えた半導体製造システムの構成を示す平面図である。
【0023】
まず、図1により、本実施の形態の搬送監視システムの構成の一例を説明する。本実施の形態の搬送監視システムは、例えば半導体製造ラインにおけるクリーンルーム内の自動搬送システムなどに適用され、複数の搬送車11を制御する搬送コントローラ12,13と、搬送車11の映像を撮影する複数のカメラ14と、カメラ14を制御するカメラコントローラ15と、カメラ14で撮影した映像を表示する映像表示装置16と、カメラ14で撮影した映像を記録する映像記録装置17と、搬送監視システム本体18などから構成される。なお、搬送車11またはカメラ14は1つでもよく、搬送コントローラ12,13、カメラコントローラ15、映像表示装置16または映像記録装置17は複数でもよい。
【0024】
搬送コントローラ12と搬送コントローラ13と搬送監視システム本体18とはLAN(Local Area Network)19により接続されており、搬送コントローラ13と搬送車11とはLAN20により接続されており、カメラ14とカメラコントローラ15とは例えばアナログのケーブルにより接続されており、カメラコントローラ15と映像表示装置16と映像記録装置17とは搬送監視システム本体18と接続されている。
【0025】
搬送コントローラ12は、軌道上を自動走行するRGV(Rail Guided Vehicle)と呼ばれる搬送車、無軌道上を自動走行するAGV(Automatic Guided Vehicle)と呼ばれる搬送車、あるいは天井搬送方式の一つであるOHT(Over−head Hoist transport)、あるいはOHS(Over−head Shuttle)などのクリーンルーム内にある数種類の搬送車を総合的に制御するものである。
【0026】
搬送コントローラ13は、例えばRGVなどの一部の搬送車を部分的に制御するものである。
【0027】
搬送車11は、例えばRGVと呼ばれる有軌道搬送車であるが、AGVやOHTであってもよく、また、床走行型の搬送車のほか、天井走行型の搬送車などであってもよい。
【0028】
カメラ14は、クリーンルーム内の天井や壁などに設置された可動式カメラである。
【0029】
カメラコントローラ15は、カメラ14の向き・ズームなどを制御し、また、映像信号を受信する装置である。
【0030】
映像表示装置16は、カメラ14で撮影した映像を映し出すためのモニタディスプレイなどであり、一般に複数箇所に設置される。
【0031】
映像記録装置17は、カメラ14で撮影した映像を記録するためのレコーダなどである。
【0032】
搬送監視システム本体18は、カメラ14で撮影した映像から搬送車11を認識したり、カメラコントローラ15や映像記録装置17などへの制御指示を行ったりするものであり、制御部とデータベースなどから構成されている。当該制御部は、例えば次の機能を有する。
【0033】
(1)カメラ14およびカメラコントローラ15により搬送車11を常時監視し、搬送車11の異常を知らせるエラーメッセージを搬送コントローラ12,13から受信した場合、異常が発生した時の搬送車11の映像を映像表示装置16に自動表示する。
【0034】
(2)カメラ14で撮影した映像から画像処理により搬送車11を認識し、搬送車の走行をカメラ14に自動追尾させる。
【0035】
(3)複数のカメラ14で連携をとって搬送車11の走行を画像認識により連続的に監視する。
【0036】
(4)搬送車11の異常を知らせるエラーメッセージを搬送コントローラ12,13から受信した場合、搬送開始から異常が発生するまで、あるいは異常が解除されるまで、あるいはシステムが復旧するまでの搬送車11の映像を映像記録装置17に記録する。
【0037】
(5)映像記録装置17に記録された映像をプレイバック機能により映像表示装置16に再生表示する。
【0038】
(6)搬送車11の異常を知らせるエラーメッセージを搬送コントローラ12,13から受信した場合、エラーメッセージ、エラーメッセージの付帯情報および異常が発生した時の搬送車11の映像を映像表示装置16に表示する。
【0039】
(7)カメラ14およびカメラコントローラ15により搬送車11を常時監視し、カメラ14により撮影された映像により搬送車11に異常が発生したことを認識した場合、異常が発生した時の搬送車11の映像を映像表示装置16に自動表示する。搬送車11に異常が発生したことは、通常より搬送時間が長くかかった場合、搬送先へ向かう途中で一定時間以上停止した場合、または、搬送元若しくは搬送先で搬送物の受け渡しに一定時間以上を要した場合などに認識される。
【0040】
(8)前記(7)によりカメラ14により撮影された映像により搬送車11に異常が発生したことを認識した場合、搬送開始から異常が発生するまで、あるいは異常が解除されるまで、あるいはシステムが復旧するまでの搬送車11の映像を映像記録装置17に記録する。
【0041】
次に、図1により、本実施の形態の搬送監視システムの動作を説明する。搬送コントローラ12,13から搬送車11へ搬送の指示が出されると、カメラ14で搬送車11を撮影し、撮影した映像を基に搬送監視システム本体18で画像認識により搬送車11を固体認識し、搬送車11の現在位置を確認する。そして、カメラ14は、搬送車11の自動追尾を開始して搬送終了まで画像追尾を続ける。
【0042】
搬送開始の認識は、搬送コントローラ12,13から信号を受け取って認識をしてもよく、カメラ14で撮影した映像から搬送車11の走行開始を認識してもよい。
【0043】
あるカメラ14の撮影領域の外へ搬送車11が移動した場合は、次の領域をカバーするカメラ14へ映像を切り替え、継続して自動追尾を続ける。この時、自動追尾は、1台のカメラではなく、複数のカメラ14がカメラコントローラ15の指示により連携をとって、連続して追尾してもよい。また、複数のカメラ14による自動追尾は、不連続であってカメラ切り替え時にいわゆる死角があってもよい。この場合は、次のカメラは搬送車11がまもなく来るであろうことを予測して待機し、搬送車11が画像内に入ってきた時点で画像認識によって搬送車11を固体認識する。
【0044】
搬送監視システム本体18は、搬送コントローラ12,13から搬送車11の異常を知らせるエラーメッセージを受信すると、カメラ14でズームインまたはズームアウトをして異常発生時の搬送車11の状態を捉え、その時の映像を映像表示装置16に表示する。この時、映像とともに、エラーメッセージとその付帯情報(搬送指示情報、搬送元、搬送先、装置の状態など)を映像表示装置16に表示する。
【0045】
また、搬送開始から異常発生までの映像または復旧までの映像を映像記録装置17に記録する。そして、搬送監視システム本体18内のプレイバック(再生)機能を利用して、映像記録装置17に記録した搬送車11の映像を必要に応じて映像表示装置16に再生表示する。
【0046】
搬送コントローラ12,13からエラーメッセージを受信しなくても、撮影した映像から動作遅延などの異常状態を認識した場合、同様にしてカメラ14でズームインまたはズームアウトをして搬送車11の状態を捉え、その時の映像を映像表示装置16に表示する。そして、搬送監視システム本体18内のプレイバック(再生)機能を利用して、映像記録装置17に記録した搬送車11の映像を必要に応じて映像表示装置16に再生表示する。この場合の異常としては、次のようなものがある。
【0047】
(1)通常より搬送時間が長くかかった場合。
【0048】
(2)搬送先へ向かう途中で一定時間以上停止した場合。
【0049】
(3)搬送元、搬送先で搬送物の受け渡しに一定時間以上を要した場合。
【0050】
例えば、搬送車11が動作遅延して自動的に搬送完了した場合なども映像記録装置17に記録を残す。
【0051】
また、異常の内容によって情報を分類し、撮影した映像の画像データとともに、搬送監視システム本体18内のデータベースに情報を記録する。記録された異常情報(異常の内容、異常発生時刻、異常発生場所など)および画像データは、検索機能によって、LAN19を介して他のコンピュータから確認することができるようにする。
【0052】
次に、図2により、前記実施の形態の搬送監視システムを備えた搬送システムについて説明する。本実施の形態の搬送システムは、例えばRGVと呼ばれる有軌道自動搬送車を使用した搬送システムであり、1つまたは複数(図2では2つ)の搬送車11と、搬送レール21と、1つまたは複数(図2では2つ)のストッカBSと、前記実施の形態の搬送監視システムなどから構成される。半導体製造ラインにおけるクリーンルーム内の天井23に前記実施の形態の搬送監視システムのカメラ14が設置されている。2つのストッカBSの間には1本の搬送レール21が敷設され、この搬送レール21上には2つの搬送車11が配置されている。また、2つのストッカBSの間には、複数(図2では8つ)の製造装置EQが配置されている。
【0053】
製造装置EQは、例えば半導体装置を製造するための処理装置または検査装置である。ストッカBSは、処理対象・搬送物であるウェハなどを一時的に保管するものである。
【0054】
搬送車11は、搬送コントローラ12,13の指示を受けて、ストッカBSと製造装置EQとの間でウェハが格納されているキャリア22を搬送する。そして、カメラ14により搬送車11の走行を追尾し監視する。搬送車11に異常が発生した場合、あるいは搬送車11と製造装置EQとの間でキャリア22を受け渡す際に異常が発生した場合は、前記実施の形態の搬送監視システムにより、その映像を表示・記録する。
【0055】
次に、図3により、前記実施の形態の搬送監視システムを備えた半導体製造システムについて説明する。本実施の形態の半導体製造システムは、例えばクリーンルームCR内に設置され、複数の製造装置EQと、複数のストッカBSと、複数の搬送車11と、複数の搬送レール21と、前記実施の形態の搬送監視システムなどからなる。クリーンルームCR内には、図2に示した搬送システムと製造装置EQとが配列され、全体で半導体製造システムを構成している。
【0056】
半導体装置の製造に用いられる熱処理装置、イオン注入装置、エッチング装置、成膜装置、洗浄装置、フォトレジスト塗布装置、露光装置などの各種の製造装置EQ(検査装置を含む)は、複数のベイ(装置群)に分けられてクリーンルームCR内に配置されている。これら各種の製造装置EQは、それぞれウェハに処理を施すものである。そして、クリーンルームCR内の搬送システムは、この配置に対応し、各搬送システムおよびそれらを中継するストッカBSによって構成されている。
【0057】
各ストッカBSの間における、ウェハが格納されているキャリア22の搬送は、クリーンルームCR内に設置した搬送システムによって行われる。一方、製造装置EQに関係するウェハが格納されたキャリア22の搬送は、クリーンルームCRに敷設した搬送レール21上を走行する搬送車(RGV)11によって行われる。搬送レール21は、2つの搬送車11で共用されている。搬送車11は、搬送車11と接続された搬送コントローラ12,13によって稼動状態が制御されている。
【0058】
クリーンルームCR内の天井には、複数のカメラ14が設置され、前記実施の形態の搬送監視システムにより、搬送車11の稼動状況が監視される。
【0059】
したがって、本実施の形態の搬送監視システム、搬送システムおよび半導体製造システムによれば、異常発生時に異常発生場所へ行かなくても、異常の状況を映像で確認することが可能となり、また、搬送車の動きを映像で確実に捉えているため、異常発生の前後の状況を含めて確認が正確かつ容易となり、搬送システムの異常発生からの復旧時間を短縮することができる。
【0060】
また、異常発生時の映像を記録に残すことができるため、従来は再現実験が困難で原因の特定が困難であった搬送トラブルに関しても、原因究明が短時間でかつ正確にできるようになる。
【0061】
また、搬送コントローラが異常として認識しなくても、動作遅延や動作異常のような異常現象を映像から認識し、保守員に知らせるとともに記録に残すことができる。
【0062】
また、製造ラインの生産性向上を図ることができ、スループット向上、さらにはTAT短縮の効果が得られる。
【0063】
また、過去のトラブルを正確に分類・来歴管理することができ、それを参照することにより、再発トラブルに対して、搬送システムの改善や運用方法の改善を効果的に実施することが可能になる。
【0064】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0065】
例えば、前記実施の形態においては、半導体製造ラインに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、液晶製造ラインなどについても適用可能であり、特に自動化された製造ラインの搬送システムには有効である。例えば、安全のため自動搬送車の走行域に作業者(人)が入れないような構造になっている製造ラインやそこに導入された高速走行自動搬送システムでは、最も効果が大きい。
【0066】
また、搬送監視システム本体18は、搬送コントローラ12,13と必ずしも接続されていなくてもよく、すべての搬送状態を映像のみで監視するようにしてもよい。
【0067】
また、カメラによる映像監視と同時に、マイクによる音声監視をすることによって、トラブル発生時の異常音を記録に残すことも可能である。
【0068】
また、搬送監視システムの映像をもとに、停止した搬送車の復旧信号を搬送コントローラ12,13から自動的に送出したり、搬送コントローラ12,13の端末から復旧信号を送出することによって、復旧作業を自動操作または遠隔操作で行うことも可能である。
【0069】
また、人が近くで監視することができない、あるいは搬送システムの規模に対して監視人員が少ないような産業の製造ラインにおいて、本発明による遠隔監視技術を応用することができる。
【0070】
また、搬送中に異常が発生した時にのみ映像を記録するのではなく、正常に搬送されている場合についても映像や音声を記録に残すことにより、搬送車の動作状態の経時変化や経時劣化などを分析し、予防保全に適用することができる。
【0071】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0072】
(1)異常発生時に異常発生場所へ行かなくても、異常の状況を映像で確認することが可能となり、搬送システムの異常発生からの復旧時間を短縮することができる。
【0073】
(2)異常発生時の映像を記録に残すことができるため、搬送システムの異常の原因究明が短時間でかつ正確にできるようになる。
【0074】
(3)搬送コントローラが異常として認識しなくても、動作遅延や動作異常のような異常現象を映像から認識し、保守員に知らせるとともに記録に残すことができる。
【0075】
(4)製造ラインの生産性向上を図ることができ、スループット向上、さらにはTAT短縮の効果が得られる。
【0076】
(5)過去のトラブルを正確に分類・来歴管理することができ、搬送システムの改善や運用方法の改善を効果的に実施することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である搬送監視システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態である搬送監視システムを備えた搬送システムの構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態である搬送監視システムを備えた半導体製造システムの構成を示す平面図である。
【符号の説明】
11 搬送車
12,13 搬送コントローラ
14 カメラ
15 カメラコントローラ
16 映像表示装置
17 映像記録装置
18 搬送監視システム本体
19,20 LAN
21 搬送レール
22 キャリア
23 天井
BS ストッカ
CR クリーンルーム
EQ 製造装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送監視システム、搬送システムおよび半導体製造システムに関し、特に工業製品の製造ラインにおける自動搬送車の稼動状況の監視に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者が検討した技術として、例えば、搬送監視システムなどにおいては、以下の技術が考えられる。
【0003】
半導体製造ラインなどにおけるクリーンルーム内の自動搬送システムの稼動状況の監視は、従来、搬送コントローラが搬送車と制御信号のやりとりをすることで行われていた。故障などの異常が搬送車に発生すると、搬送コントローラが異常を認識してエラーメッセージを表示し、または指定された他のシステムにエラーメッセージを報告する。異常の発生を知った保守員は、エラーメッセージを見てシステムの状態を推測し、近傍の作業者に連絡をとって状況を確認したり、故障などの異常が発生した場所へ行ったりして異常現象の把握を行って、復旧作業を実施していた。
【0004】
また、自動搬送車の遠隔監視システムとして、生産現場に必要数設置したカメラにより自動搬送車の運行状態を撮影してモニタ室へ送り、トラブル発生時にトラブルが発生した搬送車の映像をモニタしてトラブルを短時間で復旧する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−41145号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のような搬送監視システムなどの技術について、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
【0007】
例えば、製造ラインの自動化が進み、また、製造ラインの規模が大きくなると、搬送システムの異常を示すエラーメッセージを保守員が受け取ってから異常現象を把握するまでの時間が長くなり、搬送システムの復旧時間が長くなってしまう。
【0008】
また、対応可能なトラブルは、搬送車が異常停止したことのみであり、通常の搬送動作とは異なる異常現象、例えば、動作遅延、動作異常などの異常を認識することができない。また、カメラで走行状態を監視するために、搬送車の走行経路をあらかじめ記憶させておかなければならない。また、カメラで捉えた走行映像を記録する装置が組み込まれていないため、トラブル発生の前後の状況をトラブル発生後に確認することができない。また、過去のトラブル映像を参照し、再発トラブルであるか否かの確認を映像からとることができない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、自動搬送システムにおいて、搬送車に異常が発生した時に保守員が即座に状況を把握し、異常発生からの復旧時間を短縮することができる搬送監視システム、搬送システムおよび半導体製造システムを提供するものである。
【0010】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0012】
(1)本発明による搬送監視システムは、搬送車(車輪を備えない搬送装置も含む)の映像を撮影するカメラと、カメラを制御するカメラコントローラと、カメラで撮影した映像を表示する映像表示装置と、カメラで撮影した映像を記録する映像記録装置などから構成され、カメラにより搬送車を常時監視し、搬送車に異常が発生した場合、その異常が発生した時の映像を映像表示装置に自動表示するものである。
【0013】
(2)前記(1)の搬送監視システムは、さらに、カメラで撮影した映像から画像処理により搬送車を認識し、搬送車の走行をカメラに自動追尾させるものである。
【0014】
(3)前記(2)の搬送監視システムは、さらに、複数のカメラで連携をとって搬送車の走行を画像認識により連続的に監視するものである。
【0015】
(4)前記(2)、(3)の搬送監視システムは、さらに、搬送車に異常が発生した場合、搬送開始から異常が発生するまで、あるいは異常が解除されるまで、あるいはシステムが復旧するまでの映像を映像記録装置に記録するものである。
【0016】
(5)前記(4)の搬送監視システムは、さらに、映像記録装置に記録された映像を映像表示装置に再生表示するものである。
【0017】
(6)前記(1)〜(5)の搬送監視システムは、さらに、搬送車に異常が発生した場合、エラーメッセージ、エラーメッセージの付帯情報および異常が発生した時の映像を映像表示装置に表示するものである。
【0018】
(7)本発明による搬送システムは、前記(1)〜(6)の搬送監視システムを備えるものである。
【0019】
(8)本発明による半導体製造システムは、前記(1)〜(6)の搬送監視システムを備えるものである。
【0020】
よって、前記(1)〜(6)の搬送監視システム、前記(7)の搬送システムおよび前記(8)の半導体製造システムによれば、搬送車に異常が発生した時に保守員が即座に状況を把握し、異常発生からの復旧時間を短縮することができる。また、異常発生時の映像を記録に残せるため、原因究明が短時間で正確にできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0022】
図1は本発明の一実施の形態の搬送監視システムの構成を示すブロック図、図2は本実施の形態の搬送監視システムを備えた搬送システムの構成を示す斜視図、図3は本実施の形態の搬送監視システムを備えた半導体製造システムの構成を示す平面図である。
【0023】
まず、図1により、本実施の形態の搬送監視システムの構成の一例を説明する。本実施の形態の搬送監視システムは、例えば半導体製造ラインにおけるクリーンルーム内の自動搬送システムなどに適用され、複数の搬送車11を制御する搬送コントローラ12,13と、搬送車11の映像を撮影する複数のカメラ14と、カメラ14を制御するカメラコントローラ15と、カメラ14で撮影した映像を表示する映像表示装置16と、カメラ14で撮影した映像を記録する映像記録装置17と、搬送監視システム本体18などから構成される。なお、搬送車11またはカメラ14は1つでもよく、搬送コントローラ12,13、カメラコントローラ15、映像表示装置16または映像記録装置17は複数でもよい。
【0024】
搬送コントローラ12と搬送コントローラ13と搬送監視システム本体18とはLAN(Local Area Network)19により接続されており、搬送コントローラ13と搬送車11とはLAN20により接続されており、カメラ14とカメラコントローラ15とは例えばアナログのケーブルにより接続されており、カメラコントローラ15と映像表示装置16と映像記録装置17とは搬送監視システム本体18と接続されている。
【0025】
搬送コントローラ12は、軌道上を自動走行するRGV(Rail Guided Vehicle)と呼ばれる搬送車、無軌道上を自動走行するAGV(Automatic Guided Vehicle)と呼ばれる搬送車、あるいは天井搬送方式の一つであるOHT(Over−head Hoist transport)、あるいはOHS(Over−head Shuttle)などのクリーンルーム内にある数種類の搬送車を総合的に制御するものである。
【0026】
搬送コントローラ13は、例えばRGVなどの一部の搬送車を部分的に制御するものである。
【0027】
搬送車11は、例えばRGVと呼ばれる有軌道搬送車であるが、AGVやOHTであってもよく、また、床走行型の搬送車のほか、天井走行型の搬送車などであってもよい。
【0028】
カメラ14は、クリーンルーム内の天井や壁などに設置された可動式カメラである。
【0029】
カメラコントローラ15は、カメラ14の向き・ズームなどを制御し、また、映像信号を受信する装置である。
【0030】
映像表示装置16は、カメラ14で撮影した映像を映し出すためのモニタディスプレイなどであり、一般に複数箇所に設置される。
【0031】
映像記録装置17は、カメラ14で撮影した映像を記録するためのレコーダなどである。
【0032】
搬送監視システム本体18は、カメラ14で撮影した映像から搬送車11を認識したり、カメラコントローラ15や映像記録装置17などへの制御指示を行ったりするものであり、制御部とデータベースなどから構成されている。当該制御部は、例えば次の機能を有する。
【0033】
(1)カメラ14およびカメラコントローラ15により搬送車11を常時監視し、搬送車11の異常を知らせるエラーメッセージを搬送コントローラ12,13から受信した場合、異常が発生した時の搬送車11の映像を映像表示装置16に自動表示する。
【0034】
(2)カメラ14で撮影した映像から画像処理により搬送車11を認識し、搬送車の走行をカメラ14に自動追尾させる。
【0035】
(3)複数のカメラ14で連携をとって搬送車11の走行を画像認識により連続的に監視する。
【0036】
(4)搬送車11の異常を知らせるエラーメッセージを搬送コントローラ12,13から受信した場合、搬送開始から異常が発生するまで、あるいは異常が解除されるまで、あるいはシステムが復旧するまでの搬送車11の映像を映像記録装置17に記録する。
【0037】
(5)映像記録装置17に記録された映像をプレイバック機能により映像表示装置16に再生表示する。
【0038】
(6)搬送車11の異常を知らせるエラーメッセージを搬送コントローラ12,13から受信した場合、エラーメッセージ、エラーメッセージの付帯情報および異常が発生した時の搬送車11の映像を映像表示装置16に表示する。
【0039】
(7)カメラ14およびカメラコントローラ15により搬送車11を常時監視し、カメラ14により撮影された映像により搬送車11に異常が発生したことを認識した場合、異常が発生した時の搬送車11の映像を映像表示装置16に自動表示する。搬送車11に異常が発生したことは、通常より搬送時間が長くかかった場合、搬送先へ向かう途中で一定時間以上停止した場合、または、搬送元若しくは搬送先で搬送物の受け渡しに一定時間以上を要した場合などに認識される。
【0040】
(8)前記(7)によりカメラ14により撮影された映像により搬送車11に異常が発生したことを認識した場合、搬送開始から異常が発生するまで、あるいは異常が解除されるまで、あるいはシステムが復旧するまでの搬送車11の映像を映像記録装置17に記録する。
【0041】
次に、図1により、本実施の形態の搬送監視システムの動作を説明する。搬送コントローラ12,13から搬送車11へ搬送の指示が出されると、カメラ14で搬送車11を撮影し、撮影した映像を基に搬送監視システム本体18で画像認識により搬送車11を固体認識し、搬送車11の現在位置を確認する。そして、カメラ14は、搬送車11の自動追尾を開始して搬送終了まで画像追尾を続ける。
【0042】
搬送開始の認識は、搬送コントローラ12,13から信号を受け取って認識をしてもよく、カメラ14で撮影した映像から搬送車11の走行開始を認識してもよい。
【0043】
あるカメラ14の撮影領域の外へ搬送車11が移動した場合は、次の領域をカバーするカメラ14へ映像を切り替え、継続して自動追尾を続ける。この時、自動追尾は、1台のカメラではなく、複数のカメラ14がカメラコントローラ15の指示により連携をとって、連続して追尾してもよい。また、複数のカメラ14による自動追尾は、不連続であってカメラ切り替え時にいわゆる死角があってもよい。この場合は、次のカメラは搬送車11がまもなく来るであろうことを予測して待機し、搬送車11が画像内に入ってきた時点で画像認識によって搬送車11を固体認識する。
【0044】
搬送監視システム本体18は、搬送コントローラ12,13から搬送車11の異常を知らせるエラーメッセージを受信すると、カメラ14でズームインまたはズームアウトをして異常発生時の搬送車11の状態を捉え、その時の映像を映像表示装置16に表示する。この時、映像とともに、エラーメッセージとその付帯情報(搬送指示情報、搬送元、搬送先、装置の状態など)を映像表示装置16に表示する。
【0045】
また、搬送開始から異常発生までの映像または復旧までの映像を映像記録装置17に記録する。そして、搬送監視システム本体18内のプレイバック(再生)機能を利用して、映像記録装置17に記録した搬送車11の映像を必要に応じて映像表示装置16に再生表示する。
【0046】
搬送コントローラ12,13からエラーメッセージを受信しなくても、撮影した映像から動作遅延などの異常状態を認識した場合、同様にしてカメラ14でズームインまたはズームアウトをして搬送車11の状態を捉え、その時の映像を映像表示装置16に表示する。そして、搬送監視システム本体18内のプレイバック(再生)機能を利用して、映像記録装置17に記録した搬送車11の映像を必要に応じて映像表示装置16に再生表示する。この場合の異常としては、次のようなものがある。
【0047】
(1)通常より搬送時間が長くかかった場合。
【0048】
(2)搬送先へ向かう途中で一定時間以上停止した場合。
【0049】
(3)搬送元、搬送先で搬送物の受け渡しに一定時間以上を要した場合。
【0050】
例えば、搬送車11が動作遅延して自動的に搬送完了した場合なども映像記録装置17に記録を残す。
【0051】
また、異常の内容によって情報を分類し、撮影した映像の画像データとともに、搬送監視システム本体18内のデータベースに情報を記録する。記録された異常情報(異常の内容、異常発生時刻、異常発生場所など)および画像データは、検索機能によって、LAN19を介して他のコンピュータから確認することができるようにする。
【0052】
次に、図2により、前記実施の形態の搬送監視システムを備えた搬送システムについて説明する。本実施の形態の搬送システムは、例えばRGVと呼ばれる有軌道自動搬送車を使用した搬送システムであり、1つまたは複数(図2では2つ)の搬送車11と、搬送レール21と、1つまたは複数(図2では2つ)のストッカBSと、前記実施の形態の搬送監視システムなどから構成される。半導体製造ラインにおけるクリーンルーム内の天井23に前記実施の形態の搬送監視システムのカメラ14が設置されている。2つのストッカBSの間には1本の搬送レール21が敷設され、この搬送レール21上には2つの搬送車11が配置されている。また、2つのストッカBSの間には、複数(図2では8つ)の製造装置EQが配置されている。
【0053】
製造装置EQは、例えば半導体装置を製造するための処理装置または検査装置である。ストッカBSは、処理対象・搬送物であるウェハなどを一時的に保管するものである。
【0054】
搬送車11は、搬送コントローラ12,13の指示を受けて、ストッカBSと製造装置EQとの間でウェハが格納されているキャリア22を搬送する。そして、カメラ14により搬送車11の走行を追尾し監視する。搬送車11に異常が発生した場合、あるいは搬送車11と製造装置EQとの間でキャリア22を受け渡す際に異常が発生した場合は、前記実施の形態の搬送監視システムにより、その映像を表示・記録する。
【0055】
次に、図3により、前記実施の形態の搬送監視システムを備えた半導体製造システムについて説明する。本実施の形態の半導体製造システムは、例えばクリーンルームCR内に設置され、複数の製造装置EQと、複数のストッカBSと、複数の搬送車11と、複数の搬送レール21と、前記実施の形態の搬送監視システムなどからなる。クリーンルームCR内には、図2に示した搬送システムと製造装置EQとが配列され、全体で半導体製造システムを構成している。
【0056】
半導体装置の製造に用いられる熱処理装置、イオン注入装置、エッチング装置、成膜装置、洗浄装置、フォトレジスト塗布装置、露光装置などの各種の製造装置EQ(検査装置を含む)は、複数のベイ(装置群)に分けられてクリーンルームCR内に配置されている。これら各種の製造装置EQは、それぞれウェハに処理を施すものである。そして、クリーンルームCR内の搬送システムは、この配置に対応し、各搬送システムおよびそれらを中継するストッカBSによって構成されている。
【0057】
各ストッカBSの間における、ウェハが格納されているキャリア22の搬送は、クリーンルームCR内に設置した搬送システムによって行われる。一方、製造装置EQに関係するウェハが格納されたキャリア22の搬送は、クリーンルームCRに敷設した搬送レール21上を走行する搬送車(RGV)11によって行われる。搬送レール21は、2つの搬送車11で共用されている。搬送車11は、搬送車11と接続された搬送コントローラ12,13によって稼動状態が制御されている。
【0058】
クリーンルームCR内の天井には、複数のカメラ14が設置され、前記実施の形態の搬送監視システムにより、搬送車11の稼動状況が監視される。
【0059】
したがって、本実施の形態の搬送監視システム、搬送システムおよび半導体製造システムによれば、異常発生時に異常発生場所へ行かなくても、異常の状況を映像で確認することが可能となり、また、搬送車の動きを映像で確実に捉えているため、異常発生の前後の状況を含めて確認が正確かつ容易となり、搬送システムの異常発生からの復旧時間を短縮することができる。
【0060】
また、異常発生時の映像を記録に残すことができるため、従来は再現実験が困難で原因の特定が困難であった搬送トラブルに関しても、原因究明が短時間でかつ正確にできるようになる。
【0061】
また、搬送コントローラが異常として認識しなくても、動作遅延や動作異常のような異常現象を映像から認識し、保守員に知らせるとともに記録に残すことができる。
【0062】
また、製造ラインの生産性向上を図ることができ、スループット向上、さらにはTAT短縮の効果が得られる。
【0063】
また、過去のトラブルを正確に分類・来歴管理することができ、それを参照することにより、再発トラブルに対して、搬送システムの改善や運用方法の改善を効果的に実施することが可能になる。
【0064】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0065】
例えば、前記実施の形態においては、半導体製造ラインに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、液晶製造ラインなどについても適用可能であり、特に自動化された製造ラインの搬送システムには有効である。例えば、安全のため自動搬送車の走行域に作業者(人)が入れないような構造になっている製造ラインやそこに導入された高速走行自動搬送システムでは、最も効果が大きい。
【0066】
また、搬送監視システム本体18は、搬送コントローラ12,13と必ずしも接続されていなくてもよく、すべての搬送状態を映像のみで監視するようにしてもよい。
【0067】
また、カメラによる映像監視と同時に、マイクによる音声監視をすることによって、トラブル発生時の異常音を記録に残すことも可能である。
【0068】
また、搬送監視システムの映像をもとに、停止した搬送車の復旧信号を搬送コントローラ12,13から自動的に送出したり、搬送コントローラ12,13の端末から復旧信号を送出することによって、復旧作業を自動操作または遠隔操作で行うことも可能である。
【0069】
また、人が近くで監視することができない、あるいは搬送システムの規模に対して監視人員が少ないような産業の製造ラインにおいて、本発明による遠隔監視技術を応用することができる。
【0070】
また、搬送中に異常が発生した時にのみ映像を記録するのではなく、正常に搬送されている場合についても映像や音声を記録に残すことにより、搬送車の動作状態の経時変化や経時劣化などを分析し、予防保全に適用することができる。
【0071】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0072】
(1)異常発生時に異常発生場所へ行かなくても、異常の状況を映像で確認することが可能となり、搬送システムの異常発生からの復旧時間を短縮することができる。
【0073】
(2)異常発生時の映像を記録に残すことができるため、搬送システムの異常の原因究明が短時間でかつ正確にできるようになる。
【0074】
(3)搬送コントローラが異常として認識しなくても、動作遅延や動作異常のような異常現象を映像から認識し、保守員に知らせるとともに記録に残すことができる。
【0075】
(4)製造ラインの生産性向上を図ることができ、スループット向上、さらにはTAT短縮の効果が得られる。
【0076】
(5)過去のトラブルを正確に分類・来歴管理することができ、搬送システムの改善や運用方法の改善を効果的に実施することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である搬送監視システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態である搬送監視システムを備えた搬送システムの構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態である搬送監視システムを備えた半導体製造システムの構成を示す平面図である。
【符号の説明】
11 搬送車
12,13 搬送コントローラ
14 カメラ
15 カメラコントローラ
16 映像表示装置
17 映像記録装置
18 搬送監視システム本体
19,20 LAN
21 搬送レール
22 キャリア
23 天井
BS ストッカ
CR クリーンルーム
EQ 製造装置
Claims (14)
- 搬送車を制御する搬送コントローラと、
前記搬送車の映像を撮影するカメラと、
前記カメラを制御するカメラコントローラと、
前記カメラで撮影した映像を表示する映像表示装置と、
前記カメラで撮影した映像を記録する映像記録装置と、
前記カメラコントローラの制御に基づいて前記カメラにより前記搬送車を常時監視し、前記搬送車の異常を知らせるエラーメッセージを前記搬送コントローラから受信した場合、前記異常が発生した時の前記搬送車の映像を前記映像表示装置に自動表示する手段と、
を有することを特徴とする搬送監視システム。 - 請求項1記載の搬送監視システムであって、
前記カメラで撮影した映像から画像処理により前記搬送車を認識し、前記搬送車の走行を前記カメラに自動追尾させる手段をさらに有することを特徴とする搬送監視システム。 - 請求項2記載の搬送監視システムであって、
前記カメラが複数ある場合に、前記複数のカメラで連携をとって前記搬送車の走行を画像認識により連続的に監視する手段をさらに有することを特徴とする搬送監視システム。 - 請求項2または3記載の搬送監視システムであって、
前記搬送車の異常を知らせるエラーメッセージを前記搬送コントローラから受信した場合、搬送開始から前記搬送車に異常が発生するまでの前記搬送車の映像を前記映像記録装置に記録する手段をさらに有することを特徴とする搬送監視システム。 - 請求項4記載の搬送監視システムであって、
前記映像記録装置に記録された映像を前記映像表示装置に再生表示する手段をさらに有することを特徴とする搬送監視システム。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の搬送監視システムであって、
前記搬送車の異常を知らせるエラーメッセージを前記搬送コントローラから受信した場合、前記エラーメッセージ、前記エラーメッセージの付帯情報および前記異常が発生した時の前記搬送車の映像を前記映像表示装置に表示する手段をさらに有することを特徴とする搬送監視システム。 - 搬送車の映像を撮影するカメラと、
前記カメラを制御するカメラコントローラと、
前記カメラで撮影した映像を表示する映像表示装置と、
前記カメラで撮影した映像を記録する映像記録装置と、
前記カメラコントローラの制御に基づいて前記カメラにより前記搬送車を常時監視し、前記カメラにより撮影された映像により前記搬送車に異常が発生したことを認識した場合、前記異常が発生した時の前記搬送車の映像を前記映像表示装置に自動表示する手段と、
を有することを特徴とする搬送監視システム。 - 請求項7記載の搬送監視システムであって、
前記カメラにより撮影された映像により前記搬送車に異常が発生したことは、通常より搬送時間が長くかかった場合、搬送先へ向かう途中で一定時間以上停止した場合、または搬送元若しくは搬送先で搬送物の受け渡しに一定時間以上を要した場合に認識されることを特徴とする搬送監視システム。 - 請求項7または8記載の搬送監視システムであって、
前記カメラで撮影した映像から画像処理により前記搬送車を認識し、前記搬送車の走行を前記カメラに自動追尾させる手段をさらに有することを特徴とする搬送監視システム。 - 請求項9記載の搬送監視システムであって、
前記カメラが複数ある場合に、前記複数のカメラで連携をとって前記搬送車の走行を画像認識により連続的に監視する手段をさらに有することを特徴とする搬送監視システム。 - 請求項9または10記載の搬送監視システムであって、
前記カメラにより撮影された映像により前記搬送車に異常が発生したことを認識した場合、搬送開始から前記搬送車に異常が発生するまでの前記搬送車の映像を前記映像記録装置に記録する手段をさらに有することを特徴とする搬送監視システム。 - 請求項11記載の搬送監視システムであって、
前記映像記録装置に記録された映像を前記映像表示装置に再生表示する手段をさらに有することを特徴とする搬送監視システム。 - 請求項1〜12のいずれか1項に記載の搬送監視システムを備えることを特徴とする搬送システム。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の搬送監視システムを備えることを特徴とする半導体製造システム。
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JP2003195064A JP2005031900A (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | 搬送監視システム、搬送システムおよび半導体製造システム |
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Cited By (2)
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-
2003
- 2003-07-10 JP JP2003195064A patent/JP2005031900A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7054300B2 (ja) | 2018-03-30 | 2022-04-13 | ダイハツ工業株式会社 | 部品供給システム |
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